(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-26
(45)【発行日】2022-08-03
(54)【発明の名称】光学装置
(51)【国際特許分類】
G01J 3/26 20060101AFI20220727BHJP
G03B 11/00 20210101ALI20220727BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20220727BHJP
G02B 5/28 20060101ALI20220727BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20220727BHJP
G01N 21/27 20060101ALI20220727BHJP
【FI】
G01J3/26
G03B11/00
G03B17/02
G02B5/28
H04N5/225 400
G01N21/27 A
(21)【出願番号】P 2018057975
(22)【出願日】2018-03-26
【審査請求日】2021-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100096884
【氏名又は名称】末成 幹生
(72)【発明者】
【氏名】秋葉 正博
(72)【発明者】
【氏名】瀬田 誠
【審査官】後藤 慎平
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-226876(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0168182(US,A1)
【文献】特開2015-219122(JP,A)
【文献】特開2016-218144(JP,A)
【文献】特開平04-125429(JP,A)
【文献】特開2016-156801(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 3/00-4/04
G01J 7/00-9/04
G01N 21/00-21/01
G01N 21/17-21/61
G02B 5/20-5/28
G03B 11/00-11/06
G03B 17/02-17/17
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
格子状に離間して配置された矩形の形状を有する複数の光学薄膜、および前記光学薄膜が配置されておらず、単位面積当たりにおける透過光量が前記光学薄膜よりも多い光透過領域を備える光学フィルタと、
前記光学フィルタを撮像対象に対して相対的に移動させつつ、前記光学フィルタを透過した光を受光して撮像を行う撮像装置と
を備え、
前記光学薄膜は、バンドパスフィルタ,ショートパスフィルタおよびロングパスフィルタを構成し、
前記矩形の形状を有する光学薄膜のそれぞれは、中心に向かって傾斜した膜厚分布となる多層薄膜パターンであり、
前記撮像装置は、前記光学薄膜を透過した光に基づき複数の異なる単一波長の画像の撮像と、前記光透過領域を透過した光に基づき前記複数の異なる単一波長を含む波長帯域の広帯域画像を撮像する光学装置。
【請求項2】
前記広帯域画像は、前記複数の異なる単一波長の画像よりも高いコントラストを有する請求項1に記載の光学装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LVF(Linear Variable Filter)を用いた光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LVF(Linear Variable Filter)という光学フィルタが知られている(例えば、特許文献1参照)。LVFは、入射箇所によって異なる波長の透過・反射・吸収特性を有し、白色光を入射させると、ある場所では赤色の波長の光が透過し、他の場所では緑色の波長が透過するなど、入射箇所により対象となる波長がリニアに変化する特性を有する。透過型LVFは主に、BPF(バンドパスフィルタ),SPF(ショートパスフィルタ),LPF(ロングパスフィルタ)などを組み合わせることで所定の光学特性を得ている。
【0003】
各フィルタは、屈折率の異なる光学薄膜を基材となる光透過部材(例えばガラス基板)上に多層に積層することで得ている。そして、光学薄膜の屈性率の選択、膜厚、組み合わせにより、BPF,SPF,LPFの特性を得ている。LVFは、入射箇所によってBPFの中心波長が異なるが、この機能は、上記の光学薄膜の膜厚を特定の方向でリニアに変化させることで得ている。
【0004】
LVFを用いた光学装置としてHSC(Hyper Spectral camera)が知られている。HSCは、数十以上の波長帯域別の画像を取得するカメラである。HSCを用いると、例えば、中心波長580nmの画像、中心波長590nmの画像、中心波長600nmの画像、・・・といった複数の単一波長画像が得られる。HSCが取得した画像は、撮影対象の素材の識別、物性や組成の解析、植物の育成状態の解析等に利用される。例えば、特許文献2には、マルチスペクトル画像とフレームカメラ画像の対応関係を求める技術について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平11-326632号公報
