(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-27
(45)【発行日】2022-08-04
(54)【発明の名称】3次元体、特にグリーン体を作成するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
B28B 1/30 20060101AFI20220728BHJP
C03B 19/00 20060101ALI20220728BHJP
B28B 1/00 20060101ALI20220728BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20220728BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20220728BHJP
C03B 8/02 20060101ALI20220728BHJP
C04B 35/645 20060101ALI20220728BHJP
【FI】
B28B1/30
C03B19/00 Z
B28B1/00 C
B33Y10/00
B33Y30/00
C03B8/02 Z
C04B35/645
(21)【出願番号】P 2019553895
(86)(22)【出願日】2017-03-28
(86)【国際出願番号】 EP2017000375
(87)【国際公開番号】W WO2018177495
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2020-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】505119966
【氏名又は名称】マックス-プランク-ゲゼルシャフト ツール フェルデルング デア ヴィッセンシャフテン エー. ファオ.
【氏名又は名称原語表記】MAX-PLANCK-GESELLSCHAFT ZUR FOERDERUNG DER WISSENSCHAFTEN E.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100180334
【氏名又は名称】山本 洋美
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【氏名又は名称】宮脇 良平
(72)【発明者】
【氏名】アブドルヴァンド、アミール
(72)【発明者】
【氏名】ケディング、ラルフ
【審査官】小川 武
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-323352(JP,A)
【文献】特開平04-219326(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0044680(US,A1)
【文献】特表2000-510805(JP,A)
【文献】特表平10-502324(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28B 1/00 - 1/54
C03B 19/00
C04B 35/14
C03B 8/02
B29C 64/00 - 64/40
B33Y 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元ガラス質又はセラミック体を製造するための方法であって、該方法は、少なくとも以下の、
a)電気的に安定化された粒子の懸濁液を提供する、
b)所定の位置での、電荷注入器と前記懸濁液との間の局所的な放電によって、前記粒子の懸濁液の局所的な不安定化を生じさせ、前記位置で前記粒子の凝集及び沈殿を引き起こす、
c)所定の寸法を有する多孔質3次元体を表す最終的な粒子の凝集が形成されるまで、異なる位置でステップb)を繰り返し、より大きな凝集を引き起こす、
ステップを備え、
前記電荷注入器は、i)前記粒子の懸濁液と接触しない少なくとも1つの放電電極、又はii)荷電粒子源を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
更に少なくとも以下の、
d)前記多孔質3次元体を緻密化する、
ステップを備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップd)は、前記3次元体の細孔内の充填材料の焼結及び/又は原子層堆積法(ALD)によって行う、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記放電が、空気、Xe、Ar、O
2、CCl
4又はCH
3Iのような追加成分を含む空気、又はそれらの混合物を含む群から選択されるガス状媒体内で起こる、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記電荷注入器は放電電極を含み、前記電荷注入器と前記懸濁液との間の局所的な放電が、空気イオン化放射線の照射によって、所定の位置と時間で誘導される、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記照射は、電磁放射の照射によって行われる、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記電磁放射は、レーザー光である、
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記照射は、前記放電電極の先端と、前記懸濁液の表面との間の距離、及び/又は前記電極と前記懸濁液の表面との間の電界強度に応じて、引き起こされる、
ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
レーザーの照射は、5fsから100nsの範囲の時間、及び0.1TW/cm
2を超えるピークエネルギー密度で適用される、
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記電荷注入器は荷電粒子源を含み、ステップb)は、輸送及び標的化手段、例えば中空キャピラリ又は静電レンズによって、安定化された前記粒子の懸濁液の表面上の所定の位置へ向けることを含む、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記荷電粒子は、2keVから10MeVの範囲のエネルギーを有する、
ことを特徴とする請求項1乃至4、又は10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記荷電粒子は、イオン又は電子である、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ステップb)及びc)の後、x、y及びz方向に所定の寸法を有する凝集粒子の一次層が最初に形成され、ステップb)及びc)の繰り返しによって、所定の寸法を備える更なる複数の層が互いに次々と堆積される(レイヤーバイレイヤーの堆積)、
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記粒子は無機粒子である、
ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記無機粒子は、SiO
2、ガラス、TiO
2、Al
2O
3、MgAl
2O
4、ZrO
2、PbZrO
3、HfO
