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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-27
(45)【発行日】2022-08-04
(54)【発明の名称】偏光板およびそれを含む画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/30 20060101AFI20220728BHJP
   C09J 7/30 20180101ALI20220728BHJP
   C09J 163/00 20060101ALI20220728BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20220728BHJP
【FI】
G02B5/30
C09J7/30
C09J163/00
G02F1/1335 510
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020528297
(86)(22)【出願日】2018-11-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-15
(86)【国際出願番号】 KR2018014496
(87)【国際公開番号】W WO2019103513
(87)【国際公開日】2019-05-31
【審査請求日】2020-05-22
(31)【優先権主張番号】10-2017-0158715
(32)【優先日】2017-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521241281
【氏名又は名称】杉金光電(蘇州)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】ミ・ソ・イ
(72)【発明者】
【氏名】ユンキョン・クォン
(72)【発明者】
【氏名】サンフン・ハン
【審査官】植野 孝郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-245924(JP,A)
【文献】特表2016-541005(JP,A)
【文献】特開2013-164596(JP,A)
【文献】特開2010-26314(JP,A)
【文献】特開2007-284613(JP,A)
【文献】国際公開第2008/041409(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0037811(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0001501(KR,A)
【文献】特開2017-72728(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/30
B32B 1/00-43/00
C09J 7/30
C09J163/00
G02F 1/1335-1/13363
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏光子;および
前記偏光子の少なくとも一面に接する保護層を含む偏光板であって、
前記保護層は、エポキシ化合物、オキセタン化合物およびポリオール化合物を含む偏光板保護層用光硬化性組成物の硬化物であり、
前記偏光板保護層用光硬化性組成物の全体100重量部に対して、前記ポリオール化合物は4ないし10重量部で含まれ、
前記偏光板保護層用光硬化性組成物の全体100重量部に対して、前記エポキシ化合物は65ないし75重量部で含まれ、
前記偏光板保護層用光硬化性組成物の全体100重量部に対して、前記オキセタン化合物は20ないし30重量部で含まれる、偏光板。
【請求項2】
前記ポリオール化合物は、ポリエステルポリオールのものである、請求項1に記載の偏光板。
【請求項3】
前記エポキシ化合物は、脂環式エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物、芳香族エポキシ化合物および水素化エポキシ化合物のうち1以上を含むものである、請求項1又は2に記載の偏光板。
【請求項4】
前記偏光板保護層用光硬化性組成物は、光カチオン重合開始剤および光増感剤のうち1以上をさらに含むものである、請求項1からのいずれか一項に記載の偏光板。
【請求項5】
前記偏光板保護層用光硬化性組成物の全体100重量部に対して、前記光カチオン重合開始剤または光増感剤は0.5ないし10重量部で含まれるものである、請求項に記載の偏光板。
【請求項6】
前記保護層の厚さは、5μmないし10μmのものである、請求項1からのいずれか一項に記載の偏光板。
【請求項7】
前記保護層の80℃での貯蔵弾性率は、1500Mpaないし10,000Mpaのものである、請求項1からのいずれか一項に記載の偏光板。
【請求項8】
前記保護層のガラス転移温度(Tg)は、90℃以上130℃以下のものである、請求項1からのいずれか一項に記載の偏光板。
【請求項9】
前記保護層の偏光子と接する面の他面にキャリア(Carrier)フィルムをさらに含むものである、請求項1からのいずれか一項に記載の偏光板。
【請求項10】
前記偏光子の保護層が接する面の他面に接着剤層を介して保護フィルムが付着されるものである、請求項1からのいずれか一項に記載の偏光板。
【請求項11】
前記接着剤層は、接着剤組成物の硬化物であり、前記接着剤組成物は、エポキシ化合物およびオキセタン化合物を含むものである、請求項1に記載の偏光板。
【請求項12】
請求項1ないし1のいずれか一項に記載の偏光板を含む、画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年11月24日付にて韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2017-0158715号の出願日の利益を主張し、その内容のすべては本明細書に組み込まれる。
本明細書は、偏光板およびそれを含む画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
既存の液晶表示装置用偏光板は、一般的なポリビニルアルコール(PVA、Polyvinyl alcohol)系偏光子を使用し、その偏光子の少なくとも一方面にポリエチレンテレフタレート(PET、polyethylene terephthalate)などの保護フィルムを付着させる構成となっている。
【0003】
最近では、偏光板の低光漏れおよび薄型化に係るニーズが高まっており、この物性を満足するために、既存の事前製膜した保護基材を適用する代わりに、偏光子上に直接保護膜を形成する方法が検討されている。
【0004】
但し、既存のポリビニルアルコール系延伸タイプのポリビニルアルコール系偏光子上に直接保護膜を形成する場合、従来のように両面に保護基材を適用する場合に比べて、高温で偏光子の収縮によって生じる応力によって偏光子の破れ現象が生じる問題を解決することが難しかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書は、偏光板およびそれを含む画像表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、偏光子;および前記偏光子の少なくとも一面に接する保護層を含む偏光板であって、前記保護層は、エポキシ化合物、オキセタン化合物およびポリオール化合物を含む偏光板保護層用光硬化性組成物の硬化物であり、前記偏光板保護層用光硬化性組成物の全体100重量部に対して、前記ポリオール化合物は、4ないし10重量部で含まれるものである偏光板を提供する。
本明細書は、前記偏光板を含む画像表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本明細書の一実施形態に係る偏光板は、従来の接着剤層の介在を必須とする基材層を一つの保護層で代替できるので、偏光板の薄膜化および軽量化はもちろん、コストおよび工程を最小化することができる。
【0008】
本明細書の一実施形態に係る偏光板は、カチオン系保護層作製時に、CarrierフィルムであるPETとのBlocking現象を減少させることができ、保護層の保護基材であるCarrierフィルムが付着された状態で長期保管が容易である。
【0009】
本明細書の一実施形態に係る偏光板の保護層は、貯蔵弾性率が高いので、高温で収縮または膨張現象を抑制することができ、偏光子および偏光板の破れ現象を防止することができる。
本明細書の一実施形態に係る偏光板は、保護層上に、別途の保護フィルムを含まなくても、高い耐久性を有するというメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本明細書の一実施形態に係る偏光板を示したものである。
図2】本明細書の他の実施形態に係る偏光板を示したものである。
図3】本明細書の他の実施形態に係る偏光板を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本明細書についてさらに詳細に説明する。
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができるものを意味する。
本明細書において、ある部材が他の部材「上に」位置しているとするとき、これはある部材が他の部材に接している場合だけでなく、二つの部材の間にさらに別の部材が存在する場合も含む。
【0012】
既存のポリビニルアルコール系延伸タイプのポリビニルアルコール系偏光子上に直接保護層を形成する場合、従来のように両面に保護基材を適用する場合に比べて、高温で偏光子の収縮によって生じる応力によって偏光子の破れ現象が生じる問題を解決することが難しかった。
【0013】
したがって、偏光子上に直接保護層を形成するためには、高温で偏光子の収縮による応力に耐えることができる程度の物性が求められる。このような物性を満足する保護層としては、UV硬化型カチオン系コーティング層が主に使用されるが、このようなカチオン系コーティング層の場合、製作時にCarrierフィルムであるPETとのBlocking現象が生じ、長期保管が難しいという問題点があった。
【0014】
