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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-27
(45)【発行日】2022-08-04
(54)【発明の名称】操作装置
(51)【国際特許分類】
   G05G 9/047 20060101AFI20220728BHJP
   G05G 1/02 20060101ALI20220728BHJP
   A63F 13/24 20140101ALI20220728BHJP
   H01C 10/22 20060101ALI20220728BHJP
   H01C 10/32 20060101ALI20220728BHJP
   H01C 10/38 20060101ALI20220728BHJP
   G06F 3/0338 20130101ALI20220728BHJP
【FI】
G05G9/047
G05G1/02 A
A63F13/24
H01C10/22
H01C10/32 L
H01C10/38 A
G06F3/0338 411
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021501685
(86)(22)【出願日】2020-01-14
(86)【国際出願番号】 JP2020000884
(87)【国際公開番号】W WO2020174902
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-06-09
(31)【優先権主張番号】P 2019036282
(32)【優先日】2019-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】岡西 紀昌
(72)【発明者】
【氏名】下村 尚登
(72)【発明者】
【氏名】内田 亮介
(72)【発明者】
【氏名】田中 早紀
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 和彦
【審査官】西藤 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-22463(JP,A)
【文献】実公昭49-47002(JP,Y1)
【文献】特開2003-308127(JP,A)
【文献】特開2011-60213(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05G 9/047
G05G 1/02
A63F 13/24
H01C 10/22
H01C 10/32
H01C 10/38
G06F 3/0338
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通孔が設けられた筐体と、
前記筐体の貫通孔を介し、前記筐体内に挿通された傾倒操作可能なレバーと、
前記レバーを第1の方向に傾倒させることにより回動する第1のアクチュエータと、
前記第1のアクチュエータの駆動伝達部と接続された第1の摺動部と、
基板の表面に設けられた第1の抵抗層と、
を有し、
前記第1の摺動部の可動電極は、前記第1の抵抗層と接触し、
前記第1の摺動部は、前記第1のアクチュエータの回動により、前記筐体の内側に設けられた溝部の内部を前記第1の方向に移動し、
前記第1の摺動部は、前記溝部の側面に対して付勢されたことを特徴とする操作装置。
【請求項2】
前記溝部の天面は前記基板面に対し傾斜し、
前記可動電極は弾性を有し、
前記可動電極の復元力により、前記第1の摺動部の上面が、前記溝部の前記天面に接触することによって、前記第1の摺動部は、前記溝部の側面に接触して付勢されたことを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記第1の摺動部の前記上面が、前記基板面に対して傾斜していることを特徴とする請求項2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記第1の摺動部の側面が、前記溝部の側面に接触した状態で、前記第1の摺動部は、前記溝部の内部を移動することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の操作装置。
【請求項5】
前記第1の摺動部の側面には突起部が設けられ、
前記第1の摺動部の側面に設けられた前記突起部が、前記溝部の側面に接触した状態で、前記第1の摺動部は、前記溝部の内部を移動することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の操作装置。
【請求項6】
前記レバーを前記第1の方向と直交する第2の方向に傾倒させることにより回動する第2のアクチュエータと、
前記第2のアクチュエータの駆動伝達部と接続された第2の摺動部と、
