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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-27
(45)【発行日】2022-08-04
(54)【発明の名称】公共空間及び私的空間を問わない錠前
(51)【国際特許分類】
   E05B 47/00 20060101AFI20220728BHJP
   E05B 63/08 20060101ALI20220728BHJP
【FI】
E05B47/00 J
E05B63/08 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020552307
(86)(22)【出願日】2018-07-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-07
(86)【国際出願番号】 CN2018094936
(87)【国際公開番号】W WO2020010480
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2020-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】522008827
【氏名又は名称】インキュービコ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Incubico Limited
【住所又は居所原語表記】Vistra Corporate Services Centre, Wickhams Cay II, Road Town, Tortola, VG1110, British Virgin Islands
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】江用正
【審査官】鳥井 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-003541(JP,U)
【文献】特開平11-093487(JP,A)
【文献】登録実用新案第3084054(JP,U)
【文献】特開2016-125293(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104100149(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103774925(CN,A)
【文献】特開平11-148258(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104100146(CN,A)
【文献】中国実用新案第206438857(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第102587727(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 47/00-47/08
E05B 63/00-63/24
E05B 65/00-65/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造が同じ2つのサブロックシステムを含み、2つの前記サブロックシステム鏡面対称に配置され;
2つの前記サブロックシステムはいずれもシリンダ機構、機械的ロック機構及びモータロックシステムを含み;
2つの前記機械的ロック機構の間は互いに干渉せず、前記機械的ロック機構はデッドボルト機構のロック、ロック解除動作を制限し、前記デッドボルト機構がロック解除状態のとき、前記機械的ロック機構が前記デッドボルト機構の方向に変位するのを制限し;
2つの前記シリンダ機構は1つのデッドボルト機構を共同で駆動し、前記シリンダ機構はさらに前記機械的ロック機構を駆動して、前記デッドボルト機構のロック、ロック解除動作を制限し;
2つの前記モータロックシステムの間は互いに干渉せず、さらに1つのモータを共用して駆動され、2つの前記モータロックシステムの出力端は周期的に揺動運動を行い、1つの前記モータロックシステムの出力端が駆動されるとき、もう1つの前記モータロックシステムの出力端は駆動されず;
前記モータロックシステムの出力端は、前記シリンダ機構の前記デッドボルト機構に対する出力を制御することを特徴とする、公共空間および私的空間を問わない錠前。
【請求項2】
前記シリンダ機構がデッドボルト制御環、機械的ロック環、電動ロック環、制御カラム、電動ロック解除カム及び弾性リターン部材を含み、前記制御カラムは順番に前記機械的ロック環、電動ロック環及び前記デッドボルト制御環の回転中心を通過し;
前記デッドボルト制御環は前記デッドボルト機構と係合し;
前記弾性リターン部材は前記制御カラムと回転トルクを形成し、前記弾性リターン部材はロック解除の反対方向に前記電動ロック環を牽引し;
2つの前記シリンダ機構は1つの前記デッドボルト制御環を共用し、2つの前記制御カラムは同一軸で相互に回転し;同一鏡面の前記機械的ロック環、前記電動ロック環及び前記制御カラムは同時に回転し;
2つの前記制御カラムのうち1つの制御カラムの端面に回転ロッドが設置され、もう1つの制御カラムの端面にカウンターボアを有し、回転ロッドがカウンターボア内に挿入され、回転ロッドはカウンターボア内で回転することができ;前記回転ロッドは前記デッドボルト制御環を固定されずに通過し、前記デッドボルト制御環は回転ロッドを中心にして回転することができ;
2つの前記制御カラムに第1制御ピン及び第2制御ピンがそれぞれ設けられ、前記第1制御ピン及び第2制御ピンは回転ロッドを中心にして公転し、第1制御ピンがデッドボルト制御環を制御してロック解除するための回転方向と、及び第2制御ピンがデッドボルト制御環を制御してロック解除するための回転方向とは同じであり;
前記第1制御ピンは順番に第1鏡面の電動ロック解除カム、第1鏡面の機械的ロック環、第1鏡面の電動ロック環、デッドボルト制御環及び第2鏡面の電動ロック環を通過し、前記第2鏡面の電動ロック環は前記第1制御ピンのロック、ロック解除動作を制限し、前記第1鏡面の電動ロック環は前記第1制御ピンの回転を制限せず;
前記第2制御ピンは順番に第2鏡面の電動ロック解除カム、第2鏡面の機械的ロック環、第2鏡面の電動ロック環、デッドボルト制御環及び第1鏡面の電動ロック環を通過し、前記第1鏡面の電動ロック環は前記第2制御ピンのロック、ロック解除動作を制限し、前記第2鏡面の前記電動ロック環は前記第2制御ピンのロック解除動作を制限せず;
前記機械的ロック環がロック解除の反対方向に回転するとき、前記機械的ロック環は前記機械的ロック機構の出力端を駆動して前記デッドボルト機構のロック解除動作を制限し;
前記モータロックシステムは前記電動ロック解除カムの回転を制御し、前記電動ロック解除カムの回転は前記機械的ロック環の前記デッドボルト機構に対するロック状態を解除
することを特徴とする、請求項1に記載の公共空間及び私的空間を問わない錠前。
【請求項3】
第1制御ピン及び第2制御ピンの横断面が扇形であり、扇形の弧度はmであり;
第1鏡面の電動ロック環に2つの弧状貫通孔を有し、1つの弧状貫通孔の弧度は2m、もう1つの弧状貫通孔の弧度は3mであり;
