(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-26
(45)【発行日】2022-08-03
(54)【発明の名称】高圧処理チャンバのためのガス供給システム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/324 20060101AFI20220727BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20220727BHJP
H01L 21/265 20060101ALI20220727BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20220727BHJP
F17C 7/00 20060101ALI20220727BHJP
【FI】
H01L21/324 R
H01L21/02 Z
H01L21/265 602A
H01L21/324 J
H01L21/68 A
F17C7/00 A
(21)【出願番号】P 2020525886
(86)(22)【出願日】2018-11-07
(86)【国際出願番号】 US2018059643
(87)【国際公開番号】W WO2019094481
(87)【国際公開日】2019-05-16
【審査請求日】2020-07-03
(32)【優先日】2017-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518434728
【氏名又は名称】マイクロマテリアルズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リャン, チーウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ネマニ, シュリニヴァス ディ.
(72)【発明者】
【氏名】カン, ショーン エス.
(72)【発明者】
【氏名】カーン, アディーブ
(72)【発明者】
【氏名】イー, エリー ワイ.
【審査官】桑原 清
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-539231(JP,A)
【文献】特表2005-530343(JP,A)
【文献】特開平09-296267(JP,A)
【文献】特開2003-243374(JP,A)
【文献】特開2008-053258(JP,A)
【文献】特開2006-075690(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/324
H01L 21/02
H01L 21/265
H01L 21/677
F17C 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の層を処理するための高圧処理システムであって、
第1のチャンバと、
前記第1のチャンバに前記基板を保持する支持体と、
前記第1のチャンバに隣接
し、エッチング、堆積または1気圧未満の圧力での処理をする
ように構成された第2のチャンバと、
前記第2のチャンバからガスを除去するフォアラインと、
前記第2のチャンバ内の圧力を真空近くまで下げるように構成された真空処理システムと、
前記第1のチャンバ内の前記圧力を前記第2のチャンバ内の前記圧力から分離するための、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとの間のバルブアセンブリと、
前記第1のチャンバに一又は複数のガスを導入し、前記ガスが前記第1のチャンバ内にあって、前記第1のチャンバが前記第2のチャンバから分離されている間に、前記第1のチャンバ内の前記圧力を少なくとも10気圧まで高めるように構成されているガス供給システムであって、
第1のガスを少なくとも10気圧である第1の圧力で供給する第1のガス供給モジュール、及び、
前記第1のガス又は異なる組成の第2のガスを、前記第1の圧力未満であるが1気圧を超える第2の圧力で供給する第2のガス供給モジュール
を含むガス供給システムと、
前記ガス供給システムと前記バルブアセンブリとを操作するように構成されたコントローラと、
前記第1のチャンバからガスを除去する排気ラインを備える排気システムと、
前記第1のガス供給モジュールと前記第2のガス供給モジュールとを共に取り囲む共通ハウジングと、
を備える高圧処理システム。
【請求項2】
前記共通ハウジングからガスを除去するように構成された第2の排気システムを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2の排気システムは、前記ハウジングから前記フォアラインまでガスを導くように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1及び第2のガス供給モジュールを前記第1のチャンバに連結する第1及び第2の供給ラインと、前記第1及び第2の供給ラインから漏れるガスを前記フォアラインまで迂回させるように構成された密封容器筐体とを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記共通ハウジングは、前記密封容器筐体から流体的に分離されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
基板上の層を処理するための高圧処理システムであって、
第1のチャンバと、
前記第1のチャンバに前記基板を保持する支持体と、
前記第1のチャンバに隣接
し、エッチング、堆積または1気圧未満の圧力での処理をする
ように構成された第2のチャンバと、
前記第2のチャンバからガスを除去するフォアラインと、
前記第2のチャンバ内の圧力を真空近くまで下げるように構成された真空処理システムと、
前記第1のチャンバ内の前記圧力を前記第2のチャンバ内の前記圧力から分離するための、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとの間のバルブアセンブリと、
前記第1のチャンバに一又は複数のガスを導入し、前記ガスが前記第1のチャンバ内にあって、前記第1のチャンバが前記第2のチャンバから分離されている間に、前記第1のチャンバ内の前記圧力を少なくとも10気圧まで高めるように構成されているガス供給システムであって、
第1のガスを少なくとも10気圧である第1の圧力で供給する第1のガス供給モジュール、及び、
前記第1のガス又は異なる組成の第2のガスを、前記第1の圧力未満であるが1気圧を超える第2の圧力で供給する第2のガス供給モジュール
を含むガス供給システムと、
前記第1のチャンバからガスを除去する排気ラインを備える排気システムと、
前記バルブアセンブリは前記第1のチャンバを前記第2のチャンバから分離し、次に、前記第2のガス供給モジュールは前記第1のチャンバを1気圧未満の圧力から前記第2の圧力まで高め、次に、前記第2のガス供給モジュールは前記第1のチャンバから分離され、次に、前記第1のガス供給モジュールは第1のチャンバを前記第2の圧力から前記第1の圧力まで高めるように、前記ガス供給システム、バルブアセンブリ、真空処理システム及び排気処理システムを操作するように構成されたコントローラと、
を備える高圧処理システム。
【請求項7】
前記第1のガス供給モジュールは、前記第1のガスを前記第1のチャンバに供給する前に、前記第1のガスの圧力を高めるように構成されたポンプを備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第2のガス供給モジュールは、前記ガスを前記第1のチャンバに導くために、質量流量コントローラ、液体流量計、又は液体流量コントローラを使用する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1のチャンバ内の第1の圧力センサと、前記第2のチャンバ内の第2の圧力センサとを備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記コントローラは、前記排気システムが前記第1のチャンバ内の圧力を下げ、前記真空処理システムが前記第2のチャンバ内の圧力を下げるように構成され、また、前記コントローラは、前記第1の圧力センサ及び前記第2の圧力センサからの測定値を比較し、前記第1のチャンバ内の圧力が前記第2のチャンバ内の圧力よりも高くなるように、前記排気システム及び前記真空処理システムを制御するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、集積回路製造のための高圧処理チャンバに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] マイクロ電子回路及び他のマイクロスケールデバイスは、一般的に、シリコンなどの基板、又は他の半導体材料基板から製造される。複数の金属層が、マイクロ電子部品又は他のマイクロスケール部品を形成するために、或いは電気的接続を提供するために、基板上に適用される。これらの金属層(例えば銅)は、基板上にめっきされ、フォトリソグラフィ、めっき、エッチング、研磨、又はその他の一連の操作で部品及び配線(interconnect)を形成する。
