(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-27
(45)【発行日】2022-08-04
(54)【発明の名称】同調リンク機構を有するカッター刃駆動装置及び地中障害物撤去用アタッチメント
(51)【国際特許分類】
E02D 9/00 20060101AFI20220728BHJP
【FI】
E02D9/00
(21)【出願番号】P 2021074083
(22)【出願日】2021-04-26
【審査請求日】2022-01-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】301050762
【氏名又は名称】三喜工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125933
【氏名又は名称】野上 晃
(72)【発明者】
【氏名】富江 祐介
(72)【発明者】
【氏名】渡▼邉▲ 大祐
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-151764(JP,A)
【文献】特開平10-030346(JP,A)
【文献】特開2020-172741(JP,A)
【文献】特開2006-028878(JP,A)
【文献】特開平11-081440(JP,A)
【文献】特開2019-218827(JP,A)
【文献】特開平02-096086(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動可能なケリーバの下端に連結される地中障害物撤去用アタッチメントの下側に開口する円筒状のケーシング内
で、当該ケーシングの直径方向に対向する内周面に沿って当該ケーシングの長さ方向に延びる1対の回動軸の下端にそれぞれ取り付けられ、前記ケーシングの切り欠き部に収容されたカッター刃を揺動回転させるカッター刃駆動装置であって、
前記ケーシング上部寄りを閉塞する閉塞板上の中央領域に、前記ケリーバと同心に配置された当該ケリーバとは別体の中心軸の軸心を対称の中心として点対称に、かつ互いに反対向きに設けられた1対の油圧シリンダーと、
前記
1対の油圧シリンダーのピストンロッド先端部
のそれぞれに第1ピン
を介して一端が連結され
、他端が前記1対の回動軸
にそれぞれ固定されている1対の第1リンクと、
前記中心軸の軸心を中心として点対称に構成された同調リンク機構とを含
んでおり、
当該同調リンク機構は、
前記1対の第1リンクに前記1対の第1ピンを介して一端がそれぞれ連結され、前記1対の油圧シリンダーのピストンロッドの出し引きにより、当該1対の第1リンクとともに揺動回転する1対の第2リンクと、
前記中心軸に揺動回転自在に連結される中間アームと、
前記1対の第2リンクの他端と前記中間アームの両端とをそれぞれ連結する1対の第2ピンとからなることを特徴とするカッター刃駆動装置。
【請求項2】
前記油圧シリンダーの作動油の圧力及び流量を調整することで、前記1対のカッター刃は段階的に前進後退可能とされている
請求項1に記載のカッター刃駆動装置。
【請求項3】
前記各回動軸に取り付けられた前記各カッター刃は、その刃部の先端が当該回動軸の取り付け位置から前記回動軸の軸心方向に直交する方向よりも斜め下方に向いているものである
請求項1又は2に記載のカッター刃駆動装置。
【請求項4】
前記各カッター刃の刃部は、その外面の少なくとも前進方向前面に当該刃部の先端に向けて硬質肉盛が形成され、又は複数の超硬チップが埋め込まれたものである
請求項1~3のいずれか1項に記載のカッター刃駆動装置。
【請求項5】
回転駆動可能なケリーバの下端に連結部を介して当該ケリーバの軸心と同心に着脱自在に連結される地中障害物撤去MRT工法用アタッチメントであって、下側に開口し、その下端縁に少なくとも1つのカッタービットとともに、下端部内周面に少なくとも1つのインナービットを備える円筒状のケーシングと、
前記ケーシングの上部寄りでこれを閉塞する閉塞板上の中央領域に、前記ケリーバと同心に配置された当該ケリーバとは別体の中心軸の軸心を対称の中心として点対称に、かつ互いに反対向きに設けられた1対の油圧シリンダーと、
前記
1対の油圧シリンダーのピストンロッド先端部
のそれぞれに第1ピン
を介して一端がそれぞれ連結され
る1対の第1リンクと、
前記
1対の第1リンクの他端に
それぞれ固定され、前記ケーシングの直径方向に対向する内周面に沿って当該ケーシングの長さ方向に延びる1対の回動軸と、
前記ケーシングに設けられた切り欠き部に収容され、前記1対の回動軸の下端にそれぞれ取り付けられる1対のカッター刃と、
前記
1対の第1ピンに揺動回転自在に連結され、前記中心軸の軸心を中心として点対称に構成された同調リンク機構とを含むカッター刃駆動装置を備えており、
前記同調リンク機構は、
前記1対の第1リンクのそれぞれの一端に前記1対の第1ピンを介して一端がそれぞれ連結され、前記1対の油圧シリンダーのピストンロッドの出し引きにより、当該1対の第1リンクとともに揺動回転する1対の第2リンクと、
