(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-26
(45)【発行日】2022-08-03
(54)【発明の名称】効率が向上した動力発生方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
F02C 3/30 20060101AFI20220727BHJP
F02C 3/34 20060101ALI20220727BHJP
F02C 7/141 20060101ALI20220727BHJP
F23R 3/00 20060101ALI20220727BHJP
【FI】
F02C3/30 D
F02C3/34
F02C7/141
F23R3/00 B
(21)【出願番号】P 2019168958
(22)【出願日】2019-09-18
(62)【分割の表示】P 2017501322の分割
【原出願日】2015-07-07
【審査請求日】2019-09-18
【審判番号】
【審判請求日】2021-06-02
(32)【優先日】2014-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】312000387
【氏名又は名称】8 リバーズ キャピタル,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】アラム,ロドニー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】フォレスト,ブロック アラン
(72)【発明者】
【氏名】フェトベッド,ジェレミー エロン
【合議体】
【審判長】佐々木 正章
【審判官】山本 信平
【審判官】鈴木 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-337107(JP,A)
【文献】特開2000-337109(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02C3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
再循環ガス流を加熱するための方法であって、前記方法は、
加熱された排気ガス流を回収熱交換器に通し、そこから熱を回収して冷却されたガス流を形成することと、
前記冷却されたガス流を少なくとも第1の画分および第2の画分に分離することと、
前記冷却されたガス流の第1の画分を圧縮し、圧縮された第1の画分ガス流を形成することと、
前記ガス流の第2の画分を圧縮し、それにより前記ガス流の第2の画分に熱を添加して圧縮された第2の画分ガス流を形成することと、
前記圧縮された第1の画分ガス流および前記圧縮された第2の画分ガス流をまとめ、まとめられた再循環ガス流を形成することと、
前記まとめられた再循環ガス流を、前記圧縮された第1の画分ガス流の圧力よりも大きく、かつ前記圧縮された第2の画分ガス流の圧力よりも大きい圧力までポンプで加圧することと、
を含み、
前記まとめられた再循環ガス流は、前記加熱された排気ガス流から回収された熱、および前記ガス流の第2の画分に添加された熱を用いて加熱される、方法。
【請求項2】
前記圧縮された第2の画分ガス流が100℃乃至400℃の温度にあるように、前記ガス流の第2の画分に熱が添加される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記まとめられた再循環ガス流は、100バール(10MPa)乃至500バール(50MPa)の圧力までポンプで加圧される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ガス流の第2の画分を圧縮することは、中間冷却のない多段圧縮を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ガス流の第2の画分に添加された熱を回収することと、
前記ポンプで加圧することの後に前記まとめられた再循環ガス流に前記熱を提供することと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記回収熱交換器は、直列の少なくとも2つの熱交換器または少なくとも2つの熱交換部分を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ポンプで加圧することの後に前記まとめられた再循環ガス流に熱を添加することであって、その添加された熱は、空気分離ユニットおよびガスタービンの一方または両方から得られること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、前記まとめられた再循環ガス流を、前記加熱された排気ガス流から回収された熱、および前記ガス流の第2の画分に添加された熱を用いて加熱した後に、前記まとめられた再循環ガス流を、酸素を用いて燃料を燃焼させる燃焼器まで送って燃焼生成物流を形成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
動力を発生させる方法であって、前記方法は、
圧縮されたCO
2含有流をタービンに通して前記CO
2含有流を膨張させ、動力を発生させ、かつタービン排気流を形成することと、
前記タービン排気流から熱を回収することと、
前記タービン排気流を分割し、第1のタービン排気部分および第2のタービン排気部分を形成することと、
前記第1のタービン排気部分を圧縮し、主再循環CO
2流を形成することと、
前記第2のタービン排気部分を圧縮し、そこに熱を添加して副再循環CO
2流を形成することと、
前記主再循環CO
2流および前記副再循環CO
2流をまとめ、まとめられた再循環CO
2流を形成することと、
前記まとめられた再循環CO
2流を圧縮することと、
を含み、
前記まとめられた再循環CO
2流は、前記タービン排気流から回収された熱、および前記第2のタービン排気部分に添加された熱を用いて加熱される、方法。
【請求項10】
前記CO
2含有流は、500℃乃至1,700℃の温度、および100バール(10MPa)乃至500バール(50MPa)の圧力を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記タービンの圧力比は5乃至12である、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記タービン排気流からの熱は、回収熱交換器内で回収される、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記副再循環CO
2流が100℃乃至400℃の温度にあるように、前記第2のタービン排気部分に熱が添加される、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記第2のタービン排気部分を圧縮することは、圧縮機段の間に中間冷却のない多段圧縮を含む、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の主題は、さらなる熱源を用いる熱交換器における再循環CO2流の少なくとも一部の追加熱により達成される、望ましい効率で動作する電気などの動力発生システムおよび方法に関する。具体的には、さらなる熱源からの熱は少なくとも部分的に、再循環CO2流の少なくとも一部の圧縮から得ることができる。
【背景技術】
【0002】
