(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】フェニルボロン酸固相抽出カラムの充填剤及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B01J 20/281 20060101AFI20220729BHJP
B01J 20/283 20060101ALI20220729BHJP
【FI】
B01J20/281 X
B01J20/283
B01J20/281 G
(21)【出願番号】P 2021513410
(86)(22)【出願日】2020-02-27
(86)【国際出願番号】 CN2020077021
(87)【国際公開番号】W WO2021098075
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2021-03-05
(31)【優先権主張番号】201911146630.9
(32)【優先日】2019-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521095558
【氏名又は名称】上海安譜実験科技股▲ぶん▼有限公司
【住所又は居所原語表記】No.59, Yezhang Road, Songjiang District, Shanghai 201609, China
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100162765
【氏名又は名称】宇佐美 綾
(72)【発明者】
【氏名】陳 武錬
(72)【発明者】
【氏名】閻 薪竹
(72)【発明者】
【氏名】鄒 義彪
【審査官】黒田 浩一
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107126943(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105561960(CN,A)
【文献】Zian Lin et al.,Preparation of phenylboronic acid-silica hybrid monolithic column with one-pot approach for capillary liquid chromatography of biomolecules,Journal of Chromatography A,,2013年,Vol.1271,pp.115-123
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 20/00-20/34
G01N 30/00-30/96
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリカゲルとオルガノシランのワンステップ反応を行い、シリカゲル基材の表面にオルガノシランを結合させ、その後、さらにフェニルボロン酸モノマーと反応させるステップを有し、
前記オルガノシランはアミノシランであり、前記フェニルボロン酸モノマーは4-カルボキシフェニルボロン酸であり、
前記アミノシランの化学構造式は、
【化1】
であることを特徴とするフェニルボロン酸固相抽出カラムの充填剤の製造方法。
【請求項2】
前記シリカゲルは多孔質シリカゲルであり、前記多孔質シリカゲルは超高純度の多孔質アモルファス顆粒状シリカゲルであって、粒径範囲が40~63μmであり、細孔径が60Åであることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
有機溶媒を入れた反応容器にシリカゲル、アミノシランをこの順に加え、一定の反応温度下で、機械的攪拌しながら反応させ、一定の
反応時間後反応を停止し、生成物に対して吸引濾過、洗浄、乾燥を行って、アミノ基が結合したシリカゲルを得ることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記有機溶媒はトルエン、ジクロロメタン、N,N-ジメチルホルムアミドから選ばれることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記シリカゲルの質量とアミノシランの体積の比は1:(0.1~5)g/mLであることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
【請求項6】
前記
一定の反応温度は50~100℃であり、前記
一定の反応時間は4~24時間であり、前記機械的攪拌の速度は毎分200~500回転であることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
【請求項7】
有機溶媒を入れた反応容器に4-カルボキシフェニルボロン酸、活性化剤をこの順に加え、常温下で、機械的攪拌しながら反応させ、一定の時間後、
前記アミノシランを結合させた前記シリカゲル基材を加え、常温下で、機械的攪拌しながら反応させ、一定の時間後、生成物に対して吸引濾過、洗浄、乾燥を行って、フェニルボロン酸官能基が結合したフェニルボロン酸固相抽出カラムの充填剤を得ることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
