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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20180101AFI20220729BHJP
   G06Q 40/02 20120101ALI20220729BHJP
【FI】
G06Q50/22
G06Q40/02
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017197828
(22)【出願日】2017-10-11
(65)【公開番号】P2019071021
(43)【公開日】2019-05-09
【審査請求日】2020-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】522251135
【氏名又は名称】加藤 健太
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】加藤 健太
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-071308(JP,A)
【文献】特開2002-251466(JP,A)
【文献】特開2003-150715(JP,A)
【文献】特開2003-044593(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
委託者から信託行為によって移転された金銭の管理をする受託者により操作される受託者装置と、
提供者により受益者に対して提供される商品又は役務に関する指図を行う指図権者により操作される指図権者装置と、
前記指図権者から前記受益者に提供されたことを条件として、前記受益者より操作される受益者装置と、
前記提供者により操作される提供者装置と、
を含む情報処理システムにおいて、
前記指図権者装置は、
前記提供者に対する前記受益者への商品又は役務の提供の申込みをする操作を、前記受益者に代行して前記指図権者が行った場合に当該操作を受付けて、当該申込みの内容を示す情報を前記提供者装置に送信する第1申込み手段と、
前記商品又は役務の内容を示す情報を、前記受益者装置に送信することで、前記受益者に提供する情報提供手段と、
前記受益者への前記商品又は役務の提供に対する対価を、前記提供者に対して支払う指示を示す情報を前記受託者装置に送信する対価支払指示手段と、
前記受益者への前記商品又は役務の提供が正当に行われているか否かを、前記提供者装置との間で通信をすることで監査する監査手段と、
を備え
前記受益者装置は、
前記提供者に対する前記受益者への前記商品又は役務の提供の申込みをする操作を、前記受益者が行った場合に当該操作を受付けて、当該申込みの内容を示す情報を前記提供者装置に送信する第2申込み手段と、
前記商品又は役務の内容を示す情報を、前記受益者装置又は前記提供者装置から受信して、前記受益者に提示する情報提示手段と、
を備え、
前記受託者装置は、
前記指図権者装置から送信されてきた前記指示を示す情報を受信すると、前記委託者から前記信託行為によって移転された前記金銭の中から、当該指示に従った前記対価に相当する対価相当額を前記提供者に支払うための送金の処理を実行する対価支払手段、
を備える、
情報処理システム
【請求項2】
前記指図権者装置は、
過去の前記商品又は役務の内容及び前記提供者のうち少なくとも一部に基づいて、前記商品又は役務の内容及び前記提供者を選定する処理を実行する選定手段、
をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
委託者から信託行為によって移転された金銭の管理をする受託者により操作される受託者装置と、
提供者により受益者に対して提供される商品又は役務に関する指図を行う指図権者により操作される指図権者装置と、
前記指図権者から前記受益者に提供されたことを条件として、前記受益者より操作される受益者装置と、
前記提供者により操作される提供者装置と、
を含む情報処理システム実行する情報処理方法であって、
前記指図権者装置が実行するステップとして、
前記提供者に対する前記受益者への商品又は役務の提供の申込みをする操作を、前記受益者に代行して前記指図権者が行った場合に当該操作を受付けて、当該申込みの内容を示す情報を前記提供者装置に送信する第1申込みステップと、
前記商品又は役務の内容を示す情報を、前記受益者装置に送信することで、前記受益者に提供する情報提供ステップと、
前記受益者への前記商品又は役務の提供に対する対価を、前記提供者に対して支払う指示を示す情報を前記受託者装置に送信する対価支払指示ステップと、
前記受益者への前記商品又は役務の提供が正当に行われているか否かを、前記提供者装置との間で通信をすることで監査する監査ステップと、
を含み
前記受益者装置が実行するステップとして、
前記提供者に対する前記受益者への前記商品又は役務の提供の申込みをする操作を、前記受益者が行った場合に当該操作を受付けて、当該申込みの内容を示す情報を前記提供者装置に送信する第2申込みステップと、
