(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-26
(45)【発行日】2022-08-03
(54)【発明の名称】甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食及び飲料製品の胃腸耐性を改善する方法
(51)【国際特許分類】
A23L 33/125 20160101AFI20220727BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20220727BHJP
A23L 33/17 20160101ALI20220727BHJP
A23L 33/10 20160101ALI20220727BHJP
A23L 2/66 20060101ALI20220727BHJP
A23L 2/60 20060101ALI20220727BHJP
【FI】
A23L33/125
A23L2/00 F
A23L33/17
A23L33/10
A23L2/66
A23L2/60
A23L2/52
(21)【出願番号】P 2018534032
(86)(22)【出願日】2016-09-21
(86)【国際出願番号】 GB2016052932
(87)【国際公開番号】W WO2017051166
(87)【国際公開日】2017-03-30
【審査請求日】2019-09-05
(32)【優先日】2015-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】522216798
【氏名又は名称】テート アンド ライル ソリューションズ ユーエスエー エルエルシー
(73)【特許権者】
【識別番号】509178806
【氏名又は名称】テート アンド ライル テクノロジー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムソン パトリシア エス
(72)【発明者】
【氏名】ウッディヤー ライアン ディー.
【審査官】田ノ上 拓自
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04379782(US,A)
【文献】国際公開第2014/175119(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/094342(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/075473(WO,A1)
【文献】特開2010-018528(JP,A)
【文献】特表昭61-500433(JP,A)
【文献】特表平04-505997(JP,A)
【文献】特表2011-503161(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0112174(US,A1)
【文献】J. Agric. Food Chem., 2013年,Vol.61,p.7381-7386
【文献】日本食品新素材研究会誌, 2007年,第10巻, 第1号,p.15-19
【文献】Pharmacology & Therapeutics,2015年08月20日,Vol.155,p.49-59
【文献】Archives of Disease in Childhood,1984年,vol.59,p.735-738
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 31/00-33/29
A23L 2/00-2/84
A23L 5/40-5/49
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
FSTA(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を改善する方法であって、前記方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース及び繊維質のうちの1つ以上を統合させることを含み、前記甘くて低消化性の炭水化物がD-アルロース及びL-アルロースからなる群から選択される1つ以上であり、前記繊維質がベータグルカンであり、 前記甘くて低消化性の炭水化物は、表示された一人前当たり50g~100gの総量で飲食または飲料製品に存在し、
前記方法がD-グルコースを統合させることを含む場合、前記甘くて低消化性の炭水化物は、1:1~3:1のD-グルコースに対する重量比で飲食または飲料製品内に存在し、
前記方法がベータグルカンを統合させることを含む場合、前記ベータグルカンは、飲食または飲料製品の表示された一人前当たり0.5g~6gの量で存在する、方法。
【請求項2】
前記方法が、飲食または飲料製品内にD-グルコースを統合させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法が、飲食または飲料製品内にベータグルカンを統合させることをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が、飲食または飲料製品内にポリデキストロースを統合させることをさらに含む、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記方法が、飲食または飲料製品内に繊維質を統合させることを含み、前記繊維質がベータグルカンである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記方法が、飲食または飲料製品内にポリデキストロースを統合させることをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ベータグルカンは、オート麦ベータグルカンである、請求項1及び3~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ベータグルカンは、少なくとも800kDaの平均分子量の少なくとも20%~最大40%(乾燥重量基準)のベータグルカンを含有する可溶性食物繊維が豊富な画分の形態である、請求項1及び3~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ベータグルカンは、少なくとも800kDaの平均分子量の35%(乾燥重量基準)のベータグルカンを含有する可溶性食物繊維が豊富な画分の形態である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ベータグルカンは、飲食または飲料製品の総重量に対して0.01重量%~20重量%の量で存在する、請求項1及び3~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ポリデキストロースは、飲食または飲料製品の総重量に対して0.1重量%~80重量%の量で存在する、請求項4又は6に記載の方法。
【請求項12】
前記ポリデキストロースは、飲食または飲料製品の表示された一人前当たり0.1g~40gの量で存在する、請求項4又は6に記載の方法。
【請求項13】
前記方法が、飲食または飲料製品内にタンパク質を統合させることをさらに含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記タンパク質は、飲食または飲料製品の表示された一人前当たり0.1g~40gの量で存在する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記タンパク質は、飲食または飲料製品の総重量に対して0.1重量%~80重量%の量で存在する、請求項1
3に記載の方法。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載の方法におけるD-グルコース及び繊維質のうちの1つ以上の
使用であって、前記繊維質がベータグルカンである、
使用。
【請求項17】
請求項1~15のいずれか一項に記載の方法におけるD-グルコース及びベータグルカンのうちの1つ以上を含む、組成物の
使用。
【請求項18】
甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのD-グルコースの
使用であって、前記甘くて低消化性の炭水化物がD-アルロース及びL-アルロースからなる群から選択される1つ以上であり、前記甘くて低消化性の炭水化物は、表示された一人前当たり50g~100gの総量で飲食または飲料製品に存在し、前記甘くて低消化性の炭水化物は、1:1~3:1のD-グルコースに対する重量比で飲食または飲料製品内に存在する、
使用。
【請求項19】
甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのD-グルコース及びタンパク質の組み合わせの
使用であって、前記甘くて低消化性の炭水化物がD-アルロース及びL-アルロースからなる群から選択される1つ以上であり、前記甘くて低消化性の炭水化物は、表示された一人前当たり50g~100gの総量で飲食または飲料製品に存在し、前記甘くて低消化性の炭水化物は、1:1~3:1のD-グルコースに対する重量比で飲食または飲料製品内に存在する、
使用。
【請求項20】
甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるための繊維質の
使用であって、前記甘くて低消化性の炭水化物がD-アルロース及びL-アルロースからなる群から選択される1つ以上であり、前記繊維質がベータグルカンであり、前記甘くて低消化性の炭水化物は、表示された一人前当たり50g~100gの総量で飲食または飲料製品に存在し、前記ベータグルカンは、飲食または飲料製品の表示された一人前当たり0.5g~6gの量で存在する、
使用。
【請求項21】
甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのD-グルコース及び繊維質の組み合わせの
使用であって、前記甘くて低消化性の炭水化物がD-アルロース及びL-アルロースからなる群から選択される1つ以上であり、前記甘くて低消化性の炭水化物は、表示された一人前当たり50g~100gの総量で飲食または飲料製品に存在し、前記甘くて低消化性の炭水化物は、1:1~3:1のD-グルコースに対する重量比で飲食または飲料製品内に存在する、
使用。
【請求項22】
甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるための繊維質及びタンパク質の組み合わせの
使用であって、前記甘くて低消化性の炭水化物がD-アルロース及びL-アルロースからなる群から選択される1つ以上であり、前記繊維質がベータグルカンであり、前記甘くて低消化性の炭水化物は、表示された一人前当たり50g~100gの総量で飲食または飲料製品に存在し、前記ベータグルカンは、飲食または飲料製品の表示された一人前当たり0.5g~6gの量で存在する、
使用。
【請求項23】
甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのD-グルコース、繊維質及びタンパク質の組み合わせの
使用であって、前記甘くて低消化性の炭水化物がD-アルロース及びL-アルロースからなる群から選択される1つ以上であり、前記甘くて低消化性の炭水化物は、表示された一人前当たり50g~100gの総量で飲食または飲料製品に存在し、前記甘くて低消化性の炭水化物は、1:1~3:1のD-グルコースに対する重量比で飲食または飲料製品内に存在する、
使用。
【請求項24】
前記繊維質は、ベータグルカンである、請求項21又は23に記載の
使用。
【請求項25】
前記繊維質は、ポリデキストロースである、請求項21又は23に記載の
使用。
【請求項26】
前記繊維質は、ポリデキストロース及びベータグルカンである、請求項21又は23に記載の
使用。
【請求項27】
請求項1~15のいずれか一項に記載の方法で使用するための、甘くて低消化性の炭水化物及びD-グルコース及び繊維質のうちの1つ以上を含む、組成物であって、前記甘くて低消化性の炭水化物がD-アルロース及びL-アルロースからなる群から選択される1つ以上であり、前記繊維質がベータグルカンである、組成物。
【請求項28】