前記有機溶媒はジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミドから選ばれることを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記活性化剤はジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’-カルボニルジイミダゾール、4-(4,6-ジメトキシトリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド、N-ヒドロキシスクシンイミド又は1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩であることを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
【請求項10】
前記アミノシリカゲルと4-カルボキシフェニルボロン酸の質量比は1:(0.1~5)であることを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリカゲルを基材とした固相抽出カラムの充填剤及びその製造方法に関し、具体的には、フェニルボロン酸固相抽出カラムの充填剤、製造方法及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
フェニルボロン酸(PBA)はフェニルボロン酸官能基を含む特別なシリカゲル系固相抽出(SPE)吸着剤であり、可逆的な共有結合によって分析物を保持できる。共有結合による強力な保持で高い選択性と精製効率が得られる。ホウ酸塩基はシスジオール構造を含む化合物(例えば、カテコール、核酸、一部のタンパク質、炭水化物、PEG化合物)に高い親和性を示している。他にもアミノ酸、α-ヒドロキシアミド、ケトン化合物を保持できる。
【0003】
段語暉らが「クリックケミストリー(Click chemistry)」の手法で、アルキニル基を入れた3-アミノフェニルボロン酸とアジ化シリカゲルを反応させて、新規なホウ酸固相抽出吸着剤を合成した。当該方法は操作に手間がかかり、精製が難しく、しかも選択性が悪い(非特許文献1)。
【0004】
成▲てい▼らが原子移動ラジカル重合(ATRP)の手法を用いて、アタパルジャイトの表面に鎖状官能基を重合させ、金ナノ粒子を入れて材料の比表面積を増やし、最後に金とメルカプト基の作用で、メルカプトフェニルボロン酸を材料の表面にグラフトする。当該材料を用いる固相抽出では、手間のかかる遠心分離が必要で、比表面積が高いものの、グラフト量が限られたため吸着性能が制限された(非特許文献2)。
【0005】
Linらがシンプルなワンポット合成法を用いてフェニルボロン酸によって機能化された単分散コアシェル磁性ナノ粒子を製造した。前駆体としてFeCl3・6H2O、テトラメチルオキシシラン、3-(メタクリロキシ)プロピルトリメトキシシランを用い、機能性モノマーとして4-ビニルフェニルボロン酸を用い、架橋剤としてエチレングリコールジメタクリラートを用いる。当該方法は吸着性能と選択的認識に欠点が認められ、複雑な生物サンプルには適用されない(非特許文献3)。
【0006】
特許文献1が複素環式ビフェニルボロン酸の製造方法を提供する。ボロン化合物及び有機リチウム試薬を溶媒に溶解した後、反応させ、反応終了後アルカリ試薬による加水分解で複素環式ビフェニルボロン酸充填剤を得る。当該方法は収率が低く、反応条件が不安定であるため、大量生産に適さない。従来の方法で製造したPBA充填剤は反応時間が長い、合成手順に手間がかかる、収率が低い、大量生産が実現しにくいといった技術上の難題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】中国特許出願公開第CN108409767号
【非特許文献】
【0008】
【文献】段語暉,衛引茂.新規なホウ酸固相抽出カラムに基づくクロマトグラフィーによるドーパミン分析方法[J].分析化学,2013,41(3):406-411
【文献】成▲てい▼.新規なフェニルボロン酸材料の製造及び生物サンプルにおけるその使用[D].蘭州大学,2017
【文献】Z.Lin et al.,RSC Advances,2012,2,5062-5065
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、フェニルボロン酸固相抽出カラムの充填剤及びその製造方法を提供することを目的とする。当該充填剤はフェニルボロン酸基が結合した顆粒状シリカゲルであり、動物由来食品からリバビリンの残留量を検出するために用いることができ、且つその製造手順がシンプルで、反応時間が短く、条件が穏やかであり、収率が高い。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は技術的解決手段として、シリカゲルとオルガノシランのワンステップ反応を行い、シリカゲル基材の表面にオルガノシランを結合させ、その後、さらにフェニルボロン酸モノマーと反応させるステップを有し、前記オルガノシランはアミノシランであり、前記フェニルボロン酸モノマーは4-カルボキシフェニルボロン酸であり、
前記アミノシランの化学構造式は、
【化1】
である、フェニルボロン酸固相抽出カラムの充填剤の製造方法を提供する。
【0011】
さらに、前記シリカゲルは多孔質シリカゲルであり、前記多孔質シリカゲルは超高純度の多孔質アモルファス顆粒状シリカゲルであって、粒径範囲が40~63μmであり、細孔径が60Åである。