燃料の燃焼による従来の動力発生手段は典型的に、高効率な動力発生および炭素回収(例えば、隔離または他の使用のため)を同時に達成する能力を欠いている。炭素回収を伴う高効率な動力発生の分野における刊行物の1つであるAllamらの米国特許第8,596,075号は、作動流体としてCO2を用いる密閉サイクル燃焼システムにおいて望ましい効率を提供する。そのようなシステムは具体的には、高温タービン排気からの熱を用いる回収熱交換器における再循環CO2流の加熱ならびにタービン排気以外の熱源からのさらなる熱の添加の広く認められた有用性から利益を得る。そのような進歩にも関わらず、当該技術分野では今なお、CO2および他の燃料および燃焼由来不純物の回収と共に効率の向上をもたらす改良された動力発生システムおよび方法の必要性が高まっている。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、効率が向上した動力発生システムおよび方法を提供する。本システムおよび方法は、作動流体としてCO2を利用することができ、CO2および他の燃料および燃焼由来不純物を回収するように構成することができる。本改良は、高温タービン排気からの熱による再循環CO2流の伝熱加熱も利用する高圧酸素燃料燃焼システムおよび方法における再循環CO2流への低温レベルの加熱の導入に関して認められた。低温レベルの加熱は、本明細書では「追加熱」という用語で表すことができる。従って当然ながら、追加熱は高温タービン排気以外の熱源からの低温レベルの加熱である。言い換えると、追加熱は高温タービン排気から回収した熱ではない。本開示は具体的には、燃料のみからの熱の加熱能力を超える動力発生出力を提供し、従って有利な効率の向上をもたらす密閉サイクルまたは部分密閉サイクル酸素燃料燃焼システムおよび方法において追加熱を入手および伝達させる手段に関する。
【0004】
いくつかの実施形態では、本開示は、再循環CO2流の存在下および高圧下における酸素中での燃料(例えば、炭素または炭素質燃料)の燃焼、次いで動力を発生するタービンによる生成物ガスの膨張、および回収熱交換器(先に圧縮された再循環CO2流を加熱する)におけるタービン排気の冷却により達成される、望ましい効率で動作する電気などの動力発生システムおよび方法に関する。例えば少なくとも部分的に再循環CO2流の少なくとも一部の圧縮から得られる熱であってもよい追加熱を用いる熱交換器における再循環CO2流の少なくとも一部の追加熱によって、改良された動力発生効率を得ることができる。
【0005】
各種実施形態では、CO2が作動流体として利用される密閉サイクルまたは部分密閉サイクルシステムを用いて動力発生を達成することができる。そのようなシステムでは、酸化剤として実質的に純粋な酸素を用いて化石燃料(例えば、天然ガス)または化石燃料由来の燃料(例えば、石炭または他の固体炭素質燃料由来の合成ガス)を燃焼器で完全に燃焼させて、主にCO2、H2O、過剰なO2からなり、かつSO2、NOx、HgおよびHClなどの燃料または酸化剤中の酸化成分由来のある量の不純物からなる酸化流を得る。不燃性灰分を含む石炭、亜炭または石油コークスなどの固体化石燃料を単段または多段システムでの部分酸化により気体燃料に変換してもよい。そのようなシステムは、例えば部分酸化反応器を備えていてもよい。あるいは、例えば、そのようなシステムは、部分酸化反応器と、灰分および揮発性無機成分除去システムとを備えていてもよい。そのようなシステムは、動力発生システムの燃焼器における酸素を用いた燃料ガスの燃焼をさらに含む。予熱した再循環CO2流を燃焼器において燃料ガス燃焼由来の燃焼生成物と混合する。別途本明細書に記載されている条件下での動作に適したあらゆる燃焼器を使用してもよく、任意の手段により再循環CO2流を燃焼器に導入して燃焼によりさらに加熱し、かつ所望であればクエンチし、それにより出口流の温度を制御してもよい。いくつかの実施形態では、POX反応器および燃焼器の一方または両方は、単に例示のためのものであるが、反応または燃焼空間の周りにトランスピレーション冷却壁を利用してもよく、予熱した再循環CO2流はその壁を通過して壁を冷却すると共にクエンチし、それにより出口流の温度を制御してもよい。トランスピレーション流は、再循環CO2と高温の燃焼燃料ガス流との良好な混合を促進する。但し、他の種類の燃焼器を使用してもよく、本開示は、トランスピレーション冷却式燃焼器の使用に限定されない。特定の燃料の種類が上に例示されているが、当然ながら燃焼器において他の燃料(例えば、水素)を利用してもよい。同様に、追加熱の使用から生じる利点を部分的または全体的に非燃焼加熱を利用するシステムに適用してもよい。例えば、米国特許出願公開第2013/0118145号(その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているようなソーラーシステムの使用も本開示によって包含される。
【0006】
燃焼器を離れる1つにまとめられた燃焼生成物および予熱した再循環CO2は、動力発生タービンの入口に必要な温度を有する。CO2動力サイクルは、いくつかの実施形態では5~12のタービン圧力比を使用するが、他の実施形態では、複数の膨張タービンを利用する場合などに、より大きな圧力比(例えば、少なくとも20)を使用することができる。いくつかの実施形態では、約100バール(10MPa)~約500バール(50MPa)のタービン入口圧力を使用することができる。燃焼器に供給される酸素は、実質的に純粋なO2であってもCO2で希釈されたO2のいずれであってもよい。いくつかの実施形態では、O2およびCO2の混合は、燃焼反応の断熱火炎温度を制御するのに有用であり得る。非限定的な例として、1つにまとめられたO2/CO2流中のO2モル濃度は、約10%~約50%、約15%~約40%または約20%~約30%であってもよい。高温タービン排気をエコノマイザー熱交換器で冷却し、次いでこれにより高圧CO2再循環流を予熱する。
【0007】
本システムの効率的な動作は、熱交換の最適化に大きく依存している。高効率を達成するために、例えば約100℃~約400℃の温度レベルの大量の追加熱を熱交換器の低温端において高圧再循環流に添加することができる。この低温レベルの熱は、いくつかの実施形態では、深冷酸素プラントの空気圧縮機から得てもよく、この圧縮機は、全体または部分的に高圧力比断熱モードでそれらの圧力範囲で動作させることができるため、圧縮空気の温度が排出段階で約100℃~約400℃の範囲内の温度点まで上昇され、従って、圧縮空気流から加圧された再循環CO2プロセス流への熱の伝達を容易に達成することができる。例えば、エコノマイザー熱交換器において高圧CO2再循環流から回収された側流を冷却圧縮空気に接触させて、約100℃~約400℃の所要温度まで加熱することができる。そのような酸素燃料の燃焼、低レベルの熱の生成および低レベルの熱の伝達のためのシステムおよび方法については、米国特許第8,596,075号、米国特許第8,776,532号、米国特許第8,986,002号、米国特許第9,068,743号、米国特許出願公開第2010/0300063号、米国特許出願公開第2012/0067054号、米国特許出願公開第2012/0237881号および米国特許出願公開第2013/0104525号に説明されており、それらの開示内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0008】
本開示は、約100℃~約400℃の温度の熱を再循環CO2高圧流に導入するためのさらなる手段を提供し、このようにしてエコノマイザー熱交換器の有効性を高め、かつ本熱伝達手段が組み込まれた動力発生システムおよび方法の全体効率を高める。具体的には、本開示は、本動力発生システムおよび方法の全体効率を高めるために必要な追加熱として再循環CO2圧縮機からの圧縮熱の一部の使用を提供する。
