(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-27
(45)【発行日】2022-08-04
(54)【発明の名称】望ましい容量係数を提供するACオーバービルト再生可能電気生成リソース及び電荷ストレージ装置を利用するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H02J 3/32 20060101AFI20220728BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20220728BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20220728BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20220728BHJP
【FI】
H02J3/32
H02J3/38 130
H02J3/38 160
H02J7/00 303B
H02J7/35 K
(21)【出願番号】P 2021531864
(86)(22)【出願日】2020-12-16
(86)【国際出願番号】 US2020065346
(87)【国際公開番号】W WO2021225632
(87)【国際公開日】2021-11-11
【審査請求日】2021-08-03
(32)【優先日】2020-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521240675
【氏名又は名称】8エムイー ノバ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ブトゲンバッハ,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ハンセン,ルーカス
(72)【発明者】
【氏名】ガノー-ハリデー,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】アーノルド,エミリー
【審査官】大手 昌也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-167461(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106786804(CN,A)
【文献】国際公開第2015/106814(WO,A1)
【文献】特開2016-063637(JP,A)
【文献】特開2019-115233(JP,A)
【文献】特開2020-022241(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/32
H02J 3/38
H02J 7/00
H02J 7/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
統合型の再生可能エネルギーソース及びエネルギーストレージシステム(RES-ESS)設備であって、配電網相互接続点において配電網に電力を供給するように構成された、且つ、前記RES-ESS設備から前記配電網に供給されるべき最大電力値を表す配電網相互接続点(POGI)限度を有する、統合型の再生可能エネルギーソース及びエネルギーストレージシステム(RES-ESS)設備において、
電力を生成するように構成された再生可能エネルギーソース(RES)であって、前記RESによって生成される前記電力は
、直流(DC)電力を有する、再生可能エネルギーソース(RES)と、
前記RESと前記配電網相互接続点の間において結合された少なくとも1つの第1パワーインバータであって、
前記RESのDC電力を
前記RES
の交流(AC)電力に変換するように構成された少なくとも1つの第1パワーインバータと、
前記RESによって生成された電力によって充電されるように構成されたエネルギーストレージシステム(ESS)と、
(i)前記ESSと前記配電網相互接続点の間において、且つ、(ii)前記少なくとも1つの第1パワーインバータと前記配電網相互接続点の間において、結合された少なくとも1つの第2パワーインバータと、
(a)前記RES-ESS設備に対応付けられた空撮像センサからのデータ、(b)衛星撮像センサからのデータ、又は(c)気象データに少なくとも部分的に基づいた前記RESのエネルギー生成の時間依存性予測を有する予測信号を生成するように構成された予測ユニットと、
を有し、
前記少なくとも1つの第2パワーインバータは、(a)前記ESSを前記RESのAC電力によって充電する際に、
前記RESのAC電力を
前記ESSのDC電力に変換するように、且つ、(b)前記ESSのAC電力を前記配電網に放電する際には、
前記ESSのDC電力を
前記ESSのAC電力に変換するように、構成され、
前記少なくとも1つの第1パワーインバータの総出力容量は、前記POGI限度を超過するようにサイズ設定されており、
前記RES-ESS設備は、前記POGI限度を超過する状態において
前記RESのAC電力を前記配電網に供給することを回避するのに十分な量において
前記RESのAC電力を前記少なくとも1つの第2パワーインバータに分流するように構成されており、且つ、
前記RES-ESS設備は、前記ESSの充電状態(SOC)スケジュールが充足されるのを保証する、前記ESS用の時変充電/放電制御信号を生成するために、前記予測信号を使用するように構成されている、統合型のRES-ESS設備。
【請求項2】
前記POGI限度に等しい量において
前記RESのAC電力を前記配電網に供給するように、且つ、前記ESSを充電するべく
前記RESのAC電力を前記少なくとも1つの第2パワーインバータに同時に供給するように、構成されている請求項1に記載の統合型のRES-ESS設備。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1パワーインバータの前記総出力容量は、(i)前記POGI限度及び(ii)前記ESSの容量の合計に等しくなるようにサイズ設定されている請求項1に記載の統合型のRES-ESS設備。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第1パワーインバータの前記総出力容量は、少なくとも10%だけ、前記POGI限度を超過するようにサイズ設定されている請求項1に記載の統合型のRES-ESS設備。
【請求項5】
前記少なくとも1つの第1パワーインバータの前記総出力容量は、少なくとも30%だけ、前記POGI限度を超過するようにサイズ設定されている請求項1に記載の統合型のRES-ESS設備。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1パワーインバータの前記総出力容量は、少なくとも50%だけ、前記POGI限度を超過するようにサイズ設定されている請求項1に記載の統合型のRES-ESS設備。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第1パワーインバータの前記総出力容量は、少なくとも100%だけ、前記POGI限度を超過するようにサイズ設定されている請求項1に記載の統合型のRES-ESS設備。
【請求項8】
前記RESは、太陽光発電アレイを有する請求項1に記載の統合型のRES-ESS設備。
【請求項9】
前記RESは、1つ又は複数の風力タービンを有する請求項1に記載の統合型のRES-ESS設備。
【請求項10】
少なくとも33kVの電圧においてAC電力を前記配電網に供給するように構成されている請求項1に記載の統合型のRES-ESS設備。
【請求項11】
電力を配電網相互接続点において配電網に供給するように構成された統合型の再生可能エネルギーソース及びエネルギーストレージシステム(RES-ESS)設備を制御する方法であって、前記RES-ESS設備は、再生可能エネルギーソース(RES)及び前記RESによって生成された電力によって充電可能であるエネルギーストレージシステム(ESS)を含み、且つ、前記RES-ESS設備は、
前記RES-ESS設備から前記配電網に供給されるべき最大電力値を表す配電網相互接続点(POGI)限度を有する、方法において、
前記RESと前記配電網相互接続点の間において結合された少なくとも1つの第1パワーインバータを提供することであって、前記少なくとも1つの第1パワーインバータは、
前記RES
の直流(DC)電力を
前記RES
の交流(AC)電力に変換するように構成されており、且つ、前記少なくとも1つの第1パワーインバータの総出力容量は、前記POGI限度を超過するようにサイズ設定されている、ことと、
(i)前記ESSと前記配電網相互接続点の間において、且つ、(ii)前記少なくとも1つの第1パワーインバータと前記配電網相互接続点の間において、結合された少なくとも1つの第2パワーインバータを提供することであって、前記少なくとも1つの第2パワーインバータは、(a)前記ESSを
前記RESのAC電力によって充電する際に、
前記RESのAC電力を
前記ESSのDC電力に変換するように、且つ、(b)前記ESSのAC電力を前記配電網に放電する際には、
前記ESSのDC電力を
前記ESSのAC電力に変換するように、構成されている、ことと、
(a)前記RES-ESS設備に対応付けられた空撮像センサからのデータ、(b)衛星撮像センサからのデータ、又は(c)気象データに少なくとも部分的に基づいた前記RESのエネルギー生成の時間依存性予測を有する予測信号を生成することと、
前記RESのAC電力の第1部分を前記配電網に供給しつつ、前記POGI限度を超過する状態において
前記RESのAC電力を前記配電網に供給することを回避するのに十分な量において前記RESのAC電力の第2部分を前記少なくとも1つの第2パワーインバータに分流することと、
前記ESSの充電状態(SOC)スケジュールが充足されるのを保証する、前記ESS用の時変充電/放電制御信号を生成するために、前記予測信号を使用することと、
を有する方法。
【請求項12】
少なくとも8時間/日の持続時間にわたって前記POGI限度の少なくとも80%の固定常時容量において前記配電網に
前記RESのAC電力を供給することを更に有する請求項11に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも16時間/日の持続時間にわたって前記POGI限度の少なくとも80%の固定常時容量において前記配電網に
前記RESのAC電力を供給することを更に有する請求項11に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも8時間/日の持続時間にわたって前記POGI限度の少なくとも90%の固定常時容量において前記配電網に
前記RESのAC電力を供給することを更に有する請求項11に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも16時間/日の持続時間にわたって前記POGI限度の少なくとも90%の固定常時容量において前記配電網に
前記RESのAC電力を供給することを更に有する請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記RESは、太陽光発電アレイを有する請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記RESのAC電力を前記配電網に前記供給することは、少なくとも33kVの電圧において
前記RESのAC電力を供給することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記ESSは、前記RESによって生成された電力によって排他的に充電されており、且つ、前記配電網から電力を受け取るように構成されてはいない請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記RESは、1つ又は複数の風力タービンを有する請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記ESSは、前記RESによって生成された電力によって排他的に充電されており、且つ、前記配電網から電力を受け取るように構成されてはいない請求項1に記載の統合型のRES-ESS設備。
【請求項21】
前記RESの前記予測信号と、実際のエネルギー生成との間の差に基づいて、前記時変充電/放電制御信号を定期的に更新することを更に有する請求項11に記載の方法。
【請求項22】
前記RESの前記予測信号と、実際のエネルギー生成との間の差に基づいて、前記時変充電/放電制御信号を定期的に更新するように、構成されている請求項1に記載の統合型のRES-ESS設備。
【請求項23】
負荷を更に有し、前記POGI限度を超過する状態において
前記RESのAC電力を前記配電網に供給することを回避するのに十分な量において
前記RESのAC電力を前
記負荷に分流するように構成されている、請求項1に記載の統合型のRES-ESS設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2020年12月11日付けで出願された米国特許出願第17/120,006号及び2020年5月4日付けで出願された米国仮特許出願第63/020,009号の優先権を主張するものであり、これらの特許出願の開示内容は、引用により、そのすべてが本明細書に包含される。
【0002】
技術分野
[0002] 本明細書における主題は、総パワー出力を配電網に供給するように構成された統合型の再生可能電気エネルギー生成リソース及びエネルギーストレージ設備のみならず、このような設備を制御する、且つ、このような設備の潜在的なエネルギー出力用のパワー供給トランザクションを実装する、方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