【0012】
さらに、有機溶媒を入れた反応容器にシリカゲル、アミノシランをこの順に加え、一定の反応温度下で、機械的攪拌しながら反応させ、一定の時間後反応を停止し、生成物に対して吸引濾過、洗浄、乾燥を行って、アミノ基が結合したシリカゲルを得る。
【0013】
さらに、前記有機溶媒はトルエン、ジクロロメタン、N,N-ジメチルホルムアミドから選ばれる。
【0014】
さらに、前記シリカゲルの質量とアミノシランの体積の比は1:(0.1~5)g/mLである。
【0015】
さらに、前記反応温度は50~100℃であり、前記反応時間は4~24時間であり、前記機械的攪拌の速度は毎分200~500回転である。
【0016】
さらに、有機溶媒を入れた反応容器に4-カルボキシフェニルボロン酸、活性化剤をこの順に加え、常温下で、機械的攪拌しながら反応させ、一定の時間後、アミノシリカゲルを加え、常温下で、機械的攪拌しながら反応させ、一定の時間後、生成物に対して吸引濾過、洗浄、乾燥を行って、フェニルボロン酸官能基が結合したフェニルボロン酸固相抽出カラムの充填剤を得る。
【0017】
さらに、前記有機溶媒はジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミドから選ばれる。
【0018】
さらに、前記活性化剤はジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’-カルボニルジイミダゾール、4-(4,6-ジメトキシトリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド、N-ヒドロキシスクシンイミド又は1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩である。
【0019】
さらに、前記アミノシリカゲルと4-カルボキシフェニルボロン酸の質量比は1:(0.1~5)である。
【0020】
さらに、前記反応時間は4~24時間であり、前記機械的攪拌の速度は毎分200~500回転である。
【0021】
さらに、本発明は技術的解決手段として、前記製造方法で得たフェニルボロン酸固相抽出カラムの充填剤を提供し、前記充填剤の粒径は40~70μmであり、その細孔径は50~70Åであり、その細孔容積は0.5~0.7cm3/gであり、その比表面積は200~500m2/gである。
【0022】
さらに、本発明は技術的解決手段として、リバビリンを分離するための、フェニルボロン酸固相抽出カラムの充填剤としての前記充填剤の使用を提供する。
【発明の効果】
【0023】
従来技術と比べて、本発明は次の利点を有する。
(1)本発明は製造手順がシンプルで、収率が高い。
(2)本発明ではシリカゲルの表面のホウ酸基の量を調節でき、フェニルボロン酸の使用量によってシリカゲルの表面のホウ酸基の量を調整できる。
(3)本発明の充填剤は安定性が高く、再現性に優れるため、大量生産が実現しやすい。
(4)本発明の固相抽出カラムの充填剤はリバビリンに高い選択性を示し、動物由来食品中のリバビリン残留量の測定で幅広く用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、実施例を用いて本発明の更なる説明を行い、これは本発明の限定にならない。
【0025】
(実施例1)
150mLのトルエンを入れた250mL三つ口フラスコに20gのシリカゲルを加え、毎分300回転の速度で機械的攪拌しながら、5mLの3-アミノプロピルトリメトキシシランを加え、温度を60℃に上げて、8時間後に反応を停止した。次に毎回75mLのメタノールを使用して生成物を2回洗浄し、60℃でケーキを12時間真空乾燥して、アミノシリカゲルを得た。
【0026】
100mLのN,N-ジメチルホルムアミドを入れた250mL三つ口フラスコに10gの4-カルボキシフェニルボロン酸、10gのN-ヒドロキシスクシンイミド、20gの1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩をそれぞれ加え、毎分300回転の速度で機械的攪拌しながら、常温で8時間反応させた後、容器に50gのアミノシリカゲルを加え、常温下でさらに8時間後に反応を停止した。次に毎回75mLのメタノールを使用して生成物を2回洗浄し、60℃でケーキを12時間真空乾燥して、PBA充填剤を得た。
【0027】
(実施例2)
150mLのトルエンを入れた250mL三つ口フラスコに20gのシリカゲルを加え、毎分300回転の速度で機械的攪拌しながら、10mLの3-アミノプロピルトリメトキシシランを加え、温度を60℃に上げて、8時間後に反応を停止した。次に毎回75mLのメタノールを使用して生成物を2回洗浄し、60℃でケーキを12時間真空乾燥して、アミノシリカゲルを得た。
【0028】
100mLのN,N-ジメチルホルムアミドを入れた250mL三つ口フラスコに10gの4-カルボキシフェニルボロン酸、10gのN-ヒドロキシスクシンイミド、20gの1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩をそれぞれ加え、毎分300回転の速度で機械的攪拌しながら、常温下で8時間反応させた後、容器に30gのアミノシリカゲルを加え、常温下でさらに8時間後に反応を停止した。次に毎回75mLのメタノールを使用して生成物を2回洗浄し、60℃でケーキを12時間真空乾燥して、PBA充填剤を得た。