【文献】特表2013-514572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、LVFは、BPF特性の中心波長の位置がリニアに変化している。よって、LVFの特定の位置に着目した場合、そこは特定の中心波長のBPF特性を有している。上述したように、LVFは主に、BPF(バンドパスフィルタ),SPF(ショートパスフィルタ),LPF(ロングパスフィルタ)を組み合わせて構成されている。これは、BPFだけでは目的としない不要な波長帯域の透過光があり、それをSPFとLPFでカットする必要があるからである。
【0007】
ところで、LVFでは、特定の波長に着目した場合、波長帯域が絞られているので、特定波長の画像(以下、単一波長画像)に係る光量が少なく、単一波長画像は光量の少ない暗い画像(コントラストの弱い画像)となる。
【0008】
このため、特定の色に関して対象の画像の形状が把握し難くなる等の問題が生じる。この問題に対しては、光量の弱い単一波長画像のコントラストをデジタル補正する方法等が考えられる。しかしながら、元々の光量が足りない画像を補正する手法には限界があり、また画質が不自然になる等の問題がある。
【0009】
特許文献2には、ハイパースペクトル画像取得用の第1の2次元センサとは別に、2次元画像を取得する第2の2次元センサを用いる技術が記載されている。この技術では、第2の2次元センサにより通常の画像も取得できる。しかしながら、2つの2次元センサが得た画像の対応関係を特定する処理が必要であり、その分、ハードウェアが複雑化し、また処理の負担が増大する。このため、装置のコストが高くなる問題がある。
【0010】
このような背景において、本発明は、LVFを用いたHSC(ハイパースペクトルカメラ)のコントラストを低コストで改善できる技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、格子状に離間して配置された矩形の形状を有する複数の光学薄膜、および前記光学薄膜が配置されておらず、単位面積当たりにおける透過光量が前記光学薄膜よりも多い光透過領域を備える光学フィルタと、前記光学フィルタを撮像対象に対して相対的に移動させつつ、前記光学フィルタを透過した光を受光して撮像を行う撮像装置とを備え、前記光学薄膜は、バンドパスフィルタ,ショートパスフィルタおよびロングパスフィルタを構成し、前記矩形の形状を有する光学薄膜のそれぞれは、中心に向かって傾斜した膜厚分布となる多層薄膜パターンであり、前記撮像装置は、前記光学薄膜を透過した光に基づき複数の異なる単一波長の画像の撮像と、前記光透過領域を透過した光に基づき前記複数の異なる単一波長を含む波長帯域の広帯域画像を撮像する光学装置である。
【0012】
本発明において、前記広帯域画像は、前記複数の異なる単一波長の画像よりも高いコントラストを有する態様が挙げられる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、LVFを用いたHSC(ハイパースペクトルカメラ)のコントラストを低コストで改善できる技術が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図6】LVFの特定の位置におけるBPF特性を示す図である。
【
図9】実施形態のHSC(ハイパースペクトルカメラ)で得られる画像を示す図面代用写真である。
【
図10】実施形態のHSC(ハイパースペクトルカメラ)で得られる画像を示す図面代用写真である。
【
図11】実施形態のHSC(ハイパースペクトルカメラ)で得られる画像を示す図面代用写真である。
【
図12】実施形態のHSC(ハイパースペクトルカメラ)で得られる画像を示す図面代用写真である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(構成)
図1は、発明を利用したハイパースペクトルカメラ(HSC)のブロック図である。
図1には、ハイパースペクトルカメラ100が示されている。ハイパースペクトルカメラ100は、撮像対象物からの光が入射する光学系101を備えている。撮像対象物に照射される光は、特に限定されないが、なるべく広い波長帯域の光が好ましい。ここでは、可視光帯域の光を扱う場合を説明するが、紫外光や赤外光を対象とすることも可能である。
【0017】
光学系101は、対物レンズ、フォーカスを行うための光学系、光学絞り、熱吸収フィルタ、その他レンズ系を含んでいる。
【0018】
光学系を通過した入射光は、LVF(Linear Variable Filter) 102に入射する。
図2は、LVF102の断面構造を示す概念図である。LVF102は、可視光に対して光透過性であり四角形のガラス基板111を基材としている。LVF102は、一般的なLVFとして機能するLVF領域113と、光学フィルタとして機能せず、入射光をそのまま透過させる全波長透過領域114を有している。符号115は、光学フィルタとしての特性が乱れ、光学フィルタとして利用するのに適切でない領域である。
【0019】
