(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-26
(45)【発行日】2022-08-03
(54)【発明の名称】浮遊人工島
(51)【国際特許分類】
B63B 35/44 20060101AFI20220727BHJP
【FI】
B63B35/44 Z
(21)【出願番号】P 2022027384
(22)【出願日】2022-02-25
【審査請求日】2022-03-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】715008687
【氏名又は名称】廣田 祐次
(72)【発明者】
【氏名】廣田 祐次
【審査官】伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-162017(JP,A)
【文献】特開2013-032686(JP,A)
【文献】特表2017-505264(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104608887(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106005292(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第1932160(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0050089(US,A1)
【文献】特開2015-145610(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103569329(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 35/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床部をハニカム構造の軽合金あるいは液体ガラスコーティングを施した木材で作り、
該床部と、複数の風船と木材とによって構成された床下部とで、ユニットを作り、複数の該ユニットを水平に連結して作成される人工島であって、該複数の風船と木材の数量を加減することで浮力の調整が行われ、水位に対する高さ調整を行うことが可能な浮遊人工島。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工島の浮遊技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
船の様に、ボトム側全体を水漏れのないようにし、押しのける水の量によって浮力を得るのは、より大きな人工島になると、コストがかかるため、実用化が難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
浮力を得るために、一般的な船底のようにコストのかかるボトム側全体を水漏れのないように金属で覆うことなく、低コストで浮力を得る技術。
【課題を解決するための手段】
【0005】
数多くのゴム風船を浮力として使い、また水につかるところの構造物に木材を使うことで、構造物からも浮力を得て、また風船の数を加減することで、人工島上に構造物が増えてきても水位に対し高さを一定に保てるようにする。
【発明の効果】
【0006】
コストが安く、メンテナンスがしやすい人工島が実現し、温暖化によって水没しそうなエリアでは、人工島に移住することができる他、船旅や他の媒体での移動の中継地とすることができ、例えば小さな船でも、複数の人工島を中継地とすることで、長距離での海の航行が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
床部をハニカム構造の軽合金で作り、床下部を複数の風船と木材とによって構成されたユニットを作り、複数の該ユニットを水平に連結して作成される人工島であって、該複数の風船と木材の量を加減することで浮力の調整が行われ、高さ調整を行うことが可能な人工島とする。
【0009】
図1において、ハニカム構造の軽合金の部材1と、液体ガラスコーティングが施された木製つなぎ部材2とは、工場にてあらかじめ連結をした状態で作られ、そのまま船に持ち込み、船上にて複数の木材3と液体ガラスコーティング木製つなぎ部材2とをボルト&ナット4で組みあげ、また複数の球約2mのゴム風船5を組み込み、さらにネット7にて、該ゴム風船5が脱落しないよう、下部に装着する。これで、人工島基本ユニットが完成し、該基本ユニットを船に付帯のクレーンで吊り上げ、船上から、水上に移動し、水上に移動された複数の該人工島基本ユニット同士を、 液体ガラスコーティングのつなぎ木材9を使い、ボルト&ナット4等で固定をすることで、それを繰り返し、徐々に予定された大きさの人工島ができあがる。
尚、ハニカム構造の軽合金の部材1の上には、人工芝10等を敷き詰めることで、居住性のある人工島が完成する。
次に、各種の構造物が連結された複数のハニカム構造の軽合金の部材1の上に建造されるに従い、該各種構造物の重量によって、人工島全体あるいは連結された複数のハニカム構造の軽合金の部材1が沈みこんでいくが、該球約2mのゴム風船5を潜水艇8で、水中に運び、沈み込んだ連結された複数のハニカム構造の軽合金の部材1の下側まで、該球約2mのゴム風船5を運び、そこで潜水夫6が該球約2mのゴム風船5を潜水艇8から切り離すと、浮力によって、該球約2mのゴム風船5は上昇し、すでに存在しているゴム風船の下側に貼りつくように収まる。
さらに、繰り返し前記行為を行うことによって、該球約2mのゴム風船5の数が次第に増すことで、浮力が増大し、沈み込んでいた連結された複数のハニカム構造の軽合金の部材1が上昇し、沈み込んだ分を取り戻し、もとの位置に到達する。
尚、該球約2mのゴム風船5がどんどん増えるに従い、木材3よりも、風船の下部が下側にはみ出す場合には、液体ガラスコーティングが施された木製つなぎ部材2を使い、潜水夫6が追加の木材3を付け足し、ボルト&ナット4で固定する。
さらに最近では、液体ガラスコーティング等の処理をすることで、木材の強度UPが目覚ましいので、必ずしも軽金属のハニカム構造ではなく、木材そのものを人工島の床材として使える可能性もある。
【産業上の利用可能性】
【0010】
建造物が増加して、重量が重くなり、人工島の全体または一部が沈み込んでも、人工島下側の風船や木材を増加させることで浮力を増し、水位に対し一定の高さを保つことができるので、種々の建築物が立ち並ぶ、あるいは飛行場機能を付加した人工島が実現できる。
【符号の説明】
【0011】
1.ハニカム構造の軽合金の部材
2.液体ガラスコーティングが施された木製つなぎ部材
3. 木材
4. ボルト&ナット
5. 球約2mのゴム風船
6. 潜水夫
7.ネット
8. 潜水艇
9. 液体ガラスコーティングのつなぎ木材
10. 人工芝
【要約】
【課題】
船の様に、ボトム側全体を水漏れのないようにし、押しのける水の量によって浮力を得るのは、より大きな人工島になると、コストがかかるため、実用化が難しかった。
【解決手段】
数多くのゴム風船を浮力として使い、また水につかるところの構造物に木材を使うことで、構造物からも浮力を得て、また風船の数を加減することで、人工島上に構造物が増えてきても水位に対し高さを一定に保てるようにする。
【選択図】
図1