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特許7112507一体化された冷却システムを備えた全画面表示ミラー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-26
(45)【発行日】2022-08-03
(54)【発明の名称】一体化された冷却システムを備えた全画面表示ミラー
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/04 20060101AFI20220727BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20220727BHJP
   G02B 7/182 20210101ALI20220727BHJP
【FI】
B60R1/04 K
H05K7/20 H
G02B7/182 110
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020551819
(86)(22)【出願日】2019-03-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-10
(86)【国際出願番号】 IB2019052465
(87)【国際公開番号】W WO2019186408
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-11-25
(31)【優先権主張番号】62/648,784
(32)【優先日】2018-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500115826
【氏名又は名称】ジェンテックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】ヴェーンマン スティーヴン ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】スロータービーク エリック エス
【審査官】浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0067279(US,A1)
【文献】特開平09-188195(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0201137(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 1/04
H05K 7/20
G02B 7/182
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックミラーアセンブリであって、
そこから延在するマウントを含むハウジングと、
前記ハウジング内に配置された回路基板と、
ヒートシンクに近接したエアムーバであって、入口から前記ハウジング内に周囲空気を引き込むように構成されたエアムーバと、
前記ハウジング内に配置されたチャネルであって、当該チャネルが前記エアムーバと流体連通し、前記ハウジング内に引き込まれる前記空気を前記ヒートシンクの上部を横切って方向付けるように構成されたチャネルと、
前記チャネルと流体接続しており、前記マウントに隣接している出口と、
を備え、
前記入口は、前記エアムーバの下方に、且つ、下側ボタンアセンブリに隣接して、配置されている
ことを特徴とするバックミラーアセンブリ。
【請求項2】
車両の外部風景の画像を表示するように構成された表示装置
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のバックミラーアセンブリ。
【請求項3】
前記エアムーバは、前記ヒートシンクに結合されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のバックミラーアセンブリ。
【請求項4】
概して明るい状態と概して暗い状態との間で動作可能な電気光学アセンブリ
を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のバックミラーアセンブリ。
【請求項5】
前記チャネルは、前記ハウジングの後部壁の内側表面と一体的に形成されたフランジによって少なくとも部分的に画定されている
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のバックミラーアセンブリ。
【請求項6】
前記チャネルと流体連通する通気孔
を更に備え、
前記通気孔は、前記ハウジングを通して画定されるマウント開口部に近接して位置付けられている
