IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本通運株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-紙幣管理方法及び紙幣管理システム 図1
  • 特許-紙幣管理方法及び紙幣管理システム 図2
  • 特許-紙幣管理方法及び紙幣管理システム 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-27
(45)【発行日】2022-08-04
(54)【発明の名称】紙幣管理方法及び紙幣管理システム
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/32 20190101AFI20220728BHJP
   G07D 7/0047 20160101ALI20220728BHJP
   G07D 11/16 20190101ALI20220728BHJP
   G07D 11/00 20190101ALI20220728BHJP
   G07D 7/187 20160101ALI20220728BHJP
   G07D 11/30 20190101ALI20220728BHJP
【FI】
G07D11/32
G07D7/0047
G07D11/16
G07D11/00
G07D7/187
G07D11/30
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021020521
(22)【出願日】2021-02-12
【審査請求日】2021-02-12
(73)【特許権者】
【識別番号】591135440
【氏名又は名称】日本通運株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 亮祐
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-056010(JP,A)
【文献】特開2017-187985(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 1/00- 3/16,
7/00-13/00
G07F 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙幣整理機によって、複数の紙幣の記番号を読み取る工程と、
コード作成装置によって、読み取られた複数の紙幣の前記記番号に、複数の前記記番号にアクセスするための情報を含むユニークコードを付与し、二次元コードを作成する工程と、
データ作成装置によって、読み取られた前記記番号ごとに各紙幣の個別データを作成し、前記個別データは、前記複数の紙幣の所有者ID及びパスワードを後から付加するための領域を予め備える工程と、
印字装置によって、作成された前記二次元コードを、前記複数の紙幣を束ねる部材に印字する工程と、
前記紙幣整理機、前記コード作成装置、前記データ作成装置、前記印字装置及び金融機関のサーバと通信可能に接続される管理サーバによって、複数の前記記番号の情報に、金融機関のサーバ又はコンピュータでは閲覧不能に設定される閲覧権限を付与して、前記金融機関のサーバへ提供する工程と、
前記管理サーバによって、前記複数の紙幣の所有者ID及びパスワードを更新する工程と、
を備える紙幣管理方法。
【請求項2】
前記個別データは、紙幣の読み取り順、読み取り日時、紙幣の記番号、紙幣の金種、紙幣の汚損レベル、読み取り事業者、読み取り拠点、読み取った機械の番号、紙幣の出入区分、紙幣の出入先情報、取り扱い金融機関、並びに、小束用ユニークコード及び大束用ユニークコードを含む封筒又はその他の容器の任意単位のユニークコード、のうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の紙幣管理方法。
【請求項3】
複数の紙幣の記番号を読み取る紙幣整理機と、
前記紙幣整理機によって読み取られた複数の紙幣の前記記番号に、複数の前記記番号にアクセスするための情報を含むユニークコードを付与し、二次元コードを作成するコード作成装置と、
前記紙幣整理機によって読み取られた前記記番号ごとに、各紙幣の個別データを作成するデータ作成装置と、
前記コード作成装置によって作成された前記二次元コードを、前記複数の紙幣を束ねる部材に印字する印字装置と、
