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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-27
(45)【発行日】2022-08-04
(54)【発明の名称】工具棚
(51)【国際特許分類】
   B25H 3/04 20060101AFI20220728BHJP
【FI】
B25H3/04
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018148784
(22)【出願日】2018-08-07
(65)【公開番号】P2020023016
(43)【公開日】2020-02-13
【審査請求日】2021-07-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000161909
【氏名又は名称】京都機械工具株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】頼富 士朗
(72)【発明者】
【氏名】前川 直史
(72)【発明者】
【氏名】高尾 茂行
【審査官】奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-127989(JP,A)
【文献】実開平01-148284(JP,U)
【文献】実公昭47-011805(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25H 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具を収納するための工具棚であって、
収納ユニットと、
上記収納ユニットが取り付けられる筐体と、
上下方向及び前後方向に並ぶように上記筐体に設けられ、上記収納ユニットを上記筐体に対して着脱可能に取付固定するための複数の固定部とを備え、
上記収納ユニットは、上記工具が収納される収納部と、上記固定部に固定されかつ該収納部を支持する支持部材とを有し、
上記複数の固定部は、上記支持部材が上記収納部に取り付けられた状態で、上記支持部材を上記固定部から取り外し可能に構成されており、
上記工具棚は、上記支持部材が上記固定部から取り外されたときに、上記収納ユニットの高さ位置を調整可能となるように構成されており、
上記筐体は、複数のフレームで構成されたフレームユニットであり、
上記フレームユニットは、
互いに平行に上下方向に延び、コーナー部分に位置する4つのコーナーフレームと、
上下方向及び前後方向に直交する左右方向に相隣接する上記コーナーフレーム同士を、上側同士及び下側同士でそれぞれ連結するように左右方向に延びる二対の第1の連結フレームと、
前後方向に相隣接する上記コーナーフレーム同士を、上側同士及び下側同士でそれぞれ連結するように前後方向に延びる二対の第2の連結フレームと、
上記二対の第2の連結フレームを、前側同士及び後側同士で連結するように上下方向にそれぞれ延びる二対の補助フレームと、
を有し、
上記複数の固定部は、上記二対の補助フレームのそれぞれに設けられていて、
上記フレームユニットで囲まれた領域の内側に上記収納ユニットが配設されることを特徴とする工具棚。
【請求項2】
工具を収納するための工具棚であって、
収納ユニットと、
上記収納ユニットが取り付けられる筐体と、
上下方向及び前後方向に並ぶように上記筐体に設けられ、上記収納ユニットを上記筐体に対して着脱可能に取付固定するための複数の固定部とを備え、
上記収納ユニットは、上記工具が収納される収納部と、上記固定部に固定されかつ該収納部を支持する支持部材とを有し、
上記複数の固定部は、上記支持部材が上記収納部に取り付けられた状態で、上記支持部材を上記固定部から取り外し可能に構成されており、
上記工具棚は、上記支持部材が上記固定部から取り外されたときに、上記収納ユニットの高さ位置を調整可能となるように構成されており、
上記筐体は、複数のフレームで構成されたフレームユニットであり、
上記フレームユニットは、
互いに水平方向に平行に延び、コーナー部分に位置する4つのコーナーフレームと、
上記各コーナーフレームの延びる方向を左右方向として、上下方向に相隣接する上記コーナーフレーム同士を、左側同士及び右側同士でそれぞれ連結するように上下方向に延びる二対の第3の連結フレームと、
前後方向に相隣接する上記コーナーフレーム同士を、左側同士及び右側同士でそれぞれ連結するように前後方向に延びる二対の第4の連結フレームと、
を有し、
上記複数の固定部は、上記第3の連結フレームのそれぞれに設けられていて、
上記フレームユニットで囲まれた領域の内側に上記収納ユニットが配設されることを特徴とする工具棚。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の工具棚において、
上記各固定部は、ボルトが挿通される挿通孔で構成されており、
上記支持部材は、上記ボルトがねじ込まれるボルト孔を有するとともに、上記挿通孔を挿通したボルトが上記ボルト孔に締結されることで、上記固定部に固定されることを特徴とする工具棚。
【請求項4】
請求項1~のいずれか1つに記載の工具棚において、
上記収納ユニットは、上記収納部としての引出本体と、上記支持部材としての引出用フレームとを有する引出しを含み、
上記引出本体は、上記引出用フレームに設けられたレールに取り付けられることで該引出用フレームに支持されることを特徴とする工具棚。
【請求項5】
請求項1~のいずれか1つに記載の工具棚において、
上記収納ユニットは、上記収納部としてのトレイと、上記支持部材としての一対の支持ロッドとを有するトレイユニットであり、
上記一対の支持ロッドは、水平方向に延びるように上記複数の固定部に固定されるとともに、一方の支持ロッドが相対的に前側の上記固定部に固定され、他方の支持ロッドが相対的に後側の上記固定部に固定されており、
上記トレイは、上記一対の支持ロッドの軸方向の中間部にそれぞれ係合する複数の係合部を有しており、
