(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-26
(45)【発行日】2022-08-03
(54)【発明の名称】充填包装機
(51)【国際特許分類】
B65B 9/087 20120101AFI20220727BHJP
【FI】
B65B9/087
(21)【出願番号】P 2018058057
(22)【出願日】2018-03-26
【審査請求日】2020-09-24
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390031749
【氏名又は名称】株式会社トパック
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】正井 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】米井 伸治
(72)【発明者】
【氏名】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】竹内 銀治郎
【審査官】永田 勝也
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02716559(EP,A1)
【文献】特開2006-021795(JP,A)
【文献】特開2005-029262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/087
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的に供給される帯状の包装材を、平面視略円弧状に延びる円周搬送路と、該円周搬送路の終点に連なる延長搬送路とに沿って搬送しながら、前記円周搬送路において、前記包装材の長さ方向に並ぶ複数の袋部をそれぞれ上方が開放するように形成しながら、前記袋部のそれぞれに充填材を充填し、前記延長搬送路において、加熱部による加熱と加圧部による挟圧とを順に行うことによって、前記包装材の上縁部をヒートシールして、前記袋部を封止する充填包装機であって、
前記延長搬送路において、前記円周搬送路の終点と前記加圧部との間の所定の搬送領域に亘って前記包装材を挟持する一対の挟持体と、
前記終点から前記加圧部に向かって前記包装材を送り出す方向に前記一対の挟持体を回転させる駆動手段と、
前記一対の挟持体間の間隔を調整する間隔調整機構を備えており、
前記間隔調整機構は、前記一対の挟持体を接近及び離間させる電動モータを備えており、
前記電動モータの駆動に基づいて前記一対の挟持体の間隔が調整されるように構成されており、
前記一対の挟持体には、前記包装材における前記円周搬送路の終点から送り出された部分を受ける受部が、前記延長搬送路において他方の前記挟持体よりも前記終点側に突出して設けられ、
前記延長搬送路を挟んで前記受部に対向配置されたガイド部を更に備え、
前記ガイド部とは反対側から前記延長搬送路に向かって送風する送風手段を備えて
いる、ことを特徴とする充填包装機。
【請求項2】
前記加熱部の下方に、前記包装材を下側から支持する支持部が設けられ、
前記延長搬送路において、前記一対の挟持体と前記支持部とが互いに搬送方向にオーバーラップして配置されていることを特徴とする請求項1に記載の充填包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状の包装材に複数の袋部を連続的に形成し、各袋部に充填材を充填する充填包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているように、例えば粉状又は粒状の充填材を包装するロータリー式の充填包装機が知られている。この種の充填包装機には、通例、包装材の搬送路として、平面視略円弧状に水平に延びる円周搬送路と、該円周搬送路の終点に連なる延長搬送路とが設けられる。
【0003】
円周搬送路には、帯状の包装材が、折り目を下方に向けるように二つ折りされた状態で連続的に供給される。円周搬送路上において、包装材は、周方向に間隔を空けて配置された複数の縦シール部によって保持されながら周方向に搬送される。各縦シール部は、包装材を挟持する一対のシールバーを備え、該一対のシールバー間に挟持された包装材部分をヒートシールする。これにより、包装材には、その上端から下端にかけて上下方向に延びる縦シールが形成される。
【0004】
包装材において、縦シールは、搬送方向に所定の間隔を空けて複数形成される。これにより、包装材には、隣接する縦シール間において、上方に開放した袋部が形成される。円周搬送路において、各袋部には、上方から供給される充填材が充填される。
【0005】
円周搬送路において袋部の形成と充填材の充填を完了した包装材部分は、円周搬送路から延長搬送路に送り出される。延長搬送路には、水平方向に延びるトップシールを包装材の上縁部に形成するトップシール部が設けられている。
【0006】
トップシール部は、包装材の上縁部を加熱する加熱部と、加熱部によって加熱された上縁部を加圧してヒートシールする加圧部とを備えている。加圧部は、一対のシールローラを備えており、該シールローラ間で包装材を挟圧する。延長搬送路上において、包装材は、加熱部と加圧部を順に通過することで上縁部がシールされ、これにより、袋部が封止される。
【0007】
上記のように、円周搬送路では、縦シール部のシールバー間に包装材が挟持され、延長搬送路では、トップシール部の加圧部のシールローラ間に包装材が挟持される。また、円周搬送路の終点から延長搬送路の加圧部までの搬送領域では、ガイド部材によって包装材が下側から支持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上述のロータリー式の充填包装機の連続稼働が停止されるとき、縦シール部及びトップシール部の加圧部において包装材を挟持したままにしておくと、余熱によって包装材が変形したり溶融したりする。これを回避するために、充填包装機の連続稼働が停止されたときは、その都度、円周搬送路及び延長搬送路から包装材が取り外される。そのため、充填包装機の連続稼働を再開するときは、その都度、包装材をセットし直す必要がある。
【0010】
従来、延長搬送路への包装材のセット作業は、円周搬送路上の複数の縦シール部によって包装材が挟持された状態で、作業者によって手動で行われている。具体的に、作業者は、円周搬送路の終点に位置する包装材の先端部を掴んで、トップシール部の加熱部を経由して加圧部まで引っ張り、加圧部における一対のシールローラ間に通す。これにより、包装材が加圧部によって挟持されることで、延長搬送路への包装材のセットが完了する。
【0011】
しかしながら、延長搬送路上の加圧部は、円周搬送路の終点から離れて配置されており、これらの間には、高温になり得る加熱部の構成部品を含む種々の部品が配置されている。そのため、周辺部品との干渉を避けながら包装材を長く引っ張って加圧部に適切にセットする作業は煩雑になりやすい。また、作業者は、自身の身体が加熱部等の周辺部品に接触しないように注意しながら作業を行う必要があることから、作業時間がかかりやすい。
【0012】
本発明は、包装材のセット作業の簡素化及び時間短縮を図ることができる充填包装機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一つの形態に係る充填包装機は、
連続的に供給される帯状の包装材を、平面視略円弧状に延びる円周搬送路と、該円周搬送路の終点に連なる延長搬送路とに沿って搬送しながら、前記円周搬送路において、前記包装材の長さ方向に並ぶ複数の袋部をそれぞれ上方が開放するように形成しながら、前記袋部のそれぞれに充填材を充填し、前記延長搬送路において、加熱部による加熱と加圧部による挟圧とを順に行うことによって、前記包装材の上縁部をヒートシールして、前記袋部を封止する充填包装機であって、
前記延長搬送路において、前記円周搬送路の終点と前記加圧部との間の所定の搬送領域に亘って前記包装材を挟持する一対の挟持体と、
前記終点から前記加圧部に向かって前記包装材を送り出す方向に前記一対の挟持体を回転させる駆動手段と、
前記一対の挟持体間の間隔を調整する間隔調整機構を備えており、
前記間隔調整機構は、前記一対の挟持体を接近及び離間させる電動モータを備えており、
前記電動モータの駆動に基づいて前記一対の挟持体の間隔が調整されるように構成されており、
前記一対の挟持体には、前記包装材における前記円周搬送路の終点から送り出された部分を受ける受部が、前記延長搬送路において他方の前記挟持体よりも前記終点側に突出して設けられ、
前記延長搬送路を挟んで前記受部に対向配置されたガイド部を更に備え、
前記ガイド部とは反対側から前記延長搬送路に向かって送風する送風手段を備えている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る充填包装機によれば、円周搬送路の終点と延長搬送路の加圧部との間に位置する包装材部分を、所定の搬送領域に亘って一対の挟持体によって挟持しながら加圧部側へ送り込むことができる。また、一対の挟持体を回転駆動させることで、一対の挟持体間に挟持された包装材部分を、加圧部へ自動的に送り込むことが可能になる。したがって、本発明によれば、延長搬送路への包装材のセット作業の自動化を図ることができる。よって、包装材のセット作業の簡素化および時間短縮を図ることができ、これにより、作業者の労力軽減、安全性の向上、及び生産性の向上を図ることができる。