【0003】
[0003] 所望の材料特性を達成するため、基板は一般的に、通常約200~500℃まで急速に基板が加熱されるアニーリング処理にかけられる。基板は、比較的短時間、例えば、60~300秒間、これらの温度に保持されてもよい。その後、基板は急速に冷却されるため、通常、全工程はわずか数分間にすぎない。基板上の層の材料特性を変化させるために、アニーリングを使用することができる。それはまた、ドーパントを活性化するため、基板上の膜間でドーパントをドライブするため、膜間又は膜と基板との界面を変化させるため、堆積された膜を圧縮するため、或いはイオン注入による損傷を修復するために使用されてもよい。
【0004】
[0004] マイクロ電子デバイス及び配線の特徴サイズが小さくなるにつれて、許容される欠陥率は実質的に減少する。いくつかの欠陥は、汚染粒子に起因する。他の欠陥は、基板のある領域の不完全な処理、例えば、トレンチの底部での膜の成長の不具合に起因する。
【0005】
[0005] これまで様々なアニールチャンバが使用されてきた。単一基板処理装置では、これらのアニーリングチャンバは一般的に、基板の温度プロファイルを制御するため、基板を加熱素子と冷却素子との間に、或いは加熱素子及び冷却素子の上に配置する。しかしながら、正確で再現性のある温度プロファイルと許容可能なレベルの欠陥を達成することは、技術的な課題になりうる。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 一例として、基板上の層を処理するための高圧処理システムが提示されている。システムは、第1のチャンバと、第1のチャンバ内に基板を保持するための支持体と、第1のチャンバに隣接する第2のチャンバと、第2のチャンバからガスを除去するためのフォアラインと、第2のチャンバ内の圧力を低減させるように構成された真空処理システムと、第1のチャンバ内の圧力を第2のチャンバ内の圧力から分離するための、第1のチャンバと第2のチャンバとの間のバルブアセンブリと、一又は複数のガスを第1のチャンバ内に導入し、第1のチャンバ内にガスがあって、第1のチャンバが第2のチャンバから分離されている間に、第1のチャンバ内の圧力を少なくとも10気圧まで高めるように構成されたガス供給システムと、ガス供給システム及びバルブアセンブリを動作させるように構成されたコントローラと、第1のチャンバからガスを除去するための排気ラインを備える排気システムと、第1のガス供給モジュール及び第2のガス供給モジュールの両方を囲む共通ハウジングとを含む。ガス供給システムは、少なくとも10気圧である第1の圧力で第1のガスを供給するための第1のガス供給モジュールと、第1の圧力よりも低いが1気圧よりも高い第2の圧力で異なる組成の第1のガス又は第2のガスを供給するための第2のガス供給モジュールとを含む。
【0007】
[0007] 実装は、以下の特徴のうちの一又は複数を含みうる。
【0008】
[0008] 第2の排気システムは、共通ハウジングからガスを除去するように構成されうる。第2の排気システムは、ハウジングからフォアラインにガスを導くように構成されうる。第1及び第2の供給ラインは、第1及び第2のガス供給モジュールを第1のチャンバに連結しうる。密封容器筐体は、第1及び第2の供給ラインから漏れるガスをフォアラインに迂回するように構成されてもよい。共通ハウジングは、密封容器筐体から流体的に分離されうる。
【0009】
[0009] 別の実施例では、基板上の層を処理するための高圧処理システムは、第1のチャンバと、第1のチャンバ内の基板を保持する支持体と、第1のチャンバに隣接する第2のチャンバと、第2のチャンバからガスを除去するためのフォアラインと、第2のチャンバ内の圧力を真空近くまで下げるように構成される真空処理システムと、第1のチャンバ内の圧力を第2のチャンバ内の圧力から分離するための、第1のチャンバと第2のチャンバとの間のバルブアセンブリと、第1のチャンバ内に一又は複数のガスを導入し、そのガスが第1のチャンバ内にあって、第1のチャンバが第2のチャンバから分離されている間に、第1のチャンバ内の圧力を少なくとも10気圧まで高めるように構成されたガス供給システムと、第1のチャンバからガスを除去するための排気ラインを備える排気システムと、コントローラとを含む。ガス供給システムは、少なくとも10気圧である第1の圧力で第1のガスを供給するための第1のガス供給モジュールと、第1の圧力よりも低いが1気圧よりも高い第2の圧力で異なる組成の第1のガス又は第2のガスを供給するための第2のガス供給モジュールとを含む。コントローラは、バルブアセンブリが第1のチャンバを第2のチャンバから分離し、次いで第2のガス供給モジュールが第1のチャンバを1気圧未満の圧力から第2の圧力まで高め、次いで第2のガス供給モジュールが第1のチャンバから分離され、次いで第1のガス供給モジュールが第1のチャンバを第2の圧力から第1の圧力まで高めるように、ガス供給システム、バルブアセンブリ、真空処理システム、及び排気システムを動作させるように構成される。
【0010】
[0010] 実装は、以下の特徴のうちの一又は複数を含みうる。
【0011】
[0011] 第1のガス供給モジュールは、第1のガスを第1のチャンバに供給する前に、第1のガスの圧力を高かめるように構成されたポンプを含んでもよい。第2のガス供給モジュールは、マスフローコントローラ、液体流量計、又は液体流量コントローラを使用して、ガスを第1のチャンバに誘導してもよい。第1の圧力センサは第1のチャンバ内に配置されてもよく、第2の圧力センサは第2のチャンバ内に配置されてもよい。コントローラは、排気システムに第1のチャンバ内の圧力を下げ、真空処理システムに第2のチャンバ内の圧力を下げるように構成されてもよい。コントローラは、第1の圧力センサ及び第2の圧力センサからの測定値を比較し、第1のチャンバ内の圧力が第2のチャンバ内の圧力よりも高くなるように、排気システム及び真空処理システムを制御するように構成されてもよい。
【0012】
[0012] 別の実施例では、第1のチャンバと第2のチャンバとを1気圧未満の第1の圧力にすることと、第1のチャンバと第2のチャンバとの間の分離バルブが開いている間に、第2のチャンバから第1のチャンバへ基板を移送することと、分離バルブが閉じられて間に、第1のチャンバを第1の圧力から第2の圧力に下げ、第2のチャンバを第1の圧力から第3の圧力に下げることと、第2のガス供給モジュールを用いて第1のチャンバを大気圧より高く10気圧未満である第4の圧力に加圧することと、第1のガス供給モジュールを用いて第1のチャンバを10気圧超の第5の圧力まで加圧することと、第1のチャンバが第5の圧力にある間に基板を処理することと、第1のチャンバを排気することと、分離バルブを開いて第1のチャンバから基板を取り出すことと、を含む高圧処理システムの操作方法が提供される。
【0013】
[0013] 実装は、以下の特徴のうちの一又は複数を含みうる。
【0014】
