(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-27
(45)【発行日】2022-08-04
(54)【発明の名称】洗面化粧台
(51)【国際特許分類】
E03C 1/05 20060101AFI20220728BHJP
A47K 1/00 20060101ALI20220728BHJP
【FI】
E03C1/05
A47K1/00 Z
(21)【出願番号】P 2018131006
(22)【出願日】2018-07-10
【審査請求日】2021-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】占部 寿人
(72)【発明者】
【氏名】藤田 恒彦
(72)【発明者】
【氏名】木村 昴史
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-024225(JP,A)
【文献】特開2010-009834(JP,A)
【文献】特開2003-293406(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0172264(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/00-1/10
A47K 1/00-1/14
A47B 67/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗面化粧台であって、
水を吐出する吐水部と、
前記吐水部からの水を受けるボウル部と、
前記吐水部の近傍及び前記ボウル部の少なくともいずれかを照らす照明部と、
前記吐水部の近くにある被検知物を検知するセンサと、
前記センサが検知状態から非検知状態になると非検知時間の測定を開始する非検知時間測定部と、
前記センサからの検知信号に基づいて、前記照明部の点灯及び消灯を切り替える制御部と、
前記検知信号の変化度を演算する変化度演算部と、
を備え、
前記制御部は、
前記検知状態と前記非検知状態とを判定するための第1閾値と、
前記変化度を判定するための第2閾値と、
を有し、
前記検知信号が前記第1閾値以上になると、前記照明部を点灯させ、
前記非検知時間が所定時間を超えると、前記照明部を消灯させ、
前記非検知時間が前記所定時間を超える前に、
前記変化度が前記第2閾値以上になると、前記非検知時間をリセットすることを特徴とする洗面化粧台。
【請求項2】
前記制御部は、前記非検知時間が前記所定時間を超えるまでに前記センサが検知状態になった検知回数に応じて、前記所定時間の後に、前記照明部を消灯するまでの延長時間を付与することを特徴とする請求項1記載の洗面化粧台。
【請求項3】
前記制御部は、前記検知回数が所定回数を超えると、前記延長時間を所定の最長時間にすること特徴とする請求項2記載の洗面化粧台。
【請求項4】
洗面化粧台であって、
水を吐出する吐水部と、
前記吐水部からの水を受けるボウル部と、
前記吐水部の近傍及び前記ボウル部の少なくともいずれかを照らす照明部と、
前記吐水部の近くにある被検知物を検知するセンサと、
前記センサが検知状態になると検知時間の測定を開始し、前記センサが前記検知状態から非検知状態になると非検知時間の測定を開始する検知時間測定部と、
前記センサからの検知信号に基づいて、前記照明部の点灯及び消灯を切り替える制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記センサが前記検知状態になると、前記吐水部からの吐水を開始させるとともに、前記照明部を点灯させ、
前記センサが前記検知状態から前記非検知状態になると、前記吐水を停止させ、
前記非検知時間が所定時間を超えると、前記照明部を消灯させ、
前記検知時間の長さに応じて、前記センサが前記検知状態から前記非検知状態になった後に前記照明部を消灯させるまでの時間の長さを変更することを特徴とする洗面化粧台。
【請求項5】
前記検知信号の変化度を演算する変化度演算部をさらに備え、
前記制御部は、
前記検知状態と前記非検知状態とを判定するための第1閾値と、
前記変化度を判定するための第2閾値と、
を有し、
前記検知信号が前記第1閾値以上になると、前記照明部を点灯させ、
前記非検知時間が前記所定時間を超える前に、前記変化度が前記第2閾値以上になると、前記非検知時間をリセットすることを特徴とする請求
項4記載の洗面化粧台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、洗面化粧台に関する。
【背景技術】
【0002】
洗面化粧台において、夜間など周囲が暗い環境において、吐水部近傍やボウル部が視認しやすいように、それらを照らす照明部(以下、手元照明という)を取り付けたものが知られている。
【0003】
この手元照明の制御として、センサが人体を検知した際に、点灯するような制御を採用すると、この手元照明は、センサが吐水部近傍の手などの被検知物を検知した際に点灯するため、夜間においても吐水部からの吐水などが見えやすく洗面化粧台の使い勝手がよい。
【0004】
また、センサが非検知状態となってから所定時間(オフディレイ時間)経過後に手元照明を消灯させることで、使用者が手などをボウル部内に頻繁に出し入れする際に、照明部の点灯及び消灯が頻繁に起こって使用者に不快感を与えることを抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
洗面化粧台で行う行為としては、手洗い行為が最も多い。手洗いの場合、照明部の点灯時間は比較的短くてもよいため、オフディレイ時間は、通常、数秒~数十秒に設定されている。一方、洗面化粧台で行う行為には、通常の手洗い以外にも洗濯など比較的時間が長い(例えば、15分程度の)ものがある。例えば、洗濯を行う場合、使用者は、吐水部近傍での動作(例えば、すすぎなど)と吐水部近傍以外でのボウル内での動作(例えば、もみ洗いなど)とを繰り返し行う。そのため、センサは、検知状態と非検知状態とを繰り返す。
