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特許7112612停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-27
(45)【発行日】2022-08-04
(54)【発明の名称】停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20220728BHJP
【FI】
G01C21/26 C
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021151663
(22)【出願日】2021-09-17
【審査請求日】2021-09-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522156106
【氏名又は名称】エスワイエス・エンジニアリング株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391007460
【氏名又は名称】中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋株式会社
(72)【発明者】
【氏名】熊崎 隆行
(72)【発明者】
【氏名】松本 剛明
(72)【発明者】
【氏名】小島 一春
(72)【発明者】
【氏名】原 創太
(72)【発明者】
【氏名】大串 一将
(72)【発明者】
【氏名】山下 伊智朗
【審査官】高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/250725(WO,A1)
【文献】特開2007-093377(JP,A)
【文献】特開平11-352880(JP,A)
【文献】特開2010-271906(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-21/36
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載して使用されるもので、停車可又は停車不可区間決定手段と、道路の路肩についての、停車可区間に関する停車可区間データ又は停車不可区間に関する停車不可区間データを格納する停車可又は停車不可区間データメモリと、前記停車可区間データ又は前記停車不可区間データに関連する道路地図のデータが格納される関連道路図データメモリと、表示手段と、を備え、
前記停車可又は停車不可区間決定手段は、使用者が指定する指定条件に基づいて、
前記停車可区間データ又は停車不可区間データと関連道路図データによって前記表示手段に表示された表示情報により、前記使用者に意図する道路上の位置を目標位置として指定させ、該指定の結果として、個別の前記停車可区間又は個別の停車不可区間を前記使用者に選択させ、前記選択の結果を個別区間データメモリに格納し、前記表示手段に表示させ情報提供するものであり、前記停車可区間データ又は前記停車不可区間データは、道路の進行方向に沿った長手方向で、少なくとも後端位置データ及び前端位置データとして道路の進行方向に沿った並び順に前記停車可又は停車不可区間データメモリ内に格納されていることを特徴とする停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置。
【請求項2】
前記停車不可区間でないところを前記停車可区間であるとして、前記目標位置に最も近い前記停車可区間を前記個別の停車可区間とすることを特徴とする請求項1記載の停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置。
【請求項3】
前記停車可又は停車不可区間データメモリ内の前記停車可区間データ又は前記停車不可区間データの前記後端位置データ及び前記前端位置データは、前記道路に沿って長手方向で距離に対応して決められたキロポストkp距離表示で格納され、前記表示情報から、前記使用者が目標とする前記道路上の位置も前記キロポストkp距離表示でなされていることを特徴とする請求項1又は2記載の停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置。
【請求項4】
前記使用者が指定する前記指定条件に関する前記指定は、個別の前記停車可区間又は個別の停車不可区間を前記使用者に選択させる場合に、候補区間を介して行うか、介さずに行うかの指定と、
前記候補区間を介して行う指定の場合には、
前記目標位置を含む前記道路の長さ方向での候補区間幅の指定を含み、且つ、表示情報表示画面上の前記道路上の前記目標位置を指定する場合の1点タッチ又は前記目標位置に関する1つのキロポストの値での指定か、
又は、範囲指定タッチ又は前記目標位置を含む2つのキロポストの値での指定か、であり、