[0014] 第1チャンバを第5の圧力まで加圧することは、第1チャンバに第1のガスを供給することを含み、第1チャンバを第4の圧力まで加圧することは、第1のチャンバに異なる組成の第2のガスを供給することを含みうる。第1のガスは、H2又はNH3のうち少なくとも1つを含みうる。第2のガス供給モジュールを用いて第の1チャンバを加圧することは、第1のガス供給モジュールと第1のチャンバとの間の供給ラインにおいて高圧分離バルブを用いて第1のチャンバから第1のガス供給モジュールを分離することと、第2のガス供給モジュールと第1のチャンバとの間の供給ラインにおいて低圧分離バルブを開くことによって第2のガス供給モジュールと第1のチャンバとを流体的に連結することを含みうる。第1のガス供給モジュールを用いて第1のチャンバを加圧することは、低圧分離バルブを用いて第2のガス供給モジュールを第1のチャンバから分離することと、高圧分離バルブを開くことによって第1のガス供給モジュールと第1のチャンバを流体的に連結することとを含みうる。
【0015】
[0015] 第3の圧力は、第2の圧力よりも高くてもよい。第1のチャンバ内の第1の圧力センサ及び第2のチャンバ内の第2の圧力センサの測定値は比較され、第1のチャンバの圧力が第2のチャンバの圧力よりも高くなるまで、第1のチャンバ及び第2の圧力において、圧力が下げ続けられてもよい。第1のチャンバを真空引きすることは、第1のチャンバ内の圧力を第1の圧力を下回る第6の圧力まで下げることを含みうる。第6の圧力は、第3の圧力よりも高くなりうる。
【0016】
[0016] 実装は、以下の利点のうちの一又は複数を含みうる。
【0017】
[0017] より安全にチャンバ内に高圧を確立することができる。漏れを検出することができる。
【0018】
[0018] 基板全体にわたってより均一に、層を処理又は形成することができる。さらに、高圧処理では、より低圧では得られない化学反応へのアクセスも可能である。
【0019】
[0019] 一又は複数の実施形態の詳細を添付図面及び以下の説明において明記する。他の特徴、目的、及び利点は、明細書及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】安全機能を強化した高圧処理システムの図である。
【
図3】高圧処理システムの操作方法を示すフロー図である。
【
図4】安全機能を強化した高圧処理システムの別の実装の図である。
【
図5】高圧処理システムの操作方法を示すフロー図である。
【
図6】高圧処理システムのチャンバの概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[0026] 様々な図面における類似の参照符号は、類似の要素を示している。
【0022】
[0027]上述のように、いくつかの欠陥は、基板のある領域の不完全な処理から生じることがある。しかしながら、高圧処理(例えば、アニーリング又は堆積)は、基板全体にわたる処理の一貫性を改善することができる。特に、アニーリングは高圧環境で起こりうる。例えば、熱酸化によるアニーリング処理、或いは、化学物質が拡散して基板上に堆積した物質と反応する他の処理、を用いて層が形成される場合には、高圧は基板上の材料層の表面被覆率の完全性を改善するのに役立つ。例えば、トレンチ内での層の処理形成の問題を低減することができる。その結果、基板全体にわたってより均一に層を処理又は形成することができる。さらに、高圧処理(例えば、アニーリング又は堆積)では、より低圧では得られない化学反応へのアクセスも可能である。
【0023】
[0028] もう1つの問題は、銅などの特定の材料が、約70℃を超える温度で酸素に曝されると急速に酸化することである。銅や他の材料が酸化した場合は、基板は使用できなくなるか、処理を進める前に酸化物層を除去することが必要になりうる。効率的な製造のためには、これらはいずれも容認できない選択肢である。そのため、特に基板温度が約70℃を超える場合には、基板を酸素から隔絶することが設計上の要素となる。言うまでもなく酸素は大気中に存在するため、アニーリング中に銅の酸化を避けることもエンジニアリング上の課題となりうる。本書に記載のように、基板の汚染及び酸化を回避するため、基板は、高圧処理チャンバと低圧の(例えば、真空に近い環境の)別の処理チャンバとの間で移送可能である。
【0024】
[0029] もう1つ検討事項は圧力である。非常に高い圧力は、製造される基板の一貫性及び品質を改善することができる。しかしながら、高圧(例えば、10気圧超、15気圧超、又は最大20気圧)のシステムは、密閉の破綻及び漏れの危険性が高い。安全機能が強化されたシステムは、このような超高圧処理の使用に有用である。
【0025】
[0030]
図1は、物理的気相堆積、化学気相堆積、及び/又はアニーリング処理の少なくとも1つの実施形態を実行するのに適した一体型マルチチャンバ基板処理システムを示す。一般的に、マルチチャンバ基板処理システムは、堆積又はアニーリングなどの高圧処理を実行するため、例えば、10気圧超の圧力で動作可能な少なくとも1つの高圧処理チャンバと、エッチング、堆積、又は熱処理などの低圧処理を実行するため、例えば、1気圧未満の低圧で動作可能な少なくとも1つの低圧処理チャンバとを含む。いくつかの実装では、マルチチャンバ処理システムは、低圧であり、複数の処理チャンバにアクセス可能な中央移送チャンバを有するクラスタツールである。
【0026】
[0031] 本明細書に記載の処理及びシステムのいくつかの実施形態は、特徴定義のために、材料、例えば、金属及び金属ケイ素化合物バリアの層を堆積することに関する。例えば、第1の金属層がシリコン基板上に堆積され、金属ケイ素化合物層を形成するためにアニールされる。次に、第2の金属層を金属ケイ素化合物層上に堆積させ、特徴を充填する。金属ケイ素化合物層を形成するためのアニーリング処理は、複数のアニーリング操作で実行されてもよい。
【0027】
[0032]
図1は、一実施形態の概略上面図であり、2つの移送チャンバ102、104、移送チャンバ102、104に配置された移送ロボット106、108、及び2つの移送チャンバ102、104に配置された処理チャンバ110、112、114、116、118、130を含む処理プラットフォーム100である。第1及び第2の移送チャンバ102、104は、隣接する処理チャンバ110、112、114、116、118、130とインターフェースをとる中央真空チャンバである。
【0028】
[0033] 第1の移送チャンバ102と第2の移送チャンバ104は、通過(pass-through)チャンバ120によって分離されており、これは冷却チャンバ又は予加熱チャンバを含みうる。また、通過チャンバ120は、第1の移送チャンバ102と第2の移送チャンバ104とが異なる圧力で動作する場合に、基板の取り扱い中にポンプで減圧、又は換気されてもよい。例えば、第1の移送チャンバ102は、約100ミリTorrから約5Torrの間(例えば、約40ミリTorr)で動作し、第2の移送チャンバ104は、約1×10ー5Torrから約1×10ー8Torrの間(例えば、約1×10ー7Torr)で動作しうる。
【0029】
[0034] 処理プラットフォーム100は、プログラムされたコントローラ122によって操作される。コントローラ122は、移送ロボット106、108を制御して、基板をチャンバ間で移送することができ、処理プラットフォーム100のチャンバの各々に、基板を処理するための個別の操作を行わせることができる。
【0030】
[0035] 第1の移送チャンバ102は、2つの脱気チャンバ124、2つのロードロックチャンバ128、反応性予備洗浄チャンバ118、少なくとも1つの物理的気相堆積チャンバ110、及び通過チャンバ120に連結される。予備洗浄チャンバは、カリフォルニア州サンタクララのApplied Materials社から市販されているPreClean IIチャンバであってもよい。基板(図示せず)は、ロードロックチャンバ128を通って処理プラットフォーム100に装填される。例えば、ファクトリインターフェースモジュール132がある場合、これは、人間のオペレータ又は自動基板取扱システムのいずれかから、一又は複数の基板(例えば、基板のカセット、又は基板の封入ポッド)を受容する役割を担う。ファクトリインターフェースモジュール132は、適用可能であれば、基板のカセット又はポッドを開き、基板をロードロックチャンバ128との間で移動させることができる。処理チャンバ110、112、114、116、118、130は、移送チャンバ102、104から基板を受け取り、基板を処理し、基板を移送チャンバ102、104に戻すことができる。処理プラットフォーム100に装填された後、基板は、それぞれ脱気チャンバ124及び予備洗浄チャンバ118内で順次脱気及び洗浄される。
