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特許7113007組織再生を誘導するためのペプチドとその利用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-27
(45)【発行日】2022-08-04
(54)【発明の名称】組織再生を誘導するためのペプチドとその利用
(51)【国際特許分類】
   C07K 14/47 20060101AFI20220728BHJP
   A61K 38/16 20060101ALI20220728BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220728BHJP
   A61K 35/28 20150101ALN20220728BHJP
【FI】
C07K14/47 ZNA
A61K38/16
A61P43/00 105
A61K35/28
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019514543
(86)(22)【出願日】2018-04-24
(86)【国際出願番号】 JP2018016654
(87)【国際公開番号】W WO2018199107
(87)【国際公開日】2018-11-01
【審査請求日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】P 2017085793
(32)【優先日】2017-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001926
【氏名又は名称】塩野義製薬株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】506364400
【氏名又は名称】株式会社ステムリム
(74)【代理人】
【識別番号】100095832
【弁理士】
【氏名又は名称】細田 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】二橋 陽一郎
(72)【発明者】
【氏名】河内 智行
(72)【発明者】
【氏名】山津 維子
(72)【発明者】
【氏名】麓 昌高
(72)【発明者】
【氏名】山崎 尊彦
【審査官】天野 皓己
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/147470(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/065347(WO,A1)
【文献】国際公開第2008/053892(WO,A1)
【文献】米国特許第07829097(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 1/00 - 19/00
A61K 38/16
A61P 43/00
A61K 35/28
UniProt/GeneSeq
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1~5および403に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチド、
配列番号1~5および403に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドにおいて、1若しくは2個のアミノ酸が付加されたアミノ酸配列からなり、且つ、PDGFRα陽性細胞又は骨髄由来間質細胞の遊走を刺激する活性を有するペプチド、および
配列番号1~5に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドの1-42番目のアミノ酸または配列番号403に記載のアミノ酸配列を有するペプチドの1-41番目のアミノ酸において、1若しくは2個のアミノ酸が置換、欠失若しくは挿入されたアミノ酸配列を含み又はからなり、且つ、PDGFRα陽性細胞又は骨髄由来間質細胞の遊走を刺激する活性を有するペプチド
からなる群より選ばれるペプチド、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物。
【請求項2】
請求項1に記載のペプチド、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物を含有する、PDGFRα陽性細胞の遊走を刺激するために用いられる組成物。
【請求項3】
請求項1に記載のペプチド、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物を含有する、骨髄間葉系幹細胞を骨髄から末梢血に動員するために用いられる組成物。
【請求項4】
請求項1に記載のペプチド、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物を含有する、組織を再生するために用いられる組成物。
【請求項5】
請求項1に記載のペプチド、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物を含有する、骨髄由来間質細胞の遊走を刺激するために用いられる組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組織再生を誘導するためのペプチドとその利用に関する。
【背景技術】
【0002】
生体内の各臓器、組織には、その構造や機能の恒常性を維持している組織幹細胞が存在していることが明らかになりつつある。例えば心臓には心筋幹細胞が、脳には神経幹細胞が、皮膚には表皮幹細胞や毛包幹細胞が存在し、生涯にわたり心筋細胞、神経細胞、表皮細胞や毛包上皮細胞を供給して心臓、脳、皮膚の構造・機能を維持している。一方、骨髄の中には赤血球、白血球、血小板といった血液細胞へと分化する造血幹細胞が存在する。
これら造血幹細胞に由来する血液細胞は、血流を介して体内のあらゆる臓器や組織を循環し、酸素供給、免疫反応、止血・損傷組織修復など生命維持に不可欠な機能を果たしている。即ち、骨髄造血幹細胞はその局在する組織である骨髄や骨組織の恒常性維持というよりもむしろ、末梢循環を介して生体内すべての組織の恒常性維持に寄与していると言える。
【0003】
近年、骨髄内に、造血幹細胞に加えて、骨、軟骨、脂肪などの中胚葉組織、さらには神経や表皮など外胚葉組織にも分化可能な間葉系幹細胞が存在していることが明らかにされたものの、その生体内における存在意義は未だ不明な点が多い。しかし、末梢循環を介して血液細胞を供給することによりすべての組織、臓器の恒常性を維持している造血幹細胞が骨髄内に存在しているのであれば、同様に骨髄内に存在する間葉系幹細胞も、末梢循環を介して骨、軟骨、脂肪、神経、上皮などに分化可能な細胞を、必要とする生体内組織・臓器に提供することにより、生体組織の恒常性維持に寄与している可能性が予想される。
【0004】
現在、骨髄間葉系幹細胞を骨髄血採血により採取し、細胞培養により増殖させた後、難治性組織損傷部位あるいは末梢循環血中に移植して、損傷組織の再生を誘導する再生医療が精力的に開発されつつある。既に脳梗塞、心筋梗塞、難治性皮膚潰瘍などの再生医療において、骨髄間葉系幹細胞移植の臨床応用が進められている。さらに、移植した骨髄間葉系幹細胞は生体内局所で炎症・免疫反応抑制作用、線維性瘢痕形成抑制作用を発揮することが明らかとなり、骨髄移植や輸血後の重篤な副作用である移植片対宿主反応(graft versus host disease, GVHD)や自己免疫疾患である強皮症に対する新しい治療法として、骨髄間葉系幹細胞移植療法の臨床試験が開始されている。しかし、骨髄間葉系幹細胞を含有する骨髄血は、腸骨に太い針を何度も刺入するという観血的手法でのみ採取される。また、骨髄間葉系幹細胞は体外で継代培養を続けると次第に増殖能力や多分化能を失ってしまう。さらに、生体内移植の安全性を保証する高品質管理に基づいた骨髄間葉系幹細胞培養はCPC(cell processing center)等の特殊培養設備を必要とするため、現時点では極めて限られた大学や企業でのみ実施可能である。即ち、骨髄間葉系幹細胞を用いた再生医療を難治性組織損傷に苦しんでいる世界中の多くの患者に届けるためには、あらゆる医療施設で実施可能な間葉系幹細胞再生医療のための技術開発が喫緊の課題である。
【0005】
HMGB1(High mobility group box 1:高移動性グループ1タンパク質)は、約30年前に核内クロマチン構造を制御して遺伝子発現やDNA修復を制御する非ヒストンクロマチンタンパク質として同定された。HMGB1タンパク質の構造は主に二つのDNA結合ドメインから構成され、N末端側にあるDNA結合ドメインをA-box、C末端側のDNA結合ドメインをB-boxと呼ぶ。過去の研究により、HMGB1分子内でTLRと結合して炎症反応を喚起するドメインはB-box内に存在することが明らかにされている。
【0006】
マウスに皮膚潰瘍や脳梗塞を作成した後に組み換えHMGB1タンパク質を尾静脈から投与することにより、骨髄よりPDGFRα陽性細胞が血中動員され、さらに皮膚潰瘍部や脳梗塞部に集積して皮膚潰瘍や脳梗塞の再生を強く誘導されることが報告されている。骨髄内PDGFRα陽性細胞は骨、軟骨、脂肪、さらには神経や上皮にも分化可能な間葉系幹細胞であることが既に報告されている。即ち、HMGB1投与により骨髄内PDGFRα陽性間葉系幹細胞を末梢循環に動員することにより、体外に取り出して特殊な培養をすることなく生体内で損傷組織に多くの間葉系幹細胞を集積させることが可能になっている。
【0007】
HMGB1を生体内骨髄間葉系幹細胞血中動員による損傷組織再生誘導医薬として開発することにより、あらゆる医療機関で骨髄間葉系幹細胞による再生誘導医療が実施できるようになる。その結果、上述した現在の骨髄間葉系幹細胞を用いた再生医療が直面している多くの課題が解決される。
【0008】
上述したように、HMGB1医薬は骨髄間葉系幹細胞の血中動員、損傷組織への集積を促進し、体内での組織再生を誘導する画期的な治療薬である。HMGB1に関しては、HMGB1全長タンパク質のみだけでなく、HMGB1タンパク質の断片についても同様の作用を有することが、既に報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】WO2008/053892
【文献】WO2007/015546
【文献】WO2009/133939
【文献】WO2009/133943
【文献】WO2009/133940
【文献】特表2005-537253
【文献】WO2012/147470
【非特許文献】
【0010】
【文献】Bustinら、 Mol Cell Biol、19:5237-5246、1999年
【文献】Horiら、J. Biol. Chem.、270、25752-25761、1995年
【文献】Wangら、Science、 285:248-251、1999年
【文献】Mullerら、EMBO J、20:4337-4340、2001年
【文献】Wangら、Science、 285:248-251、1999年
【文献】Germaniら、J Leukoc Biol. Jan;81(1):41-5、2007年
【文献】Palumboら、J. Cell Biol.、164:441-449、2004年
【文献】Merenmiesら、J. Biol. Chem.、266:16722-16729、1991年
【文献】Wu Yら、Stem cells、25:2648-2659、2007年
【文献】Tamaiら、Proc Natl Acad Sci U S A. 2011 Apr 4. [Epub ahead of print]、 108:6609-6614、2011年
【文献】Yangら、J Leukoc Biol. Jan;81(1):59-66、2007年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、骨髄由来間質細胞の遊走活性を持つペプチド、すなわち組織再生を誘導するためのペプチドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、鋭意研究の結果、HMGB1タンパク質の1から44番目までのアミノ酸からなるペプチドにおいて、43および/または44番目にアミノ酸を置換したペプチド、並びに該HMGB1タンパク質の2から44番目までのアミノ酸からなるペプチドにおいて、43および/または44番目にアミノ酸を置換したペプチドに、マウス骨髄由来間質細胞の遊走活性があることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち本発明は、
(1) 配列番号1~399および403に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチド、
配列番号1~399および403に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドにおいて、1若しくは複数個(例えば2~40個、2~30個、2~20個、2~10個、2~5個、または4個、3個もしくは2個)のアミノ酸が付加されたアミノ酸配列からなり、且つ、細胞の遊走を刺激する活性を有するペプチド、および
配列番号1~399に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドの1-42番目のアミノ酸または配列番号403に記載のアミノ酸配列を有するペプチドの1-41番目のアミノ酸において、1若しくは複数個(例えば2~40個、2~30個、2~20個、2~10個、2~5個、または4個、3個もしくは2個)のアミノ酸が置換、欠失若しくは挿入されたアミノ酸配列を含み又はからなり、且つ、細胞の遊走を刺激する活性を有するペプチド
からなる群より選ばれるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(2) 配列番号1~5、126、128、129、138、167、248、254、280、282、283、292および403に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチド、
配列番号1~5、126、128、129、138、167、248、254、280、282、283、292および403に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドにおいて、1若しくは複数個(例えば2~40個、2~30個、2~20個、2~10個、2~5個、または4個、3個もしくは2個)のアミノ酸が付加されたアミノ酸配列からなり、且つ、細胞の遊走を刺激する活性を有するペプチド、および