【0009】
作動流体として高圧CO2を用いる動力発生サイクルの性能を最適化するための提案が以前になされた。例えば、Bryantら(「An Analysis and Comparison of the Simple and Recompression Supercritical CO2 Cycles(単純かつ再圧縮式の超臨界CO2サイクルの分析および比較」)、コロラド州ボールダーでの「supercritical CO2 power cycle workshop(超臨界CO2動力発生サイクルワークショップ)」において2011年5月に発表)(その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる)は、作動流体としてCO2を用いる回収熱交換器を使用する動力発生のためのブレイトンサイクルについて述べている。この論文は、動作パラメータに関して2つのサイクルの効率について定めており、第2のサイクルが第1の単純なサイクルよりも高い効率を与える条件を示している。
【0010】
Bryantらの第1の単純なサイクルは
図1に示されている。このサイクルでは、ほぼ断熱性の非中間冷却型圧縮機1で圧縮されたライン7内の高温CO
2を回収熱交換器4でさらに加熱する。次いで、高温CO
2はライン8を通って加熱器3に移動し、そこでは、酸素13を用いて燃料14を燃焼させてCO
2を直接加熱するか、いくつかの外部加熱手段により加熱する。次いで、さらに加熱されたCO
2はライン9を通って動力発生用タービン2に移動し、そこでは、低圧力を生成する軸仕事まで膨張される(矢印15によって図示されている)。タービン排気流10は回収熱交換器4に移動し、そこで冷却されて高圧再循環流に熱を放出する。次いで、タービン排気は予冷器5で冷却され、そこで熱はライン12から出る冷却流11に引き渡され、その後、最後にライン6内の圧縮機1に再び入る。
【0011】
Bryantの第2のサイクルは
図2に示されており、第2の圧縮段16の追加以外は
図1に示すサイクルと同じである。第2の圧縮段16では、予冷器5の前の回収熱交換器4aの出口において、低圧戻り回路を離れる低圧タービン排気流17の一部は圧縮機16においてその高温条件下で圧縮され、ライン18を通って離れる。この流れは、その対応する温度の4aを離れる主高圧再循環流と混合された後、回収熱交換器4bに入り、熱交換器部分4bにおいて高温タービン排気流10と接触して加熱される。さらなる圧縮の効果は、主CO
2圧縮機の入口温度よりも高い高温のCO
2流をその入口流として回収する第2の圧縮機からの大量の熱を回収熱交換器に注入することである。
【0012】
Bryantらの教示は、熱投入が回収熱交換器4aの第1段を迂回するという欠点を明らかにしている。熱交換器4aにおいて冷却される低圧タービン排気流と比較して熱交換器4aにおいて加熱される高圧CO2流のより大きな比熱は、熱交換器4aにおける高圧流への熱の伝達を最大化して小さい温度差を達成しなければならないことを意味している。加熱および圧縮されたCO2流が熱交換器4aを迂回してしまうため、これは達成されない。最大効率のために必要なことは、圧縮されたCO2が熱交換器において冷却され、かつ高圧CO2流への利用可能な熱の伝達が増加する高温ガス圧縮システムを設けることである。本開示は一つとして、この欠点を克服するための手段に関する。
【0013】
図1および
図2に示すBryantらのサイクルは、高温CO
2圧縮のための公知の先行技術を表しているが、それらは、高い排出温度を与える中間冷却器を有しない主CO
2圧縮機を使用する単純なブレイトンサイクル構成での使用にのみ適している。また、これにより回収熱交換器4aを離れる冷却タービン排気流も高温になるため、予冷熱交換器に引き渡される熱も高温である。従って、最適な主圧縮機入口圧力がCO
2の臨界圧に近い状態で2~4の範囲であることが分かっているこの高温圧縮サイクルにおける低い圧力比においてのみ最適効率が達成されることは明らかである。当該システムでは、圧力比が高いために過剰な熱損失が生じる。
図1および
図2に示すBryantらのサイクルは、圧縮機入口ライン6における液体水分離およびその後の周囲冷却手段に接触させる熱交換器5での冷却の存在などのシステムの詳細の説明も欠いている。
【0014】
図2に示すBryantらのサイクルは、いくつかのさらなる限界を有する。例えば、再圧縮式の主圧縮機は段の間に中間冷却器のない動作において本質的に断熱性であるため、Bryantらのサイクル効率は、圧力比が大きくなるにつれて著しく低下する。Bryantらによって報告されている研究から、750℃のタービン入口温度にとって最適な圧力比は、100バールのタービン入口圧力では2.2であり、250バールのタービン入口圧力では3.3であることが分かる。低い圧力比は、所与の動力出力のために当該システムにおいて非常に多いCO
2流量を必要とし、これは資本コストの上昇に繋がる。一方、本開示は、高効率および低資本コストで得られる高い圧力比および高いタービン入口圧力を有するサイクルを提供する。
【0015】
本開示に係る有用なシステムおよび方法は、約5~約30などの約5以上の圧力比を利用することができる。いくつかの実施形態では、圧力比は約5~約12の範囲であると好ましい。本システムおよび方法は、中間冷却される主CO2再循環圧縮システムを利用することもできる。高い圧力比は、7.38MPaのCO2臨界圧を超えるタービン入口圧力およびこの圧力よりも低いタービン出口圧力に有利である。これらのより高い圧力比により、正味電力出力1kW当たりの著しくより低いCO2循環率において天然ガス燃料システムの50%~60%という高効率が得られる。本開示に係る有用なシステムおよび方法は、好ましくは、例えば100℃超、特に約100℃~約400℃または約100℃~約300℃の範囲の温度レベルの非常に大きな投入量の追加熱も利用する。本開示のシステムおよび方法は、この追加熱として主再循環CO2圧縮機からの圧縮熱の一部を利用するという点で特に有利である。
【0016】
いくつかの実施形態では、本開示は動力発生方法を提供する。例えば、本方法は、圧縮および加熱された再循環CO2流を燃焼器に送る工程、燃焼器において再循環CO2流の存在下で酸素を用いて燃料を燃焼させてCO2含有流を生成する工程、CO2含有流をタービンに通してCO2含有流を膨張させ、動力を発生させ、かつCO2を含むタービン排気流を形成する工程、CO2を含むタービン排気流から熱を回収する工程、冷却されたタービン排気流を分割して第1のタービン排気部分および第2のタービン排気部分を形成する工程、第1のタービン排気部分から水を分離して主再循環CO2流を形成する工程、主再循環CO2流を圧縮する工程、第2のタービン排気部分を圧縮機段の間で中間冷却なしで断熱的に圧縮して加熱および圧縮された第2のタービン排気部分を形成する工程、加熱および圧縮された第2のタービン排気部分から熱を回収する工程、冷却および圧縮された第2のタービン排気部分から水を分離して副再循環CO2流を形成する工程、主再循環CO2流と副再循環CO2流を1つにまとめて総再循環CO2流を形成する工程、総再循環CO2流を冷却して高密度CO2流を形成する工程、第2の圧縮段において流体ポンプを用いて総再循環CO2流を圧縮する工程、タービン排気流から回収した熱を用いて総再循環CO2流を加熱する工程、および加熱および圧縮された第2のタービン排気部分から回収した熱を用いて総再循環CO2流をさらに加熱して圧縮および加熱された再循環CO2流を形成する工程の各種組み合わせ含むことができる。いくつかの実施形態では、副再循環CO2流からの熱の回収後に2つの圧縮されたCO2流を1つにまとめることができ、次いで、1つにまとめられた流れを冷却し、その後に液体水を分離することができる。いくつかの実施形態では、第2のタービン排気流を1つ以上の段の間で熱を伝達させながら多段圧縮してもよい。例えば、第2のタービン排気流は、非冷却圧縮段(x)および中間冷却圧縮段(y)(ここで、xおよびyは独立して1以上、2以上または3以上の整数(例えば、1~5または2~4)であってもよい)を含む多段圧縮に供してもよい。いくつかの実施形態では、第2のタービン排気流をx回の非冷却圧縮段において中間値まで加圧(および加熱)してもよく、加圧ガスを利用して回収熱交換器に圧縮熱を供給して冷却することができ、冷却されたガスを脱水することができ、このガスを第1のタービン排気流と合流させる前に、送り戻して残りのy回の中間冷却圧縮段に供することができる。
