(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-26
(45)【発行日】2022-08-03
(54)【発明の名称】融像輻輳力及び空間視覚訓練が可能な視力訓練装置
(51)【国際特許分類】
A61H 5/00 20060101AFI20220727BHJP
【FI】
A61H5/00 Z
(21)【出願番号】P 2020531705
(86)(22)【出願日】2017-12-12
(86)【国際出願番号】 KR2017014588
(87)【国際公開番号】W WO2019117336
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2020-12-10
(73)【特許権者】
【識別番号】519209370
【氏名又は名称】エデンルックス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】パク,ソンヨン
(72)【発明者】
【氏名】ノ,キョンヒョン
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-0896212(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0053419(KR,A)
【文献】特開2016-159075(JP,A)
【文献】特開平9-51927(JP,A)
【文献】特開2007-130080(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャシーと;
第1の光学フィルタ及び第2の光学フィルタであって:(a)前記第1の光学フィルタ及び前記第2の光学フィルタは、両方前記シャシー内に含まれ、(b)前記第1の光学フィルタは第1の色を有し、前記第2の光学フィルタは第2の色を有し、(c)前記第1の色は、第1の赤値、第1の緑値及び第1の青値の組み合わせに基づく第1の赤緑青(RGB)値によって規定され、(d)前記第2の色は、第2の赤値、第2の緑値及び第2の青値の組み合わせに基づく第2のRGB値によって規定され、(e)前記第1のRGB値は前記第2のRGB値に等しくない、第1の光学フィルタ及び第2の光学フィルタと;
少なくとも1つの機械可読媒体であって、少なくとも1つの機械によって使用されるとき、前記少なくとも1つの機械に:
右眼の視野を遮断膜によって遮断している間
に電子ディスプレイにイメージを表示することと:
前記イメージに対する第1の表示特性を変更することであって、前記第1の表示特性は、RGB値、透明度、コントラスト比、明るさ、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、変更することと:
変更された前記第1の表示特性に基づく前記イメージを
前記第1の光学フィルタ越しにユーザが認識できないことに対応する通信を受信することと;
少なくとも1つのメモリに前記変更された第1の表示特性を格納することと;
格納された前記変更された第1の表示特性に基づいて前記ユーザとの視覚訓練を行うことと;
左眼の視野を追加の遮断膜によって遮断している間に前記電子ディスプレイに追加のイメージを表示することと:
前記追加のイメージに対する追加の第1の表示特性を変更することであって、前記追加の第1の表示特性は、RGB値、透明度、コントラスト比、明るさ、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、変更することと:
変更された前記追加の第1の表示特性に基づく前記追加のイメージを前記第2の光学フィルタ越しに前記ユーザが認識できないことに対応する通信を受信することと;
前記少なくとも1つのメモリに前記変更された追加の第1の表示特性を格納することと;
格納された前記変更された追加の第1の表示特性に基づいて前記ユーザとの視覚訓練を行うことと;
を含む動作を実行させる、データを格納した、少なくとも1つの機械可読媒体と;
を有する、
システム。
【請求項2】
前記第1の色は、緑よりも赤であり、前記第2の色は赤よりも緑である、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記シャシーは、前記電子ディスプレイを、前記第1及び前記第2の光学フィルタから固定された距離に結合するためのカプラを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記イメージに対する前記第1の表示特性を変更することは、前記システムのユーザによる手動入力に応じて前記イメージに対する前記第1の表示特性を変更することを含み、前記手動入力は、前記第1の表示特性の調整を引き起こす、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記イメージに対する前記第1の表示特性を変更することは、前記第1のRGB値に基づいて前記イメージに対する前記第1の表示特性を変更することを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記動作は、メモリに前記第1のRGB値を格納することを含み、前記イメージに対する前記第1の表示特性を変更することは、格納された前記第1のRGB値に基づいて前記イメージに対する前記第1の表示特性を変更することを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記視覚訓練は、融像輻輳力訓練、空間視覚訓練、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記動作は:
前記左眼のための第1の融像輻輳力イメージ及び
前記右眼のための第2の融像輻輳力イメージを表示することであって、(a)前記第1の融像輻輳力イメージは、
前記格納され
た変更された第1の表示特
性に基づく第1の融像輻輳力色を有し、(b)前記第2の融像輻輳力イメージは、
前記格納された変更された
追加の第1の表示特
性に基づく第2の融像輻輳力色を有する、表示することと;
