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特許7112766ブレードを持ち上げられるスイング式水力発電機構
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-27
(45)【発行日】2022-08-04
(54)【発明の名称】ブレードを持ち上げられるスイング式水力発電機構
(51)【国際特許分類】
   F03B 17/06 20060101AFI20220728BHJP
【FI】
F03B17/06
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020187715
(22)【出願日】2020-11-11
(65)【公開番号】P2022077076
(43)【公開日】2022-05-23
【審査請求日】2020-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】519338049
【氏名又は名称】崑山科技大學
(74)【代理人】
【識別番号】100145470
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 健一
(72)【発明者】
【氏名】林水木
(72)【発明者】
【氏名】廖慶聰
(72)【発明者】
【氏名】劉鑑徳
(72)【発明者】
【氏名】黄維樂
(72)【発明者】
【氏名】王文榮
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-169289(JP,A)
【文献】特開2014-111932(JP,A)
【文献】特開2012-132386(JP,A)
【文献】特開2008-133819(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03B 17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレードを持ち上げられるスイング式水力発電機構であって、固定フレーム、往復移動フレーム、スライド棒、一方向トランスミッション機構、発電装置を有し、
前記固定フレームは、流体が流動する流路に設置し、該固定フレームには、少なくとも1個のシャフトを設置し、
前記往復移動フレームには、少なくとも1個の回転軸を枢設し、該回転軸には、流体に差し入れられるブレードをそれぞれ設置し、該ブレードは、伝動棒にそれぞれ連結並びに枢設され、その内1個の該回転軸は、調整棒を通して、該シャフトに連結して伝動し、
前記スライド棒は、横方向設置を呈し、該調整棒に枢設され、該ブレードは、相互に異なる二つの上昇力位置を備え、相互に異なる該上昇力位置は、それぞれ流体の流力を受けて推力を生じ、該スライド棒及び該往復移動フレームを連動し、左側、或いは右側へと移動させ、
該流路は、該スライド棒の軸方向に対応する両端位置に、それぞれストッパーを設置し、該スライド棒の一方の末端がストッパーに接触し、しかも該往復移動フレームの該ブレードが、該接触する該ストッパーの方向へと継続して移動する時、調整棒を伝動し、これにより該ブレードは、もとの上昇力位置からもう一つの上昇力位置へと移動し、同時に該シャフトを伝動し、
前記一方向トランスミッション機構は、1個の該シャフトに駆動され、該一方向トランスミッション機構には、逆方向に設置する2個の一方向伝動ホイールを設置し、該一方向伝動ホイールは、第一ヘリカルギアに伝動するように連結し、該一方向トランスミッション機構は、該シャフトの伝動を受け、該一方向伝動ホイールを同時に転動させ、これにより、1個の該一方向伝動ホイールは伝動旋回し、該第一ヘリカルギアを伝動し、もう1個の該一方向伝動ホイールは空転し、
前記発電装置は、該第一ヘリカルギアに接続して設置され、該第一ヘリカルギアの転動を受け発電する
ことを特徴とする、
ブレードを持ち上げられるスイング式水力発電機構。
【請求項2】
前記一方向トランスミッション機構は、スイングアームをさらに有し、該スイングアームは、該シャフトに駆動され、該スイングアームには、2個の伝動アームを連結し、該伝動アームには、ラチェット爪をそれぞれ設置し、
該一方向伝動ホイールは、それぞれ順方向ラチェット歯車及び逆方向ラチェット歯車で、該ラチェット爪は、それぞれ一旋回方向に向かい、該順方向ラチェット歯車及び該逆方向ラチェット歯車を対応して押し、該順方向ラチェット歯車及び該逆方向ラチェット歯車は、該第一ヘリカルギアに伝動するように連結する
ことを特徴とする、
請求項1に記載のブレードを持ち上げられるスイング式水力発電機構。
【請求項3】
前記ストッパーには、弾性部材をさらに設置し、しかも該弾性部材一端は、該ストッパーに固定して設置され、反対端は、該調整棒に設置される
ことを特徴とする、
請求項1に記載のブレードを持ち上げられるスイング式水力発電機構。
【請求項4】
