(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-26
(45)【発行日】2022-08-03
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20220727BHJP
【FI】
H01L21/60 301N
(21)【出願番号】P 2018143294
(22)【出願日】2018-07-31
【審査請求日】2021-01-15
(73)【特許権者】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】森山 卓史
(72)【発明者】
【氏名】出口 善宣
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0182120(US,A1)
【文献】米国特許第08013455(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視において外周辺を有する半導体基板と、
前記半導体基板の上方に形成された少なくとも一対の第1ボンディングパッド及び第2ボンディングパッドとを備え、
前記第2ボンディングパッドは、平面視において、前記第1ボンディングパッドを180°回転させた形状を有しており、
前記第1ボンディングパッド及び前記第2ボンディングパッドは、前記外周辺に交差する第1方向において、互いに対向するように配置されており、
前記第1ボンディングパッドは、
第1矩形形状の第1部分
と、第2矩形形状の第2部分
に区分されており、
前記第1部分及び前記第2部分は、前記第1部分と前記第2部分との境界である第1境界が前記外周辺に直交するように、前記外周辺に沿って並んでおり、
前記第1ボンディングパッドは、前記外周辺に平行な第1辺を含み、
前記第1部分は、前記第1辺から前記外周辺に向かって第1距離だけ延びており、
前記第2部分は、前記第1辺から前記外周辺に向かって第2距離だけ延びており、
前記第1距離は、前記第2距離よりも大きく、
前記第1部分は、第1プローブ領域を含み、
前記第2部分は、第1ワイヤボンディング領域を含み、
前記第1プローブ領域及び前記第1ワイヤボンディング領域は、前記第1プローブ領域と前記第1プローブ領域との境界である第2境界が前記外周辺に直交するように、互いに連なっている、半導体装置。
【請求項2】
前記第1ボンディングパッドは、前記第2ボンディングパッドよりも前記外周辺から離れた位置にあ
る、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2ボンディングパッドとは反対側にある前記第1部分の辺及び前記第2ボンディングパッドとは反対側にある前記第2部分の辺は、互いに連なっている、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記外周辺に沿う第2方向における前記第2部分の幅は、前記第2方向における前記第1部分の幅よりも広い、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第2部分は、第1矩形領域及び第2矩形領域に区分されており、
前記第1矩形領域と前記第2矩形領域との境界である第3境界は、前記外周辺に直交しており、
前記第1矩形領域は、前記第2矩形領域よりも前記第1部分側にあり、
前記第1部分及び前記第1矩形領域は、
前記第1プローブ領域を構成しており、
前記第2矩形領域は、
前記第1ワイヤボンディング領域を構成している、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1ボンディングパッドに電気的に接続された第1ビアプラグをさらに備え、
前記第1ビアプラグは、平面視において、前記第1部分の前記第2ボンディングパッド側の端部に重なるように配置されている、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1ボンディングパッドは、電源パッドである、請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第2ボンディングパッドに電気的に接続された第2ビアプラグをさらに備え、
前記第2ビアプラグは、前記第1方向における位置が、前記第1方向における前記第1ビアプラグの位置と一致するように配置される、請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記半導体基板上には、複数の前記一対の第1ボンディングパッド及び第2ボンディングパッドが形成されており、
前記一対の第1ボンディングパッド及び第2ボンディングパッドの各々は、前記第2方向に沿って配列されている、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項10】
平面視において外周辺を有する半導体基板と、
前記半導体基板の上方に形成された少なくとも一対の第1ボンディングパッド及び第2ボンディングパッドとを備え、
前記第2ボンディングパッドは、平面視において、前記第1ボンディングパッドを180°回転させた形状を有しており、
前記第1ボンディングパッド及び前記第2ボンディングパッドは、前記外周辺に交差する第1方向において、互いに対向するように配置されており、
前記第1ボンディングパッドは、前記外周辺に沿う第2方向において、矩形形状の第1部分及び第2部分を有しており、
前記第1方向における前記第1部分の幅は、前記第1方向における前記第2部分の幅よりも広く、
前記半導体基板の上方に形成された第3ボンディングパッドをさらに備え、
前記第3ボンディングパッドは、平面視において、矩形形状を有しており、
前記第3ボンディングパッドは、前記第2方向において、前記一対の第1ボンディングパッド及び第2ボンディングパッドと隣り合って配置されている、半導体装置。
【請求項11】
前記第1方向における前記第3ボンディングパッドの幅は、前記第1方向における前記一対の第1ボンディングパッド及び第2ボンディングパッドの幅と等しい、請求項10に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第1方向における前記第3ボンディングパッドの幅は、前記第1方向における前記一対の第1ボンディングパッド及び第2ボンディングパッドの幅よりも狭い、請求項10に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1ボンディングパッドに電気的に接続された第1ビアプラグと、
