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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-26
(45)【発行日】2022-08-03
(54)【発明の名称】金属を熱処理する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   C21D 9/00 20060101AFI20220727BHJP
   C21D 1/18 20060101ALI20220727BHJP
   F27B 9/02 20060101ALI20220727BHJP
   F27B 9/12 20060101ALI20220727BHJP
   F27D 15/02 20060101ALI20220727BHJP
【FI】
C21D9/00 A
C21D1/18 C
F27B9/02
F27B9/12
F27D15/02 H
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018538751
(86)(22)【出願日】2017-01-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-03-28
(86)【国際出願番号】 EP2017051507
(87)【国際公開番号】W WO2017129599
(87)【国際公開日】2017-08-03
【審査請求日】2019-12-02
【審判番号】
【審判請求日】2021-07-30
(31)【優先権主張番号】102016201024.7
(32)【優先日】2016-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102016201025.5
(32)【優先日】2016-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102016201936.8
(32)【優先日】2016-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102016202766.2
(32)【優先日】2016-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102016118252.4
(32)【優先日】2016-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】315015977
【氏名又は名称】シュヴァルツ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ライナルツ,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンケル,ヨルク
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルデン,フランク
【合議体】
【審判長】池渕 立
【審判官】境 周一
【審判官】井上 猛
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/137308(WO,A1)
【文献】特開2015-094005(JP,A)
【文献】国際公開第2010/150683(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C21D 9/00-9/44
C21D 1/00-1/84
B21D 22/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属部品(1)に対して部分的に異なる熱処理する方法であって、
a)金属部品(1)を第1炉(2)内で加熱する工程と、
b)前記金属部品(1)を温度制御部(3)内へと移動する工程と、
c)前記温度制御部(3)内で、前記金属部品(1)における少なくとも1つの第1部分領域(4)を冷却して、前記金属部品(1)における前記少なくとも1つの第1部分領域(4)と少なくとも1つの第2部分領域(5)との間に温度差を設定する工程と、
d)前記金属部品(1)を温度制御部(3)から第2炉(6)内へと移動する工程と、
e)前記第2炉(6)内で、少なくとも、前記金属部品(1)における前記少なくとも1つの第1部分領域(4)が少なくとも200K加熱されるよう、前記第2炉(6)内で、前記金属部品全体に熱を導入する工程とを少なくとも含み、
前記第1炉(2)は、連続炉又はバッチ炉であり、
前記第2炉(6)は、連続炉又はバッチ炉である
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
f)前記金属部品(1)を前記第2炉(6)からプレスハードニングツール(7)内へと移動する工程と、
g)前記プレスハードニングツール(7)内で、前記金属部品(1)を成形及び冷却する工程とを少なくとも更に含む
ことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法であって、
工程a)において、前記金属部品(1)をAc3温度より低い温度まで加熱する
ことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の方法であって、
工程a)において、前記金属部品(1)をAc3温度より高い温度まで加熱する
ことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の方法であって、
工程c)において、前記少なくとも1つの第1部分領域(4)を、対流によってAc1温度より低い温度まで冷却する
ことを特徴とする方法。
【請求項6】
金属部品(1)に対して部分的に異なる熱処理する方法であって、
a)第1炉(2)内で、前記金属部品(1)を、放射熱及び/又は対流によって少なくとも500K加熱する工程と、
b)前記第1炉(2)の下流に位置する温度制御部(3)内で、前記金属部品(1)における少なくとも1つの第1部分領域(4)を冷却して、前記金属部品(1)における前記少なくとも1つの第1部分領域(4)と少なくとも1つの第2部分領域(5)との間に、少なくとも100Kの温度差を設定する工程と、
c)前記温度制御部(3)の下流に位置する第2炉(6)内で、少なくとも、前記金属部品(1)における前記少なくとも1つの第1部分領域(4)が、放射熱及び/又は対流によって少なくとも100K加熱されるよう、前記第2炉(6)内で、前記金属部品全体に熱を導入する工程とを少なくとも含み、
前記第1炉(2)は、連続炉又はバッチ炉であり、
前記第2炉(6)は、連続炉又はバッチ炉である
ことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、
d)前記第2炉(6)の下流に位置するプレスハードニングツールにおいて、前記金属部品(1)の成形及び冷却同時に行う工程
をさらに含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属部品を熱処理する方法及び装置、並びに金属部品を加熱する炉の使用に関する。本発明は、特に、選択的にプレコートされる部品を部分硬化させる際に用いられる。部品は、高強度マンガンボロン鋼製のものを対象とする。
【背景技術】
【0002】
安全性に関わる鋼板製車体部品の製造には、通常、車体部品へと成形中又は成形後に鋼板を硬化させる必要がある。このために、「プレスハードニング」と呼ばれる熱処理方法が確立されている。このプロセスでは、通常はブランクの形態で提供される鋼板が、初めに炉内で加熱された後、プレス内での成形加工中に冷却されることで硬化される。
【0003】
この数年間、A及びBピラー、ドアの側面衝突保護ビーム、シル、フレーム部品、バンパー、フロア及びルーフ用の横ビーム、及び前後の縦ビーム等の、各部分領域間で異なる強度を有する自動車の車体部品の提供において、車体部品が各部において異なる機能を実現可能となるようにプレスハードニングの使用が図られてきた。例えば、車両のBピラーの中央領域は、側面衝突の場合に乗員を保護するため高い強度を有する必要がある。同時に、Bピラーの上端及び下端領域は、側面衝突の際に変形エネルギーを吸収可能で、且つBピラーを設置する際に他の車体部品に容易に接続可能とするように、比較的低い強度を有する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
こうした、部分的に硬化された車体部品を作るには、硬化された部材において、各部分領域での材料の微細組織又は強度特性が異なっている必要がある。材料の微細組織又は強度特性が硬化後に異なるようにするには、例えば、硬化対象鋼板に、異なる板部同士を接合したものをあらかじめ設けたり、プレス内で部分的に異なる冷却を行ったりすることが考えられる。
【0005】
代替として又は追加で、硬化対象鋼板に対して、プレス内での冷却及び成形工程に先立って、部分的に異なる熱処理プロセスを施すという選択肢もある。この点に関し、例えば、硬化対象鋼板の部分領域のみを熱して、マルテンサイト等のより硬い微細組織への変化を生じさせることが可能である。しかしながら、一般的に鋼板の表面にはスケーリングから保護するためにアルミニウムシリコンコーティング等のコーティングが塗付されているが、上記のプロセス制御は、通常、該コーティングの内方拡散を熱処理プロセス内に効率的に組み入れることができないという欠点を有する。また、熱伝導によって鋼板の温度を部分的に制御するように設計された接触プレートを介した部分的な熱処理を実施するという選択肢もある。しかしながら、これには、一般的に、所定のプレート接触時間が必要であり、その接触時間は下流のプレスが達成可能な(最小の)サイクル時間よりも長い。更に、プレスにおける所定の接触時間とサイクル時間とを調整して合わせる場合、通常、それぞれに対応する温度制御部を工業的な規模の一本のプレスハードニングラインに統合することがより困難となり、通常、稼働中の生産変動が避けられない。
