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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-27
(45)【発行日】2022-08-04
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20220728BHJP
   G06Q 20/32 20120101ALI20220728BHJP
【FI】
G06Q50/12
G06Q20/32
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022009448
(22)【出願日】2022-01-25
【審査請求日】2022-03-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】増田 光洋
(72)【発明者】
【氏名】辻 恭平
【審査官】阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/090020(WO,A1)
【文献】特開2022-12399(JP,A)
【文献】特開2008-287682(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが利用するユーザ端末から、前記ユーザが来た店舗を識別するための店舗識別情報と、前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、を受信する第1受信部と、
前記ユーザ識別情報に関連付けられた電子決済口座の残高を特定する特定部と、
前記店舗識別情報に関連付けられた、前記店舗で提供される一又は複数の商品を示す商品情報と、前記残高を示す残高情報と、を前記ユーザ端末が表示するための制御情報を前記ユーザ端末に送信する第1送信部と、
前記ユーザ端末から、前記商品情報が示す一又は複数の商品のうち前記ユーザが注文する一又は複数の商品を示す注文情報と、前記店舗において前記ユーザが商品の提供を受ける場所を識別するための場所識別情報と、を受信する第2受信部と、
前記店舗識別情報に関連付けられた店舗装置に、前記注文情報及び前記場所識別情報を送信する第2送信部と、
を有する、情報処理装置。
【請求項2】
前記第2受信部は、前記ユーザ端末から決済要求を受信し、
前記決済要求に応じて、前記残高から前記注文情報が示す一又は複数の商品の金額を減算する決済を行う決済部をさらに有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記決済部は、前記第2受信部が受信した前記決済要求に応じて、前記第2送信部が前記店舗装置に前記注文情報を送信する前に前記決済を行う、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記決済部は、前記注文情報が示す一又は複数の商品の金額が前記残高を超えている場合に、前記電子決済口座とは異なる決済手段による前記決済を受け付ける、
請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1送信部は、前記決済部が前記決済を行う前の前記注文情報が示す一又は複数の商品の金額と、前記残高と、を前記ユーザ端末が表示するための前記制御情報を前記ユーザ端末に送信する、
請求項2から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1送信部は、前記残高から、前記決済部が前記決済を行う前の前記注文情報が示す一又は複数の商品の金額を減算した値を前記ユーザ端末が表示するための前記制御情報を前記ユーザ端末に送信する、
請求項2から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1送信部は、前記残高に応じた表示態様で前記商品情報が示す一又は複数の前記商品を前記ユーザ端末が表示するための前記制御情報を、前記ユーザ端末に送信する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記特定部は、前記残高と、前記ユーザ識別情報に対応する前記ユーザが利用可能なポイントと、を特定し、
前記第1送信部は、前記残高及び前記ポイントを前記ユーザ端末が表示するための前記制御情報を前記ユーザ端末に送信する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記注文情報が示す一又は複数の商品の合計金額が前記残高を超えている場合に、前記第2送信部は前記店舗装置に前記注文情報を送信せず、前記第1送信部は前記注文情報が示す一又は複数の商品が提供されないことを示す情報を前記ユーザ端末が表示するための前記制御情報を、前記ユーザ端末に送信する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記特定部は、前記残高と、前記ユーザ識別情報に対応する前記ユーザが利用可能なポイントと、を特定し、
前記合計金額が前記残高を超えている場合であって、前記合計金額が前記残高と前記ポイントに対応する金額との合計値以下である場合に、前記第2送信部は前記店舗装置に前記注文情報を送信する、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記合計金額が前記残高を超えている場合であって、前記電子決済口座に対して前記残高を自動的に追加するための設定がされている場合に、前記第2送信部は前記店舗装置に前記注文情報を送信する、
請求項9又は10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記第1受信部は、前記ユーザ端末が前記場所に配置されたコードを読み取ることによって取得された前記店舗識別情報を受信し、
前記第2受信部は、前記ユーザ端末が前記コードを読み取ることによって取得された前記場所識別情報を受信する、
請求項1から11のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