前記第2ボンディングパッドに電気的に接続された第2ビアプラグと、
前記第3ボンディングパッドに電気的に接続された第3ビアプラグとをさらに備え、
前記第1ビアプラグは、平面視において、前記第1部分の前記第2ボンディングパッド側の端部に重なるように配置されており、
前記第1方向における前記第1ビアプラグと前記外周辺との間の距離、前記第1方向における前記第2ビアプラグと前記外周辺との間の距離及び前記第1方向における前記第3ビアプラグと前記外周辺との間の距離は、互いに等しくなっている、請求項10に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特開2010-272622号公報(特許文献1)に記載の半導体装置が知られている。特許文献1に記載の半導体装置は、基板と、基板上に形成された複数のボンディングパッドとを有している。
【0003】
ボンディングパッドは、平面視において、プローブ領域と、ワイヤボンディング領域とに区分されている。プローブ領域は、検査用のプローブが接触する領域である。ワイヤボンディング領域は、ボンディングワイヤを接合させるための領域である。プローブ領域及びワイヤボンディング領域は、基板の外周辺に交差する方向(第1方向)に沿って配置されている。
【0004】
ボンディングパッドは、第1方向に交差する第2方向に沿って配置されている。第2方向において隣り合って配置されている2つのボンディングパッドの間には、間隔が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の半導体装置においては、第2方向において隣り合って配置される2つのボンディングパッドの間に間隔があるために、第2方向におけるボンディングパッドの形成に必要な幅に改善の余地がある。
【0007】
その他の課題及び新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態に係る半導体装置は、平面視において外周辺を有する半導体基板と、半導体基板の上方に形成された少なくとも一対の第1ボンディングパッド及び第2ボンディングパッドとを備えている。第2ボンディングパッドは、平面視において、第1ボンディングパッドを180°回転させた形状を有している。第1ボンディングパッド及び第2ボンディングパッドは、外周辺に交差する第1方向において互いに対向するように配置されている。第1ボンディングパッドは、外周辺に沿う第2方向において、矩形形状の第1部分及び第2部分を有している。第1方向における第1部分の幅は、第1方向における第2部分の幅よりも広い。
【発明の効果】
【0009】
一実施形態に係る半導体装置によると、半導体基板の外周辺に沿う方向におけるボンディングパッドの形成に必要な幅を狭めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係る半導体装置の上面図である。
【
図2】第1実施形態に係る半導体装置の拡大上面図である。
【
図3】第1実施形態に係る半導体装置におけるボンディングパッドBP1の拡大上面図である。
【
図4】第1実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【
図6】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程図である。
【
図7】フロントエンド工程S1後における第1実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【
図8】プリメタル絶縁膜形成工程S21後における第1実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【
図9】コンタクトプラグ形成工程S22後における第1実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【
図10】第1層間絶縁膜形成工程S23後における第1実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【
図11】第1配線形成工程S24後における第1実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【
図12】第2層間絶縁膜形成工程S25後における第1実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【
図13】第2配線形成工程S26後における第1実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【
図14】第3層間絶縁膜形成工程S27後における第1実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【
図15】ビアプラグ形成工程S28後における第1実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【
図16】ボンディングパッド形成工程S29後における第1実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【
図18】比較例に係る半導体装置の拡大上面図である。
【
図19】第2実施形態に係る半導体装置の拡大上面図である。
【
図20】電源配線PL
VDDが併せて図示された比較例に係る半導体装置の拡大上面図である。
【
図21】電源配線PL
VDDが併せて図示された第2実施形態に係る半導体装置の拡大上面図である。
【
図22】第3実施形態に係る半導体装置の拡大上面図である。
【
図23】第4実施形態に係る半導体装置の拡大上面図である。
【
図24】第4実施形態の第1変形例に係る半導体装置の拡大上面図である。
【
図25】第4実施形態の第2変形例に係る半導体装置の拡大上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施形態の詳細を、図面を参照しながら説明する。以下の図面においては、同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さない。以下に記載する実施形態の少なくとも一部は、任意に組み合わせてもよい。