上記各係合部は、上記一方の支持ロッドの高さ位置と上記他方の支持ロッドの高さ位置とが異なる状態でも、上記一対の支持ロッドの上記中間部に係合可能に構成されていることを特徴とする工具棚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工具棚に関する技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来より、工具を収納可能な工具棚が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、上下方向に延びる2本の縦棒と、上方及び下方でこれら2本の縦棒同士の間に縦棒に直角に結合される横棒と、縦棒に形成されたスリット状のレール取付溝と、レール取付溝に支持されるブラケットレールとを有する側部材を、互いに対向して配置し、引出しとブラケットレールとを係合させて、引出しをスライド可能にした収納什器が開示されている。また、特許文献1には、収納什器は、作業現場での工具の収納に用いられる複数段の引出しを有する工具棚を含むことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-244376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ユーザーが工具を用いて作業を行う高さ位置は作業形態に応じて異なる。このため、出来る限りユーザーが取り出しやすい高さ位置に工具が収納されていることが望ましい。工具を工具棚の収納部から取り出してから収納位置を変えることもできるが、例えば、自動車の整備現場など、大量の工具が必要な場合には、工具の配置換えにかなり手間がかかってしまい作業効率の悪化を招いてしまう。
【0006】
特許文献1に記載のような工具棚では、収納部(引出し)ごと工具の収納位置を変えることができる。特許文献1に記載の工具棚では、収納部をブラケットレールから取り外して、ブラケットレールをレール取付溝から取り外す必要があり手間がかかる。
【0007】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、工具を収納する収納ユニットの高さ位置を容易に変更可能な工具棚を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、工具を収納するための工具棚を対象として、収納ユニットと、上記収納ユニットが取り付けられる筐体と、上下方向及び前後方向に並ぶように上記筐体に設けられ、上記各収納ユニットを上記筐体に対して着脱可能に取付固定するための複数の固定部とを備え、上記収納ユニットは、上記工具が収納される収納部と、上記固定部に固定されかつ該収納部を支持する支持部材とを有し、上記複数の固定部は、上記支持部材が上記収納部に取り付けられた状態で、上記支持部材を上記固定部から取り外し可能に構成されており、上記工具棚は、上記支持部材が上記固定部から取り外されたときに、上記収納ユニットの高さ位置を調整可能となるように構成されている、というものとした。
【0009】
この構成によると、収納部が支持部材に支持された状態で、該支持部材を筐体の固定部から取り外すことができるため、収納ユニットを分解することなく、収納ユニットを固定部から取り外すことができる。これにより、収納ユニットを分解することなく、該収納ユニットの高さ位置を変えることができる。このため、例えば、収納ユニットが引出しのときには、引出しの収納部をレール等から取り外すことなく、引出しの高さ位置を変えることができる。したがって、工具を収納する収納ユニットの高さ位置を容易に変更することができる。
【0010】
また、上記工具棚では、上記筐体は、複数のフレームで構成されたフレームユニットであり、上記フレームユニットは、互いに平行に上下方向に延び、コーナー部分に位置する4つのコーナーフレームと、上下方向及び前後方向に直交する左右方向に相隣接する上記コーナーフレーム同士を、上側同士及び下側同士でそれぞれ連結するように左右方向に延びる二対の第1の連結フレームと、前後方向に相隣接する上記コーナーフレーム同士を、上側同士及び下側同士でそれぞれ連結するように前後方向に延びる二対の第2の連結フレームと、上記二対の第2の連結フレームを、前側同士及び後側同士で連結するように上下方向にそれぞれ延びる二対の補助フレームと、を有し、上記複数の固定部は、上記二対の補助フレームのそれぞれに設けられていて、上記フレームユニットで囲まれた領域の内側に上記収納ユニットが配設される。
【0011】
すなわち、収納ユニットの支持部材を固定部から取り外すときには、一時的に、ユーザーが手足で収納ユニットを支える必要があるが、筐体が複数のフレームで構成されていれば、筐体が壁部材等で構成されている場合と比較して、ユーザーが収納ユニットを支持しやすい。これにより、工具を収納する収納ユニットの高さ位置をより容易に変更することができる。
【0012】
上記工具棚の他の態様は、工具を収納するための工具棚を対象として、収納ユニットと、上記収納ユニットが取り付けられる筐体と、上下方向及び前後方向に並ぶように上記筐体に設けられ、上記収納ユニットを上記筐体に対して着脱可能に取付固定するための複数の固定部とを備え、上記収納ユニットは、上記工具が収納される収納部と、上記固定部に固定されかつ該収納部を支持する支持部材とを有し、上記複数の固定部は、上記支持部材が上記収納部に取り付けられた状態で、上記支持部材を上記固定部から取り外し可能に構成されており、上記工具棚は、上記支持部材が上記固定部から取り外されたときに、上記収納ユニットの高さ位置を調整可能となるように構成されており、上記筐体は、複数のフレームで構成されたフレームユニットであり、上記フレームユニットは、互いに水平方向に平行に延び、コーナー部分に位置する4つのコーナーフレームと、上記各コーナーフレームの延びる方向を左右方向として、上下方向に相隣接する上記コーナーフレーム同士を、左側同士及び右側同士でそれぞれ連結するように上下方向に延びる二対の第3の連結フレームと、前後方向に相隣接する上記コーナーフレーム同士を、左側同士及び右側同士でそれぞれ連結するように前後方向に延びる二対の第4の連結フレームと、を有し、上記複数の固定部は、上記第3の連結フレームのそれぞれに設けられていて、上記フレームユニットで囲まれた領域の内側に上記収納ユニットが配設される。
【0013】
上記のように、筐体が複数のフレームで構成されていれば、筐体が壁部材等で構成されている場合と比較して、ユーザーが収納ユニットを支持しやすい。また、上記の構成では、固定部を第3の連結フレームに形成することで、固定部を設けるフレームを別途設けなくてもよい。フレームの数が削減できれば、ユーザーが収納ユニットを支持する際に、該ユーザーが手足を挿入できる隙間が大きくなる。これにより、工具を収納する収納ユニットの高さ位置を一層容易に変更することができる。
【0014】
上記工具棚において、上記各固定部は、ボルトが挿通される挿通孔で構成されており、上記支持部材は、上記ボルトがねじ込まれるボルト孔を有するとともに、上記挿通孔を挿通したボルトが上記ボルト孔に締結されることで、上記固定部に固定されてもよい。
【0015】
この構成によると、支持部材を固定部から取り外すのが容易になる。このため、工具を収納する収納ユニットの高さ位置をより一層容易に変更することができる。
【0016】
上記工具棚において、上記収納ユニットは、上記収納部としての引出本体と、上記支持部材としての引出用フレームとを有する引出しを含み、上記引出本体は、上記引出用フレームに設けられたレールに取り付けられることで該引出用フレームに支持されてもよい。
