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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-27
(45)【発行日】2022-08-04
(54)【発明の名称】紙ロール交換装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 19/12 20060101AFI20220728BHJP
【FI】
B65H19/12 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021074120
(22)【出願日】2021-04-26
【審査請求日】2021-04-27
(31)【優先権主張番号】110108610
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】506069527
【氏名又は名称】全利機械股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】蔡東義
【審査官】土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111056345(CN,A)
【文献】登録実用新案第3086808(JP,U)
【文献】実公昭62-019638(JP,Y2)
【文献】特許第2793960(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙ロール交換装置であって、
傾斜アーム及びクランプ組立体を含む紙供給機構であって、前記傾斜アームは、自由端、及び機械枠に固定される配置端部を有し、凹部は、第1の紙ロールを中に受け、支持するように前記配置端部上に形成される、紙供給機構と、
第2のロール・ハンガ組立体であって、前記第2のロール・ハンガ組立体は、前記紙供給機構の上の位置に配置され、紙供給機構から垂直方向で離間し、前記第2のロール・ハンガ組立体上で第2の紙ロールを受け、支持する第2の紙ロール・ハンガを含む、第2のロール・ハンガ組立体と、
摺動レールであって、前記摺動レールは、前記紙供給機構と前記第2のロール・ハンガ組立体との間に垂直方向で配置され、送り位置は、前記紙供給機構に隣接する前記摺動レールの底端部に画成され、回収位置は、前記第2のロール・ハンガ組立体に隣接する前記摺動レールの上端部に画成され、待機位置は、前記送り位置と前記回収位置との間に画成される、摺動レールと、
前記摺動レールに移動可能に取り付けられ、上昇ハンガを含む上昇組立体と、
駆動組立体であって、前記駆動組立体は、前記上昇組立体に結合され、前記上昇組立体を駆動し、前記送り位置、前記回収位置及び前記待機位置のうち1つに摺動レールに沿って垂直方向で上下移動させるように動作可能である、駆動組立体と、を備え、
前記上昇組立体は、前記駆動組立体によって駆動され、前記第2のロール・ハンガ組立体から前記第2の紙ロールを回収する前記回収位置に到達し、次に、前記摺動レールに沿って前記待機位置まで移動し
記紙供給機構の前記クランプ組立体の排出部は、前記第1の紙ロールを前記凹部から排出、押し出し、次に、前記上昇組立体は、前記待機位置から前記送り位置まで前記摺動レールに沿って下方に移動し、前記第2の紙ロールを前記傾斜アームの前記凹部内に置くことを特徴とする、
装置。
【請求項2】
前記傾斜アームの前記自由端は、収集位置を画成し、前記収集位置は、前記クランプ組立体によって前記傾斜アームの前記凹部から排出され、押し出された前記第1の紙ロールを受け、保持することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記クランプ組立体は、クランプ軸によって、前記凹部付近の場所で前記傾斜アームに結合され、前記クランプ組立体は、クランプ駆動器によって、前記クランプ軸が画成する回転中心回りに回転駆動可能であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第2の紙ロール・ハンガは、第2の紙ロール・ハンガ軸によって前記機械枠に結合され、前記第2の紙ロール・ハンガは、第2の紙ロール・ハンガ駆動器によって、前記第2の紙ロール・ハンガ軸が画成する回転中心回りに回転駆動可能であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記上昇組