前記1点タッチ又は前記1つのキロポストの値の指定では、タッチ位置又は、前記1つのキロポストの値を基に前記候補区間幅で前記候補区間が決定し、前記範囲指定タッチでの指定では、タッチの始点と終点間で決まる前記候補区間幅で、又は、前記2つのキロポストの値の指定では、前記2つのキロポストの位置で決まる前記候補区間幅で、前記候補区間を決定し、前記候補区間を介して個別の前記停車可区間又は個別の停車不可区間を前記使用者に決定させるものとなり、
前記候補区間を介さず行う指定の場合には、
1点タッチのみの前記目標位置の指定であり、又は、前記目標位置に関するキロポストの値での前記目標位置の指定であり、それぞれ、前記目標位置を含む、個別の前記停車可区間又は個別の前記停車不可区間を使用者に決定させるものとなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置。
【請求項5】
前記表示情報の表示内容として、前記道路と、位置と名称を備えた、インターチェンジ又は、及び、サービスエリア、の情報とを有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置。
【請求項6】
前記目標位置までの前記使用者の車を案内する案内動作手段を有し、前記案内動作手段は、前記車の現在位置を測定する現在位置測定手段と、前記測定された前記現在位置と前記個別区間データメモリから引き出した個別の前記停車可区間又は個別の前記停車不可区間の路肩に関する個別区間データと、又は、前記目標位置を位置データに換算した値とを基に、前記現在位置と、個別区間又は前記目標位置との距離を計算する距離差計算手段と、計算された前記距離を基に、個別区間又は前記目標位置に到着するまでの間、個別区間又は前記目標位置までの前記距離を所望の時間間隔又は距離間隔で前記使用者に案内をする案内手段と、を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置。
【請求項7】
前記案内動作手段は、現場案内切替手段を有し、前記現在位置が個別区間又は前記目標位置に近くなった所望の距離の位置から現在位置の路肩が、停車可か停車不可も表示することを可能としたことを特徴とする請求項6に記載の停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置。
【請求項8】
前記停車可又は停車不可区間データメモリ及び前記個別区間データメモリ内の前記停車可区間データ又は前記停車不可区間データをキロポストkpの値で表示し、前記案内動作手段は、位置-kpデータメモリを有し、格納された位置-kpデータに基づいて、測定された前記現在位置のデータを前記キロポストkpの値に変換し、距離差計算に使用することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置。
【請求項9】
前記案内動作手段は、案内条件指定手段を有して、案内開始位置の距離条件、案内間の距離間隔条件、又は時間間隔の条件を指定することを可能にしたことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1つに記載の停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路上の目標位置の指定に対して、目標位置付近での停車可又は停車不可路肩区間を探索して情報提供する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路作業や道路管理を行う装置は、多くの先行出願が有る。例えば、特許文献1では、
道路の損傷が発生している位置の緯度、経度情報に基づき、その緯度、経度に一番近い道路のIDとキロポストを特定し、地図上の該当する道路上に損傷が発生している旨を示すマークをキロポストの値とともに表示するものである。キロポストの値を作業者が見れば、道路のどの辺りに損傷発生箇所があるか感覚的に把握しやすく、現場に行った場合も、現場にあるキロポスト標を見ることで対応しやすい。また、現場から上がった損傷データが重複して複数あった場合にも、キロポスト値の値が同じであれば、重複していると判断して対処が出来るなど、キロポストによる表示は、位置の認識・同定に便利なものとして使用されてきた。
最近、車の自動運転化のための動きで、ダイナミックマップを作る動きがかしましい。