[0003] 近年、太陽光発電(PV)及び風力発電機などの再生可能電気生成リソースが、大幅に拡大している。自然及び天候の状態に起因した太陽光及び風力発電の不安定な特性は、ネットワークの周波数及び電圧の逸脱を結果的にもたらす可能性がある。再生可能電気生成リソースが、電気供給のうちの相対的に大きな割合を提供することを開始すると共に、石炭火力発電及び原子力発電ユニットなどの従来のベースロード電気生成ユニットを置換することを開始するのに伴って、配電網との相互接続、パワーの品質、信頼性、安定性、保護、並びに、生成ディスパッチ及び制御などの技術的な課題が生じている。太陽光及び風力発電の間欠的な特性と、その出力における迅速な変動と、に起因し、変動をスムージングし、且つ、再生可能生成リソースから配電網に供給されるエネルギーの予測可能性を改善する、などのように、配電網との間の互換性を改善するために、(電池エネルギーストレージ又はBESSなどの)エネルギーストレージ装置との間のその組合せが、魅力的なものになっている。従来の再生可能エネルギーリソースは、リソースの容量係数にほぼ結び付けられた、相対的に低い容量係数を有する(例えば、太陽光の場合には、場所及び天候のパターンに応じて、通常、20%~40%である)。再生可能エネルギーリソースが従来の化石燃料のベースロード発電所を置換した際には、これらは、既存の送電インフラストラクチャを十分に利用しなくなる。これは、新しい送電インフラストラクチャの構築を必要とする場合があり、これは、費用及び時間を所要し、且つ、困難であり(例えば、許可を取得するためのニーズを含む)、この結果、生成される費用/メガワット時、遅延、及び既存の配電網への再生可能な生成の内蔵におけるリスクが増大する。
【0004】
[0004] 再生可能電気生成及び電気エネルギーストレージ装置を同じ場所に配置することにより、サイトの準備、土地の取得、許可の取得、相互接続、設置の労力、ハードウェア、及びオーバーヘッドに関係する費用を低減することにより、費用の節約を提供することができる。これに加えて、電気エネルギーストレージ装置が、通常のように、オンサイトの再生可能電気生成リソースから排他的に充電される、という状況にある場合には、税金の節約も結果的に得ることができると共に、生成及びストレージ装置の同じ場所における配置は、それらの間の送電損失をも極小化することになる。
【0005】
[0005] エネルギーストレージ装置は、さや取りをサポートするべく使用されてもよく、これには、エネルギー価格が低い時間帯においてストレージ装置を充電することと、相対的に高価なピーク需要時間帯における時間帯においてストレージ装置を放電することと、が伴っている。又、エネルギーストレージ装置は、複数の生成リソースのディスパッチを相対的に効率的に調整するべく、負荷の平準化を促進するために使用することもできる。
【0006】
[0006] 生成変動のスムージング及びさや取りの原理を示すべく、
図1を参照されたい。これは、(太陽光発電(PV)アレイ及びBESSを含む)従来のRES-ESS設備の出力プロットであり、一日の06:00~22:00の時間帯におけるPV生成、組み合わせられたPV+BESS出力、及びBESSの充電状態(SOC)、の重畳されたプロットを示している。図示されているように、PV出力は、07:00ごろに始まり、12:00の近くにおいて最大値に増大し、且つ、17:00ごろにゼロに減少しており、PV出力の大きな変動が伴っている。PV出力の一部分は、BESSを充電するべく(即ち、SOCを増大させるべく)使用されていることから、組み合わせられたPV+BESS出力の振幅変動は、PV出力との比較において、大きく減衰している。これに加えて、BESS内において保存されているエネルギーは、17:00~21:00において放電されており、この結果、昼間のパワー生成から、昼間よりもエネルギー価格が高い夕方の時間帯への販売のシフトが可能になっている。
図1において利用されているPVアレイ及びBESSによって提供される生成変動のスムージング及びさや取りの利益にも拘らず、組み合わせられたPV+BESS出力は、依然として、暦日において、非常に大きな変動を有しており、この結果、PV+BESSシステムは、長い持続時間にわたってハイレベルな固定常時容量を提供するには、適していない。
【0007】
[0007] 様々な検討事項が、BESSの稼働状態に影響しうる。リチウムに基づいた電池は、フル充電容量にある又はその近傍にある際には、加速されたレートで劣化しうる。統合型の再生可能電気生成及びチャージストレージ設備のディスパッチを追求する配電網事業者は、所与の日の特定の時点にいて特定の電池の充電状態(SOC)条件の実現を必要としうる(この場合に、SOCは、一般に、更なる放電のために依然として利用可能である電池のフル容量の百分率として定義されている)。又、電池が100%のSOCになったら、関連する再生可能電気生成リソースの電力出力の迅速な増大を吸収することができなくなり、その結果、配電網によって受け取られえない任意の過剰なパワー生成の、望ましくない方式による(例えば、パワーインバータにおけるクリッピングによる)低減が必要となりうる。
【0008】
[0008] BESSの稼働状態に影響しうる更なる検討事項は、補助的サービスを提供するための能力(並びに、この提供について補償される能力)を含む。補助的サービスは、周波数、電圧、及びパワー負荷が特定の限度内に留まることを保証することにより、配電網事業者が、信頼性の高い電気システムを維持することを支援している。補助的サービスの種類は、(例えば、運転予備力、エネルギーの均衡化、及び脱落可能負荷の要件に対処するための)周波数の維持、(例えば、エネルギー搬送に起因した力率補正及びエネルギー損失/浪費に対処するための)電圧補償、(例えば、配電網監視、フィードイン管理、及び再ディスパッチに対処するための)動作管理、及び(例えば、停電のケースにおける配電網の迅速な再開を促進するための)供給の再構築を含む。再生可能エネルギーリソース(例えば、風力及び太陽光発電)の可変性及び不確実性は、様々な補助的サービスの要件を増大させ、これにより、これらのサービスのスケジューリング及び価格設定に影響を及ぼしている。但し、再生可能エネルギーの生成者が、エネルギー生成についてしか、報酬が得られない場合には、これらの生成者は、補助的サービスを提供する意欲がそがれる場合がある。
【0009】
[0009]配電網の送電及び配電インフラストラクチャは、一年のうちの数時間においてのみ発生しうるピーク需要を充足するように、サイズ設定しなければならない。ピーク電気需要の予期される成長が、配電網の既存の容量を超過した際には、機器をアップグレードするべく、且つ、新しいインフラストラクチャを開発するべく、高価な投資が必要とされる。
【0010】
[0010] 電気エネルギー生成リソースは、通常は、受け入れ可能に低い送信損失を有する長い距離にわたる送電のために適した、少なくとも33kV又は少なくとも66kVの電圧を有する配電網相互接続点(POGI:Pint Of Grid Interconnection)において、配電網の送信リソースと結合することができる。信頼性を保証するべく、且つ、送電リソースに対する損傷を回避するべく、(送電リソースに供給されうる最大パワーを表す)POGI限度が、それぞれの電気エネルギー生成リソースについて確立されている。既定の費用の関連する送電リソース用の太陽光発電エネルギー生成リソースからの収入の潜在力を増大させるべく、太陽光発電アレイの総出力は、POGI限度との関係において過大にサイズ設定されることが一般的であり、その理由は、(例えば、望ましくない天候状態、太陽光状態、パネルの清浄性状態、PVパネルのエージング、及びPVパネル出力を低減する高い周辺空気温度などの要因に起因して)ピーク太陽光発電が実現されうるのが頻繁ではないからである。この太陽光発電アレイの過大なサイズ設定は、増大されたパワーの量が一年間にわたって販売されることを可能にしているが、ピーク放射照度期間においては、過剰なパワーを(例えば、インバータクリッピングによって)低減するためのニーズをも増大させている。但し、送電リソースに対する損傷を回避するべく、連邦エネルギー規制委員会(FERC)によって公布された相互接続手順及び対応する大規模発電機相互接続合意書(LGIA)において提供されている規則は、送信システムに供給されるパワーが、通常は、2%以下の小さな技術的許容範囲だけ、配電網相互接続点を超過することを許容している。これらの規則は、(例えば、回路、送電ライン、及び変圧器の過負荷の印加、或いは、過剰生成設備を接続切断するための回路遮断器の起動に起因した)障害から配電網を保護している。このような規則への準拠は、通常、POGI限度にインバータと配電網相互接続点の間の電気損失用の小さな許容範囲を加えたもの、に等しい合計出力容量を有するインバータを太陽光発電アレイと送信システムの間に提供することにより、保証されている。
【0011】
[0011] エネルギーストレージシステムとペア化された電力会社スケールの再生可能生成ソースを含む設備用のパワー購入合意書において、電力会社であるエネルギー購入者は、一般に、電力会社が、エネルギーストレージシステム用の充電及び放電信号を判定するための権利を保持することを必要としている。従って、電力会社の動作決定は、プロジェクト用のオリジナルの計画において予想されてはいなかったものでありうる方式により、RES-ESS設備の合計生成出力及び収入能力に対して影響を及ぼすことになろう。その一方で、このような設備用のパワー購入合意書においては、プロジェクトを開発するための資本支出は、通常、予想される生成にわたって償却されており、且つ、これらのプロジェクトの投資者は、プロジェクト資金調達のために投資するべく、予想される生成における確実性を選好している。
【0012】
[0012] 従来の再生可能生成リソースは、駆動リソース(例えば、太陽光放射照度又は風)の利用可能性に結び付けられた容量係数及び負荷マッチング能力(例えば、タイミング)を有していた。これらの低い容量係数及び限られた時間利用可能性に起因して、従来の再生可能生成リソースは、送電リソースを十分に利用してはいない。これは、送電リソースの拡張の費用及び困難さに起因して、電力会社にとって、大きな問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
[0013] 以上の内容に鑑み、改善された再生可能電気エネルギー生成リソース及びエネルギーストレージ設備のみならず、このような設備を制御する、且つ、このような設備の出力用のパワー供給トランザクションを実装する、方法に対するニーズが存在している。
【課題を解決するための手段】
【0014】
概要
[0014] 本開示は、様々な態様において、総パワー出力を交流(AC)配電網に供給するように構成された、統合型の再生可能電気エネルギー生成リソース及びエネルギーストレージシステム(RES-ESS)設備のみならず、このような設備を制御する、且つ、このような設備の潜在的なエネルギー出力用のパワー供給トランザクションを実装する、方法に関する。RES-ESS設備は、「ACオーバービルト」設備と呼称されてもよく、この場合に、ESS容量及びRESインバータ容量は、従来の設備よりも大きく、且つ、RESインバータ容量は、設備の配電網相互接続点(POGI)限度よりも大きい。本明細書において開示されているシステム及び方法は、望ましい負荷にマッチングした大きな容量係数及び生成プロファイルを可能にしている。過大なサイズ設定の程度は、ACオーバービルトRES-ESS設備が、望ましい容量及び持続時間にわたって固定常時容量を提供することを許容しており、これにより、RES-ESS設備がベース負荷パワーステーションをエミュレートし、(且つ、これとして機能)することを許容するべく、設計及び建設の時点において選択することができる。この能力は、RES-ESS設備が、配電網に結び付けられた再生可能電気ベース負荷生成器として機能することを許容することにより、大きな出力変動及び限られた負荷マッチング能力を伴う、再生可能エネルギーリソースの従来の利用との関係における基本的なシフトを表している。
【0015】
[0015] 本明細書において記述されているACオーバービルトRES-ESS設備において、RESは、直流(DC)電力を生成するように構成されており、且つ、ESSは、DC電力によって充電され、且つ、これを放電するように、構成されている。RESと関連する少なくとも1つの第1パワーインバータは、RESのDC電力をRESのAC電力に変換するように構成されており、且つ、ESSと関連する少なくとも1つの第2パワーインバータは、ESSをRESのAC電力によって充電する際に、AC-DC変換ユティリティを提供するように、且つ、ESSのAC電力を配電網に放電する際には、DC-AC変換ユティリティを提供するように、構成されている。少なくとも1つの第1パワーインバータの総出力容量は、設備用のPOGI限度を超過するようにサイズ設定されており、この場合に、設備は、POGI限度を超過した状態において配電網にRESのAC電力を供給することを回避するべく、RESのAC電力が少なくとも1つの第2パワーインバータに分流(或いは、その他の方法で提供)されるようにするべく、構成されている。RES-ESS設備を制御する方法は、(既定の固定された)POGI限度未満である、SOCターゲットに基づいたPOGIキャップを算出するべく、RESによる電気エネルギー生成の時間依存性予測及びESS用の充電状態(SOC)スケジュールを使用することを有しており、この場合に、SOCターゲットに基づいたPOGIキャップは、SOCスケジュールが充足されることを依然として保証しつつ、可能な限り低いRES-ESS設備のピークパワー出力値を表している。方法は、ESS用の時変充電/放電制御信号を生成するべく、RESによる電気エネルギー生成の時間依存性予測及びESS用の充電状態(SOC)スケジュールとの関連においてSOCターゲットに基づいたPOGIキャップを使用することを更に有しており、この場合に、制御信号は、SOCスケジュールの充足を保証するように構成されている。RES-ESSの潜在的な電気エネルギー出力用の購入者と販売者の間のパワー供給トランザクションを実装する方法は、1つ又は複数の検知されたパラメータを通知する信号を利用することにより、少なくとも1つの過去の時間ウィンドウにおけるRESの合計潜在的電気エネルギー出力を定期的に推定することと、1つ又は複数の時間ウィンドウにおける潜在的RES過生成を識別するべく、RESの合計潜在的電気エネルギー出力を設備用のPOGI限度と比較することと、1つ又は複数の時間ウィンドウにおいてESSに充電された、充電された潜在的なRES過生成の量を識別することと、充電された潜在的RES過生成が、1つ又は複数の時間ウィンドウにおいて潜在的なRES過生成未満である場合に、供給されていない電気エネルギーについて購入者に課金することと、を含む。