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のバックミラーアセンブリ。
【請求項7】
前記エアムーバ及び前記チャネルは、前記ハウジングの下部を通して画定される前記入口と流体連通している
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のバックミラーアセンブリ。
【請求項8】
バックミラーアセンブリであって、
電気光学アセンブリ及び表示モジュールを有するハウジングと、
前記ハウジング内に配置された回路基板と、
ヒートシンクに近接したエアムーバであって、入口から前記ハウジング内に周囲空気を引き込むように構成されたエアムーバと、
前記エアムーバと流体連通し、前記ハウジングの底部壁から前記ハウジング内に引き込まれる前記空気を方向付けて前記ヒートシンク及び前記回路基板の上部を横切るように当該周囲空気を押し出すように構成されたチャネルと、
前記ハウジングの後方壁内の出口と、
を備えたことを特徴とするバックミラーアセンブリ。
【請求項9】
前記チャネルと流体連通する通気孔
を更に備え、
前記通気孔は、前記ハウジングを通して画定されるマウント開口部に近接して位置付けられている
ことを特徴とする請求項に記載のバックミラーアセンブリ。
【請求項10】
前記電気光学アセンブリは、概して明るい状態と概して暗い状態との間で動作可能である
ことを特徴とする請求項またはに記載のバックミラーアセンブリ。
【請求項11】
車両の外部風景の画像を表示するように構成された表示装置
を更に備えたことを特徴とする請求項乃至10のいずれか一項に記載のバックミラーアセンブリ。
【請求項12】
前記エアムーバ及び前記チャネルは、前記ハウジングの下部を通して画定される前記入口と流体連通している
ことを特徴とする請求項乃至11のいずれか一項に記載のバックミラーアセンブリ。
【請求項13】
前記エアムーバは、前記ヒートシンクに結合されている
ことを特徴とする請求項乃至12のいずれか一項に記載のバックミラーアセンブリ。
【請求項14】
バックミラーアセンブリであって、
電気光学アセンブリ表示モジュール及び無線周波数シールドを有するハウジングと、
前記無線周波数シールドの後方に配置された一次回路基板と前記無線周波数シールドの上方に配置された二次回路基板とを有する回路基板アセンブリと、
ヒートシンクに近接したエアムーバであって、入口から前記ハウジング内に周囲空気を引き込むように構成されたエアムーバと、
前記ハウジングの内側表面から延びるフランジと前記ハウジング内の支持ブラケットによって画定されるフランジとによって画定されるチャネルであって、前記エアムーバと流体連通し、前記ハウジング内に引き込まれる前記空気を前記ヒートシンクの上部を横切って方向付けるように構成されたチャネルと、
を備えたことを特徴とするバックミラーアセンブリ。
【請求項15】
前記電気光学アセンブリは、概して明るい状態と概して暗い状態との間で動作可能である
ことを特徴とする請求項14に記載のバックミラーアセンブリ。
【請求項16】
前記チャネルと流体連通する通気孔
を更に備え、
前記通気孔は、前記ハウジングを通して画定されるマウント開口部に近接して位置付けられている
ことを特徴とする請求項14または15に記載のバックミラーアセンブリ。
【請求項17】
車両の外部風景の画像を表示するように構成された表示装置
を更に備えたことを特徴とする請求項14乃至16のいずれか一項に記載のバックミラーアセンブリ。
【請求項18】
前記エアムーバ及び前記チャネルは、前記ハウジングの下部を通して画定される前記入口と流体連通している
ことを特徴とする請求項14乃至17のいずれか一項に記載のバックミラーアセンブリ。
【請求項19】
前記エアムーバは、前記ヒートシンクに結合されている
ことを特徴とする請求項14乃至18のいずれか一項に記載のバックミラーアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、バックミラーアセンブリに関し、より詳細には、一体化された冷却システムを備えた全画面表示ミラーに関する。
【発明の概要】
【0002】
本開示の一態様によれば、バックミラーアセンブリは、そこから延在するマウントを有するハウジングと、ハウジング上に配置された回路基板と、ヒートシンクに近接したエアムーバと、を備える。エアムーバは、入口からハウジング内に周囲空気を引き込むように構成される。エアムーバと流体連通するチャネルが、ハウジング内に引き込まれる空気をヒートシンクの上部及び発光ダイオード(LED)プリント回路基板を横切って方向付けるように構成される。バックミラーアセンブリはまた、マウントに隣接し、チャネルと流体連通する出口を備える。
【0003】
