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特許7112393シースが収縮されたステントグラフト送達システムおよび使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-26
(45)【発行日】2022-08-03
(54)【発明の名称】シースが収縮されたステントグラフト送達システムおよび使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/962 20130101AFI20220727BHJP
   A61F 2/97 20130101ALI20220727BHJP
   A61F 2/95 20130101ALI20220727BHJP
【FI】
A61F2/962
A61F2/97
A61F2/95
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019523067
(86)(22)【出願日】2018-02-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-19
(86)【国際出願番号】 US2018019354
(87)【国際公開番号】W WO2018156852
(87)【国際公開日】2018-08-30
【審査請求日】2020-12-08
(31)【優先権主張番号】62/463,051
(32)【優先日】2017-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506074417
【氏名又は名称】ボルトン メディカル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100095832
【弁理士】
【氏名又は名称】細田 芳徳
(74)【代理人】
【識別番号】100187850
【弁理士】
【氏名又は名称】細田 芳弘
(72)【発明者】
【氏名】ロステッター,ティモシー
【審査官】田中 玲子
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-516215(JP,A)
【文献】特表2010-524630(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0100969(US,A1)
【文献】国際公開第1999/034749(WO,A1)
【文献】特表2001-525218(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/97
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 遠位ハンドル(96);
b) 該遠位ハンドル(96)から遠位に伸長し、遠位端(86)および近位端(84)を有し、かつ長手軸(13、124)を画定するガイドワイヤカテーテル(82)、ここで該ガイドワイヤカテーテル(82)は、該遠位ハンドル(96)に対して移動可能である;
c) 該遠位ハンドル(96)に固定され、かつ該遠位ハンドル(96)から遠位にかつ該ガイドワイヤカテーテル(82)の周囲に伸長する押し棒(94);
d) 該遠位ハンドル(96)に対して遠位にあり、かつ該遠位ハンドル(96)に対して移動可能である近位ハンドル(116);
e) 該近位ハンドル(110)に固定される近位端(112)を有する導入器シース(110);
f) 該押し棒(94)から遠位にかつ該ガイドワイヤカテーテル(82)と該導入器シース(110)の間に伸長し、かつ該ガイドワイヤカテーテル(82)および該導入器シース(110)に対して長手方向に移動可能である可撓性シース(92)、ここで該可撓性シース(92)は開口(104)を含み、かつ長手縁(38)を画定し、該長手縁が少なくとも部分的にシーム(36)を形成し、該開口(104)が整列される際に該可撓性シース(92)が長手管腔を画定し、開口(104)の配置により、該可撓性シース(92)が、収縮された半径方向の径(radial diameter)を有する管腔形態を有するようになり、該長手縁(38)の少なくとも1つがスカラップを有し(scalloped)、該開口(104)の整列の際に、該可撓性シース(92)が該可撓性シース(92)の管腔形態中に開窓(34)を画定し、該開口が整列されない場合に、拡張された半径方向の径が、該開口が整列された場合の該可撓性シースの収縮された半径方向の径よりも大きい;
g) 該開口(104)を該配置と適合させ、それにより該可撓性シース(92)が、管腔形態の収縮された半径方向の径と適合するように形成される、該開口(104)を通って伸長する紐(102)、ここで該紐(102)は、該開口(104)から近位に引き込み可能であり、それにより該可撓性シース(92)が収縮された半径方向の径から解放される;ならびに
h) 該可撓性シース(40)内のステントグラフトプロテーゼ(42)、ここで該ステントグラフトプロテーゼ(42)が、
i) 該ガイドワイヤカテーテルの遠位端にある近位端(42)、遠位端、および該ガイ
ドワイヤカテーテル(58)の周囲に伸長する壁、ここで該ステントグラフトプロ
テーゼの壁が、開窓(106)を画定する、ならびに
ii) 該ステントグラフトプロテーゼ(42)の壁に固定されかつ該壁に沿って分布され
る複数のステント、ここで該ステントグラフトプロテーゼ(42)は、該可撓性シ
ース(40)の開口(44)が整列される際に半径方向に収縮され、該ステントグラフ
トプロテーゼ(42)の開窓は、該可撓性シース(92)の開窓(106)と実質的に整列さ
れる、
を含み、
を含む、ステントグラフト送達システム(80)。
【請求項2】
該開口(104)が該可撓性シース(92)により画定される、請求項1記載の送達システム。