第1制御ピンは第1鏡面の電動ロック環における3m弧度の弧状貫通孔と係合し、第1制御ピンは第1鏡面の電動ロック環における弧状貫通孔内で時計周り及び反時計回りに同じ角度回転することができるが、第1鏡面の電動ロック環を回転させず、第1制御ピンが第1鏡面の電動ロック環における3m弧度の弧状貫通孔の中間位置にあるとき、第1鏡面の電動ロック環は準備状態にあり;
第1制御ピンはデッドボルト制御環の2m弧度の弧状貫通孔と係合し、第1制御ピンがロック解除方向に回転するとき、デッドボルト制御環は続いて回転し、第1制御ピンがロック解除の反対方向にm弧度回転するとき、デッドボルト制御環は回転せず;
第1制御ピンは第2鏡面の電動ロック環における2m弧度の弧状貫通孔と係合し、第2鏡面の電動ロック環(9)がロックされた場合、第1制御ピンはロック解除方向に回転することができず、第1制御ピンはロック解除の反対方向にm弧度回転することができることを特徴とする、請求項2に記載の公共空間及び私的空間を問わない錠前。
【請求項4】
前記機械的ロック機構は機械的ロックカム、弾性変形部材、接続片及び機械的ロック筐体を含み;接続片にノッチを有し、弾性変形部材はノッチ内に位置し;
前記弾性変形部材は前記機械的ロック筐体内に位置し、前記接続片の一部は前記機械的ロック筐体内に固定されずに進入し、前記接続片の一端は前記弾性変形部材と接触し、もう一端は前記機械的ロックカムと心棒により接続され;
前記機械的ロックカムは機械的ロック環と係合し、前記機械的ロックカムに位置止め突起が設けられ、前記機械的ロック環にフックが設けられ、前記フックは前記位置止め突起と係合し;
前記機械的ロック環がロック解除の反対方向に回転するとき、前記機械的ロック環は前記機械的ロックカムを駆動して前記デッドボルト機構のロック解除動作を制限し、前記機械的ロック環がロック解除方向に回転するとき、前記機械的ロック環のフックは前記位置止め突起に掛かり、前記機械的ロックカムを前記デッドボルト機構の運動の軌道から離脱させることを特徴とする、請求項3に記載の公共空間及び私的空間を問わない錠前。
【請求項5】
前記機械的ロック筐体に2つの第1位置止め孔が設けられ、2つの前記接続片に第2位置止め孔がそれぞれ対応して設けられ;
1つの鏡面で、1つの心棒が前記第1位置止め孔及び第2位置止め孔に挿入されるとき、1つの前記接続片はロックされ、この鏡面で、前記機械的ロック環は前記機械的ロックカムを駆動して前記デッドボルト機構のロック解除動作を制限することはできないことを特徴とする、請求項4に記載の公共空間及び私的空間を問わない錠前。
【請求項6】
機械的ロック位置センサも含み、前記機械的ロック位置センサは前記機械的ロック機構の状態位置に定位されることを特徴とする、請求項4又は5に記載の公共空間及び私的空間を問わない錠前。
【請求項7】
機械的ロック環に検出棒状板が設けられ、前記検出棒状板の一端は機械的ロック環とヒンジ連結され、前記検出棒状板のもう一端は検出端であり、前記検出棒状板の検出端は前記機械的ロック位置センサを作動させ;
前記検出棒状板に棒状孔を有し、1つの心棒が前記棒状孔を通過し、前記検出棒状板が心棒を中心にして回転することを特徴とする、請求項6に記載の公共空間及び私的空間を問わない錠前。
【請求項8】
モータロック位置センサも含み、前記モータロック位置センサは前記モータロックシステムの状態位置に定位され;
機械的ロック位置センサ及びモータロック位置センサがセンサシステムを構成する
ことを特徴とする、請求項6に記載の公共空間及び私的空間を問わない錠前。
【請求項9】
前記デッドボルト機構は回転デッドボルト及び弾性材を含み;
前記回転デッドボルトに回転心棒が固定して設けられ、前記回転デッドボルトは前記回転心棒を中心にして回転し;
前記弾性材は前記回転デッドボルトが出た状態を保持するように制御し;
前記回転デッドボルトがドア内に入った状態のとき、前記機械的ロックカムが前記回転デッドボルトの軌道に進入することができないように制限され;
前記回転デッドボルトがドアの外に出た状態で、前記機械的ロック環がロック解除の反対方向に回転するとき、前記機械的ロック環は前記機械的ロックカムを駆動して前記デッドボルトの回転を制限することを特徴とする、請求項に記載の公共空間及び私的空間を問わない錠前。
【請求項10】
前記回転デッドボルトの末端の角に位置止めブロックが設けられ;
前記位置止めブロックは前記回転デッドボルトの末端の角部分に固定され、前記位置止めブロック及び前記回転デッドボルトの各面の継ぎ目はいずれも段状構造であり、前記位置止めブロックは突起部分であることを特徴とする、請求項9に記載の公共空間及び私的空間を問わない錠前。
【請求項11】
前記モータロックシステムが鏡面対称の2組の伝動機構、鏡面対称の2つの電動位置止めフック及び鏡面対称の2つの自動ロック解除カムを含み、対称の2組の伝動機構は1つのモータを共用して駆動され;
前記伝動機構が前記モータの動力を前記電動位置止めフックに伝動し;前記電動ロック環にフック部が設けられ、前記電動位置止めフックは前記電動ロック環のフック部と係合し、電動位置止めフックが前記電動ロック環(2、9)のフック部に掛かるとき、前記電動ロック環はロックされ;
2つの前記自動ロック解除カムがそれぞれ独立して2つの前記電動ロック解除カムを準備状態まで戻すことを特徴とする、請求項に記載の公共空間及び私的空間を問わない錠前。
【請求項12】
前記伝動機構は歯車伝動であり、前記伝動機構は入力歯車、第1中間歯車、第2中間歯車、第3中間歯車及び出力歯車を含み、
前記入力歯車は前記第1中間歯車と同軸であり、前記第1中間歯車、第2中間歯車、第3中間歯車及び出力歯車は順番に噛合し;前記第1中間歯車に1つの回転軸が固定され、回転軸に1つのオーバーランニングクラッチが固定して嵌められ、前記オーバーランニングクラッチに前記第1中間歯車(27)が嵌められ;
前記入力歯車は冠歯車であり;
前記モータ出力端に駆動歯車が設けられ、前記駆動歯車は前記モータの出力軸に嵌められ、前記駆動歯車は2つの前記入力歯車とそれぞれ噛合し;
前記電動位置止めフックの一端はフック部端であり、前記電動位置止めフックのもう一端は心棒接続端であり、前記電動位置止めフックに楕円貫通孔が設けられ、前記電動位置止めフックは心棒接続端を中心にして揺動し;
前記出力歯車の端面に偏心カラムが設けられ、前記偏心カラムは前記楕円貫通孔を通過し;前記出力歯車の中心軸が前記電動位置止めフックの楕円孔を通過し;
前記出力歯車が回転するとき、前記偏心カラムは出力歯車の中心軸を中心にして公転し、前記偏心カラムは前記電動位置止めフックを揺動させることを特徴とする、請求項11に記載の公共空間及び私的空間を問わない錠前。
【請求項13】
前記第3中間歯車が前記出力歯車に一方向で出力することを特徴とする、請求項12に記載の公共空間及び私的空間を問わない錠前。
【請求項14】
デッドボルトの片面に、第1デッドボルト同期部品及び第2デッドボルト同期部品がデッドボルトの回転軸と同軸で設置され;このうち、前記第2デッドボルト同期部品はデッドボルト及び前記第1デッドボルト同期部品の間に設置されることを特徴とする、請求項に記載の公共空間及び私的空間を問わない錠前。
【請求項15】
伸縮材、両端ねじりバネ、及びフックをさらに含み;
前記デッドボルトがロック解除状態のとき、前記フックは前記デッドボルトに当接し;
