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特許7112850ディスペンサのノズルを検査及び洗浄するためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-27
(45)【発行日】2022-08-04
(54)【発明の名称】ディスペンサのノズルを検査及び洗浄するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B05C 11/10 20060101AFI20220728BHJP
   G01N 21/88 20060101ALI20220728BHJP
   G01N 21/95 20060101ALI20220728BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20220728BHJP
【FI】
B05C11/10
G01N21/88 Z
G01N21/95 Z
B05C5/00 101
【請求項の数】 34
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018012400
(22)【出願日】2018-01-29
(65)【公開番号】P2018153800
(43)【公開日】2018-10-04
【審査請求日】2021-01-27
(31)【優先権主張番号】62/451,356
(32)【優先日】2017-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/871,977
(32)【優先日】2018-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391019120
【氏名又は名称】ノードソン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ シー ネルソン
(72)【発明者】
【氏名】ジェレッド ウィルバーン
(72)【発明者】
【氏名】アラン アール ルイス
【審査官】松浦 裕介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/090038(WO,A2)
【文献】登録実用新案第3072441(JP,U)
【文献】特開2010-142564(JP,A)
【文献】特開平11-010051(JP,A)
【文献】特開2009-066487(JP,A)
【文献】特開2010-188707(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0071487(KR,A)
【文献】特開2010-279932(JP,A)
【文献】特開2010-069378(JP,A)
【文献】特開2009-106865(JP,A)
【文献】特開平03-138361(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101905205(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC B05B 12/16 - 12/36
B05B 14/00 - 16/80
B05C 5/00 - 21/00
B41J 2/01
B41J 2/165 - 2/20
B41J 2/21 - 2/215
G01N 21/84 - 21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスペンサのノズルを洗浄するシステムであって、
ノズルを有するディスペンサと、
プラットフォームと、
前記プラットフォームによって支持された洗浄基質と、
を備え、
前記洗浄基質は、裏打ち材から伸びる複数のフック構造を有しており、
前記複数のフック構造は、前記ノズルから材料を除去するように構成されており、
前記フック構造は、当該フック構造と前記裏打ち材との間に前記材料の少なくとも幾らかを捕捉するように構成されている
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記フック構造は、ナイロンまたはポリエステルを含んでいる
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
ディスペンサのノズルを洗浄するシステムであって、
前記システムは、
プラットフォームと、
前記プラットフォームによって支持された洗浄基質と、
を備え、
前記洗浄基質は、裏打ち材から伸びる複数のフック構造を有しており、
当該システムは、
前記複数のフック構造を用いて前記ノズルから材料を除去するべく前記ノズル及び前記洗浄基質のうちの少なくとも一方を前記ノズル及び前記洗浄基質のうちの他方に対して移動するための1または複数の信号を生成するように構成された制御部
を更に備えたことを特徴とするシステム。
【請求項4】
前記制御部は、更に、
前記洗浄基質の第1部分に対して前記ノズルを移動し、
前記洗浄基質の前記第1部分とは異なる第2部分に対して前記ノズルを移動し、
前記ノズルが前記洗浄基質の前記第1及び第2部分に対して移動された回数に基づく指標を生成し、
前記指標が所定値以上であることに基づいて前記洗浄基質の製品寿命の終了を提示する
ための1または複数の信号を生成するように構成されている
ことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記プラットフォームによって支持され、前記洗浄基質を受容する容器と、
前記容器内において、前記フック構造を少なくとも部分的に覆う洗浄溶剤と、
前記容器を覆う蓋部と、
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記洗浄溶剤は、エトキシ化アルコールを含む
ことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記洗浄溶剤のレベルを検出し、
前記検出されたレベルを所定の閾値と比較し、
前記検出されたレベルが前記所定の閾値未満であることに応じて、洗浄溶液を前記容器に追加するための信号を生成する
ように構成されたレベル制御システム
を更に備えたことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記蓋部の下方の前記容器内に前記洗浄基質を取り外し可能に固定するように構成された支持部
を更に備えたことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記ノズルから前記洗浄溶剤を除去するように構成された乾燥基質
を更に備えたことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
前記乾燥基質は、前記蓋部の外側面上に位置決めされている
ことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記乾燥基質は、繊維またはスポンジを有している
ことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
ディスペンサのノズルを洗浄するシステムであって、
前記システムは、
プラットフォームと、
前記プラットフォームによって支持された洗浄基質と、
を備え、
前記洗浄基質は、裏打ち材から伸びる複数のフック構造を有しており、
前記複数のフック構造は、前記ノズルから材料を除去するように構成されており、
当該システムは、
前記プラットフォームに関連付けられたカメラ
を更に備え、
前記カメラは、前記ノズルの画像を捕捉するように構成されている
ことを特徴とするシステム。
【請求項13】
前記カメラは、前記ノズルの開口の画像を捕捉するように構成されている
ことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記カメラに関連付けられたミラー
を更に備え、
前記ミラーは、前記プラットフォームに対して角度付けられており、前記ノズルの前記開口の前記画像を前記カメラに向けて反射するように構成されている
ことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記カメラ及び前記ミラーは、前記プラットフォームの下方に位置決めされている
ことを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記ノズルから流体または粘性材料をディスペンスし、
前記ノズルの画像を捕捉するように前記カメラを起動させ、
前記画像を処理して値を生成し、
前記値を利用して前記ノズルが洗浄されるべきか否かを判定し、
前記ノズルが洗浄されるべき場合、前記複数のフック構造を用いて前記ノズルから前記材料を除去するべく前記ノズル及び前記洗浄基質のうちの少なくとも一方を前記ノズル及び前記洗浄基質のうちの他方に対して移動するための1または複数の信号を生成する
ように構成された制御部
を更に備えたことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
ディスペンサのノズルを洗浄するシステムであって、
前記システムは、
プラットフォームと、
前記プラットフォームによって支持された洗浄基質と、
を備え、
前記洗浄基質は、裏打ち材から伸びる複数のフック構造を有しており、
当該システムは、
較正ステーション、タッチセンサステーション、パージステーション及び重量測定ステーションうちの少なくとも1つ
を更に備えたことを特徴とするシステム。
【請求項18】
ディスペンサのノズルを洗浄する方法であって、
裏打ち材から伸びる複数のフック構造を有する洗浄基質を提供する工程と、
