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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-26
(45)【発行日】2022-08-03
(54)【発明の名称】鞍乗型車両
(51)【国際特許分類】
   B62J 50/22 20200101AFI20220727BHJP
   B62J 45/00 20200101ALI20220727BHJP
   B62K 11/04 20060101ALI20220727BHJP
【FI】
B62J50/22
B62J45/00
B62K11/04 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020165751
(22)【出願日】2020-09-30
(65)【公開番号】P2022057472
(43)【公開日】2022-04-11
【審査請求日】2021-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】杉山 雄一
【審査官】渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-230761(JP,A)
【文献】特開2013-106192(JP,A)
【文献】特開2019-73288(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0147604(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 50/22
B62J 45/00
B62K 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯通信端末と通信可能な通信モジュールと、
前記携帯通信端末から送信されたインフォテイメント情報を表示するディスプレイと、
前記通信モジュールを介して、前記携帯通信端末から前記携帯通信端末の温度に関する温度データを受信し、前記温度データに応じた画像を前記ディスプレイに表示させるコントローラと、
を備える鞍乗型車両。
【請求項2】
前記温度データに応じた画像は、アイコン、或いはテキストである、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項3】
前記コントローラは、前記温度データに応じた色で前記アイコンを前記ディスプレイに表示させる、
請求項2に記載の鞍乗型車両。
【請求項4】
前記通信モジュールは、前記携帯通信端末と無線により通信を行い、
前記コントローラは、前記携帯通信端末と前記通信モジュールとの接続状態を示す画像を前記ディスプレイに表示させる、
請求項1から3のいずれかに記載の鞍乗型車両。
【請求項5】
ユーザによって操作可能な入力装置をさらに備え、
前記コントローラは、
前記携帯通信端末を操作するための画像を前記ディスプレイに表示させ、
前記入力装置から出力される前記入力装置への操作を示す操作信号を受信し、
前記操作信号に応じて、前記携帯通信端末を操作するための指令信号を前記携帯通信端末に送信する、
請求項1から4のいずれかに記載の鞍乗型車両。
【請求項6】
ヘッドパイプを含む車体フレームと、
前記ヘッドパイプの後方に配置されるシートと、
前記ヘッドパイプの上方に配置されるハンドル部材と、前記ヘッドパイプの下方に配置されるフロントフォークとを含み、前記ヘッドパイプに回転可能に支持されるステアリング装置と、
前記フロントフォークに回転可能に支持される前輪と、
前記車体フレームに支持される駆動ユニットと、
前記駆動ユニット又は前記車体フレームに回転可能に支持される後輪と、
を備える請求項1から5のいずれかに記載の鞍乗型車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯通信端末と通信可能な表示システムを備えた鞍乗型車両が知られている(特許文献1参照)。表示システムは、携帯通信端末から取得した情報を、鞍乗型車両に搭載されたディスプレイに表示させる。或いは、表示システムは、携帯通信端末を操作するための画面をディスプレイに表示させる。例えば、表示システムは、電話、或いは音楽再生などを操作するための画面をディスプレイに表示させる。表示システムは、例えばBluetooth(登録商標)などの無線通信によって、携帯通信端末と通信を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2008-523745号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯通信端末には、携帯通信端末が過熱状態になると、各種の機能を停止させるものがある。例えば、携帯通信端末は、表示システムとの無線通信の接続を維持したまま、音楽再生などのアプリケーションを停止させる。その場合、ユーザとしては、音楽が再生されず、或いは、再生されてもすぐに停止してしまう状況になり、その原因を把握することは困難である。
