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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-26
(45)【発行日】2022-08-03
(54)【発明の名称】スマートホルダー
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/04 20060101AFI20220727BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20220727BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20220727BHJP
【FI】
H04M1/04 Z
B60R11/02 W
H04M1/00 U
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020514794
(86)(22)【出願日】2018-05-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-27
(86)【国際出願番号】 IL2018050543
(87)【国際公開番号】W WO2018216004
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】252404
(32)【優先日】2017-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(31)【優先権主張番号】15/600,810
(32)【優先日】2017-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519412017
【氏名又は名称】レブ,ヤーロン
(73)【特許権者】
【識別番号】519412028
【氏名又は名称】ベン シトリット,デビッド
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】レブ,ヤーロン
(72)【発明者】
【氏名】ベン シトリット,デビッド
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-088092(JP,A)
【文献】特開2015-181321(JP,A)
【文献】特開2014-120913(JP,A)
【文献】登録実用新案第3189199(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R9/00-11/06
H04M1/00-1/82
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイルデバイス用装置であって、該モバイルデバイス用装置は、
支持構造であって、内部空間内の適所に装置を固定するように適合された取り付け装置と、モバイルデバイスを前記支持構造へ取り外し可能に連結するように適合された連結機構と、制御ユニットハウジングとを含む支持構造と、
前記ハウジングに格納されるプロセッサユニットと
前記プロセッサユニットに動作可能に連結されモバイルデバイスと通信するように構成された無線トランシーバと、
加入者識別モジュール(SIM)スロット又はミニSIMスロットと、
を含む、ことを特徴とするモバイルデバイス用装置。
【請求項2】
前記プロセッサユニットに動作可能に連結されたマイクロフォンと、記憶媒体とを更に含み、前記記憶媒体は、前記マイクロフォンに動作可能に連結され、前記プロセッサは、前記マイクロフォンによって感知された音声入力を前記記憶媒体上で音声データとして記録および記憶するように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のモバイルデバイス用装置。
【請求項3】
支持構造に動作可能に連結され、プロセッサユニットに電子的に連結されており、車両のフロントガラスを通して視野を持つように配置するように適合される、前方監視カメラと
前記前方監視カメラに動作可能に連結される記憶媒体とを更に含み、
前記プロセッサユニットは、前記記憶媒体上に、前記前方監視カメラによって感知された視覚入力を視覚データとして記録および記憶するように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のモバイルデバイス用装置。
【請求項4】
支持構造に動作可能に連結され、プロセッサユニットに電子的に連結され、及び内部空間の適所に固定されると車両の内部空間の少なくとも一部の視野を有するように配置するように適合される、第1の内部監視カメラと
前記第1の内部監視カメラに動作可能に連結される記憶媒体とを更に含み、
前記プロセッサユニットは、前記記憶媒体上に、前記第1の内部監視カメラによって感知された視覚入力を記録および記憶するように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のモバイルデバイス用装置。
【請求項5】
第2の内部監視カメラをさらに含み、前記第2の内部監視カメラは、支持構造に動作可能に連結され、プロセッサユニットに電子的に連結され、内部空間の適所に固定されたときに車両の内部空間の第2の部分の視野を持つように配置されるように適合され、前記プロセッサは、前記第2の内部監視カメラによって感知された視覚入力を前記記憶媒体に記録および記憶するように構成される、ことを特徴とする請求項4に記載のモバイルデバイス用装置。
【請求項6】
イヤピースと、前記支持構造に動作可能に連結され前記イヤピースを保持するように構成されるイヤピース格納容器とをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のモバイルデバイス用装置。
【請求項7】
前記イヤピース格納容器はさらに電源ポートを含み、前記イヤピースは前記電源ポートを介して電力を受け取るように適合されている、ことを特徴とする請求項6に記載のモバイルデバイス用装置。
【請求項8】
前記イヤピースは無線通信が可能である、ことを特徴とする請求項6に記載のモバイルデバイス用装置。
【請求項9】
前記イヤピースは、有線電気コネクタを介して装置に動作可能に連結される、ことを特徴とする請求項6に記載のモバイルデバイス用装置。
【請求項10】
前記プロセッサユニットに動作可能に連結された充電式電池をさらに含み、前記充電式電池は、前記充電式電池を電源に動作可能に連結する電力取り込みポートを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のモバイルデバイス用装置。
【請求項11】
前記充電式電池は、電源出力ポートを更に含む、ことを特徴とする請求項10に記載のモバイルデバイス用装置。
【請求項12】
前記充電式電池は装置に着脱可能に連結される、ことを特徴とする請求項10に記載のモバイルデバイス用装置。
【請求項13】
メモリーカードスロットを更に含む、ことを特徴とする請求項1に記載のモバイルデバイス用装置。
【請求項14】