前記中心軸に揺動回転自在に連結された中間アームと、
前記1対の第2リンクの他端と前記中間アームの両端とをそれぞれ連結する1対の第2ピンとからなることを特徴とする地中障害物撤去用アタッチメント。
【請求項6】
前記油圧シリンダーの作動油の圧力を調整することで、前記1対のカッター刃は段階的に前進後退可能とされている
請求項5に記載の地中障害物撤去用アタッチメント。
【請求項7】
前記各回動軸に取り付けられた前記
1対のカッター刃
のそれぞれは、その刃部の先端が当該回動軸の取り付け位置から前記回動軸の軸心方向に直交する方向よりも斜め下方に向いているものである
請求項5又は6に記載の地中障害物撤去用アタッチメント。
【請求項8】
前記
1対のカッター刃の刃部
のそれぞれは、その外面の少なくとも前進方向前面に当該刃部の先端に向けて複数の超硬チップが埋め込まれたものである
請求項5~7のいずれか1項に記載の地中障害物撤去用アタッチメント。
【請求項9】
回転駆動可能なケリーバの下端に連結されたケーシングを有する地中障害物撤去用アタッチメント内で、前記ケリーバと同心に配置された当該ケリーバとは別体の中心軸の軸心を対称の中心として点対称にかつ互いに反対向きに配置された1対の油圧シリンダーのそれぞれのピストンロッド
の先端部に
1対の第1ピンを介して一端が連結され、他端が1対の回動軸のそれぞれに固定されている1対の第1リンク
が前記ピストンロッドの出し引きにより揺動回転することにより当該1対の回動軸のそれぞれを同調して回動させるための同調リンク機構であって、
前記1対の第1リンクに1対の第1ピンを介して一端がそれぞれ連結され、前記1対の油圧シリンダーのピストンロッドの出し引きにより、当該1対の第1リンクとともに揺動回転する1対の第2リンクと、
前記中心軸にその中心が揺動回転自在に取り付けられる中間アームと、
前記
1対の第2リンクの他端と前記中間アームの両端とをそれぞれ連結する1対の第2ピンとからなることを特徴とする同調リンク機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中に埋設された既存杭その他の地中障害物を撤去するために用いられる地中障害物撤去用アタッチメント及びその内部に設けられる同調リンク機構を有するカッター刃駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、都市再開発事業などにより既設の構造物を解体してその跡地を再利用し、新たに建築物を建設する需要が高くなっており、地盤中から鉄筋コンクリート製の杭などの地中障害物を撤去する必要が生じている。このような地中障害物を撤去する装置について、従前よりいくつかの提案がなされている(例えば特許文献1及び2参照)。
【0003】
特許文献1は、2つの異なる機能を有する第1バケツ及び第2バケツからなる杭の除去アタッチメントを提案している。この除去アタッチメントにおけるいずれのバケツもアースオーガーに吊り下げられたケリーバの下端部に取り付けられ、ケリーバの回転に伴い回転する円筒状のケーシングを備えている。そして、除去アタッチメントの第1バケツは、その内面に形成された螺旋状の掘削板を備え、これにより杭の周囲の土を掘り削ったのちに引き上げられ、第2バケツに切り替えられる。第2バケツは杭の周囲の土が除去された部分に挿入され、ケリーバの回転に伴いケーシングを回転させることで、リンク機構を介してその下端部に設けられたのこぎり状の刃が当該杭の上端部に食い込み、これを切断した後に、切断された杭の上端部が取り除かれるように構成されている。
【0004】
また、特許文献2は、オールケーシング工法用竪孔掘削装置及び掘削切断方法を提案している。この装置は、ケーシングチューブ内に挿入されるものであり、該ケーシングチューブに連結手段(スタビライザ)により連結され、その下部にある掘削手段を下端に備えた内側チューブを前記ケーシングチューブの押し込み回転に伴い回転させつつ地中に押し込んで掘削を行い、内側チューブ内に収容した掘削物を内側チューブ下部の切断手段を当該内側チューブの中心に押出して切断するように構成されている。そして、切断手段は、中心軸の軸心を対称の中心として点対称な位置に配置されたシリンダーのロッドを前進させることで、カムプレートの3か所の切り込みにそれぞれ一端がはめ込まれたアームを揺動させることで、当該各アームの他端に連結された3本のそれぞれの回動軸を介してカッター刃を内側チューブの中心に向けて押し出すようになっている。
【0005】
なお、本明細書において、用語「揺動回転」と用語「回動」とはいずれも一方向の回転ではなく、所定の回転角での双方向の回転の意味で使用しており、軸自体が双方向に回転する場合を「回動」と、軸に連結又は固定されたレバーやカッター刃などが双方向に回転する場合を「揺動回転」ということとする。また、カッター刃については、収容位置から中心に向かい揺動回転する場合を「前進」と、逆方向に揺動回転する場合を「後退」と呼ぶこととする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実用新案登録第3156209号明細書