前記第1及び前記第2の融像輻輳力イメージを互いにオーバーラップさせることと;
表示された前記第1及び前記第2の融像輻輳力イメージを互い
に離隔させるように動かすことと;
前記表示された前記第1及び前記第2の融像輻輳力イメージを互い
に離隔させるように動かすことに応じて
前記ユーザからの融像輻輳力に関する通信を受信することと;
前記融像輻輳力に関する通信を受信することに応じて、前記第1の融像輻輳力イメージと前記第2の融像輻輳力イメージとの間の融像輻輳力距離を決定することと;
を含
み、
前記格納された変更された第1の表示特性は、前記第1のRGB値に基づき、前記格納された変更された追加の第1の表示特性は、前記第2のRGB値に基づく、
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記動作は:
前記融像輻輳力距離を決定することに応じて融像輻輳力訓練を実行すること;を含み、
前記融像輻輳力距離を決定することに応じて前記融像輻輳力訓練を実行することは、前記融像輻輳力距離を決定することに応じて
、前記第1の融像輻輳力イメージ
と前記第2の融像輻輳力イメージ
との間の距離を変化させることを含む、
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記表示された前記第1及び前記第2の融像輻輳力イメージを互い
に離隔させるように動かすことに応じて
前記ユーザからの融像輻輳力に関する通信を受信することは、前記ユーザが前記第1及び前記第2の融像輻輳力イメージを互いから視覚的に引き離すことに対応する、
請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記動作は:
第1の融像輻輳力イメージ及び第2の融像輻輳力イメージを表示することであって、(a)前記第1の融像輻輳力イメージは、
前記格納され
た変更された第1の表示特
性に基づく第1の融像輻輳力色を有し、(b)前記第2の融像輻輳力イメージは、
前記格納された変更された
追加の第1の表示特
性に基づく第2の融像輻輳力色を有する、表示することと;
表示された前記第1及び前記第2の融像輻輳力イメージを互いに関して:(a)前記表示された第1及び第2の融像輻輳力イメージを互いに向かって動かすことと、(b)前記表示された第1及び第2の融像輻輳力イメージを互い
に離隔させるように動かすこととのうちの少なくとも一方によって、動かすことと;
前記表示された第1及び第2の融像輻輳力イメージを互いに関して動かすことに応じて
前記ユーザからの融像輻輳力に関する通信を受信することと;
前記融像輻輳力に関する通信を受信することに応じて、前記第1の融像輻輳力イメージと前記第2の融像輻輳力イメージとの間の融像輻輳力距離を決定することと;
を含
み、
前記格納された変更された第1の表示特性は、前記第1のRGB値に基づき、前記格納された変更された追加の第1の表示特性は、前記第2のRGB値に基づく、
請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記動作は:
前記右眼の視野を前記遮断膜によって遮断している間に第1の空間視覚イメージ及び第2の空間視覚イメージを表示することであって、(a)前記第1の空間視覚イメージは、
前記格納され
た変更された第1の表示特
性に基づく第1の空間視覚色を有し、(b)前記第2の空間視覚イメージは、第2の空間視覚色を有する、表示することと;
表示された前記第1及び前記第2の空間視覚イメージを互いにオーバーラップさせることと;
前記第1及び前記第2の空間視覚イメージが互いにオーバーラップされている間に、前記第1及び前記第2の空間視覚イメージの少なくとも一方に対する第2の表示特性を変更することであって、変更された前記第2の表示特性は、RGB値、透明度、コントラスト比、明るさ、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、変更することと:
前記第1及び前記第2の空間視覚イメージの少なくとも一方に対する前記第2の表示特性を変更することに応じて
前記ユーザからの空間視覚に関する通信を受信することと;
前記空間視覚に関する前記通信を受信するこ
とに応じて、前記第1及び前記第2の空間視覚イメージの少なくとも一方に対する変更された前記第2の表示特性を決定すること
、及び前記少なくとも1つのメモリに前記変更された第2の表示特性を格納することと;
を含
み、
前記格納された変更された第1の表示特性は、前記第1のRGB値に基づく、
請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1及び前記第2の空間視覚イメージの少なくとも一方に対する前記第2の表示特性を変更することに応じて
前記ユーザからの空間視覚に関する通信を受信することは、前記ユーザが前記第1及び前記第2の空間視覚イメージを互いから視覚的に分離することに対応する、
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記動作は:
前記
左眼の視野を前記追加の遮断膜によって遮断している間に追加の第1の空間視覚イメージ及び追加の第2の空間視覚イメージを表示することであって、(a)前記追加の第1の空間視覚イメージは、
前記格納された変更された
追加の第1の表示特
性に基づく追加の第1の空間視覚色を有し、(b)前記追加の第2の空間視覚イメージは、追加の第2の空間視覚色を有する、表示することと;
表示された前記追加の第1及び前記追加の第2の空間視覚イメージを互いにオーバーラップさせることと;
前記追加の第1及び前記追加の第2の空間視覚イメージが互いにオーバーラップされている間に、前記追加の第1及び前記追加の第2の空間視覚イメージの少なくとも一方に対する追加の第2の表示特性を変更することであって、前記追加の第2の表示特性は、RGB値、透明度、コントラスト比、明るさ、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、変更することと:
前記追加の第1及び前記追加の第2の空間視覚イメージの少なくとも一方に対する前記追加の第2の表示特性を変更することに応じて
前記ユーザからの空間視覚に関する追加の通信を受信することと;
前記空間視覚に関する追加の通信を受信するこ
とに応じて、前記追加の第1及び前記追加の第2の空間視覚イメージの少なくとも一方に対する変更された前記追加の第2の表示特性を決定すること
、及び前記少なくとも1つのメモリに変更された前記追加の第2の表示特性を格納することと;
を含
み、
前記格納された変更された追加の第1の表示特性は、前記第2のRGB値に基づく、
請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記動作は、前記変更された第2の表示特性を前記変更された追加の第2の表示特性と比較することを含む、
請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記動作は、前記変更された第2の表示特性を前記変更された追加の第2の表示特性と比較することに応じて、前記ユーザの眼の一方が前記ユーザの目の他方より弱視であることを決定することを含む、
請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記動作は、
追加された第1の空間視覚イメージ、追加された第2の空間視覚イメージ、及び追加された第3の空間視覚イメージを表示することであって、(a)前記追加された第1の空間視覚イメージは、前記変更された第2の表示特性に基づいて表示され、(b)前記追加された第2の空間視覚イメージは、前記変更された追加の第2の表示特性に基づいて表示される、表示することと;
表示された前記追加された第3の空間視覚イメージを前記追加された第1の空間視覚イメージと同時にオーバーラップさせ、一方、同時に、前記表示された追加された第3の空間視覚イメージを前記追加された第2の空間視覚イメージと同時にオーバーラップさせることと;
を含む、
請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記追加された第1の空間視覚イメージ対する調整可能な表示特性を調整しながら前記追加された第1の空間視覚イメージを表示することであって、前記追加された第1の空間視覚イメージ対する前記調整可能な表示特性は、RGB値、透明度、コントラスト比、明るさ、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、表示することと;
前記追加された第2の空間視覚イメージ対する調整可能な表示特性を調整しながら前記追加された第2の空間視覚イメージを表示することであって、前記追加された第2の空間視覚イメージ対する前記調整可能な表示特性は、RGB値、透明度、コントラスト比、明るさ、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、表示することと;
を含む、
請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
データを格納した少なくとも1つの機械可読媒体であって、前記データは、少なくとも1つの機械によって使用されるとき、前記少なくとも1つの機械に:
電子ディスプレイに
左眼のためのイメージを表示することと:
前記イメージに対する第1の表示特性を変更することであって、前記第1の表示特性は、赤、緑、青(RGB)値、透明度、コントラスト比、明るさ、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、変更すること
であって、第1の光学フィルタに対応する第1の赤、緑、青(RGB)値に基づいて前記イメージに対する前記第1の表示特性を変更することを含む、変更することと:
変更された前記第1の表示特性に基づく前記イメージを
前記第1の光学フィルタ越しにユーザが認識できないことに対応する通信を受信することと;
少なくとも1つのメモリに前記変更された第1の表示特性を格納することと;
格納された前記変更された第1の表示特性に基づいて前記ユーザとの視覚訓練を行うことと;
前記電子ディスプレイに右眼のための追加のイメージを表示することと:
前記追加のイメージに対する追加の第1の表示特性を変更することであって、前記追加の第1の表示特性は、赤、緑、青(RGB)値、透明度、コントラスト比、明るさ、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み、変更するは、第2の光学フィルタに対応する第2の赤、緑、青(RGB)値に基づいて前記追加のイメージに対する前記追加の第1の表示特性を変更することを含む、変更することと:
変更された前記追加の第1の表示特性に基づく前記追加のイメージを前記第2の光学フィルタ越しに前記ユーザが認識できないことに対応する通信を受信することと;
前記少なくとも1つのメモリに前記変更された追加の第1の表示特性を格納することと;
格納された前記変更された追加の第1の表示特性に基づいて前記ユーザとの視覚訓練を行うことと;
を含む、動作を実行させる、
少なくとも1つの機械可読媒体。
【請求項20】
前記動作は:
前記左眼のための第1の融像輻輳力イメージ及び
前記右眼のための第2の融像輻輳力イメージを表示することであって、(a)前記第1の融像輻輳力イメージは、
前記格納され
た変更された第1の表示特
性に基づく第1の融像輻輳力色を有し、(b)前記第2の融像輻輳力イメージは、
前記格納された変更された
追加の第1の表示特
性に基づく第2の融像輻輳力色を有する、表示することと;
表示された前記第1及び前記第2の融像輻輳力イメージを互いに関して:(a)前記表示された第1及び第2の融像輻輳力イメージを互いに向かって動かすことと、(b)前記表示された第1及び第2の融像輻輳力イメージを互い
に離隔させるように動かすこととのうちの少なくとも一方によって、動かすことと;
前記表示された前記第1及び前記第2の融像輻輳力イメージを互いに関して動かすことに応じて