具体的に、ロール工程で製作される偏光板は、「Carrierフィルム/保護層/偏光子(PVA)/接着剤層/保護フィルム」の積層体において、Carrierフィルムを除去し、保護層の上に接着剤層を形成した後、パネルに付着される。前記Carrierフィルムを除去する工程で、前記保護層とCarrierフィルムとの間にBlockingが生じるが、これは保護層に損傷を与え、偏光板の外観および光学物性の低下を生じさせる。
【0015】
しかし、本明細書の一実施形態に係る偏光板は、保護層である偏光板保護層用光硬化性組成物の硬化物にポリオール化合物を含むことによって、別途の保護フィルムがなくても偏光子の高温での収縮または膨張現象を効果的に抑制することができる。
【0016】
また、本明細書の一実施形態に係る偏光板は、前記ポリオール化合物を含むことによって、エポキシ鎖に柔軟性(Flexibility)を与えることができるので、CarrierフィルムであるPETとのBlocking現象を防止できることはもちろん、Carrier PET フィルムの破れ現象も防止することができる。
【0017】
また、本明細書の一実施形態に係る偏光板は、靭性(Toughness)の向上による高温耐久性も改善できることはもちろん、保護層上に別途の保護フィルムを含まなくても、高い耐久性を有するというメリットがある。
【0018】
また、本明細書の一実施形態に係る偏光板は、保護層の保護基材であるCarrierフィルムが付着した状態で長期保管が容易である。
【0019】
図1は、本明細書の一実施形態に係る偏光板を示したものである。前記図1には、偏光子(10)の一面に保護層(20)が備えられた偏光板の構造が例示されている。
また、図3は、本明細書の他の一実施形態に係る偏光板を示したものである。前記図3には、偏光子(10)の両面に保護層(20)が備えられた偏光板の構造が例示されている。前記図3のように、偏光子の両面に保護層が備えられる場合、位相差がほぼなく、かつ、薄膜化が可能なメリットがある。
【0020】
本明細書は、偏光子;および前記偏光子の少なくとも一面に接する保護層を含む偏光板であって、前記保護層は、エポキシ化合物、オキセタン化合物およびポリオール化合物を含む偏光板保護層用光硬化性組成物の硬化物であり、前記偏光板保護層用光硬化性組成物の全体100重量部に対して、前記ポリオール化合物は、4ないし10重量部で含まれるものである偏光板を提供する。
【0021】
偏光板を長期保管時に保護層にキャリアフィルム(Carrier film)を積層させて保護層が外部環境に晒されないようにし、保管された偏光板を使用時には、キャリアフィルムを剥離するが、このとき、保護層とキャリアフィルムとがくっつくブロッキング現象(Blocking)が生じるようになるが、前記偏光板は、偏光板保護層用光硬化性組成物の硬化物であり、前記光硬化性組成物は、ポリオール化合物を特定の範囲に含むことによって、保護層の貯蔵弾性率が大きく向上し、高温耐久性が向上する効果がある。
【0022】
前記ポリオールはchain transferでカチオン硬化反応を促進する役割をするが、ポリオール自体は硬化反応に関与せず、未反応の状態で組成物に存在する。未反応の状態のポリオールは、組成物に含まれたエポキシ硬化鎖に柔軟性(Flexibility)および靭性(Toughness)を与え、以降、保護層からキャリアフィルムが剥離されるときに、ブロッキング現象を効果的に抑制することになる。
【0023】
本明細書において、前記偏光子は、当該技術分野においてよく知られている偏光子、例えば、ヨウ素または二色性染料を含むポリビニルアルコール(PVA)からなるフィルムを使用することができる。前記偏光子は、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素または二色性染料を染着させて製造することができるが、その製造方法は、特に限定されない。本明細書において、偏光子は、保護層(または保護フィルム)を含まない状態を意味し、偏光板は偏光子と保護層(または保護フィルム)とを含む状態を意味する。
【0024】
偏光板は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色し、その二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、ホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程およびこれらの工程が施され、二色性色素が吸着配向した一軸延伸ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに保護層を接合する工程を経て製造される。
【0025】
一軸延伸は、二色性色素による染色前に行ってもよいし、二色性色素による染色と同時に行ってもよいし、二色性色素による染色後に行ってもよい。一軸延伸を二色性色素による染色後に行う場合、該一軸延伸は、ホウ酸処理前に行ってもよいし、ホウ酸処理中に行ってもよい。また、これらの複数のステップで一軸延伸を行うことも可能である。一軸延伸をするためには、周速が互いに異なるロールの間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶剤によって膨潤した状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は、特に限定されないが、通常4倍ないし8倍である。
【0026】
一方、前記偏光子は、厚さが5μmないし40μmであることが好ましく、5μmない25μmであることがさらに好ましい。偏光子の厚さが前記数値範囲よりも薄いと、光学特性が低下することがあり、前記数値範囲よりも厚いと、低温(例えば、-30℃)での偏光子の収縮が大きくなり、全体的な偏光板の熱に対する耐久性を悪化することがある。
【0027】
また、前記偏光子がポリビニルアルコール系フィルムである場合、ポリビニルアルコール系フィルムは、ポリビニルアルコール樹脂またはその誘導体を含むものであれば、特に制限なく使用可能である。このとき、前記ポリビニルアルコール樹脂の誘導体としては、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂などがあるが、これに限定れるものではない。また、市販のポリビニルアルコール系フィルム、例えば、クラレ社のP30、PE30、PE60、日本合成社のM2000、M3000、M6000などを使用してもよいが、これに限定されるものではない。
【0028】
前記ポリビニルアルコール系フィルムは、重合度が1,000ないし10,000が好ましく、1,500ないし5,000であることがさらに好ましい。重合度が前記数値範囲を満足するとき、分子の動きが自由であり、ヨウ素または二色性染料などと柔軟に混合することができる。
【0029】
本明細書の一実施形態に係る偏光板の保護層は、前記偏光子に直接コーティングされて形成される。前記偏光子に直接コーティングされるということは、接着剤層を介在することなく、偏光子と保護層とが物理的に接することを意味する。すなわち、本明細書の一実施形態に係る保護層は、別途の接着剤層なしで偏光子上に直接形成されることによって、薄型偏光板を提供することができる。また、本明細書の一実施形態に係る偏光板の保護層は、別途の保護フィルムがなくても偏光子の高温での収縮または膨張現象を効果的に抑制できるので、偏光子および偏光板の破れ現象を防止することができる。
【0030】
また、本明細書の一実施形態に係る偏光板の保護層は、光硬化性組成物で形成されることが好ましい。このように、保護層が光硬化性組成物から形成される硬化型樹脂層である場合、その製造方法が簡単であり、さらに保護層と偏光子との密着性に優れるというメリットがある。また、偏光板の耐久性をより改善することができる。
【0031】
一方、本明細書の一実施形態に係る偏光板保護層用光硬化性組成物は、硬化後にガラス転移温度が90℃以上130℃以下であることが好ましく、100℃ないし130℃であってもよい。
一方、前記保護層のガラス転移温度が90℃以上130℃以下であることが好ましく、100℃ないし130℃であってもよい。
【0032】
前記のような数値範囲のガラス転移温度を有する場合、高温環境下でも優れた耐久性を有する保護層の実現が可能である。
【0033】
本明細書において、ガラス転移温度は、離型フィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム)に厚さ50μmに塗布し、光量1,000mJ/cm以上の条件で紫外線を照射して硬化させた後、前記離型フィルムを除去し、試験片を一定の大きさにレーザーで切り出した後、DMA(dynamic mechanic alanalysis)を通じて測定する。このとき、測定温度は、-10℃の開始温度から5℃/minの昇温速度で160℃まで昇温させ、10%のstrainで一定に引張するときの貯蔵弾性率の変曲を通じて、ガラス転移温度を確認する。
【0034】
一方、前記保護層の形成方法は、特に限定されず、当該技術分野においてよく知られている方法によって形成することができる。例えば、偏光子の少なくとも一面に前記偏光板保護層用光硬化性組成物を、当該技術分野においてよく知られているコーティング法、例えば、スピンコーティング、バーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、ブレードコーティングなどの方法で塗布してバリア層を形成した後、紫外線照射装置を用いて照射光である紫外線を照射する方法で形成することができる。
【0035】
または、前記保護層は、偏光子の少なくとも一面に偏光板保護層用光硬化性組成物を塗布した後、紫外線照射装置を用いて硬化させて保護層を形成することもできるが、これに限定されるものではない。
前記紫外線の波長は、100nmないし400nmが好ましく、320nmないし400nmがさらに好ましい。また、前記照射光の光量は、100mJ/cmないし1,000mJ/cmが好ましく、500mJ/cmないし1,000mJ/cmがさらに好ましい。
【0036】
前記照射光の照射時間は、1秒ないし10分が好ましく、2秒ないし30秒がさらに好ましい。前記照射時間の範囲を満足する場合、光源から過度に熱が伝達されることを防止し、偏光子に走行しわが生じることを最小化できるというメリットがある。
【0037】