【0015】
また、包装材のセットが完了した充填包装機を連続稼働させるとき、延長搬送路における包装材の移動を、一対の挟持体によって案内することができる。そのため、延長搬送路において、包装材の弛み、引っ掛かり、折れ曲がりなどが抑制されるように、包装材の搬送の円滑化を図ることができる。よって、加圧部の高さ位置に対して包装材の上縁部を精度よく通過させることができ、これにより、トップシールの位置精度の向上を図ることができる。また、加圧部の下流側に、包装材の縦シールに対してカット工程を行う切断部が設けられる場合には、切断部に対する縦シールの位置合わせの精度が向上することで、カット工程の精度向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係る充填包装機の正面図。
【
図4】
図1に示す充填包装機で製造される連続袋体の一部を示す正面図。
【
図5】延長搬送路に設けられた第1ガイド機構の平面図。
【
図6】第1ガイド機構及び第3ガイド機構の側面を示す
図5のA線矢視図。
【
図7】第1ガイド機構及び第3ガイド機構を包装材搬送方向上流側から見た
図5のB線矢視図。
【
図8】第1ガイド機構の一部を示す
図6のC-C線断面図。
【
図9】第2ガイド機構及びその周辺部を示す平面図。
【
図12】第3ガイド機構を包装材搬送方向から見た
図11のD-D線断面図。
【
図13】充填包装機の連続稼働状態における第1ガイド機構を示す
図5と同様の平面図。
【
図14】間隔調整機構の変形例を示す
図8と同様の断面図。
【
図15】送風手段の変形例を示す
図9と同様の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明の一実施形態に係る充填包装機(以下、単に「包装機」ともいう)を説明する。
【0018】
[1.包装機]
図1、
図3、及び
図4に示すように、包装機1では、帯状のフィルム又はシートからなる包装材200が用いられる。包装機1によって、包装材200には連続袋体205(
図4参照)が形成される。
【0019】
連続袋体205の形成のために、包装材200は、水平方向に搬送されながら、その短手方向中央に下向きに凸の折り目が形成されるように二つ折りにされる。二つ折りされた包装材200は、その長手方向の所定間隔ごとに接着又はシールされる。
【0020】
これにより、
図4に示すように、包装材200には、上下方向に延びる複数の縦シール201が形成され、隣接する縦シール201間に、上方に開放した袋部202が形成される。包装材200の長手方向において、袋部202は連続的に形成され、各袋部202には、上方から供給される充填材203が充填される。
【0021】
続いて、接着又はシールによって包装材200の上縁部にトップシール204が形成されることで、充填材203が充填された袋部202の上端開口が閉じられる。これにより、封止された複数の袋部202を連続的に有する連続袋体205が形成される。
【0022】
連続袋体205は、例えば、隣接する袋部202間の縦シール201に沿って切断されて個々の袋部202又は複数の連続した袋部202からなる袋体に分離されるか、または、隣接する袋部202間の縦シール201に沿ってミシン目207を入れた袋体に加工される。
【0023】
図1~
図3に示すように、包装機1は、後述の各種構成部品を支持する支持体としての本体フレーム10を有する。本体フレーム10は、建物の床等の水平面に固定される。包装機1は、包装材200を供給する包装材供給部12、及び、包装材供給部12から供給された包装材200をほぼ水平方向に案内しながら、該包装材200の長手方向に延びる中央線を支点として包装材200を略V字状に折り上げる折り上げ部14を更に有する。
【0024】
図1~
図4に示すように、包装機1は、折り上げ部14で折り上げられた包装材200における一対の包装材片を長手方向に所定の間隔をあけて熱接着して上記の縦シール201及び袋部202を連続的に形成するとともに各袋部202に充填材203を充填する充填材充填部15、充填材充填部15に充填材203を供給する充填材供給部16、充填材203が充填された各袋部202の上端を熱接着して上記のトップシール204を形成するトップシール部17、及び、隣接する袋部202間の縦シール201にミシン目207を形成する切断部18を更に有する。
【0025】
[2.包装材供給部]
図1に示すように、包装材供給部12は、所定の横幅を有する帯状のフィルム又はシートからなる包装材200を巻回したロール21を支持する支軸(シャフト)22、及び、支軸22に装着されたロール21から繰り出される包装材200を折り上げ部14に案内する複数のローラ23を有する。
【0026】
[3.折り上げ部]
図3に示すように、折り上げ部14は、包装材供給部12の最後のローラ23からほぼ水平方向に向けて送られる包装材200の上面に接触する折り上げガイド24を有する。折り上げガイド24は、略V字状の断面形状を有する。折り上げガイド24の上方開き角(V字断面の上方開き角)は、包装材搬送方向206に沿って、最後のローラ23から離れるに従って徐々に小さくなるようにしてある。
【0027】
[4.充填材充填部]
図1及び
図2に示すように、充填材充填部15は、本体フレーム10に固定された固定テーブル30、及び、上下方向に延びる軸26を中心として回転可能なように本体フレーム10に支持された回転テーブル31を有する。固定テーブル30は、例えば円形の板材からなり、鉛直方向に対して略垂直に配置されている。回転テーブル31は、例えば環状の板材からなり、鉛直方向に対して略垂直に配置されている。回転テーブル31は、固定テーブル30と同心円状に配置されている。回転テーブル31は、モータ(図示せず)等の駆動源によって軸26周りに回転駆動される。
【0028】
図1及び
図3に示すように、回転テーブル31には、複数(n個:nは整数)の縦シール部32が軸26を中心とする円周上に所定の間隔(360度/nの角度間隔)をあけて配置されている。各縦シール部32は、回転テーブル31に固定された固定シールバー33、及び、固定シールバー33の径方向外側に配置された可動シールバー34を有する。
【0029】
固定シールバー33は、回転テーブル31上において上下方向に延びるように配置されている。固定シールバー33の径方向外側の面は、上記の軸26を中心とするシール基準円35(
図2参照)上に配置された加熱面となっている。なお、シール基準円35の径は一定値に固定されてもよいし、所定の調整機構(図示せず)によって縦シール部32が径方向に移動されることでシール基準円35の径が調整可能とされてもよい。
【0030】
図2に示すように、充填材充填部15には、包装材搬送経路210の一部を構成する円周搬送路211が形成されている。円周搬送路211は、上記のシール基準円35における所定の始点213から所定の終点214に至る周方向領域に沿って平面視円弧状に湾曲しながら延びるように形成されている。円周搬送路211は、シール基準円35の半周以上の領域に亘って形成されている。
【0031】
図1及び
図3に示すように、可動シールバー34は、シール基準円35の接線に平行な方向に延びる軸(シャフト)36(
図1参照)を介して、固定シールバー33に連結されている。可動シールバー34は、包装材200を介して固定シールバー33の加熱面に圧接するシール位置(
図1における右側の可動シールバー34の位置)と、固定シールバー33の加熱面から離間して外側に倒れた非シール位置(
図1における左側の可動シールバー34の位置)との間で往復移動できるように、上記の軸36周りにピボット回転可能に設けられている。
【0032】
可動シールバー34の加熱面は、シール位置における固定シールバー33の加熱面との対向面で構成されている。可動シールバー34は、上記の軸26周りの周方向位置に応じて上記の軸36周りの角度位置が変化するように、本体フレーム10に固定されたガイド機構38(
図1参照)に係合されている。これにより、可動シールバー34は、上記のシール基準円35において円周搬送路211上に位置するときはシール位置に配置され、その他の周方向領域に位置するときは固定シールバー33の加熱面から離間するようにしてある。
【0033】
図1に示すように、充填材充填部15は、軸26と平行に上下方向に延びる複数の昇降シャフト43を有する。複数の昇降シャフト43は、回転テーブル31と共に軸26周りに回転するように、後述の昇降機構を介して回転テーブル31に連結されている。複数の昇降シャフト43は、複数の縦シール部32のそれぞれに対応して、軸26を中心とする円周上に一定の間隔をあけて配置されている。
【0034】
昇降シャフト43の上部には、アーム47を介して漏斗状の充填シュート48が連結されている。充填シュート48は、平面視において上記のシール基準円35(
図2参照)上に配置され、軸26周りの周方向において、隣接する縦シール部32間の中央部に配置されている(
図3参照)。
【0035】