前記ユーザからの融像輻輳力に関するユーザ通信を受信することと;
前記融像輻輳力に関する前記ユーザ通信を受信することに応じて、前記第1の融像輻輳力イメージと前記第2の融像輻輳力イメージとの間の融像輻輳力距離を決定することと;
を含
み、
前記格納された変更された第1の表示特性は、前記第1のRGB値に基づき、前記格納された変更された追加の第1の表示特性は、前記第2のRGB値に基づく、
請求項
19に記載の少なくとも1つの機械可読媒体。
【請求項21】
前記動作は:
前記融像輻輳力距離を決定することに応じて融像輻輳力訓練を実行することを含み、
前記融像輻輳力距離を決定することに応じて融像輻輳力訓練を実行することは、前記融像輻輳力距離を決定することに応じて
:前記第1の融像輻輳力イメージと前記第2の融像輻輳力イメージとの
間の距離を変化させることを含む、
請求項
20に記載の少なくとも1つの機械可読媒体。
【請求項22】
前記動作は:
前記左眼のための第1の空間視覚イメージ及び
前記左眼のための第2の空間視覚イメージを表示することであって、(a)前記第1の空間視覚イメージは、
前記格納され
た変更された第1の表示特
性に基づく第1の空間視覚色を有し、(b)前記第2の空間視覚イメージは、第2の空間視覚色を有する、表示することと;
表示された前記第1及び前記第2の空間視覚イメージを互いにオーバーラップさせることと;
前記第1及び前記第2の空間視覚イメージが互いにオーバーラップされている間に、前記第1及び前記第2の空間視覚イメージの少なくとも一方に対する第2の表示特性を変更することであって、変更された前記第2の表示特性は、RGB値、透明度、コントラスト比、明るさ、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、変更することと:
前記第1及び前記第2の空間視覚イメージの少なくとも一方に対する前記第2の表示特性を変更することに応じて
前記ユーザからの空間視覚に関する通信を受信することと;
前記空間視覚に関する前記通信を受信するこ
とに応じて、前記第1及び前記第2の空間視覚イメージの少なくとも一方に対する変更された前記第2の表示特性を決定すること
、及び前記少なくとも1つのメモリに前記変更された第1の表示特性を格納することと;
を含
み、
前記格納された変更された第1の表示特性は、前記第1のRGB値に基づく、
請求項
19に記載の少なくとも1つの機械可読媒体。
【請求項23】
前記動作は:
前記右眼のための追加の第1の空間視覚イメージ及び
前記右眼のための追加の第2の空間視覚イメージを表示することであって、(a)前記追加の第1の空間視覚イメージは、
前記格納された変更された
追加の第1の表示特
性に基づく追加の第1の空間視覚色を有し、(b)前記追加の第2の空間視覚イメージは、追加の第2の空間視覚色を有する、表示することと;
表示された前記追加の第1及び前記追加の第2の空間視覚イメージを互いにオーバーラップさせることと;
前記追加の第1及び前記追加の第2の空間視覚イメージが互いにオーバーラップされている間に、前記追加の第1及び前記追加の第2の空間視覚イメージの少なくとも一方に対する追加の第2の表示特性を変更することであって、前記追加の第2の表示特性は、RGB値、透明度、コントラスト比、明るさ、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、変更することと:
前記追加の第1及び前記追加の第2の空間視覚イメージの少なくとも一方に対する前記追加の第2の表示特性を変更することに応じて空間視覚に関する
前記ユーザからの追加の通信を受信することと;
前記空間視覚に関する追加の通信を受信するこ
とに応じて、前記追加の第1及び前記追加の第2の空間視覚イメージの少なくとも一方に対する変更された前記追加の第2の表示特性を決定すること
、及び前記少なくとも1つのメモリに変更された前記追加の第2の表示特性を格納することと;
を含
み、
前記格納された変更された追加の第1の表示特性は、前記第2のRGB値に基づく、
請求項
22に記載の少なくとも1つの機械可読媒体。
【請求項24】
前記動作は、前記変更された第2の表示特性を前記変更された追加の第2の表示特性と比較することを含む、
請求項
23に記載の少なくとも1つの機械可読媒体。
【請求項25】
前記動作は、
追加された第1の空間視覚イメージ、追加された第2の空間視覚イメージ、及び追加された第3の空間視覚イメージを表示することであって、(a)前記追加された第1の空間視覚イメージは、前記変更された第2の表示特性に基づいて表示され、(b)前記追加された第2の空間視覚イメージは、前記変更された追加の第2の表示特性に基づいて表示される、表示することと;
表示された前記追加された第3の空間視覚イメージを前記追加された第1の空間視覚イメージと同時にオーバーラップさせ、一方、同時に、前記表示された追加された第3の空間イメージ画像を前記追加された第2の空間視覚イメージと同時にオーバーラップさせることと;
前記追加された第1の空間視覚イメージ対する調整可能な表示特性を調整しながら前記追加された第1の空間視覚イメージを表示することであって、前記追加された第1の空間視覚イメージ対する前記調整可能な表示特性は、RGB値、透明度、コントラスト比、明るさ、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、表示することと;
前記追加された第2の空間視覚イメージ対する調整可能な表示特性を調整しながら前記追加された第2の空間視覚イメージを表示することであって、前記追加された第2の空間視覚イメージ対する前記調整可能な表示特性は、RGB値、透明度、コントラスト比、明るさ、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、表示することと;
を含む、
請求項
24に記載の少なくとも1つの機械可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は融像輻輳力及び空間視覚訓練が可能な視力訓練装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
