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特許7112257インクジェット記録装置管理システムおよびインクジェット記録装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-26
(45)【発行日】2022-08-03
(54)【発明の名称】インクジェット記録装置管理システムおよびインクジェット記録装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20220727BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20220727BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20220727BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20220727BHJP
【FI】
G06F3/12 334
B41J29/38
B41J2/01
B41J29/46 Z
G06F3/12 310
G06F3/12 378
G06F3/12 385
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018110897
(22)【出願日】2018-06-11
(65)【公開番号】P2019215601
(43)【公開日】2019-12-19
【審査請求日】2021-06-11
(73)【特許権者】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】高橋 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】河野 貴
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-200755(JP,A)
【文献】特開2003-011472(JP,A)
【文献】国際公開第2018/087866(WO,A1)
【文献】特開2011-216654(JP,A)
【文献】特開2011-189715(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09 - 3/12
B41J 2/01
B41J 2/165- 2/20
B41J 2/21 - 2/215
B41J 29/00 -29/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続され、外部装置と通信することのできるインクジェット記録装置のインクジェット記録装置管理システムであって、
管理端末と、
マスターであるインクジェット記録装置と、
スレーブであるインクジェット記録装置とを有し、
前記インクジェット記録装置は、前記インクジェット記録装置から受信した前記インクジェット記録装置の各種情報から、前記インクジェット記録装置のパラメータ情報を算出するサーバに接続され、
前記インクジェット記録装置は、前記サーバの算出した前記インクジェット記録装置のパラメータ情報を受信し、前記パラメータ情報に基づき、そのインクジェット記録装置のランニング予告情報を算出して、ランニング予告情報を表示し、
前記管理端末と前記マスターであるインクジェット記録装置とは、通信ケーブルで接続され、
前記マスターであるインクジェット記録装置とスレーブであるインクジェット記録装置とは、通信ケーブルで接続され、
前記管理端末は、前記サーバの算出した前記インクジェット記録装置のパラメータ情報を受信し、前記マスターであるインクジェット記録装置に送信し、
前記マスターであるインクジェット記録装置は、受信した前記パラメータ情報に基づき、そのインクジェット記録装置のランニング予告情報を算出して、前記スレーブであるインクジェット記録装置に送信することを特徴とするインクジェット記録装置管理システム。
【請求項2】
前記インクジェット記録装置の各種情報は、設定値データ、稼動情報データ、定期交換部品情報、消耗品情報であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置管
理システム。
【請求項3】
前記ランニング予告情報は、異常/警報発生日時、運転可能時間、異常/警報発生までの印字回数であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置管理システム。
【請求項4】
前記ランニング予告情報は、定期交換部品のメンテナンス情報を含むことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置管理システム。
【請求項5】
前記ランニング予告情報は、設定した表示パラメータに従った時刻、繰り返し回数、表示間隔に従って表示されることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置管理システム。
【請求項6】
第一のスレーブであるインクジェット記録装置が、マスターであるインクジェット記録装置または第二のスレーブであるインクジェット記録装置から、インクジェット記録装置のランニング予告情報を受信したときに、第三のスレーブであるインクジェット記録装置にインクジェット記録装置のランニング予告情報を送信することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置管理システム。
