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特許7112141変角型揚力調節方式の翼を装着した第3世代航空機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-26
(45)【発行日】2022-08-03
(54)【発明の名称】変角型揚力調節方式の翼を装着した第3世代航空機
(51)【国際特許分類】
   B64C 3/38 20060101AFI20220727BHJP
   B64C 39/08 20060101ALI20220727BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20220727BHJP
   B61D 17/12 20060101ALI20220727BHJP
   B63H 25/38 20060101ALI20220727BHJP
   B63B 1/24 20200101ALI20220727BHJP
【FI】
B64C3/38
B64C39/08
B64C39/02
B61D17/12
B63H25/38 C
B63B1/24
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021512342
(86)(22)【出願日】2018-04-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-11
(86)【国際出願番号】 KR2018005007
(87)【国際公開番号】W WO2019212066
(87)【国際公開日】2019-11-07
【審査請求日】2021-04-30
(73)【特許権者】
【識別番号】520427561
【氏名又は名称】チョイ,トン クオ
【氏名又は名称原語表記】CHOI, Dong Kuoo
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【弁理士】
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,トン クオ
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-253761(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 3/38
B64C 39/08
B64C 39/02
B61D 17/00-49/00
B62D 31/00-39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴体;
前記胴体の両側部又は上部に左右対をなしながら少なくとも2個以上が連続的に配置され、前記胴体に揚力又は前記揚力と反対の反揚力を提供するように翼の中心に位置する翼駆動軸部を基準にして角度調節可能に設置され、翼の機能と水平舵の機能を同時に行う変角型揚力調節方式の融合翼;及び
前記翼駆動軸部を中心に揚力又は反揚力を提供する角度だけ前記変角型揚力調節方式の融合翼を傾けて駆動する駆動部;を含み、
前記変角型揚力調節方式の融合翼は、流線型断面の一般的な航空機の翼形状を有することによって揚力を生成する翼胴体を有しており、前記翼胴体の前方及び後方には風分け板及び風押し板をそれぞれ延長・設置し、前記風分け板及び風押し板は、前記翼駆動軸部を通過する線上に位置すると同時に、前記翼胴体の先・後端を連結する直線上に置かれた平板状に設置し、流線型翼胴体が最小断面を維持しながらも高角度での離着陸時に増大した揚力を提供できるように構成することを特徴とする変角型揚力調節方式の翼を装着した第3世代航空機。
【請求項2】
左右対をなしながら少なくとも2個以上が連続的に配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼は、胴体の前方から後尾に至るまで均等に設置され、揚力を胴体の全区間に均一に分配することによって、胴体が水平に離着陸できるように構成することを特徴とする、請求項1に記載の変角型揚力調節方式の翼を装着した第3世代航空機。
【請求項3】
前記駆動部は、複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼の角度を同一の角に同時に調節するように前記変角型揚力調節方式の融合翼の翼駆動軸部と連結体で連結・構成することを特徴とする、請求項1に記載の変角型量力調節方式の翼を装着した第3世代航空機。
【請求項4】
前記駆動部は、複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼の前後又は左右角度を個別的に調節するように前記変角型揚力調節方式の融合翼の翼駆動軸部にそれぞれ1:1で構成することを特徴とする、請求項1に記載の変角型揚力調節方式の翼を装着した第3世代航空機。
【請求項5】
前記駆動部は、風向感知部によって感知される風向及び風速情報によって前記変角型揚力調節方式の融合翼の角度を調節するように駆動することを特徴とする、請求項3又は請求項4に記載の変角型揚力調節方式の翼を装着した第3世代航空機。
【請求項6】
前記胴体の両側部に複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼は、同一の水平ラインに配置されることを特徴とする、請求項1に記載の変角型揚力調節方式の翼を装着した第3世代航空機。
【請求項7】
前記胴体の両側部に複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼は、階段型に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の変角型揚力調節方式の翼を装着した第3世代航空機。
【請求項8】
前記胴体の両側部に複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼は、上下側に互いに交差するジグザグ型に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の変角型揚力調節方式の翼を装着した第3世代航空機。
【請求項9】
前記胴体の両側部に複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼は、前側から後側に配置される順にその翼の幅及び長さが漸次拡張されるように構成し、前翼で発生する渦流又は波流による干渉流を最小化することを特徴とする、請求項1に記載の変角型揚力調節方式の翼を装着した第3世代航空機。
【請求項10】
前記胴体の両側部に複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼間には、干渉流を防止するように角度が調節されない固定型翼をさらに配置・構成し、隣接した変角型揚力調節方式の融合翼の角度制御を通じた方向舵の役割をすると同時に、変角型揚力調節方式の融合翼に異常が発生したとき、基本揚力を維持させることによって飛行安定性を確保できるようにすることを特徴とする、請求項1に記載の変角型揚力調節方式の翼を装着した第3世代航空機。
【請求項11】
前記胴体の両側部に複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼は、胴体の外壁に固定された形態で付着する固定翼部の外側に変角翼部が回転角調節可能に設置され、一つの単位複合翼をなすように構成し、
前記単位複合翼には、胴体に直角方向に設置される胴体に対する垂直型構造;及び胴体に一定の傾斜角だけ傾けて設置される胴体に対する後退型構造;のうちいずれか一つが選択的に適用されることを特徴とする、請求項1に記載の変角型揚力調節方式の翼を装着した第3世代航空機。
【請求項12】
前記胴体の両側部に複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼には、一つの独立した翼に長さ方向に沿って固定翼部及び変角翼部を繰り返し設置した単位複合翼が適用され、