【0012】
(第1実施形態)
以下に、第1実施形態に係る半導体装置の構成を説明する。
【0013】
図1、
図2、
図3及び
図4に示されるように、第1実施形態に係る半導体装置は、半導体基板SUBと、一対のボンディングパッドBP1及びボンディングパッドBP2とを有している。一対となるボンディングパッドBP1及びボンディングパッドBP2の数は、複数であってもよい。一対となっているボンディングパッドBP1及びボンディングパッドBP2は、後述する第2方向DR2に沿って複数配置されている。
【0014】
第1実施形態に係る半導体装置は、さらに、ゲート絶縁膜GIと、ゲートGTと、サイドウォールスペーサSWSと、素子分離膜ISLと、プリメタル絶縁膜PMDと、コンタクトプラグCPと、層間絶縁膜ILD1~層間絶縁膜ILD3と、配線WL1及び配線WL2と、ビアプラグVP1及びビアプラグVP2と、パッシベーション膜PVとを有している。
【0015】
半導体基板SUBは、例えば、単結晶のシリコン(Si)で形成されている。半導体基板SUBは、第1面FSと、第2面SSとを有している。第1面FS及び第2面SSは、半導体基板SUBの主面を構成している。第2面SSは、第1面FSの反対面である。半導体基板SUBは、平面視において(第1面FSに直交する方向からみて)、外周辺OCを有している。外周辺OCは、半導体基板SUBの外周を構成する辺である。以下においては、外周辺OCに交差する方向を第1方向DR1といい、外周辺OCに沿う方向を第2方向DR2という。
【0016】
半導体基板SUBは、ソース領域SRと、ドレイン領域DRと、ウェル領域WRとを有している。ソース領域SR及びドレイン領域DRの導電型は、第1導電型である。ウェル領域WRの導電型は、第2導電型である。第2導電型は、第1導電型の反対の導電型である。例えば、第1導電型がn型である場合、第2導電型はp型である。
【0017】
ソース領域SR及びドレイン領域DRは、第1面FSに形成されている。ソース領域SR及びドレイン領域DRは、互いに離間して形成されている。
【0018】
ソース領域SRは、第1部分SRaと第2部分SRbとを有している。第1部分SRaは、第2部分SRbよりもドレイン領域DR側にある。第1部分SRaにおける不純物濃度は、第2部分SRbにおける不純物濃度よりも低い。すなわち、ソース領域SRは、LDD(Lightly Doped Diffusion)構造を有している。
【0019】
ドレイン領域DRは、第1部分DRaと第2部分DRbとを有している。第1部分DRaは、第2部分DRbよりもソース領域SR側にある。第1部分DRaにおける不純物濃度は、第2部分DRbにおける不純物濃度よりも低い。すなわち、ドレイン領域DRは、LDD構造を有している。
【0020】
ウェル領域WRは、ソース領域SR及びドレイン領域DRを取り囲むように、第1面FSに形成されている。ウェル領域WRは、第1面FSにおいて、ソース領域SR及びドレイン領域DRに挟み込まれている部分(チャネル領域)を有している。
【0021】
ゲート絶縁膜GIは、例えば、シリコン酸化物(SiO2)で形成されている。ゲート絶縁膜GIは、第1面FS上に形成されている。より具体的には、ゲート絶縁膜GIは、チャネル領域上に形成されている。
【0022】
ゲートGTは、例えば、不純物がドープされた多結晶のシリコンで形成されている。ゲートGTは、ゲート絶縁膜GI上に形成されている。これにより、ゲートGTは、ゲート絶縁膜GIで絶縁されながら、チャネル領域と対向している。
【0023】
サイドウォールスペーサSWSは、例えば、シリコン窒化物(Si3N4)で形成されている。サイドウォールスペーサSWSは、ゲートGTの両側面に形成されている。このことを別の観点からいえば、サイドウォールスペーサSWSは、第1部分SRa上及び第1部分DRa上に形成されている。
【0024】
上記のソース領域SR、ドレイン領域DR、ウェル領域WR、ゲート絶縁膜GI及びゲートGTは、トランジスタTrを構成している。
【0025】
素子分離膜ISLは、第1面FSに形成されている。より具体的には、素子分離膜ISLは、第1面FSに形成された溝に埋め込まれている。素子分離膜ISLは、例えば、シリコン酸化物で形成されている。すなわち、素子分離膜ISLは、STI(Shallow Trench Isolation)である。素子分離膜ISLは、トランジスタTrを周囲から絶縁分離している。
【0026】
プリメタル絶縁膜PMDは、トランジスタTrを覆うように、半導体基板SUB(第1面FS)上に形成されている。プリメタル絶縁膜PMDは、例えば、シリコン酸化物で形成されている。プリメタル絶縁膜PMD中には、コンタクトホールが形成されている。
【0027】
コンタクトプラグCPは、それぞれ、ソース領域SR及びドレイン領域DRに電気的に接続されている。なお、図示されていないが、コンタクトプラグCPは、ゲートGTにも電気的に接続されている。コンタクトプラグCPは、プリメタル絶縁膜PMD中に形成されたコンタクトホールに埋め込まれている。コンタクトプラグCPは、例えば、タングステン(W)で形成されている。
【0028】
層間絶縁膜ILD1は、プリメタル絶縁膜PMD上に形成されている。層間絶縁膜ILD1は、シリコン酸化物で形成されている。層間絶縁膜ILD1中には、配線溝が形成されている。配線溝は、層間絶縁膜ILD1を厚さ方向に貫通している。
【0029】
配線WL1は、層間絶縁膜ILD1中に形成された配線溝に埋め込まれている。配線WL1は、例えば、銅(Cu)又は銅合金で形成されている。
【0030】
層間絶縁膜ILD2は、層間絶縁膜ILD1上に形成されている。層間絶縁膜ILD2は、例えばシリコン酸化物で形成されている。層間絶縁膜ILD2中には、配線溝と、ビアホールとが形成されている。配線溝は、層間絶縁膜ILD2の表面に形成されている。ビアホールは、配線溝が形成された層間絶縁膜ILD2の部分を厚さ方向に貫通するように形成されている。
【0031】