前記両端ねじりバネが前記フック内に設置され、一端が前記フックを押さえ、もう一端は前記機械的ロック筐体に当接し、これにより前記フックは前記デッドボルトが回転するとき共に動作することができることを特徴とする、請求項14に記載の公共空間及び私的空間を問わない錠前。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は施錠具の分野に属し、具体的には、公共空間及び私的空間を問わない錠前である。
【背景技術】
【0002】
既存の錠前は出荷時に室内及び室外で区分され、これにより私的空間及び公共空間の区分を実現する。錠前を取り付けるとき、両側のいずれも同じ操作を行う必要があれば、実現することができない。既存の錠前は、片側はロックの権限を有し、もう片側はロックの権限を有さない。これらを切り替えることはできず、既存の錠前は1つの使用形式のみを有する。実際の需要に基づいて、機能を選択、調整することはできない。
【0003】
共有領域で、従来の錠前を採用した場合、必然的に一方向しか操作することができず、空間の共有に不利である。双方向のいずれも該ドアをロックすることができない場合、私的空間のプライバシーは保障することができない。例えば銀行の保安システムは、2つのドアがあるとき、1つのドアから入り、1つのドアから出る。既存の錠前の実現形態は複雑で、入る又は出るドアのタイプを随意に入れ替えることはできない。
【0004】
既存のデッドボルトの多くは並進運動方式であり、入る及び出るの2つの動作である。既存のデッドボルトは開き戸に適用することしかできず、引き戸に適用することはできない。既存の引き戸は基本的にデッドボルトを有さず、直接外付けの留め具構造を採用してドアのロックを実現する。
【0005】
既存のドアはいくつかの欠点を有する。
【0006】
1、風などの外部要因によりドアが力を受けるとき、誤操作が容易に生じ、これにより不本意な戸閉動作が実現される。特に引き戸については、デッドボルトを有さず、このような状況がより容易に生じる。
【0007】
2、既存のデッドボルトの幅は比較的狭くて折れやすく、特にドアを無理に突き破ると、より容易に壊れる。
【0008】
3、既存のデッドボルトは並進構造である。デッドボルト及びストライクが係合した後、位置止め構造が無いため、容易に非正常なロック解除が生じ、窃盗の防止に不利である。
【0009】
4、既存のデッドボルトは1つの方向にしか操作することができず、ドアの方向を入れ替えたい場合、錠前本体を入れ替えるか、または再設定しなければならない。
【0010】
5、既存のデッドボルトには尖った角が比較的多く、さらにデッドボルトの突出した最も外側の部分は、通常容易に傷がつく。
【0011】
6、既存のドア錠の種類は多い。特に開き戸及び引き戸は必然的に異なるため、単一の主制御システムでは不利であり、中央制御システムが複雑になり、制限が比較的多くなる。
【0012】
本発明は空間の共有を設計の概念とする。互いに認識しているかどうかに関わらず、公共又は私的建築物内では空間を共有することができるが、それと同時にプライバシーは失われる。当然、普通のドア錠、中央管理システム、及びスマートロックなどに用途を広げることもできる。
【0013】
本発明は、単一のシステムが1つの部屋の複数のドア、複数の部屋の複数のドア、及び1つの設計を統合すると同時に、開く方法が異なるドアを取り付けることを設計の論理とする。機能に応じて随意に設定することができるだけでなく、さらに停電で外から鍵をかけられたり、閉め出されたりしなければ、ロック解除しないことを実現し、非常口を常設したドアロックシステムである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、公共空間及び私的空間を問わない錠前を提供することである。2つの空間への取付を選択することができ、さらに錠前全体を入れ替える必要はない。これにより室内を構成する各種設計に適応し、様々なドアの設計の論理的需要に適応する。電気制御方式によりそれぞれの側からロックして、それぞれの側のシリンダの回転を防止することができ、電気制御方式によりそれぞれの側からロック解除動作を行うこともできる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記技術的目的を実現するため、本発明が採用した技術案は以下の通りである。
【0016】
公共空間及び私的空間を問わない錠前は、構造が同じ2つのサブロックシステムを含み、2つの前記サブロックシステムは両側で鏡面対称に配置される。
【0017】
2つの前記サブロックシステムはいずれもシリンダ機構、機械的ロック機構及びモータロックシステムを含む。
【0018】
2つの前記機械的ロック機構の間は互いに干渉せず、前記機械的ロック機構は前記デッドボルト機構のロック、ロック解除動作を制限する。前記デッドボルト機構がロック解除状態のとき、前記機械的ロック機構が前記デッドボルト機構の方向に変位するのを制限する。
【0019】
2つの前記シリンダ機構は1つのデッドボルト機構を共同で駆動し、前記シリンダ機構はさらに前記機械的ロック機構を駆動して、前記デッドボルト機構のロック、ロック解除動作を制限する。
【0020】
2つの前記モータロックシステムの間は互いに干渉せず、さらに1つのモータを共用して駆動される。2つの前記モータロックシステムの出力端は周期的に揺動運動を行い、1つの前記モータロックシステムの出力端が駆動されるとき、もう1つの前記モータロックシステムの出力端は駆動されない。
【0021】
前記モータロックシステムの出力端は、前記シリンダ機構の前記デッドボルト機構に対する出力を制御する。
【0022】
さらに、前記シリンダ機構はデッドボルト制御環、機械的ロック環、電動ロック環、制御カラム、電動ロック解除カム及び弾性リターン部材を含む。前記制御カラムは順番に前記機械的ロック環、電動ロック環及び前記デッドボルト制御環の回転中心を通過する。
【0023】
前記デッドボルト制御環は前記デッドボルト機構と係合する。
【0024】
前記弾性リターン部材は前記制御カラムと回転トルクを形成し、前記弾性リターン部材はロック解除の反対方向に前記電動ロック環を牽引する。
【0025】
2つの前記シリンダ機構は1つの前記デッドボルト制御環を共用し、2つの前記制御カラムは同一軸で相互に回転する。同一鏡面の前記機械的ロック環、前記電動ロック環及び前記制御カラムは同時に回転する。
【0026】
2つの前記制御カラムのうち1つの制御カラムの端面に回転ロッドが設置され、もう1つの制御カラムの端面にカウンターボアを有する。回転ロッドはカウンターボア内に挿入され、回転ロッドはカウンターボア内で回転することができる。前記回転ロッドは前記デッドボルト制御環を固定されずに通過し、前記デッドボルト制御環は回転ロッドを中心にして回転することができる。
【0027】
2つの前記制御カラムに第1制御ピン及び第2制御ピンがそれぞれ設けられ、前記第1制御ピン及び第2制御ピンは回転ロッドを中心にして公転する。第1制御ピンがデッドボルト制御環をロック解除方向に制御すること、及び第2制御ピンがデッドボルト制御環をロック解除方向に制御することは同じである。
【0028】