【文献】特開平7-177464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の除去用アタッチメントは、杭を除去するために第1バケツと第2バケツとを必要とし、機材の搬出入やバケツ切り替えのための作業が煩雑になるだけでなく、現地での保管スペースが大きくなるという問題がある。また、第2バケツは、ケリーバの回転に連動してケーシング本体の正回転によりノコギリ状の刃をケーシング中心に向けて前進させ、ケーシングの逆回転によりノコギリ状の刃を元の位置に後退させるものであり、刃の収容位置がケーシング内部にあるため、そこに土塊などの異物を噛み込み易い。その場合、ケーシングの逆回転のみによって刃を戻す力が弱く、土塊などの異物を破砕し除去することが困難という問題がある。
【0008】
また、特許文献2の竪孔掘削装置は、内側チューブの回転力を利用して杭などの地中障害物を掘削するために、装置自体をスタビライザによってケーシングチューブに固定しなければならない。そのため、スタビライザやその油圧ラインなどの付帯設備が必要であり、構造が複雑になるだけでなく、装置が大型化する課題がある。
【0009】
本発明は、前記課題を解決すべくなされたものであり、スタビライザなどの付帯設備を不要とし小型の地中障害物撤去用アタッチメントに含まれ、当該アタッチメントで低振動・低騒音にて簡便に杭などの地中障害物周囲の地盤を掘削し、同調リンク機構により当該地中障害物の上端部を確実に切断撤去でき、土塊などを噛みこんだ場合でもそれを十分に除去可能なカッター刃駆動装置、及び当該装置を内部に備える地中障害物撤去用アタッチメントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明のカッター刃駆動装置は、回転駆動可能なケリーバの下端に連結される地中障害物撤去用アタッチメントの下側に開口する円筒状のケーシング内で、当該ケーシングの直径方向に対向する内周面に沿って当該ケーシングの長さ方向に延びる1対の回動軸の下端にそれぞれ取り付けられ、前記ケーシングの切り欠き部に収容されたカッター刃を揺動回転させるカッター刃駆動装置であって、前記ケーシング上部寄りを閉塞する閉塞板上の中央領域に、前記ケリーバと同心に配置された当該ケリーバとは別体の中心軸の軸心を対称の中心として点対称に、かつ互いに反対向きに設けられた1対の油圧シリンダーと、前記1対の油圧シリンダーのそれぞれのピストンロッド先端部に第1ピンを介して一端が連結され、他端が前記1対の回動軸にそれぞれ固定されている1対の第1リンクと、前記各第1ピンに連結され、前記中心軸の軸心を中心として点対称に構成された同調リンク機構とを含むことを特徴とする。
【0011】
そして、前記同調リンク機構は、前記1対の第1リンクに前記1対の第1ピンを介してそれぞれ一端が連結され、前記1対の油圧シリンダーのピストンロッドの出し引きにより、当該1対の第1リンクとともに揺動回転する1対の第2リンクと、前記ケリーバの軸心と同心に配置された中心軸に揺動回転自在に連結された中間アームと、前記1対の第2リンクの他端と前記中間アームの両端とをそれぞれ連結する1対の第2ピンとから構成される。この同調リンク機構を設けることで、1対の油圧シリンダーのピストンロッドの出し引きによってそれぞれ1対のカッター刃を同調して作動させることができる。
【0012】
前記各回動軸に取り付けられた前記カッター刃はそれぞれ、その刃先が当該回動軸の取り付け位置から斜め下方に向くように構成することができる。また、前記各カッター刃には、その外面の少なくとも前進方向前面に刃先に向けて複数の超硬チップが埋め込むことができる。これにより、カッター刃の耐用期間の延長を図ることができる。
【0013】
また前記目的を達成するために、本発明の地中障害物撤去用アタッチメントは、回転駆動可能なケリーバの下端に連結部を介して当該ケリーバの軸心と同心に着脱自在に連結され、下側に開口し、その下端縁に少なくとも1つのカッタービットとともに、下端部内周面に少なくとも1つのインナービットを備える円筒状のケーシングと、当該ケーシング内に設けられ、前記同調リンク機構を含む前記カッター刃駆動装置とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明のカッター刃切断装置は、1対の油圧シリンダーのそれぞれで1対の第1リンクを揺動回転させ、これにより1対の回動軸の下端にそれぞれ設けられた1対のカッター刃を本発明の同調リンク機構を用いて同調して駆動させる構造としたので、これを地中障害物撤去用アタッチメントに内蔵することで、スタビライザやそれに付帯する油圧ユニットを設けることなく小型化が図られ、当該アタッチメントで低振動・低騒音にて地中障害物周囲の掘削や地中障害物の切断除去が可能となる。また、本発明のカッター刃駆動装置は、それぞれのカッター刃の収容位置に土塊などの異物などが噛みこんだ場合でも、当該異物を容易に除去できる。