【0007】
しかし、通常、オフディレイ時間の経過前に、センサが検知状態になっても、非検知時間のカウントは、継続されるようになっている。そのため、例えば、使用者が洗面化粧台にて洗濯などを行うと、センサが検知状態と非検知状態とを繰り返しても非検知時間のカウントが継続され、所定時間が経過すると使用者が洗濯中にも関わらず手元照明が消えてしまい、使い勝手が悪いという問題がある。
【0008】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、使用中に照明が消えてしまうことを抑制できる洗面化粧台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、洗面化粧台であって、水を吐出する吐水部と、前記吐水部からの水を受けるボウル部と、前記吐水部の近傍及び前記ボウル部の少なくともいずれかを照らす照明部と、前記吐水部の近くにある被検知物を検知するセンサと、前記センサが検知状態から非検知状態になると非検知時間の測定を開始する非検知時間測定部と、前記センサからの検知信号に基づいて、前記照明部の点灯及び消灯を切り替える制御部と、を備え、前記制御部は、前記センサが前記検知状態になると、前記照明部を点灯させ、前記非検知時間が所定時間を超えると、前記照明部を消灯させ、前記非検知時間が前記所定時間を超える前に、前記センサが検知状態になると、前記非検知時間をリセットすることを特徴とする洗面化粧台である。
【0010】
この洗面化粧台によれば、非検知時間が所定時間を超える前に、センサが検知状態になると、非検知時間がリセットされる。そのため、例えば、洗濯行為中など、吐水部を頻繁に使用しない場合にも、洗面化粧台の使用中に照明が消えてしまうことを抑制でき、使い勝手がよい。また、この洗面化粧台によれば、使用者が手などの被検知物をボウル部内に頻繁に出し入れする際に、吐水部からの吐水に合わせて、照明部が点灯及び消灯することを抑制できる。したがって、照明部の頻繁な点灯及び消灯によって使用者に不快感を与えることを抑制できる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、前記制御部は、前記非検知時間が前記所定時間を超えるまでに前記センサが検知状態になった検知回数に応じて、前記所定時間の後に、前記照明部を消灯するまでの延長時間を付与することを特徴とする洗面化粧台である。
【0012】
この洗面化粧台によれば、検知回数に応じて、所定時間の後に、照明部を消灯するまでの延長時間を付与することで、使用中に照明が消えてしまうことをより効果的に抑制でき、使い勝手がよい。
【0013】
第3の発明は、第2の発明において、前記制御部は、前記検知回数が所定回数を超えると、前記延長時間を所定の最長時間にすること特徴とする洗面化粧台である。
【0014】
この洗面化粧台によれば、検知回数が多くなっても、延長時間が所定の最長時間よりも長くならないようにすることで、洗濯行為などが終わった後に無駄に照明部の点灯を継続することを抑制できる。
【0015】
第4の発明は、洗面化粧台であって、水を吐出する吐水部と、前記吐水部からの水を受けるボウル部と、前記吐水部の近傍及び前記ボウル部の少なくともいずれかを照らす照明部と、前記吐水部の近くにある被検知物を検知するセンサと、前記センサが検知状態になると検知時間の測定を開始し、前記センサが前記検知状態から非検知状態になると非検知時間の測定を開始する検知時間測定部と、前記センサからの検知信号に基づいて、前記照明部の点灯及び消灯を切り替える制御部と、を備え、前記制御部は、前記センサが前記検知状態になると、前記吐水部からの吐水を開始させるとともに、前記照明部を点灯させ、前記センサが前記検知状態から前記非検知状態になると、前記吐水を停止させ、前記非検知時間が所定時間を超えると、前記照明部を消灯させ、前記検知時間の長さに応じて、前記センサが前記検知状態から前記非検知状態になった後に前記照明部を消灯させるまでの時間の長さを変更することを特徴とする洗面化粧台である。
【0016】
この洗面化粧台によれば、検知時間の長さに応じて、センサが検知状態から非検知状態になった後に照明部を消灯させるまでの時間の長さが変更される。そのため、例えば、洗濯行為中など、吐水部を頻繁に使用しない場合にも、洗面化粧台の使用中に照明が消えてしまうことを抑制でき、使い勝手がよい。また、この洗面化粧台によれば、使用者が手などの被検知物をボウル部内に頻繁に出し入れする際に、吐水部からの吐水に合わせて、照明部が点灯及び消灯することを抑制できる。したがって、照明部の頻繁な点灯及び消灯によって使用者に不快感を与えることを抑制できる。
【0017】
第5の発明は、第1~第4のいずれか1つの発明において、前記検知信号の変化度を演算する変化度演算部をさらに備え、前記制御部は、前記検知状態と前記非検知状態とを判定するための第1閾値と、前記変化度を判定するための第2閾値と、を有し、前記検知信号が前記第1閾値以上になると、前記照明部を点灯させ、前記非検知時間が前記所定時間を超える前に、前記変化度が前記第2閾値以上になると、前記非検知時間をリセットすることを特徴とする洗面化粧台である。
【0018】
この洗面化粧台によれば、非検知時間が所定時間を超える前に、検知信号の変化度が第2閾値以上になると、非検知時間がリセットされる。これにより、例えば、もみ洗い動作中などの、センサが検知状態になりにくい作業中であっても、照明が消えてしまうことを抑制でき、さらに使い勝手がよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の態様によれば、使用中に照明が消えてしまうことを抑制できる洗面化粧台が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施形態に係る洗面化粧台を模式的に表す斜視図である。
【
図2】
図2(a)及び
図2(b)は、実施形態に係る洗面化粧台の水栓装置を模式的に表す斜視図及び正面図である。
【