道路に沿って、存在するあらゆるものをカメラでとらえ、3次元の画像としてデジタルデータの地図とするものであるが、そこには、長く連続する道路に沿って、存在する道路のラインや、路肩や、表示、信号やら、存在する全てが、存在するままのデジタルデータとして積み上げられる。そうしないと、安全な自動運転に使うデータとして使用できないからであり、その特徴は、膨大なデータ量で構成されるということである。ところが、このような、膨大なデータ量は必要でなく、又、極めて少ないデータ量で所望の処理を行いたい分野が存在する。上記の特許文献1の対象分野もその一つである。そのような分野では、一層、取り扱うデータ量を極力少なくし、処理も速くする創意工夫が必要である。そのような観点で、本願での課題とそのための手段を以下に記述する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4305361号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の課題は、使用者に目標とする道路位置付近の路肩の停車可又は停車不可区間の情報を探索して提供し、現場に行く前に、目標位置付近の路肩の停車可又は停車不可区間を認識させ、案内も可能な停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下請求項に沿い記述する。
請求項1記載の発明は、停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置であって、
車載して使用されるもので、停車可又は停車不可区間決定手段と、道路の路肩についての、停車可区間に関する停車可区間データ又は停車不可区間に関する停車不可区間データを格納する停車可又は停車不可区間データメモリと、前記停車可区間データ又は前記停車不可区間データに関連する道路地図のデータが格納される関連道路図データメモリと、表示手段と、を備え、
前記停車可又は停車不可区間決定手段は、使用者が指定する指定条件に基づいて、
前記停車可区間データ又は停車不可区間データと関連道路図データによって前記表示手段に表示された表示情報により、前記使用者に意図する道路上の位置を目標位置として指定させ、該指定の結果として、個別の前記停車可区間又は個別の停車不可区間を前記使用者に選択させ、前記選択の結果を個別区間データメモリに格納し、前記表示手段に表示させ情報提供するものであり、前記停車可区間データ又は前記停車不可区間データは、道路の進行方向に沿った長手方向で、少なくとも後端位置データ及び前端位置データとして道路の進行方向に沿った並び順に前記停車可又は停車不可区間データメモリ内に格納されていることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置であって、
前記停車不可区間でないところを前記停車可区間であるとして、前記目標位置に最も近い前記停車可区間を前記個別の停車可区間とすることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置において、
前記停車可又は停車不可区間データメモリ内の前記停車可区間データ又は前記停車不可区間データの前記後端位置データ及び前記前端位置データは、前記道路に沿って長手方向で距離に対応して決められたキロポストkp距離表示で格納され、前記表示情報から、前記使用者が目標とする前記道路上の位置も前記キロポストkp距離表示でなされていることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置において、
前記使用者が指定する前記指定条件に関する前記指定は、個別の前記停車可区間又は個別の停車不可区間を前記使用者に選択させる場合に、候補区間を介して行うか、介さずに行うかの指定と、
前記候補区間を介して行う指定の場合には、
前記目標位置を含む前記道路の長さ方向での候補区間幅の指定を含み、且つ、表示情報表示画面上の前記道路上の前記目標位置を指定する場合の1点タッチ又は前記目標位置に関する1つのキロポストの値での指定か、
又は、範囲指定タッチ又は前記目標位置を含む2つのキロポストの値での指定か、であり、
前記1点タッチ又は前記1つのキロポストの値の指定では、タッチ位置又は、前記1つのキロポストの値を基に前記候補区間幅で前記候補区間が決定し、前記範囲指定タッチでの指定では、タッチの始点と終点間で決まる前記候補区間幅で、又は、前記2つのキロポストの値の指定では、前記2つのキロポストの位置で決まる前記候補区間幅で、前記候補区間を決定し、前記候補区間を介して個別の前記停車可区間又は個別の停車不可区間を前記使用者に決定させるものとなり、
前記候補区間を介さず行う指定の場合には、
1点タッチのみの前記目標位置の指定であり、又は、前記目標位置に関するキロポストの値での前記目標位置の指定であり、それぞれ、前記目標位置を含む、個別の前記停車可区間又は個別の前記停車不可区間を使用者に決定させるものとなることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置において、
前記表示情報の表示内容として、前記道路と、位置と名称を備えた、インターチェンジ又は、及び、サービスエリア、の情報とを有することを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置において、
