(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-26
(45)【発行日】2022-08-03
(54)【発明の名称】アンモニア回収方法及び装置
(51)【国際特許分類】
C02F 1/44 20060101AFI20220727BHJP
B01D 61/02 20060101ALI20220727BHJP
B01D 61/36 20060101ALI20220727BHJP
C02F 1/469 20060101ALI20220727BHJP
C02F 1/20 20060101ALI20220727BHJP
B01D 61/58 20060101ALI20220727BHJP
【FI】
C02F1/44 K
B01D61/02 500
B01D61/36
C02F1/469
C02F1/20 B
B01D61/58
(21)【出願番号】P 2017228950
(22)【出願日】2017-11-29
【審査請求日】2020-07-27
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004400
【氏名又は名称】オルガノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】笹島 康宏
【審査官】山崎 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開昭50-071159(JP,A)
【文献】特開2001-314872(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0271562(US,A1)
【文献】特開2000-354772(JP,A)
【文献】特開昭52-156171(JP,A)
【文献】特開昭53-003965(JP,A)
【文献】特開昭55-092107(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D61/00-71/82
C02F1/44
C02F1/20
C02F1/42
B01J49/00-49/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気を発生するボイラと前記ボイラで発生した蒸気によって駆動される蒸気タービンと前記タービンを駆動した後の蒸気を水に戻す復水器と前記復水器により復水された水の中のイオン成分を除去する復水脱塩装置とを備えるプラント内で発生する、前記復水脱塩装置のカチオン交換体の再生排水であるアンモニア含有排水からアンモニアを回収する方法であって、
前記アンモニア含有排水からアンモニア濃度を高めた濃縮水とアンモニア濃度が低減されて前記プラント内で利用可能な透過水とを生成する濃縮工程と、
前記濃縮水からアンモニアを回収する回収工程と、
を有し、
前記濃縮工程は、逆浸透法、電気透析法及び電気再生式脱塩法の少なくとも1つの方法によって前記濃縮水と前記透過水とを生成する工程であり、
前記回収工程は、膜蒸留及びストリッピングの少なくとも1つの方法によってアンモニアを回収する工程であり、
前記復水脱塩装置のアニオン交換体の再生排水に対して電気透析法を適用して不純物成分を除去し、不純物成分が除去された前記アニオン交換体の再生排水を、アルカリ剤として、前記回収工程において前記濃縮水に添加し、
前記回収工程で回収したアンモニアを前記プラントで再利用する方法。
【請求項2】
前記回収工程で回収したアンモニアを前記ボイラの燃料の一部として再利用する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
蒸気を発生するボイラと前記ボイラで発生した蒸気によって駆動される蒸気タービンと前記タービンを駆動した後の蒸気を水に戻す復水器と前記復水器により復水された水の中のイオン成分を除去する復水脱塩装置とを備えるプラント内で発生する、前記復水脱塩装置のカチオン交換体の再生排水であるアンモニア含有排水からアンモニアを回収するアンモニア回収装置であって、
前記アンモニア含有排水からアンモニア濃度を高めた濃縮水とアンモニア濃度が低減されて前記プラント内で利用可能な透過水とを生成する濃縮手段と、