本明細書において、前記ポリオール化合物は、分子中に水酸基(Hydroxyl Group、-OH)もしくはアミン基(Amine Group、-NH)を2つ以上有する多官能(Multifunctional)アルコールまたは芳香族アミンなどの開始剤(Initiator)と酸化プロピレン(Propylene Oxide、PO)、または酸化エチレン(Ethylene Oxide、EO)を反応させて得られる物質を意味する。
【0038】
前記ポリオール化合物は、ポリエーテルポリオール(Polyether Polyol)とポリエステルポリオール(Polyester Polyol)とに分類されるが、前記ポリエステルポリオールは、酸とヒドロキシル化合物との重縮合によって合成されるものと、カプロラクトンモノマーなどの開環付加重合によるものとに分類される。
【0039】
本明細書の一実施形態において、前記ポリオール化合物は、ポリエステルポリオールである。
本明細書の一実施形態において、前記ポリオール化合物は、ポリカプロラクトンポリオールが好ましいが、これに限定されるものではない。
本明細書の一実施形態において、前記偏光板保護層用光硬化性組成物の全体100重量部に対して、前記ポリオール化合物は、4ないし10重量部が好ましい。
【0040】
前記ポリオール化合物が前記数値範囲の含量で含まれる場合、高温耐久性に優れており、かつ、保護層と保護フィルムであるCarrier PETとの間のBlocking現象を効果的に抑制することができる。一方、前記数値範囲の含量を外れる場合には高温耐久性はもちろん、貯蔵弾性率も低下することがある。
【0041】
本明細書の一実施形態において、前記エポキシ化合物は、脂環式エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物、芳香族エポキシ化合物および水素化エポキシ化合物のうち1以上を含む。
【0042】
本明細書において、前記脂環式エポキシ化合物とは、エポキシ化脂肪族環基を一つ以上含む化合物を意味する。前記脂環式エポキシ化合物は、比較的高いガラス転移温度を有するため、保護層の熱膨張係数を下げ、貯蔵弾性率を高めるために好ましい。これにより、硬化後に高温または高湿環境下で優れた耐久性を実現する役割をする。
【0043】
本明細書の一実施形態において、前記脂環式エポキシ化合物は、下記化学式1で表されるエポキシシクロヘキシルメチルエポキシシクロヘキサンカルボキシレート系化合物である。
【化1】
【0044】
前記化学式1において、RおよびRは、互いに同一であるか異なり、それぞれ独立して、水素またはアルキル基である。
【0045】
本明細書において、前記アルキル基は、直鎖または分枝鎖であってもよいし、炭素数は特に限定されないが、1ないし20であることが好ましく、炭素数1ないし12がさらに好ましく、炭素数1ないし8が最も好ましい。具体的な例としては、メチル、エチル、プロピル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、1-メチル-ブチル、1-エチル-ブチル、ペンチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、ヘキシル、n-ヘキシル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、4-メチル-2-ペンチル、3,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、ヘプチル、n-ヘプチル、1-メチルヘキシル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、オクチル、n-オクチル、tert-オクチル、1-メチルヘプチル、2-エチルヘキシル、2-プロピルペンチル、n-ノニル、2,2-ジメチルヘプチル、1-エチル-プロピル、1,1-ジメチル-プロピル、イソヘキシル、4-メチルヘキシル、5-メチルヘキシルなどがあるが、これに限定されるものではない。
【0046】
本明細書の一実施形態において、前記脂環式エポキシ化合物は、下記化学式2で表されるアルカンジオールのエポキシシクロヘキサンカルボキシレート系化合物である。
【化2】
【0047】
前記化学式2において、RおよびRは、互いに同一であるか異なり、それぞれ独立して、水素またはアルキル基であり、nは、2ないし20の整数である。
【0048】
本明細書の一実施形態において、前記脂環式エポキシ化合物は、下記化学式3で表されるジカルボン酸のエポキシシクロヘキシルメチルエステル系化合物である。
【0049】
【化3】
【0050】
前記化学式3において、RおよびRは、互いに同一であるか異なり、それぞれ独立して、水素またはアルキル基であり、pは、2ないし20の整数である。
【0051】
本明細書の一実施形態において、前記脂環式エポキシ化合物は、下記化学式4で表されるポリエチレングリコールのエポキシシクロヘキシルメチルエーテル系化合物である。
【0052】
【化4】
【0053】
前記化学式4において、RおよびRは、互いに同一であるか異なり、それぞれ独立して、水素またはアルキル基であり、qは、2ないし20の整数である。
【0054】
本明細書の一実施形態において、前記脂環式エポキシ化合物は、下記化学式5で表されるアルカンジオールのエポキシシクロヘキシルメチルエーテル系化合物である。
【0055】
【化5】
【0056】
前記化学式5において、RおよびR10は、互いに同一であるか異なり、それぞれ独立して、水素またはアルキル基であり、rは、2ないし20の整数である。
【0057】
本明細書の一実施形態において、前記脂環式エポキシ化合物は、下記化学式6で表されるジエポキシトリスピロ系化合物である。
【0058】
【化6】
【0059】
前記化学式6において、R11およびR12は、互いに同一であるか異なり、それぞれ独立して、水素またはアルキル基である。
【0060】
本明細書の一実施形態において、前記脂環式エポキシ化合物は、下記化学式7で表されるエポキシモノスピロ系化合物である。
【0061】
【化7】
【0062】
前記化学式7において、R13およびR14は、互いに同一であるか異なり、それぞれ独立して、水素またはアルキル基である。
【0063】
本明細書の一実施形態において、前記脂環式エポキシ化合物は、下記化学式8で表されるビニルシクロヘキセンジエポキシド化合物である。
【0064】
【化8】
【0065】
前記化学式8において、R15は、水素またはアルキル基である。
本明細書の一実施形態において、前記脂環式エポキシ化合物の他の例は、下記化学式9で表されるエポキシシクロペンチルエーテル化合物である。
【0066】
【化9】
【0067】
前記化学式9において、R16およびR17は、互いに同一であるか異なり、それぞれ独立して、水素またはアルキル基である。
【0068】
本明細書の一実施形態において、前記脂環式エポキシ化合物は、下記化学式10で表されるジエポキシトリシクロデカン化合物である。
【0069】
【化10】
【0070】
前記化学式10において、R18は、水素またはアルキル基である。
また、前記脂環式エポキシ化合物は、エポキシシクロヘキシルメチルエポキシシクロヘキサンカルボキシレート化合物、アルカンジオールのエポキシシクロヘキサンカルボキシレート化合物、ジカルボン酸のエポキシシクロヘキシルメチルエステル化合物またはアルカンジオールのエポキシシクロヘキシルメチルエーテル化合物を使用することが好ましい。また、7-オキサビシクロ[4,1,0]ヘプタン-3-カルボン酸と(7-オキサ-ビシクロ[4,1,0]ヘプト-3-イル)メタノールとのエステル化物(前記化学式1において、RおよびRが水素である化合物);4-メチル-7-オキサビシクロ[4,1,0]ヘプタン-3-カルボン酸と(4-メチル-7-オキサ-ビシクロ[4,1,0]ヘプト-3-イル)メタノールとのエステル化物(前記化学式1において、RおよびRがCHである化合物);7-オキサビシクロ[4,1,0]ヘプタン-3-カルボン酸と1,2-エタンジオールとのエステル化物(前記化学式2において、RおよびRが水素であり、nが1である化合物);(7-オキサビシクロ[4,1,0]ヘプト-3-イル)メタノールとアジピン酸とのエステル化物(前記化学式3において、RおよびRが水素であり、pが2である化合物);(4-メチル-7-オキサビシクロ[4,1,0]ヘプト-3-イル)メタノールとアジピン酸とのエステル化物(前記化学式3において、RおよびRがCHであり、pが2である化合物);および(7-オキサビシクロ[4,1,0]ヘプト-3-イル)メタノールと1,2-エタンジオールとのエーテル化物(前記化学式5において、RおよびR10が水素であり、rが1である化合物)の中から選択される1以上が使用されるものが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0071】
本明細書の一実施形態において、前記偏光板保護層用光硬化性組成物の全体100重量部に対して、前記エポキシ化合物は、65ないし75重量部が好ましく、70ないし75重量部がさらに好ましく、72ないし75重量部が最も好ましい。
【0072】
前記エポキシ化合物が前記数値範囲の含量で含まれる場合、光硬化時に効果的に組成物が硬化することができ、硬化後にガラス転移温度と貯蔵弾性率とを高く維持し、耐久性に優れたメリットがある。
【0073】
本明細書において、前記脂肪族エポキシ化合物は、脂肪族多価アルコールまたはポリグリシジルエーテルである。例えば、1,4-ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびグリセリンなどの脂肪族多価アルコールに1種以上のアルキレン酸化物(エチレン酸化物またはプロピレン酸化物)を付加することによって得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテルなどがあるが、これに限定されるものではない。
【0074】
本明細書において、前記芳香族エポキシ化合物は、分子内に芳香族基を含むものであり、例えば、ビスフェノールA系エポキシ、ビスフェノールF系エポキシ、ビスフェノールS系エポキシ、臭化ビスフェノール系エポキシのようなビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂およびクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のようなノボラック型エポキシ樹脂;クレゾールエポキシ;およびレゾルシノールグリシジルエーテルなどがあるが、これに限定されるものではない。