【0031】
[0036] 処理チャンバの各々は、処理チャンバが移送チャンバ102、104とは異なるレベルの真空で動作することを可能にし、処理チャンバ内で使用されるガスが移送チャンバ内に導入されることを防止する分離弁によって、移送チャンバ102、104から分離される。また、ロードロックチャンバ128は、分離バルブを備えた移送チャンバ102、104から分離されている。各ロードロックチャンバ128は、外部環境に対して開かれた、例えば、ファクトリインターフェースモジュール132に対して開かれたドアを有する。通常の操作では、基板が装填されたカセットはファクトリインターフェースモジュール132のドアを通ってロードロックチャンバ128内に配置され、ドアが閉じられる。ロードロックチャンバ128は次に、移送チャンバ102と同じ圧力になるまで排気され、ロードロックチャンバ128と移送チャンバ102との間の分離弁が開放される。移送チャンバ102内のロボットは、所定の位置に移動され、1つの基板がロードロックチャンバ128から取り出される。ロードロックチャンバ128は、1つの基板がカセットから取り外されるようにエレベータ機構を備えており、エレベータは、基板のスタックをカセット内で移動させて、別の基板を移送平面内に位置決めすることにより、ロボットブレード上に位置決めすることができる。
【0032】
[0037] 移送チャンバ102内の移送ロボット106は、基板が処理チャンバ位置と位置合わせされるように、基板と共に回転する。処理チャンバは、有毒ガスが洗い流されたのち、移送チャンバと同じ圧力レベルにされ、分離弁が開かれる。移送ロボット106は次に、基板を処理チャンバ内に移動し、そこでロボットから持ち上げて外す。移送ロボット106は次に、処理チャンバから後退し、分離弁が閉じられる。次に、処理室は一連の操作を実行して、基板上で所定の処理を実行する。完了すると、処理チャンバは移送チャンバ102と同じ環境に戻され、分離弁が開かれる。移送ロボット106は、基板を処理チャンバから取り出し、別の操作のために別の処理チャンバに移動させるか、又は基板のカセット全体が処理されたときに処理プラットフォーム100から取り出されるように、ロードロックチャンバ128内で交換する。
【0033】
[0038] 移送ロボット106、108はそれぞれ、異なる処理チャンバ間で基板を支持し、移動するロボットアーム107、109を含む。移送ロボット106は、脱気チャンバ124と予備清浄チャンバ118との間で基板を移動させる。次に、基板は、その上に材料を堆積させるためにロングスローPVDチャンバ110に移送されてもよい。
【0034】
[0039] 第2の移送チャンバ104は、処理チャンバ116、112、114、130のクラスタに連結される。処理チャンバ116、112は、オペレータが望むように、タングステンなどの材料を堆積させるための化学気相堆積(CVD)チャンバとすることができる。PVD処理された基板は、通過チャンバ120を介して、第1の移送チャンバ102から第2の移送チャンバ104に移動される。その後、移送ロボット108は、処理に必要とされる材料堆積及びアニーリングのために、処理チャンバ116、112、114、130のうちの一又は複数の間で基板を移動させる。
【0035】
[0040] 言うまでもなく、上記はすべて単なる例示的な実装であり、各移送チャンバは、1~5個のチャンバなど、異なる数の処理チャンバを有する。処理チャンバは、機能を様々に分散することが可能で、システムは異なる数の移送チャンバを有しうる。例えば、単一の移送チャンバ、異なる数の移送チャンバを有することができる。移送チャンバを完全に省略することも可能で、システムには単一のスタンドアロン処理チャンバのみを有することもある。
【0036】
[0041]
図2は、基板が処理チャンバ間で移送されているときに、基板を処理するための高圧環境及び基板のための低圧環境を作り出す制御された高圧処理システム200を示す。制御された高圧処理システム200は、高圧の内側の第1のチャンバ202と低圧の外側の第2チャンバ204を含む。
【0037】
[0042] 第1のチャンバ202は、処理プラットフォーム100の処理チャンバ110、112、114、116、118、130のうちの1つに対応することができ、第2のチャンバ204は、処理プラットフォーム100の移送チャンバ102、104のうちの1つに対応することができる。代替的に、いくつかの実装では、処理チャンバ110、112、114、116、118、130のうちの1つは、第1のチャンバ202と第2のチャンバ204の両方を含む。第1のチャンバ202は、内側のチャンバに対応し、第2のチャンバ204は、内側のチャンバを取り囲む外側のチャンバに対応しうる。
【0038】
[0043] 第1のチャンバ202内の圧力は、第2のチャンバ204の圧力とは独立に制御することができる。第1及び第2のチャンバ202、204が移送チャンバとは別個である場合、第1及び第2のチャンバ202、204は、移送チャンバ内の圧力とは独立に制御される圧力を有しうる。制御された高圧システム200は、ガス供給システム206と、真空処理システム208と、コントローラ210とをさらに含む。いくつかの例では、処理プラットフォーム100のコントローラ122は、コントローラ210を含みうる。
【0039】
[0044] 第1のチャンバ202は、非常に高い圧力、例えば、少なくとも10気圧の圧力、例えば、40~80気圧の圧力に適応するように構成される(例えば、密閉され、補強される)。対照的に、第2のチャンバ204は、非常に低い圧力、例えば、1気圧未満の圧力、例えば、約100ミリTorrまでの圧力に適応するように構成される(例えば、密閉され、補強される)。第2のチャンバ204の低圧環境は、基板又は基板上に堆積された材料の汚染及び/又は酸化を抑制することができる。
【0040】
[0045] 第2のチャンバ204は、第1のチャンバ202に隣接している。いくつかの実装では、第2のチャンバ204はまた、第1のチャンバ202を取り囲む(第2のチャンバ204が第1のチャンバを取り囲んでいない場合でも、第2のチャンバは、基板が第2のチャンバを通過して第1のチャンバに到達するという点で、依然として外側のチャンバと見なしうる)。いくつかの実装では、第2のチャンバ204は、第1のチャンバ202を実質的に(例えば、少なくとも80%)取り囲む。
【0041】
[0046] 上述のように、第2のチャンバ204は、異なる処理チャンバ間で基板を受け入れる移送チャンバ(例えば、移送チャンバ102又は移送チャンバ104)に対応することができる。代替的に、第2のチャンバ204は、第1のチャンバ202と移送チャンバ102又は移送チャンバ104との間に位置する別個のチャンバであってもよい。
【0042】
[0047] 内側の(例えば、第1の)チャンバ202は、例えば、アニーリングを受ける又は材料の層が堆積される、処理される基板10などのワークピースを支持するための基板支持体218(例えば、ペデスタル)を含む。支持体218は、第1のチャンバ202内に配置されるか、又は配置可能である。いくつかの実装では、基板10は、ペデスタルの平坦な上面に直接配置される。いくつかの実装では、基板はペデスタルから突出するリフトピン上に位置する。
【0043】
[0048] 第1のチャンバ202と第2のチャンバ204との間の第1のバルブアセンブリ212は、第1のチャンバ202内の圧力を第2のチャンバ204内の圧力から分離する。したがって、第1のチャンバ202内の高圧環境を、第2のチャンバ204内の低圧環境から分離し、密閉することができる。第1のバルブアセンブリ212は、基板10が第2のチャンバ204から第1のチャンバ202へ移動することを可能にするか、又は基板が第1のチャンバ202から第2のチャンバ204へ又はそれを通って移動することを可能にするように開放可能である。
【0044】
[0049] 第2のチャンバ204と外部環境(例えば、移送チャンバ)との間の第2のバルブアセンブリ213は、第2のチャンバ204内の圧力を第2のチャンバ204の外側の圧力から分離する。