プロセッサが実行する、
ユーザが利用するユーザ端末から、前記ユーザが来た店舗を識別するための店舗識別情報と、前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、を受信するステップと、
前記ユーザ識別情報に関連付けられた電子決済口座の残高を特定するステップと、
前記店舗識別情報に関連付けられた、前記店舗で提供される一又は複数の商品を示す商品情報と、前記残高を示す残高情報と、を前記ユーザ端末が表示するための制御情報を前記ユーザ端末に送信するステップと、
前記ユーザ端末から、前記商品情報が示す一又は複数の商品のうち前記ユーザが注文する一又は複数の商品を示す注文情報と、前記店舗において前記ユーザが商品の提供を受ける場所を識別するための場所識別情報と、を受信するステップと、
前記店舗識別情報に関連付けられた店舗装置に、前記注文情報及び前記場所識別情報を送信するステップと、
を有する、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗における商品の注文に関する情報を処理するための情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが利用するユーザ端末からの要求に応じてメニューを生成し、生成したメニューをユーザ端末に出力するシステムが記載されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-32831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
店舗において、電子マネー等の電子決済口座を利用して商品の代金を決済することが行われている。従来、ユーザは、メニュー等の商品情報を表示するためのアプリケーションと、電子決済口座の残高を表示するためのアプリケーションと、をユーザ端末において切り替える必要があった。そのため、ユーザが電子決済口座の残高を把握するために手間が掛かっていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザが電子決済口座の残高を把握するための手間を削減できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置は、ユーザが利用するユーザ端末から、前記ユーザが来た店舗を識別するための店舗識別情報と、前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、を受信する第1受信部と、前記ユーザ識別情報に関連付けられた電子決済口座の残高を特定する特定部と、前記店舗識別情報に関連付けられた、前記店舗で提供される一又は複数の商品を示す商品情報と、前記残高を示す残高情報と、を前記ユーザ端末が表示するための制御情報を前記ユーザ端末に送信する第1送信部と、前記ユーザ端末から、前記商品情報が示す一又は複数の商品のうち前記ユーザが注文する一又は複数の商品を示す注文情報と、前記店舗において前記ユーザが商品の提供を受ける場所を識別するための場所識別情報と、を受信する第2受信部と、前記店舗識別情報に関連付けられた店舗装置に、前記注文情報及び前記場所識別情報を送信する第2送信部と、を有する。
【0007】
前記第2受信部は、前記ユーザ端末から決済要求を受信し、前記情報処理装置は、前記決済要求に応じて、前記残高から前記注文情報が示す一又は複数の商品の金額を減算する決済を行う決済部をさらに有してもよい。
【0008】
前記決済部は、前記第2受信部が受信した前記決済要求に応じて、前記第2送信部が前記店舗装置に前記注文情報を送信する前に前記決済を行ってもよい。
【0009】
前記決済部は、前記注文情報が示す一又は複数の商品の金額が前記残高を超えている場合に、前記電子決済口座とは異なる決済手段による前記決済を受け付けてもよい。
【0010】
前記第1送信部は、前記決済部が前記決済を行う前の前記注文情報が示す一又は複数の商品の金額と、前記残高と、を前記ユーザ端末が表示するための前記制御情報を前記ユーザ端末に送信してもよい。
【0011】
前記第1送信部は、前記残高から、前記決済部が前記決済を行う前の前記注文情報が示す一又は複数の商品の金額を減算した値を前記ユーザ端末が表示するための前記制御情報を前記ユーザ端末に送信してもよい。
【0012】
前記第1送信部は、前記残高に応じた表示態様で前記商品情報が示す一又は複数の前記商品を前記ユーザ端末が表示するための前記制御情報を、前記ユーザ端末に送信してもよい。
【0013】
前記特定部は、前記残高と、前記ユーザ識別情報に対応する前記ユーザが利用可能なポイントと、を特定し、前記第1送信部は、前記残高及び前記ポイントを前記ユーザ端末が表示するための前記制御情報を前記ユーザ端末に送信してもよい。
【0014】
前記注文情報が示す一又は複数の商品の合計金額が前記残高を超えている場合に、前記第2送信部は前記店舗装置に前記注文情報を送信せず、前記第1送信部は前記注文情報が示す一又は複数の商品が提供されないことを示す情報を前記ユーザ端末が表示するための前記制御情報を、前記ユーザ端末に送信してもよい。
【0015】
前記特定部は、前記残高と、前記ユーザ識別情報に対応する前記ユーザが利用可能なポイントと、を特定し、前記合計金額が前記残高を超えている場合であって、前記合計金額が前記残高と前記ポイントに対応する金額との合計値以下である場合に、前記第2送信部は前記店舗装置に前記注文情報を送信してもよい。
【0016】
前記合計金額が前記残高を超えている場合であって、前記電子決済口座に対して前記残高を自動的に追加するための設定がされている場合に、前記第2送信部は前記店舗装置に前記注文情報を送信してもよい。
【0017】
前記第1受信部は、前記ユーザ端末が前記場所に配置されたコードを読み取ることによって取得された前記店舗識別情報を受信し、前記第2受信部は、前記ユーザ端末が前記コードを読み取ることによって取得された前記場所識別情報を受信してもよい。
【0018】