甘くて低消化性の炭水化物及びD-グルコース及び繊維質のうちの1つ以上を含む飲食または飲料製品であって、D-グルコース及び繊維質のうちの1つ以上は、前記飲食または飲料製品の胃腸耐性を改善するのに効果的な量存在し、前記甘くて低消化性の炭水化物がD-アルロース及びL-アルロースからなる群から選択される1つ以上であり、前記繊維質がベータグルカンであり、前記甘くて低消化性の炭水化物は、表示された一人前当たり50g~100gの総量で飲食または飲料製品に存在し、前記飲食または飲料製品がD-グルコースを含む場合、前記甘くて低消化性の炭水化物が1:1~3:1のD-グルコースに対する重量比で飲食または飲料製品内に存在し、前記飲食または飲料製品がベータグルカンを含む場合、前記ベータグルカンが飲食または飲料製品の表示された一人前当たり0.5g~6gの量で存在する、飲食または飲料製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食及び飲料製品の胃腸耐性を改善する方法、及び甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食及び飲料製品の胃腸耐性を改善するためのD-グルコース、繊維質及びタンパク質のうちの1つ以上の用途に関する。
【背景技術】
【0002】
公衆衛生機関及び専門科学機関は、肥満を予防及び減少させるための努力で食品工業はカロリー含量と一人前の分量を減少させることを勧奨している。味に対する期待を満たしながらも、飲食のカロリー含量を減少させる低カロリー及びノーカロリー甘味料がこれらの目標を達成することを助けると予想される。
【0003】
甘くて低消化性の炭水化物のような低カロリー及びノーカロリー甘味料の代替物でカロリーを代替することは、減少されたエネルギー摂取を通じて体重維持を助けることと考えられる。しかし、代替糖及び甘味料の使用において、1つの潜在的な問題点は、一部の消費者は、一般的に使用される甘くて低消化性の炭水化物であるエリスリトール、マンニトール及びソルビトールのようなカロリーを代替するために使用される成分に対して胃腸敏感性を示すことができることである(Grabitske,H.A.;Slavin,J.L.;Crit.Rev.Food.Sci.Nutr.,2009,49,327-360.)。
【0004】
腸管から炭水化物の吸収は、楽な消化のために重要である。糖及び代替糖の消費は、しばしばそれらの胃の耐性限界を確認するために、臨床的に評価される。食餌性炭水化物及び甘味料の胃腸不耐性(gastrointestinal intolerances)は、ガス、腹部膨脹、膨満及び下痢の一般的に経験される症状として消費者たちによって注旨される。例えば、健康な成人において、45g超過の炭水化物がいつでも結腸に到逹すると、浸透性下痢を引き起こすことができる。したがって、炭水化物吸収障害は、結腸通過の加速化及び結腸の流体過負荷を生成することができる。
【0005】
よく吸収されない甘くて低消化性の炭水化物(例えば、糖アルコール)の 食餌増加は、結腸に入る増加された炭水化物物質の量を誘導することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これにより、結果的な症状なし、飲食内に飲食の含有率を高めることができるために、炭水化物、特に、甘くて低消化性の炭水化物を高いレベルで含む飲食及び飲料製品の胃腸耐性を改善する新しい方法に対する必要が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
D-グルコース、繊維質(例えば、食物繊維)、特に、β-グルカン及びポリデキストロース、及びタンパク質が甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食及び飲料製品の胃腸耐性を改善し得ることが驚くべきことに発見された。
【0008】
本発明は、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食及び飲料製品の胃腸耐性を改善する方法、及びこれらの方法において、D-グルコース、繊維質及びタンパク質のうちの1つ以上の用途に関する。
【0009】
本発明の一態様によれば、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を改善する方法が提供され、前記方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース、繊維質及びタンパク質のうちの1つ以上を統合させることを含む。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態において、繊維質は、食物繊維である。本発明の特定の実施形態において、繊維質は、β-グルカン及びポリデキストロースのうちの1つ以上である。
【0011】
一実施形態において、本方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコースを統合させることを含む。他の実施形態において、本方法は、飲食または飲料製品内に繊維質を統合させることを含む。さらなる実施形態において、本方法は、飲食または飲料製品内にタンパク質を統合させることを含む。
【0012】
一実施形態において、本方法は、飲食または飲料製品内にβ-グルカンを統合させることを含む。代替的な実施形態において、本方法は、飲食または飲料製品内にポリデキストロースを統合させることを含む。さらなる実施形態において、本方法は、飲食または飲料製品内にβ-グルカン及びポリデキストロースを統合させることを含む。
【0013】
特定の実施形態において、本方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース及び繊維質を統合させることを含む。例えば、本方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース及びβ-グルカンを統合させることを含む。他の実施例において、本方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース及びポリデキストロースを統合させることを含む。さらなる実施形態において、本方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース、β-グルカン及びポリデキストロースを統合させることを含む。
【0014】
さらなる実施形態において、本方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース及びタンパク質を統合させることを含む。他のさらなる実施形態において、本方法は、飲食または飲料製品内に繊維質及びタンパク質を統合させることを含む。例えば、本方法は、飲食または飲料製品内にタンパク質及びβ-グルカンを統合させることを含む。他の実施例において、本方法は、飲食または飲料製品内にタンパク質及びポリデキストロースを統合させることを含む。さらなる実施例において、本方法は、飲食または飲料製品内にタンパク質、β-グルカン及びポリデキストロースを統合させることを含む。
【0015】
他の実施形態において、本方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース、繊維質及びタンパク質を統合させることを含む。例えば、本方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース、β-グルカン及びタンパク質を統合させることを含む。他の実施例において、本方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース、ポリデキストロース及びタンパク質を統合させることを含む。さらなる実施例において、本方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース、ベータグルカン、ポリデキストロース及びタンパク質を統合させることを含む。
【0016】
甘くて低消化性の炭水化物は、ラクトース、糖アルコール及び希少糖からなる群から選択されることができる。好ましい甘くて低消化性の炭水化物は、ソルビトール、マルチトール、イソマルト、イソマルツロース、エリスリトール、D-キシリトール及びL-キシリトール、D-アロース及びL-アロース、D-タガトース及びL-タガトース、ラクトース、メレジトース、D-アラビノース及びL-アラビノース、L-フルクトース、L-グルコース及びD-アルロース及びL-アルロースを含む。さらなる好ましい低消化性炭水化物は、D-ソルビトール、ラクトース、エリスリトール、D-キシリトール、D-タガトース、L-アルロース、マルチトール及びイソマルツロースを含む。
【0017】
前記方法が、飲食または飲料製品内に少なくともD-グルコースを統合させることを含む本発明の実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物は、好ましくは、約0.5:1~約10:1のD-グルコースに対する重量比で、例えば、約1:1~約5:1のD-グルコースに対する重量比で、または約1:1~約3:1のD-グルコースに対する重量比で飲食または飲料製品内に存在する。より好ましくは、甘くて低消化性の炭水化物は、約1:1のD-グルコースに対する重量比で飲食または飲料製品内に存在する。
【0018】
前記方法が、飲食または飲料製品内に少なくともベータグルカンを統合させることを含む本発明の実施形態において、ベータグルカンは、好ましくは、飲食または飲料製品の表示された一人前当たり0.5g~約6gの量で存在する。
【0019】
前記方法が、飲食または飲料製品内に少なくともベータグルカンを統合させることを含む本発明の他の実施形態において、ベータグルカンは、飲食または飲料製品の総重量に対して約0.01重量%~約20重量%の量で存在する。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ベータグルカンは、オート麦ベータグルカンである。
【0021】
好ましくは、ベータグルカンは、少なくとも約800kDaの平均分子量のベータグルカン少なくとも約20%~最大約40%(乾燥重量ベース)を含有する可溶性食物繊維が豊富な画分の形態で飲食または飲料製品に存在する。より好ましくは、ベータグルカンは、少なくとも約800kDaの平均分子量のベータグルカン約35%(乾燥重量ベース)を含有する可溶性食物繊維が豊富な画分の形態である。
【0022】
前記方法が、飲食または飲料製品内に少なくともポリデキストロースを統合させることを含む本発明の実施形態において、ポリデキストロースは、飲食または飲料製品の表示された一人前当たり約0.1g~約40gの量で存在する。
【0023】
前記方法が、飲食または飲料製品内に少なくともポリデキストロースを統合させることを含む本発明の他の実施形態において、ポリデキストロースは、好ましくは、飲食または飲料製品の総重量に対して約0.1重量%~約80重量%(例えば、約0.5重量%~約50重量%)の量で存在する。
【0024】
前記方法が、飲食または飲料製品内に少なくともタンパク質を統合させることを含む本発明の実施形態において、タンパク質は、飲食または飲料製品の表示された一人前当たり約0.1g~約40gの量で存在する。
【0025】
前記方法が、飲食または飲料製品内に少なくともタンパク質を統合させることを含む本発明の他の実施形態において、タンパク質は、飲食または飲料製品の総重量に対して約0.1重量%~約80重量%の量で存在する。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態によれば、甘くて低消化性の炭水化物は、表示された一人前当たり約1g~約100g(例えば、約1g~約25g)の総量で飲食または飲料製品に存在する。
【0027】
本発明の他の態様によれば、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を改善する方法において、D-グルコース、繊維質及びタンパク質のうちの1つ以上の用途が提供され、前記方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース、繊維質及びタンパク質のうちの1つ以上を統合させることを含む。
【0028】
本発明の他の態様によれば、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を改善する方法において、D-グルコース、繊維質及びタンパク質のうちの1つ以上を含む組成物の用途が提供され、前記方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース、繊維質及びタンパク質のうちの1つ以上を統合させることを含む。
【0029】
本発明の他の態様によれば、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのD-グルコースの用途が提供される。
【0030】