昇降シャフト43の下部は、軸26周りの周方向位置に応じて昇降シャフト43及び充填シュート48の高さ位置を変化させる昇降機構(図示せず)に支持されている。これにより、充填シュート48の下端部は、上記の円周搬送路211上に位置するときは包装材200の袋部202に突入可能な程度に低い下降位置に配置され、その他の周方向領域に位置するときは包装材200よりも上側の上昇位置に退避される。
【0036】
[5.充填材供給部]
図1及び
図3に示すように、充填材供給部16は、袋部202に充填される充填材203(
図4参照)を充填シュート48に落下供給するものである。充填材供給部16は、上下方向に延びる軸51周りに回転駆動可能に設けられた計量板52、及び、計量板52の上方に配置された供給ホッパ54を備えている。計量板52は、モータ(図示せず)等の駆動源によって軸51周りに回転駆動される。充填材供給部16の軸51は、回転テーブル31の軸26に平行に配置され、平面視において、回転テーブル31の軸26からオフセットされるように上記のシール基準円35の内側に配置されている。
【0037】
図3に示すように、計量板52には、複数の計量孔56が貫通して設けられている。複数の計量孔56は、軸51を中心とした円周58上に一定の間隔をあけて配置されている。
図2に示すように、円周58は、平面視において円周搬送路211の一部にほぼ重なるように配置されている。円周58と円周搬送路211が重なる周方向領域において、計量孔56は、充填シュート48の上方に配置される。当該周方向領域では、充填シュート48と計量孔56との間に設けられたシャッタ機構59(
図1参照)が開放されることで、計量孔56から充填シュート48へ一定量の充填材203が供給されるようにしてある。
【0038】
[6.トップシール部]
図1及び
図3に示すように、トップシール部17は、包装材200の上縁部にトップシール204(
図4参照)を形成する。
図2に示すように、トップシール部17は、円周搬送路211の終点214に連なるように包装材搬送経路210に設けられた延長搬送路212に配置されている。円周搬送路211の終点214は、延長搬送路212の始点でもある。
【0039】
図1及び
図2に示すように、トップシール部17は、包装材200の上縁部を加熱する加熱部60と、加熱部60によって加熱された包装材200の上縁部を加圧してヒートシールする加圧部66とを備えている。
【0040】
加熱部60は、延長搬送路212において、円周搬送路211の終点214(延長搬送路212の始点214)と加圧部66との間の所定の搬送領域に亘って設けられている。加熱部60は、包装材200における各袋部202の上端開口縁を、加圧部66によるシール前に予備加熱する。
【0041】
図2及び
図3に示すように、加熱部60は、例えば、それぞれヒータが内蔵された一対の加熱板61,62を備えている。一対の加熱板61,62は、それぞれ、延長搬送路212に沿って延びるように配置された長尺部材である。一対の加熱板61,62は、微小なクリアランスをあけて対向配置されている。これにより、一対の加熱板61,62は、延長搬送路212における包装材搬送方向206への包装材200の移動を阻害しない程度の圧力で包装材200の上縁部を挟圧可能となっている。包装材200の上縁部は、一対の加熱板61,62間を通過するときに、加熱された加熱板61,62との接触によって加熱される。
【0042】
一対の加熱板61,62は、本体フレーム10に支持されている。一方の加熱板61は、他方の加熱板62に対向する対向位置と、他方の加熱板62から離反した退避位置との間で移動可能とされ、他方の加熱板62は本体フレーム10に固定されている。
【0043】
図1及び
図2に示すように、加圧部66は、延長搬送路212における包装材搬送方向206において、加熱部60の下流側に隣接して配置されている。加圧部66は、一対のシールローラ67,68を備えている。加熱部60によって予め加熱された包装材200の上縁部は、一対のシールローラ67,68によって挟圧されることでシールされる。これにより、袋部202が完全に封止されて、連続袋体205が形成される。
【0044】
一対のシールローラ67,68は、モータ等の駆動源(図示せず)によって回転駆動可能とされている。これにより、包装材200における一対のシールローラ67,68に挟持された部分を、包装材搬送方向206の下流側へスムーズに送り出すことができる。
【0045】
包装材搬送経路210において、包装材200は、円周搬送路211に配置された複数の縦シール部32と、延長搬送路212に配置されたトップシール部17の加圧部66とによって挟持される。これにより、円周搬送路211では複数の縦シール部32によって、延長搬送路212では加圧部66によって、それぞれ包装材200が支持され得る。
【0046】
さらに、延長搬送路212の始点214から加圧部66までの搬送領域では、ガイド機構70(
図5~
図9参照)によって包装材200が支持される。ガイド機構70の構成については後に説明する。
【0047】
[7.切断部]
切断部18は、延長搬送路212における包装材搬送方向206において、トップシール部17の下流側に隣接して配置されている。切断部18は、例えば回転式のカッター69を備えている。カッター69は、トップシール部17で形成された連続袋体205を縦シール201の短手方向中央において切断するか、又は、縦シール201の短手方向中央にミシン目207を形成する(
図4参照)。
【0048】
[8.連続稼働時の動作]
包装機1の連続稼働は、円周搬送路211及び延長搬送路212を含む包装材搬送経路210に包装材200がセットされた状態で行われる。なお、包装機1の連続稼働開始時点で既に円周搬送路211及び延長搬送路212に位置する包装材200の袋部202には、充填材203は充填されなくてもよい。
【0049】
図1~
図3を参照しながら、連続稼働時の包装機1の動作を説明する。包装機1に設けられた所定の稼働ボタンが作業者に操作されると、回転テーブル31に駆動連結されたモータ等の駆動源の電源がオンされ、回転テーブル31が軸26周りに
図2の反時計回り方向に回転する。回転テーブル31と共に回転する縦シール部32の固定シールバー33及び可動シールバー34は、包装材搬送方向206への搬送力を包装材200に伝達する。
【0050】
これにより、包装材供給部12では、包装材200が、ロール21から繰り出されて、複数のローラ23により上方に案内される。最後のローラ23から送り出された包装材200は、その主要面(表面および裏面)をほぼ水平面に平行に向けられる。このようにして包装材供給部12から繰り出された包装材200は、折り上げ部14において、V字状横断面の折り上げガイド24の下面に沿って搬送されながら、包装材200の長手方向に延びる中央線を境に二つ折りされる。
【0051】
充填材充填部15では、昇降シャフト43及び充填シュート48が、回転テーブル31と共に回転しながら、この回転に連動して上記の昇降機構(図示せず)によって昇降される。充填シュート48は、円周搬送路211が形成された周方向領域では下降位置に配置され、それ以外の周方向領域では上昇位置に配置される。
【0052】
円周搬送路211において、包装材200は、縦シール部32に支持された状態で、回転テーブル31の回転と共に周方向に移動する。この間、隣接する縦シール部32間に、充填シュート48の下端部が位置する。
【0053】
縦シール部32の可動シールバー34は、上記のガイド機構38によるガイドによって、円周搬送路211の始点213を通過するときに、非シール位置(完全開放状態)からシール位置(完全閉鎖状態)に移動する。可動シールバー34は、円周搬送路211が形成された周方向領域において、シール位置に保持され、包装材200を介して固定シールバー33に接触する。
【0054】
これにより、円周搬送路211では、固定シールバー33と可動シールバー34の加熱面に挟持された包装材200部分が加熱されて、縦シール201が形成される。この結果、包装材200には、隣接する縦シール201間に、上縁が開口した袋部202が形成される。円周搬送路211において、包装材200には、その長さ方向に並ぶ複数の袋部202がそれぞれ上方を開放するように形成される。
【0055】
充填材供給部16の円周58が円周搬送路211に重なる周方向領域では、計量孔56から落下した充填材203が、充填シュート48を介して包装材200の袋部202に充填される。
【0056】
縦シール部32の可動シールバー34は、円周搬送路211の終点214を通過するとき、ガイド機構38によってシール位置から非シール位置に案内される。これにより、包装材200は、縦シール部32から解放されて、円周搬送路211から延長搬送路212に繰り出される。
【0057】
包装材200は、上縁が開口した袋部202に充填材203が充填された状態で、延長搬送路212に供給される。延長搬送路212において、包装材200は、後述のガイド機構70によって案内されながらトップシール部17に供給される。トップシール部17において、包装材200の上縁部は、加熱部60によって加熱された後、加圧部66によって加圧され、これにより、包装材200にトップシール204が形成される。このようにして、トップシール部17では、封止された袋部202を連続的に有する連続袋体205が形成される。
【0058】
その後、連続袋体205は、切断部18に搬送される。切断部18では、連続袋体205の縦シール201が切断されるか、又は、縦シール201にミシン目207が入れられる。