前記プロセッサユニットに動作可能に連結される長距離無線ネットワークトランシーバをさらに含み、前記プロセッサユニットは、セルラーネットワークまたは衛星ネットワーク上で、音声、視覚、または音声視覚入力の無線送信を達成するように、前記無線ネットワークトランシーバを、前記SIMスロット又は前記ミニSIMスロットに挿入されるSIMカードに接続するように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のモバイルデバイス用装置。
【請求項15】
前記プロセッサユニットは、前記記憶媒体からモバイルデバイスへの音声、視覚、または音声視覚データの無線送信を達成するように構成される、ことを特徴とする請求項4に記載のモバイルデバイス用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、移動通信装置用のホルダーに関し、より詳細には、ホルダーにコンピューティング機能が統合されている車両で使用するためのホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話はおそらく、今日の西洋社会、最も限定的には都市部で見られる最も良く見られるデジタルデバイスである。現代の風景は、二輪車、四輪車など、あらゆるサイズと形状の車両で満たされている。携帯電話と車両との結びつきは、日々の危険の原因となっている。この危険に対処するために、車両内で携帯電話を保持および配置するための多数の装置が市場に登場している。並行して、多数の「ハンズフリー」システム及びデバイスも市場に登場している。
【0003】
「ハンズフリー」システムにより、運転者は、携帯電話自体の操作に気を散らすことなく、運転中に携帯電話を使用して通信できる。しかし携帯電話ホルダーは、電子機能を追加するものではなく、運転中に携帯電話を置くのに便利な場所をドライバーに提供するための、単なる機械的な小道具及びスタンドである。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、「スマート」な携帯電話ホルダーを提供し、すなわち、該ホルダーは、機械的機能を有することに加えて、単純な例示的実施形態では「ハンズフリー」通信機能などの電子機能も有する。単一のデバイスにより、ホルダーとハンズフリーシステムといった2つの別個のデバイスの必要性が無くなる。
【0005】
本発明によれば、モバイルデバイス用装置が提供され、該ホルダーは:支持構造であって、内部空間内の適所に装置を固定するように適合された取り付け装置、携帯機器を支持構造に取り外し可能に連結するように適合された連結機構、及び制御ユニットハウジングを含む支持構造;前記ハウジングに格納されるプロセッサユニット;プロセッサユニットに動作可能に連結されモバイルデバイスと通信するように構成された無線トランシーバ;及び、前記プロセッサユニットおよび前記無線トランシーバに動作可能に連結され、前記無線トランシーバによってモバイルデバイスから受信された音声データを出力するスピーカーを含む。
【0006】
本発明の好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、前記装置は、プロセッサユニットに動作可能に連結されたマイクロフォンと、記憶媒体を更に含み、前記記憶媒体は、マイクロフォンに動作可能に連結され、前記プロセッサは、マイクロフォンによって感知された音声入力を前記記憶媒体上で音声データとして記録および記憶するように構成される。
【0007】
記載された好ましい実施形態におけるさらなる特徴によれば、前記装置は、前方監視カメラであって、支持構造に動作可能に連結され、プロセッサユニットに電子的に連結されており、車両のフロントガラスを通して視野を持つように配置するように適合される前方監視カメラ;及び前記前方監視カメラに動作可能に連結される記憶媒体を更に含み、前記プロセッサユニットは、前記記憶媒体上に、前記前方監視カメラによって感知された視覚入力を視覚データとして記録および記憶するように構成される。
【0008】
また、さらなる特徴によれば、前記装置は、第1の内部監視カメラであって、支持構造に動作可能に連結され、プロセッサユニットに電子的に連結され、及び内部空間の適所に固定されると、車両の内部空間の少なくとも一部の視野を有するように配置された第1の内部監視カメラ;及び第1の内部監視カメラに動作可能に連結される記憶媒体を更に含み、前記プロセッサユニットは、前記記憶媒体上に、前記第1の内部監視カメラによって感知された視覚入力を記録および記憶するように構成される。
【0009】
さらなる特徴によれば、前記装置はさらに、第2の内部監視カメラを含み、前記第2の内部監視カメラは、支持構造に動作可能に連結され、プロセッサユニットに電子的に連結され、内部空間の適所に固定されたときに、車両の内部空間の第2の部分の視野を持つように配置されるように適合され、前記プロセッサは、第2の内部監視カメラによって感知された視覚入力を前記記憶媒体に記録および記憶するように構成される。
【0010】
また、さらなる特徴によれば、装置は、前記イヤピースと、前記支持構造に動作可能に連結されイヤピースを保持するように構成されるイヤピース格納容器とを含む。
【0011】
また、さらなる特徴によれば、イヤピース格納容器はさらに電源ポートを含み、イヤピースは電源ポートを介して電力を受け取るように適合されている。
【0012】
また、さらなる特徴によれば、イヤピースは無線通信が可能である。さらなる特徴によれば、イヤピースは、有線電気コネクタを介して装置に動作可能に連結される。
【0013】
また、さらなる特徴によれば、装置は、加入者識別モジュール(SIM)スロット、ミニSIMスロット、メモリカードスロットのうちの少なくとも1つをさらに含む。さらなる特徴によれば、装置は、プロセッサユニットに動作可能に連結された無線ネットワークトランシーバを含み、プロセッサユニットは、無線セルラーネットワークまたは衛星ネットワーク上で、音声、視覚、音声視覚データ通信を達成するために、無線ネットワークトランシーバを、SIMスロットまたはミニSIMスロットに挿入されたSIMカードに接続するように構成される。
【0014】
また、さらなる特徴によれば、プロセッサユニットは、記憶媒体からモバイルデバイスへの、音声、視覚、または音声視覚データの無線送信を達成するように構成される。
【0015】
別の実施形態によれば、モバイルデバイス用の装置が提供され、該装置は、支持構造であって、車両の内部空間内の適所に装置を固定するように適合された取り付け装置と、モバイルデバイスを支持構造へ取り外し可能に連結するように適合された連結機構と、制御ユニットハウジングとを含む、支持構造;プロセッサユニット;プロセッサユニットに動作可能に連結されモバイルデバイスと通信するように構成された無線トランシーバ;前方監視カメラであって、支持構造に動作可能に連結されプロセッサユニットに電子的に連結されており、車両のフロントガラスを通した視野を持つように配置されるように適合される前方監視カメラ;及び記憶媒体を含み、前記記憶媒体は、前方監視カメラに動作可能に連結され、前記プロセッサユニットは、前方監視カメラによって感知された視覚入力を視覚データとして記憶媒体上で記録および記憶するように構成される。
【0016】
また、さらなる特徴によれば、プロセッサユニットは、記憶媒体からモバイルデバイスへの視覚データの無線送信を達成するように構成される。
【0017】