【0017】
すなわち、引出本体が引出用フレームに設けられたレールに取り付けられているため、従来であれば、引出しの引出本体の高さ位置を変える際は、引出本体を引き出し操作して、引出本体をレールから取り外し、レールの位置を変更してから、引出本体をレールに再度取り付けて、その後、引出本体を押し込み操作するという手順を取る必要があった。これに対して、上記の構成によると、引出本体を引き出し操作したり、引出本体をレールから取り外したりすることなく、引出用フレームを筐体の固定部から取り外すだけで引出しの高さ位置を変えることができる。このため、収納ユニットが引出しであったとしても、その高さ位置を変える作業の手間がかなり少ない。よって、工具を収納する収納ユニットの高さ位置を容易に変更するという効果を適切に発揮することができる。
【0018】
上記工具棚において、上記収納ユニットは、上記収納部としてのトレイと、上記支持部材としての一対の支持ロッドとを有するトレイユニットであり、上記一対の支持ロッドは、水平方向に延びるように上記複数の固定部に固定されるとともに、一方の支持ロッドが相対的に前側の上記固定部に固定され、他方の支持ロッドが相対的に後側の上記固定部に固定されており、上記トレイは、上記一対の支持ロッドの軸方向の中間部にそれぞれ係合する複数の係合部を有しており、上記各係合部は、上記一方の支持ロッドの高さ位置と上記他方の支持ロッドの高さ位置とが異なる状態でも、上記一対の支持ロッドの上記中間部に係合可能に構成されていてもよい。
【0019】
この構成によると、一方の支持ロッドの高さ位置と他方の支持ロッドの高さ位置とが異なる状態で、両支持ロッドに係合部をそれぞれ係合させると、トレイを水平方向に対して傾斜した状態にすることができる。これにより、工具を取り出し易くすることができる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明に係る工具棚によると、収納部が支持部材に支持された状態で、該支持部材を筐体の固定部から取り外すことができるため、収納ユニットを分解することなく、収納ユニットを固定部から取り外すことができる。これにより、収納ユニットごと収納部の高さ位置を変えることができ、工具を収納する収納ユニットの高さ位置を容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態1に係る工具棚の構成を示す分解斜視図である。
図2】フレームユニットの平面図である。
図3】フレームユニットの側面図である。
図4図3のIV-IV線相当の断面図である。
図5】工具棚の斜視図であって、引出本体が押し込まれた状態を示す。
図6図5のVI-VI線相当の断面図である。
図7】左側の引出用フレームの横断面の一例を示す断面図である。
図8】工具棚の斜視図であって、引出しの高さ位置を調整する途中の状態を示す。
図9】実施形態2に係る工具棚の構成を示す分解斜視図である。
図10】実施形態2に係る工具棚の斜視図であって、引出本体が押し込まれた状態を示す。
図11図10のXI-XI線相当の断面図である。
図12図10のXII-XII線相当の断面図である。
図13】実施形態3に係る工具棚の構成を示す分解斜視図である。
図14】トレイユニットを下側から見た底面図である。
図15】トレイユニットを支持ロッドに直交する面で切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
図1は、実施形態1に係る工具棚1の棚ユニット100の1つ分の構成を示す。この工具棚1は、筐体としてのフレームユニット10に工具を収納するため収納ユニットとしての引出し30を取り付けた状態で使用される。上記棚ユニット100は、1つのフレームユニット10に引出し30を取り付けて構成されたもののことを意味する。以下の説明では、図1に矢印で示すように、引出し30の収納部を構成する引出本体32が引き出される側を前側といい、引出本体32が押し込まれる側を後側という。また、後側から前側を見たときの左側を左側といい、右側を右側という。
【0024】
工具棚1は、1つの棚ユニット100で使用可能であり、複数の棚ユニット100を上下方向、左右方向及び前後方向に並べて使用することもできる。複数の棚ユニット100を上下方向、左右方向及び前後方向に並べて使用する場合には、隣接するフレームユニット10同士が連結される。
【0025】
〈フレームユニットの構成〉
フレームユニット10は、図1に示すように、複数の金属製のフレームが、直方体のような形状をなすように配置されている。各フレームは、互いに一体的に接合されて構成されている。各フレームは、それぞれ中空になっている。
【0026】
フレームユニット10は、互いに平行に上下方向に延びかつコーナー部分に位置する4つのコーナーフレーム11を有する。本実施形態1では、図2に示すように、上下方向から見て、コーナーフレーム11は、四角形の各頂点、詳しくは、長方形の各頂点に位置するように配設されている。
【0027】
フレームユニット10は、図1及び図2に示すように、左右方向に相隣接するコーナーフレーム11同士を、上下方向の一端側同士及び他端側同士でそれぞれ連結するように延びる二対の第1の連結フレーム12を有する。フレームユニット10は、図1及び図3に示すように、前後方向に相隣接するコーナーフレーム11同士を、上下方向の一端側同士及び他端側同士でそれぞれ連結するように延びる二対の第2の連結フレーム13を有する。
【0028】
各コーナーフレーム11は、図4及び図6に示すように、横断面がL字状をなしている。具体的には、図6に示すように、引出本体32が押し込まれた状態で該引出本体32が位置する側を内側として、外側に向かって開放されたL字状をなしている。
【0029】
各コーナーフレーム11のL字の開放側でかつ上下方向の両側の端部には、図1図4に示すように、複数のフレームユニット10同士を連結固定するための連結固定部17がそれぞれ設けられている。各連結固定部17は、図2に示すように、L字の部分を直交する2辺とする正方形状をなしている。各連結固定部17には、ボルト等の締結部材が挿通される挿通孔17aがそれぞれ形成されている。
【0030】
