IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社テック技販の特許一覧 ▶ 学校法人同志社の特許一覧

<>
  • 特許-トレッドミル 図1
  • 特許-トレッドミル 図2
  • 特許-トレッドミル 図3
  • 特許-トレッドミル 図4
  • 特許-トレッドミル 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-27
(45)【発行日】2022-08-04
(54)【発明の名称】トレッドミル
(51)【国際特許分類】
   A63B 22/02 20060101AFI20220728BHJP
   A63B 21/055 20060101ALI20220728BHJP
   A63B 23/04 20060101ALI20220728BHJP
   A63B 24/00 20060101ALI20220728BHJP
【FI】
A63B22/02
A63B21/055
A63B23/04 A
A63B24/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018114071
(22)【出願日】2018-06-14
(65)【公開番号】P2019216781
(43)【公開日】2019-12-26
【審査請求日】2021-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】503061485
【氏名又は名称】株式会社テック技販
(73)【特許権者】
【識別番号】503027931
【氏名又は名称】学校法人同志社
(74)【代理人】
【識別番号】100111349
【弁理士】
【氏名又は名称】久留 徹
(72)【発明者】
【氏名】纐纈 和美
(72)【発明者】
【氏名】辻内 伸好
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 圭
【審査官】石原 豊
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-308707(JP,A)
【文献】特開2015-119833(JP,A)
【文献】特表2009-542407(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0036272(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0017385(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0120042(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 1/00-26/00
A63B69/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間が走行する無端ベルトと、
当該無端ベルトを走行中における人間の蹴り出しを検出する蹴り出し検出部と、
当該蹴り出し検出部によって人間の蹴り出しが検出された場合に、無端ベルトの周回速度を低減させるように制御する制御部と、を備えてなるトレッドミルにおいて、
前記蹴り出し検出部が、無端ベルトの下方に設けられたフォースプレートによって無端ベルトの平面方向に沿った蹴り出しによる荷重を検出して、蹴り出しを検出するようにしたものであることを特徴とするトレッドミル。
【請求項2】
前記フォースプレートによって、人間の飛び跳ね状態が検出された場合、前記制御部によって、無端ベルトの周回速度を蹴り出し時の直前の周回速度に戻すようにした請求項に記載のトレッドミル。
【請求項3】
さらに、前記無端ベルト以外の固定部位と人間との間に連結される連結部材と、
当該連結部材にかかる作用する力を検出する力覚センサーと、
を備え、
前記力覚センサーによって所定値以上の荷重が検出された場合、前記制御部によって、無端ベルトの速度を上昇させるようにした請求項1に記載のトレッドミル。
【請求項4】