【0017】
さらなる実施形態では、本開示は動力発生システムを提供する。例えば、本システムは、燃焼器、動力発生タービン、1つ以上の熱交換器、1つ以上の熱交換器を通る第1の冷却流路、1つ以上の熱交換器を通る加熱流路、1つ以上の熱交換器を通る第1の冷却流路と連通する流れ分離器、流れ分離器と連通する第1の圧縮機、1つ以上の熱交換器を通る第2の冷却流路、圧縮機と連通する第2の冷却流路、1つ以上の水分離器、第2の圧縮機およびポンプを備えることができる。具体的には、1つ以上の熱交換器を通る加熱流路は、ポンプの下流であって燃焼器の上流にあり、1つ以上の熱交換器を通る加熱流路は、第1の冷却流路および第2の冷却流路が1つ以上の熱交換器を通る状態で加熱構成にある。いくつかの実施形態では、第1の冷却流路および第2の冷却流路は、別個かつ独立した水分離構成要素および/またはポンプ構成要素により画定することができる。2つ以上の熱交換器が使用されている場合、熱交換器は直列であってもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、本開示は、再循環ガス流を加熱する方法に関するものであってもよい。一例として、そのような方法は、ガス流がT1よりも低い温度T2に冷却されるように圧力P1および温度T1のガス流Gを回収熱交換器に通す工程、ガス流Gを第1の画分G1および第2の画分G2に分離する工程、ガス流画分G1をP1よりも大きい圧力P2まで圧縮する工程、ガス流画分G2をP1よりも大きい圧力P3まで圧縮してガス流画分G2をT2よりも高い温度T3に加熱する工程、圧縮されたガス流画分G2から熱を回収する工程、ガス流画分G1およびガス流画分G2を1つにまとめて1つにまとめられた再循環ガス流GCを形成する工程、再循環ガス流GCをP2よりも大きく、かつP3よりも大きい圧力P4までポンプで加圧する工程、および冷却ガス流Gによりガス流GCが加熱されるように再循環ガス流GCを回収熱交換器に通す工程を含むことができ、ここでは、圧縮されたガス流画分G2から回収した熱を圧力P4までポンプで加圧した後に再循環ガス流GCに添加する。さらなる実施形態では、再循環ガス流の加熱方法は、以下の記載のいずれか1つ以上をそれらの任意の組み合わせで含んでもよい。
【0019】
温度T3は約100℃~約400℃であってもよい。
【0020】
ガス流画分G1の圧力P2およびガス流画分G2の圧力P3はそれぞれ別々に約40バール(4MPa)~約100バール(10MPa)であってもよい。
【0021】
再循環ガス流GCの圧力P4は、約100バール(10MPa)~約500バール(50MPa)であってもよい。
【0022】
ガス流Gの総質量に基づくガス画分G1:ガス画分G2の質量比は、約50:50~約99:1であってもよく、約50:50~約90:10であってもよく、約50:50~約70:30であってもよく、あるいは約70:30~約90:10であってもよい。
【0023】
回収熱交換器を通り、かつ圧縮されたガス画分G2から熱を受け取った後の再循環ガス流GCはT1の50℃以内である温度T4を有していてもよい。
【0024】
ガス流画分G2を中間冷却のない多段圧縮により圧縮することができる。
【0025】
ガス流画分G2から熱を回収した後、ガス流画分G2をガス流画分G1と1つにまとめる前にさらに圧縮することができる。
【0026】
回収熱交換器は、3つの熱交換器または3つの熱交換部分を直列に含んでいてもよい。そのような実施形態では、R1>R2>R3の温度関係で、温度範囲R1で動作する第1の熱交換器または熱交換部分、温度範囲R2で動作する第2の熱交換器または熱交換部分、および温度範囲R3で動作する第3の熱交換器または熱交換部分において熱を伝達させることができる。
【0027】
ガス流Gを、第1の熱交換器または熱交換部分と第2の熱交換器または熱交換部分との間で分離することができる。
【0028】
ガス流Gを、第2の熱交換器または熱交換部分と第3の熱交換器または熱交換部分との間で分離することができる。
【0029】
圧縮されたガス流画分G2から回収した熱を、第3の熱交換器または熱交換部分および第2の熱交換器または熱交換部分のうちの一方または両方において再循環ガス流GCに添加することができる。
【0030】
本方法は、圧力P4までポンプで加圧した後に再循環ガス流GCに熱を添加する工程をさらに含むことができる。そのような実施形態では、添加される熱は、空気分離ユニットおよびガスタービンの一方または両方から得ることができる。
【0031】
本方法は、加熱された再循環ガス流GCを回収熱交換器から酸素を用いて燃料を燃焼させる燃焼器まで送って燃焼生成物流を形成する工程をさらに含むことができる。
【0032】
ガス流Gはタービン排気流であってもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、本開示はさらに動力発生方法に関するものであってもよい。一例として、本方法は、燃焼器において再循環CO2流の存在下で酸素を用いて燃料を燃焼させてCO2含有燃焼流を生成する工程、CO2含有燃焼流をタービンに通してCO2含有燃焼流を膨張させ、動力を発生させ、かつタービン排気流を形成する工程、タービン排気流から熱を回収する工程、タービン排気流を分割して第1のタービン排気部分および第2のタービン排気部分を形成する工程、第1のタービン排気部分から水を分離して主再循環CO2流を形成する工程、主再循環CO2流を圧縮する工程、第2のタービン排気部分を圧縮して加熱および圧縮された第2のタービン排気部分を形成する工程、加熱および圧縮された第2のタービン排気部分から熱を回収する工程、冷却および圧縮された第2のタービン排気部分から水を分離して副再循環CO2流を形成する工程、主再循環CO2流と副再循環CO2流とを1つにまとめて1つにまとめられた再循環CO2流を形成する工程、1つにまとめられた再循環CO2流を圧縮する工程、1つにまとめられた再循環CO2流をタービン排気流から回収した熱を用いて加熱する工程、および1つにまとめられた再循環CO2流を加熱および圧縮された第2のタービン排気部分から回収した熱を用いてさらに加熱する工程を含むことができる。さらなる実施形態では、本方法は、以下の記載のうちの1つ以上を任意の組み合わせで含んでもよい。
【0034】
CO2含有燃焼流は、約500℃~約1,700℃の温度および約100バール(10MPa)~約500バール(50MPa)の圧力を有していてもよい。
【0035】
タービンの圧力比は約5~約12であってもよい。
【0036】
当該熱は、3つ以上の部分または3つ以上の個々の熱交換器を含む回収熱交換器においてタービン排気流から回収してもよい。
【0037】