【0045】
[0050] ガス供給システム206は、第1チャンバ202を加圧するように構成される。特に、ガス供給システム206は、第1のチャンバ202に処理ガスを供給することが可能で、第1のチャンバ内で、例えば、少なくとも10気圧、例えば、15気圧超、20気圧超、30気圧超、最大50気圧、最大60気圧、最大70気圧、最大80気圧の高圧を確立する。処理ガスは、例えば、アニーリング処理中に、基板10と、例えば基板10上の層と反応すること、又は基板上に堆積される材料の供給源として機能することができる。
【0046】
[0051] いくつかの実装では、ガス供給システム206は、第1のガスを第1のチャンバ202に供給するための第1のガス供給モジュール242と、第1のガス又は第2のガスのいずれか、又は第1のガスとは異なる組成を第1のチャンバ202に供給するための第2のガス供給モジュール244とを含む。第1のガス供給モジュール242は、第1のガスを、例えば10~80barの圧力で、第1のチャンバ202に高圧で供給するように構成される。対照的に、第2のガス供給モジュール244は、低圧で、例えば1bar未満でガスを供給するように構成される。
【0047】
[0052] 供給モジュール242、244は、それぞれのガスを供給する設備供給部又はガスタンクに接続される。供給モジュール242、244は、それぞれの供給ライン252、254によってチャンバ202に接続される。第1のガス供給モジュール242への供給ライン252は、高圧分離バルブ232を含むことができ、第2のガス供給モジュール244への供給ライン254は、低圧分離バルブ234を含むことができる。
【0048】
[0053] 第1のガスは、大気圧を超える圧力で第1のガス供給モジュール242に供給され得るが、第1のチャンバ内の最終圧力と比べると依然として相対的に低い。例えば、第1のガスは、40~80psi(約2.7~5.4atm)の圧力で第1のガス供給モジュール242に供給することができる。第1のガス供給モジュール242は、ブースターポンプなどのポンプを含む。ポンプは、流入する第1のガス、例えば水素ガスの圧力を上昇させる。ポンプ372は、圧力を約2~20倍、場合によっては80気圧まで上昇させることができる。
【0049】
[0054] ガスは、大気圧より高い圧力で第2のガス供給モジュール244に供給されうるが、第1のチャンバ内の最終圧力と比べると依然として相対的に低い。例えば、ガスは、40~80psi(約2.7~5.4atm)の圧力で第2のガス供給モジュール244に供給することもできる。しかしながら、第2のガス供給モジュール244は、ポンプを含む必要はない。むしろ、従来の質量流量コントローラ、液体流量計又は液体流量コントローラを使用して、ガスを第1のチャンバ202に導くことができる。
【0050】
[0055] 第1のガス供給モジュール242及び第2のガス供給モジュール244は、共通ハウジング246内に収容可能である。いくつかの実装では、ハウジング246の内部は、後述する他の密封容器から流体的に分離される。排気システム248は、ハウジング246の内部を排気に使用することができる。これにより、ガス供給システムから漏れが発生した場合に、ハウジング内に腐食性ガス又は爆発性ガスが蓄積するのを防ぐことができる。いくつかの実装では、密封容器アセンブリは複数の部品を含み、各部品はそれぞれのガス供給モジュールを取り囲み、密閉する耐圧筐体である。例えば、第1のガス供給モジュール242は、第1のハウジング内に封入され、蒸気供給モジュール244は、ハウジング内に封入されうる。排気システム248は、フォアライン214に連結すること、或いは別個の真空システムに連結することができる。
【0051】
[0056] 第1のガスは、処理ガス(例えば、H2、NH3、O2又はO3)を含む。いくつかの実装では、第1のガスは、実質的に純粋な処理ガスである。代替的に、第1のガスは、処理ガスと不活性ガス(例えば、アルゴン)の両方を含みうる。
【0052】
[0057] 上記のように、第2のガス供給モジュール244からのガスは、第1のガスと同じ組成であってよく、又は異なる第2のガスであってもよい。第2のガスは、実質的に純粋な処理ガス、又は処理ガスと不活性ガスとの組み合わせであってもよい。いくつかの実装では、第2のガスは水を含み、例えば、第2のガスは乾燥蒸気又は過熱蒸気などの蒸気であってよい。
【0053】
[0058] 高圧システム200は、第2チャンバ204を真空処理システム208に接続するフォアライン214を含む。外側の分離バルブ216は、第2チャンバ204内の圧力を真空処理システム208の圧力から分離するために、フォアライン214に沿って配置される。外側の分離バルブ216は、第2チャンバ204内の圧力を調整し、第2チャンバ204内のガスを放出するように動作させることができる。外側の分離バルブ216は、第2チャンバ204内の圧力を調整するために、真空処理システム208と連動させることができる。
【0054】
[0059] 真空処理システム208は、第2のチャンバ204の圧力を、例えば1ミリTorr未満の真空に近い圧力に下げるように構成される。特に、真空処理システム208は、第2のチャンバ204内の圧力を真空近くまで下げることができ、それによって、基板の移送のための適切な低圧環境を作り出すことができる。操作中、第1のチャンバ202内で達成される超高圧(例えば、10気圧超、15気圧超)は、第2のチャンバ204内に同様のより高い圧力(約1気圧未満(例えば、約0.85気圧又は640Torr))を必要とする。
【0055】
[0060] いくつかの例では、真空処理システム208は、ドライラインポンプを含む。異常に高い圧力に対応するため(例えば、漏れによって引き起こされる高圧がドライラインポンプを破壊するのを防ぐため)、ガスはドライラインポンプに到達する前に膨張する。いくつかの例では、ガスは、大口径(例えば、直径20インチ)で高さ5フィートのディフューザーを通って流れる。
【0056】
[0061] ガス供給システム206は、第1チャンバ202から第1のガスを排気し、それによって第1のチャンバ202を減圧する排気ライン211を含む。幾つかの実装では、排気ラインは、排気システム、例えば、フォアライン214及び真空処理システム208、又は別個の真空システム源に連結される。排気ライン211は、第1のチャンバ202を排気システムから分離するために閉じることができる内側の排気分離バルブ230を含みうる。
【0057】
[0062] 安全性を高めるために、システム200は密封容器アセンブリを含みうる。密封容器アセンブリは、少なくとも、供給ライン252、254を包含する密封容器筐体260を含み、供給ラインはチャンバ204に入り、チャンバ202に流体接続される。さらに、各供給ライン252、254は、ハウジング246と筐体260との間に延在するそれぞれの導管256、258内に収納できる。
【0058】
[0063] 密封容器アセンブリは、密封容器排気ライン268も含みうる。密封容器排気ライン268は、密封容器筐体260と排気システムとの間の排気ライン211を囲い込む。密封容器排気ライン368はまた、密封容器筐体360を排気システムに(例えば、フォアライン214及び真空処理システム208、又は別個の真空システム源に)流体的に接続する。したがって、供給ライン252、254内、又は供給ラインと第2チャンバ204との接合部からの漏れは、密封容器筐体360を通って引き出され、排気システムに通気される。
【0059】
[0064] 各ライン供給ライン252、254は、密封容器筐体260内に圧力軽減バルブ252a、254aを備えた圧力軽減ラインを有する。圧力軽減ラインによって解放される供給ライン352、354、356内部のあらゆる圧力蓄積は、密封容器筐体360内に流れ込み、例えば密封容器排気ライン368によって、又は場合によっては、排気システム311に接続された別個の排気チャネル369を介して、システム300から除去される。
【0060】