前記第1制御ピンは順番に第1鏡面の電動ロック解除カム、第1鏡面の機械的ロック環、第1鏡面の電動ロック環、デッドボルト制御環及び第2鏡面の電動ロック環を通過する。前記第2鏡面の電動ロック環は前記第1制御ピンのロック、ロック解除動作を制御し、前記第1鏡面の電動ロック環は前記第1制御ピンの回転を制限しない。
【0029】
前記第2制御ピンは順番に第2鏡面の電動ロック解除カム、第2鏡面の機械的ロック環、第2鏡面の電動ロック環、デッドボルト制御環及び第1鏡面の電動ロック環を通過する。前記第1鏡面の電動ロック環は前記第2制御ピンのロック、ロック解除動作を制限し、前記第2鏡面の前記電動ロック環は前記第2制御ピンのロック解除動作を制限しない。
【0030】
前記機械的ロック環がロック解除の反対方向に回転するとき、前記機械的ロック環は前記機械的ロック機構の出力端を駆動して前記デッドボルト機構のロック解除動作を制限する。
【0031】
前記モータロックシステムは前記電動ロック解除カムの回転を制御し、前記電動ロック解除カムの回転は前記機械的ロック環の前記デッドボルト機構に対するロック状態を解除する。
【0032】
さらに、第1制御ピン及び第2制御ピンの横断面はいずれも扇形であり、扇形の弧度はmである。
【0033】
第1鏡面の電動ロック環に2つの弧状貫通孔を有し、1つの弧状貫通孔の弧度は2mであり、もう1つの弧状貫通孔の弧度は3mである。
【0034】
第1制御ピンは第1鏡面の電動ロック環における3m弧度の弧状貫通孔と係合し、第1制御ピンは第1鏡面の電動ロック環の弧状貫通孔内で時計周り及び反時計周りに同じ角度回転することができるが、第1鏡面の電動ロック環を回転させない。第1制御ピンが第1鏡面の電動ロック環における3m弧度の弧状貫通孔の中間位置にあるとき、第1鏡面の電動ロック環は準備状態にある。
【0035】
第1制御ピンはデッドボルト制御環の2m弧度の弧状貫通孔と係合する。第1制御ピンがロック解除方向に回転するとき、デッドボルト制御環は続いて回転し、第1制御ピンがロック解除の反対方向にm弧度回転するとき、デッドボルト制御環は回転しない。
【0036】
第1制御ピンは第2鏡面の電動ロック環における2m弧度の弧状貫通孔と係合する。第2鏡面の電動ロック環9がロックされた場合、第1制御ピンはロック解除方向に回転することができず、第1制御ピンはロック解除の反対方向にm弧度回転することができる。
【0037】
さらに、前記機械的ロックシステムは機械的ロックカム、弾性変形部材、接続片及び機械的ロック筐体を含む。接続片にノッチを有し、弾性変形部材はノッチ内に位置する。
【0038】
前記弾性変形部材は前記機械的ロック筐体内に位置し、前記接続片の一部は前記機械的ロック筐体内に固定されずに進入する。前記接続片の一端は前記弾性変形部材と接触し、もう一端は前記機械的ロックカムと心棒により接続される。
【0039】
前記機械的ロックカムは機械的ロック環と係合し、前記機械的ロックカムに位置止め突起が設けられる。前記機械的ロック環にフックが設けられ、前記フックは前記位置止め突起と係合する。
【0040】
前記機械的ロック環がロック解除の反対方向に回転するとき、前記機械的ロック環は前記機械的ロックカムを駆動して前記デッドボルト機構のロック解除動作を制限する。前記機械的ロック環がロック解除方向に回転するとき、前記機械的ロック環のフックは前記位置止め突起に掛かり、前記機械的ロックカムを前記デッドボルト機構の運動の軌道から離脱させる。
【0041】
さらに、前記機械的ロック筐体に2つの第1位置止め孔が設けられ、2つの前記接続片に第2位置止め孔がそれぞれ対応して設けられる。
【0042】
1つの鏡面で、1つの心棒が前記第1位置止め孔及び第2位置止め孔に挿入されるとき、1つの前記接続片がロックされる。この鏡面で、前記機械的ロック環は前記機械的ロックカムを駆動して前記デッドボルト機構のロック解除動作を制限することはできない。
【0043】
さらに、機械的ロック位置センサも含み、前記機械的ロック位置センサは前記機械的ロックシステムの状態位置に定位される。
【0044】
さらに、機械的ロック環に検出棒状板が設けられ、前記検出棒状板の一端は機械的ロック環とヒンジ連結され、前記検出棒状板のもう一端は検出端である。前記検出棒状板の検出端は、前記機械的ロック位置センタを作動させる。
【0045】
前記検出棒状板に棒状孔を有し、1つの心棒が前記棒状孔を通過し、前記検出棒状板は心棒を中心にして回転する。
【0046】
さらに、モータロック位置センサも含み、前記モータロック位置センサは前記モータロックシステムの状態位置に定位される。
【0047】
機械的ロック位置センサ及びモータロック位置センサが、センサシステムを構成する。
【0048】
さらに、前記デッドボルト機構は回転デッドボルト及び弾性材を含む。
【0049】
前記回転デッドボルトに回転心棒が固定して設けられ、前記回転デッドボルトは前記回転心棒を中心にして回転する。
【0050】
前記弾性材は前記回転デッドボルトが出た状態を保持するように制御する。
【0051】
前記回転デッドボルトがドア内に入った状態のとき、前記機械的ロックカムが前記回転デッドボルトの軌道に進入することができないように制御される。
【0052】
前記回転デッドボルトがドアの外に出た状態で、前記機械的ロック環がロック解除方向に回転するとき、前記機械的ロック環は前記機械的ロックカムを駆動して前記回転デッドボルトの回転を制限する。
【0053】
さらに、前記回転デッドボルトの末端の角に位置止めブロックが設けられる。
【0054】
前記位置止めブロックは、前記回転デッドボルトの末端の角部分に固定される。前記位置止めブロック及び前記回転デッドボルトの各面の継ぎ目はいずれも段状構造であり、前記位置止めブロックは突起部分である。
【0055】
さらに、前記モータロックシステムは鏡面対称の2組の伝動機構、鏡面対称の2つの電動位置止めフック及び鏡面対称の2つの自動ロック解除カムを含む。対称の2組の伝動機構は1つのモータを共用して駆動される。
【0056】
前記伝動機構は、前記モータの動力を前記電動位置止めフックに伝動する。前記電動ロック環にフック部が設けられ、前記電動位置止めフックは前記電動ロック環のフック部と係合する。電動位置止めフックが前記電動ロック環2、9のフック部に掛かるとき、前記電動ロック環はロックされる。
【0057】
2つの前記自動ロック解除カムはそれぞれ独立して2つの前記電動ロック解除カムを準備状態に戻す。
【0058】
さらに、前記伝動機構は歯車伝動であり、前記伝動機構は入力歯車、第1中間歯車、第2中間歯車、第3中間歯車及び出力歯車を含む。
【0059】
前記入力歯車は前記第1中間歯車と同軸であり、前記第1中間歯車、第2中間歯車、第3中間歯車及び出力歯車は順番に噛合する。前記第1中間歯車に1つの回転軸が固定される。回転軸に1つのオーバーランニングクラッチが固定して嵌められ、前記オーバーランニングクラッチに前記第1中間歯車27が嵌められる。
【0060】
前記入力歯車は冠歯車である。
【0061】
前記モータ出力端に駆動歯車が設けられ、前記駆動歯車は前記モータの出力端に嵌められる。前記駆動歯車は、2つの前記入力歯車とそれぞれ噛合する。
【0062】
前記電動位置止めフックの一端はフック部端であり、前記電動位置止めフックのもう一端は心棒接続端である。前記電動位置止めフックに楕円貫通孔が設けられ、前記電動位置止めフックは心棒接続端を中心にして揺動する。