【請求項3】
該開口(104)が、少なくとも部分的に該可撓性シース(28)に固定されるループ(30)により画定される、請求項1記載の送達システム。
【請求項4】
該配置が、該ガイドワイヤカテーテル(82)の長手軸(13、124)に沿った配列を含む、請求項1記載の送達システム。
【請求項5】
該紐(102)が糸であり、該開口が該糸上の張力により整列される、請求項1記載の送達システム。
【請求項6】
該紐がワイヤ(102)である、請求項1記載の送達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2017年2月24日に出願された米国仮特許出願第62/463,051号の利益を主張する。前記出願の全教示は、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
背景
開窓型(fenestrated)血管内大動脈修復(FEVAR)は、腎臓、腸および肝臓を含む生体臓器に血液を供給する大動脈から生じる血管にわたる大動脈瘤を治療するための最小の侵襲性手順である。FEVARに使用される血管内グラフトは、血管内グラフトの埋め込み後に、動脈分枝を通る生体臓器への血流のための通路として機能する分枝プロテーゼの挿入のための開窓を画定する。開窓型血管プロテーゼを用いた腎臓近傍(juxtarenal)大動脈瘤およびショートネック(short-neck)腹部大動脈瘤などの動脈瘤の修復の後に生体臓器への血流を最大にすることおよび内部の漏れ(endoleak)を最小にすることは、さらなる外科的介入が回避されるべき場合に克服されなければならない医学的な困難さを提示する。
【0003】
そのため、新規の向上された送達デバイス、ステントグラフトを埋め込むための血管内修復デバイス、ならびに腎臓近傍大動脈瘤およびショートネック腹部大動脈瘤などの大動脈病状を治療するためのそれらの使用の方法についての必要性が存在する。
【発明の概要】
【0004】
概要
本発明は、ステントグラフト送達システム、ならびに動脈血管損傷、例えば生体臓器および組織に血液を供給する動脈分枝を有する大動脈の領域における大動脈瘤、例えば腹部大動脈瘤および胸腹大動脈瘤、例えば腎臓近傍大動脈瘤およびショートネック腹部大動脈瘤に関連する血管損傷の治療および修復におけるその使用のための方法に関する。
【0005】
一態様において、本発明のステントグラフト送達システムは、ハンドル、ガイドワイヤカテーテル、外部カテーテル、可撓性シースおよび紐(ligature)を含む。ガイドワイヤカテーテルは、ハンドルから遠位に伸長し、遠位端および近位端を含み、かつ長手軸を画定し、該ガイドワイヤカテーテルは、ハンドルに対して移動可能である。外部カテーテルは、ハンドルに固定されてハンドルから遠位にかつガイドワイヤカテーテルの周囲に伸長する。可撓性シースは、ガイドワイヤカテーテルと外部カテーテルの間に伸長し、ガイドワイヤカテーテルおよび外部カテーテルに対して長手方向に移動可能である。可撓性シースは開口を含み、開口の配置(arrangement)により、可撓性シースは、収縮された半径方向の径(radial diameter)を有する管腔形態を有するようになる。紐は、開口を通って伸長し、それにより開口が該配置に適合させられ、それにより可撓性シースを管腔形態の収縮された半径方向の径に適合するように形成し紐は、開口から近位に引き込まれ、それにより収縮された半径方向の径から可撓性シースが解放される。
【0006】
別の態様において、本発明は、ステントグラフトを患者の動脈瘤部位に送達するための方法であって、該方法は、ステントグラフトを患者の動脈瘤部位に方向づける工程を含み、ここで該ステントグラフトは、少なくとも部分的にステントグラフトが解放可能に固定されるガイドワイヤカテーテルの長手軸に沿った配置に適合する開口を含む可撓性シースにより半径方向(radially)に収縮される。開口は該配置から解放され、ステントグラフトは半径方向の収縮から解放され、それによりステントグラフトが動脈瘤部位に送達される。
【0007】
本発明のステントグラフト送達システムおよび方法はいくつかの利点を有する。例えば、可撓性シース内の開口を通って伸長する少なくとも1つの紐を部分的に開放することのみによるなど、ステントグラフトを可撓性シース中に残したまま部分的に展開した後、ステントグラフトの回転または再配置を可能にすることにより、外科医は、ステントグラフトの配置において増加した柔軟性を提供される。ステントグラフトが開窓を含む態様において、可撓性シースはまた、ステントグラフトの開窓と整列される開窓を含み得、開窓は、分枝動脈とより良く整列され得、任意に、分枝プロテーゼの近位端は、ステントグラフトが可撓性シースにより半径方向に束縛される間、ステントグラフトの開窓を通って方向づけられ得る。この態様において、紐の除去により、開口の配置から可撓性シースが解放され、そのためにステントグラフトが半径方向に(radially)拡張される。次いで、可撓性シースは、干渉なく、埋め込まれた分枝ステントグラフトから除去され得る。結果的に、ステントグラフトは、より高い正確性、被験体の血管構造への損傷(injury)のより低いリスクを有して、外科的部位に埋め込まれた際のステントグラフトの意図される形状をゆがめる有意なリスクを有することなく、外科的部位で展開され得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
前述のものは、添付の図面に図示されるような例示態様の以下のより具体的な記載から明らかであり、図面において、同様の参照符号は、異なる図を通じて同じ部分を言及する。図面は必ずしも一定の割合で作られておらず、その代わりに、態様の例示に重きが置かれる。
