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特許7112755JAK酵素阻害剤及びその製造方法と用途
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-27
(45)【発行日】2022-08-04
(54)【発明の名称】JAK酵素阻害剤及びその製造方法と用途
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20220728BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20220728BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20220728BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20220728BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20220728BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20220728BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20220728BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220728BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20220728BHJP
   A61P 37/00 20060101ALI20220728BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20220728BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20220728BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20220728BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220728BHJP
   C07F 7/10 20060101ALI20220728BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20220728BHJP
【FI】
C07D487/04 140
A61K31/519
A61P3/10
A61P17/00
A61P17/06
A61P25/00
A61P29/00
A61P29/00 101
A61P35/00
A61P35/02
A61P37/00
A61P37/02
A61P37/06
A61P37/08
A61P43/00 111
C07F7/10 V CSP
C07B61/00 300
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019539793
(86)(22)【出願日】2018-01-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-05
(86)【国際出願番号】 CN2018073776
(87)【国際公開番号】W WO2018133875
(87)【国際公開日】2018-07-26
【審査請求日】2019-09-18
(31)【優先権主張番号】201710058693.3
(32)【優先日】2017-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519225543
【氏名又は名称】シャンハイ ロングウッド バイオファーマシューティカルズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI LONGWOOD BIOPHARMACEUTICALS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 301, 3F, Building 7, No.4289 Jindu Road, Minhang District, Shanghai 201108, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジョー
(72)【発明者】
【氏名】ファン,グォキン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,サイ
(72)【発明者】
【氏名】ゾン,ジーホン
【審査官】西澤 龍彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-514909(JP,A)
【文献】国際公開第2013/173506(WO,A2)
【文献】特表2012-504639(JP,A)
【文献】特表2018-536634(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iに示された化合物、またはその立体異性体、またはその互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物であって、
【化1】
ここで、
Xは、NRまたはOであり、
Yは、NRまたはOであり、
X及びYの少なくとも1つは、酸素ではなく、
Zは、置換または非置換のC-Cアルキル基(alkyl group)から選択され、
Wは、NまたはCHであり、
、R、Rは、それぞれ独立して、水素、置換または非置換のC-Cアルキル基、置換または非置換のC-Cアルケニル基(alkenyl group)、置換または非置換のC-Cアルキニル基(alkynyl group)、置換または非置換のC-Cシクロアルキル基(cycloalkyl group)、置換または非置換のC-C10アリール基(aryl group)、N、O、Sから選択される1-3個のヘテロ原子を有する置換または非置換の5-10員ヘテロアリール基、置換または非置換のベンゾ5-10員ヘテロアリール基(heteroaryl group)から選択され、
は、水素、置換または非置換のC-Cアルキル基、置換または非置換のC-Cシクロアルキル基、N、S、Oから選択される1-3個のヘテロ原子を有する置換または非置換の3-10員ヘテロシクロアルキル基(heterocycloalkyl group)、CHORから選択され、ここで、Rは、C-Cアルキルカルボニル基(alkylcarbonyl group)、トリアルキルシリル基(trialkylsilyl group)から選択され、
前記R、R、R、R、Zにおいて、前記置換とは、ハロゲン、CN、C-Cアルキル基、ハロゲン化C-Cアルキル基、またはC-Cアルコキシ基(alkoxy group)から選択される1つまたは複数の置換基によって置換されることを意味する、前記化合物、またはその立体異性体、またはその互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物。
【請求項2】
XとYが異なる場合、前記式I化合物は、式IIまたは式IIIに示された化合物であり、
【化2】
前記式IIまたは式IIIにおいて、R、R、W、X、Y、Zの定義は、請求項1に記載の通りであり、
【化3】
は、平面の上にある二重結合を指し、
【化4】
は、平面の下にある二重結合を指すことを特徴とする
請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、またはその互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物。
【請求項3】
Wは、Nであり、Xは、NRであり、Yは、酸素であり、前記式I化合物は、式IVに示された化合物であり、
【化5】
式IVにおいて、R、R、RWの定義は、請求項1に記載の通りであり、
Z’は、ハロゲン、ニトリル基、C-Cアルキル基から選択されることを特徴とする
請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、またはその互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物。
【請求項4】
式VIIに示された化合物、またはその立体異性体、またはその互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物であって、
【化6】
ここで、nは、2-10の正の整数であり、
Zは、置換または非置換のC-Cアルキル基から選択され、
は、水素、置換または非置換のC-Cアルキル基、置換または非置換のC-Cシクロアルキル基、N、S、Oから選択される1-3個のヘテロ原子を有する置換または非置換の3-10員ヘテロシクロアルキル基(heterocycloalkyl group)、CHORから選択され、ここで、Rは、C-Cアルキルカルボニル基(alkylcarbonyl group)、トリアルキルシリル基(trialkylsilyl group)から選択され、
前記置換とは、ハロゲン、CN、C-Cアルキル基、ハロゲン化C-Cアルキル基、またはC-Cアルコキシ基(alkoxy group)から選択される1つまたは複数の置換基によって置換されることを意味することを特徴とする
前記化合物、またはその立体異性体、またはその互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物。
【請求項5】
前記式I化合物は、
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
から選択され、
【化13】
は、平面の上にある二重結合を指し、
【化14】
は、平面の下にある二重結合を指すことを特徴とする
請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、またはその互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物。
【請求項6】
【化15】
から選択される、化合物。
【請求項7】
請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、またはその互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物の製造方法であって、前記化合物は、式I’に示される通りであり、前記方法は、
【化16】