【0006】
このことから、本発明は、先行技術に関して述べた問題を少なくとも一部を解決することを目的とする。特に、工業的な規模で可能な限り効率的に部品に対して部分的に異なる熱処理を実施することを可能にする、金属部品を熱処理する方法及び装置、並びに、金属部品を加熱する炉の使用が特に提供される。更に、これらの方法、装置、その使用により、プレスの上流に位置する熱処理プロセスの工程部門から熱処理プロセス全体のサイクル時間が受ける影響の軽減が促進される。
【0007】
これらの目的は、独立請求項の特徴によって実現される。本明細書に開示される解決策の更に有利な実施形態は、従属請求項に記される。なお、従属請求項内に個別に列記される特徴は、任意の且つ技術的に有意義な手法で互いに組み合わせられて、本発明の更なる実施形態を定義することができる。また、請求項内に記される特徴は、本発明の更に好適な実施形態が提示される明細書内でより詳細に特定及び説明される。
【0008】
本発明に係る、金属部品に(部分的に異なる)熱処理を行うための方法は、少なくとも以下の工程を含む。
a)部品を第1炉内で加熱することと、
b)部品を温度制御部内へと移動させることと、
c)温度制御部内で、部品における少なくとも1つの第1部分領域を冷却して、部品における少なくとも1つの第1部分領域と少なくとも1つの第2部分領域との間に温度差を設定することと、
d)部品を温度制御部から第2炉内へと移動させることと、
e)第2炉内で、少なくとも、部品における少なくとも1つの第1部分領域を少なくとも200K〔ケルビン〕加熱すること。
【0009】
上記の方法工程a)、b)、c)、d)及びe)の順序は、この方法の通常のプロセスに基づく。この個別又は複数の方法工程は同時に実施されてもよいし、連続的及び/又は少なくとも部分的に同時に実施されてもよい。好適には、この方法は、本明細書に開示する装置を使用して実施される。
【0010】
開示する方法は、特に、(鋼)部品の、対象部品の領域特定された熱処理のために、又は、対象の手法で、鋼部品の様々な部分領域内に異なる微細組織を設定するために用いられる。好適には、この方法は、選択的にプレコートされた(高強度)マンガンボロン鋼製の部品を部分硬化させるのに用いられる。
【0011】
特に有利な手法では、開示する方法によって、部品の部分的に異なる熱処理を工業的な規模でも確実に実施することが可能になる。特に、温度制御部内での冷却の後に他の加熱プロセス又は熱エネルギーの新たな供給が行われることによって、プレスの上流に位置する熱処理プロセスの工程部門から熱処理プロセス全体のサイクル時間が受ける影響を軽減できる。好適には、部品が温度制御部内に滞在するのは15秒未満であり、特に10秒未満、又は更には5秒未満である。その後、部品は、バッチ炉内で利用可能な状態でいてもよいし、又は、その前後に温度制御部内で処理された他の部品と共に後続の炉を通過するように搬送されてもよい。特に有利な手法では、これによって、プレスの上流に位置する熱処理プロセスのサイクル時間をプレスのサイクル時間に合わせることが可能になる。また、本発明は、特に、部品における冷却後又は冷却途中の領域が所定時間以上等温に維持されて、あらかじめ成形されたオーステナイトがベイナイト、フェライト及び/又はパーライトといった微細組織へと変化するようになっているプロセス制御を行わない。むしろ驚くべきことに、本発明の範囲内において、部品を等温に維持することと比べ、新たな加熱が硬化された部品内のより延性がある領域の引張強度を向上し、特に、高くすることができることが分かった。
【0012】
好適には、金属部品は、金属ブランク、鋼板、又は少なくとも部分的に事前成形された半製品である。好適には、金属部品は、例えば記号表示が22MnB5である(マンガン)ボロン鋼といった(硬化可能な)鋼を用いたもの又は鋼製である。更に好適には、金属部品には、少なくとも大部分に(金属)コーティングが設けられるか、それがプレコートされる。例えば、亜鉛を(主に)備えたコーティング、又はアルミニウム及び/又はシリコンを(主に)備えたコーティングであってもよく、特に、アルミニウム/シリコン(Al/Si)コーティングとして知られるものであってもよい。
【0013】
工程a)では、部品(全体)を第1炉内で加熱する。好適には、部品は、第1炉内で均一又は均等に加熱される。更に好適には、部品は、例えば、加熱ループや電熱線といった、(部品と物理的又は電気的に接触しない)少なくとも1つの電動加熱要素、及び/又は少なくとも1つの(ガス加熱式)放射管による放射熱(のみ)によって、第1炉内で加熱される。
【0014】
工程b)では、部品を、特に、第1炉から温度制御部内へと移動させる。このために、例えば少なくともローラテーブル及び/又は(工業)ロボットを備えた搬送ユニットが設けられてもよい。好適には、部品は、第1炉から温度制御部まで少なくとも0.5m〔メートル〕の距離を移動する。部品は、周辺領域と接触しながら、又は保護環境内で、案内されてもよい。