配線WL2は、ビアプラグ部WL2aと、配線部WL2bとを有している。ビアプラグ部WL2a及び配線部WL2bは、一体に形成されている。ビアプラグ部WL2aは、層間絶縁膜ILD2中に形成されたビアホールに埋め込まれている。配線部WL2bは、層間絶縁膜ILD2中に形成された配線溝に埋め込まれている。配線WL2は、銅又は銅合金で形成されている。ビアプラグ部WL2aは、配線WL1に電気的に接続されている。配線部WL2bは、上層の配線層に含まれるビアプラグ部WL2aに電気的に接続されている。
【0032】
層間絶縁膜ILD2及び配線WL2で構成される配線層は、第1面FS(第2面SS)に交差する方向に順次積層されることにより、多層配線構造となっている。
【0033】
層間絶縁膜ILD3は、半導体基板SUBから最も離れた配線層に含まれる層間絶縁膜ILD2上に形成されている。層間絶縁膜ILD3は、例えば、シリコン酸化物で形成されている。層間絶縁膜ILD3中には、ビアホールが形成されている。ビアホールは、層間絶縁膜ILD3を厚さ方向に貫通している。
【0034】
ビアプラグVP1及びビアプラグVP2は、層間絶縁膜ILD3中に形成されたビアホールに埋め込まれている。ビアプラグVP1及びビアプラグVP2は、例えば、タングステンで形成されている。ビアプラグVP1及びビアプラグVP2は、半導体基板SUBから最も離れた配線層に含まれる配線WL2に電気的に接続されている。
【0035】
ボンディングパッドBP1及びボンディングパッドBP2は、半導体基板SUBの上方に形成されている。より具体的には、ボンディングパッドBP1及びボンディングパッドBP2は、層間絶縁膜ILD3上に形成されている。
【0036】
ボンディングパッドBP1は、ビアプラグVP1に電気的に接続されており、ボンディングパッドBP2は、ビアプラグVP2に電気的に接続されている。ボンディングパッドBP1及びボンディングパッドBP2は、例えば、アルミニウム(Al)及びアルミニウム合金で形成されている。
【0037】
ボンディングパッドBP2は、平面視において、ボンディングパッドBP1を180°回転させた形状を有している。すなわち、ボンディングパッドBP2は、第1面FSに直交する回転軸周りにボンディングパッドBP1を180°回転させた形状を有している。なお、ボンディングパッドBP2の形状が平面視においてボンディングパッドBP1を180°回転させた形状と厳密に一致していなくても、その相違が製造誤差の範囲内であれば、「ボンディングパッドBP2は、平面視において、ボンディングパッドBP1を180°回転させた形状を有している」に含まれる。ボンディングパッドBP1及びボンディングパッドBP2は、第1方向DR1において互いに対向している。第2方向DR2におけるボンディングパッドBP1の両端の位置は、第2方向DR2におけるボンディングパッドBP2の両端の位置と一致している。ボンディングパッドBP1は、第1方向DR1において、ボンディングパッドBP2よりも外周辺OCから離れた位置にある。
【0038】
ボンディングパッドBP1は、第2方向DR2において、第1部分BP1aと、第2部分BP1bとに区分されている。すなわち、第1部分BP1a及び第2部分BP1bは、第2方向DR2において、互いに隣接している。第1部分BP1a及び第2部分BP1bは、矩形形状を有している。
【0039】
第1部分BP1aは、幅W1及び幅W2を有している。幅W1は、第1方向DR1における第1部分BP1aの幅であり、幅W2は、第2方向DR2における第1部分BP1aの幅である。
【0040】
第2部分BP1bは、幅W3及び幅W4を有している。幅W4は、第1方向DR1における第2部分BP1bの幅であり、幅W4は、第2方向DR2における第2部分BP1bの幅である。後述するように、第1部分BP1aはプローブ領域の一部を構成しており、プローブは第1方向DR1に沿って押圧されるため、プローブがプローブ領域からはみ出さないように、幅W1は幅W3よりも広くなっている。幅W4は、好ましくは、幅W2よりも広くなっている。
【0041】
ボンディングパッドBP2側にある第1部分BP1aの辺は、ボンディングパッドBP2側にある第2部分BP1bの辺よりも外周辺OCに近い位置にある。
【0042】
ボンディングパッドBP2とは反対側にある第1部分BP1aの辺及びボンディングパッドBP2とは反対側にある第2部分BP1bの辺は、互いに連なっていることが好ましい。すなわち、ボンディングパッドBP2とは反対側にある第1部分BP1aの辺及びボンディングパッドBP2とは反対側にある第2部分BP1bの辺は、1つの直線上にあることが好ましい。このことを別の観点からいえば、ボンディングパッドBP1及びボンディングパッドBP2は、平面視において、L字型を有していてもよい。
【0043】
第2部分BP1bは、第2方向DR2において、第1矩形領域R1と、第2矩形領域R2とに区分されている。第1矩形領域R1及び第2矩形領域R2は、平面視において矩形形状を有している。第1矩形領域R1及び第2矩形領域R2の第1方向DR1における幅は、幅W3に等しい。第1矩形領域R1は、第2矩形領域R2よりも第1部分BP1a側にある。第2矩形領域R2の第2方向DR2における幅は、幅W5である。第1矩形領域R1の第2方向DR2における幅と幅W2の和は、幅W5に等しい。すなわち、ボンディングパッドBP1及びボンディングパッドBP2の第2方向における幅は、幅W5の2倍に等しい。
【0044】
第1部分BP1a及び第1矩形領域R1は、パッシベーション膜PVで覆われている部分を除き、プローブ領域を構成している。プローブ領域とは、検査用のプローブが接触する領域である。プローブ領域には、プローブ痕PMが形成されている。プローブ痕PMの長手方向は、第1方向DR1に沿っている。第2矩形領域R2は、パッシベーション膜PVで覆われている部分を除き、ワイヤボンディング領域を構成している。ワイヤボンディング領域とは、ボンディングワイヤを接合させるための領域である。
【0045】
プローブ領域とワイヤボンディング領域とは、例えば、プローブ領域とワイヤボンディング領域との境界に沿ってボンディングパッドBPの表面に形成された凹部RPによって区別されていてもよい。
図5に示されるように、ボンディングパッドBPの表面は、凹部RPにおいて窪んでいる。また、層間絶縁膜ILD3は、凹部RPの下方において開口している。
【0046】