【0005】
特に、鞍乗型車両は、太陽光にさらされる、或いはエンジンなどの熱源に近い位置に携帯通信端末が配置されるなどの理由から、携帯通信端末が高温環境下に置かれることが多い。また、携帯通信端末が、シート下の収納ボックス、或いはグローブボックス内に置かれているときには、ユーザが運転中に携帯通信端末を見て操作することは困難である。そのため、過熱状態によって携帯通信端末の機能が制限されていても、ユーザがそれを把握することは容易ではない。
【0006】
本発明の目的は、ユーザが、鞍乗型車両の運転中であっても、携帯通信端末が過熱状態であることをユーザに容易に知らせることができる鞍乗型車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る鞍乗型車両は、通信モジュールと、ディスプレイと、コントローラとを備える。通信モジュールは、携帯通信端末と通信可能である。ディスプレイは、携帯通信端末から送信されたインフォテイメント情報を表示する。コントローラは、通信モジュールを介して、携帯通信端末から携帯通信端末の温度に関する温度データを受信する。コントローラは、温度データに応じた画像をディスプレイに表示させる。
【0008】
本態様に係る鞍乗型車両では、携帯通信端末から取得された携帯通信端末の温度に関する温度データに応じた画像がディスプレイに表示される。そのため、ユーザは、携帯通信端末が過熱状態になったときに、携帯通信端末が過熱状態であることを、温度データに応じた画像によって、容易に把握することができる。
【0009】
温度データに応じた画像は、アイコンであってもよい。この場合、ユーザは、携帯通信端末が過熱状態であることを、アイコンによって容易に把握することができる。
【0010】
コントローラは、温度データに応じた色でアイコンをディスプレイに表示させてもよい。この場合、ユーザは、携帯通信端末が過熱状態であることを、アイコンの色によって容易に把握することができる。
【0011】
通信モジュールは、携帯通信端末と無線により通信を行ってもよい。コントローラは、携帯通信端末と通信モジュールとの接続状態を示す画像をディスプレイに表示させてもよい。この場合、ユーザは、接続状態を示す画像によって、携帯通信端末と通信モジュールとの接続状態を容易に把握することができる。また、ユーザは、接続状態を示す画像と、温度データに応じた画像とによって、携帯通信端末の機能の停止が、接続状態によるものなのか、過熱状態によるものなのかを区別することができる。
【0012】
鞍乗型車両は、入力装置をさらに備えてもよい。入力装置は、ユーザによって操作可能であってもよい。コントローラは、携帯通信端末を操作するための画像をディスプレイに表示させてもよい。コントローラは、入力装置から出力される入力装置への操作を示す操作信号を受信してもよい。コントローラは、操作信号に応じて、携帯通信端末を操作するための指令信号を携帯通信端末に送信してもよい。この場合、ユーザは、鞍乗型車両に搭載された入力装置を操作することで、携帯電話端末を操作することができる。
【0013】
鞍乗型車両は、車体フレームと、シートと、ステアリング装置と、前輪と、駆動ユニットと、後輪とを備えてもよい。車体フレームは、ヘッドパイプを含んでもよい。シートは、ヘッドパイプの後方に配置されてもよい。ステアリング装置は、ヘッドパイプに回転可能に支持されてもよい。ステアリング装置は、ハンドル部材とフロントフォークとを含んでもよい。ハンドル部材は、ヘッドパイプの上方に配置されてもよい。フロントフォークは、ヘッドパイプの下方に配置されてもよい。前輪は、フロントフォークに回転可能に支持されてもよい。駆動ユニットは、車体フレームに支持されてもよい。後輪は、駆動ユニット又は車体フレームに回転可能に支持されてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ユーザが、鞍乗型車両の運転中であっても、携帯通信端末が過熱状態となったことをユーザに容易に知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】鞍乗型車両の側面図である。