本発明の第2の態様の情報処理方法は、プロセッサが実行する、ユーザが利用するユーザ端末から、前記ユーザが来た店舗を識別するための店舗識別情報と、前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、を受信するステップと、前記ユーザ識別情報に関連付けられた電子決済口座の残高を特定するステップと、前記店舗識別情報に関連付けられた、前記店舗で提供される一又は複数の商品を示す商品情報と、前記残高を示す残高情報と、を前記ユーザ端末が表示するための制御情報を前記ユーザ端末に送信するステップと、前記ユーザ端末から、前記商品情報が示す一又は複数の商品のうち前記ユーザが注文する一又は複数の商品を示す注文情報と、前記店舗において前記ユーザが商品の提供を受ける場所を識別するための場所識別情報と、を受信するステップと、前記店舗識別情報に関連付けられた店舗装置に、前記注文情報及び前記場所識別情報を送信するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ユーザが電子決済口座の残高を把握するための手間を削減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態に係る情報処理システムの模式図である。
図2】実施形態に係る情報処理システムのブロック図である。
図3】例示的な口座情報の模式図である。
図4】例示的な商品情報及び残高情報を表示しているユーザ端末の模式図である。
図5】例示的な商品情報及び残高情報を表示しているユーザ端末の模式図である。
図6】注文情報が示す一又は複数の商品が提供されないことを示す情報を表示しているユーザ端末の模式図である。
図7】実施形態に係る情報処理システムが実行する例示的な情報処理方法のシーケンス図である。
図8】変形例に係る情報処理システムが実行する例示的な情報処理方法のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[情報処理システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る情報処理システムSの模式図である。情報処理システムSは、情報処理装置1と、ユーザ端末2と、店舗装置3と、を含む。情報処理システムSは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0022】
情報処理装置1は、店舗における商品の注文に関する情報を処理するためのコンピュータである。情報処理装置1は、例えば、一又は複数のサーバである。店舗は、来店したユーザが注文した商品を当該ユーザに対して提供するための場所である。商品は、ユーザに対して提供される物品と、ユーザに対して提供されるサービスと、の少なくとも一方を含む。
【0023】
ユーザ端末2は、ユーザが利用するコンピュータである。ユーザ端末2は、ユーザによる入力を受け付けるとともに、情報処理装置1から受信した情報をユーザに対して出力する。ユーザ端末2は、ユーザによって店舗に持ち込まれ、又は店舗に配置されている。ユーザは、店舗において商品の提供を受ける人間である。ユーザ端末2は、当該ユーザ端末2を利用するユーザを識別するためのユーザ識別情報(以下、ユーザID)に関連付けられている。
【0024】
ユーザ端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータである。ユーザ端末2は、ユーザによる操作を受け付けるためのタッチパネルやキーボード等の操作部と、情報を表示するための液晶ディスプレイ等の表示部と、撮像をするための撮像素子を含む撮像部と、を有する。ユーザ端末2は、有線通信又は無線通信の少なくとも一方によって、情報処理装置1と通信する。
【0025】
店舗装置3は、店舗の従業員が利用するコンピュータである。店舗装置3は、情報処理装置1から受信した情報を店舗の従業員に対して出力する。店舗装置3は、店舗を識別するための店舗識別情報(以下、店舗ID)に関連付けられている。店舗装置3は、例えば、POS(Point of Sales)装置、スマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータである。店舗装置3は、情報を表示するための液晶ディスプレイ等の表示部を有する。店舗装置3は、有線通信又は無線通信の少なくとも一方によって、情報処理装置1と通信する。
【0026】
本実施形態に係る情報処理システムSが実行する処理の概要を以下に説明する。ユーザ端末2は、例えば、店舗においてユーザが着席した場所(テーブル、カウンター等)に配置されたコードCを読み取ることによって、店舗を識別するための店舗IDと、ユーザが商品の提供を受ける場所を識別するための場所識別情報(以下、場所ID)と、を取得する。コードCは、例えば、バーコード又は2次元コードである。ユーザ端末2は、店舗IDと、ユーザ端末2を利用するユーザを識別するためのユーザIDと、を情報処理装置1に送信する。
【0027】
情報処理装置1は、ユーザ端末2から、店舗ID及びユーザIDを受信する。情報処理装置1は、ユーザIDに関連付けられた電子決済口座の残高を特定する。電子決済口座は、例えば、ユーザ端末2上で電子的な決済を行うための金銭を記録している口座であり、決済事業者によって管理される。情報処理装置1は、例えば、決済事業者に関連付けられた決済サーバに問い合わせることによって、ユーザIDに関連付けられた電子決済口座の残高を特定する。情報処理装置1は、店舗で提供される一又は複数の商品を示す商品情報(メニューともいう)と、特定した残高を示す残高情報と、をユーザ端末2に送信する。
【0028】
ユーザ端末2は、情報処理装置1から商品情報及び残高情報を受信し、表示部上に表示する。ユーザ端末2は、商品情報が示す一又は複数の商品のうちユーザが注文する一又は複数の商品の指定を受け付ける。ユーザ端末2は、ユーザが注文する一又は複数の商品を示す注文情報と、場所IDと、を情報処理装置1に送信する。
【0029】
情報処理装置1は、ユーザ端末2から、注文情報及び場所IDを受信する。情報処理装置1は、店舗IDに関連付けられた店舗装置3に、注文情報及び場所IDを送信する。店舗装置3は、情報処理装置1から注文情報及び場所IDを受信し、表示部上に表示する。店舗は、注文情報が示す一又は複数の商品を、場所IDに対応する場所にいるユーザに提供する。