別の実施形態によれば、モバイルデバイス用の装置が提供され、該装置は、支持構造であって、車両の内部空間内で適所に装置を固定するように適合された取り付け装置と、モバイルデバイスを支持構造へ取り外し可能に連結するように適合された連結機構と、制御ユニットハウジングとを含む支持構造;プロセッサユニット;プロセッサユニットに動作可能に連結されモバイルデバイスと通信するように構成された無線トランシーバ;第1の内部監視カメラであって、支持構造に動作可能に連結され、プロセッサユニットに電子的に連結され、内部空間の適所に固定されたとき、内部空間の少なくとも一部の視野を有するように配置されるように適合される第1の内部監視カメラ;及び記憶媒体を含み、前記記憶媒体は、第1の内部監視カメラに動作可能に連結され、前記プロセッサは、第1の内部監視カメラによって感知された視覚入力を記憶媒体に記録および記憶するように構成される。
【0018】
別の実施形態によれば、モバイルデバイス用の装置が提供され、該装置は、支持構造であって、内部空間内の適所に装置を固定するように適合された取り付け装置と、モバイルデバイスを支持構造へ取り外し可能に連結するように適合された連結機構と、制御ユニットハウジングとを含む支持構造;プロセッサユニット;支持構造に動作可能に連結され、プロセッサユニットに電子的に連結された少なくとも1つのメディアセンサーであって、前記少なくとも1つのメディアセンサーは、視野内の動き、または、少なくとも1つのメディアセンサーが所定のボリューム閾値を超えるノイズを検知すると起動するように構成された、少なくとも1つのメディアセンサー;及び記憶媒体を含み、前記記憶媒体は、少なくとも1つのメディアセンサーに動作可能に連結され、前記プロセッサは、少なくとも1つのメディアセンサーによって感知された視覚、音声または視聴覚入力を前記記憶媒体上に記録および記憶するように構成される。
【0019】
また、さらなる特徴によれば、前記装置は、プロセッサユニットに動作可能に連結する長距離無線ネットワークトランシーバをさらに含み、前記プロセッサユニットは、セルラーネットワークまたは衛星ネットワーク上で、記憶された音声、視覚または音声視覚入力の無線送信を達成するために、無線ネットワークトランシーバをSIMカードに接続するように構成される。
【0020】
また、さらなる特徴によれば、少なくとも1つのメディアセンサーは、画像検出器、ビデオカメラ、マイクロフォン、視聴覚センサの組み合わせを含む群から選択される。
【0021】
また、さらなる特徴によれば、少なくとも1つのメディアセンサーは複数のメディアセンサーを含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
様々な実施形態が、ほんの一例として、添付図面の参照と共に記載される。
図1】モバイルデバイスホルダー/多目的装置の好ましい一実施形態の正面等角図である。
図2】本発明装置の背面等角図である。
図3】装置の背面側面図である。
図4】装置の底面背面図である。
図5】装置の平面背面図である。
図6】例示的なモバイルデバイスが適所にある装置の正面図である。
図7】本発明装置の分解図である。
図8】制御ユニットの概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明によるスマートホルダーの原理および動作は、図面および付随する説明を参照してよりよく理解することができる。以下の詳細な説明は、例として提供されており、決して本発明の範囲を限定することを意図したものではない。記載された実施形態および例示的な装置における具体的な詳細は、実施形態および例示的な装置の完全な理解を提供するために記載される。しかし、本発明のすべての実施形態においてすべての詳細が必要なわけではない。
【0024】
本発明のスマートホルダー/装置の独特な性質の1つは、車両(または他の場所)に装置を設置できる容易さである。好ましい実施形態は、自動車で使用される既知のハンズフリーモバイルデバイスホルダーにかなり類似しているが、本発明の範囲は車両内での実施に限定されないことは明らかである。むしろ、装置を適所に取り付け、設置し、または恒久的または一時的に適所に固定できる任意の表面が、本発明の範囲内に含まれる。1つの非限定的な例は、オフィスのデスクトップに装置を一時的に設置することである。この装置は、監視装置および/または記録装置(例えば、尋問室で使用するため)として機能することができる。
【0025】
本明細書における「設置された」という用語は、物体を適所に貼り付けるすべての形態を含むことを意図している。この用語には、恒久的な固定具と一時的な固定具の両方が含まれる。恒久的な固定具は、必ずしも物体が同じ場所に固定される実際の期間ではなく物体を設置する手段によって、一時的な固定具と区別される。このような区別は直感的に理解できるが、区別を明確にしようとするためにいくつかの例を提供する。例えば、少なくとも本発明の範囲内で、固化または硬化プロセスを経る接着剤、ねじ、釘など(表面に穴をあけるか、または準備された開口部を単に通過する)により、適所に固定された物体は恒久的な固定として考えられる。反対に、表面に真空接着されたカップ、磁気カップリング、圧力固定具(バイスなど)、非硬化性接着剤、再利用可能なパテのような感圧接着剤(非硬化剤)(例としてBlu-Tack(商標))および、一般的に除去するためのツールおよび過剰な力を必要とせず、通常再利用可能である結合方法及び材料は、本明細書では、適所での設置/固定に関し、一時的なものとして区別される。
【0026】
設置の容易さ、例えば一時的な設置は、本発明の独自の特徴の一つである。本発明の装置は、車両の車内配線に設置または接続されていない。特別な設置は必要ない。別の独特な特徴は、周辺に統合された構成要素が車両(または他の内部空間)内に周辺に分散されず、むしろ1つの装置に統合されることである。発明装置のさらに別の独特な特徴は、デバイスが内蔵型であることである。すべての構成要素は、車両(または他の空間)ではなく、装置の一部である。例えばハンズフリー機能は、車のステレオシステムではなく、統合されたスピーカーを使用する。
【0027】
ここで図面を参照すると、図1-7は、本発明のスマートホルダーの最も好ましい実施形態の様々な図を示している。本発明の図示された実施形態は、単なる好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の他の実施形態では、図示された構成要素の1つまたは複数が欠落していることが明らかである。
【0028】
図1は、モバイルデバイスホルダー/装置(100)の好ましい一実施形態の正面等角図である。図2は、モバイルデバイスホルダー/装置(100)の背面等角図である。
【0029】
図3は、装置の背面側面図である。図4は、装置の底部背面図である。図5は、装置(100)の上部背面図である。図6は、例示的なモバイルデバイス(スマートフォン(200))が装置内の適所にある装置(100)の正面図である。図7は、本発明装置(100)の分解図である。
【0030】
本発明は、モバイルデバイスホルダー(100)であり、既知のホルダーおよびハンズフリー装置の両方を超える機能を追加した機械構成要素および電子構成要素の両方を有しているモバイルデバイスホルダー(100)である。実施形態の全てにおいて、多目的ホルダー(100)は、支持構造(110)と制御ユニット(120)とからなる。図1図7における典型的な実施形態は、複数の構成要素を含み、そのほとんどは周辺機器として示されている。これは単なる設計上の選択であり、単なる1つの例示的な形態であることは明らかである。
