(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-26
(45)【発行日】2022-08-03
(54)【発明の名称】縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含ませた組成物
(51)【国際特許分類】
A23L 33/10 20160101AFI20220727BHJP
A61K 31/352 20060101ALI20220727BHJP
A61K 47/14 20060101ALI20220727BHJP
A61P 9/12 20060101ALI20220727BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20220727BHJP
A61P 13/08 20060101ALI20220727BHJP
A61P 21/02 20060101ALI20220727BHJP
A61P 25/06 20060101ALI20220727BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20220727BHJP
A61P 25/20 20060101ALI20220727BHJP
A61P 27/06 20060101ALI20220727BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20220727BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220727BHJP
【FI】
A23L33/10
A61K31/352
A61K47/14
A61P9/12
A61P11/06
A61P13/08
A61P21/02
A61P25/06
A61P25/16
A61P25/20
A61P27/06
A61P29/00
A61P43/00 121
(21)【出願番号】P 2020556777
(86)(22)【出願日】2019-04-17
(86)【国際出願番号】 US2019027954
(87)【国際公開番号】W WO2019204502
(87)【国際公開日】2019-10-24
【審査請求日】2020-12-04
(32)【優先日】2018-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516371405
【氏名又は名称】ポビバ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Poviva Corp.
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】ドチャーティ,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ブンカ,クリストファー アンドリュー
【審査官】吉海 周
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第09655858(US,B2)
【文献】特開2004-359683(JP,A)
【文献】特表2017-522901(JP,A)
【文献】特表2007-512265(JP,A)
【文献】特表2015-515970(JP,A)
【文献】国際公開第2005/051354(WO,A1)
【文献】WELLING, Peter G.,Effects of food on drug absorption,Annu. Rev. Nutr.,1996年,Vol.16,pp.383-415
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
A61K
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/FSTA/CABA/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)食品製品を、親油性活性薬剤、バイオアベイラビリティ向上剤、澱粉、及び乳化剤を含む油と接触させるステップであって、前記食品製品が茶葉であり、前記親油性活性薬剤がΔ
9-テトラヒドロカンナビノールであり、前記バイオアベイラビリティ向上剤が向日葵油であり、前記澱粉が、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ジャガイモ澱粉、酸化澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテル、架橋澱粉、アルファ澱粉、オクテニルコハク酸エステル、及び酸、熱、又は酵素に依って澱粉を処置する事に依って得られる加工澱粉から成る群から選択され、前記乳化剤が、イヌリン、アラビアガム、加工澱粉、ペクチン、キサンタンガム、ガティガム、トラガカントガム、フェヌグリークガム、メスキートガム、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリド、スクロースモノエステル、ソルビタンエステル、ポリエトキシル化グリセロール、ステアリン酸、パルミチン酸、モノグリセリド、ジグリセリド、プロピレングリコールエステル、レシチン、ラクチル化モノ及びジグリセリド、プロピレングリコールモノエステル、ポリグリセロールエステル、モノ及びジグリセリドのジアセチル化酒石酸エステル、モノグリセリドのクエン酸エステル、ステアロイル-2-ラクチレート、ポリソルベート、スクシニル化モノグリセリド、アセチル化モノグリセリド、エトキシル化モノグリセリド、キラヤ、ホエイプロテインアイソレート、カゼイン、ソイプロテイン、ベジタブルプロテイン、プルラン、アルギン酸ナトリウム、グアーガム、ローカストビーンガム、トラガカントガム、タマリンドガム、カラギーナン、ファーセララン、ゲランガム、サイリウム、カードラン、コンニャクマンナン、寒天、及びセルロース誘導体、並びに其れ等の組み合わせから成る群から選択されるステップと;
(b)食品製品を脱水するステップと;を含み、
対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティが、向日葵油の不在下の対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも2倍多大である、
親油性活性薬剤を含ませた食品製品の食事効果を縮減する為のプロセス。
【請求項2】
対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティが、向日葵油の不在下の対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも5倍多大である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティが、向日葵油の不在下の対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも10倍多大である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記乳化剤が、ペクチ
ンである、請求項1~3の何れか1項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記澱粉が、ジャガイモ澱粉である、請求項1~4の何れか1項に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2018年4月17日出願の米国仮出願第62/659,059号の利益を主張するPCT国際出願であり;此れは其の全体が参照に依って本願に組み込まれる。
【0002】
本願に記載される態様は、組成物に親油性活性薬剤を含ませる為の改善された方法、特に、親油性活性薬剤を含ませた組成物、例えば食品及び飲料品組成物の食事効果を縮減する為の方法に関する。
【背景技術】
【0003】
薬物の経口投与は「食事効果」として公知の現象の食品-薬物相互作用に依って頻繁に影響される。一般的に用いられる食事効果とは幅広い用語であり、薬物溶解、吸収、分布、代謝、及び消失、換言すると、薬物の薬物動態運命全体に対する食品の相互作用の全ての態様を包含する。従って、例えば、食事効果はバイオアベイラビリティ、効果発現速度、治療効果の持続期間、並びに副作用の発生率及び深刻さの変化を包含する。
【0004】
因って、食事効果の具体的なインパクトは薬物の開発の間の多大に重要な問題である。空腹又は非空腹状態に於ける投与後の薬物動態プロファイルの差異が高過ぎる場合には、薬物の安全な且つ効率的な治療ウインドウを定義する事は困難であり得る。例えば薬物が食品と共に取られたか否か、又は薬物が共に取られた食品の種類等の種々の因子に依存して、バイオアベイラビリティは受け入れ難く変わり得る。食後薬物吸収は、空腹状態からの吸収と比較して、毒性効果が齎され得る様なやり方でもまた変改され得る。
【0005】
食品-薬物相互作用が薬物吸収の増大に至るケースでは、十分に吸収され、其の予期される臨床効果を行使する為に、薬物は食品と共に取られる事を推奨される。薬物吸収は如何なる種類の食品が消費されたかに依存して変わり得るので、斯かる薬物製剤は理想的ではない。誤って、患者が薬物製剤を食品と共に取る事を失念する場合には、臨床的な非効率性が低い吸収の結果となり得る。
【0006】
薬物の薬物動態プロファイルは普通は次のパラメータに依って記述される:最大血漿中濃度(Cmax)、最大濃度迄の時間(Tmax)、半減期(T1/2)、及び曲線下面積(AUC)である。此れ等のパラメータは幾らかの程度迄相互依存的であり、薬物溶解、吸収、分布、代謝、及び/又は消失との食品の相互作用のアウトカムに依って様々な度合いで影響される。例えば、或る種の薬物では、Cmaxは溶解及び吸収の速度に依って殆ど影響され得るが、Tmaxは溶解及び分布に依って殆ど影響され得る。同じ薬物では、T1/2は代謝及び消失に依って殆ど影響され得、AUCは多かれ少なかれ全てのプロセスに依って影響され得る。
【0007】
殆どのケースでは、溶解及び吸収の変化は、恐らくT1/2に対して以外は、全てのパラメータに対して有意なインパクトを有するであろう。此れは、其れに依って此れ等の2つのプロセスがコントロールされ且つ食品摂取とは独立にされ得る製剤系が、薬物のより確実な且つより安全な投与を提供するであろうと言う事を含意している。適応症に依存して、治療効果に最も緊密に繋がっている薬物動態パラメータはAUC、Cmax、Tmax、又は其れ等の組み合わせ何方かである。
【0008】
臨床薬物動態に対する食品の効果は総説されている(非特許文献1)。此の総説では、生物学的同等性研究に於ける製剤の型の効果が論じられている。此れに依ると、空腹及び非空腹条件下に於いて、薬物動態パラメータの差異は異なる製剤原理及び賦形剤系に帰せられ得る。医薬製剤の著しい役割は薬物吸収についてのみならず肝臓初回通過代謝についてもまた当て嵌まる。其の結果、良好な溶解プロファイルを見せる製剤は、薬物の親油性にも関わらず高脂肪食に依って影響される事がより蓋然的ではない。更に、ポリグリコール化(ポリエトキシル化)グリセリドに依って可溶化された薬物の吸収は、胃の中の食品の存在又は不在に依って影響されないと言う事が信じられている事が挙げられる。
【0009】
脂質に基づく製剤は、より従来の調製物からは不良に吸収される薬物のバイオアベイラビリティを増大させる事が示されているが、斯かる改善された調製物は尚可成りの食事効果を示し得るか、又は幾つかのケースでは食事効果は逆転して来る。上で論じられている通り、食事効果は普通に治療の効力の受け入れ難い変動性に至り、然もなければ有望な薬物候補の開発に取ってのハードルをもまた構成し得る。
【0010】
因って、今日の製薬産業に於いては、食事効果を消失させ得るか又は縮減し得る薬物送達系の強い必要がある。従って、其の必要がある対象への親油性活性薬剤の経口投与の為に食事効果を消失させ得るか又は縮減し得る改善された組成物及び方法の必要がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【文献】シン(Singh)著(1999年)クリニカル・ファーマコキネティクス(Clinical Pharmacokinetics)第37巻:p.213-255
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前述の問題に全体的に若しくは部分的に、及び/又は当業者に依って観察されてい得る他の問題に取り組む為に、本開示は下に記されている通り例として記載されている通りの組成物及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
1つの態様では、親油性活性薬剤を含ませた食品製品の食事効果を縮減する為のプロセスが提供され:
(a)食品製品を親油性活性薬剤及びバイオアベイラビリティ向上剤を含む油と接触させるステップと;
(b)食品製品を脱水するステップと;
其れに依って、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤食品製品を生ずる事;
を含み、
縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤食品製品は治療上有効量の親油性活性薬剤を含み、更に、バイオアベイラビリティ向上剤は長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油を含み;更に:
(i)親油性活性薬剤は、カンナビノイド、テルペン及びテルペノイド、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、ビタミン、ニコチン、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害剤、マカエキス、ホルモン、フェンタニル、ブプレノルフィン、スコポラミン、及び抗酸化剤から成る群から選択され;
(ii)食品製品は、茶葉、コーヒー豆、ココアパウダー、肉、魚、果物、野菜、乳製品、豆、パスタ、パン、穀類、種子、ナッツ、香辛料、及びハーブから成る群から選択される。
幾つかの態様では、ステップ(b)は食品製品を澱粉と接触させる事を更に含み、特に、澱粉は、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ジャガイモ澱粉、ゼラチン、デキストリン、シクロデキストリン、酸化澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテル、架橋澱粉、アルファ澱粉、オクテニル琥珀酸エステル、及び酸、熱、又は酵素に依って澱粉を処置する事に依って得られる加工澱粉から成る群から選択される。
【0014】
別の態様では、親油性活性薬剤を含ませた飲料品製品の食事効果を縮減する為のプロセスが提供され、上に記載されているプロセスの何れかに従って親油性活性薬剤を含ませた茶葉、コーヒー豆、又はココアパウダーを作る事を含み;更に、親油性活性薬剤を含ませた茶葉、コーヒー豆、又はココアパウダーを液体に浸けるステップを含み、其れに依って、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含ませた飲料品製品を生ずる。
【0015】
別の態様では、親油性活性薬剤を含むレディ・トゥ・ドリンク飲料品組成物の食事効果を縮減する為のプロセスが提供され:
(a)乳化剤を親油性活性薬剤及びバイオアベイラビリティ向上剤を含む油と接触させ、其れに依って、乳化剤、親油性活性薬剤を含む油、及びバイオアベイラビリティ向上剤を含む混合物を生ずるステップと;
(b)混合物を脱水し、其れに依って、乳化剤、親油性活性薬剤を含む油、及びバイオアベイラビリティ向上剤を含む脱水された混合物を生ずるステップと;
(c)脱水された混合物をレディ・トゥ・ドリンク飲料品組成物と組み合わせ、其れに依って、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含むレディ・トゥ・ドリンク飲料品組成物を生ずるステップと;
に依って得られ得:
(i)バイオアベイラビリティ向上剤は長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油を含み;
(ii)親油性活性薬剤を含むレディ・トゥ・ドリンク飲料品組成物は治療上有効量の親油性活性薬剤を含み;
(iii)親油性活性薬剤はカンナビノイド、テルペン及びテルペノイド、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、ビタミン、ニコチン化合物、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害剤、マカエキス、ホルモン、フェンタニル、ブプレノルフィン、スコポラミン、及び抗酸化剤から成る群から選択される。
特定の態様では、乳化剤は、イヌリン、アラビアガム、加工澱粉、ペクチン、キサンタンガム、ガティガム、トラガカントガム、フェヌグリークガム、メスキートガム、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリド、スクロースモノエステル、ソルビタンエステル、ポリエトキシル化グリセロール、ステアリン酸、パルミチン酸、モノグリセリド、ジグリセリド、プロピレングリコールエステル、レシチン、ラクチル化モノ及びジグリセリド、プロピレングリコールモノエステル、ポリグリセロールエステル、モノ及びジグリセリドのジアセチル化酒石酸エステル、モノグリセリドのクエン酸エステル、ステアロイル-2-ラクチレート、ポリソルベート、スクシニル化モノグリセリド、アセチル化モノグリセリド、エトキシル化モノグリセリド、キラヤ、ホエイプロテインアイソレート、カゼイン、ソイプロテイン、ベジタブルプロテイン、プルラン、アルギン酸ナトリウム、グアーガム、ローカストビーンガム、トラガカントガム、タマリンドガム、カラギーナン、ファーセララン、ゲランガム、サイリウム、カードラン、コンニャクマンナン、寒天、及びセルロース誘導体、並びに其れ等の組み合わせから成る群から選択される。幾つかの態様では、ステップ(b)は食品製品を澱粉と接触させる事を更に含み、特に、澱粉は、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ジャガイモ澱粉、ゼラチン、デキストリン、シクロデキストリン、酸化澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテル、架橋澱粉、アルファ澱粉、オクテニルコハク酸エステル、及び酸、熱、又は酵素に依って澱粉を処置する事に依って得られる加工澱粉から成る群から選択される。
【0016】
別の態様では、対象への親油性活性薬剤の投与の際の食事効果を縮減する為の方法が提供され、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含ませた食品製品を対象に投与する事を含み、
縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含ませた食品製品は:
(a)食品製品を親油性活性薬剤及びバイオアベイラビリティ向上剤を含む油と接触させるステップと;
(b)食品製品を脱水するステップと;
其れに依って、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤食品製品を生ずる事;
に依って生じ、
縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤食品製品は治療上有効量の親油性活性薬剤を含み;バイオアベイラビリティ向上剤は長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油を含み;更に:
(i)親油性活性薬剤は、カンナビノイド、テルペン及びテルペノイド、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、ビタミン、ニコチン化合物、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害剤、マカエキス、ホルモン、フェンタニル、ブプレノルフィン、スコポラミン、及び抗酸化剤から成る群から選択され;
(ii)食品製品は、茶葉、コーヒー豆、ココアパウダー、肉、魚、果物、野菜、乳製品、豆、パスタ、パン、穀類、種子、ナッツ、香辛料、及びハーブから成る群から選択される。
幾つかの態様では、ステップ(b)は食品製品を澱粉と接触させる事を更に含み、特に、澱粉は、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ジャガイモ澱粉、ゼラチン、デキストリン、シクロデキストリン、酸化澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテル、架橋澱粉、アルファ澱粉、オクテニルコハク酸エステル、及び酸、熱、又は酵素に依って澱粉を処置する事に依って得られる加工澱粉から成る群から選択される。
【0017】
別の態様では、対象への親油性活性薬剤の投与の際の食事効果を縮減する為の方法が提供され、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含ませた飲料品製品を対象に投与する事を含み、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含ませた飲料品製品は、上に記載されているプロセスの何れかに従って親油性活性薬剤を含ませた茶葉、コーヒー豆、又はココアパウダーを作る事と;更に、親油性活性薬剤を含ませた茶葉、コーヒー豆、又はココアパウダーを液体に浸け、其れに依って、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含ませた飲料品製品を生ずるステップを含む事とに依って生ずる。
【0018】
別の態様では、対象への親油性活性薬剤の投与の際の食事効果を縮減する為の方法が提供され、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含ませた飲料品製品を対象に投与する事を含み、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含ませた飲料品製品は、上に記載されているプロセスの何れか1つに従って親油性活性薬剤を含ませた茶葉、コーヒー豆、又はココアパウダーを作るステップと;更に、親油性活性薬剤を含ませた茶葉、コーヒー豆、又はココアパウダーを液体に浸け、其れに依って、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含ませた飲料品製品を生ずるステップを含む事とに依って生ずる。
【0019】
別の態様では、対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティは、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油の不在下の対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも2倍、5倍、又は10倍多大である。幾つかの態様では、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油はオメガ-6脂肪酸を実質的に不含である(即ち、せいぜい微量のオメガ-6脂肪酸)。幾つかの態様では、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸はオレイン酸、ウンデカン酸、吉草酸、ヘプタン酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、及びエイコサペンタエン酸から成る群から選択される。
【0020】
幾つかの態様では、親油性活性薬剤は:カンナビノイド、テルペン及びテルペノイド、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、ビタミン、ニコチン化合物、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害剤、マカエキス、ホルモン、フェンタニル又は其のアナログ、ブプレノルフィン又は其のアナログ、スコポラミン又は其のアナログ、及び抗酸化剤から成る群から選択される。幾つかの態様では、カンナビノイドは精神作用性のカンナビノイドである。幾つかの態様では、カンナビノイドは非精神作用性のカンナビノイドである。幾つかの態様では、NSAIDはアセチルサリチル酸、イブプロフェン、アセトアミノフェン、ジクロフェナク、インドメタシン、ピロキシカム、又はCOX阻害剤である。幾つかの態様では、ビタミンはビタミンA、D、E、又はKである。幾つかの態様では、PDE5阻害剤はアバナフィル、ロデナフィル、ミロデナフィル、シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、ウデナフィル、アセチルデナフィル、チオメチソシルデナフィル、又は其れ等のアナログである。幾つかの態様では、ホルモンはエストロゲン、アンチエストロゲン、アンドロゲン、アンチアンドロゲン、又はプロゲスチンである。幾つかの態様では、抗酸化剤はアスタキサンチン、スーパーオキシドジスムターゼ(Superoxide Dismusase)、ベータカロテン、セレン、リコペン、ルテイン、コエンザイムQ10、フィチン酸、フラボノイド、ポリフェノール、置換1,2-ジヒドロキノリン、アスコルビン酸及び其の塩、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、アノキソマー、N-アセチルシステイン、イソチオシアン酸ベンジル、o-、m-、若しくはp-アミノ安息香酸(oはアントラニル酸であり、pはPABAである)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、コーヒー酸、カンタキサンチン、アルファカロテン、ベータカロテン、ベータカロテン(beta-caraotene)、ベータ-アポカロテン酸、カルノソール、カルバクロール、カテキン、没食子酸セチル、クロロゲン酸、クエン酸及び其の塩、チョウジエキス、コーヒー豆エキス、p-クマル酸、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン(DPPD)、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、没食子酸ドデシル、エデト酸、エラグ酸、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、エスクレチン、エスクリン、6-エトキシ-1,2-ジヒドロ-2,2,4-トリメチルキノリン、没食子酸エチル、エチルマルトール、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ユーカリエキス、オイゲノール、フェルラ酸、フラボノイド、フラボン(例えば、アピゲニン、クリシン、ルテオリン)、フラボノール(例えば、ダチセチン、ミリセチン、ダエンフェロ(daemfero))、フラバノン、フラキセチン、フマル酸、没食子酸、ゲンチアナエキス、グルコン酸、グリシン、グアヤク樹脂、ヘスペレチン、アルファ-ヒドロキシベンジルホスフィン酸、ヒドロキシ桂皮酸(hydroxycinammic acid)、ヒドロキシグルタル酸、ヒドロキノン、N-ヒドロキシ琥珀酸、ヒドロキシチロソール(hydroxytryrosol)、ヒドロキシ尿素、米糠(ice bran)エキス、乳酸及び其の塩、レシチン、クエン酸レシチン;R-アルファ-リポ酸、ルテイン、リコペン、リンゴ酸、マルトール、5-メトキシトリプタミン、没食子酸メチル、クエン酸モノグリセリド;クエン酸モノイソプロピル;モリン、ベータ-ナフトフラボン、ノルジヒドログアイアレチン酸(NDGA)、没食子酸オクチル、シュウ酸、クエン酸パルミチル、フェノチアジン、ホスファチジルコリン、リン酸、リン酸塩、フィチン酸、フィチルユビクロメノール(phytylubichromel)、ピメントエキス、没食子酸プロピル、ポリリン酸塩、ケルセチン、トランス-レスベラトロール、ローズマリーエキス、ロスマリン酸、セージエキス、セサモール、シリマリン、シナピン酸、琥珀酸、クエン酸ステアリル、シリング酸、酒石酸、チモール、トコフェロール(即ち、アルファ-、ベータ-、ガンマ-、及びデルタ-トコフェロール)、トコトリエノール(即ち、アルファ-、ベータ-、ガンマ-、及びデルタ-トコトリエノール)、チロソール、バニリン酸、2,6-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシメチルフェノール(即ち、イオノックス100)、2,4-(トリス-3’,5’-ビ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシベンジル)-メシチレン(即ち、イオノックス330)、2,4,5-トリヒドロキシブチロフェノン、ユビキノン、第三級ブチルヒドロキノン(TBHQ)、チオジプロピオン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、トリプタミン、チラミン、尿酸、ビタミンK及び誘導体(derivates)、ビタミンQ10、小麦胚芽油、ゼアキサンチン、又は其れ等の組み合わせである。