図3】実施形態に係る洗面化粧台の一部を模式的に表す回路図である。
【
図4】第1実施形態に係る洗面化粧台の動作の一例を表すフローチャートである。
【
図5】第1実施形態に係る洗面化粧台の動作の一例を表すタイミングチャートである。
【
図6】第1実施形態に係る洗面化粧台の動作の別の一例を表すフローチャートである。
【
図7】第1実施形態に係る洗面化粧台の動作の別の一例を表すタイミングチャートである。
【
図8】第1実施形態に係る洗面化粧台の動作のさらに別の一例を表すフローチャートである。
【
図9】第1実施形態に係る洗面化粧台の動作のさらに別の一例を表すタイミングチャートである。
【
図10】第2実施形態に係る洗面化粧台の動作の一例を表すフローチャートである。
【
図11】第2実施形態に係る洗面化粧台の動作の一例を表すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係る洗面化粧台を模式的に表す斜視図である。
図1に表したように、洗面化粧台100は、洗面器102と、水栓装置10と、支持台106と、ミラーキャビネット108と、照明装置110と、を備える。
【0022】
なお、本願明細書では、洗面化粧台100と向き合う使用者からみて手前側を「前方」とし、奥側を「後方」とし、上側を「上方」とし、下側を「下方」とし、右側を「右側方」とし、左側を「左側方」とする。
【0023】
洗面器102は、ボウル部122と、バックガード部124と、を有する。ボウル部122は、下方に向かって凹んだ凹状に形成されている。ボウル部122は、吐水部20からの水を受ける。ボウル部122は、排水口(不図示)を有する。排水口は、ボウル部122の底部に設けられる。排水口は、排水管に接続され、ボウル部122に吐出された水を排水管に流す。
【0024】
バックガード部124は、ボウル部122の後端から上方に延びる。バックガード部124は、必要に応じて設けられ、省略可能である。洗面器102の形状は、少なくともボウル部122を有する任意の形状でよい。
【0025】
洗面器102は、支持台106の上に設けられる。支持台106は、洗面器102を支持する。支持台106は、例えば、本体部106aと、2つの引き出し106b、106cと、を有する。各引き出し106b、106cは、内部に物品を収納可能とする。
【0026】
このように、支持台106は、物品を収納可能なキャビネットとしても機能する。支持台106は、換言すれば、下部キャビネット(フロアキャビネット)である。なお、引き出しの数は、2つに限ることなく、1つでもよいし、3つ以上でもよい。また、支持台106は、引き出し式のキャビネットに限ることなく、扉式のキャビネットでもよい。
【0027】
支持台106は、必ずしも収納機能を有していなくてもよい。支持台106は、洗面器102を支持可能な任意の構成でよい。また、洗面器102は、例えば、洗面所などの壁面に直接取り付けてもよい。すなわち、支持台106は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0028】
水栓装置10は、ボウル部122よりも上方に延びる壁面WSに設けられる。水栓装置10は、例えば、洗面器102のバックガード部124に取り付けられ、ボウル部122の上方に配置される。これにより、水栓装置10は、洗面器102のボウル部122に向けて水を吐出する。本願明細書において、「前方」は、換言すれば、壁面WSの向く方向である。また、本願明細書において、「水」には、冷水のみならず、加温されたお湯が含まれる。
【0029】
水栓装置10の取付位置は、上記に限ることなく、例えば、洗面器102の後部上方に設けられる取付パネル(バックパネル)などに取り付けてもよいし、洗面所などの壁面に直接取り付けてもよい。水栓装置10の取付位置は、ボウル部122内に水を吐出可能な任意の位置でよい。水栓装置10の取付位置は、ボウル部122よりも上方に延びる任意の壁面WSでよい。水栓装置10の取付位置は、洗面器102の形状などに応じて適宜設定すればよい。
【0030】
ミラーキャビネット108は、ボウル部122を有する洗面器102よりも上方に設置される。ミラーキャビネット108は、キャビネット本体130と、3枚の扉131~133と、を有する。キャビネット本体130は、前方を開口させた略直方体の開口箱状であり、内部に物品を収納可能とする。また、各扉131~133の前面には、鏡131a~133aが設けられている。なお、ミラーキャビネット108に設けられる扉及び鏡の数は、3枚に限ることなく、1枚又は2枚でもよいし、4枚以上でもよい。
【0031】
照明装置110は、ミラーキャビネット108の上部に設けられている。照明装置110は、例えば、ミラーキャビネット108において各扉131~133よりも上方に設けられる。照明装置110は、下方に向かって光を照射し、各扉131~133(各鏡131a~133a)、及びボウル部122を照らす。照明装置110は、ミラーキャビネット108の上部に限ることなく、ミラーキャビネット108の下部や側端部、内部に設けてもよい。
【0032】
図2(a)
図2(b)は、実施形態に係る洗面化粧台の水栓装置を模式的に表す斜視図及び正面図である。
図2(a)及び
図2(b)に表したように、水栓装置10は、吐水部20と、本体部30と、照明部40と、操作部50と、センサ60と、を備える。
【0033】
吐水部20は、ボウル部122へ水を吐出する。吐水部20は、いわゆるスパウトである。吐水部20には、水を吐出する吐水口22が設けられている。操作部50は、吐水部20から吐出される水の流量を調整する。また、操作部50は、吐水部20から吐出される水の温度を調整する。
【0034】