【0015】
工程c)では、温度制御部内で、部品における少なくとも1つの第1部分領域を(能動的に)冷却する。このために、部品における少なくとも1つの第1部分領域(完全に処理された部品内においてより延性がある)と少なくとも1つの第2部分領域(完全に処理された部品内においてより硬い)との間に温度差が設定される。また、冷却後、部品は部分的に異なる(部品)温度を有し、少なくとも1つの第1部分領域の第1温度と少なくとも1つの第2部分領域の第2温度との間に温度差が設定される。また、工程c)では、部品の異なる部分領域間で複数の(異なる)温度差を設定することも可能である。例えば、それぞれが異なる温度を有する3つ以上の部分領域を部品内に設定することも可能である。
【0016】
工程c)内での冷却は、好適には対流によって行われ、特に好適には、流体を噴射する少なくとも1つのノズルによって行われる。このために、ノズルは、温度制御部内に設置されて第1部分領域に向かって配向されてもよい。流体は、例えば空気、窒素、水、又はそれらの混合物であってもよい。好適には、冷却は、それぞれが流体を噴射する複数のノズルを備えたノズル列によって行われ、特に好適には、ノズル列の形状及び/又は複数のノズルの配置は、部品における少なくとも1つの第1部分領域の(所望の)形状に適合する。
【0017】
好適には、冷却は、複数のノズル、特に少なくとも5個又は更に少なくとも10個のノズルによって行われる。これらは個別で又は共同で作動してもよく、特に、(所定の)流体流量が供給されてもよい。好適には、ノズルは、時間の関数として作動する。更に好適には、ノズルは、例えば少なくとも1つの第1部分領域と少なくとも1つの第2部分領域との間といった部品内の部分領域間に、意図的に1つ以上の温度差が設定されるように(個別で又は共同で)作動する。また、ノズルは、温度制御部を離れた直後に部品に作用しうる温度制御部内の環境影響条件を補償できるように(個別で又は共同で)作動してもよい。こうした、このような補償は、特に予防という意味での補償として理解されるが、例えば、部品内の縁部の近くの位置の領域、特に、少なくとも1つの第1部分領域内で部品縁部の近くの位置の領域が、部品内の該縁部から離れた位置の領域、特に、部品の少なくとも1つの第1部分領域内で該部品縁部から離れた位置の領域よりも冷却されないように行われる。このような冷却は、温度制御部を離れた直後に特に周辺領域との熱交換において生じ得る、上記縁部領域における急速部品冷却を考慮又は更には(実質的な)補償をするように行われる。
【0018】
更に好適には、部品における少なくとも1つの第2部分領域内への熱エネルギーの入力は、部品における少なくとも1つの第1部分領域の冷却と同時に又は少なくとも部分的に同時に、温度制御部内で行われる。好適には、部品における少なくとも1つの第2部分領域には、温度制御部内で熱放射(のみ)が行われ、この熱放射は、例えば、加熱ループや電熱線といった、特に温度制御部内に設置された(部品と接触しない)少なくとも1つの電動又は電気で加熱される加熱要素、及び/又は、特に温度制御部内に設置された少なくとも1つの(ガス加熱式)放射管によって生成及び/又は照射される放射熱(のみ)によるものである。
【0019】
好適には、部品における少なくとも1つの第2部分領域内への熱エネルギーの入力は、部品が温度制御部内に滞在している状態で、少なくとも1つの第2部分領域の温度の低下及び/又は少なくとも1つの第2部分領域の冷却速度について、これが少なくとも軽減されるように、温度制御部内で行われる。このプロセス制御は、工程a)において部品をAc3温度より高い温度まで加熱した場合に、特に有利である。或いは、温度制御部内での、部品における少なくとも1つの第2部分領域への熱エネルギーの入力は、部品における少なくとも1つの第2部分領域が、特に少なくとも約50K(大幅に)加熱されるように行われてもよい。このプロセス制御は、工程a)において部品をAc3温度より低い温度まで、又はAc1温度より低い温度にまで加熱した場合に、特に有利である。
【0020】
工程d)では、部品を温度制御部から第2炉内へと移動させる。このために、例えば少なくともローラテーブル及び/又は(工業)ロボットを備えた搬送ユニットが設けられてもよい。好適には、部品は、温度制御部から第2炉まで少なくとも0.5mの距離を移動する。部品は、周辺領域と接触しながら、又は保護環境内で、案内されてもよい。好適には、部品は、温度制御部から取り除かれた直後に第2炉内へとそのまま搬送される。
【0021】