前記目標位置までの前記使用者の車を案内する案内動作手段を有し、前記案内動作手段は、前記車の現在位置を測定する現在位置測定手段と、前記測定された前記現在位置と前記個別区間データメモリから引き出した個別の前記停車可区間又は個別の前記停車不可区間の路肩に関する個別区間データと、又は、前記目標位置を位置データに換算した値とを基に、前記現在位置と、個別区間又は前記目標位置との距離を計算する距離差計算手段と、計算された前記距離を基に、個別区間又は前記目標位置に到着するまでの間、個別区間又は前記目標位置までの前記距離を所望の時間間隔又は距離間隔で前記使用者に案内をする案内手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
請求項7記載の発明は、請求項6に記載の停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置において、
前記案内動作手段は、現場案内切替手段を有し、前記現在位置が個別区間又は前記目標位置に近くなった所望の距離の位置から現在位置の路肩が、停車可か停車不可も表示することを可能としたことを特徴とする。
【0012】
請求項8記載の発明は、請求項6又は請求項7に記載の停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置において、前記停車可又は停車不可区間データメモリ及び前記個別区間データメモリ内の前記停車可区間データ又は前記停車不可区間データをキロポストkpの値で表示し、前記案内動作手段は、位置-kpデータメモリを有し、格納された位置-kpデータに基づいて、測定された前記現在位置のデータを前記キロポストkpの値に変換し、距離差計算に使用することを特徴とする。
【0013】
請求項9記載の発明は、請求項6から請求項8のいずれか1つに記載の停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置において、前記案内動作手段は、案内条件指定手段を有して、案内開始位置の距離条件、案内間の距離間隔条件、又は時間間隔の条件を指定することを可能にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上の様に構成されているので、本発明による停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置では、使用者が目標とする道路位置付近の路肩の停車可又は停車不可区間の情報を探索して提供し、路肩停車可又は停車不可の個別区間を決定させるので、現場に行く前に、目標位置付近の路肩の停車可又は停車不可区間を認識することができ、更に現場までの案内も可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明にかかる停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置の構成の一実施態様を示す図である。
図2】本発明にかかる停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置の停車可又は停車不可(路肩)区間データメモリ内に格納された停車可又は停車不可(路肩)区間データの一実施態様を示す図である。
図3】本発明にかかる停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置の処理工程の一実施態様を示す図である。
図4】本発明にかかる停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置が扱う道路に関する説明の為の図である。
図5】本発明にかかる停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置の目標位置指定の一実施態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明にかかる停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置の構成の一実施態様を示す図である。停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置は、車載して使用されるもので、停車可又は停車不可区間決定手段110と停車可又は停車不可区間データメモリ120と、関連道路図データメモリ121と、表示手段130を備え、停車可又は停車不可区間データメモリ120と、関連道路図データメモリ121のデータによって表示手段130に表示された表示情報から、使用者が目標とする目標位置指定に対応して目標位置付近の停車可又は停車不可区間を候補集団として提供、最終的に使用者の個別データ選択又は指定により個別の停車可区間又は個別の停車不可区間を探索し情報提供するものである。