各第1の連結フレーム12は、図1に示すように、左右方向の端部が、コーナーフレーム11の上下方向の端部にそれぞれ結合されている。各第1の連結フレーム12は、図1及び図2に示すように、それぞれ、左右方向の中間部分が、左右方向の両側の端部よりも、前後方向の中央寄りに位置している。具体的には、相対的に前側に位置する第1の連結フレーム12は、左右方向の中間部分が、左右方向の両側の端部よりも後側に位置しかつ左右方向に真っ直ぐに伸びている一方、相対的に後側に位置する第1の連結フレーム12は、左右方向の中間部分が、左右方向の両側の端部よりも前側に位置しかつ左右方向に真っ直ぐに延びている。これにより、各第1の連結フレーム12を、前後方向に対向する2つの第1の連結フレーム12で構成される二組の第1の連結フレーム群120に分けたときに、該各第1の連結フレーム群120を構成する2つの第1の連結フレーム12は、コーナーフレーム11よりも前後方向の中央寄りに位置しかつ左右方向に沿って平行に延びる第1の平行部12aをそれぞれ有するようになる。
【0031】
また、各第1の連結フレーム群120を構成する2つの第1の連結フレーム12は、図1及び図2に示すように、第1の平行部12aにおける左右方向の両側の端部から、互いに離間するように近い側のコーナーフレーム11に向かって傾斜して延びる第1の傾斜部12bをそれぞれ有している。より具体的には、相対的に前側に位置する第1の連結フレーム12については、左側に位置する第1の傾斜部12bは左側に向かって前側に傾斜する一方、右側に位置する第1の傾斜部12bは右側に向かって前側に傾斜している。一方で、相対的に後側に位置する第1の連結フレーム12については、左側に位置する第1の傾斜部12bは左側に向かって後側に傾斜する一方、右側に位置する第1の傾斜部12bは右側に向かって後側に傾斜している。
【0032】
第1の平行部12aと第1傾斜部12bとの接続部分には、各第1の連結フレーム群120を構成する2つの第1の連結フレーム12を、左側同士及び右側同士で前後方向にそれぞれ連結する第1の補強フレーム14がそれぞれ設けられている。
【0033】
第1の平行部12aには、複数の孔42が等間隔に並んで設けられている。この孔42は、本実施形態1では、後述する天板35を取り付けるボルト(図示省略)が挿通する孔である。
【0034】
各第2の連結フレーム13は、図1及び図3に示すように、前後方向の端部が、コーナーフレーム11における上下方向の端部よりも上下方向の中央寄りの部分にそれぞれ結合されている。各第2の連結フレーム13は、図1及び図3に示すように、それぞれ、前後方向の中央部分が、前後方向の両側の端部よりも上下方向の中央寄りに位置している。具体的には、図3に示すように、相対的に上側に位置する第2の連結フレーム13は、前後方向の中央部分が、前後方向の両側の端部よりも下側に位置する一方、相対的に下側に位置する第2の連結フレーム13は、前後方向の中央部分が、前後方向の両側の端部よりも上側に位置する。これにより、各第2の連結フレーム13を、上下方向に対向する2つの第2の連結フレーム13で構成される二組の第1の連結フレーム群130に分けたときに、該各第2の連結フレーム群130を構成する2つの第1の連結フレーム13は、前後方向の中央部13aが、前後方向の端部よりも互いに接近するようになる。
【0035】
また、各第2の連結フレーム群130を構成する2つの第1の連結フレーム13は、上記中央部13aから前側及び後側に向かって互いに離れるように上側及び下側に傾斜して延びる第2の傾斜部13bをそれぞれ有している。より具体的には、相対的に上側に位置する第2の連結フレーム13については、前側に位置する第2の傾斜部13bは前側に向かって上側に傾斜する一方、後側に位置する第2の傾斜部13bは後側に向かって上側に傾斜している。一方で、相対的に下側に位置する第2の連結フレーム13については、前側に位置する第2の傾斜部13bは前側に向かって下側に傾斜する一方、後側に位置する第2の傾斜部13bは後側に向かって下側に傾斜している。
【0036】
上下に対向する中央部13aには、各第2の連結フレーム群130を構成する2つの第2の連結フレーム13を上下方向にそれぞれ連結する第2の補強フレーム15がそれぞれ設けられている。
【0037】
各第2の連結フレーム群130を構成する2つの第2の連結フレーム13は、図3に示すように、第2の傾斜部13bの中央部とは反対側の端部から、すなわち、前側の第2の傾斜部13bは前側の端部から、後側の第2の傾斜部13bは後側の端部からそれぞれ近い側のコーナーフレーム11に向かって前後方向に沿って平行に延びる第2の平行部13cをそれぞれ有している。第2の平行部13cは、前側同士及び後側同士で、補助フレーム16によりそれぞれ上下方向に連結されている。補助フレーム16は、図1及び図5に示すように、引出し30を、工具を収納可能状態で着脱可能に取付固定するためのフレームである。補助フレーム16には、複数(本実施形態では5個)の固定部41がそれぞれ設けられている。固定部41は、上下方向に等間隔に並んでいる。第2の平行部13cが前後方向に並んでいることにより、固定部41は前後方向にも並んでいる。本実施形態では、固定部41は、ボルト50が挿通される挿通孔として構成されている。
【0038】
固定部41を構成する挿通孔は、図6に示すように、上記外側の孔の径が、上記内側の孔の径よりも大きくなるように設定されている。具体的には、上記内側の孔の径は、支持部41に挿通されるボルト50の軸部よりも大きくかつ頭部よりも小さい径である一方、上記外側の孔の径は、ボルト50の頭部よりも大きい径である。
【0039】
フレームユニット10の上側の部分には、引出し30の引出本体32が引き込まれた状態で、最も上側に位置する引出本体32の収納空間31の内部が上方から見えないようにするための天板35が取り付けられている。
【0040】
〈引出しの構成〉
引出し30は、収納部としての引出本体32と、固定部41に固定されかつ引出本体32を支持する左右一対の引出用フレーム33と、側板の後側に溶接等により接合される背面板34と、左右の引出用フレーム33の下端部にそれぞれ固定されたアンダーレール36とを有する。また、図示は省略しているが、引出本体32の底面には、アンダーレール36と係合して引出本体32をスライドさせるためのクリップが設けられている。
【0041】
引出本体32は、図1に示すように、上方が開放された箱状をなしている。引出本体32は、図6に示すように、前壁部321と、該前壁部321と対向して後側に設けられた後壁部322と、前壁部321と後壁部322とを左側端部同士及び右側端部同士でそれぞれ上下方向に連結させる側壁部323と、引出本体32の底を形成する底壁部とを有している。各壁部は互いに溶接により接合されている。また、側壁部323の前側端部には、図6に示すように、左側の側壁部323の内面と右側の側壁部323の内面とを連結する補強部材325が設けられている。補強部材325は、引出本体32が変形しないように補強するための部材である。補強部材325と、左右の側壁部323と、後壁部322と、上記底壁部によって、工具が収納される収納空間31が形成されている。
【0042】