図1図1Aは、本発明のステントグラフト送達システムの一態様の可撓性シースの側面図であり、可撓性シースが管腔形態および収縮された半径方向の径を有するようにする配置において可撓性シース中にワイヤ保持開口を含み、ここで可撓性シースは、可撓性シース中で半径方向に収縮されたステントグラフト中の開窓と整列される管腔形態中の開窓を画定する。図1Bは、図1Aに示される可撓性シースおよびステントグラフトの平面図である。
図2図2Aは、開口を有する本発明のステントグラフト(stent graft stent graft)送達システムの可撓性シースの斜視図であり、紐による配置にある場合、該開口は、可撓性シースが収縮された半径方向の径を有する管腔形態を有するようにする。図2Bは、紐を引き込み、結果的に該配置から可撓性シースの開口を解放した後の、図2Aに示される態様の斜視図である。
図3図3Aは、本発明のステントグラフト送達システムの可撓性シースの別の態様の斜視図であり、ここで可撓性シースの開口は縫合糸ループであり、ある配置にある場合、該縫合糸ループは、可撓性シースが収縮された半径方向の径を有する管腔形態を有し、紐による開口の配置により、可撓性シースのスカラップを有する(scalloped)縁は管腔形態中の開窓を画定する。図3Bは、紐を引き込み、結果的に該配置から開口を解放した後の図3Aに示される態様の斜視図である。
図4-1】図4Aは、本発明のステントグラフト送達システムの態様の側面図であり、ここでステントグラフトはステントグラフト送達システムにより捕捉され、かつステントグラフト送達システムの可撓性シースにより半径方向に収縮され、一方で可撓性シース中の開口はある配置に保持され、該配置により可撓性シースは、収縮された半径方向の径を有する管腔形態をとるようになり、ここで可撓性シースはステントグラフト中の開窓と整列される開窓を画定する。図4Bは、図4Aに示されるステントグラフト送達システムの側面図であり、ステントグラフトが半径方向に拡張する一方でステントグラフト送達システムにより近位端で依然として捕捉されるが、紐の近位引き込み後、可撓性シースの開口は、半径方向に収縮された配置から解放されることを示す。図4Cは、動脈瘤部位への送達の際に可撓性シースを近位に引き込み、ステントグラフトを暴露した後の、図4Aおよび4Bに示されるステントグラフト送達システムの側面図である。図4Dは、ステントグラフトの近位ベアステントをステントグラフト送達システムの頂部捕捉アセンブリから解放した後で、ステントグラフトからステントグラフト送達システムの引き込みを完了する前の、図4A~4Cに示されるステントグラフト送達システムの側面図である。
図4-2】図4C(i)は、図4Cに示されるステントグラフト送達システムの頂部捕捉アセンブリの詳細である。図4C(ii)は、図4Cに示されるステントグラフト送達システムの頂部捕捉アセンブリの別の詳細である。
図4-3】図4D(i)は、図4Dに示されるステントグラフト送達システムの頂部捕捉アセンブリである。
図5図5は、本発明のステントグラフト送達システムの分解組立図である。
図6図6Aは、組み立てられ、ステントグラフト送達システムの導入器シースに装填されたステントグラフト(示さず)を含み、本発明の方法の一態様により治療される動脈瘤まで進められた際の図5に示されるステントグラフト送達システムの側面図である。図6Bは、導入器シースを引き込み、それによりその中に含まれるステントグラフトを暴露した後の、図6Aに示されるステントグラフト送達システムの側面図である。図6Cは、本発明のステントグラフト送達システムの可撓性シース内の半径方向に収縮された位置からステントグラフトを解放するワイヤの引き込み後の、図6Aおよび6Bに示されるステントグラフト送達システムの側面図である。図6Dは、本発明のステントグラフト送達システムの頂部捕捉アセンブリにより依然として捕捉されるステントグラフトからの可撓性シースの引き込み後の、図6A~6Cに示されるステントグラフト送達システムの側面図である。図6Eは、本発明のステントグラフト送達システムの頂部捕捉アセンブリからのステントグラフトの解放後の、図6A~6Dに示されるステントグラフト送達システムの側面図である。図6Fは、ステントグラフト内からのステントグラフト送達システムの引き込み後の、図6A~6Eに示されるステントグラフト送達システムの側面図である。図6Gは、ステントグラフト内からステントグラフト送達システムを引き込み、それにより本発明の一態様により動脈瘤でのステントグラフトの埋め込みを完了した後の、図6A~6Fに示されるステントグラフト送達システムの側面図である。
図7図7Aは、本発明のステントグラフト送達システムの態様の側面図であり、ここでベアステントを有するステントグラフトは、ステントグラフト送達システムの可撓性シースにより半径方向に収縮される。図7Bは、可撓性シースの引き込み後の、図7Aに示されるステントグラフト送達システムの側面図である。
図8図8は、本発明のステントグラフト送達システムを使用して患者の動脈瘤に埋め込まれた血管プロテーゼの側面図であり、分枝プロテーゼは、血管プロテーゼのそれぞれの開窓を通って、大動脈の動脈分枝に埋め込まれる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
本発明は一般的に、生体臓器および組織への動脈分枝を有する大動脈の領域における大動脈瘤、例えば腎臓近傍大動脈瘤およびショートネック腹部大動脈瘤に関連する血管損傷などの大動脈血管損傷の治療および修復における使用のためのステントグラフト送達システムに関する。
【0010】
本発明の特徴および他の詳細は、発明の工程としてまたは発明の一部の組合せとしてのいずれかで、本明細書においてより具体的に記載され、特許請求の範囲において指摘される。本発明の特定の態様は、本発明の限定としてではなく例示として示されることが理解される。本発明の原理的な特徴は、本発明の範囲を逸脱することなく、種々の態様において使用され得る。