1つにまとめられた再循環CO2流をタービン排気流から回収した熱を用いて加熱する工程および1つにまとめられた再循環CO2流を加熱および圧縮された第2のタービン排気部分から回収した熱を用いてさらに加熱する工程は、回収熱交換器で行ってもよい。
【0038】
タービン排気流の総質量に基づく第1のタービン排気部分:第2のタービン排気部分の質量比は、約50:50~約99:1であってもよい。
【0039】
加熱および圧縮された第2のタービン排気部分から回収した熱は、約100℃~約400℃の温度範囲であってもよい。
【0040】
主再循環CO2流および第2のタービン排気部分は、約40バール(4MPa)~約100バール(10MPa)の圧力まで独立して圧縮することができる。
【0041】
タービン排気流から回収した熱を用いた加熱工程およびを加熱および圧縮された第2のタービン排気部分から回収した熱を用いたさらなる加熱工程の後に1つにまとめられた再循環CO2流は、タービン排気流の温度の50℃以内である温度を有していてもよい。
【0042】
第2のタービン排気部分は、圧縮機段の間で中間冷却なしで断熱的に圧縮することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、本開示に係る動力発生システムは、燃焼流を排出するように構成された燃焼器、燃焼流を受け取って膨張させてタービン排気流を形成するように構成された動力発生タービン、タービン排気流を受け取るように構成された回収熱交換器、冷却されたタービン排気流を第1のガス流および第2のガス流に分離するように構成された流れ分離器、第1のガス流を受け取って圧縮するように構成された第1の圧縮機、第2のガス流を受け取って圧縮するように構成された第2の圧縮機、第1の圧縮機および第2の圧縮機の下流に配置された、1つにまとめられた第1のガス流および第2のガス流を加圧するように構成されたポンプ、タービン排気流を通過させるように構成された回収熱交換器を通る第1の流路、1つにまとめられた加圧された第1のガス流および第2のガス流を通過させるように構成された回収熱交換器を通る第2の流路、圧縮された第2のガス流を通過させるように構成された回収熱交換器を通る第3の流路を備えることができ、ここでは、第1の流路および第3の流路は第2の流路を加熱するように構成されている。さらなる実施形態では、本システムは、以下の記載のいずれか1つ以上を任意の組み合わせで含んでもよい。
【0044】
回収熱交換器は、一連の3つ以上の熱交換器または一連の3つ以上の加熱部分を含んでもよい。
【0045】
本システムは、第1のガス流および第2のガス流の一方または両方から少なくとも水を分離するように構成された1つ以上の分離器をさらに備えることができる。
【0046】
第1の圧縮機は多段中間冷却圧縮機をを含んでもよい。
【0047】
第2の圧縮機は圧縮機段の間に中間冷却を有しない断熱性多段圧縮機をを含んでもよい。
【0048】
本開示について上記一般的な用語で説明してきたが、以下では添付の図面を参照する。なお、図面は必ずしも縮尺通りではない。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】先行技術の動力発生サイクルのフローチャートである。
【
図2】さらなる先行技術の動力発生サイクルのフローチャートである。
【
図3】再循環CO
2流を圧縮するため、および回収熱交換器への投入のためにそこから熱を得るための複数の圧縮機を備えた、本開示の例示的な実施形態に係る動力発生システムおよび方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本主題についてその例示的な実施形態を参照しながらより完全に説明する。本開示を徹底的かつ完全なものにし、本主題の範囲を当業者に十分に伝えるために、これらの例示的な実施形態について説明する。実際には、本主題を多くの異なる形態で実施してもよく、本明細書に記載されている実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、本開示が適用可能な法的要件を満たすために、これらの実施形態を示す。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されている単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(前記)(the)」は、文脈が明らかに別の意を示していない限り、複数の指示物を含む。
【0051】
本開示は、主としてCO2を作動流体として用いて動力発生を行うシステムおよび方法に関する。具体的には、本プロセスは、高圧再循環CO2流および燃料の燃焼により生じる燃焼生成物の混合物を膨張させる高圧/低圧比タービンを使用する。あらゆる化石燃料、特に炭素質燃料を使用することができる。非限定的な例としては、天然ガス、圧縮ガス、燃料ガス(例えば、H2、CO、CH4、H2SおよびNH3のうちの1種以上を含む)および同様の可燃性ガスが挙げられる。必要なシステム要素を組み込むことにより、固体燃料、例えば、石炭、亜炭、石油コークス、ビチューメン、バイオマスなど、または強粘液燃料も使用することができる。例えば、部分酸化燃焼器を使用して、固体または強粘液燃料を実質的に固体粒子を含まない燃料ガスに変換することができる。全ての燃料および酸化された状態の燃焼由来不純物、例えば硫黄化合物、NO、NO2、CO2、H2O、Hgなどは、大気に実質的または完全に放出することなく廃棄するために、本動力発生サイクルから分離することができる。先に述べたように、他の燃料も利用することができる。燃焼プロセスにおいて純粋な酸素を酸化剤として使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に別途記載されている比で酸素をCO2で希釈して燃焼温度を調整してもよい。
【0052】
高温タービン排気を使用して高圧再循環CO2流を部分的に予熱する。この加熱工程と組み合わせて、CO2圧縮機の圧縮エネルギーから得ることができる追加熱を用いて、再循環CO2流をさらに加熱することができる。CO2圧縮機の動作条件は、本明細書にさらに記載されているように変えることができる。例えば、いくつかの実施形態では、周囲冷却手段に対する通常の温度差よりも高いCO2圧縮機入口温度を利用すると有利であり得る。CO2圧縮機に入る流れの最低入口温度は、例えば動作条件下でおよそ水露点であってもよい。いくつかの実施形態では、CO2圧縮機は約50℃~約250℃の入口温度を有していてもよい。任意で、CO2圧縮から入手可能な熱に加えて、約400℃未満の温度レベルの熱を供給する他の加熱手段を使用することができる。そのような手段は、中間冷却なしで部分的または完全に断熱モードで動作する深冷空気分離プラントの空気圧縮機から伝達される熱を含んでもよい。そのような熱を利用する場合、空気圧縮機は断熱段において2.5超の圧力比で動作できることが好ましい。
【0053】
本開示によれば、特に約400℃未満(例えば、約100℃~約400℃の範囲)の温度レベルで供給される本明細書に定義されている追加熱を用いることにより動力発生効率を改善できることが発見された。追加熱を供給することにより、約300バール(30MPa)の典型的な高圧タービン入口におけるCO
2の比熱と、約30バール(3MPa)の典型的な低圧タービン排気圧力におけるCO
2の比熱との大きな差を克服することができる。この差は以下に示す表において明らかである。
【表1】
【0054】