立体は、摺動ブロックを備え、前記上昇ハンガは、上昇ハンガ軸によって前記摺動ブロックに結合され、前記摺動ブロックは、前記駆動組立体によって、前記回収位置、前記待機位置及び前記送り位置のうち1つに垂直方向で前記摺動レールに沿って移動するように駆動可能であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記上昇組立体は、前記上昇ハンガに結合する上昇ハンガ駆動器を更に備え、前記上昇ハンガは、前記上昇ハンガ駆動器によって、前記上昇ハンガ軸が画成する回転中心回りに前記上昇ハンガをある角度だけ回転駆動可能であることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記駆動組立体は、前記摺動ブロック内に形成したねじ案内孔と螺合状態にあるねじ棒と、前記ねじ棒に結合され、前記ねじ棒を回転駆動させ、前記摺動ブロックを前記摺動レールに沿って垂直方向で移動させるねじ棒駆動ユニットと、を備えることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記凹部が画成する回転中心回りに前記第1の紙ロールを回転駆動するように動作可能である紙ロール回転機構を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記紙ロール回転機構は、軸及び持ち上げ端部を含む持ち上げラックと、前記持ち上げ枠の軸に結合されたベルト・モータと、前記持ち上げ枠の前記持ち上げ端部に結合された案内ローラと、前記案内ローラと前記ベルト・モータとの間に配置されたベルトであって、前記第1の紙ロールの紙ロール面と接触係合状態にあるベルトと、を備え、前記ベルトは、前記第1の紙ロールを回転駆動するように、前記ベルト・モータによって回転駆動可能であることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記紙ロール回転機構は、持ち上げ駆動器を更に備え、前記持ち上げ駆動器は、前記持ち上げラックに結合され、前記軸が画成する回転中心回りに前記持ち上げラックを回転駆動し、前記持ち上げラックの前記持ち上げ端部を持ち上げ、前記ベルトと前記第1の紙ロールの前記紙ロール面とを接触係合状態にすることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙ロール供給機構に関し、より詳細には、まさに使い切ろうとしている稼働中の紙ロールを、紙ロール供給機構内の新しい紙ロールと交換する紙ロール交換機構に関する。
【背景技術】
【0002】
ロール材料供給工程において、紙ロール、紙タオル及び布ロール等の円筒形形状のロール材料は、後続の加工機器に支障なく供給されなければならない。既存の技術では、ロール材料供給機構は、円筒形材料ロールからの材料を送るため、円筒形材料ロールを受け、運搬するように、加工機器の前に設置される。
【0003】
円筒形紙ロールの構造は、薄い一枚の紙を管又はコアの周囲に一層ずつ巻回し、所定の直径の円筒形紙ロールを形成させたようなものである。紙を送るには、管を回転中心とする状態で円筒形紙ロールを回転させ、紙の端部を後続の加工機器に案内する。
【0004】
既存の技術では、紙ロールを使い切った後、新しい紙ロールと交換して材料の送りを継続するには、人の介入を必要とする。円筒形紙ロールからの材料の送りを中断させないことを保証し、又はロール交換時間を短縮するため、ロール交換装置が利用される。既存のロール交換機構において、揺動アーム構造体又は空気圧シリンダにより駆動されるロール切り替え機構が使用される。
【0005】
例えば、中国特許第CN111056345号は、2つの運搬器を伴うロール交換方法を提案しており、2つの運搬器は、それぞれ、揺動アーム構造体と協働して動作するように左側及び右側に設置される。揺動アームの構成のために、紙ロールの運搬経路は、全体に円弧形状であり、このため、紙ロールの安定性を保証することが困難である場合がある。
【0006】