【0016】
[0016] 一態様において、本開示は、配電網相互接続点において電力を配電網に供給するように構成された、且つ、配電網にRES-ESS設備から供給されるべき最大電気パワー値を表す配電網相互接続点(POGI)限度を有する、統合型の再生可能エネルギーソース及びエネルギーストレージシステム(RES-ESS)設備に関する。具体的には、RES-ESS設備は、電力を生成するように構成された再生可能エネルギーソース(RES)であって、RESによって生成される電力は、RES直流(DC)電力を有する、ソースと、RESと配電網相互接続点の間において結合された少なくとも1つの第1パワーインバータであって、少なくとも1つの第1パワーインバータは、RESのDC電力をRES交流(AC)電力に変換するように構成されている、インバータと、RESによって生成された電力によって充電されるように構成されたエネルギーストレージシステム(ESS)と、(i)ESSと配電網相互接続点の間において、且つ、(ii)少なくとも1つの第1パワーインバータと配電網相互接続点の間において、結合された少なくとも1つの第2パワーインバータであって、少なくとも1つの第2パワーインバータは、(a)ESSをRESのAC電力によって充電する際に、RESのAC電力をESSのDC電力に変換するように、且つ、(b)ESSのAC電力を配電網に放電する際には、ESSのDC電力をESSのAC電力に変換するように、構成されている、インバータと、を有し、少なくとも1つの第1インバータの総出力容量は、POGI限度を超過するようにサイズ設定されており、且つ、RES-ESS設備は、POGI限度を超過した状態においてRESのAC電力を配電網に供給することを回避するべく十分な量においてRESのAC電力を少なくとも1つの第2パワーインバータに分流するように構成されている。
【0017】
[0017] 特定の実施形態において、少なくとも1つの第1パワーインバータの総出力容量は、少なくとも10%だけ、少なくとも30%だけ、少なくとも50%だけ、少なくとも70%だけ、少なくとも100%だけ、或いは、本明細書において規定されている別の閾値だけ、POGI限度を超過するようにサイズ設定されており、この場合に、上述の最小閾値は、任意選択により、(i)POGI限度及び(ii)ESSの容量の合計を上限とすることができる。特定の実施形態において、少なくとも1つのパワーインバータの総出力容量は、(i)POGI限度及び(ii)ESSの容量の合計に等しくなるようにサイズ設定されている。
【0018】
[0018] 特定の実施形態において、RESは、太陽光発電アレイを有する。特定の実施形態において、RESは、1つ又は複数の風力タービンを有する。
【0019】
[0019] 特定の実施形態において、RES-ESS設備は、AC電力を少なくとも33kV又は少なくとも66kVの電圧において配電網に供給するように構成されている。
【0020】
[0020] 別の態様において、本開示は、電力を配電網相互接続点において配電網に供給するように構成された統合型の再生可能エネルギーソース及びエネルギーストレージシステム(RES-ESS)設備を制御する方法に関し、この場合に、RES-ESS設備は、再生可能エネルギーソース(RES)と、RESによって生成された電力によって充電可能であるエネルギーストレージシステム(ESS)と、を含み、且つ、RES-ESS設備は、配電網相互接続点(POGI)限度を有する。方法は、RESと配電網相互接続点の間において結合された少なくとも1つの第1パワーインバータを提供することであって、少なくとも1つの第1パワーインバータは、RESのDC電力をRES交流(AC)電力に変換するように構成されており、且つ、少なくとも1つの第1パワーインバータの総出力容量は、POGI限度を超過するようにサイズ設定されている、ことと、(i)ESSと配電網相互接続点の間において、且つ、(ii)少なくとも1つの第1パワーインバータと配電網相互接続点の間において、結合された少なくとも1つの第2パワーインバータを提供することであって、少なくとも1つの第2パワーインバータは、(a)RESのAC電力によってESSを充電する際に、RESのAC電力をESSのDC電力に変換するように、且つ、(b)ESSのAC電力を配電網に放電する際には、ESSのDC電力をESSのAC電力に変換するように、構成されている、ことと、RESのAC電力の第1部分を配電網に供給しつつ、POGI限度を超過した状態においてRESのAC電力を配電網に供給することを回避するのに十分な量においてRESのAC電力の第2部分を少なくとも1つの第2パワーインバータに分流することと、を有する。
【0021】
[0021] 特定の実施形態において、方法は、少なくとも6時間/日、少なくとも8時間/日、又は少なくとも12時間/日、或いは、少なくとも16時間/日、又は本明細書において規定された別の閾値の持続時間にわたって、POGI限度の少なくとも80%(或いは、少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は100%)の固定常時容量においてRESのAC電力を配電網に供給することを更に有する。特定の実施形態において、規定された固定常時容量及び持続時間にわたってRESのAC電力を配電網に供給することは、規定された月又は年における日々の少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%にわたって実行されている。特定の実施形態において、RESは、太陽光発電アレイを有する。特定の実施形態において、RESのAC電力は、少なくとも33kV又は少なくとも66kV(或いは、少なくとも69kV)の電圧において配電網に供給されている。
【0022】
[0022] 別の態様において、本開示は、電力を配電網に供給するように構成された統合型の再生可能エネルギーソース及びエネルギーストレージシステム(RES-ESS)設備を制御する方法に関し、この場合に、RES-ESS設備は、再生可能エネルギーソース(RES)と、RESによって生成された電力によって充電可能であるエネルギーストレージシステム(ESS)と、を含み、且つ、RES-ESS設備は、配電網相互接続点(POGI)限度を有する。方法は、POGI限度未満であるSOCターゲットに基づいたPOGIキャップを算出するべく、(A)RESによる電気エネルギー生成の時間依存性予測及び(B)充電状態(SOC)スケジュールを利用することであって、SOCターゲットに基づいたPOGIキャップは、SOCスケジュールが充足されることを依然として保証しつつ、可能な限り低いRES-ESSのピークパワー出力値を表している、ことと、ESS用の時変充電/放電制御信号を生成するべく、(A)再生可能電気エネルギー生成リソースによる電気エネルギー生成の時間依存性予測、(B)少なくとも1つのSOCターゲット値を含む電気エネルギーストレージ装置用の充電状態(SOC)スケジュール、並びに、(C)SOCターゲットに基づいたPOGIキャップを利用することと、を有し、この場合に、時変充電/放電制御信号は、SOCスケジュールが充足されることを保証するように構成されている。
【0023】
[0023] 特定の実施形態において、方法は、(i)電気エネルギー生成の更新された時間依存性予測、或いは、(ii)更新されたSOCスケジュール、という項目(i)又は(ii)の少なくとも1つに基づいて時変充電/放電制御信号の生成を定期的に更新することを更に有する。
【0024】
[0024] 特定の実施形態において、方法は、リフレッシュ期間の満了の際に時変制御信号の生成を定期的に更新することを更に有し、この場合に、定期的更新は、リフレッシュ期間の満了の際にRES及びESSから配電網に供給される総エネルギーの新しいベースポイント値を演算及び使用することを有する。
【0025】
[0025] 特定の実施形態において、リフレッシュ期間は、RES-ESS設備の操作者によって構成可能である。
【0026】
[0026] 特定の実施形態において、ESSは、排他的にRESから充電されている。
【0027】
[0027] 特定の実施形態において、方法は、SOCスケジュールが充足されることを保証するべく、少なくとも1つの電気生成設備の予想された生成と実際の生成の間の差に応答して時変充電/放電制御信号を変更することを更に有する。
【0028】
[0028] 特定の実施形態において、RESは、太陽光発電アレイを有し、ESSは、電池アレイを有し、且つ、電気エネルギー生成の時間依存性予測は、太陽光生成予測を有する。
【0029】
[0029] 特定の実施形態において、電気エネルギー生成の時間依存性予測は、オンサイトの空の撮像、衛星撮像、及び気象モデル化、の2つ以上に基づいた組を有する。
【0030】
[0030] 特定の実施形態において、RESは、少なくとも1つの風力タービンを有し、ESSは、電池アレイを有し、且つ、電気エネルギー生成の時間依存性予測は、風力生成予測を有する。
【0031】
[0031] 特定の実施形態において、方法は、コンピュータ実装された、反復的な求根アルゴリズムを使用してSOCターゲットに基づいたPOGIキャップを生成することを更に有する。
【0032】
[0032] 特定の実施形態において、方法は、コンピュータ実装された、行列に基づいた求根アルゴリズムを使用してSOCターゲットに基づいたPOGIキャップを生成することを更に有する。
【0033】
[0033] 別の態様において、本開示は、再生可能エネルギーソース(RES)及びエネルギーストレージシステム(ESS)を含む、統合型の再生可能エネルギーソース及びエネルギーストレージシステム(RES-ESS)設備の潜在的な電気エネルギー出力用の購入者と販売者の間のパワー供給トランザクションを実装する方法に関する。方法は、1つ又は複数の検知されたパラメータを通知する信号を利用することにより、少なくとも1つの過去の時間ウィンドウにおいてRESの合計潜在的電気エネルギー出力を定期的に推定することと、少なくとも1つの過去の時間ウィンドウにおいて潜在的なRES過生成を識別するべく、RESの推定された合計潜在的電気エネルギー出力をRES-ESS設備用の配電網相互接続点(POGI)限度と比較することであって、潜在的なRES過生成は、少なくとも1つの過去の時間ウィンドウにおけるPOGI限度を超過した状態における潜在的なRES電気エネルギー出力と等しい、ことと、少なくとも1つの過去の時間ウィンドウにおいてESSに充電された潜在的なRES過生成として算出された、充電された潜在的なRES過生成の量を識別することと、充電された潜在的なRES過生成が、少なくとも1つの過去の時間ウィンドウの1つ又は複数の時間ウィンドウにおける潜在的なRES過生成未満である場合に、供給されていない電気エネルギーについて購入者に課金することと、を有する。
【0034】
[0034] 特定の実施形態において、方法は、少なくとも1つの過去の時間ウィンドウにおいてESSに充電されなかった潜在的なRES過生成として算出された、充電されていない潜在的なRES過生成の量を識別することであって、供給されていない電気エネルギーに課金される金額は、(i)潜在的なRES過生成が、ゼロに等しい場合には、見なしの供給されたRES過生成値は、ゼロに等しく、そうではなくて、(ii)充電された潜在的なRES過生成が、潜在的なRES過生成以上である場合には、見なしの供給されたRES過生成は、ゼロに等しく、そうではなくて、(iii)充電されたRES過生成が、潜在的なRES過生成未満である場合には、見なしの供給されたRES過生成値は、(a)充電されていない潜在的なRES過生成、並びに、(b)潜在的なRES過生成から充電されたRES過生成を減算したもの、という項目(a)及び(b)の相対的に小さなものに等しい、という論理的なシーケンスに従って識別される、見なしの供給されたRES過生成値に基づいている、ことと、を更に有する。
【0035】
[0035] 特定の実施形態において、少なくとも1つの過去の時間ウィンドウは、複数の期間を有する。特定の実施形態において、複数の期間のそれぞれの期間は、1時間未満である(例えば、それぞれの期間は、5分、1分、又は別の適切なインターバルであってよい)。
【0036】
[0036] 特定の実施形態において、1つ又は複数の時間ウィンドウは、少なくとも1つの過去の時間ウィンドウの複数の時間ウィンドウの合計を有する。特定の実施形態において、複数の時間ウィンドウの合計は、一日の期間に対応している。
【0037】
[0037] 特定の実施形態において、方法は、潜在的なRES過生成がESSの容量を超過している場合に、ESSの容量に基づいて充電された潜在的なRES過生成の量の上限を定めることを更に有する。
【0038】
[0038]特定の実施形態において、RESは、太陽光発電アレイを有し、且つ、1つ又は複数の検知されたパラメータは、RES-ESS設備の1つ又は複数の場所において検知された放射照度を有する。
【0039】
[0039] 特定の実施形態において、RESは、1つ又は複数の風力タービンを有し、且つ、1つ又は複数の検知されたパラメータは、RES-ESS設備における又はその上方の1つ又は複数の場所において検知された風速を有する。
【0040】
[0040] 特定の実施形態において、RES-ESS設備は、少なくとも33kV又は少なくとも66kVの電圧において配電網にエネルギーを供給するように構成されている。特定の実施形態において、ESSは、排他的にRESから充電されるように構成されている。
【0041】