図2】ハンドル部材及びその周囲の構成を示す背面図である。
図3】鞍乗型車両1の制御システムを示すブロック図である。
図4】第1の温度アイコンを含む画像を示す図である。
図5】操作画面を含む画像を示す図である。
図6】第2の温度アイコンを含む画像を示す図である。
図7】携帯通信端末の温度レベルと温度アイコンとの対応を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施形態に係る鞍乗型車両の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、「前後」、「上下」、「左右」等の方向を示す用語は、鞍乗型車両を運転する時のライダーから見た方向を意味するものとする。図1は、実施形態に係る鞍乗型車両1の側面図である。鞍乗型車両1は、スクータである。鞍乗型車両1は、車体フレーム2と、ステアリング装置3、車体カバー4と、前輪5と、後輪6と、駆動ユニット7と、シート8と、燃料タンク9とを備える。
【0017】
車体フレーム2は、ヘッドパイプ11と、メインフレーム12とを含む。ヘッドパイプ11は、前方かつ下方に延びている。メインフレーム12は、ヘッドパイプ11に接続されている。メインフレーム12は、ヘッドパイプ11から後方に延びている。燃料タンク9は、メインフレーム12に支持されている。
【0018】
ステアリング装置3は、ヘッドパイプ11に回転可能に支持されている。フロントフォーク14と、ハンドル部材15とを含む。フロントフォーク14は、前方かつ下方に延びている。フロントフォーク14は、ヘッドパイプ11の下方に配置されている。ハンドル部材15は、フロントフォーク14に接続されている。ハンドル部材15の前方には、ウィンドシールド16が配置されている。
【0019】
車体カバー4は、車体フレーム2を覆う。車体カバー4は、フロントカバー20と、レッグシールド21と、サイドカバー22とを含む。フロントカバー20は、ヘッドパイプ11の前方及び両側方に配置されている。フロントカバー20には、ヘッドライト23が配置されている。レッグシールド21は、フロントカバー20の後方に配置されている。レッグシールド21の後方には、フットレスト24が配置されている。フットレスト24は、前後方向に延びている。図1では、左のフットレスト24のみが図示されているが、左のフットレスト24と対称に、右のフットレストが配置されている。サイドカバー22は、メインフレーム12の両側方に配置されている。
【0020】
前輪5は、フロントフォーク14に回転可能に支持されている。後輪6は、スイングアーム18に回転可能に支持されている。スイングアーム18は、駆動ユニット7、或いは、車体フレーム2に回転可能に支持される。駆動ユニット7は、シート8の下方に配置されている。駆動ユニット7は、メインフレーム12に支持されている。駆動ユニット7は、後輪6を回転させる駆動力を発生させる。駆動ユニット7は、例えば内燃エンジンを含む。或いは、駆動ユニット7は、電動モータを含んでもよい。
【0021】
図2は、ハンドル部材15及びその周囲の構成を示す背面図である。図2に示すように、ハンドル部材15は、ハンドルバー15aと、一対のグリップ部15b,15cとを含む。ハンドルバー15aは、左右方向に延びている。グリップ部15b,15cは、ハンドルバー15aの両端に取り付けられている。
【0022】
鞍乗型車両1は、ディスプレイ26を備えている。ディスプレイ26は、ハンドル部材15の前方に配置されている。ディスプレイ26は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、OLED(Organic Light Emitting Diode) ディスプレイ、或いは、OELD(Organic Electroluminescence Display)である。ただし、ディスプレイ26は、他の種類のものであってもよい。ディスプレイ26は、入力される画像信号に応じた画像を表示する。
【0023】