前記基板の表面に設けられた第2の抵抗層と、
を有し、
前記第2の摺動部の可動電極は、前記第2の抵抗層と接触し、
前記第2の摺動部は、前記第2のアクチュエータの回動により、前記筐体の内側に設けられた溝部の内部を前記第2の方向に移動し、
前記第2の摺動部は、前記溝部の側面に対して付勢されたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の操作装置。
【請求項7】
前記レバーは、前記レバーを押下することにより、前記第1の方向及び前記第2の方向と直交する第3の方向に移動し、
前記第2のアクチュエータは、前記レバーの移動に伴い前記第3の方向に移動し、押圧部材を介して前記基板に設けられているスイッチを押下することを特徴とする請求項6に記載の操作装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ゲーム機のコントローラ等においては、ジョイスティック等のレバーを傾倒することにより、操作情報を入力することのできる操作装置が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-22462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ゲーム機のコントローラ等を用いてゲームを行う場合には、レバーを傾倒する操作が頻繁に行われる。このため、長期間使用しても、正確に操作情報を入力することのできる信頼性の高い操作装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施の形態の一観点によれば、貫通孔が設けられた筐体と、前記筐体の貫通孔を介し、前記筐体内に挿通された傾倒操作可能なレバーと、前記レバーを第1の方向に傾倒させることにより回動する第1のアクチュエータと、前記第1のアクチュエータの駆動伝達部と接続された第1の摺動部と、基板の表面に設けられた第1の抵抗層と、を有し、前記第1の摺動部の可動電極は、前記第1の抵抗層と接触し、前記第1の摺動部は、前記第1のアクチュエータの回動により、前記筐体の内側に設けられた溝部の内部を前記第1の方向に移動し、前記第1の摺動部は、前記溝部の側面に対して付勢されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
開示の操作装置によれば、長期間使用した場合であっても、正確に操作情報を入力することができ、高い信頼性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施の形態における操作装置の斜視図
図2】第1の実施の形態における操作装置の分解斜視図
図3】第1の実施の形態における操作装置の内部構造の斜視図
図4】第1の実施の形態における操作装置の断面図(1)
図5】第1の実施の形態における操作装置の断面図(2)
図6】第1の実施の形態における操作装置の基板の平面図
図7】第1の実施の形態における操作装置の第1の摺動部の斜視図(1)
図8】第1の実施の形態における操作装置の第1の摺動部の斜視図(2)
図9】第1の実施の形態における操作装置の第2の摺動部の斜視図(1)
図10】第1の実施の形態における操作装置の第2の摺動部の斜視図(2)
図11】第1の実施の形態における操作装置の第1の摺動部の動作の説明図(1)
図12】第1の実施の形態における操作装置の第1の摺動部の動作の説明図(2)
図13】第1の実施の形態における操作装置の第2の摺動部の動作の説明図(1)
図14】第1の実施の形態における操作装置の第2の摺動部の動作の説明図(2)
図15】第1の実施の形態における操作装置のカバーの説明図
図16】第1の実施の形態における操作装置の説明図(1)
図17】第1の実施の形態における操作装置の説明図(2)
図18】第2の実施の形態における操作装置の内部構造の斜視図
図19】第2の実施の形態における操作装置の第1の摺動部の斜視図
図20】第2の実施の形態における操作装置の第2の摺動部の斜視図
図21】第2の実施の形態における操作装置の説明図(1)
図22】第2の実施の形態における操作装置の説明図(2)
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。尚、本願においては、X1-X2方向、Y1-Y2方向、Z1-Z2方向を相互に直交する方向とする。また、X1-X2方向及びY1-Y2方向を含む面をXY面と記載し、Y1-Y2方向及びZ1-Z2方向を含む面をYZ面と記載し、Z1-Z2方向及びX1-X2方向を含む面をZX面と記載する。
【0009】
〔第1の実施の形態〕
