(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-27
(45)【発行日】2022-08-04
(54)【発明の名称】粉粒体材料の捕集装置及び粉粒体材料の捕集方法
(51)【国際特許分類】
B01D 46/10 20060101AFI20220728BHJP
B65G 53/60 20060101ALI20220728BHJP
B65G 65/40 20060101ALI20220728BHJP
F24F 7/007 20060101ALI20220728BHJP
【FI】
B01D46/10 D
B65G53/60
B65G65/40 B
F24F7/007 Z
(21)【出願番号】P 2018139873
(22)【出願日】2018-07-26
【審査請求日】2021-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000146054
【氏名又は名称】株式会社松井製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】木下 淳也
【審査官】瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-035724(JP,U)
【文献】実開昭62-010018(JP,U)
【文献】実開昭51-116955(JP,U)
【文献】特開平06-154531(JP,A)
【文献】実公昭42-004308(JP,Y1)
【文献】特開2000-344348(JP,A)
【文献】特開2009-018244(JP,A)
【文献】米国特許第05398813(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00-46/54、
B65G 53/00-53/28;53/32-53/66
B65G 65/30-65/48
F24F 7/00-7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気輸送される粉粒体材料を捕集する捕集器本体と、この捕集器本体内に設けられ、輸送空気から粉粒体材料を分離させるフィルターと、を備えており、
前記捕集器本体には、前記フィルターを、第1面側を前記輸送空気の通過方向上流側に向かせた第1姿勢と該第1面側を前記輸送空気の通過方向下流側に向かせた第2姿勢とに回転可能に保持する回転保持機構が設けられ
、該回転保持機構は、前記捕集器本体の外周側に設けられ、前記フィルターを回転させる際に操作されるハンドル部を備えており、
前記捕集器本体には、前記ハンドル部の荷重による前記フィルターに対する回転側への負荷に抗して前記フィルターを前記第1姿勢または前記第2姿勢に維持するストッパー部が設けられていることを特徴とする粉粒体材料の捕集装置。
【請求項2】
空気輸送される粉粒体材料を捕集する捕集器本体と、この捕集器本体内に設けられ、輸送空気から粉粒体材料を分離させるフィルターと、前記捕集器本体に設けられ、前記フィルターを、第1面側を前記輸送空気の通過方向上流側に向かせた第1姿勢と該第1面側を前記輸送空気の通過方向下流側に向かせた第2姿勢とに回転可能に保持する回転保持機構と、前記フィルターを回転
させて前記第1姿勢から前記第2姿勢に、または前記第2姿勢から前記第1姿勢に反転させる反転駆動部
と、前記フィルターの反転時期を検知する反転時期検知部と
、前記反転駆動部を駆動して前記フィルターを
反転させる制御を実行する制御部と、を備えて
おり、
前記制御部は、前記反転時期検知部が反転時期を検知した際に、粉粒体材料を前記捕集器本体に向けて空気輸送中でなければ、前記反転駆動部を駆動して前記フィルターを反転させる一方、空気輸送中であれば、空気輸送が終了するまで前記反転駆動部の駆動を待機し、空気輸送が終了すれば前記反転駆動部を駆動して前記フィルターを反転させる制御を実行することを特徴とする粉粒体材料の捕集装置。
【請求項3】
請求項1
または2において、
前記フィルターの反転時期を報知する報知部を備えていることを特徴とする粉粒体材料の捕集装置。
【請求項4】
空気輸送される粉粒体材料を輸送空気からフィルターによって分離させて捕集する粉粒体材料の捕集方法であって、
前記フィルターは、第1面側を前記輸送空気の通過方向上流側に向かせた第1姿勢と該第1面側を前記輸送空気の通過方向下流側に向かせた第2姿勢と
に回転可能に捕集器本体に保持され
、かつ前記第1姿勢から前記第2姿勢に、または前記第2姿勢から前記第1姿勢に、制御部に駆動制御される反転駆動部によって回転されて反転される構成とされており、
前記フィルター
の反転時期を検知する反転時期検知部が反転時期
を検知した際に、粉粒体材料を前記捕集器本体に向けて空気輸送中でなければ、前記反転駆動部を駆動して
前記フィルターを反転させる一方、空気輸送中であれば、空気輸送が終了するまで前記反転駆動部の駆動を待機し、空気輸送が終了すれば前記反転駆動部を駆動して前記フィルターを反転させることを特徴とする粉粒体材料の捕集方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸送される粉粒体材料を捕集する粉粒体材料の捕集装置及び粉粒体材料の捕集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、空気輸送される粉粒体材料を捕集器本体内のフィルターによって輸送空気から分離し、捕集する捕集器が知られている。このような捕集器においては、フィルターが目詰まりすれば、輸送効率が低下するため、フィルターを定期的に清掃する必要があった。