鞍乗型車両1は、入力装置27を備えている。本実施形態において、入力装置27は、ハンドルバー15aに取り付けられている。入力装置27は、グリップ部15bに隣接して配置されている。入力装置27は、ユーザによって操作可能である。入力装置27は、ユーザによる操作を示す操作信号を出力する。入力装置27は、選択スイッチ28と決定スイッチ29とを含む。選択スイッチ28と決定スイッチ29とは、互いに別体であってもよい。或いは、選択スイッチ28と決定スイッチ29とは、一体であってもよい。
【0024】
図3は、鞍乗型車両1の制御システムを示すブロック図である。図3に示すように、鞍乗型車両1は、ECU30を備えている。ECU30は、プロセッサ及びメモリを含む。ECU30は、鞍乗型車両1を制御するためのプログラム及びデータを記憶しており、プログラム及びデータに従って、鞍乗型車両1を制御する。例えば、ECU30は、駆動ユニット7の出力を制御する。駆動ユニット7がエンジンを含む場合、ECU30は、エンジンの点火タイミングを制御する。
【0025】
ECU30は、鞍乗型車両1に搭載された複数のセンサに接続されている。複数のセンサは、鞍乗型車両1の状態を示す車両情報を検出する。例えば、複数のセンサは、冷却水温度センサ31、燃料センサ32、車速センサ33、回転速度センサ34を含む。冷却水温度センサ31は、駆動ユニット7の冷却水の温度を検出する。燃料センサ32は、燃料タンク内の燃料の残量を検出する。車速センサ33は、鞍乗型車両1の走行速度を検出する。回転速度センサ34は、駆動ユニット7の出力回転速度を検出する。例えば、駆動ユニット7がエンジンを含む場合、回転速度センサ34は、エンジン回転速度を検出する。複数のセンサは、それぞれ検出した車両情報を示す検出信号を出力する。
【0026】
鞍乗型車両1は、表示システム40を備えている。表示システム40は、上述した車両情報をディスプレイ26に表示する。また、表示システム40は、携帯通信端末100と相互にデータ通信を行う。例えば、携帯通信端末100には、表示システム40と通信を行うためのアプリケーションがインストールされている。携帯通信端末100は、例えばスマートフォン、或いはタブレットである。携帯通信端末100は、3G,4G,或いは5Gなどのモバイル通信ネットワークに接続可能である。携帯通信端末100は、無線LANなどの通信ネットワークに接続可能であってもよい。
【0027】
表示システム40は、通信モジュール41と、コントローラ42と、上述したディスプレイ26とを含む。通信モジュール41は、携帯通信端末100と通信可能である。例えば、通信モジュール41は、Bluetooth(登録商標)などの無線通信によって、携帯通信端末100と通信を行う。或いは、通信モジュール41は、有線によって携帯通信端末100と通信を行ってもよい。通信モジュール41は、無線通信によって、ヘッドセット200と通信可能である。
【0028】
コントローラ42は、プロセッサとメモリとを含む。コントローラ42は、SSD、或いはHDDなどの補助記憶装置を含んでもよい。コントローラ42は、ECU30と通信可能に接続されている。コントローラ42は、ECU30から車両情報を受信する。コントローラ42は、通信モジュール41と通信可能に接続されている。コントローラ42は、通信モジュール41を介して、携帯通信端末100から後述するインフォテイメント情報を受信する。コントローラ42は、通信モジュール41を介して、携帯通信端末100に指令信号を送信する。コントローラ42は、ディスプレイ26と通信可能に接続されている。コントローラ42は、ディスプレイ26に画像信号を出力することで、ディスプレイ26に画像を表示させる。
【0029】
図4は、ディスプレイ26に表示される画像50Aを示す図である。画像50Aは、車両情報を含む。例えば、車両情報は、速度計51、タコメータ52、冷却水温度計53、及び燃料計54で示される。コントローラ42は、受信した車両情報に基づいて、速度計51、タコメータ52、冷却水温度計53、及び燃料計54をディスプレイ26に表示する。
【0030】
画像50Aは、通信モジュール41とヘッドセット200との接続状態を示すアイコン55を含む。コントローラ42は、通信モジュール41とヘッドセット200との接続が確立されているときには、アイコン55をディスプレイ26に表示する。コントローラ42は、通信モジュール41とヘッドセット200との接続が確立されていないときには、アイコン55を消灯する。
【0031】