【0021】
幾つかの態様では、状態を処置する為の方法が提供され、開示される組成物を其の必要がある対象に投与する事を含み、親油性活性薬剤はカンナビノイドであり、状態は、心疾患、例えば心臓病、虚血性梗塞、及び心代謝系障害;神経系疾患、例えばアルツハイマー病、パーキンソン病、統合失調症、及びヒト免疫不全ウイルス(HIV)認知症;肥満;代謝障害、例えばインスリン関連欠乏症及び脂質プロファイル、肝疾患、糖尿病、及び食欲障害;癌化学療法;良性前立腺肥大;過敏性腸症候群;胆道疾患;卵巣障害;マリファナ乱用;アルコール、オピオイド、ニコチン、又はコカイン嗜癖;並びに勃起不全等の性機能障害から成る群から選択される。
【0022】
幾つかの態様では、状態を処置する為の方法が提供され、開示される組成物を其の必要がある対象に投与する事を含み、親油性活性薬剤は非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)であり、状態は、喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺線維症、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、炎症性の痛み、発熱、偏頭痛、頭痛、腰痛、線維筋痛症、筋膜障害、ウイルス感染(例えばインフルエンザ、普通の風邪、帯状疱疹、C型肝炎、及びAIDS)、細菌感染、真菌感染、月経困難症、熱傷、外科又は歯科手術、悪性腫瘍(例えば乳癌、結腸癌、及び前立腺癌)、高プロスタグランジンE症候群、古典的バーター症候群、アテローム硬化症、痛風、関節炎、骨関節炎、若年性関節炎、関節リウマチ、リウマチ熱、強直性脊椎炎、ホジキン病、全身性エリテマトーデス、血管炎、膵炎、腎炎、滑液包炎、結膜炎、虹彩炎、強膜炎、ぶどう膜炎、創傷治癒、皮膚炎、湿疹、乾癬、卒中、糖尿病、神経変性障害、例えばアルツハイマー病及び多発性硬化症、自己免疫疾患、アレルギー性障害、鼻炎、潰瘍、冠状動脈性心疾患、サルコイドーシス、並びに炎症性の構成要素を有する何れかの他の疾患から成る群から選択される。
【0023】
幾つかの態様では、状態を処置する為の方法が提供され、開示される組成物を其の必要がある対象に投与する事を含み、親油性活性薬剤はビタミンであり、状態はビタミン欠乏症、ビタミン吸収不良、及び嚢胞性線維症から成る群から選択される。
【0024】
幾つかの態様では、状態を処置する為の方法が提供され、開示される組成物を其の必要がある対象に投与する事を含み、親油性活性薬剤はニコチン化合物であり、状態は煙草依存/嗜癖、パーキンソン病、潰瘍性大腸炎、アルツハイマー病、統合失調症、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、トゥレット症候群、潰瘍性(ulcerous)大腸炎、及び禁煙後体重コントロールから成る群から選択される。
【0025】
幾つかの態様では、状態を処置する為の方法が提供され、開示される組成物を其の必要がある対象に投与する事を含み、親油性活性薬剤はホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害剤であり、状態は勃起不全である。
【0026】
幾つかの態様では、状態を処置する為の方法が提供され、開示される組成物を其の必要がある対象に投与する事を含み、親油性活性薬剤はマカエキスであり、状態は炎症性サイトカイン産生、慢性炎症の影響、月経に関連する不快感、閉経の症状、アンドロポーズの症状、HIVの症状、貧血の症状、化学療法に関連する不快感、結核の症状、骨粗鬆症の症状、性機能障害、及び其れ等の組み合わせから成る群から選択される。
【0027】
幾つかの態様では、状態を処置する為の方法が提供され、開示される組成物を其の必要がある対象に投与する事を含み、親油性活性薬剤はホルモンであり、状態はホルモン欠乏症である。
【0028】
幾つかの態様では、状態を処置する為の方法が提供され、開示される組成物を其の必要がある対象に投与する事を含み、親油性活性薬剤はフェンタニルであり、状態は痛みである。
【0029】
幾つかの態様では、状態を処置する為の方法が提供され、開示される組成物を其の必要がある対象に投与する事を含み、親油性活性薬剤はブプレノルフィンであり、状態は痛みである。
【0030】
幾つかの態様では、状態を処置する為の方法が提供され、開示される組成物を其の必要がある対象に投与する事を含み、親油性活性薬剤はスコポラミンであり、状態は吐き気、嘔吐、乗り物酔い、筋スパズム、及びパーキンソン様状態から成る群から選択される。
【0031】
幾つかの態様では、状態を処置する為の方法が提供され、開示される組成物を其の必要がある対象に投与する事を含み、親油性活性薬剤は抗酸化剤であり、状態は哺乳類細胞の酸化ストレスである。
【0032】
幾つかの態様では、親油性活性薬剤を含ませた組成物と其の使用説明書とを含むキットが提供される。
【0033】
幾つかの態様では、親油性活性薬剤を其の必要がある対象に投与する為の方法が提供され、方法は:a)非空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第1のドーズを経口投与する事とb)空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第2のドーズを経口投与する事とを含み、剤形の少なくとも1つは実質的な正の食事効果を見せる。
【0034】
幾つかの態様では、親油性活性薬剤を其の必要がある対象に投与する為の方法が提供され、方法は:a)非空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第1のドーズを経口投与する事とb)空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第2のドーズを経口投与する事とを含み、第1及び第2の剤形は同じであり、実質的な正の食事効果を見せる。
【0035】
幾つかの態様では、親油性活性薬剤を其の必要がある対象に投与する為の方法が提供され、方法は:a)非空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第1のドーズを経口投与する事とb)空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第2のドーズを経口投与する事とを含み、第1及び第2の剤形は同じであり、実質的な正の食事効果を見せ、第1及び第2のドーズは約8から約16時間離れて投与される。
【0036】
幾つかの態様では、親油性活性薬剤を其の必要がある対象に投与する為の方法が提供され、方法は:a)非空腹状態に於いて第1の徐放剤形中の親油性活性薬剤の第1のドーズを経口投与する事とb)空腹状態に於いて第2の徐放剤形中の親油性活性薬剤の第2のドーズを経口投与する事とを含み、第1及び第2の剤形は親油性活性薬剤の異なるドーズを含み、第1の剤形は実質的な正の食事効果を見せ、第1及び第2のドーズは約8から約16時間離れて投与される。
【0037】
幾つかの態様では、親油性活性薬剤を其の必要がある対象に投与する為の方法が提供され、方法は:a)非空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第1のドーズを経口投与する事とb)空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第2のドーズを経口投与する事とを含み:a)第1及び第2の剤形は同じであり、実質的な正の食事効果を見せ;b)第1のドーズは第2のドーズよりも多大であり、第1のドーズは第2のドーズよりも少なくとも1.2倍多大である。
【0038】
幾つかの態様では、親油性活性薬剤を其の必要がある対象に投与する為の方法が提供され、方法は:a)非空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第1のドーズを経口投与する事とb)空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第2のドーズを経口投与する事とを含み:a)第1及び第2の剤形は同じであり、実質的な正の食事効果を見せ;b)第1のドーズは第2のドーズよりも低く、第1のドーズは第2のドーズよりも少なくとも1.2倍低い。
【0039】
本発明の他の組成物、方法、特徴、及び利点は当業者には明らかであるか、又は次の図及び詳細な記載の吟味に依って明らかに成るであろう。全ての斯かる追加の組成物、方法、特徴、及び利点は本明細書内に包含され、本発明の範囲内であり、付随する請求項に依って保護されると言う事が意図される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】
図1は29のケースに基づく効果発現性能を示している。此処では、デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)及びコントロールバージョンが第2日及び第3日に於いて直接的に比較された(食品あり)。非ヘビーユーザーのケース=12;ヘビーユーザーのケース=17。
【
図2】
図2は36のケースに基づく典型的な可食効果発現を示しており、データは第3日に収集された。非ヘビーユーザーのケース=17;ヘビーユーザーのケース=19。
【
図3】
図3は、デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)バージョンが食品あり又はなしで試験されたケースに基づく食品対効果発現を示している(第1日対第3日)。非ヘビーユーザーのケース=10;ヘビーユーザーのケース=12。
【発明を実施するための形態】
【0041】
此処で、本開示の主題が此れ以降でより詳しく記載される。一貫して、同類の番号は同類の要素を言う。本開示の主題は多くの異なる形態で実施され得、本願に記される実施形態に限定されると解釈されるべきではない;寧ろ、此れ等の実施形態は本開示が然るべき法的要件を満足させる様に提供される。実に、前述の記載に於いて提出された教示の利益を有する本開示の主題が該当する分野の業者には、本願に記される本開示の主題の多くの改変及び他の実施形態が思い浮かぶであろう。因って、本開示の主題は開示されている具体的な実施形態に限定されるべきではない事と、改変及び他の実施形態は添付の請求項の範囲内に包含される事を意図される事とは理解される筈である。
【0042】
幾つかの実施形態では、組成物又は方法は、規定されている構成要素又はステップを含む。幾つかの実施形態では、組成物又は方法は規定されている構成要素又はステップから成る。他の実施形態では、組成物又は方法は規定されている構成要素又はステップから本質的に成る。本願に於いて用いられる規定されている構成要素又はステップ「から本質的に成る」は、組成物が、少なくとも規定されている構成要素又はステップを包含し、且つ本発明の基本的な且つ新規の特徴に実質的には影響しない他の構成要素又はステップをもまた包含し得ると言う事を意味する。
【0043】
本願に記載される態様は、組成物に親油性活性薬剤を含ませる為の改善された方法、特に、親油性活性薬剤を含ませた組成物、例えば食品及び飲料品組成物の食事効果を縮減する為の方法に関する。
【0044】
I.親油性活性薬剤を含ませた組成物の食事効果を縮減する為の方法
1つの態様では、親油性活性薬剤を含ませた食品製品の食事効果を縮減する為のプロセスが提供され:
(a)食品製品を親油性活性薬剤及びバイオアベイラビリティ向上剤を含む油と接触させるステップと;
(b)食品製品を脱水するステップと;
其れに依って、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤食品製品を生ずる事;
を含み、
縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤食品製品は治療上有効量の親油性活性薬剤を含み、更に、バイオアベイラビリティ向上剤は長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油を含み;更に:
(i)親油性活性薬剤は、カンナビノイド、テルペン及びテルペノイド、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、ビタミン、ニコチン化合物、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害剤、マカエキス、ホルモン、フェンタニル、ブプレノルフィン、スコポラミン、及び抗酸化剤から成る群から選択され;
(ii)食品製品は、茶葉、コーヒー豆、ココアパウダー、肉、魚、果物、野菜、乳製品、豆、パスタ、パン、穀類、種子、ナッツ、香辛料、及びハーブから成る群から選択される。
幾つかの態様では、ステップ(b)は食品製品を澱粉と接触させる事を更に含み、特に、澱粉は、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ジャガイモ澱粉、ゼラチン、デキストリン、シクロデキストリン、酸化澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテル、架橋澱粉、アルファ澱粉、オクテニルコハク酸エステル、及び酸、熱、又は酵素に依って澱粉を処置する事に依って得られる加工澱粉から成る群から選択される。他の態様では、対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティは、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油の不在下の対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも1.5倍多大、特に少なくとも3倍多大、より具体的には少なくとも4.5倍多大である。他の態様では、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油はオメガ-6脂肪酸を実質的に不含である。
【0045】
別の態様では、親油性活性薬剤を含ませた飲料品製品の食事効果を縮減する為のプロセスが提供され、上に記載されているプロセスの何れかに従って親油性活性薬剤を含ませた茶葉、コーヒー豆、又はココアパウダーを作る事を含み;更に、親油性活性薬剤を含ませた茶葉、コーヒー豆、又はココアパウダーを液体に浸け、其れに依って、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含ませた飲料品製品を生ずるステップを含む。
【0046】
別の態様では、親油性活性薬剤を含むレディ・トゥ・ドリンク飲料品組成物の食事効果を縮減する為のプロセスが提供され:
(a)乳化剤を親油性活性薬剤及びバイオアベイラビリティ向上剤を含む油と接触させ、其れに依って、乳化剤、親油性活性薬剤を含む油、及びバイオアベイラビリティ向上剤を含む混合物を生ずるステップと;
(b)混合物を脱水し、其れに依って、乳化剤、親油性活性薬剤を含む油、及びバイオアベイラビリティ向上剤を含む脱水された混合物を生ずるステップと;
(c)脱水された混合物をレディ・トゥ・ドリンク飲料品組成物と組み合わせ、其れに依って、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含むレディ・トゥ・ドリンク飲料品組成物を生ずるステップと;
に依って得られ得:
(i)バイオアベイラビリティ向上剤は長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油を含み;
(ii)親油性活性薬剤を含むレディ・トゥ・ドリンク飲料品組成物は治療上有効量の親油性活性薬剤を含み;
(iii)親油性活性薬剤は、カンナビノイド、テルペン及びテルペノイド、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、ビタミン、ニコチン化合物、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害剤、マカエキス、ホルモン、フェンタニル、ブプレノルフィン、スコポラミン、及び抗酸化剤から成る群から選択される。
特定の態様では、乳化剤は、イヌリン、アラビアガム、加工澱粉、ペクチン、キサンタンガム、ガティガム、トラガカントガム、フェヌグリークガム、メスキートガム、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリド、スクロースモノエステル、ソルビタンエステル、ポリエトキシル化グリセロール、ステアリン酸、パルミチン酸、モノグリセリド、ジグリセリド、プロピレングリコールエステル、レシチン、ラクチル化モノ及びジグリセリド、プロピレングリコールモノエステル、ポリグリセロールエステル、モノ及びジグリセリドのジアセチル化酒石酸エステル、モノグリセリドのクエン酸エステル、ステアロイル-2-ラクチレート、ポリソルベート、スクシニル化モノグリセリド、アセチル化モノグリセリド、エトキシル化モノグリセリド、キラヤ、ホエイプロテインアイソレート、カゼイン、ソイプロテイン、ベジタブルプロテイン、プルラン、アルギン酸ナトリウム、グアーガム、ローカストビーンガム、トラガカントガム、タマリンドガム、カラギーナン、ファーセララン、ゲランガム、サイリウム、カードラン、コンニャクマンナン、寒天、及びセルロース誘導体、並びに其れ等の組み合わせから成る群から選択される。幾つかの態様では、ステップ(b)は食品製品を澱粉と接触させる事を更に含み、特に、澱粉は、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ジャガイモ澱粉、ゼラチン、デキストリン、シクロデキストリン、酸化澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテル、架橋澱粉、アルファ澱粉、オクテニルコハク酸エステル、及び酸、熱、又は酵素に依って澱粉を処置する事に依って得られる加工澱粉から成る群から選択される。
【0047】
別の態様では、対象への親油性活性薬剤の投与の際の食事効果を縮減する為の方法が提供され、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含ませた食品製品を対象に投与する事を含み、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含ませた食品製品は:
(a)食品製品を親油性活性薬剤及びバイオアベイラビリティ向上剤を含む油と接触させるステップと;
(b)食品製品を脱水するステップと;
其れに依って、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤食品製品を生ずる事;
に依って生じ、
縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤食品製品は治療上有効量の親油性活性薬剤を含み;バイオアベイラビリティ向上剤は長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油を含み;更に:
(i)親油性活性薬剤は、カンナビノイド、テルペン及びテルペノイド、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、ビタミン、ニコチン化合物、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害剤、マカエキス、ホルモン、フェンタニル、ブプレノルフィン、スコポラミン、及び抗酸化剤から成る群から選択され;
(ii)食品製品は、茶葉、コーヒー豆、ココアパウダー、肉、魚、果物、野菜、乳製品、豆、パスタ、パン、穀類、種子、ナッツ、香辛料、及びハーブから成る群から選択される。
幾つかの態様では、ステップ(b)は食品製品を澱粉と接触させる事を更に含み、特に、澱粉は、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ジャガイモ澱粉、ゼラチン、デキストリン、シクロデキストリン、酸化澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテル、架橋澱粉、アルファ澱粉、オクテニルコハク酸エステル、及び酸、熱、又は酵素に依って澱粉を処置する事に依って得られる加工澱粉から成る群から選択される。
【0048】
別の態様では、対象への親油性活性薬剤の投与の際の食事効果を縮減する為の方法が提供され、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含ませた飲料品製品を対象に投与する事を含み、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含ませた飲料品製品は、上に記載されているプロセスの何れかに従って親油性活性薬剤を含ませた茶葉、コーヒー豆、又はココアパウダーを作る事と;更に、親油性活性薬剤を含ませた茶葉、コーヒー豆、又はココアパウダーを液体に浸け、其れに依って、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含ませた飲料品製品を生ずるステップを含む事とに依って生ずる。
【0049】
別の態様では、対象への親油性活性薬剤の投与の際の食事効果を縮減する為の方法が提供され、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含ませた飲料品製品を対象に投与する事を含み、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含ませた飲料品製品は、上に記載されているプロセスの何れか1つに従って親油性活性薬剤を含ませた茶葉、コーヒー豆、又はココアパウダーを作るステップと;更に、親油性活性薬剤を含ませた茶葉、コーヒー豆、又はココアパウダーを液体に浸け、其れに依って、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含ませた飲料品製品を生ずるステップを含む事とに依って生ずる。
【0050】
別の態様では、対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティは、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油の不在下の対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも2倍、5倍、又は10倍多大である。幾つかの態様では、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油はオメガ-6脂肪酸を実質的に不含である。幾つかの態様では、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸はオレイン酸、ウンデカン酸、吉草酸、ヘプタン酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、及びエイコサペンタエン酸から成る群から選択される。幾つかの態様では、本発明の剤形は実質的な正の食事効果を見せ、其れに依って、其れは非空腹状態に於いて経口投与される時には空腹状態と比較して増大したCmax及びAUCを提供する。正の食事効果は剤形の投薬レジメンを変改する為に用いられ得る。幾つかの実施形態では、本発明は親油性活性薬剤を其の必要がある対象に投与する方法を提供し、方法は:a)非空腹状態に於いて本発明の組成物の第1のドーズを経口投与する事とb)空腹状態に於いて本発明の組成物の第2のドーズを経口投与する事とを含む。
【0051】
幾つかの実施形態では、本発明は親油性活性薬剤を其の必要がある対象に投与する方法を提供し、方法は:a)非空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第1のドーズを経口投与する事とb)空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第2のドーズを経口投与する事とを含み、剤形の少なくとも1つは実質的な正の食事効果を見せる。
【0052】
幾つかの実施形態では、本発明は親油性活性薬剤を其の必要がある対象に投与する方法を提供し、方法は:a)非空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第1のドーズを経口投与する事とb)空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第2のドーズを経口投与する事とを含み、第1及び第2の剤形は同じであり、実質的な正の食事効果を見せる。
【0053】
幾つかの実施形態では、本発明は親油性活性薬剤を其の必要がある対象に投与する方法を提供し、方法は:a)非空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第1のドーズを経口投与する事とb)空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第2のドーズを経口投与する事とを含み、第1及び第2の剤形は同じであり、実質的な正の食事効果を見せ、第1及び第2のドーズは約8から約16時間離れて投与される。
【0054】
幾つかの実施形態では、本発明は親油性活性薬剤を其の必要がある対象に投与する方法を提供し、方法は:a)非空腹状態に於いて第1の徐放剤形中の親油性活性薬剤の第1のドーズを経口投与する事とb)空腹状態に於いて第2の徐放剤形中の親油性活性薬剤の第2のドーズを経口投与する事とを含み、第1及び第2の剤形は親油性活性薬剤の異なるドーズを含み、第1の剤形は実質的な正の食事効果を見せ、第1及び第2のドーズは約8から約16時間離れて投与される。
【0055】
幾つかの実施形態では、本発明は親油性活性薬剤を其の必要がある対象に投与する方法を提供し、方法は:a)非空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第1のドーズを経口投与する事とb)空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第2のドーズを経口投与する事とを含み:a)第1及び第2の剤形は同じであり、実質的な正の食事効果を見せ;b)第1のドーズは第2のドーズよりも多大である。幾つかの実施形態では、第1のドーズは、第2のドーズよりも少なくとも1.2倍、少なくとも1.5倍、少なくとも1.75倍、又は少なくとも2倍多大である。
【0056】