前記連結部材が、弾性体で構成されるものである請求項に記載のトレッドミル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無端ベルト上を走行できるようにしたトレッドミルに関するものであり、より具体的には、実際に地上を走行しているかのように、脚に負荷を与えられるようにしたトレッドミルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、トレッドミルは、周回する無端ベルト上を人間が走行することにより、人間の脚や心肺機能を鍛えられるように設けられている(特許文献1など)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-22176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、実際に、人間が地面を走行する場合、その人間の体重を前方に押し出すように脚に力をかけるようにするが、トレッドミル上でのトレーニングでは、周回する無端ベルトを後方に蹴り出すようしているため、脚にかかる負荷が著しく軽減されてしまう。このため、同じ距離を走ったとしても、地面を走行する場合と比べて、鍛えられる脚力が異なってしまうという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、実際に地上を走行しているかのように脚力を鍛えられるようにしたトレッドミルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明のトレッドミルは、上記課題を解決するために、人間が走行する無端ベルトと、当該無端ベルトを走行中における人間の蹴り出しを検出する蹴り出し検出部と、当該蹴り出し検出部によって人間の蹴り出しが検出された場合に、無端ベルトの周回速度を低減させるように制御する制御部と、を備えてなるトレッドミルにおいて、前記蹴り出し検出部が、無端ベルトの下方に設けられたフォースプレートによって無端ベルトの平面方向に沿った蹴り出しによる荷重を検出して、蹴り出しを検出するようにしたものである。
【0007】
このように構成すれば、蹴り出し時に無端ベルトの速度が低減されるため、人間の体重に近い荷重を前進させるように脚に負荷をかけることができ、実際に地面を走行しているかのように脚力を鍛えさせることができる。また、水平方向に沿った荷重を検出することで、実際の蹴り出しに近い状態を検出することができるようになる。
【0008】
また、このような発明において、前記フォースプレートによって、人間の飛び跳ね状態が検出された場合、前記制御部によって、無端ベルトの周回速度を蹴り出し時の直前の周回速度に戻すようにする。
【0009】
このように構成すれば、人間が飛び跳ねて着地状態に戻る際、無端ベルトが元の周回速度に戻っているため、無端ベルト上における人間の位置を定位置にすることができるようになる。
【0010】
また、前記無端ベルト以外の固定部位と人間との間に連結される連結部材と、当該連結部材に作用する力を検出する力覚センサーとを備え、前記力覚センサーによって所定値以上の荷重が検出された場合に、前記制御部によって、無端ベルトの速度を上昇させるようにする。
【0011】
このように構成すれば、蹴り出しと無端ベルトの速度低減によって人間が少し前方に進んだ場合、連結部材に設けられた力覚センサーでこれを検出することができ、無端ベルトの周回速度を速くして人間を元の位置に戻すことができるようになる。
【0012】
また、前記連結部材を弾性体で構成する。
【0013】
このように構成すれば、ゴムなどの弾性体によって人間の飛び跳ね時にその人間を元の位置に戻すことができるようになり、無端ベルトのほぼ一定範囲の距離で人間を走行させることができるようになる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、蹴り出し時に無端ベルトの速度が低減されるため、人間の体重に近い荷重を前進させるように脚に負荷をかけることができ、実際に地面を走行しているかのように脚力を鍛えさせることができる。また、水平方向に沿った荷重を検出することで、実際の蹴り出しに近い状態を検出することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施の形態におけるトレッドミルの構成を示す図
図2】同形態におけるトレッドミルの機能ブロック図
図3】同形態における人間の走行動作と力の関係を示す図
図4】同形態における走行中の足の位置を示す図
図5】同形態におけるトレッドミルの動作を示すフローチャート
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