[0065] システム200はまた、第1チャンバ202を圧力軽減バルブ276に連結する圧力軽減ラインを含む。圧力軽減バルブ276は、第2のチャンバ204内に位置決めされうる。この場合、第1のチャンバ202内の圧力が許容レベルを超えると、圧力軽減バルブ276によって解放されたガスは、外側チャンバ204内に流れ込み、フォアライン214を通って除去される。代替的に、圧力軽減バルブ276は、密封容器筐体360内に配置することができる。この場合、圧力軽減バルブ276によって解放されたガスは、排気ライン211を通って除去される。
【0061】
[0066] したがって、システム200が、加圧ガスを外気に曝すことなく、予期せぬ漏れ、破裂、又は破損を軽減することができるように、すべての加圧部品を密封容器アセンブリ内に収容することができる。
【0062】
[0067] 複数のガスセンサ280がシステム200に含まれる。特に、ガスセンサ288は、水素センサとすることができる。センサ280は、密封容器筐体260の内側、及び内部排気ライン268などの、漏れの可能性がある箇所に統合される。いずれかのセンサ280が、ガス漏れ(例えば水素漏れ)を検出した場合、コントローラ210は、センサ280からの信号を検出し、まずガス供給モジュール242を遮断するか、第1のガス供給モジュール242内のポンプを遮断するか、又は他の適切な措置を講じる。供給ライン252、254内の分離バルブは、一又は複数のセンサ280によって検出される漏れに応答して閉じることもできる。
【0063】
[0068] 加えて、システム200は、一又は複数の圧力センサ282を含みうる。例えば、第1のチャンバ202内に第1の圧力センサ282が存在し、第2のチャンバ204内に第2の圧力センサ282が存在しうる。圧力センサ282は、コントローラ210に連結される。
【0064】
[0069] 基板を処理するためのシステム200を動作させる方法を
図3に示す。システム200は、分離バルブ212、213が開いた状態で始動する。基板は、ロボット106又は108によって、開放バルブ212、213及び第2のチャンバ204を通って、第1チャンバ202に挿入される(操作302)。コントローラは、ロボットを操作して、基板10を第1のチャンバ202内に運び込み、基板10をペデスタルの上に配置することができる。
【0065】
[0070] 第1及び第2のチャンバ202、204は、真空システムによって第1の圧力(例えば、100~300ミリTorr)までポンプダウンされ、次に基板10の移送中には低圧に維持される(操作304)。これは基板10の酸化防止に役立つ。
【0066】
[0071] 第1の分離バルブ212は閉じられている(操作306)。任意選択で、第2の分離バルブ213を閉じることもできる。
【0067】
[0072] 真空システムは、第1の圧力よりも低い第2の圧力まで第1のチャンバ202をさらにポンプダウンし、第2の圧力よりも低い第3の圧力(操作308で)まで第2のチャンバ204をポンプダウンするために使用される。例えば、第1及び第2の圧力は共に1~50ミリTorrであってよい。第1の圧力は100~300ミリTorr、第2の圧力は1~50ミリTorrとすることができる。
【0068】
[0073] 第1及び第2のチャンバ202、204内の圧力はセンサ282によって測定され、コントローラはセンサ282から信号を受信することができる。
【0069】
[0074] チャンバ202、204のいずれかで圧力が漏れ閾値を超える場合には、ガスが外部環境からチャンバ内へ漏れていることを示唆しうる。この場合、基板の処理を終了することができる。
【0070】
[0075] さらに、コントローラは測定された圧力を比較することができる(操作310)。第1のチャンバ内の圧力P1と第2のチャンバ内の圧力P2との差が閾値を超えない場合には、チャンバの排気を継続することができる。
【0071】
[0076] チャンバ202、204が所望の圧力に達すると、内側の排気分離バルブ230が閉じられ、低圧分離バルブ234が開く(操作312)。これにより、第1のチャンバ202は排気システムから分離されるが、第1のチャンバ202は第2のガス供給モジュール244に連結される。
【0072】
[0077] 次に、第2のガス供給モジュール244は、第1のガス又は第2のガスのいずれかを第1のチャンバ202に供給する(操作314)。これにより、第1のチャンバ202の圧力は、第1の圧力を上回る第4の圧力に上昇する。第4の圧力は、大気圧を上回る(例えば、40~80psiの圧力)ことがありうる。第2のガス供給モジュール244によるガスの供給は、圧力サーボ制御アルゴリズムを使用しないなど、通常の流量制御で行うことができる。
【0073】
[0078] 内側のチャンバ202が第4の圧力まで上昇すると、低圧分離バルブ234が閉じられ、高圧分離バルブ232が開く(操作316)。これは、第1のチャンバ202を第2のガス供給モジュール244から分離し、その後の作業で、例えば高圧による第2のガス供給モジュール244への損傷を防ぐ。これはまた、第1のチャンバ202を第1のガス供給モジュール244に連結する。
【0074】
[0079] 次に、第1のガス供給モジュール242は、第1のガスを第1のチャンバ202に供給する(操作318)。これにより、第1のチャンバ202内の圧力は、第4の圧力を上回る第5の圧力まで高まる。上述のように、第5の圧力は10~80気圧になりうる。第1のガス供給モジュール244によるガスの供給は、圧力サーボ制御アルゴリズムを使用してコントローラ210によって制御することができる。
【0075】
[0080] コントローラは、第1のチャンバ202内部の測定された圧力P1を所望の処理圧力PPと比較することができる(操作320)。第1のチャンバ内の圧力P1が所望の処理圧力PP未満である場合には、第1のチャンバ202の加圧を継続することができる。
【0076】
[0081] 内側のチャンバ202が第5の圧力まで上昇すると、高圧分離バルブ232は閉じられる(操作322)。これは、第1のチャンバ202を第1のガス供給モジュール242から分離する。
【0077】
[0082] 次に、基板10は第1のチャンバ202内で処理される(操作324)。処理は、例えばコントローラ内のタイマによって測定されるように、設定された時間だけ続行することができる。第1のガスは、基板10の上の層と反応するアニーリングガスになりうる。代替的に、ガスは、基板10の上に堆積される材料を含みうる。第1のチャンバ202内の適正な温度及び圧力の条件は、材料のアニーリング又は堆積を生じさせうる。処理、例えば、アニーリング又は堆積の間、コントローラは、支持体218内の一又は複数の加熱素子219を操作して、基板10に熱を加え、基板10の上の材料層の処理を容易にすることができる。
【0078】
[0083] 基板10の上の材料層の処理が完了すると、外側の分離バルブ216が閉じられ、内側の分離バルブ230が開く(操作326)。これにより、第1のチャンバ202だけが排気システムに連結され、一方、第2チャンバ204は密閉されたままである。
【0079】
[0084] 内側のチャンバは、第6の圧力までポンプダウンされる(操作328)。第6の圧力は、第1の圧力よりも低いが、第3の圧力よりも高く、例えば、第2の圧力にほぼ等しくすることができる。したがって、圧力は、第1のチャンバ202と第2のチャンバ204との間の圧力差が小さくなるように、真空に近い圧力になっている。
【0080】
[0085] コントローラは再び、測定された圧力を比較することができる(操作330)。第1のチャンバ内の圧力P1と第2のチャンバ内の圧力P2との差が閾値を超えない場合には、チャンバの排気を継続することができる。
【0081】
[0086] 内側のチャンバ202が第6の圧力に達すると、第1の分離バルブ212が開かれる(操作232)。さらに、閉じている場合には、第2の分離バルブも同様に開くことができる。その後、外側の排気分離バルブ116が開かれる。内側の排気と外側の排気が共に同じフォアラインを共有しているため、内側の排気中に外側の排気分離バルブを閉じたままにしておくと、リフトピンとヒーターベローズを損傷から守ることができる。
【0082】
[0087] 最後に、基板10は、ロボット106又は108を使用して第1のチャンバ202から取り出され、必要に応じて後続の処理チャンバに移送される。
【0083】
[0088]
