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特許7112165求人に対する応募者についてのリファレンスを提供するための装置、方法及びそのためのプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-26
(45)【発行日】2022-08-03
(54)【発明の名称】求人に対する応募者についてのリファレンスを提供するための装置、方法及びそのためのプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20220727BHJP
【FI】
G06Q10/10 322
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021120653
(22)【出願日】2021-07-21
(62)【分割の表示】P 2021115963の分割
【原出願日】2021-07-13
【審査請求日】2021-07-21
(31)【優先権主張番号】P 2021041188
(32)【優先日】2021-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)ウェブサイトの掲載日 2020年12月16日 ウェブサイトのアドレス https://backcheck.jp/terms_of_use_for_company/ 公開者 株式会社ROXX(2)ウェブサイトの掲載日 2020年12月16日 ウェブサイトのアドレス https://backcheck.jp/terms_of_use_for_users/ 公開者 株式会社ROXX(3)ウェブサイトの掲載日 2020年12月16日 ウェブサイトのアドレス https://backcheck.jp/terms_of_use_for_users?locale=en 公開者 株式会社ROXX
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517283123
【氏名又は名称】株式会社ROXX
(74)【代理人】
【識別番号】100174078
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 寛
(72)【発明者】
【氏名】松本 宏太
【審査官】田中 秀樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-120583(JP,A)
【文献】特開2021-039779(JP,A)
【文献】特開2018-005568(JP,A)
【文献】特開2017-068305(JP,A)
【文献】特開2020-135647(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
求人に対する応募者についてのリファレンスを提供するための方法であって、
コンピュータが、前記求人を行う求人企業の企業端末から、前記応募者に関するリファレンス提供要求を受信するステップと、
前記コンピュータが、前記応募者の応募者端末に、過去に取得された1又は複数のリファレンスであって、前記応募者に関する前記応募者の同僚又は上司による1又は複数のリファレンスを前記求人企業に提供することについての承諾に進む導線を含む通知を送信するステップと、
前記コンピュータが、前記応募者端末から前記承諾を受信した後に、前記応募者端末に、前記応募者に関連づけられた過去の1又は複数のリファレンスの一覧を表示するためのリファレンス一覧表示情報を送信するステップと、
前記コンピュータが、前記応募者端末から、前記リファレンス一覧表示情報により表示される1又は複数のリファレンスの少なくとも一部の選択を受信するステップと、
前記コンピュータが、前記企業端末に、前記1又は複数のリファレンスのうちの選択された前記少なくとも一部を送信するステップと
を含む。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、
前記リファレンス提供要求は、過去に取得された1又は複数のリファレンスの提供を求める要求である。
【請求項3】
請求項1記載の方法であって、
選択された前記少なくとも一部のリファレンスは、リファレンスが取得された日付の単位である。
【請求項4】
請求項1記載の方法であって、
選択された前記少なくとも一部のリファレンスは、リファレンスが取得された日付及びリファレンスを取得した企業名の単位である。
【請求項5】
請求項1記載の方法であって、
選択された前記少なくとも一部のリファレンスは、リファレンスの回答者名の単位である。
【請求項6】
請求項1記載の方法であって、
選択された前記少なくとも一部のリファレンスは、リファレンスの回答者の属性の単位である。
【請求項7】
コンピュータに、求人に対する応募者についてのリファレンスを提供するための方法を実行させるためのプログラムであって、前記方法は、
前記求人を行う求人企業の企業端末から、前記応募者に関するリファレンス提供要求を受信するステップと、