前記紙幣整理機、前記コード作成装置、前記データ作成装置、前記印字装置及び金融機関のサーバと通信可能に接続される管理サーバと、を備え、
前記管理サーバは、複数の前記記番号の情報に、前記金融機関のサーバ又はコンピュータでは閲覧不能に設定される閲覧権限を付与して、前記金融機関のサーバへ提供し、
前記管理サーバは、前記複数の紙幣の所有者ID及びパスワードを更新する、
紙幣管理システム。
【請求項4】
前記個別データは、紙幣の読み取り順、読み取り日時、紙幣の記番号、紙幣の金種、紙幣の汚損レベル、読み取り事業者、読み取り拠点、読み取った機械の番号、紙幣の出入区分、紙幣の出入先情報、取り扱い金融機関、並びに、小束用ユニークコード及び大束用ユニークコードを含む封筒又はその他の容器の任意単位のユニークコード、のうちの少なくとも一つを含む、請求項に記載の紙幣管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙幣管理方法及び紙幣管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、銀行等の金融機関において、紙幣及び貨幣等の現金を処理及び管理するためのシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-24591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような現金の管理に加えて、マネー・ロンダリング、テロ資金供与対策、その他現金強奪事件等の防犯対策の観点から、紙幣と所有者を紐付け、管理する事が求められている。また、中央銀行等では、より高い精度での紙幣発行数量予測及び紙幣流通の合理化・厳正化の為、紙幣の詳細情報を収集することが課題となっていると考えられる。
【0005】
そこで、本発明は、紙幣をより高い精度で管理し、防犯効果を高め、犯罪を抑止しながら、記番号及び汚損レベル等を含めた紙幣の個別データも管理することができる紙幣管理方法及び紙幣管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、紙幣整理機によって、複数の紙幣の記番号を読み取る工程と、コード作成装置によって、読み取られた複数の紙幣の前記記番号に、複数の前記記番号にアクセスするための情報を含むユニークコードを付与し、コードを作成する工程と、印字装置によって、作成された前記コードを、前記複数の紙幣を束ねる部材に印字する工程と、を備える紙幣管理方法に関する。
【0007】
また、紙幣管理方法は、データ作成装置によって、読み取られた前記記番号ごとに各紙幣の個別データを作成する工程を更に備え、前記個別データは、紙幣の読み取り順、読み取り日時、紙幣の記番号、紙幣の金種、紙幣の汚損レベル、読み取り事業者、読み取り拠点、読み取った機械の番号、紙幣の出入区分、紙幣の出入先情報、取り扱い金融機関、小束用ユニークコード、大束用ユニークコード、封筒、その他の容器等の任意単位のユニークコードを含むことが好ましい。
【0008】
また、紙幣管理方法は、前記紙幣整理機、前記コード作成装置、前記データ作成装置及び前記印字装置と通信可能に接続される管理サーバによって、前記複数の紙幣の所有者ID及びパスワードを更新する工程を更に備えることが好ましい。
【0009】
また、本発明は、複数の紙幣の記番号を読み取る紙幣整理機と、前記紙幣整理機によって読み取られた複数の紙幣の前記記番号に、複数の前記記番号にアクセスするための情報を含むユニークコードを付与し、コードを作成するコード作成装置と、前記コード作成装置によって作成された前記コードを、前記複数の紙幣を束ねる部材に印字する印字装置と、を備える紙幣管理システムに関する。
【0010】
また、紙幣管理システムは、前記紙幣整理機によって読み取られた前記記番号ごとに、各紙幣の個別データを作成するデータ作成装置を更に備え、前記個別データは、紙幣の読み取り順、読み取り日時、紙幣の記番号、紙幣の金種、紙幣の汚損レベル、読み取り事業者、読み取り拠点、読み取った機械の番号、紙幣の出入区分、紙幣の出入先情報、取り扱い金融機関、小束用ユニークコード、大束用ユニークコード、封筒、その他の容器等の任意単位のユニークコードを含むことが好ましい。
【0011】