前記1個の該一方向伝動ホイールに、第一軸体を設置し、該第一軸体は、該第一ヘリカルギア及び第一伝動ホイールに対応して伝動するように連結し、他方の該一方向伝動ホイールには、第二軸体を設置し、該第二軸体は、第二伝動ホイールに対応して伝動するように連結し、該第二伝動ホイールは、方向転換ホイールセットを同一方向に伝動し、該第一伝動ホイール及び該方向転換ホイールセットは、連動ホイールセットに対応して伝動するように連接し、しかも該連動ホイールセットの方向転換は、該第一伝動ホイールに同じで、該方向転換ホイールセットに反対で、これにより該一方向伝動ホイールは、該第一ヘリカルギアを伝動し、常に一方向へと転動させる
ことを特徴とする、
請求項1に記載のブレードを持ち上げられるスイング式水力発電機構。
【請求項5】
前記発電装置には、ホイール軸を設置し、該第一ヘリカルギアは、連接ホイールを連結して伝動し、該連接ホイールは、該ホイール軸に伝動するように連結し、該発電装置の発電を駆動する
ことを特徴とする、
請求項1~4の任意の一項に記載のブレードを持ち上げられるスイング式水力発電機構。
【請求項6】
前記連接ホイールは、フライホイールにさらに伝動するように連結し、該フライホイールは、該ホイール軸に対応して伝動し、該発電装置の発電を駆動する
ことを特徴とする、
請求項5に記載のブレードを持ち上げられるスイング式水力発電機構。
【請求項7】
前記ホイール軸に、ブレーキホイールをさらに連接し、該ブレーキホイールは、ブレーキ機構に対応して接続、設置され、しかも該ブレーキ機構は、該ブレーキホイールに対応してブレーキをかける
ことを特徴とする、
請求項5に記載のブレードを持ち上げられるスイング式水力発電機構。
【請求項8】
前記連接ホイールは、第二ヘリカルギアにスライドするように設置され、しかも該連接ホイールが伝動位置にある時には、該第一ヘリカルギアに対応して噛み合い、スライドして下がる位置にある時には、該第一ヘリカルギアに噛み合わず、
少なくとも1個のウィンチ機構は、ロープ体を巻き上げ可能なように設置し、該固定フレームの底端、該ウィンチ機構に反対の一端に、フレーム体を延伸して設置し、該ロープ体は、該フレーム体末端に固定して設置され、該固定フレーム頂端には、該連接ホイールに対応し、該伝動位置にあるピボット部材を設置し、しかも該ピボット部材は、該流路の側壁面に枢設される
ことを特徴とする、
請求項5に記載のブレードを持ち上げられるスイング式水力発電機構。
【請求項9】
前記ブレードを持ち上げられるスイング式水力発電機構は、ブリッジ体をさらに有し、該流路の上端位置を横にまたいで設置し、しかも該ウィンチ機構及び該発電装置は、該ブリッジ体上に設置する
ことを特徴とする、
請求項8に記載のブレードを持ち上げられるスイング式水力発電機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はブレードを持ち上げられるスイング式水力発電機構に関し、特にブレードは流体の流力を受け推力を生じ往復移動フレームの直線運動を連動し、ブレードに設置するスライド棒は流路のストッパーにより止められブレードの方向転換を連動し、同時に一方向トランスミッション機構中の逆方向に設置する2個の内の1個の一方向伝動ホイールを伝動し、一方の一方向伝動ホイールを伝動して旋回させ第一ヘリカルギアを伝動し、もう1個の一方向伝動ホイールは空転し、第一ヘリカルギアの転動により発電装置の発電を駆動し、ブレードが方向転換するともう一方へと移動し、前述の原理により発電装置の発電を駆動し、これを繰り返し水路の水流により継続して発電するブレードを持ち上げられるスイング式水力発電機構に関する。
【背景技術】
【0002】
水力発電(Hydroelectric power)は、水頭の位置エネルギーを運用し、流動時に運動エネルギーを生じ、これにより発電装置のタービンを旋回させ、こうして発電機を動かして発電するものである。
【0003】
多数の水力発電はすべて大型水力発電に属する。
大型水力発電が必要な発電の条件は、水頭及び流量等の要因を含む。
各条件に対応するため、採用する水力発電機のモデルには、衝撃式タービン、反動式タービン、反力式タービンがある。
衝撃式タービンは、Pelton、Turgo及びCross Flow等モデルを含む。
反動式タービンは、Deriaz、Vertical Francis及びHorizontal Francisを含む。
反力式タービンは、Propellerロータリータービン、Kaplanロータリータービン、Bulbバルブタービン及びS-typeパイプフロータービンを含む。
【0004】
「台湾電力股▲ふん▼有限公司小水力電気エネルギー購入実施弁法」によれば、容量が20,000千ワットに満たないものを適用と定義されている。
しかも、国連及び世界銀行の定義では、小型(Small)水力発電は容量が1,000千ワット以上で10,000千ワット以下、ミニ(Mini)水力発電は容量が100千ワット以上で1,000千ワット以下、マイクロ(Micro)水力発電は容量が100千ワット以下となっている。
マイクロ水力の水路水頭は非常に小さく、従来の大型水力発電に求められる高い水頭の条件には符合しないことは明らかである。
【0005】
従来のマイクロ水力水路発電機は皆、旋回式水車を採用する。
台湾の「L.C.S.流れ込み式水力発電システム」は、低水頭及び低流量の低傾斜(3/1,000以上)水路への設置に適し、適用流速は毎秒1.5~5メートル、適用流量は25~30秒立方メートルで、その設置費用は約10万/千ワットである。