幾つかの実施形態では、本発明は、親油性活性薬剤を其の必要がある対象に投与する方法を提供し、方法は:a)非空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第1のドーズを経口投与する事とb)空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第2のドーズを経口投与する事とを含み:a)第1及び第2の剤形は同じであり、実質的な正の食事効果を見せ;b)第1のドーズは第2のドーズよりも低い。幾つかの実施形態では、第1のドーズは第2のドーズよりも少なくとも1.2倍、少なくとも1.5倍、少なくとも1.75倍、又は少なくとも2倍低い。
【0057】
幾つかの実施形態では、異なる毎日のドーズは、親油性活性薬剤に基づいて現行の毎日のドーズの50重量%又はモル%より少しである。幾つかの実施形態では、第2の方法は第1の(現行の)方法と約同じ臨床的ベネフィットを提供するか又は改善された臨床的ベネフィットを提供する。幾つかの実施形態では、第2の方法は第1の(現行の)方法と比較して50%よりも少しの親油性活性薬剤のドーズを使用する。
【0058】
幾つかの実施形態では、第2の処置方法を開始する前に、対象の現行の処置方法は停止される。幾つかの実施形態では、対象の現行の処置方法と本発明に従う第2の方法とはオーバーラップする。
【0059】
食事効果は、親油性活性薬剤の吸収を更にコントロールする為にもまた有利に用いられ得る。例えば、対象は、単一の日に、空腹条件下に於いて或るドーズを、後に非空腹条件下に於いて或るドーズを経口投与され得、又は逆もまた同様である。例えば、対象は、第1のドーズを食品と共に、第2のドーズを約8から16時間後に投与され得る。空腹条件は、ドーズの投与前に少なくとも2、少なくとも3、又は少なくとも4時間に渡って食品の消費を控える事に依って確立される。第1及び第2のドーズ及び/又は剤形は同じか又は異なり得る。1つの又は両方の剤形は実質的な正の食事効果を見せるであろう。
【0060】
幾つかの態様では、親油性活性薬剤を其の必要がある対象に投与する為の方法が提供され、方法は:a)非空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第1のドーズを経口投与する事とb)空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第2のドーズを経口投与する事とを含み、剤形の少なくとも1つは実質的な正の食事効果を見せる。
【0061】
幾つかの態様では、親油性活性薬剤を其の必要がある対象に投与する為の方法が提供され、方法は:a)非空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第1のドーズを経口投与する事とb)空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第2のドーズを経口投与する事とを含み、第1及び第2の剤形は同じであり、実質的な正の食事効果を見せる。
【0062】
幾つかの態様では、親油性活性薬剤を其の必要がある対象に投与する為の方法が提供され、方法は:a)非空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第1のドーズを経口投与する事とb)空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第2のドーズを経口投与する事とを含み、第1及び第2の剤形は同じであり、実質的な正の食事効果を見せ、第1及び第2のドーズは約8から約16時間離れて投与される。
【0063】
幾つかの態様では、親油性活性薬剤を其の必要がある対象に投与する為の方法が提供され、方法は:a)非空腹状態に於いて第1の徐放剤形中の親油性活性薬剤の第1のドーズを経口投与する事とb)空腹状態に於いて第2の徐放剤形中の親油性活性薬剤の第2のドーズを経口投与する事とを含み、第1及び第2の剤形は親油性活性薬剤の異なるドーズを含み、第1の剤形は実質的な正の食事効果を見せ、第1及び第2のドーズは約8から約16時間離れて投与される。
【0064】
幾つかの態様では、親油性活性薬剤を其の必要がある対象に投与する為の方法が提供され、方法は:a)非空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第1のドーズを経口投与する事とb)空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第2のドーズを経口投与する事とを含み:a)第1及び第2の剤形は同じであり、実質的な正の食事効果を見せ;b)第1のドーズは第2のドーズよりも多大であり、第1のドーズは第2のドーズよりも少なくとも1.2倍多大である。
【0065】
幾つかの態様では、親油性活性薬剤を其の必要がある対象に投与する為の方法が提供され、方法は:a)非空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第1のドーズを経口投与する事とb)空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第2のドーズを経口投与する事とを含み:a)第1及び第2の剤形は同じであり、実質的な正の食事効果を見せ;b)第1のドーズは第2のドーズよりも低く、第1のドーズは第2のドーズよりも少なくとも1.2倍低い。
【0066】
A.カンナビノイド
カンナビス・サティバ・エル(Cannabis sativa L.)は娯楽及び薬用目的両方に最も広く用いられる植物の1つである。500個超の天然構成成分がC.サティバから単離及び同定されており、幾つかの化学物質クラスをカバーしている(アーメッド(Ahmed)等著(2008年)ジャーナル・オブ・ナチュラル・プロダクツ(Journal of Natural Products)第71巻:p.536-542;アーメッド(Ahmed)等著(2008年)テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)第49巻:p.6050-6053;エルソーリ(ElSohly)及びスレイド(Slade)著(2005年)ライフサイエンシズ(Life Sciences)第78巻:p.539-548;ラドワン(Radwan)等著(2009年)ジャーナル・オブ・ナチュラル・プロダクツ(Journal of Natural Products)第72巻:p.906-911;ラドワン(Radwan)等著(2008年)プランタ・メディカ(Planta Medica)第74巻:p.267-272;ラドワン(Radwan)等著(2008年)ジャーナル・オブ・ナチュラル・プロダクツ(Journal of Natural Products)第69巻:p.2627-2633;ロス(Ross)等著(1995年)ザガジグ・ジャーナル・オブ・ファーマシューティカル・サイエンシズ(Zagazig Journal of Pharmaceutical Sciences)第4巻:p.1-10;ターナー(Turner)等著(1980年)ジャーナル・オブ・ナチュラル・プロダクツ(Journal of Natural Products)第43巻:p.169-170)。カンナビノイドはテルペノフェノリックスと言う化学物質クラスに属し、此れ等の少なくとも85個はカンナビスに於いて特有に同定されている(ボルゲルト(Borgelt)等著.(2013年)ファーマコセラピー(Pharmacotherapy)第33巻:p.195-209)。
【0067】
カンナビノイドは人体中に見い出されるカンナビノイド受容体(CB1、CB2)に対するリガンドである(パートウィー(Pertwee)著(1997年)ファーマコロジー・アンド・セラピューティクス(Pharmacology & Therapeutics)第74巻:p.129-180)。カンナビノイドは通常は次の群に分けられる:古典的カンナビノイド、非古典的カンナビノイド、アミノアルキルインドール誘導体、及びエイコサノイド(パートウィー(Pertwee)著(1997年)ファーマコロジー・アンド・セラピューティクス(Pharmacology & Therapeutics)第74巻:p.129-180)。古典的カンナビノイドは、C.サティバ・エルから単離された物、又は其れ等の合成アナログである。非古典的カンナビノイドは、テトラヒドロカンナビノール(THC)の二又は三環式アナログである(ピラン環無し)。アミノアルキルインドール及びエイコサノイドは古典的及び非古典的カンナビノイドと比較して構造が実質的に異なる。最も普通の天然の植物カンナビノイド(フィトカンナビノイド)はカンナビジオール(CBD)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、及びカンナビノール(CBN)である。最も精神作用性のカンナビノイドはΔ9-THCである。
【0068】
近年、マリファナ及び其の構成要素は幅広い範囲の状態の症状に対抗する事が科学文献に依って報告されており、多発性硬化症及び筋スパズムの他の形態、運動障害、偏頭痛を包含する痛み、緑内障、喘息、炎症、不眠症、並びに高血圧を包含するが、此れ等に限定されない。抗不安薬、抗痙攣薬、抗鬱薬、抗精神病薬、抗癌剤、及び食欲刺激薬としてのカンナビノイドの有用性もまたあり得る。カンナビノイドの薬理学的及び毒性学的研究は主としてΔ9-THCの合成アナログ(ジェネリック名ドロナビノールとして市販)にフォーカスされている。1985年に、ドロナビノールは、化学療法に関連する悪心及び嘔吐の処置について、後にはAIDSに関連する消耗及び拒食症について、FDAに依って認可された。
【0069】
カンナビノイドの治療使用は、幾つかの化合物(例えばドロナビノール)の精神作用性特性と経口投与される時の其れ等の低いバイオアベイラビリティとに依って妨げられている。バイオアベイラビリティは、活性部分(薬物又は代謝物)が全身循環に入り、其れに依って作用部位にアクセスする程度及び速度を言う。経口摂取されるカンナビノイドの低いバイオアベイラビリティ(約6%から20%;アダムス(Adams)及びマーチン(Martin)著(1996年)アディクション(Addiction)第91巻,p.1585-614;アグレル(Agurell)等著(1986年)ファーマコロジカル・レビューズ(Pharmacological Reviews)第38巻,p.21-43;グローテンヘルマン(Grotenhermen)著(2003年)クリニカル・ファーマコカイネティクス(Clinical Pharmacokinetics)第42巻,p.327-60)は、其れ等の不良な溶解特性及び大規模な初回通過代謝に帰せられている。
【0070】
カンナビノイドは、体のカンナビノイド受容体を直接的又は間接的に活性化する化学物質の異形の群である。カンナビノイドの3つの主な型がある:カンナビス植物体に於いて特有に生起するハーブ系カンナビノイド、製造される合成カンナビノイド、及びインビボで生ずる内在性カンナビノイドである。ハーブ系カンナビノイドは水には不溶に近いが、脂質、アルコール、及び非極性有機溶媒には可溶である。此れ等の天然カンナビノイドは、トライコームとして公知の腺構造中に生ずる粘稠な樹脂中に濃縮されている。カンナビノイドに加えて、樹脂はテルペンに富み、此れ等はカンナビス植物体の匂いを主として担っている。
【0071】
主要な精神作用性薬物としてのΔ9-テトラヒドロカンナビノール(THC)の同定及び1964年の其の化学合成は、薬理学的な薬剤としての合成カンナビノイドの新たな時代を開いた。カンナビノイド受容体及び此れ等の受容体の内在性リガンドの発見から、カンナビノイド研究は近年大変に増大している。受容体は、圧倒的に脳で発現されるCB1及び主として免疫系の細胞で見い出されるCB2を包含する。カンナビノイド受容体はG蛋白質共役受容体のスーパーファミリーに属する。其れ等は7つの膜貫通αヘリックスを有する単一のポリペプチドであり、細胞外のグリコシル化されたN末端及び細胞内C末端を有する。CB1及びCB2カンナビノイド受容体両方はG1/0蛋白質に連結される。此れ等の受容体に加えて、THCの薬理学的作用をミミックする事が出来る此れ等の受容体の内在性リガンドもまた発見されている。斯かるリガンドはエンドカンナビノイドと呼称され、アナンダミド及び2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)を包含した。アナンダミドは脳及び脾臓等の末梢免疫組織に於いて生ずる。
【0072】
CB1及びCB2に結合する事に依って其の作用を行使するTHCとは違って、カンナビジオールは此れ等の受容体に結合せず、依って、如何なる向精神活性も有さない。代わりに、カンナビジオールはアナンダミドを分解する酵素(脂肪酸アミドヒドロキシラーゼ「FAAH」)を抑制する事に依って間接的に内在性カンナビノイドシグナル伝達を刺激する。カンナビジオールは2-AGの放出をもまた刺激する。カンナビジオールは、免疫調節性の及び抗炎症性の特性を有する事、抗痙攣、抗不安、及び抗精神病活性を見せる事、並びに効率的な神経保護性の抗酸化剤として機能する事が報告されている。
【0073】
カンナビス中のカンナビノイドは多くの場合に喫煙に依って吸入されるが、摂取もまたされ得る。喫煙又は吸入されるカンナビノイドは、平均で約30%の、2~56%の範囲であるバイオアベイラビリティを報告している(ヒュースティス(Huestis)著(2007年)ケミストリー・アンド・バイオダイバーシティー(Chemistry & Biodiversity)第4巻:p.1770-1804、マッギルバレー(McGilveray)著(2005年)ペインリサーチ・アンド・マネージメント(Pain Research and Management)第10巻サプリメントA:p.15A-22A)。此の変動性は主に喫煙動態の違いが原因である。口の粘膜から吸収されるカンナビノイド(頬粘膜適用)は13%前後のバイオアベイラビリティを有する(カーシュナー(Karschner)等著(2011年)クリニカル・ケミストリー(Clinical Chemistry)第57巻:p.66-75)。対照的に、カンナビノイドが摂取される時には、バイオアベイラビリティは典型的には約6%迄縮減される(カーシュナー(Karschner)等著(2011年)クリニカル・ケミストリー(Clinical Chemistry)第57巻:p.66-75)。
【0074】
従って、他の態様では、本発明の組成物及び方法に於いて、親油性活性薬剤はカンナビノイドである。
【0075】
特定の態様では、少なくとも1つのカンナビノイドは、本発明の組成物及び方法に於いて:
【表1】
【表2】
【表3】
から成る群から選択される。
【0076】
特定の態様では、少なくとも1つのカンナビノイドは、本発明の組成物及び方法に於いて、カンナビジオール等の非精神作用性のカンナビノイドである。幾つかの特に開示される態様では、カンナビノイドは:
【化1】
から成る群から選択され、式中、Aはアリール、特に、
【化2】
であるが、ピネン、例えば:
【化3】
ではなく、R
1~R
5基は夫々が独立して水素、置換又は無置換の低級アルキル、置換又は無置換のカルボキシル、置換又は無置換のアルコキシ、置換又は無置換のアルコール、及び置換又は無置換のエーテルから成る群から選択され、R
6~R
7はH又はメチルである。特定の態様では、環上に如何なる窒素も及び/又は環上に如何なるアミノ置換も無い。
【0077】
他の態様では、カンナビノイドは:
【化4】
から成る群から選択され、式中、A環上の点線に依って指示されている任意の二重結合に依って指示されている通り、A環上には0から3つの二重結合があり得る。C環は芳香族であり、B環はピランであり得る。特定の態様はジベンゾピラン及びシクロヘキセニルベンゼンジオールである。本発明のカンナビノイドの特定の態様は高度に脂溶性でもまたあり得、特定の態様では、水溶液中には僅かにのみ溶解され得る(例えば10mg/ml以下)。中性pHに於けるオクタノール/水分配比は、有用な態様に於いて、5000又はより多大、例えば6000又はより多大である。此の高い脂溶性は、1.5L/kg以上、例えば3.5L/kg、7L/kg、又は理想的には10L/kg以上、例えば少なくとも20L/kgと言う其の分布容積(V
d)に依って反映される通り、中枢神経系(CNS)への薬物の浸透を促進する。特定の態様は、CNSに浸透する能力がある高度に水溶性の誘導体、例えばカルボキシル誘導体でもまたあり得る。
【0078】
R7~18は、独立して、H、置換又は無置換のアルキル、取り分け低級アルキル、例えば無置換のC1~C3アルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、取り分け低級アルコキシ、例えばメトキシ又はエトキシ、置換又は無置換のアルコール、及び無置換又は置換のカルボキシル、例えばCOOH又はCOCH3の群から選択される。他の態様では、R7~18は置換又は無置換のアミノ及びハロゲンでもまたあり得る。
【0079】
特定の態様では、少なくとも1つのカンナビノイドは、本発明の組成物及び方法に於いて、非精神作用性カンナビノイドであり、カンナビノイドがカンナビノイド受容体に依って媒介される如何なる精神作用性活性も実質的に有さないと言う事を意味する(例えば、300nMに等しいか又はより多大な、例えば1μMよりも多大なカンナビノイド受容体に於けるIC50、及び250nM、取り分け500~1000nMよりも多大な、例えば1000nMよりも多大なKi)。
【0080】
他の特定の態様では、カンナビノイドは、本発明の組成物及び方法に於いて:
【化5】
から成る群から選択され、式中、R
19は置換又は無置換のアルキル、例えば低級アルキル(例えばメチル)、低級アルコール(例えばメチルアルコール)又はカルボキシル(例えばカルボン酸)、及び酸素(=Oの様な)であり;R
20は水素又はヒドロキシであり;R
21は水素、ヒドロキシ、又はメトキシであり;R
22は水素又はヒドロキシであり;R
23は水素又はヒドロキシであり;R
24は水素又はヒドロキシであり;R
25は水素又はヒドロキシであり;R
26は置換若しくは無置換のアルキル(例えばn-メチルアルキル)、置換若しくは無置換のアルコール、又は置換若しくは無置換のカルボキシである。
【0081】
他の特定の態様では、カンナビノイドは、本発明の組成物及び方法に於いて:
【化6】
から成る群から選択され、式中、環上の位置の夫々について付番規則が示されており、R
27、R
28、及びR
29は独立してH、CH
3等の無置換の低級アルキル、及びCOCH
3等のカルボキシルから成る群から選択される。此の定義に入る非精神作用性カンナビノイドの特定の例は、カンナビジオール及び
【化7】
並びにカンナビジオールの他の構造アナログである。
【0082】
他の特定の態様では、カンナビノイドは、本発明の組成物及び方法に於いて:
【化8】
から成る群から選択され、式中、R
27、R
28、及びR
29は独立してH、CH
3等の低級アルキル、及びCOCH
3等のカルボキシルから成る群から選択され、特に、式中:
a)R
27=R
28=R
29=H
b)R
27=R
29=H;R
28=CH
3
c)R
27=R
28=CH
3;R
29=H
d)R
27=R
28=COCH
3;R
29=H
e)R
27=H;R
28=R
29=COCH
3
である。R
27=R
28=R
29=Hの時には、化合物はカンナビジオール(CBD)である。R
27=R
29=H且つR
28=CH
3の時には、化合物はCBDモノメチルエーテルである。R
27=R
28=CH
3且つR
29=Hの時には、化合物はCBDジメチルエーテルである。R
27=R
28=COCH
3且つR
29=Hの時には、化合物はCBDジアセテートである。R
27=H且つR
28=R
29=COCH
3の時には、化合物はCBDモノアセテートである。
【0083】
B.テルペン及びテルペノイド
テルペンは5炭素イソプレン単位から誘導される多様な群の有機炭化水素であり、広い種々の植物に依って生ずる。テルペノイドはヘテロ原子を包含する官能基を追加する様に化学修飾されたテルペンである。テルペン及びテルペノイドはホルモン、ビタミン、顔料、ステロイド、樹脂、及び精油の重要なビルディングブロックである。テルペンはカンナビスに天然に存在する;然し乍ら、其れ等は抽出プロセスの間に取り出され得る。テルペン及びテルペノイドは種々の医薬(薬力学的)効果を有し、所望の医薬活性について選択され得る。
【0084】
1つの実施形態では、テルペン/テルペノイドはリモネンを包含する。リモネンは環式テルペンとして分類される無色液体炭化水素である。より普通のD異性体はオレンジの強い香りと苦味とを持つ。其れは化学合成に於いてカルボンへの前駆体として及びクリーニング製品の溶媒として用いられる。リモネンはキラルな分子である。生物学的なソースは1つのエナンチオマーを生ずる。主立った産業的なソースの柑橘類はD-リモネン((+)-リモネン)を含有し、此れは(R)エナンチオマーである(CAS番号5989-27-5、EINECS番号227-813-5)。ラセミ体リモネンはジペンテンとして公知である。其のIUPAC名は1-メチル-4-(1-メチルエテニル)-シクロヘキセンである。其れは4-イソプロペニル-1-メチルシクロヘキセン、ラセミ体p-メンタ-1,8-ジエン:DL-リモネン;ジペンテンとしてもまた公知である。
【0085】
リモネンは医薬、食品、及び香料への使用の歴史を有する。其れは非常に低い毒性を有し、ヒトは其れに対して稀にアレルギーである。リモネンは胃液逆流の処置として及び抗真菌剤として用いられる。蛋白質を透過させる其の能力は其れを足の爪水虫についての有用な処置にしている。リモネンは抑鬱及び不安を処置する為にもまた用いられる。リモネンは皮膚、粘膜、及び消化管からの他のテルペノイド及び化学物質の吸収を援助する事が報告されている。リモネンは免疫増強特性を有する。リモネンは植物性の殺虫剤としてもまた用いられる。
【0086】
リモネンの主たる(principle)代謝物は、ヒト肝臓ミクロソームに於けるCYP2C9及びCYP2C19シトクロムに依る6-ヒドロキシル化の生成物(+)-及び(-)-トランス-カルベオールと7-ヒドロキシル化の生成物(+)-及び(-)-ペリリルアルコールとである。ペリリルアルコールのエナンチオマーは食事性の化学療法薬剤としてのあり得る薬理学的可能性について研究されている。其れ等は、幾つかのCNS新生物及び他の固形腫瘍に於ける、取り分けグリオーマの処置の為の新規の治療オプションと考えられている。ペリリルアルコール及びリモネン代謝物の細胞毒性活性は其れ等の血管新生抑制特性、高体温誘導効果、負のアポトーシス制御、及びRas経路に対する効果を原因とする事が蓋然的である。
【0087】
別の実施形態では、テルペン/テルペノイドはリナロールを包含する。リナロールは多くの花卉及び香辛料植物に見い出される天然に生起するテルペンアルコール化学物質であり、多くの商業的な適用を有し、此れ等の大多数は其の心地よい芳香(フローラル且つややスパイシー)に基づく。其れはβ-リナロール、リナリルアルコール、リナロイルオキシド、p-リナロール、アロオシメノール、及び3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オールとしてもまた公知である。其のIUPAC名は3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-オールである。
【0088】
主にシソ科、クスノキ科、及びミカン科に於いて、200種よりも多くの植物がリナロールを生ずる。其れは幾つかの真菌にもまた見い出されている。リナロールは何千年にも渡って睡眠補助薬として用いられている。リナロールはビタミンEの形成に於ける重要な前駆体である。其れは、精神病及び不安両方の処置への並びに抗癲癇剤としての使用の歴史を有する。其れは鎮痛的な痛み緩和をもまた提供する。其の蒸気は蚤、ショウジョウバエ、及びゴキブリに対する有効な殺虫剤である事が示されている。リナロールは石鹸、洗剤、シャンプー、及びローションを包含する香料付き衛生製品及びクリーニング剤の概算上の60~80%に於いて芳香として用いられる。
【0089】
別の実施形態では、テルペン/テルペノイドはミルセンを包含する。ミルセン又はβ-ミルセンはオレフィン系の天然有機化合物である。其れは炭化水素として、より正確にはモノテルペンとして分類される。テルペンはイソプレンの二量体であり、ミルセンは最も重要な物の1つである。ミルセンは、ベイ、カンナビス、イランイラン、ワイルドタイム、マンゴー、パセリ、及びホップを包含する幾つかの植物の精油の構成要素である。ミルセンは、其れが其の名を貰っているミルシアから主に半合成的に生じる。ミルセンは幾つかのフレグランスの産生に於ける鍵中間体である。α-ミルセンは構造異性体2-メチル-6-メチレン-1,7-オクタジエンの名であり、此れは天然には見い出されず、少ししか用いられない。其のIUPAC名は7-メチル-3-メチレン-1,6-オクタジエンである。
【0090】
ミルセンは鎮痛効果を有し、レモングラス茶の薬効特性を担う事が蓋然的である。其れはプロスタグランジンE2を介する抗炎症特性を有する。鎮痛作用はマウスに於いてはナロキソン又はヨヒンビンに依ってブロックされ得る。此れは内在性のオピオイドのアルファ2-アドレノセプターに依って刺激される放出に依る媒介を示唆する。β-ミルセンは抗炎症特性を有する事が報告されており、スパズム、睡眠障害、及び痛みを処置する為に用いられる。ミルセンは血液脳関門の抵抗を低める様に見え、其の物及び多くの他の化学物質がバリアをより有効に抜ける事を許す。
【0091】
別の実施形態では、テルペン/テルペノイドはα-ピネンを包含する。α-ピネンは植物及び動物両方に於いて生理的に大事な主要モノテルペンの1つである。其れはアルケンであり、其れは反応性の4員環を含有する。α-ピネンは他の化学物質と反応し、D-リモネンを包含する種々の他のテルペン及び他の化合物を形成する傾向がある。α-ピネンは何世紀にも渡って気管支拡張薬として喘息の処置に用いられている。其れは高度にバイオアベイラブルであり、60%のヒト経肺吸収を有し、急速な代謝を有する。α-ピネンはPGE1を介する抗炎症薬であり、幅広いスペクトルの抗生物質である様に見える。其れはアセチルコリンエステラーゼ阻害剤として作用し、記憶を補助する。同定されているα-ピネンの生成物はピノンアルデヒド、ノルピノンアルデヒド、ピン酸、ピノン酸、及びピナール酸を包含する。
【0092】
ピネンはコニファー、松、及びオレンジに見い出される。α-ピネンはテレビン油の主要な構成成分である。其のIUPAC名は(1S,5S)-2,6,6-トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ-2-エン((-)-α-ピネン)である。
【0093】
別の実施形態では、テルペン/テルペノイドはβ-ピネンを包含する。β-ピネンは樹木に依って放出される最も豊富な化合物の1つである。其れはピネンの2つの異性体の1つであり、他方はα-ピネンである。其れは普通のモノテルペンであり、空気中で酸化される場合には、ピノカルベオール及びミルテノールファミリーのアリル生成物が優勢である。其のIUPAC名は6,6-ジメチル-2-メチレンビシクロ[3.1.1]ヘプタンであり、2(10)-ピネン;ノピネン;シュードピネンとしてもまた公知である。其れはクミン、レモン、松、及び他の植物に見い出される。
【0094】
別の実施形態では、テルペン/テルペノイドはβ-カリオフィレンとしてもまた公知のカリオフィレンを包含する。カリオフィレンは、チョウジ、カンナビス、ローズマリー、及びホップを包含する多くの精油の構成成分である天然の二環式セスキテルペンである。其れは通常はイソカリオフィレン(シス二重結合異性体)及び開環異性体のα-フムレンとの混合物として見い出される。カリオフィレンは稀なシクロブタン環を有する事から注目される。其のIUPAC名は4,11,11-トリメチル-8-メチレン-ビシクロ[7.2.0]ウンデカ-4-エンである。
【0095】
