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特許7113026保湿性、品質保持性及び香味保持性を持つ真空アルミ蒸着の紙巻タバコ用内包装紙の製造方法
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  • 特許-保湿性、品質保持性及び香味保持性を持つ真空アルミ蒸着の紙巻タバコ用内包装紙の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-27
(45)【発行日】2022-08-04
(54)【発明の名称】保湿性、品質保持性及び香味保持性を持つ真空アルミ蒸着の紙巻タバコ用内包装紙の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 29/00 20060101AFI20220728BHJP
   B32B 15/08 20060101ALI20220728BHJP
   D21H 19/82 20060101ALI20220728BHJP
   D21H 27/30 20060101ALI20220728BHJP
   D21H 19/84 20060101ALI20220728BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20220728BHJP
【FI】
B32B29/00
B32B15/08 Q
D21H19/82
D21H27/30 A
D21H19/84
B65D65/40 D
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019555150
(86)(22)【出願日】2017-07-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-11
(86)【国際出願番号】 CN2017093778
(87)【国際公開番号】W WO2018184320
(87)【国際公開日】2018-10-11
【審査請求日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】201710224333.6
(32)【優先日】2017-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519358184
【氏名又は名称】グアンジョウ ファドゥ リアンファ パッキング マテリアル カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GUANGZHOU HUADU LIANHUA PACKING MATERIAL CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Qiling Xu Qiling Street No. 79 Shiling, Huadu Guangzhou, Guangdong 510800, China
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】チェン ビフェン
(72)【発明者】
【氏名】チェン カンレイ
【審査官】深谷 陽子
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-065599(JP,A)
【文献】特開平05-195487(JP,A)
【文献】中国実用新案第207109454(CN,U)
【文献】実開昭57-006534(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第101275373(CN,A)
【文献】特開平04-226344(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
D21B 1/00- 1/38
D21C 1/00-11/14
D21D 1/00-99/00
D21F 1/00-13/12
D21G 1/00- 9/00
D21H 11/00-27/42
D21J 1/00- 7/00
B65D 65/00-65/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保湿性、品質保持性及び香味保持性を持つ真空アルミ蒸着のタバコ用内包装紙の製造方法であって、原紙層を備える前記内包装紙において、前記原紙層の上面には、内側から外側に向かって順次に熱溶着封止層、水封止層、真空アルミ蒸着層、及び水性保護層が設けられ、前記原紙層の下面に水分再湿層が設けられ、前記原紙層と前記熱溶着封止層との間に配置されている保湿及び香味保持層を更に備え、