【0031】
さらに、図には構成要素のすべてが含まれるが、いくつかの好ましい実施形態は、電子構成要素の一部のみまたは1つのみを有することも明らかにされる。さらに、多くの構成を以下で説明するが、本発明は以下に詳述する正確な構成に限定されず、装置内に組み合わされた同じまたは類似の構成要素の変型、修正、および代替の組み合わせが本発明の範囲に含まれると理解される。
【0032】
図6は、装置(100)に保持された典型的なモバイルデバイス(200)を含んでいる。本明細書で使用されるような「モバイルデバイス」という用語は、無線ネットワークと通信するように構成された任意のデバイスを指し、これは限定されないか、スマートフォン、タブレット、モバイルステーション、ユーザー機器、携帯情報端末、ラップトップ、公共安全陸上移動無線(LMR)端末、電子書籍リーダー、専用端末、およびモバイルデータ通信を可能にするその他のデバイスである。
【0033】
支持構造(110)は、モバイルデバイスホルダー/装置(100)のすべての機械的様態を含む。図1-7に図示された例示的支持構造は、保持ブラケット(112)、弾性的に調整可能なアーム(114)、およびホルダーを適所に固定するためのベース(116)を含む。制御ユニットハウジング(118)は、調節可能なアームの近位端に取り付けられ、保持ブラケットはハウジング(118)上に取り付けられている。
【0034】
用語「支持構造」は、図示された調整可能なアーム、保持ブラケットおよびベースに限定されず、車両の内部空間内の所望の場所または位置にモバイルデバイスを保持するように適合された、任意のタイプの構造を指す。一般的に見られるいくつかの支持構造には、ダッシュマウントスタンド、フロントガラスマウントアーム、エアコンフィンアタッチメント、モバイルデバイス(またはデバイスジャケット)に固定された金属プレートと嵌合する磁気ベース、バックミラーなどに掛けられる吊り下げ式ホルダーが含まれるが、これらに限定されない。
【0035】
保持ブラケット(112)は、本発明装置の「連結機構」の例示的な一実施形態に過ぎない。「連結機構」は、モバイルデバイスを装置内、または装置上に保持するように適合された任意の機械的(電気機械的を含む)構成である。構成要素の範囲に含まれるがこれに限定されない、いくつかの機械的構成の代替例は、装置上の磁石がモバイルデバイスの背面に固定された金属片に嵌合される磁気構成、スタンド、シェル、吸引カップ、レセプタクル、モバイルデバイスを装置に固定するための可動アームを備えたプラスチック/弾性装置、調整可能な保持ブラケット、2位置または多位置保持ブラケットなどである。他にも多くの変型が、当該技術分野で知られており、新しいデザインとデバイスが常に生産され、且つ販売されている。これらのデバイスはすべて、「連結機構」という用語の範囲内に含まれる。
【0036】
調整可能アーム(114)は、モバイルデバイスを実際に保持する連結機構と、装置を適所に固定する支持機構のベースとの間に適所挿入される「調整可能および/または支持構成要素」の一例示的実施形態に過ぎない。一部の支持構造には、調整可能な支持が含まれない。一部の構造では、支持構成要素は調整できない。いくつかの実施形態では、調整可能な支持構成要素は、唯一調整可能な構成要素である。調整可能という用語は、移動、再配置に適合し、場合によっては可鍛性、可撓性があり、それ自体を手動操作にさらして設定状態及び構成を変更し、1、2、又は3軸の周りで回転可能とすることを意味するように意図されている。
【0037】
図に描かれた吸引カップベースは、支持構造の「固定ベース」または「取り付けベース」または単に「ベース」の例示的な実施形態にすぎない。ベースは、ダッシュボードまたはフロントガラスなどの平坦な表面に支持構造を取り付けるための吸引カップ構成として本明細書に示されている取り付け面(1161)を含む。他の種類のベースには、エアコンフィンアタッチメント、バックミラーから吊り下げられた吊り下げ機械、ダッシュボードに、またはダッシュボードの上に取り付けられたまたは固定された金属製のブラケット/アームが含まれるが、これらに限定されない。
【0038】
制御ユニットハウジング(118)は通常、2つの機能を果たす。1番目の機能は、ホルダーおよび/または中央ハウジング構成要素の裏当てなどの機械的特徴として機能することであり、それに対し、あるいはその中で、周辺の統合された構成要素/デバイスの一部またはすべてが、動作可能に連結または収容される。2番目の機能は、装置の機能を制御し、すべての構成要素と要素を電子的に連結または連結する電子構成要素を収容することである。1つ以上のプリント回路基板、配線、回路、電力導管などは、一般に制御ユニットハウジング(118)に収容されている。
【0039】
制御ユニット(120)は、ハウジング(118)内に収容されている。典型的な図示された実施形態では、制御ユニットは、プリント回路基板(PCB)に埋め込まれる/組み込まれているように示されている。制御ユニット(120)は、以下及び図8において詳述されるように、プロセッサユニット、コントローラ、回路、および無線通信アンテナおよびトランシーバなどの他の内部構成要素、内部メモリ、および多目的ホルダーの機能に必要な他のすべての構成要素を含む。
【0040】
図8は、制御ユニット(120)の概略ブロック図を示している。図8に図示される典型的な制御ユニットは、複数の構成要素を含み、それらのすべては、本発明の少なくとも1つの好ましい実施形態に含まれる。しかしながら、本発明のいくつかの実施形態は、描かれた構成要素の一部のみを含むことが明らかにされている。したがって、複数の構成要素の描写は、決して限定することを意図するものではなく、むしろ、多くの異なる実施形態の構成要素を含む1つの図を提供するよう意図されている。以下の議論において、様々な実施形態は、図に描かれた多数の要素から構成要素を取捨選択する。当業者は、他の変形、修正、組み合わせおよび構成が本発明の範囲内に含まれることを理解しているが、しかし、構成が多すぎるあまり明示的に言及できないため、具体的に詳述またはリストされない。
【0041】
逆に、図には、議論に密接な関係がある構成要素のみが示されている。当業者は、本明細書に記載されるような装置の適切な機能に必要な回路、電子モジュール、および追加の構成要素を認識している。そのため簡潔さを考慮して、これらの詳細の一部は省略する。
【0042】
一実施形態では、制御ユニット(120)は、処理ユニット(122)と無線通信モジュール(124)とを含む。構成要素については以下でさらに詳細に説明する。本実施形態によれば、多目的装置/モバイルデバイスホルダー(100)は、モバイルデバイス用の機械的ホルダーとして機能するとともに、近い場所のモバイルデバイスと無線通信することができる。ほとんどの場合、ホルダーに保持されているモバイルデバイスは、ホルダーと無線通信しているデバイスでもある。
【0043】