2のような酸化物、SiCのような炭化物、AlN、Si
3N
4のような窒化物、又はそれらの混合物を含む群から選択される、
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記懸濁液を構成する前記粒子は、4nm~200μmの範囲の直径値を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記粒子は、共有結合性又は非共有結合性相互作用を介して前記粒子の表面に結合された荷電化合物又は荷電材料によって付与される正又は負の表面電荷を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記荷電化合物又は荷電材料は、アンモニア、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウムのようなアンモニア化合物、NaOH、KOHのような無機塩基性化合物、クエン酸のような酸性化合物、又はそれらのイオンを含む群から選択又は誘導される、
ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記粒子及び/又は前記粒子の懸濁液は、ドーパントを含む、
ことを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記ドーパントは、ZrO
2、MgO、Er
2O
3のような金属酸化物、又はEr
3+、Nd
3+、Yb
3+のような金属イオンを含む群から選択される、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記粒子の懸濁液を形成す
る液体は、水性溶媒又は蒸発により優先的に前記多孔質3次元体から除去可能な他の溶媒である、
ことを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
以下の、
-前記電荷注入器の前記懸濁液に対する位置は、x、y及び/又はz方向への機械的動作によって調節されること、
-前記粒子の懸濁液を含む容器の位置は、x、y及び/又はz方向への機械的動作によって前記電荷注入器に対して調節されること、
-前記懸濁液の表面の位置及び/又は形成された前記粒子の凝集体又はグリーン体の前記電荷注入器に対する位置は、前記懸濁液の液面レベルをシフトすることによって、又は前記容器内の前記粒子の凝集体又はグリーン体をz方向に機械的に動かすことによってz方向に調節されること、
を1つ以上満たす、
ことを特徴とする請求項1乃至21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
i)前記電荷注入器、前記容器、前記懸濁液及び/又は形成される前記グリーン体の動き、
及び/又は、
ii)レーザー照射のような空気イオン化放射線の照射又は荷電粒子のビームによって誘導される、粒子の前記懸濁液と前記電荷注入器との間の前記局所的な放電、
は、ソフトウェアプログラムによって制御される、
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
請求項1乃至23のいずれか1項に記載の方法を実施するための装置であって、
少なくとも以下の、
-静電的に安定化された粒子の懸濁液を受け入れるための容器、
-前記粒子の懸濁液と接しないように前記容器内に配置された1つ以上の電極又は高エネルギー荷電粒子源を含む電荷注入器、
-前記電極及び/又は前記容器をx、y及びz方向に動かすための手段、
-前記粒子の懸濁液と接触するために前記容器内に配置された対電極、
-前記容器内の幾何学的及び物理的パラメータを決定するための1つ以上のセンサ、
の部品を備える、
ことを特徴とする装置。
【請求項25】
ガスイオン化放射線のビームを前記容器内の所定の位置へ向けるための手段を更に含む、
ことを特徴とする請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記ガスイオン化放射線のビームは、レーザービームである、
ことを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記容器内に含まれる懸濁液のレベルを調節するための手段、及び/又は前記容器内の固体のボディを移動するための手段を更に含む、
ことを特徴とする請求項24乃至26のいずれか1項に記載の装置。
【請求項28】
前記容器内の前記幾何学的及び物理的パラメータは、前記容器内の異なる対象物間の距離、電場強度の値、電荷、対象物の光学特性等を表す、
ことを特徴とする請求項24乃至27のいずれか1項に記載の装置。
【請求項29】
-前記容器は、静電的に安定化された粒子の懸濁液を含有し、及び、
-前記電荷注入器は、放電電極又は、前記粒子の懸濁液と接触しない複数の放電電極を含む、
ことを特徴とする請求項24乃至28のいずれか1項に記載の装置。
【請求項30】
堆積される前記充填材料は、ガラス、セラミック及び金属を含む群から選択され、
前記原子層堆積法は、少なくとも以下の、
-気相からの前記充填材料の前駆体を用いて、前記多孔質3次元体の内面を覆う、
-前記気相からの成分との化学反応により、前記内面に吸着された前記前駆体を不揮発性材料に変換する、
-前記多孔質3次元体の前記細孔が、前記不揮発性材料を用いて少なくとも部分的に充填されるまで、これらの2つのステップを繰り返す、
ステップを備える、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項31】
所定の時間の間、300℃を超える所定の温度で、得られた前記多孔質3次元体を熱処理に供するステップを更に含む、
ことを特徴とする請求項1乃至23及び30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記熱処理は、酸素の存在下で、及び/又は200MPaまでのような高圧条件下で、実施される、
ことを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記3次元ガラス質又はセラミック体は、以下の、
-前記3次元体の総重量の5重量%未満の含有量である有機添加物の低含有量、
-40%を超える高いグリーン密度、
-任意の形状、
-機械的安定性、
を示す、
ことを特徴とする請求項1乃至23、30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記有機添加物の含有量が、前記3次元体の総重量の0.1重量%以下である、
ことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3D印刷に類似したプロセスを介し、様々な材料、特に純粋及びドープされたガラス又はセラミックの自由な形状の構造物を直接書き込むための手段に関連する。
【背景技術】
【0002】
一般的な積層造形、又は一般に3D印刷と呼ばれるもの、及びそれに関連する選択的レーザー溶融法(SLM)は、最近進化している。それは、材料科学及び技術の分野において非常に有望なアプローチを表す。これらは、集束(レーザー)放射線から生ずる熱を使用する、又は結合材料の選択的な注入による、粉末状の印刷材料の選択的な溶融及び/又は結合に依存する。レーザーの焦点(又はバインダーの注入部位)を移動することにより、2次元パターンを生成することができる。層ごとに同じ手順を繰り返すことによって、粉末から所望の3次元形状が現れる。この方法は、製品の設計と製造において、原則としてほぼ完全な柔軟性を提供する。
