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  • 特許-フェイスシート入りスティックケース 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-26
(45)【発行日】2022-08-03
(54)【発明の名称】フェイスシート入りスティックケース
(51)【国際特許分類】
   A45D 44/22 20060101AFI20220727BHJP
   B65D 83/08 20060101ALN20220727BHJP
【FI】
A45D44/22 C
B65D83/08 G
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021213371
(22)【出願日】2021-12-10
【審査請求日】2021-12-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520197918
【氏名又は名称】中野 廣子
(72)【発明者】
【氏名】中野 廣子
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1758367(KR,B1)
【文献】特開平10-81612(JP,A)
【文献】特開2011-015706(JP,A)
【文献】実開昭57-202966(JP,U)
【文献】特開平08-217094(JP,A)
【文献】特開2012-025480(JP,A)
【文献】登録実用新案第3137430(JP,U)
【文献】登録実用新案第3072027(JP,U)
【文献】特開平11-091802(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 44/22
B65D 83/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項4】
前記美容液含フェイスシートの素材が軟質ウレタン製である事を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のフェイスシート入りスティックケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容液を含侵したフェイスシートが封入されたケースに関する。
【背景技術】
【0002】
美容液含侵フェイスシート(以下、「フェイスシート」ともいう)は、従来から肌の保湿用やスキンケア用などとして市販されている。多くのフェイスシートでは、主に不織布の素材に液状の美容液をたっぷりと含侵し顔面に装着する事で保湿効果などを高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-15706号
【文献】実用新案登録第3072027号
【文献】特開2015-144708号
【文献】特開2009-240788号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
市販のフェイスシート入りケースからフェイスシートを取り出して顔面に装着した際、両目・鼻・口・輪郭の位置に切り込み部やくり抜き部があり、その形状を基に装着するが、前記先行技術文献ではいずれも、ケース内に残留した美容液を有効に活用できるような形状とはなっておらず、従来の個包装の大伴ケースでの使用では、開口部が広く取り出しやすい点はあり、フェイスシートを広げて顔面に装着するまでに、フェイスシートに含侵された美容液が十分過ぎる為、美容液が滴る問題がある。また、フェイスシートに吸収しきれない美容液が滴った状態のまま前後左右どのように広げればよいのか分かりづらい為手こずってしまうという問題がある。そして、フェイスシートを顔面に装着した後ケース内に残留している美容液は、本来目的の場所である顔面に塗布されるはずであるにもかかわらず有効に使用されず、結果その美容液は不要とみなし破棄されてしまうという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明にかかるフェイスシート入りスティックケースは、胴体部よりも細い先端部に第一切り込み部を有し、当該第一切り込み部よりも胴体部側に第二切り込み部を有するステッィク状のケースに美容液含侵フェイスシートが封入された事を特徴とする。
【0006】
また、本発明にかかるフェイスシート入りスティックケースは、前記フェイスシートの周辺部に突出部が設けられた事を特徴とする。
【0007】
更に、本発明にかかるフェイスシート入りスティックケースは、前記美容液含侵フェイスシートを、半分ほど折りたたんだ状態からロール状に巻かれており、前記第二切り込み部を開封すると、美容液含侵フェイスシートが取り出せる状態で封入された事を特徴とする。
【0008】
そして、本発明にかかるフェイスシート入りスティックケースは、前記美容液含侵フェイスシートの素材が軟質ウレタン製である事を特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、胴体部よりも細い先端に第一開口部があるスティック状のケースである為、フェイスシートを取り出す前に、フェイスシートに浸透し切れていない余剰の美容液をその第一開口部から流出させ、顔面に塗布する事ができる。美容液を先に塗布する事で、美容液の液だれ防止と余す事なく使いきりができる。よって本発明フェイスシート入りスティックケースはフェイスシートを取り出す前に美容液が使いきれる。従来の大判のケースに比べて開口部がスリムな為簡単に美容液が使いきる事ができる。