前記濃縮水からアンモニアを回収する回収手段と、
前記復水脱塩装置のアニオン交換体の再生排水を処理して不純物成分を除去するアニオン交換体再生排水用電気透析装置
と、
を有し、
前記濃縮手段は、逆浸透膜装置、電気透析装置及び電気再生式脱塩装置の少なくとも1つであり、
前記回収手段は、膜蒸留装置及びストリッピング装置の少なくとも1つであり、
前記回収手段において、前記アニオン交換体再生排水用電気透析装置によって不純物成分が除去された前記アニオン交換体の再生排水が、アルカリ剤として、前記濃縮水に添加され、
前記回収手段により回収されたアンモニアが前記プラントにおいて再利用される、アンモニア回収装置。
【請求項4】
前記回収手段で回収したアンモニアが前記ボイラの燃料の一部として再利用される、請求項3に記載のアンモニア回収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火力発電所などのプラントから排出されるアンモニア含有排水からアンモニアを回収する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラントの一例として火力発電所の発電プラントでは、ボイラによって蒸気を発生させ、この蒸気によってタービンを駆動する。タービンを駆動した後の蒸気は復水器に導かれて液体の水となり、イオン交換樹脂などのイオン交換体を有する復水脱塩装置によってその水の中の不純物イオンが除去された後、再度、ボイラに供給される。また、ボイラやタービン、さらにはそれらを接続する配管やポンプの腐食を防止するために、ボイラに供給される水にはアンモニアを添加することが一般的である。このアンモニアは脱塩装置のイオン交換樹脂に捕捉されるから、脱塩装置のイオン交換樹脂の再生を行った場合には、再生排水に多量のアンモニアが含まれることになる。不純物の排出などのためにボイラを循環する水の一部を排出(ブロー)することがあるが、このブロー排水にもアンモニアが含まれている。長期にわたってプラントを停止する場合には、ボイラや配管類での腐食の発生を防ぐため、純水にアンモニアを加えた液(ボイラ保管水と呼ぶ)によりボイラや配管を充填してボイラや配管の保管処理を行うことも多い。保管処理を行ったボイラを再起動する際にはボイラ保管水を排出することになるが、ボイラ保管水にもアンモニアは含まれている。そのほか、プラントでの使用のためにアンモニアを貯えるタンクを設ける場合、このタンクの洗浄排水にもアンモニアが含まれる。
【0003】
上述のように、例えば火力発電所などのプラントでは種々の理由によりアンモニア含有排水が発生する。アンモニア含有排水は、他の排水と混合希釈して敷地外すなわち公共用水域に放流されたり、アンモニア排水処理装置によって処理してから放流されている。プラントでは、ボイラに循環する水に添加したりボイラ保管水を生成するためにアンモニアが使用されるほか、排ガスの脱硝処理を行う脱硝装置においても還元剤としてアンモニアが使用されている。そこでアンモニア含有排水からアンモニアを回収して利用することが提案されている。例えば特許文献1は、火力発電所から排出されるアンモニア含有排水を空気と接触させてアンモニアを空気中に抽気し、抽気によって得られたアンモニアを含む空気を脱硝処理に用いることを開示している。アンモニア態窒素を含む排水の処理方法として特許文献2は、排水にアルカリ剤(例えば水酸化ナトリウム)を加えてアンモニア態窒素をアンモニアに変換し、そののちストリッピングによってアンモニアガスとして回収し、回収したアンモニアガスを触媒上で空気と接触させて窒素ガスにまで酸化させる、あるいは脱硝工程に用いることを開示している。
【0004】
本発明においては、イオン形であるか分子形であるかを区別する必要がない場合においては、「アンモニア」には、アンモニア分子(NH3)とアンモニウムイオン(NH4
+)の両方が含まれる。したがって、「アンモニア含有排水」には、アンモニア分子の形態でアンモニアを含む排水だけでなく、アンモニウムイオンの形態でアンモニアを含む排水も含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平8-252569号公報