前記応募者の応募者端末に、過去に取得された1又は複数のリファレンスであって、前記応募者に関する前記応募者の同僚又は上司による1又は複数のリファレンスを前記求人企業に提供することについての承諾に進むための導線を含む通知を送信するステップと、
前記応募者端末から前記承諾を受信した後に、前記応募者端末に、前記応募者に関連づけられた過去の1又は複数のリファレンスの一覧を表示するためのリファレンス一覧表示情報を送信するステップと、
前記コンピュータが、前記応募者端末から、前記リファレンス一覧表示情報により表示される1又は複数のリファレンスの少なくとも一部の選択を受信するステップと、
前記コンピュータが、前記企業端末に、前前記1又は複数のリファレンスのうちの前記選択された少なくとも一部を送信するステップと
を含む。
【請求項8】
求人に対する応募者についてのリファレンスを提供するための装置であって、
前記求人を行う求人企業の企業端末から、前記応募者に関するリファレンス提供要求を受信し、
前記応募者の応募者端末に、過去に取得された1又は複数のリファレンスであって、前記応募者に関する前記応募者の同僚又は上司による1又は複数のリファレンスを前記求人企業に提供することについての承諾に進むための導線を含む通知を送信し、
前記応募者端末から前記承諾を受信した後に、前記応募者端末に、前記応募者に関連づけられた過去の1又は複数のリファレンスの一覧を表示するためのリファレンス一覧表示情報を送信して、前記応募者端末から、前記リファレンス一覧表示情報により表示される1又は複数のリファレンスの少なくとも一部の選択を受信し、
前記企業端末に、前記1又は複数のリファレンスの少なくとも一部を送信する装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、求人に対する応募者についてのリファレンスを提供するための装置、方法及びそのためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、採用選考は、履歴書の記載と筆記試験及び面接の結果に基づいて行われている。しかしながら、働き方の多様化により、履歴書の記載に基づいて判断可能な採用基準の設定が容易ではなくなってきている。たとえば、3年連続勤務、転職回数2回以下などの採用基準であれば履歴書の記載から判断可能であるが、転職が広がりつつある社会において、必ずしも妥当なものではなくなっている。履歴書の記載から応募者の人物像を理解することが困難になっているのである。また、面接については、限られた時間の中で応募者から受けた印象に左右されるものとならざるを得ない。
【0003】
こうした採用選考の難しさに対処するために、リファレンスの取得が行われることがある。リファレンスとは、応募者を知る者に対する当該応募者についての質問に対する回答をいい、経歴、実績等の事実確認であったり、勤務状況、人柄等に関する情報の取得を目的とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リファレンスの取得によって、応募者が築いてきたこれまでの実績、信頼などの評価をより的確に行うことが可能となるものの、一般に応募者は複数の企業に応募することから、リファレンスの取得が普及するにつれて、応募者は、同じ人に繰り返しリファレンスをお願いする必要が生じる。または、同じ人に繰り返しお願いすることを避けるために、必ずしも適切ではない方にリファレンスをお願いするおそれがある。こうしたリファレンスのお願いに伴う負担の軽減が望まれている。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、求人に対する応募者についてのリファレンスを提供するための装置、方法及びそのためのプログラムにおいて、リファレンスの取得を容易にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するために、本発明の第1の態様は、求人に対する応募者についてのリファレンスを提供するための方法であって、前記求人を行う求人企業の企業端末から、前記応募者に関するリファレンス提供要求を受信するステップと、前記応募者の応募者端末に、過去に取得された1又は複数のリファレンスを前記求人企業に提供することについての承諾に進む導線を含む通知を送信するステップと、前記応募者端末から前記承諾を受信した後に、前記企業端末に、前記1又は複数のリファレンスの少なくとも一部の閲覧を許可するステップとを含む。
【0007】
また、本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記リファレンス提供要求は、過去に取得された1又は複数のリファレンスの提供を求める要求である。
【0008】