[0041] 別の態様において、本明細書において記述されている以上の態様の任意のもの及び/又は様々な別個の態様及び特徴は、更なる利点のために組み合わせることができる。本明細書において開示されている様々な特徴及び利点の任意のものは、そうではない旨が本明細書において通知されていない限り、1つ又は複数のその他の開示されている特徴及び要素と組み合わせることができる。
【0042】
[0042] 本開示のその他の態様、特徴、及び実施形態については、以下の開示及び添付の請求項から更に十分に明らかとなろう。
【0043】
図面の簡単な説明
[0001] 本明細書において内蔵されている、且つ、その一部分を形成している、添付図面は、本開示のいくつかの態様を示しており、且つ、説明と共に、本開示の原理を説明するべく機能する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】[0002]従来のRES-ESS設備(太陽光発電アレイ及び電池ストレージを含む)の出力プロットであり、RES生成、組み合わせられたRES-ESS出力、及びESSの充電状態の重畳されたプロットを示す。
【
図2】[0003]AC配電網に結合された、AC結合されたRES-ESS設備の概略図であり、RESと関連する第1パワーインバータ及びESSと関連する第2パワーインバータを示す。
【
図3】[0004]AC配電網に結合された、DC結合されたRES-ESS設備の概略図であり、ESSと関連するDC/DCコンバータ、並びに、RES及びESSの両方用のパワー変換ユティリティを提供するパワーインバータを示す。
【
図4A】[0005]本開示の一実施形態による再生可能エネルギーソース及びエネルギーストレージシステムを制御するための、AC結合された計量及び制御システムの様々なコンポーネント(例えば、太陽光発電(PV)アレイと、PVアレイによって生成された電力によって充電可能である電池アレイ)の間の相互接続を示す概略図である。
【
図4B】[0006]
図4AのAC結合された計量及び制御システムの特定のコンポーネントを示す概略図である。
【
図5】[0007]本開示の一実施形態による、再生可能電気エネルギー生成リソース及び再生可能電気エネルギー生成リソースによって生成された電力によって充電可能である電気エネルギーストレージ装置をディスパッチするための、プロセッサに基づいたエネルギーディスパッチ制御システムのブロック図である。
【
図6A】[0008]AC配電網と結合された従来のRES設備のRES、パワーインバータ、及び配電網相互接続点限度の相対サイズを示す図である。
【
図6B】[0009]本開示の一実施形態によるACオーバービルトRES-ESS設備のRES、パワーインバータ、及び配電網相互接続点限度の相対サイズを示す図である。
【
図6C】[0010]
図6Bとの比較を許容するための、DC結合されたRES-ESS設備のRES、パワーインバータ、及び配電網相互作用点限度の相対サイズを示す図である。
【
図7A】[0011]配電網相互接続点限度にマッチングされたパワーインバータ容量を有する、AC結合されたRES-ESS設備のモデル化された出力プロットであり、RES生成及び組み合わせられたRES-ESS出力の重畳されたプロットを有する。
【
図7B】[0012]本開示の一実施形態による配電網相互接続点限度を超過したパワーインバータ容量を有する、ACオーバービルトRES-ESS設備のモデル化された出力プロットであり、RES生成及び組み合わせられたRES-ESS出力の重畳されたプロットを有する。
【
図8】[0013]本開示の一実施形態による配電網相互接続点限度を超過したパワーインバータ容量を有する、ACオーバービルトRES-ESS設備のモデル化された出力プロットであり、RES生成、組み合わせられたRES-ESS出力、及びESSの充電状態の重畳されたプロットを有する。
【
図9A】[0014]配電網相互接続点限度にマッチングしたパワーインバータ容量を有する、AC結合されたRES-ESS設備のモデル化された出力プロットであり、RES生成、組み合わせられたRES-ESS出力、ESSの充電状態、及びESSパワー出力の重畳されたプロットを有する。
【
図9B】[0015]本開示の一実施形態による配電網相互接続点限度を超過したパワーインバータ容量を有する、ACオーバービルトRES-ESS設備のモデル化された出力であり、RES生成、組み合わせられたRES-ESS出力、ESSの充電状態、及びESSパワー出力の重畳されたプロットを有する。
【
図10】[0016]本開示の一実施形態による配電網相互接続点限度を超過したパワーインバータ容量を有する、ACオーバービルトRES-ESS設備のモデル化された出力プロットであり、SOCターゲットに基づいたPOGIキャップの利用の結果を示しており、RES生成、組み合わせられたRES-ESS出力、ESSの充電状態、及びESSパワー出力の重畳されたプロットを有する。
【
図11】[0017]本開示の一実施形態によるRES-ESS設備を制御するためのシステムの1つ又は複数のコンポーネントとして含まれうるコンピュータシステムの一般化された表現の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
詳細な説明
[0018] 以下において記述されている実施形態は、当業者が実施形態を実施することを可能にするのに必要な情報を表しており、且つ、実施形態の実施の最良の形態を示している。添付図面の図に鑑み、以下の説明を参照した際に、当業者は、本開示の概念を理解することになり、且つ、本明細書において具体的には対処されていない概念の適用を認識することになるが、このような概念及び適用は、本開示及び添付の請求項の範囲に含まれるべく意図されていることを理解されたい。
【0046】
[0019] 「第1の(first)」、「第2の(second)」、などの用語は、様々な要素を記述するべく本明細書において使用されうるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるものではないことを理解されたい。これらの用語は、1つの要素を別のものから弁別するべく使用されるものに過ぎない。例えば、本開示の範囲を逸脱することなしに、第1要素は、第2要素として呼称されることが可能であり、且つ、同様に、第2要素も、第1要素と呼称されうるであろう。本明細書において使用されている「及び/又は(and/or)」という用語は、関連する列挙された項目の1つ又は複数のものの任意の且つすべての組合せを含む。
【0047】
[0020] 本明細書において使用されている用語は、特定の実施形態を記述することを目的としたものに過ぎず、且つ、本開示の限定となることが意図されてはない。本明細書において使用されている「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」という単数形は、そうではない旨を文脈が明瞭に示していない限り、複数形をも同様に含むものと解釈されたい。「有する(comprises)」、「有する(comprising)」、「含む(includes)」、及び/又は「含む(including)」という用語は、本明細書において使用された際に、記述されている特徴、完全体、ステップ、動作、要素、及び/又はコンポーネントの存在を規定しているが、1つ又は複数のその他の特徴、完全体、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/又はこれらのグループの存在又は追加を排除してはいないことを更に理解されたい。
【0048】
[0021] そうではない旨が定義されていない限り、本明細書において使用されているすべての用語(技術的且つ科学的な用語を含む)は、本開示が属する技術分野における当業者によって一般に理解されているものと同一の意味を有する。本明細書において使用されている用語は、本明細書及び関連する技術分野の文脈におけるその意味と一貫性を有する意味を有するものとして解釈されることを要し、且つ、本明細書においてそのように明示的に定義されていない限り、理想化された、或いは、過度に形式的な意味において解釈されてはならないことを更に理解されたい。
【0049】
[0022] 本明細書において記述されている実施形態は、統合型の再生可能エネルギーソース(「RES」)(例えば、PV、風力、など)及びエネルギーストレージシステム(「ESS」)設備又はプラントを含むか、又はこれを利用しており、この場合に、この組合せは、本明細書においては、(そのサブセットが、太陽光発電+ストレージ、即ち、「PV+S」、設備である)RES-ESS又はRES-ESS設備と呼称される場合がある。RES-ESS設備は、RESによって生成されたパワーによってESSを充電することにより、望ましいSOCに到達しうる。特定の実施形態において、RES-ESS設備は、RES生成が大きい時点において充電を優先順位付けすることにより、望ましいSOCに到達することになる。例えば、ESSは、相対的に大きなRES生成が利用可能である際には、相対的に大きく充電されてもよく、且つ、ESSは、RES生成が制限されている際には、相対的に乏しく充電されてもよい(或いは、まったくない充電されなくてもよい)。ESSは、RES生成が限定されている又は利用不能である際には、放電することができる。
【0050】
[0023] 特定の実施形態において、RES-ESS設備は、設備の有効原価を低減するべく、最大投資税額控除(ITC)が利用されうるように、RESから排他的にESSを充電することになる。特定の実施形態において、ESSは、これに加えて、RES-ESS設備に接続された配電網から充電することもできる。
【0051】
[0024] RES-ESS設備とAC配電網の間の結合に関する以下の説明のための文脈を提供するべく、
図1及び
図2を参照されたい。
【0052】
[0025]
図2は、AC配電網15に結合されたAC結合されたRES-ESS設備10の概略図であり、RES12(例えば、太陽光発電アレイ)と関連する第1パワーインバータ14(例えば、DC/ACインバータ)と、ESS16(例えば、1つ又は複数の電池)と関連する第2パワーインバータ18(例えば、DC/ACインバータ)と、を示している。第1パワーインバータ14は、RES12と配電網相互接続点19の間において結合されている。第2パワーインバータ18は、(i)ESS26と配電網相互接続点19の間において、且つ、(ii)第1パワーインバータ14と配電網相互接続点19の間において、結合されている。RES12は、DC電力を生成するように構成されており、且つ、第1パワーインバータ14は、RESのDC電力をRESのAC電力に変換している。第2パワーインバータ18は、(a)ESS16をRESのAC電力によって充電する際に、RESのAC電力をESSのDC電力に変換するように、且つ、(b)ESSのAC電力を配電網15に放電する際には、ESSのDC電力をESSのAC電力に変換するように、構成されている。この観点において、第2パワーインバータ18は、双方向パワー変換ユティリティを提供している。ESS16(例えば、電池)及び第2パワーインバータ18は、設置及び維持の相対的に低い費用を提供するべく、単一のエリア(例えば、単一中央集中化されたエンクロージャ)内において配置することができる。第1及び第2パワーインバータ14、18は、単独の意味において記述されているが、第1パワーインバータ14及び第2パワーインバータ18は、それぞれ、任意の適切な数の個別のパワーインバータを包含しうる、少なくとも1つのパワーインバータを表していることを理解されたい。
【0053】
[0026]
図3は、AC配電網25に結合された、DC結合されたRES-ESS設備20の概略図であり、ESS26と関連するDC/DCコンバータ28と、RES22及びESS26の両方用のパワー変換ユティリティを提供するパワーインバータ29と、を示している。パワーインバータ29は、AC電力を配電網相互接続点29を通じてAC配電網25に供給するべく、RES22及び/又はESS26から受け取られたDC電力をAC電力に変換するように機能している。
【0054】
[0027]
図3による、DC結合されたRES-ESS設備20は、(パワー変換の低減されたニーズに起因して)相対的に低い変換損失を有しうるが、ESS26のコンポーネント(例えば、電池)は、低電圧パワー損失を回避するべく、RES22のコンポーネントの近傍において、RES-ESS設備20の周りに拡散される必要がありうる。これは、ESS26のコンポーネント用の増大された数のコンテナ又はエンクロージャを必要とし、これにより、設置及び維持の費用を増大させる。
図3によるDC結合されたRES-ESS設備20の資本コストは、
図2によるAC結合されたRES-ESS設備10よりも高くなるものと予想される。
【0055】
[0028] 本開示の一態様は、「ACオーバービルト」RES-ESS設備を対象としており、この場合に、ESS容量及びRESインバータ容量は、従来の設備よりも大きく、且つ、RESインバータ容量は、設備の配電網相互接続点(POGI)限度よりも大きい。但し、ACオーバービルトRES-ESSシステムについて更に詳細に説明する前に、まずは、
図4A、
図4B、及び
図5を参照し、RES-ESS設備のコンポーネント及び付随する電力会社インターフェイスについて紹介することとする。
【0056】
[0029]
図4Aは、一実施形態によるRES-ESS設備31内の(太陽光発電ユニットを含む太陽光発電(PV)アレイなどの)複数の生成ユニット34A~34Nを含む再生可能電気エネルギー生成装置34及び再生可能電気エネルギー生成装置34によって生成された電力によって充電可能である(電池ユニットを含む電池アレイなどの)複数のエネルギーストレージユニット44A~44Nを含むエネルギーストレージ装置44を制御するための、AC結合された計量及び制御システム30の様々なコンポーネントの間の相互接続を示す概略図である。RES-ESS設備31は、単一のサブステーション50に結合されうる、及び/又は、単一のプロパティ、エリア、又は構造内において配置されうる、(例えば、PVパネルのアレイ、風力タービン、又はこれらに類似したものなどの)再生可能電気エネルギー生成装置34とエネルギーストレージ装置44(例えば、リチウムに基づいた電池のアレイ)を組み合わせることができる。