配列番号1~5、126、128、129、138、167、248、254、280、282、283および292に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドの1-42番目のアミノ酸または配列番号403に記載のアミノ酸配列を有するペプチドの1-41番目のアミノ酸において、1若しくは複数個(例えば2~40個、2~30個、2~20個、2~10個、2~5個、または4個、3個もしくは2個)のアミノ酸が置換、欠失若しくは挿入されたアミノ酸配列を含み又はからなり、且つ、細胞の遊走を刺激する活性を有するペプチド
からなる群より選ばれるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(3) 配列番号1~5、167および403に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチド、
配列番号1~5、167および403に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドにおいて、1若しくは複数個(例えば2~40個、2~30個、2~20個、2~10個、2~5個、または4個、3個もしくは2個)のアミノ酸が付加されたアミノ酸配列からなり、且つ、細胞の遊走を刺激する活性を有するペプチド、および
配列番号1~5および167に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドの1-42番目のアミノ酸または配列番号403に記載のアミノ酸配列を有するペプチドの1-41番目のアミノ酸において、1若しくは複数個(例えば2~40個、2~30個、2~20個、2~10個、2~5個、または4個、3個もしくは2個)のアミノ酸が置換、欠失若しくは挿入されたアミノ酸配列を含み又はからなり、且つ、細胞の遊走を刺激する活性を有するペプチド
からなる群より選ばれるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物。
(4) 配列番号1~5および403に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチド、
配列番号1~5および403に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドにおいて、1若しくは複数個(例えば2~40個、2~30個、2~20個、2~10個、2~5個、または4個、3個もしくは2個)のアミノ酸が付加されたアミノ酸配列からなり、且つ、細胞の遊走を刺激する活性を有するペプチド、および
配列番号1~5に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドの1-42番目のアミノ酸または配列番号403に記載のアミノ酸配列を有するペプチドの1-41番目のアミノ酸において、1若しくは複数個(例えば2~40個、2~30個、2~20個、2~10個、2~5個、または4個、3個もしくは2個)のアミノ酸が置換、欠失若しくは挿入されたアミノ酸配列を含み又はからなり、且つ、細胞の遊走を刺激する活性を有するペプチド
からなる群より選ばれるペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物;
(5) 前記(1)~(4)のいずれかに記載のペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物を含有する、PDGFRα陽性細胞の遊走を刺激するために用いられる組成物;
(6) 前記(1)~(4)のいずれかに記載のペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物を含有する、骨髄間葉系幹細胞を骨髄から末梢血に動員するために用いられる組成物;
(7) 前記(1)~(4)のいずれかに記載のペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物を含有する、組織を再生するために用いられる組成物;
(8) 前記(1)~(4)のいずれかに記載のペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物を含有する、骨髄由来間質細胞の遊走を刺激するために用いられる組成物;に関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明のペプチドは、例えば、PDGFRα陽性細胞の遊走を刺激するために用いられる組成物、骨髄間葉系幹細胞を骨髄から末梢血に動員するために用いられる組成物、組織を再生するために用いられる組成物又は骨髄由来間質細胞の遊走を刺激するために用いられる組成物の有効成分として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、6種類(ヒトHMGB1の2番目から44番目までのペプチド(2-44)と43番目、44番目のアミノ酸を改変した5種のペプチド (Peptide-1から5))のペプチドの血漿中安定性試験の結果を示す。P1からP5は、Peptide-1から5のペプチドを意味する。縦軸は、血漿添加直後のペプチドを100として算出した残存率を示し、横軸は血漿添加後の時間を示す。なお、2-44のペプチドの血漿添加後15分以降のサンプルは定量下限 (0.5 μg/mL) 以下であったので、図1中には残存率をプロットできていない。
図2図2は、2種類のペプチド(ヒトHMGB1の2番目から44番目までのペプチド(2-44)と43番目、44番目のアミノ酸を改変したペプチド(Peptide-6))の細胞遊走活性測定の結果である。NCは陰性コントロールを示す。
図3図3は、3種類のペプチド(ヒトHMGB1の2番目から44番目までのペプチド(2-44)と43番目、44番目のアミノ酸を改変した2種のペプチド(Peptide-3および6))の血漿中安定性試験の結果を示す。縦軸は、血漿添加直後のペプチドを100として算出した残存率を示し、横軸は血漿添加後の時間を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、以下の(a)~(c)のいずれかに記載のペプチドを提供する。
(a)配列番号1~399および403に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチド
(b)配列番号1~399および403に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドにおいて、1若しくは複数個(例えば2~40個、2~30個、2~20個、2~10個、2~5個、または4個、3個もしくは2個)のアミノ酸が付加されたアミノ酸配列からなり、且つ、細胞の遊走を刺激する活性を有するペプチド
(c)配列番号1~399に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドの1-42番目のアミノ酸または配列番号403に記載のアミノ酸配列を有するペプチドの1-41番目のアミノ酸において、1若しくは複数個(例えば2~40個、2~30個、2~20個、2~10個、2~5個、または4個、3個もしくは2個)のアミノ酸が置換、欠失若しくは挿入されたアミノ酸配列を含み又はからなり、且つ、細胞の遊走を刺激する活性を有するペプチド
【0017】
本発明は、以下の(a)~(c)のいずれかに記載のペプチドを含有する、PDGFRα陽性細胞又は骨髄由来間質細胞の遊走を刺激するために用いられる組成物を提供する。
(a)配列番号1~399および403に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチド
(b)配列番号1~399および403に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドにおいて、1若しくは複数個(例えば2~40個、2~30個、2~20個、2~10個、2~5個、または4個、3個もしくは2個)のアミノ酸が付加されたアミノ酸配列からなり、且つ、細胞の遊走を刺激する活性を有するペプチド
(c)配列番号1~399に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドの1-42番目のアミノ酸または配列番号403に記載のアミノ酸配列を有するペプチドの1-41番目のアミノ酸において、1若しくは複数個(例えば2~40個、2~30個、2~20個、2~10個、2~5個、または4個、3個もしくは2個)のアミノ酸が置換、欠失若しくは挿入されたアミノ酸配列を含み又はからなり、且つ、細胞の遊走を刺激する活性を有するペプチド
本発明のPDGFRα陽性細胞又は骨髄由来間質細胞の遊走を刺激するために用いられる組成物には、試薬組成物および医薬組成物が含まれる。本明細書において、試薬組成物は試薬とも表現され、医薬組成物は医薬、薬剤または薬学的組成物とも表現される。
【0018】
本発明のPDGFRα陽性細胞又は骨髄由来間質細胞の遊走を刺激するために用いられる試薬組成物は、例えば、再生医療、再生誘導医療開発のための基礎研究および臨床研究に必要な試薬として使用することができる。例えば、該試薬組成物を使用することにより、実験動物における生体組織に細胞を動員し、組織修復、組織機能再建の程度を検討することが可能になる。また例えば、該試薬組成物を使用することにより、試験管内で細胞の動員による組織再生誘導研究を行うことができる。
【0019】
また本発明のPDGFRα陽性細胞又は骨髄由来間質細胞の遊走を刺激するために用いられる医薬組成物は、例えば、再生医療、再生誘導医療における医薬として使用することができる。例えば、該医薬組成物を使用することにより、組織を再生することができる。また例えば、該医薬組成物は、いわゆる予防医薬として組織幹細胞の減少による組織・臓器機能の低下を予防することができ、あるいは、抗加齢医薬として加齢性変化の進行を遅延させることができる。
【0020】
なお、本明細書において、PDGFRα陽性細胞又は骨髄由来間質細胞の遊走を刺激するために用いられる組成物は、PDGFRα陽性細胞又は骨髄由来間質細胞遊走を刺激するために用いられる剤、細胞遊走の刺激剤、細胞遊走を誘導するために用いられる組成物、細胞遊走を誘導するために用いられる剤、細胞遊走の誘導剤、または細胞の誘導剤とも表現される。
本発明において、細胞遊走刺激活性とは、細胞遊走を刺激する活性を意味する。本明細書において、細胞遊走刺激活性は、細胞遊走誘導活性または細胞誘導活性とも表現される。
【0021】
本発明は、以下の(a)~(c)のいずれかに記載の物質を含有する、骨髄間葉系幹細胞を骨髄から末梢血に動員するために用いられる組成物を提供する。
(a)配列番号1~399および403に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチド
(b)配列番号1~399および403に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドにおいて、1若しくは複数個(例えば2~40個、2~30個、2~20個、2~10個、2~5個、または4個、3個もしくは2個)のアミノ酸が付加されたアミノ酸配列からなり、且つ、細胞の遊走を刺激する活性を有するペプチド
(c)配列番号1~399に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドの1-42番目のアミノ酸または配列番号403に記載のアミノ酸配列を有するペプチドの1-41番目のアミノ酸において、1若しくは複数個(例えば2~40個、2~30個、2~20個、2~10個、2~5個、または4個、3個もしくは2個)のアミノ酸が置換、欠失若しくは挿入されたアミノ酸配列を含み又はからなり、且つ、細胞の遊走を刺激する活性を有するペプチド
本発明の骨髄間葉系幹細胞を骨髄から末梢血に動員するために用いられる組成物には、試薬組成物および医薬組成物が含まれる。
【0022】
本発明の組織を再生するために用いられる試薬組成物は、例えば、再生医療、再生誘導医療開発のための基礎研究および臨床研究に必要な試薬として使用することができる。また本発明の組織を再生するために用いられる医薬組成物は、例えば、再生医療、再生誘導医療における医薬として使用することができる。例えば、該医薬組成物を使用することにより、末梢循環中に骨髄細胞を動員し、組織を再生することができる。また例えば、該医薬組成物を利用して末梢血中に動員させた細胞を体外へ回収後、濃縮して組織に投与して治療することも可能である。従来の方法では体内深部にある骨髄から細胞を回収するため、生体に対して侵襲があるが、本発明の医薬組成物を用いれば、低侵襲に骨髄細胞を末梢血から回収し、骨髄細胞移植等に利用できる。なお、本明細書において、骨髄間葉系幹細胞を骨髄から末梢血に動員するために用いられる組成物は、骨髄間葉系幹細胞を骨髄から末梢血に誘導するために用いられる組成物とも表現される。
【0023】
本発明は、以下の(a)~(c)のいずれかに記載の物質を含有する、組織を再生するために用いられる組成物を提供する。
(a)配列番号1~399および403に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチド
(b)配列番号1~399および403に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドにおいて、1若しくは複数個(例えば2~40個、2~30個、2~20個、2~10個、2~5個、または4個、3個もしくは2個)のアミノ酸が付加されたアミノ酸配列からなり、且つ、細胞の遊走を刺激する活性を有するペプチド
(c)配列番号1~399に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドの1-42番目のアミノ酸または配列番号403に記載のアミノ酸配列を有するペプチドの1-41番目のアミノ酸において、1若しくは複数個(例えば2~40個、2~30個、2~20個、2~10個、2~5個、または4個、3個もしくは2個)のアミノ酸が置換、欠失若しくは挿入されたアミノ酸配列を含み又はからなり、且つ、細胞の遊走を刺激する活性を有するペプチド
本発明の組織を再生するために用いられる組成物には、試薬組成物および医薬組成物が含まれる。
【0024】