例えば、下記特許文献1には、粉体発生装置において発生した粉体を、フィルターを介して吸引して捕集する捕集器が開示されている。この捕集器は、粉体を捕集する際の吸引方向とは逆側に向けてガス供給源からのガスをフィルターに対して噴射する管路をフィルターの上方側に設けた構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された捕集器では、フィルターに対してガスを逆噴射させる時間が必要となり、更なる改善が望まれる。また、フィルターに付着していた粉体が逆噴射によって捕集器内に落下するため、吸引側に切り換えた際にフィルターに再付着することも考えられる。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、フィルターのメンテナンス性を向上し得る粉粒体材料の捕集装置及び粉粒体材料の捕集方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明に係る粉粒体材料の捕集装置は、空気輸送される粉粒体材料を捕集する捕集器本体と、この捕集器本体内に設けられ、輸送空気から粉粒体材料を分離させるフィルターと、を備えており、前記捕集器本体には、前記フィルターを、第1面側を前記輸送空気の通過方向上流側に向かせた第1姿勢と該第1面側を前記輸送空気の通過方向下流側に向かせた第2姿勢とに回転可能に保持する回転保持機構が設けられ、該回転保持機構は、前記捕集器本体の外周側に設けられ、前記フィルターを回転させる際に操作されるハンドル部を備えており、前記捕集器本体には、前記ハンドル部の荷重による前記フィルターに対する回転側への負荷に抗して前記フィルターを前記第1姿勢または前記第2姿勢に維持するストッパー部が設けられていることを特徴とする。
前記目的を達成するために、本発明に係る粉粒体材料の捕集装置は、空気輸送される粉粒体材料を捕集する捕集器本体と、この捕集器本体内に設けられ、輸送空気から粉粒体材料を分離させるフィルターと、前記捕集器本体に設けられ、前記フィルターを、第1面側を前記輸送空気の通過方向上流側に向かせた第1姿勢と該第1面側を前記輸送空気の通過方向下流側に向かせた第2姿勢とに回転可能に保持する回転保持機構と、前記フィルターを回転させて前記第1姿勢から前記第2姿勢に、または前記第2姿勢から前記第1姿勢に反転させる反転駆動部と、前記フィルターの反転時期を検知する反転時期検知部と、前記反転駆動部を駆動して前記フィルターを反転させる制御を実行する制御部と、を備えており、前記制御部は、前記反転時期検知部が反転時期を検知した際に、粉粒体材料を前記捕集器本体に向けて空気輸送中でなければ、前記反転駆動部を駆動して前記フィルターを反転させる一方、空気輸送中であれば、空気輸送が終了するまで前記反転駆動部の駆動を待機し、空気輸送が終了すれば前記反転駆動部を駆動して前記フィルターを反転させる制御を実行することを特徴とする。
【0007】
前記目的を達成するために、本発明に係る粉粒体材料の捕集方法は、空気輸送される粉粒体材料を輸送空気からフィルターによって分離させて捕集する粉粒体材料の捕集方法であって、前記フィルターは、第1面側を前記輸送空気の通過方向上流側に向かせた第1姿勢と該第1面側を前記輸送空気の通過方向下流側に向かせた第2姿勢とに回転可能に捕集器本体に保持され、かつ前記第1姿勢から前記第2姿勢に、または前記第2姿勢から前記第1姿勢に、制御部に駆動制御される反転駆動部によって回転されて反転される構成とされており、前記フィルターの反転時期を検知する反転時期検知部が反転時期を検知した際に、粉粒体材料を前記捕集器本体に向けて空気輸送中でなければ、前記反転駆動部を駆動して前記フィルターを反転させる一方、空気輸送中であれば、空気輸送が終了するまで前記反転駆動部の駆動を待機し、空気輸送が終了すれば前記反転駆動部を駆動して前記フィルターを反転させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る粉粒体材料の捕集装置及び粉粒体材料の捕集方法は、上述のような構成としたことで、フィルターのメンテナンス性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置の一例を模式的に示す一部破断概略正面図である。
【
図2】(a)、(b)は、
図1におけるX-X線矢視に対応させた一部破断概略横断面図である。
【
図3】本発明の他の実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置の一例を模式的に示す一部破断概略正面図である。
【