本発明の他の態様によれば、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるための繊維質の用途が提供される。
【0031】
一実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのベータグルカンの用途が提供される。
【0032】
他の実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのポリデキストロースの用途が提供される。
【0033】
さらなる実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのポリデキストロース及びベータグルカンの組み合わせの用途が提供される。
【0034】
本発明の他の態様によれば、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのタンパク質の用途が提供される。
【0035】
本発明の他の態様によれば、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのD-グルコース及び繊維質の組み合わせの用途が提供される。
【0036】
一実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのD-グルコース及びポリデキストロースの組み合わせの用途が提供される。
【0037】
他の実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのD-グルコース及びベータグルカンの組み合わせの用途が提供される。
【0038】
さらなる実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのD-グルコース、ベータグルカン及びポリデキストロースの組み合わせの用途が提供される。
【0039】
他の態様によれば、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのD-グルコース及びタンパク質の組み合わせの用途が提供される。
【0040】
他の態様によれば、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるための繊維質及びタンパク質の組み合わせの用途が提供される。
【0041】
一実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのタンパク質及びポリデキストロースの組み合わせの用途が提供される。
【0042】
一実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのタンパク質及びベータグルカンの組み合わせの用途が提供される。
【0043】
さらなる実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのタンパク質、ベータグルカン及びポリデキストロースの組み合わせの用途が提供される。
【0044】
他の態様によれば、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのD-グルコース、繊維質及びタンパク質の組み合わせの用途が提供される。
【0045】
一実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのD-グルコース、ポリデキストロース及びタンパク質の組み合わせの用途が提供される。
【0046】
他の実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのD-グルコース、ベータグルカン及びタンパク質の組み合わせの用途が提供される。
【0047】
さらなる実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのD-グルコース、ベータグルカン、ポリデキストロース及びタンパク質の組み合わせの用途が提供される。
【0048】
さらなる態様によれば、本発明の先の態様による甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食及び飲料製品の胃腸耐性を改善するための方法において使用するための、D-グルコース、繊維質及びタンパク質のうちの1つ以上、またはD-グルコース、繊維質及びタンパク質のうちの1つ以上を含む組成物が提供される。
【0049】
本発明の他の態様によれば、甘くて低消化性の炭水化物及びD-グルコース、繊維質及びタンパク質のうちの1つ以上を含む飲食または飲料製品が提供され、ここで、D-グルコース、繊維質及びタンパク質のうちの1つ以上は、前記飲食または飲料製品の胃腸耐性を改善するのに効果的な量で存在する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】
図1は、実施例1で使用された処理プロトコルの図式である。
【
図2】
図2は、実施例1の用量増加研究の結果を図示する。チャート上の各バーは、特定の投与量に対する特異的胃腸症状に対応する。バーの高さは、与えられた用量で2または3の自覚胃腸症状点数を報告した対象体の数に対応する。
【
図3】
図3は、実施例2で使用された処理プロトコルの図式である。
【
図4】
図4は、実施例2の耐性研究の結果を図示する。チャート上の各バーは、特定の投与量に対する特異的胃腸症状に対応する。バーの高さは、与えられた用量で2または3の自覚胃腸症状点数を報告した対象体の数に該当する。
【
図5】
図5は、実施例3の研究のためのブリストル大便テスト(Bristol Stool Test)点数平均を図示する。チャート上の各バーは、テストされた各々の飲料に関連した平均ブリストル大便点数に対応する。バーの高さは、(7個からの)平均点数に対応する。
【
図6】
図6は、実施例3の胃腸(GI)耐性研究の結果を図示する。バーの高さは、消費後24時間に任意の症状点数を報告した対象体の数に対応する。
【発明を実施するための形態】
【0051】
低カロリー及びノーカロリー代替物でカロリーを代替することは、エネルギー摂取減少を通じて体重維持を助けることができるが、これらの低カロリー及びノーカロリー成分は、飲食供給において増加するレベルで使用されるため、成分の胃腸耐性に関する懸念がある。したがって、本発明は、特に、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食及び飲料製品の胃腸耐性を改善する方法に関する。
【0052】
本発明は、D-グルコース、繊維質(繊維質は、好ましくはベータグルカンとポリデキストロースのうちの1つ以上)及びタンパク質のうちの1つ以上が甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食及び飲料製品の胃腸耐性を改善することができるという驚くべき発見に基づいている。
【0053】
本発明の態様によれば、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を改善する方法が提供され、前記方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース、繊維質(繊維質は、好ましくはベータグルカンとポリデキストロースのうちの1つ以上)及びタンパク質のうちの1つ以上を統合させることを含む。
【0054】
いくつかの実施形態において、本方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース、繊維質及びタンパク質のうちの1つのみを統合させることを含む。例えば、本方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース、繊維質またはタンパク質を統合させることを含むことができる。
【0055】
他の実施形態において、本方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース、ベータグルカン及びポリデキストロースのうちの1つのみを統合させることを含む。例えば、本方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース、ベータグルカンまたはポリデキストロースを統合させることを含むことができる。
【0056】
他の実施形態において、本方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース及び繊維質を統合させることを含む。
【0057】
さらなる実施形態において、本方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース、ベータグルカン及びポリデキストロースのうちのいずれか2つを統合させることを含む。例えば、本方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコースとベータグルカン;D-グルコースとポリデキストロース;またはベータグルカン及びポリデキストロースの組み合わせを統合させることを含むことができる。
【0058】
他の実施形態において、本方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース、ベータグルカン及びポリデキストロースを統合させることを含む。すなわち、本方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース、ベータグルカン及びポリデキストロースの組み合わせを統合させることを含むことができる。
【0059】
さらなる実施形態において、本方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース及びタンパク質を統合させることを含む。他のさらなる実施形態において、本方法は、飲食または飲料製品内に繊維質及びタンパク質を統合させることを含む。例えば、本方法は、飲食または飲料製品内にタンパク質及びベータグルカンを統合させることを含むことができる。他の実施例において、本方法は、飲食または飲料製品内にタンパク質及びポリデキストロースを統合させることを含む。さらなる実施例において、本方法は、飲食または飲料製品内にタンパク質、ベータグルカン及びポリデキストロースを統合させることを含む。
【0060】
さらなる実施形態において、本方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース、繊維質及びタンパク質を統合させることを含む。例えば、本方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース、ベータグルカン及びタンパク質を統合させることを含むことができる。他の例において、本方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース、ポリデキストロース及びタンパク質を統合させることを含む。さらなる実施例において、本方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース、ベータグルカン、ポリデキストロース及びタンパク質を統合させることを含む。
【0061】
甘くて低消化性の炭水化物は、味が甘く、高いレベル(例えば、20g~30g/日超過)で消費される場合、特に敏感な個体において、飲食または飲料製品の一部として消費されるとき、腹部膨満、腹痛、腹鳴、腹部ガスの増加、軟便、及び吐き気/嘔吐のような胃腸反応を引き起こすものと知られている炭水化物である。甘くて低消化性の炭水化物は、ラクトース、糖アルコール及び希少糖を含む。
【0062】
本発明の脈絡において、用語“味が甘い”は、甘くて低消化性の炭水化物が一対比較テストによって、同一重量ベースでスクロースの少なくとも20%ほど甘いが、スクロースの5倍未満で甘いということを意味する。低消化性炭水化物がスクロースの甘味の5倍未満を有するかどうかを決定するために、評価は、中性pH水で15重量%のスクロースの溶液及び3重量%の試験溶液を製造して甘味一対比較テストを行うことと伴う。3重量%の試験溶液が15重量%のスクロースよりも甘いと、試験甘味料はスクロースの甘味の5倍を超過する。低消化性炭水化物がスクロースの甘味の少なくとも20%を有するかどうかを決定するために、評価は、中性pH水で15重量%の試験甘味料の溶液及び3重量%のスクロース溶液を製造して甘味一対比較を行うこと伴う。15重量%の試験溶液が3重量%のスクロースよりも甘いと、試験甘味料はスクロースの甘味の少なくとも20%である。
【0063】