【0057】
[0030]
図4Aは、再生可能電気エネルギー生成装置34(例えば、特定の実施形態においては、PVアレイ)によって生成されたDCパワー又はエネルギーストレージ装置44によって放出されるパワーをAC配電網54に結合するためのACパワーに変換するべく、パワーインバータ36、46(例えば、整流器に基づいた又はその他の適切なパワーコンバータ)を使用するAC結合されたRES-ESS設備31を示しているが、特定の実施形態においては、RES-ESS設備31は、DC結合されたRES-ESS設備を実施することができる。
【0058】
[0031] 特定の実施形態において、エネルギーストレージ装置44は、様々な構造及び化学特性を使用する電池44A、44B、コンデンサ、或いは、フライホイール又は揚水発電設備などの機械的エネルギーストレージ装置の少なくとも1つ(又は、これらの組合せ)を含むことができる。特定の実施形態において、エネルギーストレージ装置44は、任意選択により、水素消費電気生成要素(例えば、燃料電池アレイ又はガスタービン)及び/又は水素ストレージユニット(例えば、水素を解放自在に拘束するための吸収剤媒体、ストレージベッセル、及び/又はリバーシブルな化学反応性ベッセル又はベッド)と組み合わせられた、少なくとも1つの(例えば、水素を放出するべく水を電気分解するように構成された)加水分解ユニットを含むことができる。
【0059】
[0032] 特定の実施形態において、POGI限度におけるRES設備の出力のスムージングを実現するべく、高速追随負荷により、ESSを置換することができる。高速追随負荷は、必ずしもエネルギーストレージを促進することなしに、(例えば、産業用の使用のために)エネルギーを迅速に散逸させることができる。高速追随負荷の1つの非限定的な例は、岩石破砕機となろう。
【0060】
[0033] 本明細書において開示されている、RES-ESS設備に伴う制御方法は、RES-ESS設備のコンポーネントのみならず、このような設備のESSの充電状態(SOC)スケジュールをも制御するための実装形態において、(例えば、PV発電又は風力発電のための)正確な再生可能エネルギー生成予測を利用することができる。
【0061】
[0034] 特定の実施形態において、RES-ESSディスパッチャユニット56は、RES-ESS設備31内において配置されうるESSコントローラ42と通信することにより、エネルギーストレージ装置44(例えば、電池)の充電又は放電を制御するための能力を有する。RES-SCADA(監督制御及びデータ取得)コントローラ32は、(任意選択により、PVアレイとして実施された)再生可能電気エネルギー生成装置34と関連するRESインバータ36と動作自在に結合されており、且つ、ESSコントローラ42は、エネルギーストレージ装置44と関連するESSインバータ46と動作自在に結合されており、この場合に、RES-SCADAコントローラ32及びESSコントローラ42は、RES-ESSディスパッチャユニット56と通信状態にある。特定の実施形態において、(例えば、電力会社又は配電網事業者の)電力会社制御センタ58は、DNP3又は設定された異なる構成選択肢を使用することにより、RES-ESSディスパッチャユニット56と通信することができる。これに加えて、RES-ESSディスパッチャユニット56は、任意の望ましい制御モードを実装するべく使用される正確な再生可能生成予測(例えば、太陽光生成予測)を受け取っている(又は、生成している)。
図3Aにおいて示されているように、特定の実施形態は、RES-ESS(例えば、PV+S)設備出力を計測するべく、RES+ESS電力メータ52、RES出力を計測するためのRES電力メータ39、並びに、ESS出力を計測するためのESS電力メータ49、などの、容易に入手可能な電力メータを利用することができる。RES電力メータ39からの信号は、RES-SCADAコントローラ32に提供されており、且つ、ESS電力メータ49からの信号は、ESSコントローラ42に提供されている。RES-ESS設備31によって生成された電力は、保護及び適切な電圧変換を実装する生成器ステップアップ(GSU)サブステーション50を介して、電力システム(例えば、AC配電網54)に提供することができる。電圧変換ユティリティを提供するべく(例えば、特定の実装形態においては、34.5kVにおいてGSUサブステーション50にACパワー信号を供給するべく)、それぞれ、インバータ36、46とGSUサブステーション50の間においてRES変圧器38及びESS変圧器48を配置することができる。
【0062】
[0035]
図4Bは、制御及びセンサに関係するコンポーネントの相互接続を含む、
図4Aの、AC結合された計量及び制御システムの特定のコンポーネントを示す概略図である。
図4Bに示されているように、RES-ESSディスパッチャユニット56は、電力会社制御センタとRES-ESS設備31の間において配置されている。RES-ESS設備31内において、RES-SCADAコントローラ32は、(例えば、再生可能電気エネルギー生成装置34の一部分として構成可能である)再生可能電気エネルギー生成ユニット34A~34Nによって生成されたDCパワーのAC変換を提供するように構成されたRESインバータ36A~36Nと動作自在に結合されている(この場合に、Nは、任意の適切な数を表している)。同様に、RES-ESS設備31内において、ESSコントローラ42は、(例えば、エネルギーストレージ装置44の一部分として構成可能である)エネルギーストレージユニット44A~44Nによって供給されたDCパワーのAC変換を提供するように構成されたESSインバータ46A~46Nと動作自在に結合されている。RES-ESS設備31は、少なくとも1つのセンサ50を更に含み、これは、RES-ESS設備31の近傍の(雲の存在などの)空の状態を判定するべく有用である1つ又は複数の空撮像センサを有していてもよく、この場合に、少なくとも1つのセンサ50からの出力信号は、RES-ESSディスパッチャユニット56に供給されている。又、RES-ESSディスパッチャユニット56は、(i)RES-ESS設備31と必ずしも関連付けられてはいない1つ又は複数のセンサ62(例えば、衛星撮像センサ又はこれに類似したもの)からの信号、(ii)気象モデル化ユニット64によって提供される気象データ、(iii)再生可能電気エネルギー生成装置34及び/又は1つ又は複数のその他の再生可能電気エネルギー生成装置又はユニットによる生成を予測しうる、予測ユニット66からの信号を受け取ることができる。特定の実施形態において、電気エネルギー生成の時間依存性予測は、予測ユニット66によって実行されてもよく、或いは、RES-ESSディスパッチャユニット56によって実行されてもよい。特定の実施形態において、電気エネルギー生成の時間依存性予測は、1つ又は複数のセンサ50によって提供されたオンサイトの空の撮像、1つ又は複数のセンサ62によって提供される衛星撮像、及び気象モデル化ユニット64によって提供される気象データ、のうちの、1つ、2つ、又はすべての3つを(例えば、2つ以上の組として)利用することができる。特定の実施形態においては、その他のタイプのセンサを使用することができる。
【0063】
[0036]
図5は、一実施形態による(例えば、再生可能電気エネルギー生成リソース及び再生可能電気エネルギー生成リソースによって生成された電力によって充電可能である電気エネルギーストレージ装置を含む)RES-ESS設備をディスパッチするための、プロセッサに基づいたエネルギーディスパッチ制御システム70を示すブロック図である。制御システム80は、機能ブロックとして、電力会社インターフェイス72、手動入力74、設定コンバイナ76、及びエネルギーディスパッチャ78を含む。電力会社インターフェイス72は、構成コマンド(例えば、モード構成コマンド)を受け取るべく、且つ、プラント状態及び状態情報を送信するべく、電力システムユティリティと通信すると共に、エネルギーディスパッチャ78と通信している。電力会社によって設定された調整済みの充電-放電モード構成の一例は、既定の時点における第1SOCターゲットと、第2の既定の時点における第2SOCターゲットと、を含むスケジュールであってよい。例えば、電力会社は、ESSが、5:00PMまでに90%のSOCに、且つ、10:00PMまでに10%のSOCに、到達することを所望しうる。電力会社インターフェイス72は、DNP3(分散型のネットワークプロトコル)情報をDNP3リンク70を介して受け取り、且つ、公開されたDNP3構成ポイントを内部データ構造に変換する責任を担っている。又、電力会社インターフェイス72は、DNP3リンク80を介して電力会社に戻るように任意のデータ構造の変化を伝達することの責任をも担っている。手動入力74は、MESA-ESSのSCADAポイントによってアドレス指定可能ではない構成パラメータを含む。設定コンバイナ76は、一実装形態において、任意の構成入力を検証し、且つ、これらをエネルギーディスパッチャ78に伝達している。設定コンバイナ76は、電力会社又は配電網事業者によって提供されたMESA-ESSスケジュール/モード/曲線を受け取り、オプティマイザによって生成されたスケジュールを受け取り、且つ、任意の潜在的な手動入力74を受け取り、且つ、次いで、組み合わせられたスケジュール/モード/曲線を生成している。エネルギーディスパッチャ78は、RES-ESS設備(又は、プラント)用の制御モードを実行する、且つ、再生可能エネルギー生成予測84を利用してESSの充電又は放電レベルを決定する、エンジンである。エネルギーディスパッチャ78は、RES-ESS設備の現時点の状態を観察し、RESによる電気エネルギー生成の時間依存性予測を利用し、且つ、設定コンバイナ76によって生成された任意の組み合わせられたMESA-ESSスケジュール/モード/曲線を利用することにより、短い時間スケールにおいて、RES-ESS設備の出力を制御する責任を担っている。再生可能エネルギー予測は、再生可能エネルギーソース(例えば、PVアレイ、風力タービン、など)によって生成されるものと予想されるパワーのポイントの時系列を含むことができる。このような予測は、(タイムスタンプ、パワー値)のフォーマットを有することができると共に、且つ、規定されたインターバルの時間値の組(例えば、1分のインターバルにおける15分、1時間のインターバルにおける36時間、など)を含むことができる。これらの潜在的なフォーマット及び時間フレームは、例示用の予測の特性を示すべく、提供されており、従って、本開示を限定することを意図したものではない。又、エネルギーディスパッチャ78は、アラート並びにRES-ESSプラント状態及び/又は状態情報を電力会社インターフェイス72に戻るように伝達する責任をも担っている。
【0064】
[0037] 以上でRES-ESS設備のコンポーネントの説明を終了し、以下、ACオーバービルト設備について説明することとする。
【0065】
A.ACオーバービルトRES-ESS設備
[0038] 本開示の一態様は、AC結合されたRES-ESS設備を実施する「ACオーバービルト」RES-ESS設備を対象としており、この場合に、ESS容量及びRESインバータ容量は、従来の設備よりも大きく、且つ、RESインバータ容量は、設備の配電網相互接続点(POGI)限度よりも大きい。これは、POGI限度を超過した状態における生成が低減されることを必要とすることなしに、RESがPOGI限度との関係において格段に過大にサイズ設定されることを許容しており、その理由は、過剰な生成がESSによってキャプチャされうるからである。ACオーバービルトRES-ESS設備は、パワーをESSに同時に供給しつつ、パワーをPOGI限度においてAC配電網に供給するように構成することができる。このような設備においては、大きな容量のESS(又は、高速追随負荷)は、パワーが、設備のPOGI限度を超過しないレベルにおいてRES-ESS設備から供給されることを保証するべく、POGI限度を超過したRES生成を吸収するための負荷として使用されている。
【0066】
[0039] ACオーバービルトRES-ESS設備は、通常はピーキングユティリティを提供している従来のRES-ESS設備とは対照的に、長い持続時間にわたるハイレベルな固定常時容量を提供するのに適している。従来のAC結合されたRES-ESS設備は、POGI限度にマッチングされた総RESインバータ出力容量を含む。従来のRES-ESSにおいては、反応性のパワー需要及び損失に対応するべく、わずかな程度の過剰なRESインバータ容量(例えば、2%~3%)が理論的に提供されうるが、「背景技術」の節において上述したように、任意の更にハイレベルな過剰なRESインバータ容量は、FERC相互接続手順及びLGIAに違反することを回避するべく、採用されてはいない。
【0067】
[0040] 特定の実施形態において、RES-ESS設備は、RESのDC電力を生成するRESと、RESによって生成された電力によって充電されるように構成されたESSと、RESと配電網相互接続点の間において結合された少なくとも1つの第1パワーインバータと、(i)ESSと配電網相互接続点の間において、且つ、(ii)少なくとも1つの第1パワーインバータと配電網相互接続点の間において、結合された少なくとも1つの第2パワーインバータと、を有する。少なくとも1つの第1パワーインバータは、RESのDC電力をRESのAC電力に変換するように構成されている。少なくとも1つの第2パワーインバータは、(a)RESのAC電力によってESSを充電する際に、RESのAC電力をESSのDC電力に変換するように、且つ、(b)ESSのAC電力を配電網に放電する際には、ESSのDC電力をESSのAC電力に変換するように、構成されている。少なくとも1つのパワーインバータの総出力容量は、POGI限度を超過するようにサイズ設定されており、且つ、RES-ESS設備は、RESのAC電力をPOGI限度を超過する状態において配電網に供給することを回避するのに十分な量においてRESのAC電力を少なくとも1つの第2パワーインバータに分流するように構成されている。
【0068】