最初に、ゲーム機のコントローラ等に用いられる操作装置について説明する。この操作装置は、ジョイスティック等とも呼ばれるものであり、レバーを傾倒させることにより、操作方向の情報を入力するものである。具体的には、レバーを傾倒させると、これに連動して動く可動電極が設けられており、この可動電極は基板に設けられた抵抗層に接触して移動する。可動電極及び可動電極と接触している抵抗層には電圧が印加されており、抵抗層に接し可動電極が移動することにより、抵抗層において電流の流れる領域の長さが変化するため、抵抗値が変化する。このような抵抗値の変化を検出することにより、操作方向の情報を入力することができる。2次元方向における操作情報を入力するために、可動電極及び抵抗層はX方向及びY方向に各々対応して2つ設けられている。
【0010】
ところで、可動電極は、導電性を有する金属材料により形成されており、抵抗層は、所定の抵抗率を有する材料、例えば、炭素(C)により形成されている。このため、ゲーム等において、レバーを傾倒させる操作を長期間にわたり頻繁に行った場合、可動電極と接触している抵抗層は、可動電極の移動により削れ、その削れカスが、可動電極の移動する際の軌跡となる部分の両側に堆積する。抵抗層において可動電極が移動する際の軌跡が、常に同じであれば問題はないが、可動電極の辿る軌跡が、通常辿る軌跡よりもずれた場合には、可動電極は、抵抗層に堆積した削れカスの上に乗り上げてしまう場合がある。この場合、接触抵抗が極めて高くなるか、電気が流れなくなるため、レバーの操作方向における情報を正確に入力することができなくなる。
【0011】
このため、長期間使用した場合であっても、可動電極の移動の軌跡が常に同じ軌跡を辿り、レバーの操作方向における情報を正確に入力することのできる高い信頼性の操作装置が求められている。
【0012】
(操作装置)
次に、第1の実施の形態における操作装置について、図1図5に基づき説明する。本実施の形態における操作装置は、レバーを傾倒させる操作を行うことにより、レバーが傾倒した操作方向における情報を高い信頼性で正確に入力することのできるものであり、家庭用ゲーム機や無線操縦機等のコントローラとして使用することのできるものである。尚、図1は、本実施の形態における操作装置の斜視図であり、図2は、分解斜視図であり、図3は、ケースを取り除いた状態の内部の斜視図であり、図4は、YZ面に平行な断面図であり、図5は、ZX面に平行な断面図である。
【0013】
本実施の形態における操作装置は、ケース10、第1のアクチュエータ20、第2のアクチュエータ30、レバー40、コイルバネ50、第3のアクチュエータ60、基板70、フレーム80、第1の摺動部120、第2の摺動部130、押圧部材140等を有している。
【0014】
ケース10は、中央部分に貫通孔11を有しており、この貫通孔11から、レバー40の操作部41がケース10の外に出ている。
【0015】
第1のアクチュエータ20は、Y1-Y2方向に長く形成されており、中央部分に貫通孔21が設けられており、貫通孔21のX1方向及びX2方向の両側が、レバー40と接触する接触部22となっている。また、第1のアクチュエータ20には、Y1側に軸部23、Y2側に軸部24が形成されており、軸部23の近傍には、Z2方向に延びる駆動伝達部25が形成されており、駆動伝達部25のZ2側の端部には、U字状の開口部26が形成されている。
【0016】
第2のアクチュエータ30は、X1-X2方向に長く形成されており、中央部分に貫通孔31が設けられており、貫通孔31のY1方向及びY2方向の両側が接触部32となっている。また、第2のアクチュエータ30には、X1側に軸部33、X2側に軸部34が形成されており、軸部34の近傍には、Z2方向に延びる駆動伝達部35が形成されており、駆動伝達部35のZ2側の端部には、U字状の開口部36が形成されている。また、Y1側及びY2側には、略円形の貫通孔37が形成されている。
【0017】
レバー40は、Z1-Z2方向に長く形成されており、Z1側の操作部41と、駆動伝達部42とを有しており、駆動伝達部42のY1側及びY2側には凸部43が設けられている。
【0018】
第3のアクチュエータ60は、Z1-Z2方向に長く形成されており、Z1側の軸部61とZ2側の略円形の底部62とを有している。
【0019】
基板70は、長方形のプリント基板であって、XY面に平行に設置されている。図6にも示されるように、基板70は、Z1側の面に、X1-X2方向が長手方向となる第1の抵抗層71と、Y1-Y2方向が長手方向となる第2の抵抗層72とが形成されており、X1側には、スイッチ73が設けられている。第1の抵抗層71及び第2の抵抗層72は、炭素により形成されている。
【0020】
また、Y2側の端部には、電極端子74が設けられており、電極端子74を介し、第1の抵抗層71、第2の抵抗層72に電圧を印加することができ、スイッチ73に電力を供給することができる。基板70の中央よりもややX2側には、貫通孔75が設けられており、図2等に示されるように、フレーム80に設けられた円形状の底面部81が露出している。