【0030】
ユーザ端末2は、ユーザが注文した一又は複数の商品に対する決済要求を、情報処理装置1に送信する。情報処理装置1は、ユーザ端末2から決済要求を受信する。情報処理装置1は、決済要求を受信したことに応じて、特定した残高から注文情報が示す一又は複数の商品の金額を減算する決済を行う。
【0031】
このように、情報処理システムSは、ユーザがユーザ端末2を用いて商品の注文をするための処理の中で、ユーザが有する電子決済口座の残高を特定し、ユーザ端末2において商品情報とともに残高情報を表示する。これにより、情報処理システムSは、ユーザが商品情報を表示するアプリケーションと電子決済口座の残高を表示するためのアプリケーションとを切り替える必要がないため、ユーザが電子決済口座の残高を把握するための手間を削減できる。
【0032】
[情報処理システムSの構成]
図2は、本実施形態に係る情報処理システムSのブロック図である。図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、図2に示したもの以外のデータの流れがあってもよい。図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0033】
情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を有する。情報処理装置1は、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。また、情報処理装置1は、コンピュータ資源の集合であるクラウドによって構成されてもよい。
【0034】
通信部11は、ネットワークを介してユーザ端末2及び店舗装置3との間でデータを送受信するための通信コントローラを有する。通信部11は、ユーザ端末2からネットワークを介して受信したデータを制御部13に通知する。また、通信部11は、ネットワークを介して、制御部13から出力されたデータをユーザ端末2及び店舗装置3に送信する。
【0035】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを予め記憶している。また、記憶部12は、店舗で提供される一又は複数の商品を示す商品情報を、当該店舗を識別するための店舗IDと関連付けて予め記憶している。記憶部12は、情報処理装置1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部13との間でデータの授受を行ってもよい。
【0036】
制御部13は、第1受信部131と、特定部132と、第1送信部133と、第2受信部134と、第2送信部135と、決済部136と、を有する。制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、第1受信部131、特定部132、第1送信部133、第2受信部134、第2送信部135及び決済部136として機能する。制御部13の機能の少なくとも一部は、電気回路によって実行されてもよい。また、制御部13の機能の少なくとも一部は、ネットワーク経由で実行されるプログラムによって実行されてもよい。
【0037】
情報処理システムSが本実施形態に係る処理を実行するための構成を以下に説明する。ユーザは、店舗に来ると、店舗内のいずれかの場所(テーブル、カウンター等)に着席する。ユーザが着席した店舗内の場所には、店舗を識別するための店舗IDと、当該場所を識別するための場所IDと、を示すコードCが配置されている。
【0038】
コードCは、例えば、店舗ID及び場所IDを所定の規則に従って符号化することによって生成されたバーコード又は2次元コードであり、紙等に印刷されている。コードCは、ユーザが着席した場所に付され、又はユーザが着席した場所に応じて店舗の従業員からユーザに手渡される。
【0039】
ユーザ端末2は、ユーザにより所定の操作が行われたことに応じて、撮像部を用いてコードCを撮像する。ユーザ端末2は、コードCの撮像画像を所定の規則に従って復号することによって、コードCが示す店舗ID及び場所IDを取得する。ユーザ端末2は、コードCを読み取ることによって取得された店舗ID及び場所IDを、記憶部に一時的に記憶させる。
【0040】
ユーザ端末2は、コードCを読み取ることによって取得された店舗IDと、ユーザ端末2を利用するユーザを識別するためのユーザIDと、を、情報処理装置1に送信する。ユーザIDは、ユーザ端末2に予め設定されている。ユーザIDは、例えば、店舗と、ユーザが利用する決済サービスを提供する決済事業者と、ユーザ端末2が利用する通信サービスを提供する通信事業者と、のいずれかによってユーザに付与された識別情報である。ユーザ端末2は、店舗ID及びユーザIDとともに、場所IDを情報処理装置1に送信してもよい。
【0041】
情報処理装置1において、第1受信部131は、ユーザ端末2から、店舗ID及びユーザIDを受信する。特定部132は、第1受信部131が受信したユーザIDに関連付けられた電子決済口座の残高を特定する。特定部132は、例えば、決済事業者に関連付けられた決済サーバに第1受信部131が受信したユーザIDを送信することにより、ユーザの電子決済口座の残高を問い合わせる。
【0042】
決済サーバは、ユーザが有する電子決済口座の残高を含む口座情報を記憶部上に記憶している。図3は、例示的な口座情報の模式図である。口座情報は、例えば、ユーザIDと、残高と、ポイント数と、オートチャージ情報と、を関連付けた情報である。
【0043】
残高は、店舗においてユーザが電子決済口座を用いて決済をするために利用可能な金額である。残高は、例えば、ユーザが予め電子決済口座に入金する手続きをすることによって加算される。ポイント数は、店舗においてユーザが電子決済口座を用いて決済をするために利用可能なポイントの数である。ポイントは、所定の価値の金銭に相当しており、商品の金額の支払いに充当される。例えば、1ポイントは1円として利用される。ポイントは、例えば、決済事業者又はその他の事業者によって、所定の条件を満たしたユーザに付与される。
【0044】