【0063】
前記出力歯車の端面に偏心カラムが設けられ、前記偏心カラムは前記楕円貫通孔を通過する。前記出力歯車の中心軸は、前記電動位置止めフックの楕円孔を通過する。
【0064】
前記出力歯車が回転するとき、前記偏心カラムは出力歯車の中心軸を中心にして公転し、前記偏心カラムは前記電動位置止めフックを揺動させる。
【0065】
さらに、前記第3中間歯車は前記出力歯車に一方向で出力する。
【発明の効果】
【0066】
本発明は、既存技術と比較していくつかの効果を有する。
【0067】
1、両側で独立して操作を行うことができ、これにより両側のいずれも公共空間又は私的空間とすることができる。
【0068】
2、取り付けるとき、空間を選択することができる。機械的ロックシステムの第1位置止め孔及び第2位置止め孔を予め形成することにより、実際に取り付けるとき、片側をロックする、両側をロックしない、又は両側をロックすることを選択する。片側をロックするとき、公共空間は手動でロックすることができず、私的空間のみが手動でロックすることができる。両側をロックしないとき、先に手動でロック解除する側はもう一方のロックを凌ぐ優先権を有する。先に手動でロックする側はもう一方のロック解除を凌ぐ優先権を有し、両側の機械的ロックは順番を問わない。両側をロックするとき、2つの空間はいずれも手動でロックする権限を有さない。
【0069】
3、モータロックシステムがシリンダ機構に対してロック動作を行い、自動制御の実現に有利である。モータロックシステムは終始片側のみが駆動状態で、もう片側は駆動していない状態であり、繰り返し交代する。1つのモータの正逆回転により駆動を実現し、体積はより小さく、構造は簡素化される。
【0070】
4、モータロックシステムはシリンダ機構をロック及びロック解除する機能以外に、手動でデッドボルトをロックした状態で、機械的ロック機構を制御して回転デッドボルトに対する制限を解消することもできる。これにより取っ手を準備状態に戻し、停電によりロックされる状態を防止した。
【0071】
5、機能は豊富であるが、構造はコンパクトで、適応範囲が広い。
【0072】
6、一方向の歯車伝動を採用し、振動により構造の信頼性に及ぼす影響が起こりにくい。
【0073】
7、外部からの影響を受けにくく、風及び人自身の誤操作による戸閉動作を防止する。
【0074】
8、ドアを閉めるとき、デッドボルトはストライク内に進入するだけでなく、段状構造によりストライク内に挟まり、信頼性が高い。
【0075】
9、錠前本体内で多重のロックを実現し、ロック部分は露出しない。無理に突破する場合、デッドボルトを切断しなければならないが、デッドボルトの設計幅は比較的大きく、安全度が高い。
【0076】
10、使用方法、外観及び取付で従来のドアロック方式を保持する。さらに、取っ手の取付方向について、本発明は引き戸及び開き戸のいずれにも対応し、便利に使用することができる。
【0077】
11、追加のボタン、赤外線センサ、運動センサ、電磁ロックスイッチなど付属の電子製品を使用しない。
【0078】
12、機械式を主とし、電子システムが補助する。使用者の安全を実現する上に、正確な使用下で、プライバシーに配慮することができる。さらに外から鍵をかけられたり、閉め出されたりする状況が生じることはない。
【0079】
本発明は、図に示す非限定的な実施例によりさらに説明することができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
図1図1は、本発明の構造概要図である。
図2図2は、本発明をドアに取り付けたときの構造概要図である。
図3図3は、本発明を解体した構造概要図である。
図4図4は、本発明の分解概要図である。
図5図5は、本発明のデッドボルト機構Eの動作概要図である。
図6図6は、本発明の機械的ロックシステムD及びシリンダ機構Bを係合した構造概要図である。
図7図7は、モータロックシステムC及び電動ロック解除カム6を係合した自動ロック解除過程の概要図である。
図8図8は、モータロックシステムC及び電動ロック環2、9の構造概要図である。
図9図9は、シリンダ機構Bの構造概要図である。
図10図10は、機械的ロック機構Dが回転デッドボルト16をロックするときの動作概要図である。
図11図11は、機械的ロック機構Dが回転デッドボルト16をロックせず、取っ手が準備状態にあるときの動作概要図である。
図12図12は、機械的ロック機構Dが回転デッドボルト16をロックせず、取っ手が回転デッドボルト16の回転を制御してドアを開けるときの動作概要図である。
図13図13は、デッドボルト機構E及びデッドボルト収容機構を係合した構造概要図である。
図14図14は、デッドボルト収容機構の立体図である。
図15図15は、本発明の別の実施例におけるデッドボルト機構Eの動作概要図である。
図16図16は、本発明の別の実施例における機械的ロックシステムD及びシリンダ機構Bを係合した構造概要図である。
図17図17は、本発明の別の実施例における機械的ロック機構Dが回転デッドボルト16をロックするときの動作概要図である。
図18図18は、本発明の別の実施例における機械的ロック機構Dが回転デッドボルト16をロックせず、取っ手が準備状態にあるときの動作概要図である。
図19図19は、本発明の別の実施例における機械的ロック機構Dが回転デッドボルト16をロックせず、取っ手が回転デッドボルト16の回転を制御してドアを開けるときの動作概要図である。
図20図20は、本発明の別の実施例におけるデッドボルト機構E及びデッドボルト収容機構を係合した構造概要図である。
図21図21は、本発明の別の実施例におけるデッドボルト機構Eがロック状態である構造概要図である。
図22図22は、本発明の別の実施例におけるデッドボルト機構Eがロック解除状態である構造概要図である。
図23図23は、本発明の別の実施例におけるデッドボルト機構Eの分解概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0081】
当業者がより良好に本発明を理解することができるようにするため、以下、図及び実施例を組み合わせて本発明の技術案についてさらに説明する。
【実施例1】
【0082】
図1図14に示すように、公共空間及び私的空間を問わない錠前は、構造が同じ2つのサブロックシステムを含み、2つの前記サブロックシステムは鏡面対称に配置される。2つの前記サブロックシステムは、いずれもシリンダ機構B、機械的ロック機構D及びモータロックシステムCを含む。2つの前記シリンダ機構Bは、共同で1つのデッドボルト機構Eを運動させる。
【0083】
図1図6に示すように、前記シリンダ機構Bはデッドボルト制御環1、機械的ロック環4、10、電動ロック環2、9、制御カラム8、11、電動ロック解除カム6及びバネ3を含む。前記デッドボルト制御環1は、前記デッドボルト機構Eとの係合を制御する。前記バネ3は前記制御カラム8、11と回転トルクを形成し、前記バネ3はロック解除の反対方向に前記電動ロック環2、9を牽引する。図4に示すように、2つの前記シリンダ機構Bは1つの前記デッドボルト制御環1を共用し、前記制御カラム8、11は同一軸上にあり、同軸回転することができる。
【0084】