本明細書で使用される「プロセッサ」という用語は、1つまたは複数の入力に対して論理演算を実行する電気回路を有する任意の物理デバイスを指す。例えば、プロセッサユニット(122)は、1つ以上の集積回路、マイクロチップ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)の全部または一部、グラフィック処理装置(GPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または命令の実行や論理演算の実行に適したその他の回路を含み得る。プロセッサユニット(122)は、装置内のモバイルデバイスおよび他の電子構成要素(例えば、トランシーバ)と通信し、装置の構成要素の少なくとも1つを制御するように構成され得る。プロセッサユニット(122)によって実行される命令は、プロセッサユニット(122)に統合され埋め込まれたメモリユニットに予めロードされるか、またはRAM、ROM、またはハードディスクなどの消去可能および消去不可能なメモリバンクを有する別個のメモリユニット(335)に記憶される。代替として、プロセッサユニット(122)によって実行される命令は、モバイルデバイス(200)から受信されてもよく、すなわち、モバイルデバイス(200)またはモバイルデバイスに予めインストールされたアプリケーションは、無線トランシーバまたは電気コネクタ経由でプロセッサーユニット(122)に命令を送ることにより、プロセッサユニット(122)の動作を制御することができる。論理演算プロセッサユニット(122)のいくつかは、ローカル回路管理、有線および/または無線リンク上でのモバイルデバイス(200)とのハンドシェイク、ユーザー認証、データ暗号化/復号化、仮想SIM実装、電池充電制御、電池状態レポート(例えば、LEDインジケータ(図示せず)を介して)、電力管理、接続性検出のプロセスを実行するように構成され得る。説明を簡単にするために、図8は単一のプロセッサを示しているが、本発明の実施形態と整合させるために、機能は単一のプロセッサで生じる場合もあり、または、複数のプロセッサの中で分割される場合があることを理解されたい。
【0044】
無線通信モジュール(124)は、無線通信信号を受信および送信するためのすべての必要なおよび/または好ましい構成要素を含む。無線通信モジュール(124)は、少なくとも1つのアンテナ(124.1)(例えば、無線通信アンテナ)と、無線通信アンテナ(124.2)に動作可能に連結された無線トランシーバ(124.2)とを含む。
【0045】
本明細書で使用されるような「アンテナ」という用語は、電磁放射を受信し、そこから電気信号を生成することができる放射要素(または複数の放射要素)を意味する。たとえば、「アンテナ」という用語には、RFアンテナ、複数入力および複数出力(MIMO)アンテナ、アンテナセット、アンテナアレイ、ビームフォーミングアンテナ、多周波数アンテナ、多帯域アンテナ、または任意のRFデバイスが含まれる。一実施形態では、「アンテナ」という用語は、無線通信を確立するために必要なRF接続性または物理層の接続性をサポートする少なくとも1つの処理ユニット、たとえばセルラー、衛星、WiFi、bluetooth(登録商標)なども含む。
【0046】
本明細書で使用されるような「トランシーバ」という用語は、信号を送信および/または受信することができる任意のデバイスを指す。モバイルデバイス(200)は、例えば、無線イーサネット(登録商標)、WiFi、Bluetooth(登録商標)、Zigbee、WiGig、無線パーソナルエリアネットワーク、NFCなどの任意の商業標準無線プロトコルで多目的ホルダー/装置(100)と通信することができる。いくつかの実施形態では、モバイルデバイスは、例えば、USB、HDMI(登録商標)、モバイルデバイスドッキングコネクタ、Apple Lightningコネクタ、MFiなどのApple外部アクセサリコネクタプロトコル、Samsung Galaxi Tabコネクタなどの商用標準コネクタを介して有線プロトコルで装置(100)と通信する。場合によっては、モバイルデバイス(200)は、物理的に接続されている場合でも、商業標準の無線プロトコルを使用して装置(100)と通信できる。
【0047】
本実施形態によって提供される機能の1つの例示的なタイプは、「ハンズフリー」性能である。ハンズフリーのデバイス/システムにより、ユーザーはモバイルデバイスを手に持たずにモバイルデバイスを使用して通信できる。モバイルデバイスは、無線通信モジュール(124)を介して多目的ホルダー(100)に電子的に連結される。好ましくは、ホルダーは、受信した音声信号を増幅するためのスピーカー(130)(支持構造の周辺または支持構造の中に内蔵されている)を含む。たとえば、モバイルデバイスがペアリングされてホルダーと接続されると、着信コールからのオーディオ信号はホルダーに無線送信され、スピーカーを介して自動的に送られる。
【0048】
ハンドヘルド/モバイルデバイスと(無線)ハンズフリーデバイスとの間の無線連結と通信の最も一般的な形式は、Bluetooth(登録商標)である。デジタル化されたオーディオ信号は、モバイルデバイスにおけるBluetooth(登録商標)トランシーバからハンズフリーデバイス上の対応するBluetooth(登録商標)モジュールに送信される。好ましい実施形態では、Bluetooth(登録商標)無線プロトコルは、モバイルデバイス(200)とホルダ(100)との間の無線通信に使用される。他の実施形態では、任意の適用可能な無線周波数(RF)プロトコルが、Bluetooth(登録商標)プロトコルの代わりに、またはそれに加えて使用される。
【0049】
いくつかの実施形態では、装置(100)は、プロセッサユニットに動作可能に連結されたマイクロフォンをさらに含む。マイクロフォンは、マイクロフォン(135)(図3、5および7で見ることができる)などの埋め込み式マイクロフォンであってもよい。好ましくは、マイクロフォンは高感度マイクロフォンである。他の実施形態では、追加または代替のマイクロフォン(図示せず)が装置に電子的に連結される。マイクロフォンは、有線または無線の様式で連結されてもよい。たとえば、無線マイクロフォンをサンバイザーに留めたり、ユーザーの口の近くの別の位置に置いたりできる。マイクロフォンは、当該技術分野で知られている任意の方法で装置(100)とペアリングすることができる。有線連結の一例は、格納式コード上のマイクロフォンである。マイクロフォンは、例示的に、装置のレセプタクル(図示せず)に収容することができ、取り外されると、コードはバネ仕掛けのスプールから繰り出される。上述のようにマイクロフォンはユーザーに位置づけたり、他の都合の良い場所に配置できる。さらに別の実施形態では、イヤピース(160)のマイクロフォン(164)(以下でさらに詳細に説明する)を作動させて、小型イヤホンコンポーネント(162)を作動させずに使用することができる。
【0050】
他の実施形態では、装置(100)(支持構造、制御ユニット(処理ユニット、無線トランシーバなど)およびスピーカー)は、埋め込み式マイクロフォン(135)およびメモリ(126)(例えば、内部記憶媒体(126))をさらに含む。好ましい実施形態では、マイクロフォン(135)は、アクティブである場合、所定の閾値を超えるすべての可聴音を記録する。例として、予め指定された閾値は、マイクロフォンの感度レベルによって定められる。一実施形態では、記録物は記憶媒体(126)に記憶される。
【0051】