1)前記原紙層の上面にロールコート法またはスプレー法により保湿及び香味保持層を形成し、保湿及び香味保持層の乾燥塗布量が1g/m~5g/m、硬化温度が80℃~120℃である工程と、
2)前記保湿及び香味保持層の上面にスリットコート法により熱溶着封止層を形成し、前記スリットコートの温度は100℃~180℃、塗布量は8g/m~18g/mである工程と、
3)前記熱溶着封止層の表面にグラビア印刷法により水性封止層を形成し、前記水性封止層の硬化温度を80℃~120℃に、その表面平滑度を400s~1000sに制御し、紙の水分含有量を5%より小さくする工程と、
4)水性封止層の表面に真空アルミ蒸着法により真空アルミ蒸着層を形成する工程と、
5)前記真空アルミ蒸着層の表面にグラビア印刷法により乾燥塗布量1g/m~5g/m、硬化温度80℃~120℃の水性保護層を形成する工程と、
6)完成紙の水分含有量を5%±1%に制御するように、原紙層の下面に再湿処理を施して前記原紙層の下面に水分再湿層を形成する工程と、を備え、
前記保湿及び香味保持層は、無機粉末または有機粉末材料層であり、
前記熱溶着封止層は、熱溶着温度100℃~180℃のポリマー材料層であり、
前記水性封止層は、ポリマー水性エマルション層またはポリマー水性樹脂層であり、前記水性封止層の乾燥塗布量は、1g/m~5g/mであることを特徴とする保湿性、品質保持性及び香味保持性を持つ真空アルミ蒸着のタバコ用内包装紙の製造方法。
【請求項2】
前記無機粉末または前記有機粉末の粒径は、0.3μm~100μmであり、比表面積は、30 /g~2000 /gであることを特徴とする請求項1に記載のタバコ用
内包装紙の製造方法。
【請求項3】
前記無機粉末は、セラミック材料粉末であることを特徴とする請求項2に記載のタバコ用内包装紙の製造方法。
【請求項4】
前記真空アルミ蒸着層の厚さは、300Å~500Åであることを特徴とする請求項1に記載のタバコ用内包装紙の製造方法。
【請求項5】
保湿性、品質保持性及び香味保持性を持つ真空アルミ蒸着のタバコ用内包装紙の製造方法であって、原紙層を備える前記内包装紙において、前記原紙層の上面には、内側から外側に向かって順次に熱溶着封止層、水封止層、真空アルミ蒸着層、及び水性保護層が設けられ、前記原紙層の下面に水分再湿層が設けられ、前記原紙層と前記水分再湿層との間に配置されている保湿及び香味保持層を更に備え、
1)原紙層の上面にスリットコート法により熱溶着封止層を形成し、スリットコート温度が100℃~180℃であり、コート量が8g/m~18g/mである工程と、
2)前記熱溶着封止層の表面にグラビア印刷法により水性封止層を形成し、水性封止層の硬化温度を80℃~120℃に制御し、その表面平滑度を400s~1000sに制御し、紙の水分含有量を5%より小さくする工程と、
3)水性封止層の表面に真空アルミ蒸着により真空アルミ蒸着層を形成する工程と、
4)前記真空アルミ蒸着層の表面にグラビア印刷法により、乾燥塗布量1g/m~5g/m、硬化温度80℃~120℃の水性保護層を形成する工程と、
5)前記原紙層の下面にロールコート法またはスプレー法により、乾燥塗工量1g/m~5g/m、硬化温度80℃~120℃の保湿及び香味保持層を形成する工程と、
6)完成紙の水分含有量を5%±1%に制御するように、水を入れて前記原紙層の下面に再湿処理を施して前記保湿及び香味保持層の下面に水分再湿層を形成する工程と、を含み、
前記保湿及び香味保持層は、無機粉末または有機粉末材料層であり、
前記熱溶着封止層は、熱溶着温度100℃~180℃のポリマー材料層であり、
前記水性封止層は、ポリマー水性エマルション層またはポリマー水性樹脂層であり、前記水性封止層の乾燥塗布量は、1g/m~5g/mであることを特徴とする保湿性、品質保持性及び香味保持性を持つ真空アルミ蒸着の紙巻タバコ用内包装紙の製造方法。
【請求項6】
前記無機粉末または前記有機粉末の粒径は、0.3μm~100μmであり、比表面積は、30 /g~2000 /gであることを特徴とする請求項5に記載のタバコ用内包装紙の製造方法。
【請求項7】
前記無機粉末は、セラミック材料粉末であることを特徴とする請求項6に記載のタバコ用内包装紙の製造方法。
【請求項8】
前記真空アルミ蒸着層の厚さは、300Å~500Åであることを特徴とする請求項5に記載のタバコ用内包装紙の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内包装紙およびその製造方法に関し、特に、紙巻タバコ包装用の、保湿性、品質保持性及び香味保持性を持つ、紙巻タバコ用内包装紙およびその製造方法に関し、製紙の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