ガラス基板111の上面および下面には、LVF領域113を構成する多層薄膜112,112’が成膜されている。LVF領域113は、BPF(バンドパスフィルタ),SPF(ショートパスフィルタ),LPF(ロングパスフィルタ)を組み合わせて構成されている。各フィルタは、SiO2薄膜やTa2O5薄膜等の誘電体薄膜を多層に積層した構造を有している。ここで、薄膜の種類と厚みの組み合わせを調整することで必要とする光学フィルタの特性(BPF特性、SPF特性、LPF特性)を得ている。
【0020】
LVF領域113は、X軸に沿って中心透過波長がリニアに変化する設定とされている。
図2(B)に示すように、LVF領域113は、積層膜の膜厚分布に従って、透過する単波長光の波長が漸次長くなる光学特性を有している。
【0021】
以下、LVF領域113について説明する。
図3には、BPF単体の光学特性の一例が示されている。
図3に示すように、BPF単体の場合、両側(長波長側と短波長側)に不要な透過光が存在する。この不要な透過光を
図4のSPF(短波長側パス)と
図5のLPF(長波長側パス)で遮断することで、
図6の単峰性のBPF特性を得る。
【0022】
すなわち、LVF領域113は、
図3のBPF特性を有する多層薄膜、
図4のSPF特性を有する多層薄膜、
図5のLPF特性を有する多層薄膜を積層し、不要な透過成分のない
図6に例示するようなBPF特性を得ている。ここで、多層薄膜の膜厚分布を調整することで、SPFとLPFのカットオフ波長とBPFの中心波長の値を調整できる。そこで、
図2に示すLVF領域113は、X軸方向における膜厚分布を漸次変化させることで、X軸に沿ってBPF特性の中心透過波長がリニアに変化する光学特性を得ている。
【0023】
図7には、LVF領域113のX軸上における複数の部分に着目した場合に得られる透過光のスペクトルの一例が示されている。
図7には、単波長のスペクトルが離散的に分布しているかのように記載されているが、実際には、X軸に沿って単波長光の中心波長がリニアに変化している光学特性が得られる。
【0024】
図8は、LVF領域113における
図2のX軸方向における位置(横軸)と、透過する単波長光の中心波長(縦軸)の関係の一例を示すグラフである。
図8に示すように、LVF領域113では、特定の方向(X軸)に沿って透過する単波長光の波長がリニアに変化する。
図8の例では、X軸方向に沿って、単波長光(BPF特性の光)の中心波長がリニアに変化する。
図8に示す波長変化量は一例であり、その値は、膜厚分布等により調整可能である。
【0025】
ここで、LVF領域113は、Y軸方向(
図2のY-Z面に垂直な方向)の膜厚勾配は小さく、Y軸方向における透過光の波長依存性は小さい。よって、
図2のLVF領域113の全体に白色光を当てると、Y軸方向に延在する細い帯状の単波長光が透過光として得られる。そして、この透過光の中心波長(ピークの波長)は、X軸に沿って、例えば
図8のグラフに従って変化したものとなる。
【0026】
なお、この例では、ガラス基板111の両面に光学多層薄膜112と112’を成膜し、LVF領域113を構成しているが、ガラス基板111の片面のみに光学多層薄膜を成膜してLVF領域113を構成することも可能である。
【0027】
全波長透過領域114では、Y軸方向に延在する帯状を有している。全波長透過領域114は、透過光に影響する部材がガラス基板111のみであるので、LVF102が対象とする波長帯域の光(この場合は、可視光帯域の光)を透過する。単位面積当たりで考えて、全波長透過領域114は、LVF領域113に比較して透過する光の透過光量が大きい。すなわち、この例では、可視光帯域で考えて、単位面積当たりの全波長透過領域114の透過率は、LVF領域113よりも高い。
【0028】
撮像動作時において、LVF102はX軸方向に移動する。この移動は、LVF駆動系103(
図1参照)により行われる。LVF駆動系103は、駆動源となるモータとその制御系を備えている。
【0029】
以下、撮像の原理を説明する。例えば、
図6の中心波長をもつ単一波長の光を考える。この場合、LVF102がX軸方向に移行しつつ、2次元イメージセンサ105における撮像が行なわれる。この際、LVF102のX軸方向への移動に同期させて2次元イメージセンサ105での画像情報のスキャンを行う。2次元イメージセンサとしては、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサが利用される。
【0030】
上記のスキャンにより、Y軸方向に延在した帯状の
図6の単一波長光がX軸方向でスキャンされる。そしてこのスキャン情報に基づき、画像作成部106において、
図6の中心波長の単一波長画像が作成される。
【0031】
同様の原理で、LVF102が対象とする波長帯域に含まれる複数の単一波長画像が得られる。単一波長画像の数は、任意であるが、数が多くなると、画像作成部106の負担が大きくなり、またスキャン速度の制約もあるので、それらに鑑みて単一波長画像の数が決定される。通常、単一波長画像の数は、数十~数百となる。
【0032】
また、LVF102では、全波長透過領域114がある関係で、全波長帯画像も得られる。すなわち、Y軸方向に延在する帯状の全波長透過領域114が2次元イメージセンサ105の前をX軸方向に移動することで、可視光帯域光に係るスキャンが行なわれ、可視光帯域に係る全波長帯域画像が得られる。
【0033】