[0041] ACの過大にサイズ設定されたRES-ESS設備の特定の実施形態において、少なくとも1つの第1パワーインバータの総出力容量は、少なくとも10%だけ、少なくとも30%だけ、少なくとも50%だけ、少なくとも70%だけ、少なくとも100%だけ、又は本明細書において規定された別の閾値だけ、POGI限度を超過するようにサイズ設定されている。特定の実施形態において、以上の最小閾値は、任意選択により(適宜)、(A)120%、(B)150%、(C)200%、或いは、(i)POGI限度と(ii)ESSの容量の合計、の値を上限とすることができる。特定の実施形態において、少なくとも1つの第1パワーインバータの総出力容量は、(i)POGI限度と(ii)ESSの容量の合計に等しくなるようにサイズ設定されている。特定の実施形態において、少なくとも1つの第1パワーインバータは、複数のパワーインバータを有することができる。
【0069】
[0042] ACオーバービルトRES-ESS設備の技術的利益は、相対的に大きな容量係数を提供する能力を含む(例えば、従来のPV-BESS設備の場合における、恐らくは、30~40%の範囲との比較において、ACオーバービルトPV-BESS設備の場合には、50~60%である)。このような設備は、(構築に費用と時間を所要する)既存の送電リソースにより、相対的に多くの再生可能エネルギーを供給する能力を有する。相対的に低いエネルギーの費用が実現されうるが、その理由は、固定された開発プロジェクト費用が、生成の相対的に多くの年間メガワット-時にわたって償却されうるからである。
【0070】
[0043] 又、上述のように、ACオーバービルトRES-ESS設備は、長い持続時間(特定の実施形態において、例えば、少なくとも6時間/日、少なくとも8時間/日、少なくとも12時間/日、少なくとも16時間/日、少なくとも20時間/日、又は24時間/日)にわたって、ハイレベルな固定常時容量(例えば、POGI限度の少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)を提供するのに適している。特定の実施形態において、上述の容量及び持続時間閾値が、すべての予測可能な天候状態にわたって、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%のコンフィデンスウィンドウにより、実現されることを許容するべく、ESS及び少なくとも1つの第1インバータをサイズ設定する際に、長期間の天候データを利用することができる。特定の実施形態において、コンフィデンスウィンドウは、規定された固定常時容量及び長い持続時間が実現される、月当たりの、又は、年当たり、日数に対応している。ハイレベルな固定常時容量を提供する能力は、ACオーバービルトRES-ESS設備が、従来のベースロード資産(例えば、ガス火力発電、石炭火力発電、又は原子力発電)を置換し、且つ、配電網の安定性を改善することを可能にしている。
【0071】
[0044] 特定の実施形態においては、電力を配電網相互接続点において配電網に供給するように構成されたRES-ESS設備を制御する方法が提供されており、この場合に、RES-ESS設備は、再生可能エネルギーソース(RES)及びRESによって生成された電力によって充電可能であるエネルギーストレージシステム(ESS)を含み、且つ、RES-ESS設備は、配電網相互接続点(POGI)限度を有する。方法は、RESと配電網相互接続点の間において結合された少なくとも1つの第1パワーインバータを提供することであって、少なくとも1つの第1パワーインバータは、RESのDC電力をRES交流(AC)電力に変換するように構成されており、且つ、少なくとも1つの第1パワーインバータの総出力容量は、POGI限度を超過するようにサイズ設定されている、ことと、(i)ESSと配電網相互接続点の間において、且つ、(ii)少なくとも1つの第1パワーインバータと配電網相互接続点の間において、結合された少なくとも1つの第2パワーインバータを提供することであって、少なくとも1つの第2パワーインバータは、(a)ESSをRESのAC電力によって充電する際に、RESのAC電力をESSのDC電力に変換するように、且つ、(b)ESSのAC電力を配電網に放電する際には、ESSのDC電力をESSのAC電力に変換するように、構成されている、ことと、RESのAC電力の第1部分を配電網に供給しつつ、POGI限度を超過した状態においてRESのAC電力を配電網に供給することを回避するべく十分な量においてRESのAC電力の第2部分を少なくとも1つの第2パワーインバータに分流することと、を有する。
【0072】
[0045] 特定の実施形態において、方法は、RESのAC電力を配電網に少なくとも8時間/日、又は少なくとも12時間/日、又は少なくとも16時間/日、又は本明細書において規定された別の閾値にわたって、POGI限度の少なくとも80%(或いは、少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は100%)の固定された常時容量において供給することを更に有する。特定の実施形態において、RESのAC電力を規定された固定常時容量及び持続時間にわたって配電網に供給することは、規定された月又は年内の日々の少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%にわたって実行されている。
【0073】
[0046]
図6A~
図6Cは、従来の(
図6Aによる)AC結合されたRES-ESS設備との関係において、且つ、(
図6Cによる)DC結合されたRES-ESS設備との関係において、ACオーバービルトRES-ESS設備(
図6Bによる)のコンポーネントのサイズ設定及び属性を比較するための基礎を提供している。
図6A~
図6Cにおいて提供されているRES容量、インバータ容量、及び相互接続点限度の値は、保護の範囲を限定する意図を伴うことなしに、理解の容易性を促進するべく提供されるものである。
【0074】
[0047]
図6Aは、配電網相互接続点96においてAC配電網と結合された従来のRES設備90の(例えば、直流太陽光発電モジュールを有する)RES92、パワーインバータ94、及び(本明細書において、POGI限度と以前に呼称されている)相互接続点限度の相対サイズを示す図である。
図6Aにおいて示されているように、RES92は、135MWを出力するように構成されていてもよく、(RESのDC電力をAC電力に変換するべく機能する)パワーインバータ94は、103MW以下の出力容量を有していてもよく、且つ、POGI限度は、100MWであってよい。RES92からパワーインバータ94に供給されるDCパワーの比率は、約1.3であってよい一方で、POGI限度に対するRESのDCパワーの比率は、1.35であってよい。RESのDCパワーとパワーインバータ94の容量の間のミスマッチは、クリッピングされた又は失われたエネルギーの第1部分93を結果的にもたらし、且つ、パワーインバータ94の容量とPOGI限度の間のミスマッチは、クリッピングされた又は失われたエネルギーの第2部分を結果的にもたらし、これは、RES92がフル容量においてRESのDCパワーを生成している際に、浪費される。
【0075】
[0048]
図6Bは、本開示の一実施形態による(例えば、直流太陽光発電モジュールを有する)RES102、パワーインバータ104、及び、配電網相互接続点106においてAC配電網と結合されたACオーバービルトRES-ESS設備100の(本明細書において、POGI限度と上述されている)相互接続点限度の相対サイズを示す図である。
図6Bにおいて示されているように、RES102は、175MWを出力するように構成されていてもよく、(RESのDC電力をRESのAC電力に変換するべく機能する)パワーインバータ104は、135MWの出力容量を有していてもよく、且つ、POGI限度は、100MWであってよい。((図示されてはいない)関連するパワーインバータを有する)AC結合されたESS108は、POGI限度を超過するRESのAC電気出力の任意の部分を受け取り且つ保存し、これにより、ESS108が存在していない場合に、潜在的エネルギー損失105を回避しつつ、過剰なエネルギーを配電網に供給することを回避するべく、提供されている。RES102からパワーインバータ104に供給されるRESのDCパワーの比率は、約1.3であってよい一方で、POGI限度に対するRESのDCパワーの比率は、1.75であってよい。RESのDCパワーとパワーインバータ104の容量の間のミスマッチは、RES92がフル容量においてRESのDCパワーを生成している際に、浪費される、クリッピングされた又は失われたエネルギー103を結果的にもたらす。特定の実施形態において、パワーインバータ104の容量は、
図6Bにおいて記述されている値との関係において、本明細書において記述されている閾値の1つまで、(例えば、POGI限度とESS108の容量の合計に等しくなるように)増大させることができる。クリッピングされた又は失われたエネルギー103を低減又は制限することが望ましい場合には、パワーインバータ104は、RES102の出力容量に相対的に近接した又はこれに等しい容量を有するように、サイズ設定することができる。
【0076】
[0049]
図6Bは、控えめな程度の、ESS及びパワーインバータの過大なサイズ設定を描いているが、RES-ESSが、望ましい固定常時容量レベル及び望ましい持続時間を望ましいコンフィデンスの程度によって提供することを可能にするべく、任意の適切な程度の過大なサイズ設定を提供することができることを理解されたい。
【0077】
[0050]
図6Cは、配電網相互接続点116においてAC配電網と結合されたDC結合されたRES-ESS設備110のRES112、パワーインバータ114、及び配電網相互接続点限度の相対サイズを示す図であり、この場合に、DC結合されたESS118は、パワーインバータ114の容量を超過するRESのDC電気出力を受け取り且つ保存(し、これにより、ESS118が存在していない場合に、潜在的なエネルギー損失を回避)するように、構成されている。RES112からパワーインバータ114に供給されるRESのDCパワーの比率は、約1.7であってよい一方で、POGI限度に対するRESのDCパワーの比率は、1.75であってよい。パワーインバータ114の出力容量とPOGI限度の間のミスマッチは、RES112がフル容量においてRESのDCパワーを生成している、且つ、パワーインバータ114が所定の容量において動作している、際に、浪費されうる、クリッピングされた又は失われたエネルギー115を結果的にもたらす。
【0078】
[0051] 非オーバービルトRES-ESS設備とACオーバービルトRES-ESS設備の間における動作及び性能の差については、
図7A及び
図7Bを比較した際に、理解することができる。
【0079】
[0052]
図7Aは、配電網相互接続点限度にマッチングされたパワーインバータ容量を有する非オーバービルト型のAC結合されたRES-ESS設備のモデル化された出力プロットである。
図7Aは、RES生成(即ち、太陽光発電又は「PV」)、組み合わせられたRES-ESS出力(即ち、PV+ストレージ、即ち、「PV+S」)、並びに、(本明細書においては、「POGI限度」とも呼称されている)相互接続点(POI)限度の重畳されたプロットを提供している。図示のように、POI限度は、100MWであり、ピークPV出力(即ち、POGIパワー限度に近接したインバータ容量限度によってクリッピングされる前の直流としてのもの)は、POI限度よりも約10%だけ大きく、且つ、PV+S出力は、一日のうちの約1時間にわたってのみ、POI限度と等しい。
【0080】
[0053]
図7Bは、本開示の一実施形態による、配電網相互接続点限度を大幅に超過するパワーインバータ容量を有するACオーバービルトRES-ESS設備のモデル化された出力プロットである。
図7Bは、RES生成(即ち、太陽光発電又は「PV」)、組み合わせられたRES-ESS出力(即ち、PV+ストレージ、即ち、「PV+S」)、並びに、(本明細書においては、「POGI限度」とも呼称されている)相互接続点(POI)限度の重畳されたプロットを提供している。図示のように、POI限度は、100MWであり、ピークPV出力(インバージョンの後の交流としてのもの)は、POI限度よりも約50%だけ大きく、且つ、PV+S出力は、一日において約8時間以上にわたってPOI限度に等しい。プロットされたPOI限度とPV生成の間のエリアは、エネルギーストレージ装置(例えば、電池アレイ)内において保存されるべく利用可能なエネルギーを表している。(POI限度を超過する)過大にサイズ設定されたインバータ容量を有する大容量エネルギーストレージ装置の存在は、PVアレイによって生成される過剰なエネルギー(即ち、POI限度を超過するパワー)が保存されることを許容している。これは、この期間において固定常時容量を提供することにより、過剰なエネルギーが、PV生成が低下した後に、その日の後からの放電のために保存されることを依然として許容しつつ、PV+S出力が、09:00ごろ~17:00において、ベースロードユニットと同様に機能することを許容している。
【0081】
[0054]