紙巻タバコ用の内包装紙は、紙巻タバコ包装用の材料として使用され、紙巻タバコを隔離するものとして機能している。現在市場で使用されている紙巻タバコ用の内包装紙は、主に、アルミ箔複合内包装紙、アルミ蒸着転写内包装紙、真空アルミ蒸着内包装紙、及びアルミニウムを含まない内包装紙の4種類がある。内包装紙の透湿性指標の相違やその較正含水量(5%±1%)のため、紙巻タバコがパッケージされて市場に出されると、貯蔵時間及び環境の相対湿度、温度の違いに従って、紙巻タバコ自体の水分は、長い貯蔵時間と高温、高湿度の貯蔵環境に起因してカビを発生し、低温、低湿度の貯蔵環境は、タバコの品質に影響を与える。したがって、タバコの相対湿度および温度の変化によるタバコ品質の変化をどのようにして解決するかは、常に煙草分野において解決されるべき差し迫った問題であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、従来技術の欠点を克服し、保湿性、品質保持性及び香味保持性を持つ、真空アルミ蒸着の紙巻タバコ用内包装紙を提供することである。さらに、本発明の他の目的は、前記保湿性、品質保持性及び香味保持性を持つ、真空アルミ蒸着の紙巻タバコ用内包装紙の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の技術的解決策を採用する。
【0005】
本発明は、前記保湿性、品質保持性及び香味保持性を持つ、真空アルミ蒸着の紙巻タバコ用内包装紙であって、熱溶着封止層、水性封止層、真空アルミ蒸着層及び水性保護層が内側から外側へ向けて順次に設置される上面と、水分再湿層が設けられている下面とを有する原紙層を備え、さらに、前記原紙層の上面または下面に配置された保湿及び香味保持層をさらに備えている。
【0006】
好ましくは、前記保湿及び香味保持層は、前記原紙層と熱溶着封止層との間に配置される。
【0007】
好ましくは、前記保湿及び香味保持層は、前記原紙層と水分再湿層との間に配置される。
【0008】
好ましくは、前記保湿及び香味保持層は、無機粉末または有機粉末材料層であり、前記保湿及び香味保持層の乾燥塗布量は、1g/m2~5g/m2である。
【0009】
好ましくは、前記無機粉末または有機粉末の粒子径は0.3~100μm、比表面積は30~2000g/m2である。
【0010】
好ましくは、前記熱溶着封止層はポリマー材料層であり、前記ポリマー材料は100℃
~180℃の熱溶着温度を有する。
【0011】
好ましくは、前記水性封止層はポリマー水性エマルション層またはポリマー水性樹脂層であり、前記水性封止層は1g/m2~5g/m2の乾燥塗布量及び400s~2000sの平滑度を有する。
【0012】
好ましくは、前記真空アルミ蒸着層は、300Å~500Åの厚さを有する。
【0013】
本発明の他の目的は、上記のような紙巻タバコ用内包装紙の製造方法を提供することであり、その製造方法は、
1)前記原紙層の上面にロールコート法またはスプレー法により保湿及び香味保持層を形成し、前記保湿及び香味保持層の乾燥塗布量は1g/m2~5g/m2、硬化温度は80℃~120℃である工程と、
2)前記保湿香料層の上面にスリットコート法により熱溶着封止層を形成し、スリットコート温度は100℃~180℃、塗布量は8g/m2~18g/m2である工程と、
3)前記熱溶着封止層の表面にグラビア印刷法により水性封止層を形成し、前記水性封止層の硬化温度を80℃~120℃に、表面平滑度を400s~1000sに制御し、紙の水分含有量を5%より小さくする工程と、
4)水性封止層の表面に真空アルミ蒸着により真空アルミ蒸着層を形成する工程と、
5)前記真空アルミ蒸着層の表面にグラビア印刷法により、乾燥塗布量1g/m2~5g/m2、硬化温度80℃~120℃の水性保護層を形成する工程と、
6)完成紙の水分含有量を5%±1%に制御するように、原紙層の下面に再湿処理を施して前記原紙層の下面に水分再湿層を形成する工程と、を備える保湿性、品質保持性及び香味保持性を持つ、真空アルミ蒸着の紙巻タバコ用内包装紙の製造方法。
【0014】
または、前記紙巻タバコ用内包装紙の製造工程は、
1)原紙層の上面にスリットコート法により熱溶着封止層を形成し、スリットコート温度は100℃~180℃であり、コート量は8g/m2~18g/m2である工程と、
2)熱溶着封止層の表面にグラビア印刷法により水性封止層を形成し、前記水性封止層の硬化温度を80℃~120℃に制御し、表面平滑度を400s~1000sに制御し、紙の水分含有量を5%より小さくする工程と、