【0015】
本発明の地中障害物撤去用アタッチメントは、前記したように、ケーシング下端縁にカッタービットを、また内周面にインナービットを設け、1対のカッター刃をケーシング切り欠き部に配置するとともに、それぞれ1対の油圧シリンダーで駆動するように構成し、同調リンク機構により1対のカッター刃をそれぞれ同調して駆動する構造としたので、低振動・低騒音にて地中障害物周囲の掘削や地中障害物の縮径、切断除去が可能であり、他のアタッチメントとの切換が不要であるため、工事の簡略化・効率化が図れるとともに。それぞれのカッター刃の収容位置に土塊などの異物などが噛みこんだ場合でも、当該異物を容易に除去できる。また本発明の地中障害物撤去MRT工法用アタッチメントは、スタビライザやそれに付帯する油圧ユニットを設けることなく小型化も図られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明のカッター刃駆動装置を含む地中障害物撤去用アタッチメントの部分断面正面図である。
【
図2】
図1に示す地中障害物撤去用アタッチメントの平面図である。
【
図6】本発明のカッター刃駆動装置の一実施形態を示す図である。
【
図7】本発明のカッター刃駆動装置におけるカッター刃の一実施形態を示す図である。
【
図8】本発明のカッター刃駆動装置におけるカッター刃の別の実施形態を示す図である。
【
図9】本発明のカッター刃駆動装置を含む地中障害物撤去用アタッチメントの使用状態を示す図である。
【
図10】本発明のカッター刃駆動装置を含む地中障害物撤去用アタッチメントを用いた地中障害物撤去状況を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付の
図1~
図6を参照しながら、本発明の地中障害物撤去用アタッチメントの一実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の地中障害物撤去用アタッチメントの部分断面正面図を、また
図2は、
図1に示す地中障害物撤去用アタッチメントの平面図を示している。また、
図3は
図1におけるA-A矢視図を、
図4はB-B矢視図を、
図5はC-C矢視図を示している。さらに、
図6は本実施形態のカッター刃駆動装置の構造を示している。なお、以下の各図では同一又は共通する各部については同じ符号を用いており、以下では必要がない限り重複した説明は省略する。
【0018】
図1に示すように、本実施形態の地中障害物撤去用アタッチメント1は、連結部2と、ケーシング4とから構成されている。
【0019】
連結部2は、
図2に示すように、ケーシング4上部中央にこれと同心に配置された四角形の横断面を有する角筒状を有し、その対向する側壁にはそれぞれ連結具3を通すための貫通孔が設けられている。隣り合う側壁の貫通孔は、異なる位置に設けられており、連結具(ピン)3、3をそれぞれの貫通孔に通した場合、上から見て連結部2の開口内で連結具3,3が互いに直交するようになっている。
【0020】
連結部2には、例えば杭打機などの重機(例えば
図9、符号100参照)におけるケリーバ106の下端部が嵌め込まれ、当該下端部に設けられた2つの貫通孔と連結部2の貫通孔とを合わせた上で直交する2方向からピン3、3を差し込むことで、連結部2はケリーバ106の下端部に連結される。
図9に示す重機100の例では、リーダ101が油圧シリンダー102によって鉛直に据え付けられ、その上端にはトップシーブ104が設けられている。主巻ウインチ103から引き出されたワイヤロープ105により、トップシーブ104を介してケリーバ106が吊り下げられ、主巻ウインチ103によるワイヤロープ105の巻取り、引き出し操作により上下動する。また、ケリーバ106は、ケリー駆動装置107によって回転可能とされている。これにより、ケリーバ106は、主巻ウインチ103及びケリー駆動装置107によって回転しながら上下動し、それに伴い
図1に地中障害物撤去用アタッチメント1も回転しながら上下動するようになっている。
【0021】
ケーシング4は、その上部寄りが閉塞板(天板)5によって閉塞され、下側に開口する円筒状をなしている。ケーシング4の下端寄りは、1対のカッター刃22、22をそれぞれ収容するために切り欠かれている。ケーシング4の下端縁にはカッタービット6、6が設けられている。カッタービット6、6は、ケーシング4が回転しながら下降する際に杭などの地中障害物の周囲の地盤を掘削するためのものである。また、ケーシング4の内周面下端部には、
図6に示すように、1対のインナービット7、7;8、8が互いに向き合うように設けられている。インナービット7、8は、これらによって地中障害物の外周部を切削して縮径させ、回動軸支持部21及びカッター刃22の基部40がケーシング4の回転を妨げないようにするためのものである。