オートチャージ情報は、電子決済口座に対して残高を自動的に追加するための設定がされているか否かを示す情報である。電子決済口座に対して残高を自動的に追加するための設定がされている場合に、例えば、所定の条件(例えば、残高が所定の基準金額以下となること)が満たされたことに応じて、ユーザの銀行口座又はクレジットカードから電子決済口座に所定の金額が自動的に入金される。図3の例において、オートチャージ情報が「有」の場合に電子決済口座に対して残高を自動的に追加するための設定がされており、オートチャージ情報が「無」の場合に電子決済口座に対して残高を自動的に追加するための設定がされていない。口座情報は、ここに示した具体的な情報に限られず、その他の情報を含んでもよい。
【0045】
決済サーバは、記憶部に記憶された一又は複数の口座情報の中から、情報処理装置1から受信したユーザIDに関連付けられた口座情報を抽出する。決済サーバは、抽出した口座情報を、情報処理装置1に送信する。
【0046】
情報処理装置1において、特定部132は、決済サーバから受信した口座情報が示す残高、ポイント数及びオートチャージ情報を、ユーザが有する電子決済口座の残高、ポイント数及びオートチャージ情報として特定する。特定部132は、ここに示した具体的な方法に限られず、その他の方法でユーザが有する電子決済口座の残高、ポイント数及びオートチャージ情報を特定してもよい。例えばポイント数が決済サーバとは異なる事業者によって管理されている場合に、特定部132は、当該事業者に関連付けられた装置にユーザIDを送信することにより、ユーザのポイント数を問い合わせてもよい。
【0047】
第1送信部133は、記憶部12に予め記憶された商品情報の中から、第1受信部131が受信した店舗IDに関連付けられた商品情報を取得する。商品情報は、例えば、店舗で提供される一又は複数の商品それぞれの画像、名称及び価格のうち少なくとも1つを含む。
【0048】
第1送信部133は、取得した商品情報と、特定部132が特定した電子決済口座の残高及びポイント数を示す残高情報と、をユーザ端末2が表示するための制御情報を、ユーザ端末2に送信する。制御情報は、例えば、商品情報及び残高情報を含むWebページを表示するためのデータである。ユーザ端末2は、情報処理装置1から受信した制御情報に従って、商品情報及び残高情報を表示部上に表示する。商品情報及び残高情報は、ユーザ端末2が実行する1つのアプリケーションによって表示される。
【0049】
図4は、例示的な商品情報及び残高情報を表示しているユーザ端末2の模式図である。図4に例示した画面Aは、商品情報A1と、残高情報A2と、を含む。商品情報A1は、店舗で提供される一又は複数の商品それぞれの画像、名称及び価格を表している。ユーザ端末2は、ユーザによる操作部の操作に応じて、注文する一又は複数の商品の選択を受け付ける。
【0050】
残高情報A2は、ユーザが有する電子決済口座の残高と、店舗においてユーザが電子決済口座を用いて決済をするために利用可能なポイントの数と、を表している。これにより、ユーザは、店舗においてユーザ端末2を用いて商品を注文する際に、電子決済口座の残高を容易に把握できる。
【0051】
また、情報処理装置1は、ユーザが有する電子決済口座の残高に応じて、商品の表示態様を変更してもよい。この場合に、第1送信部133は、商品情報及び残高情報に加えて、特定部132が特定した残高に応じた表示態様で商品情報が示す一又は複数の商品をユーザ端末2が表示するための制御情報を、ユーザ端末2に送信する。制御情報は、例えば、残高以下の価格である商品の表示態様を、残高より高い価格である商品の表示態様とは異ならせる情報である。
【0052】
また、情報処理装置1は、決済を行う前の商品の金額に応じて、利用可能な電子決済口座の残高をユーザ端末2に表示させてもよい。この場合に、第1送信部133は、例えば、記憶部12において、場所ID及びユーザIDに関連付けられた注文情報であって、後述の決済部136が決済を行う前の注文情報を取得する。第1送信部133は、電子決済口座の残高から、決済前の注文情報が示す一又は複数の商品の金額を減算した値を、利用可能残高として算出する。
【0053】
第1送信部133は、商品情報と、電子決済口座の残高、ポイント数及び利用可能残高を示す残高情報と、決済前の注文情報が示す一又は複数の商品の金額と、をユーザ端末2が表示するための制御情報を、ユーザ端末2に送信する。利用可能残高の算出は、情報処理装置1ではなく、ユーザ端末2によって行われてもよい。この場合に、ユーザ端末2は、情報処理装置1から受信した電子決済口座の残高から、情報処理装置1から受信した決済前の注文情報が示す一又は複数の商品の金額を減算した値を、利用可能残高として算出する。
【0054】
図5は、例示的な商品情報及び残高情報を表示しているユーザ端末2の模式図である。図5に例示した画面Aは、商品情報A1及び残高情報A2に加えて、残高以下の価格である商品の商品情報A1を強調表示するための枠A3を含む。また、ユーザ端末2は、枠A3の表示に代えて又は加えて、残高以下の価格である商品の商品情報A1の色、大きさ、模様等の表示態様を、残高より高い価格である商品の商品情報A1の表示態様とは異ならせてもよい。これにより、ユーザは、注文する商品を選択するための商品情報A1の中で、電子決済口座の残高の範囲内で購入できる商品を容易に把握することができる。
【0055】
図5に例示した画面Aにおいて、残高情報A2は、電子決済口座の残高及びポイント数に加えて、電子決済口座の残高から決済前の注文情報が示す一又は複数の商品の金額を減算した値である利用可能残高と、決済前の注文情報が示す一又は複数の商品の金額(図5中の決済前金額)と、を含む。これにより、ユーザは、注文する商品を選択するための商品情報A1とともに、既に注文した決済前の商品の金額が反映された利用可能な残高を容易に把握することができる。
【0056】
ユーザは、ユーザ端末2の操作部を用いて、商品情報A1が示す一又は複数の商品のうちユーザが注文する一又は複数の商品を選択した後、注文を確定するための所定の操作(例えば、注文ボタンの選択)をする。ユーザによる所定の操作に応じて、ユーザ端末2は、選択された一又は複数の商品を示す注文情報を、場所ID及びユーザIDとともに情報処理装置1に送信する。ユーザ端末2は、注文情報、場所ID及びユーザIDとともに、店舗IDを情報処理装置1に送信してもよい。