これによれば、従来のマイクロ水力水路発電機のブレード方向は、水路の水流平面と平行であるため、各ブレードは、水路の幅とほぼ等しい。
よって、水路内に漂流木、土砂或いはゴミなどがあり、ブレードに付着すれば、ブレードの旋回に影響を及ぼし、ブレードの損壊を招いてしまう。
また、ブレードが水面に入る時、衝撃により抵抗力を生じ、具体的に旋回作用を生じる時には、ブレードが水に入って初めてその作用を発揮する。
そのため、実際の発電コストは高く、しかも効果は芳しくない。
さらに、従来のマイクロ水力水路発電機は極めて大きく、運搬、設置、維持修理が極めて困難である。
そのため、洪水の季節でも、水面から簡単に移動させることはできず、大型クレーンで吊り上げ移動させなければならず、莫大な時間、人力、金銭的コストを必要とする。
しかも、設置コストも極めて高いため、発電のコストパフォーマンスが良くなく、実用性において極めて大きな制限となっている。
【0006】
上記に鑑み、本発明人はマイクロ水力発電を研究し、上記問題の解決を期して開発と改良を重ね、しかも試験と改修を繰り返し、本発明の開発にこぎつけた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記先行技術には、体積が大きいため運搬、設置、維持修理が極めて困難で、簡単に移動させられないため大型クレーンで吊り上げ移動させなければならず、莫大な時間、人力、金銭的コストを必要とし、設置コストも極めて高いため、発電のコストパフォーマンスが悪く、実用性において極めて大きな制限となっているという欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は前述の問題を解決できるブレードを持ち上げられるスイング式水力発電機構に関する。
【0009】
本発明によるブレードを持ち上げられるスイング式水力発電機構は、固定フレーム、往復移動フレーム、スライド棒、一方向トランスミッション機構、発電装置を有する。
該固定フレームは、流体が流動する流路に設置し、該固定フレームには、少なくとも1個のシャフトを設置する。
該往復移動フレームには、少なくとも1個の回転軸を枢設し、該回転軸には、流体に差し入れられるブレードをそれぞれ設置し、該ブレードは、伝動棒にそれぞれ連結並びに枢設され、その内1個の該回転軸は、調整棒を通して、該シャフトに連結して伝動される。
該スライド棒は、横方向設置を呈し、該調整棒に枢設され、該ブレードは、相互に異なる二つの上昇力位置を備え、相互に異なる該上昇力位置は、それぞれ流体の流力を受けて推力を生じ、該スライド棒及び該往復移動フレームを連動し、左側、或いは右側へと移動させる。
該流路は、該スライド棒軸方向に対応する両端位置に、それぞれストッパーを設置し、該スライド棒の一方の末端がストッパーに接触し、しかも該往復移動フレームの該ブレードが、該接触する該ストッパーの方向へと継続して移動する時、調整棒を伝動し、これにより該ブレードは、もとの上昇力位置からもう一つの上昇力位置へと移動し、同時に該シャフトを伝動する。
【0010】
該スライド棒がストッパーに止められ、水流の衝撃を受けてブレードがもう一つの上昇力位置へと方向転換する際に、それをスムーズにするため、該ストッパーには、弾性部材をさらに設置し、しかも該弾性部材一端は、該ストッパーに固定して設置され、反対端は、該調整棒に設置される。
両端の弾性部材が引き伸ばされる引力及び圧縮を受けた後の弾性復位の力量を通して、それぞれ調整棒を押して動かし、ブレードの方向転換を伝動し、ブレードは水流の衝撃を確実に受けられ、ストッパーとスライド棒の作用によりスムーズに方向転換され、往復運動は順調で中断することはない。
【0011】
一方向トランスミッション機構は、1個の該シャフトに駆動され、該一方向トランスミッション機構には、逆方向に設置する2個の一方向伝動ホイールを設置し、該一方向伝動ホイールは、第一ヘリカルギアに伝動するように連結し、該一方向トランスミッション機構は、該シャフトの伝動を受け、該一方向伝動ホイールを同時に転動させ、これにより、1個の該一方向伝動ホイールは伝動旋回し、該第一ヘリカルギアを伝動し、もう1個の該一方向伝動ホイールは空転する。
【0012】
一実施形態中において、該一方向トランスミッション機構は、スイングアームをさらに有し、該スイングアームは、該シャフトに駆動され、該スイングアームには、2個の伝動アームを連結し、該伝動アームには、ラチェット爪をそれぞれ設置する。
該一方向伝動ホイールは、それぞれ順方向ラチェット歯車及び逆方向ラチェット歯車である。
該ラチェット爪は、それぞれ一旋回方向に向かい、該順方向ラチェット歯車及び該逆方向ラチェット歯車を対応して押す。
該順方向ラチェット歯車及び該逆方向ラチェット歯車は、該第一ヘリカルギアに伝動するように連結し、これによりスライド棒が前述の作用を受け、調整棒がシャフトを伝動する時、スイングアームは同時に両方のラチェット爪を連動し、順方向ラチェット歯車及び逆方向ラチェット歯車をそれぞれ押して動かす。
例えば、スライド棒が流路左側のストッパーにあり、ブレードを押して方向転換させ、シャフトを伝動する時、シャフト、スイングアーム、ラチェット爪は、逆時計回り方向へと伝動され、逆方向ラチェット歯車は逆時計回り方向の伝動を受け、効果的に押し動かされるため、第一ヘリカルギアを確実に伝動することができる。