前記複数のフック構造で前記ノズルの外面から材料を除去するべく前記ノズル及び前記洗浄基質の少なくとも一方を前記ノズル及び前記洗浄基質のうちの他方に対して移動する工程と、
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項19】
前記ノズルと前記洗浄基質との少なくとも一方を移動する工程は、
前記洗浄基質に対して第1方向に前記ノズルを移動する工程と、
前記洗浄基質に対して前記第1方向とは異なる第2方向に前記ノズルを移動する工程と、
を有する
ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ノズルと前記洗浄基質との少なくとも一方を移動する工程は、
直線パターン、ジグザグパターン、矩形パターン、正方形パターン、楕円形パターン、及び、円形パターンのうちの少なくとも1つに従って、前記洗浄基質に対して前記ノズルを移動する工程
を含む
ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記洗浄基質と、少なくとも部分的に前記フック構造を覆う洗浄溶剤と、を受容する容器の蓋部を開放する工程と、
前記洗浄溶剤及び前記洗浄基質と接触するように前記ノズルを移動する工程と、
前記容器から前記ノズルを取り出す工程と、
前記容器の前記蓋部を閉じる工程と、
を更に備えたことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記ノズルから前記洗浄溶剤を除去するための乾燥基質と接触するように前記ノズルを移動する工程
を更に備えたことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記洗浄溶剤のレベルを検出する工程と、
前記検出されたレベルを所定の閾値と比較する工程と、
前記検出されたレベルが前記所定の閾値未満であることに基づいて、洗浄溶液を前記容器に追加するための信号を生成する工程と、
を更に備えたことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記ノズルをカメラの近傍に移動する工程と、
前記カメラを用いて前記ノズルの画像を捕捉する工程と、
前記画像を処理して、前記ノズル上の材料の量に基づく値を生成する工程と、
前記値が所定値に対する範囲内であるか否かを判定する工程と、
を更に備え、
前記ノズル及び前記洗浄基質の少なくとも一方を移動する工程は、前記値が前記範囲内であることに応じて行われる
ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記ノズル及び前記洗浄基質の少なくとも一方を他方に対して移動する前記工程の後に、前記ノズルを前記カメラの近傍に移動する工程と、
前記カメラを用いて前記ノズルの第2の画像を捕捉する工程と、
前記第2の画像を処理して、前記ノズル上の材料の量に基づく第2の値を生成する工程と、
前記第2の値が前記範囲内であるか否かを判定する工程と、
前記第2の値が前記範囲内でないことに基づいて、前記ノズル及び前記洗浄基質の少なくとも一方を前記ノズル及び前記洗浄基質のうちの他方に対して移動する工程と、
を更に備えたことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記値が前記範囲内である場合に、前記ノズルを起動して流体または粘性材料をディスペンスする工程
を更に備えたことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記洗浄基質の第1部分に対して前記ノズルを移動する工程と、
前記洗浄基質の前記第1部分とは異なる第2部分に対して前記ノズルを移動する工程と、
前記ノズルが前記洗浄基質の前記第1及び第2部分に対して移動された回数に基づく指標を生成する工程と、
前記指標が所定値以上であることに基づいて前記洗浄基質の製品寿命の終了を提示する工程と、
を更に備えたことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項28】
前記ノズルが前記洗浄基質に対して移動された合計回数を判定する工程と、
前記合計回数が所定数以上であることを判定する工程と、
前記合計回数が前記所定数以上であるという判定に応じて、前記洗浄基質の製品寿命の終了を提示する工程と、
を更に備えたことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項29】
印刷回路基板上に共形の被覆材をディスペンスする工程
を更に備えたことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項30】
第2ノズルに対して前記洗浄基質に向けて前記ノズルを移動する工程
を更に備えたことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項31】
前記ノズル及び前記洗浄基質の少なくとも一方を前記ノズル及び前記洗浄基質のうちの他方に対して移動する前記工程は、前記洗浄基質に対して前記第2ノズルと共に前記ノズルを移動する工程を含む
ことを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記フック構造は、剛性である
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項33】
前記ノズルを有する前記ディスペンサ
を更に備えたことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項34】
前記フック構造と前記裏打ち材との間に前記材料を捕捉する工程
を更に備えたことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年1月27日出願の米国特許仮出願第62/451,356の優先権を主張するものである。当該仮出願は、その全体の内容が、当該参照によって本明細書に組み込まれる(incorporated by reference)。
【0002】
本発明は、全体として、ディスペンサのノズルを取り扱うシステム及び方法に関しており、特には、複数のフック構造を有する洗浄基質を用いてディスペンシングノズルを検査及び洗浄するシステム及び方法に関している。
【背景技術】
【0003】
噴射技術におけるディスペンシングプロセスは、ノズルの外面上に材料が過剰に集積することによって、無効化され得る。当該過剰の集積は、流体や粘性材料のディスペンシングを阻害し得て、ディスペンシング装備の製品寿命を短縮化し得る。メンテナンスは、しばしば、製造サイクルをオペレータが定期的に停止させて、過剰な集積が生じていないことを確認するべく複数のノズルを手動で検査する、ということを要求する。しかしながら、ノズルのサイズが小さいために手動の検査及び洗浄は困難であり得るし、ノズルは典型的にはミラーを用いなければ見ることができず、更にオペレータはしばしば複数のディスペンシング機械を任される。
【0004】
更に、ディスペンサを洗浄するために現在適用されている洗浄基質が、しばしば有効でない。例えば、繊維及びスポンジは、十分なスクラビングを提供しない場合があるし、流体や粘性材料がそれらの孔をすぐに閉塞させてしまうため、持続性も不十分である。また、繊維及びスポンジは、剪断されてしまうことがあり、このことは、クリーンリームの環境にとって不適である。ブラシは、別の可能性ある洗浄基質であるが、前述と同様の問題に加えて、研磨性が高すぎてノズルを損傷し得るという問題もある。従って、自動化された態様で、より効率的にディスペンシングノズルを洗浄するというニーズがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記のニーズは、本明細書において開示されるシステム及び方法によって、大いに満たされる。一つの特徴において、ディスペンサのノズルを洗浄するシステムはプラットフォームと、当該プラットフォームによって支持される洗浄基質と、を備え得る。前記洗浄基質は、前記ノズルから材料を除去するように構成された複数のフック構造を有し得る。
【0006】
別の特徴は、ディスペンサのノズルを洗浄する方法に向けられている。当該方法は、複数のフック構造を有する洗浄基質を提供する工程と、前記ノズルから材料を除去するべく前記ノズル及び前記洗浄基質の少なくとも一方を他方に対して移動する工程と、を備え得る。
【0007】
更に別の特徴は、ディスペンサのノズルを検査する方法に向けられている。当該方法は、ノズルを用いて流体または粘性材料をディスペンスする工程と、カメラを用いてディスペンシング後のノズルの画像を捕捉する工程と、を備え得る。当該方法は、また、当該画像を処理して当該画像の画素強度に基づく値を生成し、当該値を利用して前記ノズルが洗浄されるべきか否かを判定する工程、を備え得る。当該方法は、更に、前記ノズルが洗浄されるべきであるという判定に基づいて、前記ノズルを洗浄する工程、を備え得る。
【0008】
更に別の特徴は、プラットフォームと、当該プラットフォームに対して移動可能なディスペンサのノズルと、を備えるディスペンシングシステムに向けられている。当該ディスペンシングシステムは、プラットフォームの下方に位置決めされて前記ノズルの画像を捕捉するように構成されたカメラと、前記プラットフォームによって支持されて複数のフック構造を有する洗浄基質と、を備え得る。当該システムは、更に、前記ノズルから流体または粘性材料をディスペンスし、前記カメラを起動して前記ノズルの画像を捕捉する、ための1または複数の信号を生成するように構成された制御部を備え得る。当該1または複数の信号は、前記画像を処理してある値を生成し得て、当該値を利用してノズルが洗浄されるべきか否かを判定し得る。前記1または複数の信号は、前記ノズルが洗浄されるべきという判定に応じて、更に、前記フック構造によって前記ノズルから前記流体または前記粘性材料の少なくとも幾らかを除去するべく前記ノズル及び前記洗浄基質のうちの少なくとも一方を他方に対して移動し得る。