更に、公知の揺動アーム構造体及び空気圧シリンダにより駆動される紙ロール構造体には、機構が複雑であり、揺動アームが揺動のための大きな空間を必要とするという欠点がある。紙ロールの直径が大きい場合、揺動アームを延長する必要があり、そのような条件下では、高さ及び長さの両方を引き伸ばす必要がある。揺動アームが揺動するための空間が必要であるため、無駄な空間があり、更に、揺動アームは、長さが増大すると剛性が低下し、更に、液圧シリンダ又は空気圧シリンダの出力電力を増大させる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】中国特許第CN111056345号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記に鑑みて、本発明の主な目的は、紙ロールの交換に、簡略化した機構の構成及び容易な動作を利用する、紙ロール交換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために本発明によって採られる技術的解決策は、傾斜アーム及びクランプ組立体を含む紙供給機構であって、傾斜アームは、自由端及び機械の枠に固定された配置端部を有し、凹部は、第1の紙ロールを中に受け、保持するように配置端部上に形成される、紙供給機構と、紙供給機構の上の位置に配置され、紙供給機構から垂直方向で離間する第2のロール・ハンガ組立体であって、第2の紙ロールを中に受け、支持する第2の紙ロール・ハンガを含む、第2のロール・ハンガ組立体と、紙供給機構と第2のロール・ハンガ組立体との間に垂直方向で配置された摺動レールであって、送り位置は、紙供給機構に隣接する摺動レールの底端部に画成され、回収位置は、第2のロール・ハンガ組立体に隣接する摺動レールの上端部に画成され、待機位置は、送り位置と回収位置との間に画成される、摺動レールと、摺動レールに移動可能に取り付けられ、上昇ハンガを含む上昇組立体と、駆動組立体とを備え、駆動組立体は、上昇組立体に結合され、上昇組立体を駆動し、送り位置、回収位置及び待機位置のうち1つに摺動レールに沿って垂直方向で上下移動させるように動作可能である。
【0010】
好ましくは、傾斜アームの自由端は、収集位置を画成し、クランプ組立体によって傾斜アームの凹部から排出され、押し出された第1の紙ロールを受け、保持する。
【0011】
好ましくは、クランプ組立体は、クランプ軸によって、凹部付近の場所で傾斜アームに結合され、クランプ組立体は、クランプ駆動器によって、クランプ軸が画成する回転中心回りに回転駆動可能である。
【0012】
好ましくは、第2の紙ロール・ハンガは、第2の紙ロール・ハンガ軸によって機械枠に結合され、第2の紙ロール・ハンガは、第2の紙ロール・ハンガ駆動器によって、第2の紙ロール・ハンガ軸が画成する回転中心回りに回転駆動可能である。
【0013】
好ましくは、上昇組立体は、摺動ブロックを備え、上昇ハンガは、上昇ハンガ軸によって摺動ブロックに結合され、摺動ブロックは、駆動組立体によって、回収位置、待機位置及び送り位置のうち1つに摺動レールに沿って垂直方向で移動するように駆動可能である。
【0014】
好ましくは、上昇組立体は、上昇ハンガに結合する上昇ハンガ駆動器を備え、上昇ハンガは、上昇ハンガ駆動器によって、上昇ハンガ軸が画成する回転中心回りに上昇ハンガをある角度だけ回転駆動可能である。
【0015】
好ましくは、駆動組立体は、摺動ブロック内に形成したねじ案内孔と螺合状態にあるねじ棒と、ねじ棒に結合され、ねじ棒を回転駆動し、垂直方向で摺動レールに沿って摺動ブロックを移動させるねじ棒駆動ユニットとを備える。
【0016】
好ましくは、紙ロール回転機構は、凹部が画成する回転中心回りに第1の紙ロールを回転駆動させるように動作可能である。
【0017】
好ましくは、紙ロール回転機構は、軸及び持ち上げ端部を含む持ち上げラックと、持ち上げ枠の軸に結合したベルト・モータと、持ち上げ枠の持ち上げ端部に結合した案内ローラと、案内ローラとベルト・モータとの間に配置したベルトとを備え、ベルトは、第1の紙ロールの紙ロール面と接触係合状態にあり、ベルトは、ベルト・モータによって、第1の紙ロールを回転させるように回転駆動可能である。
【0018】
好ましくは、紙ロール回転機構は、持ち上げ駆動器を更に備え、持ち上げ駆動器は、持ち上げラックに結合され、軸が画成する回転中心回りに持ち上げラックを回転駆動し、持ち上げラックの持ち上げ端部を持ち上げ、ベルトと第1の紙ロールの紙ロール面とを接触係合状態にする。
【0019】
本発明は、単純な交換機構を利用することによって、紙ロール交換機能を実現し、以下の効果を有する。
(1)揺動アーム及び空気圧シリンダの駆動に基づく従来技術は、複雑な構造を伴い、揺動アームの揺動のために大きな空間を必要とし、空間の無駄をもたらし、揺動アームの長さを増大させると揺動アームの剛性が低下し、空気圧シリンダの出力電力を増大させる必要があるが、これらの従来技術の欠点を効果的に緩和することができる。