【0003】
しかしながら、既知の3D印刷技術は、全ての種類の材料に対して等しく適用可能ではない。これは、特に2つの非常に興味深い種類の材料に、つまり特にSiO2及びセラミックに特別な焦点を当てたガラスに当てはまる。
【0004】
ガラスを生物医学的な用途に適切な物とする、光学的透明性、機械的及び熱的安定性、耐久性、化学的不活性、無毒性といった、その豊富さと優れた特性で、シリカは、光学及び照明、通信及びネットワーク、太陽光発電及びエネルギー部門、医療、ディスプレイシステム及び電子機器といった幅広い用途の材料の選択肢として、長く認められてきた。更には、そのエレガント及び心地よい外観により、ガラスは現代のデザイン及び建築において益々利用方法が見出されている。シリカは、容易にリサイクル可能でもあり、環境的に持続可能な用途にとって理想的な材料でもある。
【0005】
セラミック技術は、自動車工業、航空宇宙用途、生物医学インプラント、防衛のような高温の用途の分野で頻繁に使用されている。特に、ジルコニア、酸化アルミニウム、ジルコニア強化アルミナのようなセラミック複合材料の優れた機械的堅牢性により、切削工具及び生物医学的インプラント及び人工装具のような構造用途で選択される材料となっている。
【0006】
伝統的に、3D印刷の用途では、主に金属及びポリマーが使用されてきた。最も頻繁に使用される材料は、ポリマーであるABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)及びPLA(ポリ酪酸)プラスチックが主流である。多くの場合において、これらは熱間押出しされる。これは、3D印刷プロセスが、様々な熱源、例えばレーザー放射から生成される熱を介して、溶融とその後の固化と処理後の材料の結合とに依存することによる。プロセスの間のレーザー加熱のために、印刷材料はレーザーの波長を吸収しなければならない。この要件により、レーザーベースの3D印刷のための材料の選択肢が限定される。特に、これは、その幅広い透明性及び大半の使用可能なレーザーが放出するほとんどの波長をよく透過することから、純粋なSiO2のレーザーベース3D印刷にとって重要な問題をもたらす。これは、Al2O3のような非吸収性成分を含むセラミックの3D印刷にとっても問題である。
【0007】
その結果、ガラス及びセラミックのレーザーベースの3D印刷は、ハイブリット化合物、つまり、ポリマー由来のセラミックのような適切な結合ポリマーと混合されたガラス又はセラミックに主に限定される。しかしながら、SLM技術を使用し結合材料を用いたガラスの3D印刷は、光透過性を欠く不透明なガラス構造となる。同じことは、ガラス充填ポリマーの光誘起架橋にも当てはまる。セラミック及びガラスの両方の場合において、その後の結合材料の除去及び分離は課題を有し、時間がかかり面倒な後処理手順がしばしば必要となり、この手順では、多くの場合において結合材料を3D印刷された部品から100%除去することができず、それゆえこの技術の有用性が制限される。代替的なアプローチは、ガラス及びセラミック材料に吸収されるレーザー放射、例えば~10μmの放射波長を有するCO2レーザーを用いることである。しかしながら、この場合、密度の低い多孔質構造となる。多孔質の他に、一般にSLMの場合、脆い材料における熱ショックによってクラックが形成される。加えて、ガラス粉末の直接的であり局所的な熱処理の結果、気泡を含むガラスが形成されるため、材料の散乱が激しくなり、つまり光学品質が低下する。セラミックの場合、局所加熱及びその後の焼結の結果、同様にクラックが形成される。これは、セラミック及びセラミック複合材料の機械強度を大幅に低下させる。その結果、コンパクト、緻密及び透明なガラス構造又はセラミックの3D印刷技術は、いまだに不足している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の根底にある主な目的は、特に純粋及びドープされたガラス又はセラミックにも同様に適用可能であり、様々な材料の自由な形状の構造物を直接書き込むための新規且つ好ましい手段を提供することである。この目的は請求項1に係るプロセスと、同様に請求項20に係る装置を提供することによって達成される。本発明の他の関連する態様及びより具体的な実施形態は、更なる請求項の主題である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る3次元体、特にガラス質又はセラミック体を作成するためのプロセスは、少なくとも以下の
a)静電的に安定化された粒子の懸濁液を提供する、
b)所定の位置で電荷注入器と懸濁液との間で局所的に電荷を放出することによって粒子の懸濁液の局所的な不安定化を行い、当該位置で粒子の凝集及び沈殿を引き起こす、
c)異なる位置でステップb)を繰り返し、所定の寸法を有する(多孔質)3次元体(グリーン体)を表す粒子の最終的な凝集体が形成されるまで、より大きな凝集体を形成させる、
ステップを備え、
電荷注入器は、i)粒子の懸濁液に接触しない少なくとも1つの放出電極、又はii)荷電粒子源を含むことを特徴とする。
【0010】
一般的には粉末である印刷材料がレーザー放射によって生ずる熱によって融合する、又は通常、光で多くの場合に架橋されるポリマーである結合添加剤が必要となる従来の3D印刷プロセスとは非常に対照的に、本発明の「コールド」プロセスは、(レーザーの)熱処理又は主要な付加的-主には有機系-結合材料を必要とせず、粒子(元は粒子形状)の直接結合に依存する。
【0011】
それにもかかわらず、このプロセスにより、印刷された形状及び構造(従来の3D印刷の主な利点である)の完全な制御がやはり可能となる。
【0012】
請求項のプロセスは、懸濁液の静電的安定化の局所操作に基づく。この技術において、静電的に安定化された粒子の懸濁液の電荷分布は、電極(
図1の左)又は、荷電粒子、例えばイオン又は電子の流れ(
図1の右)のいずれかを含む電荷注入器によって開始される局所放電の作用によって、局所的にかく乱される。これにより、粒子は、固有の凝集力によって、又は異なる種類の粒子間の接着によって、互いに結合する。
【0013】
例えば、水中のシリカ(SiO2)粒子の静電的に安定化された懸濁液は、適切な量の水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を加えることによって得ることができる。この場合、SiO2粒子は、負に帯電し、互いにクーロン力によって反発する。これにより、粒子の凝集と沈降が避けられ、それにより懸濁液の安定が維持される。仮に、例えば正電極からの放電を開始することにより又は正に帯電した粒子の流れを直接注入することにより、表面電荷が中和されると、安定化効果は消え、グリーン体と残りの液体とにおいて懸濁液が続いて崩壊する。同じことを、正に帯電した懸濁液粒子と、負の電荷の注入又は負に帯電した粒子と、を用いて行うことができる。
【0014】
本発明のプロセスは、2つ以上の成分を備えるグリーン体の作成にも適用可能である。これは、両方の成分の安定化された懸濁液を生成し、同時に両方の成分を崩壊させる条件、又は、マイナー成分、例えば懸濁液中のドーパントとしての金属ナノ粒子を伴い、それらの組成によって粒子の分離を避ける主要な成分の十分早い崩壊となる条件を提供することによって得ることができる。
【0015】