【0057】
情報処理装置1において、第2受信部134は、ユーザ端末2から、注文情報、場所ID及びユーザIDを受信する。本実施形態において、第2受信部134は、注文情報及びユーザIDとともに場所IDを受信するが、注文情報及びユーザIDとは異なるタイミングで場所IDを受信してもよい。第2受信部134は、例えば、ユーザ端末2が商品情報を表示する際に、ユーザ端末2から店舗ID及びユーザIDとともに場所IDを受信してもよい。この場合に、第2受信部134は、店舗ID及びユーザIDとともに受信した場所IDをユーザIDと関連付けて記憶部12に記憶しておき、注文情報及びユーザIDを受信したタイミングで記憶部12においてユーザIDに関連付けられた場所IDを取得する。
【0058】
第2送信部135は、記憶部12において、場所ID及びユーザIDに関連付けられた注文情報であって、後述の決済部136が決済を行う前の注文情報を取得する。第2送信部135は、第2受信部134が受信した注文情報が示す一又は複数の商品と、記憶部12から取得した注文情報が示す一又は複数の商品と、の合計金額を算出する。第2送信部135は、算出した合計金額が、特定部132が特定した残高以下であるか否かを判定する。
【0059】
合計金額が残高以下であると判定された場合に、第2送信部135は、第2受信部134が受信した注文情報、場所ID及びユーザIDを関連付けて記憶部12に記憶させるとともに、第1受信部131が受信した店舗IDに関連付けられた店舗装置3に、第2受信部134が受信した注文情報及び場所IDを送信する。店舗装置3は、情報処理装置1から注文情報及び場所IDを受信し、表示部上に表示する。店舗は、注文情報が示す一又は複数の商品を、場所IDに対応する場所にいるユーザに提供する。
【0060】
一方、合計金額が残高を超えていると判定された場合に、第2送信部135は店舗装置3に注文情報を送信せず、第1送信部133は注文情報が示す一又は複数の商品が提供されないことを示す情報をユーザ端末2が表示するための制御情報を、ユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2は、情報処理装置1から受信した制御情報に従って、注文情報が示す一又は複数の商品(すなわち、ユーザが注文した商品)が提供されないことを示す情報を表示部上に表示する。
【0061】
図6は、注文情報が示す一又は複数の商品が提供されないことを示す情報を表示しているユーザ端末2の模式図である。図6に例示した画面Aは、商品情報A1及び残高情報A2に加えて、注文情報が示す一又は複数の商品が提供されないことを示すメッセージA4を含む。これにより、ユーザは、商品を注文する段階で、電子決済口座の残高が不足しているか否かを容易に把握できる。
【0062】
また、第2送信部135は、電子決済口座の残高に加えて、ユーザが利用可能なポイントを考慮して、合計金額に対する判定を行ってもよい。この場合に、第2送信部135は、算出した合計金額が、特定部132が特定した残高と、特定部132が特定したポイント数に対応する金額と、の合計値以下であるか否かを判定する。合計金額が残高及びポイント数に対応する金額の合計値以下であると判定された場合に、第2送信部135は、店舗装置3に注文情報及び場所IDを送信し、そうでない場合に送信しない。これにより、情報処理装置1は、合計金額が残高を超えている場合であっても、ユーザがポイントを所持していることを条件としてユーザからの注文を受け付けることができる。
【0063】
また、第2送信部135は、電子決済口座の残高に加えて、電子決済口座に対して残高を自動的に追加するための設定がされているか否かを考慮して、合計金額に対する判定を行ってもよい。この場合に、第2送信部135は、特定部132が特定したオートチャージ情報が、電子決済口座に対して残高を自動的に追加するための設定がされていることを示すか否かを判定する。電子決済口座に対して残高を自動的に追加するための設定がされていると判定された場合に、第2送信部135は、店舗装置3に注文情報及び場所IDを送信し、そうでない場合に送信しない。これにより、情報処理装置1は、合計金額が残高を超えている場合であっても、電子決済口座に対して残高を自動的に追加するための設定がされていることを条件としてユーザからの注文を受け付けることができる。
【0064】
ユーザは、ユーザ端末2の操作部を用いて、決済を行うための所定の操作(例えば、決済ボタンの選択)をする。ユーザによる所定の操作に応じて、ユーザ端末2は、ユーザID及び場所IDを含む決済要求を、情報処理装置1に送信する。
【0065】
決済部136は、第2受信部134が決済要求を受信したことに応じて、注文情報に対応する決済を行う。決済部136は、例えば、記憶部12において決済要求が含む場所ID及びユーザIDに関連付けられた注文情報を取得し、注文情報が示す一又は複数の商品の金額を合計することによって、決済金額を算出する。
【0066】
そして決済部136は、決済事業者に関連付けられた決済サーバに対して決済金額を含む所定の情報を送信することにより、決済要求が含むユーザIDに関連付けられた電子決済口座の残高から決済金額を減算する決済を行う。また、決済部136は、決済要求が含むユーザIDに関連付けられた電子決済口座の残高及びポイント数から決済金額を減算する決済を行ってもよい。
【0067】
また、決済部136は、決済金額が電子決済口座の残高を超えている場合に、電子決済口座とは異なる決済手段による決済を受け付けてもよい。この場合に、決済部136は、ユーザ端末2から、電子決済口座とは異なる決済手段による決済を行うための情報(例えば、クレジットカード番号)を受信し、受信した情報及び決済金額を決済事業者に関連付けられた決済サーバに対して送信することにより、決済を行う。これにより、情報処理装置1は、決済金額が残高を超えている場合であっても、別の決済手段によって決済を行うことができる。
【0068】