触媒の存在下で、化合物Iaと化合物Ibを反応させて、化合物Icを製造するステップ(i)と、化合物Icと化合物Idを反応させて、化合物I’を製造するステップ(ii)とを含み、ここで、前記R、R、R、R、X、Yの定義は、請求項1に記載の通りであり、Z’は、ハロゲン、ニトリル基、C-Cアルキル基から選択される、前記化合物、またはその立体異性体、またはその互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物の製造方法。
【請求項8】
請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、またはその互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物の製造方法であって、
前記式I化合物は、式VIII化合物であり、前記方法は、以下のようなステップを含み、
【化17】
ここで、前記Rの定義は、請求項1に記載の通りであり、Z’は、ハロゲン、ニトリル基、C-Cアルキル基から選択され
たは、前記方法は、以下のようなステップを含み、
【化18】
ここで、Rは、水素、置換または非置換のC-Cアルキル基、置換または非置換のC-Cシクロアルキル基、N、S、Oから選択される1-3個のヘテロ原子を有する置換または非置換の3-10員ヘテロシクロアルキル基(heterocycloalkyl group)、CHORから選択され、ここで、Rは、C-Cアルキルカルボニル基(alkylcarbonyl group)、トリアルキルシリル基(trialkylsilyl group)から選択され、他の基は上記のように定義され、
「Boc」は、t-ブチルオキシカルボニル基を指し、「TBS」は、tert-ブチルジメチルシリル基を指すことを特徴とする
前記化合物、またはその立体異性体、またはその互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物の製造方法。
【請求項9】
請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、またはその互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物の製造方法であって、
前記式I化合物は、式IX化合物であり、前記方法は、以下のようなステップ含み、
【化19】
ここで、前記Rの定義は、請求項1に記載の通りであり、RはC-Cアルキル基またはC-C10アリール基であり、Z’は、ハロゲン、ニトリル基、C-Cアルキル基から選択され、
または、前記方法は、以下のようなステップを含み、
【化20】
ここで、Rは、水素、置換または非置換のC-Cアルキル基、置換または非置換のC-Cシクロアルキル基、N、S、Oから選択される1-3個のヘテロ原子を有する置換または非置換の3-10員ヘテロシクロアルキル基(heterocycloalkyl group)、CHORから選択され、ここで、Rは、C-Cアルキルカルボニル基(alkylcarbonyl group)、トリアルキルシリル基(trialkylsilyl group)から選択され、他の基は上記のように定義され、
「Boc」は、t-ブチルオキシカルボニル基を指すことを特徴とする
前記化合物、またはその立体異性体、またはその互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物の製造方法。
【請求項10】
構造が以下で示される化合物であって、
【化21】
【化22】
ここで、Zは、置換または非置換のC-Cアルキル基から選択され、
、Rは、それぞれ独立して、水素、置換または非置換のC-Cアルキル基、置換または非置換のC-Cアルケニル基(alkenyl group)、置換または非置換のC-Cアルキニル基(alkynyl group)、置換または非置換のC-Cシクロアルキル基(cycloalkyl group)、置換または非置換のC-C10アリール基(aryl group)、N、O、Sから選択される1-3個のヘテロ原子を有する置換または非置換の5-10員ヘテロアリール基、置換または非置換のベンゾ5-10員ヘテロアリール基(heteroaryl group)から選択され、
は、水素、置換または非置換のC-Cアルキル基、置換または非置換のC-Cシクロアルキル基、N、S、Oから選択される1-3個のヘテロ原子を有する置換または非置換の3-10員ヘテロシクロアルキル基(heterocycloalkyl group)、CHORから選択され、ここで、Rは、C-Cアルキルカルボニル基(alkylcarbonyl group)、トリアルキルシリル基(trialkylsilyl group)から選択され、
前記R、R 、R 、Zにおいて、前記置換とは、ハロゲン、CN、C-Cアルキル基、ハロゲン化C-Cアルキル基、またはC-Cアルコキシ基(alkoxy group)から選択される1つまたは複数の置換基によって置換されることを意味し、
TBSは、tert-ブチルジメチルシリル基を指す、
前記化合物。
【請求項11】
薬物組成物であって、
(1)請求項1または6に記載の化合物、またはその立体異性体、またはその互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物と、(2)薬学的に許容される担体とを含む、前記薬物組成物。
【請求項12】
JAKキナーゼ阻害剤の製造の用途における、請求項1または6に記載の化合物、またはその立体異性体、またはその互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物または請求項11に記載の薬物組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物合成分野に属し、具体的に、本発明は、JAK酵素阻害剤及びその製造方法と用途に関する。
【背景技術】
【0002】
タンパク質ホスホキナーゼ(Protein Phosphokinase)としても称するプロテインキナーゼ(Protein kinases)は、タンパク質のリン酸化反応を触媒する酵素の一種であり、細胞増殖及び細胞分化を含む細胞シグナルの調節における重要な要素である。
【0003】
現在、JAK1(別名Janus kinase-1とも称する)、JAK2(Janus kinase-2とも称する)、JAK3(別名JAKLまたはL-JAK、白血球Janusキナーゼ、Janusキナーゼ3とも称する)及びTYK2(プロテインチロシンキナーゼ2とも称する)などの4つの哺乳類JAKファミリーメンバーが知られている。
JAKキナーゼレベルでシグナル伝達を遮断することは、炎症性疾患、自己免疫疾患、骨髄増殖性疾患、及び癌に対する治療方法の開発に有望である。JAKキナーゼの阻害は乾癬及び皮膚感作のような皮膚免疫疾患の治療にも寄与する。すでに発売されているPfizerのToficitinibは、慢性関節リウマチの治療に使用され、Incyteのrosotinibは、骨髄線維症及び急性移植片対宿主病の治療に使用されている。
【0004】
しかし、現在いくつかの既存のJAK酵素阻害剤はまた、いくつかの明らかな副作用を有し、例えば、いくつかのJAK阻害剤は、肺炎、ウイルス感染症(例えば、帯状疱疹感染症)、細菌感染症、放線菌感染症(マイコバクテリア感染症)、真菌感染症、免疫力の低下(例えば、NK細胞の減少)、及び貧血を含む感染症のような副作用を引き起こしやすい。米国では、急性結核、侵襲性真菌感染症、細菌感染症、及び部分的リンパ腫または他の腫瘍などのいくつかの深刻な副作用によってブラックボックス警告(Black box)を受けた。研究により、現在利用可能なJAK阻害剤は、JAK1及びJAK3の両方に対して阻害活性を有する傾向があり、これらのほとんどの副作用は、JAK3活性の阻害に関連していることが示されている。
【0005】
しかし、研究により、JAKsファミリーのキナーゼが多数のシグナル経路の調節に関与していることが示されている。JAK1及びJAK3は一般的なγ鎖サイトカイン受容体複合体の一部であるので、これはJAK1に対して高い選択性を有する阻害剤を開発することにおいて重大な困難をもたらした。
要約すると、ヤヌス(Janus)キナーゼまたは関連キナーゼの阻害剤、特にJAK1に対して高い選択性を有する阻害剤を開発することが当技術分野において緊急の必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、新規なJAK酵素阻害剤及びその製造方法と用途を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の形態は、式Iに示された化合物、またはその立体異性体、またはその互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物を提供し、
【化1】
ここで、
Xは、NまたはOであり、
Yは、NまたはOであり、
Zは、置換または非置換のC1-C8アルキル基(alkyl group)から選択され、
Wは、NまたはCであり、
R1、R2、R3は、それぞれ独立して、水素、置換または非置換のC1-C6アルキル基、置換または非置換のC2-C6アルケニル基(alkenyl group)、置換または非置換のC2-C6アルキニル基(alkynyl group)、置換または非置換のC3-C8シクロアルキル基(cycloalkyl group)(好ましくは、フェニル基(phenyl group))、、置換または非置換のC6-C10アリール基(aryl group)、N、O、Sから選択される1-3個のヘテロ原子を有する置換または非置換の5-10員ヘテロアリール基(好ましくは、5員または6員)、置換または非置換のベンゾ-5-10員ヘテロアリール基(heteroaryl group)(好ましくは、インドリル基(indolyl group))から選択され、
R4は、置換または非置換のC1-C6アルキル基、置換または非置換のC3-C8シクロアルキル基、N、S、Oから選択される1-3個のヘテロ原子を有する置換または非置換の3-10員ヘテロシクロアルキル基(heterocycloalkyl group)、CH2OR5から選択され、ここで、R5は、C1-C6アルキルカルボニル基(alkylcarbonyl group)、トリアルキルシリル基(trialkylsilyl group)から選択され、
前記R1、R2、R3、R4、Zにおいて、前記置換とは、ハロゲン(好ましくは、F)、CN、C1-C6アルキル基、ハロゲン化C1-C6アルキル基、またはC1-C6アルコキシ基(alkoxy group)から選択される1つまたは複数(例えば、2つ、3つ、4つなど)の置換基によって置換されることを意味する。
【0008】
他の好ましい例において、前記XR2とYR3は、同じかまたは異なる。
他の好ましい例において、Xは、窒素であり、YR3は、酸素である。
他の好ましい例において、前記R1、R2及びR3のうち1つまたは複数は、置換または非置換のC1-C5アルキル基、置換または非置換のC3-C5シクロアルキル基、置換または非置換の3-5員ヘテロ環基(heterocycle group)からなる群から独立して選択される。