本発明の脈絡において、用語“繊維質”は、腸での消化に抵抗する3より大きい重合度を有した1つ以上の炭水化物を指称する。特定の実施形態において、繊維質は食物繊維である。本発明において考慮され得る繊維質は、セルロース、ヘミセルロース(例えば、キシラン、グルクロノキシラン、アラビノキシラン、グルコマンナン及びキシログルカン)、イヌリン、リグニン、ベータグルカン、ペクチン、ポリデキストロース、サイリウム、抵抗性澱粉及び小麦デキストリンを含む。好ましい実施形態において、繊維質は、ベータグルカン及びポリデキストロースのうちの1つ以上である。
【0064】
糖アルコールはまた、ポリオールとしても知られている。糖アルコールの例は、ソルビトール、マルチトール、イソマルト、エリスリトール、キシリトール、ラクチトール及びマンニトールを含む。糖アルコールは、一般的に、ある程度のカロリー減少を提供することができる(例えば、ソルビトールは、スクロースの約4kcal/gに比べて約2.6kcal/gを提供する)。しかしながら、これらの甘味料は、しばしば、低い胃腸耐性によって高いレベルで使用するのに適していない。
【0065】
希少糖は、自然に非常に少ない量で生じる単糖類である。それらは、L-糖、D-アロース、D-アルロース、D-タガトース、D-ツラノース、D-ロイクロース、ラクツロース、トレハロース及びイソマルツロースを含むが、これに限定されない。稀少唐の過度の消費は、胃腸問題を誘導することができる。
【0066】
特定の個体は、グルコースとガラクトースへラクトースの加水分解を触媒する酵素であるラクターゼの不十分なレベルを有する結果として、ラクトースを消化する能力が欠乏される。消化されていないと、ラクトースは腸に移動してガス-生成腸内細菌のための食べ物として作用するだろう。したがって、不耐性の個体によるラクトースの消費、または正常レベルのラクターゼを生成することができる個体によるラクトースの過度の消費は、胃腸問題を引き起こすことができる。
【0067】
糖アルコール、希少糖及びラクトースの胃腸不耐性に関連した症状は、腹部膨満、腹痛、腹鳴、腹部ガスの増加、軟便、及び吐き気/嘔吐を含むが、これに限定されない。したがって、本発明の脈絡において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を改善することは、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の摂取後の胃腸不耐性に関連した症状の一部または全部の発生及び深刻性を減少させることと伴う。本発明の方法はまた、甘くて低消化性の炭水化物消費の症状が不在する程度まで胃腸耐性を改善することができる。
【0068】
本発明の特定の実施形態によれば、甘くて低消化性の炭水化物は、ソルビトール、マルチトール、イソマルト、イソマルツロース、エリスリトール、キシリトール、D-アロース及びL-アロース、D-タガトース及びL-タガトース、ラクトース、メレジトース、D-アラビノース及びL-アラビノース、L-フルクトース、L-グルコース及びD-アルロース及びL-アルロースからなる群から選択された1つ以上である。好ましい実施形態において、低消化性炭水化物は、D-ソルビトール、ラクトース、マルチトール、エリスリトール、D-キシリトール、D-タガトース、L-アルロース、マルチトール及びイソマルツロースからなる群から選択された1つ以上である。
【0069】
本発明の脈絡において考慮され得る飲食または飲料製品は、焼いた製品;甘いベーカリー製品(ロール、ケーキ、パイ、ペーストリー及びクッキーを含むが、これに限定されない);甘いベーカリー製品を製造するためのあらかじめ作られた甘いベーカリーミックス;パイフィリング(pie filling)及び他の甘いフィリング(果物パイフィリング及びナッツパイフィリング、例えば、ピーカンパイフィリング、及びクッキー、ケーキ、ペーストリー、菓子製品などのためのフィリング、例えば、脂肪系のクリームフィリングを含むが、これに限定されない);デザート、ゼラチン及びプディング;冷凍デザート(アイスクリームのような冷凍乳製品デザート-一般的なアイスクリーム、ソフトサーブアイスクリーム及びすべての他のタイプのアイスクリームを含む-及び冷凍非乳製品デザート、例えば、非乳製品アイスクリーム、シャーベットなどを含むが、これに限定されない);炭酸飲料(ソフト(すなわち、非アルコール性)炭酸飲料を含むが、これに限定されない);非炭酸飲料(ソフト非炭酸飲料、例えば、香りが添加された水と甘い茶またはコーヒー系の飲料を含むが、これに限定されない);飲料濃縮物(液体濃縮物及びシロップならびに非液体‘濃縮物’、例えば、凍結-乾燥及び/または粉末製剤を含むが、これに限定されない);ヨーグルト(全脂、減少された脂肪及び無脂肪乳製品ヨーグルト、及び非乳製品ならびにラクトースを含まないヨーグルト及びこれらのすべての凍結等価物を含むが、これに限定されない);スナックバー(snack bar)(シリアル、ナッツ、シード及び/またはフルーツバーを含むが、これに限定されない);パン製品(醗酵パン及び無醗酵パン、酵母パン及び非酵母パン、例えば、ソーダパン、任意のタイプの小麦粉を含むパン、任意のタイプの非小麦粉(例えば、ジャガイモ、米及びライ麦粉)を含むパン、グルテンフリーパンを含むが、これに限定されない);パン製品を製造するためのあらかじめ作られたパンミックス;ソース、シロップ及びドレッシング;甘いスプレッド(ゼリー、ジャム、バター、ナッツスプレッド及び他のスプレッド可能なプレザーブ(preserves)、コンサーブ(conserves)などを含むが、これに限定されない);菓子製品(ゼリーキャンディー、ソフトキャンディー、ハードキャンディー、チョコレート及びガムを含むが、これに限定されない);甘味された朝食用シリアル(押し出し(キックスタイプ(kix type))朝食用シリアル、フレーク朝食用シリアル(flaked breakfast cereals)及びパフド朝食用シリアル(puffed breakfast cereals)を含むが、これに限定されない);及び甘味された朝食用シリアルの製造において使用するためのシリアルコーティング組成物を含む。ここで言及されていないが、通常的に、1つ以上の低消化性または非消化性炭水化物を含む他のタイプの飲食または飲料製品も本発明の脈絡において考慮され得る。
【0070】
飲食または飲料製品内の甘くて低消化性の炭水化物は、飲食または飲料製品の総重量に対して最大約80重量%の量で、例えば、飲食または飲料製品の総重量に対して約1重量%~約80重量%の量で存在することができる。すべての中間量(すなわち、飲食または飲料製品の総重量に対して、2重量%、3重量%、4重量%...77重量%、78重量%、79重量%)が考慮され、これらの量に基づいたすべての中間範囲も考慮される。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態によれば、甘くて低消化性の炭水化物は、飲食または飲料製品の表示された一人前(または1回分)当たり約1g~約100gの量で飲食または飲料製品に存在する。すべての中間量(すなわち、2g、3g、4g...97g、98g、99g)が考慮され、これらの量に基づいたすべての中間範囲も考慮される。例えば、低消化性炭水化物は、飲食または飲料製品の表示された一人前当たり約5g~約90g、約5g~約80g、約10g~約80g、約10g~約70g、約15g~約70g、約15g~約60g、または約15g~約50gの量で存在することができる。
【0072】
表示された一人前は、任意の1回の食事で個体が消費するべきの特定の飲食または飲料の製造社の提案された一人前の分量(portion size)を指称する。提案された一人前の分量は、飲食または飲料製品のタイプに応じて変わるだろう。例えば、飲食製品は、約10g~約300gの提案された一人前の分量を有し得る一方、飲料製品は、約25ml~約500mlの提案された一人前の分量を有し得る。したがって、飲食製品のための表示された一人前は約10g~約300gであり得、飲料製品のための表示された一人前は約25ml~約500mlであり得る。
【0073】
飲食または飲料製品が炭酸飲料である場合、炭酸飲料は、炭酸飲料の総重量に対して約2重量%~約25重量%の量で、例えば、炭酸飲料の総重量に対して約2重量%~約20重量%の量で、例えば、炭酸飲料の総重量に対して約2重量%~約15重量%の量で、例えば、炭酸飲料の総重量に対して約2重量%~約7重量%の量で、例えば、炭酸飲料の総重量に対して約4重量%~約6重量%の量で、例えば、炭酸飲料の総重量に対して、約2重量%、2.2重量%、3重量%、4重量%、4.5重量%、5重量%、5.5重量%、6重量%、6.5重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、20重量%または25重量%の量で甘くて低消化性の炭水化物を含むことができる。
【0074】
飲食または飲料製品が非炭酸飲料である場合、非炭酸飲料は、非炭酸飲料の総重量に対して約1重量%~約25重量%の量で、例えば、非炭酸飲料の総重量に対して約2重量%~約20重量%の量で、例えば、非炭酸飲料の総重量に対して約2重量%~約15重量%の量で、例えば、非炭酸飲料の総重量に対して約2重量%~約7重量%の量で、例えば、非炭酸飲料の総重量に対して約4重量%~約6重量%の量で、例えば、非炭酸飲料の総重量に対して、約1重量%、1.5重量%、2重量%、2.5重量%、3重量%、3.5重量%、4重量%、4.5重量%、5重量%、5.5重量%、6重量%、6.5重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、20重量%または25重量%の量で甘くて低消化性の炭水化物を含むことができる。
【0075】
特定の実施形態において、飲食または飲料製品は、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を改善するために使用されるD-グルコース(存在すると)及び甘くて低消化性の炭水化物以外の他のどんな甘味料も含まない。しかしながら、他の実施形態において、他の甘味料または甘味料などを含むことが好ましいことがある。したがって、飲食または飲料製品は、1つ以上の天然または人工の補助-甘味料を含むことができる。
【0076】
様々な天然の高強度甘味料が1つ以上の補助-甘味料として使用され得る。具体的な実施例は、モンクフルーツ抽出物及びステビア抽出物、ならびにこのような抽出物から分離された任意の甘い化合物(このような化合物の合成等価物を含む)を含む。
【0077】
モンクフルーツは、ルオハングオ(luo han guo)として知られている、羅漢果(siraitia grosvenorii)ブドウ木の実である。モンクフルーツ抽出物の甘い味は、主に‘モグロシド(mogroside)’として知られた化合物のファミリーによるものであり、その例は、モグロシドV、モグロシドIV、モグロシドVI、オキソモグロシドV、モグロシドIIIE、ネオモグロシド及びシアメノシド(siamenoside)Iを含む。任意の1つ以上のモグロシドを含む甘味料だけでなく、モンクフルーツ抽出物は、1つ以上の補助-甘味料として使用され得る。モグロシドVを含む抽出物または甘味料が特に好ましい。
【0078】
ステビア、またはステビアレバウディアナ(stevia rebaudiana)は、その葉に甘い化合物を含有する。これらの化合物は、ステビア抽出物を提供するために抽出され得る。ステビア抽出物の甘い味は、主に‘ステビオールグリコシド’として知られた化合物のファミリーによるものであり、その例は、レバウジオシド(rebaudiosid)(すなわち、レバウジオシドA~F、M、N、及びX)、ルブソシド(rubusoside)、ステビオシド(stevioside)、及びドルコシド(dulcoside)を含む。任意の1つ以上のステビオールグリコシドを含む甘味料だけでなく、ステビア抽出物が1つ以上の補助-甘味料として使用され得る。レバウジオシドA(Reb A)を含む抽出物または甘味料が特に好ましい。個別的に分離され、生成されて及び/または精製された個別ステビオールグリコシドのブレンドまたは混合物も有益に使用され得る。
【0079】
1つ以上の補助-甘味料として使用するためのステビア抽出物は、好ましくは、乾燥固体基準でステビア抽出物の総重量に対して、少なくとも90重量%の総量で、好ましくは95重量%以上の総量でステビオールグリコシドを含む。例えば、ステビア抽出物は、乾燥固体基準でステビア抽出物の総重量に対して、少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98または99重量%の総量でステビオールグリコシドを含むことができる。