尚、当然ながら、停車可区間又は停車不可区間のデータ量が少ないなど複雑でない場合は、候補集団を経ることなく、目標位置指定により直接個別の停車可区間又は停車不可区間を探索することも可能である。
停車可又は停車不可区間データメモリ120は、停車可区間データ又は停車不可区間データを格納するものであり、関連道路図データメモリ121には、停車可区間データ又は停車不可区間データに関連(道路図内に停車可区間又は停車不可区間が含まれることを意味する)する道路図のデータが格納される。尚、上り線、下り線の区別のある道路では、両者のデータが格納される。
更に、停車可又は停車不可区間決定手段110は、後述するように、使用者が目標位置を指定することで、最終的に個別の停車可区間又は個別の停車不可区間を決める手段である。
停車可又は停車不可区間データメモリ120内の停車可区間データ又は停車不可区間データには、以下の特徴があるので、先に図2を用いて停車可区間データ又は停車不可区間データについて説明する。
【0017】
図2は、本発明にかかる停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置の停車可又は停車不可区間データメモリ内に格納されたこの例では、停車可区間データの一実施態様を示す図である。
停車可区間データに対応する道路の例を曲線として図2内の下部に示した。
そこでは、例えば、道路に沿って停車可区間I01からI08までの8個が存在している。
表に示すように、停車可区間データは、停車可又は停車不可区間データメモリ120内に道路に沿った順(I01~I08)に配置(**1、**2、**3の欄)されている。
道路に沿って順に配置された停車可区間データは、好ましくは個々の停車可区間を識別する停車可区間識別記号(この例ではI01~I08)を有し、停車可区間毎に、個々の停車可区間の後端位置座標と前端位置座標(**2)を有している。更に最も好ましくは、停車可区間データとして、後端位置座標と前端位置座標を対応するキロポストの値に変換した後端位置kp値と前端位置kp値(**3)として格納することである。I04とI05のような屈曲した停車可区間においても、後端位置kp値と前端位置kp値のみで確実な対応ができるのは、キロポストの値での対応は、極めて好都合な利点である。
このデータを用いると、例えば、I04が、kpの値で(120.40)(122.20)だったとして、目標位置の位置座標に対するkpの値が、(121.60)となった例では、簡単に目標位置が、I04区間内にあることが判断できる。
更に、個々の停車可区間毎に区間長(**4)、最小路肩幅(**5)のデータも格納されるとよい。
尚、例では、停車可区間を対象に記述したが、反対に停車不可区間を対象にして記述することもでき、その場合は、可と不可を読み替えるだけで同じ扱いでよい。この場合、停車可又は停車不可区間データメモリ120は、停車不可区間データを格納することになる。
目標位置に対応する停車不可区間データによる停車不可区間を選択し、それ以外の区間は、停車可区間となるので、目標位置に最も近い停車可区間も停車不可区間も最終的に提供可能である。
【0018】
尚、停車可区間又は停車不可区間の例として、図4に示す。図4は、本発明にかかる停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置が扱う道路に関する説明の為の図である。
停車可区間又は停車不可区間として、この図では、各々連続した、A区間(停車可)、B区間(停車不可)、C区間(停車可)が示されている。停車可の区間は、車の停車が十分なように例えば2.5mのような停車可路肩幅閾値より大きな横幅を有した区間として定義されている。従って、停車不可のB区間は、停車可路肩幅閾値より横幅が小さい区間である。
尚、道路の状況によっては、停車可路肩幅閾値とは無関係に停車可区間と停車不可区間を決める場合もある。例えば、トンネルの前後で見通しが悪い路肩や、インターチェンジやサービスエリアの付近の路肩など、停車可路肩幅閾値とは無関係な条件を道路管理者が考慮して決めることも可能である。
各々の区間は、後端位置と前端位置で表され、位置で表すか、好ましくは、位置をキロポストの値に変換した値で表現される。なお、前述したように、停車可又は停車不可区間データメモリ120内の格納データは、停車可区間データか停車不可区間データのいずれか一方でよい。例えば、停車可区間で格納データを構成すれば、B区間のデータ格納は不要であり、その分、データ量を削減でき、処理も楽になり、その場合、停車可区間に目標位置がなければ、目標位置は、停車不可区間にあるとして処理出来るからである。
【0019】
再度、図1に戻って構成及びその動作の詳細を説明する。
停車可又は停車不可区間決定手段110と表示手段130は、各々、以下の処理工程を行う。
停車可又は停車不可区間決定手段110の処理工程:
1)目標位置指定
2)候補集団決定(候補集団を介さない場合も可能でその場合はこの動作は無し)