他の好ましい例において、前記3-5員ヘテロ環基は、N、O、Sから選択される1-2個のヘテロ原子を有する。
他の好ましい例において、前記3-5員ヘテロ環基は、芳香族または非芳香族、及び飽和または不飽和(例えば、4~5員の芳香族複素シクロ基)である。
他の好ましい例において、前記R1、R2及びR3のうち1つまたは複数は、以下からなる群から独立して選択される。
【0009】
(a1)置換または非置換のメチル基(methyl group)、エチル基(ethyl group)、プロピル基(propyl group)(n-プロピル基(n-propyl group)、イソプロピル基(isopropyl group)を含む)、ブチル基(butyl group)(n-、i-、またはt-ブチル基を含む)、ペンチル基などのラジカル、
(a2)置換または非置換のシクロプロピル基(cyclopropyl group)、シクロブチル基(cyclobutyl group)、またはシクロペンチル基(cyclopentyl group)などのラジカル、
(a3)置換または非置換のオキシヘテロプロピル基(oxyheteropropyl group)、オキセタニル基(oxetanyl group)、オキソリル基(oxolyl group)、アジリジン基(aziridine group)、アゼチジニル基(azetidinyl group)、またはアザシクロペンチル基(azacyclopentyl group)などのラジカル、
ここで、前記置換とは、F、Cl、Br、-OH、-CN、NH2、=O、C1-C3アルキル基またはC1-C3ハロゲン化アルキル基からなる群から群から選択される1つまたは複数(例えば、2つ、3つ、4つなど)の置換基によって置換されることを意味する。
【0010】
他の好ましい例において、R1、R2及びR3のうち少なくとも1つ(例えば、1つまたは2つ)は、(a1)、(a2)及び(a3)から選択されるラジカルである。
他の好ましい例において、R1、R2及びR3のうち少なくとも1つ(例えば、1つまたは2つ)は、C1-C4アルキル基、C1-C4ハロゲン化アルキル基、シクロプロピル基(cyclopropyl group)、シクロブチル基(cyclobutyl group)から選択されるラジカルである。
【0011】
他の好ましい例において、R1及びR2は、それぞれ独立して、C1-C5アルキル基(特に、メチル基、エチル基及びプロピル基)、C1-C5ハロゲン化アルキル基(例えば、-CF3、-C2H4F、-C2H2F3、-C2F5を含むが(これらに限定されない)部分的ハロゲン化または完全ハロゲン化アルキル基)、シクロプロピル基、シクロブチル基、オキセシクロプロピル基、オキセシクロブチル基から選択される。
他の好ましい例において、式I化合物が1つまたは複数のキラル炭素原子を含む場合、当該キラル炭素原子は、R、Sまたはそれらの組み合わせで有り得る。
他の好ましい例において、式I化合物において、XR2及びYR3に隣接するS原子は、キラルまたはアキラルであり得、当該S原子がキラルである場合、その立体配置は、R、Sまたはそれらの組み合わせで有り得る。
【0012】
他の好ましい例において、XR2とYR3が異なる場合、前記式I化合物は、式IIまたは式IIIに示された化合物であり、
【化2】
前記式IIまたは式IIIにおいて、R1、R2、R3、R4、W、X、Y、Zの定義は、上記の通りである。
他の好ましい例において、Wは、Nであり、Xは、窒素であり、YR3は、酸素であり、前記式I化合物は、式IVに示された化合物であり、
【化3】
式IVにおいて、R1、R2、R3、R4、W、X、Y、Zの定義は、上記の通りである。
【0013】
他の好ましい例において、式I化合物は、光学活性化合物式V及び化合物式VIを含むラセミ(raceme)であり、
【化4】
前記式Vまたは式VIにおいて、R1、R2、R4、Zの定義は、上記の通りである。
他の好ましい例において、式I化合物は、式VIIの化合物であり、
【化5】
ここで、n、2-10の正の整数であり、R4、Zの定義は、上記の通りである。
【0014】
他の好ましい例において、前記式I化合物は、以下の群から選択される。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】
【表4】
【0019】
【表5】
【0020】
【表6】
【0021】
本発明の第2の形態は、本発明第1の形態による化合物、またはその立体異性体、またはその互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物の製造方法を提供し、前記方法は、以下のステップを含む。
【化6】
【0022】
触媒の存在下で、化合物Iaと式化合物Ibを反応させて、化合物Icを製造するステップ(i)と、及び
化合物Icと化合物Idを反応させて、化合物Iを製造するステップ(ii)と、ここで、前記、R1、R2、R4、X、Y、Zの定義は、本発明第1の形態の通りである。
【0023】
他の好ましい例において、前記ステップ(i)において、前記触媒は、塩基である。
他の好ましい例において、前記ステップ(i)において、前記触媒は、フッ化テトラアルキルアンモニウム(tetraalkylammonium fluoride)、水酸化テトラアルキルアンモニウム(tetraalkylammonium hydroxide)、グアニジン(guanidine)、アミジン(amidine)、水酸化物、アルコキシド、ケイ酸塩、アルカリ金属リン酸塩、酸化物、三級アミン、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属リン酸水素塩、ホスフィンまたはカルボン酸のアルカリ金属塩、またはそれらの組み合わせから選択される。
【0024】
他の好ましい例において、前記反応は、有機溶媒で行われる

他の好ましい例において、前記有機溶媒は、アセトニトリル、ジメチルアセトアミド(dimethylacetamide)、またはそれらの組み合わせから選択される。
他の好ましい例において、前記方法は、室温で行われる。
他の好ましい例において、前記方法は、2-6時間かかる。
他の好ましい例において、前記式Ic化合物は、高収率及び高純度を有する。
他の好ましい例において、化合物Idは、PPh3Cl2、五塩化リン、塩化チオニル、N-クロロスクシンイミド(N-hlorobutylimide)、またはそれらの組み合わせから選択される化合物で製造される。
【0025】
他の好ましい例において、前記ステップ(ii)は、塩基の存在下で行われる。
他の好ましい例において、R2、R4が水素である場合、前記式I化合物は、式VIII化合物であり、前記方法は、以下のようなステップを含み、
【化7】
ここで、前記Z、R1の定義は、本発明の第1の形態に記載の通りである。
他の好ましい例において、前記ステップ(iv)において、前記化合物VIII-1とVIII-2は、塩基の存在下で反応され、ここで、前記塩基は、有機塩基または無機塩基である。
【0026】
他の好ましい例において、前記ステップ(iv)は、アセトニトリルまたはN,N-ジメチルアセトアミドから選択されうる有機溶媒で行われる。
他の好ましい例において、前記ステップ(v)は、塩酸水溶液、イソプロパノール塩酸塩溶液、またはジオキサン塩酸塩溶液の酸性条件下で行われる。
他の好ましい例において、前記ステップ(vi)は、PPh3Cl2、五塩化リン、塩化チオニル、N-クロロスクシンイミド、またはそれらの組み合わせから選択される塩素化試薬で行われる。
【0027】
他の好ましい例において、前記ステップ(vii)は、塩基の存在下で行われ、前記塩基は、フッ化テトラアルキルアンモニウム、水酸化テトラアルキルアンモニウム、グアニジン、アミジン、水酸化物、アルコキシド、ケイ酸塩、アルカリ金属リン酸塩、酸化物、三級アミン、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属リン酸水素塩、ホスフィンまたはカルボン酸のアルカリ金属塩、またはそれらの組み合わせから選択される。
他の好ましい例において、前記ステップ(vii)は、塩酸、硫酸、p-トルエンスルホン酸、フッ化テトラアルキルアンモニウム、またはそれらの組み合わせから選択される酸の存在下で行われる。
【0028】
他の好ましい例において、R2がC1-C6アルキル基またはC6-C10アリール基である場合、前記式I化合物は、式IX化合物であり、前記方法は、以下のようなステップを含み、
【化8】
ここで、前記Z、R1、R4定義は、本発明の第1の形態に記載の通りである。
他の好ましい例において、前記ステップ(ix)は、PPh3Cl2、五塩化リン、塩化チオニル、N-クロロスクシンイミド(N-hlorobutylimide)、またはそれらの組み合わせから選択される塩素化試薬で行われる。
【0029】
他の好ましい例において、前記ステップ(x)は、塩基の存在下で行われ、前記塩基は、フッ化テトラアルキルアンモニウム、水酸化テトラアルキルアンモニウム、グアニジン、アミジン、水酸化物、アルコキシド、ケイ酸塩、アルカリ金属リン酸塩、酸化物、三級アミン、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属リン酸水素塩、ホスフィンまたはカルボン酸のアルカリ金属塩、またはそれらの組み合わせから選択される。
本発明の第3の形態は、以下に示した構造を有する化合物を提供し、
【化9】
【化10】
ここで、前記R1、R2、R4、Zは、本発明の第1の形態に記載の通りである。
【0030】
本発明の第4の形態は、(1)本発明第1の形態に記載の化合物またはその立体異性体または互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物と、(2)薬学的に許容される担体とを含む薬物組成物を提供する。
他の好ましい例において、前記薬物組成物は、他のJAKキナーゼ阻害剤をさらに含む。
他の好ましい例において、前記他のJAKキナーゼ阻害剤は、トファシチニブ(tofacitinib)、ルキソリニブ(ruxolitinib)、またはそれらの組み合わせから選択することができる。
【0031】
本発明の第5の形態は、JAKキナーゼ阻害剤を製造するための本発明第1の形態に記載の化合物またはその立体異性体または互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物または本発明の第4の形態に記載の薬物組成物の用途を提供する。
【発明の効果】
【0032】