【請求項7】
ネットワークに接続され、外部装置と通信することのできるインクジェット記録装置であって、
前記インクジェット記録装置は、前記インクジェット記録装置から受信した前記インクジェット記録装置の各種情報から、前記インクジェット記録装置のパラメータ情報を算出するサーバに接続され、
前記インクジェット記録装置は、
外部からのデータの入出力をおこなうデータ入出力部と、
前記インクジェット記録装置の各種情報を記録する記録部と、
パラメータ情報解析部と、
表示・入力部とを有し、
前記データ入出力部を介して、前記サーバの算出した前記インクジェット記録装置のパラメータ情報を受信し、
前記パラメータ情報解析部は、受信した前記パラメータ情報に基づき、そのインクジェット記録装置のランニング予告情報を算出し、
前記表示・入力部は、前記ランニング予告情報を表示し、
前記インクジェット記録装置は、マスターであるインクジェット記録装置と、スレーブであるインクジェット記録装置からなり、
前記マスターであるインクジェット記録装置とスレーブであるインクジェット記録装置とは、通信ケーブルで接続され、
管理端末と前記マスターであるインクジェット記録装置とは、通信ケーブルで接続され、
前記管理端末は、前記サーバの算出した前記インクジェット記録装置のパラメータ情報を受信し、前記マスターであるインクジェット記録装置に送信し、
前記マスターであるインクジェット記録装置は、前記サーバの算出した前記インクジェット記録装置のパラメータ情報を受信し、前記パラメータ情報に基づき、そのインクジェット記録装置のランニング予告情報を算出して、前記スレーブであるインクジェット記録装置に送信することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項8】
第一のスレーブであるインクジェット記録装置が、マスターであるインクジェット記録装置または第二のスレーブであるインクジェット記録装置から、インクジェット記録装置のランニング予告情報を受信したときに、第三のスレーブであるインクジェット記録装置にインクジェット記録装置のランニング予告情報を送信することを特徴とする請求項7記載のインクジェット記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録装置管理システムおよびインクジェット記録装置に係り、特に、インクジェット記録装置の異常/警報の予兆診断をおこない、その異常/警報の予兆についての警告をおこなうのに好適なインクジェット記録装置管理システムおよびインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
産業用インクジェット記録装置は、製造物に製造年月日や製造番号を印刷する装置であり、食品や飲料などの製造物を大量生産する工場内の生産ラインで広く使用されている。インクジェット記録装置に異常が発生し、製造物の印字ができなくなった場合に、製造物の生産ラインを止めなければならず、工場の製造物の生産数にも直接影響するため、インクジェット記録装置の監視と故障を適切に管理し、インクジェット記録装置を定常的にランニングさせることが重要な問題となる。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されたインクジェットプリンタシステムにおいては、パソコンが、インクジェットプリンタの制御基板から動作に関する情報を取得し、それをサーバに提供し、サーバがそれに対して、必要な制御の情報を提供する技術が開示されている。これにより、インクジェットプリンタを遠隔的に監視することができ、またエラーなどのトラブルが発生した場合に、サーバが、その内容をネットワークを介して取得し迅速に解析することができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-312134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術の特許文献1に記載されたインクジェットプリンタシステムでは、電気基板の破損や駆動系の破損などのエラーに関する情報、履歴情報をサーバに送信することにより、サービスセンタなどでいち早く不具合を解消することができるとしている。
【0006】
しかしながら、工場の生産ラインを維持するという観点から、インクジェット記録装置における設定データを解析し、異常の発生時期を予測し、警報や予告をおこない、もって、インクジェット記録装置の故障する前に対応することができるようにして、工場の生産ラインのダウンタイムを低減し、保守性を向上させる技術については示唆されていない。
【0007】
さらに、異常/警報発生予測時期を、インクジェット記録装置で予め定められた設定条件で通知する技術についても示唆されていない。
【0008】
本発明の目的は、インクジェット記録装置における設定データを解析し、異常の発生時期を予測し、警報や予告をおこない、保守性を向上させることのできるインクジェット記録装置管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