図4】(a)は、同捕集装置の概略制御ブロック図、(b)は、同捕集装置を用いて実行される基本動作の一例としての本発明の一実施形態に係る粉粒体材料の捕集方法の一例を模式的に示す概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、以下の各実施形態では、各実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置を設置した状態を基準として上下方向等の方向を説明する。また、各図では、各例のフィルターの貫通孔の図示を省略または簡略化して示している。
図1及び
図2は、第1実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置の一例を模式的に示す図である。
【0011】
本実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置1は、
図1に示すように、空気輸送される粉粒体材料を捕集する捕集器本体10と、この捕集器本体10内に設けられ、輸送空気から粉粒体材料を分離させるフィルター30と、を備えている。
ここに、上記粉粒体材料は、粉体・粒体状の材料を指すが、微小薄片状や短繊維片状、スライバー状の材料等を含む。
また、上記材料としては、樹脂ペレットや樹脂繊維片等の合成樹脂材料、金属材料、半導体材料、木質材料、薬品材料、食品材料等どのようなものでもよい。
また、粉粒体材料としては、例えば、合成樹脂成形品を成形する場合には、ナチュラル材(バージン材)や粉砕材、マスターバッチ材、各種添加材等が挙げられる。また、ガラス繊維や炭素繊維等の強化繊維を含んだ構成としてもよい。
【0012】
また、本実施形態では、捕集装置1は、吸引源2及び粉粒体材料の輸送元(材料元)4に接続され、吸引空気によって空気輸送される輸送元4からの粉粒体材料を吸引空気から分離させて捕集する構成とされている。
吸引源2としては、空気吸引管3を介して接続される吸引ブロワー等の空気吸引源であってもよい。このような吸引源2としては、当該捕集装置1専用のものに限られず、例えば、当該捕集装置1への輸送と他の装置への輸送とが切替弁等によって切り替えられる態様とされたものとしてもよい。また、このような吸引源2の上流側には、バグフィルターやサイクロンフィルター等の適宜のフィルターを備えた集塵装置が設けられている。
【0013】
輸送元4としては、材料輸送管5を介して接続される材料タンクや、乾燥ホッパー、粉粒体材料を計量する計量ホッパー、複数種の粉粒体材料を所定割合で配合する配合ホッパー等であってもよい。また、これら各種ホッパーの下流側に設けられる一時貯留部を輸送元4としてもよい。また、当該捕集装置1に接続される材料輸送管5を、単一の輸送元4に接続して一種の粉粒体材料を当該捕集装置1において捕集する態様に限られない。例えば、相異なる粉粒体材料をそれぞれに貯留する複数の輸送元4に当該捕集装置1に接続される材料輸送管5を接続し、これら複数の輸送元4からの複数種の粉粒体材料を当該捕集装置1において捕集する態様としてもよい。
【0014】
また、当該捕集装置1の供給先としては、当該捕集装置1において捕集した粉粒体材料を一時的に貯留する貯留タンクや貯留ホッパー等の貯留部を供給先としてもよく、また、粉粒体材料を乾燥する乾燥ホッパーを供給先としてもよい。また、例えば、射出成形機等の成形機を当該捕集装置1の供給先としてもよい。この場合は、当該捕集装置1を、成形機上に直接的に設置する態様としてもよい。なお、供給先としての成形機は、合成樹脂成形品を成形する射出成形機に限られず、他の材料用の射出成形機としてもよく、または種々の材料用の押出成形機や圧縮成形機等の他の成形機を供給先とする態様としてもよい。また、当該捕集装置1において捕集された粉粒体材料の供給先としては、単一の供給先に限られず、複数の供給先としてもよい。
【0015】
捕集器本体10には、空気吸引管3を介して吸引源2に接続される吸引接続管22と、材料輸送管5を介して輸送元4に接続される材料導入管15と、が設けられている。
本実施形態では、捕集器本体10は、上部側部位が略筒形状とされ、下部側部位が略逆錐形状とされたホッパー部11と、このホッパー部11の上端開口を開閉自在に覆う蓋体20と、を備えている。この捕集器本体10は、略角筒状とされたものでもよいが、本実施形態では、略円筒状とされたものとしている。なお、捕集器本体10としては、ホッパー状とされたものに限られず、タンク状やドラム状とされたものでもよい。また、捕集器本体10としては、上端部に設けられた捕集部よりも大容量の本体部を捕集部の下方側に設けたような構成とされたものでもよい。
【0016】
ホッパー部11の下端部には、排出部を構成する排出管14と、この排出管14の下端の排出口17を開閉する弁体18と、が設けられている。本実施形態では、この排出管14に、材料導入管15を接続した構成としている。材料導入管15は、排出管14の側周部に接続されており、排出管14の内周側において導入口16を開口させた構成とされている。図例では、略水平状に材料導入管15を設けた例を示しているが、このような態様に代えて、材料導入管15を、排出管14に向けて上り勾配状または下り勾配状に設けた態様等としてもよい。また、材料導入管15を排出管14に接続した態様に代えて、ホッパー部11の略逆錐形状とされた部位や略筒形状とされた部位等に接続した態様としてもよく、また、材料導入管15をホッパー部11内に導入させた構成等としてもよい。