【0009】
本発明が容易に理解され得るように、本発明の特徴が、添付の図面内に例示的に図示されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、例示的なディスペンシングシステムを図示している。
【0011】
図2図2は、図1のディスペンシングシステムの例示的なサービスステーションを図示している。
【0012】
図3図3は、図2のサービスステーションの第1の例示的な洗浄ステーションを図示している。
【0013】
図4図4は、図2のサービスステーションの第2の例示的な洗浄ステーションを図示している。
【0014】
図5A図5A乃至図5Cは、図2のサービスステーションを用いてディスペンシングノズルを洗浄する例示的な方法を図示している。
図5B図5A乃至図5Cは、図2のサービスステーションを用いてディスペンシングノズルを洗浄する例示的な方法を図示している。
図5C図5A乃至図5Cは、図2のサービスステーションを用いてディスペンシングノズルを洗浄する例示的な方法を図示している。
【0015】
図6A図6A乃至図6Dは、図5A乃至図5Cのディスペンシングノズルを洗浄する例示的な方法の付加的な特徴を図示している。
図6B図6A乃至図6Dは、図5A乃至図5Cのディスペンシングノズルを洗浄する例示的な方法の付加的な特徴を図示している。
図6C図6A乃至図6Dは、図5A乃至図5Cのディスペンシングノズルを洗浄する例示的な方法の付加的な特徴を図示している。
図6D図6A乃至図6Dは、図5A乃至図5Cのディスペンシングノズルを洗浄する例示的な方法の付加的な特徴を図示している。
【0016】
図7図7は、ディスペンサのノズルの第1の洗浄方法を示す例示的なフローチャートである。
【0017】
図8図8は、ディスペンサのノズルの第2の洗浄方法を示す例示的なフローチャートである。
【0018】
図9A図9A乃至図9Cは、図5A乃至図5Cのディスペンシングノズルの例示的な捕捉画像である。
図9B図9A乃至図9Cは、図5A乃至図5Cのディスペンシングノズルの例示的な捕捉画像である。
図9C図9A乃至図9Cは、図5A乃至図5Cのディスペンシングノズルの例示的な捕捉画像である。
【0019】
図10図10は、図9A乃至図9Cのディスペンシングノズルの検査方法を示す例示的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面及び発明の詳細な説明において、同一の参照符号は同一の要素を指し示している。
【0021】
少なくとも1つのディスペンシングノズルを検査及び洗浄するためのシステム及び方法が説明される。本システムは、ディスペンサのノズルから材料を除去するように構成された複数のフック構造を有している洗浄基質を支持するプラットフォームを備えている。当該フック構造は、例えば、ベルクロやデュラグリップの商標のファスナのフック部を有し得る。洗浄基質として利用される繊維、布、ブラシに対して、当該フック構造は、耐久性、ノズルに対する優しいスクラビング、剪断が無いか最小であること、及び/または、ノズルから除去される材料を捕捉して保持する好適な形態、といった様々な利点を提供し得る。更に、フック構造を有する材料は、様々なノズル構造及び材料の洗浄を最適化するために、様々なサイズ、密度及びフック形状で、容易に利用可能である。幾つかの実施形態では、2以上のディスペンシングノズルが、共通のヘッドに固定され得て、同時にあるいは別個に洗浄基質で洗浄され得る。例えば、ディスペンシングノズルは、洗浄基質に対して別個にワイプ動作されるようにZ軸に沿って互いに対して移動可能であり得る。
【0022】
幾つかの実施形態では、洗浄基質は、乾燥していてよいし、幾つかの実施形態では、洗浄基質は、容器内に位置決めされ得て、少なくとも部分的に洗浄溶液内に浸漬(または被覆)され得る。従って、乾燥基質が、ノズルが洗浄溶液内に浸漬された後で、ノズルから洗浄溶液を除去するために設けられ得る。カメラが、ノズルの画像を捕捉するためにプラットフォームの下方に位置決めされ得る。制御部が、ノズル上に被覆された材料の量に基づく値を生成するべく、前記画像を処理するように構成され得る。ノズルは、当該ノズルをワイプする(拭き取る)ように、またその逆動作をするように、洗浄基質に対して移動され得る。ノズル及び/または洗浄基質の移動は、直線パターン、ジグザグパターン、矩形パターン、正方形パターン、楕円形パターン、及び、円形パターンのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0023】
図1は、キャビネット12と、1以上のディスペンシングアセンブリ14と、を含んだ例示的なディスペンシングシステム10を図示している。ディスペンシングアセンブリ14の各々は、キャビネット12の作業領域26上に位置決めされた基材18(例えば回路基板)上に制御された量の流体ないし粘性材料を選択的にディスペンシングするためのバルブ(図9A乃至図9Cに図示される)を有するディスペンシングノズル16を含み得る。ディスペンシングアセンブリ14は、カメラ20と高さセンサ21とを含み得る。ディスペンシングノズル16は、ニードルディスペンサ、スプレイディスペンサ、噴射ディスペンサ、または、流体材料リザーバ23から基材18上に接着剤、エポキシ、はんだペースト等の流体または粘性材料をディスペンシングするのに好適な任意の他の装置、であり得る。
【0024】
図示のように、ディスペンシングシステム10は、単一の基材または別個の複数の基材上に材料をディスペンシングするための第1及び第2ディスペンシングアセンブリ14を含み得る。ディスペンシングアセンブリ14の各々は、キャビネット12の作業領域26及び/またはサービスステーション28の上方でディスペンシングアセンブリ14を選択的に位置決めするように構成されたポジショナ25に結合され得る。ポジショナ25は、1または複数の横断支持構造30を含み得て、その各々が1または複数のディスペンシングアセンブリ14を支持して、対向する側方支持構造31の間に延在している。ディスペンシングアセンブリ14は、共通または個別の駆動アセンブリ(不図示)を介して、横断支持構造30に沿ってx方向に移動し得る。横断支持構造30は、リニアモータによって駆動される転がりアセンブリ(不図示)を介して、側方支持構造31に対してy方向にディスペンシングアセンブリ14を移動し得る。ポジショナ25は、作業領域26及び/またはサービスステーション28に対するディスペンシングアセンブリ14及び/またはディスペンシングノズル16の高さを調整するために、1または複数のディスペンシングアセンブリ14をz方向に移動するように構成されたz軸駆動部34を含み得る。従って、ポジショナ25は、ディスペンシングアセンブリ14にとっての3つの実質的に垂直な移動軸を提供し得る。例えば、一対のディスペンシングアセンブリ14が、共通のヘッド上に位置決めされ得て、x方向及びy方向に共に移動され得る一方で、別個のz軸駆動部34を有する。従って、ディスペンシングアセンブリは、2つの異なる材料を単一の基材上にディスペンスし得る。ディスペンシングアセンブリ14の他方の使用中、ディスペンシングアセンブリ14の一方がトグル留め(toggle)され得る(軌道の外へとz方向に持ち上げられ得る)。他の例では、一対のディスペンシングアセンブリ14が、生産速度を上げるために、同一の材料を基材上に同時にディスペンスし得る。ポジショナ25は、一対のディスペンシングアセンブリ14の間の相対的な位置決めを調整し得て、x方向、y方向及び/またはz方向の各軸に沿って歪められた(skewed)基材に対処(accommodate)する。別の例では、一対のディスペンシングアセンブリ14が、x方向及びy方向には独立に移動され得て、z方向には同時に移動され得る。更に別の例では、ディスペンシングアセンブリ14は、完全に独立に移動され得る。
【0025】
ディスペンシングシステム10は、コントローラ36を含み得る。当該コントローラ36は、キャビネット12内に取り付けられるコンピュータであり得る。当該コントローラ36は、ディスペンシングアセンブリ14の協調移動、ディスペンシングノズル16の起動、及び/または、サービスステーション28の成分要素の起動、のようなディスペンシングシステム10の全体の制御を提供するように構成され得る。コントローラ36は、プロセッサ、メモリ、及び、入力/出力(I/O)インタフェースを含み得る。プロセッサは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理装置、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルロジック装置、ステートマシン、ロジック回路、アナログ回路、デジタル回路、及び/または、メモリに記憶された動作指令に基づいて信号(アナログまたはデジタル)を操作する任意の他の装置、から選択される、1または複数の装置を含み得る。当該メモリは、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、揮発性メモリ、非揮発性メモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、または、デジタル情報を記憶できる任意の他の装置、を含むが、それらに限定はされない、単一の記憶装置または複数の記憶装置であり得る。当該メモリは、ハードドライブ、光学ドライブ、テープドライブ、非揮発性ソリッドステート装置、または、デジタル情報を記憶可能な任意の他の装置、のようなマスストレージ装置(不図示)をも含み得る。プロセッサは、メモリ内にあるオペレーティングシステムの制御下で動作し得る。オペレーティングシステムは、コントローラの資源を管理し得て、コンピュータプログラムコードが1または複数のコンピュータソフトウェアアプリケーションとして具現化される。