図4に示すように、2つの制御カラム8、11の横断面は矩形であり、2つの制御カラム8、11のうち1つの制御カラム8の端面に回転ロッド81が設置され、もう1つの制御カラム11の端面にカウンターボアを有する。回転ロッド81はカウンターボア内に挿入され、回転ロッド81はカウンターボア内で回転することができる。前記回転ロッド81は前記デッドボルト制御環1を固定されずに通過し、前記デッドボルト制御環1は回転ロッド81を中心にして回転することができる。図9に示すように、N1は自動ロック解除カム21の運動の軌道であり、N2は自動ロック解除カム24の運動の軌道である。Z1はロック解除状態、Z2は準備段階、Z3は手動でデッドボルトをロックした状態である。Z2は図9で取っ手を時計回りに回転させてZ1状態になり、取っ手を反時計回りに回転させてZ3状態になる。
【0085】
図4図9図10図11図12に示すように、制御カラム8、11のいずれにも制御スリーブ7が嵌められ、前記制御カラム8、11は前記制御スリーブ7とスプラインにより係合する。2つの制御スリーブ7に第1制御ピン71及び第2制御ピン72がそれぞれ設けられ、前記第1制御ピン71及び第2制御ピン72は回転ロッド81を中心にして公転する。第1制御ピン71がデッドボルト制御環1をロック解除方向に制御すること、及び第2制御ピン72がデッドボルト制御環1をロック解除方向に制御することは同じである。
【0086】
図4図9図10図11図12に示すように、前記制御スリーブ7は順番に電動ロック解除カム6及び機械的ロック環4を通過し、前記制御スリーブ7はそれぞれ電動ロック解除カム6及び機械的ロック環4とスプラインにより係合する。前記第1制御ピン71は順番に電動ロック解除カム6、機械的ロック環4、電動ロック環2、デッドボルト制御環1及び電動ロック環9を通過する。前記第1制御ピン71が取っ手に伴って回転するとき、前記電動ロック環2は回転せず、前記デッドボルト制御環1は回転し、前記電動ロック環9は回転する。前記第2制御ピン72は順番に電動ロック解除カム6、機械的ロック環10、電動ロック環9、デッドボルト制御環1及び電動ロック環2を通過する。前記第2制御ピン72が取っ手に伴って回転するとき、前記電動ロック環9は回転せず、前記デッドボルト制御環1は回転し、前記電動ロック環2は回転する。
【0087】
図4図9図10図11図12に示すように、ここで実現する形態は次の通りである。第1制御ピン71及び第2制御ピン72の横断面はいずれも扇形であり、扇形の弧度はmである。電動ロック環2に2つの弧状貫通孔を有し、1つの弧状貫通孔の弧度は2mであり、もう1つの弧状貫通孔の弧度は3mであり、電動ロック環9は電動ロック環2と鏡面対称である。第1制御ピンは電動ロック環2の3m弧度の弧状貫通孔と係合し、第1制御ピン71は電動ロック環2の弧状貫通孔内で時計回り及び反時計回りに同じ角度回転することができる。第1制御ピン71が電動ロック環2における3m弧度の弧状貫通孔の中間位置にあるとき、電動ロック環2は準備状態にある。第1制御ピン71はデッドボルト制御環1の2m弧度の弧状貫通孔と係合し、第1制御ピン71がロック解除方向に回転するとき、デッドボルト制御環1は続けて回転する。第1制御ピン71がロック解除の反対方向にm弧度回転するとき、デッドボルト制御環1は回転しない。第1制御ピン71は電動ロック環9の2m弧度の弧状貫通孔と係合し、電動ロック環9がロックされた場合、第1制御ピン71はロック解除方向に回転することができず、第1制御ピン71はロック解除の反対方向にm弧度回転することができる。第1制御ピン71及び第2制御ピン72の構造は類似するため、ここでは述べない。
【0088】
図4図9図10図11図12に示すように、動作工程を説明する。電動ロック環2がロックされたとき、制御カラム11はロック解除方向の動作を実現することができず、電動ロック環9がロックされたとき、制御カラム8はロック解除方向の回転を実現することができない。制御カラム8、11は単独でデッドボルト制御環1を制御し、さらに互いに干渉することはない。機械的ロック環4は制御カラム8と同時に回転し、機械的ロック環10は制御カラム11と同時に回転する。
【0089】
図13図14に示すように、前記デッドボルト機構Eは回転デッドボルト16及びねじりバネ17を含む。前記回転デッドボルト16に回転心棒が固定して設けられ、前記回転デッドボルト16は前記回転心棒を中心にして回転する。前記ねじりバネ17は、前記回転デッドボルト16が閉じた状態を保持するように制御する。前記回転デッドボルト16は前記デッドボルト制御環1と係合し、前記回転デッドボルト16は板状構造で半円形状である。前記回転デッドボルト16に案内溝161を有し、前記デッドボルト制御環1にフック1aが設けられ、前記フック1aは前記案内溝161内に進入する。前記案内溝161内に位置制限突起1611が設けられ、前記フック1aが前記位置制限突起1611と係合する。前記回転デッドボルト16の回転過程で、前記フック1a及び前記位置制限突起1611は相対して回転すると同時に、さらに相対してスライドする。
【0090】
前記回転デッドボルト16の末端の角に位置止めブロック162が設けられ、前記位置止めブロック162及び前記デッドボルト制御環1の出力端はそれぞれ前記回転心棒の両側に位置する。前記位置止めブロック162は前記回転デッドボルト16の末端の角部分に固定され、前記位置止めブロック162及び前記回転デッドボルト16の各面がつながる部分はいずれも段状構造であり、前記位置止めブロック162は突起部分である。前記位置止めブロック162及び前記回転デッドボルト16の非接続面は斜面又は曲面であり、前記位置止めブロック162及び前記回転デッドボルト16の接続端は重要な部分である。
【0091】
前記位置止めブロック162及び前記回転デッドボルト16の非接続面が斜面であるとき、前記斜面は少なくとも3つある。このうちの2つの斜面は鏡面対称となり、もう1つの斜面は鏡面対称となる2つの前記斜面と接続される。
【0092】
図13図14に示すように、デッドボルト機構Eと係合するデッドボルト収容機構は、収容空洞b1及び仕切り板b2を含み、前記収容空洞b1の空洞口は前記仕切り板b2に遮られる。前記仕切り板b2は第1貫通孔b21及び第2貫通孔b22を有し、前記位置止めブロック162は前記第1貫通孔b21内に回転して進入することができ、前記回転デッドボルト16は前記第2貫通孔b22内に回転して進入することができる。前記第1貫通孔b21の孔口は矩形、前記第2貫通孔b22の孔口は矩形であり、前記第1貫通孔b21及び前記第2貫通孔b22は「凸」を逆さまにした構造を形成する。
【0093】
動作工程:ドアが閉じた状態のとき、位置止めブロック162は収容空洞b1内に位置し、ねじりバネ17は回転デッドボルト16に圧力を付与し、これにより回転デッドボルト16は時計回りに回転する傾向を有する。フック1aの末端が案内溝161内に進入し、さらに位置制限突起1611と係合してフック1aが時計回りに回転するとき、回転デッドボルト16は反時計回りに回転し、位置止めブロック162は第1貫通孔b21部分から回転して出る。ドア板内に回転して入ると、ドア板を押し動かして、ドアを開ける動作を実現する。ドアを閉じる動作を必要とするとき、同じ操作を行う。
【0094】