本開示の別の態様によれば、バックミラーアセンブリは、電気光学アセンブ及び表示モジュールを有するハウジングと、ハウジング上に配置された回路基板と、ヒートシンクに近接したエアムーバと、を含む。エアムーバは、入口からハウジング内に周囲空気を引き込むように構成される。エアムーバと流体連通するチャネルが、ハウジング内に引き込まれる空気をヒートシンクの上部を横切って方向付けるように構成される。バックミラーアセンブリはまた、ハウジングの後部壁内に出口を備える。
【0004】
本開示の更に別の態様によれば、バックミラーアセンブリは、電気光学アセンブリ及び表示モジュールを有するハウジングを含む。回路基板がハウジング内に配置される。バックミラーアセンブリはまた、ヒートシンクに近接したエアムーバを備える。エアムーバは、入口からハウジング内に周囲空気を引き込むように構成される。バックミラーアセンブリはまた、ハウジングの内側表面から延びるフランジと、ハウジング内の支持ブラケットによって画定されるフランジと、によって画定されるチャネルを備える。当該チャネルは、エアムーバと流体連通し、ハウジング内に引き込まれる空気をヒートシンクの上部を横切って方向付けるように構成される。
【0005】
本開示の、これら及び他の特徴、利点、及び目的は、以下の明細書、特許請求の範囲、及び添付図面を参照して、当業者によって更に理解及び認識されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図面において、
【0007】
図1A図1Aは、本開示の冷却システムが組み込まれたバックミラーアセンブリの正面斜視図である。
【0008】
図1B図1Bは、表示モジュールを露出させるために構成要素が取り除かれた、バックミラーアセンブリの正面斜視図である。
【0009】
図2A図2Aは、ガラス基板、ディスプレイ及び光ガイドが取り除かれた、本開示の冷却システムを備えたバックミラーアセンブリの正面斜視図である。
【0010】
図2B図2Bは、一次回路基板及び表示モジュールが取り除かれた、本開示の冷却システムを備えたバックミラーアセンブリの正面斜視図である。
【0011】
図2C図2Cは、表示モジュール及びヒートシンクが取り除かれた、本開示の冷却システムを備えたバックミラーアセンブリの正面斜視図である。
【0012】
図3図3は、ガラス基板、プリント回路基板及び表示装置を含む構成要素が取り除かれた、本開示の冷却システムを備えたバックミラーアセンブリの正面斜視図である。
【0013】
図4図4は、内部ブラケットが取り除かれ、気流の一般的な方向を示している、本開示の図2Aのバックミラーアセンブリの正面斜視図である。
【0014】
図5図5は、同じく気流の一般的な方向を示している、本開示のバックミラーアセンブリのエアムーバ及びハウジングの底部斜視図である。
【0015】
図6図6は、本開示のバックミラーアセンブリのハウジング及びマウントの背面図である。
【0016】
図7図7は、エアムーバを示すためにハウジングが取り除かれた、本開示の冷却システムを備えたバックミラーアセンブリの第一の側面後方斜視図である。
【0017】
図8図8は、エアムーバを示すためにハウジングが取り除かれた、本開示の冷却システムを備えたバックミラーアセンブリの第二の側面後方斜視図である。
【0018】
図9図9は、ハウジングが取り除かれ、ヒートシンク及びプリント回路基板にわたって移動する気流線を示している、本開示のバックミラーアセンブリの後方斜視図である。
【0019】
図10図10は、ハウジングが取り除かれ、ヒートシンク及びプリント回路基板にわたって移動する気流線を示している、本開示のバックミラーアセンブリの別の後方斜視図である。
【0020】
図11図11は、ハウジングが取り除かれ、ヒートシンク及びプリント回路基板にわたって移動する気流線を示している、本開示のバックミラーアセンブリの別の後方斜視図である。
【0021】
図12図12は、異なる全画面表示ミラーアセンブリの様々な構成要素の温度値を示す表である。
【0022】
図13図13は、本開示の冷却システムの性能値を示す表である。
【0023】
図14図14は、本開示のバックミラーアセンブリの熱画像の正面図である。
【0024】
図15図15は、本開示のバックミラーアセンブリの熱画像の正面図である。
【0025】
図16図16は、本開示のバックミラーアセンブリの熱画像の正面図である。
【0026】
図17図17は、本開示のバックミラーアセンブリの熱画像の背面上面斜視図である。
【0027】
図18図18は、本開示のバックミラーアセンブリの熱画像の背面上面斜視図である。
【0028】