工程e)では、第2炉内で、少なくとも、部品における少なくとも1つの第1部分領域を少なくとも200K加熱する。言い換えれば、更なる加熱プロセスが第2炉内で行われ、少なくとも、前もって(能動的に)冷却された少なくとも1つの第1部分領域が、少なくとも200K加熱される。好適には、部品における少なくとも1つの第1部分領域は、例えば、加熱ループや電熱線といった(部品と接触しない)少なくとも1つの電動加熱要素、及び/又は少なくとも1つの(ガス加熱式)放射管による放射熱(のみ)によって、第2炉内で加熱される。更に好適には、工程e)では、部品における少なくとも1つの第2部分領域が、少なくとも1つの第1部分領域の加熱と、特に同時に又は少なくとも部分的に同時に、特に放射熱(のみ)によって、少なくとも50K、特に好適には少なくとも70K、又は更に好適には少なくとも100K加熱される。特に好適には、工程e)では、部品における少なくとも1つの第2部分領域は、Ac1温度より高い温度まで、又はAc3より高い温度にまで加熱される。或いは、工程e)では、部品が第2炉内に滞在している状態で、少なくとも1つの第1部分領域の加熱と、特に同時に又は少なくとも部分的に同時に、少なくとも1つの第2部分領域の温度低下の抑制及び/又は少なくとも1つの第2部分領域の冷却速度低下が少なくとも行われる。
【0022】
言い換えれば、工程e)では、特に放射熱による、熱エネルギーの部品全体内への入力が行われてもよい。例えば、第2炉は(このために)、特に放射熱(のみ)によって加熱されて、好適には実質的に均等な内部温度が実現される炉内部を備えてもよい。好適には、第2炉内での、部品における少なくとも1つの第2部分領域内への熱エネルギーの入力は、少なくとも1つの第1部分領域の温度が少なくとも100K、好適には少なくとも120K、特に好適には少なくとも150K、又は更に好適には少なくとも200K上昇するように行われる。
【0023】
好適には、第2炉内での、部品における少なくとも1つの第2部分領域内への熱エネルギーの入力は、部品が第2炉内に滞在している状態で、少なくとも1つの第2部分領域の温度の低下及び/又は少なくとも1つの第2部分領域の冷却速度について、これが少なくとも軽減されるように行うことができる。このプロセス制御は、工程a)において部品をAc3温度より高い温度まで加熱した場合に、特に有利である。或いは、第2炉内での、部品における少なくとも1つの第2部分領域内への熱エネルギーの入力は、少なくとも、部品における少なくとも1つの第2部分領域が、特に少なくとも50K、特に好適には少なくとも70K、又は更に好適には少なくとも100K(大幅に)加熱され、且つ/又は、Ac1温度より高い温度まで又はAc3温度より高い温度にまで加熱されるように行われてもよい。このプロセス制御は、工程a)において部品をAc3温度より低い温度まで又はAc1温度より低い温度にまで加熱した場合に、特に有利である。
【0024】
有利な実施形態によれば、少なくとも以下の工程を更に含む方法が提案されている。
f)部品を第2炉からプレスハードニングツール内へと移動させることと、
g)プレスハードニングツール内で、部品を成形し冷却すること。
【0025】
好適には、工程f)での移動は、例えば少なくともローラテーブル及び/又は(工業)ロボットを備えた搬送ユニットによって行われる。好適には、部品は、第2炉からプレスハードニングツールまで少なくとも0.5mの距離を移動する。部品は、周辺領域と接触しながら、又は保護環境内で、案内されてもよい。好適には、部品は、第2炉から取り除かれた直後にプレスハードニングツール内へとそのまま搬送される。
【0026】
有利な実施形態によれば、工程a)において、部品をAc3温度より低い温度まで又はAc1温度より低い温度にまで加熱することが提案されている。Ac1温度は、金属部品、特に鋼部品が加熱されると、フェライトからオーステナイトへの変化が始まる温度である。
【0027】
有利な(別の)実施形態によれば、工程a)において、部品をAc3温度より高い温度まで加熱することが提案されている。Ac3温度は、金属部品、特に鋼部品が加熱されると、フェライトからオーステナイトへの変化が終了するか又は(全体的に)完了している温度である。
【0028】
有利な実施形態によれば、工程c)において、少なくとも1つの第1部分領域を、対流によってAc1温度より低い温度まで冷却することが提案されている。好適には、少なくとも1つの第1部分領域は、工程c)において、特に対流によって、550℃〔セルシウス度〕(823.15K)より低い温度、特に好適には500℃(773.15K)より低い温度、又は450℃(723.15K)より低い温度にまで冷却される。
【0029】
更なる態様によれば、金属部品を熱処理する方法が開示され、少なくとも以下の工程を含む。
a)部品を、特に第1炉内で、放射熱及び/又は対流によって、少なくとも500K、特に少なくとも600K、又は更に少なくとも800K加熱する工程と、
b)部品における少なくとも1つの第1部分領域を、特に第1炉の下流に位置する温度制御部内で、(部分的に且つ/又は対流によって)冷却して、部品における少なくとも1つの第1部分領域と少なくとも1つの第2部分領域との間に、少なくとも100K、好適には少なくとも150K、又は更に好適には少なくとも200Kの温度差を設定する工程と、