融像輻輳力と空間視覚訓練が可能な視力訓練装置は両眼球の前方にそれぞれ配置される相互補色関係の一対のカラーフィルタと、その前でカラーフィルタと対応するカラーと補色関係のカラーを表示することができるディスプレイを含む。ここでディスプレイに表示されるイメージのカラーはカラーフィルタに対応されるカラーで使用者がカラーイメージを見る時、それに対応するカラーフィルタが適用された目ではイメージを完全に認識することができないようにして反対側の目に適用されたカラーフィルタだけを通して認識することができるようにすることが訓練に効果的である。
【0003】
しかしながら、市販されているディスプレイ毎にカラー特性が異なって使用者毎に色相感知能力が異なるので訓練前別途の色相補正が伴わない場合、視力訓練の効果が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的はディスプレイに対する色相補正が可能であるので比較的精巧な視力訓練が可能な視力訓練装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するための本発明による視力訓練装置は使用者眼球の視野方向に配置される光学的性質を有したカラーフィルタと;ディスプレイと;前記ディスプレイのイメージ情報を調節することができる使用者操作部と;前記カラーフィルタのカラーと類似範囲内にある基準カラーイメージを前記ディスプレイに表示し、前記使用者操作部を通じて前記ディスプレイに対する補正確認信号が入力されると前記補正確認信号を補正値として保存する制御部を含む。
【0006】
ここで前記制御部は前記光学的性質を有する前記カラーフィルタに対応する前記基準カラーイメージの前記イメージ情報が調節されるように前記使用者操作部を制御することが好ましい。
【0007】
そして前記制御部は前記ディスプレイに表示された前記基準カラーイメージのRGB値、透明度、コントラスト比及び明るさのうち少なくとも一つを調節し、前記使用者操作部を通じて前記ディスプレイに対する補正確認信号が入力されると前記補正確認信号を前記補正値として保存することが好ましい。
【0008】
また、前記制御部は前記ディスプレイに前記補正値が反映された一対の融像イメージを表示して前記一対の融像イメージが互いに離隔または接近するように前記ディスプレイを制御し、前記使用者操作部を通じてイメージ分離確認信号が入力される場合、前記一対の融像イメージ間距離情報を融像幅情報として保存することが好ましい。
【0009】
そして前記制御部は認識イメージに前記認識イメージの視覚的認識を抑制する認識抑制イメージをオーバーラップして前記ディスプレイに表示して前記認識抑制イメージの濃度値が変わるように前記ディスプレイを制御し、前記使用者操作部を通じて視認度変更確認信号が入力される場合、前記視認度変更確認信号が入力される時の前記認識抑制イメージの濃度値を認識度情報として保存することが好ましい。
【0010】
また、前記光学的性質を有するカラーフィルタは両眼視分離のためにフィルタの格子方向への振動する光だけを通過させる偏光または隣接補色関係で構成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明による視力訓練装置はディスプレイに対する色相補正が可能であるので比較的精巧な空間視覚、融像輻輳力視力訓練が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明による視力訓練装置を示した斜視図である。
【0013】
【0014】
【
図3】本発明による補正モードを説明するためのフローチャートである。
【0015】
【
図4】(A)乃至(C)は
図3の補正モードを説明するための参考図である。
【0016】
【
図5】融像輻輳力訓練のための融像輻輳力測定モードを説明するためのフローチャートである。
【0017】
【
図6】(A)、(B)は
図5の融像輻輳力測定モードを説明するための参考図である。
【0018】
【
図7】融像輻輳力訓練モードを説明するための順序図である。
【0019】
【
図8】空間視覚訓練のための空間視覚測定モードを説明するためのフローチャートである。
【0020】
【
図9】(A)、(B)は
図8の空間視覚測定モードを説明するための参考図である。
【0021】
【
図10】空間視覚訓練モードを説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は本発明による視力訓練装置を示した斜視図である。
図1で見ることができるように、本発明による視力訓練装置は接眼部を有するフレーム(100)を含む。フレーム(100)は使用者の頭に着用可能である。接眼部は使用者眼球の視野方向に配置され、接眼部には光学的性質を有したカラーフィルタ(201、202)が取り付けられる。接眼部にはカラーフィルタ(201、202)と重畳的に多様な屈折率を有するレンズが設置されることができる。ここで、各眼球の前方に配置される一対の光学的性質を有したカラーフィルタ(201、202)はそれぞれ相互補色関係または隣接補色関係にあるカラーを採択する。例えば、いずれか一つのカラーフィルタが赤色の場合、他の一つのカラーフィルタは青緑色を採択する。勿論、これは一つの例示であり、黄色と紫色のように他の相互隣接補色関係であるカラーを採択することもできる。このような一対の光学的性質を有したカラーフィルタ(201、202)は交替可能である。
【0023】