前記商品又は役務の内容を示す情報を、前記受益者装置又は前記提供者装置から受信して、前記受益者に提示する情報提示ステップと、
を含み、
前記受託者装置が実行するステップとして、
前記指図権者装置から送信されてきた前記指示を示す情報を受信すると、前記委託者から前記信託行為によって移転された前記金銭の中から、当該指示に従った前記対価に相当する対価相当額を前記提供者に支払うための送金の処理を実行する対価支払ステップ、
を含む、
情報処理方法。
【請求項4】
委託者から信託行為によって移転された金銭の管理をする受託者により操作される受託者装置と、
提供者により受益者に対して提供される商品又は役務に関する指図を行う指図権者により操作される指図権者装置と、
前記指図権者から前記受益者に提供されたことを条件として、前記受益者より操作される受益者装置と、
前記提供者により操作される提供者装置と、
を含む情報処理システムにおいて適用されるプログラムであって、
前記指図権者装置として機能するコンピュータに、
前記提供者に対する前記受益者への商品又は役務の提供の申込みをする操作を、前記受益者に代行して前記指図権者が行った場合に当該操作を受付けて、当該申込みの内容を示す情報を前記提供者装置に送信する第1申込みステップと、
前記商品又は役務の内容を示す情報を、前記受益者装置に送信することで、前記受益者に提供する情報提供ステップと、
前記受益者への前記商品又は役務の提供に対する対価を、前記提供者に対して支払う指示を示す情報を前記受託者装置に送信する対価支払指示ステップと、
前記受益者への前記商品又は役務の提供が正当に行われているか否かを、前記提供者装置との間で通信をすることで監査する監査ステップと、
を含む制御処理を実行させ、
前記受益者装置として機能するコンピュータに、
前記提供者に対する前記受益者への前記商品又は役務の提供の申込みをする操作を、前記受益者が行った場合に当該操作を受付けて、当該申込みの内容を示す情報を前記提供者装置に送信する第2申込みステップと、
前記商品又は役務の内容を示す情報を、前記受益者装置又は前記提供者装置から受信して、前記受益者に提示する情報提示ステップと、
を含む制御処理を実行させ、
前記受託者装置として機能するコンピュータに、
前記指図権者装置から送信されてきた前記指示を示す情報を受信すると、前記委託者から前記信託行為によって移転された前記金銭の中から、当該指示に従った前記対価に相当する対価相当額を前記提供者に支払うための送金の処理を実行する対価支払ステップ、
を含む制御処理を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢化が進む現代社会においては、信託行為によって、預けられた信託財産を適切に管理する仕組みの研究・開発が行われている。例えば、特許文献1には、信託財産である債権に基づいて振り込まれた資金を、信託財産の配当として受益者に適切に分配できる装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-186494公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1を含む従来の技術では、信託財産を適切に管理し、信託財産の配当を受益者に適切に分配することができたとしても、受益者が高齢である等の理由により意思決定能力が低い場合には、受益者が財産を適切に活用することが困難であった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、高齢者等について、単なる財産の管理だけではなくて、生活を支援することまでを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
委託者から信託行為によって移転された金銭の管理をする受託者により操作される受託者装置と、
提供者により受益者に対して提供される商品又は役務に関する指図を行う指図権者により操作される指図権者装置と、
を含む情報処理システムにおける指図権者装置として機能する情報処理装置であって、
前記提供者に対する前記受益者への商品又は役務の提供の申込みを、前記受益者に代行して行う申込み手段と、
前記申込みの内容を、前記受益者に提供する情報提供手段と、
前記受益者への商品又は役務の提供に対する対価を、前記提供者に対して支払うように、前記受託者装置に指示を出す対価支払指示手段と、
前記受益者への商品又は役務の提供が正当に行われているか否かを監査する監査手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の一態様の上記情報処理装置に対応する情報処理方法及び情報処理プログラムの夫々も、本発明の一態様の情報処理方法及び情報処理装置の夫々として提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、高齢者等について、単なる財産の管理だけではなくて、生活を支援することまでを可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態の情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