図2に示されるように、ビアプラグVP1は、平面視において、ボンディングパッドBP1のボンディングパッドBP2とは反対側の端部と重なるように配置されている。ビアプラグVP2は、平面視において、ボンディングパッドBP2のボンディングパッドBP1とは反対側の端部と重なるように配置されている。
【0047】
パッシベーション膜PVは、ボンディングパッドBP1の周縁部及びボンディングパッドBP2の周縁部を覆うように、層間絶縁膜ILD3上に形成されている。すなわち、ボンディングパッドBP1及びボンディングパッドBP2の大部分は、パッシベーション膜PVに形成された開口から露出している。パッシベーション膜PVは、例えば、シリコン窒化物で形成されている。なお、パッシベーション膜PVには、突出部PPが形成されていてもよい。突出部PPは、プローブ領域とワイヤボンディング領域との境界に配置されている。すなわち、プローブ領域とワイヤボンディング領域との境界は、突出部PPの位置を確認することにより特定することができる。
【0048】
以下に、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する。
図6に示されるように、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法は、フロントエンド工程S1と、バックエンド工程S2とを有している。
【0049】
図7に示されるように、フロントエンド工程S1においては、ソース領域SR、ドレイン領域DR、ウェル領域WR、ゲート絶縁膜GI、ゲートGT、サイドウォールスペーサSWS及び素子分離膜ISLの形成が行われる。
【0050】
ソース領域SR、ドレイン領域DR及びウェル領域WRの形成は、イオン注入により行われる。ゲート絶縁膜GIの形成は、第1面FSを熱酸化することにより行われる。ゲートGTの形成は、ゲートGTを構成する材料をCVD(Chemical Vapor Deposition)等で成膜するとともに、成膜されたゲートGTを構成する材料をフォトリソグラフィ及びエッチングでパターンニングすることにより行われる。
【0051】
サイドウォールスペーサSWSの形成は、サイドウォールスペーサSWSを構成する材料をCVD等で成膜するとともに、成膜されたサイドウォールスペーサSWSを構成する材料をエッチバックすることにより行われる。素子分離膜ISLの形成は、RIE(Reactive Ion Etching)等の異方性のドライエッチングで第1面FSに形成した溝にCVD等で素子分離膜ISLを構成する材料を埋め込むとともに、当該溝からはみ出した素子分離膜ISLを構成する材料をCMP(Chemical Mechanical Polishing)で除去することにより行われる。
【0052】
バックエンド工程S2は、プリメタル絶縁膜形成工程S21と、コンタクトプラグ形成工程S22と、第1層間絶縁膜形成工程S23と、第1配線形成工程S24と、第2層間絶縁膜形成工程S25と、第2配線形成工程S26と、第3層間絶縁膜形成工程S27とを有している。バックエンド工程S2は、さらに、ビアプラグ形成工程S28と、ボンディングパッド形成工程S29と、パッシベーション膜形成工程S30とを有している。
【0053】
プリメタル絶縁膜形成工程S21においては、
図8に示されるように、プリメタル絶縁膜PMDの形成が行われる。プリメタル絶縁膜PMDの形成は、プリメタル絶縁膜PMDを構成する材料をCVD等で成膜するとともに、成膜されたプリメタル絶縁膜PMDを構成する材料をCMP等で平坦化することにより行われる。
【0054】
コンタクトプラグ形成工程S22においては、
図9に示されるように、コンタクトプラグCPの形成が行われる。コンタクトプラグCPの形成に際しては、第1に、プリメタル絶縁膜PMD中にRIE等の異方性ドライエッチングによりコンタクトホールが形成される。コンタクトプラグCPの形成に際しては、第2に、当該コンタクトホール中にCVD等でコンタクトプラグCPを構成する材料が埋め込まれる。コンタクトプラグCPの形成に際しては、第3に、当該コンタクトホールからはみ出したコンタクトプラグCPを構成する材料がCMP等で除去される。
【0055】
第1層間絶縁膜形成工程S23においては、
図10に示されるように、層間絶縁膜ILD1の形成が行われる。層間絶縁膜ILD1の形成は、例えば、CVD等で層間絶縁膜ILD1を構成する材料を成膜することにより行われる。第1配線形成工程S24においては、
図11に示されるように、配線WL1が形成される。配線WL1の形成は、例えば、シングルダマシン法で行われる。
【0056】
第2層間絶縁膜形成工程S25においては、
図12に示されるように、層間絶縁膜ILD2の形成が行われる。層間絶縁膜ILD2の形成は、例えばCVD等で層間絶縁膜ILD2を構成する材料を成膜することにより行われる。
【0057】
第2配線形成工程S26においては、
図13に示されるように、配線WL2の形成が行われる。配線WL2の形成は、例えばデュアルダマシン法で行われる。第2層間絶縁膜形成工程S25及び第2配線形成工程S26は、多層の配線構造を形成するために、複数回繰り返される。
【0058】
第3層間絶縁膜形成工程S27においては、
図14に示されるように、層間絶縁膜ILD3の形成が行われる。層間絶縁膜ILD3の形成は、例えばCVD等で層間絶縁膜ILD3を構成する材料を成膜することにより行われる。
【0059】
ビアプラグ形成工程S28においては、
図15に示されるように、ビアプラグVP1及びビアプラグVP2の形成が行われる。ビアプラグVP1及びビアプラグVP2の形成に際しては、第1に、層間絶縁膜ILD3中にRIE等の異方性ドライエッチングによりビアホールが形成される。ビアプラグVP1及びビアプラグVP2の形成に際しては、第2に、当該ビアホール中にCVD等でビアプラグVP1及びビアプラグVP2を構成する材料が埋め込まれる。ビアプラグVP1及びビアプラグVP2の形成に際しては、第3に、当該ビアホールからはみ出したビアプラグVP1及びビアプラグVP2を構成する材料がCMP等で除去される。
【0060】
ボンディングパッド形成工程S29においては、
図16に示されるように、ボンディングパッドBP1及びボンディングパッドBP2の形成が行われる。ボンディングパッドBP1及びボンディングパッドBP2の形成は、ボンディングパッドBP1及びボンディングパッドBP2を構成する材料をスパッタリング等で成膜するとともに、成膜されたボンディングパッドBP1及びボンディングパッドBP2を構成する材料をフォトリソグラフィ及びエッチングでパターンニングすることにより行われる。