好ましい実施形態では、記憶された音声物体は、所定の間隔で、第2の場所/記憶媒体に無線送信される。1つの好ましい実施形態では、マイクロフォンは、モバイルデバイス(例えば、スマートフォン(200))が装置(100)に電子的に接続されると起動される。好ましくは、記録された音声物体は、事前に設定された間隔で記憶媒体(126)から接続されたモバイルデバイス(例えば、スマートフォン(200))に、無線送信される。他の実施形態では、マイクロフォン(135)によって感知された音声物体は、モバイルデバイスにストリーミングされ、そこで記録される。さらに別の実施形態では、装置(100)は、取り外し可能な記憶媒体(173)を受け入れるように適合された少なくとも1つのデジタルメディアスロット(172)を含む。現在説明する実施形態では、制御ユニット(120)は内部記憶媒体(126)を含む場合と含まない場合がある。記録された音声データは、取り外し可能な記憶媒体に記録され、予め設定された間隔でモバイルデバイスに転送される。あるいは、十分に大きな取り外し可能な記憶媒体の場合、間隔は各送信間で長くてもよい。さらに代替的に、データは、スロットから物理的に取り外されるまで、取り外し可能な記憶媒体に記憶されてもよい。
【0052】
他の実施形態では、マイクロフォンは自律型であり、前述の音量閾値を超える音/雑音が検出されるたびに自動的に作動する。音声録音機能は、装置が設置されている車両(または装置が恒久的または一時的に設置されている場所)の内及びその付近での会話、言葉、音および、騒音の音声録音を提供する。マイクロフォンはモバイルデバイスに接続される必要性の範囲内で機能するため、十分に大きな容量の記憶媒体にデータを記憶する必要がある。1つの構成では、内部メモリは、モバイルデバイスが接続されるまですべての音声データを記憶するのに十分な容量を持ち、その時点で音声データがモバイルデバイスに送信される。別の構成では、取り外し可能な記憶媒体が内部メモリの記憶機能を置き換えたり、拡張したりする場合がある。
【0053】
前述の実施形態では、データはモバイルデバイスに無線送信される。装置とモバイルデバイス間のデータ通信を容易にするために、モバイルデバイスにソフトウェアアプリケーションをインストールする必要がある。モバイルアプリを作成する技術に精通したソフトウェア開発者は、データ通信を容易にするために装置(100)と通信および協働するように構成されたアプリを作成する他、必要なコンピュータ可読命令を装置の処理ユニットに送信するための有能なグラフィックユーザーインターフェースを提供して、本明細書に詳述されている機能のそれぞれを達成することが出来る。そのため、本明細書では、アプリの機能と装置の処理ユニットへの指示の両方に必要なコンピュータ可読命令の詳細については説明しない。
【0054】
さらに、好ましい実施形態では、モバイルアプリは、記憶のためにリモートコンピューティングデバイスに、記憶された音声データを、無線ネットワークを介して送信するための機能を含む。リモートコンピューティングデバイスは、単一のサーバー、サーバーファームなどの複数のストレージデバイス、クラウドベースのストレージネットワークなどでも良い。
【0055】
上述のように、いくつかの実施形態では、モバイルデバイスが近接しているかどうかに関係なく、マイクロフォンは、音または音声で起動される。モバイルデバイスストレージ機能の欠如および/または無線ネットワーク接続(音声データをクラウドストレージなどにアップロードするため)を補う方法については、上記で説明される。いくつかの実施形態では、前述の課題は、制御ユニットに無線ネットワークトランシーバ(長距離トランシーバと呼ばれることもある)を含めることで解決される。ネットワークトランシーバは、装置から、無線ネットワーク(例えば、セルラーネットワーク、衛星ネットワークなど)を介してリモートストレージへのデータの無線送信を促進する。あるいは、データは監視施設および/または処理施設に送信されてもよい。例えば、夜間または車両が駐車場に駐車されているときなど、装置内にモバイルデバイスがない場合、検出された音が監視ステーションに送信され得る。例示的に、音はノイズフィルタを通過するか、または音声プロセッサによって処理され、検出されたノイズが車両への侵入および/または盗難を示しているかどうかを判断する。疑わしいノイズは監視ステーションに報告され、セキュリティまたは法執行機関に警告される。
【0056】
説明された技術の他の多くの適用が想定されているが、簡潔さのために列挙されていない。
【0057】
本明細書で使用されるような「無線ネットワークトランシーバ」または「ネットワークトランシーバ」という用語は、無線ネットワークで信号を送信および/または受信することができる任意のデバイスを指す。たとえば、ネットワークトランシーバは、セルラーネットワーク、モバイルテレフォニーネットワーク、IPネットワーク、さらにはメッシュデバイスやピアツーピアデバイスと通信できる。本発明は、その最も広い意味において、特定のトランシーバまたは通信プロトコルに限定されないが、本発明の実施形態は、以下の例示的な通信規格の1つまたは複数を使用するネットワークトランシーバを使用することができる:GSM(登録商標)、GPRS、HSPA、Edge、LTE 、LTE Advanced、HSPA、CDMA、CDMA Rev A、CDMA Rev B、WiMAX、COFDM、Wibro、衛星BGAN、および衛星VSAT。代替的または追加的に、WiFiまたはBluetooth(登録商標)通信規格を採用する無線トランシーバは、記憶されたデータを、(たとえば、イーサネット(登録商標)接続を介して)LANに電子的に連結されたルーターに転送または送信できる。あるいは、本発明の実施形態は、他の既知のまたは将来の無線プロトコルを使用するトランシーバを含み得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、別個の無線ネットワークアンテナ(124.3)が無線通信モジュール(124)に含まれる。ネットワークアンテナ(124.3)は、無線ネットワークトランシーバ(124.4)に電子的に連結される。無線ネットワークトランシーバが上記のように機能するために、無線ネットワークトランシーバはプロセッサユニット(例えばCPU(122))に動作可能に連結されている。プロセッサユニット(122)は、ネットワークにアクセスするために、加入者識別モジュール(SIM)から身分証明の読み取りを提供するために、(長距離)無線ネットワークトランシーバを、SIMまたはSIMスロット(例えばスロット(176))またはミニSIMスロット(例えばスロット(178))に挿入されたミニSIMカードに接続するように構成される。SIM加入者が身分証明を使用すると、ネットワークトランシーバは、音声データの、携帯電話ネットワークまたは衛星ネットワークへの無線送信を達成することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、多目的装置(100)は、カメラ(例えば、前向きカメラ(180))をさらに含む。一構成において、カメラは、ユーザーが向いている方向と同様の方向に視野(FOV)を有するように向けられている。わかりやすくするために、モバイルデバイスを受け取る装置の側面を装置の前面と呼ぶ。一般的な使用において、具体的には、車両に(永続的または一時的に)設置された場合、装置の前面はユーザーに面している。モバイルデバイスを装置に保持するための連結機構は、一般に多目的装置の前面に配置されている。装置の背面はユーザーから離れて面している。車両の実装では、装置(100)の背面は車両のフロントガラスに面している。