【0021】
第1の摺動部120は、図7及び図8にも示されるように、X1-X2方向に長く形成されており、内側となるY2側の中央部分には、突起部121が設けられている。また、第1の摺動部120の外側となるY1側には、ZX面と略平行に形成された接触側面122が設けられており、Z1側の上面123は、内側となるY2側よりも外側となるY1側の方が高くなるように傾斜している。接触側面122は、後述するケース10の側面16bとの接触面積を減らし、摩擦を少なくするため、X1側の端部とX2側の端部の2ヶ所に設けられている。接触側面122が1つの場合、第1の摺動部120が移動する際にX1-X2方向に対し傾く場合があることから、第1の摺動部120が同じ軌跡を辿り移動するためには、接触側面122は、X1側の端部とX2側の端部の2ヶ所に設けた方が好ましい。また、第1の摺動部120のZ2側には、ブラシとも呼ばれる可動電極125が設けられている。可動電極125は、例えば、リン青銅により形成されている。
【0022】
第2の摺動部130は、図9及び図10にも示されるように、Y1-Y2方向に長く形成されており、内側となるX1側の中央部分には、突起部131が設けられている。また、第2の摺動部130の外側となるX2側には、YZ面と略平行に形成された接触側面132が設けられており、Z1側の上面133は、内側となるX1側よりも外側となるX2側の方が高くなるように傾斜している。接触側面132は、後述するケース10の側面17bとの接触面積を減らし、摩擦を少なくするため、Y1側の端部とY2側の端部の2ヶ所に設けられている。接触側面132が1つの場合、第2の摺動部130が移動する際にY1-Y2方向に対し傾く場合があることから、第2の摺動部130が同じ軌跡を辿り移動するためには、接触側面132は、Y1側の端部とY2側の端部の2ヶ所に設けた方が好ましい。また、第2の摺動部130のZ2側には、ブラシとも呼ばれる可動電極135が設けられている。可動電極135は、例えば、リン青銅により形成されている。
【0023】
本実施の形態においては、基板70は、XY面に平行であるため、第1の摺動部120の上面123及び第2の摺動部130の上面133は、基板70面に対し傾斜している。
【0024】
押圧部材140は、Z1側の接触部141と、Z2側の押下部142とを有している。
【0025】
本実施の形態における操作装置は、フレーム80のZ1側の面に基板70が設置されており、基板70の貫通孔75において露出しているフレーム80の底面部81の上には、第3のアクチュエータ60の底部62が設置されている。第3のアクチュエータ60の軸部61には、コイルバネ50が入れられており、更に、上からレバー40の駆動伝達部42の側が入れられている。レバー40の内部には、図4及び図5に示されるように、第3のアクチュエータ60の軸部61が駆動伝達部42側から入れられるように、開口部44が設けられている。
【0026】
第2のアクチュエータ30は、レバー40の駆動伝達部42を覆うように取り付けられており、第2のアクチュエータ30の貫通孔31には、操作部41が外に出るように、レバー40が入れられている。また、レバー40の駆動伝達部42のY1側及びY2側に設けられた凸部43は、第2のアクチュエータ30の貫通孔37内に入っており、レバー40をX1側及びX2側に傾倒した際に、凸部43を軸にレバー40が回動可能である。
【0027】
第1のアクチュエータ20は、第2のアクチュエータ30を覆うように取り付けられており、第1のアクチュエータ20の貫通孔21には、操作部41が外に出るように、レバー40が入れられている。
【0028】
ケース10は、基板70、第1の摺動部120、第2の摺動部130、押圧部材140、第1のアクチュエータ20、第2のアクチュエータ30、第3のアクチュエータ60、レバー40の駆動伝達部42を覆うように被せられており、ケース10の貫通孔11からは、レバー40の操作部41が露出している。
【0029】
本実施の形態においては、ケース10とフレーム80により、操作装置の筐体が形成される。具体的には、ケース10とフレーム80とは、ケース10のZ1側の四隅に設けられた接続面10aが、フレーム80の四隅に設けられたフック82により押さえられ、フレーム80に対しケース10がZ1方向に動かないように固定されている。
【0030】
ケース10を被せることにより、第1のアクチュエータ20及び第2のアクチュエータ30は、回動可能な状態で係止される。
【0031】
具体的には、図4に示されるように、第1のアクチュエータ20は、ケース10の内側の係止部12によりY1側の軸部23が係止され、係止部13によりY2側の軸部24が係止される。このように、係止部12及び係止部13により、軸部23及び軸部24が係止されている状態では、第1のアクチュエータ20は、Y1-Y2方向に沿った回転軸を中心に回動可能である。