【0029】
(実施例3)
150mLのトルエンを入れた250mL三つ口フラスコに20gのシリカゲルを加え、毎分300回転の速度で機械的攪拌しながら、15mLの3-アミノプロピルトリメトキシシランを加え、温度を60℃に上げて、8時間後に反応を停止した。次に毎回75mLのメタノールを使用して生成物を2回洗浄し、60℃でケーキを12時間真空乾燥して、アミノシリカゲルを得た。
【0030】
100mLのN,N-ジメチルホルムアミドを入れた250mL三つ口フラスコに10gの4-カルボキシフェニルボロン酸、10gのN-ヒドロキシスクシンイミド、20gの1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩をそれぞれ加え、毎分300回転の速度で機械的攪拌しながら、常温下で8時間反応させた後、容器に20gのアミノシリカゲルを加え、常温下でさらに8時間後に反応を停止した。次に毎回75mLのメタノールを使用して生成物を2回洗浄し、60℃でケーキを12時間真空乾燥して、PBA充填剤を得た。
【0031】
本発明の実施例で製造したフェニルボロン酸固相抽出カラムの充填剤をPBA充填剤と記し、当該PBA充填剤の元素分析、粒径及びBETデータは次のとおりである。
【0032】
【0033】
(試験例1)
実施例1~3で製造した固相抽出カラムの充填剤を充填し、固相抽出カラムの容量は3mLであり、各スモールカラムに100mgの充填剤を充填し、操作手順は以下のとおりである。
S1.平衡化:100mmol/Lのギ酸溶液1mL、pH8.5の酢酸アンモニウムバッファー3mL。
S2.サンプルローディング:標準物質を添加したサンプル溶液は6mLであり、サンプル溶液を収集した。
S3.リンス:pH8.5の酢酸アンモニウムバッファーを3mL使用し、リンス液を収集して、真空乾燥した。
S4.溶出:100mmol/Lのギ酸溶液を3mL使用し、真空乾燥した。
【0034】
本試験例では、標準物質はリバビリンであり、検出濃度は20ppbであり、検出器は液体クロマトグラフィー-質量分析計である。検出基準は「SN/T4519-2016 輸出動物由来食品中のリバビリン残留量の測定 液体クロマトグラフィー-質量分析/質量分析法」を参照した。装置パラメータの参考例として、双性イオン型親水性相互作用クロマトグラフィーカラムを用い、長さは100mmであり、内径は3.0mmであり、粒径は2.7μmであり、移動相はギ酸と酢酸アンモニウム溶液であり、流速は0.4mL/minであり、サンプル量は10μLであった。
【0035】
標準物質の液体クロマトグラフィー結果のピーク面積との比較(いずれも検出濃度が20ppb)により、外部標準法及び内部標準法による充填剤のリバビリン回収率を算出した。各サンプルは2回繰り返し測定した。表2の試験結果に示すように、実施例1、2、3の回収率が漸次上昇し、実施例2、3の充填剤は内部標準法及び外部標準法による回収率がいずれもPBA市販品を上回るため、利用上高い価値が認められる。
【0036】
【0037】
(試験例2)
鶏レバーを高速ホモジナイザーに入れて均質化し、充分に混合した後、洗浄済み容器に入れ、ギ酸溶液を加え、水酸化アンモニウムでpHを8.5に調整した後、pH8.5の酢酸アンモニウムバッファーを加えて均一に混合し、上清液を分けた。
【0038】
実施例1~3で製造した固相抽出カラムの充填剤を充填し、固相抽出カラムの容量は3mLであり、各スモールカラムに100mgの充填剤を充填し、操作手順は以下のとおりである。
S1.平衡化:100mmol/Lのギ酸溶液1mL、pH8.5の酢酸アンモニウムバッファー3mL。
S2.サンプルローディング:標準物質を添加したサンプル溶液は6mLであった。
S3.リンス:pH8.5の酢酸アンモニウムバッファー3mLでリンスし、真空乾燥した。
S4.溶出:100mmol/Lのギ酸溶液を1mL使用し、真空乾燥し、溶出液を収集した。
【0039】
本試験例では、標準物質はリバビリンであり、検出濃度は20ppbであり、検出器は液体クロマトグラフィー-質量分析計である。検出基準は「SN/T4519-2016 輸出動物由来食品中のリバビリン残留量の測定 液体クロマトグラフィー-質量分析/質量分析法」を参照した。装置パラメータの参考例として、双性イオン型親水性相互作用クロマトグラフィーカラムを用い、長さは100mmであり、内径は3.0mmであり、粒径は2.7μmであり、移動相はギ酸と酢酸アンモニウム溶液であり、流速は0.4mL/minであり、サンプル量は10μLであった。
【0040】
各サンプルは2回繰り返し測定した(いずれも検出濃度が20ppb)。表3は2回の繰り返し測定の平均値である。表3の試験結果に示すように、実施例1、2、3の回収率が漸次上昇し、実施例2、3の充填剤は外部標準法による回収率がいずれもPBA市販品を上回り、内部標準法による回収率がほぼ同じであるため、利用上高い価値が認められる。
【0041】
PBA充填剤の基質からのリバビリン回収率
【表3】
【0042】
上述した内容では好ましい実施例を用いて本発明を説明しているが、これは本発明の限定にならない。当業者が本発明の趣旨と範囲から逸脱せず若干の修正や改善を行うことができ、本発明の保護範囲は特許請求の範囲の記載内容に準拠する。