【文献】特開平9-75915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1,2に記載された方法では、プラント内から排出されたアンモニア含有排水をそのまま使用して気液接触あるいはストリッピングによりアンモニアガスを回収している。一般に、液中のアンモニア濃度が低いほど気液接触やストリッピングの効率が低下するから、装置が大規模となり、処理効率が低下する。また特許文献1,2に示すシステムは、アンモニアを回収した後の排水を、そのまま敷地外に放流するか既存の排水処理装置で処理してから放流しており、アンモニアを回収した後の排水を再利用する構成とはなっていない。
【0007】
本発明の目的は、プラントにおいてアンモニア含有排水から効率よくアンモニアを回収できるとともに、アンモニアを回収した後の排水をそのプラント内で再利用することができる方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のアンモニア回収方法は、プラント内で発生するアンモニア含有排水からアンモニアを回収する方法であって、アンモニア含有排水からアンモニア濃度を高めた濃縮水とアンモニア濃度が低減されてプラント内で利用可能な透過水とを生成する濃縮工程と、濃縮水からアンモニアを回収する回収工程と、を有する。
【0009】
本発明のアンモニア回収装置は、プラント内で発生するアンモニア含有排水からアンモニアを回収するアンモニア回収装置であって、アンモニア含有排水からアンモニア濃度を高めた濃縮水とアンモニア濃度が低減されてプラント内で利用可能な透過水とを生成する濃縮手段と、濃縮水からアンモニアを回収する回収手段と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、プラントにおいてアンモニア含有排水から効率よくアンモニアを回収できるとともに、アンモニアを回収した後の排水をそのプラント内で再利用することができ、プラントにおける用水の再利用率も向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施の一形態のアンモニア処理装置の構成を示すフローシートである。
【
図2】プラントの構成の一例を示すフローシートである。
【
図3】別の実施形態のアンモニア処理装置の構成を示すフローシートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施の一形態のアンモニア回収装置を示している。
【0013】
本実施形態のアンモニア回収装置は、火力発電所に代表される各種のプラントにおいて発生するアンモニア含有排水からアンモニアを回収するものである。このアンモニア回収装置は、アンモニア含有排水からアンモニア濃度を高めた濃縮水とアンモニア濃度が低減されてプラント内で利用可能な透過水とを生成するアンモニア濃縮装置11と、濃縮水からアンモニアを回収するアンモニア蒸留装置12と、を備えている。アンモニア回収装置の処理対象となるアンモニア含有排水は、例えば、ボイラに接続してイオン交換樹脂などのイオン交換体を備える復水脱塩装置からの、イオン交換体の再生排水であったり、プラント内に設けられるアンモニアタンクを洗浄したときの洗浄排水やブロー排水であったりする。さらには、プラント内のボイラや配管の防錆のためにアンモニアを水に添加することが用いられているとして、ボイラからブローされた水、あるいはボイラの保管処理に用いられた水(ボイラ保管水)もアンモニア含有排水の範疇に含まれる。
【0014】
アンモニア濃縮装置11は、濃縮手段であって、例えば、逆浸透膜装置、電気透析装置あるいは電気式脱塩装置によって構成される。アンモニア濃縮装置11が逆浸透膜装置である場合、水は逆浸透膜を透過するのに対し、アンモニアやその他の成分は逆浸透膜を透過しない。したがって逆浸透膜装置にアンモニア含有排水を供給すると、逆浸透膜装置の濃縮側出口から、アンモニア濃度が高められた水すなわち濃縮水が得られ、透過側出口からは、アンモニアや不純物成分が除去された透過水が得られることになる。また、電気透析装置や電気再生式脱塩装置では、一般に、イオン成分が濃縮された水とイオン成分が除去された水とが分離して排出される。アンモニア濃縮装置11として電気透析装置や電気再生式脱塩装置を使用し、これらの装置にアンモニア含有排水を供給した場合には、アンモニアが濃縮された水とアンモニアをほとんど含まない水とが分離して得られることになるから、これらをそれぞれ濃縮水と透過水とする。