前記単位複合翼には、胴体の外壁に固定された形態で付着する固定翼部と、その外側の変角翼部とが回転角調節可能に設置された外側型複合翼;変角翼部が互いに離隔して設置される二つの固定翼部間に位置するように配列された中間型複合翼;及び変角翼部が固定翼部の内側に位置するように設置された内側型複合翼;のうちいずれか一つが選択的に設置されることを特徴とする、請求項1に記載の変角型揚力調節方式の翼を装着した第3世代航空機。
【請求項13】
前記胴体の両側部に複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼には、一つの独立した翼が長さ方向に拡張される拡張復帰式可変スライド型複合翼の構造が適用され、
前記可変スライド型複合翼には、広幅の内側翼が固定されており、これに収容される狭い幅の外側翼が空圧又は油圧シリンダーを備えたピストン方式で駆動し、内側翼の先端から広がったり縮小される長さ可変型の融合翼;及び固定されている狭い幅の内側翼が軸として作用するように固定されており、その外側を覆いながら広がるように設置される広幅の外側翼が空圧又は油圧シリンダーを備えたピストン方式で駆動し、広がったり縮小される長さ可変型の融合翼;のうちいずれか一つが設置されることを特徴とする、請求項1に記載の変角型揚力調節方式の翼を装着した第3世代航空機。
【請求項14】
前記変角型揚力調節方式の融合翼の揚力提供のための角度は、水平ラインを基準にして上方向に43゜~87゜の範囲内で調節されることを特徴とする、請求項1に記載の変角型揚力調節方式の翼を装着した第3世代航空機。
【請求項15】
前記変角型揚力調節方式の融合翼の反揚力提供のための角度は、水平ラインを基準にして下方向に13゜~15゜の範囲内で調節されることを特徴とする、請求項1に記載の変角型揚力調節方式の翼を装着した第3世代航空機。
【請求項16】
前記航空機の後側には、少なくとも一つ以上のエンジン部及び噴射口を構成することを特徴とする、請求項1に記載の変角型揚力調節方式の翼を装着した第3世代航空機。
【請求項17】
前記エンジン部は、上下左右に360゜の回転角を有する円錐状のエンジン噴射口を有することを特徴とする、請求項16に記載の変角型揚力調節方式の翼を装着した第3世代航空機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機、船舶、列車及び自動車などの運送手段に変角型揚力調節方式の翼を装着する技術に関し、より詳細には、航空機、船舶、列車及び自動車のうちいずれか一つに揚力、反揚力及び抗遠心力が選択的に適用される変角型揚力調節方式の翼を装着することによって、航空機、船舶、列車及び自動車の機能限界及び悪天候などの変数に対応できないという弱点を補完できるようにする変角型揚力調節方式の翼を装着した第3世代航空機、船舶、列車及び自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な滑走路方式の航空機は、添付の図3の(イ)のように胴体100に主翼200が固定されており、前記主翼200の後部分にある水平舵201によって離陸及び着陸又は高度を調節する。
【0003】
しかし、本発明の技術を適用した航空機は、翼と水平舵の機能を一つに結合した融合型翼を通じて水平舵の機能を同時に行えるようにしたものである。したがって、本発明を特定すると、「変角型揚力調節式の翼=翼+水平舵」という公式が成立する。このように、航空機の翼に最初に凧の原理を適用し、それぞれの翼に凧の上昇理論を適用できるようにした。
【0004】
すなわち、従来の航空機は、胴体100に主翼200が固定されており、添付の図2及び図5の(イ)のように、一定長さの滑走路に定められた離着陸角R1で離陸及び着陸を行うようになる。そのため、随時に変わる風の方向及び霧や雲、夜間に空港管制所などの指示用機器に生じる問題、又は航空機自体の故障によっても離着陸に頻繁な危険及び支障をもたらした。
【0005】
また、従来の航空機は、不必要に長い主翼200によって空港での待機面積を広く占めており、修理や保管などの理由で格納庫に入庫するときに多くの不便さを有していた。
【0006】
また、従来の航空機は、90%以上の揚力を主翼200で負担するので、主翼200及び胴体100の限定された部分に揚力が偏重することから揚力の不均衡を起こし、胴体の安定性を主翼に依存することによって、30%以上の翼が破損したときに墜落などの深刻な状況を引き起こし得る。
【0007】
また、従来の航空機は、他の問題として、離陸時に航空機の胴体を斜めの角度R1だけ傾けて上昇するので、乗客が不便な姿勢によって不便を感じ、貨物機の場合は貨物の安定性に大きな影響を及ぼし得る。
【0008】
さらに、従来の航空機は、ほぼ全ての揚力を主翼200が負担しなければならないので、乗客や貨物の収容能力と直結する胴体の長さ拡張に限界を有し、高度調節は水平舵201が担当するので、急上昇又は急下降及び急減速が不可能であることから航空機の離着陸のための滑走路を長く造成するしかなかった。
【0009】
一方、自動車や列車などの運送手段には変角型揚力調節方式の翼が設けられていないので、乗客及び貨物によって荷重が増加する場合、その荷重によって燃料が過剰に消耗されることはもちろん、増加した荷重が自動車や列車の車輪に伝達されながら車輪が破損するという短所を有しており、雨の道路、凍結した道路又はカーブした道路で滑り現象が引き起こされながら安定的な走行が難しくなるという問題を有していた。
【0010】
また、船舶などの運送手段は、バラストタンク(Ballast Tank)を適用することによって安定的な運航を可能にしたが、これにも変角型揚力調節方式の翼が設けられていないので、前記バラストタンクに充填されるバラスト水(Ballast Water)によって全体的な荷重が増加しながら燃料消費量が多くなり、特に、バラスト水の排出による環境汚染問題が台頭している実情にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、前記のような従来の問題を改善するためのものであって、運送手段としての航空機、船舶、列車及び自動車にそれぞれ変角型揚力調節方式の翼を装着することによって、翼の角度調節を通じて揚力や反揚力を提供できるようにし、これを通じて、航空機、船舶、列車及び自動車などの運送手段を利用する乗客には安定した移動性を提供し、積載される貨物も安定的に輸送できるようにするものであって、さらに、移動による燃料を著しく節減できる変角型揚力調節方式の翼を装着した第3世代航空機、船舶、列車及び自動車を提供することを目的とする。
【0012】
言い換えると、本発明が航空機の胴体に適用される場合、水平離着陸を可能にすることによって乗客及び貨物をさらに安全に保護できるようにする。
【0013】
本発明の他の目的は、航空機、船舶、列車及び自動車に抗遠心力を提供する翼を構成することによって、航空機、船舶、列車及び自動車のカーブ移動時に滑りを防止できるようにする変角型揚力調節方式の翼を装着した第3世代航空機、船舶、列車及び自動車を提供することにある。
【0014】
本発明の更に他の目的は、胴体全体に長さ方向に沿って均等な揚力分布を提供し、これを通じて、翼部に集中する揚力偏重現象を解消し、翼の一部が損傷したとしても深刻な安全事故を防止できるようにすることにある。
【0015】
本発明の更に他の目的は、ほぼ全ての揚力を負担していた主翼の位置及び大きさを変更し、主翼を分散・配置することによって、乗客や貨物の収容能力と直結する胴体の長さを必要に応じて容易に拡張できるようにすることにある。
【0016】
本発明の更に他の目的は、自動車や列車などの運送手段に適用される場合、変角型揚力調節方式の融合翼を通じて、乗客及び貨物によって荷重が増加したとしても、増加した荷重によって自動車や列車の車輪が容易に破損する問題を解消し、雨の道路、凍結した道路又はカーブした道路などの劣悪な走行環境でも滑り現象が効果的に防止される、安定性が拡大された運送手段を提供することにある。
【0017】
本発明の更に他の目的は、船舶に適用したとき、バラストタンクに取って代わり、通常のバラストタンクに充填されるバラスト水によって全体的に増加する荷重だけの乗客又は貨物を追加的に輸送できるようにし、特に、バラスト水の排出による環境汚染問題を解消することにある。