図8は、本開示の一実施形態による配電網相互接続点限度を超過するパワーインバータ容量を有するACオーバービルトRES-ESS設備のモデル化された出力プロットであり、この場合には、RES生成(太陽光発電メガワット、即ち、「PV MW」)、組み合わせられたRES-ESS出力(「正味のプラントMW」)、及びESSの充電状態(「SOC%」)の重畳されたプロットを有する。このモデル化された構成において、ESSは、300MWを充電又は放電するための容量を有し、ESSは、500MW超の最大出力容量(インバージョンの後の交流としてのもの)を有し、且つ、POGI限度は、400MWである。図示のように、配電網に供給される、組み合わせられたRES-ESSのAC出力は、08:30ごろ~17:30ごろにおいて400MWであり、この場合に、この量は、設備のPOGI限度に等しい。同一のインターバルにおいて、RES生成は、POGI限度を超過しており、この場合に、この過生成のエネルギーは、(上昇する充電状態によって示されているように)ESSを充電するべく使用されている。RES生成が17:30ごろにおいて降下を始めた際に、ESSの制御は、充電モードから放電モードにスイッチングされ、且つ、ESSの出力は、配電網にパワーを供給するべくACに変換されている。300MWのESSのAC出力は、18:00ごろ~22:30ごろにおいて配電網に供給され、且つ、次いで、23:00までに、ゼロに降下し、これにより、設備のPOGI限度を超過するRESの生成を受け取るべく、次の日に充電されるようにESSを準備完了状態としている。図示のように、設備は、パワーを配電網に9時間超にわたってPOGI限度に等しい固定された値において供給するべく、且つ、パワーを更なる4時間超にわたって配電網にPOGI限度の75%に等しい値において更に供給するべく、使用することができる。大きな容量において、長い持続する期間にわたって、固定常時容量をPOGI限度において又はその近傍において供給するための、ACオーバービルトRES-ESS設備の能力は、従来のRES-ESS設備からの脱却を示している。
【0082】
[0055] 非オーバービルトRES-ESS設備とACオーバービルトRES-ESS設備の間における動作及び性能の更なる差については、
図9A及び
図9Bを比較した際に、理解することができる。
【0083】
[0056]
図9Aは、配電網相互接続点限度にマッチングされたパワーインバータ容量を有するAC結合されたRES-ESS設備のモデル化された出力プロットである。
図9Aは、RES生成(即ち、太陽光発電、即ち、「PV」)、組み合わせられたRES-ESS出力(即ち、PV+ストレージ、即ち、「PV+S」出力)、ESSパワー出力(即ち、「BESSパワー」)、並びに、ESSの充電状態(即ち、「BESS SOC」)の重畳されたプロットを提供している。図示のように、100MWの最大PV生成は、08:00ごろ~16:30ごろにおいて実現されており、この場合に、この生成の一部分は、この期間において、(上昇するSOC値及び負のESSパワー出力によって示されているように)ESSを充電するべく使用されている。RES生成が降下を始め、且つ、最大SOCが、16:00ごろにおいて実現された際に、ESSの制御は、充電モードから放電モードにスイッチングされ、且つ、ESSの出力は、パワーを配電網に供給するべく、ACに変換されている。POGI限度に等しい、100MWの組み合わせられたRES-ESS出力が、16:00~20:30ごろにおいて、約4.5時間にわたって、実現され、且つ、次いで、21:00までに、ゼロに降下しており、これにより、ESSが、次の日に充電されるように準備完了状態としている。
【0084】
[0057]
図9Bは、本開示の一実施形態による配電網相互接続点限度を大幅に超過するパワーインバータ容量を有するACオーバービルトRES-ESS設備のモデル化された出力プロットである。
図9Bは、100MWのPOGI限度を有する設備のRES生成(即ち、太陽光発電、即ち、「PV」)、組み合わせられたRES-ESS出力(即ち、PV+ストレージ、即ち、「PV+S」出力)、ESSパワー出力(即ち、「BESS パワー」)、及びESSの充電状態(即ち、「BESS SOC」)の重畳されたプロットを提供している。図示のように、約150MWの最大PV生成は、08:00ごろ~16:30ごろにおいて実現されており、この場合に、この生成の一部分は、この期間において、(上昇するSOC値及び負のESSパワー出力によって示されているように)ESSを充電するべく使用されている。RES生成が降下を始め、且つ、最大SOCが16:00ごろにおいて実現された際に、ESSの制御は、充電モードから放電モードにスイッチングされ、且つ、ESSの出力が、配電網にパワーを供給するべくACに変換されている。POGI限度に等しい100MWの組み合わせられたRES-ESS出力が、08:00前~21:00ごろにおいて、約13時間超にわたって実現されており、且つ、次いで、22:00までにゼロに降下しており、これにより、ESSが次の日に充電されるように、準備完了状態としている。大きな容量のESS及び(POGI限度を超過する)過大にサイズ設定されたインバータ容量の存在は、ESSアレイによって生成された過剰なエネルギー(即ち、POI限度を超過するパワー)が保存されることを許容しており、且つ、固定常時容量をこの期間において提供することにより、PV+S出力が、08:00ごろ~21:00ごろにおいて、ベースロードユニットに類似した方式で機能することを許容している。
【0085】
B.SOCターゲットに基づいたPOGIキャップを使用するRES-ESS制御方法モード
[0058] 本開示の一態様は、(既定の固定された)POGI限度未満である、SOCターゲットに基づいたPOGIキャップを算出するべく、RESよる電気エネルギー生成の時間依存性予測及びESSの充電状態(SOC)を使用する、RES-ESS設備を制御する方法を対象としており、この場合に、SOCターゲットに基づいたPOGIキャップは、SOCスケジュールが充足されることを依然として保証しつつ、可能な限り低い、RES-ESS設備のピークパワー出力値を表している。方法は、ESS用の時変充電/放電制御信号を生成するべく、RESによる電気エネルギー生成の時間依存性予測及びESSの充電状態(SOC)スケジュールとの関連において、SOCターゲットに基づいたPOGIキャップを使用することを更に有しており、この場合に、制御信号は、SOCスケジュールの充足を保証するように構成されている。
【0086】
[0059] SOCターゲットに基づいたPOGIキャップは、RES-ESS設備のヘッドルーム(例えば、運転予備力容量)を極大化し、これにより、補助的サービスを提供する(且つ、補助的サービスを提供するべくグリッド事業者に課金する)ためのRES-ESS設備の能力を改善する、示唆されたピークパワー限度閾値を表している。実際に、配電網事業者は、SOCターゲットに基づいたPOGIキャップを設定(並びに、利用)するべく選択することができる。
【0087】
[0060] 特定の実施形態において、方法は、POGI限度未満であるSOCターゲットに基づいたPOGIキャップを算出するべく、(A)RESによる電気エネルギー生成の時間依存性予測及び(B)充電状態(SOC)スケジュールを利用することであって、SOCターゲットに基づいたPOGIキャップは、SOCスケジュールが充足されることを依然として保証しつつ、可能な限り低いRES-ESSのピークパワー出力値を表している、ことと、ESS用の時変充電/放電制御信号を生成するべく、(A)再生可能電気エネルギー生成リソースによる電気エネルギー生成の時間依存性予測、(B)少なくとも1つのSOCターゲット値を含む電気エネルギーストレージ装置の充電状態(SOC)スケジュール、及び(C)SOCターゲットに基づいたPOGIキャップを利用することと、を有しており、この場合に、時変充電/放電制御信号は、SOCスケジュールが充足されることを保証するように構成されている。
【0088】
[0061] 特定の実施形態において、SOCターゲットに基づいたPOGIキャップは、充電されたエネルギーの量が、規定された期間内においてSOCの最大値に到達するのに必要とされるエネルギーに等しくなるように、最適な上部閾値について解くべく、最適化アルゴリズムを使用することにより、推定することができるが、この場合に、最大値は、エネルギーの最大状態と呼称されうる。具体的には、方法は、
【数1】
となるように、(SOCターゲットに基づいたPOGIキャップを表す)xについて解くことを必要としうるが、
この場合に、
・「n」は、ターゲットインターバルにおける予測されたパワー値の数であり、
・「x」は、SOCターゲットに基づいたPOGIキャップ(閾値)であり、且つ、
・エネルギーの最大状態は、構成可能な最大SOCパラメータの関数である。
【0089】
[0062] 特定の実施形態において、SOCターゲットに基づいたPOGIキャップは、コンピュータ実装された反復的な求根アルゴリズムを使用することにより、生成することができる。1つの非限定的な例は、ニュートン-ラフソン法である。特定の実施形態において、SOCターゲットに基づいたPOGIキャップは、コンピュータ実装された、行列に基づいた求根アルゴリズムを使用することにより、生成することができる。
【0090】
[0063]
図10には、SOCターゲットに基づいたPOGIキャップを利用した結果が示されており、これは、本開示の一実施形態による配電網相互接続点限度を超過するパワーインバータ容量を有するACオーバービルトRES-ESS設備のモデル化された出力プロットであり、RES生成、組み合わせられたRES-ESS出力、ESSの充電状態、及びESSのパワー出力の重畳されたプロットを有する。
図10は、一日の末尾の前に容量の95%のSOCを提供する、SOCターゲットに基づいたPOGIキャップ(
図10において、ピークパワー限度閾値とも呼称されている)を算出した結果を示している。
【0091】
[0064] 特定の実施形態において、SOCターゲットに基づいたPOGIキャップを伴う方法は、(i)電気エネルギー生成の更新された時間依存性予測、或いは、(ii)更新されたSOCスケジュール、という項目(i)又は(ii)の少なくとも1つに基づいて時変充電/放電制御信号の生成を定期的に更新することを更に有する。
【0092】
[0065] 特定の実施形態において、方法は、リフレッシュ期間の満了の際に時変制御信号の生成を定期的に更新することを更に有しており、この場合に、定期的更新は、リフレッシュ期間の満了の際に、配電網に再生可能電気エネルギー生成リソース及び電気エネルギーストレージ装置から供給された総エネルギー用の新しいベースポイント値を演算及び使用することを有する。特定の実施形態において、リフレッシュ期間は、構成可能であり、且つ、時変充電/放電制御信号は、リフレッシュ期間当たりに1回だけ、変化することが許容されている。特定の実施形態において、時変充電/放電制御信号は、RES-ESS設備の総パワー出力をリフレッシュ期間において一定に維持し、これにより、エネルギー市場及び/又はエネルギーバランス市場における参加を可能にするべく、構成可能なリフレッシュ期間内において1回のみ変化することが許容されている。特定の実施形態において、リフレッシュ期間は、RES-ESS設備の操作者によって構成可能である。
【0093】
[0066] 特定の実施形態において、電気エネルギーストレージ装置は、排他的に再生可能電気エネルギー生成リソースから充電されている。
【0094】
[0067] 特定の実施形態において、方法は、SOCスケジュールが充足されることを保証するべく、少なくとも1つの電気生成設備の予測された生成と実際の生成の間の差に応答して時変充電/放電制御信号を変更することを更に有する。
【0095】
[0068] 特定の実施形態において、電気エネルギー生成の時間依存性予測は、オンサイトの空の撮像、衛星撮像、及び気象モデル化、のうちの2つ以上に基づいた組を有する。
【0096】
[0069] 特定の実施形態において、電気エネルギー生成の時間依存性予測は、配電網に供給される総太陽光発電+ストレージエネルギー(PV+S出力ベースポイント値)用の新しいベースポイント値が演算される頻度を判定するリフレッシュレートを有する。特定の実施形態においては、新しいPV+Sベースポイント値が演算される時点まで、既存のPV+S出力値が使用されている。
【0097】
[0070] 特定の実施形態において、再生可能電気エネルギー生成リソースは、太陽光発電アレイを有し、電気エネルギーストレージ装置は、電池アレイを有し、且つ、電気エネルギー生成の時間依存性予測は、太陽光生成予測を有する。
【0098】
[0071] 特定の実施形態において、再生可能電気エネルギー生成リソースは、少なくとも1つの風力タービンを有し、電気エネルギーストレージ装置は、電池アレイを有し、且つ、電気エネルギー生成の時間依存性予測は、風力生成予測を有する。
【0099】
[0072]
図11は、一実施形態による再生可能電気エネルギー生成リソース及び再生可能電気エネルギー生成リソースによって生成された電力によって充電可能である電気エネルギーストレージ装置を制御するためのシステムの1つ又は複数のコンポーネントとして含まれうるコンピュータシステム200の一般化された表現の概略図である。コンピュータシステム200は、本明細書において記述されている機能又は処理のうちの、これらのもの及び/又は任意のものを実行するべく、コンピュータ可読媒体からの命令を実行するように適合させることができる。
【0100】
[0073] コンピュータシステム200は、サポートされている通信サービスのスケーリングをサポートするべくプログラミング可能なデジタル信号処理回路をプログラミング及び構成するように実行されうる命令の組を含むことができる。コンピュータシステム200は、ローカルエリアネットワーク、イントラネット、エクストラネット、又はインターネットにおいてその他の機械と接続(例えば、ネットワーク化)することができる。単一の装置のみが示されているが、「装置」という用語は、本明細書において記述されている方法の任意の1つ又は複数を実行するべく、個々に又は協働して命令の組(又は、複数の組)を実行する装置の任意の集合体をも含むものと解釈されたい。コンピュータシステム200は、印刷回路基板(PCB)、サーバー、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、演算パッド、モバイル装置、又は任意のその他の装置などの、電子基板又はカード内において含まれている1つ又は複数の回路であってよく、且つ、例えば、サーバー又はユーザーのコンピュータを表することもできる。
【0101】
