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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-27
(45)【発行日】2022-08-04
(54)【発明の名称】提供システムおよび提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/62 20130101AFI20220728BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20220728BHJP
   G07D 11/235 20190101ALI20220728BHJP
   G07D 11/26 20190101ALI20220728BHJP
   G07D 11/60 20190101ALI20220728BHJP
   H04L 67/00 20220101ALI20220728BHJP
【FI】
G06F21/62 345
G06Q30/02 398
G07D11/235
G07D11/26
G07D11/60
H04L67/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018165675
(22)【出願日】2018-09-05
(65)【公開番号】P2020038524
(43)【公開日】2020-03-12
【審査請求日】2021-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上玉利 久樹
(72)【発明者】
【氏名】岡村 さぎり
(72)【発明者】
【氏名】宍戸 隆一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 和英
(72)【発明者】
【氏名】青木 理恭
(72)【発明者】
【氏名】臼井 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼松 泰武
【審査官】岸野 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-036850(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0044059(US,A1)
【文献】特開2012-103759(JP,A)
【文献】特開2018-014088(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0025347(US,A1)
【文献】特開2014-238640(JP,A)
【文献】特開2016-136363(JP,A)
【文献】特開2006-262497(JP,A)
【文献】特開2018-005378(JP,A)
【文献】特開2012-118878(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/62
G06Q 30/02
G07D 11/235
G07D 11/26
G07D 11/60
H04L 67/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
提供システムは、取引装置と、提供サーバと、情報処理端末とを有し、
前記取引装置は、
取引の開始を受け付けた場合、前記取引に対応する個人情報をトークンに変換し、前記提供サーバに前記トークンを送信する変換部と、
前記提供サーバから前記トークンに対応する第1のレコメンド情報を受信する取得部と、
受信した前記第1のレコメンド情報を表示する表示制御部と、
表示した前記第1のレコメンド情報に対する操作結果を前記提供サーバに送信する結果送信部と、を有し、
前記提供サーバは、
前記取引装置から前記トークンを受信すると、受信した前記トークンに対応する前記第1のレコメンド情報を特定する特定部と、
特定した前記第1のレコメンド情報を前記取引装置に送信し、前記取引装置から前記操作結果を受信する通信制御部と、を有
前記情報処理端末は、
前記取引装置に対応付けた識別情報を読み取って、前記提供サーバへアクセスした場合、前記提供サーバから前記第1のレコメンド情報に対応する第2のレコメンド情報を受信する、
ことを特徴とする提供システム。
【請求項2】
前記提供サーバの前記特定部は、前記情報処理端末からのアクセスを受け付けると、前記識別情報に対応付けられた前記取引装置に表示される前記第1のレコメンド情報に応じて前記第2のレコメンド情報を特定し、
前記提供サーバの前記通信制御部は、特定した前記第2のレコメンド情報を前記情報処理端末に送信する、
ことを特徴とする請求項に記載の提供システム。
【請求項3】
前記情報処理端末は、該情報処理端末の識別情報を用いて、前記提供サーバへアクセスする、
ことを特徴とする請求項またはに記載の提供システム。
【請求項4】
前記提供システムは、さらに、情報管理装置を有し、
前記情報管理装置は、
前記提供サーバから前記トークンと前記操作結果とを対応付けたレコメンド結果を取得する取得部と、
取得した前記レコメンド結果の前記トークンを前記個人情報に変換する変換部と、
前記操作結果を分析した分析結果を、前記個人情報と対応付けて記憶部に格納する格納部と、を有する、
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1つに記載の提供システム。
【請求項5】
取引装置と、提供サーバと、情報処理端末とを有する提供システムにおける提供方法であって、
取引の開始を受け付けた場合、前記取引に対応する個人情報をトークンに変換し、提供サーバに前記トークンを送信し、
前記提供サーバから前記トークンに対応する第1のレコメンド情報を受信し、
受信した前記第1のレコメンド情報を表示し、
表示した前記第1のレコメンド情報に対する操作結果を前記提供サーバに送信する、
処理を前記取引装置が実行し、
前記取引装置から前記トークンを受信すると、受信した前記トークンに対応する前記第1のレコメンド情報を特定し、
特定した前記第1のレコメンド情報を前記取引装置に送信し、前記取引装置から前記操作結果を受信する、
処理を前記提供サーバが実行し、
前記取引装置に対応付けた識別情報を読み取って、前記提供サーバへアクセスした場合、前記提供サーバから前記第1のレコメンド情報に対応する第2のレコメンド情報を受信する、
処理を前記情報処理端末が実行する、
とを特徴とする提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、提供システム、取引装置、提供方法および提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ATM(Automated Teller Machine)を利用する場合において、例えば、入出金の取引処理の待ち時間に広告を表示することが行われている。この様な広告の表示では、広告を提供するサーバと、金融機関の勘定系システムにおける顧客データベースとの間で顧客データのやりとりが発生する。ところが、顧客データの内容や形式が様々であることから、サーバと顧客データベースとの間でデータの関連付けを行うゲートウェイサーバを設けることが提案されている。また、通信ネットワークを流れるクレジット番号を、変換則を用いて別のものに変換することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-041781号公報