【0026】
ユーザインタフェース38及び/または制御パネル40は、システムオペレータがコントローラ36と相互作用することを許容するべく、コントローラ36に動作可能に結合され得る。ユーザインタフェース38は、システムオペレータに情報を提供することが可能な、ビデオモニタ、英数字ディスプレイ、タッチスクリーン、スピーカ、任意の他の好適なオーディオ、及び/または、視覚的インディケータ、を含み得る。制御パネル40は、オペレータからの指令または入力を受容可能な1または複数の入力装置を含み得る。それは、例えば、英数字キーボード、ポインティング装置、キーパッド、プッシュボタン、制御ノブ、マイクロフォン、であり得る。この態様において、ユーザインタフェース38及び/または制御パネル40は、例えばセットアップ中、較正中、検査中、及び/または、洗浄中において、システム機能の手動の始動を可能にし得る。
【0027】
図2は、ディスペンシングノズル16のノズルを検査及び洗浄するように構成された例示的なサービスステーション28を図示している。図示のように、サービスステーション28は、較正ステーション50、タッチセンサステーション52、パージステーション54、重量測定ステーション56、検査ステーション58及び洗浄ステーション60、の1または複数を支持するプラットフォーム48を備え得る。
【0028】
較正ステーション50は、ディスペンシングノズル16のx/y位置を較正するように構成され得る。例えば、較正ステーション50は、カメラ20及び/または高さセンサ21によって捕捉され得る固定された参照点(固定基準点)を提供し得る。当該捕捉が、コントローラ36への信号を生成する。コントローラ36は、その後、当該信号に基づいて、カメラ20及び/または高さセンサ21のx/y位置を較正し得る。
【0029】
タッチセンサステーション52は、ディスペンシングノズル16のz位置を較正するように構成され得る。例えば、ディスペンシングノズル16は、タッチセンサステーション52の圧力感知領域によって接触が検知されるまで、タッチセンサステーション52に向かって下げられ得る。ディスペンシングノズル16による最初の接触に基づいて、タッチセンサステーション52によって信号が生成され、コントローラ36に伝送される。コントローラ36は、その後、ディスペンシングノズル16のz位置を較正し得る。
【0030】
パージステーション54は、ディスペンシングノズル16から廃棄材料を除去するように構成され得る。例えば、パージステーション54は、ディスペンシングノズルの表面から流体ないし粘性材料及び/または洗浄材料を吸引するための負圧を生成するよう構成された真空源を含む。真空引きされた材料は、プラットフォーム48の下方に位置決めされたリザーバ(不図示)内に堆積され得る。
【0031】
重量測定ステーション56は、ディスペンシングシステム10の材料を較正するように構成され得る。例えば、重量測定ステーション56は、ディスペンサから1または複数滴を受容して重量測定するように構成されたスケールを含み得る。当該スケールは、その時、当該重量を表す信号を生成し得て、それはコントローラ36に伝送される。当該材料の重量に基づいて、コントローラ36は、ディスペンシングノズル16によって堆積される材料を較正し得る。
【0032】
検査ステーション58は、ディスペンシングノズル16上の材料の集積を検出するべくディスペンシングノズル16を検査するように構成され得る。図2に示されるように、検査ステーション58は、カメラ62、角度付けられたミラー64、及び、透明カバー66、を含み得る。カメラ62は、プラットフォーム48の下方に略水平に位置決めされ得る。角度付けられたミラー64は、透明カバー66の下方にカメラ62と鋭角をなすように位置決めされ得る。これにより、角度付けられたミラー64は、ディスペンシングノズル16の鉛直像をカメラ62に向けて水平に(図9A乃至図9Cに示すように)反射するように構成され得る。透明カバー66は、ノズル16から垂れる可能性がある流体ないし粘性材料から角度付けられたミラー64を保護し得る。透明カバー66は、角度付けられたミラー64よりも、洗浄及び/または交換することが容易である。サービスステーション28内で略水平に位置決めされるカメラ62は、ディスペンシングシステム10の要求厚さを低減し得る。もっとも、サービスステーション28内でカメラ62が略鉛直に位置決めされて、角度付けられたミラー64の必要性を無くすということも、実現され得る。いずれの場合にも、カメラ62がディスペンシングノズル16の開口の画像を捕捉し得て、当該画像をコントローラ36に伝送し得る。コントローラ36は、当該画像を処理し得て、ディスペンシングノズル16上に集積された材料の量を決定し得る。例えば、幾つかの実施形態において、カメラ62は、グレースケールで当該画像を捕捉し得て、コントローラ36が、当該画像を処理し得て、当該画像の画素強度を示す値を生成し得る。これについては、以下に更に説明される。
【0033】
洗浄ステーション60は、ディスペンシングノズル16の表面から材料を除去するように構成され得る。図2乃至図5に図示されているように、洗浄ステーション60は、ディスペンシングノズル16の外面から材料を除去するように構成された洗浄基質68を含み得る。洗浄基質68は、裏打ち材72によって支持されて(図5A乃至図5Cに示すように)ディスペンシングノズル16の外面から材料74を拭き取る(ワイプ動作する)ように構成された複数のフック構造70を含み得る。幾つかの実施形態では、洗浄基質68は、ベルクロやデュラグリップの商標のファスナのフック部を有し得る。例えば、フック構造70は、ディスペンシングノズル16を優しくスクラブして当該フック構造70と裏打ち材72との間に材料74を捕捉するように構成された、ナイロンやポリエステルのような実質的に剛性で耐久性のある材料を有し得る。幾つかの実施形態では、洗浄ステーション60は、(図2及び図3に示すように)洗浄溶液76内に少なくとも部分的に浸漬または被覆されて湿った形態での洗浄基質68を有し得る。他の実施形態では、洗浄ステーション60は、(図4に示すように)乾燥形態での洗浄基質68を有し得る。
【0034】
図2及び図3を参照して、洗浄ステーション60は、洗浄溶液76を収容する容器80を支持するように構成されたベース78を含み得る。洗浄ステーション60は、また、洗浄基質68を間に挟んで取り外し可能に固定するよう構成された下方基質ハウジング82及び上方基質ハウジング84を含み得る。上方基質ハウジング84は、各端部においてタブ85を含み得て、それは、下方基質ハウジング82の各端部のスロット83内にスナップフィット係合するよう構成され得る。もっとも、他の解除可能な機構も、洗浄基質68の取り外し及び/または洗浄を許容するために利用され得る。上方基質ハウジング84は、開口87を含み得て、それを通ってフック構造70が延在することで、ディスペンシングノズル16を拭き取る(ワイプ動作する)ために当該フック構造70を露出させるようになっている。洗浄基質68は、フック構造70の無い境界部を含み得て、当該境界部が上方基質ハウジング84及び下方基質ハウジング82間にクランプされ得る。
【0035】
洗浄ステーション60は、更に、上方蓋ハウジング91と下方蓋ハウジング92との間に摺動可能に固定された蓋86を含み得る。蓋86は、蓋アクチュエー88によって開閉され得る。例えば、蓋86は、アクチュエータアーム93のスロット90内に受容される凸部89を含み得る。アクチュエータアーム93は、容器80に対して蓋86を開閉するためにチャンバ96の内外に伸長及び収縮するように構成されたピストンロッド94に固定され得る。蓋86は、洗浄基質68が使用されない時、洗浄溶液76の揮発を低減するべく容器80を包囲し得る。上方蓋ハウジング91及び下方蓋ハウジング92は、ネジやリベット等のファスナで固定され得る。洗浄ステーション60は、当該洗浄ステーション60を解除可能に組み付ける解除可能な組付機構を含み得る。例えば、ベース78内またはベース78上に含まれる第1磁石と、下方蓋ハウジング92内または下方蓋ハウジング92上に含まれる第2磁石と、を含み得る。洗浄ステーションの磁石アセンブリは、洗浄基質68及び/または洗浄溶液76の取り外し、洗浄、及び/または、交換を容易にし得る。
【0036】
フック構造70は、洗浄溶液76内に部分的にまたは完全に浸漬(または被覆)され得る。洗浄溶液76は、ディスペンシングノズル16が洗浄基質68に対して拭き取られる(ワイプ動作される)間に、材料74を除去及び/または溶解するように構成されたアルコールベースまたは水ベースの溶液であり得る。シンプルグリーン社の万能クリーナ(エトキシ化アルコールを含み得る)が、無害な性質のために、クリーンルーム環境での特に有用な洗浄溶液76である。
【0037】