カリオフィレンは、黒胡椒のスパイシーさに寄与する化合物の1つである事が公知である。スイス連邦工科大学に依って行われた研究では、β-カリオフィレンはカンナビノイド受容体2型(CB2)の選択的アゴニストである事及び有意なカンナビノイド模倣的な抗炎症効果をマウスに於いて行使する事が示された。抗侵害受容、神経保護、抗不安、抗鬱、及び抗アルコール活性がカリオフィレンに紐付けられている。β-カリオフィレンはFDA認可された食品添加物であるので、其れは初めての食事性カンナビノイドと考えられる。
【0096】
別の実施形態では、テルペン/テルペノイドはシトラールを包含する。シトラール、又は3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナール若しくはレモナールは、分子式C10H16Oを有するテルペノイドのペア又は混合物何方かである。2つの化合物同士は二重結合異性体である。E異性体はゲラニアール又はシトラールAとして公知である。Z異性体はネラール又はシトラールBとして公知である。其のIUPAC名は3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエナールである。其れはシトラール、ゲラニアール、ネラール、ゲラニアルデヒドとしてもまた公知である。
【0097】
シトラールはレモンマートル、レモングラス、バーベナ、ライム、レモン、及びオレンジを包含する幾つかの植物の油に存在する。ゲラニアールは著しいレモンの匂いを有する。ネラールのレモンの匂いは同じ程強度ではないが、甘い。シトラールは其の柑橘性質から主として香料製造に用いられる。シトラールは、フレーバーとして、及びレモン油を強化する為にもまた用いられる。其れは強い抗微生物的な性質と昆虫に於けるフェロモン効果とを有する。シトラールはビタミンA、イオノン、及びメチルイオノンの合成に用いられる。
【0098】
別の実施形態では、テルペン/テルペノイドはフムレンを包含する。α-フムレン又はα-カリオフィレンとしてもまた公知のフムレンは天然に生起する単環式セスキテルペン(C15H24)である。此れは3つの非共役C=C二重結合を含有する3つのイソプレン単位から成る11員環であり、其れ等の2つは三置換であり、1つは二置換である。其れはフムルス・ルプルス(ホップ)の精油中に初めて見い出された。フムレンはβ-カリオフィレンの異性体であり、2つは多くの芳香植物に於いて多くの場合に混合物として一緒に見い出される。
【0099】
フムレンは哺乳動物に於いて抗炎症効果を生ずる事が示されており、此れは炎症性疾患のマネジメントへのポテンシャルを実証する。其れはデキサメタゾンに類似の効果を生じ、ヒスタミン注射に依って引き起こされる浮腫形成を減少させる事が見い出された。フムレンはカラギーナン注射ラットに於いて腫瘍壊死因子α(TNFα)及びインターロイキン-1ベータ(IL1B)生成に対する阻害効果をを生じた。漢方では、其れはβ-カリオフィレンとブレンドされ、炎症の治療薬として用いられる。
【0100】
他の例示的なテルペン及びテルペノイドはメントール、ユーカリプトール、ボルネオール、プレゴン、サビネン、テルピネオール、及びチモールを包含する。1つの実施形態では、例示的なテルペン/テルペノイドはユーカリプトールである。
【0101】
C.NSAID
NSAIDは、世界のペインマネジメント処置オプションの2番目に大きいカテゴリーである。ペインマネジメントのグローバル市場は2011年には$220億と概算され、此の市場の$54億はNSAIDに依って貢献された。米国はグローバル市場の二分の一超を成す。オピオイド市場(例えばモルヒネ)は最も大きい単一のペインマネジメントセクターを形成するが、深刻な依存及び耐性の問題に関連する事が公知である。
【0102】
一般的に、NSAIDは痛みの安全且つ有効な処置方法であるが、其れ等はディスペプシア及び胃出血を包含する幾つもの胃腸の問題に関連している。
【0103】
種々の適応症に於けるペインマネジメントアウトカムを提供する為に、本発明の組成物及び方法に依るNSAIDの送達は、縮小された負の胃腸効果で以て痛み緩和の有益な特性を提供し、より低い用量の活性成分をもまた送達するであろう。
【0104】
従って、他の態様では、本発明の組成物及び方法に於いて、親油性活性薬剤はNSAIDであり、特に、NSAIDはアセチルサリチル酸、イブプロフェン、アセトアミノフェン、ジクロフェナク、インドメタシン、及びピロキシカムから成る群から選択される。
【0105】
幾つかの態様では、NSAIDは、COX阻害剤、例えば選択的COX阻害剤、例えばCOX-2阻害剤、例えばセレコキシブ、デラコキシブ、バルデコキシブ、ロフェコキシブ、チルマコキシブ、又は他の類似の公知の化合物、取り分けセレコキシブであり、其の種々の公知の結晶形態及び其の種々の塩を包含する(例えば、結晶形態I、II、III、IV、及びN)。幾つかの態様では、活性薬剤は本発明に従う組成物に於いて選択的COX-2阻害剤であり、此れ等は:炎症、大腸ポリープ(何故なら、其れ等は前癌性大腸ポリープの物等の異常分裂細胞に対する効果を有するからである)、生理痛、スポーツ傷害、変形性関節炎、関節リウマチ、及び痛み、例えば急性痛を処置する事に取って、並びに消化性潰瘍化のリスクを縮減する事に取って有用である事が公知である。本発明の態様は活性成分の結晶又は非晶質形態での使用に取って好適である。
【0106】
1つの態様では、活性薬剤はセレコキシブであり、此れはCOX-1に対するよりも約7.6倍高い親和性をCOX-2に対して有する選択的COX-2阻害剤である。其れ故に、セレコキシブの抗炎症活性は、非選択的な非ステロイド性抗炎症活性成分について多くの場合に経験される胃腸副作用に依って稀にのみ付随される。
【0107】
D.ビタミン
ビタミン及びサプリメントのグローバル市場はユーロモニター(Euromonitor)に従うと$680億に相当する。カテゴリーは幅広く且つ深く、多くの有名な物質及び幾つかのより公知でない物質から成る。一般的に、ビタミンは米国に於いて$85億の年間市場であると思料される。米国は世界の最も大きい単一の国内市場であり、中国及び日本は2番目及び3番目に大きいビタミン市場である。
【0108】
4つの最も普通の脂溶性ビタミンは:ビタミンA(レチノール)、ビタミンD(カルシフェロール)、ビタミンE(トコフェロール)、及びビタミンK(フィロキノン及びメナキノン)である。
【0109】
ビタミンEは脂溶性であり、其れ等を酸化のダメージから保護し得る細胞膜中に組み込まれ得る。天然ソースのビタミンEのグローバルな消費は2013年には10,900メトリックトンであり、$6.119億に相当した。
【0110】
従って、他の態様では、本発明の組成物及び方法に於いて、親油性活性薬剤は脂溶性ビタミンであり、特に、脂溶性ビタミンはビタミンA、D、E、又はKである。
【0111】
E.ニコチン化合物
ニコチンは煙草葉の天然成分であり、此処で、其れは植物性の殺虫剤として作用する(フッカネン(Hukkanen)等著(2005年)ファーマコロジカル・レビューズ(Pharmacological Reviews)第57巻:p.79-115)。市販のシガレット煙草の合計のアルカロイド含量の約95%を含み、ニコチンは市販のシガレット煙草の重量で約1.5%を含む(フッカネン(Hukkanen)等著(2005年)ファーマコロジカル・レビューズ(Pharmacological Reviews)第57巻:p.79-115)。経口の嗅ぎ煙草及びパイプ煙草はシガレット煙草に類似のニコチンの濃度を含有するが、葉巻及び噛み煙草は典型的にはシガレット煙草のニコチン濃度の約半分のみを含有する(フッカネン(Hukkanen)等著(2005年)ファーマコロジカル・レビューズ(Pharmacological Reviews)第57巻:p.79-115)。平均的な煙草ロッドは、典型的には10から14mgのニコチンを含有し(フッカネン(Hukkanen)等著(2005年)ファーマコロジカル・レビューズ(Pharmacological Reviews)第57巻:p.79-115)、喫煙中には、平均で約1から1.5mgのニコチンが全身吸収される(フッカネン(Hukkanen)等著(2005年)ファーマコロジカル・レビューズ(Pharmacological Reviews)第57巻:p.79-115)。概ね、煙草中のニコチンは左旋性の(levorotary)(S)異性体であり、合計のニコチン含量の0.1から0.6%のみが(R)-ニコチンである(フッカネン(Hukkanen)等著(2005年)ファーマコロジカル・レビューズ(Pharmacological Reviews)第57巻:p.79-115)。煙草の煙の(R)-ニコチン含量はより高く、煙中のニコチンの最高で10%が(R)異性体であると報告されており、燃焼の間に生起するラセミ化に帰せられると考えられている(フッカネン(Hukkanen)等著(2005年)ファーマコロジカル・レビューズ(Pharmacological Reviews)第57巻:p.79-115)。
【0112】
世界的に消費される全てのニコチンの99%よりも多くは、シガレットを喫煙する事に依って送達される。アメリカ疾病管理予防センターに従うと、世界的に年当たり凡そ6,000,000件の死亡が主として喫煙の行為に依るニコチンの送達に帰せられる。此れは、成人喫煙者の為の直接的な医学的ケアコストに年当たり$1700億超が米国だけで費やされているともまた概算している。何れかの12ヶ月期間に於いて、米国成人喫煙者の69%は喫煙を止める事を欲し、米国成人喫煙者の43%は止める事を試みている。
【0113】
世界的には、小売のシガレットの売上は2013年には$7220億に相当し、5.7兆本超のシガレットが10億よりも多くの喫煙者に販売された。当分野に於いては、喫煙品並びに/又は(or or)無煙煙草製品に有用な煙草(並びに煙草組成物及び製剤)の性格並びに性質を変改する為の更なる方法を提供する事が望ましいであろう。活性薬剤のバイオアベイラビリティの向上、不快な味のマスキング、並びに追加の活性薬剤の組み込みを包含する。更に其の上、本発明の組成物及び方法に依って現行の需要を満足させる為のニコチンの送達は、シガレットの消費者需要を部分的に軽減し得る。ニコチン消費の有害な健康アウトカムの殆どは送達方法に関連し、ニコチンの実際の摂取にはより少ない度合いでのみ関連するので、シガレットを喫煙する事の縮減に依って、甚だしい正の公衆健康アウトカムが達成され得る。
【0114】
従って、他の態様では、本発明の組成物及び方法に於いて、親油性活性薬剤はニコチン化合物である。
【0115】
多くの場合には、本願に於いて用いられる「ニコチン化合物」又は「ニコチンのソース」は植物材料に結合していない天然に生起するか又は合成のニコチン化合物を言い、化合物が少なくとも部分的に精製されており、煙草葉等の植物構造中に含有されてはいないと言う事を意味する。最も好ましくは、ニコチンは天然に生起し、ニコチアナ種(例えば煙草)からのエキスとして得られる。ニコチンはエナンチオマー形態S(-)-ニコチン、R(+)-ニコチン、又はS(-)-ニコチン及びR(+)-ニコチンの混合物を有し得る。最も好ましくは、ニコチンはS(-)-ニコチンの形態(例えば、事実上全てS(-)-ニコチンである形態)、又は主として若しくは圧倒的にS(-)-ニコチンから構成されるラセミ混合物(例えば、約95重量部のS(-)-ニコチン及び約5重量部のR(+)-ニコチンから構成された混合物)である。最も好ましくは、ニコチンは事実上純粋な形態で又は本質的に純粋な形態で使用される。使用される高度に好ましいニコチンは、重量基準で、約95パーセントよりも多大な、より好ましくは約98パーセントよりも多大な、最も好ましくは約99パーセントよりも多大な純度を有する。ニコチンがニコチアナ種から抽出され得ると言う事実にも関わらず、ニコチン(並びに本発明に従って生ずる組成物及び製品)は煙草から得られるか又は誘導される他の構成要素を事実上又は本質的に不含であると言う事が高度に好ましい。
【0116】
ニコチン化合物は遊離塩基形態、塩形態の、錯体としての、又は溶媒和物としてのニコチンを包含し得る。例えば、ハンソン(Hansson)の米国特許公開第2004/0191322号に於ける遊離塩基形態のニコチンの議論を見よ。此れは参照に依って本願に組み込まれる。ニコチン化合物の少なくとも或る部分はニコチンの樹脂錯体の形態で使用され得、此処で、ニコチンはニコチンポラクリレックス等のイオン交換樹脂中に結合されている。例えば、リヒトネッカート(Lichtneckert)等の米国特許第3,901,248号を見よ。此れは参照に依って本願に組み込まれる。ニコチンの少なくとも或る部分は塩の形態で使用され得る。ニコチンの塩は、コックス(Cox)等の米国特許第2,033,909号及びローソン(Lawson)等の米国特許第4,830,028号並びにペルフェッティ(Perfetti)等著,バイトラーゲ・タバクフォルシュング・インターナショナル(Beitrage Tabakforschung International),第12巻:p.43-54(1983年)に記されている型の成分及び技術を用いて提供され得る。此れ等は参照に依って本願に組み込まれる。2010年4月28日出願のブリンクリー(Brinkley)等の米国特許出願シリアル番号12/769,335をもまた見よ。此れは参照に依って本願に組み込まれる。加えて、ニコチンの塩はファルツ・アンド・バウアー社(Pfaltz and Bauer, Inc.)及びK&Kラボラトリーズ社ICNバイオケミカルズ部門(K&K Laboratories, Division of ICN Biochemicals, Inc.)等のソースから利用可能である。
【0117】
例示的な医薬的に受け入れられるニコチン塩は、酒石酸(例えば、酒石酸ニコチン及び重酒石酸ニコチン)、塩化物(例えば、ニコチン塩酸塩及びニコチン二塩酸塩)、硫酸、過塩素酸、アスコルビン酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、アスパラギン酸、サリチル酸、トシル酸、琥珀酸、ピルビン酸、及び同類のニコチン塩;ニコチン塩水和物(例えば、ニコチン塩化亜鉛一水和物)及び同類を包含する。ニコチンとの塩を形成し得る追加の有機酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、酪酸、アルファ-メチル酪酸、イソ吉草酸、ベータ-メチル吉草酸、カプロン酸、2-フロ酸、フェニル酢酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、シュウ酸、マロン酸、及びグリコール酸、並びに最高で約20個の炭素原子の炭素鎖を有する他の脂肪酸を包含する。
【0118】
多くの実施形態では、ニコチン化合物は複数の形態で存在するであろう。例えば、ニコチンは、組成物中に於いて、少なくとも2つの塩の混合物(例えば、2つの異なる有機酸塩、例えば重酒石酸ニコチン及びレブリン酸ニコチンの混合物)として、組成物中に於いて分離されている少なくとも2つの塩として、遊離塩基形態及び塩形態で、組成物中に於いて分離されている遊離塩基形態及び塩形態で、塩形態及び錯化形態(例えば、ニコチンポラクリレックス等の樹脂錯体)で、組成物中に於いて分離されている塩形態(salt for)及び錯化形態で、遊離塩基形態及び錯化形態で、組成物中に於いて分離されている遊離塩基形態及び錯化形態、又は同類で使用され得る。依って、各単一用量単位又はピース(例えば、ガムのピース、ロゼンジ、サシェ、フィルムストリップ等)はニコチンの少なくとも2つの形態を組み込み得る。
【0119】
ニコチン化合物、特にニコチン等の化合物は、他の所謂煙草アルカロイド(即ち、煙草中に天然に生起する事が同定されているアルカロイド)との組み合わせでもまた使用され得る。例えば、本発明に従って使用されるニコチンは、ノルニコチン、アナタビン、アナバシン、及び同類、並びに其れ等の組み合わせとの組み合わせで使用され得る。例えば、ジェイコブ(Jacob)等著、アメリカン・ジャーナル・オブ・パブリックヘルス(American Journal of Public Health)、第5巻:p.731-736(1999年)を見よ。此れは参照に依って本願に組み込まれる。
【0120】
最も好ましくは、本発明の組成物は医薬的に有効な且つ医薬的に受け入れられる形態を持つ。詰まり、最も好ましくは、組成物は、ニコチン以外の煙草の構成要素の有意な量を、何れかのはっきりした度合い迄は組み込まないか又は故意には組み込まない。依って、医薬的に有効な且つ医薬的に受け入れられる組成物は、パーツ若しくはピースの煙草、加工された煙草構成要素、又は煙草含有シガレット、葉巻、パイプ、若しくは無煙形態の煙草製品中に従来存在する煙草構成要素の多くを包含しない。煙草から天然に生起するニコチンを抽出する事に依って誘導される高度に好ましい組成物は、組成物の合計重量に基づいて、5重量パーセントよりも少しのニコチン以外の煙草構成要素、より多くの場合には約0.5重量パーセントよりも少し、頻繁には約0.25重量パーセントよりも少しを包含し、典型的には、煙草の構成要素、加工された煙草構成要素、又はニコチン以外の煙草から誘導される構成要素を完全に不含であるか又は欠いている。
【0121】
幾つかの実施形態では、ニコチン化合物はニコチン及びニコチン誘導体から成る群から選択され、ニコチン誘導体はニコチン塩、ニコチン錯体、ニコチンポラクリレックス、又は其れ等の組み合わせを含む。
【0122】
煙草アルカロイドは、ニコチン及びニコチン様又は関連する薬理学的に活性な化合物、例えばノルニコチン、ロベリン、及び同類、並びに遊離塩基物質ニコチン、及び酸付加塩を包含するニコチンの全ての薬理学的に受け入れられる塩を包含する。因って、其の用語が本願に於いて用いられる通りの「ニコチン化合物」は、全ての前述の煙草アルカロイドと、酒石酸水素ニコチン及び重酒石酸ニコチン二水和物、並びにニコチン塩酸塩、ニコチン二塩酸塩、硫酸ニコチン、クエン酸ニコチン、ニコチン塩化亜鉛一水和物、サリチル酸ニコチン、ニコチン油、シクロデキストリンと錯化したニコチン、ポリマー樹脂、例えばニコチンポラクリレックス、ニコチンレジネート、並びに他のニコチン-イオン交換樹脂を包含するが此れ等に限定されないニコチン塩とを単独で又は組み合わせで包含する。
【0123】
ニコチン化合物はニコチンアナログをもまた包含し、此れ等は、(s)-ニコチン、ノルニコチン、(S)-コチニン、B-ニコチリン、(S)-ニコテン-N’-オキシド、アナバシン、アナタビン、ミオスミン、B-ノルニコチリン、4-(メチルアミノ)-1-(3-ピリジル)-1-ブテン(メタニコチン)シス又はトランス、N’-メチルアナバシン、N’メチルアナタビン、N’メチルミオスミン、4-(メチルアミノ)-1-(3-ピリジル)-1-ブタノン(シュードオキシニコチン)、及び2,3’-ビピリジルについて下で示されている構造を包含するが、此れ等に限定されない(フッカネン(Hukkanen)等著(2005年)ファーマコロジカル・レビューズ(Pharmacological Reviews)第57巻:p.79-115):
【化9】
【0124】
ニコチン化合物は重酒石酸ニコチン、シチシン、ニコチンポラクリレックス、ノルニコチン、ニコチン1-N-オキシド、メタニコチン、ニコチンイミン、ニコチンN-グルクロニド、N-メチルニコチニウム、N-n-デシルニコチニウム、5’-シアノニコチン、3,4-ジヒドロメタニコチン、N’-メチルニコチニウム、N-オクタノイルノルニコチン、2,3,3a,4,5,9b-ヘキサヒドロ-1-メチル-1H-ピロロ(3,2-h)イソキノリン、5-イソチオシアノニコチン、5-ヨードニコチン、5’-ヒドロキシコチニン-N-オキシド、ホモアザニコチン、ニコチンモノメチオジド、N-4-アジド-2-ニトロフェニルノルニコチン、N-メチルノルニコチニウム、ニコチニウムモリブドリン酸樹脂、N-メチル-N’-オキソニコチニウム、N’-プロピルノルニコチン、シュードオキシニコチン、4’-メチルニコチン、5-フルオロニコチン、K(s-nic)5(Ga2(N,N’-ビス-(2,3-ジヒドロキシベンゾイル)-1,4-フェニレンジアミン)3)、5-メトキシニコチン、1-ベンジル-4-フェニルニコチンアミジニウム、6-n-プロピルニコチン、SIB1663、6-ヒドロキシニコチン、N-メチル-ニコチン、6-(2-フェニルエチル)ニコチン、N’-ホルミルノルニコチン、N-n-オクチルニコチニウム、N-(n-オクタ-3-エニル)ニコチニウム、N-(n-デカ-9-エニル)ニコチニウム、5’-アセトキシ-N’-ニトロソノルニコチン、4-ヒドロキシニコチン、4-(ジメチルフェニルシリル)ニコチン、N’-カルボメトキシノルニコチン、及びN-メチルニコトンをもまた包含する。
【0125】
ニコチン化合物は、当分野に於いて周知の1つ以上の別々の物理形態で用いられ得、遊離塩基形態、カプセル化形態、イオン化形態、及び噴霧乾燥形態を包含する。
【0126】
ニコチンの化学、吸収、代謝、動態、及びバイオマーカーについての追加の記載はフッカネン(Hukkanen)等著(2005年)ファーマコロジカル・レビューズ(Pharmacological Reviews)第57巻:p.79-115及びベノウィッツ(Benowitz)等著(2009年)ハンドブック・オブ・エクスペリメンタル・ファーマコロジー(Handbook of Experimental Pharmacology)第192巻:p.29-60に記載されており、此れ等は両方とも其れ等の全体が本願に組み込まれる。
【0127】
組成物は、脳に存在するニコチン性受容体サブタイプに対する選択的なアゴニストとしてキャラクタリゼーションされるか、又はCNSのニコチン性受容体サブタイプを調節する化合物として別様にキャラクタリゼーションされ得る、ニコチン化合物をもまた包含する。種々のニコチン性受容体サブタイプがドウォスキン(Dwoskin)等著,エキスパートオピニオン・オン・セラピューティック・パテンツ(Expert Opinion on Therapeutic Patents),第10巻:p.1561-1581(2000年);ファン(Huang)等著,米国化学会誌(Journal of the American Chemical Society),第127巻:p.14401-14414(2006年);及びミラー(Millar)著,バイオケミカル・ファーマコロジー(Biochemical Pharmacology),第78巻:p.766-776(2009年)に記載されている;此れ等は参照に依って本願に組み込まれる。本発明の目的の為の他のニコチン化合物としてキャラクタリゼーションされ得る代表的な化合物は、シュミット(Schmitt)等著,アニュアルレポーツ・イン・メディシナルケミストリー(Annual Reports in Medicinal Chemistry)第35巻:p.41-51(2000年);及びアーネリック(Arneric)等著,バイオケミカル・ファーマコロジー(Biochemical Pharmacology),第74巻:p.1092-1101(2007年)に記されている;此れ等は参照に依って本願に組み込まれる。
【0128】
1つの態様では、ニコチン化合物はα7(アルファ7)ニコチン性受容体サブタイプに対する選択性を有する化合物であり得、好ましくはα7ニコチン性受容体サブタイプのアゴニストである。斯かるα7受容体サブタイプ選択性を有する幾つかの化合物が文献に報告されている。例えば、α7ニコチン性受容体サブタイプに対する選択性を有するとされている種々の化合物がマリシュ(Malysz)等著,アッセイ・アンド・ドラッグ・デベロップメント・テクノロジーズ(ASSAY and Drug Development Technologies),8月:p.374-390(2009年)に記されている。1つの斯かるニコチン化合物の例はN-[(2S,3S)-2-(ピリジン-3-イルメチル)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-1-ベンゾフラン-2-カルボキサミドである(TC-5619としてもまた公知)。例えば、ハウザー(Hauser)等著,バイオケミカル・ファーマコロジー(Biochemical Pharmacology),第78巻:p.803-812(2009年)を見よ。別の代表的な(representative is)化合物は(5aS,8S,10aR)-5a,6,9,10-テトラヒドロ,7H,11H-8,10a-メタノピリド[2’,3’:5,6]ピラノ[2,3-d]アゼピンである(ジアニクリン又はSSR591813若しくはSSR-591,813としてもまた公知)。例えば、ハヨス(Hajos)等著,ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・アンド・エクスペリメンタルセラピューティクス(Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics),第312巻:p.1213-1222(2005年)を見よ。別の代表的な化合物は1,4-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-4-カルボン酸,4-ブロモフェニルエステルである(SSR180711としてもまた公知)。例えば、バイトン(Biton)等著,ニューロサイコファーマコロジー(Meuropsychopharmacology),第32巻:p.1-16(2007年)を見よ。別の代表的な化合物は3-[(3E)-3-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチリデン]-5,6-ジヒドロ-4H-ピリジン-2-イル]ピリジンである(GTS-21としてもまた公知)。例えば、ゾルテヴィッチ(Zoltewicz)等の米国特許第5,516,802号及びケム(Kem)等の米国特許第5,741,802号を見よ。別の代表的な化合物は2-メチル-5-(6-フェニル-ピリダジン-3-イル)-オクタヒドロ-ピロロ[3,4-c]ピロールである(A-582941としてもまた公知)。例えば、トムセン(Thomsen)等著,ニューロサイエンス(Neuroscience),第154巻:p.741-753(2008年)を見よ。別の代表的な化合物は(5S)-スピロ[1,3-オキサゾリジン-5,8’-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタン]-2-オンである(AR-R-17779又はAR-R-17779としてもまた公知)。例えば、リ(Li)等著,ニューロサイコファーマコロジー(Neuropsychopharmacology),第33巻:p.2820-2830(2008年)を見よ。別の代表的な化合物はN-[(3R)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-4-クロロベンズアミドである(PNU-282,987としてもまた公知)。例えば、シオク(Siok)等著,ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス(European Journal of Neuroscience),第23巻:p.570-574(2006年)を見よ。別の代表的な化合物は5-モルホリン-4-イル-ペンタン酸(4-ピリジン-3-イル-フェニル)-アミドである(WAY-317,538又はSEN-12333としてもまた公知)。例えば、ロンカラティ(Roncarati)等著,ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・アンド・エクスペリメンタルセラピューティクス(Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics),第329巻:p.459-468(2009年)を見よ。尚他の例は、化合物は、エンビボファーマシューティカルズ社(Envivo Pharmaceuticals、Inc.)に依るEVP-6124及びEVP-4473、ターガセプト社(Targacept、Inc.)に依るTC-6987、並びにメモリーファーマシューティカルズ社(Memory Pharmaceuticals Corp)に依るMEM3454と呼称される物である。前述の引用されている参照は参照に依って本願に組み込まれる。