【文献】特開2001-337925号公報
【文献】特開2016-181806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
広告を提供するサーバは、金融機関の勘定系システムとは異なる環境、例えば、クラウド等のオープンな環境に配置することが望まれる。しかしながら、当該サーバをオープンな環境に配置した場合、例えば、クラウド上に口座情報や個人情報等の機微情報を保管することになり、セキュリティ上のリスクが高くなる恐れがある。
【0005】
一つの側面では、個人情報のセキュリティを確保できる提供システム、取引装置、提供方法および提供プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの態様では、提供システムは、取引装置と、提供サーバとを有する。取引装置は、変換部と、取得部と、表示制御部と、結果送信部とを有する。変換部は、取引の開始を受け付けた場合、前記取引に対応する個人情報をトークンに変換し、前記提供サーバに前記トークンを送信する。取得部は、前記提供サーバから前記トークンに対応する第1のレコメンド情報を受信する。表示制御部は、受信した前記第1のレコメンド情報を表示する。結果送信部は、表示した前記第1のレコメンド情報に対する操作結果を前記提供サーバに送信する。提供サーバは、特定部と、通信制御部とを有する。特定部は、前記取引装置から前記トークンを受信すると、受信した前記トークンに対応する前記第1のレコメンド情報を特定する。通信制御部は、特定した前記第1のレコメンド情報を前記取引装置に送信し、前記取引装置から前記操作結果を受信する。
【発明の効果】
【0007】
個人情報のセキュリティを確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施例の提供システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、顧客情報の一例を示す図である。
図3図3は、実施例の取引装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、口座情報の変換の一例を示す図である。
図5図5は、実施例の提供サーバの構成の一例を示すブロック図である。
図6図6は、レコメンド管理テーブルの一例を示す図である。
図7図7は、レコメンド結果管理テーブルの一例を示す図である。
図8図8は、実施例の提供システムにおける情報の流れの一例を示す図である。
図9図9は、分析結果の一例を示す図である。
図10図10は、分析結果の活用情報の一例を示す図である。
図11図11は、レコメンドコンテンツの表示画面の一例を示す図である。
図12図12は、レコメンドコンテンツの表示画面の他の一例を示す図である。
図13図13は、実施例の事前処理の一例を示すシーケンス図である。
図14図14は、実施例の第1情報提供処理の一例を示すシーケンス図である。
図15図15は、実施例の第2情報提供処理の一例を示すシーケンス図である。
図16図16は、実施例の事後処理の一例を示すシーケンス図である。
図17図17は、提供プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて、本願の開示する提供システム、取引装置、提供方法および提供プログラムの実施例を詳細に説明する。なお、本実施例により、開示技術が限定されるものではない。また、以下の実施例は、矛盾しない範囲で適宜組みあわせてもよい。
【実施例
【0010】
図1は、実施例の提供システムの構成の一例を示すブロック図である。図1に示す提供システム1は、取引装置10と、NFC(Near Field Communication)タグ20と、データセンタ30内のホストコンピュータ40および情報管理装置50と、端末60と、中継サーバ70と、提供サーバ100とを有する。なお、提供システム1では、取引装置10および端末60の数は限定されず、任意の数の取引装置10および端末60を有するようにしてもよい。
【0011】
取引装置10とホストコンピュータ40との間は、相互に通信可能に接続される。また、ホストコンピュータ40と情報管理装置50との間は、相互に通信可能に接続される。また、情報管理装置50と提供サーバ100との間は、相互に通信可能に接続される。また、取引装置10と提供サーバ100との間は、中継サーバ70を介して、相互に通信可能に接続される。また、端末60と提供サーバ100との間は、ネットワークNを介して、相互に通信可能に接続される。
【0012】
ネットワークNには、有線または無線を問わず、インターネットを始め、LAN(Local Area Network)やVPN(Virtual Private Network)などの任意の種類の通信網を採用できる。また、ネットワークNを介する端末60と提供サーバ100との間のそれぞれの通信は、例えば、TLS(Transport Layer Security)/SSL(Secure Sockets Layer)等によって暗号化されてもよい。
【0013】
提供システム1は、取引装置10を利用する顧客に対して、取引装置10や顧客が所持する端末60を利用して、提供サーバ100がレコメンド情報を提供するシステムの一例である。
【0014】
取引装置10は、ATMであり、例えば、金融機関の店舗やコンビニエンスストア(以下、コンビニともいう。)等に設置される。取引装置10では、例えば、金融機関の顧客が入出金や振込等の各種金融サービスの提供を受けることができる。取引装置10は、取引の開始を受け付けた場合、取引に対応する個人情報(口座情報)をトークンに変換し、提供サーバ100にトークンを送信する。なお、トークンは、例えば、口座情報を事前に設定した変換論理を用いて変換したものである。また、以下の説明では、変換前の口座情報を口座情報(平文)と表し、トークンを口座情報(変換)とも表す。取引装置10は、提供サーバ100からトークンに対応する第1のレコメンド情報を受信する。取引装置10は、受信した第1のレコメンド情報を表示する。取引装置10は、表示した第1のレコメンド情報に対する操作結果を提供サーバ100に送信する。これにより、取引装置10は、個人情報(口座情報)のセキュリティを確保できる。
【0015】
NFCタグ20は、例えば、NFCと呼ばれる規格(ISO/IEC 18092)に基づく非接触型のIC(Integrated Circuit)カードである。なお、NFCタグ20は、例えば、ISO/IEC 14443等の他の規格に基づくものであってもよい。NFCタグ20は、例えば、取引装置10のタッチパネル近傍に設置される。なお、NFCタグ20は、NFCに代えて、例えば、QRコード(登録商標)や、Bluetooth(登録商標)のビーコン発振器等を用いるようにしてもよい。
【0016】
ホストコンピュータ40は、例えば、金融機関の勘定系システムにおけるメインフレームである。ホストコンピュータ40は、例えば、顧客の口座情報や個人情報を含む顧客情報ファイル(CIF:Customers' Information Files)を管理する。