【0060】
好ましい実施形態では、前向きカメラ(「外向き」、「ダッシュボードカム」、「フロントガラス向き」とも呼ばれる)は、調整可能なカップリングマウント(181)の支持構造の裏側(例えば、制御ユニットハウジングとフロントガラスの間)に取り付けられる。前向きカメラは、構造体の任意の部分に取り付けられ、ユーザーのFOVと同様のFOVを有するような方向に向くように角度を付けられてもよい。一実施形態では、カメラは、モバイルデバイスが装置に接続されたときに起動するように構成される。カメラは、当該技術分野で知られている任意のカメラであってよい。いくつかの実施形態では、カメラは内蔵メモリを含む。他の実施形態では、カメラは、マイクロフォンに関連した上述のような内部記憶媒体(126)に動作可能に連結されている。音声データと同様に、前方監視カメラによってキャプチャされた視覚データは、内部記憶媒体(126)に記憶されてもよい。あるいは、視覚データは内蔵メモリに記憶されてもよい。視覚データは、更なる代替実施形態では、取り外し可能な記憶媒体上に記憶されても良い。視覚データは、複数の静止画像、ビデオ、短いビデオクリップ、高解像度画像/ビデオ、低解像度画像/ビデオ、または当該技術分野で知られている他の視覚/ビデオ形式であり得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、視覚/ビデオデータは、モバイルデバイスに定期的に送信される。視覚データは、生データ、圧縮データ、エンコードされたデータ、暗号化されたデータおよび/または、データの他のフォーマットまたは構成であり得る。好ましくは、データはモバイルデバイスに無線送信される。いくつかの実施形態では、データは、モバイルデバイスを装置(100)に連結するものと同じ無線手段および/またはチャネルを介して送信される。他の実施形態では、データは同じ無線手段であるが、異なるチャネルを介して送信される。さらに他の実施形態では、データは異なる無線手段を介して転送される。一例では、モバイルデバイスは、Bluetooth(登録商標)を介して多目的装置(100)に連結される。データは、Bluetooth(登録商標)を介して送信されてもよい。いくつかの実施形態では、データは同じBluetooth(登録商標)チャネルを介して送信され、他の実施形態では、データは異なるチャネルを介して送信される。別の例では、データは、本明細書では「二次無線手段」とも呼ばれるBluetooth(登録商標)とは異なる無線手段を介して送信される。二次無線手段の一例はNFCである。別の例はWiFiである。他にも多くの例がある。二次無線手段は、単純に、同じアンテナ(たとえば、ハイブリッドWi-Fi/Bluetooth(登録商標)チップは、どちらも同時にオンにならないよう確実にするチップを備えた、単一のアンテナを使用する)、または異なるトランシーバおよび/または異なるアンテナを介した、異なる無線プロトコルを使用することを意味する。好ましい実施形態では、装置はGPS/衛星技術をさらに含む。
【0062】
ここでは、音声データと視覚データの送信の実施形態について個別に説明した。ただし、一方の機能について説明した詳細は、必要な変更を加えて他方にも同様に適用されることが明確である。追加の特徴は上記で説明しており、以下でも説明される。再度、任意に適用可能な場合、1つの構成要素について説明したすべての特徴は、他の構成要素にも適用される。
【0063】
さらなる好ましい実施形態では、装置は、追加的または代替的に、少なくとも1つの後方監視/内向きカメラ(182)を含む。図に示される実施形態などのいくつかの実施形態では、装置(100)は、第2の後方/内向きカメラ(184)をさらに含む。1つまたは2つのカメラが含まれているかどうかにかかわらず、個々のカメラまたは2つのカメラは、共に少なくとも車両の内部空間のFOV(またはオフィスや尋問室などの異なる設定に置かれた場合の同等の領域)を有する。いくつかの実施形態では、周囲環境の一部もカメラの一方または両方によってキャプチャされる。
【0064】
一実施形態では、カメラ(182)またはカメラ(182)、(184)は、モバイルデバイス(例えば、スマートフォン(200))が装置(100)に接続されると起動される。カメラは、(例えば、モバイルアプリを介して、またはデフォルトの工場設定として)ビデオを連続的にキャプチャするか、静止画像を定期的にキャプチャするか、所定の時間にわたり所定の間隔でビデオをキャプチャするようにプログラムされる。ビデオキャプチャ特徴の汎用性は、製造元またはユーザーのニーズまたは要望に基づいて、ハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェア(例えばモバイルアプリソフトウェア)によって決定される。
【0065】
想定される特徴の1つでは、システムのビデオパッケージは、モバイルデバイスが装置からさらに遠く離れている間、個人がまだ車内にいる(例えば、眠っている幼児)ことを認識することができるソフトウェアを含む。多くの幼児が誤って車に放置されているのは残念な事実である。これらの間違いは時々致命的となる。本特徴は、屋内カメラが車に残って眠っている幼児の映像をキャプチャする間、モバイルデバイスが装置から遠ざかっていることを(モバイルデバイスと装置間の無線信号の受信信号強度インジケータ(RSSI)レベルに基づいて)検出できる。このような状況では、画像プロセッサが車内の人物のような姿を識別し、プロセッサユニットはモバイルデバイスが車から遠ざかっていると判断し、プロセッサユニットは車の中に子供がまだいるという緊急通知またはメッセージをモバイルデバイスに送信する。装置にセルラー通信機能が装備されている場合、メッセージはセルラーネットワークを介して予め定めた番号(別の親、警察、消防、救助サービスなど)に送信できる。装置にGPS機能が装備されている場合、車両の正確な位置を救助サービスに送信できる。それ以外の場合は、セルラートライアンギュレーションを使用して車両のおおよその位置を計算できる。例示的に、メッセージは、親/救助サービスに状況を知らせるテキストメッセージまたは音声メッセージであってよい。
【0066】