【0032】
また、図5に示されるように、第2のアクチュエータ30は、ケース10の内側の係止部14によりX1側の軸部33が係止され、係止部15によりX2側の軸部34が係止される。このように、係止部14及び係止部15により、軸部33及び軸部34が係止されている状態では、第2のアクチュエータ30は、X1-X2方向に沿った回転軸を中心に回動可能である。
【0033】
また、レバー40をZ2方向に押すと、レバー40とともに、第2のアクチュエータ30はZ2方向に動く。具体的には、第2のアクチュエータ30の軸部34を支点として、軸部33がZ2方向に揺動して押圧部材140の接触部141と接触し、押圧部材140をZ2方向側に押して動かす。このように、押圧部材140をZ2方向側に動かすことにより、押圧部材140の押下部142が、スイッチ73を押し、スイッチ73をオンにすることができる。
【0034】
この状態では、コイルバネ50はZ1-Z2方向に縮んでおり、Z1-Z2方向に伸びる復元力が生じている。よって、レバー40をZ2方向に押している力がなくなると、コイルバネ50に生じた復元力により、レバー40は、Z1方向に押し上げられ、元の状態に戻すことができる。
【0035】
(第1の摺動部120、第2の摺動部130)
次に、図11及び図12に基づき、第1のアクチュエータ20と第1の摺動部120との関係について説明する。図11及び図12は、第1のアクチュエータ20及び第1の摺動部120を異なる方向から見た斜視図である。
【0036】
本実施の形態においては、第1のアクチュエータ20の駆動伝達部25のZ2側の端部の開口部26内に、第1の摺動部120の突起部121が入れられている。図3等に示される状態より、レバー40がX1方向側またはX2方向側に倒された場合には、第1のアクチュエータ20の貫通孔21内に入れられているレバー40の一部が、第1のアクチュエータ20の接触部22と接触し、第1のアクチュエータ20が、軸部23、24を軸に回動し、駆動伝達部25が動く。駆動伝達部25のZ2側の端部の開口部26には、第1の摺動部120の突起部121が入っており、駆動伝達部25の動きに伴い、第1の摺動部120は、X1-X2方向に動かされる。第1の摺動部120のZ2側には、可動電極125が設けられており、可動電極125は第1の抵抗層71と接触している。第1の摺動部120がX1-X2方向に移動することにより、可動電極125と接触している第1の抵抗層71の位置が変化し、抵抗値が変化する。
【0037】
次に、図13及び図14に基づき、第2のアクチュエータ30と第2の摺動部130との関係について説明する。図13及び図14は、第2のアクチュエータ30及び第2の摺動部130を異なる方向から見た斜視図である。
【0038】
本実施の形態においては、第2のアクチュエータ30の駆動伝達部35のZ2側の端部の開口部36内に、第2の摺動部130の突起部131が入れられている。図3等に示される状態より、レバー40がY1方向側またはY2方向側に倒された場合には、第2のアクチュエータ30の貫通孔31内に入れられているレバー40の一部が、第2のアクチュエータ30の接触部32と接触し、第2のアクチュエータ30が、軸部33、34を軸に回動し、駆動伝達部35が動く。駆動伝達部35のZ2側の端部の開口部36には、第2の摺動部130の突起部131が入っており、駆動伝達部35の動きに伴い、第2の摺動部130はY1-Y2方向に動かされる。第2の摺動部130のZ2側には、可動電極135が設けられており、可動電極135は第2の抵抗層72と接触している。第2の摺動部130がY1-Y2方向に移動することにより、可動電極135と接触している第2の抵抗層72の位置が変化し、抵抗値が変化する。
【0039】
上記においては、レバー40をX1-X2方向及びY1-Y2方向に傾倒させる場合について説明したが、本実施の形態における操作装置は、同時にX1-X2方向とY1-Y2方向との間の方向に傾倒させることも可能であり、360°の方向に傾倒させることができる。
【0040】
尚、レバー40がX1方向側またはX2方向側に傾倒している状態においては、第3のアクチュエータ60も傾倒し、第3のアクチュエータ60のZ2側の底部62は、フレーム80の底面部81に押され、コイルバネ50は縮み、コイルバネ50の伸びる方向に復元力が生じている。従って、レバー40をX1方向側またはX2方向側に傾倒している力がなくなると、コイルバネ50に生じた復元力により、レバー40が傾倒している状態から、元の状態に戻る。
【0041】
また、レバー40がY1方向側またはY2方向側に傾倒している状態においては、第3のアクチュエータ60も傾倒し、第3のアクチュエータ60のZ2側の底部62は、フレーム80の底面部81に押され、コイルバネ50は縮み、コイルバネ50の伸びる方向に復元力が生じている。従って、レバー40をY1方向側またはY2方向側に傾倒している力がなくなると、コイルバネ50に生じた復元力により、レバー40が傾倒している状態から、元の状態に戻る。