デッドボルト機構Eの特徴:1、回転により開閉動作を実現し、非正常な状況での誤操作を防止する。2、位置止めブロックの設置により、回転デッドボルトが収容空洞に回転して進入した後にかみ合う。逆方向に回転させないと開く動作を行うことができず、ロック状態がより信頼できる。3、板状構造の回転デッドボルトは、幅が比較的広く、ドアの無理な突破に対するとき、より大きなせん断力を受けることができる。4、引き戸、折れ戸などに適用される。ドアを開く方向を変えるとき、デッドボルトの方向の設定が省かれる。すなわちドアを開く2つの方向は等しい。
【0095】
図1図8に示すように、機械的ロックシステムD及びモータロックシステムCについて、前記機械的ロックシステムDは前記機械的ロック環4、10と係合し、前記モータロックシステムCは前記電動ロック環2、9と係合する。
【0096】
図1図8に示すように、機械的ロック位置センサA1がさらに含まれ、前記機械的ロック位置センサA1は前記機械的ロックシステムDの状態位置に定位される。機械的ロック環4、10に検出棒状板5が設けられ、検出棒状板5は棒状孔51を有する。1つの心棒が棒状孔51を通過し、検出棒状板5は心棒を中心にして回転することができる。機械的ロック位置センサA1は機械作動センサを採用し、運動時に異なる位置の機械的ロック位置センサA1を作動させ、これによりトラッキングを実現する。
【0097】
図1図8に示すように、モータロック位置センサA2がさらに含まれ、前記モータロック位置センサA2は前記モータロックシステムCの状態位置に定位される。モータロック位置センサA2は、機械作動センサを採用することができる。モータロック位置センサA2は電動位置止めフック19の位置に定位される。
【0098】
機械的ロック位置センサA1及びモータロック位置センサA2は、センサシステムAを構成する。
【0099】
図1図8図10図11図12に示すように、前記機械的ロックシステムDは機械的ロックカム12、13、圧縮バネ15、接続片14及び機械的ロック筐体30を含む。接続片14にノッチを有し、圧縮バネ15はノッチ内に位置する。
【0100】
前記圧縮バネ15は前記機械的ロック筐体30内に位置し、前記接続片14の一部は前記機械的ロック筐体30内に固定されずに進入する。前記接続片14の一端は前記圧縮バネ15と接触し、もう一端は前記機械的ロックカム12、13と心棒を介して接続される。前記機械的ロックカム12、13は機械的ロック環4、10と係合し、前記機械的ロックカム12、13には位置止め突起121、131が設けられる。前記機械的ロック環4、10にフックが設けられ、前記フックは前記位置止め突起121、131と係合する。前記機械的ロック筐体30に2つの第1位置止め孔30aが設けられ、2つの前記接続片14に第2位置止め孔14aがそれぞれ対応して設けられる。
【0101】
図10図11図12に示すように、動作を説明する。機械的ロック環4がロック解除の反対方向にm弧度回転するとき、機械的ロック環4は機械的ロックカム12を押し上げ、機械的ロックカム12は圧縮バネ15を圧縮する。機械的ロックカム12の末端が回転デッドボルト16の回転経路上まで回転し、これにより回転デッドボルト16を回転させてロック解除することができない。機械的ロック環10、機械的ロックカム13、圧縮バネ15及び回転デッドボルト16の係合方式は類似するため、ここでは述べない。
【0102】
前記位置止め突起121、131及び前記機械的ロック環4、10のフックが係合する作用は次の通りである。機械的ロック環4、10がロック解除方向に回転するとき、フックが位置止め突起121、131に掛かり、これにより機械的ロックカム12、13を回転デッドボルト16の回転経路から離脱させる。機械的ロックカム12、13が回転デッドボルト16を妨げ、ロック解除動作に影響を及ぼすのを防止する。
【0103】
錠前を取り付けるとき、1つの差込ピンを第1位置止め孔30a及び第2位置止め孔14aに挿入すると、1つの前記接続片14は固定され、接続片14は前記機械的ロック筐体30内で内に運動することも、外に運動することもない。このときロックされた側の接続片14はロック解除の反対方向に取っ手を回転させることにより、デッドボルトをロックすることができない。差込ピンを取り付けていないとき、2つの接続片14はいずれもロックされない。具体的に取り付けるとき、実際の部屋のドアに必要な論理に基づいて選択し、1つの接続片14をロックするか、又は2つの接続片14をいずれもロックしないか、又は2つの接続片14をいずれもロックするかを選択することができ、各種論理の組合せの選択を実現する。
【0104】
図1図8に示すように、前記モータロックシステムCは、鏡面対称の2組の伝動機構及び鏡面対称の2つの電動位置止めフック19を含む。2組の伝動機構は1つのモータ29により駆動される。
【0105】
前記伝動機構は、前記モータ29の動力を前記電動位置止めフック19に伝動する。2組の伝動機構の間に仕切り板18が設けられ、仕切り板18に対して鏡面対称である。
【0106】
前記電動ロック環2、9にフック部が設けられ、前記電動位置止めフック19は前記フック部と係合する。電動位置止めフック19が前記電動ロック環2、9のフック部に掛かるとき、電動ロック環2、9はロックされる。
【0107】
前記伝動機構は歯車伝動であり、2組の伝動機構は仕切り板18の両側で鏡面対称に配置される。
【0108】
前記伝動機構は入力歯車26、第1中間歯車27、第2中間歯車25、第3中間歯車23及び出力歯車20を含む。前記入力歯車26は前記第1中間歯車27と同軸であり、前記第1中間歯車27、第2中間歯車25、第3中間歯車23及び出力歯車20は順番に噛合する。
【0109】
前記入力歯車26は冠歯車であり、前記第1中間歯車27及び前記第3中間歯車23はいずれも一方向歯車である。
【0110】
第1中間歯車27の一方向回転の実現形態は次の通りである。前記第1中間歯車27に1つの回転軸が固定される。回転軸に1つのオーバーランニングクラッチ22が固定して嵌められ、オーバーランニングクラッチ22にさらに前記第1中間歯車27が嵌められる。オーバーランニングクラッチ22の作用は次の通りである。モータが正回転するとき、1つの鏡面の伝動機構が出力し、モータが逆回転するとき、もう1つの鏡面の伝動機構が出力する。すなわち2つの鏡面で、モータの正回転により1つの鏡面の第1中間歯車27が駆動し、もう1つの鏡面の第1中間歯車27に嵌めたオーバーランニングクラッチ22は空回りする。モータが逆回転するとき、同様に、モータが1つの方向に回転し、1つの伝動機構のみが出力することができる。
【0111】
第3中間歯車23の一方向回転の実現形態は次の通りである。錠ケースに1つの回転軸が設置される。回転軸にオーバーランニングクラッチ22が嵌められ、オーバーランニングクラッチ22にさらに第3中間歯車23が嵌められ、第3中間歯車23はさらに出力歯車20と噛合する。伝動過程は、第3中間歯車23の回転が出力歯車20を駆動するが、出力歯車20は反対方向に第3中間歯車23を駆動することはできない。電子錠システムにおいて、ドアの開閉などの振動により歯車が自由に回転するのを防止するのに成功している。
【0112】