【0129】
1つの態様では、ニコチン化合物は、α4β2(アルファ4ベータ2)ニコチン性受容体サブタイプに対する選択性を有する化合物であり得、好ましくはα4β2ニコチン性受容体サブタイプのアゴニストである。斯かるα4β2受容体サブタイプ選択性を有する幾つかの化合物が文献に報告されている。1つの斯かるニコチン化合物の例は7,8,9,10-テトラヒドロ-6,10-メタノ-6H-ピラジノ(2,3-h)(3)ベンザゼピンとして公知である(また、バレニクリンとして、及びファイザー(Pfizer)に依って商品名シャンティックス(Chantix)又はシャンピックス(Champix)で市販用に上市されている製品の活性成分である酒石酸バレニクリンの形態で公知である)。例えば、ジョレンビー(Jorenby)等著,JAMA,第296巻:p.56-63(2006年)及びアーメド(Ahmed)等の米国特許公開第2010/0004451号を見よ。別の代表的な化合物は(2S,4E)-5-(5-イソプロポキシピリジン-3-イル)-N-メチルペンタ-4-エン-2-アミンである(イスプロニクリン(ispronicline)又はアストラゼネカ(AstraZeneca)のAZD-3480若しくはターガセプト社(Targacept、Inc.)(ウィンストン・セーラム,N.C.,米国)のTC-1734としてもまた公知)。例えば、ダンバー(Dunbar)等著、サイコファーマコロジー(Psychopharmacology)(ベルリン)、第191巻:p.919-929(2007年)を見よ。別の代表的な化合物は[3-(2(S))-アゼチジニルメトキシ)ピリジン]二塩酸塩である(A-85380としてもまた公知)。例えば、シュライバー(Schreiber)著,サイコファーマコロジー(Psychopharmacology),第159巻:p.248-257(2002年)を見よ。別の代表的な化合物は(5aS,8S,10aR)-5a,6,9,10-テトラヒドロ,7H,11H-8,10a-メタノピリド[2’,3’:5,6]ピラノ[2,3-d]アゼピンである(SSR591813としてもまた公知)。例えば、コーヘン(Cohen)等著,ニューロサイエンス(Neuroscience),発表番号811.5(2002年);及びコーヘン(Cohen)等著,ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・アンド・エクスペリメンタルセラピューティクス(Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics),第306巻:p.407-420(2003年)を見よ。別の代表的な化合物はA-969933として公知である。例えば、ズー(Zhu)等著、バイオケミカル・ファーマコロジー(Biochemical Pharmacology),第78巻:p.920(2009年)を見よ。他の代表的な化合物はS35836-1及びS35678-1として公知である。例えば、ロックハート(Lockhart)等著,ニューロサイエンス(Neuroscience),発表番号684.9(2002年)を見よ。尚他の例は、化合物は、アボットラボラトリーズ(Abbott Laboratories)に依る3-(5,6-ジクロロ-ピリジン-3-イル)-1S,5S-3,6-ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン(ソフィニクリン(Sofinicline)又はABT-894としてもまた公知);アストラゼネカ(AstraZeneca)に依るAZD1446、及びターガセプト社(Targacept、Inc.)に依るTC-6499と呼称される物である。前述の引用されている参照は参照に依って本願に組み込まれる。
【0130】
幾つかのケースでは、ニコチンは液体ニコチンであり得る。煙草から誘導されるか又は合成かに関わらず、液体ニコチンは市販のソースから購入され得る。煙草から誘導されるニコチンはニコチン以外の1つ以上の他の煙草の感覚刺激性構成要素を包含し得る。煙草から誘導されるニコチンは生の(例えば緑葉)煙草及び/又は加工された煙草から抽出され得る。加工された煙草は、発酵及び未発酵煙草、ダーク・エア・キュアード、ダーク・ファイヤー・キュアード、バーレー、フルー・キュアード、及び葉巻フィラー又はラッパー、並びに全葉除茎工程からの製品を包含し得る。また、煙草は米国公開第2004/0118422又は2005/0178398号に記載されている通り加熱、スウェッティング、及び/又は低温殺菌ステップに依ってコンディショニングされ得る。典型的には、発酵は高い初期水分含量、発熱、及び乾燥重量の10から20%の損失に依ってキャラクタリゼーションされる。例えば、米国特許第4,528,993;4,660,577;4,848,373;及び5,372,149号を見よ。ニコチン及び他の感覚刺激性構成要素を抽出する事に先行して煙草を加工する事に依って、煙草から誘導されるニコチンは気持ちが良い経験を提供する成分を包含し得る。煙草から誘導されるニコチンは、キュアードの煙草又はキュアードの発酵煙草を水又は別の溶媒(例えばエタノール)と混合する事、次に不溶性の煙草材料を取り除く事に依って得られ得る。煙草エキスは更に濃縮又は精製され得る。幾つかのケースでは、選ばれた煙草構成成分が取り除かれ得る。ニコチンは次の特許に記載されている方法に依ってもまた煙草から抽出され得る:米国特許第2,162,738;3,139,436;3,396,735;4,153,063;4,448,208;及び5,487,792号。
【0131】
液体ニコチンは純粋であり得るか、実質的に純粋であり得るか、又は其れを可溶性繊維と混合する事に先行して希釈され得る。可溶性繊維は常温に於いて水に溶解する。不溶性繊維は常温に於いて水に溶解しない。可溶性繊維は水を引き付け得、ゲルを形成する。多くの可溶性繊維は消費に取って安全であるのみならず、一部の可溶性繊維はダイエタリー・サプリメントとして用いられる。ダイエタリー・サプリメントとしては、可溶性繊維は消化を低速化及び胃の内容排出を遅延させ得る。然し乍ら、可溶性繊維を単なる添加物として用いる代わりに、本願に於いて提供されるニコチンロゼンジは可溶性繊維のマトリックスを包含し、此れは溶解して可溶性繊維マトリックス中に包含されるニコチン(及び任意に他の添加物)へのアクセスを提供し得る。
【0132】
液体ニコチンでは、希釈ステップは任意である。幾つかのケースでは、液体ニコチンを可溶性繊維と混合する事に先行して、液体ニコチンは1重量パーセント及び75重量パーセントの間の濃度に希釈される。幾つかのケースでは、液体ニコチンを可溶性繊維と混合する事に先行して、液体ニコチンは2重量パーセント及び50重量パーセントの間の濃度に希釈される。幾つかのケースでは、液体ニコチンを可溶性繊維と混合する事に先行して、液体ニコチンは5重量パーセント及び25重量パーセントの間の濃度に希釈される。例えば、液体ニコチンを可溶性繊維と混合する事に先行して、液体ニコチンは約10重量パーセントの濃度に希釈され得る。
【0133】
F.ホスホジエステラーゼ5型阻害剤
ホスホジエステラーゼ5型阻害剤(PDE5阻害剤)は、陰茎の海綿体に供給する血管を裏打ちする平滑筋細胞に於いて環状GMPに対するcGMP特異的ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)の分解作用をブロックする。バルデナフィル(レビトラ(登録商標))、シルデナフィル(バイアグラ(登録商標))、及びタダラフィル(シアリス(登録商標))を包含する此れ等の薬物は勃起不全の処置の為に経口投与され、状態について利用可能な初めての有効な経口処置であった。
【0134】
PDE5阻害剤は心血管疾患及び心臓病を包含する他の臨床使用についてもまた同様に研究されている。例えば、PDE5は肺の動脈壁平滑筋にもまた存在するので、PDE5阻害剤は肺高血圧症及び嚢胞性線維症等の肺疾患についてもまた検討されている。肺動脈圧の持続的上昇を特徴とする疾患の肺動脈性高血圧症は、心臓の右心室の不全の増大した発生率に至り、此れは翻って液に依って過負荷に成った肺の血管を齎し得る。2つの経口PDE5阻害剤シルデナフィル(レバチオ(登録商標))及びタダラフィル(アドシルカ(登録商標))が肺動脈性高血圧症の処置について認可されている。PDE5阻害剤は嚢胞性線維症疾患の動物モデルに於いてCFTR蛋白質異常のコレクター及びポテンシエーター両方としての活性を有する事が見い出されている(ルバンバ(Lubamba)等著,アメリカン・ジャーナル・オブ・レスピラトリー・アンド・クリティカルケア・メディシン(American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine)(2008年)第177巻:p.506-515、ルバンバ(Lubamba)等著,ジャーナル・オブ・システィックフィブローシス(Journal of Cystic Fibrosis)(2012年)第11巻:p.266-273)。シルデナフィルは嚢胞性線維症のあり得る抗炎症処置としてもまた研究されている。経口PDE5阻害剤は抗リモデリング特性を有する事及び後負荷変化から独立して心臓変力作用を改善する事もまた報告されており、良好な安全性プロファイルを有する(ジャンネッタ(Giannetta)等著,BMCメディシン(BMC Medicine)(2014年)第12巻:p.185)。然し乍ら、PDE5阻害剤の経口投与は、不良な且つ変動性のバイオアベイラビリティ、及び肝臓に於ける大規模な代謝をもまた齎す(サンドクヴィスト(Sandqvist)等著,ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・クリニカルファーマコロジー(European Journal of Clinical Pharmacology)(2013年)第69巻:p.197-207;メロトラ(Mehrotra)著,インターナショナル・ジャーナル・オブ・インポテンス・リサーチ(International Journal of Impotence Research)(2007年)第19巻:p.253-264)。経口ドーズが或る種のレベルを越えて増大させられる場合には、全身副作用の発生率が増大し、此れは此れ等の薬物の受け入れられる使用を妨げる(レビトラのEMEA科学的考察文書,2005年)。
【0135】
従って、他の態様では、本発明の組成物及び方法に於いて、PDE5阻害剤はアバナフィル、ロデナフィル、ミロデナフィル、シルデナフィル(又は其れ等のアナログ、例えば、アセチルデナフィル(actetildenafil)、ヒドロキシアセチルデナフィル、若しくはジメチル-シルデナフィル)、タダラフィル、バルデナフィル、ウデナフィル、アセチルデナフィル、又はチオメチソシルデナフィルを包含し得るが、此れ等に限定されない。此れ等の化合物の構造は夫々下に示されている:
【化10】
【化11】
【化12】
【0136】
G.マカエキス
レピジウム・メイエニ(マカ、マカマカ、マイノ、アヤクチチラ、及びアヤクウィルク)は2000年よりも多くに渡って栽培されたアブラナ科のペルビアン植物である。其の主な活性成分は、アルカロイド(マカリジン、レピジリンA及びB);ベンジルイソチオシアネート(bencil-isotiocyanate)及びグルコシノレート;マカミド、ベータエクジソン、及びフィトステロール(fitosterol)である。此れ等の物質はATP合成を活性化し、此れは活力化特性を授ける。其れ等はストレスに依って生ずるホメオスタシスの変動をもまた減ずる。何故なら、其れ等はコルチコステロンの高いレベルを縮減し;グルコース減縮とストレスを原因とする腎上体の重量の増大とを防止するからである。其れ等はホメオスタシスをもまた回復させ、エネルギーを改善する(ロペス-ファンド(Lopez-Fando)等著(2004年)フィトセラピー・リサーチ(Phytotherapy Research)第18巻:p.471-4)。異なるドーズのレピジウム・メイエニに依る実薬処置がプラセボと比較された二重盲検プラセボ対照ランダム化並行治験研究は、性欲の改善を示した(ゴンサレス(Gonzales)等著(2002年)アンドロロジア(Andrologia)第34巻:p.367-72)。レピジウム・メイエニは、LH、FSH、PRL、T、及びE2には関連しないメカニズムに依って精子産生及び精子運動性をもまた改善する(ゴンサレス(Gonzales)等著(2001年)アジアン・ジャーナル・オブ・アンドロロジー(Asian Journal of Andrology)第3巻:p.301-3)。
【0137】
H.ステロイドホルモン
幾つかの実施形態では、活性薬剤はホルモン及び性ホルモンを包含するステロイドである。用語「性ホルモン」は、脊椎動物アンドロゲン又はエストロゲン受容体と相互作用する天然又は合成ステロイドホルモン、例えばエストロゲン、アンチエストロゲン(又はSERM)、アンドロゲン、アンチアンドロゲン、プロゲスチン、及び其れ等の混合物を言う。
【0138】
例えば、本願に記載される組成物への使用に取って好適なステロイドホルモンは、数々の天然及び合成のステロイドホルモンを包含し、アンドロゲン、エストロゲン、及びプロジェスタージェン、並びに其れ等の誘導体、例えばデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、アンドロステンジオン、アンドロステンジオール、ジヒドロテストステロン、テストステロン、プロゲステロン、プロゲスチン、エストリオール、エストラジオールを包含する。他の好適なステロイドホルモンはグルココルチコイド、甲状腺ホルモン、カルシフェロール、プレグネノロン、アルドステロン、コルチゾール、及び其れ等の誘導体を包含する。取り分け、好適なステロイドホルモンは、エストロゲン性の、プロゲステロン性の、アンドロゲン性の、又はアナボリック性の効果を有する性ホルモン、例えばエストロゲン、エストラジオール、及び其れ等のエステル、例えば吉草酸エステル、安息香酸エステル、又はウンデシル酸エステル、エチニルエストラジオール等;プロゲストーゲン、例えば酢酸ノルエチステロン、レボノルゲストレル、クロルマジノン酢酸エステル、シプロテロン酢酸エステル、デソゲストレル、又はゲストデン等;アンドロゲン、例えばテストステロン及び其のエステル(プロピオン酸エステル、ウンデシル酸エステル等)等;アナボリック、例えばメタンドロステノロン、ナンドロロン、及び其のエステルを包含する。
【0139】
i.エストロゲン
エストロゲンは、組織及び骨の維持の為に重要であり且つ用いられる内在性の及び合成のホルモンの或る群を言う。エストロゲンは生殖系の発生及び維持に関わる細胞プロセスの内分泌制御因子である。生殖生物学、閉経後ホットフラッシュの防止、及び閉経後骨粗鬆症の防止に於けるエストロゲンの役割は良く確立されている。エストラジオールは主立った内在性のヒトエストロゲンであり、女性及び男性両方に見い出される。
【0140】
エストロゲン及びアンチエストロゲンの生物学的作用は2つの別々の細胞内受容体のエストロゲン受容体アルファ(ERα)及びエストロゲン受容体ベータ(ERβ)を介して現れる。内在性のエストロゲンは両方の受容体サブタイプの典型的に強力な活性化因子である。例えば、エストラジオールは乳部、骨、心血管、及び中枢神経系組織を包含する多くの組織に於いてERαアゴニストとして作用する。普通には、選択的なエストロゲン受容体調節薬は異なる組織に於いて異なって作用する。例えば、SERMは乳部に於いてはERαアンタゴニストであり得るが、子宮、骨、及び心血管系に於いては部分的ERαアゴニストであり得る。因って、エストロゲン受容体リガンドとして作用する化合物は種々の状態及び障害を処置する事に有用である。
【0141】
本願に於いて用いられる「エストロゲン」は、エストロゲン性のステロイド、例えばエストラジオール(17-β-エストラジオール)、安息香酸エストラジオール、17-β-シピオン酸エストラジオール、エストロピペート、エクイレニン、エクイリン、エストリオール、エストロン、エチニルエストラジオール、結合型エストロゲン、エステル化エストロゲン、フィトエストロゲン、半天然エストロゲン、例えばエストラジオール吉草酸エステル、合成エストロゲン、例えばエチニルエストラジオール、及び其れ等の混合物を包含する。
【0142】
幾つかの実施形態では、皮膚表面への局所投与の為の医薬組成物が提供され、水とエストロゲンから選択される少なくとも1つの治療上活性な薬剤とを含む。幾つかの実施形態では、本発明の組成物及び方法は更にアルコール及び脂肪酸エステルを含む。幾つかの実施形態では、皮膚表面への局所投与の為の医薬組成物が提供され、水とエストラジオールである少なくとも1つの治療上活性な薬剤とを含む。幾つかの実施形態では、本発明の組成物及び方法は更にアルコール及び脂肪酸エステルを含む。斯かる組成物の特定の実施形態に於いて、活性薬剤がエストラジオールである時に、組成物及び方法は更にプロゲステロン、プロピレングリコール、オレイン酸、オレイン酸エチル、エタノール、ヒドロキシプロピルセルロース、及び精製水の組み合わせを含まない。
【0143】
ii.アンチエストロゲン
此処で、アンチエストロゲンは選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)と言われる医薬的に活性な薬剤の或るクラスである。此れ等は、其れ等自体の何れかのエストロゲン性の活性を呈する事無しにエストラジオールの効果をブロックする事が出来る化合物であると一般的に理解された。然し乍ら、此処で、斯かる記載は不完全である事が公知である。用語SERMは、純粋なエストロゲンアゴニスト又はアンタゴニストとは対照的に、標的組織に主として依存するエストロゲンアゴニスト-アンタゴニスト活性の混合された且つ選択的なパターンを有する化合物を記載する為に新造された。此れ等の薬物の薬理学的なゴールは、此れ等の作用が有益である組織(例えば骨、脳、肝臓)に於いてエストロゲン性の作用を生ずる事と、エストロゲン性の作用(細胞増殖)が害であり得る乳部及び子宮内膜等の組織に於いて如何なる活性も有さないか又はアンタゴニスト活性を有するか何方かである事とである。
【0144】
具体的な実施形態では、アンチエストロゲン(SERM)はエンドキシフェン、ドロロキシフェン、クロミフェン、ラロキシフェン、タモキシフェン、4-OHタモキシフェン、トレミフェン、ダナゾール、及び其れ等の医薬的に受け入れられる塩から成る群から選択される。より特定の実施形態では、皮膚表面への局所投与の為の医薬組成物が提供され、水と、クロミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、エンドキシフェン、又は其れ等の医薬的に受け入れられる塩から成る群から選択されるアンチエストロゲン(SERM)から選択される少なくとも1つの治療上活性な薬剤と、アルコールと、脂肪酸エステルとを含む。
【0145】
特定の実施形態では、皮膚表面への局所投与の為の医薬組成物が提供され、水、アンチエストロゲン(SERM)から選択される少なくとも1つの治療上活性な薬剤を含む。幾つかの態様では、組成物は更にアルコール及び脂肪酸エステルを含む。
【0146】
iii.アンドロゲン
テストステロンは精巣に於いて形成される主なアンドロゲン性のホルモンである。テストステロン治療は現行では男性性腺機能低下の処置の為に指示される。其れは、AIDS及び癌に関連する消耗状態の処置、60の年齢を超える男性に於けるテストステロン補充、骨粗鬆症、女性及び男性の生殖能コントロールの為の組み合わせホルモン補充療法についてもまた検討中である。
【0147】
経口投与されたテストステロンは主として肝臓に於いて分解され、因ってホルモン補充の見込みあるオプションではない。何故なら、其れはテストステロンが全身循環に到達する事を許さないからである。更に、分解を縮減する様に改変されたテストステロンのアナログ(例えば、メチルテストステロン及びメタンドロステノロン)は肝臓酵素及び抱合型ビリルビンの上昇等の肝臓機能の異常に関連している。注射されたテストステロンはテストステロン濃度の広いピーク-トラフ変動を生ずる。此れ等はテストステロンの正常な揺動を模倣せず、血漿中の生理レベルの維持を困難にする。テストステロン注射は気分変動及び増大した血清脂質レベルにもまた関連する。注射は筋肉内送達の為には大きい針を要求し、此れは不快感を原因とする減じた患者コンプライアンスに至る。
【0148】
此れ等の問題を克服する為に、より患者に優しい様式で治療効果を達成する為の経皮送達アプローチが開発されている。例えば、米国特許第5,460,820号は50から500μg/日のテストステロンを女性に送達する為のテストステロン送達パッチを開示している。加えて、米国特許第5,152,997号は、皮膚透過促進剤を有するテストステロンの貯蔵器と、皮膚との拡散的な連通をした貯蔵器を維持する為の手段、例えば接着キャリアデバイス又は基底接着層とを含むデバイスを開示している。
【0149】
幾つかの実施形態では、アンドロゲンは、天然のアンドロゲン、テストステロン、及び其の半天然又は合成誘導体、例えばメチルテストステロン;テストステロンの生理的前駆体、例えばデヒドロエピアンドロステロン若しくはDHEA、若しくは代替的にはプラステロン及び其の誘導体、例えばDHEAサルフェート、Δ-4-アンドロステンジオン及び其の誘導体;テストステロン代謝物質、例えば5-α-レダクターゼの酵素作用後に得られるジヒドロテストステロン(DHT);又はアンドロゲン型の効果を有する物質、例えばチボロンから成る群から選択され得る。幾つかの態様では、組成物は更にアルコール及び脂肪酸エステルを含む。
【0150】
iv.アンチアンドロゲン
幾つかの実施形態では、アンチアンドロゲンは、ステロイド性化合物、例えば酢酸シプロテロン及びメドロキシプロゲステロン、又は非ステロイド性化合物、例えばフルタミド、ニルタミド、若しくはビカルタミドから成る群から選択される。幾つかの態様では、組成物は更にアルコール及び脂肪酸エステルを含む。
【0151】
v.プロゲスチン及びプロゲステロン
本願に於いて用いられる用語「プロゲステロン」はプロゲスチンファミリーの構成員を言い、21炭素ステロイドホルモンを含む。プロゲステロンはD4-プレグネン-3,20-ジオン;4-プレグネン-3,20-ジオン;又はプレグナ-4-エン-3,20-ジオンとしてもまた公知である。プロゲスチンは其の構造がプロゲステロンの物に関連している分子であり、合成的に派生し、プロゲステロンの生物活性を保持する。代表的な合成プロゲスチンは、17a-OHエステルを生ずる改変(即ち、17a-ヒドロキシプロゲステロンカプロン酸エステル)、並びに6a-メチル、6-Me、6-エン、及び6-クロロ置換基をプロゲステロン上に導入する改変(即ち、メドロキシプロゲステロン酢酸エステル、酢酸メゲストロール、及びクロルマジノン(chlomadinone)酢酸エステル)を包含するが、此れ等に限定されない。
【0152】
幾つかの実施形態では、本願に記載される組成物及び方法に用いられるプロゲスチン(単数又は複数)は、天然プロゲスチン、プロゲステロン又はエステル型の其の誘導体、及び1、2、又は3型の合成プロゲスチンから成る群から選択され得る。第1の群は、プロゲステロンに類似の分子、又は合成プロゲスチン1(SP1)(プレグナン)、例えばプロゲステロン異性体(レトロプロゲステロン)、メドロゲステロン、及びノルプロゲステロン誘導体(デメゲストン又はプロメゲストン)を含む。第2の群は、17α-ヒドロキシプロゲステロン誘導体、又は合成プロゲスチン2(SP2)(プレグナン)、例えば酢酸シプロテロン、及びメドロキシプロゲステロン酢酸エステルを含む。第3の群はノルステロイド又は合成プロゲスチン3(SP3)(エストラン又はノルアンドロスタン)を含む。此れ等は19-ノルテストステロン誘導体、例えばノルエチンドロンである。此の群はゴナン型の分子をもまた含み、此れ等は此れ等のノルアンドロスタン又はエストランから派生し、C18にメチル基及びC13にエチル基を有する。挙げられ得る例はノルゲスチメート、デソゲストレル(3-ケトデソゲストレル)、又はゲストデンを包含する。プロゲスチン及びアンドロゲン活性を両方とも有するチボロンもまた、本願に記載される組成物及び方法に於いて有利に選択され得る。幾つかの態様では、組成物は更にアルコール及び脂肪酸エステルを含む。斯かる組成物の幾つかの実施形態では、活性薬剤がプロゲステロンである時に、組成物は更にエストラジオール、プロピレングリコール、オレイン酸、オレイン酸エチル、エタノール、ヒドロキシプロピルセルロース、及び精製水の組み合わせを含まない。幾つかの実施形態では、治療上活性な薬剤は組成物及び方法に於いてプロゲスチン、エストロゲン、又は2つの組み合わせである。
【0153】
I.フェンタニル
フェンタニル(fentanyl)(フェンタニル(fentanil)としてもまた公知)は強力な合成麻薬性鎮痛薬であり、作用の急速な効果発現及び短い持続時間を有する。フェンタニルはμ-オピオイド受容体に於ける強いアゴニストである。フェンタニルはサブリメーズ(SUBLIMAZE)、アクティック(ACTIQ)、デュロゲシック(DUROGESIC)、デュラゲシック(DURAGESIC)、フェントラ(FENTORA)、オンソリス・インスタニル(ONSOLIS INSTANYL)、アブストラル、及び他の商品名で製造されている。歴史的に、フェンタニルは慢性の突出痛を処置する為に用いられており、処置前にベンゾジアゼピンとの組み合わせで麻酔薬として普通に用いられる。フェンタニルはモルヒネよりも凡そ100倍強力であり、100マイクログラムのフェンタニルは鎮痛活性が10mgのモルヒネ及び75mgのペチジン(メペリジン)と凡そ等価である。
【0154】
フェンタニルの好適なアナログは限定無しに次を包含する:超短時間作用性(5から10分)鎮痛薬のアルフェンタニル(商品名アルフェンタ(ALFENTA));特定の外科手術及び重度にオピオイド耐性の/オピオイド依存の患者に於ける外科手術への使用の為の強力な鎮痛薬のスフェンタニル(商品名サフェンタ(SUFENTA));現行では最も短時間作用性のオピオイドのレミフェンタニル(商品名アルティバ(ULTIVA))は長時間輸液の後であっても急速なオフセットと言う利益を有する;フェンタニルのアナログのカルフェンタニル(商品名ワイルドニル(WILDNIL))は、モルヒネの物の10,000倍の鎮痛力価を有し、象等の或る種の大型動物を保定する為に獣医学的業務に用いられる;並びにカルフェンタニルよりもやや多大な力価を有するフェンタニルのアナログのロフェンタニル。
【0155】
J.ブプレノルフィン
ブプレノルフィン(17-(シクロプロピルメチル)-α-(1,1-ジメチルエチル)-4,5-エポキシ-18,19-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-6-メトキシ-α-メチル-6,14-エテノモルフィナン-7-メタノール)は、エンドエチレンモルフィナン誘導体、且つμ-オピオイド受容体の部分的アゴニストであり、強い鎮痛効果を有する。ブプレノルフィンは部分合成オピエートであり、物質の此のクラスからの他の化合物と比べて此れの利点はより高い活性に在る。此れは、最終ステージの非常に悪い診断を有する癌又は腫瘍患者に於いて、1mg前後の毎日のドーズに依って、痛みからの解放が達成され得ると言う事を意味する。合成オピオイドフェンタニル及び其のアナログと比べて此の文脈に於けるブプレノルフィンの特徴は、ブプレノルフィンの嗜癖性ポテンシャルが此れ等の化合物の物よりも低いと言う事である。短所は、ブプレノルフィンの高分子量、詰まり467.64ダルトン故に、其の経皮吸収を成就する事が従来困難であると言う事である。
【0156】
K.スコポラミン
スコポラミンは所謂鎮吐薬(antiemitic)であり、其れは、例えば旅行中に生起するバランスの繰り返される受動的変化に起因する吐き気及び嘔吐を回避する為に好ましく用いられる。スコポラミンは次の化学構造に依って表される:
【化13】
【0157】
スコポラミンアナログもまた本発明の組成物及び方法に依って包摂される。言い回し「スコポラミンアナログ」は、一般的にスコポラミンと同じバックボーンを有するが、種々の部分が他の置換基又は部分に依って置換されているか又は取り替えられている化合物を包含すると言う事は理解される。本願に於いて開示される組成物及び方法に用いられ得るスコポラミンアナログの幾つかの例は、塩酸、臭化水素酸、沃化水素酸、硝酸、リン酸、硫酸、及び同類等の種々の酸に依るスコポラミンの塩を包含するが、此れ等に限定されない。1つの態様では、好適なスコポラミンアナログはスコポラミン臭化水素酸塩であり得る。
【0158】
スコポラミンアナログの追加の例は、スコポラミンのN-アルキル化アナログ、詰まり、第四級アンモニウム種を形成する、窒素原子に取り付けられたアルキル置換基を含有するアナログを包含するが、此れ等に限定されない。「アルキル」に依って、1から24炭素原子の分岐又は非分岐の飽和炭化水素基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシル、及び同類が意味される。アルキル基は置換又は無置換でもまたあり得る。
【0159】
斯かるN-アルキル化スコポラミンアナログの他の塩(例えば、医薬的に受け入れられる塩)もまた包含される。
【0160】
スコポラミンアナログの尚更なる例は、スコポラミンの非エポキシ化(un-epoxylated)アナログ、詰まりエポキシ基が取り除かれているアナログを包含するが、此れ等に限定されない。斯かるアナログの1つの例はアトロピンである。スコポラミンの様に、アトロピンは種々の塩及びN-アルキル化アナログを有する。此れ等のアトロピンアナログは言い回し「スコポラミンアナログ」に依って包含される事を意図される。因って、スコポラミンアナログの更なる例は種々の塩に依るアトロピンのアナログ(例えば、アトロピン臭化水素酸塩、アトロピン塩酸塩、及び同類)及びアトロピンのN-アルキル化アナログ(例えば、臭化メチルアトロピン)を包含するが、此れ等に限定されない。ホマトロピン並びに其の塩及びN-アルキル化アナログもまた包含される。
【0161】
其れ等の商業的なブランド名を包含する、開示される組成物及び方法に用いられ得る好適なスコポラミンアナログのリストは、アトロピン、アトロピン臭化水素酸塩、塩酸アトロピンオキシド、アトロピン硫酸塩、ベラドンナ、スコポラミン、スコポラミン臭化水素酸塩、臭化メチルスコポラミン、臭化ブチルスコポラミン、ホマトロピン、イプラトロピウム、チオトロピウム、硫酸ヒヨスチアミン、メトスコポラミン、臭化メトスコポラミン、ホマトロピン臭化水素酸塩、臭化メチルホマトロピン、ヒヨスチアミン、ヒヨスチアミン臭化水素酸塩、硫酸ヒヨスチアミン、臭化プロパンテリン、アニソトロピン、臭化メチルアニソトロピン、臭化メタンテリン、臭化エメプロニウム、クリンジニウム(clindinium)、臭化クリジニウム、ヒヨスチン、ブチルヒヨスチン臭化物、ヒヨスチン臭化水素酸塩、ヒヨスチンメトブロミド、ヒヨスチンメトナイトライト、ヒヨスチアミン、硫酸ヒヨスチアミン、ブスカピン、ブスコリシン(buscolysin)、ブスコパン、ブチル(butyi)スコポラミン、N-ブチルヒヨスチン臭化物、N-ブチルスコポラアンモニウム臭化物、臭化スコポラン、ブチルスコポラアンモニウム臭化物、N-ブチルスコポラアンモニウム塩化物、N-ブチルヒヨスチン臭化物、DD-234、ヒヨスチンメチオジド、ヒヨスチンメトブロミド、硝酸メチル(methyi)スコポラミン、メチルスコポラアンモニウムメチル硫酸塩、N-メチルサイン(methylscine)メチル硫酸塩、N-メチルスコポラミン臭化物、N-メチルスコポラミン沃化物、N-メチルスコポラミンメチルクロリド、N-メチルスコポラミンメチル硫酸塩、N-メチルスコポラミン硝酸塩、スコピル、ユーリックス(ulix)臭化物、N-メチルスコポラミン、N-メチルスコポラミンメトブロミド、塩化メチルスコポラミン、N-メチルサイン(methylscine)メチル硫酸塩、テマトロピウム(tematropium)メチル硫酸塩、及びN-イソプロピルアトロピンを包含するが、此れ等に限定されず、其れ等の塩及び誘導体を包含する。
【0162】
L.抗酸化剤
抗酸化剤は脂質酸化を阻害する化学物質である。幾つかの抗酸化剤(例えば、フェノール系化合物)は、フリーラジカルと複合体化して、更なる酸化を開始又は伝播させない安定な化合物を形成する事に依って、酸化反応のフリーラジカル連鎖を遮断する。他の抗酸化剤(例えば、酸化合物)は活性酸素種を捕捉する事に依って酸化プロセスを減速する。そして、尚他の抗酸化剤(例えばキレート剤)は酸化促進性の金属イオンと複合体化する事に依って酸化を減速する。
【0163】
何千もの異なる型の抗酸化剤が天然に存在する。ヒトの健康に最も重要な幾つかの抗酸化剤は、限定無しに、アスタキサンチン、酵素、例えばスーパーオキシドジスムターゼ(Superoxide Dismusase)、ビタミンA、C、及びE、ベータカロテン、セレン、リコペン、ルテイン、コエンザイムQ10、フィチン酸、フラボノイド、並びにポリフェノールを包含する。抗酸化剤は其れ等が水溶性(親水性)又は脂溶性(疎水性若しくは親油性)であるかどうかに基づくカテゴリーにもまた分離される。水溶性の抗酸化剤は細胞サイトゾル及び血液の血漿中の酸化剤と圧倒的に反応する傾向があるが、脂溶性の抗酸化剤は脂質過酸化から細胞膜を保護する傾向がある。
【0164】
種々の抗酸化剤組成物が油及び脂肪の安定化の為に開発されている;殆どは天然フェノール系化合物(例えば、トコフェロール)及び酸化合物(例えば、アスコルビン酸)の混合物である。此れ等の抗酸化剤組成物は脂質酸化を阻害するが、其れ等は決して合成フェノール系抗酸化剤と同じ程に有効ではない。最も有効な抗酸化剤の1つはエトキシキン(6-エトキシ-1,2-ジヒドロ-2,2,4-トリメチルキノリン。商標サントキン(SANTOQUIN)(登録商標)で販売される)であり、此れは抗酸化剤又は保存料として飼料サプリメント及び種々の他の適用に広く用いられる。
【0165】
幾つかの抗酸化剤は本発明の組成物及び方法への使用に取って好適である。抗酸化剤は、フリーラジカルをプロトン化し、其れに依って其れ等を不活性化する事に依って、酸化反応のフリーラジカル連鎖を遮断する化合物であり得る。抗酸化剤は活性酸素種を捕捉する化合物であり得る。代替的には、抗酸化剤は金属触媒をキレートする化合物であり得る。抗酸化剤は合成化合物、半合成化合物、又は天然の(若しくは天然由来の)化合物であり得る。
【0166】
幾つかの態様では、抗酸化剤は置換1,2-ジヒドロキノリンである。一般的には、本発明への使用に取って好適な置換1,2-ジヒドロキノリン化合物は米国特許出願公開第US20080019860号に記載されている式(I)に対応し、特に、此処で置換1,2-ジヒドロキノリンは6-エトキシ-1,2-ジヒドロ-2,2,4-トリメチルキノリン(普通にはエトキシキンとして公知であり、商標サントキン(SANTOQUIN)(登録商標)で販売される)であり、構造:
【化14】
を有する。
【0167】
他の態様では、抗酸化剤は、アスコルビン酸及び其の塩、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、アノキソマー、N-アセチルシステイン、イソチオシアン酸ベンジル、o-、m-、若しくはp-アミノ安息香酸(oはアントラニル酸であり、pはPABAである)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、コーヒー酸、カンタキサンチン、アルファカロテン、ベータカロテン、ベータカロテン(beta-caraotene)、ベータ-アポカロテン酸、カルノソール、カルバクロール、カテキン、没食子酸セチル、クロロゲン酸、クエン酸及び其の塩、チョウジエキス、コーヒー豆エキス、p-クマル酸、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン(DPPD)、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、没食子酸ドデシル、エデト酸、エラグ酸、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、エスクレチン、エスクリン、6-エトキシ-1,2-ジヒドロ-2,2,4-トリメチルキノリン、没食子酸エチル、エチルマルトール、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ユーカリエキス、オイゲノール、フェルラ酸、フラボノイド、フラボン(例えば、アピゲニン、クリシン、ルテオリン)、フラボノール(例えば、ダチセチン、ミリセチン、ダエンフェロ(daemfero))、フラバノン、フラキセチン、フマル酸、没食子酸、ゲンチアナエキス、グルコン酸、グリシン、グアヤク樹脂、ヘスペレチン、アルファ-ヒドロキシベンジルホスフィン酸、ヒドロキシ桂皮酸(hydroxycinammic acid)、ヒドロキシグルタル酸、ヒドロキノン、N-ヒドロキシ琥珀酸、ヒドロキシチロソール(hydroxytryrosol)、ヒドロキシ尿素、米糠(ice bran)エキス、乳酸及び其の塩、レシチン、クエン酸レシチン;R-アルファ-リポ酸、ルテイン、リコペン、リンゴ酸、マルトール、5-メトキシトリプタミン、没食子酸メチル、クエン酸モノグリセリド;クエン酸モノイソプロピル;モリン、ベータ-ナフトフラボン、ノルジヒドログアイアレチン酸(NDGA)、没食子酸オクチル、シュウ酸、クエン酸パルミチル、フェノチアジン、ホスファチジルコリン、リン酸、リン酸塩、フィチン酸、フィチルユビクロメノール(phytylubichromel)、ピメントエキス、没食子酸プロピル、ポリリン酸塩、ケルセチン、トランス-レスベラトロール、ローズマリーエキス、ロスマリン酸、セージエキス、セサモール、シリマリン、シナピン酸、琥珀酸、クエン酸ステアリル、シリング酸、酒石酸、チモール、トコフェロール(即ち、アルファ-、ベータ-、ガンマ-、及びデルタ-トコフェロール)、トコトリエノール(即ち、アルファ-、ベータ-、ガンマ-、及びデルタ-トコトリエノール)、チロソール、バニリン酸、2,6-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシメチルフェノール(即ち、イオノックス100)、2,4-(トリス-3’,5’-ビ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシベンジル)-メシチレン(即ち、イオノックス330)、2,4,5-トリヒドロキシブチロフェノン、ユビキノン、第三級ブチルヒドロキノン(TBHQ)、チオジプロピオン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、トリプタミン、チラミン、尿酸、ビタミンK及び誘導体(derivates)、ビタミンQ10、小麦胚芽油、ゼアキサンチン、又は其れ等の組み合わせを包含するが、此れ等に限定されない。
【0168】
更なる例示的な抗酸化剤は、合成フェノール系化合物、例えば第三級ブチルヒドロキノン(TBHQ);没食子酸誘導体、例えば没食子酸n-プロピル;ビタミンC誘導体、例えばパルミチン酸アスコルビル;レシチン;及びビタミンE化合物、例えばアルファ-トコフェロールを包含する。
【0169】
M.バイオアベイラビリティ向上剤
バイオアベイラビリティは、活性部分(薬物又は代謝物質)が全身循環に入り、其れに依って作用部位にアクセスする程度及び速度を言う。所与の製剤のバイオアベイラビリティは、全身循環中へと吸収される経口投与されたドーズの相対的分画の概算を提供する。不良に水溶性の低速で吸収される薬物の経口剤形では、低いバイオアベイラビリティが最も普通である。胃腸管に於ける不十分な吸収時間は低いバイオアベイラビリティの普通の原因である。薬物が容易に溶解しないか又は上皮膜から浸透し得ない場合には(例えば、其れが高度にイオン化されている及び極性である場合には)、吸収部位に於ける時間が不十分であり得る。経口投与された薬物は腸壁、其れから肝臓への門脈循環を通過しなければならず、此れ等の両方は初回通過代謝(薬物が全身循環に到達する前に生起する代謝)の普通の部位である。其れ故に、多くの薬物は充分な血漿中濃度が到達される前に代謝され得る。
【0170】
通常は、バイオアベイラビリティは血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC)を決定する事に依って評価される。AUCは全身循環に到達する未変化の薬物の合計量に直接的に比例する。血漿中薬物濃度は吸収の程度と共に増大する;最大(ピーク)血漿中濃度は、薬物消失速度が吸収速度に等しい時に到達される。ピーク時間は吸収速度の最も広く用いられる一般的な指標である;吸収がより低速であれば、ピーク時間はより遅い。
【0171】
一部の薬物、特に生物薬剤学分類系に於いてクラスII薬物であるカンナビノイド等の薬剤のバイオアベイラビリティは、食品と同時投与される時に増大する(ケレプ(Kelepu)等著(2013年)アクタ・ファーマシューティカ・シニカ(Acta Pharmaceutica Sinica)B第3巻:p.361-372;アミドン(Amidon)等著(1995年)ファーマシューティカル・リサーチ(Pharmaceutical Research)第12巻:p.413-420;シャーマン(Charman)等著(1997年)ジャーナル・オブ・ファーマシューティカル・サイエンシズ(Journal of Pharmaceutical Sciences)第86巻:p.269-282;ウィンスタンリー(Winstanley)等著(1989年)ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・クリニカルファーマコロジー(British Journal of Clinical Pharmacology)第28巻:p.621-628)。親油性の薬物の吸収に於いて鍵の役割を演じ、且つ向上した経口バイオアベイラビリティに至るのは、食品の脂質構成要素である(ハント(Hunt)及びノックス(Knox)著(1968年)ジャーナル・オブ・フィジオロジー(Journal of Physiology)第194巻:p.327-336;ケレプ(Kelepu)等著(2013年)アクタ・ファーマシューティカ・シニカ(Acta Pharmaceutica Sinica)B第3巻:p.361-372)。此れは、高脂肪食が胆道及び膵臓分泌を刺激し、代謝及び排出活性を減少させ、腸壁透過性を増大させる能力に、並びに胃腸管(GIT)滞留時間の遷延及びリンパ系に依る輸送に帰せられている(ワグネラ(Wagnera)等著(2001年)アドバンスト・ドラッグ・デリバリー・レビューズ(Advanced Drug Delivery Reviews)第50巻:p.S13-31;ケレプ(Kelepu)等著(2013年)アクタ・ファーマシューティカ・シニカ(Acta Pharmaceutica Sinica)B第3巻:p.361-372)。高脂肪食はトリグリセリドに富むリポ蛋白質をもまた上昇させる。此れ等は薬物分子と会合し、腸リンパ輸送を向上させ、此れは薬物消長の変化に至り、不良に可溶性の薬物の薬理作用の動態を変化させる(ゲルシコヴィチ(Gershkovich)等著(2007年)ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ファーマシューティカル・サイエンシズ(European Journal of Pharmaceutical Sciences)第32巻:p.24-32;ケレプ(Kelepu)等著(2013年)アクタ・ファーマシューティカ・シニカ(Acta Pharmaceutica Sinica)B第3巻:p.361-372)。然し乍ら、親油性の薬物との食品の同時投与は斯かる薬物を投薬する時に食品摂取の緊密なコントロール及び/又はモニタリングを要求し、患者コンプライアンスの問題をもまた被り得る(ケレプ(Kelepu)等著(2013年)アクタ・ファーマシューティカ・シニカ(Acta Pharmaceutica Sinica)B第3巻:p.361-372)。
【0172】
幾つかの態様では、本発明の組成物及び方法に於いて、バイオアベイラビリティ向上剤は中及び/又は長鎖脂肪酸を含む可食油又は脂肪である。可食油は、本願に於いては、正常な生理条件下でインビボの膵臓リパーゼの存在下に於いて脱エステル化又は加水分解を遂げる事が出来る油として定義される。具体的には、消化可能な油は低分子量(最高でC6)一、二、又は多価アルコールとの中鎖(C7~C13)又は長鎖(C14~C22)脂肪酸の完全なグリセロールトリエステルであり得る。中及び長鎖脂肪酸はオレイン酸、ウンデカン酸、吉草酸、ヘプタン酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、及びエイコサペンタエン酸を含み得る。
【0173】
其れ故に、本発明への使用の為の可食油(消化可能な油ともまた言われる)の幾つかの例は:野菜、ナッツ、又は種子油(例えば、ココナッツ油、ピーナッツ油、大豆油、紅花種子油、コーン油、オリーブ油、ヒマシ油、綿実油、アラキス油、向日葵種子油、ココナッツ油、パーム油、菜種油、月見草油、葡萄種子油、小麦胚芽油、胡麻油、アボカド油、アーモンド、ボラージ、ペパーミント、及びアンズ核油)、及び動物油(例えば魚肝油、鮫油、及びミンクオイル)を包含する。
【0174】
更なる態様では、バイオアベイラビリティ向上剤はオメガ-6脂肪酸を実質的に不含である。
【0175】
他の態様では、対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティは、バイオアベイラビリティ向上剤の不在下の対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも約1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、5.5倍、6倍、6.5倍、7倍、7.5倍、8倍、8.5倍、9倍、9.5倍、10倍多大、10.5倍多大、11倍多大、11.5倍多大、12倍多大、12.5倍多大、13倍多大、13.5倍多大、14倍多大、14.5倍多大、15倍多大、15.5倍多大、16倍多大、16.5倍多大、17倍多大、17.5倍多大、18倍多大、18.5倍多大、19倍多大、19.5倍多大、又は20倍多大である。
【0176】
更なる態様では、対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティは、20%よりも多大、又は少なくとも約21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、若しくはより多大である。
【0177】
親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティを測定する為のアッセイ及び方法は当分野に於いて周知である(例えば、ロッチ(Rocci)及びジャスコ(Jusko)著(1983年)コンピュータプログラムズ・イン・バイオメディシン(Computer Programs in Biomedicine)第16巻:p.203-215;シャーゲル(Shargel)及びユー(Yu)著(1999年)「応用バイオ医薬学及び薬物動態学(Applied biopharmaceutics & pharmacokinetics)」(第4版).ニューヨーク:マグローヒル(McGraw-Hill);フー(Hu)及びリー(Li)著(2011年)「経口バイオアベイラビリティ:基本原理、最新概念、及び適用(Oral Bioavailability: Basic Principles, Advanced Concepts, and Applications)」,ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・リミテッド(John Wiley & Sons Ltd.);カーシュナー(Karschner)等著(2011年)クリニカル・ケミストリー(Clinical Chemistry)第57巻:p.66-75;オールソン(Ohlsson)等著(1980年)クリニカルファーマコロジー・アンド・セラピューティクス(Clinical Pharmacology & Therapeutics)第28巻:p.409-416;オールソン(Ohlsson)等著(1982年)バイオメディカル&エンバイロメンタル・マススペクトロメトリー(Biomedical & Environmental Mass Spectrometry)第9巻:p.6-10;オールソン(Ohlsson)等著(1986年)バイオメディカル&エンバイロメンタル・マススペクトロメトリー(Biomedical & Environmental Mass Spectrometry)第13巻:p.77-83;カーシュナー(Karschner)等著(2010年)アナリティカル・アンド・バイオアナリティカルケミストリー(Analytical and Bioanalytical Chemistry)第397巻:p.603-611を見よ)。
【0178】
N.用量及び濃度
本発明の活性薬剤は広い用量範囲に渡って有効である。例えば、成人のヒトを処置する際に、本発明の組成物及び方法は0.01mgから1,000mg、0.5mgから500mg、1mgから100mg、5mgから50mg、及び10mgから25mgの親油性活性薬剤の用量を含む。代替的には、成人のヒトを処置する際に、本発明の組成物及び方法は0.01mg、0.05mg、0.1mg、0.25mg、0.5mg、0.75mg、1mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、600mg、650mg、700mg、750mg、800mg、850mg、900mg、950mg、又は1,000mgと言う親油性活性薬剤の用量を含む。
【0179】
他の態様では、親油性活性薬剤の濃度は、本発明の組成物及び方法に於いて、5ppmから約1000ppmの範囲であり得る。他の実施形態では、濃度は約50から約500ppmの範囲であり得る。尚追加の実施形態では、濃度は約50から約200ppm、特に約100ppmの範囲であり得る。
【0180】
他の態様では、親油性活性薬剤の濃度は、本発明の組成物及び方法に於いて、活性薬剤の重量パーセントとしてもまた表現され得る。1つの実施形態では、親油性活性薬剤の量は約0.0001重量%から約20重量%の範囲であり得る。別の実施形態では、量は約(about of)1重量%から約15重量%の範囲であり得る。尚別の実施形態では、量は3.75重量%から約10重量%の範囲であり得る。別の実施形態では、量は約1重量%から約99重量%、約10重量%から約80重量%、より典型的には約20重量%から約60重量%の範囲であり得る。別の実施形態では、量は約5重量%、約5重量%よりも少し、約4重量%よりも少し、約3重量%よりも少し、約2重量%よりも少し、又は約1重量%よりも少しであり得る。別の実施形態では、量は、約5%よりも多大、約10%よりも多大、約15%よりも多大、約20%よりも多大、約25%よりも多大、約30%よりも多大、約35%よりも多大、約40%よりも多大、約50%よりも多大、約55%よりも多大、約60%よりも多大、約65%よりも多大、約70%よりも多大、又は約75%よりも多大であり得る。
【0181】
他の態様では、親油性活性薬剤の濃度は親油性活性薬剤の合計数に依存して変わるであろう。例えば、1つよりも多くの親油性活性薬剤を含む本発明の組成物及び方法に於いて、各親油性活性物質の濃度は約100ppmから約400ppm(又は約3.75重量%から約30重量%)の範囲であり得、親油性活性薬剤の合計濃度は約50ppmから約2000ppmの範囲である。
【0182】
本発明の組成物は本明細書に於いて記載される何れかの成分(例えば、親油性活性薬剤、担体等)又は其れ等の何れかの組み合わせを包含し得ると言う事が企図される。組成物中の何れかの成分の濃度は変わり得る。限定しない実施形態では、例えば、組成物は、其れ等の最終形態に於いて、例えば、少なくとも約0.0001%、0.0002%、0.0003%、0.0004%、0.0005%、0.0006%、0.0007%、0.0008%、0.0009%、0.0010%、0.0011%、0.0012%、0.0013%、0.0014%、0.0015%、0.0016%、0.0017%、0.0018%、0.0019%、0.0020%、0.0021%、0.0022%、0.0023%、0.0024%、0.0025%、0.0026%、0.0027%、0.0028%、0.0029%、0.0030%、0.0031%、0.0032%、0.0033%、0.0034%、0.0035%、0.0036%、0.0037%、0.0038%、0.0039%、0.0040%、0.0041%、0.0042%、0.0043%、0.0044%、0.0045%、0.0046%、0.0047%、0.0048%、0.0049%、0.0050%、0.0051%、0.0052%、0.0053%、0.0054%、0.0055%、0.0056%、0.0057%、0.0058%、0.0059%、0.0060%、0.0061%、0.0062%、0.0063%、0.0064%、0.0065%、0.0066%、0.0067%、0.0068%、0.0069%、0.0070%、0.0071%、0.0072%、0.0073%、0.0074%、0.0075%、0.0076%、0.0077%、0.0078%、0.0079%、0.0080%、0.0081%、0.0082%、0.0083%、0.0084%、0.0085%、0.0086%、0.0087%、0.0088%、0.0089%、0.0090%、0.0091%、0.0092%、0.0093%、0.0094%、0.0095%、0.0096%、0.0097%、0.0098%、0.0099%、0.0100%、0.0200%、0.0250%、0.0275%、0.0300%、0.0325%、0.0350%、0.0375%、0.0400%、0.0425%、0.0450%、0.0475%、0.0500%、0.0525%、0.0550%、0.0575%、0.0600%、0.0625%、0.0650%、0.0675%、0.0700%、0.0725%、0.0750%、0.0775%、0.0800%、0.0825%、0.0850%、0.0875%、0.0900%、0.0925%、0.0950%、0.0975%、0.1000%、0.1250%、0.1500%、0.1750%、0.2000%、0.2250%、0.2500%、0.2750%、0.3000%、0.3250%、0.3500%、0.3750%、0.4000%、0.4250%、0.4500%、0.4750%、0.5000%、0.5250%、0.0550%、0.5750%、0.6000%、0.6250%、0.6500%、0.6750%、0.7000%、0.7250%、0.7500%、0.7750%、0.8000%、0.8250%、0.8500%、0.8750%、0.9000%、0.9250%、0.9500%、0.9750%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3.0%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.6%、3.7%、3.8%、3.9%、4.0%、4.1%、4.2%、4.3%、4.4%、4.5%、4.6%、4.7%、4.8%、4.9%、5.0%、5.1%、5.2%、5.3%、5.4%、5.5%、5.6%、5.7%、5.8%、5.9%、6.0%、6.1%、6.2%、6.3%、6.4%、6.5%、6.6%、6.7%、6.8%、6.9%、7.0%、7.1%、7.2%、7.3%、7.4%、7.5%、7.6%、7.7%、7.8%、7.9%、8.0%、8.1%、8.2%、8.3%、8.4%、8.5%、8.6%、8.7%、8.8%、8.9%、9.0%、9.1%、9.2%、9.3%、9.4%、9.5%、9.6%、9.7%、9.8%、9.9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%、又は其の中の派生し得る何れかの範囲の、明細書及び請求項に於いて挙げられる成分の少なくとも1つを含むか、其れから本質的に成るか、又は其れから成り得る。限定しない態様では、パーセンテージは合計の組成物の重量又は体積に依って計算され得る。当業者は、濃度が所与の組成物中の成分の追加、置換、及び/又は除去に依存して変わり得ると言う事を理解するであろう。