インクジェット記録装置管理システムの構成は、好ましくは、ネットワークに接続され、外部装置と通信することのできるインクジェット記録装置のインクジェット記録装置管理システムであって、インクジェット記録装置は、インクジェット記録装置から受信したインクジェット記録装置の各種情報から、インクジェット記録装置のパラメータ情報を算出するサーバに接続され、インクジェット記録装置は、サーバの算出したインクジェット記録装置のパラメータ情報を受信し、パラメータ情報に基づき、そのインクジェット記録装置のランニング予告情報を算出して、ランニング予告情報を表示するようにしたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、インクジェット記録装置における設定データを解析し、異常の発生時期を予測し、警報や予告をおこない、保守性を向上させることのできるインクジェット記録装置管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態1に係るインクジェット記録装置管理システムの構成を示すブロック図である。
図2】インクジェット記録装置の機能構成を示すブロック図である。
図3】異常/警報発生時のデータ解析処理を示すフローチャートである。
図4】パラメータ情報に基づき、インクジェット記録装置のランニング予告情報を算出する処理を示すフローチャートである。
図5】パラメータ情報の一例を示す図である。
図6】異常/警報予告情報表示パラメータ画面を示す図である。
図7】異常/警報予告情報表示画面を示す図である。
図8】定期交換部品メンテナンス情報表示パラメータ画面を示す図である。
図9】定期交換部品メンテナンス情報表示画面を示す図である。
図10】実施形態2に係るインクジェット記録装置管理システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る各実施形態を、図1ないし図10を用いて説明する。
【0013】
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態1を、図1ないし図9を用いて説明する。
先ず、図1および図2を用いて実施形態1に係るインクジェット記録装置管理システムの構成について説明する。
【0014】
本実施形態のインクジェット記録装置管理システムでは、図1に示されるように、サービスセンタ14に、データベースサーバ10、認証サーバ11、WEBサーバ12、APサーバ13が設置されている。
【0015】
データベースサーバ10は、インクジェット記録装置の各種情報(設定値データ、休止状態や運転状態、異常停止状態などの稼動情報データ、定期交換部品情報、消耗品情報)を取得して、データベースとして蓄え、他のサーバにアクセス手段を与えるためのサーバである。認証サーバ11は、ネットワークユーザ、特に、本実施形態では、システムの管理者のアクセス認証をおこなうサーバである。WEBサーバ12は、クライアント端末に管理画面などのWEBページを提供するサーバである。APサーバ13は、アプリケーションソフトウェアを実行するサーバである。特に、本実施形態では、インクジェット記録装置の各種情報からパラメータ情報を算出するシステム管理アプリケーションソフトウェアを実行する機能を有するものとする。APサーバ13では、HDD(Hard Disk Drive)にインストールされたプログラムを主記憶装置にロードし、それをCPU(Central Processing Unit)が実行することにより、その機能が実現される。
【0016】
なお、サービスセンタ14に設置されるサーバは、複数のサーバが設置されているように図示したが、ハードウェア上は、同一の装置で実現するようにしてもよい
そして、これらのサーバは、インターネットあるいは公衆回線(モデム、中継局を有線あるいは無線で結ぶものを含む)などのネットワーク9を介して、管理端末15に接続されている。管理端末15は、動作状況を含む動作に関する情報を表示したり、システムの管理パラメータを設定する端末である。なお、管理端末15は、専用端末であってもよいし、一般的なパーソナルコンピュータのような情報処理装置であってもよい。
【0017】
また、複数のインクジェット記録装置100(図1では、IJP(Ink Jet Printer)100a、100b、100c、100dと表す)が、通信装置90(図1では、通信装置90a、90b、90c、90dと表す)を介して、ネットワーク9と接続されている。通信装置90は、例えば、インクジェット記録装置100に実装されるネットワークインターフェースボードであってもよいし、外部のネットワーク接続装置であってもよい。また、無線のアクセスポイント装置であってもよい。
【0018】
インクジェット記録装置は、それぞれ通信装置90a、90b、90c、90dを介して、その動作状況を含む動作に関する情報(設定値データ、休止状態や運転状態、異常停止状態などの稼動情報データ、定期交換部品情報、消耗品情報)を、定期的あるいは不定期のタイミングで、データベースサーバ10に送信するようになっている。インクジェット記録装置の設定値データ、稼動情報データは、状態ごとに、正常にインクを噴出し印字がおこなえる状態、休止しておりインクを噴出していない状態、異常が発生し稼動できない状態などに関するものに分けられ、その現在の装置の状態と設定データを、データベースサーバにアップロードする。
【0019】
次に、図2を用いてインクジェット記録装置の機能構成について説明する。
インクジェット記録装置100は、機能構成として、図2に示されるように、制御部101、表示・入力部102、印刷部103、パラメータ情報解析部104、データ入出力部105、記録部106からなる。
【0020】