3)個別区間(データ)選択・個別区間(データ)一時メモリ格納
4)区間幅等候補条件指定

表示手段130の処理工程:
a)道路情報画面表示
b)候補集団(データ)表示(候補集団を介さない場合も可能でその場合はこの動作は無し)
c)個別区間(データ)表示
d)条件指定表示
【0020】
図3は、本発明にかかる停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置の処理工程の一実施態様を示す図である。図3には、処理順が記述されている。
その動作は、図1を参照すると、
0)本装置の電源を入れ、動作モードになると、
1)道路情報画面表示:停車可又は停車不可区間データメモリ120と関連道路図データメモリ121から、図2の道路路肩に関する停車可区間図又は停車不可区間図、又は、図4図5で後述する道路上に存在する停車可区間又は停車不可区間の情報が道路情報画面として表示される。
2)条件指定表示・区間幅等候補条件指定:使用者が、使用のための条件指定、及び、区間幅等候補条件指定を行う表示が示される。
尚、1)と2)は逆順も可能である。
区間等候補条件指定においては、
(1)停車可又は停車不可区間探索動作と目標位置までの案内動作のいずれかの指定
(2)停車可区間又は停車不可区間探索動作で、候補区間を介して行うか、介さずに行うかの指定

2-1)候補区間を介して行うと指定の場合には、停車可又は停車不可区間探索動作での候補区間幅指定を行う。尚、指定の仕方として、
1点タッチ(クリックも同じ、接触による位置センス)か範囲指定タッチにするかの指定をする。
1点タッチの指定では、タッチした目標位置を中心に例えば、候補区間幅各1km幅或いは、個別区間4個の候補区間幅とする等、候補区間幅の指定となる。範囲指定タッチの指定では、その後のタッチでの始点と終点間の区間が候補区間幅となる。

2-2)候補区間を介さずに行うと指定場合(当然、候補区間幅指定は不要)には、
後の個別区間決定において、1点タッチのみでよい。タッチした目標位置を含む個別停車可区間又は個別停車不可区間が決まることになる。勿論、引き出された個別停車可区間又は個別停車不可区間が、意図したものとずれていた場合には、隣接の個別停車可区間又は個別停車不可区間を示して再選別することも可能である。

尚、1)と2)工程は、必ずしも毎回行う必要がない。通常は、前の使用において設定した条件が示されるように手順を構成すれば、そのまま、次の3)の工程から始められる。前の使用と異なる条件で行いたい場合にのみ、1)又は2)から始まるようにすることができる。
3)目標位置指定:上記で条件が整っているので、道路情報画面において、1点タッチ又は、範囲指定タッチで目標位置指定を行う。
タッチは、通常行われているように指で画面の対象部を触ればよい。
尚、範囲指定タッチは、2点を順次タッチする場合、二つの指で同時にタッチする場合、1つの指でドラッグする場合など任意であり、タッチの始点及び終点の両端で決まる範囲が指定される。

4)候補集団決定(候補集団を介する場合):目標位置指定により、候補集団が決まる。例えば、kp100.00位置を目標位置指定した場合、1点タッチで上記の1km幅の例では、99.00から101.00の区間が決定される。或いは、個別区間4個などの区間が決定される。
5)候補集団データ表示(候補集団を介する場合):上記の決定により候補集団である99.00から101.00の区間が拡大して表示される。
6)個別区間(データ)選択:
候補集団を介する場合は、候補集団データ表示を見ながら、使用者は、複数の停車可区間又は停車不可区間から個別区間を選択する。
候補区間を介さない場合は、4)と5)の動作は不要で、2-2)で示したように3)の目標位置指定のみで、停車可区間又は停車不可区間の個別区間が決まる。
7)個別区間(データ)表示・個別区間データメモリ格納:個別区間(データ)を表示、及び、個別区間データメモリ111に格納し、次の目標位置までの案内動作処理に使用される。
上記のように、停車可区間又は停車不可区間のデータ量が少ないなど複雑でない場合は、候補集団を経ることなく、目標位置指定により直接個別の停車可区間又は停車不可区間を探索することも可能であり、結果が意図と外れた場合には、隣接の個別停車可区間又は個別停車不可区間を示して再選別することも可能等柔軟な構成ができる。

尚、候補集団、個別区間、目標位置などのキロポスト値が既知の場合は、その値を入力することで、これらが定められるので上記の工程は、更に省略でき簡易なものとすることも可能である。
【0021】
尚、2)から4)の動作に関連して、図5が示される。
図5は、本発明にかかる停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置の目標位置指定の一実施態様を示す図である。