図19図19は、本開示のバックミラーアセンブリの熱画像の背面上面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の例証される実施形態は、主に、バックミラーアセンブリに関連する方法の工程及び装置の構成要素の組み合わせに属する。したがって、本装置の構成要素及び方法の工程は、該当する場合、本明細書の説明の利益を得る当業者には容易に明らかとなろう詳細によって本開示を不明瞭にしないように、本開示の実施形態の理解に関係する特定の詳細のみを示す図面において、慣習的記号によって表されている。さらに、説明及び図面において、同様の数字は、同様の要素を表す。
【0030】
本明細書における記述の目的のために、用語「上部の」、「下部の」、「右の」、「左の」、「後方の」、「前方の」、「垂直の」、「水平の」、及びそれらについての派生語は、図1Aにおいて関連付けられた開示に関するものとする。別様に述べられない限り、用語「前方の」は、装置を見ることを意図される者により近い装置の表面を指すものであり、用語「後方の」は、装置を見ることを意図された者からより離れた装置の表面を指すものである。しかしながら、それとは逆に明確に特定されたもの以外は、本発明はさまざまな代わりの配向をとり得る、と理解されるべきである。添付図面に図示され、かつ以下の明細書に記述された特定のデバイス及びプロセスは、添付された特許請求の範囲において定義された発明概念の単なる例示的な実施形態であることも理解されるべきである。したがって、本明細書に開示された実施形態に関する特定の寸法及び他の物理的特性は、特許請求の範囲が明示的に別段に述べない限り、限定するものと見なされるべきではない。
【0031】
用語「including(含む)」、「comprises(備える)」、「comprising(備える)」、または任意の他の変形は、要素のリストを備えるプロセス、方法、物品、または装置が、それらの要素のみを含むのではなく、このようなプロセス、方法、物品、または装置に明示的に列挙されもせず、固有でもない他の要素を含んでもよいように、非排他的包括にわたるように意図される。「comprises a...」によって始められる要素は、さらなる制約を受けずに、その要素を備えるプロセス、方法、物品、または装置において、追加の同一要素の存在を妨げない。
【0032】
図1A乃至図19を参照すると、参照符号10は、全体的に、冷却システム11を備えたバックミラーアセンブリを示している。バックミラーアセンブリ10は、そこから延在するマウント14を有するハウジング12を備える。回路基板アセンブリ16がハウジング12上に配置されており、エアムーバ20がヒートシンク54に近接している。エアムーバ20は、入口22からハウジング12内に周囲空気を引き込むように構成されている。チャネル24が、エアムーバ20と流体連通しており、ハウジング12内に引き込まれた空気をヒートシンク54の上部を横切って方向付けるように構成されている。バックミラーアセンブリ10はまた、マウント14に隣接した、チャネル24と流体連通した出口30を備える。
【0033】
再び図1Aを参照して、バックミラーアセンブリ10は、一般的に、車両の内部で使用するように構成される。マウント14は、車両フロントガラスの内側表面と連結されたフロントガラスボタンと動作可能に連結され得る。別の方法として、マウント14は、車両ヘッドライナーと動作可能に連結され得る。当然のことながら、本明細書に記載のバックミラーアセンブリ10は、単一ボールマウント、二ボールマウント、または他の枢動アセンブリ、と併用され得て、ハウジング12は、様々な形状及び構造を取り得る。バックミラーアセンブリ10はまた、ガラス基板32を含む。ガラス基板32は、透過性及び/または反射性を有するガラスの単一のパネルであり得る。あるいは、ガラス基板32は、電気光学アセンブリ42を含み得る。電気光学アセンブリ42は、同一出願人による、米国特許第6,239,898号及び第6,597,489号に記載されるエレクトロクロミックアセンブリを含み得て、その内容は当該参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。また、本明細書に記載の電気光学アセンブリ42は、さまざまな形状及び構造を取り得ることも理解されるであろう。ガラス基板32は、上部壁34、底部壁35、並びに第一の側壁36及び第二の側壁37それぞれの間で、ハウジング12内に位置付けられる。バックミラーアセンブリ10の内部構成要素は、ガラス基板32とハウジング12の後部壁38との間に位置付けられる。
【0034】