図2図1の情報処理システムのうち、指図権者装置のハードウェアの構成例を示すブロック図である。
図3図2の指図権者装置を含む図1の情報処理システムの機能的構成例を示す機能ブロック図である。
図4図3の情報処理システムを用いて受益者に商品又は役務を提供する様子の例を示す図である。
図5図3の情報処理システムを用いて受益者に商品又は役務を提供する場合の、各装置が実行する処理の関係の例を示すアローチャートである。
図6図3の情報処理システムを用いて、受益者に商品又は役務を提供するサービスの1例を示す図である。
図7図6の受益者装置において、表示部の画面の状態の遷移の例を示す状態遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
先ず、本発明の実施形態を説明する前に、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムにより実現可能な仕組として、高齢者等の財産管理及び生活支援の実現を目的とする資金決済の仕組について説明する。
【0011】
委託者が保有している財産を信託行為を通じて受託者に信託し、受託者は委託者が設定した信託目的に従って、受益者のために財産を適正に管理して処分する仕組みが信託法に基づく信託である。
本仕組では、このような信託法に基づく信託は勿論のこと、それだけでなく、財産の管理や処分を第三者に委託し、そこから発生した利益を受益者のために実現させる資金決済の仕組みも対象としている。
つまり、本仕組は、信託法に基づく信託のほか、民法に基づく委任、および法定後見や任意後見契約法に基づく任意後見等を、高齢者等の財産管理のために利用するものである。そこで、このような本仕組を、以下、「高齢者等財産管理スキーム」と呼ぶ。
【0012】
高齢者等財産管理スキームで用いる用語について、以下のように定義する。即ち、高齢者財産管理スキームで用いる用語は、以下の定義に従った意味であり、必ずしも、信託法で規定する用語とは一致しない点に注意を要する。
「信託」とは、信託法に基づく信託のほか、民法に基づく委任、および法定後見や任意後見契約法に基づく任意後見等、財産の保有者(委託者)等の管理を第三者に託す行為の総称をいう。
「信託財産」とは、委託者が信託する際の対象となる財産をいう。
「委託者」とは、信託財産を信託する1以上の人(法人及び自然人)をいう。例えば、高齢者、身体障害者、シングルマザー等が委託者になり得るし、それらの者の家族も委託者になり得る。
「受託者」とは、信託銀行、信託会社、委託者と契約した人(法人及び自然人)をいう。
「受益者」とは、信託財産の交付を受けるものをいう。例えば、高齢者、身体障害者、シングルマザー等の自然人が受益者になり得る。つまり、後述するように、委託者自身が受益者となることもある。さらに、信託財産の交付を受けるものと「もの」としたのは、人の他、動物等も含む意である。
「指図権者」とは、委託者の意向を受け、信託財産の交付を受託者に指示する人(法人及び自然人)をいう。
「提供者」とは、受益者(例えば、高齢者等の社会的弱者)に介護サービス、食事宅配、物品等を提供する人(法人及び自然人)である。法人としての提供者は、例えば生活産業企業が該当する。また、このような生活産業企業を以下「サービス会社」と呼ぶ。なお、以下において「サービス会社」を用いているときは、それは法人に限定するものではなく、「提供者」を意味する。
【0013】
高齢者等財産管理スキームでは、受益者が高齢者等であり身体障害や正常な判断ができない等の理由により財産の管理や処分を自らできない場合に、受託者が指図権者の指示を受けて受益者のために委託者の財産の管理や処分するほか、受益者(高齢者等)が最も必要とする食事宅配等の生活支援(現物給付)も実現できる。つまり、高齢者財産管理スキームは、社会基盤(高齢者等社会的弱者の生活インフラストラクチャー)としての役割をも担うことができる。
【0014】
受益者が健康で文化的な最低限の生活を営むことができるよう、委託者の意向を受けた指図権者がサービスの提供者(介護・見守り等)を選定するほか、サービスの提供者への申込代行や利用料の支払い等の指図を受益者に代わって受託者に指図することになる。これにより、正常な判断能力を喪失している高齢者等が受益者の場合、当該受益者に対して安全で安心な生活環境を提供することが可能になる。
【0015】
また例えば、この高齢者等財産管理スキームでは、介護事業者等の提供者(物品販売会社を含む)が受益者に対してサービスを提供する際、受益者の支払い能力によりサービス提供の可否を決定することになるが、高齢者財産管理スキームでは、委託者が信託した財産を受託者が管理し指図権者の指示を受けて提供者に支払うことにより、受益者の支払い能力が担保されるため提供者は受益者への与信を考えることなく受益者との取引を可能とする。
【0016】