決済が完了した後に、決済部136は、記憶部12において注文情報に関連付けて決済が完了したことを示す情報を記憶させるとともに、決済が完了したことを示す情報をユーザ端末2及び店舗装置3に通知する。
【0069】
[情報処理方法のシーケンス]
図7は、本実施形態に係る情報処理システムSが実行する例示的な情報処理方法のシーケンス図である。ユーザ端末2は、ユーザにより所定の操作が行われたことに応じて、撮像部を用いてコードCを撮像する。ユーザ端末2は、コードCの撮像画像を所定の規則に従って復号することによって、コードCが示す店舗ID及び場所IDを取得する(S11)。ユーザ端末2は、コードCを読み取ることによって取得された店舗IDと、ユーザ端末2を利用するユーザを識別するためのユーザIDと、を、情報処理装置1に送信する。
【0070】
情報処理装置1において、第1受信部131は、ユーザ端末2から、店舗ID及びユーザIDを受信する。特定部132は、第1受信部131が受信したユーザIDに関連付けられた電子決済口座の残高を特定する(S12)。特定部132は、例えば、決済事業者に関連付けられた決済サーバに第1受信部131が受信したユーザIDを送信することにより、ユーザの電子決済口座の残高を問い合わせる。特定部132は、決済サーバから受信した口座情報が示す残高、ポイント数及びオートチャージ情報を、ユーザが有する電子決済口座の残高、ポイント数及びオートチャージ情報として特定する。
【0071】
第1送信部133は、記憶部12に予め記憶された商品情報の中から、第1受信部131が受信した店舗IDに関連付けられた商品情報を取得する。第1送信部133は、取得した商品情報と、特定部132が特定した電子決済口座の残高及びポイント数を示す残高情報と、をユーザ端末2が表示するための制御情報を、ユーザ端末2に送信する(S13)。
【0072】
ユーザ端末2は、情報処理装置1から受信した制御情報に従って、商品情報及び残高情報を表示部上に表示する(S14)。ユーザは、ユーザ端末2の操作部を用いて、商品情報A1が示す一又は複数の商品のうちユーザが注文する一又は複数の商品を選択した後、注文を確定するための所定の操作をする。ユーザ端末2は、選択された一又は複数の商品を示す注文情報を、場所ID及びユーザIDとともに情報処理装置1に送信する。
【0073】
情報処理装置1において、第2受信部134は、ユーザ端末2から、注文情報、場所ID及びユーザIDを受信する。第2送信部135は、記憶部12において、場所ID及びユーザIDに関連付けられた注文情報であって、決済部136が決済を行う前の注文情報を取得する。第2送信部135は、第2受信部134が受信した注文情報が示す一又は複数の商品と、記憶部12から取得した注文情報が示す一又は複数の商品と、の合計金額を算出する。
【0074】
第2送信部135は、算出した合計金額が、特定部132が特定した残高以下であるか否かを判定する。ここで第2送信部135は、残高に加えて、ユーザが利用可能なポイントと、電子決済口座に対して残高を自動的に追加するための設定がされているか否かと、の少なくとも一方を考慮して、合計金額に対する判定を行ってもよい。
【0075】
合計金額が残高を超えていると判定された場合に(S15のNO)、第2送信部135は店舗装置3に注文情報を送信せず、第1送信部133は注文情報が示す一又は複数の商品が提供されないことを示す情報をユーザ端末2が表示するための制御情報を、ユーザ端末2に送信する(S16)。ユーザ端末2は、情報処理装置1から受信した制御情報に従って、注文情報が示す一又は複数の商品が提供されないことを示す情報を表示部上に表示する。
【0076】
合計金額が残高以下であると判定された場合に(S15のYES)、第2送信部135は、第2受信部134が受信した注文情報、場所ID及びユーザIDを関連付けて記憶部12に記憶させるとともに、第1受信部131が受信した店舗IDに関連付けられた店舗装置3に、第2受信部134が受信した注文情報及び場所IDを送信する(S17)。店舗装置3は、情報処理装置1から注文情報及び場所IDを受信し、表示部上に表示する(S18)。店舗は、注文情報が示す一又は複数の商品を、場所IDに対応する場所にいるユーザに提供する。
【0077】
ユーザは、ユーザ端末2の操作部を用いて、決済を行うための所定の操作をする。ユーザ端末2は、ユーザID及び場所IDを含む決済要求を、情報処理装置1に送信する。情報処理装置1において、第2受信部134は、ユーザ端末2から、決済要求を受信する。
【0078】
第2受信部134が決済要求を受信したことに応じて、決済部136は、決済要求が含むユーザIDに関連付けられた電子決済口座の残高から決済金額を減算する決済を行う(S19)。また、決済部136は、決済要求が含むユーザIDに関連付けられた電子決済口座の残高及びポイント数から決済金額を減算する決済を行ってもよい。
【0079】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る情報処理システムSは、ユーザがユーザ端末2を用いて商品の注文をするための処理の中で、ユーザが有する電子決済口座の残高を特定し、ユーザ端末2において商品情報とともに残高情報を表示する。これにより、情報処理システムSは、ユーザが商品情報を表示するアプリケーションと電子決済口座の残高を表示するためのアプリケーションとを切り替える必要がないため、ユーザが電子決済口座の残高を把握するための手間を削減できる。
【0080】
<変形例>
上述の実施形態に係る情報処理システムSは商品の注文後に決済を行うのに対して、本変形例に係る情報処理システムSは商品の注文時に決済を行う。以下、上述の実施形態とは異なる部分を主に説明する。
【0081】
図8は、本変形例に係る情報処理システムSが実行する例示的な情報処理方法のシーケンス図である。ユーザ端末2は、ユーザにより所定の操作が行われたことに応じて、撮像部を用いてコードCを撮像する。ユーザ端末2は、コードCの撮像画像を所定の規則に従って復号することによって、コードCが示す店舗ID及び場所IDを取得する(S21)。ユーザ端末2は、コードCを読み取ることによって取得された店舗IDと、ユーザ端末2を利用するユーザを識別するためのユーザIDと、を、情報処理装置1に送信する。