【0017】
また、排出管14の下端面を、軸方向に対して傾斜する傾斜面としている。
この排出管14の下端の排出口17を開閉する弁体18は、支持部材19によって揺動自在に支持されている。この弁体18は、本実施形態では、吸引源2による吸引力の作用によって排出口17を閉鎖する一方、落下(流下)する粉粒体材料の荷重によって開放される構成とされている。また、図例では、吸引源2による吸引力及び粉粒体材料の荷重が弁体18に作用していない待機位置において、排出管14の傾斜面とされた下端面との間に隙間が形成される構成としている。なお、図例では、支持部材19を、一端部が弁体18の上端側に接続され、他端部が捕集器本体10に対して回転自在に保持されたアーム状とした例を示しているが、紐状(ワイヤー状)やチェーン状とされたものや、リンク状とされたものでもよい。
【0018】
また、排出口17を開閉する弁体18としては、上記のように吸引源2による吸引力によって閉鎖され、粉粒体材料の荷重によって開放される構成とされたものに限られない。閉鎖側及び開放側への移動の両方または一方が適宜の弁体駆動部によってなされるものでもよい。また、排出管14の下端面を、軸方向に対して傾斜する傾斜面とした態様に代えて、略直交する面としてもよい。この場合は、弁体18や弁体18を支持する支持部材19を適宜、変形するようにしてもよい。また、弁体18としては、排出管14に対して揺動(回動)して開閉する態様とされたものに限られず、排出管14の下端面に対して略直交方向や排出管14の軸方向に対して略直交方向にスライドされて開閉する態様とされたものでもよく、その他、種々の態様とされたものの採用が可能である。
【0019】
蓋体20は、ホッパー部11側に向けて開口し、上端が底部とされた有底筒状とされている。この蓋体20は、ホッパー部11の略筒形状とされた部位と概ね同径状とされている。図例では、蓋体20を、上端側に向かうに従い僅かに縮径状とした例を示している。
また、本実施形態では、この蓋体20に、吸引接続管22を接続した構成としている。吸引接続管22は、蓋体20の側周部に接続されており、蓋体20の内周側において吸引口23を開口させた構成とされている。この吸引接続管22は、蓋体20の側周部に対して略直交状に接続されたものに限られず、蓋体20の内周面に対して概ね接線方向に吸引口23が開口するように接続されたものでもよい。また、図例では、略水平状に吸引接続管22を設けた例を示しているが、上記同様、上り勾配状または下り勾配状に設けた態様等としてもよい。また、吸引接続管22を、蓋体20の側周部に接続した態様に代えて、底部を構成する上端部に接続した態様としてもよい。
【0020】
また、この蓋体20の下端の開口側周縁部には、ホッパー部11の上端部に載置されるフランジ部21が径方向外側に向けて突出するように全周に亘って設けられている。図例では、フランジ部21を、蓋体20の下端部に、図示省略のホッパー部11側に設けられたファスナー金具が引っ掛けられる係合凹部を構成する上方開口の環状溝が形成されるように屈曲状に形成した例を示している。また、フランジ部21に、この環状溝の外周側において下方側に向けて垂れ下がり、ホッパー部11の上端部の外周側を囲む筒状部を設けた例を示している。なお、ホッパー部11の上端開口に対して蓋体20を開閉自在とする態様としては、図例のように着脱自在とした態様に限られず、蝶番等の回転連結部材によって開閉自在に連結した態様等としてもよく、その他、種々の変形が可能である。
【0021】
また、捕集器本体10には、この蓋体20とホッパー部11との間をシールするパッキン24が設けられている。このパッキン24は、ホッパー部11の上端部に全周に亘って環状に設けられている。ホッパー部11の上端部には、このパッキン24が取り付けられる取付部としての鍔状部が径方向外側に向けて突出するように設けられている。パッキン24には、この鍔状部を受け入れる受入溝が径方向内側に向けて開口するように設けられている。なお、蓋体20とホッパー部11との間をシールするパッキン24としては、上記のような構成とされたものに限られず、その他、種々の変形が可能である。
【0022】
フィルター30は、捕集器本体10内において、導入口16と吸引口23との間に位置するように配される構成とされている。捕集器本体10には、
図1及び
図2に示すように、このフィルター30を、第1面31側を輸送空気の通過方向上流側に向かせた第1姿勢と第1面31側を輸送空気の通過方向下流側に向かせた第2姿勢とに回転可能に保持する回転保持機構25が設けられている。つまり、フィルター30は、
図2(a)に示すように、第1面31側を輸送空気の通過方向上流側となる下方側に向かせ、かつ第2面32側を輸送空気の通過方向下流側となる上方側に向かせた第1姿勢と、
図2(b)に示すように、第1面31側を上方側に向かせ、かつ第2面32側を下方側に向かせた第2姿勢と、に回転可能に捕集器本体10に保持されている。
【0023】
このフィルター30は、フィルター本体を構成するフィルター部33と、捕集器本体10の回転保持機構25に保持される被保持部34,35と、を備えている。
フィルター部33は、
