(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-27
(45)【発行日】2022-08-04
(54)【発明の名称】服薬管理装置
(51)【国際特許分類】
A61J 7/04 20060101AFI20220728BHJP
【FI】
A61J7/04 B
A61J7/04 Z
(21)【出願番号】P 2022051070
(22)【出願日】2022-03-28
【審査請求日】2022-06-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505174987
【氏名又は名称】学校法人日本教育財団
(73)【特許権者】
【識別番号】522122880
【氏名又は名称】高木 美也子
(73)【特許権者】
【識別番号】522121654
【氏名又は名称】加藤 泰久
(73)【特許権者】
【識別番号】522122891
【氏名又は名称】前野 譲二
(73)【特許権者】
【識別番号】522121676
【氏名又は名称】鈴木 範子
(73)【特許権者】
【識別番号】522121698
【氏名又は名称】江藤 潔
(73)【特許権者】
【識別番号】522122905
【氏名又は名称】ミテテルテクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100171963
【氏名又は名称】砂川 惠一
(72)【発明者】
【氏名】高木 美也子
(72)【発明者】
【氏名】加藤 泰久
(72)【発明者】
【氏名】前野 譲二
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 範子
(72)【発明者】
【氏名】江藤 潔
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3218454(JP,U)
【文献】特開2016-146860(JP,A)
【文献】登録実用新案第3171265(JP,U)
【文献】特開2010-75227(JP,A)
【文献】登録実用新案第3024180(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤収納手段と、
服薬すべき薬剤の情報を登録する薬剤登録手段と、
前記薬剤ごとの服薬スケジュールを登録可能な時計と、
前記薬剤収納手段内の薬剤包装を検知する検知手段と、
前記時計に入力された服薬時間を告知する告知手段と、
前記時計に入力された服薬時間になったときに計時を開始する経過時間計測手段と、
前記時計に入力された服薬時間から所定の時間が経過しても前記薬剤収納手段内に前記薬剤包装が検知される場合に警告を発する告知手段と、
前記時計に入力された服薬時間後に前記薬剤収納手段内の薬剤包装を検知しなくなったときに計時を開始する経過時間計測手段と、
前記薬剤収納手段内から前記薬剤包装が検知されなくなってから所定の時間が経過しても前記薬剤収納手段内に前記薬剤包装が検知されない場合に警告を発する告知手段と、
を備えることを特徴とする薬剤収納装置。
【請求項2】
前記薬剤登録手段が、処方箋発行に際して記録用に発行される二次元コードを読み取る二次元コード読み取り手段を備え、
インターネットに接続することができる通信手段と、
前記二次元コード読み取り手段により獲得した薬剤情報をもとに当該処方された薬剤の画像情報をインターネットで検索する画像検索手段と、
前記薬剤収納手段内の薬剤の画像を検知する薬剤包装画像検知手段と、
前記時計に登録された服薬スケジュールに該当する薬剤と、前記薬剤包装画像検知手段で検知された薬剤と、を照合する薬剤包装画像照合手段と、
前記照合手段で前記時計に登録された服薬スケジュールに該当する薬剤と、前記薬剤包装画像検知手段で検知された薬剤とが一致しなかった場合警告を発する警告手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載された薬剤収納装置。
【請求項3】
前記告知手段として、前記時計に登録された服薬スケジュールに該当する薬剤の名称を文字で表示する文字表示手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載された薬剤収納装置。
【請求項4】
前記告知手段が、前記時計に登録された服薬スケジュールに該当する薬剤の名称や、時間通り薬剤が取り出されなかったり取り出し後まだ薬剤が残っていたりする場合の警告を、音声で告知する音声告知手段であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載された薬剤収納装置。
【請求項5】