操作部50は、操作レバー50aを有する。操作部50は、使用者による操作レバー50aの操作に応じて、吐水部20から吐出される水の流量及び温度を調整する。操作レバー50aは、例えば、前後方向及び左右方向に揺動可能に上端部を操作部50の本体部分に軸支される。例えば、操作レバー50aを前後方向に揺動させることにより、吐水部20から吐出される水の流量が調整され、操作レバー50aを左右方向に揺動させることにより、吐水部20から吐出される水の温度が調整される。操作部50における流量及び温度の調整の態様は、操作レバー50aに限ることなく、流量及び温度を調整可能な任意の態様でよい。
【0035】
吐水部20は、湯水混合部などを介して給水管及び給湯管などに接続される。吐水部20から吐出される水は、例えば、上水(水道水)である。吐水部20から吐出される水の温度調整は、操作部50とは別の調整部で行ってもよい。操作部50は、少なくとも吐水部20から吐出される水の流量を調整できればよい。
【0036】
本体部30は、壁面WSから前方に突出するように設けられる。吐水部20及び操作部50は、本体部30の下部に設けられる。吐水部20は、本体部30の下方に向けて水を吐出する。操作部50の操作レバー50aは、本体部30から下方に向かって延びる。本体部30は、吐水部20及び操作部50の上方を覆う。本体部30の上面は、略水平に設けられており、物品を載置可能である。つまり、本体部30は、物品を載置する棚として使用することができる。このように、水栓装置10は、いわゆる棚水栓であってもよい。
【0037】
吐水部20、本体部30、及び操作部50は、例えば、それぞれ個別に壁面WS(バックガード部124の前面)に取り付けられる。これにより、例えば、メンテナンスの際などに、吐水部20及び操作部50を壁面WSに取り付けた状態のまま、本体部30のみを壁面WSから取り外すことができ、水栓装置10のメンテナンス性を向上させることができる。但し、吐水部20及び操作部50は、本体部30に取り付け、本体部30を介して壁面WSに取り付けてもよい。
【0038】
吐水部20は、壁面WSから引き出して使用することができる、いわゆるプルアウト機能を有していてもよい。換言すれば、吐水部20は、本体部30からプルアウト可能であってもよい。これにより、吐水部20をハンドシャワーとして用いることができ、ボウル部122の清掃などを行うことができる。なお、この場合、吐水部20は、壁面WSに保持されていてもよいし、本体部30に保持されていてもよい。
【0039】
照明部40は、吐水部20の近傍及びボウル部122の少なくともいずれかを照らす。照明部40は、例えば、水栓装置10に設けられた手元照明である。照明部40は、例えば、吐水部20の近傍に設けられる。この例では、照明部40は、本体部30の下部に設けられており、下方に位置するボウル部122に向けて光を照射する。また、この例では、照明部40は、吐水部20の横に位置する。照明部40は、例えば、LEDなどの光源を有する。
【0040】
センサ60は、吐水部20の近くにある被検知物を検知する。センサ60は、例えば、吐水部20の近くにある使用者の手などを検知する。センサ60は、例えば、投光部と受光部とを有する光電センサである。センサ60は、例えば、吐水部20の近傍に設けられる。この例では、センサ60は、本体部30の前方下部に設けられている。センサ60は、例えば、吐水部20の前方に位置する。
【0041】
図3は、実施形態に係る洗面化粧台の一部を模式的に表す回路図である。
図3に表したように、洗面化粧台100は、制御部70と、非検知時間測定部80と、変化度演算部90と、をさらに備える。
【0042】
制御部70は、例えば、水栓装置10に設けられる。制御部70は、例えば、本体部30の内部に設けられる。制御部70は、照明部40、センサ60、非検知時間測定部80、及び変化度演算部90と接続されている。制御部70は、センサ60からの検知信号に基づいて、照明部40を制御する。より具体的には、制御部70は、センサ60からの検知信号に基づいて、照明部40の点灯及び消灯を切り替える。
【0043】
制御部70は、照明部40以外を制御してもよい。制御部70は、例えば、センサ60からの検知信号に基づいて、給水源と吐水部20との間に設けられる開閉弁の開閉を制御してもよい。これにより、制御部70は、センサ60からの検知信号に基づいて、吐水部20の吐水及び止水を行う、いわゆる自動吐水を行うことができる。このように、水栓装置10は自動吐水を行う水栓装置であってもよい。また、制御部70は、センサ60を制御してもよい。
【0044】
非検知時間測定部80は、例えば、水栓装置10に設けられる。非検知時間測定部80は、例えば、本体部30の内部に設けられる。非検知時間測定部80は、センサ60が非検知状態の時間である非検知時間NTを測定する。非検知時間測定部80は、センサ60が検知状態から非検知状態になると、非検知時間NTの測定を開始する。例えば、非検知時間測定部80が制御部70の外部に設けられる場合、測定された非検知時間NTは、制御部70に出力される。なお、非検知時間測定部80は、制御部70に設けられてもよい。換言すれば、非検知時間測定部80と制御部70とは、ひとつの部品であってもよい。
【0045】
非検知時間測定部80は、非検知時間NTに加えて、センサ60が検知状態の時間である検知時間DTを測定可能であってもよい。この場合、非検知時間測定部80は、例えば、センサ60が検知状態になると、検知時間DTの測定を開始する。また、後述のように、非検知時間測定部80の代わりに検知時間測定部85が設けられていてもよい。
【0046】
変化度演算部90は、例えば、水栓装置10に設けられる。変化度演算部90は、例えば、本体部30の内部に設けられる。変化度演算部90は、センサ60からの検知信号の変化度を演算する。例えば、変化度演算部90が制御部70の外部に設けられる場合、算出された変化度は、制御部70に出力される。なお、変化度演算部90は、制御部70に設けられてもよい。換言すれば、変化度演算部90と制御部70とは、ひとつの部品であってもよい。
【0047】