順方向ラチェット歯車に対しては、ラチェット爪の逆時計回り方向伝動は、順方向ラチェット歯車に対して空転を形成させるため、該第一ヘリカルギアに対して逆止作用を生じることはない。
反対に、スライド棒が流路右側にあり、前述のような方向転換作用があるなら、シャフト、スイングアーム、ラチェット爪は時計回り方向へと伝動し、順方向ラチェット歯車は第一ヘリカルギアを伝動し、逆方向ラチェット歯車に対して空転を形成し、同様に第一ヘリカルギアに対して伝動を行うことができる。
【0013】
順方向ラチェット歯車及び逆方向ラチェット歯車の伝動配置に関して、一実施形態中においては、1個の該一方向伝動ホイールに、第一軸体を設置し、該第一軸体は、該第一ヘリカルギア及び第一伝動ホイールに対応して伝動するように連結し、他方の該一方向伝動ホイールには、第二軸体を設置し、該第二軸体は、第二伝動ホイールに対応して伝動するように連結し、該第二伝動ホイールは、方向転換ホイールセットを同一方向に伝動し、該第一伝動ホイール及び該方向転換ホイールセットは、連動ホイールセットに対応して伝動するように連接し、しかも該連動ホイールセットの方向転換は、該第一伝動ホイールに同じで、該方向転換ホイールセットに反対で、これにより該一方向伝動ホイールは、該第一ヘリカルギアを伝動し、常に一方向へと安定転動させ、往復運動により、旋回方向が反覆する状況は生じない。
連動ホイールセットと連動ホイールセットの伝動、及び第二伝動ホイールと方向転換ホイールセットの伝動は、プーリーを通して動力を伝達し、プーリーはV型プーリーなどであるため、速度比を調整でき、水路の水流の条件に応じて速度比を調整し、最良の発電量を得ることができる。
【0014】
発電装置は、該第一ヘリカルギアに接続して設置され、該第一ヘリカルギアの転動を受け発電する。
【0015】
発電装置の配置について、一実施形態中において、発電装置には、ホイール軸を設置し、該第一ヘリカルギアは、連接ホイールを連結して伝動し、該連接ホイールは、フライホイールにさらに伝動するように連結し、フライホイールは、該ホイール軸に対応して伝動し、該発電装置の発電を駆動する。
フライホイールの高速旋回は、エネルギー吸収、エネルギー放出の安定作用を備え、発電装置の回転速度を安定させられ、電力安定出力の効果を達成する。
【0016】
ホイール軸は、ブレーキホイールに連接でき、該ブレーキホイールは、ブレーキ機構に対応して接続、設置され、しかも該ブレーキ機構は、該ブレーキホイールに対応してブレーキをかける。
これにより、メンテナンスの必要がある時には、ブレーキ機構により、発電装置を停止させ、メンテナンスを行うことができる。
【0017】
本発明は大型雑物がある、或いは洪水の恐れがある時には持ち上げることができ、該連接ホイールは、第二ヘリカルギアにスライドするように設置され、しかも該連接ホイールが伝動位置にある時には、該第一ヘリカルギアに対応して噛み合い、スライドして下がる位置にある時には、該第一ヘリカルギアに噛み合わない。
少なくとも1個のウィンチ機構は、ロープ体を巻き上げ可能なように設置し、該固定フレームの底端、該ウィンチ機構に反対の一端に、フレーム体を延伸して設置し、該ロープ体は、該フレーム体末端に固定して設置され、該固定フレーム頂端には、該連接ホイールに対応し、該伝動位置にあるピボット部材を設置する。
しかも、該ピボット部材は、該流路の側壁面に枢設される。
これにより洪水の季節、或いは大型の雑物がある等の状況において、往復移動フレームを持ち上げる必要がある時には、先ず連接ホイールを退出位置までスライドして下がらせ、これにより第一ヘリカルギアは発電装置を伝動できなくなる。
次に、ウィンチ機構を通してロープ体を巻き取り、こうして固定フレーム、往復移動フレーム及びブレードを持ち上げることができ、洪水の衝撃による損壊を防止でき、大型の雑物を流し去ることができる。
発電を行う必要がある時には、ブレードを下ろして水中に深く入れ、上述の往復式運動を行い発電することができる。
ウィンチ機構及び発電装置の設置は、ブリッジ体を、該流路の上端位置を横にまたいで設置し、しかも該ウィンチ機構及び該発電装置は、該ブリッジ体上に設置する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一方向トランスミッション機構の立体及び単純化模式図である。
図2】本発明を流路に設置時に、往復移動フレーム、スライド棒及びブレードが上昇力を受けて左へ移動する様子の模式図である。
図3】本発明を流路に設置時に、スライド棒がストッパーに止められ、上昇力を受けて左へ移動し方向転換する様子を示す模式図である。
図4】本発明を流路に設置時に、往復移動フレーム、スライド棒及びブレードが上昇力を受けて右へ移動する様子を示す模式図である。
図5】本発明を流路に設置時に、スライド棒がストッパーに止められ、上昇力を受けて右へ移動し方向転換する様子を示す模式図である。
図6】本発明のシャフトが一方向トランスミッション機構を逆時計回りに伝動し、こうして発電装置を伝動し発電する構造及び動力伝達模式図である。