以下、このような高齢者等財産管理スキームを構築するための、本発明の一実施形態に係る情報処理システムついて、図面を用いて説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態の情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
図1の情報処理システムは、指図権者装置1と、受託者装置2と、提供者装置3と、受益者装置4とが、インターネット等のネットワークNを介して相互に接続されて構成されている。
【0018】
指図権者装置1は、指図権者により操作され、ネットワークNを介して、受託者装置2、提供者装置3、及び受益者装置4の夫々と各種情報を授受する。
受託者装置2は、受託者により操作され、ネットワークNを介して、指図権者装置1、提供者装置3、及び受益者装置4の夫々と各種情報を授受する。
提供者装置3は、提供者により操作され、ネットワークNを介して、指図権者装置1、受託者装置2、及び受益者装置4の夫々と各種情報を授受する。
受益者装置4は、受益者により操作され、ネットワークNを介して、指図権者装置1、受託者装置2、及び提供者装置3の夫々と各種情報を授受する。
【0019】
受託者装置2は、委託者から信託行為によって移転された金銭を受益者のために受託者が管理及び処分を行う装置である。なお、委託者が指図権者を指定する場合は委託者が信託財産交付を受益者に指図する場合に、受託者装置2が利用される。
受託者装置2は、次のような機能を有している。
即ち、委託者や受益者に代わって受託者が財産の管理や処分を行う財産管理に関連する各種処理を実行する財産管理機能が、受託者装置2に設けられている。
受託者の信託財産を受益者名義で個別に資金管理を行う分別管理機能が、受託者装置2に設けられている。なお、分別管理機能には、指図権者装置1の対価支払指示機能の発揮(指示)により、提供者に対して対価を支払う対価支払機能が、受託者装置2に設けられている。
【0020】
指図権者装置1は、サービス会社(提供者)が提供する役務や物品に関して、受益者のために情報提供やサービス会社の選定及び申込代行等を行うほか、サービス会社に代金決済を行う、指図権者により操作される装置である。
指図権者装置1は、次のような機能を有している。
即ち、受益者が利用する商品又は役務購入の申込みを、当該受益者を代行する申込み機能が、指図権者装置1に設けられている。
サービス会社(提供者)が受益者に対して提供する商品又は役務の対価に関して、受託者装置2により管理されている金銭(受益者預金口座)からサービス会社(提供者)に対価を支払う指示を、受託者装置2にする対価支払指示機能が、指図権者装置1に設けられている。
委託者の意向を受け、サービス会社(提供者)が受益者に対して、役務又は物品を正当に提供しているか否かを監査するための監査機能が、指図権者装置1に設けられている。
サービス会社(提供者)が受益者に役務または物品を提供する際、受益者(受益者装置4)にその役務や物品に関する各種情報を提供する情報提供機能が、指図権者装置1に設けられている。
受託者が管理する信託財産からサービス会社(提供者)に財産交付することにより、サービス会社(提供者)に対価を提供できる(ということをサービス会社に通知等する)与信提供機能が、指図権者装置1に設けられている。
サービス会社(提供者)に営業情報を提供する事業機会提供機能が、指図権者装置1に設けられている。
【0021】
図2は、図1の情報処理システムのうち指図権者装置1のハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0022】
指図権者装置1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、リムーバブルメディア21とを備えている。
【0023】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0024】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19、及びドライブ20が接続されている。
【0025】
出力部16は、液晶ディスプレイ等で構成され、各種情報を出力する。
入力部17は、各種ハードウェア釦、タッチパネル等で構成され、各種情報を入力する。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して、受託者装置2、提供者装置3、及び受益者装置4等の各種装置との間で行う通信を制御する。
【0026】
ドライブ20には、必要に応じて、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0027】
本発明の受託者装置2、提供者装置3、及び受益者装置4は、上記の指図権者装置1と同様のハードウェアの構成とすることができる(図示せず)。
【0028】
図3は、図1の情報処理システム全体の機能的構成例を示す機能ブロック図である。
【0029】
指図権者装置1は、CPU11内に、申込み部22と、選定部23と、情報提供部24と、対価支払指示部25と、監査部26とを有する。