[0074] コンピュータシステム200は、この実施形態において、処理装置又はプロセッサ202、メインメモリ204(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、同期DRAM(SDRAM)などのダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、など)、及びスタティックメモリ206(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、など)を含み、これらは、データバス208を介して互いに通信することができる。或いは、この代わりに、処理装置202は、直接的に、或いは、なんらかのその他の接続性手段を介して、メインメモリ204及び/又はスタティックメモリ206に接続することもできる。処理装置202は、コントローラであってよく、且つ、メインメモリ204又はスタティックメモリ206は、任意のタイプのメモリであってよい。
【0102】
[0075] 処理装置202は、マイクロプロセッサ、中央処理ユニット(CPU)、又はこれらに類似したものなどの1つ又は複数の汎用処理装置を表している。特定の実施形態において、処理装置202は、CISC(Complex Instruction Set Computing)マイクロプロセッサ、RISC(Reduced Instruction Set Computing)マイクロプロセッサ、VLIW(Very Long Instruction Word)マイクロプロセッサ、その他の命令セットを実装するプロセッサ、或いは、命令セットの組合せを実装するその他のプロセッサであってよい。処理装置202は、本明細書において記述されている動作及びステップを実行する命令において、処理ロジックを実行するように構成されている。
【0103】
[0076] コンピュータシステム200は、ネットワークインターフェイス装置210を更に含むことができる。これに加えて、コンピュータシステム200は、命令を実装する際にコンピュータシステム200に伝達されるべく入力及び選択を受け取るように構成された少なくとも1つの入力212を含むこともできる。又、コンピュータシステム200は、限定を伴うことなしに、ディスプレイ、ビデオ表示ユニット(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)又は陰極線管(CRT))、英数入力装置(例えば、キーボード)、及び/又はカーソル制御装置(例えば、マウス)を含む出力214を含むこともできる。
【0104】
[0077] コンピュータシステム200は、コンピュータ可読媒体218内において保存されている命令216を含むデータストレージ装置を含んでいてもよく、或いは、含んでいなくてもよい。又、命令216は、コンピュータシステム200によるその実行の際に、完全に又は少なくとも部分的に、メインメモリ204内において、及び/又は、処理装置202内において、存在していてもよく、この場合に、メインメモリ204及び処理装置202も、コンピュータ可読媒体を構成している。命令216は、更に、ネットワークインターフェイス装置210を介してネットワーク220上において送受信することもできる。
【0105】
[0078] コンピュータ可読媒体218は、一実施形態において、単一の媒体であるものとして示されているが、「コンピュータ可読媒体」という用語は、命令の1つ又は複数の組を保存する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、中央集中化された又は分散されたデータベース及び/又は関連するキャッシュ及びサーバー)を含むものとして解釈されたい。又、「コンピュータ可読媒体」という用語は、処理装置による実行のための命令の組を保存、エンコーディング、又は担持する能力を有する、且つ、処理装置が本明細書において開示されている実施形態の方法の任意の1つ又は複数を実行するようにする、任意の媒体を含むものと解釈されたい。従って、「コンピュータ可読媒体」という用語は、限定を伴うことなしに、半導体メモリ、光媒体、及び/又は磁気媒体を含むものとして解釈されたい。
【0106】
[0079] 特定の実施形態において、本明細書において開示されているシステム及び装置は、少なくとも1つのプロセッサにより、(i)再生可能電気エネルギー生成リソース及び(ii)再生可能電気エネルギー生成リソースによって生成された電力によって充電可能である電気エネルギーストレージ装置を制御するためのプログラム命令を含む一時的ではないコンピュータ可読媒体を利用してもよく、この場合に、方法は、少なくとも1つのプロセッサにより、POGI限度未満であるSOCターゲットに基づいたPOGIキャップを算出するべく、(A)RESによる電気エネルギー生成の時間依存性予測及び(B)充電状態(SOC)スケジュールを利用することを有し、この場合に、SOCターゲットに基づいたPOGIキャップは、SOCスケジュールが充足されることを依然として保証しつつ、可能な限り低いRES-ESS用のピークパワー出力値を表している。方法は、ESS用の時変充電/放電制御信号を生成するべく、少なくとも1つのプロセッサにより、(A)再生可能電気エネルギー生成リソースによる電気エネルギー生成の時間依存性予測、(B)少なくとも1つのSOCターゲット値を含む電気エネルギーストレージ装置の充電状態(SOC)スケジュール、及び(C)SOCターゲットに基づいたPOGIキャップを利用することを更に有し、この場合に、時変充電/放電制御信号は、SOCスケジュールが充足されることを保証するように構成されている。
【0107】
[0080] 特定の実施形態において、コンピュータ可読媒体内において含まれているプログラム命令は、本明細書において開示されている更なる方法ステップを実行するように構成することができる。
【0108】
C.潜在的なRES-ESS出力用のパワー供給トランザクションを実装する方法
[0081] 上述のように、再生可能エネルギー生成者が、エネルギー生成についてしか、報酬を得られない場合には、これらの生成者は、補助的サービスを提供する意欲がそがれてしまう場合がある。これに加えて、プロジェクトを開発するための資本支出は、通常、予測された生成にわたって償却されており、且つ、これらのプロジェクトの投資者は、プロジェクトの資金調達のために投資するべく、予想された生成における確実性を必要としている。これらの課題に対処するべく、本開示の一態様は、RES-ESS設備の潜在的な電気エネルギー出力用の購入者と販売者の間のパワー供給トランザクションを実装する方法を対象としている。このような方法は、1つ又は複数の検知されたパラメータを通知する信号を利用することにより、少なくとも1つの過去の時間ウィンドウにおいてRESの合計潜在的電気エネルギー出力を定期的に推定することを含む。方法は、1つ又は複数の時間ウィンドウにおいて潜在的なRES過生成を識別するべく、RESの合計潜在的電気エネルギー出力を設備のPOGI限度と比較することと、1つ又は複数の時間ウィンドウにおいてESSに充電された、充電された潜在的RES過生成の量を識別することと、を更に含む。方法は、充電された潜在的RES過生成が1つ又は複数の時間ウィンドウにおいて潜在的RES過生成未満である場合に、供給されていない電気エネルギーについて購入者に課金することを更に含む。このような方法は、具体的には、POGI限度を上回る潜在的生成を計量することにより、予想された収入における確実性をRES-ESS投資者に付与することを意図している。
【0109】
[0082] 方法は、ESSが次の朝までに空になり、且つ、フル充電を再度受け入れるように、準備完了状態となるように、ESSを毎日放電するべく、電力会社(又は、その他の配電網事業者)用の経済的なインセンティブを提供している。方法は、ESSにおいて保存されることが可能であったが、電力会社又は配電網事業者がESSを十分に放電しなかった場合に保存されなかった、エネルギーの量の推定を許容している。このような方法は、電力会社又は配電網事業者が新しい日の開始の前にESSを十分に放電しない結果として、RES-ESS設備所有者が、保存されなかったエネルギーの推定された量について支払われるための基礎を更に提供している。このような方法の実装は、電力会社がESSを十分に放電しないことを選択した場合にも、RES-ESS設備に対する収入ストリームの確実性を保証することにより、配電網事業者が生成リソースを制御する柔軟性を損なうことなしに、ACオーバービルトRES-ESS設備の構築をサポートするための投資者用のインセンティブを提供している。
【0110】
[0083] 特定の実施形態において、統合型の再生可能エネルギーソース及びエネルギーストレージシステム(RES-ESS)設備の潜在的な電気エネルギー出力用の購入者と販売者の間におけるパワー供給トランザクションを実装する方法は、1つ又は複数の検知されたパラメータを通知する信号を利用することにより、少なくとも1つの過去の時間ウィンドウにおけるRESの合計潜在的電気エネルギー出力を定期的に推定することと、少なくとも1つの過去の時間ウィンドウにおいて潜在的なRES過生成を識別するべく、RESの推定された合計潜在的電気エネルギー出力をRES-ESS設備の配電網相互接続点(POGI)限度と比較することであって、潜在的なRES過生成は、少なくとも1つの過去の時間ウィンドウ内におけるPOGI限度を超過した状態の潜在的なRES電気エネルギー出力と等しい、ことと、少なくとも1つの過去の時間ウィンドウにおいてESSに充電された潜在的RES過生成として算出された、充電された潜在的RES過生成の量を識別することと、充電された潜在的RES過生成が、少なくとも1つの過去の時間ウィンドウの1つ又は複数の時間ウィンドウにおいて潜在的なRES過生成未満である場合に、供給されなかった電気エネルギーについて購入者に課金することと、を有する。
【0111】
[0084] 特定の実施形態において、方法は、少なくとも1つの過去の時間ウィンドウにおいてESSに充電されなかった潜在的RES過生成として算出される、充電されなかった潜在的RES過生成の量を識別することであって、この場合に、供給されなかった電気エネルギーに課金される金額は、(i)潜在的なRES過生成がゼロに等しい場合には、見なしの供給されたRES過生成値は、ゼロに等しく、そうではなくて、(ii)充電された潜在的なRES過生成が潜在的なRES過生成以上である場合には、見なしの供給されたRES過生成値は、ゼロに等しく、そうではなくて、(iii)充電されたRES過生成が潜在的なRES過生成未満である場合には、見なしの供給されたRES過生成値は、(a)充電されなかった潜在的RES過生成、並びに、(b)潜在的なRES過生成から充電されたRES過生成を減算したもの、という、(a)及び(b)という項目の相対的に小さなものに等しい、という論理的シーケンスに従って識別された、見なしの供給されたRES過生成値に基づいている、ことを更に有する。
【0112】
[0085] 特定の実施形態において、少なくとも1つの過去の時間ウィンドウは、複数の期間を有する。特定の実施形態において、複数の期間のそれぞれの期間は、1時間未満である(例えば、それぞれの期間は、5分、1分、又は別の適切なインターバルであってよい)。
【0113】
[0086] 特定の実施形態において、1つ又は複数の時間ウィンドウは、少なくとも1つの過去の時間ウィンドウの複数の時間ウィンドウの合計を有する。特定の実施形態において、複数の時間ウィンドウの合計は、1日の期間に対応している。
【0114】
[0087] 特定の実施形態において、RESは、太陽光発電アレイを有し、且つ、1つ又は複数の検知されたパラメータは、RES-ESS設備の1つ又は複数の場所において検知された放射照度を有する。
【0115】
[0088] 特定の実施形態において、RESは、1つ又は複数の風力タービンを有し、且つ、1つ又は複数の検知されたパラメータは、RES-ESS設備における又はその上方の1つ又は複数の場所において検知された風速を有する。
【0116】
[0089] 特定の実施形態において、RES-ESS設備は、少なくとも33kV又は少なくとも66kVの電圧において配電網にエネルギーを供給するように構成されている。特定の実施形態において、ESSは、排他的にRESから充電されるように構成されている。
【0117】
[0090] 特定の実施形態において、RESは、RESがESSを十分に充電しうることを保証するべく、RES-ESS設備の対応するESSとの関係におい過大にサイズ設定することができる(例えば、冬季において、或いは、相対的に多くの雲が予想される季節において、PVアレイを実施するRESの場合)。RESからの潜在的な過剰生成は、ESSのフルエネルギー容量を超過しうるであろう。このような例においては、購入者が、ESSによって吸収されうるものを超過した潜在的な過生成について課金されることにならないように、ESSの容量によって設定された、一日当たりの、RESからの算出された潜在的過剰エネルギー生成に基づいて、最大限度を設定することができる。この最大限度は、依然として、RESが生成しえたが、購入者が前日からESSを放電しなかったことから、ESS内において保存されなかった、潜在的なエネルギーについての課金を許容することになろう。このような例において、方法は、潜在的なRES過生成がESSの容量を超過している場合に、ESSの容量に基づいて課金される潜在的なRES過生成の量の上限を定めることを更に有することができる。
【0118】
[0091] 以上、本明細書において、特定の態様、特徴、及び例示用の実施形態について開示したが、本開示は、本明細書における開示に基づいた多数のその他の変更、変形、及び代替自体について当業者に示唆することになることから、本開示は、多数のその他の変更、変形、及び代替にも拡張され、且つ、これらを包含していることを理解されたい。本明細書において記述されている構造の様々な組合せ及びサブ組合せが、想定されており、且つ、本開示の知識を有する当業者には明らかとなろう。本明細書において開示されている様々な特徴及び要素の任意のものは、そうではない旨が本明細書において示されていない限り、1つ又は複数のその他の開示されている特徴及び要素と組み合わせることができる。対応する方式により、添付の請求項において特許請求されている本発明は、その範囲内の、且つ、請求項の均等物を含む、すべてのこのような変形、変更、及び代替実施形態を含むものとして、広範に解釈及び判断されるべく意図されている。