画像50Aは、携帯通信端末100から送信されたインフォテイメント情報を含む。インフォテイメント情報は、携帯通信端末100と通信モジュール41との接続状態を示すアイコン56を含む。コントローラ42は、携帯通信端末100と通信モジュール41との接続が確立されているときには、アイコン56をディスプレイ26に表示する。コントローラ42は、携帯通信端末100と通信モジュール41との接続機能がオフであるときには、アイコン56を消灯する。コントローラ42は、携帯通信端末100と通信モジュール41との接続機能がオンであるのに、携帯通信端末100と通信モジュール41との接続が確立されていないときには、アイコン56と異なるアイコン56をディスプレイ26に表示する。
【0032】
インフォテイメント情報は、携帯通信端末100に関する他の情報を含んでもよい。例えば、コントローラ42は、電話の着信を示すアイコンをディスプレイ26に表示してもよい。コントローラ42は、E-mail、或いはSMSなどのメッセージの受信を示すアイコンをディスプレイ26に表示してもよい。コントローラ42は、SNSに関する通知を示すアイコンをディスプレイ26に表示してもよい。インフォテイメント情報は、ナビゲーションの案内画面を含んでもよい。
【0033】
インフォテイメント情報は、携帯通信端末100と無線LANとの接続状態を示すアイコン57を含む。コントローラ42は、携帯通信端末100と無線LANとの接続状態に応じた態様で、アイコン57をディスプレイ26に表示する。コントローラ42は、携帯通信端末100と無線LANとの接続機能がオフであるときには、アイコン57を消灯する。コントローラ42は、携帯通信端末100と無線LANとの接続機能がオンであるのに、携帯通信端末100と無線LANとの接続が確立されていないときには、アイコン57と異なるアイコン56をディスプレイ26に表示する。
【0034】
インフォテイメント情報は、携帯通信端末100のバッテリ残量、或いは充電状態を示すアイコン58を含む。コントローラ42は、バッテリ残量、或いは充電状態に応じた態様で、アイコン58をディスプレイ26に表示する。
【0035】
インフォテイメント情報は、携帯通信端末100とモバイル通信ネットワークとの接続状態を示すアイコン59を含む。コントローラ42は、携帯通信端末100とモバイル通信ネットワークとの接続強度に応じた態様で、アイコン59をディスプレイ26に表示する。
【0036】
図5は、ディスプレイ26に表示される他の画像50Bを示す図である。画像50Bは、携帯通信端末100を操作するための操作画面60を含む。ユーザは、入力装置27を操作することで、ディスプレイ26に操作画面60を呼び出すことができる。操作画面60は、携帯通信端末100のアプリケーションを示すアイコンを含む。コントローラ42は、入力装置27からの操作信号に応じて、携帯通信端末100を操作するための指令信号を携帯通信端末100に送信する。それにより、ユーザは、入力装置27によって、アイコンを選択して決定することで、所望のアプリケーションを起動して、操作することができる。
【0037】
例えば、操作画面60は、電話の着信、或いは発信を示すアイコン61を含む。操作画面60は、音楽などの他のアプリケーションを示すアイコン62を含む。これらのアプリケーションに関する音声は、ヘッドセット200から出力される。また、ユーザの音声は、ヘッドセット200を介して、携帯通信端末100に入力される。
【0038】
図4及び図6に示すように、画像50Aは、温度データを示す温度アイコン63,64を含む。温度データは、携帯通信端末100の温度に関する情報である。図7に示すように、携帯通信端末100は、携帯通信端末100の温度に応じた温度レベルを、温度データとして出力する。例えば、携帯通信端末100の温度が40度Cより低いときには、携帯通信端末100は、レベル1を示す温度データを出力する。携帯通信端末100の温度が40度Cから45度Cまでであるときには、携帯通信端末100は、レベル2を示す温度データを出力する。携帯通信端末100の温度が45度Cから49度Cまでであるときには、携帯通信端末100は、レベル3を示す温度データを出力する。携帯通信端末100の温度が45度Cより高いときには、携帯通信端末100は、レベル4を示す温度データを出力する。なお、図7に示す温度範囲の数値は一例であり、各温度レベルが示す温度範囲は、これらの数値に限られない。
【0039】