また、また、本発明の第3の態様は、第1の態様において、前記応募者端末に、前記承諾を受信した後に、前記応募者に関連づけられた過去の1又は複数のリファレンスの一覧を表示するためのリファレンス一覧表示情報を送信するステップと、前記応募者端末から、前記リファレンス一覧表示情報により表示される1又は複数のリファレンスの少なくとも一部の選択を受信するステップとを含み、前記許可は、前記企業端末に対する選択された前記少なくとも一部の閲覧の許可である。
【0009】
また、本発明の第4の態様は、第3の態様において、前記応募者端末からメールアドレスを受信して、前記メールアドレスにパスワードを送信するステップと、前記応募者端末からパスワードを受信して、前記メールアドレスに送信したパスワードとの一致を判定するステップとを含み、前記リファレンス一覧表示情報の送信は、前記判定の結果が肯定的である場合に行う。
【0010】
また、本発明の第5の態様は、第3の態様において、前記リファレンス一覧表示情報により表示される各リファレンスは、各リファレンスが取得された日付の単位で選択可能である。
【0011】
また、本発明の第6の態様は、第3の態様において、前記リファレンス一覧表示情報により表示される各リファレンスは、各リファレンスが取得された日付及び各リファレンスを取得した企業名の単位で選択可能である。
【0012】
また、本発明の第7の態様は、第3の態様において、前記リファレンス一覧表示情報により表示される各リファレンスは、各リファレンスの回答者名の単位で選択可能である。
【0013】
また、本発明の第8の態様は、第3の態様において、前記リファレンス一覧表示情報により表示される各リファレンスは、各リファレンスの回答者の属性の単位で選択可能である。
【0014】
また、本発明の第9の態様は、コンピュータに、求人に対する応募者についてのリファレンスを提供するための方法を実行させるためのプログラムであって、前記方法は、前記求人を行う求人企業の企業端末から、前記応募者に関するリファレンス提供要求を受信するステップと、前記応募者の応募者端末に、過去に取得された1又は複数のリファレンスを前記求人企業に提供することについての承諾に進むための導線を含む通知を送信するステップと、前記応募者端末から前記承諾を受信した後に、前記企業端末に、前記1又は複数のリファレンスの少なくとも一部の閲覧を許可するステップとを含む。
【0015】
また、本発明の第10の態様は、求人に対する応募者についてのリファレンスを提供するための装置であって、前記求人を行う求人企業の企業端末から、前記応募者に関するリファレンス提供要求を受信し、前記応募者の応募者端末に、過去に取得された1又は複数のリファレンスを前記求人企業に提供することについての承諾に進むための導線を含む通知を送信し、前記応募者端末から前記承諾を受信した後に、前記企業端末に、前記1又は複数のリファレンスの少なくとも一部の閲覧を許可する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様によれば、応募者から、当該応募者が応募している求人企業に過去に取得された1又は複数のリファレンスを提供することに対する承諾が得られた後に、当該求人企業に当該1又は複数のリファレンスの少なくとも一部の閲覧を許可することによって、リファレンスの取得を円滑にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施形態にかかる装置を示す図である。
図2】本発明の第1の実施形態にかかる方法の流れを示す図である。
図3】本発明の第1の実施形態にかかる応募者に対する承諾依頼の一例である。
図4】本発明の第1の実施形態にかかるパスワード入力画面の一例である。
図5】本発明の第1の実施形態にかかるリファレンス一覧表示画面の一例である。
図6】本発明の第1の実施形態にかかる過去レポートの閲覧画面の一例である。
図7】本発明の第2の実施形態にかかる応募者に対する通知の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
図1に、本発明の第1の実施形態にかかる装置を示す。装置100は、求人企業の企業端末110及び応募者の応募者端末120とコンピュータネットワーク上で通信を行う。図1では、企業端末110を1台のみ示しているが、応募者が複数の企業に応募している場合にはそれに応じた台数となる。
【0020】
装置100は、通信インターフェースなどの通信部101と、プロセッサ、CPU等の処理部102と、メモリ、ハードディスク等の記憶装置又は記憶媒体を含む記憶部103とを備え、各処理を行うためのプログラムを実行することによって構成することができ、1又は複数の装置ないしサーバを含むことがある。当該プログラムは、1又は複数のプログラムを含むことがあり、また、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録して非一過性のプログラムプロダクトとすることができる。当該プログラムは、記憶部103又は装置100からアクセス可能な記憶装置又は記憶媒体に記憶しておき、処理部102において実行することができる。以下では、所要のデータは記憶部103に記憶されているものとして記述するが、これらのデータは、装置100からアクセス可能な記憶装置又は記憶媒体に記憶してもよい。