本発明の組織を再生するために用いられる試薬組成物は、例えば、再生医療、再生誘導医療開発のための基礎研究および臨床研究に必要な試薬として使用することができる。また本発明の組織を再生するために用いられる医薬組成物は、例えば、再生医療、再生誘導医療における医薬として使用することができる。
【0025】
なお、本明細書において、組織を再生するために用いられる組成物は、組織再生を誘導または促進するために用いられる組成物、組織再生を誘導または促進するために用いられる剤、組織再生誘導剤または組織再生促進剤とも表現される。また組織再生には、組織修復も含まれる。
【0026】
本発明の組織を再生するために用いられる組成物は、投与・添加部位を選ばない。すなわち、該組成物は、再生が必要な組織、再生が必要な組織とは異なる組織、血中など、いずれの組織に投与されても、その効果を発揮することができる。例えば、該組成物を投与・添加することにより、投与・添加部位またはその近傍の組織に細胞が動員され、組織再生が誘導または促進される。また例えば、該組成物を損傷組織部位またはその近傍に投与・添加することにより、該損傷組織に細胞が動員され、組織再生が誘導または促進される。また例えば、該組成物を再生が必要な組織とは異なる組織に投与・添加することにより、骨髄から再生が必要な組織に末梢循環を介して骨髄細胞が動員され、組織再生が誘導または促進される。ここで、「末梢循環」とは、「血液循環」、「末梢循環血流」とも称される。
【0027】
再生が必要な組織としては、損傷している組織、壊死している組織、術後組織、機能が低下している組織、線維化している組織、老化した組織、病気の組織等が例示でき、例えば、生体皮膚組織、体内生検(手術)組織(脳、肺、心臓、肝臓、胃、小腸、大腸、膵臓、腎臓、膀胱、脾臓、子宮、精巣や血液など)が例示できる。
【0028】
再生が必要な組織とは異なる組織への投与とは、再生が必要な部位以外の部位(再生が必要な部位とは異なる部位)に投与することを意味する。したがって、「再生が必要な組織とは異なる組織」は、再生が必要な組織とは異なる部位、再生が必要な部位とは異なる部位、再生が必要な組織から離れた部位、再生が必要な部位から離れた部位、再生が必要な部位から遠位にある部位、再生が必要な組織から遠位にある組織、遠位部、遠位組織と表現することもできる。すなわち、本発明の組成物は、体外から直接薬剤を投与することが困難な組織(脳、心臓など)を再生するために、有効に利用される。
【0029】
再生が必要な組織に動員された細胞は、種々の細胞に分化し、再生が必要な組織の機能的再生および機能維持、機能強化に寄与する。本発明において、再生が必要な組織としては、虚血、疎血・低酸素状態に起因する種々の病態、外傷、熱傷、炎症、自己免疫、遺伝子異常などによって損傷した組織が挙げられるが、これら原因に限定されるものではない。
【0030】
本発明における組織としては、骨髄由来細胞が分化可能な組織である限り、特に制限はないが、例えば皮膚組織、骨組織、軟骨組織、筋組織、脂肪組織、心筋組織、神経系組織、肺組織、消化管組織、肝・胆・膵組織、泌尿・生殖器など、生体内のすべての組織が例示できる。また、上記組成物を用いることで、難治性皮膚潰瘍、皮膚創傷、水疱症、脱毛症などの皮膚疾患はもとより、脳梗塞、心筋梗塞、骨折、肺梗塞、胃潰瘍、腸炎、などの再生が必要な組織において、機能的組織再生を誘導する治療が可能となる。上記組成物が投与される動物種としては特に制限はなく、哺乳類、鳥類、魚類等が挙げられる。哺乳類しては、ヒト又は非ヒト動物が挙げられ、例えば、ヒト、マウス、ラット、サル、ブタ、イヌ、ウサギ、ハムスター、モルモット、ウマ、ヒツジ、クジラなどが例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
また、再生が必要な組織とは異なる組織としては、血液組織、筋肉組織、皮下組織、皮内組織、腹腔等が例示できる。
【0032】
神経組織としては、中枢神経組織が挙げられるが、これに限定されない。また、神経組織を再生するために用いられる組成物は、例えば、脳梗塞、脳出血、脳挫傷等の治療に使用できるが、これらに制限されない。また骨組織を再生するために用いられる組成物は、例えば、骨折の治療に使用できるが、これに限定されない。また皮膚組織を再生するために用いられる組成物は、例えば、皮膚潰瘍、手術創の縫合不全、熱傷、切傷、挫傷、皮膚びらん、擦過傷等の治療に使用できるが、これらに制限されない。
【0033】
また、本発明において、遊走が刺激される細胞または骨髄から末梢血に動員される細胞としては、未分化な細胞、種々の分化段階にある細胞が挙げられるが、これらに制限されない。また、本発明において、遊走が刺激される細胞または骨髄から末梢血に動員される細胞としては、幹細胞、非幹細胞などが挙げられるが、これらに限定されない。幹細胞には、循環性の幹細胞、または非循環性の幹細胞が含まれる。非循環性の幹細胞としては、組織に常在している組織幹細胞が例示できる。循環性の幹細胞としては、血中循環性の幹細胞が例示できる。
【0034】
また、遊走が刺激される細胞または骨髄から末梢血に動員される細胞としては、骨髄由来細胞または造血系幹細胞が挙げられるが、これに制限されない。本明細書において「造血系幹細胞」とは好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球、マクロファージなどの白血球の他、赤血球、血小板、肥満細胞、樹状細胞などの血球系の細胞に分化可能な幹細胞であり、マーカーとしてヒトではCD34陽性、CD133陽性、マウスではCD34陰性、c-Kit陽性、Sca-1陽性、Lineage marker 陰性であることが知られている。また、造血系幹細胞は、培養皿で培養する場合、単独で培養することが困難であり、ストローマ細胞との共培養が必要であることが特徴である。
【0035】
本明細書において、「骨髄細胞」とは、骨髄内に存在する細胞を意味し、一方、「骨髄由来細胞」とは、骨髄から骨髄外に動員され又は取り出された「骨髄細胞」を意味する。「骨髄細胞」は骨髄中に存在する組織前駆細胞集団を含む細胞を含む。また「骨髄由来細胞」はmesoangioblastを含む細胞であってもよく、mesoangioblastを除く細胞であってもよい。
【0036】
組織前駆細胞は、血液系以外の特定組織細胞への一方向性分化能を持つ未分化細胞と定義され、上述した間葉系組織、上皮系組織、神経組織、実質臓器、血管内皮への分化能を有する未分化細胞を含む。
【0037】
「骨髄細胞」、「骨髄由来細胞」は、造血系幹細胞及びこれに由来する白血球、赤血球、血小板、骨芽細胞、ファイブロサイトなどの分化細胞、または、これまで骨髄間葉系幹細胞、骨髄間葉系間質細胞、骨髄多能性間質細胞あるいは骨髄多能性幹細胞と呼ばれている細胞に代表される幹細胞である。本明細書において、「骨髄幹細胞」とは、骨髄内に存在する幹細胞を意味し、一方、「骨髄由来幹細胞」とは、骨髄から骨髄外に動員され又は取り出された「骨髄幹細胞」を意味する。本発明において、遊走が刺激される細胞または骨髄から末梢血に動員される細胞としては、「骨髄由来幹細胞」が挙げられるが、これに制限されない。「骨髄細胞」、「骨髄由来細胞」は、骨髄採取(骨髄細胞採取)、あるいは末梢血採血により単離することができる。造血系幹細胞は非付着細胞であるが、「骨髄細胞」、「骨髄由来細胞」の一部は、骨髄採取(骨髄細胞採取)、末梢血採血により得られた血液中の単核球分画細胞培養により、付着細胞として得られる。
【0038】
また、「骨髄細胞」、「骨髄由来細胞」は、間葉系幹細胞を含み、骨芽細胞(分化を誘導するとカルシウムの沈着を認めることで特定可能)、軟骨細胞(アルシアンブルー染色陽性、サフラニン-O染色陽性などで特定可能)、脂肪細胞(ズダンIII染色陽性で特定可能)、さらには線維芽細胞、平滑筋細胞、ストローマ細胞、腱細胞、などの間葉系細胞、さらには神経細胞、上皮細胞(たとえば表皮角化細胞、腸管上皮細胞はサイトケラチンファミリーを発現する)、血管内皮細胞への分化能力を有することが好ましい。分化後の細胞は上記細胞に限定されるものではなく、肝臓、腎臓、膵臓などの実質臓器細胞への分化能も含む。
【0039】
本明細書において、「骨髄間質細胞」とは、骨髄内に存在する細胞のうち、造血幹細胞及びこれに由来する血球系細胞以外の細胞であって、骨髄から採取され、培養皿への付着細胞として培養・増殖することが可能な細胞をいう。骨髄間質細胞または骨髄外に取り出された骨髄由来間質細胞の中には、多能性を有する細胞(骨髄多能性間質細胞または骨髄由来多能性間質細胞)が含まれる。また、骨髄由来間質細胞は、細胞株として樹立されたものであってもよい。株化された骨髄由来間質細胞の例として、ST2細胞(Ogawa et al., EMBO J 1988; 7:1337-43)等が挙げられる。ST2細胞は、骨芽細胞および脂肪細胞に分化する能力を有する骨髄由来多能性間質細胞株である。
【0040】
本明細書において、「骨髄間葉系幹細胞」という用語は、「骨髄間葉系間質細胞」、「骨髄多能性間質細胞」および「骨髄多能性幹細胞」と互換的に用いられる。本明細書において、「骨髄間葉系幹細胞」とは、骨髄内に存在する細胞であって、骨髄から直接あるいはその他の組織(血液や皮膚、脂肪、その他の組織)から間接的に採取され、培養皿(プラスチックあるいはガラス製)への付着細胞として培養・増殖可能であり、骨、軟骨、脂肪などの間葉系組織(間葉系幹細胞)、あるいは骨格筋、心筋、さらには神経組織、上皮組織(多能性幹細胞)への分化能を有するという特徴を持つ細胞であり、骨髄細胞採取によって取得することができる細胞である。
【0041】
一方、また、骨髄から骨髄外に動員された「骨髄由来間葉系幹細胞」、「骨髄由来間葉系間質細胞」、「骨髄由来多能性間質細胞」、あるいは「骨髄由来多能性幹細胞」は、末梢血採血、さらには脂肪など間葉組織、皮膚などの上皮組織、脳などの神経組織からの採取によって取得することができる細胞である。
【0042】
また、これら細胞は、採取後直接、あるいは一度培養皿へ付着させた細胞を生体の損傷部に投与することにより、例えば皮膚を構成するケラチノサイトなどの上皮系組織、脳を構成する神経系の組織への分化能も有するという特徴も持つ。
【0043】
骨髄間葉系幹細胞、骨髄間葉系間質細胞、骨髄多能性間質細胞、骨髄多能性幹細胞、あるいは骨髄から骨髄外へ動員されたこれら細胞は、骨芽細胞(分化を誘導するとカルシウムの沈着を認めること等で特定可能)、軟骨細胞(アルシアンブルー染色陽性、サフラニン-O染色陽性等で特定可能)、脂肪細胞(ズダンIII染色陽性等で特定可能)の他に、例えば線維芽細胞、平滑筋細胞、骨格筋細胞、ストローマ細胞、腱細胞などの間葉系細胞、神経細胞、色素細胞、表皮細胞、毛包細胞(サイトケラチンファミリー、ヘアケラチンファミリー等を発現する)、上皮系細胞(たとえば表皮角化細胞、腸管上皮細胞はサイトケラチンファミリー等を発現する)、内皮細胞、さらに肝臓、腎臓、膵臓等の実質臓器細胞に分化する能力を有することが好ましいが、分化後の細胞は上記細胞に限定されるものではない。
【0044】
ヒト骨髄細胞、ヒト骨髄由来細胞としては、骨髄採取(骨髄細胞採取)、末梢血採血、脂肪採取によって取得し、直接あるいは単核球分画を分離後に培養して付着細胞として取得できる細胞が例示できるが、これに制限されるものではない。ヒト骨髄細胞またはヒト骨髄由来細胞(例えば骨髄間葉系幹細胞)のマーカーとしては、PDGFRα陽性、PDGFRβ陽性、Lin陰性、CD45陰性、CD44陽性、CD90陽性、CD29陽性、Flk-1陰性、CD105陽性、CD73陽性、CD90陽性、CD71陽性、Stro-1陽性、CD106陽性、CD166陽性、CD31陰性、CD271陽性、CD11b陰性の全部または一部が例示できるが、これらに制限されるものではない。
【0045】
また、マウス骨髄細胞、マウス骨髄由来細胞としては、骨髄採取(骨髄細胞採取)、末梢血採血、脂肪採取によって取得し、直接あるいは単核球分画を分離後に培養して付着細胞として取得できる細胞が例示できるが、これに制限されるものではない。マウス骨髄細胞またはマウス骨髄由来細胞(例えば骨髄間葉系幹細胞)のマーカーとしては、CD44陽性、PDGFRα陽性、PDGFRβ陽性、CD45陰性、Lin陰性、Sca-1陽性、c-kit陰性、CD90陽性、CD29陽性、Flk-1陰性、CD271陽性、CD11b陰性の全部または一部が例示できるが、これらに制限されるものではない。
【0046】
本発明において、遊走が刺激される細胞または骨髄から末梢血に動員される細胞としては、PDGFRα陽性細胞が挙げられるが、これに制限されない。また、PDGFRα以外のマーカーとしてはCD29陽性、CD44陽性、CD90陽性、CD271陽性、CD11b陰性、Flk-1陰性の全部または一部が例示できるが、これらに制限されるものではない。PDGFRα陽性細胞としては、PDGFRα陽性の骨髄由来細胞、PDGFRα陽性の骨髄由来間葉系幹細胞、PDGFRα陽性の組織に常在している組織細胞(例えば、線維芽細胞などが例示できる)、PDGFRα陽性の骨髄由来細胞であって、骨髄採取(骨髄細胞採取)、末梢血採血により得られた血液中の単核球分画細胞培養により、付着細胞として得られる細胞などが例示できるが、これらに制限されるものではない。
【0047】
本発明の組成物には、上記(a)~(c)のいずれかに記載のペプチドのうちの少なくとも1つのペプチド以外に別の物質が含まれてもよい。本発明の組成物において、上記(a)~(c)に記載のペプチドのうちの少なくとも1つのペプチド以外の物質としては、細胞遊走刺激活性、細胞動員活性、または組織再生促進活性を阻害しない限り、特に制限はない。例えば、本発明の組成物には、上記(a)~(c)に記載のペプチドのうち少なくとも1つのペプチドに加え、上記(a)~(c)に記載のペプチドの機能を強化する関連分子(群)、上記(a)~(c)に記載のペプチドの期待される効果以外の作用を抑制する分子(群)、細胞の増殖や分化を制御する因子、これら因子あるいは細胞の機能を強化・維持するその他の因子を含むことが可能である。
【0048】
本発明におけるヒトHMGB1タンパク質は、ヒト由来のHMGB1タンパク質として配列番号:401に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質を意味する。また、HMGB1タンパク質の1から44番目までのアミノ酸配列からなるペプチドは配列番号402に記載のアミノ酸配列からなるペプチドを意味する。
【0049】
ペプチドの細胞遊走刺激活性は、例えば実施例の記載の方法の他、WO2012/147470で開示された方法によっても確認することができるが、これに限定されない。