変化度は、例えば、検知信号のばらつきである。変化度は、例えば、検知信号の標準偏差で表される。より具体的には、変化度は、例えば、過去8回の検知信号の標準偏差で表される。変化度は、例えば、検知信号の微分係数であってもよい。例えば、センサ60の検知可能な範囲にある使用者の手などの被検知物が動いている場合、変化度は大きい。一方、例えば、センサ60の検知可能な範囲に被検知物がない場合や、センサ60の検知可能な範囲にある被検知物が動いていない場合、変化度は小さい。つまり、検知信号が小さい場合であっても、変化度が大きい場合には、被検知物が動いているとみなすことができる。
【0048】
図4は、第1実施形態に係る洗面化粧台の動作の一例を表すフローチャートである。
図4に表したように、センサ60が検知状態になると(ステップS101)、制御部70は、照明部40を点灯させる(ステップS102)。センサ60が検知状態から非検知状態になると(ステップS103)、非検知時間測定部80は、非検知時間NTの測定を開始する(ステップS104)。
【0049】
非検知時間NTが所定時間PTを超える前に、センサ60が検知状態になると(ステップS105:No)、制御部70は、非検知時間NTをリセットする(ステップS106)。非検知時間NTがリセットされ、センサ60が、再度、検知状態から非検知状態になると、ステップS104に戻り、非検知時間測定部80は、再度、非検知時間NTの測定を開始する。
【0050】
非検知時間NTが所定時間PTを超えると(ステップS105:Yes)、制御部70は、照明部40を消灯させる(ステップS107)。
【0051】
図5は、第1実施形態に係る洗面化粧台の動作の一例を表すタイミングチャートである。
図5に表したように、センサ60が検知状態になると、制御部70は、照明部40を点灯させる(タイミングt101)。この例では、制御部70は、照明部40を点灯させるとともに、吐水部20からの吐水を開始させる。センサ60が非検知状態になると、制御部70は、吐水部20からの吐水を停止させる(タイミングt102)。また、センサ60が非検知状態になると、非検知時間測定部80は、非検知時間NTの測定(カウント)を開始する。非検知時間NTが所定時間PTを超えると、制御部70は、照明部40を消灯させる(タイミングt103)。
【0052】
センサ60が、再度、検知状態になると、制御部70は、照明部40を点灯させるとともに、吐水部20からの吐水を開始させる(タイミングt104)。センサ60が非検知状態になると、制御部70は、吐水部20からの吐水を停止させ、非検知時間測定部80は、非検知時間NTの測定(カウント)を開始する(タイミングt105)。
【0053】
非検知時間NTが所定時間PTを超える前に、センサ60が検知状態になると、制御部70は、非検知時間NTをリセットするとともに、吐水部20からの吐水を開始させる(タイミングt106)。センサ60が、再度、検知状態から非検知状態になると、制御部70は、吐水部20からの吐水を停止させ、非検知時間測定部80は、再度、非検知時間NTの測定を開始する(タイミングt107)。非検知時間NTが所定時間PTを超えると、制御部70は、照明部40を消灯させる(タイミングt108)。
【0054】
このように、第1実施形態において、照明部40は、センサ60が非検知状態になっても、非検知時間NTが所定時間PTを超えるまで点灯し続ける。そして、センサ60が検知状態になると、非検知時間NTはリセットされる。これにより、例えば、洗濯行為中など、吐水部20を頻繁に使用しない場合にも、洗面化粧台100の使用中に照明が消えてしまうことを抑制でき、使い勝手がよい。また、使用者が手などの被検知物をボウル部122内に頻繁に出し入れする際に、吐水部20からの吐水に合わせて、照明部40が点灯及び消灯することを抑制できる。したがって、照明部40の頻繁な点灯及び消灯によって使用者に不快感を与えることを抑制できる。
【0055】
なお、この例では、非検知時間NTのリセットは、センサ60が検知状態になったとき(タイミングt106)に行われているが、非検知時間NTをリセットするタイミングは、これに限定されない。非検知時間NTのリセットは、例えば、センサ60が非検知状態になったとき(タイミングt107)に行われてもよいし、センサ60が検知状態になった後で非検知状態になる前に行われてもよい。すなわち、非検知時間NTのリセットは、タイミングt106からタイミングt107までの間のどこかで行われればよい。
【0056】
図6は、第1実施形態に係る洗面化粧台の動作の別の一例を表すフローチャートである。
図6に表したように、センサ60が検知状態になると(ステップS201)、制御部70は、照明部40を点灯させる(ステップS202)。センサ60が検知状態から非検知状態になると(ステップS203)、非検知時間測定部80は、非検知時間NTの測定を開始する(ステップS204)。非検知時間NTが所定時間PTを超える前に、センサが検知状態になると(ステップS205:No)、制御部70は、非検知時間NTをリセットする(ステップS206)。
図6のステップS201~S206は、
図4のステップS101~S106と実質的に同じである。
【0057】
非検知時間NTが所定時間PTを超えると(ステップS205:Yes)、制御部70は、非検知時間NTが所定時間PTを超えるまでにセンサ60が検知状態になった回数(検知回数)が1回以上かを判定する(ステップS207)。
【0058】
検知回数が1回以上ではない(すなわち、0回である)と(ステップS207:No)、制御部70は、照明部40を消灯させる(ステップS208)。
【0059】
検知回数が1回以上であると(ステップS207:Yes)、制御部70は、検知回数が2回以上かを判定する(ステップS209)。検知回数が2回以上ではない(すなわち、1回である)と(ステップS209:No)、制御部70は、所定時間PTの後に、照明部40を消灯するまでの第1延長時間ET1を付与する(ステップS210)。これにより、照明部40の点灯時間は、第1延長時間ET1の分延長される。制御部70は、例えば、第1延長時間ET1経過後に、照明部40を消灯させる(ステップS208)。
【0060】