【0021】
まず、装置100は、企業端末110から、応募者に関するリファレンス提供要求を受信する(S201)。リファレンス提供要求は、応募者を識別する応募者識別子を含む。本実施形態において、リファレンス提供要求は、過去に取得されたリファレンスの提供を要求するものとする。
【0022】
装置100は、次に、当該応募者の応募者端末120に、過去に取得された1又は複数のリファレンスを求人企業に提供することについての承諾依頼を送信する(S202)。図3は、装置100から応募者の応募者端末120に送信される承諾依頼の一例である。これは、より具体的には、図3の内容の通知300を電子メールにより応募者識別子であるメールアドレスに対して送信する例である。{user->name}は応募者の氏名を表し、{company->name}は求人企業の企業名を表す。図3では、承諾依頼の一例を示したものの、応募者が承諾するか否かの応答を示すことができれば、換言すれば、応募者が承諾に進むための導線を含めば、さまざまな形式の通知が採用可能である。かかる通知は、一例として電子メールの文面として送信することのほかに、承諾依頼を閲覧するウェブページのURLを電子メールにより送信し、当該URLに応募者がアクセスすることによって送信してもよい。
【0023】
応募者が、承諾依頼に対して肯定的な応答をした場合、図3の例では「認証へ」をタップ又はクリックにより選択した場合、応募者端末120の表示画面に応募者識別子であるメールアドレスの入力画面が表示され、応募者端末120から装置100に、当該応募者識別子が送信される(S203)。当該応募者識別子の送信と同時に又はその前後に、承諾依頼に対する肯定的な応答、すなわち承諾があったことの通知も送信することができる。装置100は、当該メールアドレスにパスワードを送信するとともに、当該パスワードを入力するための入力画面表示情報を応募者端末120に送信する(S204)。図4に、入力画面表示情報により表示される入力画面の一例を示す。図4の例では、応募者識別子はメールアドレスであるが、応募者識別子とメールアドレスとの対応づけを記憶部103に記憶しておき、これを参照することができれば、応募者識別子はメールアドレスに限られない。
【0024】
装置100により提供されるリファレンス取得サービスでは、リファレンスの回答者から、当該リファレンスは、当該リファレンスを最初に取得した求人企業以外に、当該リファレンスの対象である応募者が個別に承諾した他の企業に対しても提供可能であることの同意を得ることが好ましい。このような同意を得ておくことで、上記承諾依頼に対して応募者から肯定的な応答が得られれば、改めて回答者の同意を得ることなく、当該回答者によるリファレンスの二次利用を可能とする。
【0025】
また、同様にリファレンスを取得した求人企業についても、当該リファレンスは、当該リファレンスの対象である応募者が個別に承諾した他の企業に対しても提供可能であることの同意を得ることが好ましく、各求人企業の登録情報として、当該求人企業が取得したリファレンスの他の企業に対する提供の可否を入力させ、記憶しておくことができる。ここで、入力の際に明示的に上記条件を示すか、利用規約に上記条件を定めておくことで、上記条件に沿った提供に対する同意を取得することが好ましい。加えて、他の企業が取得したリファレンスの提供を受けることの希望を入力させ、記憶しておくこともできる。さらに、他の企業が取得したリファレンスの提供を受けることの希望と、他の企業に対して自社が取得したリファレンスを提供することの同意を単一の意思表示として入力させ、記憶することとすれば、装置100により提供されるリファレンス提供サービスにおいて、二次利用可能なリファレンスを加速度的に増加させることが可能となる。
【0026】
装置100は、応募者端末120からパスワードを受信し(S205)、当該パスワードに基づいて応募者の認証を行い、当該応募者に関連づけられた過去の1又は複数のリファレンスを取得する(S206)。より具体的には、一例として、装置100は、認証に用いられた応募者識別子に関連づけられた過去の1又は複数のリファレンスを取得する。受信したパスワードが送信したパスワードと一致すると判定された場合に認証が成功したと評価することができる。なお、応募者の認証は、過去のリファレンスの対象である応募者からその提供についての承諾が正当に得られたことの確認ができれば、上述したメールアドレス及びパスワードによる方式以外の方式を用いてもよい。また、認証は、承諾依頼に対する応答の前に実行されてもよい。
【0027】
そして、装置100は、応募者に関連づけられた過去の1又は複数のリファレンスの一覧を表示するためのリファレンス一覧表示情報を送信する(S207)。図5は、リファレンス一覧表示情報に基づいて応募者端末120に表示されるリファレンス一覧表示画面の一例である。
【0028】