図9は、ハイパースペクトルカメラ100で撮像される単一波長画像と全波長帯域画像を示す図面代用写真である。
図9には、3つ(3色)の単一波長画像と、全波長帯域画像であるモノクロ画像が示されている。この例では、2次元イメージセンサ105がカラーフィルタを備えていないので、全波長画像は、特に波長に対するフィルタリングがされておらず、モノクロ画像となる。
【0034】
ここで、LVF102と2次元イメージセンサ105の間にカラーフィルタを配置し、2次元イメージセンサ105がカラー画像を撮像する形態も可能である。この場合、
図11に示すように、全波長帯域画像はカラー画像となる。
【0035】
また、LVFと2次元イメージセンサの位置関係を固定し、対象物が動く形態での撮像も可能である。この場合を
図10に示す。
【0036】
以上述べたように、正面(Z軸の方向)から見たガラス基板111の形状は四角形であり、全波長透過領域114は、Y軸方向に延在する帯状の形状を有し、LVF領域113は、X軸方向に沿って膜厚分布を有し、その方向で透過中心波長がリニアに変化する光学特性を有する。
【0037】
すなわち、LVF102は光軸方向から見て四角形を有し、LVF113領域は、前記四角形の第1の辺から該第1の辺と平行な第2の辺に向かって(X軸方向に向って)連続的に当該領域を透過する単一波長の値が変化する領域であり、全波長透過領域114は、前記第1および第2の辺と直交する第3および第4の辺の間(Y軸方向:Z-X面に垂直な方向)に延在する帯状の領域であり、撮像時におけるLVF102の撮影対象に対する相対的な移動は、前記第3および第4の辺の延在方向(X軸方向)に沿って行われる。
【0038】
(優位性)
課題の欄で述べたように、単一波長画像は、光量が少なくコントラストが低くなる。これに対して、全波長帯域画像は、単一波長画像に比較して相対的に広い波長域の光に基づく画像であるので、画像の基となる光の光量が単一波長画像の場合に比較して多い。そのため、高いコントラスト画像を得ることができる。これにより、単一波長画像による分光情報の取得と、全波長像による高精細で高コントラストの画像情報(細かい部分の形状等の情報)の取得が同時に行なえる。
【0039】
上述のように、ハイパースペクトルカメラ100は、単波長画像と高コントラストの全波長帯域画像を同時に得られるが、利用するLVF102は1枚でよく、また2次元イメージセンサ105も一つでよい。また、全波長帯域画像の作成は、通常の画像処理技術であるので、面倒で誤差が発生し易い画像マッチング技術を必要としない。このため、画像作成部106での処理の負担も従来の場合から増大しない。これらの理由により、高コスト化せずに単波長画像と高コントラストの全波長帯域画像を同時に取得できる。
【0040】
(変形例)
LVFとして、
図12のLVFパターンフィルタ120を採用することもできる。LVFパターンフィルタ120は、光透過性基板であるガラス基板121、ガラス基板121上に形成された矩形状のLVFパターン122を有している。
【0041】
LVFパターン122は、格子状に複数が配置されている。LVFパターン122は、矩形状を有し、中心に向かって傾斜した膜厚分布となる多層薄膜パターンが形成されている。
【0042】
LVFパターンフィルタ120は、複数配置されたLVFパターン122の隙間が全波長透過領域(可視光全域波長透過領域)として機能する。この例では、複数配置されたLVFパターン122の部分の透過光から単一波長画像が得られ、LVFパターン122がない部分を透過した光に基づき、全波長帯域画像が得られる。
【0043】
(その他)
全波長透過領域115にSPF(ショートパスフィルタ)およびLPF(ロングパスフィルタ)の少なくとも一方を設け、不要な帯域の光をカットする構成も可能である。また、全波長透過領域115に反射防止膜を設ける構成も可能である。
【0044】
基板は、ガラスに限定されず、対象とする波長帯域の光を透過する材質であれば、樹脂や半導体であってもよい。LVF領域113と全波長透過領域114を別の光透過性基板上に形成し、それらを複合化した構成も可能である。
【0045】
通常、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の2次元イメージセンサの光入射面は、ガラス等の光透過性の保護膜で覆われている。この保護膜を基材として、LVF領域113と全波長透過領域114を形成してもよい。この場合、LVF102と2次元イメージセンサとが一体化される。
【0046】
図1の構成において、LVF102と2次元イメージセンサ105の間に光学系を配置する構成も可能である。
【0047】
本発明を利用したHSC(ハイパースペクトルカメラ)は、単一波長画像から対象物に係る分光情報が得られ、全波長帯域画像から対象物に係る形状の情報が得られる。ここで、分光情報からは、対象物の質感やテクスチャの情報が得られる。これらの情報を基に3Dプリンタにより対象物の3Dモデルを作成する形態も可能である。
【符号の説明】
【0048】
100…HSC(ハイパースペクトルカメラ)、102…LVF(Linear Variable Filter) 、111…ガラス基板、112…光学多層薄膜、112’…光学多層薄膜、113…LVF領域、114…全波長透過領域、115…フィルタとして利用できない領域。