本発明の範囲内で、本発明の前記各技術の特徴と以下(例えば、実施例)に具体的に記述された各技術的特徴は、互いに組み合わされて、新たなまたは好ましい技術手段を構成することができることを理解すべきである。スペースに限りがあるため、ここでは繰り返して説明しない。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、新規構造、優れた生物活性及び極めて優れた選択性を有する、新規なJAK阻害剤を予想外に発見した。具体的に、本発明の化合物は、JAK3/JAK1の割合を代表とする選択性またはJAK3/JAK2の割合を代表とする選択性が平均で約100倍向上される。従って、本発明の化合物とJAK3の阻害に関連した副作用は極めて著しく低下し、そして安全性は著しく向上される。本発明は、これに基づいて完成したものである。
【0034】
用語の説明
他に定義されない限り、本明細書に使用されるすべての技術と科学用語は、当業者が通常に理解している意味と同じである。
本明細書に使用されるように、具体的に列挙された値に使用されると言及される場合、用語「約」とは、列挙された値から1%以下に変化することができることを意味する。例えば、本明細書に使用されるように、「約100」との表現は、99から101の間のすべての値(例えば、99.1、99.2、99.3、99.4など)を含む。
本明細書に使用されるように、用語「含有」または「含む」は、開放式、半閉鎖式及び閉鎖式で有り得る。言い換えれば、前記用語は「基本的に...からなる」または「からなる」も含む。
【0035】
定義
本明細書に使用されるように、用語「アルキル基」は、直鎖または分岐鎖アルキル基を含む。例えば、C1-C8アルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基などの1-8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル基を意味する。
本明細書に使用されるように、用語「アルケニル基」は、直鎖または分岐鎖アルケニル基を含む。例えば、C2-C6アルケニル基は、ビニール基、アリル基、1-プロペニル基、イソプロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、または類似のラジカルのような2-6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルケニル基を意味する。
【0036】
本明細書に使用されるように、用語「アルキニル基」は、直鎖または分岐鎖アルキニル基を含む。例えば、C2-C6アルキニル基とは、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、または類似のラジカルのような2-6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキニル基を意味する。
本明細書に使用されるように、用語「C3-C8シクロアルキル基」とは、3-8個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味する。それは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、または類似のラジカルなどの単環であることができる。架橋またはスピロ環のような二重環の形態であることもできる。
【0037】
本明細書に使用されるように、用語「C1-C8アルコキシ基」とは、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基などのような1-8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルコキシ基を意味する。
本明細書に使用されるように、用語「N、S及びOから選択される1-3個のヘテロ原子を有する3-10員ヘテロシクロアルキル基」とは、3-10個の原子を有する飽和または部分飽和の環状ラジカルを意味し、ここで1-3個の原子は、N、S及びOから選択されるヘテロ原子である。それは、単環であることもでき、架橋またはスピロ環のような二重環の形態であることもできる。具体的な例としては、オキセタン(oxetane)、アゼチジン(azetidine)、テトラヒドロ-2H-ピラニル(tetrahydro-2H-pyranyl)、ピペリジニル(piperidinyl)、テトラヒドロフラニル(tetrahydrofuranyl)、モルホリニル(morpholinyl)、ピロリジニル(pyrrolidinyl)などであることができる。
本明細書に使用されるように、用語「C6-C10アリール基」とは、フェニルまたはナフチル基などの類似のラジカルのような6-10個の炭素原子を有するアリール基を意味する。
【0038】
本明細書に使用されるように、用語「N、S及びOから選択される1-3個のヘテロ原子を有する5-10員ヘテロアリール基」とは、5-10個の原子を有する環状芳香族ラジカルを意味し、ここで、1-3個の原子は、N、S及びOから選択される。それは、単環であることもでき、縮合環であることもできる。具体的な例は、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、(1,2,3)-トリアゾリル基及び(1,2,4)-トリアゾール基、テトラゾリル基、フリル基、チエニル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基などであることができる。
【0039】
特に「置換または非置換の」と説明しない限り、本発明に記載のラジカルはすべて、ハロゲン、ニトリル基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミノ基、C1-C6アルキル-アミノ基、C1-C6アルキル基、C2-C6アルケニル基、C2-C6アルキニル基、C1-C6アルコキシ基、ハロゲン化C1-C6アルキル基、ハロゲン化C2-C6アルケニル基、ハロゲン化C2-C6アルキニル基、ハロゲン化C1-C6アルコキシ基、アリル基、ベンジル基、C6-C12アリール基、C1-C6アルコキシ-C1-C6アルキル基、C1-C6アルコキシ-カルボニル基、フェノキシカルボニル基、C2-C6アルキニル-カルボニル基、C2-C6アルケニル-カルボニル基、C3-C6シクロアルキル-カルボニル基、C1-C6アルキル-スルホニル基などからなる置換基によって置換されることができる。
本明細書に使用されるように、「ハロゲン」または「ハロゲン原子」とは、F、Cl、Br、及びIを指す。より好ましくは、ハロゲンまたはハロゲン原子は、F、Cl及びBrから選択される。「ハロゲン化」とは、F、Cl、Br、及びIから選択された原子によって置換されることを指す。
【0040】
特に説明しない限り、本発明に記載の構造式は、不斉中心を含むR、S配置、二重結合の(Z)、(E)異性体などのようなすべての異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー及び幾何異性体(または立体配座異性体))を含む。従って、本発明の化合物の単一の立体化学異性体またはそれらのエナンチオマー、ジアステレオマーまたは幾何異性体(または立体配座異性体)の混合物は、本発明の範囲内にある。
本明細書に使用されるように、用語「互変異性体」とは、異なるエネルギーを有する構造異性体が低エネルギー障壁を超え、それによって互いに変換することができることを意味する。例えば、プロトン互変異性体(即ち、プロトンシフト)は、1H-インダゾール及び2H-インダゾールのようなプロトン移動による相互変換を含む。原子価互変異性体は、いくつかの結合電子再結合による相互変換を含む。
【0041】
本明細書に使用されるように、用語「溶媒和物」とは、本発明の化合物と溶媒を特定の割合で配位して形成した複合体を指す。
本明細書に使用されるように、用語「水和物」とは、本発明の化合物と水を配位して形成した複合体を指す。
活性成分
本明細書に使用されるように、「本発明の化合物」とは、式(I)に示された化合物を指し、式(I)化合物のさまざまな結晶型形態、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物をさらに含む。
本明細書に使用されるように、「薬学的に許容される塩」とは、本発明の化合物と酸または塩基と形成された、薬物としての使用に適した塩を指す。薬学的に許容される塩は、無機および有機塩を含む。好ましい塩の種類は、本発明の化合物と酸で形成された塩である。塩を形成するための適切な酸としては、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、ピクリン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などの有機酸、及びアスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸を含むが、これに限定されない。
【0042】
式Iの化合物
本発明によって製造された新規なJAK阻害剤、即ち、式Iの化合物は、以下の表Aに示された通りである。
【0043】
表A 本発明の式Iの化合物リスト
【0044】
【表7】
【0045】
【表8】
【0046】
【表9】
【0047】
【表10】
【0048】
【表11】
【0049】
【表12】
【0050】
【表13】
【0051】
【表14】
【0052】
薬物組成物及び投与方法
本発明の化合物は、優れたJAKキナーゼ阻害活性を有するので、本発明の化合物及びそのさまざまな結晶形、薬学的に許容される無機または有機の塩、水和物または溶媒和物、及び本発明の化合物を主な活性成分として含有する薬物組成物は、JAKキナーゼ関連疾患(例えば、皮膚疾患、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、I型糖尿病、乾癬性関節炎、若年性関節炎、クローン病、重症筋無力症、前立腺癌を含む癌、腎臓癌、肝臓癌、乳癌、肺癌、甲状腺癌、カポジ肉腫、巨大リンパ過形成、膵臓癌、白血病、リンパ腫または多発性骨髄腫など)を予防および/または治療(安定化、軽減または治癒)するために使用することができる。
【0053】
本発明の薬物組成物は、安全な有効量の本発明の化合物及び薬学的に許容される賦形剤または担体を含む。「安全な有効量」とは、化合物の量が重篤な副作用を引き起こすことなく症状を有意に改善するのに十分であることを意味する。一般に、薬物組成物は、1剤あたり本発明の化合物を1~2000mg、さらに好ましくは、1剤あたり本発明の化合物を10~200mg含有する。より好ましくは、前記「1剤」は、1つのカプセル剤または錠剤である。