【0011】
本発明の例示態様の説明を以下にする。
【0012】
患者において送達または埋め込まれる「ステントグラフト」、「ステントグラフトプロテーゼ」または「血管プロテーゼ」とも本明細書において称されるプロテーゼを本明細書において参照する場合、単語「近位」は、患者の心臓に相対的に近いプロテーゼの部分またはプロテーゼの構成要素を意味し、「遠位」は、患者の心臓から相対的に遠いプロテーゼの部分またはプロテーゼの構成要素を意味する。「長手軸」は、該用語が本明細書において定義される場合、身体の重心も通過する身体の長手方向に沿った軸を意味する。
【0013】
しかしながら、プロテーゼを送達または埋め込むために使用される送達システムまたは送達システムの構成要素を参照する場合、本明細書で使用されるように、単語「近位」は、送達システムを使用する臨床医に対してより近いことを意味する。送達システムまたは送達システムの構成要素を参照する場合、「遠位」は、該用語が本明細書で使用される場合、送達システムを使用する臨床医からさらに離れていることを意味する。
【0014】
明確化のために、単語「最近位(proximate)」は、プロテーゼまたは送達システムのいずれかに関して上述される「近位」または「遠位」に属する意味とは全く違う、「近い(close)こと」を意味する。
【0015】
一態様において、本発明のステントグラフト送達システムは、図1Aおよび1Bに示されるように可撓性シースを含む。図1Aに示されるように、可撓性シース10は、可撓性シース10が収縮された半径方向の径Dを有するようにする開口12の配置により管腔形態に保持される。図1Aに示される態様において、開口12の配置は、開口12を通って伸長するワイヤ14により維持される。ワイヤ14は、可撓性シース10と概して平行に伸長する。しかしながら、開口12は、可撓性シース10が管腔形態をとるようにする任意のパターンで配置され得ることが理解される。それにもかかわらず、開口がそのように配置される場合、ステントグラフト16は、半径方向に収縮された位置に維持される。図1Aに示される態様において、開口12が配置されて、可撓性シース10が、収縮された径Dを有する管腔形態を有するようになる場合、可撓性シース10は、その中で半径方向に収縮されるステントグラフト16の開窓20を暴露する開窓18を画定する。図1Bは、長手軸13の周囲に90°回転された図1Aに示される態様の図であり、ワイヤ14が、開口12を通って伸長し、かつステントグラフト16を可撓性シース10中で半径方向に収縮しながら、可撓性シース10の開窓18にわたることを示す。
【0016】
紐における使用のための適切な材料の例は、形状記憶合金、ステンレス鋼またはポリマー、例えばナイロンからなる群の少なくとも1つの構成メンバーを含むワイヤである。一態様において、形状記憶合金はニチノールである。別の態様において、紐は、当該技術分野で公知であり、縫合糸を形成するために使用されるものなどの適切な糸である。
【0017】
図2Aは、本発明のステントグラフト送達システムの可撓性シース構成要素22の別の態様の斜視図であり、ここで開口は、可撓性シース22により画定されるスリット24であり、直線状の配置においてワイヤ26により長手方向に整列され、それにより可撓性シース22は収縮された半径方向の径Dの管腔形態を有するようになる。図2Bは、ワイヤ26を引き込み、それにより可撓性シースが収縮された半径方向の径Dを有するようにする直線状の配置からスリット24を解放させた後の図2Aに示される可撓性シース22の斜視図である。可撓性シース22中での以前の半径方向の収縮されたステントグラフト(示さず)の半径方向の拡張などによる可撓性シース22の半径方向の拡張により、スリット24は互いに対して移動して、もはや直線状の配置には整列せず、それにより可撓性シースの半径方向の径は、図2Bに示されるように、収縮された半径方向の径Dから、より大きな半径方向の径D'へと拡張する。
【0018】
図3Aに示されるように、本発明のステントグラフト送達システムの別の態様は可撓性シース28を含み、ここで可撓性シース28の開口は縫合糸ループ30であり、該縫合性ループ30は、ある配置にある場合、可撓性シース28が、収縮された半径方向の径Dを有する管腔形態を有するようにする。この態様において、縫合糸ループ30の配置は、シーム36を形成するワイヤ32による縫合糸ループの長手方向の整列である。さらに、管腔形態にある場合、可撓性シース28は開窓34を画定する。
【0019】
図3Bは、縫合糸ループ30からワイヤ32を引き込み、縫合糸ループ30が、可撓性シース28が管腔形態を有するようにする配置から解放される後の図3Aに示される態様の斜視図である。図3Bにおいてさらに示されるように、図3Aのシーム36は縁38を含む。図3Bに示されるように、スカラップを有する縁38は、可撓性シース28のループ30が配置されて、可撓性シース28が、収縮された半径方向の径Dを有する管腔形態をとる場合、図3Aに示される開窓34を画定する。以前に可撓性シース28中で半径方向に収縮された自己拡張ステントグラフト(示さず)の半径方向の拡張などによる可撓性シース28の半径方向の拡張により、縫合糸ループ30は互いに対して移動し、シーム36を開き、その結果、縫合糸ループ30および可撓性シース28はもはや半径方向に収縮された配置ではなくなる。
【0020】
図2Aおよび2Bに示されるように、例えば開口は、可撓性シースの材料におけるスリットであり得るが、開口は、図3Aおよび3Bに示されるものなどの可撓性シースに固定された縫合糸ループでもあり得る。開口は、縫合糸ループとスリットの組合せなどのいくつかの他の形態を有し得ることも理解される。さらに、上述のように、開口の配置が患者の動脈瘤部位への送達のためにステントグラフトを十分に半径方向に収縮させるのに十分な強度を伴って維持される限りは、可撓性シースが収縮された半径方向の径Dの管腔形態を有するようにする該開口の整列は、直線状である必要はない。