【0050】
ペプチドの血漿中安定性は、例えば実施例の記載の方法によって確認することができるが、これに限定されない。
【0051】
本発明のペプチドとしては、以下のアミノ酸配列からなるペプチドを例示することが出来るが、以下に限定されない。
(1) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSKP(配列番号1)
(2) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSPK(配列番号2)
(3) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSPP(配列番号3)
(4) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSKA(配列番号4)
(5) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSKE(配列番号5)
(6) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSAA(配列番号6)
(7) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSAC(配列番号7)
(8) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSAD(配列番号8)
(9) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSAE(配列番号9)
(10) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSAF(配列番号10)
(11) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSAG(配列番号11)
(12) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSAH(配列番号12)
(13) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSAI(配列番号13)
(14) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSAK(配列番号14)
(15) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSAL(配列番号15)
(16) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSAM(配列番号16)
(17) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSAN(配列番号17)
(18) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSAP(配列番号18)
(19) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSAQ(配列番号19)
(20) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSAR(配列番号20)
(21) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSAS(配列番号21)
(22) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSAT(配列番号22)
(23) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSAV(配列番号23)
(24) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSAW(配列番号24)
(25) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSAY(配列番号25)
(26) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSCA(配列番号26)
(27) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSCC(配列番号27)
(28) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSCD(配列番号28)
(29) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSCE(配列番号29)
(30) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSCF(配列番号30)
(31) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSCG(配列番号31)
(32) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSCH(配列番号32)
(33) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSCI(配列番号33)
(34) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSCK(配列番号34)
(35) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSCL(配列番号35)
(36) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSCM(配列番号36)
(37) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSCN(配列番号37)
(38) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSCP(配列番号38)
(39) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSCQ(配列番号39)
(40) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSCR(配列番号40)
(41) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSCS(配列番号41)
(42) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSCT(配列番号42)
(43) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSCV(配列番号43)
(44) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSCW(配列番号44)
(45) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSCY(配列番号45)
(46) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSDA(配列番号46)
(47) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSDC(配列番号47)
(48) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSDD(配列番号48)
(49) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSDE(配列番号49)
(50) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSDF(配列番号50)
【0052】
(51) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSDG(配列番号51)
(52) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSDH(配列番号52)
(53) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSDI(配列番号53)
(54) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSDK(配列番号54)
(55) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSDL(配列番号55)
(56) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSDM(配列番号56)
(57) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSDN(配列番号57)
(58) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSDP(配列番号58)
(59) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSDQ(配列番号59)
(60) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSDR(配列番号60)
(61) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSDS(配列番号61)
(62) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSDT(配列番号62)
(63) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSDV(配列番号63)
(64) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSDW(配列番号64)
(65) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSDY(配列番号65)
(66) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSEA(配列番号66)
(67) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSEC(配列番号67)
(68) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSED(配列番号68)
(69) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSEE(配列番号69)
(70) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSEF(配列番号70)
(71) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSEG(配列番号71)
(72) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSEH(配列番号72)
(73) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSEI(配列番号73)
(74) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSEK(配列番号74)
(75) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSEL(配列番号75)
(76) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSEM(配列番号76)
(77) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSEN(配列番号77)
(78) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSEP(配列番号78)
(79) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSEQ(配列番号79)
(80) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSER(配列番号80)
(81) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSES(配列番号81)
(82) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSET(配列番号82)
(83) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSEV(配列番号83)
(84) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSEW(配列番号84)
(85) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSEY(配列番号85)
(86) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSFA(配列番号86)
(87) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSFC(配列番号87)
(88) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSFD(配列番号88)
(89) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSFE(配列番号89)
(90) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSFF(配列番号90)
(91) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSFG(配列番号91)
(92) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSFH(配列番号92)