制御部101は、インクジェット記録装置100の各部を制御する機能部である。表示・入力部102は、インクジェット記録装置100の液晶パネルなどに必要な情報を表示し、タッチパネルとして必要な情報を入力する機能部である。印刷部103は、インクにより、印刷対象物に印字する機能を実行する機能部である。印刷部103は、インク循環部1031とノズルヘッド部1032からなる。インク循環部1031は、数種のインクタンクからインクを循環させて、ノズルヘッド部1032に供給する機能部である。ノズルヘッド部1032は、インクを帯電電極により荷電して、偏向電極により変更させて、インクを印刷対象物に噴出させる機能部である。パラメータ情報解析部104は、サーバより受信したパラメータ情報を解析して、インクジェット記録装置100のランニング予告情報を算出する機能部である(詳細は、後述)。データ入出力部105は、外部から情報を受信したり、設定データを外部に出力する機能部である。記録部106は、そのインクジェット記録装置の動作状況を含む動作に関する情報(設定値データ、休止状態や運転状態、異常停止状態などの稼動情報データ、定期交換部品情報、消耗品情報)を記録する機能部である。
【0021】
次に、図3ないし図5を用いてインクジェット記録装置管理システムの処理について説明する。
先ず、インクジェット記録装置で異常/警報が発生した場合に(S101:Y)、インクジェット記録装置の制御部101は、データ入出力部105を介してその装置の設定値データ、稼動情報データ、定期交換部品情報、消耗品情報を、データベースサーバ10に通知する。
【0022】
設定値データは、異常/警報が発生した装置のインク粘度、インク圧力、偏向電圧、励振設定、励振周波数などのデータであり、稼動情報データは、運転時間、印字回数、異常/警報来歴情報など装置固有のデータである。
【0023】
次に、データベースサーバ10は、設定値データを取り込み(S102)、かつ、稼動情報データを取り込む(S103)
次に、APサーバ13のシステム管理アプリケーションソフトウェアを実行することにより、異常/警報が発生したインクジェット記録装置の設定値データと稼動情報データに基づき解析処理をおこなう(S104)。解析処理は、装置の異常履歴、運転時間、印字回数、インクの状態管理などのデータと装置の使用頻度などに基づいて、異常/警報の要因を解析する。
次に、データベースサーバ10は、インクフィルタ、回収フィルタなどのフィルタ類、供給ポンプ、補力液ポンプなどのポンプ類や電磁弁などの定期交換部品情報を取り込む(S105)。
次に、データベースサーバ10は、インクと補力液などの消耗品情報を取り込む(S106)。
【0024】
次に、APサーバ13は、S102からS106でデータベースサーバ10に取り込んだインクジェット記録装置の設定値データ、稼動データ、定期交換部品情報、消耗品情報に基づいて、異常/警報の発生条件を解析した結果から各装置に展開するパラメータ情報を算出する(S107)。
【0025】
パラメータ情報とは、図5に示されるように、異常/警報の発生したインクジェット記録装置から求められる統計情報であり、例えば、装置運転平均寿命や、インクフィルタ平均寿命などの各部品の平均寿命、あるいは、故障頻度などの情報である。
【0026】
そして、APサーバ13は、S108で算出したパラメータ情報をネットワーク環境下に接続されているインクジェット記録装置に通知する(S108)。
【0027】
次に、図4は、APサーバ13が解析した結果のパラメータ情報に基づいて、インクジェット記録装置が、異常/警報の発生予測時期などのランニング予告情報を算出する処理について示すフローである。
【0028】
先ず、異常/警報の発生したインクジェット記録装置のデータより、APサーバ13が解析したパラメータ情報を、インクジェット記録装置がAPサーバ13から取得する(S201)。各インクジェット記録装置は、取得したパラメータ情報と、そのインクジェット記録装置の状況の情報(現在の運転時間、印字回数、インク/補力液の状態、異常/警報の発生履歴、部品の交換状況など)に基づいて、異常/警報発生日時の算出をおこなう(S202)。
【0029】
次に、S202で算出した情報に基づいて、異常/警報発生までの運転時間の算出をおこなう(S203)。ここでは、異常/警報発生予測時の運転時間から現在の運転時間を減算し、装置の運転可能時間を求める。
次に、異常/警報発生までの印字回数の算出をおこなう(S204)。
次に、そのインクジェット記録装置の状況の情報と異常/警報発生日時に基づいて、定期交換部品のメンテナンス情報として、定期交換部品の残使用時間を求める(S205)。
これにより、各インクジェット記録装置で運転可能時間と運転可能印字回数を表示することで、ユーザにメンテナンスを促すことにより、装置メンテナンスを実施し、異常/警報発生によるダウンタイムの低減をはかることができる。
【0030】
次に、図6ないし図9を用いてインクジェット記録装置の提供するユーザインタフェースについて説明する。
図6ないし図9は、インクジェット記録装置の表示・入力部102の液晶パネルに表示される画面であり、タッチパネルにより、ユーザが必要データを入力することができる。
【0031】
異常/警報予告情報表示パラメータ画面300は、異常/警報予告情報表示に関するパラメータを設定する画面であり、図6に示されるように、メッセージ表示時刻設定欄301、繰り返し表示設定欄302、メッセージ表示間隔設定欄303からなる。
【0032】
メッセージ表示時刻設定欄301は、異常/警報予告情報表示メッセージをいつ表示するかの時刻設定をおこなう欄である。繰り返し表示設定欄302は、メッセージの表示を一定時間毎に繰り返し表示するか否かを設定する欄である。メッセージ表示間隔設定欄303は、繰り返し表示をする場合に、何分毎に表示するかの時間設定もおこなう欄である。