「薬学的に許容される担体」とは、ヒトの使用に適し、かつ十分な純度及び十分に低い毒性のものでなければならない、1つまたは複数の相溶性の固体または液体充填剤またはゲル物質を意味する。「相溶性」とは、組成物の成分が、化合物の効力を著しく低下させることなく本発明の化合物とそれらの間で混合することができることを意味する。薬学的に許容される担体の例は、セルロースおよびその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースナトリウム、酢酸セルロースなど)、ゼラチン、タルク、固体潤滑剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム)、硫酸カルシウム、植物油(例えば、大豆油、ゴマ油、落花生油、オリーブ油など)、ポリオール(例えば、プロピレングリコール、グリセリン、マンニトール、ソルビトールなど)、乳化剤(例えば、TweenR)、湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、着色剤、香味剤、安定剤、酸化防止剤、防腐剤、発熱物質を含まない水などがある。
【0054】
本発明の化合物または薬物組成物の投与方法は特に限定されず、代表的な投与方法は、経口、非経口(静脈内、筋肉内または皮下)投与が挙げられるが、これらに限定されない。
経口投与用の固体剤形には、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、及び顆粒剤が含まれる。これらの固体剤形では、活性化合物は、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムなどの少なくとも1種の従来の不活性賦形剤(または担体)、例えばクエン酸ナトリウムまたはCa2HPO4と混合するか、または以下と混合する。(a)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール及びケイ酸などの充填剤または相溶化剤、(b)ヒドロキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース及びアラビアゴムなどの結合剤、(c)グリセリンなどの湿潤剤、(d)寒天、炭酸カルシウム、ポテトスターチまたはタピオカスターチ、アルギン酸、ある種の複合ケイ酸塩、及び炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、(e)パラフィンのような緩溶剤、(f)四級アミン化合物のような吸収促進剤、(g)セチルアルコール及びモノステアリン酸グリセリルのような湿潤剤、(h)カオリンのような吸着剤、及び(i)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、またはそれらの混合物のような潤滑剤。カプセル剤、錠剤及び丸剤において、剤形は緩衝剤も含み得る。
【0055】
錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、及び顆粒剤などの固体剤形は、腸溶コーティングなどのコーティング及びシェル、ならびに当該分野で公知の他の材料を用いて製造することができる。それらは、乳白剤を含有してもよく、そのような組成物中の活性化合物または化合物の放出は消化管の一部で遅延して放出されてもよい。用いることができる包埋成分の例は、ポリマー材料及びワックス材料である。必要ならば、活性化合物はまた、1種以上の上記賦形剤と共にマイクロカプセル化された形態であり得る。
経口投与用の液体剤形には、薬学的に許容される乳剤、溶液、懸濁剤、シロップ剤またはエリキシル剤が含まれる。活性化合物に加えて、液体剤形は、水または他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤のような当技術分野で従来使用されている不活性希釈剤を含むことができ、例えば、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、オイル、特に綿実油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油及びゴマ油またはこれらの物質の混合物などである。
【0056】
これらの不活性希釈剤に加えて、組成物は湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、甘味剤、香味剤及び香料のような補助剤を含み得る。
活性化合物に加えて、懸濁液は、懸濁剤、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール(ethoxylated isostearyl alcohol)、ポリオキシエチレンソルビトール(polyoxyethylene sorbitol)及びソルビタンエステル(sorbitan ester)、微結晶セルロース、アルミニウムメトキシド及び寒天またはこれらの混合物などを含み得る。
【0057】
非経口注射用組成物は、生理学的に許容される無菌水性または非水溶液、分散液、懸濁液または乳濁液、及び無菌注射用溶液または分散液に再構成するための無菌粉末を含み得る。適切な水性及び非水性担体、希釈剤、溶媒または賦形剤は、水、エタノール、ポリオール及びそれらの適切な混合物が挙げられる。
本発明の化合物は、単独でまたは他の薬学的に許容される化合物(例えば、抗-HBV剤)と組み合わせて投与することができる。
【0058】
組み合わせて投与する場合、前記薬物組成物はさらに、1つまたは複数(2つ、3つ、4つ、またはそれ以上)の他の薬学的に許容される化合物(例えば、抗-HBV剤)を含む。当該他の薬学的に許容される化合物(例えば、抗-HBV剤)中の1つまたは複数(2つ、3つ、4つ、またはそれ以上)は、本発明の化合物と同時に、別々にまたは順次に、HBV感染症またはHBV関連疾患の予防および/または治療するために使用されてもよい。
薬物組成物を使用する場合、安全な有効量の本発明の化合物を治療を必要とする哺乳動物(例えば、ヒト)に投与し、ここで投与量は、薬物的に有効な投与量であり、体重60kgのヒトに対して、一日投与量は通常1~2000mgであり、好ましくは20~500mgである。もちろん、具体的な用量はまた、投与経路、患者の健康などのような要因は、熟練した医師の技量の範囲内である。
【0059】
本発明の主な利点は以下の通りである。
1.本発明の化合物は、構造が新規であり、そして優れたJAKキナーゼ阻害剤作用を有する。
2.本発明の化合物は、JAK1の阻害に対してより選択的である。
以下、具体的な実施例に合わせて、本発明をさらに説明する。これらの実施例は、単に本発明を説明するためであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことを理解すべきである。以下の実施例において、具体的な条件を特定しない実験方法は、通常慣用の条件に従うかまたは製造業者により推奨される条件に従う。特記説明しない限り、百分率及び部数は、重量パーセント及び重量部数である。
【0060】
以下の実施例で使用される実験材料及び試薬は、他に特定されない限り、市販の供給元から入手可能である。
一般材料及びテスト方法
実施例に言及される機器及び原料は以下の通りである。
核磁気共鳴スペクトルは、Bruker AV-400(400MHz)核磁気装置により分析した。
【0061】
化学シフトはテトラメチルシラン(tetramethylsilane)を内部標準として記録し、ppmを単位にして表示する(CDCl3:δ7.26 ppm)。記録されたデータ情報は、化学シフトとその分裂及びカップリング定数(s:シングルレット、d:ダブレット、t:トゥリプルリト、q:クエリテット、br:ブロードピーク、m:マルチフリート)である。
質量分析データは、他の需要を除くほか、Finnigan LCQ Advantage製の液体質量分析計によって分析し、これらの反応はすべて、乾燥アルゴン保護無水嫌気性条件下で操作した。固体金属有機化合物をアルゴンで保護されたドライボックスに保管する。
テトラヒドロフランとジエチルエーテルは蒸留により得られ、蒸留中に金属ナトリウムとベンゾフェノンを添加する。ジクロロメタン、ペンタン及びヘキサンは、水素化カルシウムで処理した。
本発明による特別な原料及び中間体は、天津長森薬品有限公司などで注文加工して提供され、他のすべての化学試薬は、上海化学試薬会社、Aldrich社、Acros社などの試薬プロバイダによって購入される。合成過程で反応する必要される中間体または産物が、次のステップの実験のために十分ではない場合は、十分な量となるまで何度も繰り返して合成する。
本発明による原料及び試薬は、他に特定されない限り、市場または注文加工して購入する。
本発明の化合物は、1つまたは複数の非対称中心を含有することができ、従って、当該一連の化合物は、ラセミまたは単一エナンチオマー形態であることができる。本発明で製造された化合物(一般式IV)は、純度が95%よりも高いヘテロ環化合物であり、各最終産物の構造の特徴は、それぞれMSおよび/または水素のスペクトル核磁気共鳴(1HNMR)分析によって決定される。以下、実施例を通じて本発明の各タイプの化合物と中間体の合成について説明する。
【0062】
実施例1:化合物1aの合成
【化11】
アルゴンガス保護下で、4-クロロピロロピリジン(4-chloropyrrolopyridine)(308g、2.0mol、SM-1)を1.5L無水DMAcに溶解し、氷水浴中で10℃に冷却し、NaH(104g,2.6mol、60%)をバッチに添加し、温度は10-15℃に維持し、滴下終了後、当該温度で1時間攪拌した。SM-2のテトラヒドロフラン溶液(390g、2.6mol、1.5Lの無水テトラヒドロフランに溶解)をゆっくり滴下し、温度を20℃未満に維持しながら1時間後に滴下を完了した。反応液を2時間かけて室温まで昇温させたところ、TLCにより反応が完了したことを示した。氷水下で水を滴下して、反応を停止し、メチルtert-ブチルエーテルで抽出した。有機相を濃縮して白色固体1a(530g)を得た。
【0063】
実施例2:化合物2aの合成
【化12】
三口フラスコに化合物1a(309g,1.16mol)、1-(1-エトキシエチル)-4-ピラゾールボロン酸ピナコールエステル(339g、1.28mol,SM-3)(1-(1-ethoxyethyl)-4-pyrazoleboronic acid pinacol ester)、フッ化セシウム(352g,2.32mol)、N-ブタノール(1.5L)、水(1.5L)を入れる。アルゴンガスを3回交換した後、テトラ(トリフェニルホスフィン)パラジウム(10g,12mmol)を添加した。再びアルゴンガスを交換した後、温度を還流温度まで上昇させ、16時間反応させたところ、HPLCは、反応が完了したことを示した。冷却後、液体を分離して、酢酸エチルで抽出し、濃縮した後、直接、次のステップ(n-ブタノール含有)を行う。
【0064】
実施例3:化合物3aの合成
【化13】