【0080】
1つ以上の補助-甘味料として使用するための好ましいステビア抽出物は、乾燥固体基準でステビア抽出物の総重量に対して、少なくとも70重量%の組み合わされた総量で、好ましくは75重量%以上の組み合わされた総量でレバウジオシドA及びステビオシドを含む。1つ以上の補助-甘味料として使用するための他の好ましいステビア抽出物は、乾燥固体基準でステビア抽出物内のステビオールグリコシドの組み合わされた総重量に対して、約15重量%~約30重量%、好ましくは約19重量%~約23重量%の量でレバウジオシドBを含む。
【0081】
1つ以上の補助-甘味料を含むことが好ましいまたは必要とされ得る1つの状況は、特定のタイプの飲食または飲料製品に使用される甘くて低消化性の炭水化物の最大量を規制機関の制限が規定する場合である。このような規制機関の制限の1つの例は、米国食品医薬品局(FDA)によって規定されたGRAS(一般的に安全であると認められる物質)制度である。このようなタイプの規制機関の制限が適用される場合、甘くて低消化性の炭水化物は、その最大許容可能な使用量まで使用されることができ、1つ以上の補助-甘味料は、要求される任意の追加的な甘味を提供するために使用され得る。
【0082】
本発明の一態様は、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性をD-グルコースが改善し得るという予想できない発見に関する。具体的に、このような態様は、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を改善する方法を提供し、前記方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコースを統合させることを含む。
【0083】
前記方法が飲食または飲料製品内にD-グルコースのみを統合させることを含む本発明の実施形態において、(すなわち、繊維質とタンパク質が飲食または飲料製品内に含まれていない)、少なくとも1つの炭水化物は、好ましくはD-タガトース及びL-タガトース、エリスリトール、D-アルロース及びL-アルロースからなる群から選択される。
【0084】
前記方法が、飲食または飲料製品内にD-グルコースを統合させることを含む本発明の実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物は、約0.5:1~約10:1(例えば、約0.5:1、0.6:1、0.7:1、0.8:1、0.9:1、1:1、1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1、1.5:1、1.6:1、1.7:1、1.8:1、1.9:1、2:1、2.1:1、2.2:1、2.3:1、2.4:1、2.5:1、2.6:1、2.7:1、2.8:1、2.9:1、3:1、3.1:1、3.2:1、3.3:1、3.4:1、3.5:1、3.6:1、3.7:1、3.8:1、3.9:1、4:1、4.1:1、4.2:1、4.3:1、4.4:1、4.5:1、4.6:1、4.7:1、4.8:1、4.9:1、5:1、5.1:1、5.2:1、5.3:1、5.4:1、5.5:1、5.6:1、5.7:1、5.8:1、5.9:1、6:1、6.1:1、6.2:1、6.3:1、6.4:1、6.5:1、6.6:1、6.7:1、6.8:1、6.9:1、7:1、7.1:1、7.2:1、7.3:1、7.4:1、7.5:1、7.6:1、7.7:1、7.8:1、7.9:1、8:1、8.1:1、8.2:1、8.3:1、8.4:1、8.5:1、8.6:1、8.7:1、8.8:1、8.9:1、9:1、9.1:1、9.2:1、9.3:1、9.4:1、9.5:1、9.6:1、9.7:1、9.8:1、9.9:1及び10:1)のD-グルコースに対する重量比で飲食または飲料製品内に存在することができる。一つの実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物は、約1:1~約5:1のD-グルコースに対する重量比で飲食または飲料製品内に存在する。好ましくは、甘くて低消化性の炭水化物は、約1:1~約4:1のD-グルコースに対する重量比で、より好ましくは約1:1~約3:1のD-グルコースに対する重量比で、飲食または飲料製品内に存在する。さらにより好ましくは、甘くて低消化性の炭水化物は、約1:1のD-グルコースに対する重量比で飲食または飲料製品内に存在する。
【0085】
本発明の特定の実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物は、D-アルロースであり、本方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコースを統合させることを含み、ここで、D-アルロースは、約1:1~約4:1のD-グルコースに対する重量比で飲食または飲料製品内に存在する。好ましくは、D-アルロースは、約1:1~約3:1のD-グルコースに対する重量比で存在する。より好ましい実施形態において、D-アルロースは、約1:1のD-グルコースに対する重量比で存在する。
【0086】
飲食または飲料製品は、表示された一人前当たり約10g~約50gの量の甘くて低消化性の炭水化物、及び表示された一人前当たり約10g~約50gの量のD-グルコースを含むことができる。すべての中間量(すなわち、表示された一人前当たり11g、12g、13g...47g、48g、49g)が考慮され、これらの量に基づいたすべての中間範囲が考慮される。特定の実施形態において、飲食または飲料製品は、表示された一人前当たり約20g~約50g(例えば、表示された一人前当たり約25g、35g、または45g)の量の甘くて低消化性の炭水化物、及び表示された一人前当たり約20g~約50g(例えば、表示された一人前当たり約25g、35g、または45g)の量のD-グルコースを含む。
【0087】
特定の実施形態において、飲食または飲料は、表示された一人前当たり約20g~約50gの量のD-アルロース、及び表示された一人前当たり約20g~約50gの量のD-グルコースを含む。一つの実施形態において、飲食または飲料は、表示された一人前当たり約25gの量のD-アルロース、及び表示された一人前当たり約25gの量のD-グルコースを含む。他の実施形態において、飲食または飲料は、表示された一人前当たり約35gの量のD-アルロース、及び表示された一人前当たり約35gの量のD-グルコースを含む。他の実施形態において、飲食または飲料は、表示された一人前当たり約45gの量のD-アルロース、及び表示された一人前当たり約45gの量のD-グルコースを含む。
【0088】
本発明の他の態様は、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を繊維質(具体的に、ベータグルカン及びポリデキストロース)を改善することができるという予想できない発見に関する。
【0089】
本方法が飲食または飲料製品内に繊維質を統合させることを含む本発明の実施形態において、繊維質は、好ましくは飲食または飲料製品の表示された一人前当たり約0.1g~約50gの量で存在する。すべての中間量(すなわち、表示された一人前当たり1g、2g、3g...47g、48g、49g)が考慮され、これらの量に基づいたすべての中間範囲が考慮される。
【0090】
本方法が飲食または飲料製品内に少なくとも繊維質を統合させることを含む本発明の他の実施形態において、繊維質は、飲食または飲料製品の総重量に対して約0.1重量%~約80重量%の量で存在する。すべての中間量(すなわち、飲食または飲料製品の総重量に対して1重量%、2重量%、3重量%...77重量%、78重量%、79重量%)が考慮され、これらの量に基づいたすべての中間範囲が考慮される。
【0091】
本方法が飲食または飲料製品内に少なくとも繊維質を統合させることを含む場合、甘くて低消化性の炭水化物は、約100:1~約5:1(例えば、約95:1、90:1、85:1、80:1、75:1、70:1、65:1、60:1、55:1、50:1、45:1、40:1、35:1、30:1、25:1、20:1、15:1、10:1及び5:1)の繊維質に対する重量比で飲食または飲料製品内に存在することができる。一つの実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物は、約50:1~約5:1の繊維質に対する重量比で飲食または飲料製品内に存在する。好ましくは、甘くて低消化性の炭水化物は、約50:1~約10:1の繊維質に対する重量比で、より好ましくは約40:1~約10:1の繊維質に対する重量比で飲食または飲料製品内に存在する。さらにより好ましくは、甘くて低消化性の炭水化物は、約30:1~約20:1(例えば、25:1)の繊維質に対する重量比で飲食または飲料製品内に存在する。
【0092】
いくつかの実施形態において、飲食または飲料は、表示された一人前当たり約10g~約50gの量のD-アルロース、及び表示された一人前当たり約0.5g~約6.0gの量の繊維質を含む。一つの実施形態において、飲食または飲料は、表示された一人前当たり約10g~約40gの量のD-アルロース、及び表示された一人前当たり約0.5g~約4.0gの量の繊維質を含む。他の実施形態において、飲食または飲料は、表示された一人前当たり約20g~約40gの量のD-アルロース、及び表示された一人前当たり約0.5g~約2.0gの量の繊維質を含む。他の実施形態において、飲食または飲料は、表示された一人前当たり約20g~約30gの量のD-アルロース、及び表示された一人前当たり約0.5g~約1.5gの量の繊維質を含む。他の実施形態において、飲食または飲料は、表示された一人前当たり約25gの量のD-アルロース、及び表示された一人前当たり約1.0gの量の繊維質を含む。
【0093】
このような態様の好ましい実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を改善するための方法が提供され、前記方法は、飲食または飲料製品内にベータグルカンを統合させることを含む。すなわち、繊維質はベータグルカンである。
【0094】
ベータグルカンは、オート麦及び大麦穀粒からの可溶性食物繊維である。ベータグルカンは、酵母及びギノコのこのような他の天然供給源から得られることができる。構造的な面において、ベータグルカンは、混合-結合(1-3)、(1-4)β-D-グルコース重合体である。ベータグルカンの平均分子量は、50kDa~3000kDaで変わることと報告された。本発明において、ベータグルカンの平均分子量は、約1kDa~約10000kDaである。好ましくは、ベータグルカンの平均分子量は、約100kDa~約1000kDaである。
【0095】
本発明の好ましい実施形態において、ベータグルカンは、オート麦ベータグルカンである。
【0096】
他の好ましい実施形態において、ベータグルカンは、平均分子量が少なくとも約800kDaのベータグルカンの少なくとも約20%~最大約40%(乾燥重量基準)を含有する可溶性食物繊維が豊富な画分の形態で飲食または飲料製品に存在する。より好ましくは、ベータグルカンは、少なくとも約800kDaの平均分子量のベータグルカン約35%(乾燥重量基準)を含有する可溶性食物繊維が豊富な画分の形態で飲食または飲料製品に存在する。
【0097】
ベータグルカンは、低濃度でさえ、粘性の剪断流動化溶液(shear thinning solution)を作ることができる。ベータグルカンの粘度は、水溶液でそれらの濃度に依存する。本発明において、ベータグルカンは、低、中または高粘度を有することができる。例えば、ベータグルカンは(水溶液の総重量に対して)、水で0.5重量%の濃度のとき、約1cSt~約20cStの範囲の比粘度を有するベータグルカンであり得る。代替的に、ベータグルカンは、0.5重量%の濃度のとき、約20cSt~約50cStの範囲(例えば、0.5重量%の濃度のとき、約20cSt~約30cSt)の比粘度を有することができる。他の実施形態において、ベータグルカンは、0.5重量%の濃度のとき、約50cStより大きい(例えば、0.5重量%の濃度のとき、約100cStより大きい)比粘度を有することができる。
【0098】
本方法が飲食または飲料製品内にベータグルカンを統合させることを含む本発明の実施形態において、ベータグルカンは、好ましくは飲食または飲料製品の表示された一人前当たり約0.5g~約6g(例えば、約1g、2g、3g、4g、5g、または6g)の量で存在する。ベータグルカンが、少なくとも約800kDaの平均分子量のベータグルカン約35%(乾燥重量基準)を含有する可溶性食物繊維が豊富な画分の形態である本発明の実施形態において、ベータグルカンは、好ましくは飲食または飲料製品の表示された一人前当たり約1.5gの量で存在する。