【0015】
逆浸透膜装置、電気透析装置あるいは電気式脱塩装置は、いずれも水の精製にも一般的に使用されている装置であるから、これらの装置から得られる透過水は、プラント内で再利用可能な水質を有している。プラント内での利用のために工業用水が供給されていて、供給された工業用水はろ過の後にろ過水タンク14に貯えられているとすれば、アンモニア濃縮装置11からの透過水は、プラント内での再利用のために、ろ過水タンク14に送ることができる。
【0016】
アンモニア蒸留装置12は、濃縮手段であって、例えば、膜蒸留装置あるいはストリッピング装置(放散塔ともいう)からなり、濃縮水から例えばアンモニアガスの形態でアンモニアを回収する。あるいはアンモニア蒸留装置12は、膜蒸留装置あるいはストリッピング装置で発生したアンモニアガスを凝縮器で冷却した後に水に溶解させることにより、アンモニア水の形態でアンモニアを回収してもよい。このとき、濃縮水から気相側へのアンモニアの移行は濃縮水のpHが高いほど進行するから、アンモニアガスの回収を促進するために、濃縮水に対して必要に応じてアルカリ剤(例えば水酸化ナトリウム)が添加される。回収されたアンモニアは、プラント内で再利用することができる。プラントが発電プラントである場合には、回収されたアンモニアには、プラント内において、微粉炭などの主燃料とともにボイラで燃焼させる、選択接触還元法による排煙脱硝装置で使用する、硫酸ミストの除去のために電気集塵装置に注入する、精製した上でボイラと蒸気タービンとを循環する配管に対して防錆のために注入する、などの用途がある。
【0017】
アンモニア蒸留装置12においては濃縮水からアンモニアを回収したときには、アンモニアが回収された後の濃縮水が排水として排出される。この排水は、不純物、特に再生排水に由来する不揮発性のイオン性不純物を多く含んでおり、再利用に適さないものである。そこでアンモニア蒸留装置12からの排水は、その不純物濃度等に応じ、そのまま敷地外に放流されるか、排水処理装置によって処理された後、放流される。
【0018】
次に、本発明に基づくアンモニア回収装置を実際のプラントに適用した例を説明する。
図2は、石炭火力発電所などの石炭を主燃料とするプラントの構成を示している。蒸気を発生するボイラ21と、ボイラ21で発生した蒸気によって駆動される蒸気タービン30と、蒸気タービン30を駆動した後の蒸気を水に戻す復水器31と、復水器31で復水された水の中のイオン成分を除去する復水脱塩装置40とが設けられている。ボイラ21には、送風機(不図示)などによって空気が供給されるともに、燃料として微粉炭が供給され、燃焼によって発生した排気は、ばい煙処理装置(不図示)を経て外部に排出される。ボイラ21内には水が供給される水管36が設けられており、ボイラ21の燃焼熱により水管36内で発生した蒸気は、蒸気配管37を介して蒸気タービン30に供給される。復水器31からの復水は、復水配管38を介して復水脱塩装置40に供給される。復水配管38には復水ポンプ32が設けられている。復水脱塩装置40は、その内部にイオン交換樹脂などのイオン交換体を備えており、復水の脱塩処理を行って脱塩水を生成する。脱塩水は、給水配管39を介してボイラ21の水管36に供給される。給水配管39には給水ポンプ33が設けられている。
【0019】
このプラントは、ボイラ21と蒸気タービン30と給水器31とを介して水が循環するように構成されており、復水脱塩装置40は、循環する水の中からイオン成分を除去することによってボイラ21や蒸気タービン30、さらにはポンプや配管などでの腐食の発生を防止するために設けられている。さらにこのプラントでは、腐食の発生を防ぐために、循環する水に対してアンモニアを添加することも行われている。添加されたアンモニアは復水脱塩装置40のイオン交換体に捕捉されることになる。