他の実施形態では、カメラは、カメラのFOV内の動きを検出すると起動される。そのような実施形態では、カメラは、例示的にパッシブモードおよびアクティブモードと呼ばれる2つのモードを有する。本明細書で「パッシブモード」と呼ばれる第1のモードでは、カメラは動き検出モードにある。動き検出は、画像/ビデオのアクティブなキャプチャに比べて、比較的低い電力消費を要求する。動きが検出されると、カメラは、少なくとも所定の時間(たとえば15秒)または、動きがこれ以上検出されなくなるまでアクティブモードに切り替わる(アクティブキャプチャモード中であっても、装置の制御ユニットが、キャプチャされたFOV内に動きが存在するか否かを判断することができる)。そのような実施形態では、装置は、大容量記憶媒体または無線ネットワーク送信手段(例えば、セルラーアンテナ/トランシーバ、SIMカードなど)またはその両方を含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、動き検出またはモバイル接続のいずれかがアクティブなビデオキャプチャを行う。好ましくは、視覚データがキャプチャされ記憶される上記のすべての構成において、記憶媒体に記憶される視覚データは、上記のようにモバイルデバイスに定期的に送信される。代替的または追加的に、視覚データは、適用可能な場合、モバイルデバイスまたは装置(100)自体のいずれかからクラウド/ストレージサーバーにアップロードされてもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、装置(100)は、電池式であり、装置(100)と通信するか、あるいは無線周波数(RF)プロトコルを介してモバイルデバイス(200)と直接通信する、無線イヤピースを含む。実施形態では、イヤピース(160)は、双方向通信のための小型イヤホン(162)およびマイクロフォン(164)を含む。電池は、充電可能な電池であり、使用していないときに電池を充電するための充電/ドッキングポート(図示せず)を含むクレードル(166)に収容されている。スピーカー(130)を介して、着信音声送信を拡声したくないユーザーは、イヤーピース(160)をクレードル(166)から単に取り外すか、オプションボタン(168)(図2を参照)を押すことにより、イヤーピース(160)を起動して、モバイルデバイスにインストールされたモバイルアプリで予め構成されるまたは選択されるように、このデバイスを装置またはモバイルデバイスに接続することができる。
【0069】
すべての実施形態において、装置は電源を含む。好ましい実施形態では、電源は電池(190)である。いくつかの実施形態では、電源は、車両から又は電力網から装置(100)に電力を供給する、シガレットライター用のアダプタ(または電源用のプラグ)を備えた有線コネクタを含む電力ポートである。しかしながら、好ましい実施形態では、電池は、電源(例えば、車両のシガーライターおよび部屋の電源)に差し込まれたとき、および/または充電を維持するときに電力を提供するように構成された充電式電池である。
【0070】
好ましい実施形態では、電池は、電力取込みポート(例えば、DC IN、マイクロUSBポート)(192)(図4を参照)を有する。実施形態では、電池は、電力出口ポート(例えば、DC OUT、USBポート)(194)を含む。例示的に、出口ポート(194)は、モバイルデバイス(200)または、USBケーブルなどの有線接続を介して電力を引き出すことが可能な他の任意のモバイルデバイスに、電力を供給するために使用が可能である。実施形態では、取込みポートおよび/または出口ポートは、モバイルデバイス(200)と多目的装置(100)との間の有線接続を確立するためのデータポートとして使用することができる。
【0071】
実施形態において、電池(190)は、例えば、ラッチ(196)を解除することにより取り外し可能である。例示的に、取り外し可能な電池は接点(198)(例えば金メッキ接点)を介してエネルギーを装置に伝える。取り外し可能な電池は、シガーライターに接続されたコードを介して充電するか、通常の電話充電器を使用して取り外して家の中で充電することができる。後者のオプションは、シガーライターが、車両の起動時のみ電力を引き出すため(つまり、ほとんどの車両で)、非常に便利である。取り外し可能な電池を使用すると、電池は一晩充電され、デバイスをシガーライターに差し込むことなく、完全な強度で長時間の使用を確保できる。
【0072】
上記のメディア構成要素の一部(マイクロフォン、スピーカー、カメラ、イヤホン、記憶媒体、ポート、電池のいずれか及び全て)は、周辺機器として図に描かれている。上記のように、構成要素が描かれている配置、構成、形式は単なる例示であり、任意の設計選択の結果であることが明らかになっている。したがって、配置、形態、構成、および構成要素自体は、決して本発明の範囲を限定するものではない。
【0073】
例えば、支持構造は、スタンド(図示せず)に回転可能に連結された長方形のハウジングを備えた、ダッシュボードに取り付けられたスタンドであり得る。連結機構は、モバイルデバイスの背面に固定された金属片と嵌合する磁石であってもよい。ハウジングは、モバイルデバイス(iPhone(登録商標)、Galaxy S3(商標)など)の標準幅よりも広くても良い。内部に面するカメラは、長方形のハウジングに組み込まれたボタンホールカメラでであっても良い。外部に面するカメラは、ハウジングの外部に面する側に組み込まれた魚眼カメラであってもよい。マイクロフォンとスピーカーは、ハウジングに一体的に収容されてもよい。ハウジングには、取り外し可能なイヤピースを保持するための窪みまたは開口部があってもよい。電池、ポート、メディアスロットはすべて、長方形のハウジング内に一体的に形成することができる。本発明のスマートホルダーの別の構成の前述の説明の目的は、本発明の審美的形態および構成が図示された実施形態に限定されず、むしろ上記構成要素の任意の適用可能な形態、構成および組み合わせで表すことができることを例示するように意図されているに過ぎない。
【0074】
別の可能な構成には、支持構造、処理ユニット、無線通信モジュール、記憶媒体、および前方監視カメラが含まれる。すべての構成要素は上記のように機能する。例えば、記憶されたデータは、記憶媒体に一時的に記憶され、定期的にモバイルデバイスに送信される。あるいは、記憶されたデータは、無線ネットワークを介してリモートストレージデバイスに送信される。
【0075】
さらに別の構成には、支持構造、プロセッサユニット、無線通信モジュール、記憶媒体、少なくとも1台の内部監視カメラが含まれる。上記で詳述したように、第1の内部監視カメラは、動作可能に支持構造に連結され、プロセッサユニットに電子的に連結されている。第1の内部監視カメラは、その内部空間の適所に固定されている場合、車両の内部空間または部屋などの他の空間の少なくとも一部の視野を有するように配置されるように適合される。第1の内部監視カメラは、記憶媒体およびプロセッサユニットに動作可能に連結され、第1の内部監視カメラによって検知された視覚入力を、記憶媒体上に記録および記憶するように構成される。
【0076】
さらに別の構成では、装置は、支持構造、プロセッサユニット、記憶媒体、および、ノイズ、動き、またはその両方を感知できる少なくとも1つのメディアセンサー(マイクロフォンまたはカメラ)を含む。さらに、メディアセンサーは、音声、視覚、または音声視覚物体をキャプチャし、その物体をデータとしてストレージデバイスに記憶することができる。メディアセンサーは、デバイスの視野内の動きを検知するか、所定のボリューム閾値を超えるノイズを検知すると起動されるように構成されている。起動化(起動状態)には、データのキャプチャ、データの記憶(モバイルデバイスへの、または無線通信ネットワーク経由の)、データの無線送信が含まれる。
【0077】
限られた数の実施形態に関して本発明を説明したが、本発明の多くの変形、修正、および他の用途への適用がなされる場合が認識される。したがって、添付の特許請求の範囲に記載される特許請求される発明は、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
図1
図2
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図7
図8