洗浄ステーション60は、更に、当該洗浄溶液76の所定量を維持するように構成されたレベル制御システム(不図示)を含み得る。当該レベル制御システムは、レベルセンサ、充填装置、及び、洗浄溶液76を収容するリザーバ(不図示)、を含み得る。レベルセンサは、フロートセンサ、静水圧センサ、レーザセンサ、磁力センサ、静電容量センサ、超音波センサ、のような、洗浄溶液76のレベルを検出するように構成された複数の異なる機構を含み得る。レベルセンサは、洗浄溶液76のレベルを示す信号を生成し得て、コントローラ36に伝送し得る。コントローラ36は、洗浄溶液76のレベルを所定の閾値と比較し得る。コントローラ36は、その後、検出されたレベルに基づいて、洗浄溶液76を容器89に追加するべく、充填装置への信号を生成し得る。従って、充填装置は、洗浄溶液76の容器80への流れを選択的に可能にするべく構成されたバルブを含み得る。
【0038】
洗浄溶液76内での洗浄に引き続いて、ディスペンシングノズル16は、乾燥基質98によって乾燥され得る。乾燥基質98は、ディスペンシングノズル16との接触状態に置かれる時に洗浄溶液76を除去するように構成された繊維やスポンジを含み得る。乾燥基質98は、サービスステーション28上やサービスステーション28の周辺の複数の異なる位置に位置決めされ得る。例えば、乾燥基質98は、洗浄及び乾燥の間にディスペンシングノズル16の要求される移動量を最小化するべく、蓋86の外面上に位置決めされ得る。蓋86が閉鎖される時、乾燥機構98は、z方向に洗浄基質68の実質的に上方に存在する。従って、ディスペンシングノズル16が洗浄溶液76から取り出された後、ディスペンシングノズル16を乾燥基質98と接触させるために要求されるディスペンシングノズル16のxy移動が、最小であるか、不要である。もっとも、乾燥基質98は、プラットフォーム48上に直接位置決めされてもよいし、他の位置に位置決めされてもよい。
【0039】
図4に図示されているように、幾つかの実施形態では、洗浄ステーション60は、乾燥形態の洗浄基質68を有し得る。洗浄基質68は、ベース78に対して取り外し可能に固定された洗浄基質支持部100に固定され得る。例えば、基質ハウジング82、84と洗浄基質支持部100は、洗浄ステーション60に対して交換可能であり得て、ディスペンシング状況に応じての洗浄基質68の湿った形態と乾燥形態との間での切り替えを可能にし得る。例えば、洗浄基質支持部100は、迅速に交換可能なアセンブリを許容するために、取り外し可能にベース78に固定されるように構成された磁石のような解除可能(取り外し可能な)な組付機構を含み得る。
【0040】
ディスペンシングシステム10は、複数のサービスステーション28を含み得て、及び/または、サービスステーション28は、その成分要素の1または複数について、その複数を含み得る。例えば、複数のディスペンシングノズル16を含む実施形態では、当該複数のディスペンシングノズル16の独立した検査のため、サービスステーション28が複数のカメラ62及び/またはミラー64を含み得る。同様に、幾つかの実施形態では、複数のディスペンシングノズル16の独立した洗浄のため、サービスステーション28が複数の洗浄基質68を含み得る。幾つかの実施形態では、複数のディスペンシングノズル16が、別個のサービスステーション28によって洗浄及び/または検査され得る。
【0041】
図5A乃至図5Cは、洗浄基質68でディスペンシングノズル16を洗浄する例示的な方法を図示している。図5Aに図示されるように、ディスペンシングノズル16は、材料74で被覆されており、ポジショナ25によって、洗浄基質68に向かってz軸に沿って前進され得る。ディスペンシングノズル16の表面から材料74を除去するため、ディスペンシングノズル16は、ポジショナ25によって、フック構造70に沿って横方向に移動される。材料74は、その時、洗浄基質68のフック構造70と裏打ち材72との間に保持されて捕捉される。図5Cに図示されるように、ディスペンシングノズルは、洗浄後、洗浄基質68から離れるようにz軸に沿って撤退される。複数のディスペンシングノズル16を有する実施形態では、ディスペンシングノズル16が同時または別個に洗浄され得る。例えば、別個に拭き取られる時、図5Aは、第2ディスペンシングノズル16に対して(例えばそれから離れて)z軸に沿って洗浄基質68に向かう第1ディスペンシングノズル16の動作を示していると言える。図5Bは、その時、第2ディスペンシングノズル16と一緒の、あるいは、それとは別個の、第1ディスペンシングノズル16の動作を示していると言える。図5Cは、第2ディスペンシングノズル16に対して(例えばそれに向かって)z軸に沿って洗浄基質68から離れる第1ディスペンシングノズル16の動作を示していると言える。一緒に拭き取られる時、第1及び第2ディスペンシングノズル16は、洗浄基質68に向かって共に移動され得るし(図5A参照)、洗浄基質68から離れるように共に移動され得る(図5C参照)。
【0042】
図6A乃至図6Dは、図5A乃至図5Cのディスペンシングノズル16を洗浄する例示的な方法の付加的な特徴を図示している。図6A乃至図6Cに図示されるように、コントローラ36(またはユーザ)は、ディスペンシングノズル16を拭き取るために、xy平面内の複数の異なる方向に洗浄基質68に対してディスペンシングノズル16を移動させ得る。例えば、コントローラ36(またはユーザ)は、第1方向に、洗浄基質68に対してディスペンシングノズル16を移動またはワイプさせ得て、その後、コントローラ36(またはユーザ)は、第1方向とは異なる第2方向に、洗浄基質68に対してディスペンシングノズル16を移動またはワイプさせ得る。例えば、図6Aに図示されるように、ディスペンシングノズル16は、第1斜め方向及び第2斜め方向に移動ないしワイプされ得る。幾つかの実施形態では、図6Aに示されたジグザグ移動によって例示されるように、第1及び/または第2斜め方向が、任意の繰り返し数で繰り返される。幾つかの実施形態では、第1及び第2方向が、丸みを帯びた推移部を有し得て、例えば洗浄基質68に沿った正弦波パターンを形成する(不図示)。図6Bに図示されるように、ディスペンシングノズル16は、矩形パターンの移動によって例示されるように、第1水平方向、第2鉛直方向、第3水平方向及び第4鉛直方向に移動またはワイプされ得る。図6Bの水平方向及び鉛直方向は、正方形パターンの移動を形成するように、等しい場合もある。図6Cに図示されるように、ディスペンシングノズル16は、楕円形パターンの移動を形成するように、多様な方向に移動またはワイプされ得る。図6Cの長軸と短軸とは、円形パターンの移動を形成するように、等しい場合もある。
【0043】
図6Dに図示されるように、ディスペンシングノズル16は、指標付け(indexing)方法に従って、ポジショナ25及び/またはユーザによって、洗浄基質68の第1及び第2部分に対して移動され得る。例えば、ディスペンシングノズル16は、洗浄基質68の第1部分に対して移動され得て、その時、指標付けされ得る。その後、ディスペンシングノズル16は、洗浄基質68の第2部分に対してワイプされ得て、その時、指標付けされ得る。指標付け方法は、洗浄基質の異なる部分の数だけ繰り返され得る(例えば、図6Dに図示された6部分)。指標付けは、洗浄基質68のワイプの数、及び/または、洗浄基質68の各部のワイプの合計数、を表し得る。各部のワイプの後、あるいは、全ての部分のワイプの後、コントローラ36は、洗浄基質68のワイプの数が、洗浄基質68及び/または洗浄基質68の部分の製品寿命の終了を示す所定の合計数よりも大きいか否か(または等しいか否か)、を決定し得る。コントローラ36が、ワイプの数が当該所定のワイプの合計数よりも小さい(または等しい)と決定する場合、コントローラ36は、洗浄基質68及び/またはその部分が製品寿命の範囲内であると判断し得て、及び/または、洗浄基質68及び/またはその部分の使用を継続し得る。一方、コントローラ36が、ワイプの数が当該所定のワイプの合計数よりも大きい(または等しい)と決定する場合、コントローラ36は、洗浄基質68及び/またはその部分の製品寿命の終了を判断し得る。コントローラ36は、後述されるように、付加的に音響的及び/または視覚的な表示を生成し得る。
【0044】
洗浄基質68の異なる部分においてディスペンシングノズル16をワイプする(拭き取る)ことは、洗浄基質68上により均一に分散された堆積物を生成させるため、洗浄基質68の全体的な製品寿命を増大させる。前記指標付け方法は、オペレータが、洗浄基質の製品寿命を定量的にモニタリングすることをも許容し得て、及び/または、好適な態様で製品寿命を自動化(automate)し得る。図6Dに示されるように、当該指標付け方法は、直線状のワイプ(拭き取り)を含み得るが、当該指標付け方法は、図6A乃至図6Cを参照して説明されたような他のタイプの移動をも含み得る。
【0045】
図7は、ディスペンシングノズル16のノズル洗浄方法700を示す例示的なフローチャートである。方法700は、湿った形態(図3参照)または乾燥した形態(図4参照)のいずれの洗浄基質68に対しても実施され得る。方法700の各工程は、コントローラ36によって生成される1または複数の信号に基づいて実施され得る。方法700は、方法800(図8参照)及び/または方法1000(図10参照)の1または複数の工程との関係でも実施され得る。
【0046】
工程702において、ディスペンシングノズル16は、基材18上に流体ないし粘性材料をディスペンスし得る。幾つかの実施形態では、工程702は、印刷回路基板上に共形の被覆を塗布し得る。例えば、ディスペンシングノズル16は、回路基板の要素を保護するために、印刷回路基板の輪郭と共形の薄いポリマーフィルムを適用し得る。工程702は、付加的または代替的に、フリップチップの下地埋め処理において、流体ないし粘性材料をディスペンスし得る。コントローラ36は、所定の期間(例えば、約1~2時間)に亘って、所定数のサイクルで、及び/または、ディスペンシングノズル16の表面上の材料の堆積を評価する他の何らかの計量数で、工程702を実施し得る。当該計量数が経過した後で、コントローラ36は、検査のための工程704に進行し得る。