【0075】
本明細書において、前記水素化エポキシ化合物は、触媒の存在下において、加圧下で、芳香族エポキシ樹脂から芳香環の選択的水素化反応により得られるものであって、例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、およびビスフェノールSのジグリシジルエーテルなどのビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、およびヒドロキシベンズアルデヒドフェノールノボラック樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂;およびテトラヒドロキシフェニルメタンのグリシジルエーテル、テトラヒドロキシベンゾフェノングリシジルエーテル、エポキシ化ポリビニルフェノールなどの多官能型エポキシ樹脂などがあり、水素化ビスフェノールAのグリシジルエーテルが最も好ましいが、これに限定されるものではない。
【0076】
本明細書の一実施形態において、前記オキセタン化合物は、分子内に4員環のエーテルを有する化合物であって、例えば、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、1,4-ビス〔(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル〕ベンゼン、3-エチル-3-(フェノキシメチル)オキセタン、ジ〔(3-エチル-3-オキセタニル)メチル〕エーテル、3-エチル-3-(2-エチルヘキシルオキシメチル)オキセタン、フェノールノボラックオキセタンなどがあるが、これに限定されるものではない。また、これらのオキセタン化合物は、市販品を容易に入手することが可能であり、具体的には、アロンオキセタンOXT-101(東亞合成(株)製)、アロンオキセタンOXT-121(東亞合成(株)製)、アロンオキセタンOXT-211(東亞合成(株)製)、アロンオキセタンOXT-221(東亞合成(株)製)、アロンオキセタンOXT-212(東亞合成(株)製)などを使用することができる。
【0077】
本明細書の一実施形態において、前記偏光板保護層用光硬化性組成物の全体100重量部に対して、前記オキセタン化合物は、20ないし30重量部が好ましく、20ないし25重量部がさらに好ましく、20ないし23重量部が最も好ましい。
【0078】
前記オキセタン化合物が前記数値範囲の含量で含まれる場合、光硬化性組成物の硬化後のガラス転移温度と貯蔵弾性率とが高く維持できるというメリットがあり、粘度を一定に維持して均一な厚さの保護層の形成が可能なメリットがある。
【0079】
前記エポキシ化合物(A)と前記オキセタン化合物(B)との重量比(A)/(B)は、90/10ないし10/90が好ましく、70/30ないし20/80がさらに好ましく、60/40ないし25/75が最も好ましい。前記エポキシ化合物およびオキセタン化合物の重量比の数値範囲が前記のような場合、組成物のガラス転移温度が高く維持でき、硬化後の保護層の強度が改善される効果がある。また、前記数値範囲を満足する場合、硬化後の保護層の貯蔵弾性率に優れるというメリットがある。
【0080】
本明細書の一実施形態によれば、前記偏光板保護層用光硬化性組成物は、必要に応じて染料、顔料、エポキシ樹脂、紫外線安定剤、酸化防止剤、調色剤、補強剤、充填剤、消泡剤、界面活性剤および可塑剤のうち1以上をさらにを含むことができる。
【0081】
本明細書の一実施形態によれば、前記偏光板保護層用光硬化性組成物は、光カチオン重合開始剤および光増感剤のうち1以上をさらに含むことができる。
【0082】
本明細書において、前記光カチオン重合開始剤の例としては、アルファ-ヒドロキシケトン系化合物(ex.IRGACURE 184、IRGACURE 500、IRGACURE 2959、DAROCUR 1173;Ciba Specialty Chemicals(製));フェニルグリオキシレート(phenylglyoxylate)系化合物(ex.IRGACURE 754、DAROCUR MBF;Ciba Specialty Chemicals(製));ベンジルジメチルケタール系化合物(ex.IRGACURE 651;Ciba Specialty Chemicals(製));α-アミノケトン系化合物(ex.IRGACURE 369、IRGACURE 907、IRGACURE 1300;Ciba Specialty Chemicals(製));モノアシルホスフィン系化合物(MAPO)(ex.DAROCUR TPO;Ciba Specialty Chemicals(製));ビスアシルホスフィン系化合物(BAPO)(ex.IRGACURE 819、IRGACURE 819DW;Ciba Specialty Chemicals(製));ホスフィンオキシド系化合物(ex.IRGACURE 2100;Ciba Specialty Chemicals(製));メタロセン系化合物(ex.IRGACURE 784;Ciba Specialty Chemicals(製));ヨードニウム塩(iodonium salt)(ex.IRGACURE 250;Ciba Specialty Chemicals(製));および前記のうち一つ以上の混合物(ex.DAROCUR 4265、IRGACURE 2022、IRGACURE 1300、IRGACURE 2005、IRGACURE 2010、IRGACURE 2020;Ciba Specialty Chemicals(製))などがある。本明細書では、前記例の中から1種または2種以上を使用することが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0083】
本明細書の一実施形態において、前記偏光板保護層用光硬化性組成物の全体100重量部に対して、前記光カチオン重合開始剤または光増感剤は、0.5ないし10重量部で含まれてもよい。
本明細書の一実施形態において、前記偏光板保護層用光硬化性組成物の全体100重量部に対して、前記光カチオン重合開始剤は、0.5ないし10重量部が好ましく、1ないし5重量部がさらに好ましい。
【0084】
前記光カチオン重合開始剤が前記数値範囲の含量で含まれる場合、紫外線が保護層の内部まで効果的に到達でき、重合率も優れており、生成される重合体の分子量が小さくなることを防止することができる。したがって、形成される保護層の凝集力はもちろん、偏光子に対する接着力も優れたメリットがある。
【0085】
本明細書において、前記光増感剤の例としては、カルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾおよびジアゾ化合物、アントラセン系化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0086】
本明細書の一実施形態において、前記偏光板保護層用光硬化性組成物の全体100重量部に対して、前記光増感剤は、0.5ないし10重量部が好ましく、1ないし5重量部がさらに好ましい。
【0087】
前記光増感剤が前記数値範囲の含量で含まれる場合、光開始剤が効率的に開始できるように助け、保護層の内部まで効果的に硬化して重合率に優れており、生成される重合体の分子量が小さくなることを防止できる。また、前記数値範囲を超える場合には、保護層の黄変を生じさせ偏光子の光学物性を低下させることがある。
【0088】
本明細書の一実施形態によれば、前記偏光板保護層用光硬化性組成物は、ラジカル開始剤をさらに含むことができる。
本明細書の一実施形態に係るラジカル開始剤は、ラジカル重合性を促進し、硬化速度を向上させるためのものであり、前記のラジカル開始剤としては、当該技術分野において一般的に使用されるラジカル開始剤等を制限なく使用することができる。
【0089】
前記ラジカル開始剤は、例えば、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(1-Hydroxy-cyclohexyl-phenyl-ketone)、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-プロパノン(2-Hydroxy-2-methyl-1-phenyl-1-propanone)、2-ヒドロキシ-1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-メチル-1-プロパノン(2-Hydroxy-1-[4-(2-hydroxyethoxy)phenyl]-2-methyl-1-propanone)、メチルベンゾイルホルメート(Methylbenzoylformate)、オキシ-フェニル-酢酸-2-[2-オキソ-2-フェニル-アセトキシ-エトキシ]-エチルエステル(oxy-phenyl-acetic acid-2-[2-oxo-2-phenyl-acetoxy-ethoxy]-ethyl ester)、オキシ-フェニル-酢酸-2-[2-ヒドロキシ-エトキシ]-エチルエステル(oxy-phenyl-acetic acid-2-[2-hydroxy-ethoxy]-ethyl ester)、アルファ-ジメトキシ-アルファ-フェニルアセトフェノン(alpha-dimethoxy-alpha-phenylacetophenone)、2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン(2-Benzyl-2-(dimethylamino)-1-[4-(4-morpholinyl)phenyl]-1-butanone)、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-(4-モルホリニル)-1-プロパノン(2-Methyl-1-[4-(methylthio)phenyl]-2-(4-morpholinyl)-1-propanone)、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-ホスフィンオキサイド(Diphenyl(2,4,6-trimethylbenzoyl)-phosphineoxide)、ホスフィンオキシド(Phosphineoxide)、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-ホスフィンオキシド(phenylbis(2,4,6-trimethylbenzoyl)-phosphineoxide)などがある。本明細書で