図4は、基板が処理チャンバ間で移送されているときに、基板を処理するための高圧環境及び基板のための低圧環境を作り出す制御された高圧処理システム200’を示す。システム200’は、第2のガス供給モジュール244’が、高圧(例えば10~80barの圧力)で第2のガスを第1のチャンバ202に供給することができる高圧ガス供給モジュールであることを除いて、システム200と同じものとすることができる。第2の気体は、水蒸気などの液体蒸気である。供給ライン254内のバルブ234’は、第2の高圧分離バルブである。
【0084】
[0089] 基板を処理するためにシステム200又は200’を動作させる方法を
図5に示す。この処理は、以下で説明する点を除いて、
図3を参照して説明した処理と同様である。
【0085】
[0090] 特に、システム200又は200’を操作する方法は、複数の段階ではなく、1回の操作で第1のチャンバ202内の高圧に達するようにガスを供給する。したがって、この処理は、システム200の第1のガス供給モジュール242のみを使用して、或いはシステム200’の第1のガス供給モジュール242のみを使用して、或いはシステム200’の第2のガス供給モジュール244’のみを使用して、或いはシステム200’の第1のガス供給モジュール242及び第2のガス供給モジュール244’の両方を使用して実行することができるが、第1のガス供給モジュール242(例えば、ガス供給モジュールの分離バルブが同時に開閉するなど)を模倣するように、第2のガス供給モジュール244’を操作することができる。
【0086】
[0091] 具体的には、内側の排気分離バルブ230が閉じられ(操作312’)、高圧分離バルブ232及び/又は234’が開かれる(操作316’)。第1のガス供給モジュール242及び/又は第2のガス供給モジュール244’は、第1のガス及び/又は第2のガスを第1のチャンバ202に供給する(操作318’)。これにより、第1チャンバ202内の圧力は、第2の圧力から第5の圧力まで高まる。上述のように、第5の圧力は10~80気圧になりうる。第1のガス供給モジュール244によるガスの供給は、圧力サーボ制御アルゴリズムを使用してコントローラ210によって制御することができる。
【0087】
[0092] 第1のチャンバ202に供給されるガスは、例えば、システム200の第1のガス供給モジュール242のみ、又はシステム200’の第1のガス供給モジュール242のみが使用される場合には、H2又はNH3を含みうる。代替的に、例えば、システム200’の第2のガス供給モジュール244’のみが使用される場合には、第1のチャンバ202に供給されるガスは、液体蒸気(例えば、水蒸気)を含みうる。代替的に、例えば、システム200’の第1のガス供給モジュール242及び第2のガス供給モジュール244’の両方が使用される場合には、第1のチャンバ202に供給されるガスは、ステム(stem)と別の処理ガスとの混合物を含みうる。
【0088】
[0093]
図4は、高圧処理システム200(又は200’)における第1のチャンバ202及び第2のチャンバ204の可能な構成を示す。高圧処理システム200はさらに、第1のチャンバ202と第2のチャンバ204との間にバルブアセンブリ212を含む。この実装は、第2のチャンバ204を移送チャンバの一部とすることができ、例えば、圧力平衡状態にすることができる。
【0089】
[0094] 第2のチャンバ204は、内壁420と外壁424との間の容積によって画定することができる。さらに、基板10は(基板支持体218を提供する)ペデスタル418上に支持可能である。一又は複数の素子219(例えば、抵抗ヒータ)は、ペデスタル418内に埋め込むことができる。基板は、ペデスタル418上に直接載置することも、ペデスタルを通って延在するリフトピンアセンブリ430上に載置することができる。
【0090】
[0095] バルブアセンブリ212は、第1のチャンバ202の内壁420及び基部422に対して移動可能なアーム425によって形成される。特に、バルブアセンブリ212は、第1のチャンバ202と第2のチャンバ204との間にスリットバルブ423を含む。スリットバルブ423は、スリット423aとアーム425とを含む。スリット423aは、第1のチャンバ402の内壁420のうちの1つを通って延在する。アーム425の垂直端部425aは、第1のチャンバ202の外側に配置され、一方、アーム425の水平端部425bは、第1のチャンバ202内に配置される。アーム425の垂直端部425aは、第2のチャンバ204内に位置決めされ、第2のチャンバ204内に位置決めされたアクチュエータによって駆動されうる。代替的に、アーム425の垂直端部425aは、第2のチャンバ204の外側に配置され、したがって、第2のチャンバ204の外側にも配置されるアクチュエータ428によって駆動される。
【0091】
[0096] アーム425は、スリット423aを通って延在し、壁420に対して移動可能であるため、アーム425は、壁420とシ密閉を形成する位置まで移動可能である。アクチュエータ428は、アーム425の垂直端425aに連結され、壁420に対してアーム425の水平端425bを駆動する。アーム425は、スリット423aを隠す又は露出するように、垂直に移動可能である。具体的には、アーム425の垂直端部425aは、内壁420の隣接する内面に実質的に平行に延びるフランジであってよく、又はそれを含んでいてもよい。アーム425は、アーム425の水平端部425bが壁420と係合又は係合解除できるように、横方向に駆動することもできる。アーム425はまた、外壁424の開口426を通って延在しうる。
【0092】
[0097] バルブアセンブリ212は、開位置と閉位置との間で移動可能である。バルブアセンブリ212が開位置にあるとき、アーム425の水平端部425bは、壁420、例えば壁420の内面から横方向に離間されている。さらに、アーム425の水平端425bは、スリット423aが露出するように垂直に位置決めされている。このように、スリット423aは、第1のチャンバ202と第2のチャンバ204との間の流体連通を可能にし、また、基板10を、例えば上述のロボットによって、第1のチャンバ202の内外に移動させることを可能にする開口部を提供する。
【0093】
[0098] バルブアセンブリ212が閉位置にあるとき、アーム425の水平端部425bは、スリット423aを覆い、壁420の一方に接触し、それによって、第1のチャンバ202を第2のチャンバ204から分離する密閉を形成する。加圧されると、フランジ又は水平端部425bは、第1のチャンバ202を画定する壁420の内面に接触する。壁420に接触する表面の水平端部425bの円周に沿ってOリングが配置され、第1のチャンバ402が加圧されるときに密封容器の密閉を補強するのに役立つ。
【0094】
[0099] ペデスタル418内の加熱素子219は、第1のチャンバ202内のガスを、例えば250℃まで加熱する。Oリングの損傷を防止するために、アーム425は内部ガスチャンネル480を含むことができる。内部ガスチャンネル480は、冷却ガスサプライ484から供給され、アーム425を通って冷却ガスを流す導管である。内部ガスチャネル480は、水平端部425bを通って、或いは水平端部425bと垂直端部425aの両方を通って延在しうる。内部ガスチャネル及び冷却ガスサプライ484は、バルブアセンブリ212が開位置にあるときには冷却ガスサプライ484からガスが利用できなくなり、基板の移送が行われているときには冷却ガスの流れを妨げるように構成されうる。
【0095】
[0100] 本発明の数多くの実施形態が説明されている。しかしながら、本発明の本質及び範囲から逸脱しない限り、様々な修正が行われうることを理解されたい。例えば、上記では、コバルト又はニッケル層膜からの金属ケイ素化合物層の形成について説明したが、実装によっては、他の材料を使用することができる。例えば、本書に記載の金属ケイ素化合物材料を形成するため、他の材料には、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、白金、鉄、ニオブ、パラジウム、及びそれらの組み合わせ、並びにニッケルコバルト合金、コバルトタングステン合金、コバルトニッケルタングステン合金、ドープコバルト及びニッケル合金、又はニッケル鉄合金を含む他の合金が含まれる。
【0096】