【0061】
パッシベーション膜形成工程S30においては、パッシベーション膜PVの形成が行われる。パッシベーション膜PVの形成は、パッシベーション膜PVを構成する材料をCVD等で成膜するとともに、成膜されたパッシベーション膜PVを構成する材料をフォトリソグラフィ及びエッチングでパターンニングすることにより行われる。
【0062】
以上により、
図1、
図2及び
図3に示される第1実施形態に係る半導体装置の構造が形成される。なお、パッシベーション膜形成工程S30が行われた後に、第1実施形態に係る半導体装置に対して電気検査を行うことにより、プローブ痕PBが形成される。
【0063】
以下に、第1実施形態に係る半導体装置の効果を、比較例と対比しながら説明する。
図17及び
図18に示されるように、比較例に係る半導体装置は、ボンディングパッドBP1及びボンディングパッドBP2に代えてボンディングパッドBPを有している点を除き、第1実施形態に係る半導体装置と共通している。なお、比較例に係る半導体装置においては、ビアプラグVPは、平面視において外周辺OC側にあるボンディングパッドBPの端部と重なるように配置されている。
【0064】
半導体基板SUBは、コア領域RCOREと、入出力モジュールRIOとを有している。コア領域RCOREは、メモリ回路(SRAM(Static Random Access Memory)、フラッシュメモリ等)、ロジック回路(CPU(Central Processing Unit)等)を構成するトランジスタの不純物拡散領域が形成される領域である。入出力モジュールRIOは、入出力回路を構成するトランジスタの不純物拡散領域が形成される領域である。
【0065】
コア領域RCOREは、半導体基板SUBの中央付近に形成されている。入出力モジュールRIOは、平面視において、ボンディングパッドBPと重なるように形成されている。そのため、ボンディングパッドBPの第2方向DR2における幅が入出力モジュールRIOの第2方向DR2における幅よりも大きい場合、第2方向DR2に沿って隣り合う2つの入出力モジュールRIOの間に、無駄なスペースが残ってしまう。このような無駄なスペースを可及的に減少させるためには、ボンディングパッドを形成するために必要な幅を第2方向DR2において狭める必要がある。
【0066】
ボンディングパッドBPは、平面視において、矩形形状を有している。ボンディングパッドBPは、第1方向DR1に沿って、第1部分BPaと、第2部分BPbとに区分されている。第1部分BPa及び第2部分BPbは、それぞれ、プローブ領域及びワイヤボンディング領域を構成している。第1部分BPaは、第1方向DR1において、幅W1を有している。第2部分BPbは、第1方向DR1において、幅W3を有している。第1部分BPa及び第2部分BPbは、第2方向DR2において、幅W5を有している。
【0067】
ボンディングパッドBPは、第2方向DR2に沿って配列されている。第2方向DR2において隣り合う2つのボンディングパッドBPの間の間隔は、間隔Lとなっている。そのため、比較例に係る半導体装置においては、これら2つのボンディングパッドBPを形成するためには、第2方向DR2において、幅W5の2倍に間隔Lを加えた幅が必要となる。
【0068】
上記のとおり、第1実施形態に係る半導体装置においては、ボンディングパッドBP1及びボンディングパッドBP2を形成するためには、第2方向DR2において、幅W5の2倍の幅があれば足りる。そのため、第1実施形態に係る半導体装置によると、ボンディングパッドを形成するために必要な幅を第2方向DR2において狭めることができる。
【0069】
なお、第1実施形態に係る半導体装置におけるプローブ領域の面積は、
図3中においてハッチングで囲まれた領域の面積分だけ、比較例に係る半導体装置におけるプローブ領域の面積よりも小さくなっている。しかしながら、プローブは第1方向DR1に沿ってプローブ領域に押圧されるため、プローブ領域の四隅近傍にある当該領域にプローブが当たることは殆ど想定されない。そのため、第1実施形態に係る半導体装置においてプローブ領域の面積が減少していることは、実質的に問題にならない。
【0070】
第1実施形態に係る半導体装置においては、ボンディングパッドBP1のワイヤボンディング領域とボンディングパッドBP2のワイヤボンディング領域とが、平面視においてジグザグ状に配置されることになる。そのため、第1実施形態に係る半導体装置においては、ワイヤボンディング領域間の距離が長くなり、その結果、ボンディングワイヤ間のショートが生じにくくなる。
【0071】
第1実施形態に係る半導体装置においては、幅W4が幅W2よりも広く、かつ、ボンディングパッドBP2側にある第1部分BP1aの辺がボンディングパッドBP2側にある第2部分BP1bの辺よりも外周辺OCに近い位置にある。そのため、第1実施形態に係る半導体装置においては、ボンディングパッドBP1及びボンディングパッドBP2を、第2方向DR2に沿ってずらして配置する必要がない。これにより、第2方向DR2においてボンディングパッドを形成するために必要な幅が狭められている。
【0072】
(第2実施形態)
以下に、第2実施形態に係る半導体装置の構成を説明する。なお、第1実施形態に係る半導体装置の構成と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さない。
【0073】
第2実施形態に係る半導体装置は、半導体基板SUBと、一対のボンディングパッドBP1及びボンディングパッドBP2とを有している。第2実施形態に係る半導体装置は、さらに、ゲート絶縁膜GIと、ゲートGTと、サイドウォールスペーサSWSと、素子分離膜ISLと、プリメタル絶縁膜PMDと、コンタクトプラグCPと、層間絶縁膜ILD1~層間絶縁膜ILD3と、配線WL1及び配線WL2と、ビアプラグVP1と、ビアプラグVP2と、パッシベーション膜PVとを有している。これらの点に関して、第2実施形態に係る半導体装置の構成は、第1実施形態に係る半導体装置の構成と共通している。
【0074】
第2実施形態に係る半導体装置においては、