(2)従来技術の揺動アームをベースとするデバイスは、円弧紙ロール移動経路を必要とする揺動アームを伴い、移動工程中、安定性を保証することが困難である。本発明は、垂直移動構成を利用し、これにより、紙ロールが前後に振動又は揺動するのを防止し、機構をより安定した状態で保持するようにする。
(3)本発明は、ねじ棒をベースとする伝達により実施され、余分な床面積及び空間を必要とせず、十分な垂直高さのみを必要とする。
(4)本発明は、紙ロールを一時的に保持する空間をもたらす構成を提供し、古い紙ロール(即ち、使用中の紙ロール)及び新しい紙ロール(即ち、待機状態の紙ロール)を、垂直方向で配置した機械上に同時に置くことを可能にし、床上の保管空間を低減できるようにする。
(5)本発明は、ハンガを有する上昇組立体を含み、ハンガは、軸によって配置され、駆動器によってハンガを到達、後退させるように駆動可能であり、このような機構は、単純で安定している。
(6)従来技術は、紙ロールを水平移動で移動させるように動作され、この水平移動は、摺動レールのベースの機構により実行される。しかし、紙ロールは、水平摺動レールに対して横向きの力として作用するかなりの重力を有し、このため、摺動レール及び摺動ブロックに容易に損害を与える可能性がある。本発明は、上昇ハンガ移動構成を利用し、公知の水平移動構成に取って代わり、紙ロールの重力をハンガによって支持し、重力が発生させるトルクをパワー・シリンダよって支持し、構造が安定するようにする。
(7)本発明は、固定ハンガ構成を伴い、固定ハンガ構成は、新しい紙ロールに一時的な保管をもたらし、オペレータの待機時間を短縮するのを助ける。
(8)本発明は、紙供給機構内に設けられる軸クランプを含む。そのような軸クランプは、駆動器と組み合わせられ、簡略化した機構をもたらし、この機構は、紙ロールの軸を所定の位置に保持する動作、及び紙供給機構の凹部から紙ロールの軸を選択的に排出し、押し出す動作を実行するのに十分に動作可能である。
(9)本発明は、紙ロールを使い切った後、単純な制御デバイスと協働して、自動交換動作の実行を可能にする構成を提供するものであり、オペレータは、古い紙ロールを使い切る前に新しい紙ロールを固定ハンガ上に置くだけでよい。新しい紙ロールは、上昇ハンガ上で既に待機状態にあるため、古い紙ロールを使い切り、取り外されると、新しい紙ロールは、紙供給機構内に直ちに降下し、古い紙ロールから継続することができ、これにより、紙ロール交換中、紙ロールを吊るすのに必要な時間を大幅に削減し、動作性能を大幅に向上させる。
【0020】
本発明は、トイレット・ペーパーのロール、紙タオル及び布ロール等の円筒形ロール製品に適用可能であり、材料の送りを最良の性能に到達させることを可能にする。
【0021】
本発明内で利用される特有の技術的解決策を、以下の実施形態及び添付の図面に関してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明による紙ロール交換装置を示す斜視図である。
図2】本発明による紙ロール交換装置を示す正面図である。
図3】本発明による紙ロール交換装置を示す側面図である。
図4】本発明による紙ロール交換装置を示す側面図であり、紙ロール交換装置は、第1の紙ロール及び第2の紙ロールを運搬、支持する。
図5】本発明による紙ロール交換装置の関連する構成要素の組合せ関係を部分的に示す断面図である。
図6A】本発明による紙ロール交換工程を示す概略図である。
図6B】本発明による紙ロール交換工程を示す概略図である。
図6C】本発明による紙ロール交換工程を示す概略図である。
図6D】本発明による紙ロール交換工程を示す概略図である。
図6E】本発明による紙ロール交換工程を示す概略図である。
図6F】本発明による紙ロール交換工程を示す概略図である。
図6G】本発明による紙ロール交換工程を示す概略図である。
図6H】本発明による紙ロール交換工程を示す概略図である。
図6I】本発明による紙ロール交換工程を示す概略図である。
図6J】本発明による紙ロール交換工程を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1図3を参照する。本発明による紙ロール交換装置100は、概して、紙供給機構1と、第2のロール・ハンガ組立体2と、摺動レール3と、上昇組立体4と、駆動組立体5と、紙ロール回転機構6とを備える。紙供給機構1は、第1の紙ロールA1を運搬、支持し、第2のロール・ハンガ組立体2は、第2の紙ロールA2を運搬、支持する。