XY平面で電極を動かすこと(荷電粒子の方向を操作することによる)、又は懸濁液自身を動かすことのどちらかによって、放電の位置を動かすことで、グリーン体の2Dパターン-有限の深さを備える-を生成することができる。1層毎に粒子を結合するプロセスを繰り返すことで、例えば、グリーン体を動かすが電極と懸濁液のレベルをZ方向に動かさないことで、又は代わりに電極及び懸濁液のレベルの両方を動かすがグリーン体はZ方向に動かさないことで、接続された任意の形状の3Dグリーン体を製造することができる。製造されるグリーン体のサイズは、プロセスに根本的な変更を加えることなく大きくすることができる。サイズは、グリーン体の機械的安定性、つまり自身の重量によって変形しないこと、によってのみ限定される。
【0016】
本発明のプロセスは、Rolf Clasen及び同僚によって開発された電気泳動体積(EPD)の既知のプロセス(例えば、米国特許出願公開第2009/0095629号広報、 Clasen, R., Journal of Non-Crystalline Solids, vol. 89, issue 3, pp. 334-344、Nold, Zeiner and Clasen, Journal of the European Ceramic Society 30 (2010), pp. 1163-1170参照)とは、著しく異なる。本発明のアプローチと同様に、EPDの開始点は、(ガラス)粒子の静電的に安定化された懸濁液である。しかしながら、本発明とは対照的に、この場合対向する極性の2つの電極が懸濁液に直接接触させられることにより、(例えば、ガラス)粒子の圧縮された層の堆積は、電極の1つの上に又は電極間の膜上に生ずる。いずれの電極に堆積されるかは、(ガラス)粒子のごく周囲の電荷分布の型による。例えば、負に帯電した(ガラス)粒子(例えばTMAHで安定化されたSiO2)では、層は正電極上に堆積される。この方法で形成される層の厚さは、印加する電圧及び堆積継続時間によって制御することができる、換言すると電圧又は待つ時間を増加させるほど、層は厚くなる。レイヤーバイレイヤーの堆積の場合、堆積は、2Dテンプレートとしても使用される移動可能な膜上に実施される。このようにして、静電的に安定化された懸濁液中で膜を徐々に動かすことによって、センチメートル長さの構造物を堆積させることができる。膜上への堆積の基本的なメカニズムは、電界勾配下での粒子の移動と、反発クーロン力に機械的に打ち勝つことによるグリーン体への圧縮と、である。
【0017】
本発明のプロセスによって克服されるこの技術の欠点は、
-低空間解像度、
-膜からどの程度離れ得るかを制限する電界勾配に対する感度による長軸方向の延びが少ない、
-粒子の充填を阻害し、最終製品に影響を与える電気泳動による気泡の形成、
-任意の形状のグリーン体の沈殿が、膜の形と可能な磁場勾配によって限定される、
ことを含む。
【0018】
請求項に記載のプロセスが、懸濁液から自由に形成される3Dグリーン体という、非接触であり、高解像度であり、静電ベースの沈殿を含むという事実に基づき、一般に本発明は、最新技術を超える多くの主要な利点を提供する。
【0019】
非接触である点は、以下の、
-最終製品の高純度さを保証する、
-EPDのように電極の幾何学形状に限定されることなく、任意の形状を書き込める、
-解像度が、EPDにおけるように電極及び膜の形状に限定されない、又はSLMにおけるように局所的な熱分布に限定されない、
-電気分解が存在しないことにより、電極の腐食又は気泡の形成などの電界生成物に関する問題が発生しない、
という利点を提供する。
【0020】
解像度を極めて高くすることができる。
・選択的レーザー溶融の解像度を、レーザー照射を介した局所加熱によって制御する。これは、レーザー照射自身によって生ずる回折限界のスポットサイズよりも非常に悪い解像度を提供する。本発明は、粒子のサイズのみに限定された達成可能な最高の解像度を備え、10nmから1mmの解像度を提供し、典型的な値は1μmから100μmの範囲であり、それにより、一般的なレーザーベースの3D印刷により得ることができるものを遙かに超える解像度を提供する。
・極小のスポットへの電子/イオンビームの集束は、技術的に解決されている。これは、走査型電子顕微鏡(SEM)又は集束イオンビーム(FIB)のような様々な商業的に利用可能な装置に基づく。
【0021】
本方法は、静電ベースである。
・その結果、表面電荷を中和するだけでよいため、小電流が大量の材料を沈殿させる。これにより、本技術は、ガルバニック又は電子ビームによる気相からの沈殿よりも効率的であり、請求項に記載の方法は、グリーン体の形成の間のより少ないエネルギー堆積を必要とする。これは、変形及び亀裂に関する問題をより少なくするという利点も有する。
【0022】
本方法は、懸濁液ベースである。
-懸濁液のパラメータを容易に変更することができる。
-方法自体を変更することなく、複雑な組成物を懸濁液中に安定化することができ、沈殿させることができる。
-粒子組成と液体組成とはほぼ自由に選択できる。
-懸濁液の調製は、セラミック業界で確立されている。
-静電表面電荷の安定化により、多成分懸濁液が可能である。
-懸濁液自身へのドーパントの添加が簡単である。
【0023】
グリーン体を作成する間の熱(エネルギー)の堆積は、レーザー溶融よりも桁が小さい。
-熱衝撃によるグリーン体内の変形又はクラックの形成がない。
-感熱性ドーパントの蒸発がない。
【0024】
多くの場合において例えばTMAHである、グリーン体内の有機残留物の量は極めて少なく、粒子の焼結を始める前でも3次元構造を加熱することで、それは完全に蒸発する。
-カーボン又は分解ガスのような残留物が、最終製品の特性を妨げることがない。
【0025】
一般的に、請求項1のステップa)~c)によって得られる多孔質3次元体は、以下の文脈で、「グリーン体」とも呼ばれ、透明性及び/又は細孔がほぼ又は全て除去されて機械的により安定なボディを得るために更に緻密化される。
【0026】
これは、グリーン体の焼結の従来のアプローチによる合体によってもたらされ得る。その後の温度処理と焼成は、グリーン体内の有機成分の分解に関する問題を有することなく、グリーン体を緻密体へと焼結することができる。この熱処理はグリーン体の多孔質を低減し(約60%のグリーン体密度から96%より良好な最終的な焼結密度)、グリーン体の収縮を生じさせる。焼結は、結晶質のグリーン体に作用するだけでなくガラス質のグリーン体にも作用する。他の技術によって形成されたガラス(ドープ又は純粋なSiO2)のグリーン体の場合についての文献に示されているように、焼結により、EPDによって証明される光学品質と透明性を備える緻密なガラス体を得ることができる(Clasen et al., J. Mater Sci. (2006) 41:8173-8180)。
【0027】
このアプローチの主な問題は、制御が複雑であること、及び3D印刷構造の場合、所望の最終構造を得るためには、収縮による寸法の変更を知る必要がある点にある。加えて、焼結は時間のかかる熱処理である。迅速なプロトタイプの製造方法のためには、グリーン体の緻密化のより速いプロセスが望まれる。焼結はセラミック工業において広く用いられている技術であるが、本発明は、以下に説明するような焼結への代替的アプローチも含む。
【0028】