図19に示されるように、ビアプラグVP1が、平面視において、第1部分BP1aのボンディングパッドBP2側の端部に重なるように配置されている。この点に関して、第2実施形態に係る半導体装置の構成は、第1実施形態に係る半導体装置の構成と異なっている。なお、第2実施形態に係る半導体装置においては、ボンディングパッドBP1は、好ましくは、電源パッド(トランジスタTrに固定電圧を供給するためのパッド)である。
【0075】
第2実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法と同様であるため、その説明は省略する。
【0076】
以下に、第2実施形態に係る半導体装置の効果を、比較例と対比しながら説明する。なお、第1実施形態に係る半導体装置の効果と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さない。
【0077】
一般的に、電源配線(
図20及び
図21中においては、V
DD用の電源配線PL
VDDのみが図示されているが、その他の種類の電源配線についても同様に形成されている)は、ボンディングパッドの下を通り、かつ、半導体基板SUBの外周に沿って周回するように配置されている。
【0078】
上記のとおり、比較例に係る半導体装置においては、ビアプラグVPは、平面視において、外周辺OC側にあるボンディングパッドBPの端部と重なるように配置されている。そのため、
図20に示されるように、ビアプラグVPと電源配線PL
VDDとを下層配線を用いて接続しようとする場合、当該下層配線の配線長が長くなってしまう。その結果、当該下層配線における電圧により、トランジスタTrに供給される電圧が想定よりも低くなってしまう。
【0079】
他方で、
図21に示されるように、第2実施形態に係る半導体装置においては、ビアプラグVP1が第1部分BP1aのボンディングパッドBP2側の端部に重なるように配置されているため、ビアプラグVP1と電源配線PL
VDDとを接続するための下層配線の配線長を短くすることができる。すなわち、当該下層配線における電圧降下を抑制することができる。なお、第2実施形態に係る半導体装置においては、当該下層配線を引き回す必要が無くなった部分に空間ができるため、当該空間を利用して配線間容量素子を配置することもできる。
【0080】
(第3実施形態)
以下に、第3実施形態に係る半導体装置の構成を説明する。なお、第2実施形態に係る半導体装置の構成と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さない。
【0081】
第3実施形態に係る半導体装置は、半導体基板SUBと、一対のボンディングパッドBP1及びボンディングパッドBP2とを有している。第3実施形態に係る半導体装置は、さらに、ゲート絶縁膜GIと、ゲートGTと、サイドウォールスペーサSWSと、素子分離膜ISLと、プリメタル絶縁膜PMDと、コンタクトプラグCPと、層間絶縁膜ILD1~層間絶縁膜ILD3と、配線WL1及び配線WL2と、ビアプラグVP1と、ビアプラグVP2と、パッシベーション膜PVとを有している。
【0082】
ビアプラグVP1が、平面視において、第1部分BP1aのボンディングパッドBP2側の端部に重なるように配置されている。これらの点に関して、第3実施形態に係る半導体装置の構成は、第2実施形態に係る半導体装置の構成と共通している。
【0083】
図22に示されるように、第3実施形態に係る半導体装置においては、第1方向DR1におけるビアプラグVP2と外周辺OCとの間の距離が、第1方向DR1におけるビアプラグVP1と外周辺OCとの間の距離に等しくなっている。すなわち、第3実施形態に係る半導体装置においては、第1方向DR1におけるビアプラグVP1の位置と第1方向DR1におけるビアプラグVP2との位置が一致している。この点に関して、第2実施形態に係る半導体装置の構成は、第1実施形態に係る半導体装置の構成と異なっている。
【0084】
なお、第3実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法(第1実施形態に係る半導体装置の製造方法)と同様であるため、その説明は省略する。
【0085】
以下に、第3実施形態に係る半導体装置の効果を説明する。なお、第2実施形態に係る半導体装置の効果と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さない。
【0086】
第2実施形態に係る半導体装置においては、ビアプラグVP1の第1方向DR1における位置とビアプラグVP2の第1方向DR1における位置とが一致していないため、ボンディングパッドBP1に接続される入出力モジュールRIO及びボンディングパッドBP2に接続される入出力モジュールRIOに同一の入出力モジュールRIOを用いることができない。すなわち、2種類の入出力モジュールRIOが必要になる。これは、ビアプラグに接続される入出力モジュールRIOに含まれる不純物拡散領域の位置が入出力モジュールRIO内で変わってしまうためである。
【0087】
他方で、第3実施形態に係る半導体装置においては、ビアプラグVP1の第1方向DR1における位置とビアプラグVP2の第1方向DR1における位置とが一致している。そのため、第3実施形態に係る半導体装置では、ボンディングパッドBP1に接続される入出力モジュールRIO及びボンディングパッドBP2に接続される入出力モジュールRIOに同一の入出力モジュールRIOを用いることができる。
【0088】
(第4実施形態)
以下に、第4実施形態に係る半導体装置の構成を説明する。なお、第1実施形態に係る半導体装置の構成と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さない。
【0089】
第4実施形態に係る半導体装置は、半導体基板SUBと、一対のボンディングパッドBP1及びボンディングパッドBP2とを有している。一対となるボンディングパッドBP1及びボンディングパッドBP2の数は、複数である。
【0090】
第4実施形態に係る半導体装置は、さらに、ゲート絶縁膜GIと、ゲートGTと、サイドウォールスペーサSWSと、素子分離膜ISLと、プリメタル絶縁膜PMDと、コンタクトプラグCPと、層間絶縁膜ILD1~層間絶縁膜ILD3と、配線WL1及び配線WL2と、ビアプラグVP1と、ビアプラグVP2と、パッシベーション膜PVとを有している。これらの点に関して、第4実施形態に係る半導体装置の構成は、第1実施形態に係る半導体装置の構成と共通している。