c)少なくとも、部品における少なくとも1つの第1部分領域を、特に温度制御部の下流に位置する第2炉内で、放射熱及び/又は対流によって、少なくとも100K、好適には少なくとも150K、又は更に好適には少なくとも200K加熱する工程。
【0030】
上記の方法工程a)、b)、及びc)の順序は、この方法の通常のプロセスに基づく。この個別又は複数の方法工程は同時に実施されてもよいし、連続的及び/又は少なくとも部分的に同時に実施されてもよい。好適には、この方法は、本明細書に開示する装置を使用して実施される。
【0031】
好適には、部品における少なくとも1つの第1部分領域は、工程c)又は第2炉内で、350K以下、特に好適には300K以下、又は更に好適には250K以下だけ加熱される。好適には、工程c)又は第2炉内での加熱は、部品の少なくとも1つの第1部分領域のみが、工程c)又は第2炉内で、少なくとも100K、好適には少なくとも150K、又は更に好適には少なくとも200K加熱される。特に好適には、部品の少なくとも1つの第2部分領域は、工程c)又は第2炉内で、200K未満、好適には150K未満、又は更に好適には100K未満加熱される。
【0032】
有利な実施形態によれば、工程d)において、部品を同時に成形し冷却することが提案されている。好適には、部品は、工程d)においてプレスハードニングされる。
【0033】
初めに開示されている方法と関連して説明される詳細、特徴及び有利な実施形態は、本明細書に開示する方法と共に存在してもよいし、その逆もありうる。これについて、特徴を更に特徴付けるように提供される解説全てが、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0034】
更なる態様によれば、金属部品の熱処理を行うための方法が開示され、少なくとも以下を備える。
‐特に放射熱及び/又は対流によって加熱可能な第1炉と、
‐第1炉の下流に位置する温度制御部であって、部品における少なくとも1つの第1部分領域を冷却する流体を噴射するように設けられて部品の少なくとも1つの第1部分領域と少なくとも1つの第2部分領域との間に温度差を設定できるように構成された少なくとも1つのノズルが設置される温度制御部と、
‐温度制御部の下流に位置付けられ、特に放射熱及び/又は対流によって、少なくとも、部品の少なくとも1つの第1部分領域を少なくとも100K、好適には少なくとも150K、又は更に好適には少なくとも200K加熱するように設けられ且つ構成された、加熱可能な第2炉。
【0035】
好適には、この装置は、本明細書に開示する方法を実施するのに用いられる。好適には、本明細書に開示する方法を実施するのに適しており且つそのために構成された電子制御ユニットが、装置に割り当てられる。特に好適には、この制御ユニットは、少なくとも1つのプログラム制御マイクロプロセッサと、このための電子メモリとを備え、メモリには、本明細書に開示する方法を実施するように設けられ且つ構成された制御プログラムが記憶されている。
【0036】
更に有利な実施形態によれば、少なくとも第1炉又は第2炉が連続炉又はバッチ炉であることが提案されている。好適には、第1炉は連続炉であり、特にローラハース炉である。特に好適には、第2炉は連続炉であり、特にローラハース炉又はバッチ炉であり、特に、一方の上に他方が設置された少なくとも2つのチャンバを備えた多層バッチ炉である。
【0037】
好適には、第2炉は、特に放射熱(のみ)によって加熱可能で、好適には実質的に均等な内部温度を設定できる、炉内部を含む。特に、第2炉が多層バッチ炉として設計されている場合、こうした炉内部が、チャンバの数に対応して複数存在してもよい。
【0038】
好適には、第1炉及び/又は第2炉内に、放射熱源(のみ)が設置される。これは、少なくとも1つの電動加熱ループ及び/又は少なくとも1つの電動電熱線といった、(部品と接触しない)少なくとも1つの電動加熱要素を、第1炉の炉内部及び/又は第2炉の炉内部に設置する場合に特に好ましい。代わりに又は追加で、少なくとも1つの、特にガス加熱式の放射管を、第1炉の炉内部及び/又は第2炉の炉内部に設置してもよい。好適には、複数の放射管ガスバーナー、又は少なくとも1つのガスバーナーがそれぞれの内部で燃焼する放射管を、第1炉の炉内部及び/又は第2炉の炉内部に設置する。ガスバーナーが内部で燃焼する放射管の内部領域は、炉内部に燃焼ガスや排ガスが到達して炉内雰囲気に影響を及ぼすことのないように、大気によって炉内部から分離される場合に、特に有利である。こうしたシステムは「間接ガス加熱」とも呼ばれる。
【0039】
流体を噴射するように設けられ且つ構成された少なくとも1つのノズルは、温度制御部内に設置又は保持される。特に好適には、少なくとも1つのノズルは、部品における少なくとも1つの第1部分領域に向かって流体を噴射することが可能なように配向される。より好適には、各ノズルが流体を噴射するように設けられ且つ構成された複数のノズルを備えたノズル列を、温度制御部内に設置する。特に好適には、ノズル列の形状及び/又は複数のノズルの配置は、部品における少なくとも1つの第1部分領域の(所望の)形状に適合する。