フレーム(100)は接眼部に取り付けられた光学的性質を有したカラーフィルタ(201、202)の前方で所定間隔を隔ててディスプレイ(300)が取り付けられることができる取付部(130)を有する。ディスプレイ(300)は取付部(130)に対して脱着可能に取り付けられる。ディスプレイ(300)は視力訓練のための専用デバイスであるか視力訓練のためのプログラムが設置された通常的なモバイルデバイスであり得る。本視力訓練装置はディスプレイ(300)がフレーム(100)に取り付けられた状態またはフレーム(100)に対して取り外された状態で訓練可能である。ディスプレイ(300)がフレーム(100)に対して取り外された状態で訓練を実施する場合、使用者の眼球から適正距離を隔てて実施することが好ましい。例えば、1m以内の距離で実施する又は居間でTVを見るように1m以上の距離を隔てて実施することもできる。ディスプレイ(300)はフレーム(100)と一体型に備えられることもできる。
【0024】
図2は本発明による視力訓練装置の構成図である。
図2に示されたように、本視力訓練装置はディスプレイ(300)のイメージ情報を調節することができる使用者操作部(500)を有する。イメージ情報はRGB値、透明度、コントラスト比及び明るさのうち少なくとも一つを含む。使用者操作部(500)はディスプレイ(300)と電気的または無線通信で連結される。使用者操作部(500)はフレーム(100)、ディスプレイ(300)に設けられることができる又は別途の構成で備えられることができる。
【0025】
そして本視力訓練装置はカラーフィルタ(201、202)のカラーと類似範囲内にある基準カラーイメージ(1、
図4を参照)をディスプレイ(300)に表示することができる制御部(700)と外部機器と連結されてデータを送受信することができる通信部(900)及び多様な種類のデータが保存されることができるメモリ(800)を含む。
【0026】
制御部(700)はフレーム(100)に取り付けられた各カラーフィルタ(201、202)の色相情報を予め入力してもらい、入力された各カラーフィルタの色相情報を基にその色相と類似範囲内にある基準カラーイメージをディスプレイ(300)に表示する。例えば、使用者の左眼側に配置されたカラーレンズ(202)の色相が赤色系列であるという色相情報を予め入力してもらった場合、RGB値のR値が255、G値が0、B値が0である基準カラーイメージをディスプレイ(300)に表示する。これは一つの例示であり、基準カラーイメージのRGB値は設定によって変更可能である。しかしながら、このような基準カラーイメージ(1)は各カラーフィルタ(201、202)の色相と正確に一致し難く、ディスプレイ(300)毎にRGB値を表現する色相が一致しないのでより精巧な訓練のために色相補正が必要である。
【0027】
図3は本発明による補正モードを説明するためのフローチャートであり、
図4(A)乃至(C)は
図3の補正モードを説明するための参考図である。これらの図面を参照して補正モードを説明する。補正モードは使用者の左眼と右眼に対して個別的になされる。左眼と右眼に対する補正モードの順序は制御部(700)が任意に選択することができる又は使用者が選択することができる。例えば、左眼に対する補正モードが実施された後に右眼に対する補正モードが実施される。左眼に対する補正モードが実施される時に右眼の視野を遮断する遮断膜が配置されることができる。制御部(700)は左眼と右眼の前方に配置されたカラーフィルタ(201、202)に対する色相情報を予め入力してもらう。本補正モードは使用者が視力訓練を初めて始める時になされることが好ましい。勿論、使用者が任意に補正モードを実施することもできる。
【0028】
先ず、使用者は本視力訓練装置を着用した状態で補正モードを実施する(S11)。左眼と右眼のうち赤色系列のカラーフィルタ(202)が配置された左眼に対する補正モードが先に実施されることを仮定する。補正モードが実施されると、制御部(700)は赤色系列のカラーフィルタ(202)の色相情報による赤色系列カラーと類似範囲内にある基準カラーイメージ(1)をディスプレイ(300)に表示する(S12)。
【0029】
このようにディスプレイ(300)に基準カラーイメージ(1)が表示された場合、使用者はディスプレイ(300)に表示された基準カラーイメージ(1)が認識されないように使用者操作部(500)を通じてディスプレイ(300)のRGB値、透明度、コントラスト比及び明るさのうち少なくとも一つを調節する。例えば、
図4(A)のようにディスプレイに表示されたRGB値のうちR値が255、G値とB値が0である状態で
図4(B)及び(C)のようにG値とB値のうち少なくとも一つの値を変化させることができる。赤色系列のカラーフィルタ(202)の場合、ディスプレイ(300)のRGB値のうちG値とB値のうち少なくとも一つを調節することが好ましい。一方、緑色系列のカラーフィルタの場合、ディスプレイ(300)のRGB値のうちR値とB値のうち少なくとも一つの値を調節することが好ましい。青色系列のカラーフィルタの場合、ディスプレイ(300)のRGB値のうちR値とG値のうち少なくとも一つの値を調節することが好ましい。制御部(700)は前述したようにカラーフィルタの色相によってRGB値のうち調節可能なR値、G値及びB値のうち少なくとも一つの値が調節されるように使用者操作部(500)を制御することが好ましい。
【0030】
RGB値の調節だけで基準カラーイメージ(1)が認識されないように調節可能であれば透明度、コントラスト比、明るさの調節を省略することができる。しかしながら、RGB値の調節だけで不十分であれば、透明度、コントラスト比及び明るさの調節を実施する。RGB値、透明度、コントラスト比及び明るさの調節順序は変更可能である。例えば、透明度の調節と明るさの調節を先に実施した後にRGB値を調節することができる。
【0031】
制御部(700)はディスプレイ(300)にRGB値、透明度、コントラスト比及び明るさのうち少なくとも一つの値が容易に調節されることができるようにディスプレイ(300)にRGB値、透明度、コントラスト比及び明るさを順次的に調節することができるように聴覚的または視覚的にガイドすることができる。
【0032】
使用者はディスプレイ(300)に表示された基準カラーイメージ(1)が認識されないようにRGB値、透明度、コントラスト比及び明るさのうち少なくとも一つを調節した後、調節されたRGB値、透明度、コントラスト比及び明るさ値をディスプレイ(300)に対する補正確認信号として入力する。制御部(700)は入力された補正確認信号を補正値としてメモリ(800)に保存する(S13)。