オーバーランニングクラッチは電気機械一体化製品の発展に伴って出現した基本部品であり、原動機及び工作機械間、又は機器内部の駆動軸及び従動軸間の動力を伝達及び分離する機能として用いられる重要部品である。これは駆動、従動部分の速度変化又は回転方向の変換を利用して、自ら離合する機能を有する装置である。オーバーランニングクラッチは、ワンウェイ式オーバーランニングクラッチ、ローラ式オーバーランニングクラッチ及びラチェット式オーバーランニングクラッチに分けられる。オーバーランニングクラッチは既存技術であり、ここでは述べない。
【0113】
最後に、出力歯車20は前記電動位置止めフック19を周期的に揺動させる。
【0114】
図4に示すように、2つの前記伝動機構は1つのモータ29を共用し、前記モータ29の出力端に駆動歯車28が設けられる。前記駆動歯車28は前記モータの出力軸に嵌められ、前記駆動歯車28は2つの入力歯車26とそれぞれ噛合する。両側における2つの電動位置止めフック19の動作状態は次の通りである。1つの鏡面の電動位置止めフック19が動作すると、もう1つの鏡面の電動位置止めフック19は動作しない。モータが正回転及び逆回転するとき、2つの鏡面の電動位置止めフック19は交互に往復して相応する側の開閉状態を制御する。
【0115】
図4に示すように、前記電動位置止めフック19の一端はフック部端であり、前記電動位置止めフック19のもう一端は心棒接続端である。前記電動位置止めフック19に楕円貫通孔が設けられ、前記楕円貫通孔は前記フック部端及び前記心棒接続端の間に位置し、電動位置止めフック19は心棒を中心にして揺動する。
【0116】
前記出力歯車20の端面に偏心カラム201が設けられ、前記偏心カラム201は前記楕円貫通孔を通過する。前記出力歯車20が回転するとき、前記偏心カラム201は出力歯車20の固定軸を中心にして公転し、前記偏心カラム201は前記電動位置止めフック19を揺動させる。
【0117】
電動位置止めフック19の心棒接続端は異なる位置のモータロック位置センサA2を作動させ、これによりトラッキングを実現する。
【0118】
図3図4図6に示すように、前記シリンダ機構Bに電動ロック解除カム6が設けられ、前記電動ロック解除カム6は前記制御カラム8、11と同時に回転する。前記モータロックシステムCは自動ロック解除カム21、24をさらに含み、前記出力歯車20は前記出力歯車20と共回転軸で同時に回転する。2つの前記電動ロック解除カム6はそれぞれ前記自動ロック解除カム21、24と係合する。
【0119】
偏心カラム201は自動ロック解除カム21、24の端面に固定され、前記出力歯車20を通過する。
【0120】
制御カラム8、11がロック解除の反対方向に回転するとき、機械的ロック環4、10が機械的ロックカム12、13の末端を回転デッドボルト16のロック解除の回転軌道上に回転させ、回転デッドボルト16のロックを実現する。モータ29が電動位置止めフック19を回転させるとき、自動ロック解除カム21、24も同時に回転する。自動ロック解除カム21、24が回転するとき、2つの電動ロック解除カム6をそれぞれ回転させる。2つの電動ロック解除カム6は制御カラム8、11を準備状態に戻るまで回転させ、すなわち取っ手を準備状態まで戻す。モータ29が1サイクル回転すると、偏心カラム201が楕円貫通孔の短軸の一端からもう一端に運動し、片道の揺動を実現する。モータ29が自動ロック解除カム21、24を回転させるとき、必然的に電動ロック解除カム6を元の位置に動かし、これにより機械的ロックカム12、13の回転デッドボルト16に対するロック解除を実現する。
【0121】
図2に示すように、本発明の錠前は位置止めボスがさらに設けられる。回転デッドボルト16部分に位置止めボスを設けて、デッドボルトのロック解除過程で回転角度が過度に大きくなるのを防止する。さらに、デッドボルト制御環1のロック解除回転方向の反対方向に位置止めボスが設けられ、電動ロック環2、9部分に位置止めボスが設けられる。デッドボルト制御環1のフック構造は引っ張りバネ3に牽引された状態で、回転の変位が留められるが、ロック解除方向の回転の変位はボスに制限されない。
【実施例2】
【0122】
さらなる実施例において、図15~23に示すように、電子ロックシステムがプラスチックカードの類の物で無効化され、無理にドアが開かれるのを防止するため、前記実施例を基に、デッドボルト16の片側に、第1デッドボルト同期部品163及び第2デッドボルト同期部品164がデッドボルトの回転軸と同軸で設置される。このうち、第2デッドボルト同期部品164はデッドボルト16及び第1デッドボルト同期部品163の間に設置される。デッドボルト16がZ3回転に沿ってドアをロックするとき、第2デッドボルト同期部品164はデッドボルト16と同期するが、直線で動作し外に延伸する。本実施例において、デッドボルト16の位置制限突起1611は、第1の実施例と比較して、凹状でよいが、これは第1実施例と同じ作用であり、ここでは述べない。第1デッドボルト同期部品163及び第2デッドボルト同期部品164の追加により、本発明の実施例に伸縮材31、両端ねじりバネ32、フック33をさらに含む。デッドボルト16がロック解除状態のとき、図16に示すように、フック33はデッドボルト16に当接する。両端ねじりバネ32はフック33内に設置され、一端はフック33を押さえ、もう一端は機械的ロック筐体30に当接し、これによりフック33はデッドボルト16が回転するとき共に動作することができる。デッドボルト16の位置制限突起1611が通過すると、フック33はデッドボルト16に掛かり、デッドボルト16はドアから出ることができない。伸縮材31はドアを閉じたとき力を受けて錠前の内部方向に移動することができ、さらには時計回りにフック33を回転させ、これによりフック33は位置制限突起1611を留める範囲から離脱し、デッドボルト16を解放する。図15~16に示す通りである。さらに、説明すべきこととして、伸縮材31の錠前内部から離れた側は弧状であり、全てのタイプのドアに適用される。伸縮材31、両端ねじりバネ32及びフック33の設置により、ドアがドア枠から離れたときデッドボルトが出ないようにすることができ、さらには全体的な調和を向上させる。デッドボルトが不必要に出ることにより、糸、紐、又はその他のロープ状の物が引っかかるのも防止する。同時に、ドアを閉じるとき、デッドボルトのバネ力に抵抗する必要はなく、ドアを閉じる動作をよりスムーズにすることもできる。さらなる技術的効果において、このような設計は使用者がドアを開けるときデッドボルトを思いがけずにロックするのを防止することもできる。デッドボルトは、長期的にドアを開けるときに伸出し、引き戸を閉めるとき、ドア枠に衝突して一定の騒音が生じ、ドアロック自体が損耗する可能性があるが、この設計はデッドボルトがドア枠の一部に衝突するのを避けることができる。さらに、衝突は伸縮材31に集中する。伸縮材31に衝突すると、デッドボルト16は自動的に跳び出すため、引き戸の跳ね返りを防止する機能に影響を及ぼさない。
【0123】
以上、本発明が提供する公共空間及び私的空間を問わない錠前について詳細な説明を行った。具体的な実施例の説明は、本発明の方法及びその重要な発想に対する理解を助けるために過ぎない。当業者は、本発明の原理を逸脱しない前提で、本発明に対していくつかの改良及び改変を行うこともでき、これらの改良及び改変も、本発明の特許請求の範囲の保護範囲内にあることを指摘しなければならない。
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