前記告知手段として、前記時計に登録された服薬スケジュールに該当する薬剤の名称や画像を表示する画像表示手段を備えることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載された薬剤収納装置。
【請求項6】
前記薬剤収納手段に、収納する薬剤の情報と、薬剤ごとの服薬スケジュールとを、二次元コードとしてあらわした情報を印刷した、または、該情報を印刷したシールを張り付けた薬剤包装用袋を収納し、前記薬剤収納手段に設けられた二次元コード読み取り装置で、収納する薬剤の情報と、薬剤ごとの服薬スケジュールとを該当する読み取ることで、該収納する薬剤の情報を、前記薬剤登録手段に登録し、該薬剤ごとの服薬スケジュールを前記時計に登録する手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載された薬剤収納装置。
【請求項7】
前記薬剤収納手段に、前記薬剤包装用袋をローラーで挟んでフィードし、センサーで前記薬剤収納袋が空になったことや、二次元コードに記載された薬剤の情報と、薬剤ごとの服薬スケジュールとをで、服薬が終了したことを確認する手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項6に記載された薬剤収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、服薬支援と服薬管理とを行う服薬管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
疾病や負傷などのために病院等の医療機関を受診したとき、患者はその疾病や負傷の治療のために、その状態に応じて医師から薬剤等の医薬品を処方する処方箋の発行を受ける。当該処方箋には、薬剤等の種類・量・服薬方法等、各種の情報が記載されており、患者が、この処方箋を薬局に渡すと、薬局の薬剤師は、受け取った処方箋に基いて薬剤を調剤し、調剤した薬剤等の服用方法・服用量などを記載した薬の説明書を発行するとともに、患者に対して的確に服薬指導を行う。
【0003】
しかしながら、近年、薬剤等の種類は多様化しており、複数の薬剤等の処方を受けた場合、患者はそれぞれの薬剤等の種類に応じて、服用方法・服用量などを守って服用しなければならないが、それぞれに使用方法が異なったり、服用のタイミングが異なったりして、服用忘れや、服用量の誤りにより、患者の状態が適切に改善されない場合がある。特に、要介護状態の高齢者等にとっては、複数種類の薬剤等のそれぞれを、適切な量、適切なタイミングで確実に服用することは容易ではない。
【0004】
また、看護・介護施設等に入所している場合であっても、看護・介護施設職員にとって、複数の看護・介護対象者を抱える中で、食前食後等薬剤等の服用のタイミングが重なるときに、すべての被看護・介護者の服用の管理を同時に行うことは困難であり、そのために、服薬を忘れてしまったり、服薬量を誤ったり、服薬種類を間違える等、服薬指導通りに服薬が行われないケースが多く発生している。さらに、コロナ禍においては、看護・介護施設職員も感染に見舞われ配置が手薄になるなどして、看護・介護施設職員の服薬管理業務の正確性を担保するのが困難になるなどの問題があった。
【0005】
このような問題を解決するために、ボードの表面に4列に配設される各ポケットと、当該各ポケットの左右に設けられた一対のLEDライトと、当該各ポケット内の前記ボードに穿設された孔を通して、前記ポケット内に収納される薬の有無を感知する赤外線センサーと、前記赤外線センサー及び前記LEDライトを制御する制御手段とを備えた服薬管理装置本体と、 前記制御手段の制御情報をネットワークを介して設定するとともに、前記ポケット内に収納される薬の有無についての情報を表示画面に表示する端末装置と、前記制御情報及び前記赤外線センサーより得られたデータを格納するデータベースと、 から構成される服薬管理システム(特許文献1)が知られている。
【0006】
しかし、上記装置等では、被看護・介護者が服薬管理装置から薬剤等を取り出しただけで、被看護・介護者が服薬を完了したものと判断してしまい、看護・介護施設職員が服薬管理装置から取り出された薬剤等の包装を確認しなければ、本当に服薬が完了したことを確認することができず、適切なタイミングでの服薬が行われなかったり、前回の服薬のタイミングで服薬管理装置から取り出されてはいたが服用されなかった薬剤等を後から同時に服用してしまったりして、服薬が的確に行われないことがあるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、看護・介護施設職員が被看護・介護者が服薬管理装置から薬剤等を取り出して服薬を完了する場に直接立ち会わなくても、被看護・介護者の服薬を確認することが容易な服薬管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