図2に示すように、輸送空気の通過方向(上下方向)に見て、つまり平面視して、捕集器本体10の内周形状に応じた形状とされている。つまり、本実施形態では、フィルター30(フィルター部33)は、平面視して、略円形状とされている。
このフィルター部33は、輸送空気に加えて粉塵を通過させる一方、原料となる粉粒体材料の通過を阻止する構成とされている。なお、図例では、フィルター部33を、多数の貫通孔が設けられたパンチングメタル状とした例を示しているが、メッシュ状(網状)とされたものでもよく、空気の流通が可能な多孔質状とされたものであれば、どのようなものでもよい。また、フィルター部33の貫通孔の孔径や開口率は、捕集する粉粒体材料や用途等によって適宜のものとすればよい。
【0024】
また、フィルター部33は、捕集器本体10内において回転可能なように形成されている。このフィルター部33は、外径が捕集器本体10における当該フィルター部33が配された部位(略筒形状部位)の内径よりも僅かに小とされている。また、本実施形態では、このフィルター部33を、厚さ方向を略上下方向に沿わせて配される略平板状としている。
なお、フィルター部33としては、略平板状とされたものに限られず、被保持部34,35から上下方向の両方または一方に突出する筒状部や屈曲部等を有したものでもよい。例えば、フィルター部33を、被保持部34,35の内周側から輸送空気の通過方向に沿う第1方向に向けて延びるように設けられた第1筒状部と、この第1筒状部の先端部の内周側から第1方向とは逆側に向けて延びるように設けられた第2筒状部と、を備えた構成等としてもよい。この場合には、第1筒状部及び第2筒状部の被保持部34,35からの上下方向への突出寸法や形状等を、捕集器本体10内において回転可能なように適宜の寸法や形状とすればよい。
【0025】
捕集器本体10内には、このフィルター部33の回転を許容する空間が被保持部34,35を保持する部位の上下方向両側に設けられている。つまり、厚さ方向を略上下方向に沿わせて配されたフィルター部33の上面(第1面31または第2面32)から蓋体20の下方側に向く内天面までの上下方向に沿う寸法を、フィルター部33の半径以上としている。なお、捕集器本体10の粉粒体材料の貯留レベルの上限を、厚さ方向を略水平方向に沿わせて配された回転途中状態のフィルター部33の下端に粉粒体材料が接触しないレベルとしてもよい。つまりは、捕集器本体10の貯留可能容量を、このような回転途中状態のフィルター部33の下側部位の収容空間を加味した容量としてもよい。
【0026】
また、捕集器本体10の回転保持機構25は、フィルター部33の外周縁部に設けられた被保持部34,35を回転可能に保持する保持部26,27を備えている。本実施形態では、フィルター部33の外周縁部の両側に、径方向外側に向けてそれぞれ突出させるように被保持部34,35を構成する第1軸部34と第2軸部35とを、同軸状に設けた構成としている。
保持部26,27は、第1軸部34を回転自在に保持する第1保持部26と、第2軸部35を回転自在に保持する第2保持部27と、を備えている。これら保持部26,27は、ホッパー部11の上端側部位に位置するように設けられている。また、これら保持部26,27は、互いに向き合う方向に向けて軸受穴を開口させた構成とされている。図例では、これら保持部26,27を、ホッパー部11の側周壁に付設状に設けた例を示している。なお、これら保持部26,27には、適宜の転がり軸受等を設けた構成としてもよい。
【0027】
また、本実施形態では、回転保持機構25は、捕集器本体10の外周側に設けられ、フィルター30を回転させる際に操作されるハンドル部28を備えている。
このハンドル部28は、一方向に長尺なバー状ハンドルとされ、長手方向の一端部(基端部)がフィルター30の第2軸部35に対して回転不能に連結されている。つまり、このハンドル部28を、フィルター30の軸部34,35回りに回転させれば、フィルター30が回転される。なお、図例では、第2保持部27を貫通するように設けられた第2軸部35にハンドル部28の一端部を連結した例を示しているが、ハンドル部28の一端部と第2軸部35とを適宜の連結部を介して連結した構成等としてもよい。
【0028】
また、このハンドル部28は、フィルター部33が厚さ方向を略上下方向に沿わせて配された状態で、略水平方向に延びるように配される構成とされている。この状態では、ハンドル部28の他端(先端)側の荷重によってフィルター30に回転側への負荷が作用する。本実施形態では、このハンドル部28によるフィルター30に対する回転側への負荷に抗してフィルター30のフィルター部33を第1姿勢または第2姿勢に維持するストッパー部11a,11aを設けた構成としている。また、捕集器本体10(ホッパー部11)の内周面に、対状にストッパー部11a,11aを設けた構成としている。これらストッパー部11a,11aは、平面視して、フィルター30の軸部34,35同士を結ぶ直線を挟んで両側(ハンドル部28の他端側(荷重負荷側)及び他端から遠い側)に位置するように設けられ、ハンドル部28の他端側に位置される一方がフィルター30の下面に当接され、ハンドル部28の他端から遠い側に位置される他方がフィルター30の上面に当接される構成とされている。
【0029】
図2の例では、