【0020】
復水脱塩装置40内のイオン交換体に対しては定期的に再生処理を行う必要がある。再生処理によって再生排水が発生する。復水脱塩装置40内のイオン交換体は、カチオン交換体及びアニオン交換体である。復水脱塩装置20の再生方法によっては、カチオン交換体の再生排水とアニオン交換体の再生排水とが分離して排出されるものがある。カチオン交換体の再生には一般に硫酸または塩酸が使用されるから、カチオン交換体の再生排水には、アンモニアと各種のカチオン、それに硫酸イオンまたは塩化物イオンが含まれることになる。アニオン交換体の再生には一般に水酸化ナトリウムが使用されるから、アニオン交換体の再生排水にはアンモニアはほとんど含まれないが各種のアニオンと水酸化ナトリウムとが含まれ、そのpHは高くなっている。
【0021】
図3は、本発明の別の実施形態のアンモニア回収装置の構成を示している。このアンモニア回収装置は、プラント内の復水脱塩装置などからカチオン交換体再生排水とアニオン交換体再生排水の両方が分離して得られる場合に適したものであり、
図1に示すものと同様に、アンモニア濃縮装置11とアンモニア蒸留装置12とを備えている。再生排水のうちアンモニアを含んでいるカチオン交換体再生排水が、アンモニア含有排水として、アンモニア濃縮装置11に供給され、アンモニア濃縮装置11からは、アンモニア濃度が高められた濃縮水とアンモニアをほとんど含まない透過水とが排出する。透過水は、プラント内での再利用のためにろ過水タンク14に送られる。
【0022】
一方、アンモニアをほとんど含まないアニオン交換体再生排水は、水酸化ナトリウムを含んでいるので、アンモニアの膜蒸留やストリッピングを行う際に濃縮水から気相へのアンモニアの移行を促進するアルカリ剤として使用することができる。そこで本実施形態では、アニオン交換体再生排水をアルカリ剤としてアンモニア蒸留装置12に供給する。アンモニア蒸留装置12では、濃縮水から例えばアンモニアガスの形態でアンモニアが高い収率で回収される。回収されたアンモニアの用途は特に限定されないが、
図2のボイラ21の燃焼用ガスとしての用途や、さらに精製して腐食防止のために水に添加する用途として利用できる。また、触媒を介して大気に放出してもよい。アンモニア蒸留装置12からの排水は、
図1に示した場合と同様に、そのままであるいは排水処理装置で処理してから放流される。
【0023】
ところで、アニオン交換体再生排水には硫酸イオンなどの腐食を促進する成分が含まれている可能性がある。そこで、
図3に示す装置では、電気透析装置13を設けてアニオン交換体再生排水からアルカリ成分を分離し、このアルカリ成分(主として水酸化ナトリウム)のみがアルカリ剤としてアンモニア蒸留装置12に供給されるようにしている。電気透析装置13においてアルカリ成分が分離された後のアニオン交換体再生排水は、アンモニア蒸留装置12からの排水に合流して、そのままで、あるいは排水処理装置で処理してから放流される。電気透析装置13を設けずにアニオン交換体再生排水をアルカリ剤としてアンモニア蒸留装置12に直接供給してもよいが、膜蒸留装置あるいはストリッピング装置(放散塔)からなるアンモニア蒸留装置12の腐食等を防ぐためには、電気透析装置13を設けることが好ましい。
【0024】
このように
図3に示した構成では、アニオン交換体再生排水を有効利用することによって、アルカリ剤を別途用意してアンモニア蒸留装置12に投入する必要がなくなる。
【0025】
なお、復水脱塩装置などからの再生排水が、カチオン交換体再生排水とアニオン交換体再生排水とが混合した形態で得られる場合には、その再生排水は、アンモニア含有排水として、
図1に示したアンモニア回収装置に供給されることになる。その場合、カチオン交換体再生排水とアニオン交換体再生排水とを混合した液の液性はアルカリ性であることが多いから、アンモニア蒸留装置12へのアルカリ剤の投入量は少なくて済むこととなる。
【符号の説明】
【0026】
11 アンモニア濃縮装置
12 アンモニア蒸留装置
13 電気透析装置
14 ろ過水
21 ボイラ
30 蒸気タービン
31 復水器
32 復水ポンプ
33 給水ポンプ
40 復水脱塩装置