引出本体32の前壁部321の左側端部及び右側端部には、引出本体32を引き出し操作する際にユーザーが指をかける左側及び右側把手部326,327がそれぞれ設けられている。
【0043】
左右の引出用フレーム33は、それぞれ、2つの金属パネルを接合させて構成されている。具体的に左側の引出用フレーム33について説明すると、図7に示すように、引出用フレーム33は、相対的に外側(左側)に位置する外側パネル33aと、該外側パネル33aの内側(右側)の面における上下方向の中間に位置し、前後方向に延びる内側パネル33bとを有している。内側パネル33bは、外側に向かって開放された断面U字状をなしており、外側パネル33aと内側パネル33bとで閉断面空間を形成している。
【0044】
外側パネル33aには、図7に示すように、固定部41に対応する部分に孔33cが形成されており、外側パネル33aの内面には、孔33cに対応する位置にウェルドナット33dがそれぞれ設けられている。ウェルドナット33dには、ボルト50が締結される。つまり、引出用フレーム33は、ボルト50がねじ込まれるボルト孔を有している。
【0045】
外側パネル33aの後側の部分は、図6に示すように、前側に向かってU字状に折り返されている。背面板34は、図6に示すように、折り返えされた部分の内側部分に接するように取り付けられている。
【0046】
内側パネル33bには、図7に示すように、アンダーレール36のアウターレール36aを取付固定するためのボルト孔33eが設けられている。このボルト孔33eには、ボルト51が締結され、これにより、アンダーレール36が引出用フレーム33に取付固定されるようになっている。
【0047】
アンダーレール36のアウターレール36aには、インナーレール36bが係合している。引出本体32に設けられた上記クリップが、インナーレール36bに載置するように取り付けられることで、引出本体32がアンダーレール36に取り付けられ、アンダーレール36が引出本体32を下側から支持するようになる。インナーレール36bは、アウターレール36aに対して相対的にスライド移動可能になっている。インナーレール36bがアウターレール36aに対してスライドすることで、引出本体32が引き出し操作又は押し込み操作される。
【0048】
引出し30をフレームユニット10に取り付ける際には、まず、左右の引出用フレーム33の後側端部に背面板34を取り付ける。次に、アンダーレール36を左右の引出用フレーム33にそれぞれ固定する。次いで、アンダーレール36に引出本体32を取り付ける。その後、左右の引出用フレーム33をそれぞれ孔33cと固定部41とが対応するように、フレームユニット10で囲まれた領域の内側に配置して、外側から固定部41を介してボルト50をウェルドナット33dに締結することで、左右の引出用フレーム33を固定部41に固定する。以上により、引出し30がフレームユニット10で囲まれた領域の内側に取り付けられる。
【0049】
このように、本実施形態1では、引出し30がユニットとして組み上がった状態で、フレームユニット10に取り付けられる。逆に、引出し30をフレームユニット10から取り外すときには、引出し30がユニットとして組み上がった状態で、左右の引出用フレーム33を固定部41から取り外せばよい。このように、本実施形態1では、複数の固定部41は、左右の引出用フレーム33が引出本体32に取り付けられた状態で、左右の引出用フレーム33を固定部41から取り外し可能に構成されている。
【0050】
ここで、ユーザーが工具を用いて作業を行う高さ位置は作業形態に応じて異なる。このため、出来る限りユーザーが取り出しやすい高さ位置に工具が収納されていることが望ましく、工具棚1には、収納部(ここでは、引出本体32)の高さ位置を容易に変更したいという要求がある。従来の工具棚では、収納ユニットを分解した状態でなければ、収納部の高さ位置を変えることができず、収納ユニットを再度組み立てる必要があり、手間がかかっていた。
【0051】
これに対して、本実施形態1では、引出本体32が引出用フレーム33に支持された状態で、すなわち、引出し30がユニットとして組み上がった状態(以下、組み上がった状態のものをユニットということがある)で、該引出用フレーム33をフレームユニット10の固定部41から取り外すことができるため、引出し30を分解することなく、引出し30を固定部41から取り外すことができる。引出用フレーム33が固定部41から取り外されて、引出し30が固定部41から取り外されれば、引出し30は移動可能になるため、図8に示すように、引出し30を上記ユニットごとフレームユニット10から抜き出して、引出し30の高さ位置を調整することができるようになる。このことから、本実施形態1の工具棚1は、引出用フレーム33が固定部41から取り外されたときに、引出し30の高さ位置を調整可能となるように構成されている可能となるように構成されている。
【0052】
上記のことにより、引出し30を分解することなく、引出し30の上記ユニットごと引出本体32の高さ位置を変えることができる。詳しくは、引出本体32をアンダーレール36や引出用フレーム33から取り外すことなく、引出本体32の高さ位置を変えることができる。したがって、工具を収納する引出し30の高さ位置を容易に変更することができる。
【0053】
ここで、引出し30の引出用フレーム33を固定部41から取り外すときには、一時的に、ユーザーが手足で引出し30を支える必要がある。これに対して、本実施形態1では、筐体がフレームユニット10で構成されているため、筐体が壁部材等で構成されている場合と比較して、ユーザーが筐体内に手足を入れやすく、引出し30を支持しやすい。これにより、工具を収納する引出し30の高さ位置を一層容易に変更することができる。
【0054】
(実施形態2)
以下、実施形態2について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、前後方向及び左右方向については、上記実施形態1と同様の設定である。
【0055】
図9は、実施形態2に係る工具棚201の棚ユニット200の1つ分の構成を示す。この工具棚201は、筐体としてのフレームユニット210に工具を収納するため収納ユニットとしての引出し230とボックスユニット260とを取り付けた状態で使用される。以下の説明では、前後方向、左右方向及び上下方向については、図9の矢印に従う。
【0056】