図2(a)に示すように、ハンドル部28の他端側に位置するストッパー部11aがフィルター30の第1面31に当接され、ハンドル部28の他端から遠い側に位置するストッパー部11aがフィルター30の第2面32に当接される。これにより、フィルター30は、第1面31を下方側に向けた第1姿勢に維持される。また、
図2(b)に示すように、ハンドル部28の他端側に位置するストッパー部11aがフィルター30の第2面32に当接され、ハンドル部28の他端から遠い側に位置するストッパー部11aがフィルター30の第1面31に当接される。これにより、フィルター30は、第2面32を下方側に向けた第2姿勢に維持される。
つまり、これらストッパー部11a,11aは、フィルター部33の平面視における軸部34,35直交方向でハンドル部28の他端側部位が下方側に、反他端側部位が上方側に向けてそれぞれ変位するように回転方向への荷重がハンドル部28によって負荷されたフィルター30の回転を抑止してフィルター30を第1姿勢及び第2姿勢のうちのいずれかに維持するように設けられている。
【0030】
本実施形態では、一対のストッパー部11a,11aを、軸部34,35に直交する方向で、かつ互いに向き合う方向に向けて突出させるように設けた構成としている。これらストッパー部11a,11aは、上下方向に厚さ方向を沿わせた薄板状とされており、互いに同高さに位置するように設けられている。これにより、上記のように当接されるフィルター30は、第1姿勢及び第2姿勢において僅かに傾いた状態となる。なお、このように傾かないように、フィルター30の外周縁部に、ストッパー部11a,11aを受け入れる受入凹所等を設けた構成としてもよい。
また、フィルター部33の平面視における軸部34,35直交方向でハンドル部28の他端側部位及び反他端側部位のそれぞれに当接される少なくとも一つのストッパー部11a,11aを対状に設けた構成とすればよく、軸部34,35の軸方向で同位置に位置するように設けた例に限られず、ずれた位置等に設けられたものでもよい。また、フィルター部33の平面視における軸部34,35直交方向でハンドル部28の他端側部位及び反他端側部位のそれぞれに当接される複数のストッパー部11a,11aを設けた構成としてもよい。
【0031】
また、ハンドル部28の荷重によるフィルター30の回転を抑止するストッパー部11a,11aとしては、上記のように捕集器本体10の内周側に設けられたものに限られず、外周側に設けられたものでもよく、ハンドル部28の一端部(基端部)の周囲に設けられたものでもよい。
また、フィルター30を第1姿勢または第2姿勢に維持する機構としては、ハンドル部28の荷重及びこれによる回転を抑止するストッパー機構に限られず、適宜のロック機構を設けた構成等としてもよい。
また、フィルター30は、回転保持機構25に着脱可能に保持されたものでもよい。
また、フィルター30に軸部34,35を設け、捕集器本体10に軸受穴を構成する保持部26,27を設けた態様に代えて、捕集器本体10に保持部26,27を構成する軸部を設け、フィルター30に被保持部34,35を構成する軸受穴を設けた構成等としてもよい。フィルター30を回転可能に保持する回転保持機構25としては、その他、種々の変形が可能である。
【0032】
また、本実施形態では、
図1に示すように、当該捕集装置1は、フィルター30の反転時期を報知する報知部13を備えている。当該捕集装置1を用いた粉粒体材料の捕集方法は、フィルター30を反転させる反転時期となれば、報知する構成とされている。
この報知部13は、本実施形態では、捕集器本体10に設けられた窓部12に設けられた目盛とされている。窓部12は、上下方向に長尺状に形成され、捕集器本体10内に捕集される粉粒体材料の貯留レベルの視認が可能とされている。報知部13は、この窓部12の比較的に低い位置を指すように設けられている。この報知部13の指す位置は、例えば、捕集器本体10の容量(貯留可能容量)の1/2以下の位置でもよく、図例では、捕集器本体10の容量の1/3程度の箇所を指すように設けた例を示している。
【0033】
このような報知部13は、当該捕集装置1において、輸送時間が予め定められて一定とされたバッチ輸送で空気輸送の実行がなされる場合に有効となる。
つまり、当該捕集装置1を稼働させ、吸引源2を所定の輸送時間が経過するまで駆動すれば、弁体18が閉鎖されて捕集器本体10内が負圧となり、吸引作用によって輸送元4から粉粒体材料が空気輸送(一バッチ輸送)される。空気輸送された粉粒体材料は、フィルター30において輸送空気と分離されて捕集器本体10内に捕集される。このような輸送が繰り返されれば、フィルター30が徐々に目詰まりし、輸送効率、つまり、一バッチ輸送毎の粉粒体材料の輸送量が徐々に少なくなる。このように一バッチ輸送における粉粒体材料の輸送量が低下し、報知部13において示す位置に低下すれば、フィルター30の反転時期となる。このように反転時期となれば、ハンドル部28を操作してフィルター30を回転させ、フィルター30を軸部34,35回りに第1姿勢から第2姿勢に、または第2姿勢から第1姿勢に略180度回転させて反転させればよい。
【0034】