【0017】
ここで、図2を用いて顧客情報について説明する。図2は、顧客情報の一例を示す図である。図2に示すように、顧客情報41は、顧客情報ファイルに格納される各種の情報の一例である。なお、顧客情報ファイル(CIF)は、MCIF(Marketing CIF)であってもよい。顧客情報41は、例えば、「口座情報(平文)」、「顧客属性」といった項目を有する。また、「顧客属性」は、例えば、「残高」、「氏名」、「住所」、「生年月日」、「職業」、「家族構成」、「利用サービス」といった項目を有する。
【0018】
「口座情報(平文)」は、金融機関コード、支店コードおよび口座番号を表す情報である。「残高」、「氏名」、「住所」、「生年月日」、「職業」、「家族構成」および「利用サービス」は、顧客に係るそれぞれの情報を示す。
【0019】
図1の説明に戻って、情報管理装置50は、レコメンド情報の管理やレコメンド結果の分析を行う情報処理装置である。情報管理装置50は、提供サーバ100から変換論理を受信して記憶する。情報管理装置50は、ホストコンピュータ40から顧客情報を取得し、変換論理に基づいて、口座情報(平文)を口座情報(変換)に変換する。情報管理装置50は、口座情報(変換)と、顧客情報に基づくレコメンド情報とを対応付けて、レコメンド管理テーブル情報を生成する。情報管理装置50は、生成したレコメンド管理テーブル情報を提供サーバ100に送信する。
【0020】
情報管理装置50は、提供サーバ100からトークン(口座情報(変換))と操作結果とを対応付けたレコメンド結果(レコメンド結果管理テーブル情報)を取得する。情報管理装置50は、取得したレコメンド結果のトークン(口座情報(変換))を個人情報(口座情報(平文))に変換する。情報管理装置50は、操作結果を分析した分析結果を生成し、個人情報(口座情報(平文))と対応付けて記憶部に格納する。つまり、情報管理装置50は、取得部と、変換部と、格納部とを有する。ここで、分析結果は、例えば、1週間や1ヶ月等の所定期間について蓄積した操作結果を分析したものとすることができる。また、情報管理装置50は、個人情報(口座情報(平文))と対応付けた分析結果をホストコンピュータ40に送信する。
【0021】
端末60は、顧客が所持する情報処理端末である。端末60は、例えば、スマートフォンを用いることができる。端末60は、NFCタグ20を読み込むことができる非接触型のICタグリーダを有する。端末60は、例えば、NFCタグ20を読み込むことで、NFCタグ20を識別する識別子(以下、NFCID(Identifier)という。)と、提供サーバ100が提供するWebサービスの個別URL(Uniform Resource Locator)とを取得する。端末60は、ブラウザを用いて当該個別URLのWebサービスにアクセスし、NFCIDを送信することで、提供サーバ100からコンテンツを受信して表示することができる。なお、NFCタグ20から読み取った個別URLは、NFCIDを含むようにしてもよい。また、端末60は、表示したコンテンツに対するレコメンド結果を取得し、端末60の個体識別番号とレコメンド結果とを含む操作結果情報を生成して提供サーバ100に送信するようにしてもよい。
【0022】
すなわち、端末60は、取引装置10に対応付けた識別情報を読み取って、提供サーバ100へアクセスした場合、提供サーバ100から第1のレコメンド情報に対応する第2のレコメンド情報を受信する。また、端末60は、該端末60の識別情報を用いて、提供サーバ100へアクセスする。
【0023】
中継サーバ70は、取引装置10と提供サーバ100との接続を中継するサーバである。取引装置10は、セキュリティを確保するためにインターネットと接続する提供サーバ100と直接接続することは好ましくない。このため、取引装置10と提供サーバ100との接続は、中継サーバ70を介して情報をやり取りすることで、ネットワークを分離している。なお、中継サーバ70は、提供サーバ100がクローズな環境にある場合には、ネットワークNとの間にゲートウェイを設けることで省略することができる。
【0024】
提供サーバ100は、取引装置10を利用する顧客に対して、取引装置10や端末60を利用してレコメンドコンテンツを提供する情報処理装置の一例である。提供サーバ100は、取引装置10からトークンを受信すると、受信したトークンに対応する第1のレコメンド情報を特定する。提供サーバ100は、特定した第1のレコメンド情報を取引装置10に送信し、取引装置10から操作結果を受信する。これにより、提供サーバ100は、トークンを用いてレコメンド情報を提供することができる。
【0025】
次に、取引装置10の構成について説明する。図3は、実施例の取引装置の構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、取引装置10は、通信部11と、記憶部12と、表示操作部13と、制御部14とを有する。また、取引装置10は、図示しないが、カードや通帳等の媒体や、現金を取り扱う各機能部を有する。なお、取引装置10は、図3に示す機能部以外にも既知のコンピュータが有する各種の機能部、例えば各種の入力デバイスや音声出力デバイス等の機能部を有することとしてもかまわない。
【0026】
通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部11は、ホストコンピュータ40と有線または無線で接続され、ホストコンピュータ40との間で情報の通信を司る通信インタフェースである。また、通信部11は、中継サーバ70と有線または無線で接続され、中継サーバ70を介して提供サーバ100との間で情報の通信を司る通信インタフェースである。通信部11は、ホストコンピュータ40との間で取引電文を送受信する。また、通信部11は、提供サーバ100から受信した変換論理および第1のレコメンド情報を制御部14に出力する。また、通信部11は、制御部14から入力されたレコメンド要求および操作結果情報を提供サーバ100に送信する。
【0027】
記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスクや光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部12は、提供サーバ100から受信した変換論理を記憶する。また、記憶部12は、口座情報の変換前後の情報、つまり、口座情報(平文)と口座情報(変換)とを記憶する。さらに、記憶部12は、制御部14での処理に用いる情報を記憶する。また、記憶部12は、予め第1のレコメンド情報に対応するレコメンドコンテンツを記憶するようにしてもよい。なお、変換論理は、例えば、特定の乱数の乗算やハッシュ値を算出する論理等を用いることができる。
【0028】
表示操作部13は、各種情報を表示するための表示デバイス、および、顧客から各種操作を受け付ける入力デバイスである。例えば、表示操作部13は、表示デバイスとして液晶ディスプレイ等によって実現される。また、例えば、表示操作部13は、入力デバイスとして、タッチパネル等によって実現される。つまり、表示操作部13は、表示デバイスと入力デバイスとが一体化される。表示操作部13は、顧客によって入力された操作を操作情報として制御部14に出力する。