【0059】
[9.トップシール部のガイド機構]
トップシール部17には、延長搬送路212における包装材搬送方向206に沿った包装材200の移動をガイドするガイド機構70が設けられている。
【0060】
主として
図5~
図13を参照しながら、ガイド機構70の具体的構成を説明する。
図5は、ガイド機構70における後述の第1ガイド機構72の平面図、
図6は、ガイド機構70の第1ガイド機構72及び後述の第3ガイド機構150の側面を示す
図5のA線矢視図、
図7は、第1ガイド機構72及び第3ガイド機構150を包装材搬送方向206上流側から見た
図5のB線矢視図、
図8は、第1ガイド機構72の一部を示す
図6のC-C線断面図、
図9は、後述の第2ガイド機構120及びその周辺部を示す平面図、
図10は、ガイド機構70における第3ガイド機構150を示す平面図、
図11は、第3ガイド機構150を示す側面図、
図12は、第3ガイド機構150を包装材搬送方向206から見た
図11のD-D線断面図、
図13は、充填包装機1の連続稼働状態における第1ガイド機構72を示す
図5と同様の平面図である。
【0061】
ガイド機構70は、包装材200の上下方向中間部をガイドする第1ガイド機構72と、第1ガイド機構72よりも包装材搬送方向206の上流側において包装材200をガイドする第2ガイド機構120と、包装材搬送方向206において第1ガイド機構72と重複する領域で包装材200の下縁部をガイドする第3ガイド機構150とを備えている。
【0062】
図6及び
図7に示すように、第1ガイド機構72及び第3ガイド機構150は、本体フレーム10(
図1~
図3参照)に支持されたベースプレート71上に設けられている。ベースプレート71は、例えば水平面に沿って配置されている。ベースプレート71は、本体フレーム10に固定されてもよいし、本体フレーム10に昇降可能に取り付けられてもよい。
【0063】
ベースプレート71は、加熱部60と包装材搬送方向206にオーバーラップして配置されている。ベースプレート71は、包装材搬送方向206において、加熱部60よりも上流側および下流側にそれぞれ突出して配置されている。ベースプレート71は、加圧部66よりも包装材搬送方向206の上流側に配置されている。
【0064】
図9に示すように、第2ガイド機構120は、本体フレーム10(
図1~
図3参照)に固定された例えばパイプ状の支柱127によって、例えば片持ち状に支持されている。支柱127は、包装材搬送方向206において、第2挟持体80の従動ローラ82の上流側に隣接して配置されている。
【0065】
以下、第1ガイド機構72、第2ガイド機構120、及び第3ガイド機構150の各構成について具体的に説明する。
【0066】
[9-1.第1ガイド機構]
図5及び
図7に示すように、第1ガイド機構72は、包装材200を挟持する第1挟持体73及び第2挟持体80を備えている。第1挟持体73及び第2挟持体80は、延長搬送路212において、円周搬送路211の終点214(延長搬送路212の始点214)と加圧部66との間の所定の搬送領域に亘って、包装材200を挟持する(
図2参照)。
【0067】
第1挟持体73は、後述の駆動機構90によって回転駆動される駆動ローラ74、駆動ローラ74の回転に従動して回転する従動ローラ75、及び、駆動ローラ74と従動ローラ75とに巻き掛けられた無端状のベルト76を備えている。第1挟持体73は、ベルト76の内側において駆動ローラ74と従動ローラ75との間に配置された補助ローラ77を更に有する。
【0068】
駆動ローラ74、従動ローラ75、及び補助ローラ77は、それぞれ、互いに平行な支軸74a,75a,77aを有する。支軸74a,75a,77aは、例えば鉛直方向に沿って配置されている。駆動ローラ74と従動ローラ75は、上下方向において、同じ高さ位置に配置されている。補助ローラ77も、上下方向において、駆動ローラ74及び従動ローラ75と同じ高さ位置に配置されている。駆動ローラ74と従動ローラ75は、例えば同一の径を有する。補助ローラ77も、例えば、駆動ローラ74及び従動ローラ75と同一の径を有する。補助ローラ77の外周面には、周方向の2箇所においてベルト76の内周面に接している。
【0069】
図5~
図8に示すように、駆動ローラ74の支軸74a及び補助ローラ77の支軸77aは、それぞれの下端部において、ベースプレート71の上方且つ駆動ローラ74及び補助ローラ77の下方に配置された第1可動プレート78に支持されている。駆動ローラ74の支軸74aは、第1可動プレート78に回転可能に支持されており、駆動ローラ74は、支軸74aと共に回転するように支軸74aに固定されている。
【0070】
補助ローラ77の支軸77aの下端部は、第1可動プレート78に固定されており、補助ローラ77は、支軸77aに回転可能に支持されている。
【0071】
従動ローラ75の支軸75a及び補助ローラ77の支軸77aは、それぞれの上端部において、従動ローラ75及び補助ローラ77の上方に配置された連結部材79に支持されている。支軸75a,77aの上端部は、連結部材79に固定されている。従動ローラ75は、支軸75aに回転可能に支持されている。
【0072】
図5に示すように、第2挟持体80は、後述の駆動機構90によって回転駆動される駆動ローラ81、駆動ローラ81の回転に従動して回転する従動ローラ82、及び、駆動ローラ81と従動ローラ82とに巻き掛けられた無端状のベルト83を備えている。
【0073】
駆動ローラ81及び従動ローラ82は、それぞれ、互いに平行な支軸81a,82aを有する。支軸81a,82aは、例えば鉛直方向に沿って配置されている。駆動ローラ81と従動ローラ82は、上下方向において、同じ高さ位置に配置されている。駆動ローラ81と従動ローラ82は、例えば同一の径を有する。
【0074】
図5、
図7、及び
図8に示すように、駆動ローラ81及び従動ローラ82の支軸81a,82aは、それぞれの下端部において、ベースプレート71の上方かつ駆動ローラ81及び従動ローラ82の下方に配置された第2可動プレート84に支持されている。第2可動プレート84は、上下方向において、第1可動プレート78と同じ高さ位置に配置されている。
【0075】
駆動ローラ81の支軸81aは、第2可動プレート84に回転可能に支持されており、駆動ローラ81は、支軸81aと共に回転するように支軸81aに固定されている。従動ローラ82の支軸82aの下端部は、第2可動プレート84に回転可能に支持されており、従動ローラ82は、支軸82aと共に回転するように支軸82aに固定されている。
【0076】
なお、従動ローラ82の支軸82aは、第2可動プレート84に固定されてもよく、この場合、従動ローラ82は、支軸82aに回転可能に支持される。
【0077】
図5に示すように、第1挟持体73の駆動ローラ74と、第2挟持体80の駆動ローラ81とは、2本のベルト76,83を挟んで互いに隣接して配置されている。これにより、一対の駆動ローラ74,81間に包装材200を挟持可能となっている。
【0078】
第1挟持体73の従動ローラ75は、包装材搬送方向206において、第2挟持体80の従動ローラ82よりも上流側(延長搬送路212の始点214側)に配置されている。従動ローラ75は、平面視において、回転テーブル31の周縁部と重複する位置に配置されている(
図9参照)。
【0079】
第1挟持体73の補助ローラ77は、2本のベルト76,83を挟んで、第2挟持体80の従動ローラ82に隣接して配置されている。これにより、第1挟持体73の補助ローラ77と第2挟持体80の従動ローラ82との間に包装材200を挟持可能となっている。
【0080】
第1挟持体73のベルト76における第2挟持体80との対向部と、第2挟持体80のベルト83における第1挟持体73との対向部とは、延長搬送路212における包装材搬送方向206に沿って、互いに平行に且つ互いに隣接して配置されている。第1挟持体73のベルト76と第2挟持体80のベルト83との間には、平面視直線状の隙間が形成されており、該隙間を通って包装材200が搬送される。すなわち、両ベルト76,83は、延長搬送路212の一部を構成している。
【0081】
第1挟持体73のベルト76における延長搬送路212を構成する部分は、第2挟持体80のベルト83における延長搬送路212を構成する部分に比べて、包装材搬送方向206の上流側(延長搬送路212の始点214側)に突出して配置されている。このように突出したベルト76部分は、包装材200における円周搬送路211の終点214(延長搬送路212の始点214)から送り出された部分を受ける受部76aとされている。受部76aは、第1挟持体73のベルト76において、従動ローラ82及び補助ローラ77間の軸心間距離に等しい長さ領域に亘って形成されている。
【0082】
平面視において、第1挟持体73の駆動ローラ74の包装材搬送方向206下流側には、加圧部66の一方のシールローラ67が隣接して配置され、第2挟持体80の駆動ローラ81の包装材搬送方向206下流側には、加圧部66の他方のシールローラ68が隣接して配置されている。平面視において、加圧部66の一対のシールローラ67,68間の隙間は、第1挟持体73のベルト76と第2挟持体80のベルト83との間に形成された直線状の隙間の延長線上に配置されている。