図7】本発明のシャフトが逆時計回りに転動する時、逆方向ラチェット歯車を駆動する様子を示す模式図である。
図8】本発明のシャフトが逆時計回りに転動する時、順方向ラチェット歯車を空転させる様子を示す模式図である。
図9】本発明のシャフトが時計回りに転動する時、順方向ラチェット歯車を駆動する様子を示す模式図である。
図10】本発明シャフトが時計回りに転動する時、逆方向ラチェット歯車が空転する様子を示す模式図である。
図11】本発明のシャフトが時計回りに一方向トランスミッション機構を伝動し、こうして発電装置を伝動し発電する構造及び動力伝達模式図である。
図12】本発明の連接ホイールがスライドして下がる位置にある構造模式図である。
図13】本発明をブリッジ体及び流路に設置し、及びウィンチ機構を設置する構造模式図である。
図14】ウィンチ機構が図12に基づき一方向トランスミッション機構、固定フレーム、往復移動フレーム及びブレードを持ち上げる様子を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(一実施形態)
図1に示す通り、本発明によるブレードを持ち上げられるスイング式水力発電機構は、固定フレーム1、往復移動フレーム2、ブレード3、スライド棒4、一方向トランスミッション機構6、発電装置7を有する。
固定フレーム1は、流体が流動する流路Cに設置し、該固定フレーム1には、少なくとも1個のシャフト11を設置する。
往復移動フレーム2には、少なくとも1個の回転軸21を枢設し、該回転軸21には、流体に差し入れられるブレード3をそれぞれ設置する。
該ブレード3は、伝動棒31にそれぞれ連結並びに枢設され、これにより該ブレード3の方向転換は同期となる。
その内1個の該回転軸21は、調整棒22を通して、該シャフト11に連結して伝動し、しかも該シャフト21間は、連棒211により枢接される。
スライド棒4は、横方向設置を呈し、該調整棒22に枢設される。
該ブレード3は、翼状設置を呈し、水流方向と傾斜角を備える時、上昇力を生じる。
よって、本発明においてブレード3は相互に異なる二つの上昇力位置を備え、相互に異なる該上昇力位置はそれぞれ流体の流力Fを受けて生じる上昇力Fで、該スライド棒4及び該往復移動フレーム2を連動し、左側、或いは右側へと移動させる。
ブレード3の具体的な形状及び角度設置は、従来の技術に属し、しかも本発明はブレード3の具体的な形状を限定しないため、ここでは再記述しない。
該流路Cは、該スライド棒4軸方向に対応する両端位置に、それぞれストッパー5を設置し、該ストッパー5は、嵌設の方式を通して、流路C両側の側壁面に直接取り付けられる。
【0020】
これにより、図2に示す通り、ブレード3の上昇力位置が、水流の衝撃を受けて、図中の左側へと移動すると、スライド棒4左側の末端は、流路C左側のストッパー5に接触する。
この時、ブレード3は水流を受け続け左向きの上昇力Fを生じるため、該往復移動フレーム2の該ブレード3は接触する該ストッパー5方向へと継続して移動する。
この時、スライド棒4は左に突き当たり、それ以上、左側へと移動できなくなる。
往復移動フレーム2が継続して左側へと移動した結果、図3に示す通り、調整棒22を回転させる。
これにより、調整棒22は、回転軸21により、ブレード3はもとの上昇力位置からもう一つの上昇力位置へと移動する。
ブレード3間は、伝動棒31を通して枢設されるため、ブレード3の方向転換は同期となり、また調整棒22の回転も該シャフト11を同時に回転させる。
【0021】
同様の原理で、図4に示す通り、ブレード3がもう一つの上昇力位置まで既に移動しているため、ブレード3は水流の流力を受け、右側への推力を生じる。
これにより、往復移動フレーム2及びスライド棒4を連動し右側へと移動させ、スライド棒4右側の末端は、流路C右側のストッパー5に接触し、図5及び前述の通り、スライド棒4は位置を限定される。
よって、往復移動フレーム2が継続して右側へ移動する過程において、再度ブレード3はもとの上昇力位置まで回転し、左側へと移動し、しかも方向転回すると同時に、伝動シャフト11も旋回し、前述の設置及び方式により、水流の衝撃により、往復移動フレーム2は左右直線の往復運動を行う。
【0022】
ブレード3の方向転換過程において、ブレード3は水流に平行な位置を備え、この時、上昇力は生じないが、方向転換前の移動方向の慣性力により継続して移動し、これによりブレード3の方向転換を完成し、動力喪失による停滞を回避できる。
よって、好ましい一実施形態では、該ストッパー5には、弾性部材51をさらに設置し、しかも該弾性部材51一端は、該ストッパー5に固定して設置され、反対端は、該調整棒22に設置される。
これにより、図2及び図3を例とするように、一実施形態中において、弾性部材51は、スライド棒4が流路C中央位置にある時にはバランスが取れ、スライド棒4が左側へと移動すると、左側の弾性部材51は力を受けて圧縮され、右側の弾性部材51は力を受けて引き伸ばされる。
弾性部材51が調整棒22に力を及ぼすことで、スライド棒4は、図2、3に示すようなブレード3の方向転換過程において、左側の弾性部材51が右側へと調整棒22を押し、右側の弾性部材51が右側へと調整棒22を引き動かし、調整棒22を助け右へと回転するトルクを生じる。