本実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置1は、上述のような構成としたことで、フィルター30のメンテナンス性を向上させることができる。
つまり、捕集器本体10に、フィルター30を、第1面31側を輸送空気の通過方向上流側に向かせた第1姿勢と第1面31側を輸送空気の通過方向下流側に向かせた第2姿勢とに回転可能に保持する回転保持機構25を設けた構成としている。従って、第1姿勢において使用されて第1面31側に微粉や粉体が付着や目詰まりしたフィルター30を回転させて反転させて第2姿勢とすれば、第1面31側に付着や目詰まりした微粉や粉体を輸送空気によって除去することができる。これにより、フィルター30を定期的に取り外して清掃する必要性を低減させることができ、また、回転させることでフィルター30の機能を回復させることができるので、フィルター30のメンテナンス性を極めて向上させることができる。また、フィルター30に対して逆噴射させる時間やフィルター30を取り外して清掃する必要性を低減させることができるので、フィルター30の機能回復に要する時間を短縮化することができる。また、このように除去された微粉や粉体は、輸送空気の通過方向下流側を介して捕集器本体10外に排出させることができるので、再付着するようなことを抑制することができる。
【0035】
また、本実施形態では、捕集器本体10の外周側に、フィルター30を回転させる際に操作されるハンドル部28を設けた構成としている。従って、ハンドル部28を把持して操作すれば、フィルター30を回転させることができる。これにより、例えば、蓋体20を取り外してフィルター30を回転させる必要があるようなものと比べて、フィルター30のメンテナンス性を向上させることができる。また、後記する第2実施形態のように、フィルター30を回転させる反転駆動部28Aを設けたものと比べて構造の簡略化を図ることができる。
【0036】
また、本実施形態では、フィルター30の反転時期を報知する報知部13を設けた構成としている。従って、報知部13によってフィルター30の反転時期をユーザーに認識させることができる。このような捕集装置1を用いた捕集方法によれば、フィルター30の反転時期を報知することができるので、メンテナンス性をより向上させることができる。
【0037】
次に、第2実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置の一例及び同捕集装置を用いて実行される粉粒体材料の捕集方法の一例について
図3及び
図4を参照して説明する。
なお、上記した例との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。また、上記した例と同様の動作や作用等についても説明を省略または簡略に説明する。
【0038】
本実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置1Aは、回転保持機構25Aの構成が上記第1実施形態とは主に異なる。
本実施形態では、回転保持機構25Aは、
図3及び
図4(a)に示すように、フィルター30を回転させる反転駆動部28Aを備えている。このような構成とすれば、上記第1実施形態のように手動で回転させる必要があるものと比べて、使い勝手を向上させることができる。
この反転駆動部28Aとしては、フィルター30を第1姿勢及び第2姿勢のそれぞれに維持可能なように、ギアモーターや、回転位置の制御が可能なブレーキ付きモーター、サーボモーター等の反転モーターを採用するようにしてもよい。
【0039】
なお、反転駆動部28Aとしては、このような反転モーターに限られず、電動シリンダや電磁弁等によって駆動制御されるエアーシリンダ等の適宜のアクチュエータでもよい。この場合は、シリンダの往復動を回動に変換する適宜の機構等を回転保持機構25Aに設けた構成としてもよい。
また、図例では、ストッパー部11a,11aを設けていない例を示しているが、このような反転駆動部28Aを設けた場合にも、適宜のストッパー部11a,11aを設けた構成としてもよい。また、このようなストッパー部11a,11aに加えて、トルクリミッター等の過回転防止機構を設けた構成等としてもよい。
【0040】
また、同捕集装置1Aは、
図4(a)に示すように、フィルター30の反転時期を検知する反転時期検知部39と、この反転時期検知部39が反転時期を検知すれば、反転駆動部28Aを駆動してフィルター30を回転させる制御を実行する制御部37と、を備えている。このような構成とすれば、反転時期となれば、制御部37によって言わば自動的にフィルター30を回転させて反転させることができ、使い勝手をより向上させることができる。当該捕集装置1Aを用いた粉粒体材料の捕集方法においては、
図4(b)に示すように、フィルター30を反転させる反転時期となれば反転駆動部28Aを駆動してフィルター30を第1姿勢から第2姿勢に、または第2姿勢から第1姿勢に反転させる構成とされている。
本実施形態では、フィルター30を反転させる反転時期となり、かつ空気輸送中でなければ、反転駆動部28Aを駆動する構成とされている。つまり、フィルター30を反転させる反転時期となった場合にも、空気輸送中であれば、空気輸送が終了するまで反転駆動部28Aの駆動を待機し、空気輸送が終了すれば反転駆動部28Aを駆動する構成とされている。