【0047】
工程704において、コントローラ36は、ディスペンシングノズル16を検査し得る。コントローラ36は、図10のフローチャートに図示されるように、カメラ62を起動して、画像を処理して値を生成することによって、ディスペンシングノズル16を検査し得る。もっとも、工程704の検査は、多数の異なる他の態様によっても実施され得る。
【0048】
工程706において、コントローラ36は、ディスペンシングノズルが十分に清浄であるか否かを判定し得る。例えば、工程706は、前記値が清浄なディスペンシングノズル16を示す所定値に対してある範囲内であるか否か(例えばそれ以上であるか否か)を判定することによって実施され得る。当該値が清浄なディスペンシングノズル16を示す前記範囲内である場合、コントローラ36は、工程702に戻って、ディスペンシングノズル16によるディスペンシングを継続し得る。一方、当該値が清浄なディスペンシングノズル16を示す前記範囲内に無い場合、コントローラは、工程708に進行し得る。
【0049】
工程708において、コントローラ36は、洗浄ステーション60の蓋86を開放し得て、複数のフック構造70を有する洗浄基質68を露出させ得る。当該開放は、図3に図示されるように、チャンバ96からピストンロッド64を伸長させるべく蓋アクチュエータ88を起動することによって、実施され得る。工程708は、乾燥した洗浄基質68を有する洗浄ステーション60の形態においては省略され得る。
【0050】
工程710において、コントローラ36は、ディスペンシングノズル16から材料を除去するために、ディスペンシングノズル16及び洗浄基質68の少なくとも一方を、他方に対して移動させ得る。例えば、コントローラ36は、ポジショナ25を起動して、ディスペンシングノズル16を洗浄基質68と整列するように移動させ得る。その後、コントローラ36は、洗浄基質68と接触するようにディスペンシングノズル16を下降させ得て、洗浄基質68のフック構造70を用いてディスペンシングノズル16から材料を除去するべく、ディスペンシングノズル16を洗浄基質68に対して1または複数の方向に移動させ得る。好適な一実施形態では、ディスペンシングノズル16は、方法800の指標付けに従って、洗浄基質68の1または複数の部分に対して移動され得る。
【0051】
工程712において、コントローラ36は、洗浄基質68からディスペンシングノズル16を取り外し得て、ディスペンシングノズル16を検査し得る。例えば、コントローラ36は、工程704で説明され図10に図示されるように、ディスペンシングノズル16を検査し得る。
【0052】
工程714において、コントローラ36は、ノズルが十分に清浄であるか否かを判定し得る。ノズルが十分に清浄でない場合(「NO」)、コントローラ36は、工程719に戻って、ディスペンシングノズル16の表面から更に材料を除去するべく、ディスペンシングノズル16及び洗浄基質68の少なくとも一方を、他方に対して移動させ得る。十分に清浄でない(「NO」)ノズルに基づいて、コントローラ36は、無限ループを防止するべく、指標付け方法を実施し得る。例えば、コントローラ36は、指標値(index)を更新し得て、工程714に戻るべきか否かを決定するべく当該指標値を所定値と比較し得る。所定値を超える指標値は、飽和した(saturated)洗浄基質68、あるいは、低レベルの洗浄溶液76を表し得て、コントローラ36は、方法700を一時停止させ得て、ユーザインタフェース38においてオペレータへの表示(例えば、音響的及び/または視覚的な表示)を生成し得る。ディスペンシングノズル16が十分に清浄である場合(「YES」)、コントローラ36は、工程716に進行し得る。
【0053】
工程716において、コントローラ36は、洗浄溶液76の揮発を低減するべく、蓋86を閉鎖し得る。コントローラ36は、チャンバ76内にピストンロッド94を退縮させることによって、蓋アクチュエータ88によって蓋86を閉鎖し得る。
【0054】
工程718において、コントローラ36は、ディスペンシングノズル16を乾燥させ得る。幾つかの実施形態では、コントローラ36は、洗浄溶液76を除去するべく乾燥基質98に対してディスペンシングノズル16を移動させ得る。幾つかの実施形態では、コントローラ36は、ディスペンシングノズル16をパージステーション54に移動させ、当該パージステーション54の真空引きを起動させて、ディスペンシングノズル16から洗浄溶液76を除去し得る。乾燥後、コントローラ36は、ディスペンシングノズル16を、流体ないし粘性材料のディスペンシング状態に戻し得る。工程718は、乾燥した洗浄基質68を有する洗浄ステーション60の形態においては、省略され得る。
【0055】
複数のディスペンシングノズル16を有する実施形態では、ディスペンシングノズル16は、形態に依存して、同時に、あるいは、独立に、検査及び/または洗浄され得る。例えば、ディスペンシングノズル16は、別個のカメラ62を用いて検査され得て、共通のポジショナ25及び同一または別個の洗浄基質68を用いて洗浄され得る。
【0056】
図8は、ディスペンシングノズル16の洗浄方法800を示す例示的なフローチャートである。方法800は、湿った形態(図3参照)または乾燥した形態(図4参照)のいずれの洗浄基質68に対しても実施され得る。方法800の各工程は、コントローラ36によって生成される1または複数の信号に基づいて実施され得る。方法800は、方法700(図7参照)及び/または方法1000(図10参照)の1または複数の工程との関係でも実施され得る。方法800は、ディスペンシングノズル16による流体ないし粘性材料のディスペンシング(例えば工程702)と、ディスペンシングノズル16の検査(例えば工程704)と、に引き続いて実施され得る。方法800では、コントローラ36は、後述されるように、洗浄処理中に洗浄基質68の異なる部分を循環利用し得る。
【0057】
工程802において、コントローラ36は、図5A乃至図5C及び図6Dに図示されるように、洗浄基質68の第1部分に対してディスペンシングノズル16を移動させ得る。ディスペンシングノズル16の移動は、直線パターン、ジグザグパターン、矩形パターン、正方形パターン、楕円形パターン、及び、円形パターンのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0058】
工程804において、コントローラ36は、ディスペンシングノズル16が洗浄基質68及び/または洗浄基質68の第1部分に対して移動された回数を表す指標値を生成ないし更新し得る。コントローラ36は、その後、ディスペンシングノズル16を検査し得て(例えば工程714)、及び/または、工程804の後に付加的なディスペンス(例えば工程702)を実施し得る。
【0059】
工程806において、工程802と同様、コントローラ36は、ディスペンシング(例えば工程702)と検査(例えば工程704)の後で、(更に図4A乃至図4C及び図6Dに図示されるように)洗浄基質68の第2部分に対してディスペンシングノズル16を移動させ得る。
【0060】
工程808において、コントローラ36は、工程804と同様、指標付けを繰り返す。工程808は、ノズルが洗浄基質68の各部分に対して均一に移動される時、工程804と同一の指標値を更新し得る。これは、洗浄基質68の各部分が同様の態様で材料を集積して摩耗し得るために、処理を簡略化し得る。もっとも、コントローラ36は、洗浄基質68の各部分のための別個の指標値を生成してもよい。工程810、812は、洗浄基質68の部分の数だけ繰り返されてもよい。例えば、図6Dに図示されるように、工程810、812が、第3、第4、第5及び第6部分の各々のために繰り返され得る。
【0061】
工程810において、コントローラ36は、当該指標値を所定の値と比較し得る。当該指標値が当該所定の値よりも低い場合(「NO」)、コントローラ36は、工程802に戻って、ディスペンシング(例えば工程702)と検査(例えば工程704)の後での洗浄基質68に対するディスペンシングノズル16のワイプ(拭き取り)を継続し得る。幾つかの実施形態では、コントローラ36は、残存する及び/または経過した製品寿命(例えば90%残存)等の洗浄基質68の状態の表示を、ユーザインタフェース38上において生成して表示し得る。従って、オペレータは、生産の流れにとって都合の良い時に、洗浄基質68を交換及び/または修理することができる。一方、前記指標値が前記所定の値を超えていると判定される場合、コントローラ36は、工程812に進行し得る。
【0062】
工程812において、コントローラ36は、洗浄基質68の製品寿命の終了を表示し得る。例えば、コントローラ36は、ユーザインタフェース38を介してオペレータに視覚的なメッセージを生成して表示し得る。コントローラ36は、付加的または代替的に、アラーム音、ベル音、及び/または笛音のような、オペレータへの音響的指示を生成し得る。ディスペンシングシステム10は、また、複数の洗浄基質をも含み得る。例えば、第2の洗浄基質68が、第1の洗浄基質68の製品寿命に引き続いて利用可能であってもよい。
【0063】
図9A乃至図9Cは、処理されるディスペンシングノズル16の例示的な捕捉画像を図示している。図10は、ディスペンシングノズル16の検査方法1000を示す例示的なフローチャートである。方法800は、湿った形態(図3参照)または乾燥した形態(図4参照)のいずれの洗浄基質68に対しても実施され得る。方法800の各工程は、コントローラ36によって生成される1または複数の信号に基づいて実施され得る。方法800は、方法700(図7参照)及び/または方法1000(図10参照)の1または複数の工程との関係でも実施され得る。