実施形態2のフレームユニット210は、上記実施形態1のフレームユニットを、第1の連結フレームが上下方向に延びるように配置した形状をなしており、上記実施形態1のフレームユニットと比べて上下方向に長くかつ左右方向に短い。具体的には、フレームユニット210は、互いに平行に左右方向に延びかつコーナー部分に位置する4つのコーナーフレーム211を有する。フレームユニット210は、図9に示すように、上下方向に相隣接するコーナーフレーム211同士を、左右方向の一端側同士及び他端側同士でそれぞれ連結するように上下方向に延びる二対の第1の連結フレーム212を有する。フレームユニット210は、図3に示すように、前後方向に相隣接するコーナーフレーム211同士を、左右方向の一端側同士及び他端側同士でそれぞれ連結するように前後方向に延びる二対の第2の連結フレーム213を有する。尚、第1の連結フレーム212は、請求項3の第3の連結フレームに相当し、第2の連結フレーム213は、請求項3の第4の連結フレームに相当する。
【0057】
各コーナーフレーム211、各第1の連結フレーム212、及び、各第2の連結フレーム213の構成は、基本的には、上記実施形態1に係る工具棚のフレームユニット10における各フレームの構成に対して、上下方向と左右方向とを入れ替えたものである。すなわち、第1の連結フレーム212の第1の平行部は、上下方向に沿って平行に延びる平行部であり、第1の連結フレーム212の第1の傾斜部については、相対的に前側に位置する第1の連結フレーム212は、上側に位置する第1の傾斜部は上側に向かって前側に傾斜する一方、下側に位置する第1の傾斜部は下側に向かって前側に傾斜している。一方で、相対的に後側に位置する第1の連結フレーム212は、上側に位置する第1の傾斜部は左側に向かって後側に傾斜する一方、下側に位置する第1の傾斜部は下側に向かって後側に傾斜している。
【0058】
本実施形態2では、各第1の連結フレーム212の平行部には、図9に示すように、引出し230を、工具を収納可能状態で着脱可能に取付固定するための複数(本実施形態2では、それぞれ11個)の固定部242がそれぞれ設けられている。固定部242は上下方向に等間隔に並んで形成されている。本実施形態では、固定部242は、ボルトが挿通される挿通孔で構成されている。
【0059】
固定部242を構成する挿通孔は、図11に示すように、上記実施形態1の固定部41と同様に、上記外側の孔の径が、上記内側の孔の径よりも大きくなるように設定されている。具体的には、上記内側の孔の径は、固定部242に挿通されるボルト250の軸部よりも大きくかつ頭部よりも小さい径である一方、上記外側の孔の径は、ボルト250の頭部よりも大きい径である。
【0060】
フレームユニット210の上側の部分には、引出し230の引出本体232が引き込まれた状態で、最も上側に位置する引出本体232の収納空間231の内部が上方から見えないようにするための天板235が取り付けられている。
【0061】
引出し230は、左右方向の幅が小さいこと以外は、上記実施形態1と同じ構成である。すなわち、引出し230は、収納部としての引出本体232と、固定部242に固定されかつ引出本体32を支持する左右一対の引出用フレーム233と、側板の後側に溶接等により接合される背面板234と、左右の引出用フレーム233の下端部にそれぞれ固定されたアンダーレール236と、引出本体232が引き込まれた状態で、最も上側に位置する引出本体232の収納空間231の内部が上方から見えないようにするための天板235とを有する。
【0062】
引出本体232は、本実施形態2でも、上方が開放された箱状をなしている。引出本体232は、図11に示すように、前壁部2321と、該前壁部2321と対向して後側に設けられた後壁部2322と、前壁部2321と後壁部2322とを左側端部同士及び右側端部同士でそれぞれ上下方向に連結させる側壁部2323と、引出本体232の底を形成する底壁部とを有している。各壁部は互いに溶接により接合されている。また、側壁部2323の前側端部には、図11に示すように、左側の側壁部2323の内面と右側の側壁部2323の内面とを連結する補強部材2325が設けられている。補強部材2325は、引出本体232が変形しないように補強するための部材である。補強部材325と、左右の側壁部2323と、後壁部2322と、上記底壁部によって、工具が収納される収納空間231が形成されている。
【0063】
本実施形態2でも、引出本体232の前壁部2321の左側端部及び右側端部には、引出本体32を引き出し操作する際にユーザーが指をかける左側及び右側把手部2326,2327がそれぞれ設けられている。
【0064】
本実施形態2でも、上記実施形態1と同様に、左右の引出用フレーム233は、それぞれ、外側パネル233aと内側パネル233bとを有している。外側パネル233aには、固定部242に対応する部分に孔233c(図9参照)が形成されており、外側パネル233aの内面には、孔233cに対応する位置にウェルドナット233dがそれぞれ設けられている。ウェルドナット233dには、ボルト250が締結される。つまり、本実施形態2でも、引出用フレーム233は、ボルト250がねじ込まれるボルト孔を有している。
【0065】
アンダーレール236は、左右の引出用フレーム233の内側の部分にそれぞれ固定される。引出本体232は、アンダーレール235に載置するように取り付けられる。これにより、左右の引出用フレーム233は、アンダーレール236を介して、引出本体232を支持する。
【0066】
本実施形態2でも、上記実施形態1と同様に、引出し230をフレームユニット210に取り付ける際には、引出し230を組み上げてから、外側から固定部242及び孔233cを介してボルト250をウェルドナット233dにそれぞれ締結することで、左右の引出用フレーム233を固定部242に固定する。以上により、引出し230がフレームユニット210で囲まれた領域の内側に取り付けられる。
【0067】
ボックスユニット260は、収納空間261を有する収納部としてのボックス本体262と、第1の連結フレーム212の固定部242にそれぞれ固定される支持部材としての左右一対のボックス用フレーム263とを有する。
【0068】
左右のボックス用フレーム263は、図12に示すように、引出用フレーム233と同様に、相対的に外側に位置する外側パネル263aと、該外側パネル263aの内側(右側)の面における上下方向の中間に位置し、前後方向に延びる内側パネル263bとを有している。外側パネル263aには、固定部242に対応する部分に、外側孔263c(図9参照)がそれぞれ設けられている。外側パネル263aの内面には、外側孔263cに対応する位置にウェルドナット263dがそれぞれ設けられている。内側パネル263bには、内側孔263e(図9参照)が、前側部分及び後側部分に1つずつ設けられている。図12に示すように、前側の内側孔263eは前側の外側孔263cよりも前側に位置し、後側の内側孔263eは後側の外側孔263cよりも後側に位置する。内側パネル263bの内面には、内側孔263eに対応する位置にウェルドナット263fがそれぞれ設けられている。
【0069】