【0099】
代替的に、ベータグルカンは、飲食または飲料製品の総重量に対して約0.01重量%~約20重量%の量で飲食または飲料製品に統合される。すべての中間量(すなわち、飲食または飲料製品の総重量に対して、1%、2%、3%...17%、18%、19%)が考慮され、これらの量に基づいたすべての中間範囲が考慮される。例えば、ベータグルカンは、約0.1重量%~約20重量%、約0.5重量%~約20重量%、約0.5重量%~約10重量%、約0.5重量%~約5重量%(例えば、約0.5重量%~約3重量%、または約0.75重量%~約2重量%)、約0.1重量%~約10重量%、または約0.1重量%~約5重量%(例えば、約0.1重量%~約3重量%、または約0.1重量%~約2重量%)の量で飲食または飲料製品に統合されることができる。
【0100】
さらに、本方法が飲食または飲料製品内にベータグルカンを統合させることを含む場合、甘くて低消化性の炭水化物は、約100:1~約5:1(例えば、約95:1、90:1、85:1、80:1、75:1、70:1、65:1、60:1、55:1、50:1、45:1、40:1、35:1、30:1、25:1、20:1、15:1、10:1及び5:1)のベータグルカンに対する重量比で飲食または飲料製品に存在することができる。一つの実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物は、約50:1~約5:1のベータグルカンに対する重量比で飲食または飲料製品に存在する。好ましくは、甘くて低消化性の炭水化物は、約50:1~約10:1のベータグルカンに対する重量比で、より好ましくは約40:1~約10:1のベータグルカンに対する重量比で、飲食または飲料製品に存在する。より好ましくは甘くて低消化性の炭水化物は、約30:1~約20:1(例えば、25:1)のベータグルカンに対する重量比で飲食または飲料製品に存在する。
【0101】
特定の実施形態において、飲食または飲料は、表示された一人前当たり約10g~約50gの量のD-アルロース、及び表示された一人前当たり約0.5g~約6.0gの量のベータグルカンを含む。一つの実施形態において、飲食または飲料は、表示された一人前当たり約10g~約40gの量のD-アルロース、及び表示された一人前当たり約0.5g~約4.0gの量のベータグルカンを含む。他の実施形態において、飲食または飲料は、表示された一人前当たり約20g~約40gの量のD-アルロース、及び表示された一人前当たり約0.5g~約2.0gの量のベータグルカンを含む。他の実施形態において、飲食または飲料は、表示された一人前当たり約20g~約30gの量のD-アルロース、及び表示された一人前当たり約0.5g~約1.5gの量のベータグルカンを含む。他の実施形態において、飲食または飲料は、表示された一人前当たり約25gの量のD-アルロース、及び表示された一人前当たり約1.0gの量のベータグルカンを含む。
【0102】
本方法が飲食または飲料製品内にベータグルカンのみを統合させることを含む本発明の実施形態において、(すなわち、D-グルコース、他の繊維質及びタンパク質が飲食または飲料製品内に統合されていない)、甘くて低消化性の炭水化物は、ソルビトール、マルチトール、イソマルト、イソマルツロース、エリスリトール、キシリトール、D-アロース及びL-アロース、D-タガトース及びL-タガトース、ラクトース、メレジトース、D-アラビノース及びL-アラビノース、L-フルクトース、L-グルコース及びD-アルロース及びL-アルロースからなる群から選択された1つ以上である。
【0103】
このような態様の他の好ましい実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させる方法が提供され、前記方法は、飲食または飲料製品内にポリデキストロースを統合させることを含む。すなわち、繊維質がポリデキストロースである。
【0104】
ポリデキストロースは、グルコースの合成重合体である。より具体的に、ポリデキストロースは、D-グルコース(1,6-グリコシド結合が優勢)、ソルビトール(最大10重量%の量で)及びクエン酸またはリン酸のうちの1つ(最大1重量%の量で)のランダムに結合された縮合重合体である。ポリデキストロースはまた、少量の遊離D-グルコース、ソルビトール、クエン酸及び1,6-アンヒドロ-D-グルコース(レボグルコサン)を含有することができる。ポリデキストロースは、162g/モル~20000g/モルの範囲の分子量を有することができる。特定の実施形態において、90%以上のポリデキストロース分子は、約504g/モル~約5000g/モルの分子量を有する。いくつかの実施形態において、ポリデキストロースの平均重合度は12である。本発明の実施形態において、ポリデキストロースの平均分子量は、約2000g/モルである。
【0105】
本方法が飲食または飲料製品内にポリデキストロースを統合させることを含む本発明の実施形態において、ポリデキストロースは、好ましくは飲食または飲料製品の表示された一人前当たり約0.1g~約40gの量で存在する。すべての中間量(すなわち、1g、2g、3g...37g、38g、39g/表示された一人前)が考慮され、これらの量に基づいたすべての中間範囲が考慮される。
【0106】
代替的に、ポリデキストロースは、飲食または飲料製品の総重量に対して約0.1重量%~約80重量%の量で飲食または飲料製品に統合される。すべての中間量(すなわち、飲食または飲料製品の総重量に対して、1%、2%、3%...77%、78%、79%)が考慮され、これらの量に基づいたすべての中間範囲が考慮される。例えば、ポリデキストロースは、約0.1重量%~約70重量%、約0.5重量%~約70重量%(例えば、約0.5重量%~約50重量%)、約1重量%~約70重量%、約10重量%~約70重量%、約20重量%~約70重量%、約30重量%~約70重量%または約40重量%~約70重量%(例えば、約55重量%~約65重量%、または約45重量%~約55重量%)の量で飲食または飲料内に統合されることができる。
【0107】
前記方法が飲食または飲料製品内にポリデキストロースのみを統合させることを含む本発明の実施形態において、(すなわち、D-グルコース、他の繊維質及びタンパク質が飲食または飲料製品内に統合されていない)、甘くて低消化性の炭水化物は、ソルビトール、マルチトール、イソマルト、イソマルツロース、エリスリトール、キシリトール、D-アロース及びL-アロース、D-タガトース及びL-タガトース、ラクトース、メレジトース、D-アラビノース及びL-アラビノース、L-フルクトース、L-グルコース及びD-アルロース及びL-アルロースのうちの1つ以上から選択される。
【0108】
本発明の他の態様は、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性をタンパク質が改善することができるという予想できない発見に関する。
【0109】
本方法が飲食または飲料製品内にタンパク質を統合させることを含む本発明の実施形態において、タンパク質は、飲食または飲料製品の表示された一人前当たり約0.1g~約40gの量で存在する。
【0110】
他の実施形態において、タンパク質は、飲食または飲料製品の総重量に対して約0.1重量%~約80重量%の量で存在する。
【0111】
本態様による方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース及び繊維質のうちの1つ以上を統合させることをさらに含むことができる。
【0112】
タンパク質は、天然または非天然であり得る。天然タンパク質は、変声製剤によって変更されないタンパク質である。対照的に、非天然タンパク質は、化学的及び/または酵素的処理を経たタンパク質である。例えば、タンパク質は、その構成要素アミノ酸で加水分解されたタンパク質である加水分解タンパク質であり得る。
【0113】
本発明の実施形態において、タンパク質は、植物性タンパク質(例えば、トウモロコシ、小麦、大麦、スペルト麦(spelt)、ライ麦及びオート麦)及び牛乳タンパク質のうちの1つ以上であり得る。オート麦から由来されたタンパク質の一つの例は、商標名PrOateinTMであって、テート&ライル(Tate & Lyle)社から購入可能なものである。
【0114】
本方法が飲食または飲料製品内にタンパク質のみを統合させることを含む本発明の実施形態において、(すなわち、D-グルコース及び繊維質が飲食または飲料製品内に含まれていない)、甘くて低消化性の炭水化物は、ソルビトール、マルチトール、イソマルト、イソマルツロース、エリスリトール、キシリトール、D-アロース及びL-アロース、D-タガトース及びL-タガトース、ラクトース、メレジトース、D-アラビノース及びL-アラビノース、L-フルクトース、L-グルコース及びD-アルロース及びL-アルロースのうちの1つ以上から選択される。
【0115】
D-グルコース、繊維質(例えば、ベータグルカン及びポリデキストロース)及びタンパク質のうちの1つ以上は、シロップ成分または乾燥成分ミックスに提供されることができ、これらは、飲食または飲料製品内に統合されることができる。
【0116】
D-グルコース、繊維質(例えば、ベータグルカン及びポリデキストロース)及びタンパク質のうちの1つ以上は、製造工程中に飲食または飲料製品内に統合されることができる。代替的に、D-グルコース、繊維質(例えば、ベータグルカン及びポリデキストロース)及びタンパク質のうちの1つ以上は、前記飲食または飲料製品の製造後に飲食または飲料製品内に統合されることができる。D-グルコース、繊維質(例えば、ベータグルカン及びポリデキストロース)及びタンパク質のうちの1つ以上はまた、飲食または飲料製品の消費の直前に統合されることができる。
【0117】
本発明の他の実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物は、例えば、前記飲食または飲料製品の製造中または製造後に、または消費の直前に、飲食または飲料製品内に統合されることができる、シロップ成分または乾燥成分ミックス内のD-グルコース、繊維質(例えば、ベータグルカン及びポリデキストロース)及びタンパク質のうちの1つ以上が提供され得る。
【0118】
家庭で料理する場合、家庭の料理人は、しばしば糖(すなわち、スクロースまたはグラニュ糖(table sugar))を要求するレシピに従うだろう。甘くて低消化性の炭水化物は、多くの飲食及び飲料の応用において糖に対する一つの代替例を示す。
【0119】
実務的な観点から、家庭の料理人は、どのくらい多くの甘くて低消化性の炭水化物が要求されるかを計算する必要なく、任意の与えられたレシピ内の糖を甘くて低消化性の炭水化物に代替することができることが便利である。したがって、甘くて低消化性の炭水化物及びD-グルコース、繊維質(例えば、ベータグルカンまたはポリデキストロース)及びタンパク質のうちの1つ以上が同等容積基準でスクロースを代替するために使用され得るスクープ-対-スクープ甘味料(scoop-for-scoop sweetener)の一部として統合されることができる(すなわち、甘くて低消化性の炭水化物及びD-グルコース、繊維質(例えば、ベータグルカンまたはポリデキストロース)及びタンパク質のうちの1つ以上を含むミックス1スクープが糖1スクープを代替するために使用される)。
【0120】
スクープ-対-スクープ製品に加えて、糖または他の栄養的甘味料の代わりに使用され得る卓上甘味料に対して最終消費者間に要求がある。卓上製品の場合、甘味が容積基準でスクロースの甘味と同等である必要がなく;代わりに、卓上甘味料は、しばしば1ティースプーン(5mL)の糖を参考に、用量ガイドラインが簡単に供給される。卓上製品のための最も一般的な用途は、飲料、通常的にティーとコーヒーのような熱い飲料製品を甘くすることである。したがって、甘くて低消化性の炭水化物及びD-グルコース、繊維質(例えば、ベータグルカンまたはポリデキストロース)及びタンパク質のうちの1つ以上は、卓上甘味料として提供され得る。
【0121】
本発明の他の態様によれば、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を改善する方法において、D-グルコース、繊維質及びタンパク質のうちの1つ以上の用途が提供され、前記方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース、繊維質及びタンパク質のうちの1つ以上を統合させることを含む。