的に応えるために、本発明に係る薬剤収納装置は、薬剤収納手段と、服薬すべき薬剤の情報を登録する薬剤登録手段と、前記薬剤ごとの服薬スケジュールを登録可能な時計と、前記薬剤収納手段内の薬剤包装を検知する検知手段と、前記時計に入力された服薬時間を告知する告知手段と、前記時計に入力された服薬時間になったときに計時を開始する経過時間計測手段と、前記時計に入力された服薬時間から所定の時間が経過しても前記薬剤収納手段内に前記薬剤包装が検知される場合に警告を発する告知手段と、前記時計に入力された服薬時間後に前記薬剤収納手段内の薬剤包装を検知しなくなったときに計時を開始する経過時間計測手段と、前記薬剤収納手段内から前記薬剤包装が検知されなくなってから所定の時間が経過しても前記薬剤収納手段内に前記薬剤包装が検知されない場合に警告を発する告知手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、被看護・介護者が服薬時間や量を正確に記憶していなくても、服薬すべき時間と量を正確に知ることができ、薬剤を薬剤収納手段から取り出しただけで服薬を忘れてしまうという事態を防ぐことができる。
【0011】
また、このような目的に応えるために、本発明に係る薬剤収納装置は、薬剤登録手段が 処方箋発行に際して記録用に発行される二次元コードを読み取る二次元コード読み取り手段を備え、インターネットに接続することができる通信手段と、前記二次元コード読み取り手段により獲得した薬剤情報をもとに当該処方された薬剤の画像情報をインターネットで検索する画像検索手段と、前記薬剤収納手段内の薬剤の画像を検知する薬剤包装画像検知手段と、前記時計に登録された服薬スケジュールに該当する薬剤と、前記薬剤包装画像検知手段で検知された薬剤とを照合する薬剤包装画像照合手段と、前記照合手段で前記時計に登録された服薬スケジュールに該当する薬剤と、前記薬剤包装画像検知手段で検知された薬剤とが一致しなかった場合警告を発する警告手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
このような構成によれば、看護・介護施設職員又は被看護・介護者本人が服薬時間や量を正確に薬剤収納装置に入力しなくても、服薬すべき時間と量を正確に薬剤収納装置に入力することができ、薬剤収納装置が服薬すべき薬剤の画像データと実際に収納されている薬剤の画像を比較して、薬剤が服薬指示通り収納されていないときに警告を発して薬剤の収納ミスを防ぐことができる。
【0013】
そして、このような目的に応えるために、本発明に係る薬剤収納装置は、告知手段として、前記時計に登録された服薬スケジュールに該当する薬剤の名称を文字で表示する文字表示手段を備えることを特徴とする。
【0014】
このような構成によれば、被看護・介護者本人は、服薬に際して、薬剤を服薬すべき服薬すべき時間が来たことだけでなく、服薬すべき薬剤の内容を確認してから服用する助けとなり、服薬忘れを防ぐことができる。
【0015】
さらに、このような目的に応えるために、本発明に係る薬剤収納装置は、告知手段が、前記時計に登録された服薬スケジュールに該当する薬剤の名称や、時間通り薬剤が取り出されなかったり取り出し後まだ薬剤が残っていたりする場合の警告を、音声で告知する音声告知手段であることを特徴とする。
【0016】
このような構成によれば、被看護・介護者本人は、服薬に際して、薬剤収納装置から服薬すべき薬剤を服薬指示通り取り出して確認してから服用する助けとなり、また、取り出しを忘れたり取り出しが不十分だったりしたときの警告内容を理解しやすく、服薬忘れを防ぐことができる。
【0017】
さらに、このような目的に応えるために、本発明に係る薬剤収納装置は、告知手段として、前記時計に登録された服薬スケジュールに該当する薬剤の名称や画像を表示する画像表示手段を備えることを特徴とする。
【0018】
このような構成によれば、被看護・介護者本人は、服薬に際して、薬剤収納装置から服薬すべき薬剤を服薬指示通り取り出してより具体的に確認してから服用する助けとなり、また、取り出しを忘れたり取り出しが不十分だったりしたときの警告内容を理解しやすく、服薬忘れを防ぐことができる。
【0019】
一方、このような目的に応えるために、本発明に係る薬剤収納装置は、薬剤収納手段に、収納する薬剤の情報と、薬剤ごとの服薬スケジュールとを、二次元コードとしてあらわした情報を印刷した、または、該情報を印刷したシールを張り付けた薬剤包装用袋を収納し、前記薬剤収納手段に設けられた二次元コード読み取り装置で、収納する薬剤の情報と、薬剤ごとの服薬スケジュールとを該当する読み取ることで、該収納する薬剤の情報を、前記薬剤登録手段に登録し、該薬剤ごとの服薬スケジュールを前記時計に登録する手段を備えることを特徴とする。
【0020】