【0018】
言い換えると、魚が水中を泳ぐように、鳥及び蝶も大気中を泳いでいる。そのため、人間が作った陸上運送機関や航空機、さらに、ミサイルやロケットも、運動性を有しているなら空気の流れ及び抵抗から自由でない。そこで、本発明者は、空気の流れ及び抵抗から自由でない状況での利用方案を模索し、空気及び水の抵抗を自分が望む有利な方向に最大限誘導することによって最上の効果を出そうと努力した結果、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記のような各目的を達成するための本発明の変角型揚力調節方式の翼を装着した第3世代航空機は、胴体;前記胴体の両側部又は上部に左右対をなしながら少なくとも2個以上が連続的に配置され、前記胴体に揚力又は前記揚力と反対の反揚力を提供するように翼の中心に位置する翼駆動軸部を基準にして角度調節可能に設置され、翼の機能と水平舵の機能を同時に行う変角型揚力調節方式の融合翼;及び前記翼駆動軸部を中心に揚力又は反揚力を提供する角度だけ前記変角型揚力調節方式の融合翼を傾けて駆動する駆動部;を含み、前記変角型揚力調節方式の融合翼は、流線型断面の一般的な航空機の翼形状を有することによって揚力を生成する翼胴体を有しており、前記翼胴体の前方及び後方には風分け板(wind dividor)及び風押し板(wind pressor)をそれぞれ延長・設置し、前記風分け板及び風押し板は、前記翼駆動軸部を通過する線上に位置すると同時に、前記翼胴体の先・後端を連結する直線上に置かれた平板状に設置し、流線型翼胴体が最小断面を維持しながらも、高角度で離着陸したときに増大した揚力を提供できるように構成することを特徴とする。
【0020】
本発明の航空機において、左右対をなしながら少なくとも2個以上が連続的に配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼は、胴体の両側に前方から後尾に至るまで均等に設置され、揚力を胴体の全区間に均一に分配することによって、胴体が水平に離着陸できるように構成することができる。
【0021】
本発明の航空機において、前記駆動部は、複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼の角度を同一の角に同時に調節するように前記変角型揚力調節方式の融合翼の翼駆動軸部と連結体で連結・構成することができる。
【0022】
本発明の航空機において、前記駆動部は、複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼の前後又は左右角度を個別的に調節するように前記変角型揚力調節方式の融合翼の翼駆動軸部にそれぞれ1:1で構成することができる。
【0023】
本発明の航空機において、前記駆動部は、風向感知部によって感知される風向及び風速情報によって前記変角型揚力調節方式の融合翼の角度を調節するように駆動することができる。
【0024】
本発明の航空機において、前記胴体の両側部に複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼は、同一の水平ラインに配置することができる。
【0025】
本発明の航空機において、前記胴体の両側部に複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼は、階段型に配置することができる。
【0026】
本発明の航空機において、前記胴体の両側部に複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼は、上下側に互いに交差するジグザグ型に配置することができる。
【0027】
本発明の航空機において、前記胴体の両側部に複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼は、前側から後側に配置される順にその翼の幅及び長さが漸次拡張されるように構成し、前翼で発生する渦流又は波流による干渉流を最小化する。
【0028】
本発明の航空機において、前記胴体の両側部に複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼間には、干渉流を防止するように角度が調節されない固定型翼をさらに配置・構成し、隣接した変角型揚力調節方式の融合翼の角度制御を通じた方向舵の役割をすると同時に、変角型揚力調節方式の融合翼に異常が発生したときに基本揚力を維持させることによって飛行安定性を確保できるようにする。
【0029】
本発明の航空機において、前記胴体の両側部に複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼は、胴体の外壁に固定された形態で付着する固定翼部の外側に、変角翼部が回転角調節可能に設置され、一つの単位複合翼をなすように構成できるが、前記単位複合翼には、胴体に直角方向に設置される胴体に対する垂直型構造、又は胴体に一定の傾斜角だけ傾けて設置される胴体に対する後退型構造が選択的に適用される。
【0030】
本発明の航空機において、前記胴体の両側部に複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼には、一つの独立した翼に長さ方向に沿って固定翼部と変角翼部を繰り返し設置した単位複合翼が適用され得る。
【0031】
本発明の航空機において、前記単位複合翼には、胴体の外壁に固定された形態で付着する固定翼部とその外側の変角翼部が回転角調節可能に設置された外側型(outer type)複合翼、変角翼部が互いに離隔して設置される2個の固定翼部間に位置するように配列された中間型(Intermediate type)複合翼、及び変角翼部が固定翼部の内側に位置するように設置された内側型(inner type)複合翼のうちいずれか一つが選択的に適用され得る。
【0032】
本発明の航空機において、前記胴体の両側部に複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼には、一つの独立した翼が長さ方向に拡張される拡張復帰式可変スライド型複合翼の構造が適用され得るが、このとき、前記可変スライド型複合翼には、広幅の内側翼が固定されており、これに収容される狭い幅の外側翼が空圧又は油圧シリンダーを備えたピストン方式で駆動し、内側翼の先端から広がったり縮小される長さ可変型の融合翼、及び固定されている狭い幅の内側翼が軸として作用するように固定されており、その外側を覆いながら広がるように設置される広幅の外側翼が空圧又は油圧シリンダーを備えたピストン方式で駆動し、広がったり縮小される長さ可変型の融合翼のうちいずれか一つが選択的に適用され得る。
【0033】
本発明の航空機において、前記変角型揚力調節方式の融合翼の揚力提供のための角度は、水平ラインを基準にして上方向に43゜~87゜の範囲内で調節できるものであって、滑走距離を最小化するためには85゜~87゜の範囲内で調節することがさらに好ましい。
【0034】
本発明の航空機において、前記変角型揚力調節方式の融合翼の反揚力提供のための角度は、水平ラインを基準にして下方向に13゜~15゜の範囲内で調節することができる。
【0035】
本発明の航空機において、前記航空機の後側には一つ以上のエンジン部及び噴射口を構成することができ、多数個のエンジンのうち少なくとも一つは胴体の後尾の中央に位置するように設置される。
【0036】
本発明の航空機において、前記エンジン部は、上下左右に360゜の回転角を有する円錐状のエンジン噴射口を有するようになる。
【0037】
前記のような各目的を達成するための本発明が列車に適用される場合、変角型揚力調節方式の翼を装着した第3世代列車は、胴体;前記胴体の両側部又は外側部上部に左右対をなしながら少なくとも2個以上が連続的に配置され、前記胴体に揚力又は前記揚力と反対の反揚力を提供し、翼駆動軸部を中心に角度が調節され、揚力を通じて胴体の安定性を提供すると同時に、反揚力を通じて胴体とレールとの間の間隙を常に一定に維持させる変角型揚力調節方式の融合翼;前記胴体の外部側上部又は外部側両側部に抗遠心力を提供するための遠心力制御翼;及び前記変角型揚力調節方式の融合翼及び前記遠心力制御翼が前記翼駆動軸部を中心に揚力を提供する角度又は反揚力を提供する角度に調節されるように駆動する駆動部;を含むことを特徴とする。