3)水性封止層の表面に真空アルミ蒸着により真空アルミ蒸着層を形成する工程と、
4)真空アルミ蒸着層の表面にグラビア印刷法により、乾燥保護量1g/m2~5g/m2、硬化温度80℃~120℃の水性保護層を形成する工程と、
5)前記原紙層の下面にロールコート法またはスプレー法により、乾燥塗工量が1g/m2~5g/m2、硬化温度が80℃~120℃である保湿及び香味保持層を形成する工程と、
6)完成紙の水分含有量を5%±1%に制御するように、前記原紙層の下面に再湿処理を施して前記保湿及び香味保持層の下面に水分再湿層を形成する工程と、を含んでもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の真空アルミ蒸着の紙巻タバコ用内包装紙は、保湿及び香味保持層の設定を介して、紙巻タバコ製品が、高温高湿環境中に貯蔵された場合に水分を吸収し、低温低湿環境中に貯蔵された場合に水分を釈放し、貯蔵時間の長さと環境の相対湿度や温度の違いによってタバコの品質を落とすことはなく、有利である。タバコ製品の水分を効果的にバランスさせ、タバコ製品の品質を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明による保湿性、品質保持性及び香味保持性を持つ、紙巻タバコ用の真空アルミ蒸着内包装紙の構造を示す概略図である。
図2】本発明の他の実施形態による保湿性、品質保持性及び香味保持性を持つ、紙巻タバコ用の真空アルミ蒸着内包装紙の構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態をさらに説明する。
【0018】
図1に示すように、本発明の保湿性、品質保持性及び香味保持性を持つ、真空アルミ蒸着の紙巻タバコ用内包装紙は、原紙層1を備え、この原紙層1の上面には、熱溶着封止層3、水性封止層4、真空アルミ蒸着層5、および水性保護層6が内側から外側に向かって順次積層されている。前記原紙層1の下面には、水分再湿層7がさらに設けられている。また、本発明の内包装紙は、保湿及び香味保持層2をさらに含み、前記保湿及び香味保持層2は、原紙層1と熱融着性封止層3との間であって原紙層1の上面に配置され得る。または、図2に示すように、前記原紙層1と水分再湿層7との間に保湿香料層2を設けてもよい。
【0019】
具体的には、本発明において、アルミ箔複合原紙層を前記原紙層1とし、熱溶着温度100℃~180℃の熱溶着ポリマー材料層を熱溶着封止層3とし、その熱溶着ポリマー材料層は、スリットコート法により対応する原紙層1または保湿及び香味保持層2の上面に熱溶着型高分子材料を塗布したものであり、その塗布温度は100℃~180℃、その塗布量は8g/m2~18g/m2である。
【0020】
水性封止層4は、ポリマー水性エマルション層またはポリマー水性樹脂層であることが好ましく、熱溶着封止層3に生じ得る可能の隙間を封止するように、熱融着性封止層3の表面にグラビア印刷法により前記ポリマー水性エマルションまたはポリマー水性樹脂を塗布することにより形成される。前記水性封止層4の乾燥塗布量を1g/m2~5g/m2に、硬化温度を80℃~120℃に、表面平滑度を400s~2000sに、紙の水分含有量を5%より小さくするように制御する。
【0021】
続いて、アルミニウムワイヤを真空アルミ蒸着法により水性封止層4の表面に直接蒸着して真空アルミ蒸着層5を形成する。ここで、真空アルミ蒸着層5の厚さは300Å~500Åである。
【0022】
グラビア印刷法により、真空アルミ蒸着層5の表面に水性保護層6を形成し、前記真空アルミ蒸着層5の傷付きを防止して前記内包装紙の平滑化の効果を確保する。ここは、水性保護層6の乾燥塗布量は1g/m2~5g/m2、硬化温度は80℃~120℃、グラビアの凹部の深さは30μm~50μmである。
【0023】
完成紙の水分含有量が5%±1%に制御されるように、前記原紙層1の下面に水を添加して水で再湿処理/加湿処理を施して前記原紙層1の下面に水分再湿層7を形成する。
【0024】
また、前記内包装紙は、前記原紙層1の上面と前記熱融着性封止層3との間、または前記原紙層1の下面と水分再湿層7との間に保湿及び香味保持層2をさらに備えていてもよい。前記保湿及び香味保持層2は、無機粉末または有機粉末材料層であり、うち、前記無機粉末はセラミック材料粉末であり、前記有機粉末はポリマー材料粉末であり、前記無機粉末又は有機粉末の粒径は0.3μm~100μm、比表面積は30 g/m2~2000g/m2であり、保湿及び香味保持層2は原紙層1の上面又は下面にロールコート又はスプレーコート法により形成され、保湿及び香味保持層2の乾燥塗工量は1g/m2~5g/m2であり、そしてロールコートは、30μm~80μmの凹部の深さを有するアニロックスロールを利用し、アニロックスロール線数は10線~150線、硬化温度は80℃~12