【0083】
図6及び
図8に示すように、第1ガイド機構72は、第1挟持体73及び第2挟持体80を回転駆動させる駆動手段としての駆動機構90を更に備えている。
【0084】
駆動機構90は、駆動源としての例えば電動式のモータ91、該モータ91に駆動連結された駆動ギヤ92、第1挟持体73の駆動ローラ74の支軸74aの下端部に設けられ、駆動ギヤ92に噛み合う第1被動ギヤ93、第2挟持体80の駆動ローラ81の支軸81aの下端部に設けられた第2被動ギヤ95、及び、駆動ギヤ92と第2被動ギヤ95とに噛み合う中間ギヤ94を備えている。
【0085】
駆動ギヤ92、第1被動ギヤ93、中間ギヤ94、及び第2被動ギヤ95は、上下方向において、ベースプレート71と、第1可動プレート78及び第2可動プレート84との間に配置されている。
【0086】
第1被動ギヤ93及び第2被動ギヤ95は、駆動ローラ74,81の支軸74a,81aに一体に設けられている。ただし、支軸74a,81aとは別体の第1被動ギヤ93及び第2被動ギヤ95が支軸74a,81aに固定されてもよい。第1被動ギヤ93及び第2被動ギヤ95は、互いに同一の径を有する。
【0087】
駆動ギヤ92及び中間ギヤ94は、駆動ローラ74,81の支軸74a,81aに平行な軸心周りに回転可能なようにベースプレート71に支持されている。駆動ギヤ92は、例えば、第1被動ギヤ93及び第2被動ギヤ95よりも大径とされている。中間ギヤ94は、例えば、駆動ギヤ92と同一の径を有する。
【0088】
モータ91によって駆動ギヤ92が
図8の時計回り方向に回転駆動されると、第1被動ギヤ93及び中間ギヤ94は
図8の反時計回り方向に回転し、第2被動ギヤ95は
図8の時計回り方向に回転する。すなわち、第1被動ギヤ93と第2被動ギヤ95は、互いに反対方向に回転する。第1被動ギヤ93と第2被動ギヤ95は、同じ速度で回転する。
【0089】
このように駆動機構90が作動することで、第1挟持体73のベルト76は、
図5における反時計回り方向221に回転し、第2挟持体80のベルト83は、
図5における時計回り方向222に回転する。これにより、第1挟持体73のベルト76と第2挟持体80のベルト83との間に挟持された包装材200は、延長搬送路212において、始点214から加圧部66に向かう方向206に送り出される。
【0090】
包装材200の袋部202の厚みは、袋部202における充填材203の有無、充填材203の充填量、充填材203の種類、包装材200の種類などによって異なる。仮に第1挟持体73のベルト76と第2挟持体80のベルト83との間隔が一定であれば、包装材200の袋部202の厚みによっては、第1挟持体73と第2挟持体80による包装材200の挟持力に過不足が生じ得る。そこで、本実施形態において、包装機1は、第1挟持体73のベルト76と第2挟持体80のベルト83との間隔を調整する間隔調整機構100を備えている。
【0091】
図6~
図8に示すように、間隔調整機構100は、駆動源としての例えば電動式のモータ101、モータ101によって回転駆動されるピニオンギヤ102、ピニオンギヤ102に噛み合う第1ラック103、及び、ピニオンギヤ102を挟んで第1ラック103に対向配置され、ピニオンギヤ102に噛み合う第2ラック104を備えている。
【0092】
ピニオンギヤ102、第1ラック103、及び第2ラック104は、上下方向において、ベースプレート71と第1可動プレート78及び第2可動プレート84との間に配置されている。ピニオンギヤ102は、鉛直方向に延びる軸心周りに回転可能なようにベースプレート71に支持されている。第1ラック103及び第2ラック104は、鉛直方向と包装材搬送方向206とに直交するスライド方向111に沿って、互いに平行に延びるように配置されている。第1ラック103は、第1可動プレート78の下面に固定され、第2ラック104は、第2可動プレート84の下面に固定されている。
【0093】
間隔調整機構100は、第1ラック103及び第2ラック104と平行に配置され、ベースプレート71の上面に固定された第1レール105、及び、第1レール105よりも包装材搬送方向206の下流側において第1レール105と平行に配置され、ベースプレート71の上面に固定された第2レール106を更に備えている。
【0094】
第1可動プレート78の下面には、一対のスライダ107,108が固定されており、一方のスライダ107は第1レール105に、他方のスライダ108は第2レール106に、それぞれスライド可能に係合されている。同様に、第2可動プレート84の下面には、一対のスライダ109,110が固定されており、一方のスライダ109は第1レール105に、他方のスライダ110は第2レール106に、それぞれスライド可能に係合されている。
【0095】
モータ101によってピニオンギヤ102が回転駆動されると、第1ラック103及び第2ラック104が、スライド方向111に沿って互いに反対方向にスライド移動する。これにより、第1可動プレート78及び第2可動プレート84は、第1ラック103及び第2ラック104と共に、スライド方向111に沿って互いに反対方向にスライド移動する。
【0096】
このような間隔調整機構100の動作により、第1可動プレート78に支持された第1挟持体73と、第2可動プレート84に支持された第2挟持体80とは、スライド方向111に沿って、互いに近接または離間するようにスライド移動する。これにより、第1挟持体73のベルト76と第2挟持体80のベルト83との間隔を、包装材200の袋部202の厚みに応じて、例えば
図5に示すように比較的小さくしたり、例えば
図13に示すように比較的大きくしたりすることができる。
【0097】
[9-2.第2ガイド機構]
図9に示すように、第2ガイド機構120は、延長搬送路212の始点214と第1ガイド機構72の受部76aとの間の搬送領域に設けられている。第2ガイド機構120は、包装材200を下側から支持する第1ガイド部としての底面部121と、該底面部121から立ち上がる第2ガイド部としての側壁部122とを備えている。底面部121と側壁部122は、例えば一体に設けられている。ただし、底面部121と側壁部122は、互いに固定された別部材で構成されてもよい。
【0098】
底面部121は、例えば水平面に沿って配置されており、平面視において、例えば、包装材搬送方向206に沿って延びる細長い形状を有する。底面部121の下流側端部は、平面視において受部76aと重複するように、受部76aの下方に配置されている。
【0099】
側壁部122の下縁部は、底面部121における受部76aとは反対側の縁部に連なっている。側壁部122は、連結部材128を介して支柱127に連結されている。側壁部122は、上下方向において、延長搬送路212上の包装材200部分と重複する高さ位置に配置されている。側壁部122は、上下方向において、包装材200の全高さ範囲と重複するように設けられることが好ましい。
【0100】
側壁部122は、包装材搬送方向206に連なる第1側壁部123、第2側壁部124、第3側壁部125、及び第4側壁部126を備えている。第1側壁部123、第2側壁部124、第3側壁部125、及び第4側壁部126は、包装材搬送方向206の下流側からこの順で配置されている。
【0101】
第1側壁部123は、平面視において、回転テーブル31の周縁部よりも径方向外側に配置されている。第1側壁部123は、受部76aに対向配置されている。第1側壁部123は、受部76aに平行に配置されている。受部76aと第1側壁部123との間には、少なくとも、充填材203が充填された状態の袋部202が通過可能な程度の間隔が形成されている。
【0102】
第2側壁部124、第3側壁部125、及び第4側壁部126は、平面視において、包装材搬送方向206の上流側に向かって次第に受部76aから離反するように、受部76aに対して傾斜して配置されている。
【0103】
第2側壁部124は、平面視において、回転テーブル31の周縁部よりも径方向外側に配置されている。第2側壁部124は、第1側壁部123よりも包装材搬送方向206の上流側において受部76aに対向配置され、受部76aと第2側壁部124との間隔は、包装材搬送方向206の上流側に向かって次第に拡大されている。
【0104】
第3側壁部125及び第4側壁部126は、包装材搬送方向206において受部76aよりも上流側に配置されている。平面視において、受部76aに対する第3側壁部125の傾斜角度は、受部76aに対する第2側壁部124の傾斜角度よりも大きく、受部76aに対する第4側壁部126の傾斜角度は、受部76aに対する第3側壁部125の傾斜角度よりも大きい。
【0105】
平面視において、第3側壁部125は、回転テーブル31の周縁部を跨ぐように配置され、第4側壁部126は、回転テーブル31の周縁部よりも径方向内側に配置されている。第3側壁部125は、平面視において、円周搬送路211の終点214における仮想接線に沿うような向きで配置されている。
【0106】
円周搬送路211から延長搬送路212に送り出された包装材200部分は、第2ガイド機構120の底面部121と側壁部122とによって案内されながら、第1ガイド機構72の受部76aと第2ガイド機構120の側壁部122との間を通って、第1ガイド機構72における第1挟持体73のベルト76と第2挟持体80のベルト83との隙間に案内される。