これによっても回転軸21の旋回を連動し、こうして該ブレード3がもう一つの上昇力位置まで方向転回するのを助け、ブレード3が水流に平行なことで停滞することはない。
スライド棒4は図4、5に示すようなブレード3の方向転換の作用にあっても同様に、ブレード3の方向転換を促す。
前述のように、安定的な方向転換の機能を実現し、これにより本発明は確実に水流を受け左右に往復直線運動し中断することはない。
【0023】
一方向トランスミッション機構6は、1個の該シャフト11に駆動され、該一方向トランスミッション機構6には、逆方向に設置する2個の一方向伝動ホイール61を設置する。
該一方向伝動ホイール61は、第一ヘリカルギア62に伝動するように連結し、該一方向トランスミッション機構6は、該シャフト11の伝動を受け、該一方向伝動ホイール61を同時に転動させる。
これにより、1個の該一方向伝動ホイール61は伝動旋回し、該第一ヘリカルギア62を伝動し、もう1個の該一方向伝動ホイール61は空転する。
1個の一方向伝動ホイール61が第一ヘリカルギア62を伝動する時、もう1個の一方向伝動ホイール61は、該第一ヘリカルギア62に対して逆止の効果を生じることはない。
【0024】
発電装置7は、該第一ヘリカルギア62に接続して設置され、該第一ヘリカルギア62の転動を受け、その運動エネルギーにより発電を行う。
一実施形態中において、該発電装置7は、3千ワット~100千ワットのマイクロ発電機である。
【0025】
一方向トランスミッション機構6の具体的な配置については、図6に示す通り、該一方向トランスミッション機構6は、スイングアーム63をさらに有する。
該スイングアーム63は、該シャフト11に駆動され、該スイングアーム63には、2個の伝動アーム631を連結し、該伝動アーム631には、ラチェット爪をそれぞれ設置する。
該一方向伝動ホイール61は、それぞれ順方向ラチェット歯車61A及び逆方向ラチェット歯車61Bである。
該ラチェット爪は、それぞれ一旋回方向に向かい、該順方向ラチェット歯車61A及び該逆方向ラチェット歯車61Bを対応して押す。
順方向ラチェット歯車61Aに対応するラチェット爪は順方向ラチェット爪632Aで、逆方向ラチェット歯車61Bに対応するラチェット爪は逆方向ラチェット爪632Bである。
該順方向ラチェット歯車61A及び該逆方向ラチェット歯車は、該第一ヘリカルギア62に伝動するように連結する。
これにより、図1~3及び図6に示す通り、スライド棒4が、流路C左側のストッパー5にあり、ブレード3を押して方向転換させ、シャフト11を伝動する時、シャフト11、スイングアーム63、順方向ラチェット爪632A及び逆方向ラチェット爪632Bは、逆時計回り方向へと伝動される。
図7に示す通り、逆方向ラチェット歯車61Bは逆時計回り方向の伝動を受け、効果的に押し動かされるため、第一ヘリカルギア62を確実に伝動することができる。
順方向ラチェット歯車61Aに対しては、図8に示す通り、順方向ラチェット爪632Aの逆時計回り方向伝動は、順方向ラチェット歯車61Aに対して空転を形成させるため、該第一ヘリカルギア62に対して逆止作用を生じることはない。
反対に、スライド棒4が流路C右側にあり、前述のような方向転換作用があるなら、シャフト11、スイングアーム63、順方向ラチェット爪632A及び逆方向ラチェット爪632Bは時計回り方向へと伝動し、図9に示す通り、順方向ラチェット歯車61Aを時計回りに旋回させ、第一ヘリカルギア62は伝動される。
図10に示す通り、逆方向ラチェット爪632Bは、逆方向ラチェット歯車61Bに対して空転を形成し、よって、同様に第一ヘリカルギア62に対して伝動を行うことができる。
【0026】
順方向ラチェット歯車61A及び逆方向ラチェット歯車61Bを、第一ヘリカルギア62に対して同一方向伝動とし、発電装置7が安定発電を継続できるよう、一実施形態中においては、1個の該一方向伝動ホイール61に、第一軸体611を設置し、該第一軸体611は、該第一ヘリカルギア62及び第一伝動ホイール6111に対応して伝動するように連結し、他方の該一方向伝動ホイール61には、第二軸体612を設置し、該第二軸体612は、第二伝動ホイール6121に対応して伝動するように連結し、該第二伝動ホイール6121は、方向転換ホイールセット613を同一方向に伝動する。
該第一伝動ホイール6111及び該方向転換ホイールセット613は、連動ホイールセット614に対応して伝動するように連接し、しかも該連動ホイールセット614の方向転換は、該第一伝動ホイール6111に同じで、該方向転換ホイールセット613に反対で、これにより該一方向伝動ホイール61は、該第一ヘリカルギア62を伝動し、常に一方向へと安定転動させ、往復運動により、旋回方向が反覆する状況は生じない。
本実施形態中では、第一軸体611に設置する一方向伝動ホイール61は逆方向ラチェット歯車61Bで、第二軸体612に設置するのは、順方向ラチェット歯車61Aであるが、例として説明に用いるだけで、これに限定するものではない。
よって、図6に示す通り、シャフト11、スイングアーム63、順方向ラチェット爪632A及び逆方向ラチェット爪632Bが逆時計回り方向へと伝動すると、前述のように、逆方向ラチェット歯車61Bは、第一軸体611を通して該第一ヘリカルギア62を駆動し、いっしょに逆時計回り方向へと転動させ発電を駆動する。