【0029】
制御部14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、内部の記憶装置に記憶されているプログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部14は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されるようにしてもよい。制御部14は、取引処理部15と、変換部16と、取得部17と、表示制御部18と、結果送信部19とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部14の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0030】
取引処理部15は、顧客の操作による、カードや通帳といった媒体の挿入、および、取引種別等の各種入力を受け付ける。取引処理部15は、通信部11を介して、受け付けた取引の入力に応じて、ホストコンピュータ40と取引電文を送受信して取引を処理する。取引処理部15は、例えば、入出金、残高照会、振替および振込等の各種取引をホストコンピュータ40と連携して行う。取引処理部15は、取引の最後に媒体を放出して取引を終了する。
【0031】
変換部16は、取引処理部15において取引が開始されると、カードや通帳といった媒体から口座情報を取得する。変換部16は、記憶部12を参照し、変換論理に基づいて、取得した口座情報(平文)を口座情報(変換)、つまりトークンに変換する。変換部16は、口座情報(変換)と取引装置10の設置場所とを含むレコメンド要求を生成する。変換部16は、通信部11および中継サーバ70を介して、生成したレコメンド要求を提供サーバ100に送信する。言い換えると、変換部16は、取引の開始を受け付けた場合、取引に対応する個人情報(口座情報(平文))をトークン(口座情報(変換))に変換し、提供サーバ100にトークンを送信する。
【0032】
取得部17は、中継サーバ70および通信部11を介して、提供サーバ100からレコメンド要求に対応する第1のレコメンド情報を受信して取得する。取得部17は、受信した第1のレコメンド情報を表示制御部18に出力する。すなわち、取得部17は、提供サーバ100からトークンに対応する第1のレコメンド情報を受信して取得する。
【0033】
表示制御部18は、取得部17から入力された第1のレコメンド情報に基づいて、レコメンドコンテンツを表示操作部13に表示する。ここで、レコメンドコンテンツは、第1のレコメンド情報に含まれるようにしてもよい。すなわち、表示制御部18は、受信した第1のレコメンド情報を表示する。また、レコメンドコンテンツは、予め記憶部12に記憶し、第1のレコメンド情報のコンテンツ識別名に応じたレコメンドコンテンツを記憶部12から読み出して表示するようにしてもよい。
【0034】
表示制御部18は、表示操作部13から入力される操作情報に基づいて、表示したレコメンドコンテンツに対するレコメンド結果を取得する。表示制御部18は、口座情報(変換)とレコメンド結果とを含む操作結果情報を生成する。表示制御部18は、生成した操作結果情報を結果送信部19に出力する。
【0035】
結果送信部19は、表示制御部18から操作結果情報が入力されると、通信部11および中継サーバ70を介して、入力された操作結果情報を提供サーバ100に送信する。すなわち、結果送信部19は、表示した第1のレコメンド情報に対する操作結果を提供サーバ100に送信する。
【0036】
ここで、図4を用いて口座情報の変換について説明する。図4は、口座情報の変換の一例を示す図である。図4に示すように、口座情報(平文)12aは、「金融機関コード(平文)」、「支店コード(平文)」、「口座番号(平文)」といった情報を含む。金融機関コードは、日本全国において、金融機関を一意に識別するコードである。支店コードは、金融機関内において、支店を一意に識別するコードである。口座番号は、金融機関の支店内において、顧客を一意に識別するコードである。なお、金融機関コードは、ISO 9362に規定されるSWIFTコード等を用いてもよい。また、金融機関と異なるその他の業態の場合には、口座情報に代えて、会員番号や会員IDを用いるようにしてもよい。
【0037】
変換部16は、記憶部12に記憶された変換論理に基づいて、口座情報(平文)12aを、口座情報(変換)12bに変換する。口座情報(変換)12bは、「金融機関コード(変換)」、「支店コード(変換)」、「口座番号(変換)」といった情報を含むことになる。
【0038】
続いて、提供サーバ100の構成について説明する。図5は、実施例の提供サーバの構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、提供サーバ100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、提供サーバ100は、図5に示す機能部以外にも既知のコンピュータが有する各種の機能部、例えば各種の入力デバイスや音声出力デバイス等の機能部を有することとしてもかまわない。
【0039】
通信部110は、例えば、NIC等によって実現される。通信部110は、中継サーバ70と有線または無線で接続され、中継サーバ70を介して取引装置10との間で情報の通信を司る通信インタフェースである。また、通信部110は、ネットワークNを介して端末60と有線または無線で接続され、端末60との間で情報の通信を司る通信インタフェースである。また、通信部110は、情報管理装置50と有線または無線で接続され、情報管理装置50との間で情報の通信を司る通信インタフェースである。
【0040】
通信部110は、取引装置10からレコメンド要求および操作結果情報を受信する。また、通信部110は、情報管理装置50からレコメンド管理テーブル情報を受信する。また、通信部110は、端末60から個別URLへのアクセスを受信する。通信部110は、受信したレコメンド要求、操作結果情報、レコメンド管理テーブル情報および個別URLへのアクセスを制御部130に出力する。
【0041】
通信部110は、制御部130から入力された変換論理を取引装置10および情報管理装置50に送信する。また、通信部110は、制御部130から入力された第1のレコメンド情報を取引装置10に送信する。また、通信部110は、制御部130から入力された第2のレコメンド情報を端末60に送信する。また、通信部110は、制御部130から入力されたレコメンド結果管理テーブル情報を情報管理装置50に送信する。
【0042】
記憶部120は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスクや光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、レコメンド管理テーブル121と、レコメンド結果管理テーブル122とを有する。また、記憶部120は、制御部130での処理に用いる情報を記憶する。
【0043】