【0107】
第2ガイド機構120による包装材200のガイドを確実に果たすために、包装機1は、第2ガイド機構120の側壁部122とは反対側から延長搬送路212に向かって送風する第1の送風手段としての第1送風機構130と、延長搬送路212における第2ガイド機構120の側壁部122よりも上流側部分に向かって送風する第2の送風手段としての第2送風機構140とを更に備えている。
【0108】
なお、添付図面において、第1送風機構130及び第2送風機構140は
図9のみに図示されており、
図1~
図3における図示を省略している。
【0109】
第1送風機構130は、送風源としての圧縮機131、圧縮機131に接続されたダクト部132、及び、圧縮機131からダクト部132に供給された空気を第2ガイド機構120の側壁部122に向けて吐出するノズル部136を備えている。
【0110】
圧縮機131は、固定テーブル30の下方に配置され、例えば固定テーブル30を介して本体フレーム10に支持されている。ダクト部132は、固定テーブル30の上面に固定されている。ダクト部132は、平面視において、固定テーブル30上の所定位置から固定テーブル30の周縁部まで、第2ガイド機構120の側壁部122に向かって径方向外側に延びるように設けられている。
【0111】
ダクト部132の基端部(径方向内側端部)は、例えば固定テーブル30の貫通穴(図示せず)を介して圧縮機131に接続されている。ダクト部132は、平面視において、径方向外側に向かって次第に拡大する幅を有する。ダクト部132の基端側(径方向内側)の端面は閉塞されており、ダクト部132の先端側(径方向外側)の端面は、全面に亘って開口した開口部133とされている。
【0112】
回転テーブル31の径方向内側縁部には、回転テーブル31から立ち上がる周壁部134が固定されるか又は一体に設けられている。周壁部134は、回転テーブル31と共に回転可能となっている。周壁部134は、回転テーブル31の全周に亘って設けられている。周壁部134には、複数の貫通穴135が周方向に例えば一定の間隔をあけて設けられている。周壁部134の周方向において、隣接する貫通穴135間の間隔は、回転テーブル31の回転位置に応じて1つ又は2つの貫通穴135がダクト部132の開口部133に対向配置されるような間隔とされている。
【0113】
ノズル部136は、回転テーブル31の周方向に間隔をあけて複数設けられている。複数のノズル部136は、周壁部134の貫通穴135と同じ角度間隔をあけて配置されている。各ノズル部136は、周壁部134の外周面から径方向外側に延びるように設けられている。各ノズル部136は、上下方向に細長い断面形状を有する。
【0114】
各ノズル部136の基端部(径方向内側端部)は、周壁部134において、貫通穴135に一致する周方向位置に設けられており、貫通穴135に連通している。これにより、各ノズル部136は、回転テーブル31の回転位置に応じて、周壁部134の貫通穴135を介してダクト部132に接続可能とされている。
【0115】
各ノズル部136の先端部(径方向外側端部)は吐出口とされている。ノズル部136の吐出口は、上下方向に細長く形成されている。ノズル部136の吐出口は、回転テーブル31の径方向において、第2ガイド機構120の側壁部122よりも内側に配置されている。
【0116】
圧縮機131からダクト部132に供給された空気は、ダクト部132の開口部133に接続されたノズル部136の吐出口から第2ガイド機構120の側壁部122に向かって、回転テーブル31の径方向外側に送り出される。
【0117】
円周搬送路211から延長搬送路212に送り出された包装材200部分は、第1送風機構130のノズル部136からの送風を受けて、第2ガイド機構120の側壁部122に押し付けられる。このとき、包装材200は、延長搬送路212の斜め上流側からの送風を受ける。これにより、側壁部122に沿った包装材200のガイドが円滑に実現される。
【0118】
第2送風機構140は、送風源(図示せず)から供給された空気を吐出するノズル部141を備えている。ノズル部141は、支持部材142を介して本体フレーム10に支持されている。ノズル部141は、回転テーブル31の径方向において、包装材200よりも外側に配置されている。すなわち、ノズル部141は、包装材200を挟んで第1送風機構130のノズル部136とは反対側に配置されている。
【0119】
ノズル部141の先端に設けられた吐出口は、回転テーブル31の周縁部よりも径方向外側に配置されている。回転テーブル31の周方向において、ノズル部141の吐出口は、延長搬送路212の始点214とほぼ同じ位置に配置されている。平面視において、ノズル部141の吐出口は、延長搬送路212の包装材搬送方向206の下流側に向かって回転テーブル31の径方向内側に傾斜した方向に向けて配置されている。
【0120】
円周搬送路211の終点214における仮想接線に沿うように延長搬送路212に送り出された包装材200部分は、第2送風機構140のノズル部141からの送風を受けて、第2ガイド機構120の側壁部122よりも径方向内側へスムーズに案内される。これにより、第2ガイド機構120の側壁部122に沿った包装材200のスムーズなガイドを実現可能となっている。
【0121】
[9-3.第3ガイド機構]
図6、
図7、及び
図10~
図12に示すように、第3ガイド機構150は、延長搬送路212において包装材200を下側から支持する支持部としてのガイド部材151と、包装材200の下縁部をガイドする一対の側壁153とを備えている。
【0122】
図10の平面図、
図11の側面図、及び
図12の断面図に示すように、ガイド部材151は、延長搬送路212の包装材搬送方向206に沿って帯状に延びる長尺部材である。ガイド部材151は、例えば中実の板材である。ガイド部材151は、単一の部材で構成されている。ガイド部材151は、例えばステンレス鋼からなるが、ガイド部材151の素材はこれに限定されるものでない。
【0123】
ガイド部材151の短手方向は、第1可動プレート78及び第2可動プレート84のスライド方向111と平行に配置される(
図7及び
図8参照)。ガイド部材151の短手方向の幅は、ガイド部材151の厚みよりも大きい。
【0124】
ガイド部材151の上面は、全面に亘って滑らかな面(平らな面)で構成されている。一方、ガイド部材151の下面には、複数の凹溝152が、ガイド部材151の長さ方向(包装材搬送方向206)に例えば一定の間隔をあけて設けられている。各凹溝152は、包装材搬送方向206に直交する方向、すなわちガイド部材151の短手方向に延びるように設けられている。各凹溝152は、ガイド部材151の一方の側面から他方の側面までの全幅に亘って設けられている(
図12参照)。各凹溝152は、逆U字状の断面形状を有する(
図11参照)。このようにガイド部材151の下面に複数の凹溝152が設けられていることにより、ガイド部材151は、
図11に示すように側面視で湾曲形状になりやすくなっている。
【0125】
なお、凹溝152が延びる方向は、包装材搬送方向206に交差する方向であれば、必ずしも、包装材搬送方向206に対する直交方向でなくてもよく、包装材搬送方向206に対する傾斜方向であってもよい。
【0126】
ガイド部材151には、ガイド部材151を短手方向(包装材搬送方向206に対する直交方向)に貫通する複数の挿通穴158,159が設けられている。挿通穴158,159は、ガイド部材151の長手方向(包装材搬送方向206)に間隔をあけて、例えば2つ設けられている。包装材搬送方向206において、上流側の挿通穴158は、例えば、上流側から2番目の凹溝152と3番目の凹溝152との間に配置され、下流側の挿通穴159は、例えば、下流側から2番目の凹溝152と3番目の凹溝152との間に配置されている。
【0127】
図6に示すように、ガイド部材151は、ベースプレート71の上方かつ加熱部60及び加圧部66の下方に配置されている。ガイド部材151は、加熱部60及び加圧部66と包装材搬送方向206にオーバーラップして配置されている。より具体的に、ガイド部材151は、包装材搬送方向206において、加熱部60の上流端よりも上流側の位置から、加圧部66の下流端よりも下流側の位置にかけて連続するように延びている。すなわち、包装材搬送方向206において、ガイド部材151は、加熱部60よりも上流側に突出し且つ加圧部66よりも下流側に突出して配置されている。
【0128】
ガイド部材151は、第1挟持体73のベルト76及び第2挟持体80のベルト83の下方に配置されている。ガイド部材151は、第1及び第2挟持体73,80と包装材搬送方向206にオーバーラップして配置されている。平面視において、ガイド部材151は、第1挟持体73のベルト76と第2挟持体80のベルト83との隙間とオーバーラップして配置されている。ガイド部材151の上流端は、補助ローラ77と包装材搬送方向206にオーバーラップして配置され、補助ローラ77の支軸77aよりも上流側に配置されている。
【0129】