この実施の形態におけるトレッドミル1は、図1に示すように、人間が載って走行する無端ベルト2と、この無端ベルト2の人間載置面21の下方に設けられるフォースプレート40とを備えるようにしたものである。そして、特徴的に、人間がトレッドミル1上を走行している際に、人間の蹴り出し期を検出し、無端ベルト2の周回速度を低減させて脚に負荷をかけるようにしたものである。以下、本実施の形態におけるトレッドミル1の構成について詳細に説明する。
【0017】
まず、無端ベルト2は、人間が走行できるようにしたものであって、上下方向に周回するゴムなどの樹脂で構成される。この無端ベルト2は、モーター3によって周回できるようになっており、制御部8(図2参照)によってその周回速度が制御される。
【0018】
一方、フォースプレート40は、無端ベルト2の人間載置面21の下方に接するように設けられるものであって、金属プレート42の四隅下方にロードセル41を設けて構成されている。そして、このロードセル41を用いて、無端ベルト2を介して作用する人間のZ軸方向の荷重や、Y軸方向の荷重を検出できるようになっている。なお、ここでZ軸方向は、鉛直方向下向きをプラス方向とし、Y軸方向については、走行方向の後向きをプラス方向としている。そして、これらのロードセル41でZ軸方向の荷重を検出する場合、四隅に設けられたロードセル41のZ軸方向の荷重を加算してZ軸方向の荷重を検出し、また、Y軸方向の荷重を検出する場合も同様に、四隅のロードセル41のY軸方向の荷重を加算してY軸方向の荷重を検出する。また、これらの四隅に設けられたロードセル41を用いて、Z軸方向の荷重からモーメントを算出し、人間の重心位置や、その移動速度なども検出する。なお、このようにフォースプレート40を無端ベルト2の下方に隣接して設けると、無端ベルト2の自重や摩擦によって初期荷重が検出されることになるが、これらの荷重についてはオフセットされる。そして、このようなフォースプレート40に設けられたロードセル41を用いて荷重を検出し、その値を蹴り出し検出部4(図2の機能ブロック図参照)に出力して、人間の「蹴り出し期」を検出するとともに、その際における無端ベルト2の速度を低減させるように制御部8を用いて制御する。
【0019】
まず、人間の蹴り出し期を検出するに際して、トレッドミル1上を走行する際の人間の動作と、これに対応する荷重などについて説明する。
<蹴り出し期>
【0020】
まず、人間が走行する場合、図3(a)に示すように、人間の足が身体の真下に存在している状態(立脚状態)からは、次の蹴り出しに備えて脚を曲げていくようになる。すると、それに伴って、Z軸方向の荷重Fzが徐々に大きくなり、最も強く蹴り出した瞬間P2にFzが最大になって、そこから足先を無端ベルト2から離れるまでの間、Fzが徐々に小さくなっていく。
【0021】
一方、Y軸方向の荷重については、Fzの荷重に無端ベルト2の周回に伴う摩擦抵抗を積算した荷重の他に、蹴り出しに伴うY軸方向の荷重が、フォースプレート40にかかることになる。このFy荷重についても、Fzと同様に、P1からP2に向けて荷重が徐々に大きくなり、そこから飛び跳ね期のタイミングであるP3に向かって値が小さくなっていく。
<飛び跳ね期>
【0022】
人間が地面を蹴り出して足先が地面から離れた状態(P3)からは、Fzの荷重が掛からなくなる(Fz=0)。しかしながら、無端ベルト2はフォースプレート40に接触しながら移動しているため、無端ベルト2の自重に摩擦係数を積算した荷重がかかることになるが、この値については、オフセットによって無視される。
<着地期>
【0023】
飛び跳ね状態から反対側の足が無端ベルト2に着地する場合(P4)、踵から無端ベルト2上に着地する。なお、ここでは、踵から着地する場合を想定しているが、走行方法によっては、足の先端側から接地する場合もある。この瞬間においては、フォースプレート40には、Z軸方向の荷重が急激に加わり、その後、脚の曲げに伴って荷重が減少するようになる。また、Y軸方向の荷重については、一瞬だけ大きな荷重がかかり(P5)、脚の曲げによって値が小さくなった後、再び荷重がかかるようになる。なお、このY軸方向の荷重は、走り方によっては、一瞬Y軸のプラス方向に荷重がかかるような場合もあり、そこから、再びマイナス方向に荷重がかかるような場合もある。そして、このように着地した後、無端ベルト2の周回によって、その足が身体の真下にきた状態になり、そこから再び蹴り出し期(P1~)が始まる。
【0024】