この時、第一軸体611を通して第一伝動ホイール6111を逆時計回りに旋回させ、第一伝動ホイール6111と連動ホイールセット614の間は、一実施形態中においては、プーリーにより連接され、その転回方向は同方向である。
連動ホイールセット614と方向転換ホイールセット613の間は、噛み合い方式を通して、その転回方向は反対である。
方向転換ホイールセット613と第二伝動ホイール6121の間は、同様に、プーリーにより連接され、同方向に転動される。
よって、この時、第一伝動ホイール6111の逆時計回り旋回により、連動ホイールセット614も同様に逆時計回り旋回を呈し、方向転換ホイールセット613と第二伝動ホイール6121は、時計回り旋回を呈する。
第二伝動ホイール6121の時計回り旋回は、第二軸体612を通して、順方向ラチェット歯車61Aは伝動される。
順方向ラチェット歯車61Aそのものの時計回り旋回は、図7に示す通り、それが対応する順方向ラチェット爪632Aに対して転動を生じず、空転を形成する。
よって、この状況下で、逆方向ラチェット歯車61Bの第一ヘリカルギア62に対する伝動は、順方向ラチェット歯車61Aの順方向ラチェット爪632Aを伝動しシャフト11の転動方向に影響を及ぼすことはない。
【0027】
反対に、図11に示す通り、シャフト11が時計回り方向に転動すると、順方向ラチェット歯車61Aを時計回りに旋回させ、同時に、前記のように、第二伝動ホイール6121及び方向転換ホイールセット613も時計回りに旋回する。
この時、連動ホイールセット614は、方向転換ホイールセット613と噛み合うため、連動ホイールセット614は逆時計回り旋回し、第一伝動ホイール6111及び第一軸体611もまた逆時計回り旋回する。
こうして、第一ヘリカルギア62は連動されて逆時計回り旋回を呈し、シャフト11、スイングアーム63、順方向ラチェット爪632A、逆方向ラチェット爪632Bは逆時計回り方向に伝動され、或いは時計回り方向に伝動されて、第一ヘリカルギア62は逆時計回り旋回を呈し、発電装置7は、第一ヘリカルギア62の逆時計回り方向継続伝動を受け続け発電する。
第一軸体611が逆時計回りに旋回すると、逆方向ラチェット歯車61Bを連動し、同様に逆時計回り方向旋回を呈する。
図10に示す通り、逆方向ラチェット歯車61Bそのものの逆時計回り方向旋回は、逆方向ラチェット爪632Bに対して、転動を生じず、これにより逆方向ラチェット歯車61Bは空転する。
よって、順方向ラチェット歯車61Aの第一ヘリカルギア62に対する伝動は、同様に逆方向ラチェット歯車61Bの逆方向ラチェット爪632Bを伝動せず、シャフト11の転動に影響する。
前述のように、本発明は確実に往復運動により、シャフト11を安定的に転動し、発電装置7を駆動して発電できる。
しかも、ブレード3は水流の往復移動を受け、シャフト11に対して極めて大きいトルクを生じ、これによりスイングアーム63は大きなトルクを発生でき、順方向ラチェット歯車61A或いは逆方向ラチェット歯車61Bを通して、第一ヘリカルギア62を伝動し発電できるため、極めて優れた発電性能を備える。
【0028】
しかも、注意を要する点は、本実施形態中では、プーリーにより動力伝達を行うが、プーリーはV型プーリーなどで、速度比を調整できるため、水路の水流の条件に応じて速度比を調整する。
よって、発電装置7に対応し、最良の発電量を得ることができる。
【0029】
発電装置7の配置、及びそれと第一ヘリカルギア62の動力伝達及び連接方式について、一実施形態中では、該発電装置7には、ホイール軸71を設置する。
該第一ヘリカルギア62は、連接ホイール72を連結して伝動し、該連接ホイール72は、該ホイール軸71に伝動するように連結し、該発電装置7の発電を駆動する。
【0030】
好ましくは、該連接ホイール72は、フライホイール73にさらに伝動するように連結し、該フライホイール73は、該ホイール軸71に対応して伝動し、該発電装置7の発電を駆動する。
フライホイール73高速旋回は、エネルギー吸収、エネルギー放出の安定作用を備え、発電装置7の回転速度を安定させられ、電力安定出力の効果を達成する。
【0031】
これにより、本発明の発電適用範囲は非常に広く、水頭高度及び/或いは流量が小さな状況下にも適用して発電することができる。
よって、河川、及び工場排水の水路にも応用でき、発電の効果を達成できる。
しかも、本発明は全体体積が小さく、設置及び維持修理が容易であるため、本発明全体の適用性を高めることができる。
【0032】
本発明のメンテナンスを行う時には、発電装置7の発電を停止する。
よって、一実施形態中において、ホイール軸71に、ブレーキホイール74をさらに連接する。
該ブレーキホイール74は、ブレーキ機構8に対応して接続、設置され、しかも該ブレーキ機構8は、該ブレーキホイール74に対応してブレーキをかける。
好ましくは、マンドレル75を設置し、該マンドレル75は、該フライホイール73、ブレーキホイール74、ホイール体751に連接する。
ホイール軸71には、伝送ホイール711を設置し、該伝送ホイール711及びホイール体751間は、プーリーを通して連接される。