ガイド部材151は、ベースプレート71の上方に配置されており、ベースプレート71から立ち上がる支持部161,164を介して、ベースプレート71に支持されている。支持部161,164は、ガイド部材151の長手方向(包装材搬送方向206)に間隔をあけて、例えば2つ設けられている。
【0130】
ガイド部材151の短手方向、すなわち第1可動プレート78及び第2可動プレート84のスライド方向111において、各支持部161,164は、第1可動プレート78と第2可動プレート84との間に配置されている。ガイド部材151の長手方向(包装材搬送方向206)において、上流側の支持部161は、第1レール105と第2ラック104との間に配置され、下流側の支持部164は、駆動ギヤ92よりも下流側に配置されている。包装材搬送方向206において、下流側の支持部164は、ベースプレート71の下流側端部よりも下流側に突出して配置されている。
【0131】
各支持部161,164には、上下方向に延びる長穴162,165が設けられている。包装材搬送方向206において、上流側の支持部161の長穴162は、補助ローラ77と第2ラック104との間に配置され、下流側の支持部164の長穴165は、ベースプレート71及び駆動ローラ74,81よりも下流側に配置されている。上流側の支持部161の長穴162は、加圧部66と包装材搬送方向206にオーバーラップして配置され、下流側の支持部164の長穴165は、加熱部60と包装材搬送方向206にオーバーラップして配置されている。
【0132】
ガイド部材151は、支持部161,164の長穴162,165及びガイド部材151の挿通穴158,159(
図11参照)に挿通されるねじ163,166と、該ねじ163,166の先端部にねじ込まれるナット(図示せず)とを用いて、支持部161,164に固定されている。これにより、ガイド部材151は、支持部161,164を介してベースプレート71に固定されている。
【0133】
ねじ163,166は、支持部161,164の長穴162,165内で上下方向に移動可能となっている。したがって、長穴162,165内におけるねじ163,166の位置が調整されることで、ベースプレート71に対するねじ163,166の相対高さ位置を調整可能となっている。
【0134】
これにより、上流側の支持部161及び下流側の支持部164のそれぞれにおいて、ベースプレート71に対するガイド部材151の相対高さを個別に調整可能となっている。したがって、支持部161,164におけるガイド部材151の高さが調整されることで、ガイド部材151の湾曲および撓み変形量を調整可能となっている。
【0135】
図6に示す例において、ガイド部材151は、包装材搬送方向206の下流側に向かって下側に湾曲するように撓み変形している。これにより、ガイド部材151は、包装材搬送方向206の下流側に向かって次第に下方への傾斜が大きくなるように配置されている。また、ガイド部材151における包装材搬送方向206の最上流部は、ほぼ水平に延びるように配置されている。
【0136】
一対の側壁153は、ガイド部材151の短手方向一方側および他方側に配置されている。側壁153は、例えば樹脂からなるが、側壁153の素材は特に限定されるものでない。各側壁153は、下端部において、例えばねじ(図示せず)を用いてガイド部材151の側面に固定されている。これにより、各側壁153は、ガイド部材151の側縁部から、ガイド部材151の上面よりも上側に突出して配置されている。
【0137】
各側壁153は、ガイド部材151の長さ方向(包装材搬送方向206)に断続的に配置されている。すなわち、各側壁153は、複数の側壁部154,155,156,157に分割して設けられている。具体的に、各側壁153は、例えば、包装材搬送方向206の上流側から順に間隔をあけて並べて配置された第1側壁部154、第2側壁部155、第3側壁部156、及び第4側壁部157を備えている。
【0138】
これにより、仮にガイド部材151の全長に亘って連続して側壁が設けられる場合に比べて、側壁153によるガイド部材151の拘束が抑制される。そのため、ガイド部材151の撓み変形が、側壁153による拘束によって阻害されることを抑制できる。
【0139】
第1側壁部154は、包装材搬送方向206において、ガイド部材151の上流側端部に取り付けられ、上流側の支持部161よりも上流側に配置されている。第2側壁部155及び第3側壁部156は、包装材搬送方向206において、上流側の支持部161と下流側の支持部164との間に配置されている。第4側壁部157は、包装材搬送方向206において、ガイド部材151の下流側端部に取り付けられ、下流側の支持部164よりも下流側に配置されている。
【0140】
第1側壁部154は、補助ローラ77と包装材搬送方向206にオーバーラップして配置されている。第2側壁部155及び第3側壁部156は、加圧部66と包装材搬送方向206にオーバーラップして配置されている。第4側壁部157は、加圧部66と包装材搬送方向206にオーバーラップして配置されている。
【0141】
[10.セット時の動作]
円周搬送路211の終点214から加圧部66の一対のシールローラ67,68間までの領域に包装材200をセットするときの包装機1の動作(以下、「セット動作」ともいう)について説明する。
【0142】
セット動作は、包装機1の連続稼働の前に行われる。セット動作の前には、間隔調整機構100による第1ガイド機構72のベルト76,83間の間隔調整、及び、所定の準備作業が行われる。
【0143】
セット動作は、包装機1の連続稼働が可能な状態に包装材200をセットすることを目的とするものであるため、セットされた包装材200部分の袋部202には充填材203が充填されなくてもよい。充填材203を充填することなくセット動作が行われる場合、延長搬送路212には、厚みが非常に小さい状態の袋部202が供給される。
【0144】
そのため、セット動作前において、第1ガイド機構72のベルト76,83間の間隔は、間隔調整機構100によって、ベルト76,83間に包装材200を挟持可能であり且つ空の袋部202の通過を許容する程度の隙間、又は、空の袋部202のスムーズな通過を許容する最小限の隙間に調整されればよい。
【0145】
また、セット動作前の準備作業として、折り上げ部14によって二つ折りされた状態の包装材200の先端部が、円周搬送路211の最上流部(始点213)に位置する縦シール部32に挟持される。包装材200の先端部を最上流部の縦シール部32に挟持させる作業は、作業者によって手動で行われる。
【0146】
上記のベルト76,83間の間隔調整及び準備作業が完了した状態で、包装機1に設けられた所定のセットボタンが作業者に操作されると、セット動作が実行される。セット動作において、回転テーブル31は、軸26周りに所定量回転される。このとき、複数の縦シール部32も、可動シールバー34を適宜移動させながら、回転テーブル31と共に軸26周りに回転する。
【0147】
これにより、回転開始時に円周搬送路211の最上流部に位置する縦シール部32に挟持されていた包装材200の先端部は、円周搬送路211に沿って包装材搬送方向206に搬送され、包装材供給部12から円周搬送路211への包装材200の繰り出し量が増大する。このとき、円周搬送路211に位置する包装材200部分のうち、縦シール部32による挟持部分には縦シール201が形成され、この結果、上方が開放した複数の袋部202が形成される(
図4参照)。
【0148】
なお、セット動作において、充填材充填部15では、昇降シャフト43及び充填シュート48が、回転テーブル31と共に回転しながら、この回転に連動して昇降されるが、充填材供給部16による袋部202への充填材203の供給は行われなくてもよい。
【0149】
図9に示すように、包装材200の先端部は、円周搬送路211の終点214で縦シール部32から解放されて、延長搬送路212に繰り出される。延長搬送路212に繰り出された包装材200部分は、第2ガイド機構120によってガイドされながら、第1ガイド機構72の第1挟持体73におけるベルト76の受部76aへ搬送される。
【0150】
第2ガイド機構120によってガイドされる包装材200部分は、第2ガイド機構120の底面部121によって下側から支持されながら、第1送風機構130のノズル部136からの送風によって第2ガイド機構120の側壁部122に押し当てられることで、側壁部122に沿って移動するように案内される。
【0151】
また、延長搬送路212における第2ガイド機構120よりも上流側に位置する包装材200部分には、第2送風機構140のノズル部141からの送風が供給される。これにより、包装材200が回転テーブル31の径方向外側へ変位することが抑制されて、第2ガイド機構120の側壁部122よりも第1送風機構130のノズル部136側へ包装材200を確実に案内することができる。そのため、延長搬送路212の始点214から第2ガイド機構120による被ガイド部までの包装材200の移動を円滑に実現できる。
【0152】
第1ガイド機構72の受部76aに到達した包装材200部分は、ベルト76に接した状態で、ベルト76と共に包装材搬送方向206(
図9の左方向)に移動して、第1挟持体73のベルト76と第2挟持体80のベルト83との隙間に導入される。
【0153】