本発明に係る新規の代替的アプローチは、グリーン体の原子層堆積法(ALD)による合体を含む。従来の方法とは対照的に、ALDによる合体は焼結時に直面する収縮の問題を回避する。
【0029】
ALDは、物質の膜の堆積を可能とする比較的低い温度での気相からの自己限定的な沈殿を含む。このプロセスにおいて、室温から約300℃の間の温度で、気相から自己限定的な層が表面上に堆積され、それゆえ、このプロセスは、収縮及び温度処理がなくグリーン体の開放孔を除去することに適している。
【0030】
堆積された材料とグリーン体とが同じである場合、粒子間の結合を再強化することによって、ALDを介して生成される層が、更なる焼結の必要性を回避するために十分な緻密性を提供することができる。代わりに、焼結前に既にALDを介したグリーン体の多孔質性を減少させるために中間ステップとしてALDを用いることで、焼結ステップによるグリーン体の収縮を大幅に低減させることができる。
【0031】
グリーン体とALD堆積材料との間で異なる組成の場合、ALDベースの細孔充填と組み合わせた3D印刷は、複合材料をもたらす。異なる酸化物の複合体(例えば、グリーン体についてAl2O3、ALDについてZrO2)の他に、3D印刷誘電体材料とALDによる金属堆積との組み合わせ(例えば、グリーン体についてSiO2、ALDについてCu)を介して、金属誘電体コンポジットを例えば得ることができる。
【0032】
上述のように、本発明のプロセスにおいて、放電が、静電的に安定化された粒子の懸濁液に適用される。粒子の表面上の電荷中和により、懸濁液が崩壊し、グリーン体が形成される。
【0033】
当該放電は、懸濁液の表面上のガス状媒体内で起こる。主に、ガス状媒体は、任意のイオン化可能なガス又はガスの混合物であり得る。好ましくは、ガス状媒体は、空気、Xe、Ar、O2、CCl4又はCH3Iのような付加的な成分を含む空気、又はそれらの混合物を含む群から選択される。
【0034】
非接触電極と懸濁液との間の自由アーク放電の単純なケースでは、表面上の最終位置がより局所化されずに、アーク放電は表面へのエネルギーが最小の経路をたどる。このアプローチは、空間解像度に制限がない場合の迅速なプロトタイプの製造に特に役立つ。
【0035】
しかしながら、特定の目標ポイントへ放電を誘導することにより、書き込みプロセスの解像度を強力に改善することができ、自由アーク放電によって引き起こされる不規則性を除去することができる。
【0036】
従って、本発明の好ましい1つの実施形態において、電荷注入器は放電電極を含み、荷電注入器と懸濁液との間の局所化された放電が、所定の位置及び時間において、空気イオン化放射線の照射によって誘導される。より具体的には、当該照射は、電磁波の放射、特にレーザー光の放射によって行われる。
【0037】
空気イオン化放射線、特にレーザー放射を表面近辺で(材料に接触させないため、通常のレーザーベースの3D印刷とは異なる)集束させることによって、及びプラズマチャンネルを形成することによって、つまり、懸濁液の表面に又は懸濁液の表面でイオン化雰囲気のチャンネルを形成することによって、アーク放電は、レーザーの焦点位置、つまり最も高いイオン化点と重複する表面でのその位置でプラズマチャネルに従う(
図1、左)。
【0038】
好ましい実施形態において、当該放射は、放電電極の先端と懸濁液の表面との間の距離、及び/又は電極と懸濁液の表面との間の電界強度に依存して、引き起こされる。
【0039】
懸濁液の表面上に存在し、放電を生じさせるためにイオン化されたガス状媒体は、任意のイオン化可能なガス、好ましくはCCl4又はCH3Iのような付加的な成分を備える空気、Xe、Ar、又はO2、又はそれらの混合物を含む群から選択されてもよく、一般的には通常の空気である。
【0040】
レーザー照射は、例えば5fsから100nsの範囲の時間で、空気のイオン化のために0.1TW/cm2を超えるピークエネルギー密度行われてもよい。イオン化のために必要なピーク強度は、主にイオン化する特定のガスとガスパラメータとに依存する。仮に懸濁液中のガス雰囲気がイオン化しやすいガス(Xe及びCH3Iのような)を含む場合、エネルギー密度は上記の下限を下回ることもあり、例えば、10GW/cm2以上である。
【0041】
例えば、空気イオン化のために商業的に利用可能なレーザーは、100nsパルスで100mJパルスエネルギーから、又は10μJパルスエネルギーを有する10fsを有することができ、本発明で使用されてもよい。
【0042】
多くのエネルギーをスラリーに持ち込むことなくイオン化限界に達するため、短パルスが通常好ましい。一方、短パルスレーザーは高価である。そのため、レーザーコスト(パルスが短いほど高くなる)と平均出力レーザーコスト(レーザーの平均出力が高いほど高くなる)とはトレードオフの関係にある。
【0043】
本発明の他の好適な実施形態において、電荷注入器は、荷電粒子の供給源を含み、ステップb)は、例えば、中空キャピラリ又は静電レンズまたは磁気レンズのような輸送及び標的化手段によって、荷電粒子を、安定化された粒子の懸濁液の表面上の所定の位置に向けること、を備える(
図1、右)。
【0044】
この場合、正/負に帯電した粒子(懸濁液内の粒子の表面電荷による)の流れは、供給源と懸濁液表面との間のギャップを克服する適切なエネルギーを有し、表面上の所望の位置に向けられる。これは、静電レンズ、ガラスキャピラリのような誘電体導波路により、又はTVの管で使用されている物と同様の磁場を利用することにより行うことができる。書き込みプロセスの解像度は、スポットサイズ又は粒子のエネルギーを変えることにより調整することができるが、基本的にこれには懸濁液中の粒子のサイズによる制限がある。
【0045】
イオン又は電子のような荷電粒子は、一般的に2KeVから10MeVの範囲のエネルギーを有し、当業者によって適切に選択及び使用されてもよい。例えば、H+粒子の場合、1mmの空気を克服するためには、600keVが必要である。高エネルギーイオンが表面に衝突した後の二次電子の放出も、懸濁液内に正電荷をもたらすことがある。これは、負に帯電した粒子の沈殿をサポートする。
【0046】
この代替アプローチは、最初のアプローチよりも更に優れた解像度を達成することを可能とし、プラズマ誘導放電を必要としない。
【0047】
本発明の好適な実施形態において、3次元体は、レイヤーバイレイヤーの堆積の技術を使用して形成される。
【0048】
この実施形態において、最初に、ステップb)及びc)の後、x、y及びz方向に所定の寸法を備える凝集した粒子の一次層が形成され、ステップb)及びc)の繰り返しによって、所定の寸法を備える更なる層が、次々と互いに堆積される(レイヤーバイレイヤーの堆積)。
【0049】
このレイヤーバイレイヤー(L-b-L)沈殿を実現する少なくとも2つの主要な方法がある。
a)グリーン体の層を沈殿させた後、グリーン体全体を懸濁液に(z方向に)浸す。この場合、放電源の再調節は必要ではないが、グリーン体を移動させる機構は、少なくとも部分的に懸濁液内にある必要がある。
b)層の高さが増加すると懸濁液のレベルが増加する。この場合、追加量の懸濁液をコンテナ内に追加する。コンテナがその位置に固定されている場合、放電源の再調節が必要である。これが望ましくない場合、懸濁液とz方向に既に印刷された層との両方を含む容器の位置をシフトさせ、懸濁液の表面を所望の位置に移動し、2次元書き込みプロセスを繰り返すことができる。
【0050】