このような構成によれば、服薬すべき薬剤の内容及び服薬スケジュールを薬剤収納装置に入力する手間が省けるうえに、服薬終了確認のために薬剤包装を薬剤収納装置に戻すときに、個別の薬剤包装を画像認識する必要がなく、服薬修了確認を容易にすることができる。
【0021】
さらに、このような目的に応えるために、薬剤収納手段に、前記薬剤包装用袋をローラーで挟んでフィードし、センサーで前記薬剤収納袋が空になったことや、二次元コードに記載された薬剤の情報と、薬剤ごとの服薬スケジュールとをで、服薬が終了したことを確認する手段を備えることを特徴とする。
【0022】
このような構成によれば、利用者が服薬する際に覚えやすいオペレーションが加わり、利用者が服薬終了後に薬剤収納袋19を薬剤ボックスに戻すのを忘れるのを防止することができる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように本発明の本発明に係る薬剤収納装置は、看護・介護施設等において、被看護・介護者が服薬すべき薬剤を、定められた時間に定められた量を正確に服用することを、簡易な手順で確認することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は本発明に係る服薬管理装置のイメージ図である。
【
図4】
図4は
図2に記載された薬剤ボックスの扉を開けた状態の側面図である。
【
図5】
図5は
図2に記載された薬剤ボックスの側面から透視したイメージ図である。
【
図6】
図6は
図1に記載されたナビゲーターの、向かって左やや上方からの斜視図である。
【
図7】
図7は
図6に記載されたナビゲーターに文字が表示された状態の図である。
【
図8】
図8はナビゲーターに搭載された薬剤ボックス制御部のブロック図である。
【
図9】
図9はナビゲーターに搭載されたナビゲーター制御部のブロック図である。
【
図10】
図10はナビゲーターに搭載された情報制御部のブロック図である。
【
図11】
図11はナビゲーターに搭載されたデータベースのイメージ図である。
【
図12】
図12は薬剤の取り出しナビゲーションのフローチャートである。
【
図13】
図13は薬剤包装戻し入れナビゲーションのフローチャートである。
【
図14】
図14は薬剤収納袋が空になっていることの確認のフローチャートである。
【
図16】
図16は複数の部屋で利用する服薬支援ユニットのイメージ図である。
【
図18】
図18は
図17の薬剤回収ボックスに薬剤収納袋を回収させているときの側面図の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は以上のような構成であるので、これを図面に基づきながら本発明の実施の形態を説明する。
すなわち、本発明に係る服薬管理装置は、看護・介護施設等において、被看護・介護者が服薬すべき薬剤を、定められた時間に定められた量を正確に服用することを、簡易な手順で確認することができるように構成されている。
【実施例】
【0026】
まず、実施例1、実施例2において使用される構成要素を説明する。
図1は、本発明に係る服薬管理装置の1実施例のイメージ図であって、服薬管理装置1が服薬管理ケース10とナビゲーター20から構成されていることを示すものである。
【0027】
図2は、
図1に示された服薬管理ケース10の構造の概略であり、スケジュール表示板11の前面に服薬予定の薬剤を収納する薬剤ボックス12が配置されている。
【0028】
図3は、
図2に記載された薬剤ボックス12の左側面図であり、薬剤ボックス12に扉14が、扉回転軸15が扉軸受け13に挿入されることによって開閉可能に懸下されている。
【0029】
図4は、
図2に記載された薬剤ボックス12の扉を開けた状態の側面図であり、利用者が取っ手16を持ちあげることによって、扉が開かれ、開閉口下部に設けられた開閉検知センサー17によって、扉の開閉が検知される。
【0030】
図5は、
図2に記載された薬剤ボックス12の側面から透視したイメージ図であり、薬剤ボックス12の内側上方に、内容物の有無、薬剤包装の形状、
図15に記載された薬剤収納袋に記載された二次元コードなどを読解するためのカメラ18が設けられている。
【0031】
図6は、
図1に記載されたナビゲーターの、向かって左やや上方からの斜視図であり、正面には、ディスプレー21、マイク23、スイッチボタン24、接近センサー25、放射温度計26、室内温度計27、室内湿度計28が、側面にはスピーカー22が設けられている。スピーカー22は、片側面でもよいが、利用者が服薬管理装置1を備える部屋のどこにいても聞こえ易くするためなどに、両側に設けられることが望ましい。
【0032】
図7は、