【0040】
好適には、少なくとも1つの加熱ユニットが温度制御部内に設置される。好適には、加熱ユニットは、部品における少なくとも1つの第2部分領域内へと熱エネルギーを入力するように設けられ且つ構成される。特に好適には、加熱ユニットは、部品における少なくとも1つの第2部分領域内への熱エネルギーの入力が、少なくとも1つのノズルによる、部品における少なくとも1つの第1部分領域の冷却と同時又は少なくとも部分的に同時に実施できるように、温度制御部内に設置及び/又は配向される。好適には、加熱ユニットは少なくとも1つの放射熱源(のみ)を備える。特に好適には、少なくとも1つの放射熱源は、少なくとも1つの電動加熱ループ及び/又は少なくとも1つの電動電熱線といった、(部品と接触しない)少なくとも1つの電動加熱要素を考慮して設計される。代わりに又は追加で、少なくとも1つのガス加熱式の放射管を放射熱源として提供してもよい。
【0041】
また、装置は、第2炉の下流に位置するプレスハードニングツールを備えてもよい。プレスハードニングツールは、特に、部品の成型及び(少なくとも部分的な)急冷を同時又は少なくとも部分的に同時に行うように設けられ且つ構成される。
【0042】
方法と関連して説明される詳細、特徴及び有利な実施形態は、本明細書に開示する方法と共に存在してもよいし、その逆もありうる。これについて、特徴を更に特徴付けるように提供される解説全てが、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0043】
更なる態様によれば、放射熱によって、金属部品の少なくとも部分領域を少なくとも100K、好適には少なくとも150K、又は更に好適には少なくとも200K加熱する炉の使用において、こうして加熱される部品が、異なる温度に制御された少なくとも2つの部分領域をあらかじめ備えることが開示されている。
【0044】
方法及び/又は装置と関連して上記に説明される詳細、特徴及び有利な実施形態は、本明細書に開示する使用と共に存在してもよいし、その逆もありうる。これについて、特徴を更に特徴付けるように提供される解説全てが、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0045】
以下、本発明及び技術的な実施形態を、図面に基づいてより詳細に説明する。なお、本発明は、ここに示す実施例によって限定されるべきではない。具体的には、特に明記されていない限り、図面に記された主題の一部の態様を抽出して、これらを他の構成要素及び/又は他の図面や本明細書からの知見と組み合わせることも可能である。概略的な図面には以下を含む。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本発明に係る装置の図を示す。
図2】本発明に係る装置内で使用可能な温度制御部の詳細図を示す。
図3】本発明に係る装置及び/又は本発明に係る方法によって実現可能な時間‐温度曲線を示す。
図4】本発明に係る更なる装置及び/又は本発明に係る方法によって実現可能な時間‐温度曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
(実施例1)
図1は、本発明に係る、金属部品1を熱処理するための、第1炉2と、温度制御部3と、第2炉6と、プレスハードニングツール7とを備える装置8を概略的に示す。本明細書では、装置8はプレスハードニング用の加熱成形ラインを表す。温度制御部3は第1炉6の(すぐ)下流に位置付けられ、装置8によって処理される部品1を第1炉6を離れた直後に温度制御部3内へとそのまま移動できるようになっている。また、温度制御部3の第2炉6及びプレスハードニングツール7は第2炉6の(すぐ)下流に位置付けられている。
【0048】
図2は、例えば図1に示すような本発明に係る装置8内で使用できる温度制御部3の詳細図を、概略的に示す。温度制御部3内には、部品1における第1部分領域4を冷却するための流体10を噴射するように設けられ且つ構成されたノズル9が設置される。また、温度制御部3内には、部品1の第2部分領域5内へと熱エネルギーを入力するように設けられ且つ構成された加熱ユニット11が設置される。このために、加熱ユニット11は、例えば電気で作動する電熱線として設計される。
【0049】
図3は、本発明に係る装置8及び/又は本発明に係る方法によって実現可能な時間‐温度曲線を概略的に示す。金属部品の温度T又は部品における少なくとも1つの第1部分領域及び少なくとも1つの第2部分領域の温度Tが、時間tに対応して表される。
【0050】
図3に示す時間‐温度曲線によれば、金属部品1は、まず、時点tまで、Ac1温度より低い温度まで均一に加熱される。本明細書では、この加熱は、例として、第1炉2内で行われる。時点tとtとの間、金属部品は第1炉から温度制御部内へと移動する。このプロセスの間、部品の温度は、例えば周辺領域への熱放出によって僅かに低下する。