【0021】
図4Aから4Dは、本発明の方法の一態様によるステントグラフトの解放における連続工程を示す。図4Aに示されるように、可撓性シース40は、ワイヤ46により維持される開口44の直線状の配置によりステントグラフト42を半径方向に収縮する。ステントグラフト42は、開窓51、および頂部捕捉アセンブリ52に捕捉されるステントグラフト42の近位端50のベアステント48を含む。
【0022】
ワイヤ46の引き込みにより、図4Aに示される直線状の配置から開口44が解放され、それにより図4Bに示されるように、ステントグラフト42の半径方向の自己拡張などによるステントグラフト42の半径方向の拡張が可能になる。ステントグラフト42の半径方向の自己拡張は、当該技術分野において示されるような半径方向に自己拡張するステントを使用することにより実行され得る。一態様において、例えば半径方向に自己拡張するステントは、反対側の末端で連結されて近位頂部および遠位頂部を画定する支柱を含み得、ニチノールまたはいくつかの他の形状記憶合金で作製され得る。ステントが半径方向に自己拡張しない場合、ステントは、例えば当該技術分野で公知のものなどのバルーンカテーテルを使用することにより半径方向に拡張され得る。
【0023】
以前は46ワイヤに沿って配置された開口44は、ステントグラフト 42の半径方向の拡張の結果として移動し、それによりシーム74の縁が分離される。図4Cに示されるように、ステントグラフト42からの可撓性シース40の引き込みにより、ステントグラフト42の暴露が完了する。ベアステント48の近位頂部68は、図4Dに見られ得るように、頂部捕捉アセンブリ52の作動により解放され、ここで近位頂部捕捉構成要素60およびノーズコーン76は、図4C(i)および4C(ii)に示される詳細な図から図4D(i)への移り変わりにおいて見られ得るように、頂部捕捉カテーテル70の近位の引き込みにより遠位頂部捕捉構成要素54から分離される。
【0024】
図4C(i)の詳細に示されるように、頂部捕捉アセンブリ52は、ガイドワイヤカテーテル58の遠位端56に固定される遠位頂部捕捉構成要素54を含み、近位頂部捕捉構成要素60は歯62を画定し、遠位頂部捕捉構成要素54および近位頂部捕捉構成要素60は一緒になって、近位頂部68でベアステント48を捕捉する捕捉開口64を画定し、それによりステントグラフト42の近位端50を解放可能に固定し、かつ少なくとも部分的に束縛する。頂部捕捉アセンブリ52の頂部捕捉カテーテル70は、ガイドワイヤカテーテル58の周囲に伸長し、近位頂部捕捉構成要素60が固定される遠位端72を有する。それによりベアステント48は、ステントグラフト送達システムから解放される。
【0025】
図5は、本発明のステントグラフト送達システム80の一態様の分解組立図である。該図に示されるように、ガイドワイヤカテーテル82は、近位端84および遠位端86を含む。ノーズコーン90は、ガイドワイヤカテーテル82の遠位端86に固定される。可撓性シース92は、押し棒94および可撓性シースハンドル96に固定される。押し棒94は、可撓性シースハンドル96が固定される近位端98、および可撓性シース92が固定される遠位端100を含む。ワイヤ102は、可撓性シース92の開口104を通って伸長し、可撓性シース92から押し棒94に沿って可撓性シースハンドル96まで伸長する。ワイヤ102が開口104を通って伸長する場合、可撓性シース92により、開口104は、可撓性シース92が管腔形態にあり、収縮された径Dを有する配置を有するようになる。管腔形態にある場合、スカラップを有する縁は、図3Bおよび4Bから4Dに示されるように、図3Aおよび4Aに示されるようなシームを形成し、開窓106を画定する。導入器シース110は、近位端112および遠位端114を含む。遠位ハンドル116は導入器シース110の近位端112に固定され、ガイドワイヤカテーテル82に解放可能に固定される。
【0026】
図6A~6Fは、図4A~4Dに示されるものなどのステントグラフトプロテーゼ120が装填された、組み立てられた図5のステントグラフト送達システムを使用する本発明の方法の連続段階を示す。具体的に、図6Aは、図5のステントグラフト送達システム80の組み立てられた形態(form)の側面図であり、ここでステントグラフト(示さず)は、該形態内に装填され、患者の動脈瘤部位122に送達される。次いで、遠位ハンドル116および導入器シース110は、図6Bに示されるように、ガイドワイヤカテーテル82に固定されることなく矢印117の方向に引き込まれ、動脈瘤部位122で可撓性シース92およびステントグラフト120が暴露される。それによりステントグラフト120の径は、ワイヤ102の引き込みの前は、少なくとも部分的に可撓性シース92の径Dまで制限される。ここで示される別の態様において、ステントグラフト120は、導入器シースを動脈瘤122に対して遠位の位置に方向づけ、その後可撓性シースハンドル96をガイドワイヤカテーテル82に固定し、両方を矢印119に示される遠位方向に進めることにより動脈瘤122に送達され得、ステントグラフト120は、導入器シース110から進められ、それにより動脈瘤122にわたる。
【0027】