図6に記載されたナビゲーター20に文字が表示された状態の図であり、あらかじめ入力された薬剤服用時間になると、服薬すべき薬剤名がディスプレー21に表示される。例えば1度に2錠以上を服用する場合は、その旨を表示することもでき、2種類以上の薬剤を服用すべき場合でも、同様に表示するようにすることができる。同時に、ナビゲーター20の側面のスピード22から、同様の内容を音声で通知することもできる。
【0033】
図8は、ナビゲーターに搭載された薬剤ボックス制御部30のブロック図であり、計時部31、開閉検知部32、画像認識部33、画像情報解析部34、二次元コード解析部35によって構成されている。
【0034】
図9は、ナビゲーターに搭載されたナビゲーター制御部40のブロック図であり、画像・映像表示部41、音声出力部42、音声入力部43、スイッチ信号受信部44によって構成されている。
【0035】
図10はナビゲーターに搭載された情報制御部50のブロック図であり、通信部51、画像検索部52、画像照合部53、二次元コード読解部54によって構成されている。
【0036】
図10はナビゲーターに搭載された情報制御部50のブロック図であり、通信部51、画像検索部52、画像照合部53、二次元コード読解部54によって構成されている。
【0037】
図10はナビゲーターに搭載された情報制御部50のブロック図であり、通信部51、画像検索部52、画像照合部53、二次元コード読解部54によって構成されている。
【0038】
図11はナビゲーターに搭載されたデータベース60のイメージ図であり、利用者の氏名、年齢、性別、健康状態や服用すべき薬、そして、薬剤の種類、内容などの情報が蓄積されている。
【0039】
図12は薬剤の取り出しナビゲーションのフローチャートであり、服薬時間が到来してから、薬剤が適正に取り出されるように利用者を支援する手順を示している。
【0040】
図13は薬剤包装戻し入れナビゲーションのフローチャートであり、服薬時間が到来してから、薬剤が適正に服用されるように利用者を支援する手順を示している。
【0041】
図14は薬剤収納袋が空になっていることの確認のフローチャートであり、服薬時間が到来してから、薬剤が適正に服用されるように利用者を支援する手順を示している。
【0042】
図15は薬剤収納袋の正面図であり、二次元コードが貼付又は印刷されている。中の薬剤の有無を検知するために、透明素材であることが望ましい。
【0043】
図16複数の部屋で利用する服薬支援ユニットのイメージ図であり、複数の利用者用の部屋を備える看護・介護施設において、服薬支援を行うことができる施設のイメージを示している。
【実施例1】
【0044】
本発明の第1の実施例を、図を用いて説明する。
まず、
図12のSTEP01の手順を説明する。
図11のデータベース60に蓄積された服薬時間の情報に基づき、設定時刻が到来すると、
図8の計時部31から
図9の画像・映像表示部41と音声出力部とに、設定時刻の信号が送られ、
図8の計時部31から
図9の画像・映像表示部41と音声出力部とから
図6のナビゲーター20に送られた信号に従い、ディスプレー21に服用すべき薬剤の種類と量、あるいは服用方法が表示され、スピーカー22からは同内容の音声が発出される。これにより、利用者に服薬時間の到来を確認さえ、
図2の服薬管理ケース10から服薬すべき薬剤を取り出すよう促す。
【0045】
図3の薬剤ボックス12に収納されていた薬剤は、
図3と
図4で開閉状態が示されているように、利用者が取っ手16を把持して引き上げると、扉14の上辺に設けられた扉軸受け13に挿入された扉回転軸15を中心に扉14が回転して開けられることにより取り出し可能となる。
図5のカメラ18を通じて
図8の画像認識部33が薬剤の存在を認識していたところ、設定時刻の通知後に薬剤がなくなっていれば、薬剤ボックス12に収納された薬剤が取り出されたことが確認される。なお、
図4の開閉検知センサー17から
図8の開閉検知部32に扉14が開けられた信号が送られた前後で薬剤の有無を比較対照することで、薬剤の取り出しの確認はさらに正確に行われる。なお、あらかじめ薬剤の包装(錠剤やカプセルPTP包装、散剤や顆粒剤であればSP包装など)の画像を
図11のデータベースに登録しておくことにより、カメラ18を通じて
図8の画像認識部33が薬剤の包装の形状等を認識し、登録された画像を
図10の画像照合部53により照合することで、適切な薬剤が薬剤ボックス12に収納されているかどうか確認するようにすることもできる。カメラ18が薬剤が取り出されたことを確認できれば、STEP02に移行する。
【0046】
なお、
図12のSTEP01において、
図6のナビゲーター20が服薬時間の到来を利用者に知らせた後所定の時間が経過しても薬剤の取り出しが確認できない場合、