[0101] アニーリング又は堆積システムに関連して上述したが、提供されるガスに応じて、高圧チャンバをエッチングシステムに使用することができる。代替的に、高圧チャンバに不活性ガスを充填し、高圧チャンバを純粋に高圧での熱処理に用いることもできる。本書に記載の処理プラットフォームは、他のタイプの処理チャンバを含みうる。例えば、処理プラットフォームは、基板の表面上にパターンをエッチングするためのエッチングチャンバを含むことができる。
【0097】
[0102] 処理プラットフォームの異なるチャンバの各々は、真空に近いものから50気圧を超えるものまで、様々な圧力環境を有することができる。チャンバ間の分離バルブ、例えば真空バルブは、このような様々な圧力環境を各チャンバ内に維持することができるように、圧力を互いに分離することができる。
【0098】
[0103] したがって、他の実施形態は特許請求の範囲の範囲内にある。
また、本願は以下に記載する態様を含む。
(態様1)
基板上の層を処理するための高圧処理システムであって、
第1のチャンバと、
前記第1のチャンバに前記基板を保持する支持体と、
前記第1のチャンバに隣接する第2のチャンバと、
前記第2のチャンバからガスを除去するフォアラインと、
前記第2のチャンバ内の圧力を真空近くまで下げるように構成された真空処理システムと、
前記第1のチャンバ内の前記圧力を前記第2のチャンバ内の前記圧力から分離するための、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとの間のバルブアセンブリと、
前記第1のチャンバに一又は複数のガスを導入し、前記ガスが前記第1のチャンバ内にあって、前記第1のチャンバが前記第2のチャンバから分離されている間に、前記第1のチャンバ内の前記圧力を少なくとも10気圧まで高めるように構成されているガス供給システムであって、
第1のガスを少なくとも10気圧である第1の圧力で供給する第1のガス供給モジュール、及び、
前記第1のガス又は異なる組成の第2のガスを、前記第1の圧力未満であるが1気圧を超える第2の圧力で供給する第2のガス供給モジュール
を含むガス供給システムと、
前記ガス供給システムと前記バルブアセンブリとを操作するように構成されたコントローラと、
前記第1のチャンバからガスを除去する排気ラインを備える排気システムと、
前記第1のガス供給モジュールと前記第2のガス供給モジュールとを共に取り囲む共通ハウジングと、
を備える高圧処理システム。
(態様2)
前記共通ハウジングからガスを除去するように構成された第2の排気システムを備える、態様1に記載のシステム。
(態様3)
前記第2の排気システムは、前記ハウジングから前記フォアラインまでガスを導くように構成される、態様2に記載のシステム。
(態様4)
前記第1及び第2のガス供給モジュールを前記第1のチャンバに連結する第1及び第2の供給ラインと、前記第1及び第2の供給ラインから漏れるガスを前記フォアラインまで迂回させるように構成された密封容器筐体とを備える、態様1に記載のシステム。
(態様5)
前記共通ハウジングは、前記密封容器筐体から流体的に分離されている、態様4に記載のシステム。
(態様6)
基板上の層を処理するための高圧処理システムであって、
第1のチャンバと、
前記第1のチャンバに前記基板を保持する支持体と、
前記第1のチャンバに隣接する第2のチャンバと、
前記第2のチャンバからガスを除去するフォアラインと、
前記第2のチャンバ内の圧力を真空近くまで下げるように構成された真空処理システムと、
前記第1のチャンバ内の前記圧力を前記第2のチャンバ内の前記圧力から分離するための、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとの間のバルブアセンブリと、
前記第1のチャンバに一又は複数のガスを導入し、前記ガスが前記第1のチャンバ内にあって、前記第1のチャンバが前記第2のチャンバから分離されている間に、前記第1のチャンバ内の前記圧力を少なくとも10気圧まで高めるように構成されているガス供給システムであって、
第1のガスを少なくとも10気圧である第1の圧力で供給する第1のガス供給モジュール、及び、
前記第1のガス又は異なる組成の第2のガスを、前記第1の圧力未満であるが1気圧を超える第2の圧力で供給する第2のガス供給モジュール
を含むガス供給システムと、
前記第1のチャンバからガスを除去する排気ラインを備える排気システムと、
前記バルブアセンブリは前記第1のチャンバを前記第2のチャンバから分離し、次に、前記第2のガス供給モジュールは前記第1のチャンバを1気圧未満の圧力から前記第2の圧力まで高め、次に、前記第2のガス供給モジュールは前記第1のチャンバから分離され、次に、前記第1のガス供給モジュールは第1のチャンバを前記第2の圧力から前記第1の圧力まで高めるように、前記ガス供給システム、バルブアセンブリ、真空処理システム及び排気処理システムを操作するように構成されたコントローラと、
を備える高圧処理システム。
(態様7)
前記第1のガス供給モジュールは、前記第1のガスを前記第1のチャンバに供給する前に、前記第1のガスの圧力を高めるように構成されたポンプを備える、態様6に記載のシステム。
(態様8)
前記第2のガス供給モジュールは、前記ガスを前記第1のチャンバに導くために、質量流量コントローラ、液体流量計、又は液体流量コントローラを使用する、態様7に記載のシステム。
(態様9)
前記第1のチャンバ内の第1の圧力センサと、前記第2のチャンバ内の第2の圧力センサとを備える、態様6に記載のシステム。
(態様10)
前記コントローラは、前記排気システムが前記第1のチャンバ内の圧力を下げ、前記真空処理システムが前記第2のチャンバ内の圧力を下げるように構成され、また、前記コントローラは、前記第1の圧力センサ及び前記第2の圧力センサからの測定値を比較し、前記第1のチャンバ内の圧力が前記第2のチャンバ内の圧力よりも高くなるように、前記排気システム及び前記真空処理システムを制御するように構成される、態様9に記載のシステム。
(態様11)
高圧処理システムの操作方法であって、
第1のチャンバと第2のチャンバとを1気圧未満である第1の圧力にすることと、
前記第1のチャンバと第2のチャンバの間の分離バルブが開いている間に、前記第2のチャンバから前記第1のチャンバへ基板を移送することと、
前記分離バルブが閉じられている間に、前記第1のチャンバを前記第1の圧力から第2の圧力に下げ、第2のチャンバを第1の圧力から第3の圧力に下げることと、
第2のガス供給モジュールを用いて第1のチャンバを大気圧より高く10気圧未満である第4の圧力に加圧することと、
第1のガス供給モジュールを用いて第1のチャンバを10気圧超の第5の圧力まで加圧することと、
前記第1のチャンバが前記第5の圧力にある間に、前記基板を処理することと、
第1のチャンバを排気することと、
前記分離バルブを開いて前記第1のチャンバから前記基板を取り出すことと、
を含む操作方法。
(態様12)
前記第1のチャンバを前記第5の圧力に加圧することは、第1のガスを前記第1のチャンバに供給することを含み、前記第1のチャンバを前記第4の圧力に加圧することは、異なる組成の第2のガスを前記第1のチャンバに供給することを含む、態様11に記載の方法。
(態様13)
前記第1のガスは、H
2
又はNH
3
のうちの少なくとも1つを含む、態様11に記載の方法。
(態様14)
前記第2のガス供給モジュールを用いて前記第1のチャンバを加圧することは、前記第1のガス供給モジュールと前記第1のチャンバとの間の供給ラインにおいて、前記第1のガス供給モジュールを高圧分離バルブで前記第1のチャンバから分離することと、前記第2のガス供給モジュールと前記第1のチャンバとの間の供給ラインにおいて低圧分離バルブを開くことによって、前記第2のガス供給モジュールと前記第1のチャンバとを流体的に連結することとを含む、態様11に記載の方法。
(態様15)
前記第1のガス供給モジュールを用いて前記第1のチャンバを加圧することは、前記低圧分離バルブを用いて前記第2のガス供給モジュールを前記第1のチャンバから分離することと、前記高圧分離バルブを開くことによって前記第1のガス供給モジュールと前記第1のチャンバとを流体的に連結することとを含む、態様14に記載の方法。