【0038】
このような本発明の列車において、左右対をなしながら少なくとも2個以上が連続的に配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼は、胴体の前方から後尾に至るまで均等に設置され、揚力を胴体の全区間に均一に分配するようになる。
【0039】
本発明の列車において、前記駆動部は、複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼の角度を同時に調節するように前記変角型揚力調節方式の融合翼の翼駆動軸部と連結体で連結・構成することができる。
【0040】
本発明の列車において、前記駆動部は、複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼の角度を個別的に調節するように前記変角型揚力調節方式の融合翼の翼駆動軸部にそれぞれ1:1で構成することができる。
【0041】
本発明の列車において、前記駆動部は、風向感知部によって感知される風向、風速及び風速情報によって前記変角型揚力調節方式の融合翼の角度を調節するように駆動する。
【0042】
本発明の列車において、前記胴体の両側部又は外部側上部に複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼は、同一の水平ラインに配置され得る。
【0043】
本発明の列車において、前記胴体の両側部又は外部側上部に複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼は階段型に配置され得る。
【0044】
本発明の列車において、前記胴体の両側部又は外部側上部に複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼は、上下側に互いに交差するジグザグ型に配置され得る。
【0045】
本発明の列車において、前記遠心力制御翼は、前記変角型揚力調節方式の融合翼に垂直に構成することができる。
【0046】
前記のような各目的を達成するための本発明が自動車に適用される場合、胴体;前記胴体の前・後側に配置され、前記胴体に揚力又は前記揚力と反対の反揚力を提供し、翼駆動軸部を中心に角度が調節され、揚力を通じて胴体の安定性を提供すると同時に、反揚力を通じて胴体と道路面との距離を常に一定に維持させる変角型揚力調節方式の融合翼;前記胴体の外部側上部又は外部側両側部に抗遠心力を提供するための遠心力制御翼;及び前記変角型揚力調節方式の融合翼及び前記遠心力制御翼が前記翼駆動軸部を中心に揚力を提供する角度又は反揚力を提供する角度に調節されるように駆動する駆動部;を含むことを特徴とする。
【0047】
本発明の自動車において、前記駆動部は、風向感知部によって感知される風向及び風速情報によって前記変角型揚力調節方式の融合翼の角度を調節するように駆動する。
【0048】
本発明の自動車において、前記遠心力制御翼は、前記変角型揚力調節方式の融合翼に垂直に構成することができる。
【0049】
前記のような各目的を達成するための本発明が船舶に適用される場合、胴体;前記胴体の外部側底部に左右対をなしながら少なくとも2個以上が連続的に配置され、前記胴体に浮力又は前記浮力と反対の反浮力を提供し、バラストタンクの機能を行うようになる、翼駆動軸部を中心に角度が調節される変角型揚力調節方式の融合翼;及び前記変角型揚力調節方式の融合翼を、前記翼駆動軸部を中心に浮力を提供する角度又は反浮力を提供する角度に調節するように駆動する駆動部;を含んで構成する。
【0050】
本発明の船舶において、胴体の外部側底部に左右対をなしながら少なくとも2個以上が連続的に配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼は、胴体の前方から後尾に至るまで均等に設置され、揚力を胴体の全区間に均一に分配することを特徴とする。
【0051】
本発明の船舶において、前記駆動部は、複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼の角度を同時に調節するように前記変角型揚力調節方式の融合翼の翼駆動軸部と連結体で連結・構成することができる。
【0052】
本発明の船舶において、前記駆動部は、複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼の角度を個別的に調節するように前記変角型揚力調節方式の融合翼の翼駆動軸部にそれぞれ1:1で構成することができる。
【0053】
本発明の船舶において、前記駆動部は、水流感知部によって感知される水流情報によって前記変角型揚力調節方式の融合翼の角度を調節するように駆動することを特徴とする。
【0054】
本発明の船舶において、前記胴体の外部側底部、胴体の上部側面又は屋根に複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼は、同一の水平ラインに配置することができる。
【0055】
本発明の船舶において、前記胴体の外部側底部、胴体の上部側面又は屋根に複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼は、階段型に配置することができる。
【0056】
本発明の船舶において、前記胴体の外部側底部、胴体の上部側面又は屋根に複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼は、上下側に互いに交差するジグザグ型に配置することができる。
【0057】
本発明の船舶において、前記胴体が大型低速船舶であると、前記変角型揚力調節方式の融合翼は、船舶の外部側底部に複数配置することができる。
【0058】
本発明の船舶において、前記胴体が小型高速船舶であると、前記変角型揚力調節方式の融合翼は、船舶の外部側両側部又は船舶の屋根に複数配置することができる。
【発明の効果】
【0059】
このように、本発明は、航空機、船舶、列車及び自動車などの運送手段にそれぞれ変角型揚力調節方式の翼を装着したものであって、このように翼の角度調節を通じて航空機、船舶、列車及び自動車などの運送手段に揚力又は反揚力及び抗遠心力を提供し、航空機、船舶、列車及び自動車などの運送手段が安定的に移動できるようにし、乗客や貨物によって荷重が増加したとしても安定的な移動を可能にすることはもちろん、移動による燃料を節減する効果を期待することができる。
【0060】
また、本発明は、航空機などの運送手段に変角型揚力調節方式の翼を適用したとき、翼が短い胴体を構成し、滑走距離を減少させながら滑走路の造成による費用を節減すると同時に、空港での待機面積を狭く占めるようになり、胴体は、広い幅を有して長く設計できるようにし、その結果、乗客及び貨物の積載量を増大させる効果を期待することができる。
【0061】
また、本発明は、航空機などの運送手段に変角型揚力調節方式の翼を適用したとき、航空機の急上昇又は急下降及び急減速を可能にする。
【0062】
また、本発明は、航空機などの運送手段に変角型揚力調節方式の翼を適用したとき、胴体の全区間で均等な揚力を発生させながら、航空機の離着陸距離を画期的に短縮させる効果を提供することができる。
【0063】
また、本発明は、航空機などの運送手段に多段に変角型揚力調節方式の翼を適用したとき、いずれか一つの翼が破損したとしても、その破損した翼のみを取り替えることができ、突然の墜落事故を防止する効果を期待することができる。
【0064】
また、本発明は、航空機などの運送手段に変角型揚力調節方式の翼を適用したとき、空港での待機面積を最小化させ、格納庫への格納時に発生する不便さを改善する効果を期待することができる。
【0065】
また、本発明は、列車又は自動車などの運送手段に変角型揚力調節方式の翼を適用したとき、乗客及び貨物の増加によって荷重が増加したとしても、安定的な走行を可能にすることはもちろん、荷重の増加による重力作用から車輪(特に列車)が破損する問題を防止する効果を期待することができる。