検知回数が2回以上であると(ステップS209:Yes)、制御部70は、検知回数が3回以上かを判定する(ステップS211)。検知回数が2回以上ではない(すなわち、1回である)と(ステップS211:No)、制御部70は、所定時間PTの後に、照明部40を消灯するまでの第2延長時間ET2を付与する(ステップS212)。これにより、照明部40の点灯時間は、第2延長時間ET2の分延長される。制御部70は、例えば、第2延長時間ET2経過後に、照明部40を消灯させる(ステップS208)。
【0061】
検知回数が3回以上であると(ステップS211:Yes)、制御部70は、所定時間PTの後に、照明部40を消灯するまでの第3延長時間ET3を付与する(ステップS213)。これにより、照明部40の点灯時間は、第3延長時間ET3の分延長される。制御部70は、例えば、第3延長時間ET3経過後に、照明部40を消灯させる(ステップS208)。
【0062】
このように、制御部70は、非検知時間NTが所定時間PTを超えるまでにセンサ60が検知状態になった回数(検知回数)に応じて、所定時間PTの後に、照明部40を消灯するまでの延長時間ET(例えば、第1~第3延長時間ET1~ET3)を付与する。
【0063】
検知回数が多いほど、洗濯行為などが長時間行われている可能性が高い。そのため、検知回数に応じて、所定時間の後に、照明部40を消灯するまでの延長時間ETを付与することで、洗面化粧台100の使用中に照明が消えてしまうことをより効果的に抑制でき、使い勝手がよい。
【0064】
例えば、第2延長時間ET2は、第1延長時間ET1よりも長く、第3延長時間ET3は、第2延長時間ET2よりも長い。このように、例えば、検知回数が多いほど、延長時間ETを長くすることできる。
【0065】
一方で、検知回数に応じて延長時間ETを無制限に長くするように構成すると、洗濯行為などが終わった後に無駄に照明部40の点灯を継続することになる恐れがある。そこで、例えば、制御部70は、検知回数が所定回数を超えると、延長時間ETを所定の最長時間にする。例えば、この例では、延長時間ETの所定の最長時間は、第3延長時間ET3である。これにより、検知回数が多くなっても、延長時間ETが所定の最長時間よりも長くならないようにすることができ、洗濯行為などが終わった後に無駄に照明部40の点灯を継続することを抑制できる。
【0066】
なお、制御部70は、第1~第3延長時間ET1~ET3の間にセンサ60が検知状態にならなければ、照明部40を消灯させ、第1~第3延長時間ET1~ET3の間にセンサ60が検知状態になったら、センサ60が非検知状態になった後、ステップS204に戻るような制御を行ってもよい。
【0067】
図7は、第1実施形態に係る洗面化粧台の動作の別の一例を表すタイミングチャートである。
図7に表したように、センサ60が検知状態になると、制御部70は、照明部40を点灯させるとともに、吐水部20からの吐水を開始させる(タイミングt201)。センサ60が非検知状態になると、制御部70は、吐水部20からの吐水を停止させ、非検知時間測定部80は、非検知時間NTの測定(カウント)を開始する(タイミングt202)。
【0068】
非検知時間NTが所定時間PTを超える前に、センサ60が検知状態になると、制御部70は、非検知時間NTをリセットするとともに、吐水部20からの吐水を開始させる(タイミングt203)。センサ60が、再度、検知状態から非検知状態になると、制御部70は、吐水部20からの吐水を停止させ、非検知時間測定部80は、再度、非検知時間NTの測定を開始する(タイミングt204)。
【0069】
非検知時間NTが所定時間PTを超える前に、再度、センサ60が検知状態になると、制御部70は、再度、非検知時間NTをリセットするとともに、吐水部20からの吐水を開始させる(タイミングt205)。そして、センサ60が、再度、検知状態から非検知状態になると、制御部70は、吐水部20からの吐水を停止させ、非検知時間測定部80は、再度、非検知時間NTの測定を開始する(タイミングt206)。
【0070】
非検知時間NTが所定時間PTを超えると、制御部70は、非検知時間NTが所定時間PTを超えるまでにセンサ60が検知状態になった回数(検知回数)に応じて、所定時間PTの後に、照明部40を消灯するまでの延長時間ETを付与する(タイミングt207)。なお、検知回数は、非検知時間NTをリセットした回数(リセット回数)と同じである。したがって、制御部70は、リセット回数に応じた延長時間ETを付与してもよい。この例では、照明部40が点灯した直後の非検知状態から、非検知時間NTが所定時間PTを超えるまでにセンサ60が検知状態になった回数は、2回である。したがって、制御部70は、所定時間PTの後に、第2延長時間ET2を付与する。制御部70は、第2延長時間ET2経過後に、照明部40を消灯させる(タイミングt208)。
【0071】
図8は、第1実施形態に係る洗面化粧台の動作のさらに別の一例を表すフローチャートである。
制御部70は、検知状態と非検知状態とを判定するための第1閾値TH1と、検知信号の変化度を判定するための第2閾値TH2と、を有する。
【0072】
図8に表したように、検知信号が第1閾値TH1未満のとき(ステップS301:No)、センサ60は非検知状態である。検知信号が第1閾値TH1以上になると(ステップS301:Yes)、センサ60は検知状態になり(ステップS302)、制御部70は、照明部40を点灯させる(ステップS303)。センサ60が検知状態から非検知状態になると(ステップS304)、非検知時間測定部80は、非検知時間NTの測定を開始する(ステップS305)。
図8のステップS302~S305は、
図4のステップS101~S104と実質的に同じである。
【0073】
非検知時間NTが所定時間PTを超える前に、検知信号の変化度が第2閾値TH2以上になると(ステップS306:Yes)、制御部70は、非検知時間NTをリセットする(ステップS307)。非検知時間NTがリセットされ、検知信号の変化度が第2閾値TH2未満になると、ステップS305に戻り、非検知時間測定部80は、再度、非検知時間NTの測定を開始する。