本開示に係る動力発生方法は特に、効率の向上をもたらすことができる一連の工程を含むことができる。本方法は、圧縮および加熱された再循環CO2流を燃焼器に送る工程を含むことができる。圧縮および加熱された再循環CO2流は、以下にさらに説明するように形成することができる。燃焼器において再循環CO2流の存在下で酸化剤(例えば、任意でCO2で希釈された少なくとも98%または少なくとも99%純度の酸素)を用いて燃料を燃やして、CO2含有流を生成することができる。燃焼器からのCO2含有流は、約500℃以上の温度(例えば、約500℃~約1,700℃または約800℃~約1,600℃)および約100バール(10MPa)以上の圧力(例えば、約100バール(10MPa)~約500バール(50MPa))を有していてもよい。CO2含有流をタービンに通してCO2含有流を膨張させ、動力を発生させ、かつCO2を含むタービン排気流を形成することができる。12未満または10未満(例えば、約5~約12)のタービン圧力比でCO2含有流を膨張させることができる。他の実施形態では、米国特許出願公開第2013/0213049号に記載されているように(この開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)複数のタービンを利用する場合などに、本明細書に記載されている高い圧力比を使用することができる。
【0055】
タービン排気流を処理して、燃料の燃焼により生じた燃焼生成物および正味CO2を除去することができる。この目的のために、タービン排気流を熱交換器に通して冷却することができる。本明細書に記載されている温度および圧力条件下での使用に適したあらゆる熱交換器を利用することができる。いくつかの実施形態では、熱交換器は、一連の少なくとも2つ、少なくとも3つまたはさらにそれ以上のエコノマイザー熱交換器を含むことができる。少なくとも2つの部分、少なくとも3つの部分(またはさらにそれ以上の部分)を有する単一の熱交換器を使用してもよい。例えば、熱交換器は、異なる温度範囲にわたって動作する少なくとも3つの熱交換部分を有するものと称してもよい。以下に記載するように再循環CO2流の加熱のために、タービン排気流から回収した熱を利用することができる。
【0056】
タービン排気流を2つ以上の部分に分割することができる。第1の部分は、タービン排気流の総質量流量の50%以上、70%以上または90%以上(但し100%未満)を含むことができる。第1のタービン排気部分を、好ましくは熱交換器を離れた後に水露点未満である温度で冷却する。第1のタービン排気部分を分離器に通して水を除去することができ、かつさらに処理して他の燃焼生成物または不純物を除去することができる。得られた流れは主再循環CO2流と称すことができ、段の間に中間冷却を有する多段圧縮機などにおいてこの流れを圧縮することができる。好ましくは、主再循環CO2流を約40バール(4MPa)~約100バール(10MPa)の圧力まで圧縮する。いくつかの実施形態では、主再循環CO2流を約60バール(6MPa)~約100バール(10MPa)または約67バール(6.7MPa)~約80バール(8MPa)の圧力まで圧縮する。
【0057】
タービン排気流の第2の部分を圧縮して加熱および圧縮された第2のタービン排気部分を形成することができる。第2のタービン排気部分は、第1の部分に存在しないタービン排気の残り(例えば、タービン排気流の総質量流量の50%以下、30%以下または10%以下(但し0%超))を含むことができる。好ましくは、第2のタービン排気部分は、第2および第3の熱交換部分(例えば、高温から冷温に移動する一連の第2および第3の熱交換器、言い換えると、最低温度と中間温度との間で動作する熱交換器)の間でタービン排気から回収することができる。第2のタービン排気部分を好ましくは圧縮して約100℃~約400℃の範囲の温度および約40バール(4MPa)~約100バール(10MPa)の圧力を達成する。いくつかの実施形態では、圧力は約60バール(6MPa)~約100バール(10MPa)または約67バール(6.7MPa)~約80バール(8MPa)であってもよい。第2のタービン排気部分を熱交換器に再導入することができ、好ましくは中温熱交換器の高温端から低温熱交換器の低温端に送ることができる。冷却された第2のタービン排気部分は水露点未満の温度である温度であってもよく、冷却された流れを1つ以上の分離器に通して水およびあらゆる他の不純物を除去することができる。残りの流れは副再循環CO2流であり、これを主再循環CO2流と1つにまとめることができる。そのように1つにまとめられた流れは様々な時点のものであってもよい。例えば、主再循環CO2流を低温熱交換器に通した後であって分離器に通す前に、タービン排気の冷却された第2の部分に添加することができる。あるいは、水分離後またはサイクルの別の時点で主再循環CO2流および副再循環CO2流を1つにまとめることができる。原油の二次回収での使用または隔離などのために、燃焼により生じる正味CO2をこの時点で回収することができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、第2のタービン排気部分は多段圧縮を使用して圧縮することができ、ここでは、先の段の間で中間冷却は行わず、その後に後の段の間で中間冷却を行う。上に別途記載されているように、非冷却段から出る第2のタービン排気部分の圧縮および加熱されたガスを熱交換器に導入することができ、そのように冷却された流れを第1のタービン排気部分と1つにまとめる前に中間冷却圧縮に供することができる。非冷却段数(x)および中間冷却段数(y)は独立して、1以上、2以上または3以上(例えば、1~5または2~4)であってもよい。
【0059】
総再循環CO2流(主再循環CO2流および副再循環CO2流から形成される)を、燃焼器に送るのに適した圧力までポンプで加圧することができる。好ましくは、総再循環CO2流を100バール(10MPa)以上または約200バール(20MPa)以上、例えば約100バール(10MPa)~約500バール(50MPa)の圧力までポンプで加圧する。次いで、圧縮された再循環CO2流を熱交換器に送り戻して加熱する。圧縮された再循環CO2流をタービン排気流から回収した熱(タービン排気流中に残留する燃焼熱として特徴づけることができる)を用いて加熱する。但し、タービン排気流中の熱は、タービン排気流と熱交換器の高温端における加熱および圧縮された再循環CO2流との間の小さい温度差を達成するのには不十分である。本開示によれば、圧縮された第2のタービン排気部分からの熱を追加熱として使用して、タービン排気流と、熱交換器を離れ、かつ燃焼器に入る加熱および圧縮された再循環CO2流との温度差を小さくすることができる。追加熱は再圧縮熱として特徴づけることができ、タービン排気中に存在する燃焼熱とは別のものである。追加熱の使用は、タービン排気流と、熱交換器を離れ、かつ燃焼器に入る加熱および圧縮された再循環CO2流との温度差を、約50℃以下、約40℃以下または約30℃以下、例えば約10℃~約50℃または約20℃~約40℃まで小さくするのに有利であり得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、再圧縮熱と組み合わせるかその代わりとする他の手段により、追加熱を供給することができる。例えば、外部熱源により加熱されたCO2を利用することができる。そのような外部熱源は、例えば、地熱源から回収されたCO2またはパイプラインから回収されたCO2などであってもよい。そのような実施形態では、タービン排気流の分割は不要であってもよく、加熱されたCO2を上記再圧縮熱と同じように本システムに投入することができる。さらなるCO2を正味CO2生成物と共に本システムから回収することができ、熱源に戻すことができる。そのような方法で、動力発生システムの完全に外側にある外部熱源から再循環されるCO2を追加熱として利用することができる。あるいは、追加熱の一部または全てはガスタービン排気からのものであっても濃縮流からのものであってもよい。