(93) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSFI(配列番号93)
(94) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSFK(配列番号94)
(95) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSFL(配列番号95)
(96) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSFM(配列番号96)
(97) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSFN(配列番号97)
(98) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSFP(配列番号98)
(99) MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSFQ(配列番号99)
(100)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSFR(配列番号100)
【0053】
(101)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSFS(配列番号101)
(102)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSFT(配列番号102)
(103)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSFV(配列番号103)
(104)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSFW(配列番号104)
(105)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSFY(配列番号105)
(106)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSGA(配列番号106)
(107)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSGC(配列番号107)
(108)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSGD(配列番号108)
(109)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSGE(配列番号109)
(110)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSGF(配列番号110)
(111)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSGG(配列番号111)
(112)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSGH(配列番号112)
(113)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSGI(配列番号113)
(114)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSGK(配列番号114)
(115)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSGL(配列番号115)
(116)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSGM(配列番号116)
(117)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSGN(配列番号117)
(118)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSGP(配列番号118)
(119)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSGQ(配列番号119)
(120)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSGR(配列番号120)
(121)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSGS(配列番号121)
(122)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSGT(配列番号122)
(123)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSGV(配列番号123)
(124)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSGW(配列番号124)
(125)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSGY(配列番号125)
(126)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSHA(配列番号126)
(127)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSHC(配列番号127)
(128)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSHD(配列番号128)
(129)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSHE(配列番号129)
(130)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSHF(配列番号130)
(131)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSHG(配列番号131)
(132)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSHH(配列番号132)
(133)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSHI(配列番号133)
(134)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSHK(配列番号134)
(135)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSHL(配列番号135)
(136)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSHM(配列番号136)
(137)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSHN(配列番号137)
(138)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSHP(配列番号138)
(139)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSHQ(配列番号139)
(140)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSHR(配列番号140)
(141)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSHS(配列番号141)
(142)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSHT(配列番号142)
(143)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSHV(配列番号143)
(144)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSHW(配列番号144)
(145)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSHY(配列番号145)
(146)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSIA(配列番号146)
(147)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSIC(配列番号147)
(148)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSID(配列番号148)
(149)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSIE(配列番号149)
(150)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSIF(配列番号150)
【0054】
(151)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSIG(配列番号151)
(152)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSIH(配列番号152)
(153)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSII(配列番号153)
(154)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSIK(配列番号154)
(155)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSIL(配列番号155)
(156)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSIM(配列番号156)
(157)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSIN(配列番号157)
(158)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSIP(配列番号158)
(159)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSIQ(配列番号159)
(160)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSIR(配列番号160)
(161)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSIS(配列番号161)
(162)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSIT(配列番号162)
(163)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSIV(配列番号163)
(164)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSIW(配列番号164)
(165)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSIY(配列番号165)
(166)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSKC(配列番号166)
(167)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSKD(配列番号167)
(168)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSKF(配列番号168)
(169)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSKG(配列番号169)
(170)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSKH(配列番号170)
(171)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSKI(配列番号171)
(172)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSKL(配列番号172)
(173)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSKM(配列番号173)
(174)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSKN(配列番号174)
(175)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSKQ(配列番号175)
(176)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSKR(配列番号176)
(177)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSKS(配列番号177)
(178)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSKT(配列番号178)
(179)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSKV(配列番号179)
(180)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSKW(配列番号180)
(181)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSKY(配列番号181)
(182)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSLA(配列番号182)