【0074】
非検知時間NTが所定時間PTを超える前に、検知信号の変化度が第2閾値TH2以上にならない場合でも、(ステップS306:No)、非検知時間NTが所定時間PTを超える前に、センサが検知状態になると(ステップS308:No)、制御部70は、非検知時間NTをリセットする(ステップS307)。
【0075】
非検知時間NTが所定時間PTを超えると(ステップS308:Yes)、制御部70は、照明部40を消灯させる(ステップS309)。
【0076】
このように、制御部70は、非検知時間NTが所定時間PTを超える前に、センサ60が検知状態になったときに加え、非検知時間NTが所定時間PTを超える前に、検知信号の変化度が第2閾値TH2以上になったときに、非検知時間NTをリセットする。
【0077】
例えば、検知信号が第1閾値TH1以上のとき、センサ60は、吐水部20(センサ60)の近傍に使用者の手などの被検知物があることを検知し、検知状態になる。一方、例えば、吐水部20から離れた位置で洗濯行為(もみ洗い)などをしている場合には、検知信号が小さく、第1閾値TH1以上になりにくいため、センサ60が検知状態になりにくい。そのため、その状態で長時間作業をすると、センサ60が検知状態にならないために非検知時間NTがリセットされず、作業中にもかかわらず照明部40が消灯されてしまう恐れがある。
【0078】
これに対し、実施形態においては、例えば、センサ60の検知信号が小さく、センサ60が検知状態にならない状態であっても、検知信号の変化度が第2閾値TH2以上になると、非検知時間NTをリセットする。これにより、例えば、もみ洗い動作中などの、センサ60が検知状態になりにくい作業中であっても、照明が消えてしまうことを抑制でき、さらに使い勝手がよい。
【0079】
図9は、第1実施形態に係る洗面化粧台の動作のさらに別の一例を表すタイミングチャートである。
図9に表したように、検知信号が第1閾値TH1以上になると、センサ60は、検知状態になり、制御部70は、照明部40を点灯させるとともに、吐水部20からの吐水を開始させる(タイミングt301)。検知信号が第1閾値TH1未満になると、センサ60は、非検知状態になり、制御部70は、吐水部20からの吐水を停止させ、非検知時間測定部80は、非検知時間NTの測定(カウント)を開始する(タイミングt302)。
【0080】
センサ60の非検知状態において、非検知時間NTが所定時間PTを超える前に、検知信号の変化度が第2閾値TH2以上になると、制御部70は、非検知時間NTをリセットする(タイミングt303)。このとき、検知信号が第1閾値TH1未満であると、センサ60は検知状態にならないため、吐水部20からの吐水は行われない。検知信号の変化度が第2閾値TH2未満になると、非検知時間測定部80は、再度、非検知時間NTの測定を開始する(タイミングt304)。
【0081】
非検知時間NTが所定時間PTを超える前に、再度、検知信号の変化度が第2閾値TH2以上になると、制御部70は、再度、非検知時間NTをリセットする(タイミングt305)。このときも、検知信号は第1閾値TH1未満であり、センサ60は検知状態にならないため、吐水部20からの吐水は行われない。そして、検知信号の変化度が、再度、第2閾値TH2未満になると、非検知時間測定部80は、再度、非検知時間NTの測定を開始する(タイミングt306)。
【0082】
非検知時間NTが所定時間PTを超えると、制御部70は、照明部40を消灯させる(タイミングt307)。
【0083】
なお、
図9には表していないが、
図5に表したように、この例においても、非検知時間NTが所定時間PTを超える前に、検知信号が第1閾値TH1以上になると、センサ60は検知状態になり、制御部70は、非検知時間NTをリセットする。また、例えば、検知信号の変化度が第2閾値TH2未満であっても、検知信号が第1閾値TH1以上になった場合には、制御部70は、非検知時間NTをリセットする。
【0084】
また、この例では、照明部40の点灯のための検知信号の閾値は、吐水部20からの吐水のための検知信号の閾値と同じ値であるが、照明部40の点灯のための検知信号の閾値は、吐水部20からの吐水のための検知信号の閾値と異なる値であってもよい。なお、本願明細書において、「検知状態」とは、センサ60からの検知信号が、照明部40の点灯のための閾値(例えば、第1閾値TH1)を超えている状態を表す。
【0085】
図10は、第2実施形態に係る洗面化粧台の動作の一例を表すフローチャートである。 第2実施形態において、洗面化粧台100は、非検知時間測定部80の代わりに、検知時間DT及び非検知時間NTを測定する検知時間測定部85を有する。検知時間測定部85は、センサ60が検知状態になると検知時間DTの測定を開始し、センサ60が検知状態から非検知状態になると非検知時間NTの測定を開始する。
【0086】
図10に表したように、センサ60が検知状態になると(ステップS401)、検知時間測定部85は、検知時間DTの測定を開始し(ステップS402)、制御部70は、吐水部20からの吐水を開始させるとともに、照明部40を点灯させる(ステップS403)。センサ60が検知状態から非検知状態になると(ステップS404)、検知時間測定部85は、非検知時間NTの測定を開始し(ステップS405)、制御部70は、吐水部20からの吐水を停止させる(ステップS406)。
【0087】
非検知時間NTが所定時間PTを超えると(ステップS407)、制御部70は、検知時間DTが第1時間T1を超えたか判定する(ステップS408)。検知時間DTが第1時間T1を超えない場合(ステップS408:No)、制御部70は、照明部40を消灯させる(ステップS409)。
【0088】