【0042】
また、本実施の形態においては、図15に示されるように、ケース10の内側には、第1の摺動部120の移動方向であるX1-X2方向に沿った溝部16が設けられており、溝部16のZ1側の天面16aは、XY面に対し傾斜しており、外側となるY1側の側面16bは、ZX面に平行に形成されている。また、第2の摺動部130の移動方向であるY1-Y2方向に沿った溝部17が設けられており、溝部17のZ1側の天面17aは、XY面に対し傾斜しており、外側となるX2側の側面17bは、YZ面に平行に形成されている。基板70は、XY面に平行であるため、溝部16の天面16a及び溝部17の天面17aは、基板70面に対し傾斜している。
【0043】
本実施の形態においては、図16に示すように、第1の摺動部120の一部は、ケース10の内側の溝部16内に入っている。第1の摺動部120のZ2側に取り付けられている可動電極125は、リン青銅等の金属材料により形成されており弾性を有している。このため、ケース10が取り付けられている状態では、可動電極125はZ1-Z2方向に縮んでおり、Z1-Z2方向に伸びる復元力が生じている。この可動電極125に生じている復元力により、第1の摺動部120は全体がZ1側に押されているが、第1の摺動部120の上面123は、Y2側よりもY1側が高くなるように傾斜しており、ケース10の内側の溝部16の天面16aは、Y2側よりもY1側が深くなるように傾斜している。よって、第1の摺動部120がZ1方向に押される力が加わると、第1の摺動部120の上面123の傾斜と、ケース10の溝部16の天面16aの傾斜により、第1の摺動部120は、Y1側に押され、第1の摺動部120の接触側面122は、溝部16のY1側の側面16bに接触する。これにより、レバー40の操作により、第1の摺動部120が溝部16内を移動しても、第1の摺動部120の接触側面122と、溝部16の側面16bとが接触している状態が保たれ、第1の摺動部120がX1-X2方向に移動する際に、第1の摺動部120の可動電極125は、第1の抵抗層71上の同じ軌跡を辿る。よって、長期間使用した場合であっても、正確な操作方向における情報を入力することができる。
【0044】
また、図17に示すように、第2の摺動部130の一部は、ケース10の内側の溝部17内に入っている。第2の摺動部130のZ2側に取り付けられている可動電極135は、リン青銅等の金属材料により形成されており弾性を有している。このため、ケース10が取り付けられている状態では、可動電極135はZ1-Z2方向に縮んでおり、Z1-Z2方向に伸びる復元力が生じている。この可動電極135に生じている復元力により、第2の摺動部130は全体がZ1側に押されているが、第2の摺動部130の上面133は、X1側よりもX2側が高くなるように傾斜しており、ケース10の内側の溝部17の天面17aは、X1側よりもX2側が深くなるように傾斜している。よって、第2の摺動部130がZ1方向に押される力が加わると、第2の摺動部130の上面133の傾斜と、ケース10の溝部17の天面17aの傾斜により、第2の摺動部130は、X2側に押され、第2の摺動部130の接触側面132は、溝部17のX2側の側面17bに接触する。これにより、レバー40の操作により、第2の摺動部130が溝部17内を移動しても、第2の摺動部130の接触側面132と、溝部17の側面17bとが接触している状態が保たれ、第2の摺動部130がY1-Y2方向に移動する際に、第2の摺動部130の可動電極135は、第2の抵抗層72上の同じ軌跡を辿る。よって、長期間使用した場合であっても、正確な操作方向における情報を入力することができる。
【0045】
尚、レバー40をZ2方向に押下した場合には、前述した軸部33の揺動に伴い、駆動伝達部35も揺動する。このとき、第2の摺動部130の突起部131に対して駆動伝達部35のU字状の開口部36が移動する。この際、第2の摺動部130の上面133やケース10の溝部17の天面17aが傾斜していないとすると、第2の摺動部130の突起部131に対して第2のアクチュエータ30の駆動伝達部35の開口部36が移動する際に、互いに接触して、第2の摺動部130がX1-X2方向に動いてしまう場合がある。しかしながら、本実施の形態においては、第2の摺動部130の上面133やケース10の溝部17の天面17aが傾斜しており、第2の摺動部130の接触側面132は、溝部17のY1側の側面17bに接触するような力が働いているため、第2の摺動部130は、X1-X2方向に動くことはなく、第2の摺動部130は、Y1-Y2方向に同じ軌跡を辿り移動する。