【0066】
また、本発明は、船舶などの運送手段に変角型揚力(浮力)及び反揚力(反浮力)調節方式の翼を適用したとき、貨物の積載量を増大させながらも船舶の安定的な運航をガイドする効果を期待することができる。
【0067】
言い換えると、変角型揚力調節方式の融合翼を通じて船舶の胴体に反浮力を提供する場合、船舶の胴体を下側に引っ張ることによって胴体に安定性を提供するようになり、その結果、積載された貨物又は搭乗人員を考慮して最善の速度で巡航できるようにする。
【0068】
そして、巡航の途中で天気や潮流が急変する状況に至る場合、前記変角型揚力調節方式の融合翼の翼角制御を通じて反浮力(接水力)を増加させることによって、バラストタンクの役割を迅速に行えるようにするが、このようにバラストタンクの機能が前記変角型揚力調節方式の融合翼を通じて行われると、前記バラスト水で充填されていた従来の船舶に比べて全体的な荷重が減少しながら燃料消費量が著しく減少するようになり、特に、バラスト水の排出による環境汚染問題を解消できるようになる。
【0069】
既存のバラストタンク方式の船舶は、風、波又は風浪によって胴体が前後、特に左右側に揺れたり、一時的に傾く現象が生じ得る。その結果、最悪の場合、沈没の危険までも感じるようになるが、本発明の変角型揚力調節方式の融合翼を有する船舶の場合は、胴体の揺れを感知した後、それぞれの翼角度を異ならせて制御することによって、激しい風浪や波によっても胴体が揺れることなく安定した運航が可能になる。
【0070】
さらに技術的に敍述すると、大型船舶に適用される変角型揚力調節方式の融合翼の場合は、空気と異なる水という物質の特殊性によって大きな圧力及び抵抗を受けるので、変角型揚力調節方式の融合翼の断面を最小化しながら耐久性に優れた強い素材を使用しなければならず、構造的にもさらに堅固な結合が要求される。
【0071】
また、本発明は、列車又は自動車などの運送手段に抗遠心力を発揮する変角型揚力調節方式の翼を適用し、列車又は自動車において、雨の道路、凍結した道路又はカーブした道路で滑り現象が発生することを防止しながら、減速のない定速走行状態でも安定的に走行できるようにする効果を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
図1図1は、本発明の変角型揚力調節方式の翼を適用した航空機の全体的な翼の特性及び概念を示す図である。
図2図2は、従来の固定型である主翼(イ)と本発明の核心である変角型揚力調節方式の翼(ロ)の断面を比較して示した図であって、変角型揚力調節方式の翼の前側及び後側に風分け板及び風押し板を形成しており、変角型揚力調節方式の翼の中心には翼駆動軸部が設置されている構成を示した図である。
図3図3は、従来の固定型である主翼が適用される航空機と本発明の変角型揚力調節方式の翼が適用される航空機の全体的な形態、翼の機能及び役割を比較した図であって、(イ)と(A)は、二つの航空機を上側から見下ろした形態を示した図で、(ロ)と(B)は翼の断面を示した図で、(ハ)(ニ)(ホ)と(C)(D)(E)は、翼の機能及び役割を一側の翼のみで表現したが、固定型主翼が装着された航空機は側断面を示した図で、変角型揚力調節方式の翼が装着された航空機は正断面を示した図である。
図4図4は、凧と水上スキーの原理を示し、本発明の航空機の核心原理及びこれを応用した変角型揚力調節方式の翼を示した図である。
図5図5は、固定型主翼を装着した従来の航空機と変角型揚力調節方式の翼を装着した本発明の航空機の離陸状態を示した図であって、(イ)は、固定型主翼が装着されており、離陸角が小さく、胴体が斜めの角度で上昇する従来の航空機を示し、(ロ)は、変角型揚力調節方式の翼を装着し、離陸角が大きく、水平に上昇する本発明の航空機を示した図である。
図6図6の(イ)は、変角型揚力調節方式の翼に対する限界角を示した図であって、限界角は、胴体の安全のために定めたものであり、これを超えたときに深刻な危険をもたらし得るので、水平線を基準にして上側には最高限界角を示し、下側には最低限界角を示した図で、(ロ)は、変角型揚力調節方式の翼を装着した本発明の航空機に対する着陸形態を示した図で、(ハ)は、固定型主翼を装着した従来の航空機の着陸形態を示した図である。
図7図7の(イ)(ロ)(ハ)は、本発明の航空機に変角型揚力調節方式の翼を配列する方式を示した図であって、(イ)は水平型配列方式、(ロ)は階段型配列方式、(ハ)はジグザグ型配列方式を適用した状態を示した図である。
図8図8は、図7で水平型配列構造を示した変角型揚力調節方式の翼が適用される航空機の側面及び平面を示した図であって、変角型揚力調節方式の翼の前後に面積を広げたことを示す図である。
図9図9は、図7で水平型配列構造を示した変角型揚力調節方式の翼が適用される航空機の平面を示した図であって、後側に行くほど変角型揚力調節方式の翼の左右に面積を広げるように構成した形態を示した図である。
図10図10は、固定型翼と変角型揚力調節方式の翼とを融合した翼配列方式を示した図表である。
図11図11の(イ)(ロ)は、一つの独立した翼に固定翼部と変角翼部を複合的に設置した構造を示した平面図であって、胴体の外壁に固定された形態で付着する固定翼部の外側に変角翼部が回転角調節可能に設置され、一つの複合翼をなすように構成するものであって、図11の(イ)は、このような複合翼が胴体に直角方向に設置される胴体に対する垂直型構造を示しており、図11の(ロ)は、複合翼が胴体に一定の傾斜角だけ傾いて設置される胴体に対する後退型構造を示している。
図12図12の(イ)(ロ)(ハ)は、一つの独立した翼に複合的に設置される固定翼部及び変角翼部の機能的な位置を示した平面図であって、図12の(イ)は、胴体の外壁に固定された形態で付着する固定翼部の外側に変角翼部が回転角調節可能に設置された状態を示し、図12の(ロ)は、変角翼部が互いに離隔して設置される固定翼部間に位置するように配列された状態を示し、図12の(ハ)は、変角翼部が固定翼部の内側に位置するように設置された状態を示している。
図13図13は、一つの独立した翼が長さ方向に拡張される構造を説明するための図である。
図14図14は、変角型揚力調節方式の融合翼の概念図である。
図15図15は、揚力と反揚力(又は接地力)調節方式の翼と抗遠心力翼の基本メカニズムを示した図である。
図16図16は、揚力と反揚力(又は接地力)調節方式の翼と抗遠心力翼の基本応用状態を示した図である。
図17図17は、揚力(浮力)と反揚力(反浮力)調節方式の翼を大型船舶に適用した状態を示した側面図及び底面図である。
図18図18は、揚力(浮力)と反揚力(反浮力)調節方式の翼を小型船舶に適用した状態を示した側面図及び平面図である。
図19図19は、揚力と反揚力調節方式の翼と抗遠心力翼を列車に適用した状態を示した正面図及び側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0074】
本発明の実施形態によって航空機、船舶、列車及び自動車の胴体10に適用される変角型揚力調節方式は、変角型揚力調節方式の融合翼20及び/又は固定型翼、駆動部30及び風向感知部40を含んで構成し、これに加えて、遠心力制御翼50及び水平舵(図示せず)をさらに含んで構成することができる。
【0075】
このとき、本発明の実施形態として変角型揚力調節方式の融合翼20を適用できる原理は、添付の図4の(イ)のように、凧の揚がる原理を用いるものであって、これをより具体的に検討すると、風の抵抗を作る凧胴体と、抵抗力(空気の流れ)を斜めに下部方向(重力方向)に流すように縛った凧糸とから着眼したものである。
【0076】
そして、添付の図4の(ロ)のように、水上スキーの浮力原理からも着眼したものであって、スキーが前進しながら水の抵抗を下部方向に流すことによって浮力を得ることから着眼したものである。
【0077】
一方、前記のような原理以外に、船のスクリュー、風車及び扇風機の翼などに適用される原理を応用することもでき、これらの共通点は、水及び風の抵抗を所望の方向に誘導することにある。