【0091】
図23に示されるように、第4実施形態に係る半導体装置は、ボンディングパッドBP3をさらに有している。すなわち、第4実施形態に係る半導体装置においては、ボンディングパッドの数が3以上の奇数となっている。ボンディングパッドBP3は、平面視において矩形形状を有している。ボンディングパッドBP3の第1方向DR1における幅は、一対となっているボンディングパッドBP1及びボンディングパッドBP2の第1方向DR1における幅と等しくなっている。
【0092】
ボンディングパッドBP3は、第1方向DR1に沿って隣り合う第1部分BP3a及び第2部分BP3bを有している。第1部分BP3aは、ボンディングパッドBP3のプローブ領域を構成しており、第2部分BP3bは、ボンディングパッドBP3のワイヤボンディング領域を構成している。
【0093】
第1部分BP3aは、第2部分BP3bよりも外周辺OCから離れた位置にある。すなわち、第2部分BP3bが第2部分BR1bと第2方向DR2に沿って隣り合って配置されることにより、ボンディングパッドBP1のワイヤボンディング領域、ボンディングパッドBP2のワイヤボンディング領域及びボンディングパッドBP3のワイヤボンディング領域が、ジグザグ状に配置されている。これらの点に関して、第4実施形態に係る半導体装置の構成は、第1実施形態に係る半導体装置の構成と異なっている。
【0094】
なお、ボンディングパッドBP3は、ビアプラグVP3に電気的に接続されている。ビアプラグVP3は、平面視において第2部分BP3bの第1部分BP3aとは反対側の端部と重なるように配置されている。
【0095】
第4実施形態に係る半導体装置の製造方法は、ビアプラグ形成工程S28においてビアプラグVP3がさらに形成され、ボンディングパッド形成工程S29においてボンディングパッドBP3がさらに形成される点を除いて同様であるため、その詳細な説明は省略する。
【0096】
以下に、第4実施形態に係る半導体装置の効果を説明する。なお、第1実施形態に係る半導体装置の効果と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さない。
【0097】
第4実施形態に係る半導体装置においては、ボンディングパッドの数が3以上の奇数の場合であっても、ボンディングパッドを形成するために必要な幅を第2方向DR2において狭めることができる。また、第4実施形態に係る半導体装置においては、ボンディングパッドBP3の第1方向DR1における幅は、一対となっているボンディングパッドBP1及びボンディングパッドBP2の第1方向DR1における幅と等しくなっている。そのため、ボンディングパッドBP3に対するワイヤボンディング及びプローブの位置合わせに関し、マージンを確保することができる。
【0098】
(第4実施形態の第1変形例)
第4実施形態の第1変形例に係る半導体装置は、
図24に示されるように、ボンディングパッドBP3の第1方向DR1における幅は、一対となっているボンディングパッドBP1及びボンディングパッドBP2の第1方向DR1における幅よりも狭くなっている点に関して、第4実施形態に係る半導体装置と異なっている。
【0099】
ボンディングパッドの下方に形成されているトランジスタとボンディングパッドが形成されていない領域の下方に形成されているトランジスタとでは、トランジスタに作用する応力が変化し、トランジスタ特性が変動する。そのため、第4実施形態の第1変形例に係る半導体装置によると、ボンディングパッドを形成しない領域を広げることができ、当該領域の下方に応力の影響を受けやすいトランジスタを配置する領域を確保することができる。
【0100】
(第4実施形態の第2変形例)
第4実施形態の第2変形例に係る半導体装置においては、
図25に示されるように、第3実施形態に係る半導体装置と同様に、第1方向DR1におけるビアプラグVP1の位置と第1方向DR1におけるビアプラグVP2との位置が一致している。さらに、第4実施形態に係る半導体装置の半導体装置においては、ビアプラグVP3の第1方向DR1における位置が、第1方向DR1におけるビアプラグVP1の位置及び第1方向DR1におけるビアプラグVP2との位置に一致している。
【0101】
そのため、ボンディングパッドBP1に接続される入出力モジュールRIO、ボンディングパッドBP2に接続される入出力モジュールRIO及びボンディングパッドBP3に接続される入出力モジュールRIOに、共通した入出力モジュールRIOを用いることが可能となる。
【0102】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0103】
BP,BP1,BP2,BP3 ボンディングパッド、BP1a,BP3a,BP3b 第1部分、BP1b,BP3b,BPb,BR1b 第2部分、CP コンタクトプラグ、DR ドレイン領域、DRa 第1部分、DRb 第2部分、DR1 第1方向、DR2 第2方向、FS 第1面、GI ゲート絶縁膜、GT ゲート、ILD1,ILD2,ILD3 層間絶縁膜、ISL 素子分離膜、L 間隔、OC 外周辺、PB プローブ痕、PLVDD 電源配線、PMD プリメタル絶縁膜、PP 突出部、PV パッシベーション膜、R1 第1矩形領域、R2 第2矩形領域、RCORE コア領域、RIO 入出力モジュール、RP 凹部、SS 第2面、SUB 半導体基板、SWS サイドウォールスペーサ、SR ソース領域、SRa 第1部分、SRb 第2部分、S1 フロントエンド工程、S2 バックエンド工程、S21 プリメタル絶縁膜形成工程、S22 コンタクトプラグ形成工程、S23 第1層間絶縁膜形成工程、S24 第1配線形成工程、S25 第2層間絶縁膜形成工程、S26 第2配線形成工程、S27 第3層間絶縁膜形成工程、S28 ビアプラグ形成工程、S29 ボンディングパッド形成工程、S30 パッシベーション膜形成工程、Tr トランジスタ、VP,VP1,VP2,VP3 ビアプラグ、W1,W2,W3,W4,W5 幅、WL1,WL2 配線、WL2a ビアプラグ部、WL2b 配線部、WR ウェル領域。