リファレンス一覧表示画面500は、過去に取得された第1のリファレンス510及び第2のリファレンス520を含む。第1のリファレンス510は、abc株式会社が応募者のリファレンスとして取得したものであり、前職の直属の上司である山田太郎氏と上司である鈴木次郎氏が回答している。また、リファレンス取得は、abc株式会社が2020年11月6日に応募者に対して依頼している。第2のリファレンス520は、2020年11月9日に依頼されたものであり、前々職の直属の上司である田中三郎氏と上司である木村一郎氏が回答している。第2のリファレンス520については、企業名が非開示となっている。
【0029】
図5の例では、表示される各リファレンスは、求人企業が当該リファレンスを依頼した日付単位となっている。第1のリファレンス510については、さらに求人企業名によっても識別されており、求人企業名及び日付の単位となっている。各リファレンスは、さまざまな単位で表示し、選択可能とすることができ、例として、求人企業名、リファレンス取得依頼日の日付、リファレンス取得依頼日以外の日付、回答者名、回答者の属性又はこれらの任意の組み合わせを単位とすることが挙げられる。
【0030】
装置100は、応募者端末120から、表示された1又は複数のリファレンスの少なくとも一部の選択を受信して(S208)、選択された当該少なくとも一部の閲覧を企業端末110が閲覧可能とする(S209)。図5では、過去に取得されたリファレンスを提供しないことの選択も可能となっており、この場合には、求人端末110から求人企業が閲覧できるリファレンスは生じないこととなる。
【0031】
図6は、企業端末110の表示画面に表示される応募者の管理画面であり、応募者である佐藤四郎氏について閲覧可能なリファレンスの一覧が示されている。ここでは、図5の例で、第1のリファレンス510及び第2のリファレンス520が選択された場合を示しており、第1のリファレンス610及び第2のリファレンス620がそれぞれ対応する。各リファレンスの内容は「レポートを表示」を選択することによって、閲覧できる。閲覧した過去のリファレンスでは不十分であるような場合には、求人企業は、新規リファレンスを応募者に対して依頼することが可能である。図6において「新規リファレンスを依頼」と示されるボタン630を選択することによって、応募者端末120に新規のリファレンス依頼が送信される。
【0032】
このように、応募者に、過去に取得された1又は複数のリファレンスを当該応募者が応募している求人企業に提供することに対する承諾依頼を行い、肯定的な承諾応答が得られた後に、当該応募者の認証された応募者識別子に関連づけられた1又は複数のリファレンスを取得する。そして、提供対象とする当該1又は複数のリファレンスの少なくとも一部の選択を受信したことを受けて求人企業に当該少なくとも一部を閲覧可能とすることによって、応募者を、複数の企業に応募する際に同一の回答者にリファレンスをお願いする負担から解放することができる。また、こうして過去のリファレンスの二次利用が可能となると、求人企業としても、新規のリファレンスの取得に要する時間をかけずに、リファレンス利用による選考プロセスの遅延を回避しつつ、従来よりも充実した情報を入手することが可能となる。
【0033】
上述の説明においては、装置100は、求人企業の企業端末110から応募者に関するリファレンス提供要求を受信した後に、応募者の応募者端末120から、過去に取得された1又は複数のリファレンスを当該求人企業に提供することについての承諾を受信したことを条件として、企業端末110に当該1又は複数のリファレンスの少なくとも一部の閲覧を許可しているところ、過去に取得されたリファレンスについて、当該応募者が、そのリファレンスを当該リファレンスの提供を受けた企業以外の企業に提供することについて個別に又は一括して承諾をしている場合には、装置100は、求人企業の企業端末110から応募者に関するリファレンス提供要求を受信した後に、当該応募者の応募者識別子と関連づけて記憶された1又は複数のリファレンスの少なくとも一部の閲覧を企業端末110に許可してもよい。個別の承諾は、装置100において、承諾がなされたリファレンスと関連づけて記憶すればよい。一括した承諾は、たとえば、自らに関して取得されたリファレンスが当該リファレンスを最初に取得した求人企業以外の企業に対しても提供されることについて、応募者の利用規約に予め定めておくことができる。リファレンスの回答者及び当該リファレンスを取得した求人企業については、当該リファレンスの対象である応募者の承諾があれば、当該リファレンスを最初に取得した求人企業以外の企業に対しても提供可能であることの同意を得ることが好ましい。
【0034】
(第2の実施形態)
第1の実施形態においては、企業端末110から送信されるリファレンス提供要求は、過去に取得されたリファレンスの提供を要求するものとしたが、本実施形態では、過去に取得されたリファレンスの提供を要求するものか、新規に取得するリファレンスの提供を要求するものかの区別をせずにリファレンスの提供を要求するものとする。
【0035】