ボックス本体262の左右の側壁には、内側孔263eに対応する部分に、貫通孔262a(図9参照)がそれぞれ設けられている。
【0070】
ボックスユニット260をフレームユニット210に取り付けるときには、先ず、ボックス本体262と左右のボックス用フレーム263とを、ボックス本体262の貫通孔262aと各ボックス用フレーム263の内側孔263eとが一致するように位置合わせをする。次に、ボルト252を各貫通孔262a及び各内側孔263eを介して、ウェルドナット263fに締結させる。これにより、ボックスユニット260がユニットとして組み上がる。
【0071】
次いで、各ボックス用フレーム263の各外側孔263cと固定部242とが一致するように、ボックスユニット260をフレームユニット210の内側に配置して、各固定部242及び各外側孔263cを介してボルト253をウェルドナット263dに締結させる。これにより、各ボックス用フレーム263がフレームユニット210の固定部242に固定されるとともに、ボックス本体262が左右のボックス用フレーム263に支持される。
【0072】
本実施形態2のように、ボックスユニット260を、引出し230との間に隙間を空けてフレームユニット210の下側の部分に支持させると、ボックスユニット260の収納空間261をはみ出るような大型の工具を、該ボックスユニット260内に収納できる。これにより、工具棚201の利便性が向上する。
【0073】
本実施形態2でも、引出し230がユニットとして組み上がった状態で、フレームユニット210に取り付けられるため、逆に、引出し230をフレームユニット210から取り外すときには、引出し230がユニットとして組み上がった状態で、左右の引出用フレーム233を固定部242から取り外せばよい。また、収納ユニットがボックスユニット260である場合でも、ボックスユニット260がユニットとして組み上がった状態で、フレームユニット210に取り付けられるため、逆に、ボックスユニット260をフレームユニット210から取り外すときには、ボックスユニット260がユニットとして組み上がった状態で、左右のボックス用フレーム263を固定部242から取り外せばよい。したがって、本実施形態2では、引出し230及びボックスユニット260を分解することなく、引出し230及びボックスユニット260を固定部242から取り外すことができる。これにより、収納ユニット(引出し230及びボックスユニット260)を分解することなく、収納部(引出本体232及びボックス本体262)の高さ位置を変えることができる。よって、工具を収納する収納ユニットの高さ位置を容易に変更することができる。
【0074】
また、本実施形態2では、固定部242が第1の連結フレーム212に形成されているため、上記実施形態1と比較して、左右方向に位置するフレーム数が少なく、フレームユニット210における左右方向の隙間が大きくなっている。これにより、収納ユニット(引出し230及びボックスユニット260)の高さ位置を変えるときに、ユーザーが収納ユニットを支持しやすくなる。これにより、工具を収納する収納ユニットの高さ位置をより一層容易に変更することができる。
【0075】
(実施形態3)
以下、実施形態3について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の説明において上記実施形態1又は2と共通の部分については、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。前後方向、左右方向及び上下方向については、図13の矢印に従う。また、以下の説明では、上記実施形態2と同じ構成のフレームユニット210に収納ユニットが取り付けられる場合について説明する。
【0076】
本実施形態3では、図13に示すように、収納ユニットがトレイユニット330で構成されている点で、上記実施形態1及び2とは異なる。トレイユニット330は、工具を載置することで収納する収納ユニットである。
【0077】
トレイユニット330は、収納部としてのトレイ331と、支持部材としての一対の支持ロッド332とを有する。トレイ331は、トレイ本体331aと、トレイ本体331aの前側に位置しかつトレイ本体331aに対して略垂直に立設されたストッパ331bと、トレイ本体331aの前側端部とストッパ331bの下端部とを連結される連結部材331cとを有する。トレイ331は、図15に示すように、トレイ本体331a、ストッパ331b及び連結部材331cが組み合わさった状態で、側面視でL字状をなしている。
【0078】
図14に示すように、トレイ本体331aの下面には、フレームユニット210に固定された支持ロッド332の軸方向の中間部(後述するロッド部332b)にそれぞれ係合する複数の係合部335が設けられている。詳しくは、複数の係合部335は、長手方向の一側に設けられた左右一対の第1の係合部335aと、長手方向の他側に設けられたに4個設けられた第2の係合部335bとに分けられる。第2の係合部335bは、左右一対の組が前後方向に2組できるように、左側及び右側にそれぞれ2つずつ設けられている。第2の係合部335bのうち相対的に上記長手方向の上記一側に位置する第2の係合部335bは、相対的に上記長手方向の上記他側に位置する第2の係合部335bよりも上記長手方向の幅が長くなっている。詳しくは後述するが、第1の係合部335aは側面視で略円筒状をなしている。
【0079】
一対の支持ロッド332は、軸方向の両端部にそれぞれ設けられかつフレームユニット210の固定部242に取付固定される取付部332aと、両取付部332aを連結するように延びかつ断面円柱状をなすロッド部332bと、をそれぞれ有する。取付部332aは、それぞれボルト孔で構成されている。ロッド部332bは、支持ロッド332の軸方向の中間部に相当する。
【0080】
トレイユニット330をフレームユニット210に取り付けるときには、先ず、トレイ本体331a、ストッパ331b及び連結部材331cを組み合わせてL字状のトレイ331を組み立てる。次に、一対の支持ロッド332の各ロッド部332bとトレイ331の係合部335とを係合させる。このとき、一対の支持ロッド332のうち一方の支持ロッド332(以下、前側支持ロッド333という)は、一対の第1の係合部335aとそれぞれ係合させ、他方の支持ロッド332(以下、後側支持ロッド334という)は、2組の左右一対の第2の係合部335bのうち1組の第2の係合部335bとそれぞれ係合させる。
【0081】
次いで、前側支持ロッド333が前側、後側支持ロッド334が後側に位置するように、フレームユニット210の固定部242とそれぞれ位置合わせをする。その後、各取付部332aを固定部242にボルト350で固定する。これにより、トレイユニット330がフレームユニット210に取り付けられる。