【0041】
このような制御を実行する制御部37は、CPU等から構成されており、当該捕集装置1Aの適所や離間した箇所に設置された制御盤36に設けられたものでもよい。この制御盤36には、制御部37に信号線等を介して接続され、各動作等を実行するための制御プログラムなどの各種プログラム、予め設定された各種動作条件、各種データテーブル等が格納され、各種メモリ等から構成された記憶部38が設けられている。なお、制御盤36に、制御部37に信号線等を介して接続され、各種設定などを設定、入力したり、表示したりするための表示部及び操作部を構成する表示操作部を更に設けた構成としてもよい。
【0042】
また、制御盤36には、上記した吸引源2、反転駆動部28A及び反転時期検知部39が信号線等を介して接続されている。
反転時期検知部39としては、捕集器本体10において捕集された一バッチ輸送量が所定レベルに低下したことを検出するレベル計としてもよい。つまり、上記同様、輸送が繰り返されれば、フィルター30が徐々に目詰まりし、一バッチ輸送における粉粒体材料の輸送量が低下する。このような一バッチ輸送によって輸送された粉粒体材料の貯留レベルが予め定められた所定レベルに低下すれば、制御部37において反転時期と判断し、反転駆動部28Aを駆動してフィルター30を反転させる態様としてもよい。
【0043】
また、反転時期検知部39としては、輸送元4から吸引源2までの管路5,3や捕集器本体10内の圧力を検出する圧力計としてもよい。つまり、上記と概ね同様、輸送が繰り返されれば、フィルター30が徐々に目詰まりするため、一バッチ輸送毎の系内の圧力が変動する。この圧力が予め定められた閾値を超えれば、制御部37において反転時期と判断し、反転駆動部28Aを駆動してフィルター30を反転させる態様としてもよい。
また、上記のように一バッチ輸送毎の輸送時間が予め定められて一定とされた空気輸送態様に代えて、捕集器本体10に満レベルを検出する上限レベル計を設けた構成とし、反転時期検知部39を、満レベルとなるまでに要する輸送時間を計時する計時部(クロック部)としてもよい。つまり、上記と概ね同様、輸送が繰り返されれば、フィルター30が徐々に目詰まりするため、一バッチ輸送において満レベルになるまでに要する時間が長期化する。この一バッチ輸送毎に要する所要時間が予め定められた所定時間を超えれば、制御部37において反転時期と判断し、反転駆動部28Aを駆動してフィルター30を反転させる態様としてもよい。
【0044】
また、反転時期検知部39としては、捕集器本体10に粉粒体材料を空気輸送する際に駆動される吸引源2の総稼働時間を計時する計時部としてもよい。つまりは、吸引源2の総稼働時間が予め定められた所定時間を超えれば、制御部37において反転時期と判断し、反転駆動部28Aを駆動してフィルター30を反転させる態様としてもよい。
また、反転時期検知部39としては、捕集器本体10への輸送回数を計数する計数部(カウンター部)としてもよい。つまりは、捕集器本体10への輸送回数が予め定められた所定回数を超えれば、制御部37において反転時期と判断し、反転駆動部28Aを駆動してフィルター30を反転させる態様としてもよい。なお、これらの場合、反転駆動部28Aを駆動する際に、計時した総稼働時間や計数した輸送回数をリセットするようにしてもよい。
【0045】
なお、上記した反転時期検知部39のうちの複数を備えた態様としてもよい。また、フィルター30の反転時期を検知する反転時期検知部39としては、上記のようなものに限られず、例えば、フィルター30を撮像する撮像部等とし、画像認識等によって反転時期を検知する態様とされたものでもよく、その他、種々の構成とされたものでもよい。
また、上記のように、反転時期となれば反転駆動部28Aを駆動してフィルター30を反転させる態様に代えて、反転時期となれば適宜の報知部に報知させる態様としてもよい。この場合の報知部は、上記のような貯留レベルの低下の判別が可能な目盛ではなく、点灯や表示、鳴動等によって報知する構成とされたランプや、表示部、音響出力部等であってもよい。また、この場合は、反転駆動部28Aを駆動させる適宜のスイッチ等の操作部を設けた構成等としてもよい。
【0046】
また、上記した例では、吸引源2による吸引作用によって空気輸送する態様とした例を示しているが、このような態様に代えて、輸送元4側に高圧の輸送空気を導入する圧縮空気源を設けて圧送する態様としてもよい。この場合は、捕集器本体10のフィルター30の下流側に、排気管や、塵埃等を補足する集塵部等を設けた構成等としてもよい。また、この場合は、弁体18や弁体18を開閉する開閉機構等を適宜、必要に応じて変形するようにしてもよい。本実施形態に係る捕集装置1,1Aが備える各部材の具体的構成及びこれを用いて実行される捕集方法としては、上記した構成に限られず、その他、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0047】
1,1A 粉粒体材料の捕集装置
10 捕集器本体
13 報知部
25,25A 回転保持機構
28 ハンドル部
28A 反転駆動部
30 フィルター
31 第1面
37 制御部
39 反転時期検知部