図8の計時部31が改めて服薬時間の到来を利用者に知らせるようナビゲーター20に指示し、その段階で薬剤の取り出しが行われたかどうかを改めて確認する。本実施例においては、この服薬時間通知でも薬剤の取り出しが確認できない場合、施設管理者にアラームを送信することにより施設職員が服薬忘れを促しに来るようにすることができ、あるいは、利用者が服薬できない何らかの状態に陥っていることを知らせて必要な処置を取らせることができる。
【0047】
次に、
図13のSTEP02の手順を説明する。STEP01で薬剤の取り出しが確認された後、所定の時間が経過すると
図8の計時部31から
図5のカメラ18に薬剤の包装が
図3の薬剤ボックス12に戻し入れされているかどうかを確認させる。カメラ18が薬剤の包装を確認できれば、本実施例ではSTEP03を終了と読み替えて終了する。所定の時間が経過しても薬剤の包装の戻し入れが確認できない場合、
図8の計時部31が改めて薬剤包装の戻入時間の到来を利用者に知らせるようナビゲーター20に指示し、その段階で薬剤の包装の戻し入れが行われたかどうかを改めて確認する。本実施例においては、この薬剤包装戻入時間通知でも薬剤の包装の戻し入れしが確認できない場合、施設管理者にアラームを送信することにより施設職員が服薬忘れを促しに来るようにすることができ、あるいは、利用者が服薬できない何らかの状態に陥っていることを知らせて必要な処置を取らせることができる。
【0048】
なお、本実施例においては、薬剤の取り出し、薬剤の包装の戻し入れが確認できない回数が2回に達したところで施設管理者にアラームを送信することとしているが、これは施設や利用者の事情により1回に設定しても3回以上に設定してもよい。
【実施例2】
【0049】
本発明の第2の実施例を、図を用いて説明する。
第2の実施例においては、薬剤包装をそのまま
図3の薬剤ボックス12に収納するのではなく、あらかじめ
図15の薬剤収納袋19に入れてから薬剤ボックス12に収納する。
図12のSTEP01においては包装の取り出しとあるところ薬剤収納袋の取り出しと読み替える。
図11のデータベース60に蓄積された服薬時間の情報に基づき、設定時刻が到来すると、
図8の計時部31から
図9の画像・映像表示部41と音声出力部とに、設定時刻の信号が送られ、
図8の計時部31から
図9の画像・映像表示部41と音声出力部とから
図6のナビゲーター20に送られた信号に従い、ディスプレー21に服用すべき薬剤の種類と量、あるいは服用方法が表示され、スピーカー22からは同内容の音声が発出される。これにより、利用者に服薬時間の到来を確認さえ、
図2の服薬管理ケース10から服薬すべき薬剤を取り出すよう促す。なお、薬剤収納袋19に貼付又は印刷された二次元コードに薬剤収納袋19内の薬剤の種類や数量を記載し、これをカメラ18で撮影した画像を
図10の二次元コード読解部35で解析して薬剤種別を特定し照合することで、適切な薬剤が薬剤ボックス12に収納されているかどうか確認するようにすることもできる。
【0050】
図3の薬剤ボックス12に収納されていた薬剤収納袋19は、
図3と
図4で開閉状態が示されているように、利用者が取っ手16を把持して引き上げると、扉14の上辺に設けられた扉軸受け13に挿入された扉回転軸15を中心に扉14が回転して開けられることにより取り出し可能となる。
図5のカメラ18を通じて
図8の画像認識部33が薬剤収納袋19の存在を認識していたところ、設定時刻の通知後に薬剤収納袋19がなくなっていれば、薬剤ボックス12に収納された薬剤収納袋19が取り出されたことが確認される。なお、
図4の開閉検知センサー17から
図8の開閉検知部32に扉14が開けられた信号が送られた前後で薬剤収納袋19の有無を比較対照することで、薬剤収納袋19の取り出しの確認はさらに正確に行われる。カメラ18が薬剤収納袋19が取り出されたことを確認できれば、STEP02に移行する。
【0051】
なお、
図12のSTEP01において、
図6のナビゲーター20が服薬時間の到来を利用者に知らせた後所定の時間が経過しても薬剤収納袋19の取り出しが確認できない場合、
図8の計時部31が改めて服薬時間の到来を利用者に知らせるようナビゲーター20に指示し、その段階で薬剤収納袋19の取り出しが行われたかどうかを改めて確認する。本実施例においては、この服薬時間通知でも薬剤収納袋19の取り出しが確認できない場合、施設管理者にアラームを送信することにより施設職員が服薬忘れを促しに来るようにすることができ、あるいは、利用者が服薬できない何らかの状態に陥っていることを知らせて必要な処置を取らせることができる。
【0052】
次に、
図13のSTEP02の手順を説明する。
図13のSTEP02においては包装の戻入とあるところ薬剤収納袋の戻入と読み替える。STEP01で薬剤収納袋19の取り出しが確認された後、所定の時間が経過すると