ここで図1Bを参照すると、図示されたバックミラーアセンブリ10は、ガラス基板32の後ろに配置された表示モジュール40を含む。全画面表示ミラー(FDM)構造を有するバックミラーアセンブリ10に対して、熱的負荷が増大する場合がある。これは、一部のFDM構造は、撮像装置によって車両の内側または外側から撮影された画像またはビデオである外部風景または内部図を表示する表示モジュール40を含むからである。FDMは、当該FDMが使用されている時により高い熱的負荷を生成する高速プロセッサを含む場合がある。表示モジュール40は、より積極的な熱管理技術を必要とし得る過剰な熱を生成し得る。表示モジュール40の画像を生成する撮像装置は、車両内または車両上のどこに位置付けられてもよい。
【0035】
ここで図2Aを参照すると、バックミラーアセンブリ10は、表示モジュール40、電気光学アセンブリ42、光ガイド、及びベゼル44がバックミラーアセンブリ10から取り除かれて、全体的に例示されている。これらの構成要素が取り除かれることで、無線周波数(RF)シールド46、ハウジング12の底部壁35上に配置された下側ボタンアセンブリ51のボタン50のための下側移動ガイド48、及び、回路基板アセンブリ16、が露出している。回路基板アセンブリ16は、RFシールド46の後ろに配置された一次回路基板52と、RFシールド46の上方に配置された二次回路基板56と、を含む。ヒートシンク54は、一次回路基板52の後ろに配置された縦方向部分を含み、当該一次回路基板52の通常の動作中に当該一次回路基板52から熱を引き出すように位置付けられる。ヒートシンク54はまた、二次回路基板56から熱を引き離し、ハウジング12の上部壁34の下にあるバックミラーアセンブリ10の上部を横切って延在する上側横方向部分を含む。二次回路基板56は、概して、エッジ点灯表示のために、一次回路基板52に対して直交構成で整列される。もっとも、二次(LED)回路基板56は、表示モジュール40の真後ろに配置され得ることも意図される。このため、一次回路基板52及び二次回路基板56によって生成される熱的負荷がバックミラーアセンブリ10の上部の近くに集中する場合がある。結果として、エアムーバ20は、ヒートシンク54、一次回路基板52、及び、二次回路基板56を冷却するために、バックミラーアセンブリ10の上部にわたって空気を移動させるように構成される。
【0036】
次に、一次回路基板52及びRFシールド46が取り除かれた後のヒートシンク54を例示する図2Bを参照すると、二次回路基板56は、ヒートシンク54の上側横方向部分に隣接して示されている。下側移動ガイド48も示されている。下側移動ガイド48は、ボタン50を一次回路基板52(図2A)の底面上のスイッチと整列させるのを助ける。
【0037】
図2Cを参照すると、ヒートシンク54が取り除かれ、電気光学アセンブリ42を含むバックミラーアセンブリ10が示されており、バックミラーアセンブリ10の内部のエアムーバ20の配置を示している。図示した実施形態では、エアムーバ20は、ハウジング12の底部壁35内に画定された入口22内に空気を引き込むように構成されたブロアの形態である。図2B及び図2Cに示される実施例は、ハウジング12の底部壁35を通って延在する幾つかの開口部によって画定される入口22を示す。もっとも、入口22は、ハウジング12の下部を通してなど、ハウジング12上のどこに配置されてもよく、様々な形態を取り得る。空気は、入口22を通してブロア内に引き込まれ、一次回路基板52及び二次回路基板56、ならびにヒートシンク54に隣接するチャネル24に向かって押し出される。エアムーバ20は、所定の空間内に空気を引き込むか空気を押し出すように構成された任意の装置であってもよく、ブロアに限定されないことが理解されよう。また、エアムーバ20は、本明細書で具体的に開示される以外の方法で、バックミラーアセンブリ10全体を通して空気を移動させるように構成されてもよいことが理解されよう。図示する通り、エアムーバ20は、当該エアムーバ20がハウジング12内の最小の空間を占めるように、実質的に小さく、比較的薄い断面を含み得る。
【0038】
図3を参照すると、ハウジング12の底部壁35、上部壁34、第一の側壁36及び第二の側壁37、及び後部壁38は、ハウジング12の内側表面を一緒に画定し、当該内側表面内には、バックミラーアセンブリ10の構成要素が存在する。当該内側表面は、バックミラーアセンブリ10に幾らかの追加的な構造的一体性を提供するように構成された側面フランジ70を含む。さらに、ハウジング12の内側表面は、エアムーバ20によって移動される空気を方向付けるのを助けるように構成された複数の上側フランジ72を含む。上側フランジ72は、マウント14と動作可能に連結された支持ブラケット76のブラケットフランジ74と協働して機能する。したがって、上側フランジ72及びブラケットフランジ74は、それを通して周囲空気がバックミラーアセンブリ10の内部に移動されるチャネル24を一緒に画定する。