このような動作や荷重のもと、蹴り出し検出部4(図2の機能ブロック図参照)では、これらの各動作における荷重から人間の蹴り出し期を検出する。通常、人間が足を蹴り出す場合、無端ベルト2を介してフォースプレート40を後方に大きく蹴り出すことになる。このため、荷重が所定値よりも大きく検出された場合に、「蹴り出し期」に入ったと判断し、また、その荷重が所定値よりも小さくなった場合に、「蹴り出し期」が終了したと判断する。具体的には、Fzの荷重が所定値よりも大きくなった場合に「蹴り出し期」に入ったと判断し、Fzが所定値よりも小さくなった場合に「蹴り出し期」が終了したと判断する。ただし、このようにFzによる垂直荷重だけでは、飛び跳ね時と着地時の両方の場合に荷重が大きくなるため、正確に「蹴り出し期」のタイミングを判断することが難しくなる。このため、平面方向(Y軸方向)に沿った荷重であるFyが所定値よりも大きくなった状態も用いて、「蹴り出し期」に入ったと判断する。
【0025】
制御部8は、この蹴り出し検出部4によって「蹴り出し期」に入ったと判断された場合に、無端ベルト2の周回速度を低減させるようにモーター3を制御する。この無端ベルト2の周回速度を低減させる場合、無端ベルト2を停止させる方法もあるが、急に無端ベルト2を停止させると走行のバランスを崩す可能性がある。ここで、「蹴り出し期」に入ったと判断された場合、Fzの荷重の増減に対応して緩やかに周回速度を低減させるようにする。具体的には、P1時点からFzが増大していくことになるが、その荷重の増大に対応して回転速度を緩やかに低減させるように制御部8を用いてモーター3を制御する。そして、ピークP2に達した瞬間から荷重Fzが減少していくことに対応して、無端ベルト2の周回速度を元の周回速度に戻すようにする。そして、人間が完全に飛び跳ねた際に、「蹴り出し期」に入る直前の周回速度に戻すようにする。ただし、このように蹴り出し期に無端ベルト2の周回速度を遅くした場合、相対的に人間はトレッドミル1上で前方に進んでしまうことになる。すなわち、図4に示すように、立脚時(a)から蹴り出しを始めた際、無端ベルト2が遅くなるので、人間の位置が少し前方に進むことになる(図4(b)~(c))。そこで、床や壁面、トレッドミル1のフレームなどの固定部位5と人間(例えば、腰など)との間にゴムなどの弾性体で構成された連結部材6をつなぎ、飛び跳ね時にその弾性体の力で人間を元の位置に戻すようにする(図4(d))。
【0026】
また、このように連結部材6で人間を引き戻すようにしても、人間の蹴り出し力によっては定位置よりも前方に進んでしまい、徐々に無端ベルト2の前方側へと進んでしまう可能性がある。そこで、連結部材6に設けられた力覚センサー7によって所定値以上の荷重が検出された場合、すなわち、人間が前方に進みすぎてしまった場合、無端ベルト2の周回速度を上昇させるようにする。ただし、人間が着地した際に蹴り出し期に入る直前よりも速くすると走行のバランスが崩れてしまう可能性があるため、着地後に周回速度を緩やかに上昇させるようにする。このように周回速度を上昇させる場合、フォースプレート40によって人間の重心位置を検出し、その重心位置が定位置に収まるように周回速度を上昇させるようにするとよい。
【0027】
次に、このように構成されたトレッドミル1の動作フローについて、図5を用いて説明する。
【0028】
まず、人間がトレッドミル1の無端ベルト2に載って走行を開始する場合、片脚が立脚状態となり、もう片方の脚を踏み出すような状態となる(図3(a))。
【0029】
このとき、トレッドミル1は、フォースプレート40によってZ軸方向の荷重FzやY軸方向の荷重Fyを検出し(ステップS1)、これらの値が所定値以上になった場合に、「蹴り出し期」に入ったと判断する(ステップS2)。
【0030】
そして、制御部8は、Fzの荷重の大きさに応じて無端ベルト2の周回速度を緩やかに低減させるように制御する(ステップS3)。このとき、人間が踏み込みから蹴り出しを行うタイミング(P1~P2)においては、無端ベルト2が徐々に低速になり、そこから再び無端ベルト2の周回速度が元に戻るようになる。これにより人間は、自分の体重を前方に進ませようと脚に力を掛けることができるようになる。
【0031】
次に、人間の飛び跳ねが検出された場合(ステップS4)、垂直荷重Fzや水平荷重Fyは無荷重の状態に戻るため、制御部8によって「蹴り出し期」直前の周回速度に戻される(ステップS5)。なお、この飛び跳ね期においては、人間の脚力によって蹴り出し位置から少し前方に進んでしまうことになるが、人間の腰などに取り付けられたゴムなどの連結部材6によって、元の位置に引き戻される(図4(c)~(d))。
【0032】