図5に示すように、ベルト76,83間の隙間の入口部では、第1挟持体73の補助ローラ77と第2挟持体80の従動ローラ82との間に包装材200の袋部202が挟持され、ベルト76,83間の隙間の出口部では、第1挟持体73及び第2挟持体80の両駆動ローラ74,81間に包装材200の袋部202が挟持される。
【0154】
そのため、第1ガイド機構72において、延長搬送路212の上流側からベルト76,83間の隙間へ引き込む力、及び、該隙間から下流側へ繰り出す力を、包装材200に確実に伝えることができる。
【0155】
なお、セット動作時には包装材200の上縁部をシールする必要がないことから、包装材200の上縁部が通過する加熱部60において、一方の加熱板61は退避位置に退避させておいてもよい。
【0156】
第1ガイド機構72から繰り出された包装材200の先端部は、引き続き、加圧部66に供給され、包装材200の上縁部が加圧部66の一対のシールローラ67,68間に挟持される。これにより、円周搬送路211及び延長搬送路212に対する包装材200のセットが完了する。
【0157】
包装材200のセットが完了すると、回転テーブル31及び第1ガイド機構72の駆動機構90の作動が停止されて、包装材200の搬送が終了する。また、このとき、第1送風機構130の作動、及び、第2送風機構140の作動も停止されてもよい。これにより、一連のセット動作が完了する。
【0158】
以上のように、本実施形態における包装機1は、円周搬送路211上の縦シール部32及び延長搬送路212上の加圧部66に加えて、これらの間に設けられたガイド機構70によっても、包装材200を支持および搬送可能となっている。そのため、上述した一連のセット動作を、包装機1によって自動的に行うことができる。よって、包装材200のセット作業の簡素化および時間短縮を図ることができ、これにより、作業者の労力軽減、安全性の向上、及び生産性の向上を図ることができる。
【0159】
[11.連続稼働中のガイド機構の作用]
包装機1の連続稼働中において、円周搬送路211の終点214から延長搬送路212に繰り出された包装材200部分は、第1ガイド機構72、第2ガイド機構120、及び第3ガイド機構150によって案内されながら、加熱部60及び加圧部66を通過する。
【0160】
第1ガイド機構72は、その上方に位置する加熱部60(
図6参照)を通過する包装材200部分を全長に亘って支持しつつ、ベルト76,83間の隙間に沿って移動するように包装材200を案内する。ベルト76,83間の隙間の大きさは、上述の間隔調整機構100によって調整可能となっている。したがって、充填材203が充填された状態の袋部202の厚さに応じて、ベルト76,83間の隙間を連続稼働の開始前に予め調整しておくことで、第1挟持体73と第2挟持体80によって、包装材200の移動を阻害しない程度の適度な力で包装材200を挟持できる。
【0161】
図6及び
図7に示すように、加熱部60による加熱が行われる包装材200部分は、第1ガイド機構72だけでなく、ベルト76,83の下方に位置する第3ガイド機構150によってもガイドされる。加熱部60による加熱が行われる包装材200部分は、その上下方向の中間部において第1ガイド機構72によって支持されるとともに、下縁部において第3ガイド機構150によって支持される。第3ガイド機構150は、ガイド部材151によって下側から包装材200の下縁部を支持するとともに、一対の側壁153によって包装材200の側方への変位を規制する。
【0162】
ところで、連続稼働運転の際、包装材200の上縁部は、加熱部60および加圧部66を通過するときに展張される。また、包装材200の袋部202は、粉剤等の充填材203が充填された状態では底部が側方に膨出する。そのため、延長搬送路212において、包装材200は、上縁部が下縁部よりも僅かに長くなることで、包装材搬送方向206の下流側に向かって僅かに下方に湾曲するように撓み変形する。したがって、
図6に示すように、包装材搬送方向206の下流側に向かって次第に低くなるように湾曲させてガイド部材151が配置されることで、ガイド部材151によって包装材200を安定的に支持できる。
【0163】
加熱部60を通過した包装材200部分は、第1ガイド機構72のベルト76,83間の隙間から繰り出されて、加圧部66に供給される。平面視において、第1ガイド機構72の出口部に位置する一対の駆動ローラ74,81間の隙間に対して、加圧部66の一対のシールローラ67,68間の隙間は、包装材搬送方向206の下流側に隣接して配置されている。そのため、第1ガイド機構72から繰り出された包装材200部分を確実かつ円滑に一対のシールローラ67,68間に供給できる。
【0164】
第3ガイド機構150のガイド部材151は、加圧部66の一対のシールローラ67,68の下方を通って、シールローラ67,68よりも下流側部分まで延びている。これにより、加圧部66によって加圧される包装材200部分も、引き続き、第3ガイド機構150によってガイドされ得る。
【0165】
第3ガイド機構150における包装材200の下縁を支持する部分は、加熱部60の上流側から加圧部66の下流側に至る全領域において、1つのガイド部材151の上面で構成されている。ガイド部材151の上面は、全長に亘って継目の無い滑らかな面で構成されている。そのため、包装材搬送方向206に移動する包装材200の下縁部がガイド部材151の上面に引っ掛かることを抑制できる。
【0166】
以上のような第1ガイド機構72、第2ガイド機構120、及び第3ガイド機構150の作用によって、延長搬送路212では、包装材搬送方向206への包装材200のスムーズな移動を実現できる。そのため、連続稼働時において、加熱部60及び加圧部66における包装材200の上縁部の位置ずれ、弛み、引っ掛かり、及び折れ曲がりなどが効果的に抑制され、これにより、包装材200の上縁部のシール精度の向上を図ることができる。また、加圧部66の下流側に位置する切断部18(
図1及び
図2参照)においても、カッター69に対する包装材200の縦シール201の位置ずれが効果的に抑制されることで、カット工程の精度向上を図ることができる。
【0167】
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0168】
例えば、第1ガイド機構72における第1挟持体73と第2挟持体80との間隔を調整する間隔調整機構としては、上述の機構100(
図8参照)以外にも、種々の構成を採用し得る。
【0169】
例えば、
図8に示す間隔調整機構100に代えて、
図14に示すように、駆動源としてエアシリンダ310を備えた間隔調整機構300が用いられてもよい。
図14に示す間隔調整機構300では、エアシリンダ310の一端部312が第1可動プレート78に固定されている。かかる構成によれば、エアシリンダ310を伸縮駆動させることで、第1可動プレート78がスライド方向111に沿ってスライド駆動され、これに連動して、第2可動プレート84が、スライド方向111に沿って第1可動プレート78とは反対側にスライド駆動される。これにより、上述の実施形態と同様、第1可動プレート78に支持された第1挟持体73と、第2可動プレート84に支持された第2挟持体80とは、互いに近接または離反する方向にスライド移動する。これによって、第1挟持体73と第2挟持体80との隙間が調整される。
【0170】
また、第2ガイド機構120の側壁部122とは反対側から延長搬送路212に向かって送風する送風手段としては、上述の第1送風機構130(
図9)以外にも、種々の構成を採用し得る。
【0171】
例えば、
図9に示す第1送風機構130に代えて、
図15に示すような送風機構230が送風手段として用いられてもよい。
図15に示す送風機構230は、それぞれ支持部材234,235,236を介して本体フレーム10に固定された複数のノズル部231,232,233を備えている。複数のノズル部231,232,233は、それぞれ第2ガイド機構120の側壁部122に向けて送風可能なように互いに異なる位置に配置されている。かかる送風機構230の構成によっても、第2ガイド機構120による包装材200のガイドの円滑化を図ることができる。
【0172】
さらに、第1ガイド機構72の挟持体73,80を回転させる駆動手段としては、第1挟持体73と第2挟持体80の両方を回転駆動させる駆動機構90(
図8及び
図14参照)に代えて、一方の挟持体のみを回転駆動させる駆動機構が用いられてもよい。
【符号の説明】
【0173】
1:充填包装機
10:本体フレーム
12:包装材供給部
14:折り上げ部
15:充填材充填部
16:充填材供給部
17:トップシール部
18:切断部
30:固定テーブル
31:回転テーブル
32:縦シール部
60:加熱部
66:加圧部
70:ガイド機構
72:第1ガイド機構
73:第1挟持体
76:ベルト
76a:受部
80:第2挟持体
83:ベルト
90:駆動機構(駆動手段)
100:間隔調整機構
120:第2ガイド機構
122:側壁部(ガイド部)
130:第1送風機構
136:ノズル部
140:第2送風機構
141:ノズル部
150:第3ガイド機構
151:ガイド部材
152:凹溝
153:側壁
200:包装材
201:縦シール
202:袋部
203:充填材
204:トップシール
205:連続袋体
206:包装材搬送方向
207:ミシン目
300:間隔調整機構