【0039】
ここで、図4乃至図8を参照して、支持ブラケット76が取り除かれると、チャネル24におけるギャップ80が、ハウジング12の内部の上側フランジ72の間に見える。前述したように、支持ブラケット76がハウジング12内に位置付けられる場合、支持ブラケット76は、ハウジング12の上側フランジ72と共に、それを通して空気がバックミラーアセンブリ10にわたって移動されるチャネル24を画定する。マウント14は、マウント開口部86においてハウジング12の後部壁38内に延在する。マウント14はまた、ハウジング12の後部壁38に連結されてもよく、または、別の形態を取り得ることが理解されよう。ハウジング12の底部壁35の入口22を通して引き込まれた空気は、ヒートシンク54及び二次回路基板56の上部を横切って矢印Aの方向に押し出される。空気が、上側フランジ72、支持ブラケット76及びハウジング12の上部壁34の間に画定されるチャネル24を通って移動するのにつれて、当該空気は、ヒートシンク54並びに一次回路基板52及び二次回路基板56の両方に対して冷却効果を有する。次に、温められた空気は、出口30並びにマウント14とマウント開口部86との間のギャップに向けて方向付けられ、これらを通してハウジング12から外に排出される。別の例では、このマウント開口部86が単独で出口30として使用される。図示する通り、出口30は、マウント開口部86に近接した、ハウジング12の後部壁38に画定される複数の通気孔90を含む。例示される図中の通気孔90は、マウント開口部86に近接した、ハウジング12の後部壁38の球根状部分92を通して画定されている。出口30に対する他の形態も意図されることが理解されるであろう。また、入口22を通して引き込まれる気流の方向は、気密経路ではないことも理解されるであろう。むしろ、気流の方向は、本明細書で説明され、図9乃至図11に例示されるように、ハウジング12内の様々なな開口を通過するように具体的に構成される。
【0040】
ここで、図9乃至図11を参照して、ヒートシンク54の裏面がブロアによって生じた空気線100と共に示された、幾つかの気流モデルが示されている。ここで、ハウジング12及び幾つかの他の構成要素は、図9乃至図11に示される気流モデルそれぞれの空気線が見えるように、取り除かれている。図示する通り、入口22(図2C)を通して引き込まれた空気は、大部分が流れチャネル24を通してバックミラーアセンブリ10の上部を横切って吹き出される。次に、当該空気は、温められた空気がマウント14に近接した出口30を通して離れるまで、ヒートシンク54及び一次回路基板52の裏面上を循環する。図9から理解されるように、ハウジング12の内部に示される空気線100は、チャネル24が空気の全てを移動させるのではなく実質的にその一部を移動させるように、ハウジング12内に画定される様々な開口及びスロットを通して循環する。この特徴は、構造によるものであり、一般的に、入口22を通して引き込まれた空気が、より高い熱的荷重を有する場合があるプリント回路基板アセンブリ16及びヒートシンク54の特定の領域を冷却することを許容するように構成される。ヒートシンク54によって並びに一次回路基板52及び二次回路基板56によって温められた空気は、次に、出口30を通して環境に排出される。
【0041】
図12及び図13に示される表は、全画面表示ミラー1.0、ブロアを有さない全画面表示ミラー2.0、及びブロアを有する全画面表示ミラー2.0、に対してシミュレートされたガラスの温度を示す。ガラス基板32及びハウジング12(筐体)の両方に対して容易に理解されるように、冷却は、第三の列に示されている、ブロアの追加の結果として生じる。プリント回路基板アセンブリ16、ヒートシンク54、及び表示モジュール40を含むバックミラーアセンブリ10の内部の構成要素は、ブロアによる冷却状態で動作するため、バックミラーアセンブリ10の耐用寿命及び機器の操作性が増大する。図13の表は、6つの実験を示している。第1の実験(E01)では、エアムーバ20の回転は測定されず、LEDパルス変調は、31,000と測定された。発泡体シールは塗布されず、ガラス温度は52.3℃である一方で、ハウジング12または筐体の温度は56.4℃であった。実験E02~E06においては、様々な特徴が変更された。特に、毎分回転数が増大するのにつれて、ガラス基板32及びハウジング12(筐体)の温度は低下する傾向にある。さらに、実験E06に示すように、ブロアの適用により、より高いLEDパルス幅変調が許容される可能性がある。この表は、追加的なブロアが、バックミラーアセンブリ10内の構成要素の冷却に対してポジティブな影響を有することを明確に示している。