コントローラ42は、通信モジュール41を介して、携帯通信端末100から温度データを受信する。コントローラ42は、温度データに応じた温度アイコン63,64をディスプレイ26に表示させる。コントローラ42は、温度レベルがレベル1であるときには、図4に示すように、第1の温度アイコン63をディスプレイ26に表示する。コントローラ42は、温度レベルがレベル2以上であるときには、図6に示すように、第2の温度アイコン64をディスプレイ26に表示する。第2の温度アイコン64の色は、第1の温度アイコン63の色と異なる。すなわち、コントローラ42は、温度データに応じた色で温度アイコンをディスプレイ26に表示させる。なお、図面においては、アイコン63,64の色の違いが、ハッチングの有無で表されている。第1の温度アイコン63は、携帯通信端末100の温度が通常であることを示す。第2の温度アイコン64は、携帯通信端末100温度が過熱状態であることを示す。
【0040】
以上説明した本実施形態に係る鞍乗型車両1では、携帯通信端末100から取得された携帯通信端末100の温度に関する温度データに応じた温度アイコン63,64がディスプレイ26に表示される。そのため、ユーザは、携帯通信端末100が過熱状態になったときに、携帯通信端末100が過熱状態であることを温度アイコン63,64によって容易に把握することができる。
【0041】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0042】
鞍乗型車両1は、スクータに限らず、アンダーボーン型、モペッド、或いはストリートモーターサイクルなどの他の車両であってもよい。車体フレーム2、車体カバー4、駆動ユニット7、シート8、及び燃料タンク9の形状、或いは配置は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。
【0043】
入力装置27の形状、或いは配置は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、入力装置27は、グリップ部15cに隣接して配置されてもよい。或いは、入力装置27は、ハンドル部材以外の部分に配置されてもよい。
【0044】
コントローラ42は、複数のコントローラによって構成されてもよい。例えば、携帯通信端末100との通信と、ディスプレイ26の制御とは、互いに別々のコントローラ42によって実行されてもよい。ディスプレイ26と、通信モジュール41と、コントローラ42との一部、或いは全部は、互いに別体であってもよく、或いは互いに一体であってもよい。温度データに応じた画像は、温度アイコン63,64に限らず、他の態様で表されてもよい。例えば、温度データに応じた画像は、温度データに応じたテキストであってもよい。テキストは、ポップアップウィンドウに表示されてもよい。コントローラ42は、温度データに応じて、異なる形状のアイコンをディスプレイ26に表示してもよい。或いは、コントローラ42は、温度データに応じて、異なる文言のテキストをディスプレイ26に表示してもよい。
【0045】
温度アイコンの種類の数は、2つに限らず、2つより多くてもよい。例えば、コントローラ42は、3つ以上の異なる色の温度アイコンを、温度レベルに応じてディスプレイ26に表示してもよい。温度レベルの数は、4つに限らず、4つより少なくてもよく、或いは4つより多くてもよい。
【0046】
ディスプレイ26に表示される画像50A,50Bの形状、或いは配置は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。ディスプレイ26に表示される車両情報は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。ディスプレイ26に表示されるインフォテイメント情報は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明によれば、ユーザが、鞍乗型車両の運転中であっても、携帯通信端末が過熱状態となったことをユーザに容易に知らせることができる。
【符号の説明】
【0048】
2:車体フレーム, 3:ステアリング装置, 5:前輪, 6:後輪, 7:駆動ユニット, 8:シート, 11:ヘッドパイプ, 14:フロントフォーク, 15:ハンドル部材, 26:ディスプレイ, 27:入力装置, 41:通信モジュール, 42:コントローラ, 63,64:温度アイコン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7