検知時間DTが第1時間T1を超える場合(ステップS408:Yes)、制御部70は、所定時間PTの後に、照明部40を消灯するまでの第4延長時間ET4を付与する(ステップS410)。これにより、照明部40の点灯時間は、第4延長時間ET4の分延長される。制御部70は、第4延長時間ET4経過後に、照明部40を消灯させる(ステップS409)。
【0089】
このように、実施形態において、制御部70は、検知時間DTの長さに応じて、センサ60が検知状態から非検知状態になった後に照明部40を消灯させるまでの時間の長さを変更する。より具体的には、例えば、制御部70は、検知時間DTの長さに応じて、所定時間PTの後に、照明部40を消灯するまでの延長時間ETを付与する。例えば、検知時間DTが長いほど、延長時間ETを長くしてもよい。
【0090】
なお、ステップS407とステップS408の順番は、逆でもよい。この場合、ステップS406の後、ステップS408の判定を行い、検知時間DTが第1時間T1を超えない場合(ステップS408:No)、制御部70は、所定時間PT経過後に(ステップS407)、照明部40を消灯させる(ステップS409)。検知時間DTが第1時間T1を超える場合(ステップS408:Yes)、制御部70は、所定時間PT(ステップS407)及び第4延長時間ET4(ステップS410)経過後に、照明部40を消灯させる(ステップS409)。
【0091】
図11は、第2実施形態に係る洗面化粧台の動作の一例を表すタイミングチャートである。
図11に表したように、センサ60が検知状態になると、制御部70は、照明部40を点灯させるとともに、吐水部20からの吐水を開始させ、検知時間測定部85は、検知時間DTの測定(カウント)を開始する(タイミングt401)。センサ60が非検知状態になると、制御部70は、吐水部20からの吐水を停止させ、検知時間測定部85は、検知時間DTの測定(カウント)を終了し、非検知時間NTの測定(カウント)を開始する(タイミングt402)。
【0092】
非検知時間NTが所定時間PTを超えると、制御部70は、検知時間DTの長さに応じて、センサ60が検知状態から非検知状態になった後に照明部40を消灯させるまでの時間の長さを変更する(タイミングt403)。制御部70は、例えば、検知時間DTが第1時間T1を超えると、所定時間PTの後に、照明部40を消灯するまでの延長時間ETを付与する。この場合は、タイミングt401からタイミングt402までの間の検知時間DTが第1時間T1を超えていないため、制御部70は、所定時間PTの後に、延長時間ETを付与しない。したがって、制御部70は、非検知時間NTが所定時間PTを超えると、照明部40を消灯させる。
【0093】
センサ60が、再度、検知状態になると、制御部70は、照明部40を点灯させるとともに、吐水部20からの吐水を開始させ、検知時間測定部85は、検知時間DTの測定(カウント)を開始する(タイミングt404)。センサ60が非検知状態になると、制御部70は、吐水部20からの吐水を停止させ、検知時間測定部85は、検知時間DTの測定(カウント)を終了し、非検知時間NTの測定(カウント)を開始する(タイミングt405)。
【0094】
非検知時間NTが所定時間PTを超えると、制御部70は、検知時間DTの長さに応じて、センサ60が検知状態から非検知状態になった後に照明部40を消灯させるまでの時間の長さを変更する(タイミングt406)。この場合は、タイミングt404からタイミングt405までの間の検知時間DTが第1時間T1を超えているため、制御部70は、所定時間PTの後に、第4延長時間ET4を付与する。したがって、制御部70は、非検知時間NTが所定時間PTを超えると、第4延長時間ET4経過後に、照明部40を消灯させる(タイミングt407)。
【0095】
このように、第2実施形態において、照明部40は、センサ60が非検知状態になっても、非検知時間NTが所定時間PTを超えるまで点灯し続ける。そして、検知時間DTの長さに応じて、センサ60が検知状態から非検知状態になった後に照明部40を消灯させるまでの時間の長さを変更する。これにより、例えば、洗濯行為中など、吐水部20を頻繁に使用しない場合にも、洗面化粧台100の使用中に照明が消えてしまうことを抑制でき、使い勝手がよい。また、使用者が手などの被検知物をボウル部122内に頻繁に出し入れする際に、吐水部20からの吐水に合わせて、照明部40が点灯及び消灯することを抑制できる。したがって、照明部40の頻繁な点灯及び消灯によって使用者に不快感を与えることを抑制できる。
【0096】
また、第2実施形態において、
図8及び
図9に表したように、制御部70は、検知信号が第1閾値TH1以上になると、照明部40を点灯させ、非検知時間NTが所定時間PTを超えると、照明部40を消灯させ、非検知時間NTが所定時間PTを超える前に、変化度が第2閾値TH2以上になると、非検知時間NTをリセットしてもよい。
【0097】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、洗面化粧台100などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0098】
10 水栓装置、 20 吐水部、 22 吐水口、 30 本体部、 40 照明部、 50 操作部、 50a 操作レバー、 60 センサ、 70 制御部、 80 非検知時間測定部、 85 検知時間測定部、 90 変化度演算部、 100 洗面化粧台、 102 洗面器、 106 支持台、 106a 本体部、 106b、106c 引き出し、 108 ミラーキャビネット、 110 照明装置、 122 ボウル部、 124 バックガード部、 130 キャビネット本体、 131~133 扉、 131a~133a 鏡、 DT 検知時間、 ET 延長時間、 ET1~ET4 第1~第4延長時間、 NT 非検知時間、 PT 所定時間、 S101~S107、S201~S213、S301~S309、S401~S410 ステップ、 t101~t108、t201~t208、t301~t307、t401~t407 タイミング、 T1 第1時間、 TH1、TH2 第1、第2閾値、 WS 壁面