化合物2aを500mLのテトラヒドロフランに溶解させ、4Nの塩酸溶液(800mL)を滴下し、室温で一晩反応させ、HPLCは、原料反応が完了したことを示し、ターゲット化合物の純度は、73.1%である。氷水下で、10%の水酸化ナトリウム溶液をpH=7-8になるまで滴下し、大量の固体が生成した。ろ過し、フィルターケーキを水で洗浄し、オーブンで乾燥させて、固体3a(193g)を得て、純度は92%であり、二段階収率は56%である。
【0065】
実施例4:化合物4aの合成
【化14】
化合物3a(189g)及び3-(シアノメチレン)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(3-(cyanomethylene)azetidin-1-carboxylic acid tert-butyl ester)(184g,SM-4)をアセトニトリル(1L)に加え、氷水浴で冷却し、DBUを加えた後、当該温度を維持しながら0.5時間反応させ、その後室温で4時間反応させ、大量の固体を析出させる。500mLのMTBEを加え、10分間攪拌した後、ろ過し、フィルターケーキをMTBEで洗浄した。オーブン45℃で一晩乾燥させて、固体4a(254g)を得て、収率は81%であり、純度は95%である。
【0066】
実施例5:化合物5aの合成
【化15】
化合物4a(240g)をジクロロメタン(1L)に溶解させ、氷水下4MのHCl/dioxane溶液(500ml)を滴下し、一晩反応させた。0℃で、5%のアンモニア水溶液を加えてpH=8~10に調整し、ジクロロメタンで抽出し、乾燥した後に濃縮した。アセトニトリルを2時間スラリー化させ、ろ過し(ろ過は、比較的遅い)、フィルターケーキをMTBEで洗浄し、乾燥させて白色固体114gを得て、純度は97%である。ろ液を濃縮した後、アセトニトリルをスラリー化させ、ろ過して乾燥させた後、白色固体56.6gを得て、純度は95%である。2つの部分の収率は88.9%である。
【0067】
実施例6:Ph3PCl2クロロホルム懸濁液の合成
【化16】
窒素ガス保護下で、トリフェニルホスフィン(triphenylphosphine)(2.89g,11mmol)及びヘキサクロロエタン(hexachloroethane)(2.60g,11mmol)をクロロホルム(30ml)に加え、70℃まで加熱し、18時間反応させ、固体を析出させ、冷却後に0.36MのPh3PCl2クロロホルム懸濁液を得た。
【0068】
実施例7:化合物1bの合成
【化17】
窒素ガス保護下で、SM-5(0.939g,9.9mmol)を無水THF(15ml)に溶解させ、室温でEt3N(2.75ml,19.8mmol)を加え、5分間攪拌した後、TBSCl(1.73g,11.5mmol)のトルエン(5ml)溶液を滴下し、固体を析出し、混合物を室温で一晩撹拌し、ろ過し、濃縮した後に、カラムクロマトグラフィーで800mgの白色固体を得た。
【0069】
実施例8:化合物2bの合成
【化18】
窒素ガス保護下で、0.36MのPh3PCl2/クロロホルム懸濁液(8.8ml,3.18mmol)を0℃まで冷却し、トリエチルアミン(triethylamine)(482mg,4.77mmol)を加え、15分間攪拌した後、0℃で化合物1b(709mg,3.0mmol)を加え、20分間攪拌した後に、化合物5a(200mg,0.53mmol)を上記反応系に加え、室温まで昇温させ、一晩攪拌した。TLCにより一部の原料は完全には反応していないことを示した。水を加えて反応を停止させて、酢酸エチルで抽出した。有機相を濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで分離し、溶離液(N-ヘプタン/酢酸エチル=1:1、その後CH2Cl2/MeOH=30/1)で洗浄して白色固体を得た。
【0070】
実施例9:化合物3bの合成
【化19】
化合物2b(3.9g)をメタノール(50ml)に溶解し、室温下で、アンモニア水(25ml)を加えた。一部の原料が析出し、反応の進行につれて固体が徐々に溶解し、18時間反応させた後、TLCにより原料が消失したことを示した。反応溶液をEAで抽出し、乾燥して濃縮し、カラムクロマトグラフィーでで分離(移動相:N-ヘプタン/EA=1:1)して、白色固体3b(760mg)を得、収率は30%である。
【0071】
実施例10:化合物LW104-Aの合成
【化20】
化合物(35mg)を5mLのテトラヒドロフランに溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム(44mg)を加えた。室温で0.5時間攪拌した後、TLCにより一部の原料が残存していることが示され、一部のTBAFを追加し、続いて0.5時間反応させた。完全に反応した後、水を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで(heptane/EA=20/1)により、10mgの白色固体を得た。1HNMR(400MHz,d6-DMSO):δ3.03(q,J=6.4Hz,1H),3.63(s,3H),4.06(dd,J=8.0,4.8Hz,2H),4.16(s,1H),4.43(d,J=9.2Hz,2H),7.07(d,J=2.8Hz,1H),7.61(s,1H),8.45(s,1H),8.70(s,1H),8.91(s,1H),12.13(br,1H).
【0072】
実施例11:化合物1cの合成
【化21】
前記化合物1bを製造する実施例7に従って、本実施例では原料SM-6を使用し、精製して化合物1cを得た。
【0073】
実施例12:化合物2cの合成
【化22】
前記化合物2bを製造する実施例8に従って、本実施例では原料1cを使用し、精製して化合物2cを得た。
【0074】
実施例13:化合物3cの合成
【化23】
前記化合物3bを製造する実施例9に従って、本実施例では原料2cを使用し、精製して化合物3cを得た。1HNMR(400MHz,d6-DMSO):δ0.01(s,3H),0.03(s,3H),0.83(s,9H),1.23(t,J=8.0Hz,3H),3.00-3.07(m,1H),3.63(s,2H),4.04(d,J=9.2Hz,2H),4.41(dd,J=9.2,6.0Hz,2H),7.06(s,1H),7.61-7.62(m,1H),8.44(s,1H),8.70(s,1H),8.91(s,1H),12.13(br,1H).
【0075】
実施例14:化合物LW104-Bの合成
【化24】
前記化合物LW104-Aを製造する実施例10に従って、本実施例では原料3cを使用し、精製して化合物LW104-Bを得た。1HNMR(400MHz,d6-DMSO):δ1.23(t,J=6.4Hz,3H),3.03(q,J=6.4Hz,1H),3.63(s,2H),4.06(dd,J=8.0,4.8Hz,2H),4.16(s,1H),4.43(d,J=9.2Hz,2H),7.07(d,J=2.8Hz,1H),7.61(s,1H),8.45(s,1H),8.70(s,1H),8.91(s,1H),12.13(br,1H).MS-ESI:[M+Na]+=393。
【0076】
実施例15:化合物1dの合成
【化25】
前記化合物1bを製造する実施例7に従って、本実施例では原料SM-7を使用し、精製して化合物1dを得た。
実施例16:化合物2dの合成
【化26】
前記化合物2bを製造する実施例8に従って、本実施例では原料1dを使用し、精製して化合物2dを得た。
【0077】
実施例17:化合物3dの合成
【化27】
前記化合物3bを製造する実施例9に従って、本実施例では原料2dを使用し、精製して化合物3dを得た。
【0078】
実施例18:化合物LW104-Cの合成
【化28】
前記化合物LW104-Aを製造する実施例10に従って、本実施例では原料3dを使用し、精製して化合物LW104-Cを得た。1HNMR(400MHz,d6-DMSO):δ3.97(dd,J=9.6,4.8Hz,2H),4.21(t,J=9.6Hz,2H),4.74(s,1H),5.28(t,J=4.8Hz,2H),6.96(d,J=1.6Hz,1H),7.20-7.23(m,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),7.52-7.53(m,3H),7.57(t,J=7.2Hz,1H),7.85-7.88(m,2H),8.25(s,1H),8.62(d,J=8.0Hz,1H),12.09(br,1H).MS-ESI:[M-H]+=417。
【0079】
実施例19:化合物1eの合成
【化29】
前記化合物1bを製造する実施例7に従って、本実施例では原料SM-8を使用し、精製して化合物1eを得た。1HNMR(400MHz,CDCl3):δ0.22(s,6H),0.88(s,9H),1.30(s,3H),1.32(s,3H),2.99-3.06(m,1H),3.69(br,1H)
【0080】
実施例20:化合物2eの合成
【化30】
前記化合物2bを製造する実施例8に従って、本実施例では原料1eを使用し、精製して化合物2eを得た。
【0081】
実施例21:化合物3eの合成
【化31】
前記化合物3bを製造する実施例9に従って、本実施例では原料2eを使用し、精製して化合物3eを得た。1HNMR(400MHz,d6-DMSO):δ0.01(s,3H),0.03(s,3H),0.82(s,9H),1.26(m,6H),3.09-3.16(m,1H),3.62(s,2H),3.98(d,J=9.2Hz,2H),4.40(dd,J=8.8,5.6Hz,2H),7.05(d,J=3.6Hz,1H),7.60-7.62(m,1H),8.43(s,1H),8.70(s,1H),8.90(s,1H),12.12(br,1H)。
【0082】
実施例22:化合物LW104-Dの合成
【化32】
前記化合物LW104-Aを製造する実施例10に従って、本実施例では原料3eを使用し、精製して化合物LW104-Dを得た。1HNMR(400MHz,d6-DMSO):δ1.23-1.25(m,6H),3.10-3.20(m,1H),3.64(s,2H),4.02(dd,J=15.6,8.4Hz,2H),4.45(dd,J=15.6,8.4Hz,2H),7.07(d,J=2.0Hz,1H),7.60-7.62(m,1H),8.44(s,1H),8.70(s,1H),8.90(s,1H),12.16(br,1H)。MS-ESI:[M+Na]+=407。
【0083】
実施例23:化合物1fの合成
【化33】
前記化合物1bを製造する実施例7に従って、本実施例では原料SM-9を使用し、精製して化合物1fを得た。1HNMR(400MHz,CDCl3):δ0.28(s,6H),0.93(s,9H),1.13-1.15(m,2H),1.24-1.25(m,2H),2.41-2.47(m,1H),3.94(br,1H).