図5では、ケーシング4の内周面からのインナービット7.8の張り出し長さは略同等とされているが、この張り出し長さの異なる少なくとも2種のインナービット1対をケーシング4の内周面に設け、ケーシング4の回転に伴い張り出し長さの小さいものから大きいものにより、順次地中障害物の外周部を段階的に切削して縮径させてもよい。
【0022】
(カッター刃駆動装置)
閉塞板5の上と連結部2との間の空間には、本実施形態のカッター刃駆動装置10の本体が設けられている。この本実施形態のカッター刃駆動装置10は、1対の油圧シリンダー11、11におけるピストンロッド13、13の出し引きにより、閉塞板5をそれぞれ貫通して設けられている1対の回動軸18、18、さらには各回動軸18の下端にそれぞれ固定されている1対のカッター刃22、22を揺動回転させる機構(
図3及び
図6参照)と、1対のカッター刃の揺動回転を同調させる同調リンク機構(
図4参照)とを含んでいる。1対の回動軸18、18はそれぞれ
図5に示すように、その上端寄り及びカッター刃取り付け位置上に設けられた回動軸支持部17、21により回動自在に支持されている。
【0023】
1対の油圧シリンダー11、11は、ケリーバ106(
図9参照)と同心に配置された当該ケリーバ106とは別体の中心軸31の軸心を対称の中心として点対称に、かつ互いに反対向きに配置されている。油圧シリンダー11は、想定される地中障害物中に食い込みこれを切断するのに必要かつ十分な押し側シリンダー力が得られるものであれば特に制限なく使用可能であり、
図3に示す例では片ロッドタイプで複動形のシリンダーが用いられている。シリンダー11は、ストローク両終端でピストンが移動速度を低減するようにクッション機構を備えていてもよい。なお、カッター刃駆動装置10内の取り合いなどを変更して両ロッドタイプのシリンダーを用いてもよい。
【0024】
1対の油圧シリンダー11、11はそれぞれキャップ側寄りに油圧シリンダー支持部12、12を備えている。これらの油圧シリンダー支持部12、12にはその上下方向にそれぞれ突起(ピン)が設けられ、これらの突起が閉塞板5と上側のフレームの向き合った凹部にそれぞれ嵌め込まれることで、それぞれの油圧シリンダー11はこの突起を中心にして僅かに揺動回転するようになっている。
【0025】
1対の油圧シリンダー11、11を作動させる油圧系(不図示)には、作動油の流量や圧力を計測する流量センサーや圧力センサーを設け、手動又は自動でピストンロッド13、13の出し引き速度や力を調整することができる。また、これらのセンサーに加え、サーボ弁やサーボアンプを含むサーボ機構を設けることもできる。特に圧力及び流量を調整することで、後述する回動軸18、さらにはカッター刃22の回転位置を段階的に調整できる、即ちカッター刃22の収容位置から最も中心寄りの位置までの回転角R(
図6参照)における任意の位置にてカッター刃22を段階的にて停止させることができる利点がある。このことは、地中障害物撤去作業時に地上で油圧及び流量を調整することで、地下におけるカッター刃の前進位置を確認できることにもなる。
【0026】
1対の油圧シリンダー11、11におけるピストンロッド13、13の先端部14、14には、
図3に示すように、それぞれ第1ピン15、15を挿入可能な挿通孔が設けられ
ている。第1リンク16、16は、その一端側には貫通孔が形成され、第1ピン15、15を挿入可能とされ、第1ピン15、15を介してピストンロッド13、13の先端部14、14にそれぞれ連結されて
いる。また、第1リンク16、16の他端側はそれぞれ回動軸18、18の上端部に嵌め込まれ、上からエンドプレート19及びボルト20にて固定されている
(図6参照)。
第1リンク16、16の一端側が1対のピストンロッド13、13のそれぞれの先端部14
に第1ピン15を介して連結されて回転可能とされ、各第1リンク16がレバーとして働き、油圧シリンダー11、11のピストンロッド13、13の出し引き(直線運動)
により回動軸18
は回動運動
することになる。そして、ピストンロッド
13、13の出し引きに応じて第1リンク16、16及び回転軸18、18はそれぞれ回転角Rだけ揺動回転するように構成されている。
この揺動回転により、第1ピン15は符号15’の位置との間を、また各第1リンク16は符号16’の位置との間を移動する。なお、
図6に示す例は、
図1に示す例と第1リンク、第2リンク及び中間アームの形状、並びに中間アームの固定方法が相違するが、両図に示す例の機能及び作用は同じである。
【0027】
それぞれの回動軸18の下端には、カッター刃22が下側から嵌め込まれ、回動軸支持部21の下側に当該支持部21とセットカラー37とで挟むようにそれぞれ固定されている。セットカラー37は、回動軸18の端部を保護するためにキャップ状のものであってもよい。カッター刃22は、ピストンロッド13、13の出し引きに応じて回転軸18、18が揺動回転することで、それに伴い回転角Rだけ揺動回転可能とされている。
【0028】
(同調リンク機構)
1対の第1ピン15、15の間には、