リファレンス提供要求を受信した装置100は、応募者端末120にリファレンス提供要求がなされていることの通知を送信する。ここで、当該通知は、装置100が、応募者端末120を用いる応募者に関する過去に取得されたリファレンスを記憶している場合に、過去に取得されたリファレンスの提供に関する承諾に進む導線を含むものとし、記憶されていない場合に、新規のリファレンスのための回答者の登録に進む導線を含むものとすることが考えられる。あるいは、過去に取得されたリファレンスを記憶している場合においても、これらの両方を含む通知としたり、過去に取得されたリファレンスの有無にかかわらず、これらの両方を含む通知としたりすることが考えられる。以下では、過去に取得されたリファレンスを装置100が記憶している場合に、上記両方の内容を含む通知を応募者端末120に送信する例として説明する。
【0036】
図7に、本実施形態にかかるリファレンス提供要求がなされていることの通知の一例を示す。通知700において、{user->name}は応募者の氏名を表し、{company->name}は求人企業の企業名を表す。新規リファレンスのための回答者登録に進むための推薦者登録ボタン710のほかに、過去のリファレンスの求人企業{company->name}への提供に進むための再利用ボタン720が通知600には示されている。通知700は、一例として電子メールの文面として送信することのほかに、通知600を閲覧するウェブページのURLを電子メールにより送信し、当該URLに応募者がアクセスすることによって送信してもよい。
【0037】
応募者が再利用ボタン720を選択した後、第1の実施形態と同様に承諾、認証等の所要の処理が行われる。通知700の内容を適切なものとすれば、再利用ボタン720の選択を応募者による過去のリファレンスの提供に関する承諾と位置付けることも可能である。
【0038】
なお、より具体的には、通知700において過去のリファレンスの提供に関する承諾に進む導線を含めるのは、応募者に関する過去のリファレンスが存在し、かつ、当該リファレンスを取得した企業が他の企業への提供を許可している場合とすることが挙げられる。さらに具体的には、応募者に関する過去のリファレンスが存在し、当該リファレンスを取得した企業が他の企業への提供を許可しており、かつ、当該応募者に関するリファレンス取得を行っている企業が他の企業が取得したリファレンスの閲覧を希望している場合に、通知700に過去のリファレンスの提供に関する承諾に進む導線を含めることが挙げられる。
【0039】
また、「××のみに基づいて」、「××のみに応じて」、「××のみの場合」というように「のみ」との記載がなければ、本明細書においては、付加的な情報も考慮し得ることが想定されていることに留意されたい。また、一例として、「aの場合にbする」という記載は、明示した場合を除き、「aの場合に常にbする」ことを必ずしも意味しないことに留意されたい。また、「Aを構成する各a」という記載は、必ずしもAが複数の構成要素によって構成されることを意味するものではなく、構成要素が単数であることを含む。
【0040】
また、念のため、なんらかの方法、プログラム、端末、装置、サーバ又はシステム(以下「方法等」)において、本明細書で記述された動作と異なる動作を行う側面があるとしても、本発明の各態様は、本明細書で記述された動作のいずれかと同一の動作を対象とするものであり、本明細書で記述された動作と異なる動作が存在することは、当該方法等を本発明の各態様の範囲外とするものではないことを付言する。
【符号の説明】
【0041】
100 装置
101 通信部
102 処理部
103 記憶部
110 企業端末
120 応募者端末
300 承諾依頼
500 リファレンス一覧表示画面
510 第1のリファレンス
520 第2のリファレンス
600 応募者管理画面
610 第1のリファレンス
620 第2のリファレンス
630 新規リファレンス依頼ボタン
700 通知
710 回答者登録ボタン
720 再利用ボタン
【要約】
【課題】応募者についてのリファレンスを提供するための方法において、その取得を容易にする。
【解決手段】装置100は、リファレンス提供要求を受信し(S201)、過去のリファレンスを求人企業に提供することの承諾依頼を送信する(S202)。応募者が依頼に対して肯定的な応答をした後に、装置100にメールアドレスが送信され(S203)、装置100は、当該メールアドレスにパスワードを送信するとともに当該パスワードを入力するための入力画面表示情報を応募者端末110に送信する(S204)。装置100は、認証を行い(S205)、当該応募者の過去のリファレンスを取得する(S206)。装置100は、応募者に関連づけられたリファレンス一覧表示情報を送信し(S207)、リファレンスの少なくとも一部の選択を受信して(S208)、当該少なくとも一部の閲覧を企業端末110が閲覧可能とする(S209)。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7