は、前記例の中から1種または2種以上を使用することが好ましいが、これに限定されるものではない。特に、本明細書において、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-ホスフィンオキシド(phenylbis(2,4,6-trimethylbenzoyl)-phosphineoxide)が好ましいが、これに限定されるものではない。
【0090】
本明細書の一実施形態において、前記保護層の厚さは、5μmないし10μmが好ましく、6μmないし8μmがさらに好ましい。
前記保護層の厚さが前記数値範囲よりも小さい場合には、保護層の強度や高温耐久性の低下およびクラックが生じるおそれがあり、前記数値範囲を超える場合には、偏光板の薄型化の面から適合ではない。
【0091】
本明細書の一実施形態において、前記偏光板保護層用光硬化性組成物の25℃での粘度は、50cps以上200cps以下が好ましく、25℃で50cps以上130cpsがさらに好ましい。
前記偏光板保護層用光硬化性組成物の粘度が前記数値範囲を満足する場合、保護層の厚さを薄く形成することができ、作業性に優れたメリットがある。
【0092】
本明細書の一実施形態において、前記保護層の80℃での貯蔵弾性率は、1500Mpaないし10,000Mpaが好ましく、1,800Mpaないし8,000Mpaがさらに好ましく、2,000Mpaないし7,000Mpaが最も好ましい。
【0093】
前記保護層の貯蔵弾性率が前記数値範囲を満足する場合、偏光子に加わるストレスを効果的に抑制し、高温または高湿環境で偏光子の収縮または膨張による偏光子のクラック発生を効果的に防止する効果がある。また、偏光子に対する接着力も向上することができる。したがって、高温での偏光板の収縮および膨張を効果的に抑制することによって、偏光板が液晶パネルなどに適用されたとき、優れた接着力はもちろん、光漏れ現象が生じることを防止することができる。
【0094】
また、本明細書では、前記保護層の偏光子と接する面の他面にキャリア(Carrier)フィルムをさらに含む偏光板を提供する。
【0095】
本明細書において、前記キャリアフィルムは、偏光板制作工程時に、保護層を保護するための工程用フィルムを意味する。具体的に、ロール工程で製作される偏光板は、「Carrierフィルム/保護層/偏光子(PVA)/接着剤層/保護フィルム」の積層体において、Carrierフィルムを除去して保護層の上に接着剤層を形成した後、パネルに付着されるが、キャリアフィルムは、この過程で使用される工程用フィルムである。前記キャリアフィルムは、偏光板の製造工程で剥離が容易なものであれば、特に制限されない。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、または、トリアセチルセルロースがある。前記のように、キャリアフィルムを使用する場合、保護層の形成時に、キャリアフィルムが偏光子を効果的に保護して保護層形成用組成物によって他の構成等が汚染されることを防止することができ、加圧手段によって加わる圧力をキャリアフィルムが吸収して偏光子に作用する応力が緩和され、破断を効果的に抑制する効果がある。
【0096】
本明細書は、前記偏光子の保護層が接する面の他面に接着剤層を介して保護フィルムが付着された偏光板を提供する。
【0097】
具体的に、本明細書の一実施形態に係る偏光板は、前記保護層が偏光子の一面に形成された場合、保護層が形成された面の反対面に偏光子を支持および保護するために、接着剤層を介して別途の透明保護フィルムを付着させることができる。
【0098】
このとき、前記保護フィルムは、偏光子を支持および保護するためのものであり、当該技術分野において一般的に知られている様々な材料の保護フィルム等、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET、polyethylene terephthalate)フィルム、シクロオレフィンポリマー(COP、cycloolefin polymer)フィルム、トリアセチルセルロースフィルム(TAC、Tri-Acetyl Cellulose)のようなアクリル系フィルムなどが使用できる。この中でも、光学特性、耐久性、経済性などを考慮すると、ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用することが特に好ましい。
【0099】
一方、前記偏光子と保護フィルムとの付着は、ロールコーター、グラビアコーター、バーコーター、ナイフコーターまたはキャピラリコーターなどを使用して偏光子または保護フィルムの表面に偏光板用接着剤組成物をコーティングした後、これらを貼り合わせロールで加熱して貼り合わせるか、常温圧着して貼り合わせる方法または貼り合わせた後にUV照射する方法などによって行うことができる。
【0100】
図2は、本明細書の他の実施形態に係る偏光板を示したものである。前記図2には、偏光子(10)の一面に保護層(20)が備えられ、前記偏光子の保護層が接する面の他面に接着剤層(30)が備えられ、前記接着剤層上に保護フィルム(40)か備えられた偏光板の構造が例示されている。
【0101】
本明細書の一実施形態において、前記接着剤層は、接着剤組成物の硬化物であり、前記接着剤組成物は、エポキシ化合物およびオキセタン化合物を含む。
前記接着剤層は、光硬化性接着剤組成物で形成されることが好ましい。このように、接着剤層が光硬化性接着剤組成物で形成される硬化型樹脂層である場合、その製造方法が簡単であり、さらに保護フィルムとの密着性に優れるというメリットがある。また、偏光板の耐久性をより改善することができる。
【0102】
前記エポキシ化合物としては、脂環式エポキシ化合物およびグリシジルエーテルタイプエポキシ化合物の少なくとも一つ以上を使用してもよいし、好ましくは、脂環式エポキシ化合物とグリシジルエーテルタイプエポキシ化合物との混合物を使用してもよい。前記グリシジルエーテルタイプエポキシ化合物とは、グリシジルエーテル基を少なくとも一つ以上含むエポキシ化合物を意味する。
【0103】
前記エポキシ化合物の例としては、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3、4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレートのカプロラクトン変性物、多価カルボン酸と3,4-エポキシシクロヘキシルメチルアルコールとのエステル化物またはカプロラクトン変性物、末端に脂環式エポキシ基を有するシリコン系化合物、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、臭化ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テレフタル酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、末端カルボン酸ポリブタジエンとビスフェノールA型エポキシ樹脂との付加反応物、ジシクロペンタジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、4-ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エポキシ化植物油、2-(3、4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、両末端水酸基のポリブタジエンジグリシジルエーテル、ポリブタジエンの内部エポキシ化物、スチレン-ブタジエン共重合体の二重結合が一部エポキシ化した化合物(例えば、ダイセル化学工業(株)製の「エポフレンド」〕、およびエチレン-ブチレン共重合体とポリイソプレンとのブロックコポリマーのイソプレン単位が一部エポキシ化した化合物(例えば、KRATON社製の「L-207」)などがあるが、これに限定されるものはない。
【0104】
前記グリシジルエーテルタイプエポキシ化合物には、例えば、ノボラックエポキシ、ビスフェノールA系エポキシ、ビスフェノールF系エポキシ、臭化ビスフェノールエポキシ、n-ブチルグリシジルエーテル、アリファティックグリシジルエーテル(炭素数12ないし14)、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、o-クレシル(cresyl)グリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、またはグリセリントリグリシジルエーテルなどが挙げられ、1,4-シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルなどのような環状脂肪族骨格を有するグリシジルエーテルまたは芳香族エポキシ化合物の水添化合物などが挙げられ、好ましくは環状脂肪族骨格を有するグリシジルエーテル、好ましくは炭素数3ないし20、好ましくは炭素数3ないし16、より好ましくは炭素数3ないし12の環状脂肪族骨格を有するグリシジルエーテルが使用できるが、これに限定されるものではない。
【0105】
一方、前記脂環式エポキシ化合物およびグリシジルエーテルタイプエポキシ化合物が混合されて使用される場合、その重量比は1:1ないし0.5:1が好ましい。
【0106】
本明細書の一実施形態によれば、前記脂環式エポキシ化合物は、前記エポキシ化合物の全体重量を基準として、30ないし80重量部が好ましく、50ないし70重量部がさらに好ましい。前記数値範囲を満足する場合、光硬化時に効果的に組成物が硬化できるというメリットがある。
【0107】
本明細書の一実施形態によれば、前記グリシジルエーテルタイプエポキシ化合物は、前記エポキシ化合物の全体重量を基準として、10ないし60重量部が好ましく、30ないし50重量部がさらに好ましい。
【0108】