実施例24:化合物2fの合成
【化34】
前記化合物2bを製造する実施例8に従って、本実施例では原料1fを使用し、精製して化合物2fを得た。
【0084】
実施例25:化合物3fの合成
【化35】
前記化合物3bを製造する実施例9に従って、本実施例では原料2fを使用し、精製して化合物3fを得た。
【0085】
実施例26:化合物LW104-Eの合成
【化36】
前記化合物LW104-Aを製造する実施例10に従って、本実施例では原料3fを使用し、精製して化合物LW104-Eを得た。1HNMR(400MHz,d6-DMSO):δ0.86-0.91(m,2H),1.10-1.15(m,2H),2.58-2.61(m,1H),3.59(s,2H),4.02(s,2H),4.09(s,J=9.6Hz,2H),4.46(dd,J=9.2,1.6Hz,2H),7.04(d,J=2.0Hz,1H),7.58(d,J=3.2Hz,1H),8.42(s,1H),8.67(s,1H),8.89(s,1H),12.10(br,1H).MS-ESI:[M+H]+=383。
【0086】
実施例27:化合物1gの合成
【化37】
窒素ガス保護下で、0.36MのPh3PCl2/クロロホルム懸濁液(9.7ml,3.5mmol)を0℃に冷却し、トリエチルアミン(482mg,4.77mmol)を加え、15分間攪拌した後、0℃でSM-10(500mg,3.0mmol)を加え、20分間攪拌して、化合物5a(200mg,0.53mmol)を前記反応システムに加え、添加完了後、室温に昇温させ、一晩攪拌し、TLCにより一部の原料が完全に反応しなかったことを示した。水を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。有機相を濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで分離し、溶離液(N-ヘプタン/酢酸エチル=1:1、次いでCH2Cl2/MeOH=30/1)で洗浄して白色固体1g(150mg)を得た。1HNMR(400MHz,d6-DMSO):δ1.09(s,9H),2.55(s,3H),3.01(s,3H),3.67(s,2H),4.16(dd,J=8.8,2.0Hz,2H),4.53(dd,J=13.6,9.6Hz,2H),6.25(s,2H),7.21(d,J=4.0Hz,1H),7.76(d,J=4.4Hz,1H),8.50(s,1H),8.82(s,1H),8.96(s,1H).
【0087】
実施例28:化合物LW104-Fの合成
【化38】
化合物2b(140mg)をメタノール(5ml)に溶解し、室温でアンモニア水(3ml)を加え、一部の原料が析出され、反応の進行につれて固体が徐々に溶解し、18時間反応させた後、TLCにより原料が消失したことを示し、EAで抽出し、乾燥して濃縮し、カラムクロマトグラフィーで(ジクロロメタン/メタノール=15/1)分離して、白色固体を得た。LW104-F(600mg)。1HNMR(400MHz,d6-DMSO):δ2.56(s,3H),3.00(s,3H),3.67(s,2H),4.16(d,J=9.2Hz,2H),4.53(dd,J=14.8,9.2Hz,2H),7.08(d,J=2.8Hz,1H),7.61-7.62(m,1H),8.47(s,1H),8.71(s,1H),8.92(s,1H),12.03(br,1H).MS-ESI:[M+Na]+=393。
【0088】
実施例29:化合物1hの合成
【化39】
前記化合物1gを製造する実施例27に従って、本実施例では原料SM-11を使用し、精製して化合物1hを得た。
【0089】
実施例30:化合物LW104-Gの合成
【化40】
前記化合物LW104-Fを製造する実施例28に従って、本実施例では原料1hを使用し、精製して化合物LW104-Gを得た。1HNMR(400MHz,d6-DMSO):δ1.29-1.33(m,3H),3.04(s,3H),3.49(d,J=12.8Hz,2H),3.58(d,J=9.2Hz,1H),4.00(d,J=8.8Hz,1H),4.14(d,J=8.8Hz,1H),4.38(d,J=9.2Hz,1H),4.57(q,J=6.8Hz,1H),7.05(d,J=2.4Hz,1H),7.16-7.17(m,1H),7.24-7.28(m,2H),7.35-7.36(m,2H),7.60-7.62(m,1H),8.41(s,1H),8.70(s,1H),8.77(s,1H),12.14(br,1H)。MS-ESI:[M-H]+=459。
【0090】
実施例31:化合物1iの合成
【化41】
前記化合物1gを製造する実施例27に従って、本実施例では原料SM-12を使用し、精製して化合物1iを得た。
【0091】
実施例32:化合物LW104-Hの合成
【化42】
前記化合物LW104-Fを製造する実施例28に従って、本実施例では原料1iを使用し、精製して化合物LW104-Hを得た。1HNMR(400MHz,d6-DMSO):δ1.29-1.33(m,3H),3.04(s,3H),3.49(d,J=12.8Hz,2H),3.58(d,J=9.2Hz,1H),4.00(d,J=8.8Hz,1H),4.14(d,J=8.8Hz,1H),4.38(d,J=9.2Hz,1H),4.57(q,J=6.8Hz,1H),7.05(d,J=2.4Hz,1H),7.16-7.17(m,1H),7.24-7.28(m,2H),7.35-7.36(m,2H),7.60-7.62(m,1H),8.41(s,1H),8.70(s,1H),8.77(s,1H),12.14(br,1H).MS-ESI:[M-H]+=459。
【0092】
実施例33:化合物1jの合成
【化43】
前記化合物1gを製造する実施例27に従って、本実施例では原料SM-13を使用し、精製して化合物1jを得た。
【0093】
実施例34:化合物LW104-Iの合成
【化44】
前記化合物LW104-Fを製造する実施例28に従って、本実施例では原料1jを使用し、精製して化合物LW104-Iを得た。1HNMR(400MHz,d6-DMSO):δ1.07-1.29(m,6H),1.61-1.70(m,4H),2.98(s,3H),3.18-3.23(m,1H),3.65(s,2H),4.14(t,J=8.4Hz,2H),4.51(dd,J=9.2,6.0Hz,2H),7.09(dd,J=3.2,0.8Hz,1H),7.61(t,J=2.8Hz,1H),8.47(s,1H),8.70(s,1H),8.91(s,1H),12.14(br,1H).MS-ESI:[M-H]+=437。
【0094】
実施例35:化合物LW104-Jの合成
化合物LW104-Jは、LW104-Bによるキラル分割により製造された第1のピークであり、製造方法:カラムクロマトグラフィーChiralpak IA、1.0mL/minの流速、移動相:メタノール/アセトニトリル=90/10、波24nm、カラム温度:35℃。1HNMR(400MHz,d6-DMSO):δ1.23(t,J=6.4Hz,3H),3.03(q,J=6.4Hz,1H),3.63(s,2H),4.06(dd,J=8.0,4.8Hz,2H),4.16(s,1H),4.44(d,J=9.2Hz,2H),7.08(d,J=2.8Hz,1H),7.62(s,1H),8.46(s,1H),8.71(s,1H),8.92(s,1H),12.14(br,1H).MS-ESI:[M+Na]+=393
【0095】
実施例36:化合物LW104-Kの合成
化合物LW104-Kは、LW104-Bによるキラル分割により製造された第2のピークであり、カラムクロマトグラフィーChiralpak IA、流速1.0mL/min、移動相:メタノール/アセトニトリル=90/10、波長24nm、カラム温度:35℃。1HNMR(400MHz,d6-DMSO):δ1.23(t,J=6.4Hz,3H),3.04(q,J=6.4Hz,1H),3.63(s,2H),4.06(dd,J=8.0,4.8Hz,2H),4.16(s,1H),4.45(d,J=9.2Hz,2H),7.08(d,J=2.8Hz,1H),7.61(s,1H),8.45(s,1H),8.71(s,1H),8.91(s,1H),12.13(br,1H).MS-ESI:[M+Na]+=393.