(183)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSLC(配列番号183)
(184)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSLD(配列番号184)
(185)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSLE(配列番号185)
(186)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSLF(配列番号186)
(187)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSLG(配列番号187)
(188)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSLH(配列番号188)
(189)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSLI(配列番号189)
(190)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSLK(配列番号190)
(191)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSLL(配列番号191)
(192)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSLM(配列番号192)
(193)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSLN(配列番号193)
(194)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSLP(配列番号194)
(195)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSLQ(配列番号195)
(196)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSLR(配列番号196)
(197)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSLS(配列番号197)
(198)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSLT(配列番号198)
(199)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSLV(配列番号199)
(200)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSLW(配列番号200)
【0055】
(201)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSLY(配列番号201)
(202)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSMA(配列番号202)
(203)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSMC(配列番号203)
(204)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSMD(配列番号204)
(205)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSME(配列番号205)
(206)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSMF(配列番号206)
(207)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSMG(配列番号207)
(208)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSMH(配列番号208)
(209)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSMI(配列番号209)
(210)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSMK(配列番号210)
(211)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSML(配列番号211)
(212)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSMM(配列番号212)
(213)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSMN(配列番号213)
(214)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSMP(配列番号214)
(215)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSMQ(配列番号215)
(216)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSMR(配列番号216)
(217)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSMS(配列番号217)
(218)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSMT(配列番号218)
(219)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSMV(配列番号219)
(220)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSMW(配列番号220)
(221)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSMY(配列番号221)
(222)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSNA(配列番号222)
(223)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSNC(配列番号223)
(224)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSND(配列番号224)
(225)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSNE(配列番号225)
(226)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSNF(配列番号226)
(227)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSNG(配列番号227)
(228)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSNH(配列番号228)
(229)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSNI(配列番号229)
(230)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSNK(配列番号230)
(231)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSNL(配列番号231)
(232)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSNM(配列番号232)
(233)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSNN(配列番号233)
(234)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSNP(配列番号234)
(235)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSNQ(配列番号235)
(236)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSNR(配列番号236)
(237)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSNS(配列番号237)
(238)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSNT(配列番号238)
(239)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSNV(配列番号239)
(240)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSNW(配列番号240)
(241)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSNY(配列番号241)
(242)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSPA(配列番号242)
(243)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSPC(配列番号243)
(244)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSPD(配列番号244)
(245)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSPE(配列番号245)
(246)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSPF(配列番号246)
(247)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSPG(配列番号247)
(248)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSPH(配列番号248)
(249)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSPI(配列番号249)
(250)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSPL(配列番号250)
【0056】
(251)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSPM(配列番号251)
(252)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSPN(配列番号252)
(253)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSPQ(配列番号253)
(254)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSPR(配列番号254)
(255)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSPS(配列番号255)
(256)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSPT(配列番号256)
(257)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSPV(配列番号257)
(258)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSPW(配列番号258)
(259)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSPY(配列番号259)
(260)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSQA(配列番号260)
(261)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSQC(配列番号261)
(262)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSQD(配列番号262)
(263)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSQE(配列番号263)
(264)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSQF(配列番号264)
(265)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSQG(配列番号265)
(266)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSQH(配列番号266)
(267)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSQI(配列番号267)
(268)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSQK(配列番号268)
(269)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSQL(配列番号269)
(270)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSQM(配列番号270)
(271)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSQN(配列番号271)
(272)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSQP(配列番号272)