本明細書の一実施形態において、前記オキセタン化合物は、分子内に4員環のエーテルを有する化合物であって、例えば、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、1,4-ビス〔(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル〕ベンゼン、3-エチル-3-(フェノキシメチル)オキセタン、ジ〔(3-エチル-3-オキセタニル)メチル〕エーテル、3-エチル-3-(2-エチルヘキシルオキシメチル)オキセタン、フェノールノボラックオキセタンなどがあるが、これに限定されるものではない。また、これらのオキセタン化合物は、市販品を容易に入手することが可能であり、具体的には、アロンオキセタンOXT-101(東亞合成(株)製)、アロンオキセタンOXT-121(東亞合成(株)製)、アロンオキセタンOXT-211(東亞合成(株)製)、アロンオキセタンOXT-221(東亞合成(株)製)、アロンオキセタンOXT-212(東亞合成(株)製)などを使用することができる。
【0109】
本明細書の一実施形態によれば、前記接着剤組成物の全体100重量部に対して、10ないし50重量部が好ましく、15ないし40重量部がさらに好ましい。
【0110】
本明細書の一実施形態によれば、前記接着剤組成物は、光カチオン重合開始剤またはラジカル開始剤をさらに含むことができる。前記光カチオン重合開始剤またはラジカル開始剤の種類は、前述の前記偏光板保護層用組成物の光カチオン重合開始剤およびラジカル開始剤の例の中から選択することができる。
また、本明細書の前記接着剤組成物は、光増感剤をさらに含むことができる。
【0111】
前記光増感剤は、例えば、カルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾおよびジアゾ化合物、アントラセン系化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0112】
また、本明細書の前記接着剤組成物は、必要に応じて、シランカップリング剤をさらに含むことができる。シランカップリング剤が含まれる場合、シランカップリング剤が接着剤の表面エネルギーを下げて接着剤のウェッティング性(wetting)が向上する効果が得られる。
【0113】
このとき、前記シランカップリング剤は、エポキシ基、ビニル基、ラジカル基のようなカチオン重合性官能基を含むことがより好ましい。また、カチオン重合性官能基が含まれないシランカップリング剤を使用する場合は、界面活性剤やカチオン重合性官能基を含まないシランカップリング剤と比較して、ガラス転移温度を低下することなく、かつ、ウェッティング性を改善する効果がある。これは、シランカップリング剤のカチオン重合官能基が接着剤組成物のシラン基と反応して架橋形態を成し、硬化後に接着剤層のガラス転移温度が低くなる現象を低減させるためである。
【0114】
一方、前記接着剤層は、当該技術分野においてよく知られている方法によって形成することができる。例えば、偏光子または保護フィルムの一面に接着剤組成物を塗布して接着剤層を形成した後、偏光子と保護フィルムとを貼り合わせた後に硬化させる方法で行うことができる。このとき、前記塗布は、当該技術分野においてよく知られている塗布方法等、例えば、スピンコーティング、バーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、ブレードコーティングなどの方法で行うことができる。また、前記接着剤組成物をコーティングした後、硬化させる前に別途の乾燥過程をさらに経てもよい。乾燥方法は、通常使用される方法であれば、制限されない。
【0115】
本明細書では、前記偏光板を含む画像表示装置を提供する。
本明細書において、前記画像表示装置は、液晶表示装置(LCD)、プラズマ表示装置(PDP)および有機電界発光表示装置(OLED)であってもよい。
【0116】
より具体的に、前記画像表示装置は、液晶パネルおよびその液晶パネルの両面にそれぞれ備えられた偏光板等を含む液晶表示装置であってもよいし、このとき、前記偏光板の少なくとも一つが、前述の本明細書の一実施形態に係る偏光子を含む偏光板であってもよい。すなわち、前記偏光板は、ヨウ素および/または二色性染料が染着されたポリビニルアルコール系偏光子および前記ポリビニルアルコール系偏光子の少なくとも一面に備えられた保護フィルムを含む偏光板において、局地的に400nmないし800nmの波長帯での単体透過度が80%以上である偏光解消領域を有し、前記偏光解消領域の算術平均粗さ(Ra)が200nm以下であり、偏光度が10%以下であり、サギング(sagging)が10μm以下であることを特徴とする。
【0117】
このとき、前記液晶表示装置に含まれる液晶パネルの種類は、特に限定されない。例えば、TN(twisted nematic)型、STN(super twisted nematic)型、F(ferroelectic)型またはPD(polymer dispersed)型のような手動行列方式のパネル;2端子型(two terminal)または3端子型(three terminal)のような能動行列方式のパネル;横電界型(IPS;In Plane Switching)パネルおよび垂直配向型(VA;Vertical Alignment)パネルなどがあるが、これに限定されるものではない。また、液晶表示装置を構成する他の構成、例えば、上部および下部の基板(例えば、カラーフィルタ基板またはアレイ基板)などの種類も特に限定されない。
【0118】
以下、本明細書を具体的に説明するために実施例を挙げ、詳細に説明することにする。しかし、本明細書に係る実施例等は様々な他の状態に変形することができ、本明細書の範囲は、後述する実施例等に限定されるものと解釈されない。本明細書の実施例等は、当業界で平均的な知識を有する者に本明細書をより完全に説明するために提供されるものである。
【0119】
<実験例1>-偏光板保護層用光硬化性組成物の製造
<実験例1-1>-光硬化性組成物1の製造
3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’、4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(商品名:セロキサイド-2021P)75重量部、3-エチル-3-[(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシメチル]オキセタン(東亞合成のアロンオキセタンOXT-221)20重量部およびポリカプロラクトントリオール(商品名:Placcel 305)5重量部を使用し、光カチオン重合開始剤としてIrgacure 250を2重量部および光増感剤としてESACURE ITXを1重量部で添加して光硬化性組成物1を製造した。
【0120】
<実験例1-2>-光硬化性組成物2の製造
3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’、4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(商品名:セロキサイド-2021P)75重量部、3-エチル-3-[(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシメチル]オキセタン(東亞合成のアロンオキセタンOXT-221)20重量部およびポリカプロラクトントリオール(商品名:Placcel 305)5重量部を使用し、光カチオン重合開始剤としてIrgacure 250を3重量部および光増感剤としてESACURE ITXを1重量部で添加して光硬化性組成物2を製造した。
【0121】
<実験例1-3>-光硬化性組成物3の製造
3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’、4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(商品名:セロキサイド-2021P)76.6重量部、3-エチル-3-[(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシメチル]オキセタン(東亞合成のアロンオキセタンOXT-221)20.4重量部およびポリカプロラクトントリオール(商品名:Placcel 305)3重量部を使用し、光カチオン重合開始剤としてIrgacure 250を3重量部および光増感剤としてESACURE ITXを1重量部で添加して光硬化性組成物3を製造した。
【0122】
<実験例1-4>-光硬化性組成物4の製造
3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’、4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(商品名:セロキサイド-2021P)78.9重量部、3-エチル-3-[(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシメチル]オキセタン(東亞合成のアロンオキセタンOXT-221)21.1重量部を使用し、光カチオン重合開始剤としてIrgacure 250を3重量部および光増感剤としてESACURE ITXを1重量部で添加して光硬化性組成物4を製造した。
【0123】
<実験例1-5>-光硬化性組成物5の製造
3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’、4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(商品名:セロキサイド-2021P)72.6重量部、3-エチル-3-[(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシメチル]オキセタン(東亞合成のアロンオキセタンOXT-221)19.4重量部およびポリカプロラクトントリオール(商品名:Placcel 305)8重量部を使用し、光カチオン重合開始剤としてIrgacure 250を3重量部および光増感剤としてESACURE ITXを1重量部で添加して光硬化性組成物5を製造した。
【0124】
<実験例1-6>-光硬化性組成物6の製造