【0082】
情報処理装置1において、第1受信部131は、ユーザ端末2から、店舗ID及びユーザIDを受信する。特定部132は、第1受信部131が受信したユーザIDに関連付けられた電子決済口座の残高を特定する(S22)。特定部132は、例えば、決済事業者に関連付けられた決済サーバに第1受信部131が受信したユーザIDを送信することにより、ユーザの電子決済口座の残高を問い合わせる。特定部132は、決済サーバから受信した口座情報が示す残高、ポイント数及びオートチャージ情報を、ユーザが有する電子決済口座の残高、ポイント数及びオートチャージ情報として特定する。
【0083】
第1送信部133は、記憶部12に予め記憶された商品情報の中から、第1受信部131が受信した店舗IDに関連付けられた商品情報を取得する。第1送信部133は、取得した商品情報と、特定部132が特定した電子決済口座の残高及びポイント数を示す残高情報と、をユーザ端末2が表示するための制御情報を、ユーザ端末2に送信する(S23)。
【0084】
ユーザ端末2は、情報処理装置1から受信した制御情報に従って、商品情報及び残高情報を表示部上に表示する(S24)。ユーザは、ユーザ端末2の操作部を用いて、商品情報A1が示す一又は複数の商品のうちユーザが注文する一又は複数の商品を選択した後、注文を確定するための所定の操作をする。ユーザ端末2は、選択された一又は複数の商品を示す注文情報を、場所ID及びユーザIDとともに情報処理装置1に送信する。
【0085】
情報処理装置1において、第2受信部134は、ユーザ端末2から、注文情報、場所ID及びユーザIDを、決済要求として受信する。第2受信部134が決済要求を受信したことに応じて、決済部136は、第2受信部134が受信した注文情報が示す一又は複数の商品の合計金額を算出する。決済部136は、算出した合計金額が、特定部132が特定した残高以下であるか否かを判定する。ここで決済部136は、残高に加えて、ユーザが利用可能なポイントと、電子決済口座に対して残高を自動的に追加するための設定がされているか否かと、の少なくとも一方を考慮して、合計金額に対する判定を行ってもよい。
【0086】
合計金額が残高を超えていると判定された場合に(S25のNO)、決済部136は決済を行わず、第1送信部133は注文情報が示す一又は複数の商品が提供されないことを示す情報をユーザ端末2が表示するための制御情報を、ユーザ端末2に送信する(S26)。ユーザ端末2は、情報処理装置1から受信した制御情報に従って、注文情報が示す一又は複数の商品が提供されないことを示す情報を表示部上に表示する。
【0087】
合計金額が残高以下であると判定された場合に(S25のYES)、決済部136は、決済要求が含むユーザIDに関連付けられた電子決済口座の残高から決済金額を減算する決済を行う(S27)。すなわち、決済部136は、第2送信部135が店舗装置3に注文情報を送信する前に決済を行う。また、決済部136は、決済要求が含むユーザIDに関連付けられた電子決済口座の残高及びポイント数から決済金額を減算する決済を行ってもよい。
【0088】
決済部136による決済が完了した後に、第2送信部135は、第1受信部131が受信した店舗IDに関連付けられた店舗装置3に、第2受信部134が受信した注文情報及び場所IDを送信する(S28)。店舗装置3は、情報処理装置1から注文情報及び場所IDを受信し、表示部上に表示する(S29)。店舗は、注文情報が示す一又は複数の商品を、場所IDに対応する場所にいるユーザに提供する。
【0089】
本変形例に係る情報処理システムSによれば、商品の注文時に決済を行う場合であっても、ユーザがユーザ端末2を用いて商品の注文をするための処理の中でユーザが有する電子決済口座の残高をユーザ端末2に表示させることにより、ユーザが電子決済口座の残高を把握するための手間を削減できる。
【0090】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0091】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【0092】
情報処理装置1、ユーザ端末2及び店舗装置3のプロセッサは、図7及び図8に示す情報処理方法に含まれる各ステップ(工程)の主体となる。すなわち、情報処理装置1、ユーザ端末2及び店舗装置3のプロセッサは、記憶部に記憶されたプログラムを実行することによって、図7及び図8に示す情報処理方法を実行する。図7及び図8に示す情報処理方法に含まれるステップは一部省略されてもよく、ステップ間の順番が変更されてもよく、複数のステップが並行して行われてもよい。
【符号の説明】
【0093】
S 情報処理システム
1 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 第1受信部
132 特定部
133 第1送信部
134 第2受信部
135 第2送信部
136 決済部
2 ユーザ端末
3 店舗装置

【要約】
【課題】ユーザが電子決済口座の残高を把握するための手間を削減できるようにする。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る情報処理装置1は、ユーザ端末から、店舗識別情報と、ユーザ識別情報と、を受信する第1受信部と、ユーザ識別情報に関連付けられた電子決済口座の残高を特定する特定部と、店舗識別情報に関連付けられた、店舗で提供される一又は複数の商品を示す商品情報と、残高を示す残高情報と、をユーザ端末が表示するための制御情報をユーザ端末に送信する第1送信部と、ユーザ端末から、商品情報が示す一又は複数の商品のうちユーザが注文する一又は複数の商品を示す注文情報と、店舗においてユーザが商品の提供を受ける場所を識別するための場所識別情報と、を受信する第2受信部と、店舗識別情報に関連付けられた店舗装置に、注文情報及び場所識別情報を送信する第2送信部と、を有する。
【選択図】図2

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8