【0051】
時点tとtとの間、部品における少なくとも1つの第1部分領域が、温度制御部内で(能動的に)冷却される。これは、図3において、時点tとtとの間の最低時間‐温度曲線に基づいて示される。同時に、部品における少なくとも1つの第2部分領域が、温度制御部内で(僅かに)加熱される。これは、図3において、時点tとtとの間の最高時間‐温度曲線に基づいて示される。これにより、温度制御部内では、部品における少なくとも1つの第1部分領域と少なくとも1つの第2部分領域との間に温度差12が設定される。
【0052】
時点tとtとの間、部品は、温度制御部から、第1炉とは別の第2炉内へと移動する。温度制御部内で設定された部分的に異なる温度は、このプロセスの間、例えば周辺領域への熱放出によって僅かに低下する。
【0053】
時点tから時点tの間、部品は、部品における少なくとも1つの第1部分領域の温度が少なくとも150K上昇するように、第2炉内で加熱される。また、同時に、部品における少なくとも1つの第2部分領域の温度がAc3温度より高い温度になるように、第2炉内での加熱が行われる。
【0054】
時点tから時点tの間、部品は、第2炉からプレスハードニングツール内へと移動する。第2炉内で設定された部分的に異なる温度は、このプロセスの間、例えば周辺領域への熱放出によって僅かに低下する。
【0055】
時点tからプロセスが終了するまで、部品(全体)はプレスハードニングツール内で急冷される。部品における少なくとも1つの第2部分領域内には、比較的高強度で比較的低延性のマルテンサイト微細組織の少なくとも一部、又は大部分をも作り出すことが可能である。部品における少なくとも1つの第1部分領域は、プロセスの間どの時点においてもAc1温度を超えることがないことから、部品における少なくとも1つの第1部分領域では基本的に変化が生じないため、部品における少なくとも1つの第1部分領域内には、比較的低強度で比較的高延性の、大部分がフェライト系の微細組織が残る。
【0056】
図4は、本発明に係る装置及び/又は本発明に係る方法によって実現可能な更なる時間‐温度曲線を概略的に示す。初めに、金属部品は、時点tまで、Ac3温度より高い温度まで均一に加熱される。
【0057】
本明細書では、この加熱は、例として、第1炉内で行われる。時点tとtとの間、金属部品は第1炉から温度制御部内へと移動する。このプロセスの間、部品の温度は僅かに低下してもよい。
【0058】
時点tとtとの間、部品における少なくとも1つの第1部分領域が、温度制御部内で(能動的に)冷却される。これは、図4において、時点tとtとの間の最低時間‐温度曲線に基づいて示される。同時に、部品における少なくとも1つの第2部分領域の温度が、温度制御部内で僅かに低下してもよい。これは、図4において、時点tとtとの間の最高時間‐温度曲線に基づいて示される。この、部品における少なくとも1つの第2部分領域内での(受動的な)温度低下の冷却速度は、部品における少なくとも1つの第1部分領域で同時に生じる(能動的な)冷却よりも大幅に遅い。これは、図4において、温度制御部内で、部品における少なくとも1つの第1部分領域と少なくとも1つの第2部分領域との間に温度差12が設定されていることから明らかである。
【0059】
時点tとtとの間、部品は、温度制御部から、第1炉とは別の第2炉内へと移動する。温度制御部内で設定された部分的に異なる温度は、このプロセスの間、僅かに低下してもよい。
【0060】
時点tから時点tの間、部品は、部品における少なくとも1つの第1部分領域の温度が少なくとも150K上昇するように、第2炉内で加熱される。また、同時に、部品における少なくとも1つの第2部分領域の冷却速度が、周辺領域への熱放出での冷却速度よりも遅くなるように、第2炉内での加熱が行われる。
【0061】
時点tから時点tの間、部品は、第2炉からプレスハードニングツール内へと移動する。第2炉内で設定された部分的に異なる温度は、このプロセスの間、例えば周辺領域への熱放出によって僅かに低下する。
【0062】
時点tからプロセスが終了するまで、部品(全体)はプレスハードニングツール内で急冷される。部品における少なくとも1つの第2部分領域内には、比較的高強度で比較的低延性のマルテンサイト微細組織の少なくとも一部、又は大部分をも作り出すことが可能である。部品における少なくとも1つの第1部分領域内には、比較的低強度で比較的高延性のベイナイト微細組織の少なくとも一部、又は大部分をも作り出すことが可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 部品
2 第1炉
3 温度制御部
4 第1部分領域
5 第2部分領域
6 第2炉
7 プレスハードニングツール
8 装置
9 ノズル
10 流体
11 加熱部
12 温度差
図1
図2
図3
図4