より具体的には、オプションa)の好適な実施形態において、容器の位置と放電源の位置とを維持し、グリーン体を下方向にシフトさせる。オプションb)の好適な実施形態において、容器の位置及びグリーン体の位置を維持し、懸濁液のレベルを上方向にシフトさせる。
【0051】
特にL-b-L技術を使用することによる本発明のプロセスを実施するための好適な装置は、本発明の更なる態様を表し、以下に説明される。
【0052】
安定化された懸濁液を形成する粒子は、特に限定されず、例えばポリマー粒子のような任意の有機粒子であってもよく、又は金属粒子を含み、静電的に安定化された懸濁液を形成可能な無機粒子であってもよい。
【0053】
しかしながら、本発明の主な目的は、改善されたガラス質及びセラミック体を作成するための手段の提供であるため、これらの粒子は、無機粒子であることが好ましく、特にガラス又はセラミックの既知の成分である材料から選択される。
【0054】
より具体的には、粒子の1つ又は複数の材料は、SiO2、ガラス、TiO2、Al2O3、MgAl2O4、ZrO2、PbZrO3、HfO2のような酸化物、SiCのような炭化物、AlN、Si3N4のような窒化物、又はそれらの混合物を含む群から選択される。
【0055】
一般的に、懸濁液を構成する粒子は、4nm~200μmの範囲の平均直径を有する。
【0056】
これらの粒子は、正又は負の表面電荷を有してもよく、一般的には、イオン化合物又はそれらのカチオン又はアニオン成分のような荷電又はイオン提供化合物又は材料によって与えられ、それらは共有結合又は非共有結合作用によって粒子の表面に結合される。
【0057】
荷電又はイオン提供化合物又は材料は、特に限定されず、特に水性環境において、荷電分子又はイオンを提供可能であり、共有結合又は非共有結合相互作用によって粒子の表面に結合可能な任意の材料であってもよい。
【0058】
例えば、荷電材料は、アンモニア、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウムのようなアンモニウム化合物、NaOH、KOHのような無機塩基性化合物、HCl又はクエン酸のような酸性化合物、又はそれらのイオンを含む群から選択又は誘導されてもよい。
【0059】
また、粒子及び/又は粒子の懸濁液は、特に、ガラス又はセラミックのための既知のドーパントから選択されるドーパントを含んでもよい。より具体的には、ドーパントは、ZrO2、MgO、Er2O3のような金属酸化物、又は金属イオン、例えばEr3+、Nd3+、Yb3+を含む群から選択されてもよい。
【0060】
粒子の懸濁液を形成する液体は、水性媒体、又は焼結温度より低い温度での蒸発又は分解によりグリーン体から除去可能な任意の媒体であってもよい。
【0061】
特に、懸濁液を形成する溶液は、HAuCl4のような溶解可能な塩、ドーパント、Ni2+及びCo2+のような着色イオン、レーザー活性イオン(Er3+、Nd3+、Yb3+)、及び重要な方法で懸濁液の静電安定性を妨げない他の成分を含んでもよい。
【0062】
本発明のより具体的な実施形態は、上記に概説したようなプロセスに関連し、1つ以上の以下の条件を満たすことを特徴とする。
-懸濁液に対する電荷注入器の位置を、x、y及び/又はz方向の機械的動作によって調整する。
-粒子の懸濁液を含む容器の位置は、x、y及び/又はz方向の機械的動作によって電荷注入器に対して調整する。
-電荷注入器に対する懸濁液の表面の位置及び/又は形成された粒子の凝集体又はグリーン体の位置は、容器内の液体のレベルをシフトすることによって、又は容器内に形成された粒子の凝集体又はグリーン体をz方向に機械的に動かすことによって、z方向に調整される。
【0063】
有利には、これらの全ての条件の実現は自動操作に適しており、特にコンピュータ制御することができる。
【0064】
従って、このプロセスの更に特定の実施形態において、i)電荷注入器、容器、懸濁液及び又は形成するグリーン体の動作、及び/又はii)電磁波の照射または荷電粒子のビームのいずれかにより誘導される粒子の懸濁液と電荷注入器との間の局所化された放電は、ソフトウェアプログラムによって制御される。
【0065】
本発明の密接に関連する態様は装置であり、特に上述したプロセスを実施するための装置であり、少なくとも以下の部品を含む。
-静電的に安定化された粒子の懸濁液を受け取るための容器。
-特に1つ以上の電極又は高エネルギー荷電粒子源を含む荷電注入器。
-電極及び/又は容器をx、y及びz方向に移動するための手段。
-粒子の懸濁液と電気的に接触するための(又は荷電粒子の流れを照射する際の過剰な電荷を除去する)容器内に配置された対電極。
-容器内の幾何学的及び物理的パラメータを決定するための1つ以上のセンサ。
【0066】
この装置は、ガスイオン化放射線のビームを、特にレーザービームのような電磁放射線のビームを、容器内の所定の位置に向けるための手段、容器に含まれる懸濁液のレベルを調整するための手段、及び/又は容器内で固体のボディを移動するための手段を更に含み得る。
【0067】
容器内の幾何学的及び物理的パラメータは、例えば、異なる対象物間の距離、電界強度の値、電荷、対象物の光学特性、懸濁液上におけるレーザービームのような電磁放射線のビームの焦点位置等を表してもよい。
【0068】
当該装置の一般的な特定の実施形態において、容器は、静電的に安定化された粒子の懸濁液を含み、電荷注入器は、粒子の懸濁液と接触しない放電電極又は複数の放電電極を含む。
【0069】
本発明の更なる態様は、以下に概説する方法によって得ることができる3次元(グリーン)体に関連し、特にガラス質又はセラミック体に関連する。
【0070】
有機結合材料の含有量が多い(セラミック/ガラス質グリーン体の最小10~20体積%に達する)先行技術でセラミック/ガラス質粉末のための結合メカニズムとして使用されるポリマーの架橋とは対照的に、主には懸濁液の静電的な安定性のために化学的に使用される化学物質に由来する請求項に記載の方法によって得られるグリーン体中の有機物含有量は、使用する化学物質に依存し(例えば、非有機であるNH3であってもよい)、極めて低い(一般的に5%又は1%未満、又はグリーン体の約0.1体積%未満に達する)、又はない。
【0071】
更に、最終的なグリーン体内の有機物質の存在が3D印刷にとって不可欠である架橋ポリマーとは対照的に、本発明の方法では、焼結プロセスの開始前に添加された化学物質は容易に蒸発することができるため、有機添加物の分解に起因する熱分解生成物又はガス焼結プロセスを妨げることがない。より具体的には、重合及び架橋されたポリマーは蒸発せず、高温で熱分解する。しかしながら、特に元素炭素を含まない場合に、本方法で使用されている小さな分子は残留炭素なしに蒸発する。
【0072】
特定の実施形態において、本発明の方法に従って得ることのできる最初の3次元体又はグリーン体は、以下を示すことを特徴とする。
-有機添加剤の低含有量、3次元体の総重量の特に5重量%未満、好ましくは、約0.1%又は0%のような1重量%未満。
-40%を超える高いグリーン密度。
-任意の形状。
-機械的安定性、特に少なくとも1MPa、好ましくは少なくとも2MPaの圧力条件下での破壊強度。
【0073】
この3次元体の高い機械的安定性は、焼結炉/ALDリアクタへの移送の成功を可能とし、焼結炉/ALDリアクタ内での更なる処理を可能とする。
【0074】
