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  • 特許-ウエーブ形座面チェアー 図1
  • 特許-ウエーブ形座面チェアー 図2
  • 特許-ウエーブ形座面チェアー 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-27
(45)【発行日】2022-08-04
(54)【発明の名称】ウエーブ形座面チェアー
(51)【国際特許分類】
   A47C 1/12 20060101AFI20220728BHJP
   E04H 3/12 20060101ALI20220728BHJP
   A47C 1/16 20060101ALI20220728BHJP
   A47C 7/02 20060101ALI20220728BHJP
【FI】
A47C1/12
E04H3/12 Z
A47C1/16
A47C7/02 Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019165758
(22)【出願日】2019-08-26
(65)【公開番号】P2021030034
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2021-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】506089330
【氏名又は名称】株式会社名宝
(74)【代理人】
【識別番号】100121784
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 稔
(72)【発明者】
【氏名】高木 良直
(72)【発明者】
【氏名】牧野 英昭
(72)【発明者】
【氏名】牧野 弘和
(72)【発明者】
【氏名】天木 幸一
(72)【発明者】
【氏名】森 陽史
(72)【発明者】
【氏名】森 敦志
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-196380(JP,A)
【文献】特開平04-367622(JP,A)
【文献】米国特許第05934751(US,A)
【文献】国際公開第2017/014661(WO,A2)
【文献】実開昭55-93362(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 1/12
E04H 3/12
A47C 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタジアムや劇場の観覧席として、複数個を横方向に連結し、且つ、前後に配列して使用するチェアーであって、
前記チェアーの座面の形状は、各チェアーの前面中心部及び隣接する2つのチェアーの境目の前面境目部に、それぞれ半円形の凹みを施して、これら連結した複数個のチェアーの座面の前面がウエーブ形となり、
席立ち者の通行時に着席者が体勢を斜めにすることにより、当該着席者の片方の膝が前記前面中心部の半円形の凹みに納められ、他方の膝が前記前面境目部の半円形の凹みに納められ、
前列席との間隔となる前記着席者の膝前スペースを広く確保可能にしたウエーブ形座面チェアー
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスタジアムや劇場の観覧席に関するものであり、座面の形状を工夫することで、膝前スペース(前席背もたれとの隙間)の確保を可能にし、座席から席立ち通路までの出入りを円滑にするものである。
【背景技術】
【0002】
従来から観覧席は、限られたスペースにより多くの人員を収容可能にし、更に安全性も確保する等、施工規則に基づき合理的に設置されてきた。
昨今は、障害者や高齢者などにも配慮され、観覧席の座り心地や視認性も改善される等、その快適性は進化を続けている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、横列中程の座席から通路への出入りは旧態依然、窮屈な状態で横列席の人々に、無理に膝前スペースを作ってもらい接触をしながら通行している、時には立ち上がってもらったり、一旦通路まで出てもらったりする等、かなりの協力と苦痛を伴っている。
従って極力席を立つことを我慢しなければならないストレスは、ほとんどの人が経験している事実と考えられる。
とりわけ女性の場合、人前を窮屈な状態で人に接触しながら通らなければならない苦痛は、公共的な問題としての課題が存在している。(図1参照)
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決する為、請求項1の発明は観覧席座面の中央部と隣席の境目に膝が収まる程度の半円形の凹みを施すことにより、膝の向きを斜めにする事と、膝部が半円形の凹みに収まる事で膝前スペースが普通成人の場合、約10cm広く確保される事が可能になる。
従って、当方調査では通常隙間が平均値の約15cmが約25cm幅の通路となり、席立ち通行する人と膝前スペースを譲る人の接触が激減し、極めて通行しやすくなる事で当該課題を解消するものである。
尚、通常の正対姿勢においては膝下の座面で支えられていることで安定した観覧姿勢が確保される。(図2参照)
【発明の効果】
【0005】
本発明の座面により、
1.同スペースで、観覧席の席数を削減する事無く施工できる。
2.観覧者同士の協力も、負担が極めて少ない状態になる。
3.床の物や、人の足を踏むことなく移動可能になり、トラブル防止につながる。
4.席立ちを我慢するストレスから解放される。
等の効果が有り、通路までの席立ち移動が円滑になり本来の目的である観戦や観覧を心置きなく楽しむことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
観覧席の座面形状を図2で示す通り前面中心部に直径約15cmの半円の凹みを設け、左右の隣席にかけても同様な凹みを設ける。
その凹みの切断形状やクッションの貼り込みは、膝部の移動時に抵抗感の少ない角を落とした滑らかなウエーブ形とし、子供等体格の小さい人にもなじむ形状とする。
尚、最前列はその必要性は無くスカート着用の女性に配慮して、従来の座面形状とし、素材は従来と同様でよい。(図2図3参照)
【産業上の利用可能性】
【0007】
現代のスポーツや文化のイベントや会議は、国民生活に欠かす事ができない大切な社会的行事となっている。
更に外国からも多くの参加が考えられる事からも、日本らしく工夫でのおもてなしは、世界的にその効果は大きく設備産業界の活性化に繋がり、経済的な負担も少なく産業上の利用可能性は極めて高いと予測される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(1)従来観覧席の座面の形状である。(2)従来観覧席座面で着席の状態である。(3)従来座面観覧席における席立ち移動時の状態である。
図2】(1)当該発明観覧席の座面の形状である。(2)当該発明座面で着席の状態である。(3)当該発明座面観覧席における席立ち移動時の状態である。
図3】当該発明のベンチ式座面の形状である。
【符号の説明】
【0009】
A.従来の座版
B.当該発明の座版
C.観覧席背もたれ
D.通路へ出入りする観客
E.観客
図1
図2
図3