【0061】
本開示に係るシステムの例示的な実施形態は
図3に示されている。本実施形態を規定のパラメータを利用する燃焼方法の例示的な実施形態に関して説明する。従って、特定の温度および圧力は特定の動作条件に基づいて変わってもよい。
【0062】
図3の実施形態では、728℃および30バール(3MPa)のタービン排気流55は、直列の3つのエコノマイザー熱交換器29、27および26を通り、46℃および29バール(2.9MPa)の流れ46として離れる。熱交換器29を高温熱交換器として特徴づけてもよく、熱交換器27を中温熱交換器として特徴づけてもよく、熱交換器26を低温熱交換器として特徴づけてもよい。当然ながら、「高温」、「中温」および「低温」という用語は、3つの熱交換器の互いに対する動作温度範囲を記述するためのものである。流れ46は水冷式熱交換器58で17.2℃まで冷却され、復水流56は相分離器53で分離される。塔頂CO
2ガス流61は相分離器53を離れ、二段遠心CO
2再循環圧縮機21(段1)および22(段2)に入り、そこで、第1段圧縮機21からの排出流44は中間冷却器23で17.2℃まで冷却され、流れ45として排出され、次いで、第2段圧縮機22で圧縮されて80バール(8MPa)の流れ48が形成される。この主再循環圧縮機排出流48は流れ47と合流し、1つにまとめられた流れ69は水冷式熱交換器24で22.7℃の温度まで冷却される。他の実施形態では、この温度は10℃~約30℃の範囲であってもよい。復水68は相分離器67で分離され、超臨界状態にあり、かつ850Kg/m
3の高密度を有する総再循環CO
2流49が生成される。燃焼器においてCO
2に変換された燃料ガス中の炭素と当量の正味生成物CO
2流62は、隔離または原油の二次回収における使用などのために、本システムから除去される(図示のとおり冷却後、または冷却前)。
【0063】
総再循環CO2流49は熱交換器70において17.2℃の温度まで冷却され、次いで、305バール(30.5MPa)の出口圧力を有する多段遠心ポンプ25に入り、高圧CO2再循環流50が形成され、直列の3つのエコノマイザー熱交換器26、27および29で加熱され、725℃および302バール(30.2MPa)の温度の流れ54として離れる。流れ54は、99.5%のO2流41を用いる天然ガス流40(どちらも320バール(32MPa)である)の直接燃焼により、燃焼器30で1154℃まで加熱される。例示的な実施形態では、燃料ガスとして純粋なCH4を用いてモデリングを行った。再循環CO2および燃焼生成物57の混合流は30バール(3MPa)の出口圧力を有する出力タービン31に入り、タービン排気流55として出る。
【0064】
上記表に見られるように、300バール(30MPa)および30バール(3MPa)におけるCO2の比熱差は、温度が1000K(727℃)から低下するにつれて上昇する。この差を考慮して、タービン排気流55と再循環CO2流54との非常に小さい温度差を達成するために追加熱が必要となり、そのような追加熱を、例えば「低温」エコノマイザー熱交換器26および/または「中温」エコノマイザー熱交換器27において供給することできる。本開示によれば、例示的な実施形態では、約29バール(2.9MPa)~約80バール(8MPaの圧力)まで圧縮される再循環CO2流の一部の断熱圧縮熱を利用することにより、追加熱を供給することができる。
【0065】
図3の例示的な実施形態に戻ると、2つのエコノマイザー熱交換器部分27および26の間で138℃の温度の冷却タービン排気流51の一部を回収し、単段または多段断熱圧縮機28で圧縮して246℃および80バール(8MPa)の流れ52を生成することができる。圧縮および加熱された流れ52はエコノマイザー熱交換器27の高温端に再度入り、その流れは熱交換器27および熱交換器26を通り、そこで冷却されて54℃の流れ47として離れる。作動流34によって供給される圧縮機28内の圧縮熱全体がこのようにして高圧再循環CO
2流に伝達され、これにより高温端の温度差が小さくなるため、この熱投入量は燃焼器30において運ばれる燃焼熱と当量である。流れ51の流量は、高温エコノマイザー熱交換器29の入口において流れ65および66の間の著しく小さい温度差を達成するために最大化される。流れ65および66の間のこの温度差は、好ましくは約50℃以下、約40℃以下、約30℃以下、約20℃以下、特に約10℃~約50℃または約20℃~約40℃である。上に述べたように、熱交換器24で22.7℃に冷却するために、流れ47は主再循環圧縮機排出流48と合流する。上記のようにCO
2圧縮によって供給される追加熱は、動力発生システムにおける効率の向上をもたらす。
【0066】
他の熱源(例えば、ガスタービン排気または濃縮流)の低温レベルの熱を追加熱として利用することができることに留意されたい。
図3の例示的な実施形態は深冷空気分離プラント81の主気流42aを含み、主気流42aは、5.7バール(0.57MPa)および223℃まで断熱的に圧縮されて流れ42としてエコノマイザー熱交換器27の高温端に入り、かつ54℃の流れ43として熱交換器26を離れる。いくつかの実施形態では、流れ42は流れ42bから生じてもよく、これはガスタービン83から得られる熱として図示されている。
図3に図示されていないが、いくつかの実施形態では、80バール(8MPa)および周囲温度のO
2流を空気分離プラントから供給することができ、流れ49からのCO
2と混合して25モル%のO
2を得、これを320バール(32MPa)まで圧縮した後、エコノマイザー熱交換器27、26および29で725℃まで加熱することができる。実際には、このCO
2+O
2圧縮機は、CO
2再循環圧縮機のために図示されているように高温ガス圧縮機部分を特徴とすることもできる。
図3では、冷却水入口流は流れ38、59、72および36として表されており、それぞれの出口流は流れ39、60、74および37として表されている。圧縮機への電源入力は要素32および34として
図3に図示されており、そのような電源入力は電気によるものであってもタービン駆動によるものであってもよい。CO
2ポンプの電源入力は要素33として図示されている。タービン軸出力は発電機63からの要素64として図示されている。
【0067】
記載されている例示的な実施形態を、58.5%の正味効率(LHV基準)が得られる、実際の機械効率、熱交換器の温度差および圧力降下を用いて、ASPENモデリングソフトウェアで評価した。この計算は、燃焼器30への500MWの熱投入に基づいていた。
【0068】
本開示のシステムおよび方法は燃焼システムおよび動力発生方法に特に適用可能であり得るが、ガス流の効率的な加熱へのより幅広い適用も包含される。従って、いくつかの実施形態では、本開示はガス流の加熱方法、特に再循環ガス流の加熱方法に関するものであってもよい。再循環ガス流は、任意で圧縮および膨張段を含む加熱および冷却段を連続的に循環するあらゆるガス流であってもよい。
【0069】