このグリーン体の更なる処理は、300℃を超える所定の温度で、又は(焼結のために)少なくとも1000℃の温度で、所定の時間の間(一般的に分から時間の範囲、例えば1~10、1~20、又は1~30時間)、任意に酸素の存在下で、グリーン体を熱処理にかけるステップを例えば含む。酸素の存在下でのそのようなグリーン体の熱処理は、存在する有機成分の完全な又は部分的な熱分解をもたらす。代わりに、有機成分の除去は、有機成分と反応可能であり、熱処理の家庭で揮発性生成物を形成することができるガス(Cl2、SF6等のような)を加えることによっても可能である。
【0075】
任意に、上記の熱処理は、200MPaまでのような高圧の条件下で行うこともできる。そのような条件は、残留する細孔の除去を促進する。
【0076】
従って、本発明の更なる態様は、このステップを含むプロセスに関連し、結果として得られる、熱分解生成物が低含有量である、3次元体の総重量の特に5重量%未満、例えば約0.1%又は0%の含有量であることによって特徴づけられる3次元体、特にガラス質又はセラミック体に関連する。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【
図1】
図1は、本発明を実施するための2つの主要なアプローチの概略的に示す。
図1の左は、非接触放電電極とレーザー誘導プラズマ放電を開始するレーザーとを含む装置を示す。
図1の右は、荷電粒子のビームを懸濁液に向けるための中空キャピラリを含む装置を示す。
【
図2】
図2は、電気泳動堆積のための従来の装置を概略的に示す。
【
図3】
図3は、本発明に係る装置における対電極の2つの異なる配置を示す。
【
図4】
図4は、放電電極とレーザーとを備える装置を概略的に示し、懸濁液の表面の位置がポンプを使用して容器内の懸濁液の液面をシフトさせることでZ方向に調整される。
【
図5】
図5は、放電電極とレーザーとを備える装置を概略的に示し、形成されたグリーン体は容器内でZ方向に移動される。
【
図6】
図6は、放電電極とレーザーとを備える装置を概略的に示し、傾斜する基板上に、ポンプによって駆動される該表面上を流れる懸濁液の流れによって懸濁液フィルムが生成される。
【
図7】
図7は、放電電極とレーザーとをイオン源に置き換えた装置を備えた、
図6と類似する配置を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0078】
以下の実施例は、より詳細に発明を示す。
【0079】
(実施例1)
例示的なグリーン体を、以下の本発明のプロセスによって作成した。
【0080】
1.SiO2スラリーの調製:
35gのEvonicのコロイダルシリカ50nm
1gの水酸化テトラメチルアンモニウム35%メタノール溶液
60gの蒸留水
をPEボトル中で1時間撹拌する。
この手順で、長期間安定するスラリーが得られる。
【0081】
2.グリーン体の作成:
-スラリーを、直径60mm、高さ40mmの円筒形ガラス容器内に、底が完全に覆われるように満たす。
-容器を回転ステージ上に配置し、上からワイヤで接続する。
-タングステンワイヤ(放電電極)をスラリー上の一端に、距離3mmで配置する。
-回転ステージのスイッチを入れ、回転速度を2分あたり1回転とする。
-放電が視認可能であり、火花の音が観察できるまで、スラリーの接続部(-)とタングステンワイヤ(+)との間に高電圧を印加する。必要な電圧は複数の実験パラメータに依存するが、1kVが一般的な値である。回転ステージが完全に回転するまでスイッチをオンにして電圧を維持する。
-円柱の第1層が沈殿する。
-プロセスを必要なだけ繰り返す。
【0082】
ここで、沈殿のレーザー誘導は使用しなかった。
【0083】
(実施例2)
例示的なグリーン体は、以下の本発明のALDプロセスによって緻密化された。
-沈殿物からのグリーン体を室温で3日間空気乾燥させる。
-グリーン体を、高速アニール炉においてAr下、850℃で20分間、熱処理する。
-サンプルをBENEQ TFS200ALDを使用して、200℃のALDマシンに移動し、トリメチルアンモニウム(Al(CH3)3)及びDI H2Oを前駆体として使用した。
較正されたサイクル数を使用し、100nmのAl2O3を沈殿させた。
結果物は、スライドキャリパーを用いて測定できる程度に収縮しなかった。
機械的特性を定性的にテストした。ボディを割るために必要な圧力は、ALD後では大幅に高かった。
【0084】
(実施例3)
請求項に記載のプロセスによって得られた例示的なグリーン体の特性評価:
密度測定:
体積の幾何学的測定及び天秤を用いた重量の測定:コンパクトなガラス状SiO2と比較して50~60%
マイクロ多孔性:
X線顕微鏡(Zeiss Versa)を用いた測定
結果:
自作のスラリー:2μmより大きな直径を有する2.8体積%の気泡
市販のスラリー:2μmより大きな直径を有する0.5体積%の気泡
【0085】
ナノ多孔性:
新しい亀裂の電子顕微鏡:球体は密集しており、40~60体積%の球体である。材料内の内部亀裂は非常にまれである。
【0086】
[付記]
[付記1]
3次元体、特にガラス質またはセラミック体を作成するための方法であって、該方法は、少なくとも以下の、
a)電気的に安定化された粒子の懸濁液を提供する、
b)所定の位置での、電荷注入器と前記懸濁液との間の局所的な放電によって、前記粒子の懸濁液の局所的な不安定化を生じさせ、前記位置で前記粒子の凝集及び沈殿を引き起こす、
c)所定の寸法を有する(多孔質)3次元体(グリーン体)を表す最終的な粒子の凝集が形成されるまで、異なる位置でステップb)を繰り返し、より大きな凝集を引き起こす、
ステップを備え、
前記電荷注入器は、i)前記粒子の懸濁液と接触しない少なくとも1つの放電電極、又はii)荷電粒子源を含む、
ことを特徴とする方法。
【0087】
[付記2]
更に少なくとも以下の、
d)前記多孔質3次元体を緻密化する、
ステップを備える、
ことを特徴とする付記1に記載の方法。
【0088】
[付記3]
ステップd)は、前記3次元体の細孔内の充填材料の焼結及び/又は原子層堆積法(ALD)によって行う、
ことを特徴とする付記2に記載の方法。
【0089】
[付記4]
前記放電が、空気、Xe、Ar、O2、CCl4又はCH3Iのような追加成分を含む空気、又はそれらの混合物を含む群から選択されるガス状媒体内で起こる、
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれか1つに記載の方法。
【0090】
[付記5]
前記電荷注入器は放電電極を含み、前記電荷注入器と前記懸濁液との間の局所的な放電が、空気イオン化放射線の照射によって、所定の位置と時間で誘導される、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1つに記載の方法。
【0091】
[付記6]
前記照射は、電磁放射、特にレーザー光の照射によって行われる、
ことを特徴とする付記5に記載の方法。
【0092】
[付記7]
前記照射は、前記放電電極の先端と、前記懸濁液の表面との間の距離、及び/又は前記電極と前記懸濁液の表面との間の電界強度に応じて、引き起こされる、
ことを特徴とする付記5又は6に記載の方法。
【0093】
[付記8]
レーザーの照射は、5fsから100nsの範囲の時間、及び0.1TW/cm2を超えるピークエネルギー密度で適用される、