【0096】
実施例37:化合物1kの合成
【化45】
前記化合物1gを製造する実施例27に従って、本実施例では原料SM-14を使用し、精製して化合物1kを得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.98(s,1H),8.80(s,1H),8.51(s,1H),7.81(d,J=3.7Hz,1H),7.21(d,J=3.7Hz,1H),5.65(s,2H),4.62(dd,J=9.2,3.0Hz,2H),4.22(dd,J=9.2,2.6Hz,2H),3.69(s,2H),3.54(t,J=8.0Hz,2H),2.78(tt,J=7.6,5.1Hz,1H),2.60(s,3H),1.07 - 1.01(m,1H),0.98 - 0.88(m,3H),0.84(t,J=8.0Hz,2H),-0.10(s,9H).
【0097】
実施例38:化合物LW104-Lの合成
【化46】
前記化合物LW104-Fを製造する実施例28に従って、本実施例では原料1kを使用し、精製して化合物LW104-Lを得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ12.15(s,1H),8.94(s,1H),8.71(s,1H),8.47(s,1H),7.62(dd,J=3.5,2.3Hz,1H),7.09(dd,J=3.6,1.7Hz,1H),4.60(dd,J=9.2,4.5Hz,2H),4.19(dd,J=9.1,2.3Hz,2H),3.67(s,2H),2.77(m,J=12.7,6.3,5.8Hz,1H),2.59(s,3H),1.06 - 0.99(m,1H),0.96 - 0.87(m,3H).MS-ESI:[M+H]+=397。
実施例39:化合物11の合成
【化47】
前記化合物1gを製造する実施例27に従って、本実施例では原料SM-15を使用し、精製して化合物1lを得た。MS-ESI:[M+H]+=541。
【0098】
実施例38:化合物LW104-Mの合成
【化48】
前記化合物LW104-Fを製造する実施例28に従って、本実施例では原料1lを使用し、精製して化合物LW104-Mを得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ12.14(s,1H),8.93(s,1H),8.71(s,1H),8.47(s,1H),7.62(dd,J=3.6,2.4Hz,1H),7.09(dd,J=3.6,1.7Hz,1H),4.59(dd,J=9.2,3.7Hz,2H),4.18(dd,J=9.1,4.6Hz,2H),3.66(s,2H),2.99(q,J=7.1Hz,2H),2.81 - 2.71(m,1H),1.04(t,J=7.2Hz,3H),0.92(m,4H).MS-ESI:[M+Na]+=411。
実施例39:化合物1mの合成
【化49】
前記化合物1gを製造する実施例27に従って、本実施例では原料SM-16を使用し、精製して化合物1mを得た。MS-ESI:[M+H]+=553。
【0099】
実施例40:化合物LW104-Nの合成
【化50】
前記化合物LW104-Fを製造する実施例28に従って、本実施例では原料1mを使用し、精製して化合物LW104-Nを得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ12.14(s,1H),8.95(s,1H),8.71(s,1H),8.47(s,1H),7.62(dd,J=3.6,1.7Hz,1H),7.09(dd,J=3.4,1.5Hz,1H),4.62(d,J=8.8Hz,2H),4.23(dd,J=9.2,4.9Hz,2H),3.66(s,2H),2.74(m,1H),2.53(d,J=4.3Hz,1H),1.07 - 0.97(m,1H),0.96 - 0.84(m,3H),0.48 - 0.37(m,2H),0.35 - 0.22(m,2H).MS-ESI:[M+H]+=423。
【0100】
実施例41:化合物1nの合成
【化51】
前記化合物1gを製造する実施例27に従って、本実施例では原料SM-17を使用し、精製して化合物1nを得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.98(s,1H),8.80(s,1H),8.51(s,1H),7.79(d,J=3.7Hz,1H),7.21(d,J=3.7Hz,1H),5.65(s,2H),4.63(dd,J=8.9,6.4Hz,2H),4.23(dd,J=9.0,2.7Hz,2H),3.70(s,2H),3.54(t,J=8.0Hz,2H),3.16(q,J=7.2Hz,2H),2.56(tt,J=7.1,3.8Hz,1H),1.22(t,J=7.3Hz,3H),0.83(t,J=8.0Hz,2H),0.51 - 0.19(m,4H),-0.11(s,9H)。
【0101】
実施例42:化合物LW104-Oの合成
【化52】
前記化合物LW104-Fを製造する実施例28に従って、本実施例では原料1nを使用し、精製して化合物LW104-Oを得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ12.16(s,1H),8.94(s,1H),8.71(s,1H),8.48(s,1H),7.83 - 7.44(m,1H),7.10(dd,J=3.4,1.5Hz,1H),4.59(dd,J=9.1,2.7Hz,2H),4.19(dd,J=9.1,3.1Hz,2H),3.68(s,2H),3.15(q,J=7.2Hz,2H),2.55(dd,J=7.1,3.7Hz,1H),1.21(t,J=7.3Hz,3H),0.57 - 0.13(m,4H).MS-ESI:[M+H]+=411。
【0102】
テスト例:JAK1-3酵素活性に対する化合物の阻害効果の検出
試薬及び消耗品
JAK1(Invitrogen,Cat.No PV4775)、JAK2(Invitrogen,Cat.No PV4288)、JAK3(Invitrogen,Cat.No PV4080)、ATP(Sigma,Cat.No.A7699-1G)、DMSO(Sigma,Cat.No.D2650)、DTT(Sigma,Cat.No.43815)。
384ウェルプレート_化合物希釈プレート(Greiner,Cat.No.781280)、384ウェルプレート_テストプレート(Perkin Elmer,Cat.No.6007299)、LANCE Ultra ULight(TM)-JAK-1 peptide(Perkin Elmer,Cat.No.TRF0121)、LANCE Eu-W1024 Anti-phosphotyrosine(PT66)(Perkin Elmer,Cat.No.AD0069)、LANCE(TM) Detection Buffer(Perkin Elmer,Cat.No.CR97-100)
【0103】
実験方法
化合物の最終テスト濃度:
試験化合物の最終テスト濃度を10Mから0.17nMに、3倍勾配希釈し、11個の濃度にした。
参照化合物Tofacitinib(トファシチニブ)の最終テスト濃度を1Mから0.017nMに3倍勾配希釈し、11個の濃度にした。
キナーゼ検出:
緩衝液の調製し、緩衝液は、50mMのHEPES(pH7.5)、0.01%のBrij-35、10mMのMgCl2、1mMのEGTAを含む。
緩衝液を調製した後、酵素及び基質を予め調製した異なる濃度の化合物と混合し、室温で15分間放置した。ATPを加えて、反応を開始し、室温で90分間インキュベートした(ここで、陰陽性対照を設定した)。10μLの反応システムは、2.5μLの化合物、5μLの酵素と基質の混合物、及び2.5μLのATPを含む。反応終了後、抗体を添加して検出し、室温で60分間インキュベートした後、Evnvisionで検出し、データを収集した。XLfit 5ソフトウェアに基づいて、データ分析とマッピングを行った。
【0104】
本発明の化合物のJAK1-3酵素阻害活性及び細胞阻害活性のテスト結果は表1に示した通りである。
表1:本発明の化合物のJAKに対する阻害活性テスト結果
【表15】
【0105】
ここで、IC50活性は、以下の表に従って分級した。
【表16】
【0106】
ディスカッション:
上記の実験結果は、以下ことを示唆している。
(1)本発明の式Iの化合物は、非常に優れたJAK1および/またはJAK2阻害活性を示す。本発明の化合物のIC50値は、基本的に約10nM級またはより低いので、体重が約70kgである対象(例えば、患者、特に慢性関節リウマチまたは乾癬の患者)において、一日の投与量は通常10mg~30mgであれば、JAK1および/またはJAK2を非常に効果的に阻害することができる。
(2)本発明の式Iの化合物は、非常に優れたJAK選択性を示し、即ち、JAK3/JAK1のIC50の割合および/またはJAK3/JAK2のIC50の割合は、現在市販されている薬物(例えば、Toficitinib)よりはるかに優れている。意外なことに、本発明の化合物に関して、JAK3/JAK1のIC50の割合を代表とする選択性は、平均で約80倍(32/0.4=80)向上され、好ましい化合物の選択性は、≧100倍向上され、JAK3/JAK2の割合を代表とする選択性は、平均で約115倍(24.4/0.21=115)向上された。従って、本発明の化合物とJAK3の阻害に関連した副作用は極めて著しく低下し、そして安全性は著しく向上される。特に、一日投与量が10mg~50mgである場合に安全性は著しく向上される。前記JAK3の阻害に関連する副作用は、細菌感染、真菌感染、ウイルス感染、貧血などの副作用が挙げられる(しかし、これらに限定されない)。
【0107】
本発明に記載されるすべての文献は、参考として、各文書が参照として個別に引用されるように、本発明に引用される。また、本発明の当業者は、本発明の様々な変更又は修正を行うことができ、それらの均等物も添付された特許請求の範囲によって、限定された範囲内にある。