図6Cに見られ得るように、少なくともガイドワイヤカテーテル82、押し棒94および可撓性シース92は、長手軸124の周囲に軸方向に回転され、それによりステントグラフト120の開窓126および可撓性シース92の開窓106と、動脈分枝128が整列される。次いで分枝プロテーゼ130は、可撓性シース92による有意な干渉なく、ステントグラフトプロテーゼ120の開窓126および動脈分枝128に埋め込まれ得る。ワイヤ102は、図6Dに示されるように、可撓性シース92の開口104から引き込まれ、それにより可撓性シース92が収縮された半径方向の径D'の管腔形態を有するようにする配置、この場合、直線状の配置から開口104が解放される。その後、図6Eに示されるように、可撓性シースハンドル96は引き込まれ、それにより押し棒94が引き込まれて、可撓性シース92はステントグラフト120から分離される。次いで、ステントグラフト120は、図6Fに示されるように、ステントグラフトプロテーゼ120のベアステント132を頂部捕捉アセンブリ134から解放することなどにより、本発明のステントグラフト送達システム80から解放される。次いで、図6Gに示されるように、遠位ハンドルはガイドワイヤ82に固定され、近位方向117に引き込まれ、本発明のステントグラフト送達システム80の残りは、ステントグラフト120から引き込まれ、それにより大動脈瘤の治療が完了する。
【0028】
ステントグラフトプロテーゼの開窓を通る分枝プロテーゼの埋め込みは、本発明のものと同じかまたは同様のステントグラフト送達システムによりなされ得ることが理解される。分枝プロテーゼは、ステントグラフトを束縛する配置からの可撓性シースの開口の解放後に埋め込まれ得ることも理解される。
【0029】
別の態様において、本発明は、患者の動脈瘤部位にステントグラフトを送達するための方法である。図7Aおよび7Bに示される一態様において、ベアステントを含まないステントグラフト140は、患者の動脈瘤部位(示さず)に方向づけられ、導入器シース152は、可撓性シース142および半径方向に収縮されるステントグラフト140から引き込まれる。図7Aに示されるように、ステントグラフト140は、開口144を含む可撓性シース142により少なくとも部分的に半径方向に収縮され、該開口は、可撓性シース142が収縮された半径方向の径Dを有する管腔形態を有するようにする配置と合う。図7Bに示されるように、開口144は該配置から解放され、ステントグラフト140は束縛から解放され、スカラップを有する縁154のシーム152が開かれ、それによりステントグラフト140は、径がD'まで半径方向に拡張する。それによりステントグラフト140は動脈瘤に送達される。
【0030】
一態様において、ワイヤ146に引き込みによる該配置からの開口144の解放前に、孔148を画定し、かつステントグラフト140の開窓150と整列される可撓性シース142は回転されて、本発明のステントグラフト送達システムおよび方法の使用により動脈瘤部位180に埋め込まれたステントグラフト152の一態様を示す図8に示されるように、開窓と動脈分枝が整列される。その後、図8に示されるように、分枝プロテーゼ154、156、158、160は、ステントグラフト152の開窓162、164、166、168を通って、それぞれの動脈分枝170、172、174、176まで方向づけられ得る。レグステントグラフトプロテーゼ182、184は、ステントグラフト180の遠位端186から伸長する。
【0031】
示されないが、本発明の血管修復デバイスの遠位端は二又であり得、二又の血管プロテーゼの遠位端にさらなるプロテーゼが埋めこまれ得る。
【0032】
本発明のステントグラフトシステムおよび方法により埋めこまれる血管プロテーゼは、例えば経大腿(transfemoral)アクセスにより埋めこまれ得る。本発明の血管プロテーゼに方向づけられるさらなる分枝プロテーゼは、例えば大動脈上(supraaortic)血管アクセス(例えば上腕動脈を通る)、または経大腿アクセスもしくはいくつかの他の分枝もしくは末梢血管を含む主要血管の分枝からのアクセスにより埋めこまれ得る。
【0033】
本明細書に引用される全ての特許、公開出願および参照文献の教示は、それらの全体において、参照により援用される。米国特許第8,292,943号;第7,763,063号;第8,308,790号;第8,070,790号;第8,740,963号;第8,007,605号;第9,320,631号;第8,062,349号;第9,198,786号;第8,062,345号;第9,561,124号;第9,173,755号;第8,449,595号;第8,636,788号;第9,333,104号;第9,408,734号;第9,408,735号;第8,500,792号;第9,220,617号;第9,364,314号;第9,101,506号;第8,998,970号;第9,554,929号;第9,439,751号;第9,592,112号;第9,655,712号、第9,827,123号、第9,877,857号、第9,907,686号;米国特許出願第14/575,673号;第15/166,818号;第15/167,055号;第14/272,818号;第14/861,479号;第15/478,424号;第15/478,737号;第15/587,664号;第15/604,032号;第15/672,404号;第15/816,772号;第15/839,272号;第15/417,467号;PCT/US2017/025844;PCT/US2017/025849;PCT/US2017/025912;PCT/US2017/034223およびPCT/US2017/046062の関連のある教示も、それらの全体において参照により援用される。
【0034】