【0122】
一つの実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を改善する方法においてD-グルコースの用途が提供され、前記方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコースを統合させることを含む。
【0123】
一つの実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を改善する方法において繊維質の用途が提供され、前記方法は、飲食または飲料製品内に繊維質を統合させることを含む。好ましい実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を改善する方法においてベータグルカン及び/またはポリデキストロースの用途が提供され、前記方法は、飲食または飲料製品内にベータグルカン及び/またはポリデキストロースのうちの1つ以上を統合させることを含む。
【0124】
一つの実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を改善する方法においてタンパク質の用途が提供され、前記方法は、飲食または飲料製品内にタンパク質を統合させることを含む。
【0125】
一つの実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を改善する方法においてD-グルコース及び繊維質の用途が提供され、前記方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース及び繊維質を統合させることを含む。好ましい実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を改善する方法においてD-グルコース及びベータグルカン及び/またはポリデキストロースの用途が提供され、前記方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース及びベータグルカン及び/またはポリデキストロースを統合させることを含む。
【0126】
一つの実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を改善する方法においてD-グルコース及びタンパク質の用途が提供され、前記方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース及びタンパク質を統合させることを含む。
【0127】
一つの実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を改善する方法において繊維質及びタンパク質の用途が提供され、前記方法は、飲食または飲料製品内に繊維質及びタンパク質を統合させることを含む。好ましい実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を改善する方法においてタンパク質及びベータグルカン及び/またはポリデキストロースの用途が提供され、前記方法は、飲食または飲料製品内にタンパク質及びベータグルカン及び/またはポリデキストロースを統合させることを含む。
【0128】
実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を改善する方法においてD-グルコース、繊維質及びタンパク質の用途が提供され、前記方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース、繊維質及びタンパク質を統合させることを含む。好ましい実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を改善する方法においてD-グルコース、タンパク質及びベータグルカン及び/またはポリデキストロースの用途が提供され、前記方法は、飲食または飲料製品内にD-グルコース、タンパク質及びベータグルカン及び/またはポリデキストロースを統合させることを含む。
【0129】
本発明の他の態様によれば、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を改善する方法において、D-グルコース、繊維質(例えば、ベータグルカン及びポリデキストロースのうちの1つ以上)及びタンパク質のうちの1つ以上を含む組成物の用途が提供される。
【0130】
実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を改善する方法においてベータグルカン及びポリデキストロースのうちの1つ以上を含む組成物の用途が提供され、前記方法は、飲食または飲料製品内にベータグルカン及びポリデキストロースのうちの1つ以上を統合させることを含む。
【0131】
組成物は、製造中に飲食または飲料製品内に統合されることができる。代替的に、組成物は、製造後に飲食または飲料製品内に統合されることができる。組成物は、飲食または飲料製品に含めるのに適した任意の形態で剤形化され得る。例えば、組成物は、シロップとして、粉末形態で、顆粒として、または溶液に剤形化され得る。
【0132】
一つの実施形態において、組成物はD-グルコースを含む。組成物は、繊維質とタンパク質の不在下でD-グルコースを含むことができる。組成物は、ベータグルカン、ポリデキストロース及びタンパク質の不在下でD-グルコースを含むことができる。
【0133】
他の実施形態において、組成物は繊維質を含む。組成物は、D-グルコースとタンパク質の不在下で繊維質を含むことができる。繊維質は、ベータグルカンであることができ、これは、特定の実施形態において、組成物がD-グルコース、タンパク質及び他の繊維質(例えば、ポリデキストロース)の不在下でベータグルカンを含むことができることを意味する。代替的に、繊維質は、ポリデキストロースであることができ、これは、いくつかの実施形態において、組成物がD-グルコース、タンパク質及び他の繊維質(例えば、ベータグルカン)の不在下でポリデキストロースを含むことができることを意味する。
【0134】
他の実施形態において、組成物はタンパク質を含む。組成物は、D-グルコースと繊維質の不在下でタンパク質を含むことができる。組成物は、D-グルコース、ベータグルカン、及びポリデキストロースの不在下でタンパク質を含むことができる。
【0135】
さらなる実施形態において、組成物はD-グルコース及び繊維質を含む。組成物は、タンパク質の不在下でD-グルコースと繊維質を含むことができる。組成物は、他の繊維質とタンパク質の不在下でD-グルコースとベータグルカンを含むことができる。組成物は、他の繊維質とタンパク質の不在下でD-グルコースとポリデキストロースを含むことができる。組成物は、他の繊維質とタンパク質の不在下でD-グルコース、ベータグルカン及びポリデキストロースを含むことができる。
【0136】
さらなる実施形態において、組成物はD-グルコースとタンパク質を含む。組成物は、繊維質の不在下でD-グルコースとタンパク質を含むことができる。
【0137】
さらなる実施形態において、組成物は繊維質とタンパク質を含む。組成物は、D-グルコースの不在下で繊維質とタンパク質を含むことができる。組成物は、他の繊維質とD-グルコースの不在下でベータグルカンとタンパク質を含むことができる。組成物は、他の繊維質とD-グルコースの不在下でポリデキストロースとタンパク質を含むことができる。組成物は、他の繊維質とD-グルコースの不在下でベータグルカン、ポリデキストロース及びタンパク質を含むことができる。
【0138】
組成物は、D-グルコース、繊維質及びタンパク質を含むことができる。組成物は、他の繊維質の不在下でD-グルコース、ベータグルカン及びタンパク質を含むことができる。組成物は、他の繊維質の不在下でD-グルコース、ポリデキストロース及びタンパク質を含むことができる。組成物は、他の繊維質の不在下でD-グルコース、ベータグルカン、ポリデキストロース及びタンパク質を含むことができる。
【0139】
組成物は、D-グルコースとベータグルカンを含むことができ、ここで、D-グルコース対ベータグルカンの重量比は、約5:1~約20:1である。
【0140】
代替的に、組成物は、D-グルコースとポリデキストロースを含むことができ、ここで、D-グルコース対ポリデキストロースの重量比は、約1:20~約20:1(例えば、約2:1~約20:1)である。
【0141】
さらに、組成物は、ベータグルカンとポリデキストロースを含むことができ、ここで、ポリデキストロース対ベータグルカンの重量比は、約5:1~約20:1である。
【0142】
他の実施形態において、組成物は、D-グルコース、ベータグルカン及びポリデキストロースを含む。
【0143】
組成物がD-グルコースを含む場合、D-グルコースは、飲食または飲料製品内において甘くて低消化性の炭水化物対D-グルコースの重量比が、約0.5:1~約10:1、例えば、約1:1~約5:1、約1:1~約4:1、約1:1~約3:1、または約1:1であるように、甘くて低消化性の炭水化物を含有する飲食または飲料製品内に統合されることができる。
【0144】
組成物がベータグルカンを含む場合、ベータグルカンは、飲食または飲料製品内のベータグルカンの最終量が表示された一人前当たり約0.5g~約6gであるように、甘くて低消化性の炭水化物を含有する飲食または飲料製品内に統合されることができる。また、組成物がベータグルカンを含む場合、ベータグルカンは、飲食または飲料製品内において甘くて低消化性の炭水化物対ベータグルカンの重量比が、約100:1~約5:1、例えば、約50:1~約5:1、約50:1~約10:1、約40:1~約10:1、約30:1~約20:1、または約25:1であるように、甘くて低消化性の炭水化物を含有する飲食または飲料製品内に統合されることができる。
【0145】
組成物がポリデキストロースを含む場合、ポリデキストロースは、飲食または飲料製品内のポリデキストロースの最終量が表示された一人前当たり約0.1g~約40gであるように、低消化性の炭水化物を含有する飲食または飲料製品内に統合されることができる。
【0146】
本発明の他の態様によれば、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのD-グルコースの用途が提供される。
【0147】
本発明の他の態様によれば、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるための繊維質の用途が提供される。
【0148】
実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのベータグルカンの用途が提供される。
【0149】
他の実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのポリデキストロースの用途が提供される。
【0150】
さらなる実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのポリデキストロース及びベータグルカンの組み合わせの用途が提供される。
【0151】
本発明の他の態様によれば、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのタンパク質の用途が提供される。
【0152】
他の態様によれば、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのD-グルコース及び繊維質の組み合わせの用途が提供される。
【0153】
一つの実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのD-グルコース及びポリデキストロースの組み合わせの用途が提供される。
【0154】
他の実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのD-グルコース及びベータグルカンの組み合わせの用途が提供される。
【0155】
さらなる実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのD-グルコース、ベータグルカン及びポリデキストロースの組み合わせの用途が提供される。
【0156】
他の態様によれば、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのD-グルコース及びタンパク質の組み合わせの用途が提供される。
【0157】
他の態様によれば、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるための繊維質及びタンパク質の組み合わせの用途が提供される。