また、紙幣管理システムは、前記紙幣整理機、前記コード作成装置、前記データ作成装置及び前記印字装置と通信可能に接続される管理サーバを更に備え、前記管理サーバは、前記複数の紙幣の所有者ID及びパスワードを更新することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、紙幣をより高い精度で管理し、防犯効果を高めることができる。また、本発明によれば、紙幣の個別データを管理することにより、より高い精度で紙幣発行数量を予測することが可能となり、紙幣流通の合理化・厳正化も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係る紙幣管理方法において用いられる紙幣管理システムの概要を示す図である。
図2】本実施形態に係る紙幣管理方法の処理の流れを示すフローチャートである。
図3】本実施形態に係る紙幣の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る紙幣管理方法において用いられる紙幣管理システム1の概要を示す図である。紙幣管理システム1は、紙幣に関する情報を管理するためのシステムである。紙幣管理システム1は、好ましくは、現金センターにおいて用いられる。図1に示すように、紙幣管理システム1は、紙幣整理機11と、コード作成装置12と、データ作成装置13と、印字装置14と、管理サーバ15と、を備える。また、紙幣管理システム1は、有線及び無線通信のためのネットワークと接続され、ネットワークを介して、金融機関等のサーバと接続可能である。
【0015】
紙幣整理機11は、紙幣の真贋判定、計数、選別分類、表裏方向整理、天地方向整理、正損分類、記番号や汚損レベルの読み取り等の紙幣処理を行うための装置であり、これらの紙幣処理を行うための機構部、制御部等を備える。
【0016】
紙幣整理機11は、紙幣から読み取った記番号、読み取り順及び施封単位の情報をコード作成装置12に出力する。
コード作成装置12は、任意のコードを生成するためのコンピュータ装置であり、紙幣整理機11と接続される。コード作成装置12は、紙幣整理機11によって読み取られたひとくくりの複数の紙幣の記番号にアクセスするための情報を含むユニークコードを付与し、コードを生成する。生成されるコードは、一次元コード、二次元コード、RFID向けのコード等であってもよい。生成されるコードが二次元コードである場合、二次元コードは、例えば、QRコード(登録商標)であってもよい。以下、本実施形態に係る紙幣管理方法は、生成されるコードとして二次元コードを用いる。
【0017】
データ作成装置13は、紙幣の個別データを作成するためのコンピュータ装置であり、紙幣整理機11と接続される。データ作成装置13は、紙幣整理機11によって読み取られた記番号ごとに各紙幣の個別データを作成する。
【0018】
印字装置14は、コードを印刷するための印刷装置であり、コード作成装置12と接続される。また、印字装置14は、コードが印刷されたラベルを発行するラベル発行機を備える。印字装置14は、コード作成装置12によって作成された二次元コードを、複数の紙幣を束ねる部材に印字する。印字装置14は、具体的には、コード作成装置12によって作成された二次元コードを、複数の紙幣を束ねる帯封等の部材に印字する、又はラベル発行機によって二次元コードが印字されたラベルを発行する。紙幣を束ねる帯封等の部材は、例えば、帯封、札束収納ケース、封筒、その他の容器等である。
【0019】
管理サーバ15は、紙幣整理機11、コード作成装置12、データ作成装置13及び印字装置14と通信可能に接続される。管理サーバ15は、記番号の読み取り順及び読み取り日時、記番号、金種、汚損レベル、ユニークコード等の情報を個別データとして管理する。また、管理サーバ15は、金融機関等のコンピュータ装置とも通信可能に接続される。管理サーバ15は、金融機関等が取得した複数の紙幣の所有者ID及びパスワード等を、施封単位ごと又は記番号ごとに更新する機能を備える。
【0020】
図2は、本実施形態に係る紙幣管理方法の処理の流れを示すフローチャートである。図2に示すように、本実施形態に係る紙幣管理方法は、読み取り工程S1と、コード作成工程S2と、個別データ作成工程S3と、印字工程S4と、を備える。
【0021】
読み取り工程S1において、紙幣整理機11は、複数の紙幣の真贋判定と同時に、記番号、金種及び汚損レベルを読み取る。