【0024】
紙供給機構1は、左右が対応する形態で配置された機械枠10と、機械枠10に結合した一対の傾斜アーム11とを備える。傾斜アーム11のそれぞれは、その右側に配置端部を有し、配置端部は、機械枠10に固定され、凹部111と共に形成され、第1の紙ロールA1の第1のリール・コアA11を受け、保持し、支持する。傾斜アーム11は、その左側に自由端を有し、自由端は、収集位置112を画成する長さで延在する。
【0025】
クランプ組立体12は、クランプ軸121を備え、クランプ軸121は、凹部111付近の場所で傾斜アーム11に結合される。クランプ組立体12は、クランプ組立体12から突出する排出部122を備え、クランプ駆動器13に結合される。クランプ駆動器13は、例えば、液圧シリンダ、空気圧シリンダ、又はあらゆる他の等価な駆動デバイスとし得る。
【0026】
図4を参照する。第2のロール・ハンガ組立体2は、紙供給機構1に対応する場所で、紙供給機構1の上に配置され、第2のロール・ハンガ組立体2及び紙供給機構1が垂直方向、高さ方向で互いに離間するようにする。第2のロール・ハンガ組立体2は、第2の紙ロール・ハンガ21と、第2の紙ロール・ハンガ駆動器22とを備える。第2の紙ロール・ハンガ21は、第2の紙ロール・ハンガ軸211によって、機械枠10に結合される。
第2の紙ロール・ハンガ駆動器22は、例えば、液圧シリンダ、空気圧シリンダ、又はあらゆる他の等価な駆動デバイスとし得る。ゴム・パッド212は、紙ロールを吊り下げ、置く間、望ましくない衝突によって構造が損傷する危険性が生じるのを低減するように、第2の紙ロール・ハンガ21が取り付けられる部位に設けられる。
【0027】
図5は、本発明による紙ロール交換装置の関連する構成要素の組合せ関係を部分的に示す断面図である。摺動レール3は、紙供給機構1と第2のロール・ハンガ組立体2との間に配置される。送り位置P1は、紙供給機構1に隣接する摺動レール3の底端部に画成され、回収位置P2は、第2のロール・ハンガ組立体2に隣接する摺動レール3の上端部に画成され、待機位置P3は、送り位置P1と回収位置P2との間に画成される。
【0028】
上昇組立体4は、摺動レール3に移動可能に結合される。上昇組立体4は、摺動ブロック41と、上昇ハンガ42と、上昇ハンガ駆動器43とを備える。上昇ハンガ42は、上昇ハンガ軸421によって摺動ブロック41に結合される。上昇ハンガ駆動器43は、例えば、液圧シリンダ、空気圧シリンダ、又はあらゆる他の等価な駆動デバイスとし得る。
【0029】
駆動組立体5は、上昇組立体4に結合され、上昇組立体4を駆動し、回収位置P2、待機位置P3及び送り位置P1のうち1つに垂直方向M1で摺動レール3に沿って移動させる。
【0030】
駆動組立体5は、ねじ棒51とねじ棒駆動ユニット52とを備える。ねじ棒51は、(図1に示す)摺動ブロック41内に形成したねじ案内孔411と螺合状態にある。ねじ棒51が、ねじ棒駆動ユニット52によって駆動され回転している際、摺動ブロック41は、摺動レール3に沿って垂直方向M1で上下する。
【0031】
紙ロール回転機構6は、紙供給機構1の下の場所に配置され、凹部111が画成した回転中心回りに第1の紙ロールA1を駆動回転させる、又は第1の紙ロールA1の軸を凹部内で回転させる。紙ロール回転機構6は、持ち上げラック61を備え、持ち上げラック61は、軸611と持ち上げ端部612とを有する。ベルト・モータ62は、軸611に結合される。案内ローラ63は、持ち上げ端部612に結合される。ベルト64は、ベルト・モータ62と案内ローラ63との間に配置される。ベルト64は、ベルト・モータ62によって回転駆動される。
【0032】
持ち上げラック61は、持ち上げ駆動器65に結合され、持ち上げ駆動器65によって、軸611が画成する回転中心回りに、ある持ち上げ角度で回転駆動され、ベルト64と第1の紙ロールA1の紙ロール面A12との接触を保持するようにし、これにより、第1の紙ロールA1を時計回りに回転駆動させる。
【0033】
図6A図6Jは、本発明による紙ロール交換工程を示す概略図である。構成要素の構造及びそのような構成要素の間の関係を明白に示すため、第1の紙ロールA1及び第2の紙ロールA2は、これら図面のそれぞれにおいて、想像線で輪郭が描かれる。