【0033】
一方、前述したように使用者が直接ディスプレイ(300)に対するRGB値等を調節せず、制御部(700)がディスプレイ(300)に表示された基準カラーイメージ(1)のRGB値、透明度、コントラスト比及び明るさのうち少なくとも一つを連続的または断続的に変化させ、制御部(700)が基準カラーイメージ(1)を変化させる中に使用者操作部(500)を通じて入力される補正確認信号を補正値として保存することができる。左眼に対する補正値が保存された場合、反対側である右眼に対する補正モードが実施されるようにする。右眼に対する補正モードは前述した左眼の補正モードの過程と同様である。
【0034】
補正モードによって補正値が保存されると、制御部(700)は補正値が反映されたRGB値、透明度、コントラスト比及び明るさ値を適用して融像輻輳力及び空間視覚訓練が実施されるようにする。融像輻輳力訓練は左眼と右眼が別に認識するイメージを一つのイメージに融像する能力を向上させる訓練であり、空間視覚訓練は左眼と右眼でそれぞれ認識するイメージのうち比較的空間視覚が高い眼球で受け入れるイメージだけを使用する現象を減らすための訓練である。
【0035】
融像輻輳力訓練について説明する。
図5は融像輻輳力訓練のための融像輻輳力測定モードを説明するためのフローチャートであり、
図6は
図5の融像輻輳力測定モードを説明するための参考図である。これらの図面を参照して融像輻輳力訓練について説明する。融像輻輳力訓練は測定モードと訓練モードからなる。先ず、使用者が融像輻輳力測定モードを実施(S21)する場合、制御部(700)は補正モードで予め保存された補正値が適用された相互隣接補色関係である一対の融像イメージ(2、3)を
図6(A)のように互いに重ねた状態でディスプレイ(300)に表示する(S22)。ここで、一対の融像イメージ(2、3)はそれぞれ補正値が適用された相互補色関係である赤色系列の融像イメージ(2)と青緑色系列の融像イメージ(3)と仮定する。この時、使用者の各眼球はそれぞれ一対の融像イメージ(2、3)のうちいずれか一つの融像イメージだけを認識することができる。例えば、左眼に赤色系列のカラーフィルタ(202)が配置された場合、赤色の融像イメージ(2)は認識することができず、右眼に青緑色系列のカラーフィルタ(201)が配置された場合、青緑色の融像イメージ(3)は認識することができない。このように一対の融像イメージ(2、3)が互いに重ねた状態の場合、使用者は当然に一対の融像イメージ(2、3)を一つのイメージとして認識する。一対の融像イメージ(2、3)は予め設定された間隔だけ互いに少し離隔された状態でもあり得る。
【0036】
そして制御部(700)は
図6(B)のように一対の融像イメージ(2、3)を互いに漸進的に離隔させる(S23)。このように一対の融像イメージ(2、3)が互いに漸進的に離隔されても使用者が有する固有の融像輻輳力によって所定の離隔範囲内では使用者は一対の融像イメージ(2、3)が互いに離隔されない一つのイメージとして認識する。そして使用者は一対の融像イメージ(2、3)が離隔される中のある瞬間、一対の融像イメージ(2、3)が互いに分離されたイメージとして認識する。
【0037】
制御部(700)は使用者操作部(500)を通じてイメージ分離確認信号が入力されるかを確認する(S24)。使用者は一対の融像イメージ(2、3)が互いに分離される瞬間にイメージ分離確認信号を入力する。
【0038】
制御部(700)はイメージ分離確認信号が入力されると、このイメージ分離確認信号が有する一対の融像イメージ間の距離情報(d)を融像幅情報として保存する(S25)。
【0039】
一方、一対の融像イメージが予め指定された距離だけ互いに離隔された状態で互いに漸進的に接近する時に入力されるイメージ合体確認信号を測定することもできる。この場合、使用者は一対の融像イメージが互いに合体される瞬間にイメージ合体確認信号を入力する。イメージ合体確認信号が入力された時の一対の融像イメージ間距離情報を融像幅情報として保存及び活用することができる。
【0040】
図7は融像輻輳力訓練モードを説明するためのフローチャートである。
図7を参照して融像輻輳力訓練モードを説明する。先ず、使用者が融像輻輳力訓練モードを実施すると(S31)、予め保存された融像幅情報を基に融像幅訓練区間を設定する(S32)。融像幅訓練区間は一対の融像イメージが互いに接近または離隔する移動範囲を意味する。このような融像幅訓練区間は融像幅測定モードで測定された融像幅情報の融像イメージ間距離情報を基準に設定することが好ましい。
【0041】
そして制御部(700)は設定された訓練区間内で一対の融像イメージ(2、3)が互いに接近または離隔するようにディスプレイ(300)を制御する(S33)。このような融像輻輳力訓練は使用者が両眼を通じて認識するイメージが融像状態と非融像状態を交番する又は測定された融像幅情報を基準に最大範囲内で繰り返すことによって使用者の融像輻輳力を改善することができる。
【0042】
そして融像輻輳力測定及び訓練でそれぞれの目に一つ以上の偏光フィルタを使用して補色関係または隣接補色関係で構成された光学的性質を有したカラーフィルタと同一の両眼視分離効果を具現することができ、ディスプレイ(300)の偏光特性に合わせて偏光フィルタの格子方向を自動的にセッティングする又は使用者操作部(500)を通じて調節することができる。
【0043】
一方、空間視覚訓練は測定モードと訓練モードからなる。空間視覚測定モードは左眼と右眼に対して個別的になされる。左眼に対する空間視覚測定モードが先に実施される場合、右眼の視野を遮断する遮断膜が配置されることができる。
【0044】
図8は空間視覚訓練のための空間視覚測定モードを説明するためのフローチャートであり、
図9は