3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’、4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(商品名:セロキサイド-2021P)71.1重量部、3-エチル-3-[(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシメチル]オキセタン(東亞合成のアロンオキセタンOXT-221)18.9重量部およびポリカプロラクトントリオール(商品名:Placcel 305)10重量部を使用し、光カチオン重合開始剤としてIrgacure 250を3重量部および光増感剤としてESACURE ITXを1重量部で添加して光硬化性組成物6を製造した。
【0125】
<実験例1-7>-光硬化性組成物7の製造
ポリカプロラクトントリオール(商品名:Placcel 305)の含量が組成物の全体に対して15重量部であることを除いては、前記光硬化性組成物1と同一な方法で光硬化性組成物7を製造した。
【0126】
<実験例1-6>-光硬化性組成物8の製造
ポリカプロラクトントリオール(商品名:Placcel 305)の含量が組成物の全体に対して20重量部であることを除いては、前記光硬化性組成物1と同一な方法で光硬化性組成物8を製造した。
前記光硬化性組成物1ないし8のポリオール化合物の含量を比較すると、下記表1のとおりである。
【0127】
【表1】
【0128】
<実験例1-8>-接着剤組成物Aの製造
3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’、4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(商品名:セロキサイド-2021P)30重量部、3-エチル-3-[(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシメチル]オキセタン(東亞合成のアロンオキセタンOXT-221)15重量部、1,4-シクロヘキシルジメタノールジグリシジルエーテル(CHDMDGE)(商品名:LD-204)45重量部およびノナンジオールジアクリレート(商品名:A-NOD-N)10重量部を使用し、光カチオン重合開始剤としてIrgacure 250を3重量部および光増感剤としてESACURE ITXを1重量部で添加して接着剤組成物Aを製造した。
【0129】
<実験例1-9>-接着剤組成物Bの製造
3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’、4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(商品名:セロキサイド-2021P)30重量部、3-エチル-3-[(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシメチル]オキセタン(東亞合成のアロンオキセタンOXT-221)15重量部、1,4-シクロヘキシルジメタノールジグリシジルエーテル(CHDMDGE)(商品名:LD-204)45重量部およびノナンジオールジアクリレート(商品名:A-NOD-N)10重量部を使用し、光開始剤としてジフェニル-(4-フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート(CPI100P、Sanapro社製)を5重量部で添加して、接着剤組成物Bを製造した。
【0130】
<実験例2>-偏光板の製造(保護フィルム/接着剤層/PVA/保護層)
<実験例2-1>
(1)積層第(保護フィルム/接着剤層/PVA)の製造
ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂フィルムに二色性染料を染着させた後、一定の方向に延伸して架橋させる方法で偏光子を製造した。前記製造した偏光子の一面に接着剤組成物Aをロールコーターを使用してコーティングして接着剤層を形成し、保護フィルムとしてPETフィルム(TA-044、Toyobo社製)を積層した後、紫外線照射装置を用いて、1,000mJ/cmの紫外線を照射して硬化させ、前記偏光子と保護フィルムとを互いに接着させた。前記接着剤層の厚さは2μmであった。
【0131】
(2)偏光板の製造
前記偏光子の保護フィルムが積層された面の他面に光硬化性組成物1をバーコーターまたはロールコーターを使用してコーティングし、紫外線照射装置を用いて、1,000mJ/cmの紫外線を照射して6μm厚さを有する保護層を形成して偏光板を製造した。前記偏光板は、偏光子の一面に接着剤層を介して保護フィルムが積層され、前記偏光子の保護フィルムが積層された面の他面に保護層が直接形成された構造である。
【0132】
<実験例2-2>
前記実験例2-1において、光硬化性組成物1の代わりに光硬化性組成物2を使用したことを除いては、実験例2-1と同一な方法で偏光板を製造した。
【0133】
<比較実験例2-3>
前記実験例2-1において、光硬化性組成物1の代わりに光硬化性組成物3を使用したことを除いては、実験例2-1と同一な方法で偏光板を製造した。
【0134】
<比較実験例2-4>
前記実験例2-1において、光硬化性組成物1の代わりに光硬化性組成物4を使用したことを除いては、実験例2-1と同一な方法で偏光板を製造した。
【0135】
<比較実験例2-5>
前記実験例2-1において、光硬化性組成物1の代わりに光硬化性組成物5を使用したことを除いては、実験例2-1と同一な方法で偏光板を製造した。
【0136】
<比較実験例2-6>
前記実験例2-1において、光硬化性組成物1の代わりに光硬化性組成物6を使用したことを除いては、実験例2-1と同一な方法で偏光板を製造した。
【0137】
<評価例1>
<評価例1-1>-高温促進評価(クラック発生率の評価)
前記実験例1-1ないし1-6で製造された光硬化性組成物を用いて前記実験例2-1と同一に積層体を製造した。以後、先の丸いペンシルを用いて、300gの荷重で掻き、偏光子にクラックを生じさせたことを除いては、前記実験例2-1および2-2並びに比較実験例2-3ないし2-6と同一な方法で偏光板を製造した。
前記偏光板を幅120mm、長さ100mmに切り出した後、80℃で100時間ないし300時間以上放置した後、偏光子の収縮によってクラックが広がり、光が漏れることを観察し、全体のクラックのうち、光が漏れるクラックの数を計算し、偏光板内のクラック(crack)の発生率を導出し、その結果を下記表2に示した。
*クラック発生率:(光が漏れるクラックの数/全クラックの数)×100(%)
【0138】
<評価例1-2>-PET Blockingの評価
前記実験例1-1ないし1-6で製造された光硬化性組成物を用いて前記実験例2-1と同一に積層体を製造した。以後、前記積層体の保護層上にCarrier PET フィルム(XD500、東レ社)を積層したことを除いては、前記実験例2-1および2-2並びに比較実験例2-3ないし2-6と同一な方法で偏光板を製造した。
前記で製作された偏光板を5日間エイジング(Aging)した後、フィルム高速剥離機(CBT-4720、忠北テック)を用いて、ASTM 3330測定法によって測定することができる。偏光板に対して、180°の角度で、30m/min.速度で、Carrier PET フィルムを剥離し、その結果を下記表2に示した。
【0139】
3日経過時および9日経過時の外観に基づいて、Lv.0ないしLv.3に区分した。その結果を、外観に基づいてLv.0ないしLv.3に区分した。Lv.0は剥離された保護層とCarrier PETとのいずれも外観に異常がない状態を意味し、Lv.1は保護層の外観には異常がないが、剥離されたCarrier PET フィルムの表面に一部掻かれた疵がある状態を意味し、Lv.2は保護層の表面が損傷されてCarrier PET フィルムが剥離された状態を意味し、Lv.3はCarrier PET フィルムが剥離されず、破れた状態(破断)を意味する。このとき、Carrier PET フィルムの表面がきれいに剥離されたのかを確認するために、Haze meterを通じて透過Hazeを測定し、初期フィルム値と対比して変化する数値を比較した。Hazeは、ぼやけた程度および濁度を意味するもので、その程度を%で表した。
【0140】
<評価例1-3>-貯蔵弾性率の評価
前記実験例1-1ないし1-6で製造された光硬化性組成物を離型フィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、RPK38-401、東レ尖端素材社製)に厚さ50μmに塗布し、光量1,000mJ/cm以上の条件で紫外線を照射して硬化させた後、離型フィルムを除去し、試験片を幅5.3mm、長さ4.5cmの大きさにレーザーを用いて切り出した。以降、DMA(Dynamic mechanical analyzer)を用いて、貯蔵弾性率を測定した。測定モードは、Multi-Frequency-Strainで、Strain 10%およびfrequency 1Hzで、-30℃から160℃まで1分当り5℃ずつ昇温させて測定した結果を、下記表2に示した。
【0141】
<評価例1-4>-キャリアフィルム剥離力の評価
前記実験例2-1および2-2並びに比較実験例2-3ないし2-6で製作された偏光板を、温度20℃、湿度50%の条件で7日間放置した後、幅50mm、長さ200mmに切り出した後、保護層の前記キャリアフィルムの剥離力をフィルム高速剥離機(CBT-4720、忠北テック)を用いて、ASTM 3330測定法によって測定した。具体的に、キャリアフィルムを、前記保護層から30m/minの速度で、180°の角度で、剥離力を測定した。
【0142】
【表2】
【0143】
前記表2に示すように、本明細書のポリオールを含む実験例2-1および2-2は、ポリオール化合物を含まない比較実験例2-4に比べて、クラック発生およびPET Blockingの防止効果はもちろん、貯蔵弾性率も優れていることが分かる。また、前記偏光板保護層用光硬化性組成物の全体100重量部に対して、ポリオール化合物を4ないし10重量部で含まれる実験例2-1および2-2は、前記含量範囲を満足していない比較実験例2-3および2-4に比べて、クラック発生およびPET Blockingの防止効果はもちろん、貯蔵弾性率にも優れていることが分かる。
【0144】
具体的に、実験例2-1および2-2は、比較実験例2-3および2-4に比べて、保護層に柔軟性を与えて高温促進評価結果も優れており、かつ、Carrier PET Blocking防止にも優れた効果があることが分かる。特に、ポリオール化合物が含まれない比較実験例2-4の場合、Carrier PET フィルムが剥離されず、破れる結果を示した。