レコメンド管理テーブル121は、口座情報(変換)とレコメンド情報とを対応付けて記憶する。つまり、レコメンド管理テーブル121は、レコメンド管理テーブル情報を記憶する。図6は、レコメンド管理テーブルの一例を示す図である。図6に示すように、レコメンド管理テーブル121は、「口座情報(変換)」、「レコメンド情報」といった項目を有する。また、「レコメンド情報」は、「取引装置向けコンテンツ」、「端末向けコンテンツ」といった項目を有する。
【0044】
「口座情報(変換)」は、変換論理によって変換された口座情報を示す。「取引装置向けコンテンツ」は、取引装置10に表示される第1のレコメンド情報に対応し、コンテンツ識別名とコンテンツ本体のデータとを示す。なお、取引装置10にレコメンドコンテンツを格納する場合には、コンテンツ本体のデータは省略できる。「端末向けコンテンツ」は、端末60に表示される第2のレコメンド情報に対応し、コンテンツ識別名と、コンテンツ本体のデータの格納先である提供サーバ100内のURL、または、外部URLとを示す。
【0045】
図5の説明に戻って、レコメンド結果管理テーブル122は、例えば、取引装置10および端末60ごとに、口座情報(変換)または個体識別番号と、レコメンド結果とを対応付けて記憶する。つまり、レコメンド結果管理テーブル122は、レコメンド結果管理テーブル情報を記憶する。図7は、レコメンド結果管理テーブルの一例を示す図である。図7に示すように、レコメンド結果管理テーブル122は、取引装置10に係るレコメンド結果管理テーブル122aと、端末60に係るレコメンド結果管理テーブル122bとを有する。なお、レコメンド結果管理テーブル122は、レコメンド結果管理テーブル122aと、レコメンド結果管理テーブル122bとのうち、いずれか一方を含むものであってもよいし、両方を含むものであってもよい。また、以下の説明では、レコメンド結果管理テーブル122aと、レコメンド結果管理テーブル122bとは、纏めてレコメンド結果管理テーブル122と表す場合がある。
【0046】
レコメンド結果管理テーブル122aは、「口座情報(変換)」、「レコメンド結果」といった項目を有する。また、「レコメンド結果」は、「閲覧履歴」、「操作履歴」といった項目を有する。さらに、「閲覧履歴」は、「日時」、「場所」、「コンテンツ」といった項目を有する。「操作履歴」は、「表示時間」、「選択キー」といった項目を有する。レコメンド結果管理テーブル122bは、レコメンド結果管理テーブル122aの「口座情報(変換)」に代えて、「個体識別番号」を有し、「レコメンド結果」は、レコメンド結果管理テーブル122aと同様である。
【0047】
「口座情報(変換)」は、変換論理によって変換された口座情報を示す。「個体識別番号」は、端末60の個体を識別する識別子であり、例えばUUID(Universally Unique IDentifier)やIMEI(International Mobile Equipment Identity)といった情報を用いることができる。「日時」は、レコメンドコンテンツが閲覧された日時を示す情報である。「場所」は、レコメンドコンテンツが閲覧された場所を示す情報である。「コンテンツ」は、コンテンツ識別名を示す情報である。「表示時間」は、レコメンドコンテンツが表示された時間を示す情報である。「選択キー」は、レコメンドコンテンツに対して選択操作がされたキーを示す情報であり、表示したレコメンドコンテンツに対するレコメンド結果に含まれる。
【0048】
図5の説明に戻って、制御部130は、例えば、CPUやMPU等によって、内部の記憶装置に記憶されているプログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されるようにしてもよい。制御部130は、取得部131と、特定部132と、通信制御部133とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図5に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0049】
取得部131は、例えば、提供システム1の管理者の操作により、口座情報の変換論理を決定する。取得部131は、通信部110および中継サーバ70を介して、決定した変換論理を取引装置10に送信する。また、取得部131は、通信部110を介して、決定した変換論理を情報管理装置50に送信する。取得部131は、送信した変換論理を用いて変換された口座情報(変換)を含むレコメンド管理テーブル情報を、通信部110を介して、情報管理装置50から受信する。取得部131は、受信したレコメンド管理テーブル情報をレコメンド管理テーブル121に記憶する。
【0050】
特定部132は、中継サーバ70および通信部110を介して、レコメンド要求を受信する。特定部132は、取引装置10向けとして、レコメンド管理テーブル121を参照し、受信したレコメンド要求に対応する第1のレコメンド情報を特定する。また、特定部132は、端末60向けとして、レコメンド管理テーブル121を参照し、第1のレコメンド情報に対応する第2のレコメンド情報を特定する。なお、特定部132は、受信したレコメンド要求に対応する第2のレコメンド情報を特定するようにしてもよい。特定部132は、特定した第1のレコメンド情報を通信制御部133に出力する。
【0051】
また、特定部132は、端末60からの個別URLに対するアクセスを受け付けると、受信した個別URLに対応する第2のレコメンド情報、つまり、特定した第2のレコメンド情報を通信制御部133に出力する。なお、特定部132は、端末60がNFCタグ20を読み取った期間、例えば、あるキャンペーンの実施期間等が個別URLに含まれる場合、当該期間に応じて、特定した第2のレコメンド情報を通信制御部133に出力するようにしてもよい。
【0052】
言い換えると、特定部132は、取引装置10からトークンを受信すると、受信したトークンに対応する第1のレコメンド情報を特定する。また、特定部132は、端末60からのアクセスを受け付けると、識別情報に対応付けられた取引装置10に表示される第1のレコメンド情報に応じて第2のレコメンド情報を特定する。
【0053】
通信制御部133は、特定部132から第1のレコメンド情報が入力されると、通信部110および中継サーバ70を介して、第1のレコメンド情報を取引装置10に送信する。通信制御部133は、特定部132から第2のレコメンド情報が入力されると、通信部110およびネットワークNを介して、第2のレコメンド情報を端末60に送信する。
【0054】
通信制御部133は、中継サーバ70および通信部110を介して、取引装置10から操作結果情報を受信する。また、通信制御部133は、ネットワークNおよび通信部110を介して、端末60から操作結果情報を受信する。通信制御部133は、受信した操作結果情報をレコメンド結果管理テーブル122に記憶する。また、通信制御部133は、レコメンド結果管理テーブル122の内容をレコメンド結果管理テーブル情報として、情報管理装置50に送信する。
【0055】
言い換えると、通信制御部133は、特定した第1のレコメンド情報を取引装置10に送信し、取引装置10から操作結果を受信する。また、通信制御部133は、特定した第2のレコメンド情報を端末60に送信する。
【0056】