0℃である。
【実施例1】
【0025】
本発明の保湿性、品質保持性及び香味保持性を持つ、真空アルミ蒸着の紙巻タバコ用内包装紙は、その構造が図1に示す通りであり、原紙層1と、原紙層1の上面に内側から外側に向けて順に積層している保湿及び香味保持層2と、熱溶着封止層3と、水性封止層4と、真空アルミ蒸着層5と、水性保護層6とを備え、前記原紙層1の下面には、さらに水分再湿層7が形成されている。前記内包装紙の製造工程は、
1)原紙層1の上面に粒径50μm、比表面積200g/m2のセラミック粉末をロールコート法により塗布することにより、保湿及び香味保持層2を形成し、ここは、保湿及び香味保持層2の乾燥塗布量が3g/m2であり、ロールコート中に使用したアニロックスロールの凹部の深さが60μm、アニロックスロール線数が100線、硬化温度が100℃である工程と、
2)保湿及び香味保持層2の上面に熱溶着温度150℃の熱溶着型ポリマー材料をスリットコート法により塗布して熱溶着封止層3を形成し、スリットコート温度は150℃、塗布量は10g/m2である工程と、
3)熱溶着封止層3に生じ得る可能の隙間を封止するように、熱溶着封止層3の表面にポリマー水性エマルションを塗布してグラビア印刷により水性封止層4を形成し、水性封止層4の乾燥塗布量を3g/m2に、硬化温度を100℃に、表面平滑度を800sに、紙の水分含有量を5%より小さくするように制御する工程と、
5)水性封止層4の表面に真空蒸着法によりアルミニウムワイヤを蒸着して、厚さ450Åの真空アルミ蒸着層5を形成する工程と、
6)真空アルミ蒸着層5の表面に、前記真空アルミ蒸着層5の傷つきを防止して内包装紙の平滑性を確保する水性保護層6をグラビア印刷により形成し、前記水性保護層6の乾燥塗布量が3g/m2、硬化温度が100℃、使用されるグラビアの凹部の深さが40μmである工程と、
7)完成紙の水分含有量が5%±1%に制御されるように、前記原紙層1の下面に水を添加して再湿/加湿処理を行って前記原紙層1の下面に水分再湿層7を形成する工程と、を備える。
【実施例2】
【0026】
本発明の保湿性、品質保持性及び香味保持性を持つ、真空アルミ蒸着の紙巻タバコ用内包装紙は、その構造は、図2に示すように、原紙層1と、原紙層1の上面に内側から外側に向けて順に積層している熱溶着封止層3と、水性封止層4と、真空アルミ蒸着層5と、水性保護層6とを備え、前記原紙層1の下面には、保湿及び香味保持層2と、水分再湿層7とが内側から外側に向けて順に形成されている。前記内包装紙の製造工程は、
1)原紙層1の上面に熱溶着温度120℃の熱溶着型ポリマー材料をスリットコート法により塗布して熱溶着封止層3を形成し、スリットコート温度が120℃、塗布量が15g/m2である工程と、
2)熱溶着封止層3に生じ得る可能の隙間が封止されるように、熱溶着封止層3の表面にポリマー水性樹脂を塗布してグラビア印刷法により水性封止層4を形成し、水性封止層4の乾燥塗布量を5g/m2に、硬化温度を120℃に、表面平滑度を400sに、紙の水分含有量を5%より小さくするように制御する工程と、
3)水性封止層4の表面にアルミニウムワイヤを真空蒸着して厚さ350Åの真空アルミ蒸着層5を形成する工程と、
4)真空アルミ蒸着層5の表面に、前記真空アルミ蒸着層5の傷つきを防止しながら内包装紙の平滑性を確保する水性保護層6をグラビア印刷法により形成し、前記水性保護層6の乾燥塗布量が5g/m2、硬化温度が80℃、使用されたグラビアの凹部の深さが50μmである工程と、
5)原紙層1の下面に、粒径1μm、比表面積2000g/m2のポリマー材料粉末をス
プレーして、保湿及び香味保持層2を形成し、ここで、保湿及び香味保持層2の乾燥塗布量が1g/m2、硬化温度は100℃である工程と、
7)完成紙の水分含有量が5%±1%に制御されるように、原紙層1の下面に水を添加して再湿/加湿処理を行って前記原紙層1の下面に水分再湿層7を形成する工程と、を備える。
【0027】
本発明を好ましい実施形態により詳細に説明した。しかしながら、様々な実施形態に対する変形および追加は当業者には明らかであろう。全てのそのような変形および追加が特許請求の範囲の範囲内に入ることが本出願人の意図である。本明細書で使用される用語は、本願を限定するものではなく、例示および説明を目的としている。本明細書中で使用される全ての用語(技術的および科学的用語を含む)は当業者の理解と同じである。この製品のいかなる変更または改良、特許の範囲または範疇内の類似または近似の物質の置換および使用は、本発明の特許保護の範囲内にある。
図1
図2