図4に示すように、それぞれの第1ピン15を介して1対の第1リンク16,16の一端にそれぞれ連結され、中心軸31の軸心を中心として点対称に構成された同調リンク機構が設けられている。この同調リンク機構は、1対の第2リンク30、30、中間アーム32及びこれらを連結する1対の第2ピン35、35で構成されている。
【0029】
1対の第2リンク30、30はそれぞれ同形同サイズであり、一端に第1ピン15を挿入可能な挿通孔を、他端に第2ピン35を挿入可能な挿通孔を備えている。そして、これらの第2リンク30、30の一端と第1リンク16、16の一端とが、ピストンロッド13,13の先端部14、14にそれぞれ第1ピン15、15を介して互いに揺動回転自在に連結されている。
【0030】
中間アーム32は、一方向に長い板状体であり、その中間及び長手方向両端部にそれぞれ挿通孔が設けられている。両端の挿通孔のそれぞれと中間の挿通孔とは同等の芯々寸法に設定されている。中間アーム32の平面形状は、前記した3つの挿通孔間の芯々寸法が同等であれば特に限定されないが、好ましくは中間の挿通孔の中心に対して2回対称な形状とするのがよい。中間アーム32は、ケリーバ106と同心に設けられたこれとは別体の中心軸31に中間の挿通孔がはめ込まれて固定され、揺動回転するようになっている。また、中間アーム32の両端は、第2リンク30、30のそれぞれの他端と第2ピン35、35を介して互いに回転自在に連結されている。
【0031】
このような構成の同調リンク機構10は、油圧シリンダー11、11のピストンロッド13、13がキャップ側にあるとき、1対の第2リンク30、30と中間アーム32とは、
図4に示すように、中心軸31を中心として逆Z字状に配置された状態にある。この状態から、油圧シリンダー11、11の油圧系を操作してピストンロッド13、13が押し出されるにつれて、それぞれの第2リンク30、30はケーシング4の内周面に接近するように移動するとともに中間アーム32の向きも1対の回動軸18、18の中心を仮想的に結ぶ直線に重なるように近づき、1対の第2リンク16及び中間アーム35はそれぞれ回転角Rだけ揺動回転する。ピストンロッド13、13のストローク終端位置では、
図4に示すように、第2リンク30、30、第2ピン35、35及び中間アーム32はそれぞれ30’、30’、35’、35’及び32’で示す位置に配置される。それとともに、中間アーム32は1対の回動軸18、18の中心とは略一直線に並ぶようになる。
【0032】
本実施形態のカッター刃駆動装置10は、前記のような構造の同調リンク機構を備えることで、1対の油圧シリンダー11、11におけるピストンロッド13、13の出し引き力により当該出し引き量に応じて1対の回動軸18、18及びその下端に固定されたカッター刃22、22を回転角Rの範囲で連動して駆動させることが可能となる。
【0033】
(カッター刃)
次に、
図7及び
図8を参照しながら、本実施形態のカッター刃駆動装置10におけるカッター刃の実施形態について説明する。
図7はカッター刃の一実施形態を示しており、同図(a)は前進方向前面を示す図、(b)は平面図、(c)は後ろ面を示す図である。また、
図8はカッター刃の別の実施形態を示しており、
図7に示す例と同様に(a)は前進方向前面を示す図、(b)は平面図、(c)は後ろ面を示す図である。
【0034】
図7に示すカッター刃22は、カッター基部40とその外周面から突出する刃部41とから構成される。カッター基部40には、回動軸18を挿入する開口42がその中央の厚さ方向に貫通形成されている。開口42には、その内周面の2か所にキー溝43、43が対向して設けられている。このキー溝43、43と回動軸18下端部の外周面の2か所におけるキー溝(不図示)とを合わせ、それぞれにキー(不図示)が挿入されることで、カッター刃22が回動軸18に対して回転することなく回動軸18とともに揺動回転するようになっている。
【0035】
刃部41は、平面視略U字状の外形形状に形成されている。刃部41の母材には、例えばクロムモリブデン鋼(SCM435など)が用いられる。刃部41の前進方向前面及び刃部41の先端部には、
図7(a)及び(b)に示すように、複数の短円柱状の超硬チップ44、44、44、・・・が規則的に配置され、ろう付けにより母材に固定されている。特に刃先には、超硬チップ44が隙間なく配置固定されている。これにより、カッター刃22が前進し、地中障害物に確実に食い込み、これを確実に切断するように構成されている。また、刃部41の前進方向前面及び先端部における超硬チップ44がろう付けされていない部分及び後ろ面には、硬質肉盛45が形成され、刃部41の摩耗を抑制する役割を担っている。刃部41の縦断面は、複数の超硬チップ44の配置固定及び硬質肉盛の形成により、略楕円形に形成されている。このように刃部41の刃先も含め少なくとも前進方向前面に超硬チップ44、44、44、・・・が配置固定され、超硬チップ44、44、44、・・・の間に硬質肉盛45を形成することで、地中障害物を確実に切断しつつ摩耗を抑制することができるようになっている。なお、カッター刃の前進方向前面には、前記のように超硬チップを配置することなく、硬質肉盛のみを形成してもよい。