図8の計時部31から
図5のカメラ18に薬剤収納袋19が
図3の薬剤ボックス12に戻し入れされているかどうかを確認させる。カメラ18が薬剤収納袋19を確認できれば、STEP03に移行する。所定の時間が経過しても薬剤の包装の戻し入れが確認できない場合、
図8の計時部31が改めて薬剤包装の戻入時間の到来を利用者に知らせるようナビゲーター20に指示し、その段階で薬剤の包装の戻し入れが行われたかどうかを改めて確認する。本実施例においては、この薬剤包装戻入時間通知でも薬剤の包装の戻し入れしが確認できない場合、施設管理者にアラームを送信することにより施設職員が服薬忘れを促しに来るようにすることができ、あるいは、利用者が服薬できない何らかの状態に陥っていることを知らせて必要な処置を取らせることができる。カメラ18が薬剤収納袋19が戻入れられたことを確認できれば、STEP03に移行する。
【0053】
次に、
図14のSTEP03の手順を説明する。STEP02で薬剤収納袋19の戻し入れが確認された後、
図5のカメラ18が
図3の薬剤ボックス12に戻し入れされた薬剤収納袋19を撮影し、薬剤収納袋19が空になっているかどうかを確認させる。カメラ18が薬剤収納袋19空になっていることを確認できれば、終了する。薬剤収納袋19空になっていることを確認できない場合、ナビゲーター20のディスプレー21とスピーカー22からその旨のアラームを発信し、それでも薬剤収納袋19空になっていることを確認できない場合、施設管理者にアラームを送信することにより施設職員が服薬忘れを促しに来るようにすることができ、あるいは、利用者が服薬確認できない何らかの状態に陥っていることを知らせて必要な処置を取らせることができる。
【0054】
なお、この第2の実施例において薬剤収納袋が空になっていることを確認する手段として、
図16のように薬剤収納袋19に二次元コードを付す方法だけでなく、服薬時間によって服用する薬剤の種類が異なることも多いために施設職員が薬剤を収納する際に入れ間違いをしにくくするために、朝昼晩の区分けを一目でわかるように彩色により朝昼晩の区分けを行って、光学センサーで識別するようにしてもよい。
【実施例3】
【0055】
本発明の第3の実施例を、
図16を用いて説明する。
第3の実施例は、看護・介護施設において使用することを想定しており、本実施例においては、通信ネットワーク80に接続され、第1又は第2の実施例の服薬管理ケース10とナビゲーター20を備えた複数のナビゲーターユニット90を、ユニット制御部70により集中的に管理するものである。
【0056】
ユニット制御部70は、制御端末71、制御サーバー72、通信サーバー73、通信部74、データベース75を備え、制御サーバーに
図8の薬剤ボックス制御部30、
図9のナビゲーター制御部40、および、
図10の情報制御部50が設けられる。データベース75の情報に従い、制御端末71から通信部74を介して通信ネットワーク80により通信し、ナビゲーターユニット90に対して実施例1または実施例2の制御を行うことにより、利用者の服薬忘れを防ぎ、また、服薬忘れを誘発するような健康上の問題点を発見して、制御端末71や、看護・介護施設職員端末81に情報を送り、利用者に対し適切に対応することを促すことができる。
【0057】
さらに、実施例1における
図3の薬剤ボックス12に収納されている薬物の包装を
図5のカメラ18で撮影し、その画像を通信ネットワーク80を介して
図10の画像検索部52で同一又は類似の画像を検索し、薬剤の種類を特定して、データベース75の服用スケジュールに対応した薬剤であるかどうかを確認するようにすることもできる。
【0058】
また、データベース75に1日のルーティン動作を登録し、ナビゲーター20の接近センサー25で、施設利用者がナビゲーター20の前に来たら、時間帯により「おはようございます」、「こんにちは」、「こんばんは」と変えて音声で声がけをするとともに、それに合わせた画像や映像をディスプレー21に表示して、利用者の生活リズムを整えたり、通信ネットワーク80を通じて天気や自治体公報などの情報を入手して、利用者に情報を手軽に提供したりするようにすることもできる。
【0059】
そして、ナビゲーター20の接近センサー25と放射温度計26により、ナビゲーター20に接近した利用者の体温を確認し、体温によって「平熱ですね」、「少し体温が高いですね、体温計で確認してください」などと案内するようにすることもできる。
【0060】
さらに、ナビゲーター20の室内温度計27と室内湿度計により室温や室内湿度が高すぎないか確認し、熱中症対策としてはナビゲーター20のディスプレー21やスピーカー22を介して利用者に警告し、また、通信ネットワーク80を通じて制御端末71や看護・介護施設職員端末81にも警告を伝えることができる。
【0061】