図6Aに示すように、紙供給機構1と第2のロール・ハンガ組立体2との間の高さ方向の距離は、同一直径の2つの紙ロール、即ち、第1の紙ロールA1及び第2の紙ロールA2を収容するのに十分である。第1の紙ロールA1は、紙ロール回転機構6によって回転駆動され、後続の加工機器(図示せず)に向かって送られる。第1の紙ロールA1から紙を送る工程の間、オペレータは、手作業又は自動作業で、第2の紙ロールA2を第2のロール・ハンガ組立体2の第2の紙ロール・ハンガ21上に吊り下げ、置くことができる。
【0034】
紙を送り出した第1の紙ロールA1が所定の直径に達すると(図6B)、制御デバイス(図示せず)の検出、制御を通じて、駆動組立体5は、上昇組立体4を駆動し、摺動レール3に沿って、回収位置P2まで上方に移動させ(図6C)、第2のロール・ハンガ組立体2上に吊り下げられた第2の紙ロールA2をある高さで持ち上げる。
次に、第2の紙ロール・ハンガ21は、第2の紙ロール・ハンガ駆動器22によって駆動され、反時計回り方向で後向きに後退し(図6D)、第2の紙ロールA2を上昇ハンガ42に送出、搬送し、これにより、上昇組立体4は、第2の紙ロールA2を摺動レール3に沿って待機位置P3まで降下させることができる(図6E)。
【0035】
第1の紙ロールA1を完全に使い切ると、紙ロール回転機構6のベルト64は、減速し、持ち上げラック61は、持ち上げ駆動器65によって駆動され、反時計回り方向に移動し、水平位置に戻る(図6F)。
【0036】
その後、クランプ駆動器13は、クランプ軸121が画成する回転中心回りに、時計回り方向でクランプ組立体12をある角度だけ回転駆動させ(図6G)、これにより、クランプ組立体12の排出部122は、第1の紙ロールA1の第1のリール・コアA11を上方傾斜方向で押し出し、排出する。したがって、第1のリール・コアA11は、傾斜アーム11の凹部111から出て、傾斜アーム11に沿って転動し、収集位置112に到達し、後の収集のために収集位置112で一時的に保管される。
【0037】
第1の紙ロールA1が後退し、外れると、上昇組立体4は、送り位置P1に降下し(図6H)、第2の紙ロールA2の第2のリール・コアA21は、傾斜アーム11の凹部111に移動し、置かれ、凹部111内に支持され、次に、クランプ駆動器13は、クランプ組立体12を駆動し、第2の紙ロールA2の第2のリール・コアA21を押し下げ、保持し、第2の紙ロールA2を所定の位置に、離れないように保持する。
【0038】
第2の紙ロールA2が傾斜アーム11の凹部111内に置かれると、上昇組立体4の上昇ハンガ42は、上昇ハンガ駆動器43によって、上昇ハンガ軸421が画成する回転中心回りに、ある角度で後退位置まで反時計回りで回転駆動され(図6I)、紙供給機構1への第2の紙ロールA2の搬送動作を完了する。その後、上昇組立体4は、上昇し、待機位置P3に戻り(図6J)、ロール交換動作を完了する。
【0039】
ロール交換動作が完了した後、第2の紙ロールA2は、紙ロール回転機構6のベルト64によって、紙を送るように駆動される。最後に、オペレータは、次のロール交換動作のため、新しい紙ロールを第2の紙ロール・ハンガ21上に吊り下げ、置くことができる。
【0040】
上記で説明した実施形態は、本発明を例示する目的で提供するにすぎず、本発明の実施形態の範囲を制限することを意図しない。本発明の趣旨内にある同等の修正形態及び代替形態は、添付の特許請求の範囲内で規定される本発明の範囲内にあるとみなされる。
【要約】      (修正有)
【課題】紙ロールの交換に、簡略化した機構の構成及び容易な動作を利用する、紙ロール交換装置を提供する。
【解決手段】紙ロール交換装置100は、傾斜アーム11及びクランプ組立体12を含み、第1の紙ロールを受け、保持する紙供給機構1と、紙供給機構の上に配置され、第2の紙ロールを受け、保持する第2のロール・ハンガ組立体2と、紙供給機構と第2のロール・ハンガ組立体との間に配置される摺動レール3と、摺動レールに移動可能に取り付けられる上昇組立体4と、上昇組立体を駆動し、摺動レールに沿って移動させる駆動組立体5とを含む。上昇組立体は、第2のロール・ハンガ組立体から第2の紙ロールを回収する。第1の紙ロールを第2の紙ロールと交換するには、クランプ組立体は、第1の紙ロールを紙供給機構から押し出し、上昇組立体は、摺動レールに沿って降下し、第2の紙ロールを紙供給機構内に置く。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図6I
図6J