【0064】
工程1002において、ディスペンシングノズル16は、基材18上に流体ないし粘性材料をディスペンスし得る。幾つかの実施形態では、工程1002は、印刷回路基板上に共形の被覆を塗布し得る。例えば、ディスペンシングノズル16は、回路基板の要素を保護するために、印刷回路基板の輪郭と共形の薄いポリマーフィルムを適用し得る。工程1002は、付加的または代替的に、フリップチップの下地埋め処理において、流体ないし粘性材料をディスペンスし得る。コントローラ36は、所定の期間(例えば、約1~2時間)に亘って、所定数のサイクルで、及び/または、ディスペンシングノズル16の外面上の材料の堆積を評価する他の何らかの計量数で、工程1002を実施し得る。当該計量数が経過した後で、コントローラ36は、検査のための工程1004に進行し得る。
【0065】
工程1004において、コントローラ36は、カメラ62を起動して、ディスペンシングノズル16の画像、例えばディスペンシングノズル16の開口またはバルブの画像、を捕捉し得る。コントローラ36は、ディスペンシングノズル16を角度付けられたミラー64と整列されるべく、ポジショナ25を起動し得る。z軸駆動部は、プラットフォーム48から所定距離だけ離れるようにディスペンシングノズル16を位置決めし得る。図9A乃至図9Cに図示されるように、画像は、カメラ62によってグレースケールで捕捉され得て、処理が容易化され得て、ディスペンシングノズル16上に集積された材料の量を判定することが容易化され得る。あるいは、画像は、カラー画像としてカメラ62によって捕捉され得て、処理を容易にするためにグレースケールに変換され得る。
【0066】
工程1006において、コントローラ36は、画像を処理し得る。図9A乃至図9Cに図示されるように、コントローラ36は、ディスペンシングノズル16を表す画像の所定の部分セットを捕捉し得て、当該部分セットは、当該画像の画素強度に基づく値を生成するように処理される。幾つかの実施形態では、コントローラ36は、清浄なディスペンシングノズル16の画像の1または複数の対応する画素に対して、捕捉画像の1または複数の画素を比較することによって、捕捉画像を処理し得て、画素強度の変化(variation)を決定し得る。画素強度の変化は、ディスペンシングノズル16上に被覆された材料の量を表し得る。なぜなら、ディスペンシングノズル16の材料に被覆された部分は、ディスペンシングノズル16の対応する清浄な部分よりも、暗くなるからである。当該比較は、画素強度の変化の配列(アレイ)を提供し得る。コントローラ36は、その後、当該アレイを正規化(normalize)し得て、捕捉画像の画素強度における変化、及び、ディスペンシングノズル16上に集積された材料の量、を表すスカラ量としての値を生成し得る。
【0067】
例えば、図9Aは、明るい画素の量に示されるように、材料の堆積の無い清浄なディスペンシングノズル16を図示している。図9Aの画像は、コントローラ36によって処理され得て、例えば、当該ノズルが清浄なディスペンシングノズル16の画像に適合することを示す高い値(0~100のスケールで80~90)が生成され得る。従って、図9Aのディスペンシングノズル16は、洗浄無しでディスペンスを継続し得る。図9Bは、幾つかのディスペンシングサイクルを経た後のディスペンシングノズル16を図示している。ディスペンシングノズル16の表面上に材料の最小の集積が存在するが、ディスペンシング効率を低下させる程ではない。従って、図9Bの画像は、コントローラ36によって処理され得て、比較的高い値(0~100のスケールで60~70)が生成され得る。一方、図9Cは、多数の暗い画素に示されるように、表面上に実質的な材料が集積したディスペンシングノズル16を図示している。材料の集積は、ディスペンシングノズル16の開口を閉塞し得て、ディスペンシングの品質を許容できないレベルにまで低下させ得る。図9Cの処理に基づいて、コントローラ36は、図9Cの画像を処理する時に材料の集積を検出し得て、例えば、比較的低い値を生成し得る(0~100のスケールで9~18)。
【0068】
工程1008において、コントローラ36は、前記値が、ディスペンシングノズル16が十分に清浄であることを示す所定値に対してある範囲内であるか否か、を判定し得る。たとえば、所定値は、清浄なノズルの所定のパーセント(例えば50%)であり得る。工程1008は、前記値が、ノズル16が清浄であることを示す範囲内であるか否か、を判定し得る。前記値が、ノズル16が十分に清浄であることを示す範囲内に無いと判定される時(「NO」)、コントローラ36は、工程1010に進行し得る。前記値が、ノズル16が十分に清浄であることを示す範囲内であると判定される時(「YES」)、コントローラ36は、工程1012に進行し得る。
【0069】
方法700、800の少なくとも一方において説明されたように、工程1010において、コントローラ36は、ディスペンシングノズルから材料の少なくとも幾らかを除去するべく、ディスペンシングノズル16及び洗浄基質68の少なくとも一方を他方に対して移動させ得る。例えば、工程1012の洗浄は、洗浄基質68のフック構造70を用いて実施され得る。工程1012においてディスペンシングノズル16を洗浄した後、コントローラ36は、工程1004に戻って、カメラ62がディスペンシングノズル16の更なる画像を捕捉し得る。工程1002におけるディスペンシングにとって十分な程度にまでディスペンシングノズル16を清浄にするべく、付加的な洗浄が要求され得る。
【0070】
工程1012において、コントローラ36は、基材18に向けてディスペンシングノズル16を移動させ得る。コントローラ36は、その後、工程1002に進行し得て、ディスペンシングノズル16が基材18上に流体ないし粘性材料をディスペンスする。例えば、ディスペンシングノズルは、基材18(例えば印刷回路基板)上に共形の被覆をディスペンスし得る。
【0071】
前述された方法を組み込んだソフトウェアモジュールの1または複数が、コンピュータシステムまたは非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体に一体化され得る。更に、本明細書において例示的な実施形態が説明されたが、本発明の範囲は、等価な要素を有する任意のあらゆる実施形態や、本明細書の説明に基づく任意のあらゆる修正、省略、組合せ(例えば様々な実施形態に亘っての特徴の組合せ)、適合、代替、等をも包含する。更に、説明された方法の工程は、任意の態様で修正され得て、それは、工程を繰り返したり、工程を挿入したり、工程を削除したりすることを含む。
【0072】
第1実施形態では、ディスペンサのノズルを洗浄するシステムが、プラットフォームと、前記プラットフォームによって支持された洗浄基質と、を備え得る。前記洗浄基質は、前記ノズルから材料を除去するように構成された複数のフック構造を有し得る。
【0073】
第1実施形態のシステムにおいて、前記フック構造は、ナイロンまたはポリエステルを含み得る。
第1実施形態のシステムは、前記複数のフック構造を用いて前記ノズルから前記材料を除去するべく前記ノズル及び前記洗浄基質のうちの少なくとも一方を他方に対して移動するための1または複数の信号を生成するように構成された制御部を更に備え得る。
前記制御部は、更に、前記洗浄基質の第1部分に対して前記ノズルを移動し、前記洗浄基質の前記第1部分とは異なる第2部分に対して前記ノズルを移動し、前記ノズルが前記洗浄基質の前記第1及び第2部分に対して移動された回数に基づく指標を生成し、前記指標が所定値以上であることに基づいて前記洗浄基質の製品寿命の終了を提示する、ための1または複数の信号を生成するように構成され得る。
【0074】
第1実施形態のシステムは、前記プラットフォームによって支持され、前記洗浄基質を受容する容器と、前記容器内において、前記フック構造を少なくとも部分的に覆う洗浄溶剤と、前記容器を覆う蓋部と、を更に備え得る。
前記洗浄溶剤は、エトキシ化アルコールを含み得る。
第1実施形態のシステムは、前記洗浄溶剤のレベルを検出し、前記検出されたレベルを所定の閾値と比較し、前記検出されたレベルが前記所定の閾値未満であることに応じて、洗浄溶液を前記容器に追加するための信号を生成する、ように構成されたレベル制御システムを更に備え得る。
第1実施形態のシステムは、前記蓋部の下方の前記容器内に前記洗浄基質を取り外し可能に固定するように構成された支持部を更に備え得る。
第1実施形態のシステムは、前記ノズルから前記洗浄溶剤を除去するように構成された乾燥基質を更に備え得る。
前記乾燥基質は、前記蓋部の外側面上に位置決めされ得る。
前記乾燥基質は、繊維またはスポンジを有し得る。
【0075】
第1実施形態のシステムは、前記プラットフォームに関連付けられたカメラを更に備え得て、前記カメラは、前記ノズルの画像を捕捉するように構成され得る。
前記カメラは、前記ノズルの開口の画像を捕捉するように構成され得る。
第1実施形態のシステムは、前記カメラに関連付けられたミラーを更に備え得て、前記ミラーは、前記プラットフォームに対して角度付けられており、前記ノズルの前記開口の前記画像を前記カメラに向けて反射するように構成され得る。
前記カメラ及び前記ミラーは、前記プラットフォームの下方に位置決めされ得る。