(273)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSQQ(配列番号273)
(274)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSQR(配列番号274)
(275)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSQS(配列番号275)
(276)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSQT(配列番号276)
(277)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSQV(配列番号277)
(278)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSQW(配列番号278)
(279)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSQY(配列番号279)
(280)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSRA(配列番号280)
(281)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSRC(配列番号281)
(282)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSRD(配列番号282)
(283)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSRE(配列番号283)
(284)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSRF(配列番号284)
(285)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSRG(配列番号285)
(286)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSRH(配列番号286)
(287)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSRI(配列番号287)
(288)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSRK(配列番号288)
(289)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSRL(配列番号289)
(290)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSRM(配列番号290)
(291)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSRN(配列番号291)
(292)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSRP(配列番号292)
(293)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSRQ(配列番号293)
(294)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSRR(配列番号294)
(295)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSRS(配列番号295)
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【0057】
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【0058】
(351)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSVN(配列番号351)
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(381)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSYC(配列番号381)
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(390)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSYM(配列番号390)
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(395)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSYS(配列番号395)
(396)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSYT(配列番号396)
(397)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSYV(配列番号397)
(398)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSYW(配列番号398)
(399)MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSYY(配列番号399)
(400) GKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSPP(配列番号403)
【0059】
本発明のペプチドとしては、更に、上記の配列番号1~399に記載のペプチドの43番目又は/及び44番目のアミノ酸を非天然のアミノ酸に置換したペプチドや、上記の配列番号403に記載のペプチドの42番目又は/及び43番目のアミノ酸を非天然のアミノ酸に置換したペプチドも含まれる。
【0060】
本発明のペプチドは、配列番号1~5に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドにおいてアミノ酸の保存的置換を有するものであってもよい。保存的置換とは、元のアミノ酸と化学的に類似した構造または特性を有する別のアミノ酸への置換であってペプチドの機能を実質的に変化させないものをいう。保存的置換の例としては、酸性アミノ酸であるアスパラギン酸とグルタミン酸の間の相互置換、塩基性アミノ酸であるリジン、アルギニンおよびヒスチジンの間の相互置換、親水性アミノ酸であるセリン、スレオニン、アスパラギンおよびグルタミンの間の相互置換等が挙げられる。例えば、配列番号167のペプチドは、配列番号5のペプチドの44番目のグルタミン酸(E)をアスパラギン酸(D)に置換したものであり、配列番号5のペプチドと同等の機能を有すると考えられる。さらに、配列番号126、128、129、138、248、254、280、282、283及び292に記載のペプチドも、配列番号1~5に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドにおいてアミノ酸の保存的置換を有するものであり、配列番号1~5に記載のいずれかのペプチドと同等の機能を有すると考えられる。一つの態様において、本発明のペプチドは、配列番号1~5、126、128、129、138、167、248、254、280、282、283、292および403に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するものである。上記の機能をより確実に有することが期待できる観点から、一つのより好ましい態様において、本発明のペプチドは、配列番号1~5、167および403に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するものであり、一つの更に好ましい態様において、本発明のペプチドは、配列番号1~5および403に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するものである。
【0061】
従って、上記(a)で規定されるペプチドの好ましい一つの態様は、配列番号1~5、126、128、129、138、167、248、254、280、282、283、292および403に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドであり、より好ましい一つの態様は、配列番号1~5、167および403に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドであり、更に好ましい一つの態様は、配列番号1~5および403に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドである。
【0062】
さらに、上記(b)で規定されるペプチドの好ましい一つの態様は、配列番号1~5、126、128、129、138、167、248、254、280、282、283、292および403に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドにおいて、1若しくは複数個(例えば2~40個、2~30個、2~20個、2~10個、2~5個、または4個、3個もしくは2個)のアミノ酸が付加されたアミノ酸配列からなり、且つ、細胞の遊走を刺激する活性を有するペプチドであり、より好ましい一つの態様は、配列番号1~5、167および403に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドにおいて、1若しくは複数個(例えば2~40個、2~30個、2~20個、2~10個、2~5個、または4個、3個もしくは2個)のアミノ酸が付加されたアミノ酸配列からなり、且つ、細胞の遊走を刺激する活性を有するペプチドであり、更に好ましい一つの態様は、配列番号1~5および403に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドにおいて、1若しくは複数個(例えば2~40個、2~30個、2~20個、2~10個、2~5個、または4個、3個もしくは2個)のアミノ酸が付加されたアミノ酸配列からなり、且つ、細胞の遊走を刺激する活性を有するペプチドである。
【0063】
さらに、上記(c)で規定されるペプチドの好ましい一つの態様は、配列番号1~5、126、128、129、138、および167、248、254、280、282、283および292に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドの1-42番目のアミノ酸または配列番号403に記載のアミノ酸配列を有するペプチドの1-41番目のアミノ酸において、1若しくは複数個(例えば2~40個、2~30個、2~20個、2~10個、2~5個、または4個、3個もしくは2個)のアミノ酸が置換、欠失若しくは挿入されたアミノ酸配列を含み又はからなり、且つ、細胞の遊走を刺激する活性を有するペプチドであり、より好ましい一つの態様は、配列番号1~5および167に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドの1-42番目のアミノ酸または配列番号403に記載のアミノ酸配列を有するペプチドの1-41番目のアミノ酸において、1若しくは複数個(例えば2~40個、2~30個、2~20個、2~10個、2~5個、または4個、3個もしくは2個)のアミノ酸が置換、欠失若しくは挿入されたアミノ酸配列を含み又はからなり、且つ、細胞の遊走を刺激する活性を有するペプチドであり、更に好ましい一つの態様は、配列番号1~5に記載のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドの1-42番目のアミノ酸または配列番号403に記載のアミノ酸配列を有するペプチドの1-41番目のアミノ酸において、1若しくは複数個(例えば2~40個、2~30個、2~20個、2~10個、2~5個、または4個、3個もしくは2個)のアミノ酸が置換、欠失若しくは挿入されたアミノ酸配列を含み又はからなり、且つ、細胞の遊走を刺激する活性を有するペプチドである。
【0064】
本発明のペプチドの「誘導体」とは、実質的に本発明のペプチドと同じ生物学的機能または活性、すなわち細胞の遊走を刺激する活性を有するペプチドを意味する。該ペプチドの誘導体のC末端はカルボキシル基、カルボキシレート、アミドまたはエステルのいずれであってもよい。例えば、修飾基を付加して得られた修飾ペプチド、アミノ酸残基を改変することにより得られた変異体ペプチド等が挙げられる。
修飾基としては、蛍光性を呈する官能基、ペプチドの立体構造の形成には関与しない官能基などが挙げられる。また、天然由来の本発明のペプチドを構成するアミノ酸残基以外のアミノ酸残基(例えば、β-アラニンなど)であってもよい。蛍光性を呈する官能基としては、エオシンやフルオレセインイソチオシアネート(FITC)などが挙げられる。ペプチドの立体構造の形成には関与しない官能基としては、β-アラニン残基などに代表されるスペーサー基などが挙げられる。かかる官能基は末端に存在することが好ましい。さらには、ポリエチレングリコール(PEG)修飾したペプチドも「誘導体」に包含される。
【0065】
本発明のペプチドの「製薬上許容される塩」としては、酸又は塩基との生理学的に許容される塩が挙げられ、とりわけ酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸等の無機酸との塩、又は酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機酸との塩等が用いられる。
【0066】
本発明ペプチド又は上記塩の「溶媒和物」としては、本発明のペプチドに対し、任意の数の溶媒分子が配位しているものが挙げられ、好ましくは水和物である。
【0067】
本発明は、上述のペプチドを提供する。本発明におけるペプチドの合成では、ペプチド液相合成法およびペプチド固相合成法のいずれの方法によってもペプチドを化学合成することができる。本発明においてはペプチド固相合成法によって合成したペプチドが好ましい。ペプチド固相合成法はペプチドを化学的に合成する際に、一般的に用いられる方法のひとつであり、例えば次のように実施することができる:表面をアミノ基で修飾した直径0.1mm程度のポリスチレン高分子ゲルのビーズなどを固相として用い、ここから脱水反応によって1つずつアミノ酸鎖を伸長していく。目的とするペプチドの配列が出来上がったら固相表面から切り出し、目的の物質を得る。