【0158】
一つの実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのタンパク質及びポリデキストロースの組み合わせの用途が提供される。
【0159】
他の実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのタンパク質及びベータグルカンの組み合わせの用途が提供される。
【0160】
さらなる実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのタンパク質、ベータグルカン及びポリデキストロースの組み合わせの用途が提供される。
【0161】
他の態様によれば、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのD-グルコース、繊維質及びタンパク質の組み合わせの用途が提供される。
【0162】
一つの実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのD-グルコース、ポリデキストロース及びタンパク質の組み合わせの用途が提供される。
【0163】
他の実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのD-グルコース、ベータグルカン及びタンパク質の組み合わせの用途が提供される。
【0164】
さらなる実施形態において、甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食または飲料製品の胃腸耐性を増加させるためのD-グルコース、ベータグルカン、ポリデキストロース及びタンパク質の組み合わせの用途が提供される。
【0165】
本発明のさらなる態様によれば、本発明の先の態様による甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食及び飲料製品の胃腸耐性を改善するための方法における使用のための、D-グルコース、繊維質及びタンパク質のうちの1つ以上またはD-グルコース、繊維質及びタンパク質のうちの1つ以上を含む組成物が提供される。
【0166】
一つの実施形態において、本発明の先の態様による甘くて低消化性の炭水化物を含む飲食及び飲料製品の胃腸耐性を改善するための方法における使用のための、D-グルコース、ベータグルカン、ポリデキストロース及びタンパク質のうちの1つ以上またはD-グルコース、ベータグルカン、ポリデキストロース及びタンパク質のうちの1つ以上を含む組成物が提供される。
【0167】
本発明の他の態様によれば、甘くて低消化性の炭水化物及びD-グルコース、繊維質及びタンパク質のうちの1つ以上を含む飲食または飲料製品が提供され、ここで、D-グルコース、繊維質及びタンパク質のうちの1つ以上は、前記飲食または飲料製品の胃腸耐性を改善するのに効果的な量で存在する。D-グルコース、繊維質(ベータグルカン及びポリデキストロースうちの1つ以上を含む)及びタンパク質は、本明細書に既に開示された量で飲食または飲料製品に存在することができる。
【実施例】
【0168】
実施例:
【0169】
本発明は、以下の実施例によって例示され、実施例は、本発明を説明しようとする意図されることであり、どのような方式でも本発明の範囲を限定するものではないことが理解される。
【0170】
実施例1:D-アルロースの胃腸耐性に対する研究
【0171】
用量増加研究を総24人の予備-スクリーニングされた対象体で行った。18人の対象体を処理し、6人の対象体は対照君として作用した。D-アルロースを着香飲料内に提供し、飲料は朝食と昼食時に食べ物と共に消費され、総一日用量が各食事提供時に半分に分けられた(
図1)。対照群飲料は、一人前当たり25gのスクロースを含有した。
【0172】
飲料は、4時間の間隔で消費された朝食(チーズスライスとリーンポケット(lean pocket))及び昼食(ホットポケット(hot pocket))が一緒に提供された。その間に少なくとも3日の休薬期間を持って急性処理プロトコルを行い、最大耐性量と考慮される用量に到逹するまで、各訪問時に一日用量の量を増加させた。自覚胃腸GI症状を0~3の等級で評価した(0=症状なし、1=軽度の症状、2=中等度の症状、3=重度の症状)。評価された6つの症状は、1)腹部膨満、2)腹痛、3)腹鳴、4)腹部ガスの増加、5)軟便、及び6)吐き気-嘔吐であった。GI症状は、朝食に対して0、2、4及び24時間の時点で評価した。
【0173】
試験されたアルロースの用量は、30g/日;50g/日;70g/日×2(すなわち、1回繰り返される);60g/日(段階的縮小(de-escalation))であった。18人の試験対象体のうち、11人は男性であり、7人は女性であった。すべての対象体の中央値年齢は、48.5y/oであり、年齢範囲は28歳~78歳であった。
【0174】
研究において、対象体の28%は、60g/日及び70g/日の用量で軟便を経験した(
図2)。付加的に、ガス及び腹部膨脹も一般的な伴う症状であった。
【0175】
実施例2:胃腸耐性に対する研究-D-アルロース+グルコース
【0176】
用量増加研究を10人の試験対象体で行い、2人の対照群対象体と比較した。D-アルロースは、実施例1における研究と同一のプロトコル設計に従って、同量(1:1)にまたは1:3(D-グルコース:D-アルロース)の量で着香飲料内にD-グルコースと提供された(表1及び
図3参照)。
【表1】
【0177】
飲料を朝食及び昼食時間に食事と消費した。
図4に図示されたように、90gのD-アルロース/日(2回の45g/一人前用量に分けられる)において、飲料内のD-グルコース対D-アルロースの1:1混合物が優れていることが示され、20%より少ない対象体が耐性発見を記録した-1:1で軟便を有した1人の対象体対用量が3:1であったとき、軟便を有した3人の対象体。D-グルコースの添加は、第1の研究に比べて軟便発生を減少させ、70gのD-アルロース/日用量において、対象体の10%のみが軟便を経験した(参照に、実施例1の研究では28%)。
【0178】
結論的に、結果は、D-グルコースを含む飲食または飲料の組成物が、腹部膨脹、ガス及び下痢の胃腸症状を減少させることにより、低消化性炭水化物の胃腸耐性に肯定的に影響を及ぼすことを示す。
【0179】
実施例3:胃腸耐性に対する研究
【0180】
概要
【0181】
このような実施例において、対象体は、4つの異なる飲料を試験し、飲料は、試験日の間に少なくとも1週間の休薬期間を持って朝に消費された。飲料を空腹に消費し、対象体は任意の他の飲食を摂取する前に2時間を待つように指示された。一次結果は、GI症状等級ダイアリーから誘導された軟便GI症状に対する24時間にわたった総胃腸症状点数であった。
【0182】
4つの試験飲料(8オンス/236.6ml)は、イチゴのミックスで着香され:1)25gのD-アルロース;2)25gのD-アルロース及び25gのD-グルコース;3)25gのD-アルロース及び1gのベータグルカン繊維質;または4)25gのスクロースを含有した。
【0183】
方法
【0184】
10人の志願者に試験飲料消費、胃腸症状モニタリング及びブリストル大便フォーム(Bristol Stool Form)を用いた24時間大便観察をどのようにするかどうかに対して以下の情報を指示した:
・試験飲料を飲む前日に、あなたにGI苦痛またはガスを引き起こすことと知られている食べ物の消費を避ける(以下参照)。
・試験飲料の消費前に10~14時間一晩断食。
・飲料処理後、2時間の間に他の食べ物消費しない(水のみ)。
・ブリストル便性状スケールダイアリー(ブリストル大便フォーム)を用いてすべての腸管運動を記録する。
・処理飲料の消費後、2、4及び24時間に、6つの胃腸耐性質問のそれぞれに対して症状点数を提供する(以下参照)。
【0185】
対象体に避けるべきガス-生成飲食及び飲料の以下の例を提供した:豆(豆類;“サヤインゲン”ではない)及びチリ、フムス、レンズ豆スープ、豆スープなどのような飲食アイテム;ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、芽キャベツ、タマネギ、キノコ、アーティチョーク及びアスパラガスのような野菜;梨、リンゴ及び桃のような果物;全粒小麦及びふすまのような全粒穀物;ソーダ、フルーツドリンク(特にリンゴジュース及び梨ジュース)、及び高-フルクトースコーンシロップを含有する他の飲料;無糖キャンディー及びキシリトール、マンニトール及びソルビトールのような糖アルコールを含有する飲食;及びファイバーワン(Fiber One(商標))シリアル及びバーのような補充繊維質を有した飲食。対象体はまた、研究日の間及びその前日の夕方にそれらにGI苦痛またはガスを引き起こすことができるどのような他の飲食も避けるように勧められた。
【0186】
試験日に、対象体は以下の指示セットに従った:
1. 試験開始時間は、あなたが飲料を消費し始めるとき、始まり;あなたが始める日付と時間をダイアリーに記録する。
2. 毎週同じ時間に試験飲料を消費する。
a. 15分以内に全体飲料8オンス(236.6ml)を消費する。
b. 飲料容器を水で再び満たし、チェィサー(chaser)として消費する。
c. 所望であれば、60分後に追加の水を飲むことができる。
3. 飲料消費を開始した後、2、4及び24時間にGI症状点数を記録する。
4. 試験飲料後、2時間にスナックまたは朝食を食べることができる。
5. 24時間観察期間中にすべての腸運動動及びブリストル大便タイプを記録する。
6. その日の間の正常な食べ物消費を再開するが;24時間観察期間中に胃の不調またはガスを引き起こすことができるものと分かっている飲食を避ける。
【0187】
6つの胃腸GI耐性質問に対する症状点数は、以下の4点等級に基づいて対象体が評価された:1)腹痛(0(すなわち、なし)=痛症がないか一時的痛症;1(すなわち、軽度)=一部社会活動を妨害する時折の痛み及び痛症;2(すなわち、中等度)=緩和を要し、多くの社会活動を妨害する長期的な厄介な痛みと痛症;及び3(すなわち、重度)=すべての社会活動に影響を与える重度のまたは痛い痛症);2)吐き気及び嘔吐(0=吐き気なし;1=短期間の間時折のエピソード;2=頻繁及び長期的な吐き気、しかし、嘔吐はなし;及び3=頻繁な嘔吐と連続的な吐き気);3)腹鳴(0=なしまたは一時的な腹鳴;1=短期間の間時折の厄介な腹鳴;2=社会的な性能の損傷のない動きによって制御され得る頻繁及び長期的なエピソード;及び3=社会的な性能を深刻に妨害する連続的な腹鳴);4)腹部膨満(0=なしまたは一時的な膨満;1=短期間の間時折の不便さ;2=衣服を調整して制御され得る頻繁及び長期的なエピソード;及び3=社会的な性能を深刻に妨害する連続的な不便さ);5)腹部ガスの増加(0=腹部ガスの増加なし;1=短期間の間時折の不便さ;2=一部社会活動を妨害する頻繁及び長期的なエピソード;及び3=社会的性能を深刻に妨害する頻繁なエピソード);及び6)軟便(0=正常密度;1=やや緩い;2=緩い;及び3=水っぽい)。
【0188】
結果
【0189】
ブリストル大便試験点数は、1~7の点数を記録した。各対象体の点数を24時間の観察期間の間平均した後、処理群ごとに平均した。結果は、
図5に示される。6つのGI耐性質問に関するGI症状点数は、
図6に示される。
【0190】
スクロース処理(陰性対照群)に比べてアルロース処理において軟化効果があった。ベータグルカン及びD-グルコースが飲料に添加された場合に改善が表れた。以下の順番でより柔らかい大便が発見された:アルロース>アルロース+ベータグルカン>アルロース+D-グルコース>スクロース。
【0191】
症状を報告する人々の数は、アルロースのみの群で最大であった。D-グルコース及びベータグルカンの両方は、アルロースのみの飲料に比べて全体的に症状の報告を減少させた。アルロース単独に比べてD-グルコースまたはベータグルカンが飲料に添加されたとき、2及び4時間の質問で症状の観察可能な減少があった(結果は示さず)。
【0192】
結果論的に、ベータグルカン及びD-グルコースで改善が表れた。以下の順番でより柔らかい大便が発見された:アルロース>アルロース+ベータグルカン>アルロース+D-グルコース>スクロース。飲料にD-グルコースの添加はまた、アルロースのみに比べてガス、腹部膨満及び軟便の記録を減少させた。飲料にベータグルカンの添加はまた、軟便症状を減少させた。このデータは、D-グルコースまたはオート麦ベータグルカン繊維質が飲料内のアルロースと共に消費される場合、アルロースの急激な大容量によって生成された症状が減少されることを立証する。