一方、利用者が自分の健康状態について何らかの自覚症状を感じた場合、ナビゲーター20のマイク23に音声を入力したりスイッチボタン24を押したりすることにより、通信ネットワーク80を介して制御端末71や看護・介護施設職員端末81に通信することで、施設職員にその旨を伝えることもできる。施設職員は制御端末71や看護・介護施設職員端末81から通信ネットワーク80を介してスピーカー22とマイク23により利用者と会話することで、症状を質問したり、当座必要な支援の聞き取りを行ったりこともできる。また、ユニット制御部70を通信ネットワーク80を介して利用者の家族の端末とつなげることで、利用者家族に利用者の状態や緊急事態等の発生を伝えることもできる。
【0062】
なお、この第3の実施例においてユニット制御部70が通信ネットワーク80を介して服薬管理ケース10やナビゲーター20などの機能を利用して行うオペレーションは、ユニット制御部70の機能をコンパクト化してナビゲーター20に搭載して、実施例1や実施例2においても同様に行うことができるのは言うまでもない。
【実施例4】
【0063】
本発明の第4の実施例を、
図16と
図17を用いて説明する。
第4の実施例は、服薬終了後に薬剤収納袋19を回収する薬剤回収ボックスに関するものであり、
図16に示すように、薬剤回収ボックス55は上面に、回転して薬剤収納袋19を挟み込んでフィードする対向する2個のローラーと、フィードされた薬剤収納袋19が空であることや、二次元コードに記載された薬剤情報を読み取るセンサー57を備える。
図17に示すように、上部から薬剤収納袋19を挿入すると、ローラー56が回転して薬剤収納袋19をフィードし、フィードされた薬剤収納袋19が空かどうか、どのような薬剤が収納されていたかどうかをセンサー57によって読み取り、スケジュール通りに服薬が完了したことを確認するものである。ローラーとセンサーは、薬剤回収ボックスの側面に設けてもよい。このローラー56とセンサー57は個別の薬剤ボックス12に設けてもよいし、服薬管理ケース10の周辺に備えてもよい。
【0064】
服薬オペレーションとしては、
図6のナビゲーター20のディスプレー21やスピーカー22から、服薬時間の通知があった後、服薬を済ませた利用者が
図17のようにローラー56に薬剤収納袋19をはさむと自動的にローラー56が回転して、薬剤収納袋19をフィードする、又は、服薬を済ませた利用者が
図17のようにローラー56に薬剤収納袋19をはさんでからスイッチボタン24を押すとローラー56が回転するように構成して、センサー57が読み取った情報を、
図16の通信ネットワーク80を通じて制御サーバー72に送って、リモートで薬剤服薬完了を確認するようにする。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、看護・介護施設等だけでなく、例えば宿泊施設やスポーツ施設などにおいても、応用することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 薬剤収納装置
2 薬剤服用支援ユニット
10 服薬管理ケース
11 スケジュール表示板
12 薬剤ボックス
13 扉軸受け
14 扉
15 扉回転軸
16 取っ手
17 開閉検知センサー
18 カメラ
19 薬剤収納袋
20 ナビゲーター
21 ディスプレー
22 スピーカー
23 マイク
24 スイッチボタン
25 接近センサー
26 放射温度計
27 室内温度計
28 室内湿度計
30 薬剤ボックス制御部
31 計時部
32 開閉検知部
33 画像認識部
34 画像情報解析部
35 二次元コード解析部
40 ナビゲーター制御部
41 画像・映像表示部
42 音声出力部
43 音声入力部
44 スイッチ信号受信部
50 情報制御部
51 通信部
52 画像検索部
53 画像照合部
54 二次元コード読解部
55 薬剤回収ボックス
56 ローラー
57 センサー
60 データベース
70 ユニット制御部
71 制御端末
72 制御サーバー
73 通信サーバー
74 通信部
75 データベース
80 通信ネットワーク
81 看護・介護施設職員端末
90 ナビゲーターユニット
【要約】
【課題】看護・介護施設職員が被看護・介護者が服薬管理装置から薬剤等を取り出して服薬を完了する場に直接立ち会わなくても、被看護・介護者の服薬を確認することが容易な服薬管理装置を得る。
【解決手段】薬剤収納手段と、服薬すべき薬剤の情報を登録する薬剤登録手段と、薬剤ごとの服薬スケジュール等を登録可能な時計と、薬剤収納手段内の薬剤包装を検知する検知手段と、時計に入力された服薬時間等を告知する告知手段と、時計に入力された服薬時間になったとき等に計時を開始する経過時間計測手段と、を備える服薬管理装置を提供する。
【選択図】
図1