ことを特徴とする付記6又は7に記載の方法。
【0094】
[付記9]
前記電荷注入器は荷電粒子源を含み、ステップb)は、輸送及び標的化手段、例えば中空キャピラリ又は静電レンズによって、安定化された前記粒子の懸濁液の表面上の所定の位置へ向けることを含む、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1つに記載の方法。
【0095】
[付記10]
前記荷電粒子、好ましくはイオン又は電子は、2keVから10MeVの範囲のエネルギーを有する、
ことを特徴とする付記1乃至4、又は9のいずれか1つに記載の方法。
【0096】
[付記11]
ステップb)及びc)の後、x、y及びz方向に所定の寸法を有する凝集粒子の一次層が最初に形成され、ステップb)及びc)の繰り返しによって、所定の寸法を備える更なる複数の層が互いに次々と堆積される(レイヤーバイレイヤーの堆積)、
ことを特徴とする付記1乃至10のいずれか1つに記載の方法。
【0097】
[付記12]
前記粒子は無機粒子であり、特に、SiO2、ガラス、TiO2、Al2O3、MgAl2O4、ZrO2、PbZrO3、HfO2のような酸化物、SiCのような炭化物、AlN、Si3N4のような窒化物、又はそれらの混合物を含む群から選択される、
ことを特徴とする付記1乃至11のいずれか1つに記載の方法。
【0098】
[付記13]
前記懸濁液を構成する前記粒子は、4nm~200μmの範囲の直径値を有する、
ことを特徴とする付記1乃至12のいずれか1つに記載の方法。
【0099】
[付記14]
前記粒子は、共有結合性又は非共有結合性相互作用を介して前記粒子の表面に結合された荷電化合物又は荷電材料によって付与される正又は負の表面電荷を有する、
ことを特徴とする付記1乃至13のいずれか1つに記載の方法。
【0100】
[付記15]
前記荷電化合物又は荷電材料は、アンモニア、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウムのようなアンモニア化合物、NaOH、KOHのような無機塩基性化合物、クエン酸のような酸性化合物、又はそれらのイオンを含む群から選択又は誘導される、
ことを特徴とする付記14に記載の方法。
【0101】
[付記16]
前記粒子及び/又は前記粒子の懸濁液は、ZrO2、MgO、Er2O3のような金属酸化物、又はEr3+、Nd3+、Yb3+のような金属イオンを含む群から特に選択されるドーパントを含む、
ことを特徴とする付記1乃至15のいずれか1つに記載の方法。
【0102】
[付記17]
前記粒子の懸濁液を形成する前記液体は、水性溶媒又は蒸発により優先的にグリーン体から除去可能な他の溶媒である、
ことを特徴とする付記1乃至16のいずれか1つに記載の方法。
【0103】
[付記18]
以下の、
-前記電荷注入器の前記懸濁液に対する位置は、x、y及び/又はz方向への機械的動作によって調節されること、
-前記粒子の懸濁液を含む容器の位置は、x、y及び/又はz方向への機械的動作によって前記電荷注入器に対して調節されること、
-前記懸濁液の表面の位置及び/又は形成された前記粒子の凝集体又はグリーン体の前記電荷注入器に対する位置は、前記懸濁液の液面レベルをシフトすることによって、又は前記容器内の前記粒子の凝集体又はグリーン体をz方向に機械的に動かすことによってz方向に調節されること、
を1つ以上満たす、
ことを特徴とする付記1乃至17のいずれか1つに記載の方法。
【0104】
[付記19]
i)前記電荷注入器、前記容器、前記懸濁液及び/又は形成される前記グリーン体の動き、
及び/又は、
ii)レーザー照射のような空気イオン化放射線の照射又は荷電粒子のビームによって誘導される、粒子の前記懸濁液と前記電荷注入器との間の前記局所的な放電、
は、ソフトウェアプログラムによって制御される、
ことを特徴とする付記18に記載の方法。
【0105】
[付記20]
特に付記1乃至19のいずれか1つに記載の方法を実施するための装置であって、
少なくとも以下の、
-静電的に安定化された粒子の懸濁液を受け入れるための容器、
-特に1つ以上の電極又は高エネルギー荷電粒子源を含む電荷注入器、
-前記電極及び/又は前記容器をx、y及びz方向に動かすための手段、
-前記粒子の懸濁液と接触するために前記容器内に配置された対電極、
-前記容器内の幾何学的及び物理的パラメータを決定するための1つ以上のセンサ、
の部品を備える、
ことを特徴とする装置。
【0106】
[付記21]
ガスイオン化放射線のビーム、特にレーザービームを前記容器内の所定の位置へ向けるための手段を更に含む、
ことを特徴とする付記20に記載の装置。
【0107】
[付記22]
前記容器内に含まれる懸濁液のレベルを調節するための手段、及び/又は前記容器内の固体のボディを移動するための手段を更に含む、
ことを特徴とする付記20又は21に記載の装置。
【0108】
[付記23]
前記容器内の前記幾何学的及び物理的パラメータは、前記容器内の異なる対象物間の距離、電場強度の値、電荷、対象物の光学特性等を表す、
ことを特徴とする付記20乃至22のいずれか1つに記載の装置。
【0109】
[付記24]
-前記容器は、静電的に安定化された粒子の懸濁液を含有し、及び、
-前記電荷注入器は、放電電極又は、前記粒子の懸濁液と接触しない複数の放電電極を含む、
ことを特徴とする付記20乃至23のいずれか1つに記載の装置。
【0110】
[付記25]
多孔質3次元体(グリーン体)、特にガラス質又はセラミック体を緻密化するための方法であって、
最初の多孔質体の材料と同じ又は異なる充填材料の原子層堆積法により、細孔を少なくとも部分的に充填することを含む、方法。
【0111】
[付記26]
堆積される前記充填材料は、ガラス、セラミック及び金属を含む群から選択され、
前記原子層堆積法は、少なくとも以下の、
-気相からの前記充填材料の前駆体を用いて、前記グリーン体の内面を覆う、
-前記気相からの成分との化学反応により、前記内面に吸着された前記前駆体を不揮発性材料に変換する、
-前記グリーン体の前記細孔が、前記不揮発性材料を用いて少なくとも部分的に充填されるまで、これらの2つのステップを繰り返す、
ステップを備える、
ことを特徴とする付記3又は25に記載の方法。
【0112】
[付記27]
任意に酸素の存在下で、及び/又は任意に200MPaまでのような高圧条件下で、所定の時間の間、300℃を超える所定の温度で、得られた前記グリーン体を熱処理に供するステップを更に含む、
ことを特徴とする付記1乃至19、25及び26のいずれか1つに記載の方法。
【0113】
[付記28]
付記1乃至19、25及び26のいずれか1つに記載の方法によって得ることができる3次元体、特にガラス質又はセラミック体であって、以下の、
-有機添加物の低含有量、特に前記3次元体の総重量の5重量%未満、好ましくは約0.1%又は0%のような1重量%未満の含有量、
-40%を超える高いグリーン密度、
-任意の形状、
-機械的安定性、特に少なくとも1MPa、好ましくは少なくとも2MPaの圧力条件下での破壊強度、
を示す、
ことを特徴とする3次元体。
【0114】
[付記29]
付記27に記載の方法により得ることができる3次元体、特に特にガラス質またはセラミック体であって、熱分解生成物の含有量が低く、特に前記3次元体の総重量の5重量%未満、好ましくは0.1%又は0%のような1重量%未満である、
ことを特徴とする3次元体。