【0010】
更にフェイスシートの周辺部に突出部を設けた事により、フェイスシートが顔面の適切な位置に装着できる突出部が目印の役目になり難なく装着ができる。スティックケースの第二切り込み部を開封した際初めに突出部が第二開口部から露出させる。フェイスシートを取り出す時に突出部を設けたように形成した場合には、より手こずる事なく装着ができる。
【0011】
また、フェイスシートを顔面に装着する際、ロール状に収納されているフェイスシート全体の上下半分まで巻き戻した状態で、額の上部である髪の毛の生え際中心部にフェイスシート本体をあてがう事で残り半分を顎に向かって巻き下ろせれば難なく装着できる。
【0012】
また、フェイスシートの素材を軟質ウレタン製であれば、適度な弾力や伸縮もあり柔軟性に優れた素材が活かされている為、顔面に装着する際顔面によりフィットする事と液だれ防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のフェイスシート入りスティックケースの正面図
図2】本発明のフェイスシート入りスティックケースの背面図
図3】本発明のフェイスシート入りスティックケースの第一開口部が開封している状態を示す図
図4】本発明のフェイスシート入りスティックケースの第二開口部開封後突出部が露出している状態を示す図
図5】本発明のフェイスシート入りスティックケース内に封入しているフェイスシートの全体図
図6】本発明のフェイスシート入りスティックケースにフェイスシートを巻き上げたものを収納し第二切り込み部を開封した時に突出部が露出する状態を示す図
図7】本発明のフェイスシート入りスティックケースの第一開口部より美容液を顔面に塗布する状態を示す図
図8】本発明のフェイスシート入りスティックケースの第二開口部よりフェイスシートを取り出しから装着した状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のフェイスシート入りスティックケースは上部先端部が胴体部より細くなっている。その細い先端部に第一切り込み部が設けており、第一切り込み部からケース上部先端部分を切り取って第一開口部より垂れ出る美容液を塗布する事ができる。
【0015】
さらに、前記フェイスシート入りスティックケースには、第一切り込み部の胴体側下段に第二切り込み部が設けており、第二切り込み部を開封し第二開口部から、美容液含侵フェイスシート本体を取り出す事ができる。
【0016】
また、前記フェイスシート入りスティックケースに使用されるフェイスシートには、フェイスシートの周辺部に一か所突出部を有している。この突出部は前記フェイスシート入りスティックケースの第二開口部でフェイスシートを取り出す際に初めに露出する。この突出部が最初に露出する事で、顔面に装着する際、簡単に装着しやすいような目印の役割を担っている。
【0017】
そのうえ、フェイスシートの素材を軟質ウレタン製であれば、適度な弾力や伸縮もあり柔軟性に優れた素材が活かされている為、顔面に装着する際、顔面に、よりフィットする事と液だれ防止にできる。
【0018】
すなわち、第一切り込み部・第二切り込み部を備えた本発明のフェイスシート入りスティックケースで、第一開口部より美容液だけ塗布する事ができ、第二開口部から突出部を有したフェイスシートを取り出すことが出来たうえ、突出部が顔面に装着する時、迷わず装着でき、フェイスシートの素材をウレタン製であれば、より本来のフェイスシートの目的を適切に使用することができる。
【実施例
【0019】
本発明を図に沿って説明する。図1はフェイスシート入りスティックケースの正面図である。上部先端が細くなったスティックケース1と胴体部2と接着部3を含む。このスティックケース1はポリプロピレン延伸フィルムと未延伸ポリプロピレンフィルムをラミネートした複合フィルムで形成されているが、アルミニュウム泊と片面にポリエチレンフィルム、あるいはポリプロピレンフィルムをラミネートしたフィルム複合体などで通気不能なスティックケース1として形成することができる。その他、通気不能なPETやCPP系等でも機能的に使用してもよい。スティックケース1は主に合掌袋製法で1枚のフィルムを輪になるように接着(背貼り)した(図2の接着部3参照)後、底を点線で囲んである接着部3で接着し美容液含侵フェイスシート9と美容液を注入した後、スティックケース1の上部先端の三角形部分を点線で囲んである接着部3で接着する。そのような製法で制作されてあることから表面に接着部分が少ないためみばえが良い。
【0020】
図2はフェイスシート入りスティックケースの背面図である。ステッィクケース1の上部先端に第一切り込み部4と第一切り込み部4の胴体側下段に第二切り込み部5を有する。スティックケース1を前記説明した背貼りで筒状に形成する為点線で囲んである接着部3を接着する。その背貼り部分の上部先端に第一切り込み部4と第一切り込み部4の胴体側下段に第二切り込み部5がある。この二つの切り込み部はVノッチまたはIノッチやUノッチで形成されている。
【0021】
図3はフェイスシート入りスティックケースの第一開口部6を開封している状態を示す図である。前記第一切り込み部4はVノッチまたはIノッチやUノッチで形成してある為、指で簡単に開封することができ第一開口部6が現われる。