第1実施形態のシステムは、前記ノズルから流体または粘性材料をディスペンスし、前記ノズルの画像を捕捉するように前記カメラを起動させ、前記画像を処理して値を生成し、前記値を利用して前記ノズルが洗浄されるべきか否かを判定し、前記ノズルが洗浄されるべき場合、前記複数のフック構造を用いて前記ノズルから前記材料を除去するべく前記ノズル及び前記洗浄基質のうちの少なくとも一方を他方に対して移動するための1または複数の信号を生成する、ように構成された制御部を更に備え得る。
【0076】
第1実施形態のシステムは、較正ステーション、タッチセンサステーション、パージステーション及び重量測定ステーションうちの少なくとも1つを更に備え得る。
【0077】
第2実施形態は、ディスペンサのノズルを洗浄する方法に向けられている。当該方法は、複数のフック構造を有する洗浄基質を提供する工程と、前記ノズルから材料を除去するべく前記ノズル及び前記洗浄基質の少なくとも一方を他方に対して移動する工程と、を備え得る。
【0078】
第2実施形態の方法において、前記ノズルと前記洗浄基質との少なくとも一方を移動する工程は、前記洗浄基質に対して第1方向に前記ノズルを移動する工程と、前記洗浄基質に対して前記第1方向とは異なる第2方向に前記ノズルを移動する工程と、を有し得る。
【0079】
第2実施形態の方法において、前記ノズルと前記洗浄基質との少なくとも一方を移動する工程は、直線パターン、ジグザグパターン、矩形パターン、正方形パターン、楕円形パターン、及び、円形パターンのうちの少なくとも1つに従って、前記洗浄基質に対して前記ノズルを移動する工程を含み得る。
【0080】
第2実施形態の方法は、前記洗浄基質と、少なくとも部分的に前記フック構造を覆う洗浄溶剤と、を受容する容器の蓋部を開放する工程と、前記洗浄溶剤及び前記洗浄基質と接触するように前記ノズルを移動する工程と、前記容器から前記ノズルを取り出す工程と、前記容器の前記蓋部を閉じる工程と、を更に備え得る。
第2実施形態の方法は、前記ノズルから前記洗浄溶剤を除去するための乾燥基質と接触するように前記ノズルを移動する工程を更に備え得る。
第2実施形態の方法は、前記洗浄溶剤のレベルを検出する工程と、前記検出されたレベルを所定の閾値と比較する工程と、前記検出されたレベルが前記所定の閾値未満であることに基づいて、洗浄溶液を前記容器に追加するための信号を生成する工程と、を更に備え得る。
【0081】
第2実施形態の方法は、前記ノズルをカメラの近傍に移動する工程と、前記カメラを用いて前記ノズルの画像を捕捉する工程と、前記画像を処理して、前記ノズルからの材料の量に基づく値を生成する工程と、前記値が所定値に対する範囲内であるか否かを判定する工程と、を更に備え得て、前記ノズル及び前記洗浄基質の少なくとも一方を移動する工程は、前記値が前記範囲内であることに応じて行われ得る。
第2実施形態の方法は、前記ノズル及び前記洗浄基質の少なくとも一方を他方に対して移動する前記工程の後に、前記ノズルを前記カメラの近傍に移動する工程と、前記カメラを用いて前記ノズルの第2の画像を捕捉する工程と、前記第2の画像を処理して、前記ノズル上の材料の量に基づく第2の値を生成する工程と、前記第2の値が前記範囲内であるか否かを判定する工程と、前記第2の値が前記範囲内でないことに基づいて、前記ノズル及び前記洗浄基質の少なくとも一方を他方に対して移動する工程と、を更に備え得る。
第2実施形態の方法は、前記値が前記範囲内である場合に、前記ノズルを起動して流体または粘性材料をディスペンスする工程を更に備え得る。
【0082】
第2実施形態の方法は、前記洗浄基質の第1部分に対して前記ノズルを移動する工程と、前記洗浄基質の前記第1部分とは異なる第2部分に対して前記ノズルを移動する工程と、前記ノズルが前記洗浄基質の前記第1及び第2部分に対して移動された回数に基づく指標を生成する工程と、前記指標が所定値以上であることに基づいて前記洗浄基質の製品寿命の終了を提示する工程と、を更に備え得る。
【0083】
第2実施形態の方法は、前記ノズルが前記洗浄基質に対して移動された合計回数を判定する工程と、前記合計回数が所定数以上であることを判定する工程と、前記合計回数が前記所定数以上であるという判定に応じて、前記洗浄基質の製品寿命の終了を提示する工程と、を更に備え得る。
【0084】
第2実施形態の方法は、印刷回路基板上に共形の被覆材をディスペンスする工程を更に備え得る。
第2実施形態の方法は、第2ノズルに対して前記洗浄基質に向けて前記ノズルを移動する工程を更に備え得る。
第2実施形態の方法において、前記ノズル及び前記洗浄基質の少なくとも一方を他方に対して移動する前記工程は、前記洗浄基質に対して前記第2ノズルと共に前記ノズルを移動する工程を含み得る。
【0085】
第3実施形態は、ディスペンサのノズルを検査する方法に向けられている。当該方法は、ノズルを用いて流体または粘性材料をディスペンスする工程と、カメラを用いてディスペンシング後のノズルの画像を捕捉する工程と、を備え得る。当該方法は、また、当該画像を処理して当該画像の画素強度に基づく値を生成し、当該値を利用して前記ノズルが洗浄されるべきか否かを判定する工程、を備え得る。当該方法は、更に、前記ノズルが洗浄されるべきであるという判定に基づいて、前記ノズルを洗浄する工程、を備え得る。
【0086】
第3実施形態の方法において、前記値を利用する工程は、当該値が所定値に対するある範囲内であるか否かを判定する工程を含み得る。
第3実施形態の方法は、洗浄後に前記カメラを用いて前記ノズルの第2の画像を捕捉する工程と、前記第2の画像を処理して前記第2の画像の画素強度に基づく第2の値を生成する工程と、前記第2の値が前記範囲内であるか否かを判定する工程と、前記第2の値が前記範囲内であることに応じて前記ノズルを用いて流体ないし粘性材料をディスペンシングするために基材に向けて前記ノズルを移動する工程と、を更に備え得る。
【0087】
第3実施形態の方法において、前記ノズルを洗浄する工程は、複数のフック構造を有する洗浄基質でノズルを洗浄する工程を含み得る。第3実施形態の方法において、画像はグレースケールであり得る。第3実施形態の方法において、前記画像を処理する工程は、前記画像の画素強度に基づく配列を生成する工程と、前記配列を正規化してスカラ量で前記値を生成する工程と、を有し得る。
【0088】
第3実施形態の方法において、前記ディスペンスする工程は、印刷回路基板上に共形被覆をディスペンスする工程を含み得る。
第3実施形態の方法において、前記画像を捕捉する工程は、ミラーから反射画像を受容する工程を含み得て、前記カメラは、プラットフォームの下方に位置決めされて、プラットフォームに対してある角度だけ角度付けられている。
【0089】
第4実施形態は、プラットフォームと、当該プラットフォームに対して移動可能なディスペンサのノズルと、を備えるディスペンシングシステムに向けられている。当該ディスペンシングシステムは、プラットフォームの下方に位置決めされて前記ノズルの画像を捕捉するように構成されたカメラと、前記プラットフォームによって支持されて複数のフック構造を有する洗浄基質と、を備え得る。当該システムは、更に、前記ノズルから流体または粘性材料をディスペンスし、前記カメラを起動して前記ノズルの画像を捕捉する、ための1または複数の信号を生成するように構成された制御部を備え得る。当該1または複数の信号は、前記画像を処理してある値を生成し得て、当該値を利用してノズルが洗浄されるべきか否かを判定し得る。前記1または複数の信号は、前記ノズルが洗浄されるべきという判定に応じて、更に、前記フック構造によって前記ノズルから前記流体または前記粘性材料の少なくとも幾らかを除去するべく前記ノズル及び前記洗浄基質のうちの少なくとも一方を他方に対して移動し得る。
【0090】
前記コントローラは、前記値が所定値に対するある範囲内であるか否かを判定するために、前記値を利用するように構成され得る。
前記フック構造は、ナイロンまたはポリエステルを含み得る。
前記コントローラは、前記ノズルが前記洗浄基質に対して移動された合計回数を判定して、前記合計回数が所定合計数以上であることを判定して、前記合計回数が前記所定合計数以上であるという判定に応じて前記洗浄基質の製品寿命の終了を提示する、ための1または複数の信号を生成するように構成され得る。
【0091】
第4実施形態のシステムは、前記プラットフォームによって支持され、前記洗浄基質を受容する容器と、前記容器内において、前記フック構造を少なくとも部分的に覆う洗浄溶剤と、前記容器を覆う蓋部と、を更に備え得る。
前記洗浄溶剤は、エトキシ化アルコールを含み得る。
第4実施形態のシステムは、前記洗浄溶剤のレベルを検出し、前記検出されたレベルを所定の閾値と比較し、前記検出されたレベルが前記所定の閾値未満であることに応じて、洗浄溶液を前記容器に追加するための信号を生成する、ように構成されたレベル制御システムを更に備え得る。
第4実施形態のシステムは、前記蓋部の下方の前記容器内に前記洗浄基質を取り外し可能に固定するように構成されたハウジングを更に備え得る。
第4実施形態のシステムは、前記ノズルから前記洗浄溶剤を除去するように構成された乾燥基質を更に備え得る。
前記乾燥基質は、前記蓋部の外側面上に位置決めされ得る。
前記乾燥基質は、繊維またはスポンジを有し得る。
【0092】
第4実施形態のシステムにおいて、前記カメラは、前記ノズルの開口の画像を捕捉するように構成され得る。第4実施形態のシステムは、前記カメラに関連付けられたミラーを更に備え得て、前記ミラーは、前記プラットフォームに対して角度付けられており、前記ノズルの前記開口の前記画像を前記カメラに向けて反射するように構成され得る。
前記カメラ及び前記ミラーは、前記プラットフォームの下方に位置決めされ得る。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10