続いて、図8を用いて提供システム1における情報の流れを説明する。図8は、実施例の提供システムにおける情報の流れの一例を示す図である。
【0057】
図8に示すように、情報管理装置50は、ホストコンピュータ40から顧客情報41を取得し、口座情報(平文)を口座情報(変換)に変換してレコメンド管理テーブル情報を生成する(ステップS1)。情報管理装置50は、生成したレコメンド管理テーブル情報を提供サーバ100に送信する(ステップS2)。提供サーバ100は、受信したレコメンド管理テーブル情報をレコメンド管理テーブル121として記憶する。
【0058】
取引装置10は、顧客から取引の開始を受け付けると、入出金等の従来の取引処理を行う(ステップS3)。取引装置10は、カードや通帳等の媒体から口座情報(平文)を取得して、口座情報(平文)を口座情報(変換)に変換する(ステップS4)。取引装置10は、口座情報(変換)を設置場所とともにレコメンド要求として提供サーバ100に送信する(ステップS5)。
【0059】
提供サーバ100は、レコメンド要求の口座情報(変換)と設置場所をキーにレコメンド情報を特定して取引装置10に送信する(ステップS6)。取引装置10は、受信したレコメンド情報に基づいて、レコメンドコンテンツを表示する(ステップS7)。取引装置10は、表示したレコメンドコンテンツに対するレコメンド結果を取得し、口座情報(変換)とともに操作結果情報として提供サーバ100の送信する(ステップS8)。
【0060】
提供サーバ100は、受信した操作結果情報をレコメンド結果管理テーブル122に記憶する。提供サーバ100は、例えば、1日に1回等の所定のタイミングでレコメンド結果管理テーブル122の内容を、レコメンド結果管理テーブル情報として情報管理装置50に送信する(ステップS9)。
【0061】
情報管理装置50は、受信したレコメンド結果管理テーブル情報の口座情報(変換)を口座情報(平文)に戻し、レコメンド結果を分析する(ステップS10)。情報管理装置50は、口座情報(平文)と対応付けた分析結果をホストコンピュータ40に送信する。ホストコンピュータ40は、分析結果に基づいて、口座情報(平文)と顧客向け行動とを対応付けて分析結果の活用情報を生成する。
【0062】
端末60は、取引装置10に設置されたNFCタグ20が顧客により読み取り操作が行われると(ステップS11)、読み取った個別URLにアクセスする(ステップS12)。ここでのアクセス先は、提供サーバ100である。提供サーバ100は、個別URLへのアクセスを受け付けると、個別URLに対応する第2のレコメンド情報を端末60に送信する。端末60は、受信した第2のレコメンド情報に基づいて、レコメンドコンテンツを表示する(ステップS13)。なお、レコメンドコンテンツの表示を取引装置10だけで終了する場合、ステップS11~S13は、行わなくてもよい。これにより、提供システム1では、個人情報のセキュリティを確保できる。
【0063】
ここで、図9および図10を用いて、分析結果について説明する。図9は、分析結果の一例を示す図である。図9に示す分析結果51は、ホストコンピュータ40等の勘定系システム(基幹システム)側で参照を行うため、口座情報(平文)に対して分析結果を対応付けている。分析結果51は、例えば、投資信託を購入していない顧客に対して、投資信託見込みといった分析結果を対応付ける。
【0064】
図10は、分析結果の活用情報の一例を示す図である。図10に示す活用情報42は、ホストコンピュータ40等において立案された顧客向けアクションを口座情報(平文)に対応付けている。活用情報42は、例えば、分析結果が投資信託見込みの顧客に対して、投資信託の資料の送付およびコール(電話)といったアクションが対応付けられている。
【0065】
続いて、図11および図12を用いて、取引装置10と端末60に表示されるレコメンドコンテンツの例について説明する。図11は、レコメンドコンテンツの表示画面の一例を示す図である。図11に示す画面80は、取引装置10に表示されるレコメンドコンテンツの一例である。画面80では、例えば、生命保険口座払い者に対して、複数の保険料が口座から引き落とされている場合等に、生命保険の見直しを提案している。このとき、取引装置10を操作中の顧客が、取引装置10に設置されたNFCタグ20を端末60で読み込むと、端末60に画面81が表示される。画面81には、生命保険の見直しについて、問合せ先等の情報が表示されるとともに、例えば、画面81からメールや電話を用いて問合せが可能となっている。
【0066】
図12は、レコメンドコンテンツの表示画面の他の一例を示す図である。図12に示す画面82は、取引装置10に表示されるレコメンドコンテンツの一例である。画面82では、例えば、季節のキャンペーン情報の案内を行っている。このとき、取引装置10を操作中の顧客が、取引装置10に設置されたNFCタグ20を端末60で読み込むと、端末60に画面83が表示される。画面83には、例えば、投資信託に関するキャンペーンについて、問合せ先等の情報が表示されるとともに、例えば、画面83からメールや電話を用いて問合せが可能となっている。
【0067】
続いて、実施例の提供システム1の動作について説明する。まず、変換論理の共有等の事前処理について説明する。図13は、実施例の事前処理の一例を示すシーケンス図である。
【0068】
提供サーバ100の取得部131は、例えば、提供システム1の管理者の操作により、口座情報の変換論理を決定する(ステップS21)。取得部131は、決定した変換論理を取引装置10および情報管理装置50に送信する(ステップS22)。取引装置10の制御部14は、提供サーバ100から変換論理を受信すると、受信した変換論理を記憶部12に記憶する(ステップS23)。
【0069】
情報管理装置50は、提供サーバ100から変換論理を受信して記憶する(ステップS24)。情報管理装置50は、ホストコンピュータ40から顧客情報を取得し(ステップS25)、変換論理に基づいて、口座情報(平文)を口座情報(変換)に変換する(ステップS26)。情報管理装置50は、口座情報(変換)とレコメンド情報とを対応付けたレコメンド管理テーブル情報を生成して提供サーバ100に送信する(ステップS27)。
【0070】
提供サーバ100の取得部131は、情報管理装置50からレコメンド管理テーブル情報を受信してレコメンド管理テーブル121に記憶する(ステップS28)。これにより、取引装置10および情報管理装置50は、変換論理を共有することができる。また、提供サーバ100は、レコメンド管理テーブル情報を取得できる。
【0071】
次に、提供サーバ100が取引装置10にレコメンドコンテンツを提供する第1情報提供処理について説明する。図14は、実施例の第1情報提供処理の一例を示すシーケンス図である。
【0072】
取引装置10の取引処理部15は、顧客の操作による、カードや通帳といった媒体の挿入、および、取引種別等の各種入力を受け付ける(ステップS31)。取引処理部15は、受け付けた取引の入力に応じて、取引電文をホストコンピュータ40と送受信して取引を処理する(ステップS32)。
【0073】