固相合成法により、バクテリア中で合成させることの難しいリボソームペプチドの合成や、D体や重原子置換体などの非天然アミノ酸の導入、ペプチド及びタンパク質主鎖の修飾なども可能である。固相法において70から100個を超える長いペプチド鎖を合成する場合、ネイティブケミカルライゲーション法を用いて、2つのペプチド鎖を結合させる事により合成することが可能である。
【0068】
本発明の組成物の投与方法は、経口投与または非経口投与が挙げられ、非経口投与方法としては具体的には、注射投与、経鼻投与、経肺投与、経皮投与などが挙げられるが、これらに限定されない。注射投与の例としては、例えば、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射などによって本発明の組成物を全身または局部的(例えば、皮下、皮内、皮膚表面、眼球あるいは眼瞼結膜、鼻腔粘膜、口腔内および消化管粘膜、膣・子宮内粘膜、または損傷部位など)に投与できる。
【0069】
また、本発明の組成物の投与方法としては、例えば、血管内投与(動脈内投与、静脈内投与等)、血液内投与、筋肉内投与、皮下投与、皮内投与、腹腔内投与が例示されるが、これらに限定されない。
【0070】
また投与部位に制限はなく、再生が必要な組織部位もしくはその近傍、再生が必要な組織とは異なる部位、または、再生が必要な組織に対して遠位かつ異所である部位が例示できる。例えば、血中(動脈内、静脈内等)、筋肉、皮下、皮内、腹腔内が挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
また、患者の年齢、症状により適宜投与方法を選択することができる。本発明のペプチドを投与する場合、例えば、一回の投与につき、体重1 kgあたり0.0000001mgから1000mgの範囲で投与量が選択できる。あるいは、例えば、患者あたり0.00001から100000mg/bodyの範囲で投与量が選択できる。本発明のペプチドを分泌する細胞や該ペプチドをコードするDNAが挿入された遺伝子治療用ベクターを投与する場合も、該ペプチドの量が上記範囲内となるように投与することができる。しかしながら、本発明の医薬組成物はこれらの投与量に制限されるものではない。
【0072】
本発明の医薬組成物は、常法に従って製剤化することができ(例えば、Remington's Pharmaceutical Science, latest edition, Mark Publishing Company, Easton, U.S.A)、医薬的に許容される担体や添加物を共に含むものであってもよい。例えば界面活性剤、賦形剤、着色料、着香料、保存料、安定剤、緩衝剤、懸濁剤、等張化剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤等が挙げられるが、これらに制限されず、その他常用の担体が適宜使用できる。具体的には、軽質無水ケイ酸、乳糖、結晶セルロース、マンニトール、デンプン、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、中鎖脂肪酸トリグリセライド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、白糖、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等を挙げることができる。
【0073】
なお本明細書において引用されたすべての先行技術文献は、参照として本明細書に組み入れられる。
【実施例
【0074】
本発明は、以下の実施例によってさらに例示されるが、下記の実施例に限定されるものではない。
【0075】
実施例1
各種HMGB1ペプチドの合成
ヒトHMGB1の2番目から44番目までのアミノ酸からなるペプチド (2-44)およびヒトHMGB1の1番目から44番目までのペプチドにおいて43番目および/または44番目のアミノ酸配列を置換した以下の5種のペプチド(Peptide-1 から5)を固相法で合成した。
2-44 GKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSKK(配列番号400)
Peptide-1 MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSKP(配列番号1)
Peptide-2 MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSPK(配列番号2)
Peptide-3 MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSPP(配列番号3)
Peptide-4 MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSKA(配列番号4)
Peptide-5 MGKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSKE(配列番号5)
【0076】
実施例2
細胞遊走活性測定
マウス骨髄由来間質細胞株であるST2細胞 (RCB0224,理化学研究所バイオリソースセンター) をTrypLE Express (Thermo Fisher Scientific) を用いてディッシュから剥がしたあと、25℃、1500 rpm、5分間の遠心により回収した。細胞ペレットをRPMI1640/10% FBS/1% PenStrep (Gibco) で7 x 105cells/mLに調製し、カルチャーインサート (日本ジェネティクス) をセットした24 well plateに、70 μL/insert wellで播種した。24時間後、カルチャーインサートを抜き取り、RPMI1640で1回洗浄した。Assay medium (RPMI1640/0.1% FBS) で10 μMに調製した各ペプチドサンプル(ヒトHMGB1の2番目から44番目までのペプチド (2-44)、実施例1で作成した5種の改変ペプチドPeptide-1から5)を550 μL添加し、さらに一晩培養した。陰性コントロール (NC) には、Assay mediumのみを添加した。培養後、細胞を固定化・DiffQuik染色し、撮像した。撮像した画像から各群の細胞遊走度を5段階のスコア (-,±,+,++,+++) で評価した。また、同一の条件で、各ペプチドサンプルとも3回試験を行った。
【0077】
結果
ヒトHMGB1の2番目から44番目までのペプチド(2-44)、実施例1で作成した5種類改変ペプチドPeptide-1 から5 およびNCの遊走活性の有無を確認したところ、5種の改変ペプチドのいずれにも遊走活性が認められた (表1)。
【表1】
【0078】
実施例3
ペプチドの血漿中の安定性
抗凝固剤EDTA・2Kを用いてCrl:CD(SD)ラットから採取した全血を遠心し、ブランク血漿を得た。得られた血漿は氷上保管し、安定性試験当日のみに使用した。
実施例2で用いた6種のペプチドをそれぞれ0.1% TFA水溶液に1 mg/mLで溶解した原液から、蒸留水で375 μg/mLに調製した溶液を調製した。その溶液16 μLをブランク血漿1184 μLに対して添加し安定性試験用サンプル (アッセイ濃度:5 μg/mL) を調製した。安定性試験用サンプルを氷上に静置し、添加直後、1、3、5、15、30、60分後に50 μL (各時点、3例)を採取した。採取した50 μLのサンプルに対して、270 mmol/L クエン酸溶液/130 mmol/L EDTA・2K水溶液 (4:1, v/v) 250 μL、0.1% TFA水溶液 25 μL、IS溶液(ヒトHMGB1の1番目から44番目のペプチドのうち、18番目、38番目、41番目のフェニルアラニンの炭素原子9個、窒素原子1個をそれぞれ安定同位体に置換した化合物の4 μg/mL 0.1% TFA水溶液)25 μLを加え混合した。混合物に対してメタノール350 μLを加えて混合した後、さらにアセトニトリル100 μLを加えて混合し、ドライアイスでいったん凍結した。室温で融解し、遠心して得られた上清を別の容器に移し、撹拌したものを測定用試料とした。
【0079】
測定用試料を高速液体クロマトグラフ-タンデム四重極型質量分析計に導入し、各ペプチドに特有のモニターイオンを検出した。別途調製した濃度既知試料から0.1 - 10 μg/mLの濃度範囲で検量線を作成し、各サンプルを測定して得られたクロマトグラムのピーク面積から逆回帰してサンプル中のペプチド濃度を得た。各時点におけるペプチド濃度を平均し、添加直後を100として算出した残存率 (%) を添加後時間に対してプロットした(図1)。
結果
ヒトHMGB1の2番目から44番目までのペプチド(2-44)と43番目、44番目のアミノ酸を改変した5種のペプチド (Peptide-1から5) のラット血漿中 (氷上) における安定性試験の結果、2-44は添加後15分以降のサンプルは定量下限 (0.5 μg/mL) 以下であった。一方、Peptide-1から5の5種の改変ペプチドはいずれも2-44と比較して安定であることが確認できた(図1)。
【0080】
実施例4
HMGB1ペプチドの合成
ヒトHMGB1の2番目から44番目までのペプチド(2-44)においてC末端の2つのアミノ酸を置換した以下の配列からなるペプチド(Peptide-6)を固相法で合成した。
Peptide-6 GKGDPKKPR GKMSSYAFFV QTCREEHKKK HPDASVNFSE FSPP(配列番号403)
【0081】
実施例5
細胞遊走活性測定
マウス骨髄由来間質細胞株であるST2細胞 (RCB0224,理化学研究所バイオリソースセンター) を2.5g/L‐Trypsin/1mmol/L‐EDTA Solution (nacalai tesque)を用いてディッシュから剥がしたあと、25℃、200 g、3分間の遠心により回収した。細胞ペレットをRPMI1640/10% FBS/1% PenStrep (nacalai tesque) で8.6 x 105 cells/mLに調製し、カルチャーインサート(日本ジェネティクス) をセットした24 well plateに、70 μL/insert wellで播種した。18時間後、カルチャーインサートを抜き取り、RPMI1640で1回洗浄した。Assay medium (RPMI1640/0.1% FBS) で20 μMに調製した各ペプチドサンプル(ヒトHMGB1の2番目から44番目までのペプチド(2-44)、および実施例4で作成した改変ペプチドPeptide-6)を1000 μL添加し、さらに20時間培養した。陰性コントロール (NC) には、Assay mediumのみを添加した。Assay medium添加直後および20時間培養後に、細胞を撮像した。撮像した画像から、カルチャーインサートにより作成した空白領域(Assay medium添加時点で細胞が存在していない領域)の面積に対する、20時間で当該領域へ遊走した細胞が占める面積の割合(%)として各群の細胞遊走度を評価した。
結果
ヒトHMGB1の2番目から44番目までのペプチド(2-44)、実施例4で作成した改変ペプチド(Peptide-6)およびNCの遊走活性の有無を確認したところ、改変ペプチド(Peptide-6)にはヒトHMGB1の2番目から44番目までのペプチド(2-44)と同等の遊走活性が認められた(図2)。
【0082】
実施例6
ペプチドの血漿中の安定性
あらかじめ10%EDTA・2Kを60μL入れた5mLチューブにCrl:CD(SD)ラットから採取した全血を3mL入れ、室温で30分間静置した後、3000rpm(1600×g)、4℃で10分間遠心し、上清を回収してブランク血漿とした。得られた血漿は氷上保管し、安定性試験当日のみに使用した。
ヒトHMGB1の2番目から44番目までのペプチド(以下、2-44)、実施例1で作成した改変ペプチド(Peptide-3)および実施例4で作成した改変ペプチド(Peptide-6)をそれぞれ0.1% TFA水溶液に1 mg/mLで溶解した原液から、蒸留水で375 μg/mLに調製した溶液を調製した。その溶液8 μLをブランク血漿592 μLに対して添加し安定性試験用サンプル (アッセイ濃度:5 μg/mL) を調製した。安定性試験用サンプルを氷上に静置し、添加直後、30分後および60分後に50 μL を採取した。採取した50 μLのサンプルに対して、270 mmol/L クエン酸溶液/130 mmol/L EDTA・2K水溶液 (4:1, v/v) 250 μL、0.1% TFA水溶液 50 μLを加え混合した。混合物に対してメタノール350 μLを加えて混合した後、さらにアセトニトリル100 μLを加えて混合し、ドライアイスでいったん凍結した。5~60分後、当該サンプルを室温で融解し、14000×g、4℃で3分間遠心して得られた上清を400μL採取し、遠心式濃縮機(スピンドライヤーライト VC-36R、タイテック株式会社製)で乾固した後、1% TFA/ 2% ACN Buffer 200 μLに溶解し、フィルターろ過(0.22μm)したものを測定用試料とした。
測定用試料を高速液体クロマトグラフ-シングル四重極型質量分析計に導入し、各ペプチドに特有のモニターイオンを検出した。別途調製した濃度既知試料から0.1 - 10 μg/mLの濃度範囲で検量線を作成し、各サンプルを測定して得られたクロマトグラムのピーク面積から逆回帰してサンプル中のペプチド濃度を得た。各時点におけるペプチド濃度について、添加直後を100として算出した残存率 (%) を添加後時間に対してプロットした(図3)。
結果
ラット血漿中 (氷上) における安定性試験の結果、2-44は添加後30分の時点で定量下限 (0.5 μg/mL) 以下であった。一方、Peptide-3およびPeptide-6はいずれも2-44と比較して安定であることが確認できた。また、Peptide-3とPeptide-6の安定性は同等であると認められた(図3)。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明のペプチド、その誘導体、それらの製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物は、再生医療分野において使用される。
図1
図2
図3
【配列表】
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