【0145】
また、前記偏光板保護層用光硬化性組成物の全体100重量部に対して、エポキシ化合物を65ないし75重量部で含み、オキセタン化合物を20ないし30重量部で含む実験例2-1および2-2は、前記含量範囲を満足していない比較実験例2-3ないし2-6に比べて、クラック発生およびPET Blockingの防止効果はもちろん、貯蔵弾性率も優れていることが分かる。
【0146】
具体的に、本明細書の偏光板保護層用光硬化性組成物を用いた実施例1-1および1-2は、貯蔵弾性率に優れているので、保護層が偏光子に加わるストレスを効果的に抑制し、高温環境で偏光子の収縮または膨張による偏光子のクラック発生を効果的に防止することができる。
【0147】
また、前記キャリアフィルム剥離力の評価結果から分かるように、実験例2-1および2-2は、Carrier PET Blocking防止にも効果的なものであり、保護フィルムとの優れた接着力および密着力を必要とする接着剤用組成物とは作用する原理が異なることが分かる。
【0148】
前記表2の結果から、ポリオールの含量が全組成物の重量基準として4重量部未満に該当する組成物3および組成物4の場合、ブロッキング現象が激しく生じることが確認できる。これは、組成物にポリオールが十分含有されていないため、エポキシ硬化鎖に柔軟性(Flexibility)および靭性(Toughness)を与えられなかったためである。
【0149】
一方、ポリオールの含量が全組成物の重量基準として10重量部を超える組成物7および8の場合、貯蔵弾性率があまりにも低く生じることが確認できる。この場合、高温耐久性が低下するため、保護層として使用するには適合ではない。
【0150】
<実験例3>-偏光板の製造
<比較実験例3-1並びに実験例3-2および3-3>-(保護フィルム/接着剤層/PVA/保護層)
下記表3のように、保護層の厚さを異ならせたことを除いては、前記実験例2-1と同一な方法で偏光板を製造した。
【0151】
<比較例3-1>-(保護フィルム/接着剤層/PVA/接着剤層/保護フィルムA)
前記比較実験例3-1並びに実験例3-2および3-3で使用されたものと同一な偏光子の一面に接着剤組成物Aを厚さ2μmになるようにロールコーターを使用して塗布し、コロナ処理された80μmの厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム(TA-044、Toyobo社製)を接合した。前記偏光子の接着剤組成物Aが塗布された面の他面に接着剤組成物Bを厚さ1μmになるようにロールコーターを使用して塗布し、保護フィルムAとして25μm厚さのTACフィルム(富士社製)を接合した後、紫外線を照射して前記光硬化性接着剤組成物AおよびBを硬化させて偏光板を製造した。
【0152】
<比較例3-2>-(保護フィルム/接着剤層/PVA/接着剤層/保護フィルムA)
前記比較例3-1において、保護フィルムAとしてRinken社のAcrylフィルムを使用して保護フィルムAの厚さを40μmに形成したことを除いては、比較例3-1と同一な方法で偏光板を製造した。
【0153】
<比較例3-3>-(保護フィルム/接着剤層/PVA/接着剤層/保護フィルムA)
前記比較例3-1において、保護フィルムAとしてLGC社のAcrylフィルムを使用して保護フィルムAの厚さを40μmに形成したことを除いては、比較例3-1と同一な方法で偏光板を製造した。
【0154】
<評価例2>
<評価例2-1>-高温促進評価(クラック発生率)
前記比較実験例3-1並びに実験例3-2および3-3および比較例3-1ないし3-3で製作した偏光板に対して、高温促進評価を行った。先の丸いペンシルを用いて、300gの荷重で掻き、偏光子にクラックを生じさせた。以後、前記偏光板を幅120mm、長さ100mmに切り出した後、80℃で100時間放置した後、偏光子の収縮によってクラックが広がり、光が漏れることを観察し、全体のクラックのうち、光が漏れるクラックの数を計算し、偏光板内のクラック(crack)の発生率を導出し、その結果を下記表3に示した。
*クラック発生率:(光が漏れるクラックの数/全クラックの数)×100(%)
【0155】
<評価例2-2>-貯蔵弾性率の評価
前記実験例1-1で製造された光硬化性組成物1および実験例1-8で製造された接着剤組成物Bをそれぞれ離型フィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、RPK38-401、東レ尖端素材社製)に厚さ50μmに塗布し、光量1,000mJ/cm以上の条件で紫外線を照射して硬化させた後、離型フィルムを除去し、試験片を幅5.3mm、長さ4.5cmの大きさにレーザーを用いて切り出した。以降、DMA(Dynamic mechanical analyzer)を用いて、貯蔵弾性率を測定した。測定モードは、Multi-Frequency-Strainで、Strain 10%およびfrequency 1Hzで、-30℃から160℃まで1分当り5℃ずつ昇温させて測定した結果を、表3に示した。
【0156】
また、比較例3-1ないし3-3で使用された各々の保護フィルムAに対して、DMA(Dynamic mechanical analyzer)を用いて、貯蔵弾性率を測定した。測定モードは、Multi-Frequency-Strainで、Strain 10%およびfrequency 1Hzで、-30℃から160℃まで1分当り5℃ずつ昇温させて測定した結果を、表3に示した。
【0157】
【表3】
【0158】
前記表3に示すように、本明細書の偏光板保護層用光硬化性組成物を用いた比較実験例3-1並びに実験例3-2および3-3は、クラック発生防止効果はもちろん、貯蔵弾性率も優れていることが分かる。具体的に、偏光子に直接保護層が形成される比較実験例3-1並びに実験例3-2および3-3は、接着剤層および保護フィルムAで構成される比較例3-1ないし3-3に比べてクラックの発生率が低いことが分かる。また、比較例3-1ないし3-3に係る偏光板の保護フィルムAの厚さは25μmないし40μmであって、比較実験例3-1並びに実験例3-2および3-3の保護層の厚さである5μmないし10μmに比べて厚いのにもかかわらず、クラックが多数生じて耐久性が低下することが分かる。
【0159】
また、比較実験例3-1並びに実験例3-2および3-3に係る偏光板は、保護層が偏光子に直接形成され、前記保護層の貯蔵弾性率は、別途の保護フィルムを含まなくても、1,500MPa以上の高い貯蔵弾性率を有する。したがって、本明細書の一実施形態に係る保護層は、別途の保護フィルムがなくても、偏光子の高温での収縮または膨張現象を効果的に抑制できることが分かる。
【0160】
一方、比較例3-1ないし3-3に係る偏光板は、保護フィルムAの貯蔵弾性率が高くても、偏光子上に形成される接着剤層の貯蔵弾性率が低い。したがって、偏光子の高温での収縮または膨張現象を効果的に抑制することができない。
【0161】
以上より、本明細書の好ましい実施例について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明の範囲内で様々に変形して実施することができ、これもまた発明の範疇に属する。
[付記]
[付記1]
偏光子;および
前記偏光子の少なくとも一面に接する保護層を含む偏光板であって、
前記保護層は、エポキシ化合物、オキセタン化合物およびポリオール化合物を含む偏光板保護層用光硬化性組成物の硬化物であり、
前記偏光板保護層用光硬化性組成物の全体100重量部に対して、前記ポリオール化合物は4ないし10重量部で含まれるものである、偏光板。
[付記2]
前記保護層は、前記偏光子に直接コーティングされて形成されるものである、付記1に記載の偏光板。
[付記3]
前記ポリオール化合物は、ポリエステルポリオールのものである、付記1または2に記載の偏光板。
[付記4]
前記エポキシ化合物は、脂環式エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物、芳香族エポキシ化合物および水素化エポキシ化合物のうち1以上を含むものである、付記1から3のいずれか一つに記載の偏光板。
[付記5]
前記偏光板保護層用光硬化性組成物の全体100重量部に対して、前記エポキシ化合物は65ないし75重量部で含まれるものである、付記1から4のいずれか一つに記載の偏光板。
[付記6]
前記偏光板保護層用光硬化性組成物の全体100重量部に対して、前記オキセタン化合物は20ないし30重量部で含まれるものである、付記1から5のいずれか一つに記載の偏光板。
[付記7]
前記偏光板保護層用光硬化性組成物は、光カチオン重合開始剤および光増感剤のうち1以上をさらに含むものである、付記1から6のいずれか一つに記載の偏光板。
[付記8]
前記偏光板保護層用光硬化性組成物の全体100重量部に対して、前記光カチオン重合開始剤または光増感剤は0.5ないし10重量部で含まれるものである、付記7に記載の偏光板。
[付記9]
前記保護層の厚さは、5μmないし10μmのものである、付記1から8のいずれか一つに記載の偏光板。
[付記10]
前記偏光板保護層用光硬化性組成物の25℃での粘度は、50cps以上200cps以下である、付記1から9のいずれか一つに記載の偏光板。
[付記11]
前記保護層の80℃での貯蔵弾性率は、1500Mpaないし10,000Mpaのものである、付記1から10のいずれか一つに記載の偏光板。
[付記12]
前記保護層のガラス転移温度(Tg)は、90℃以上130℃以下のものである、付記1から11のいずれか一つに記載の偏光板。
[付記13]
前記保護層の偏光子と接する面の他面にキャリア(Carrier)フィルムをさらに含むものである、付記1から12のいずれか一つに記載の偏光板。
[付記14]
前記偏光子の保護層が接する面の他面に接着剤層を介して保護フィルムが付着されるものである、付記1から13のいずれか一つに記載の偏光板。
[付記15]
前記接着剤層は、接着剤組成物の硬化物であり、前記接着剤組成物は、エポキシ化合物およびオキセタン化合物を含むものである、付記14に記載の偏光板。
[付記16]
付記1ないし15のいずれか一つに記載の偏光板を含む、画像表示装置。
【符号の説明】
【0162】
10:偏光子
20:保護層
30:接着剤層
40:保護フィルム
図1
図2
図3