【0078】
すなわち、本発明の実施形態に係る変角型揚力調節方式の融合翼20は、前記で説明する空気及び水という物質から水及び風の抵抗を所望の方向に誘導することに着眼したものであって、これによって、前記変角型揚力調節方式の融合翼20の角度調節を通じて航空機、船舶、列車及び船舶の移動による状況や変数に対応して揚力(又は浮力)を調節できるようにした。
【0079】
(航空機に適用される変角型揚力調節方式の融合翼の公式)は、
*翼+水平舵→変角型揚力調節方式の翼=凧(それぞれの翼)
【0080】
航空機の操縦士は、離陸時より着陸時にさらに緊張感を感じるようになるが、本発明の変角型揚力調節翼方式の航空機は、定められた着陸角を有していないので、一般の着陸時又は悪天候の着陸時に操縦士の緊張感を著しく減少させることができる。
【0081】
これをより具体的な実施形態として検討すると、前記変角型揚力調節方式の融合翼20は、航空機、船舶、列車及び自動車の胴体10の両側部に配置されるものであって、前記胴体10に揚力又は前記揚力と反対の反揚力を提供するように翼駆動軸部20aを中心に角度が調節される構成をなす。
【0082】
このとき、前記変角型揚力調節方式の融合翼20は、添付の図6の(イ)のように、揚力提供のための限界角度及び反揚力提供のための限界角度を有するように調節され、前記変角型揚力調節方式の融合翼20の揚力提供のための最高限界角度は、水平ラインHを基準にして上方向に43゜~87゜の範囲内で調節されるものであって、前記変角型揚力調節方式の融合翼20の反揚力提供のための最低限界角度は、水平ラインHを基準にして下方向に13゜~15゜の範囲内で調節されるように構成する。
【0083】
ここで、前記のような揚力及び反揚力の最高限界角度は、前記のような数値的な範囲に限定されるのではなく、研究及び実験を通じてその限界角度を再設定することもできる。
【0084】
一方、前記変角型揚力調節方式の融合翼20の前方及び後方には、図1及び図2の(ロ)で具体的に例示しているように、上部に突出する流線型構造を有することによって揚力を生成する翼胴体の前方及び後方にそれぞれ延長されるように設置される風分け板及び風押し板を、板状の構造で延長・設置するようになる。
【0085】
すなわち、前記風分け板21及び前記風押し板22は、前記変角型揚力調節方式の融合翼20を航空機の胴体10に適用した場合、航空機の離陸及び着陸時に激しい空気の圧力を受けることを勘案して空気の流れを誘導するためのものである。これによって、前記風分け板21及び前記風押し板22は、可能な限り薄く作り、折れたり前記変角型揚力調節方式の融合翼20から離脱しないように剛性の材質で作らなければならず、ここで説明する剛性の材質とは、公知の材質として炭素繊維を説明するものであるが、必ずしもこれに限定するのではない。
【0086】
一方、前記変角型揚力調節方式の融合翼20は、航空機の胴体10の両側部に左右対をなしながら少なくとも2個以上が配置・構成され、好ましくは、複数として多段に配置するものであって、これは、添付の図7の(イ)のように同一の水平ラインに水平型に配置・構成したり、添付の図7の(ロ)のように階段型に配置・構成したり、図7の(ハ)のように上下側に互いに交差するジグザグ型に配置・構成することができる。
【0087】
このとき、水平型に配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼20は、その配置間隔によって空気の干渉流(例;渦流又は波流)が後端側翼に影響を及ぼしながら、後端側に配置される変角型揚力調節方式の融合翼での揚力提供を減少させる問題があるので好ましいものではない。これによって、干渉流で比較的自由な階段型に変角型揚力調節方式の融合翼20を配置したり、又はジグザグ型に変角型揚力調節方式の融合翼20を配置・構成することができる。
【0088】
そして、前記変角型揚力調節方式の融合翼20を階段型に配置することが最も理想的であるが、これは、先端側及び後端側にそれぞれ配置される変角型揚力調節方式の融合翼20の揚力において最小5%~7%、最大10%まで差が発生しながら、全体的に配置される変角型揚力調節方式の融合翼20の揚力が最も大きく提供され得るためである。これによって、前記のような階段型に配置される変角型揚力調節方式の融合翼20は、大型運送手段(大型旅客機、大型貨物機)にも容易に適用することができる。
【0089】
一方、前記変角型揚力調節方式の融合翼20を水平型に配置したとき、干渉流から影響を受けることを補完するために、添付の図10のように、水平型に配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼20間に回転しない固定型翼(図示せず)を配置する混合型を構成することによって、前記干渉流の影響を解消できるようにした。
【0090】
すなわち、添付の図10は、固定型翼と変角型揚力調節方式の翼とを融合した配列方式を示した図表であって、これは、水平型配列構造及び階段型配列構造はもちろん、ジグザグ型配列構造に全て適用され得る。その長所は、変角型の立場で検討すると、変角型揚力調節方式の融合翼20の故障時、固定型翼によって墜落などの深刻な状況を防止することができ、固定型翼の立場で検討すると、より流動的且つ効果的な飛行を可能にすることにあり、最も重要なことは、多翼型航空機の短所及び弱点である空気干渉流(風)の影響を減少できることにある。
【0091】
その理由としては、変角型揚力調節方式の融合翼20間に固定型翼が備えられることによって二つの翼間の間隔が広くなるので、干渉流(風)の影響をより少なく受けるようになり、同じ種類の翼が連続しており、揚力の効果面で妨害要素になり得る。特に、多翼型翼を装着した航空機全体に該当する要件として、翼は、可能な限り多いほど良いが、そうであっても、添付の図3のように過度に近く設計してはならず、実際には相当な距離を置かなければならない。
【0092】
すなわち、非(小)干渉有効距離を維持しなければならず、前記有効距離は、多翼型航空機の種類(水平型、階段型、ジグザグ型、融合型)によって異なるが、翼間の距離が短いと翼の面積が狭くなり、翼間の距離が長いと翼の面積が広くなるように作らなければならない。これは、翼の数が多いほど翼が小さくなり、翼の数が少ないほど翼が大きくなるように作らなければならないことを意味する。これは、公式である以前に物理法則及び道理であるためである。
【0093】
本発明を実施するにおいて、前記変角型揚力調節方式の融合翼20は、少数の大きい翼より多数の小さい翼で構成することがさらに効果的である。これは、多数の小さい翼の一つ当たりにかかる負荷も少なく、翼が起こす騒音も少ないだけでなく、操縦感覚及び作動(変角)も柔らかく、干渉流も少なく発生するようになり、その結果、事故でいくつかの翼が折れたとしても、胴体の安全に致命的な影響をもたらさないためである。
【0094】
このような多数の小さい翼は、何よりも飛行が滑らかで、敏捷に動作するものであって、さらに、予告のない突風や気象異変が発生したときにも、翼の面積が小さいので、飛行時や空港での待機時の事故や危険を避けることができる。そのため、少数の大きい翼(4個~6個)より多数の小さい翼(10個~16個)を設置することが全ての面で有益である。
【0095】
ここで、前記のように変角型揚力調節方式の融合翼20及び/又は固定型翼を水平型、階段型及びジグザグ型に多段に配置したとき、先端側よりは後端側で揚力が減少することは避けることができず、その結果、本発明の実施形態では、添付の図8及び図9のように、前側から後側に配置される順にその翼の幅(W1<W2<W3<W4)(又は面積)が拡張されるように構成することもできる。
【0096】
すなわち、前側より後側に行くほど幅(又は面積)を広げた変角型揚力調節方式の融合翼20を適用することによって、後側で損失する揚力を補完できるようにする。
【0097】