Eduardo Alejandro GarciaによるAttorney Docket No.: 4221.1043-001の2018年2月23日に出願された「Delivery System For Radially Constricting a Stent Graft and Method of Use」;Samuel ArbefeuilleによるAttorney Docket No.: 4221.1044-001の2018年2月23日に出願された「System and Method to Radially Constrict Stent Graft」;Timothy LostetterによるAttorney Docket No.: 4221.1046-001の2018年2月23日に出願された「Delivery System and Method to Radially Constrict a Stent Graft」;Samuel ArbefeuilleによるAttorney Docket No.: 4221.1047-001の2018年2月23日に出願された「Vascular Prosthesis with Moveable Fenestration and Method of Use」;Timothy LostetterによるAttorney Docket No.: 4221.1049-001の2018年2月23日に出願された「Stent Graft with Fenestration Lock and Methods of Use」;Samuel ArbefeuilleおよびNico BaharによるAttorney Docket No.: 4221.1050-001の2018年2月23日に出願された「Stent Graft, Delivery System and Methods of Use」;Samuel ArbefeuilleによるAttorney Docket No.: 4221.1052-001の2018年2月23日に出願された「Vascular Prosthesis with Crimped Adapter and Methods of Use」;Samuel Arbefeuille、Eduardo Alejandro GarciaおよびScott L. RushによるAttorney Docket No.: 4221.1053-001の2018年2月23日に出願された「Radially Adjustable Stent Graft Delivery System and Method of Use」;Timothy LostetterによるAttorney Docket No.: 4221.1054-001の2018年2月23日に出願された「Vascular Prosthesis with Fenestration Ring and Methods of Use」;Samuel ArbefeuilleによるAttorney Docket No.: 4221.1055-001の2018年2月23日に出願された「Distal Torque Component, Delivery System and Method of Using Same」の関連のある教示も、それらの全体において参照により援用される。
【0035】
例示態様が具体的に示され、記載されているが、形態および詳細における種々の変更が、添付の特許請求の範囲に包含される態様の範囲から逸脱することなく、本発明においてなされ得ることが、当業者には理解されよう。
本発明の態様として以下のものが挙げられる。
[1]a) ハンドル;
b) 該ハンドルから遠位に伸長し、遠位端および近位端を有し、かつ長手軸を画定するガイドワイヤカテーテル、ここで該ガイドワイヤカテーテルは、該ハンドルに対して移動可能である;
c) 該ハンドルに固定され、かつ該ハンドルから遠位におよび該ガイドワイヤカテーテルの周囲に伸長する外部カテーテル;
d) 該ガイドワイヤカテーテルと該外部カテーテルの間に伸長し、かつ該ガイドワイヤカテーテルおよび該外部カテーテルに対して長手方向に移動可能である可撓性シース、ここで該可撓性シースは開口を含み、開口の配置により、該可撓性シースが、収縮された半径方向の径を有する管腔形態を有するようになる;ならびに
e) 開口を該配置と適合させ、それにより該可撓性シースを、管腔形態の収縮された半径方向の径と適合するように形成するようにする、開口を通って伸長する紐、ここで該紐は、開口から近位に引き込み可能であり、それにより該可撓性シースが収縮された半径方向の径から解放される、
を含む、ステントグラフト送達システム。
[2]該開口が該可撓性シースにより画定される、[1]記載の送達システム。
[3]該開口が、少なくとも部分的に該可撓性シースに固定されるループにより画定される、[1]記載の送達システム。
[4]該配置が、該ガイドワイヤカテーテルの長手軸に沿った実質的な(substantial)配列を含む、[1]記載の送達システム。
[5]該紐が糸であり、該開口が該糸上の張力により整列される、[1]記載の送達システム。
[6]該紐がワイヤである、[1]記載の送達システム。
[7]該ワイヤが、形状記憶合金、ステンレス鋼およびポリマーからなる群の少なくとも一つの構成メンバーを含む、[6]記載の送達システム。
[8]該形状記憶合金がニチノールを含む、[7]記載の送達システム。
[9]該ポリマーがナイロンを含む、[8]記載の送達システム。
[10]該可撓性シースが長手縁を画定し、該長手縁が少なくとも部分的にシームを形成し、該開口が整列される際に該可撓性シースが長手管腔を画定する、[1]記載の送達システム。
[11]該長手縁の少なくとも1つがスカラップを有し(scalloped)、該開口の整列の際に、該可撓性シースが可撓性シースの管腔形態中に開窓を画定する、[10]記載の送達システム。
[12]該可撓性シースが、開口が整列されない場合に拡張された半径方向の径を有する管腔形態を有し、該拡張された半径方向の径が、開口が整列された場合の該可撓性シースの収縮された半径方向の径よりも大きい、[1]記載の送達システム。
[13]該可撓性シース内にステントグラフトプロテーゼをさらに含む、送達システムであって、該ステントグラフトが、
a) 該ガイドワイヤカテーテルの遠位端の近位端、遠位端、および該ガイドワイヤカテーテルの周囲に伸長する壁、ならびに