【0036】
刃部41はまた、カッター基部40の開口42に対して直角ではなく僅かに傾斜して設けられており、カッター刃22を回動軸18に取り付けた場合に、回動軸18の軸心方向に直交する方向よりも刃部41の先端が斜め下方に向くように形成されている。このように刃部41の先端を斜め下方に向けることで、地中障害物に対して直角にカッター刃を食い込ませる場合よりも破砕させ易く効率的に地中障害物を切断することができる。
【0037】
また
図8に例示するカッター刃22は、
図7に示す例と同様に、カッター基部40とその外周面から突出する刃部41とから構成されている。カッター基部40は、
図7に示す例と同様であるので、重複した説明を省略する。
【0038】
刃部41は、平面視略直方体状の外形形状に形成されている。刃部41の母材には、例えばクロムモリブデン鋼(SCM435など)が用いられる。刃部41の前進方向前面及び刃部41の先端部には、
図8(a)及び(b)に示すように、複数のいわゆるハウス型の超硬チップ46、46、46、・・・が刃部41の長さ方向に略直角に適宜の間隔にて規則的に配置され、ろう付けにより母材に固定されている。これにより、カッター刃22が前進し、地中障害物に確実に食い込み、これを確実に切断するように構成されている。また、刃部41の前進方向前面及び先端部において超硬チップ46がろう付けされていない部分及び後ろ面には、硬質肉盛47が形成され、刃部41の摩耗を抑制する役割を担っている。刃部41の縦断面は、複数の超硬チップ46の配置固定及び硬質肉盛の形成により、略直方体に形成されている。このように刃部41の少なくとも前進方向前面に超硬チップ46、46、46、・・・が配置固定されるとともに、前記のように硬質肉盛を形成することで、地中障害物を確実に切断しつつ摩耗を抑制することができるようになっている。なお、カッター刃の前進方向前面には、前記のように超硬チップを配置することなく、硬質肉盛のみを形成してもよい。
【0039】
刃部41はまた、
図7に示す例と同様に、カッター基部40の開口42に対して僅かに傾斜して設けられており、カッター刃22を回動軸18に取り付けた場合に、回動軸18の軸心方向に直交する方向よりも刃部41の先端が斜め下方に向くように形成されており、地中障害物に対して直角にカッター刃を食い込ませる場合よりも効率的に地中障害物を切断することができる。
【0040】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなくその趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能であることは勿論である。
【0041】
(地中障害物撤去方法)
本実施形態の地中障害物撤去用アタッチメント1による地中障害物撤去方法について、
図9及び
図10を参照しながら、地中障害物が既存の鉄筋コンクリート杭の場合を例にとり以下説明する。本実施形態のカッター刃駆動装置10を備えた地中障害物撤去用アタッチメント1は、
図9に示すように、
杭打機などの重機100に設けられたケリーバ106の下端に連結され、ケリーバ106の回転駆動によって回転するように構成される。そして、例えば以下に示すような地中障害物撤去MRT工法を用いた地中障害物撤去作業に用いられる。
【0042】
本実施形態の地中障害物撤去用アタッチメントを用いない一般的な地中障害物撤去MRT(Multi Removal Technology)工法は、
図9に示す重機(地中障害物撤去専用機。例えば日本車輛製造社製、型式DHJ-45)100を用い、以下の施工手順により工事が行われる。即ち、(工程1)専用機100の回転しながら上下動可能なケリーバ106の下端に下端にカッタービットを備えるケーシングを装着し、撤去対象の地中障害物に向けて当該カッタービットにより掘削を行い、ケーシングチューブを地中に設置した状態とする。地中障害物が既存杭の場合には、当該杭がケーシングチューブ内の地番に含まれるように掘削を行う。(工程2)ケリーバ106に別のアタッチメントを装着し、ケーシング内に下降させ、ケーシング掘削により生じた土砂などを排土する。(工程3)ケリーバ106の下端にさっらに別のアタッチメントを装着し、ケーシング内の地中障害物の外周を切削して縮径する。(工程4)ケリーバ106にハンマーグラブ又はグラブバケットを装着し、ケーシング内に下ろし、回転させつつ破砕しながら地中障害物の引きちぎられた上部から順次引き上げる。(工程5)上記(工程3)及び(工程4)を繰り返し、地中障害物を完全に撤去する。(工程6)その後、設置したケーシングを引き抜き、竪穴内の泥酔中の土砂の沈殿物を除去するスライム処理を行った後、良質土を用いて埋め戻しをする。
【0043】
本実施形態の地中障害物撤去用アタッチメント1を用いることにより、前記した一般的な地中障害物撤去MRT工法における各工程のうち、(工程2)~(工程5)を本実施形態の地中障害物撤去用アタッチメント1のみで行うことができ、前記したアタッチメント取替作業を不要にすることができる利点がある。