コード作成工程S2において、コード作成装置12は、読み取り工程S1において読み取られた複数の記番号に、当該複数の記番号にアクセス可能な情報を含むユニークコードを付与し、二次元コードを作成する。例えば、コード作成装置12は、ひとくくりでまとめられる複数の記番号(例えば、100枚の紙幣の記番号)にユニークコードを付与する。
【0022】
ここで、ユニークコードは、複数の記番号にアクセス可能な情報を含む任意のコードである。複数の記番号にアクセス可能な情報は、例えば、複数の記番号にアクセスするための文字列等であってもよい。ユニークコードと各記番号とは、関連付けられており、管理サーバ15において管理及び保存される。
【0023】
また、二次元コードは、QRコードである。また、二次元コードは、AztecCode、Semacode、CPcode、PDF417等のような他の形式のコードであってもよい。
【0024】
個別データ作成工程S3において、データ作成装置13は、読み取り工程S1において読み取られた記番号ごとに各紙幣の個別データを作成する。
個別データは、紙幣の読み取り順、読み取り日時、紙幣の記番号、紙幣の金種、紙幣の汚損レベル、読み取り事業者、読み取り拠点、読み取った機械の番号、紙幣の出入区分、紙幣の出入先情報、取り扱い金融機関、小束用ユニークコード、大束用ユニークコード、封筒、その他の容器等の任意単位のユニークコードを含むことが好ましい。また、個別データは、紙幣の所有者ID及びパスワード等を後から付加するための領域を予め備える。
【0025】
印字工程S4において、印字装置14によって、コード作成工程S2において作成された二次元コードを、複数の紙幣を束ねる帯封等の部材に印字する。または、印字装置14によって、コード作成工程S2において作成された二次元コードをラベルに印字し、二次元コードが印字されたラベルを、複数の紙幣を束ねる帯封等の部材に貼り付ける。
なお、上述した読み取り工程S1から印字工程S4は、実行される際に、上述した順序に限定されない。例えば、本実施形態に係る紙幣管理方法は、コード作成工程S2の後に、印字工程S4を実行し、その後、個別データ作成工程S3を実行してもよい。
【0026】
図3は、本実施形態に係る紙幣の概要を示す図である。図3に示すように、複数の紙幣21は、帯封等の部材22によって束ねられている。複数の紙幣の数は、特に限定されないが、小束(100枚)、大束(1000枚)であってもよく、又は任意の枚数であってもよい。
【0027】
帯封等の部材22は、紙などで構成されており、テープ状に形成される。また、帯封等の部材22上の任意の位置には、印字装置14によって、二次元コード23が印字される。
【0028】
これにより、例えば、金融機関は、本実施形態に係る紙幣管理システム1を運用する現金センターから届けられる複数の紙幣の帯封等の部材22に印字された二次元コード23又は帯封等の部材22に貼られたラベルに印字された二次元コード23を二次元コード読み取り装置によって読み取りユニークコードを取得する。これにより、金融機関は、管理サーバ15にアクセスしてユニークコードを入力することにより、ユニークコードが付与された帯封等の部材22に束ねられた複数の紙幣21の記番号及び並び順を取得することができる。そのため、金融機関は、記番号を読み取る紙幣整理機を用いずに、紙幣をより高い精度で管理し、マネー・ロンダリング、テロ資金供与対策、その他の現金強奪事件等の防犯効果を講じることができる。また、管理サーバ15内に蓄積されるデータを分析することによって、より高い精度で紙幣発行数量を予測することが可能となり、紙幣流通の合理化・厳正化も図ることができる。
【0029】
このように本実施形態に係る紙幣管理方法は、紙幣整理機11によって、複数の紙幣21の記番号を読み取る読み取り工程S1と、コード作成装置12によって、読み取られた記番号に、複数の紙幣21の記番号にアクセスするための情報を含むユニークコードを付与し、二次元コード23を作成するコード作成工程S2と、印字装置14によって、作成された二次元コード23を、複数の紙幣21を束ねる帯封等の部材22に印字する印字工程S4と、を備える。
【0030】