本開示に係る加熱工程に供することができるガス流Gは、あらゆるガスであってもよいが、ガス流Gは、少なくとも約10質量%、少なくとも約25質量%、少なくとも約50質量%、少なくとも約75質量%または少なくとも約90質量%のCO2などであるCO2を含むと特に有利であり得る。再循環ガス流Gは特に、高い温度T1(例えば、約500℃~約1700℃)および所望の量の圧縮熱を形成することができる圧力P1(例えば約40バール(4MPa)未満の圧力)であってもよい。圧力P1および温度T1のガス流Gを、例えば回収熱交換器を通して冷却することができる。好ましくは、冷却工程は、ガス流GをT1未満である温度T2まで冷却するような工程である。いくつかの実施形態では、一連の複数の熱交換器(例えば、2、3個またはそれ以上の熱交換器)または複数の熱交換部分を含む熱交換器あるいはそれらの組み合わせを用いて冷却工程を行うことができる。個々の熱交換器(または熱交換部分)は、異なる温度範囲(この範囲は重複していてもよい)の熱を交換することができる。複数の熱交換器および/または熱交換部分の使用により、流れを異なる温度範囲で添加または回収することができる。
【0070】
ガス流Gを第1の画分G1および第2の画分G2に分離することができる。そのような分離は、ガス流Gを温度T2またはT1とT2との間の中間温度Tintまで冷却した後に行うことができる。温度T2は、例えば回収熱交換器の低温端の温度であってもよく(あるいは、熱交換器または熱交換部分は最低温度範囲にわたって動作し)、温度Tintは、例えば、一連の3つ以上の熱交換器(または熱交換部分)における第2の熱交換器(または第2の熱交換部分)の低温端の温度であってもよい。好ましくは、第2のガス画分G2を第1のガス画分G1のさらなる冷却前に中間温度で回収することができる。ガス流画分G1を冷却した後、次いで、好ましくはP1よりも大きくてもよいより大きい圧力P2まで圧縮することができる。そのような圧縮は、例えば、中間冷却される多段圧縮機を用いて行うことができる。圧力P3は、例えば、約40バール(4MPa)~約100バール(10MPa)、約60バール(6MPa)~約100バール(10MPa)または約67バール(6.7MPa)~約80バール(8MPa)であってもよい。
【0071】
回収したガス流画分G2を別々に、同様に好ましくはP1よりも大きい圧力P3まで圧縮することができる。圧力P3は圧力P2と同じ範囲であってもよいが、P2およびP3は必ずしも同じである必要はない。いくつかの実施形態では、ガス流画分G2を中間冷却のない断熱圧縮を用いて圧縮してガス流画分G2をT2よりも高い温度T3まで加熱することができる。ガス流画分G2を中間温度Tintで回収することができる実施形態では、T3は好ましくはTintよりも高い。圧縮されたガス流画分G2から熱を回収し、以下にさらに説明するように再循環ガス流へ追加熱として使用することができる。
【0072】
圧縮熱をガス流画分G2から回収した後、ガス流画分G1およびガス流画分G2を1つにまとめて、1つにまとめられた再循環ガス流GCを形成することができる。再循環ガス流GCは、圧力P2および/またはP3と実質的に同様の圧力を有し、P2およびP3よりも大きい、より大きい圧力P4までポンプで加圧することができる。そのようなポンプ加圧は再循環ガス流GCが高圧用途で利用される場合に望ましい。但し、いくつかの実施形態では、圧力P2および/またはP3が好適な場合もあり、さらなる圧縮は必要でないこともある。
【0073】
冷却ガス流Gによりガス流G
Cが加熱されるように、再循環ガス流G
C(任意で圧力P
4を有する)を回収熱交換器に送ることができる。圧縮されたガス流画分G
2から回収した熱を再循環ガス流G
Cに添加することができる。圧力P
4へのポンプ加圧後にそのような追加熱を行うことができる。いくつかの実施形態では、回収熱交換器において追加熱を行うことができる。例えば、単一の回収熱交換器が使用される場合、圧縮されたガス流画分G
2の熱を好適な時点で熱交換器に投入して所望の温度範囲で再循環ガス流G
Cに追加熱を行うことができる。複数の熱交換器(または熱交換部分)が使用される実施形態では、圧縮されたガス流画分G
2の熱をより低い温度の熱交換器(または熱交換部分)の1つ以上に添加することができる。例えば、圧縮中に、ガス流画分G
2を約100℃~約400℃の範囲の温度まで加熱することができ、圧縮されたガス流画分G
2からの熱をこの温度範囲で動作する1つ以上の熱交換器(または熱交換部分)に添加することができる。
図3では例えば、圧縮されたガス流画分G
2は、熱交換器29よりも低い温度範囲で動作する熱交換器26および27を通る流れ52に匹敵する。一般に、
図3に示すような一連の熱交換器は、別個の温度範囲(その範囲は重複していていもよい)でそれぞれ熱を伝達する3つの熱交換器を含む。
図3の例では、熱交換器29は温度範囲R
1で動作するものとして特徴づけることができ、熱交換器27は温度範囲R
2で動作するものとして特徴づけることができ、熱交換器26は温度範囲R
3で動作するものとして特徴づけることができる。図示のとおり、熱交換器29は一連の熱交換器の高温端にあり、かつ熱交換器26は一連の熱交換器の低温端にあるため、一連の熱交換器の温度関係はR
1>R
2>R
3である。
【0074】
圧縮されたガス流画分G2中の圧縮熱によって供給される追加熱の使用は、1つにまとめられた再循環ガス流GCの温度を冷却前にガス流Gの温度に著しく近づけるのに有利であり得る。例えば、回収熱交換器を通り、かつ圧縮されたガス画分G2から熱を受け取った後の再循環ガス流GCは、T1の50℃以内である温度T4を有することができる。典型的には、回収熱交換器を通った後の再循環ガス流GCの温度T4はT1未満のままである。そのような実施形態では、回収熱交換器を通り、かつ圧縮されたガス画分G2から熱を受け取った後の再循環ガス流GCは、50℃以下でT1未満である温度T4を有することができる。
【0075】
T4からT1への接近は、1つ以上のさらなる熱源からの熱の添加によりさらに改良することができる。そのようなさらなる熱源は、本明細書に記載されているようにガス流を加熱するのに十分な熱を流れに与え、それによりガス流が所望の品質および量の熱を達成するように構成されたあらゆる装置または装置の組み合わせを備えることができる。非限定的な例として、さらなる熱源は、燃焼熱源、太陽熱源、核熱源、地熱源および産業廃棄物熱源のうちの1つ以上であってもよい。さらなる熱源は、熱交換器、熱ポンプ、動力発生装置、および必要な熱を形成、供給または輸送するのに適した要素(例えば、配管など)のあらゆるさらなる組み合わせを備えていてもよい。
【0076】
再循環ガス流の加熱方法は、1つ以上の工程をさらに含むことができる。例えば、ガス流Gは、タービンから出る流れであってもよい。従って、ガス流Gの圧力P1は、タービンを通る前のガス流の初期の圧力P0未満であってもよい。いくつかの実施形態では、P0はP4と実質的に同様(例えば、その10%以内、5%以内または2%以内)であってもよい。いくつかの実施形態では、熱交換器の高温端から出た後(すなわち、熱交換器で再加熱された後およびG2からの追加圧縮熱を受け取った後)に、再循環ガス流GCを過熱工程に供してもよい。例えば、再循環ガス流GCを燃焼熱、太陽熱、核熱、地熱、産業廃棄物熱またはそれらの任意の組み合わせを用いて加熱することができる。いくつかの実施形態では、再循環ガス流GCをそのように加熱し、次いで膨張および動力発生のためにタービンに通すことができる。次いで、タービンを離れる流れをガス流Gとして再度特徴づけてもよい。
【0077】
本主題が属する技術分野の当業者であれば、上記説明および関連する図面に示されている教示の利益を有する本開示の主題の多くの修正および他の実施形態を思いつくであろう。従って、本開示は、本明細書に記載されている具体的な実施形態に限定されるものではなく、修正および他の実施形態が添付の特許請求の範囲に含まれるものであることを理解されたい。具体的な用語が本明細書に用いられているが、それらは、単に一般的かつ記述的な意味で使用されており、限定のためのものではない。