【0022】
図4はフェイスシート入りスティックケースの第二開口部7が開封したのち突出部8が露出している状態を示す図である。前記第二切り込み部5もVノッチまたはIノッチやUノッチで形成してある為、第一切り込み部4同様指で簡単に開封することができ第二開口部7が現われる。第二開口部7ができたことにより自ずと美容液含侵フェイスシート9本体に設けてある突出部8が先に露出する。
【0023】
図5はフェイスシート入りスティックケース内に封入している美容液含侵フェイスシート9の全体図である。美容液含侵フェイスシート9は顔面全体を覆いかぶさるくらいの大きさで、両目・鼻・口・輪郭部分に切り込みやくり抜きがある。さらに美容液含侵フェイスシート9本体の周辺部10の頭部側上部に突出部8が設けられている。また、突出部8の位置は説明するために例示したに過ぎずこれに限定されるのもではない為突出部8は美容液含侵フェイスシート9本体周辺部10であればどこでもよい。この美容液含侵フェイスシート9は主に不織布で作成されているが、軟質ウレタン製で形成されると適度な弾力や伸縮もあり柔軟性に優れた素材が活かされている為、顔面に装着する際、顔面によりフィットする事ができる。
【0024】
図6はフェイスシート入りスティックケース内に美容液含侵フェイスシート9が収納され、第二切り込み部5を開封し第二開口部7より突出部8が露出した状態を示す図(収納されたフェイスシート9を点線で示す)である。美容液含侵フェイスシート9全体の下半分を上に向かって折り、次に美容液含侵フェイスシート9本体上部に設けている突出部8を起点に左から右に折った状態からロール状に巻き上げるとスティックケース1に収まるサイズになり突出部8が出るように封入すると突出部8が第二開口部7に丁度露出するように形成されている。また、左から右にロール状に巻く作業は方向の説明をする為に例示したに過ぎず逆から巻くこともあり得る。または美容液含侵フェイスシート9全体の下半分を上に向かって折った状態から、さらに折ることなくロール状に巻かれているものも含み、また、美容液含侵フェイスシート9全体を上下方向1/3に折ってからロール状に巻いてもよい。以上のように巻かれた状態で最終的にスティックケース1に収まるサイズになり、突出部8が出るように封入できればよい。
【0025】
図7はフェイスシート入りスティックケースの第一開口部6より美容液を顔面に塗布する状態を示す図である。スティックケース1の第一切り込み部4を開封し第一開口部6をつくり、スティックケース1を顔面に向かって美容液が滴り落ちてくるくらいに傾け塗布する。
【0026】
図8はフェイスシート入りスティックケースの第二開口部7より美容液含侵フェイスシート9取り出しから装着した状態を示す図である。スティックケース1の第二開口部7より突出部8が露出している状態から美容液含侵フェイスシート9を取り出す。取り出した美容液含侵フェイスシート9はロール状に巻かれている為先ずは美容液含侵フェイスシート9を巻かれている部分を巻き戻しして美容液含侵フェイスシート9の下半分を上に向かって折った状態まで巻き広げ突出部8が上部中央にある事が分かる半円状態で突出部8を額と髪の毛の生え際中央にあてがい顔面上半分を装着させる。その状態から下半分を顎に向かって折り戻すと顔面全体に覆いかぶさるように装着できる。さらに、顔面にしっかり覆いかぶさるように指で輪郭に沿って微調整をしながら整える。
【産業上の利用可能性】
【0027】
日常のスキンケアの一環として近年美容液含侵フェイスシートの使用は盛んになってきており、個包装から大容量タイプも市販されている。しかし、個包装でもまだまだ、一つの面積がとても大きい。そこで、本発明は、コンパクトでスティックタイプでありながら、陳列棚でも省スペースに置け、多種類の化粧道具やスキンケア等を日頃持ち運ぶのにフェイスシート入りスティックケースは場所や状況にあった形状の為携帯しやすく、売り手も買い手にとっても収納に便利。すなわち、本発明は、コンパクトなのに機能に優れた個包装だから衛生面でも安心、尚且つ、従来の大判タイプの個包装に比べ制作段階でのCO2削減と使用後のごみの排出量削減にもなる。
【符号の説明】
【0028】
1 スティックケース
2 胴体部
3 接着部
4 第一切り込み部
5 第二切り込み部
6 第一開口部
7 第二開口部
8 突出部
9 美容液含侵フェイスシート
10 周辺部
【要約】
【課題】美容液含侵フェイスシートをケースから取り出す前に、ケース内に溜まった余剰の美容液を第一開口部から顔面に塗布する事によりフェイスシートに吸収しきれなかった美容液を捨てる事なく有効に使用でき、本来封入されている美容液全てを顔面に塗布できるケースと容易にフェイスシートを取り出せるケースに合った突出部を設けたフェイスシート入りスティックケースを提供する。
【解決手段】胴体部よりも細い先端部に第一切り込み部を有し、当該第一切り込み部よりも胴体部側に第二切り込み部を有するスティック状のケースに、美容液含侵フェイスシートが封入された事を特徴とするフェイスシート入りスティックケースであって、前記フェイスシートは、その周辺部に突出部が設けられ、ロール状に折り巻かれた状態でスティックケースに封入されている事を特徴とするフェイスシート入りスティックケース。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8