これをさらに具体的に説明すると、水平型配列構造は、階段型配列構造と異なり、補完せずにそのまま、すなわち、同じ大きさ又は同じ面積の変角型揚力調節方式の融合翼20を適用することができない。その理由は、多翼型航空機は、単翼型と異なり、前翼が起こす空気の干渉流(渦流又は波流)が後翼に影響を与えるためである。その結果、後側にいくほど揚力が減少する現象が生じる。干渉流で比較的自由な階段型の場合も、前翼と尾翼との揚力差が最小5%~7%、最大10%まで出ると予想される。このような現象は、水平型配列構造で最も激しい。
【0098】
これを補完するためには、後側に行くほど一定比率で翼の面積を広げる方法を使用しなければならないが、そのうち一つは、添付の図8のように翼の前後に面積を広げることであり、他の一つは、添付の図9のように翼の左右に面積を広げることであり、前記翼の前後面積と左右面積とを折衷して混用する方式を適用することもできる。
【0099】
一方、本発明の実施形態として胴体10の両側部に配置される変角型揚力調節方式の融合翼20は、駆動部30によってその角度が調節されるように構成されるが、一般に、前記駆動部30には、前記変角型揚力調節方式の融合翼20を、前記翼駆動軸部20aを中心に揚力を提供する角度又は反揚力を提供する角度に調節するように正逆回転駆動する減速モーターが使用可能であり、その他にも、油圧又は空圧の制御機構が選択的に使用可能であることは当然である。
【0100】
このとき、前記駆動部30は、複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼20の角度を同時に調節するように前記変角型揚力調節方式の融合翼20の翼駆動軸部20aと連結体(図示せず)で連結・構成するが、複数配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼20の角度を個別的に調節するように前記変角型揚力調節方式の融合翼20の翼駆動軸部20aにそれぞれ1:1で構成することができる。
【0101】
このとき、前記翼駆動軸部20aは、前記胴体10の両側部に配置される前記変角型揚力調節方式の融合翼20を連結しながら、前記変角型揚力調節方式の融合翼20の角度が同時に調節されるようにする同軸であったり、又は、前記胴体10の両側部に配置され、互いに対向する前記変角型揚力調節方式の融合翼20にそれぞれ個別的に連結されながら前記変角型揚力調節方式の融合翼20の角度が個別的に調節されるように構成される。
【0102】
ここで、前記変角型揚力調節方式の融合翼20を同軸の翼駆動軸部20aで連結しようとする場合は、航空機、船舶、列車及び自動車によって前記変角型揚力調節方式の融合翼20に水平舵(図示せず)を設置することもでき、これは、同軸で連結される変角型揚力調節方式の融合翼20から発生する揚力に加えて、追加的な揚力を提供するためである。
【0103】
そして、前記駆動部30は、風向感知部40によって感知される風向及び風速情報によって前記変角型揚力調節方式の融合翼20の角度を調節するように駆動し、その結果、本発明の実施形態に係る運送手段(航空機)の胴体10は、前記変角型揚力調節方式の融合翼20の角度調節から向かい風を受けながら安全な離陸又は着陸が可能になる。
【0104】
一方、前記のように説明する変角型揚力調節方式の融合翼20に対して、運送手段によってその適用実施形態をより具体的に検討すると、まず、航空機などの運送手段の胴体に前記変角型揚力調節方式の融合翼20を適用したとき、航空機は、添付の図5の(ロ)のように変角型揚力調節方式の融合翼20の角度調節を通じて急激な傾斜の離陸角度R11でその離着陸が可能になり、その結果、航空機の滑走路を従来に比べて大幅に減少できる効果を期待することができる。
【0105】
このとき、前記胴体10が航空機の胴体であり、この航空機の胴体10の両側部に前記のような変角型揚力調節方式の融合翼20を多段に配置したとき、前記航空機の胴体10の後側には少なくとも一つ以上のエンジン部11及びエンジン噴射口12を構成するものであって、前記エンジン部11には、上下左右に360゜の回転角を有する円錐状のエンジン噴射口12を有するようにした。
【0106】
すなわち、前記航空機の胴体10の両側部に前記変角型揚力調節方式の融合翼20が多段に配置されるので、翼隣接部にはエンジン部11を構成することができず、その結果、変角型揚力調節方式の融合翼20に干渉のない空間、すなわち、翼の下側左右側壁部又は前記胴体10の後側に前記エンジン部11を配置・構成するようにした。
【0107】
前記エンジン部11を構成するにおいて、前記エンジン部11が上下左右に360°の回転角を有する円錐状のエンジン噴射口12を有することによって、航空機の胴体10の離着陸がなされるときに大きな影響を及ぼす風の方向が時々刻々異なることを勘案して、風が吹く側に航空機の胴体10の機首を向けて、向かい風を受けながら着陸を誘導する。
【0108】
また、前記のように航空機の胴体10の両側部に変角型揚力調節方式の融合翼20を多段に配置・構成したとき、前記航空機の胴体10には補助エンジンをさらに適用することができ、これは、航空機の胴体10に過度な貨物積載や有事の時の乗客の人員超過によって大きな揚力が必要となるとき、気象異変などによって航空機の胴体10が大きな離陸角で瞬間的に上昇する必要があるとき、又は、向かい風がないか気圧が弱いときに備えて補助的な推力を提供するためのものである。
【0109】
図11の(イ)(ロ)は、一つの独立した変角型揚力調節方式の融合翼20に固定翼部20-1と変角翼部20-2を複合的に設置した複合翼の構造を適用した航空機の平面図である。
【0110】
複合翼の構造を適用した航空機は、胴体10の外壁に固定された形態で付着する固定翼部20-1の外側に変角翼部20-2が回転角調節可能に設置され、一つの単位翼をなすように構成するものであるが、図11の(イ)は、このような複合翼が胴体10に直角方向に設置される胴体に対する垂直型構造を示しており、図11の(ロ)は、複合翼が胴体10に一定の傾斜角だけ傾いて設置される胴体に対する後退型構造を示している。
【0111】
図12の(イ)(ロ)(ハ)は、一つの独立した翼に長さ方向に沿って固定翼部20-1と変角翼部20-2を繰り返し設置した複合翼の構造を示した平面図である。
【0112】
図12の(イ)は、胴体10の外壁に固定された形態で付着する固定翼部20-1の外側に変角翼部20-2が回転角調節可能に設置された状態を示した外側型複合翼を示しており、図12の(ロ)は、変角翼部20-2が互いに離隔して設置される二つの固定翼部20-1間に位置するように配列された状態を示した中間型複合翼を示しており、図12の(ハ)は、変角翼部20-2が固定翼部20-1の内側に位置するように設置された状態を示した内側型複合翼を示している。
【0113】
また、図13の(a)(b)(c)(d)は、一つの独立した翼が長さ方向に拡張される拡張復帰式可変スライド型複合翼の構造を説明するための図である。
【0114】
図13のAは、一体型翼の構造を有する一般的な変角型揚力調節方式の融合翼20を表現しているものである一方、図13の(a)(b)(c)(d)は、翼が長さ方向に拡張される拡張復帰式可変スライド型複合翼の構造を有する変角型揚力調節方式の融合翼20を例示している。
【0115】
図13の(a)及び(b)は、広幅の内側翼が固定されており、これに収容される狭い幅の外側翼が空圧又は油圧シリンダーを備えたピストン方式で駆動し、内側翼の先端から広がったり縮小される長さ可変型の変角型揚力調節方式の融合翼20を示している。
【0116】
一方、図13の(c)(d)は、固定されている狭い幅の内側翼が軸として作用するように固定されており、その外側を覆いながら広がるように設置される広幅の外側翼も空圧又は油圧シリンダーを備えたピストン方式で駆動し、広がったり縮小される長さ可変型の変角型揚力調節方式の融合翼20を示している。
【0117】
このような本発明の変角型揚力調節方式の融合翼20の機能及びその作用は、図14に表現される概念図を通じてさらに理解することができる。
【0118】
図14の(イ)(ロ)(ハ)は、変角型揚力調節方式の融合翼の一般概念図であって、以下で説明する多様な類型の運送手段に適用可能である。
【0119】