b) 該ステントグラフトの壁に固定されかつ該壁に沿って分布される複数のステント、ここで該ステントグラフトは、該可撓性シースの開口が整列される際に半径方向に収縮される、
を含む、[1]記載の送達システム。
[14]該開口が実質的に整列される際に該可撓性シースが開窓を画定し、該ステントグラフトプロテーゼの壁が、該可撓性シースの開窓と実質的に整列される開窓を画定する、[13]記載の送達システム。
[15]該ステントグラフトが、該ステントグラフトの近位端にベアステントをさらに含み、該ベアステントが近位頂部を画定する支柱を含む、[14]記載の送達システム。
[16]該ベアステントの近位頂部を解放可能に捕捉する頂部捕捉アセンブリをさらに含む、[15]記載の送達システム。
[17]頂部捕捉アセンブリが、該ガイドワイヤカテーテルの遠位端に固定された遠位頂部捕捉構成要素、近位頂部捕捉構成要素、および該ガイドワイヤカテーテルの周囲に伸長しかつ該近位頂部捕捉構成要素が固定される遠位端を有する頂部捕捉カテーテルを含み、ここで該遠位頂部捕捉構成要素および近位頂部捕捉構成要素は一緒になって、該ベアステントの近位頂部を捕捉する捕捉開口を画定し、それにより該ステントグラフトの近位端を解放可能に捕捉しかつ少なくとも部分的に束縛し、該ベアステントの近位頂部、および結果的に近位頂部捕捉構成要素は、該頂部捕捉カテーテルが遠位頂部捕捉構成要素から引き込まれる際に解放され得る、[16]記載の送達システム。
[18]ステントグラフトプロテーゼを患者の動脈瘤部位に送達するための方法であって、
a) 送達システムによりステントグラフトを患者の動脈瘤部位に方向づける工程、ここで該ステントグラフトは、該送達システムの可撓性シースにより少なくとも部分的に半径方向に収縮され、該可撓性シースは、可撓性シースが収縮された半径方向の径を有する管腔形態を有するようにする配置に適合する開口を含む;および
b) 該配置から該開口を解放する工程、ここで該ステントグラフトは、該可撓性シースにより半径方向の収縮から解放され、それによりステントグラフトが動脈瘤部位に送達される、
を含む、方法。
[19]該送達システムが、
a) ハンドル;
b) 該ハンドルから遠位に伸長し、遠位端および近位端を有し、かつ長手軸を画定するガイドワイヤカテーテル、ここで該ガイドワイヤカテーテルは該ハンドルに対して移動可能である;
c) 該ハンドルに固定され、該ハンドルから遠位にかつ該ガイドワイヤカテーテルの周囲に伸長する外部カテーテル、ここで該可撓性シースは、該ガイドワイヤカテーテルと該外部カテーテルの間に伸長し、かつ該ガイドワイヤカテーテルおよび該外部カテーテルに対して長手方向に移動可能である;ならびに
d) 開口を該配置に適合させ、それにより該可撓性シースを該管腔形態の収縮された半径方向の径に適合させるようにする、開口を通って伸長する紐、ここで該紐は開口から近位に引き込み可能であり、それにより該可撓性シースが収縮された半径方向の径から解放される、
をさらに含む、[18]記載の方法。
[20]該開口が該可撓性シースにより画定される、[19]記載の方法。
[21]該開口が、少なくとも部分的に、該可撓性シースに固定されるループにより画定される、[19]記載の方法。
[22]該配置が、該ガイドワイヤカテーテルの長手軸に沿った実質的な配列を含む、[19]記載の方法。
[23]該紐が糸であり、該開口が該糸上の張力により整列される、[19]記載の方法。
[24]該紐がワイヤである、[19]記載の方法。
[25]該ワイヤが、形状記憶合金、ステンレス鋼およびポリマーからなる群の少なくとも一つの構成メンバーを含む、[24]記載の方法。
[26]該形状記憶合金がニチノールを含む、[25]記載の方法。
[27]該ポリマーがナイロンを含む、[26]記載の方法。
[28]該可撓性シースが長手縁を画定し、該長手縁が少なくとも部分的にシームを形成し、該開口が整列される際に該可撓性シースが長手管腔を画定する、[19]記載の方法。
[29]該長手縁の少なくとも1つがスカラップを有し、該開口の整列の際に、該可撓性シースが、該可撓性シースの管腔形態中に開窓を画定する、[28]記載の方法。
[30]該開口が整列されない場合に該可撓性シースが、拡張された半径方向の径を有する管腔形態を有し、該拡張された半径方向の径が、該可撓性シースの収縮された半径方向の径よりも大きい、[19]記載の方法。
[31]該ステントグラフトプロテーゼが該可撓性シース内にあり、半径方向(radial)ステントの少なくとも一部が半径方向に自己拡張している、[19]記載の方法。
[32]該可撓性シースが該配置により半径方向に収縮される場合に該可撓性シースが開窓を画定し、該ステントグラフトプロテーゼの壁が、該可撓性シースの開窓と実質的に整列される開窓を画定する、[31]記載の方法。
[33]該ステントグラフトがさらに、該ステントグラフトの近位端にベアステントを含み、該ベアステントが近位頂部を画定する支柱を含む、[32]記載の方法。
[34]該送達システムがさらに、該ベアステントの近位頂部を解放可能に捕捉する頂部捕捉アセンブリを含む、[33]記載の方法。
[35]該頂部捕捉アセンブリが、該ガイドワイヤカテーテルの遠位端に固定される遠位頂部捕捉構成要素、近位頂部捕捉構成要素、および該ガイドワイヤカテーテルの周囲に伸長しかつ該近位頂部捕捉構成要素が固定される遠位端を有する頂部捕捉カテーテルを含み、ここで該遠位頂部捕捉構成要素および近位頂部捕捉構成要素は一緒になって、ベアステントの近位頂部を捕捉する捕捉開口を画定し、それにより該ステントグラフトの近位端を解放可能に固定しかつ少なくとも部分的に束縛し、該ベアステントの近位頂部および結果的に該近位頂部捕捉構成要素は、該頂部捕捉カテーテルが該遠位頂部捕捉構成要素から引き込まれる際に解放され得る、[34]記載の方法。
図1
図2
図3
図4-1】
図4-2】
図4-3】
図5
図6
図7
図8