次に、人間が着地した場合、Fzが急激に増え、これによって着地期に入ったことが検出される(ステップS6)。なお、この着地時においては、Fzは所定値よりも大きくなるが、Fyが所定値を超えないため、「蹴り出し期」ではないと判断される。
【0033】
着地期に入った後においては、先の飛び跳ね期に連結部材6の力覚センサー7によって所定値以上の荷重が検出されている場合(ステップS7)、その荷重に応じて徐々に無端ベルト2の周回速度を上昇させ(ステップS8)、人間が無端ベルト2の所定位置に収まるように無端ベルト2を周回させる。
【0034】
同様にして、反対側の脚による蹴り出しや飛び跳ね、着地などを繰り返していくようにする(ステップS1~S7)。
【0035】
このように上記実施の形態によれば、人間が走行する無端ベルト2と、当該無端ベルト2を走行中における人間の蹴り出しを検出する蹴り出し検出部4と、当該蹴り出し検出部4によって人間の蹴り出しが検出された場合に、無端ベルト2の周回速度を低減させるように制御する制御部8とを備えるようにしたトレッドミル1において、前記蹴り出し検出部4を、無端ベルト2の下方に設けられたフォースプレート40によって無端ベルト2の平面方向に沿った荷重を検出することによって、蹴り出しを検出するようにしたので、蹴り出し時に無端ベルト2の速度が低減され、人間の体重に近い荷重を前進させるように脚に負荷をかけることができるようになる。これにより、実際に地面を走行しているような状態で脚力を鍛えさせることができるようになる。また、水平方向に沿った荷重を検出することで、実際の蹴り出しに近い状態を検出することができるようになる。
【0036】
さらに、前記フォースプレート40によって、人間の飛び跳ね状態が検出された場合、前記制御部8によって、無端ベルト2の周回速度を蹴り出し時の直前の周回速度に戻すようにしたので、人間が飛び跳ねて着地状態に戻る際、無端ベルト2が元の周回速度に戻っているため、無端ベルト2上における人間の位置を定位置にすることができるようになる。
【0037】
また、前記無端ベルト2以外の固定部位5と人間との間に連結される連結部材6と、当該連結部材6に作用する力を検出する力覚センサー7とを備え、前記力覚センサー7によって所定値以上の荷重が検出された場合に、前記制御部8によって、無端ベルト2の速度を上昇させるようにしたので、蹴り出しによって人間が少し前方に進んだ場合、連結部材6に設けられた力覚センサー7でこれを検出することができ、無端ベルト2の周回速度を速くして人間を元の位置に戻すことができるようになる。
【0038】
また、前記連結部材6を弾性体で構成するようにしたので、ゴムなどによって人間の飛び跳ね時にその人間を元の位置に戻すことができるようになり、ほぼ一定範囲に収めて人間を走行させることができるようになる。
【0039】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。
【0040】
例えば、上記実施の形態では、ゴムなどの連結部材6を人間の腰に取り付けて引き戻すようにしたが、ゴムなどを取り付けることなく人間を走行させ、その人間の重心位置が所定範囲を超えて前方に移動した際に、これを引き戻すように周回速度を上昇させるようにしてもよい。
【0041】
また、上記実施の形態では、連結部材6に力覚センサー7を取り付けて無端ベルト2の周回速度を制御させるようにしたが、この力覚センサー7を設けることなく、ゴムの弾性力によって人間を引き戻すようにしてもよい。
【0042】
さらに、上記実施の形態では、フォースプレート40によって人間の位置を検出できるようにしたが、別途設けられた光学センサーなどによって人間の位置を検出して、所定の範囲内で人間を走行させるように制御してもよい。
【0043】
また、上記実施の形態では、水平方向の荷重Fyによって蹴り出し期を検出できるようにしたが、蹴り出しに伴う垂直方向の荷重Fzによって蹴り出し期を検出できるようにしてもよい。
【0044】
また、上記実施の形態では、無端ベルト上を走行する人間の例として、飛び跳ねるように走行する人間を例に挙げて説明したが、これに限らず、歩行する人間や車椅子に乗って走行する人間などの場合にも適用することができる。
【符号の説明】
【0045】
1・・・トレッドミル
2・・・無端ベルト
21・・・人間載置面
3・・・モーター
4・・・蹴り出し検出部
40・・・フォースプレート
41・・・ロードセル
42・・・金属プレート
5・・・固定部位
6・・・連結部材
7・・・力覚センサー
8・・・制御部
図1
図2
図3
図4
図5