【0046】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、図18から図20に示されるように、第1の摺動部220の側面222に、Y1側に凸となる突起部224が設けられており、第2の摺動部230の側面232に、X2側に凸となる突起部234が設けられている構造のものである。第1の摺動部220の側面222に設けられた突起部224は、1つの側面222にX1-X2方向に伸びるように2つ設けられており、第2の摺動部230の側面232に設けられた突起部234は、1つの側面232にY1-Y2方向に伸びるように2つ設けられている。
【0047】
図19に示されるように、第1の摺動部220の側面222は、X1側とX2側の2ヶ所に設けられており、各々の側面222には、一方の突起部224がZ1側、他方の突起部224がZ2側であって、2つの突起部224の伸びる方向が平行となるように形成されている。突起部224が1つの場合では、第1の摺動部220がZX面に対し傾く場合があるため、可動電極125が同じ軌跡を辿るようにするためには、第1の摺動部220の側面222には、2つの突起部224を設けた方が好ましい。
【0048】
また、図20に示されるように、第2の摺動部230の側面232は、Y1側とY2側の2ヶ所に設けられており、各々の側面232には、一方の突起部234がZ1側、他方の突起部234がZ2側であって、2つの突起部234の伸びる方向が平行となるように形成されている。突起部234が1つの場合では、第2の摺動部230がYZ面に対し傾く場合があるため、可動電極135が同じ軌跡を辿るようにするためには、第2の摺動部230の側面232には、2つの突起部234を設けた方が好ましい。
【0049】
本実施の形態においては、第1の摺動部220に突起部224を設けることにより、図21に示されるように、第1の摺動部220とケース10の内側とは、第1の摺動部220に突起部224とケース10の内側の溝部16の側面16bとにおいて接触する。これにより、第1の摺動部220とケース10とが接触する面積を減らすことができる。このように、第1の摺動部220と溝部16の側面16bとが接触する面積を減らすことにより、第1の摺動部220と、ケース10の内側の溝部16の側面16bとの間で生じる摩擦が減るため、第1の摺動部220のX1-X2方向における移動が円滑となる。
【0050】
また、第2の摺動部230に突起部234を設けることにより、図22に示されるように、第2の摺動部230とケース10の内側とは、第2の摺動部230に突起部234とケース10の内側の溝部17の側面17bとにおいて接触する。これにより、第2の摺動部230とケース10とが接触する面積を減らすことができる。このように、第2の摺動部230と溝部17の側面17bとが接触する面積を減らすことにより、第2の摺動部230と、ケース10の内側の溝部17の側面17bとの間で生じる摩擦が減るため、第2の摺動部230のY1-Y2方向における移動が円滑となる。
【0051】
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【0052】
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。一例として、本明細書において溝部は、図16の符号16、及び図17の符号17で示されるような略U字形状で示されるが、この形状に限定されるものではなく、本願発明を実現し得る範囲内において、溝部は、摺動部を所定位置に維持しつつ摺動部の移動(摺動)を可能とするような任意の案内構造を含むことを意図する。
【0053】
尚、本国際出願は、2019年2月28日に出願した日本国特許出願第2019-036282号に基づく優先権を主張するものであり、その出願の全内容は本国際出願に援用する。
【符号の説明】
【0054】
10 ケース
11 貫通孔
12、13、14、15 係止部
16 溝部
16a 天面
16b 側面
17 溝部
17a 天面
17b 側面
20 第1のアクチュエータ
21 貫通孔
22 接触部
23、24 軸部
25 駆動伝達部
26 開口部
30 第2のアクチュエータ
31 貫通孔
32 接触部
33、34 軸部
35 駆動伝達部
36 開口部
37 貫通孔
40 レバー
41 操作部
42 駆動伝達部
43 凸部
50 コイルバネ
60 第3のアクチュエータ
61 軸部
62 底部
70 基板
71 第1の抵抗層
72 第2の抵抗層
73 スイッチ
74 電極端子
75 貫通孔
80 フレーム
81 底面部
82 フック
120 第1の摺動部
121 突起部
122 接触側面
123 上面
125 可動電極
130 第2の摺動部
131 突起部
132 接触側面
133 上面
135 可動電極
140 押圧部材
141 接触部
142 押下部





図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22