これにより、金融機関は、帯封等の部材22に印字された二次元コード23を二次元コード読み取り装置によって読み取ることにより、複数の紙幣21の記番号を取得することができる。そのため、金融機関は、本実施形態に係る紙幣管理方法を用いることによって、紙幣整理機を用いずに、紙幣をより高い精度で管理することができる。
【0031】
また、本実施形態に係る紙幣管理方法は、金融機関が取得した複数の紙幣の所有者ID及びパスワード等を、施封単位ごと及び記番号ごとに更新する機能を備えているため、紙幣21の防犯効果を高めることができる。
【0032】
また、本実施形態に係る二次元コード23は、QRコードである。これにより、金融機関は、帯封等の部材22に印字された二次元コード23を高い精度で読み取ることができる。
【0033】
また、本実施形態に係る紙幣管理方法は、データ作成装置13によって、読み取られた記番号ごとに各紙幣の個別データを作成する個別データ作成工程S3を更に備え、個別データは、紙幣の読み取り順、読み取り日時、紙幣の記番号、紙幣の金種、紙幣の汚損レベル、読み取り事業者、読み取り拠点、読み取った機械の番号、紙幣の出入区分、紙幣の出入先情報、取り扱い金融機関、小束用ユニークコード、大束用ユニークコード、封筒、その他の容器等の任意単位のユニークコードを含む。これにより、中央銀行等では、紙幣の個別データを管理することによって、より高い精度で紙幣発行数量を予測することが可能となり、紙幣流通の合理化・厳正化も図ることができる。
【0034】
また、本実施形態に係る紙幣管理方法は、紙幣整理機11、コード作成装置12、データ作成装置13及び印字装置14と通信可能に接続される管理サーバ15によって、複数の紙幣の所有者ID及びパスワードを、記番号ごとに更新する工程を更に備える。これにより、金融機関は、複数の紙幣の所有者ID及びパスワードを、施封単位ごと又は記番号ごとに更新する事が可能となる。
【0035】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。例えば、上述した二次元コードは、小束の帯封に印字されると共に、複数の小束が束ねられた大束の帯封に印字されてもよい。更に、二次元コードは、複数の大束が収容された札束収容ケース、封筒、その他の容器等に印字されてもよい。
【0036】
また、管理サーバ15は、読み取った複数の記番号の情報を、金融機関のサーバへ提供しない、又は読み取った複数の記番号の情報にアクセスできないように制御してもよい。例えば、管理サーバ15は、読み取った紙幣の記番号、読み取り順及び施封単位の情報から、記番号の情報を削除して、金融機関のサーバへ提供してもよい。また、管理サーバは、複数の記番号の情報に、閲覧権限を付与して、金融機関のサーバへ提供してもよい。そして、閲覧権限は、金融機関のサーバや、コンピュータ等では閲覧不能に設定される。このように管理サーバ15によって記番号の情報の提供又はアクセスを制限することによって、現金の特性である匿名性を確保した上で、防犯登録機能を活用することができる。即ち、通常の紙幣の流通過程では、金融機関は複数の紙幣の記番号等の情報へのアクセスが制限されるため、現金の匿名性が担保される。一方、犯罪が行われる等の事象が発生した場合には、犯罪等に使用された複数の紙幣の記番号等の情報へのアクセスを許可して捜査機関に当該情報を提供することで、紙幣の動きを追う手がかりにできる。
【符号の説明】
【0037】
1 紙幣管理システム
11 紙幣整理機
12 コード作成装置
13 データ作成装置
14 印字装置
21 紙幣
22 帯封等の部材
23 二次元コード
【要約】
【課題】紙幣をより高い精度で管理し、防犯効果を高めることができる紙幣管理方法を提供すること。また、紙幣の個別データを管理することにより、より高い精度で紙幣発行数量を予測することが可能となり、紙幣流通の合理化・厳正化も図ることができる紙幣管理方法を提供すること。
【解決手段】紙幣管理方法は、紙幣整理機11によって、複数の紙幣21の記番号を読み取る読み取り工程S1と、コード作成装置12によって、読み取られた複数の紙幣21の記番号に、複数の記番号にアクセスするための情報を含むユニークコードを付与し、二次元コード23を作成するコード作成工程S2と、印字装置14によって、作成された二次元コード23を、複数の紙幣21を束ねる帯封等の部材22に印字する印字工程S4と、を備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3