【0042】
ここで、図14を参照すると、ブロアを有さない全画面表示ミラー1.0が図示されている。ガラス基板32の上部の温度は、55.82℃である。図15は、53.35℃で動作するブロアを有さない第二世代全画面表示ミラー2.0を例示する。当該全画面表示ミラー2.0の動作は、全画面表示ミラー1.0の動作よりもすでに冷却されているが、ブロアが全画面表示ミラー2.0に追加される場合(図16に示す)には、ガラス基板32の動作温度はさらに、45.49℃まで低下する。これは、ガラス基板32の顕著な冷却であり、これにより、ガラス基板32及びバックミラーアセンブリ10内に配置された構成要素の良好な機能が可能になる。顕著な冷却はまた、高速プロセッサに対するオプションを提供し、当該高速プロセッサはさらなる熱を生成するが、これはエアムーバ20の追加によって対処され得る。
【0043】
図17乃至図19に関して、ハウジング12の温度は同様に反応する。図17は、全画面表示ミラー1.0のハウジング12の温度を例示する。ハウジング12の上部壁34にわたって測定される様々な温度は、50.02°C~50.95°Cの範囲である。全画面表示ミラー2.0は、全画面表示ミラー1.0よりもハウジング12において温かく、ハウジング12の上部壁34において測定される56.69℃~56.83℃の温度を含む。ブロアが全画面表示ミラー2.0に追加されると、ハウジング12の上部壁34における温度は、47.86°C~39.29°Cの温度にまで低減される。明らかに、全画面表示ミラーへのブロアの適用は、より冷却されたガラス基板32及びより冷却されたハウジング12をもたらす。
【0044】
記述された開示及び他の構成要素の構築は、いなかる特定の材料にも限定されないことが、当業者によって理解されるだろう。本明細書に開示された発明の他の例示的な実施形態は、本明細書に別段の記載がある場合を除き、広範な材料から形成され得る。
【0045】
本開示用に、用語「coupled(結合された)」(couple,coupling,coupledなどその形式のすべてにおいて)は、直接的であれ間接的であれ、互いに2つの構成要素(電気的または機械的)が接合することを概して意味する。このような接合は、本質的に静止状態かまたは本質的に可動状態であってもよい。このような接合は、2つの構成要素(電気的または機械的)、ならびに、互いとまたは2つの構成要素と1つの単体として一体成形される付加的中間部材で、達成されてもよい。このような接合は、本質的に永続的であってよいか、または、別段の記載がない限り、本質的に取外し可能つまり遊離可能であってもよい。
【0046】
例示的な実施形態において示されるような本開示の要素の構築及び配置は、単に説明的であることに注意することも重要である。本発明の少数の実施形態だけが、本開示において詳細に記述されているが、本開示を検討する当業者は、列挙された主題の新規の教示及び利点から逸脱することなく、多くの修正が可能(例えば、さまざまな要素のサイズ、寸法、構造、形及び比率、パラメータ値、取り付け方法、材料の使用、色、向きなど)であることを容易に認識するだろう。例えば、一体成形として示される要素は、複数の部品が一体成形されてもよいように示される複数の部品または要素から構成されてもよく、インターフェースの操作が逆にまたは他の態様に変化されてもよく、システムの構造及び/または部材またはコネクタまたは他の要素の長さまたは幅が変化されてもよく、要素間に提供された調整位置の性質または個数が変化されてもよい。システムの要素及び/またはアセンブリは、任意の広範な色、質感、及び組合せにおいて、十分な強度または耐久性を提供する、任意の広範な材料から構成されてもよい。その結果、すべてのこのような修正は、本発明の範囲内に含まれるように意図される。他の代用、修正、変化、及び省略は、本発明の精神から逸脱することなく、所望の他の例示的な実施形態のデザイン、操作条件及び配置において、なされ得る。
【0047】
いずれの説明されたプロセスまたは説明されたプロセス内のステップも、その他の開示されたプロセスまたはステップと組み合わされ、本開示の範囲内で構造を形成し得ることが理解されるであろう。本明細書に開示された例示的な構造及びプロセスは、説明のためのものであり、制限として解釈してはならない。
【0048】
変形及び修正が、本開示の概念から逸脱することなく、前述の構造及び方法においてなされ得ることも理解されるべきであり、更に、このような概念は、特許請求の範囲がそれらの言葉で別段に明確に述べられていない限り、以下の特許請求の範囲に含まれるものとされることが理解されるべきである。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19