これにより、非同軸方式で、該ホイール軸71に対してブレーキを掛けられる。
【0033】
前記のように、本発明のブレード3間は、相互に平行で、しかも間隔を開けて排列されるため、水流中に小型の雑物があっても、ブレード3間の空隙を通って流れ過ぎ、しかも於ブレード3が角度旋回を行う時には、雑物はブレード3に引っかかりにくく、推力減少の現象を引き起こしにくい。
水流中に大型の雑物がある時には、取り除くために、ブレード3を水面から取り出し、しかもその過程では他の構成部材の干渉を受けることはない。
よって、好ましい実施形態中では、図6及び図12に示す通り、該連接ホイール72は、第二ヘリカルギア721にスライドするように設置され、しかも該連接ホイール72が伝動位置にある時には、該第一ヘリカルギア62に対応して噛み合い、スライドして下がる位置にある時には、該第一ヘリカルギア62に噛み合わない。
よって、好ましい実施形態中では、連接ホイール72及び第一ヘリカルギア62は、相互に対応するヘリカルギアである。
その配置は発電装置7ホイール軸71の駆動に対して、第二ヘリカルギア721に第一歯車722を設置し、前述のマンドレル75に第二歯車752を設置し、しかも第一歯車722及び第二歯車752は同様にプーリーにより連接される。
これにより、伝動位置にある時には、第一ヘリカルギア62の転動は、順番に連接ホイール72、第二ヘリカルギア721、第一歯車722、第二歯車752、フライホイール73、ホイール体751、伝送ホイール711、ホイール軸71を通して、発電装置7の発電を駆動する。
固定フレーム1、往復移動フレーム2及びブレード3の巻き上げについては、図1図12図13に示す通り、少なくとも1個のウィンチ機構9を設置し、ロープ体91を巻き上げ可能なように設置する。
該固定フレーム1の底端、該ウィンチ機構9に反対の一端に、フレーム体12を延伸して設置する。
該ロープ体91は、該フレーム体12末端に固定して設置され、該固定フレーム1頂端には、該連接ホイール72に対応し、該伝動位置にあるピボット部材13を設置する。
しかも、該ピボット部材13は、該流路Cの側壁面に枢設される。
これにより、洪水の季節、或いは大型の雑物がある等の状況において、往復移動フレーム2を持ち上げる必要がある時には、図14に示す通り、先ず連接ホイール72を退出位置までスライドして下がらせ、これにより第一ヘリカルギア62は、連接ホイール72を伝動せず、第一軸体611及び連結軸が延伸した交点位置を中心とでき、その中心は、ピボット部材13の軸方向上に位置する。
この時、ウィンチ機構9を通してロープ体91を巻き取り、こうして固定フレーム1、往復移動フレーム2及びブレード3を持ち上げることができる。
これにより、洪水の衝撃による損壊を防止でき、大型の雑物を流し去ることができる。
発電を行う必要がある時には、ブレード3を下ろして水中に深く入れ、連接ホイール72を伝動位置まで移動させれば、上述の往復式運動を継続して行い発電することができる。
【0034】
ウィンチ機構9及び発電装置7の設置において、ブリッジ体Bを該流路Cの上端位置を横にまたいで設置し、しかも該ウィンチ機構9及び該発電装置7は、該ブリッジ体B上に設置する。
こうして、ウィンチ機構9に対する操作或いはメンテナンスの便を図る。
【0035】
特別に説明が必要なのは、本発明で言う左右方向、順方向、逆方向、時計回り、逆時計回りなどの方向性に関わる記述は例示のための説明であり、本発明に制限を加えるものではない。
【0036】
上記を総合すると、本発明に開示する技術手段は、従来の問題を効果的かつ確実に解決でき、予期の目的と効果を達成し、しかも申請前に刊行物に未掲載で、公開使用されておらず、しかも進歩性を備える。
よって、特許法に規定される発明の要件に符合することは間違いない。
【0037】
前述した本発明の実施形態は本発明を限定するものではなく、よって、本発明により保護される範囲は後述される特許請求の範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0038】
1 固定フレーム
11 シャフト
12 フレーム体
13 ピボット部材
2 往復移動フレーム
21 回転軸
211 連棒
22 調整棒
3 ブレード
31 伝動棒
4 スライド棒
5 ストッパー
51 弾性部材
6 一方向トランスミッション機構
61 一方向伝動ホイール
61A 順方向ラチェット歯車
61B 逆方向ラチェット歯車
611 第一軸体
6111 第一伝動ホイール
612 第二軸体
6121 第二伝動ホイール
613 方向転換ホイールセット
614 連動ホイールセット
62 第一ヘリカルギア
63 スイングアーム
631 伝動アーム
632A 順方向ラチェット爪
632B 逆方向ラチェット爪
7 発電装置
71 ホイール軸
711 伝送ホイール
72 連接ホイール
721 第二ヘリカルギア
722 第一歯車
73 フライホイール
74 ブレーキホイール
75 マンドレル
751 ホイール体
752 第二歯車
8 ブレーキ機構
9 ウィンチ機構
91 ロープ体
B ブリッジ体
C 流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14