変換部16は、取引処理部15において取引が開始されると、媒体から口座情報を取得する(ステップS33)。変換部16は、記憶部12を参照し、変換論理に基づいて、取得した口座情報(平文)を口座情報(変換)に変換する(ステップS34)。変換部16は、口座情報(変換)と取引装置10の設置場所とを含むレコメンド要求を生成する。変換部16は、生成したレコメンド要求を提供サーバ100に送信する(ステップS35)。
【0074】
提供サーバ100の特定部132は、レコメンド要求を受信する。特定部132は、レコメンド管理テーブル121を参照し、受信したレコメンド要求に対応する第1のレコメンド情報を特定する(ステップS36)。また、特定部132は、レコメンド管理テーブル121を参照し、第1のレコメンド情報に対応する第2のレコメンド情報を特定する(ステップS37)。特定部132は、特定した第1のレコメンド情報を通信制御部133に出力する。通信制御部133は、特定部132から第1のレコメンド情報が入力されると、第1のレコメンド情報を取引装置10に送信する(ステップS38)。
【0075】
取引装置10の取得部17は、提供サーバ100からレコメンド要求に対応する第1のレコメンド情報を受信する。取得部17は、受信した第1のレコメンド情報を表示制御部18に出力する。表示制御部18は、取得部17から入力された第1のレコメンド情報に基づいて、レコメンドコンテンツを表示操作部13に表示する(ステップS39)。表示制御部18は、表示操作部13から入力される操作情報に基づいて、表示したレコメンドコンテンツに対するレコメンド結果を取得する(ステップS40)。表示制御部18は、口座情報(変換)とレコメンド結果とを含む操作結果情報を生成して結果送信部19に出力する。結果送信部19は、表示制御部18から操作結果情報が入力されると、入力された操作結果情報を提供サーバ100に送信する(ステップS41)。
【0076】
提供サーバ100の通信制御部133は、取引装置10から操作結果情報を受信する。通信制御部133は、受信した操作結果情報をレコメンド結果管理テーブル122に記憶する(ステップS42)。取引装置10の取引処理部15は、取引の最後に媒体を放出して取引を終了する(ステップS43)。これにより、取引装置10は、口座情報に応じたレコメンドコンテンツを表示できる。また、提供サーバ100は、レコメンド情報に応じたレコメンド結果を取得できる。
【0077】
続いて、提供サーバ100が端末60にレコメンドコンテンツを提供する第2情報提供処理について説明する。図15は、実施例の第2情報提供処理の一例を示すシーケンス図である。なお、第2情報提供処理は、例えば、第1情報提供処理のステップS40にて、顧客がNFCタグ20に端末60を近づけた場合に実行される。
【0078】
端末60は、NFCタグ20を読み取り、Webサービスの個別URLを取得する(ステップS51)。端末60は、ブラウザを用いて当該個別URLのWebサービスにアクセスする(ステップS52)。
【0079】
提供サーバ100の特定部132は、端末60からの個別URLに対するアクセスを受け付けると、受信した個別URLに対応する第2のレコメンド情報を通信制御部133に出力する。通信制御部133は、特定部132から第2のレコメンド情報が入力されると、第2のレコメンド情報を端末60に送信する(ステップS53)。
【0080】
端末60は、提供サーバ100から第2のレコメンド情報を受信してレコメンドコンテンツを表示する(ステップS54)。端末60は、表示したレコメンドコンテンツに対するレコメンド結果を取得する(ステップS55)。端末60は、端末60の個体識別番号とレコメンド結果とを含む操作結果情報を生成して提供サーバ100に送信する(ステップS56)。
【0081】
提供サーバ100の通信制御部133は、端末60から操作結果情報を受信する。通信制御部133は、受信した操作結果情報をレコメンド結果管理テーブル122に記憶する(ステップS57)。これにより、端末60は、取引装置10での操作に応じたレコメンドコンテンツを表示できる。また、提供サーバ100は、レコメンド情報に応じたレコメンド結果を取得できる。
【0082】
次に、提供サーバ100が情報管理装置50にレコメンド結果管理テーブル情報を送信する事後処理について説明する。図16は、実施例の事後処理の一例を示すシーケンス図である。
【0083】
提供サーバ100の通信制御部133は、レコメンド結果管理テーブル122の内容をレコメンド結果管理テーブル情報として、情報管理装置50に送信する(ステップS61)。情報管理装置50は、提供サーバ100からレコメンド結果管理テーブル情報を受信して取得する。情報管理装置50は、取得したレコメンド結果管理テーブル情報の口座情報(変換)を口座情報(平文)に変換する(ステップS62)。情報管理装置50は、操作結果(レコメンド結果)を分析した分析結果を生成し、口座情報(平文)と対応付けてホストコンピュータ40に送信する(ステップS63)。これにより、情報管理装置50は、レコメンド結果を分析することができる。
【0084】
このように、提供システム1は、取引装置10と、提供サーバ100とを有する。取引装置10は、取引の開始を受け付けた場合、取引に対応する個人情報をトークンに変換し、提供サーバ100にトークンを送信する。また、取引装置10は、提供サーバ100からトークンに対応する第1のレコメンド情報を受信する。また、取引装置10は、受信した第1のレコメンド情報を表示する。また、取引装置10は、表示した第1のレコメンド情報に対する操作結果を提供サーバ100に送信する。提供サーバ100は、取引装置10からトークンを受信すると、受信したトークンに対応する第1のレコメンド情報を特定する。また、提供サーバ100は、特定した第1のレコメンド情報を取引装置10に送信し、取引装置10から操作結果を受信する。その結果、提供システム1は、個人情報のセキュリティを確保できる。
【0085】
また、提供システム1は、さらに、情報処理端末である端末60を有する。端末60は、取引装置10に対応付けた識別情報を読み取って、提供サーバ100へアクセスした場合、提供サーバ100から第1のレコメンド情報に対応する第2のレコメンド情報を受信する。その結果、提供システム1は、個人情報のセキュリティを確保しつつ、さらに詳細なレコメンドコンテンツを提供することができる。
【0086】
また、提供サーバ100は、端末60からのアクセスを受け付けると、識別情報に対応付けられた取引装置10に表示される第1のレコメンド情報に応じて第2のレコメンド情報を特定する。また、提供サーバ100は、特定した第2のレコメンド情報を端末60に送信する。その結果、提供システム1は、取引装置10に表示されたレコメンドコンテンツに応じたレコメンドコンテンツを端末60に提供することができる。
【0087】
端末60は、該端末60の識別情報を用いて、提供サーバ100へアクセスする。その結果、提供システム1は、端末60の識別情報に対応付けられたレコメンドコンテンツを提供することができる。
【0088】
提供システム1は、さらに、情報管理装置50を有する。情報管理装置50は、提供サーバ100からトークンと操作結果とを対応付けたレコメンド結果(レコメンド結果管理テーブル情報)を取得する。また、情報管理装置50は、取得したレコメンド結果のトークン(口座情報(変換))を個人情報(口座情報(平文))に変換する。また、情報管理装置50は、操作結果を分析した分析結果を、個人情報と対応付けて記憶部に格納する。その結果、提供システム1は、口座情報(平文)と対応付けられた分析結果を取得することができる。