【0183】
O.フレーバー剤
幾つかの態様では、本発明の組成物及び方法に於いて、フレーバー剤は、バニラ、バニリン、エチルバニリン、オレンジ油、ペパーミント油、苺、ラズベリー、及び其れ等の混合物から成る群から選択される。
【0184】
P.凍結乾燥
フリーズドライとしてもまた公知の凍結乾燥は、其れが凍結された後に水が組成物から昇華させられるプロセスである。其れから、凍結された溶液は典型的には一次乾燥ステップに付され、此れに於いては温度が真空下で乾燥チャンバーに依って次第に上げられて水の殆どを取り除き、其れから、典型的には一次乾燥ステップに於いて使用されるよりも高い温度に於ける二次乾燥ステップに付されて、凍結乾燥された組成物中の残留水分を取り除く。其れから、凍結乾燥された組成物は適当に密封され、後々の使用の為に保存される。タン(Tang)等著(2004年)ファーマシューティカル・リサーチ(Pharmaceutical Research)第21巻:p.191-200はフリーズドライに該当する科学的原理と好適なフリーズドライプロセスを設計する為のガイドラインとを記載している。フリーズドライの更なる記載はレミントン(Remington)著(2006年)「薬学の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)」,第21版,リッピンコット・ウィリアムズ・アンド・ウィルキンス(Lippincott Williams & Wilkins),pp.828-831に見い出される。
【0185】
II.組成物
A.医薬組成物
更なる態様では、本発明の方法に於いて投与される親油性活性薬剤は経口投与の為に例えば医薬組成物として製剤される。幾つかの態様では、経口投与の為に製剤される医薬組成物は錠剤、ピル、カプセル、液体、ゲル、シロップ、又はスラリーとして製剤される。
【0186】
薬剤は、例えば、当業者に公知である通り、時間制御型の又は持続的な低放出形態で送達され得る。製剤及び投与の為の技術は、「レミントン:薬学の科学と実践(Remington: The Science and Practice of Pharmacy)」(第20版)リッピンコット・ウィリアムズ・アンド・ウィルキンス(Lippincott, Williams & Wilkins)(2000年)に見い出され得る。好適な経路は、経口、バッカル、吸入スプレーに依る、舌下、直腸、経皮、膣内、経粘膜、鼻又は腸投与;筋肉内、皮下、骨髄内注射、及び髄腔内、直接心室内、静脈内、関節内、胸骨内、滑膜内、肝臓内、病変内、頭蓋内、腹腔内、鼻腔内、若しくは眼内注射を包含する非経口送達、又は他の送達モードを包含し得る。特定の実施形態では、医薬組成物は経口投与の為に製剤される。
【0187】
活性薬剤は、当分野に於いて周知の医薬的に受け入れられる担体を用いて、経口投与に取って好適な用量へと容易に製剤され得る。斯かる担体は、本開示の化合物が処置されるべき対象(例えば患者)に依る経口摂取の為の錠剤、ピル、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液、及び同類として製剤される事を可能にする。
【0188】
活性成分に加えて、此れ等の医薬組成物は、医薬的に用いられ得る調製物への活性化合物の加工を容易化する賦形剤及び助剤を含む、好適な医薬的に受け入れられる担体を含有し得る。経口投与の為に製剤される調製物は錠剤、糖衣錠、カプセル、又は溶液の形態であり得る。
【0189】
経口使用の為の医薬調製物は、活性化合物を固体賦形剤と組み合わせる事と、齎される混合物を任意に摩砕する事と、望まれる場合には好適な助剤を追加した後に、顆粒の混合物を加工して、錠剤又は糖衣錠コアを得る事とに依って得られ得る。好適な賦形剤は、特に、フィラー、例えばラクトース、スクロース、マンニトール、又はソルビトールを包含する糖;セルロース調製物、例えばトウモロコシ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、ジャガイモ澱粉、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)ナトリウム、及び/又はポリビニルピロリドン(PVP:ポビドン)である。所望の場合には、崩壊剤、例えば架橋ポリビニルピロリドン、寒天、又はアルギン酸若しくは其の塩、例えばアルギン酸ナトリウムが追加され得る。
【0190】
糖衣錠コアは好適なコーティングを備える。此の目的の為には、濃縮糖溶液が用いられ得る。此れ等は、任意に、アラビアガム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール(PEG)、及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液、並びに好適な有機溶媒又は溶媒混合物を含有し得る。同定の為に、又は活性化合物ドーズの異なる組み合わせの特徴とする為に、染料又は顔料が錠剤又は糖衣錠コーティングに追加され得る。
【0191】
経口的に用いられ得る医薬調製物は、ゼラチンから作られたプッシュフィットカプセル、並びにゼラチン及びグリセロール又はソルビトール等の可塑剤から作られた密封されたソフトカプセルを包含する。プッシュフィットカプセルは、ラクトース等のフィラー、澱粉等の結合剤、及び/又はタルク又はステアリン酸マグネシウム等の滑剤、並びに任意に安定剤との添加混合物として、活性成分を含有し得る。ソフトカプセルでは、活性化合物は脂肪油、液体パラフィン、又は液体ポリエチレングリコール(PEG)等の好適な液体中に溶解又は懸濁され得る。加えて、安定剤が追加され得る。幾つかの実施形態では、医薬組成物は経口投与の為に製剤され得る。
【0192】
本発明の組成物の追加の構成要素は当業者に依って理解され、一般的には「レミントン:薬学の科学と実践(Remington, The Science and Practice of Pharmacy)」,ジェンナーロ(Gennaro)A.編,p.681-699,第20版,リッピンコット(Lippincott),2000年に見い出され得る。
【0193】
B.キット及び容器
明細書及び請求項に於いて開示される組成物の何れか1つを包含するキットもまた企図される。或る種の実施形態では、組成物は容器中に含まれる。容器はボトル、ディスペンサー、又はパッケージであり得る。容器は所定量の組成物を吐出し得る。或る種の態様では、組成物はスプレー、半液体塊、又は液体として吐出される。容器は其の表面上に標示を包含し得る。標示は単語、略語、画像、又は記号であり得る。
【0194】
III.一般的な定義
薬物の薬物動態プロファイルは普通は次のパラメータに依って記述される:最大血漿中濃度(Cmax)、最大濃度迄の時間(Tmax)、半減期(T1/2)、及び曲線下面積(AUC)である。換言すると、本願に於いて用いられるAUCは時間に対する(即ち、1つの時間から別の物迄測定される)親油性活性薬剤の濃度(典型的には血漿中濃度)のグラフの曲線下面積である。「Cmax」は最大濃度の点に於ける血漿中の親油性活性薬剤の測定された濃度として定義される。「Tmax」はCmaxに到達する時間として定義される。「T1/2」はCmaxが半分降下する時間として定義される。
【0195】
此れ等のパラメータは幾らかの程度迄相互依存的であり、薬物溶解、吸収、分布、代謝、及び/又は消失との食品の相互作用のアウトカムに依って様々な度合いで影響される。例えば、或る種の薬物では、Cmaxは溶解及び吸収の速度に依って殆ど影響され得るが、Tmaxは溶解及び分布に依って殆ど影響され得る。同じ薬物では、T1/2は代謝及び消失に依って殆ど影響され得、AUCは多かれ少なかれ全てのプロセスに依って影響され得る。
【0196】
殆どのケースでは、溶解及び吸収の変化は、恐らくT1/2に対して以外は、全てのパラメータに対して有意なインパクトを有するであろう。此れは、其れに依って此れ等の2つのプロセスがコントロールされ且つ食品摂取とは独立にされ得る製剤系が、薬物のより確実な且つより安全な投与を提供するであろう事を含意している。適応症に依存して、治療効果に最も緊密に繋がっている薬物動態パラメータはAUC、Cmax、Tmax、又は其れ等の組み合わせ何方かである。
【0197】
本願に於いて用いられる「食事効果を縮減する事」は、親油性活性薬剤の投与に先行して非空腹又は空腹であった対象間に於けるAUC、Cmax、Tmax、又は其れ等の組み合わせの約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約15%、約20%、約25%、又はより多くよりも少しの差異として定義される。特に、本願に於いて用いられる「食事効果を縮減する事」は、親油性活性薬剤の投与に先行して非空腹又は空腹であった対象間に於けるほぼ等しいAUC、Cmax、及び/又はTmaxを言い得、事実、非空腹条件に於ける改善されたAUC、Cmax、及び/又はTmax性能を言い得る。
【0198】
本開示の方法に依って処置される本願に於いて用いられる用語「対象」は、其れ等の多くの態様に於いて望ましくはヒト対象であるが、本願に記載される方法が全ての脊椎動物種について有効であり、此れ等は用語「対象」に包含される事が意図されると言う事は理解される筈である。従って、「対象」は、医学的目的の為の、例えば既存の疾患、障害、状態の診断若しくは処置、又は疾患、障害、若しくは状態の開始を防止する為の予防的な診断若しくは処置の為のヒト対象、或いは医学的、獣医学的目的、又は開発目的の為の動物対象を包含し得る。好適な動物対象は哺乳動物を包含し、霊長類、例えばヒト、サル、類人猿、テナガザル、チンパンジー、オランウータン、マカク、及び同類;ウシ科、例えば畜牛、雄牛、及び同類;羊類、例えばヒツジ及び同類;山羊類、例えばヤギ及び同類;ブタ、例えば子豚、雄豚、及び同類;ウマ科、例えば馬、ロバ、シマウマ、及び同類;ワイルドキャット及び飼い猫を包含するネコ科;犬を包含するイヌ科;ウサギ、ノウサギ、及び同類を包含するウサギ目;並びにマウス、ラット、モルモット、及び同類を包含する齧歯類を包含するが、此れ等に限定されない。動物はトランスジェニック動物であり得る。幾つかの態様では、対象はヒトであり、胎児、新生児、幼児、少年、及び成人の対象を包含するが、此れ等に限定されない。更に、「対象」は、疾患、障害、又は状態に罹患しているか又は罹患している事を疑われる患者を包含し得る。其れ故に、用語「対象」及び「患者」は本願に於いては交換可能に用いられる。対象は動物疾患モデルをもまた包含する(例えば、実験に用いられるラット又はマウス、及び同類)。
【0199】
治療薬剤の「治療上有効量」の様な用語「有効量」は、所望の生物学的応答を誘起する為に必要な薬剤の量を言う。当業者に依って了解されるであろう通り、薬剤の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、送達されるべき薬剤、医薬組成物の組成、標的組織又は細胞、及び同類等の因子に依存して変わり得る。より具体的には、用語「有効量」は、所望の効果を生ずる為に、例えば、疾患、障害、若しくは状態又は其れ等の1つ以上の症状の重症度、継続期間、進行、又は開始を縮減又は改善するか;疾患、障害、又は状態の進行を防止するか、疾患、障害、又は状態の後退を引き起こすか;疾患、障害、又は状態に関連する症状の再発、発達、開始、又は進行を防止するか、或いは別の治療の予防又は治療効果(単数又は複数)を向上させるか又は改善する為に十分な量を言う。
【0200】
本開示の組成物中の活性成分の実際の用量レベルは、特定の対象、組成物、投与経路、及び疾患、障害、又は状態について、対象に取って毒性である事なしに、所望の治療応答を達成する為に有効である活性成分の量を得る様に変えられ得る。選択される用量レベルは、使用される特定の組成物の活性、投与経路、投与時間、使用される特定の組成物の排泄速度、処置の継続期間、使用される特定の組成物との組み合わせで用いられる他の薬物及び/又は材料、処置されようとする患者の年齢、性別、体重、状態、一般的な健康、及び先行する医学的既往、並びに医学分野に於いて周知の同類の因子を包含する、種々の因子に依存するであろう。
【0201】
当分野の普通の技能を有する医師は、要求される本開示の組成物の有効量を容易に決定及び処方し得る。従って、本願の他所により詳しく記載される通り、投与の用量範囲は医師に依って必要に応じて調整され得る。
【0202】
本明細書に於いて挙げられている全ての公開、特許出願、特許、及び他の参照は、本開示の主題が該当する分野の業者の水準を指示する。全ての公開、特許出願、特許、及び他の参照は、各個々の公開、特許出願、特許、及び他の参照が参照に依って組み込まれる事を具体的に且つ個々に指示される場合と同じ程度迄、参照に依って本願に組み込まれる。幾つもの特許出願、特許、及び他の参照が本願に於いて参照されているが、斯かる参照は此れ等の文書の何れかが当分野の普通の一般的知識の一部を形成すると言う承認には当たらない事は理解されるであろう。
【0203】
前述の主題は理解の明瞭性の目的の為に例解及び例として幾らか詳細に記載されたが、或る種の変更及び改変が添付の請求項の範囲内で実施され得ると言う事は当業者に依って理解されるであろう。
【実施例】
【0204】
例1
背景
デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)テクノロジーを用いて作られたカンナビスを含ませたチョコレート製品製剤とデハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)テクノロジーなしで作られた濃度をマッチしたコントロール製剤との間に於いて効果発現スピード性能を比較する事を一次的な目標として、消費者研究に着手した。本願に於いて用いられるデハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)を組み込んだ組成物は、治療上有効量の親油性活性薬剤と長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油とを含む脱水された混合物を組み込んだ組成物であり、特に、脱水された混合物は:
i)治療上有効量の親油性活性薬剤を長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油と組み合わせるステップと;
ii)ステップ(i)の生成物を脱水し、其れに依って、脱水された混合物を生ずるステップと、
に依って得られ得る。
【0205】
方法論
サンフランシスコ,CAの専門研究施設に於いて第三者の契約研究サービスプロバイダーの管理下に於いて、3つの観察セッションを執り行った。最小で30人の参加を達成する為に、40人の(40)回答者をリクルートした。同じ回答者が全ての研究日に渡って可能な程度迄参加する様に、研究は縦断パネルとして設計した。此処では、合計で3研究日があった。
【0206】
此れは盲検研究であった;試験(デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標))及びコントロール製品のアイデンティティーは回答者には開示せず、研究コーディネーターにも開示しなかった。回答者には其れ等の参加に報奨金を支払った。
【0207】
次の基準に基づいて回答者をリクルートした:
・カリフォルニアの医療大麻の有効/合法ライセンスを有する;
・年齢21から64;
・定期的に可食カンナビス製品を用い、10mgの用量を消費して快適である;
・糖尿病、乳糖不耐症、又はチョコレートに関連するアレルギーを有さない
・モバイルデバイスを有する;且つ
・言語明瞭である。
【0208】
回答者には参加する為には此れ等のプロトコールを遵守する様にもまた指導した:
・各セッションに先行して24時間はカンナビス又は他の精神作用性の薬剤を用いない;
・第1日-セッションに先行して真夜中後は空腹;且つ
・第2及び3日-朝食を食べ、製品に30分先行してグルテン不含のチョコレートチップクッキーを消費する。
【0209】
2つの製品を試験した。1つは「緑色」として同定し、1つは「青色」として同定した。回答者は製品に依って平等に2群に分割した;各群は別室に集めた。各回答者が試験した製品はセッションに依って交互にした(例えば、第1日に緑色を試験した者は、其れから第2日に青色を試験し、第3日に再び緑色に切り替えた)。
【0210】
各セッションの終わりに記入されたオンライン調査に依って、製品フィードバックを集めた。セッション中の具体的な経験時間をリアルタイムで追跡する為に用いたハンドアウトに依って補助した。製品試験はセッション当たり回答者当たり同じバージョンの2つのチョコレートから成った。研究日当たり10mgと言う合計の個々のドーズの為に、各チョコレートは5mgのテロラヒドロカンナビノール(THC)を有した。
【0211】
緑色の製品はデハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)テクノロジーに依る試験バージョンであった。青色の製品はデハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)テクノロジーなしのコントロールバージョンであった。
【0212】
セッションは次の通り設計した:
1.回答者はチェックインし、アイデンティティー、医療大麻カード、主な資格を確認し、インフォームドコンセント同意書に署名した;
2.回答者はキックオフの為に9am(太平洋現地時間)に指定されたセッション室に進み、製品を9:30amに摂取した;
3.回答者はセッション中には体系的なハンドアウトを用いて主な時間要素を追跡した-研究コーディネーターは回答者が時間を正確に追跡する様に大体15分毎に通知した;
4.回答者は製品経験中はセッションに留まり、下に記載される通り11am(太平洋現地時間)に始まるスナック、昼食、及び軽食を受け取った;且つ
5.製品経験が終わったら、回答者はオンラインで出口調査に記入し、チェックアウトした。
【0213】
次の表はセッション当たりの回答者構成及び処置の概観を提供する。
【表4】
【0214】
結果
回答者は彼等が製品を消費した時間及び彼れ等が製品の効果を感じ始めた時間を記録した。効果スタート時間を消費時間から引く事に依って、効果発現性能を計算した。
【0215】
合計で39人の回答者があり、此れ等は緑色(デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標))試験製品及び青色(コントロール)製品両方を研究の別々の少なくとも2日に試食した。此れ等の内、回答者がデハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)製剤をコントロール製剤よりも高速作用性としてレーティングした22の事例があった(56%)。更に其の上、デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)製剤がコントロールを凌いだ事例の内、其れは次の通りライトvs.ミディアムvs.ヘビーユーザーでより著しかったメジアンの性能改善に依って其れをした:
ライトユーザー:50%高速
ミディアムユーザー:28%高速
ヘビーユーザー:26%高速
デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)試験及びコントロール製品が第2日及び第3日に於いて直接的に比較された29のケースでは(食品あり)、59%が、デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)バージョンがコントロールバージョンよりも高速な効果発現性能を有すると言う事を指示した(
図1)。
【0216】
製品性能をカンナビス利用レベルに依って更に観察した。ヘビーユーザーはカンナビスを毎月10回よりも多く用いる事を報告する;非ヘビーユーザーはカンナビスを毎月10回以下用いる事を報告する。全ての回答者の丁度半分超(52%)はヘビーユーザーとして分類された。
【0217】
デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)試験及びコントロール製品が第2及び3日に於いて直接的に比較された29のケースの内(食品あり)、ヘビーユーザーの53%に対して、非ヘビーユーザーの67%が、デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)バージョンがより高速な効果発現性能を有すると言う事を指示した(
図1)。
【0218】
研究以外の可食効果発現性能についての典型的な経験を回答者に尋ね、産業界に於いて公知の広いばらつきを支持した。一般的には、カンナビス可食物を取った後に効果を感じる為には、メジアンの結果は39分であった。45分と言うメジアンに依るヘビーユーザーのより低速の効果発現と比較して、非ヘビーユーザーは30分と言うメジアンに依るより高速な効果発現スピードを指示した(
図2)。
【0219】
THCの消化及び吸収プロセスを原因として、一般的には、空腹に於いて可食物を食べる事は効果をより迅速且つより厳しくする。回答者がコントロールを第1日(空腹)及び第3日(非空腹)に試食し、デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)バージョンよりも高速な効果発現時間をコントロールバージョンに依って経験した10の事例の内、此れ等の事例の70%が最も高速なコントロールバージョンの性能を空腹後に指示した様に、此れはコントロールバージョンで観察された。然し乍ら、デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)バージョンは食品に依ってよりインパクトを及ぼされない様に見えた;此処では、回答者がデハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)バージョンを第1日(空腹)及び第3日(非空腹)に試食し、コントロールバージョンよりも高速な効果発現時間をデハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)バージョンに依って経験した12の観察の内、より高速な効果発現スピードは食品あり及びなしの物の間で大分平等に58/42分割されていた(
図3)。
【0220】
考察
上に記載されている通り、研究結果は、コントロール製剤と比較して、デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)製剤がケースの大多数に於いてより高速で作用すると言う事を指示した。然し乍ら、効果発現スピード性能の時間は回答者間で変わった。此れに基づいて、一般的には、此の報告の目的の為の評価は対象間の製品型レベルよりも寧ろ対象内の回答者レベルで為された。
【0221】
此の研究は、一般的に、デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)製剤の効果がヘビーユーザーよりも非ヘビーユーザーに於いて著しいと言う事をもまた指示した。非ヘビーユーザーは、総体的には此処で研究された比較的低い5mgのTHC用量レベルに対して、特にデハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)テクノロジーの効果に対してより感受性である様に見える。此の知見は、腸の生体内吸収を向上する際のデハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)テクノロジーの想定される作用モードを示唆した。此れに依ると、デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)の加工方法論に依って目当ての親油性活性物質(此のケースではTHC)と会合している長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸は、従来のTHC可食物が依拠すると思料される胆汁複合体化とは独立した肝臓取り込み及びバイオトランスフォーメイションよりは、寧ろ胆汁相互作用及びリンパ取り込みを介して腸の生体内吸収を刺激し得る。此れに基づくと、初期には、デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)テクノロジーは肝臓バイオトランスフォーメイションなしにデルタ-9THCのより高速だがより著しくない効果を刺激し得るが、従来のTHC可食物は代わりに11-OH-THCのより低速だがより著しい効果を齎す。従って、ヘビーユーザーは斯かる5mgの「低ドーズ」製品の効果に対してより敏感であり得なく、更に、デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)テクノロジーのより穏やかな初期効果を見過ごし得る;此処では、彼等は従来の可食物では普通である11-OH-THCのより著しい効果により慣れてい得る。
【0222】
此の研究は、対象が試験品の投薬に先行して食事を消費し且つ軽いスナックをもまた摂取する事を許した後の性能の知見と比較して、空腹後の性能の知見を評価する機会をもまた提供した。一般的に言って、空腹対非空腹の研究前条件は摂取された薬剤の生体内吸収にインパクトを及ぼす。此れは、上で提供されている分析の可成りが研究の第2及び第3日(非空腹条件)にフォーカスしている理由である。此処では、此の研究は研究の第1日(空腹条件)から蓄積され得るよりも多くのデータを集めた。当然の事乍ら、上に記載されている通り、第2日に試食されたデハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)製剤と比較して、コントロール製剤が第1日及び第3日に試食されたケースの70%に於いて、空腹の研究前条件はコントロール製剤のより高速な効果発現スピードを齎した。然し乍ら、第2日に試食されたコントロール製剤と比較して、デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)製剤が第1日及び第3日に試食された事例では、回答者が研究に先行して夫々非空腹又は空腹であったかどうかに関わらず、ほぼ等しい割合で(即ち58/42)、デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)製剤はコントロールよりも高速で作用したと言う事を観察する事は興味深かった。此の知見は、加えて、上に記載されている通り腸の生体内吸収を向上する際のデハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)テクノロジーの想定される作用モードに関し得る。此れに依ると、デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)プロセスを欠く従来の製剤と比較して、デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)製剤に依る非空腹条件に於けるTHC有効性の効果発現は、選好的に其れに依る胆汁の放出の刺激と翻って吸収の誘導とを原因として、腸内の食物の存在に依って遅延させられるよりも寧ろ実際に向上し得る。実に、此の研究からの知見は、一般的にカンナビス可食物では非従来的なアウトカムとして、デハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)製剤がコントロール製剤よりも高速で作用する事例が、非空腹の研究前条件後にややより明白であると言う事を指示する様に見えたが、人が予期するであろう通り、コントロール製剤がデハイドラテック(DEHYDRATECH)(商標)製剤よりも高速で作用した事例は空腹の研究前条件後に最も著しかった。