【0033】
異常/警報予告情報表示画面400は、異常/警報予告情報表示パラメータ画面300の設定に従って、インクジェット記録装置での異常や警告予告情報を表示する画面であり、図7に示されるように、例えば、他装置での異常/警報情報401や異常/警報発生までの残情報402が表示される。図7に示される例では、他装置での異常/警報情報401として、異常発生時の一例として、「帯電量不足」が示されており、そのときの発生した異常情報の予測原因と対処方法が示されている。また、異常/警報発生までの残情報402としては、他装置の異常/警報情報から予測されたこのインクジェット記録装置における異常/警報発生までの残運転時間、残印字回数の情報が表示されている。
【0034】
定期交換部品メンテナンス情報表示パラメータ画面500は、定期交換部品メンテナンス情報表示に関するパラメータを設定する画面であり、図8に示されるように、メッセージ表示時刻設定欄501、繰り返し表示設定欄502、メッセージ表示間隔設定欄503からなる。
【0035】
メッセージ表示時刻設定欄501は、定期交換部品メンテナンス情報表示メッセージをいつ表示するかの時刻設定をおこなう欄である。繰り返し表示設定欄502は、メッセージの表示を一定時間毎に繰り返し表示するか否かの設定する欄である。メッセージ表示間隔設定欄503は、繰り返し表示をする場合に、何分毎に表示するかの時間設定もおこなう欄である。
【0036】
定期交換部品メンテナンス情報表示画面600は、定期交換部品メンテナンス情報表示パラメータ画面500の設定に従い、定期交換部品のメンテナンス情報を表示する画面であり、図9に示されるように、予測されたそれぞれの定期交換部品の残使用可能時間を表示することによって、ユーザに交換を促す画面である。
【0037】
以上、本実施形態によれば、サーバ側で、インクジェット記録装置のその動作状況を含む動作に関する情報を、収集し、パラメータ情報を算出して、インクジェット記録装置に送信し、インクジェット記録装置側で、異常/警報の発生予測時期などのランニング予告情報を算出する。したがって、実際に障害のあったインクジェット記録装置の各種データに基づいて算出するため、信頼性の高い異常/警報の予告や定期部品の交換時期などを表示することができ、保守者が適切に対応することにより生産ラインの停止などのシステムダウンを低減することができる。
【0038】
〔実施形態2〕
以下、本発明の実施形態2を、図10を用いて説明する。
本実施形態のインクジェット記録装置管理システムの構成も、図10に示されるように、実施形態1と同様に、サービスセンタ14に、データベースサーバ10、認証サーバ11、WEBサーバ12、APサーバ13が設置されている構成である。本実施形態でも、インクジェット記録装置100が通信装置90を介して、データベースサーバ10に、その動作状況を含む動作に関する情報(設定値データ、休止状態や運転状態、異常停止状態などの稼動情報データ)を、定期的あるいは不定期のタイミングで、データベースサーバ10にアップロードし、APサーバ13が、実施形態1の図3に示した異常/警報発生時のデータ解析処理により、パラメータ情報を算出する処理は同様である。
【0039】
本実施形態では、上位装置である管理端末15からシリアル通信ケーブル16などでマスターとなるインクジェット記録装置100mに接続し、そのインクジェット記録装置100mから、スレーブであるインクジェット記録装置100s1、インクジェット記録装置100s2、インクジェット記録装置100s3がそれぞれチェーンとなってシリアル通信ケーブル16で接続されている。
【0040】
管理端末15は、APサーバ13が図3に示した異常/警報発生時のデータ解析処理により、算出したパラメータ情報を取得し、それをマスターとなるインクジェット記録装置100mに通知する。
【0041】
インクジェット記録装置100mは、図4に示されるように、パラメータ情報に基づき、インクジェット記録装置のランニング予告情報を算出して、その結果を、シリアル通信ケーブル経由で、順次、スレーブであるインクジェット記録装置100s1、インクジェット記録装置100s2、インクジェット記録装置100s3のそれぞれに通知する。
【0042】
これにより、マスターであるインクジェット記録装置100mが、インクジェット記録装置のランニング予告情報を算出するのみで、印字頻度など使用条件下が類似しているスレーブのインクジェット記録装置に、同じインクジェット記録装置のランニング予告情報を表示することができ、スレーブのインクジェット記録装置に負荷をかけることなく、効率的にインクジェット記録装置のランニング予告情報を表示して、システム全体としてダウンタイムの低減を見込むことができる
また、本実施形態では、シリアル通信ケーブルで接続した例について記載したが、これに限らず、パラレル接続やネットワーク接続などの他の接続構成にも適用できる。
【符号の説明】
【0043】
9…ネットワーク、16…シリアル通信ケーブル、
10…データベースサーバ、11…認証サーバ、12…WEBサーバ、13…APサーバ、14…サービスセンタ、
100,100a,100b,100c,100d,100m,100s1,100s2,100s3…インクジェット記録装置、
90,90a,90b,90c,90d…通信装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10