【0044】
図10(a)は、鉄筋RBを内部に配する既存の杭Pの周囲にケーシングチューブCを圧入し、その上で当該チューブC内の地表面を地中障害物撤去用アタッチメント1により掘削している状態を示している。地中障害物撤去用アタッチメント1はケリーバ10とともに回転しながら下降し、カッタービット6により杭Pの周囲の地盤の掘削が行われる。また、インナービット7、8によりケーシング4の回転下降に支障を来たさないように杭Pの外周部を切削して縮径する。
【0045】
図10(b)は、地中障害物撤去用アタッチメント1のケーシング4内に鉄筋コンクリート杭Pが収容された状態を示している。この状態で地中障害物撤去用アタッチメント1は回転したまま下降せず、カッター刃22の駆動が開始される。油圧系を操作することで、1対の油圧シリンダー11、11のピストンロッド13、13が引き出され、同調リンク機構10により1対の回動軸18、18が回動し、さらにはカッター刃22、22が同調して前進する。
【0046】
図10(c)は、こうして前進したカッター刃22、22が杭Pの上端部に食い込んだ状態を示している。地中障害物撤去用アタッチメント1は回転した状態でカッター刃22、22が杭Pに食い込み、鉄筋RBを切断することにより、杭Pの上端部は切断される。カッター刃22、22が杭Pに食い込む際に、必要に応じて油圧及び流量を調整することで、カッター刃22、22をその回転角R内の任意の位置に停止させることができる。
【0047】
杭Pが切断したことを確認したところで、主巻ウインチ103を操作してワイヤーロープ105を巻き上げ、ケリーバ106及びこれに連結された地中障害物撤去用アタッチメント1を引き上げる。これにより、杭Pの切断された上端部は地上に引き上げられ、常法により地中障害物撤去用アタッチメント1内から除去される。以上の地中障害物撤去作業を繰り返すことで、地中の杭Pを完全に撤去することが可能となる。
【0048】
以上説明したように、本発明の地中障害物撤去用アタッチメントは、前記のようにアタッチメントの回転による掘削とともに、これとは別にカッター刃駆動装置における1対の油圧シリンダによる1対のカッター刃の同調した進退により地中障害物を撤去可能である。また、本発明の地中障害物撤去用アタッチメントは、前記したように、これを地中障害物撤去MRT工法に好適に適用できる。但し、本発明の地中障害物撤去用アタッチメントは地中障害物撤去MRT工法への適用に限定されるものではなく、その他の地中障害物撤去工法にも適用可能である。
【0049】
また、本発明の地中障害物撤去用アタッチメントは、広範な地中障害物の撤去に適用可能である。そのような地中障害物として、例えば地中における既存の直接基礎、杭基礎、ケーソン基礎、鋼管矢板基礎、地中連続壁基礎の撤去などが挙げられる。特に、杭基礎については、打撃工法やバイブロハンマ工法などの打ち込み杭工法;中堀杭工法、プレボーリング杭工法、鋼管ソイルセメント杭工法などの埋め込み杭工法;回転杭工法;オールケーシング工法、リバース工法、アースドリル工法などの機械掘削工法;深礎工法などで構築された各種のコンクリート杭、鉄筋コンクリート杭、鋼管杭などの撤去に本発明の地中障害物撤去用アタッチメントを有効に活用できる。
【符号の説明】
【0050】
1・・・地中障害物撤去用アタッチメント、 2・・・連結部、 3・・・連結具(ピン)、
4・・・ケーシング、 5・・・天板(閉塞板)、 10・・・カッター刃駆動装置、 11・・・油圧シリンダー、 13・・・ピストンロッド、 14・・・ピストンロッド先端部、 15・・・第1ピン、 16・・・第1リンク、 17・・・回動軸支持部、 18・・・回動軸、 21・・・回動軸支持部、 22・・・カッター刃、 30・・・第2リンク、 31・・・中心軸、 32・・・中間アーム、 35・・・第2ピン、 38・・・締結具、 40・・・カッター基部、 41・・・刃部、 44・・・超硬チップ、 45・・・硬質肉盛
【要約】 (修正有)
【課題】付帯設備を不要とし小型の地中障害物撤去用アタッチメント内で、杭などの地中障害物を簡便かつ確実に撤去することができるカッター刃駆動装置を提供する。
【解決手段】カッター刃駆動装置10は、回転駆動するケリーバの下端にケリーバの軸心周りに回転可能に連結されたケーシング4を有する地中障害物撤去用アタッチメント1内で、ケリーバと同心に配置されたケリーバとは別体の中心軸の軸心を対称の中心として点対称に、かつ互いに反対向きに設けられた1対の油圧シリンダー11のピストンロッド13の出し引きによりケーシング4の内周面に沿ってケーシング4の長さ方向に延びる1対の回動軸18の下端にそれぞれ取り付けられ、ケーシング4の切り欠き部に収容されたカッター刃22を揺動回転させるものであり、カッター刃22を中心軸の軸心を中心として点対称に構成された同調リンク機構によって同調させる。
【選択図】
図1