図8の空間視覚測定モードを説明するための参考図である。これらの図面を参照して空間視覚訓練について説明する。先ず、赤色系列のカラーフィルタ(202)が配置された左眼の空間視覚測定モードを先に実施するものと仮定する。使用者が空間視覚測定モードを実施する場合(S41)、制御部(700)は黒色の認識イメージ(4)と認識イメージ(4)に補正値が反映された赤色系列の認識抑制イメージ(5)をオーバーラップしてディスプレイ(300)に表示する(S42)。この時、オーバーラップされる認識抑制イメージ(5)の最初濃度は
図9(A)のように認識イメージ(4)の認識を完全に遮断する100%濃度値を有するように設定される。
【0045】
そして制御部(700)は認識抑制イメージ(5)の濃度値が
図9(B)のように漸進的に低くなるようにディスプレイ(300)を制御する(S43)。認識抑制イメージ(5)の濃度値が低くなりながら認識抑制イメージ(5)によって隠された黒色の認識イメージ(4)が次第に現れるようになる。ここで、制御部(700)は認識抑制イメージ(5)の濃度値が予め指定された割合で断続的に減少するようにディスプレイ(300)を制御する又は連続的に減少するようにディスプレイ(300)を制御することができる。
【0046】
制御部(700)は認識抑制イメージ(5)の濃度値が変わる中、使用者操作部(500)から視認度変更確認信号が入力されるかを確認する(S44)。視認度変更確認信号は認識抑制イメージ(5)の濃度値が変わる中、使用者が認識イメージ(4)を認識する時点に使用者操作部(500)を通じて入力される信号である。視認度変更確認信号は使用者によって入力された時点における濃度値の情報を含む。濃度値はRGB値、透明度、コントラスト比及び明るさ情報を含むことができる。
【0047】
制御部(700)は視認度変更確認信号の入力を受けた場合、視認度変更確認信号に含まれた濃度値を認識度情報として保存する(S45)。以後、一対の眼球のうち反対側の眼球に対する認識度情報も前述したような方式で測定して保存する。
【0048】
一方、認識抑制イメージ(5)の濃度を100%から始めずに0%から増加する方式で認識度を測定することができる。この場合、使用者は認識イメージ(4)を初めから認識することができる。しかしながら、次第に認識抑制イメージ(5)の濃度値が増加しながら使用者は認識イメージ(4)を認識することができなくなる。この場合、視認度変更確認信号は使用者が認識イメージ(4)を認識することができない時に入力される。
【0049】
図10は空間視覚訓練モードを説明するためのフローチャートである。
図10を参照して空間視覚訓練モードを説明する。先ず、使用者が空間視覚訓練モードを実施すると(S51)、予め保存された両眼球に対する認識度情報を基に弱視眼と非弱視眼の眼球を決定する(S52)。ここで、弱視眼と非弱視眼は各眼球の認識度情報に含まれた濃度値がさらに低い側を弱視眼に決定し、比較的濃度値が高い側を非弱視眼に決定する。
【0050】
両眼に対して弱視眼と非弱視眼が決定されると、各眼球の認識度訓練のための認識抑制イメージの訓練濃度値を設定する(S53)。この時、弱視眼の訓練濃度値は測定された濃度値より所定だけ高く設定し、非弱視眼の訓練濃度値は測定された濃度値より所定だけ低く設定する。例えば、弱視眼の測定された濃度値が70%の場合、71乃至75%の濃度値を訓練濃度値に設定し、非弱視眼の測定された濃度値が80%の場合、70乃至79%の濃度値を訓練濃度値に設定する。
【0051】
このように決定された弱視眼と非弱視眼の訓練濃度値を有する認識抑制イメージをそれぞれの黒色認識イメージの上にオーバーラップしてディスプレイ(300)に表示する(S54)。即ち、黒色の認識イメージに弱視眼の訓練濃度値を有する認識抑制イメージがオーバーラップされたイメージと、黒色の認識イメージに非弱視眼の訓練濃度値を有する認識抑制イメージがオーバーラップされたイメージを同時にディスプレイ(300)に表示する。この場合、赤色と青緑色は互いに補色関係であって、カラーフィルタ(201、202)と補色関係にある認識抑制イメージがオーバーラップされたイメージは黒色だけに見えて認識することができない。例えば、左眼に赤色系列のカラーフィルタ(202)が配置された場合、青緑色の認識抑制イメージがオーバーラップされた認識イメージは視覚的に認識することができない。しかしながら、左眼は訓練濃度値が適用された赤色の認識抑制イメージに被せられた認識イメージを見ることができる。一方、右眼に青緑色系列のカラーフィルタ(201)が配置された場合、赤色系列の認識抑制イメージがオーバーラップされた認識イメージは視覚的に認識することができない。しかしながら、右眼は訓練濃度値が適用された青緑色の認識抑制イメージに被せられた認識イメージを見ることができる。
【0052】
このように弱視眼の訓練濃度値は測定された濃度値より比較的高く設定されることによって使用者は弱視眼で認識イメージを視覚的に認識するために高い集中力を発揮するようになる。このように比較的高い集中力を要求することによって弱視眼の空間視覚を訓練させることができる。ここで、訓練濃度値は所定範囲内で変化するように設定することができる。空間視覚訓練は前述したように、両眼球を同時に訓練することが好ましい。空間視覚訓練は各眼球別に実施することもできる。
【0053】
そして空間視覚測定及び訓練でそれぞれの目に一つ以上の偏光フィルタを使用して補色関係または隣接補色関係で構成された光学的性質を有したカラーフィルタと同一の両眼視分離効果を具現することができる。また、偏光フィルタを複層構造で構成して一つを固定させて残りの一つを回転可能にして二重偏光フィルタ構造の関係が固定された偏光フィルタの格子を基準に回転可能な偏光フィルタの格子が互いに鋭角(0度乃至90度の間)の関係を有することができるように調節して補色関係または隣接補色関係で構成された光学的性質を有したカラーフィルタで実施する空間視覚測定及び訓練と同一の効果を見ることができる。
【0054】
また、各目に対して一つ以上の偏光フィルタで構成されたフィルタは使用者操作部を通じて入力を受けた視認度変更確認信号の値に対応される偏光フィルタの格子関係を調節することができる。勿論、二重偏光フィルタで両方とも回転が可能にすることもできる。