言い換えると、本発明の主要概念を検討すると、変角型揚力調節方式の融合翼20は、回転胴体を中心に放射状に配列される複数の翼を有するファンの個別翼を胴体の外壁面に一列に並べた後、これらのそれぞれの翼に角変換を与えて、必要な程度の揚力(又は浮力)及び反揚力(反浮力)を選択的に提供できるようにした。
【0120】
一方、本発明の実施形態として、添付の図15のように、船舶、列車及び自動車などの胴体に揚力(又は浮力)、反揚力(反浮力)及び運動性を有する物体におけるカーブの滑りを防止するための抗遠心力の翼を適用することもでき、前記抗遠心力は、胴体の側方向の力を調節するためのものである。
【0121】
すなわち、添付の図16のように、図面を基準にして横方向に横たわっている長い変角型揚力調節方式の融合翼20は、角度を調節し、胴体の上下方向の力を調節するものであって、縦方向に立っている小さい翼50は、角度を調節し、カーブ区間での遠心力を最小化するためのものであって、前記変角型揚力調節方式の融合翼20及び小さい翼50を自動車の前後に設置すれば非常に効果的な装置になる。
【0122】
特に、自動車において荷物を多く乗せることによって荷重を超えた場合、揚力を大きくし、自動車を軽くすることができ、雨の道路や凍結した道路では反揚力(接地力)を大きくし、自動車を安定的に運行することができる。また、抗遠心力翼は、凍結した道路でのカーブの滑りを防止し、冬季や雨の道路での運行に大きく役立つと予想される。
【0123】
一方、本発明の実施形態として、運送手段が列車又は自動車の胴体10'である場合、添付の図19の1及び2のように、前記変角型揚力調節方式の融合翼20は、前記列車の外部側上部又は外部側両側部に複数配置され得る。
【0124】
そうすると、前記列車又は自動車などの運送手段の胴体10’が地面又はレールに沿って移動するとき、前記変角型揚力調節方式の融合翼20の角度調節を通じて揚力又は反揚力(接地力)を提供することができる。
【0125】
このとき、前記変角型揚力調節方式の融合翼20を通じて運送手段の胴体10’に揚力を提供する場合は、前記胴体10’への貨物又は搭乗人員が多いことから荷重が増加したとき、その増加した荷重によって胴体10’が確実に移動しないと共に、さらに多くの推進力を受けるために燃料を多く消費するとき、その燃料消費量を減少させる。
【0126】
すなわち、前記のような運送手段の胴体10'に変角型揚力調節方式の融合翼20を通じて揚力を提供すると、前記胴体10’は、地面又はレールに沿って移動するとき、少しの浮揚効果を期待できるようになり、多量の貨物が積載されていたり搭乗人員が多いとしても、燃料消費量を減少させながら円滑に移動できるようになる。
【0127】
ここで、前記変角型揚力調節方式の融合翼20による前記胴体10'の浮揚効果は、地面又はレールから完全に離脱することを意味するのではなく、胴体10’の下端に設けられる車輪が接触圧力を最小化させることを説明する。
【0128】
また、前記変角型揚力調節方式の融合翼20を通じて運送手段の胴体10’に反揚力、すなわち、地面又はレールとの接地力を提供する場合は、前記胴体10’への貨物又は搭乗人員が少ないと共に、荷重が減少したとき、その減少した荷重によって地面又はレールから胴体10が揺れることを防止する。
【0129】
すなわち、前記のような運送手段の胴体10’に変角型揚力調節方式の融合翼20を通じて反揚力(接地力)を提供すると、前記胴体10’が地面又はレールに沿って移動するとき、前記地面又はレールとの接触力が増大しながら、前記胴体10’が地面又はレールに沿って安定的に移動できるようになる。
【0130】
一方、前記のように運送手段が列車又は自動車などの胴体10’である場合、添付の図19の3及び4のように、前記胴体10’の外部側上部又は外部側両側部には抗遠心力を提供するための遠心力制御翼50を配置・構成することができ、前記遠心力制御翼50は、単独で構成したり、添付の図16のように前記変角型揚力調節方式の融合翼20に垂直に構成することもできる。
【0131】
すなわち、前記遠心力制御翼50は、列車又は自動車などの運送手段の胴体10’がカーブした道路、雨の道路又は凍結した道路に沿って移動するとき、角度調節を通じて遠心力を最小化するためのものであって、その結果、列車又は自動車などの運送手段の胴体10’は、カーブした道路、雨の道路又は凍結した道路で安定的に移動できるようになる。
【0132】
一方、本発明の実施形態として、運送手段が船舶(例;大型又は小型船舶)の胴体10”である場合、添付の図17及び図18のように、前記変角型揚力調節方式の融合翼20は前記船舶の外部側底部の両側に複数配置され得るが、前記変角型揚力調節方式の融合翼20の翼駆動軸部20aは、反浮力を提供する角度に調節するように駆動する駆動部30と連結され、前記駆動部30は、水流感知部によって感知される水流情報によって前記変角型揚力調節方式の融合翼の角度を調節できるように構成される。
【0133】
そうすると、前記船舶などの運送手段の胴体10”が水面に沿って移動するとき、前記変角型揚力調節方式の融合翼20の角度調節を通じて反浮力(接水力)を提供することができる。
【0134】
このとき、前記変角型揚力調節方式の融合翼20を通じて胴体10”に反浮力を提供する場合、船舶の胴体10”を下側に引っ張ることによって胴体に安定性を提供するようになり、その結果、積載された貨物又は搭乗人員を考慮して最善の速度で巡航できるようにし、巡航の途中で天気や潮流が急変する状況に至る場合、前記変角型揚力調節方式の融合翼20の翼角制御を通じて反浮力(接水力)を増加させることによって、バラストタンクの役割を迅速に行えるようにする。
【0135】
このようにバラストタンクの機能が前記変角型揚力調節方式の融合翼20を通じて行われると、前記バラスト水で充填されていた従来の船舶に比べて全体的な荷重が減少しながら燃料消費量が著しく減少し、特に、バラスト水の排出による環境汚染問題を解消できるようになる。
【0136】
すなわち、前記のような胴体10”に変角型揚力調節方式の融合翼20を通じて反浮力を提供すると、前記胴体10”が水面に沿って移動するとき、浮揚又は反浮揚効果を選択的に期待できるようになり、多量の貨物が積載されていたり搭乗人員が多いとしても、燃料消費量を減少させながら円滑に移動できるようになる。
【0137】
その一方で、図18のように小型高速船舶の場合において、変角型揚力調節方式の融合翼20は、水の抵抗を最小化するためにスキーが水面上を滑るように胴体10”を持ち上げる役割をする。
【0138】
また、前記変角型揚力調節方式の融合翼20を通じて胴体10”に反浮力、すなわち、水面との接水力を提供する場合は、前記胴体10”への貨物又は搭乗人員が少ないと共に、荷重が減少したとき、その減少した荷重によって水面から胴体10”が非常に大きく離脱しながらひっくり返される現象を防止する。
【0139】
すなわち、前記のような胴体10”に変角型揚力調節方式の融合翼20を通じて反浮力(接水力)を提供すると、前記胴体10”が水面に沿って移動するとき、前記水面との接触力が増大しながら、前記胴体10”が水面に沿って安定的に移動することができる。
【産業上の利用可能性】
【0140】
以上では、本発明の変角型揚力調節方式の翼を装着した第3世代航空機、船舶、列車及び自動車に対する技術思想を添付の図面と共に敍述したが、これは、本発明の最も好適な実施形態を例示的に説明したものに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0141】
したがって、本発明は、上述した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱しない限り、当該発明の属する技術分野で通常の知識を有する者であれば誰でも多様な変形実施が可能であることはもちろん、そのような変更は特許請求の範囲の記載の範囲内にある。
図1
図2
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図5
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図7
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