図5では、1)の道路情報画面表示においての、表示画面の例を示す。道路図が示され、〇で示すインターチェンジICや、┃線で示すキロポスト表示が示されている。
例えば、候補区間幅指定を1点タッチモードで指定している場合には、表示画面上の目標とする道路位置を矢印*pで示すように1点タッチすれば、その位置を中心に予め指定された指定幅の区間を有して、候補集団となる。
同様に、候補区間幅指定を範囲指定タッチモードで指定している場合には表示画面上の目標とする道路位置を矢印*p1,矢印*p2で示すように範囲指定タッチすれば、その始点と終点間の区間が候補集団となる。その結果、次の6)個別区間(データ)選択が行われる。
尚、道路図又は区間図の画面タッチ以外に、位置に対応するキロポストkpの値で入力も可能である。
尚、道路図は、地図のように詳細なものでもよいが、使用者が目標位置の指定ができれば良いので、例えば、図のように線だけで道路を表してもよい。
更に、道路とインターチェンジICやサービスエリアSAの位置と名称が示されると使用者には位置関係が十分理解でき、指定行動が補助されることになる。更に、キロポストの位置と表示が加わっていれば、より良いことは当然である。
【0022】
以下に、走行中の案内動作処理について記述する。図1において、目標位置までの案内動作手段140は、GPSや慣性航法等の現在位置を測定する現在位置測定手段141と、
距離差計算手段142と案内手段143を有する。
測定された現在位置と個別区間データメモリ111から引き出した個別の停車可区間又は個別の停車不可区間の路肩に関する個別区間データと、又は、目標位置を位置データに換算した値とを基に、距離差計算手段142に現在位置と、個別区間又は目標位置との距離を計算させ、計算された距離を基に、個別区間又は目標位置に到着するまでの間、個別区間又は目標位置までの距離を所望の時間間隔又は距離間隔で使用者に案内手段143により、例えば、「目標位置まで1kmです」のように使用者に案内をする。好ましくは、位置-kpデータメモリ144を有し、位置-kpデータに基づいて、測定された現在位置のデータをキロポストkpの値に変換し、距離差計算に使用する。このためには、距離差計算に使用するために、停車可又は停車不可区間データメモリ120、及び個別区間データメモリ111内の停車可区間データ又は停車不可区間データもキロポストkpの値で表示しておく。
尚、位置-kpデータは、道路に沿ったキロポスト標の座標位置(gpsなど位置測定により測定される位置)とキロポスト標の数値を対応付けたデータであり、道路上で実測した現在位置の値は、位置-kpデータにより、キロポストでの値に変換される。
尚、更に好ましくは、案内条件指定手段145を有して、例えば、個別区間前又は、目標位置前のどの距離の位置から、どんな距離間隔又は時間間隔で案内をするかの案内条件を指定することを可能にする。又、個別区間もしくは目標位置又はそれらの近傍に車が入ったら、個別区間又は目標位置までの距離を案内し、更に、現在位置の路肩が、停車可か停車不可も表示する現場案内切替手段146を有することも好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0023】
以上のように本発明にかかる停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置は、使用者が目標とする道路位置付近の路肩の停車可区間又は停車不可区間の情報を探索して提供し、路肩の停車可又は停車不可の個別区間を決定させるので、現場に行く前に、目標位置付近の路肩の停車可又は停車不可の区間を認識することができ、更に現場までの案内もできるので、産業上利用して極めて好都合である。
【0024】
110 停車可又は停車不可区間決定手段
111 個別区間データメモリ
120 停車可又は停車不可区間データメモリ
121 関連道路図データメモリ
130 表示手段
140 目標位置までの案内動作手段
141 現在位置測定手段
142 距離差計算手段
143 案内手段
144 位置-kpデータメモリ
145 案内条件指定手段
146 現場案内切替手段
【要約】
【課題】
本発明の課題は、使用者に目標とする道路位置付近の路肩の停車可区間又は停車不可区間の情報を探索して提供し、現場へ行く前に、目標位置付近の路肩の停車可区間又は停車不可区間を認識させ、案内も可能な停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置を提供することである。
【解決手段】
本発明の停車可又は停車不可路肩区間探索情報提供装置は、道路の進行方向に沿った路肩の停車可区間又は停車不可区間の後端位置と前端位置のデータと関連道路図データとにより、使用者の目標位置付近の路肩の停車可区間又は停車不可区間を探索、決定させ、表示する手段を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5