(付記1)
(a)食品製品を親油性活性薬剤及びバイオアベイラビリティ向上剤を含む油と接触させるステップと;
(b)食品製品を脱水するステップと;
其れに依って、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤食品製品を生ずる事;
を含み、
縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤食品製品が治療上有効量の親油性活性薬剤を含み、更に、バイオアベイラビリティ向上剤が長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油を含み;更に:
(i)親油性活性薬剤がカンナビノイド、テルペン及びテルペノイド、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、ビタミン、ニコチン、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害剤、マカエキス、ホルモン、フェンタニル、ブプレノルフィン、スコポラミン、及び抗酸化剤から成る群から選択され;
(ii)食品製品が茶葉、コーヒー豆、ココアパウダー、肉、魚、果物、野菜、乳製品、豆、パスタ、パン、穀類、種子、ナッツ、香辛料、及びハーブから成る群から選択される、
親油性活性薬剤を含ませた食品製品の食事効果を縮減する為のプロセス。
(付記2)
ステップ(b)が食品製品を澱粉と接触させる事を更に含む、付記1に記載のプロセス。
(付記3)
澱粉が、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ジャガイモ澱粉、ゼラチン、デキストリン、シクロデキストリン、酸化澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテル、架橋澱粉、アルファ澱粉、オクテニルコハク酸エステル、及び酸、熱、又は酵素に依って澱粉を処置する事に依って得られる加工澱粉から成る群から選択される、付記2に記載のプロセス。
(付記4)
対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティが、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油の不在下の対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも2倍多大である、付記1~3の何れか1項に記載のプロセス。
(付記5)
対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティが、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油の不在下の対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも5倍多大である、付記1~3の何れか1項に記載のプロセス。
(付記6)
対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティが、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油の不在下の対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも10倍多大である、付記1~3の何れか1項に記載のプロセス。
(付記7)
長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油がオメガ-6脂肪酸を実質的に不含である、付記1~6の何れか1項に記載のプロセス。
(付記8)
付記1~7に記載のプロセスの何れか1つに従って親油性活性薬剤を含ませた茶葉、コーヒー豆、又はココアパウダーを作る事を含み;更に、親油性活性薬剤を含ませた茶葉、コーヒー豆、又はココアパウダーを液体に浸け、其れに依って、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含ませた飲料品製品を生ずるステップを含む、親油性活性薬剤を含ませた飲料品製品の食事効果を縮減する為のプロセス。
(付記9)
縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含ませた食品製品を対象に投与する事を含み、
縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含ませた食品製品が:
(a)食品製品を親油性活性薬剤及びバイオアベイラビリティ向上剤を含む油と接触させるステップと;
(b)食品製品を脱水するステップと;
其れに依って、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤食品製品を生ずる事;
に依って生じ、
縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤食品製品が治療上有効量の親油性活性薬剤を含み;バイオアベイラビリティ向上剤が長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油を含み;更に:
(i)親油性活性薬剤がカンナビノイド、テルペン及びテルペノイド、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、ビタミン、ニコチン、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害剤、マカエキス、ホルモン、フェンタニル、ブプレノルフィン、スコポラミン、及び抗酸化剤から成る群から選択され;
(ii)食品製品が茶葉、コーヒー豆、ココアパウダー、肉、魚、果物、野菜、乳製品、豆、パスタ、パン、穀類、種子、ナッツ、香辛料、及びハーブから成る群から選択される、
対象への親油性活性薬剤の投与の際の食事効果を縮減する方法。
(付記10)
ステップ(b)が食品製品を澱粉と接触させる事を更に含む、付記9に記載の方法。
(付記11)
澱粉が、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ジャガイモ澱粉、ゼラチン、デキストリン、シクロデキストリン、酸化澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテル、架橋澱粉、アルファ澱粉、オクテニルコハク酸エステル、及び酸、熱、又は酵素に依って澱粉を処置する事に依って得られる加工澱粉から成る群から選択される、付記10に記載の方法。
(付記12)
対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティが、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油の不在下の対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも2倍多大である、付記9~11の何れか1項に記載の方法。
(付記13)
対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティが、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油の不在下の対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも5倍多大である、付記9~11の何れか1項に記載の方法。
(付記14)
対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティが、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油の不在下の対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも10倍多大である、付記9~11の何れか1項に記載の方法。
(付記15)
長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油がオメガ-6脂肪酸を実質的に不含である、付記9~14の何れか1項に記載の方法。
(付記16)
縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含ませた飲料品製品を対象に投与する事を含み、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含ませた飲料品製品が、付記9~15に記載のプロセスの何れか1つに従って親油性活性薬剤を含ませた茶葉、コーヒー豆、又はココアパウダーを作るステップと;更に、親油性活性薬剤を含ませた茶葉、コーヒー豆、又はココアパウダーを液体に浸け、其れに依って、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含ませた飲料品製品を生ずるステップを含む事とに依って生ずる、対象への親油性活性薬剤の投与の際の食事効果を縮減する方法。
(付記17)
(a)乳化剤を親油性活性薬剤及びバイオアベイラビリティ向上剤を含む油と接触させ、其れに依って、乳化剤、親油性活性薬剤を含む油、及びバイオアベイラビリティ向上剤を含む混合物を生ずるステップと;
(b)混合物を脱水し、其れに依って、乳化剤、親油性活性薬剤を含む油、及びバイオアベイラビリティ向上剤を含む脱水された混合物を生ずるステップと;
(c)脱水された混合物をレディ・トゥ・ドリンク飲料品組成物と組み合わせ、其れに依って、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含むレディ・トゥ・ドリンク飲料品組成物を生ずるステップと;
に依って得られ得:
(i)バイオアベイラビリティ向上剤が長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油を含み;
(ii)親油性活性薬剤を含むレディ・トゥ・ドリンク飲料品組成物が治療上有効量の親油性活性薬剤を含み;
(iii)親油性活性薬剤が、カンナビノイド、テルペン及びテルペノイド、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、ビタミン、ニコチン、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害剤、マカエキス、ホルモン、フェンタニル、ブプレノルフィン、スコポラミン、及び抗酸化剤から成る群から選択される、
親油性活性薬剤を含むレディ・トゥ・ドリンク飲料品組成物の食事効果を縮減する為のプロセス。
(付記18)
乳化剤が、イヌリン、アラビアガム、加工澱粉、ペクチン、キサンタンガム、ガティガム、トラガカントガム、フェヌグリークガム、メスキートガム、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリド、スクロースモノエステル、ソルビタンエステル、ポリエトキシル化グリセロール、ステアリン酸、パルミチン酸、モノグリセリド、ジグリセリド、プロピレングリコールエステル、レシチン、ラクチル化モノ及びジグリセリド、プロピレングリコールモノエステル、ポリグリセロールエステル、モノ及びジグリセリドのジアセチル化酒石酸エステル、モノグリセリドのクエン酸エステル、ステアロイル-2-ラクチレート、ポリソルベート、スクシニル化モノグリセリド、アセチル化モノグリセリド、エトキシル化モノグリセリド、キラヤ、ホエイプロテインアイソレート、カゼイン、ソイプロテイン、ベジタブルプロテイン、プルラン、アルギン酸ナトリウム、グアーガム、ローカストビーンガム、トラガカントガム、タマリンドガム、カラギーナン、ファーセララン、ゲランガム、サイリウム、カードラン、コンニャクマンナン、寒天、及びセルロース誘導体、並びに其れ等の組み合わせから成る群から選択される、付記17に記載のプロセス。
(付記19)
ステップ(b)が食品製品を澱粉と接触させる事を更に含む、付記17又は付記18に記載のプロセス。
(付記20)
澱粉が、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ジャガイモ澱粉、ゼラチン、デキストリン、シクロデキストリン、酸化澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテル、架橋澱粉、アルファ澱粉、オクテニルコハク酸エステル、及び酸、熱、又は酵素に依って澱粉を処置する事に依って得られる加工澱粉から成る群から選択される、付記19に記載のプロセス。
(付記21)
対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティが、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油の不在下の対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも2倍多大である、付記17~20の何れか1項に記載のプロセス。
(付記22)
対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティが、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油の不在下の対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも5倍多大である、付記17~20の何れか1項に記載のプロセス。
(付記23)
対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティが、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油の不在下の対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも10倍多大である、付記17~20の何れか1項に記載のプロセス。
(付記24)
長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油がオメガ-6脂肪酸を実質的に不含である、付記17~23の何れか1項に記載のプロセス。
(付記25)
縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含むレディ・トゥ・ドリンク飲料品組成物を対象に投与する事を含み、
縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含むレディ・トゥ・ドリンク飲料品組成物が:
(a)乳化剤を親油性活性薬剤及びバイオアベイラビリティ向上剤を含む油と接触させ、其れに依って、乳化剤、親油性活性薬剤を含む油、及びバイオアベイラビリティ向上剤を含む混合物を生ずるステップと;
(b)混合物を脱水し、其れに依って、乳化剤、親油性活性薬剤を含む油、及びバイオアベイラビリティ向上剤を含む脱水された混合物を生ずるステップと;
(c)脱水された混合物をレディ・トゥ・ドリンク飲料品組成物と組み合わせ、其れに依って、縮減された食事効果を有する親油性活性薬剤を含むレディ・トゥ・ドリンク飲料品組成物を生ずるステップと;
に依って生じ:
(i)バイオアベイラビリティ向上剤が長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油を含み;
(ii)親油性活性薬剤を含むレディ・トゥ・ドリンク飲料品組成物が、治療上有効量の親油性活性薬剤を含み;
(iii)親油性活性薬剤が、カンナビノイド、テルペン及びテルペノイド、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、ビタミン、ニコチン、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害剤、マカエキス、ホルモン、フェンタニル、ブプレノルフィン、スコポラミン、及び抗酸化剤から成る群から選択される、
対象への親油性活性薬剤の投与の際の食事効果を縮減する方法。
(付記26)
乳化剤が、イヌリン、アラビアガム、加工澱粉、ペクチン、キサンタンガム、ガティガム、トラガカントガム、フェヌグリークガム、メスキートガム、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリド、スクロースモノエステル、ソルビタンエステル、ポリエトキシル化グリセロール、ステアリン酸、パルミチン酸、モノグリセリド、ジグリセリド、プロピレングリコールエステル、レシチン、ラクチル化モノ及びジグリセリド、プロピレングリコールモノエステル、ポリグリセロールエステル、モノ及びジグリセリドのジアセチル化酒石酸エステル、モノグリセリドのクエン酸エステル、ステアロイル-2-ラクチレート、ポリソルベート、スクシニル化モノグリセリド、アセチル化モノグリセリド、エトキシル化モノグリセリド、キラヤ、ホエイプロテインアイソレート、カゼイン、ソイプロテイン、ベジタブルプロテイン、プルラン、アルギン酸ナトリウム、グアーガム、ローカストビーンガム、トラガカントガム、タマリンドガム、カラギーナン、ファーセララン、ゲランガム、サイリウム、カードラン、コンニャクマンナン、寒天、及びセルロース誘導体、並びに其れ等の組み合わせから成る群から選択される、付記25に記載の方法。
(付記27)
ステップ(b)が食品製品を澱粉と接触させる事を更に含む、付記25又は付記26に記載の方法。
(付記28)
澱粉が、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ジャガイモ澱粉、ゼラチン、デキストリン、シクロデキストリン、酸化澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテル、架橋澱粉、アルファ澱粉、オクテニルコハク酸エステル、及び酸、熱、又は酵素に依って澱粉を処置する事に依って得られる加工澱粉から成る群から選択される、付記27に記載の方法。
(付記29)
対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティが、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油の不在下の対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも2倍多大である、付記25~28の何れか1項に記載の方法。
(付記30)
対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティが、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油の不在下の対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも5倍多大である、付記25~28の何れか1項に記載の方法。
(付記31)
対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティが、長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油の不在下の対象に於ける親油性活性薬剤のバイオアベイラビリティよりも少なくとも10倍多大である、付記25~28の何れか1項に記載の方法。
(付記32)
長鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含む可食油がオメガ-6脂肪酸を実質的に不含である、付記25~31の何れか1項に記載の方法。
(付記33)
付記1~32の何れか1項に記載の方法に依って生ずる組成物を其の必要がある対象に投与する事を含み、親油性活性薬剤がカンナビノイドであり、状態が、心疾患、例えば心臓病、虚血性梗塞、及び心代謝系障害;神経系疾患、例えばアルツハイマー病、パーキンソン病、統合失調症、及びヒト免疫不全ウイルス(HIV)認知症;肥満;代謝障害、例えばインスリン関連欠乏症及び脂質プロファイル、肝疾患、糖尿病、及び食欲障害;癌化学療法;良性前立腺肥大;過敏性腸症候群;胆道疾患;卵巣障害;マリファナ乱用;アルコール、オピオイド、ニコチン、又はコカイン嗜癖;及び勃起不全等の性機能障害から成る群から選択される、状態を処置する方法。
(付記34)
付記1~32の何れか1項に記載の方法に依って生ずる組成物を其の必要がある対象に投与する事を含み、親油性活性薬剤が非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)であり、状態が、喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺線維症、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、炎症性の痛み、発熱、偏頭痛、頭痛、腰痛、線維筋痛症、筋膜障害、ウイルス感染(例えばインフルエンザ、普通の風邪、帯状疱疹、C型肝炎、及びAIDS)、細菌感染、真菌感染、月経困難症、熱傷、外科又は歯科手術、悪性腫瘍(例えば乳癌、結腸癌、及び前立腺癌)、高プロスタグランジンE症候群、古典的バーター症候群、アテローム硬化症、痛風、関節炎、骨関節炎、若年性関節炎、関節リウマチ、リウマチ熱、強直性脊椎炎、ホジキン病、全身性エリテマトーデス、血管炎、膵炎、腎炎、滑液包炎、結膜炎、虹彩炎、強膜炎、ぶどう膜炎、創傷治癒、皮膚炎、湿疹、乾癬、卒中、糖尿病、神経変性障害、例えばアルツハイマー病及び多発性硬化症、自己免疫疾患、アレルギー性障害、鼻炎、潰瘍、冠状動脈性心疾患、サルコイドーシス、並びに炎症性の構成要素を有する何れかの他の疾患から成る群から選択される、状態を処置する方法。
(付記35)
付記1~32の何れか1項に記載の方法に依って生ずる組成物を其の必要がある対象に投与する事を含み、親油性活性薬剤がビタミンであり、状態がビタミン欠乏症、ビタミン吸収不良、及び嚢胞性線維症から成る群から選択される、状態を処置する方法。
(付記36)
付記1~32の何れか1項に記載の方法に依って生ずる組成物を其の必要がある対象に投与する事を含み、親油性活性薬剤がニコチンであり、状態が煙草依存/嗜癖、パーキンソン病、潰瘍性大腸炎、アルツハイマー病、統合失調症、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、トゥレット症候群、潰瘍性(ulcerous)大腸炎、及び禁煙後体重コントロールから成る群から選択される、状態を処置する方法。
(付記37)
付記1~32の何れか1項に記載の方法に依って生ずる組成物を其の必要がある対象に投与する事を含み、親油性活性薬剤がホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害剤であり、状態が勃起不全である、状態を処置する方法。
(付記38)
付記1~32の何れか1項に記載の方法に依って生ずる組成物を其の必要がある対象に投与する事を含み、親油性活性薬剤がマカエキスであり、状態が、炎症性サイトカイン産生、慢性炎症の影響、月経に関連する不快感、閉経の症状、アンドロポーズの症状、HIVの症状、貧血の症状、化学療法に関連する不快感、結核の症状、骨粗鬆症の症状、性機能障害、及び其れ等の組み合わせから成る群から選択される、状態を処置する方法。
(付記39)
付記1~32の何れか1項に記載の方法に依って生ずる組成物を其の必要がある対象に投与する事を含み、親油性活性薬剤がホルモンであり、状態がホルモン欠乏症である、状態を処置する方法。
(付記40)
付記1~32の何れか1項に記載の方法に依って生ずる組成物を其の必要がある対象に投与する事を含み、親油性活性薬剤がフェンタニルであり、状態が痛みである、状態を処置する方法。
(付記41)
付記1~32の何れか1項に記載の方法に依って生ずる組成物を其の必要がある対象に投与する事を含み、親油性活性薬剤がブプレノルフィンであり、状態が痛みである、状態を処置する方法。
(付記42)
付記1~32の何れか1項に記載の方法に依って生ずる組成物を其の必要がある対象に投与する事を含み、親油性活性薬剤がスコポラミンであり、状態が吐き気、嘔吐、乗り物酔い、筋スパズム、及びパーキンソン様状態から成る群から選択される、状態を処置する方法。
(付記43)
付記1~32の何れか1項に記載の方法に依って生ずる組成物を其の必要がある対象に投与する事を含み、親油性活性薬剤が抗酸化剤であり、状態が哺乳類細胞の酸化ストレスである、状態を処置する方法。
(付記44)
付記1~32に記載の方法の何れかに依って生ずる組成物と其の使用説明書とを含むキット。
(付記45)
方法が:a)非空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第1のドーズを経口投与する事とb)空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第2のドーズを経口投与する事とを含み、剤形の少なくとも1つが実質的な正の食事効果を見せる、親油性活性薬剤を其の必要がある対象に投与する方法。
(付記46)
方法が:a)非空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第1のドーズを経口投与する事とb)空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第2のドーズを経口投与する事とを含み、第1及び第2の剤形が同じであり、実質的な正の食事効果を見せる、親油性活性薬剤を其の必要がある対象に投与する方法。
(付記47)
方法が:a)非空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第1のドーズを経口投与する事とb)空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第2のドーズを経口投与する事とを含み、第1及び第2の剤形が同じであり、実質的な正の食事効果を見せ、第1及び第2のドーズが約8から約16時間離れて投与される、親油性活性薬剤を其の必要がある対象に投与する方法。
(付記48)
方法が:a)非空腹状態に於いて第1の徐放剤形中の親油性活性薬剤の第1のドーズを経口投与する事とb)空腹状態に於いて第2の徐放剤形中の親油性活性薬剤の第2のドーズを経口投与する事とを含み、第1及び第2の剤形が親油性活性薬剤の異なるドーズを含み、第1の剤形が実質的な正の食事効果を見せ、第1及び第2のドーズが約8から約16時間離れて投与される、親油性活性薬剤を其の必要がある対象に投与する方法。
(付記49)
幾つかの実施形態では、本発明は親油性活性薬剤を其の必要がある対象に投与する方法を提供し、方法は:a)非空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第1のドーズを経口投与する事とb)空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第2のドーズを経口投与する事とを含み:a)第1及び第2の剤形は同じであり、実質的な正の食事効果を見せ;b)第1のドーズは第2のドーズよりも多大であり、第1のドーズは第2のドーズよりも少なくとも1.2倍多大である。
(付記50)
方法が:a)非空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第1のドーズを経口投与する事とb)空腹状態に於いて組成物中の親油性活性薬剤の第2のドーズを経口投与する事とを含み:a)第1及び第2の剤形が同じであり、実質的な正の食事効果を見せ;b)第1のドーズが第2のドーズよりも低く、第1のドーズが第2のドーズよりも少なくとも1.2倍低い、親油性活性薬剤を其の必要がある対象に投与する方法。