【0089】
なお、上記実施例では、提供するレコメンド情報として、生命保険の見直し、および、季節のキャンペーン情報について挙げたが、これに限定されない。例えば、レコメンド管理テーブル121の内容に基づいて、口座開設キャンペーンや取引ポイントによるステージの情報を提供できる。同様に、例えば、子供が入学時期であれば、教育ローンの相談について窓口へ誘導する情報を提供できる。同様に、例えば、郵便が不達であれば、住所変更について窓口へ誘導する情報を提供できる。また、例えば、長年に渡り給与振込口座としていれば、資産運用について窓口へ誘導する情報を提供できる。その他にも、取引装置10の取引情報等に基づいて、預金残高に応じて投資信託や債権、株式等の販売促進に繋がる情報を提供してもよい。
【0090】
また、上記実施例では、取引装置10として金融機関のATMを一例として説明したが、これに限定されない。例えば、POS(Point Of Sales)レジ、セルフレジ、券売機、自動販売機、キヨスク端末等の取引が可能な各種端末を用いて、上述の各情報提供処理を適用してもよい。
【0091】
また、上記実施例では、取引装置10にNFCタグ20が設置されており、顧客が端末60を用いてNFCタグ20を読み取る場合を説明したが、これに限定されない。例えば、取引装置10にレコメンドコンテンツを表示する第1情報提供処理を実施し、第2情報提供処理を実施しないようにしてもよい。この場合、端末60は、提供システム1に含まれなくてもよい。
【0092】
また、上記実施例では、端末60が個別URLにアクセスするきっかけとして、NFCタグ20を読み取ったが、これに限定されない。例えば、提供サーバ100において、端末60の個体識別番号と口座情報(変換)とを対応付けたテーブルを用意しておき、端末60からの個別URLへのアクセスに含まれる個体識別番号を用いて、第2のレコメンド情報を端末60に送信するようにしてもよい。これにより、端末60を所持する顧客は、取引装置10から離れた場所であっても、第2のレコメンド情報に対応するレコメンドコンテンツを閲覧することができる。
【0093】
また、図示した各部の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、取引装置10の取得部17と表示制御部18と結果送信部19とを統合してもよい。また、図示した各処理は、上記の順番に限定されるものでなく、処理内容を矛盾させない範囲において、同時に実施してもよく、順序を入れ替えて実施してもよい。
【0094】
さらに、各装置で行われる各種処理機能は、CPU(またはMPU、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上で、その全部または任意の一部を実行するようにしてもよい。また、各種処理機能は、CPU(またはMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行されるプログラム上、またはワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部または任意の一部を実行するようにしてもよいことは言うまでもない。
【0095】
ところで、上記の各実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをコンピュータで実行することで実現できる。そこで、以下では、上記の各実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図17は、提供プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
【0096】
図17に示すように、コンピュータ200は、各種演算処理を実行するCPU201と、データ入力を受け付ける入力装置202と、モニタ203とを有する。また、コンピュータ200は、記憶媒体からプログラム等を読み取る媒体読取装置204と、各種装置と接続するためのインタフェース装置205と、他の情報処理装置等と有線または無線により接続するための通信装置206とを有する。また、コンピュータ200は、各種情報を一時記憶するRAM207と、ハードディスク装置208とを有する。また、各装置201~208は、バス209に接続される。
【0097】
ハードディスク装置208には、図3に示した取引処理部15、変換部16、取得部17、表示制御部18および結果送信部19の各処理部と同様の機能を有する提供プログラムが記憶される。また、ハードディスク装置208には、変換論理、口座情報(平文)および口座情報(変換)が記憶される。入力装置202は、例えば、コンピュータ200のユーザ(顧客)から操作情報等の各種情報の入力を受け付ける。モニタ203は、例えば、コンピュータ200のユーザに対して出力画面等の各種画面を表示する。インタフェース装置205は、例えば印刷装置等が接続される。通信装置206は、例えば、図3に示した通信部11と同様の機能を有しネットワークNと接続され、提供サーバ100と各種情報をやりとりする。
【0098】
CPU201は、ハードディスク装置208に記憶された各プログラムを読み出して、RAM207に展開して実行することで、各種の処理を行う。また、これらのプログラムは、コンピュータ200を図3に示した取引処理部15、変換部16、取得部17、表示制御部18および結果送信部19として機能させることができる。
【0099】
なお、上記の提供プログラムは、必ずしもハードディスク装置208に記憶されている必要はない。例えば、コンピュータ200が読み取り可能な記憶媒体に記憶されたプログラムを、コンピュータ200が読み出して実行するようにしてもよい。コンピュータ200が読み取り可能な記憶媒体は、例えば、CD-ROMやDVD(Digital Versatile Disc)、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬型記録媒体、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、ハードディスクドライブ等が対応する。また、公衆回線、インターネット、LAN等に接続された装置にこの提供プログラムを記憶させておき、コンピュータ200がこれらから提供プログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0100】
1 提供システム
10 取引装置
11 通信部
12 記憶部
13 表示操作部
14 制御部
15 取引処理部
16 変換部
17 取得部
18 表示制御部
19 結果送信部
20 NFCタグ
30 データセンタ
40 ホストコンピュータ
50 情報管理装置
60 端末
70 中継サーバ
100 提供サーバ
110 通信部
120 記憶部
121 レコメンド管理テーブル
122 レコメンド結果管理テーブル
130 制御部
131 取得部
132 特定部
133 通信制御部
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17