【0082】
このように、本実施形態3では、トレイユニット330がユニットとして組み上がった状態で、フレームユニット210に取り付けられるため。逆に、トレイユニット330をフレームユニット210から取り外すときには、トレイユニット330がユニットとして組み上がった状態で、一対の支持ロッド332を固定部242から取り外せばよい。したがって、本実施形態3では、トレイユニット330を分解することなく、トレイユニット330を固定部242から取り外すことができる。これにより、トレイユニット330を分解することなく、トレイユニット330ごとトレイ331の高さ位置を変えることができる。よって、工具を収納するトレイユニット330の高さ位置を容易に変更することができる。
【0083】
ここで、本実施形態3では、図15に示すように、トレイユニット330は、前側支持ロッド333の高さ位置と後側支持ロッド334の高さ位置とが異なる状態でも、詳しくは、後側支持ロッド334の高さ位置が前側支持ロッド333よりも高い位置であっても、フレームユニット210に取り付け可能となっている。詳しくは、第2の係合部335bが前後方向に並んでいることにより、後側支持ロッド334の高さ位置に対応した係合位置で、後側支持ロッド334と第2の係合部335bとを係合させればよくなっている。これらにより、後側支持ロッド334の高さ位置が前側支持ロッド333よりも高い位置であっても、フレームユニット210に取り付け可能となっている。すなわち、本実施形態3では、各係合部335は、前側支持ロッド333の高さ位置と後側支持ロッド334の高さ位置とが異なる状態でも、一対の支持ロッド332のロッド部332bに係合可能に構成されている。
【0084】
トレイユニット330が、後側支持ロッド334の高さ位置が前側支持ロッド333よりも高い位置であっても、フレームユニット210に取り付け可能となっていることにより、トレイ331を水平方向に対して傾斜した状態、詳しくは、前側に向かって下側に傾斜した状態にすることができる。本実施形態3では、図15に示すように、上記長手方向の上記一側の第2の係合部335bにおける該一側の部分と後側支持ロッド334とが係合した状態で、トレイユニット330がフレームユニット210に取り付けられたときに、トレイ331が水平になるようになっている。そして、後側支持ロッド334を、上記長手方向の上記他端側に位置する第2の係合部335bと係合させたときには、トレイ331の水平方向に対する傾斜角度が最も大きくなるようになっている。本実施形態3では、第2の係合部335bと支持ロッド332との係合位置を調整することで、図15に示すように、トレイ331の水平方向に対する傾斜角度(0°を含む)が3段階で変化可能になっている。これにより、トレイ331に収納された工具を取り出し易くすることができる。
【0085】
ここで、トレイ331の水平方向に対する傾斜角度が小さいとき(ここでは、2段階目の傾斜角度のとき)には、後側支持ロッド332と第2の係合部335bとの相対位置の変化が小さい。そのため、本実施形態3では、上記長手方向の上記一側に位置する第2の係合部335bの該長手方向の幅を長くして、トレイ331の水平方向に対する傾斜角度が小さいときでも、後側支持ロッド332と第2の係合部335bとが係合し易いようにしている。
【0086】
また、本実施形態3では、トレイ331の前側に、ストッパ331bが設けられているため、トレイ331が前側に向かって下側に傾斜した状態であっても、トレイ331に収納された工具がトレイ331から落ちることはない。
【0087】
さらに、本実施形態3では、第1の係合部335aが、側面視で略円筒状をなしていることにより、図15に示すように、トレイ331は、後側支持ロッド334が固定部242に固定されていないか又は後側支持ロッド334と第2の係合部335bとの係合が解除された状態において、前側支持ロッド333周りに回動可能となっている。これにより、図15に示すように、前側支持ロッド333が固定部242に固定されたままの状態で、トレイ331の水平方向に対する傾斜角度を変更することができる。この結果、ユーザーの使用環境に応じて、トレイ331の水平方向に対する傾斜角度を容易に変更することができ、トレイ331に収納された工具をより取り出し易くすることができる。
【0088】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
【0089】
例えば、上述の実施形態1~3では、フレームユニット10では、複数の金属製のフレームが、直方体のような形状をなすように配置されていたが、これに限らず、複数の金属製のフレームが、立方体のような形状をなすように配置されていてもよい。
【0090】
また、上述の実施形態1~3では、収納ユニットは引出し30,230及びトレイユニット330であったが、これに限らず、固定部41,241に固定される箱体からなるボックスユニットであってもよい。
【0091】
さらに、上述の実施形態1~3では、収納ユニットが1種類のみ設けられている場合について説明したが、これに限らず、複数種類の収納ユニットを設けられていてもよい。例えば、実施形態2の引出し230と実施形態3のトレイユニット330とを、1つのフレームユニット210に取り付けるようにしてもよい。
【0092】
また、上述の実施形態2では、第1の連結フレーム212の第1の平行部に固定部242が設けられていたが、これに限らず、第1の連結フレーム212とは別に、固定部242を形成するための補助フレームが設けられていてもよい。
【0093】
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、工具を収納するための工具棚として有用である。
【符号の説明】
【0095】
1,201 工具棚
10,210 フレームユニット
11,211 コーナーフレーム
12 第1の連結フレーム
13 第2の連結フレーム
16 補助フレーム
30,230 引出し(収納ユニット)
32,232 引出本体(収納部)
33,233 引出用フレーム(支持部材)
36,236 アンダーレール
41,241 固定部
212 第1の連結フレーム(第3の連結フレーム)
213 第2の連結フレーム(第4の連結フレーム)
260 ボックスユニット(収納ユニット)
262 ボックス本体(収納部)
263 ボックスフレーム(支持部材)
330 トレイユニット(収納ユニット)
331 トレイ(収納部)
332 支持ロッド(支持部材)
332b ロッド部(支持ロッドの軸方向の中間部)
333 前側支持ロッド(一方の支持ロッド)
334 後側支持ロッド(他方の支持ロッド)
335 係合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15