また、受託者装置2は、CPU31内に、財産管理部51と、分別管理部52とを有し、さらに分別管理部52の一部として対価支払部81とを有する。
提供者装置3は、通信部102と、管理部121とを有し、受益者装置4は、通信部202と、管理部221と、表示部203とを有するものである。
【0030】
以下、図3における各機能をさらに詳しく説明する。
指図権者装置1の申込み部22は、上述の申込み機能を発揮させ、次のような処理を実行する。即ち、申込み部22は、提供者に対する受益者への商品又は役務の提供の申込みを、受益者に代行して行うための各種処理を実行する。
選定部23は、申込み部22による申込みに際し、商品又は役務の内容や提供者の選定をするための各種処理を実行する。
情報提供部24は、上述の情報提供機能を発揮し、申込み部22による申込みの後、提供者が受益者に役務または物品を提供する際、受益者装置4に対して、その役務や物品に関する各種情報を提供する。
対価支払指示部25は、上述の対価支払指示機能を発揮し、申込み部22による申込みの後、提供者が受益者に対して提供する商品又は役務の対価に関して、受託者装置2により管理されている金銭(受益者預金口座)からサービス会社(提供者)に対価を支払う指示を、受託者装置2に対して行う。
監査部26は、上述の監査機能を発揮し、申込み部22による申込みの後、受益者への商品又は役務の提供が正当に行われているか否かを監査するための各種処理を実行する。
【0031】
受託者装置2の財産管理部51は、上述の財産管理機能を発揮させることで、委託者や受益者に代行して財産の管理や処分を行うものである。
分別管理部52は、上述の分別管理機能を発揮させることで、委託者から受けた信託財産を受益者名義で個別に資金管理を行うものである。
さらに、分別管理部52には、上述の対価支払機能を発揮させる対価支払部81が設けられている。即ち、対価支払部81は、指図権者装置1からの指示に基づき、受託者預貯金口座から受益者預貯金口座に、受益者に提供された商品又は役務の対価相当額を送金させるものである。その後、所定期日に図示せぬ銀行等により、当該受益者預貯金口座から対価相当額が引き落とされ、提供者の口座等に振り込まれる。
【0032】
提供者装置3の管理部121は、通信部102を通じて、指図権者装置1からの商品又は役務の申込みを受け、提供者に通知する等、提供者のための各種管理を行う。
【0033】
受益者装置4の管理部221は、通信部202を通じて、指図権者装置1からの商品又は役務の内容や提供者に関する情報を受信して、受益者に提示する等、受益者のための各種管理を行う。
【0034】
図4は、このような図3の機能的構成を有する情報処理システムを用いて、受益者Jに商品又は役務を提供する様子の1例を示すものである。
【0035】
図4において、委託者Iは、信託行為によって、受託者預貯金口座1Aに金銭を送信する。受託者装置2の財産管理部51は、委託者Iや受益者Jに代行して、委託者Iから送金された金銭(委託者の信託財産)の管理及び処分を行う。分別管理部52は、委託者Iの信託財産を受益者Jの名義毎に分別して管理する。
【0036】
ここで、指図権者装置1の申込み部22は、選定部23が選定した商品又は役務の内容や提供者Tの情報に基づいて、提供者装置3の管理部121に対して申込みを行う。
【0037】
また、指図権者装置1の情報提供部24は、受益者装置4の管理部221に対して、申込みされた商品又は役務の内容や提供者Tに関する情報を提供する。その後、提供者Tにより受益者Jに商品又は役務が提供される。
【0038】
さらに、指図権者装置1の対価支払指示部25は、受託者装置2の対価支払部81に対して、申込みされた商品又は役務の内容や提供者Tに関する情報に基づいて、提供者Tが受け取るべき対価相当額を、受託者預貯金口座1Aから受益者預貯金口座2Aに送金するように指示を送る。
【0039】
その指示を受け、受託者装置2の対価支払部81は、受託者預貯金口座1Aから受益者預貯金口座2Aに、提供者Tが受け取るべき対価相当額の送金を実行する。その後、提供者Tは、受益者預貯金口座2Aからの口座引き落としにより、商品又は役務を提供した対価を受け取ることができる。
【0040】
指図権者装置1の監査部26は、提供者装置3の管理部121に対して、受益者Jへの商品又は役務の提供が正当に行われたかどうかを監査する。
【0041】
委託者Iと受益者Jは、同一であっても異なっていても良い。委託者Iと受益者Jが同一である場合には、例えば、委託者I(=受益者J)が若い時に受託者と信託契約を結ぶことで、意思決定能力が減衰した老後の委託者Iが、適切なサービスを受けられるようにすることができる。委託者Iと受益者Jが異なる場合には、例えば、委託者Iが受託者と信託契約を結ぶことで、意思決定能力に乏しい受益者Jが適切なサービスを受けられるようにすることができる。
【0042】
委託者Iが受託者預貯金口座1Aに送信する金銭としては、特に制限されないが、例えば、委託者Iの年金、預貯金、保険金、賠償金等が挙げられる。ただし、年金を直接受託者預貯金口座に振り込むことは制度上できないため、年金を信託財産にする場合には、一旦委託者Iの年金を預貯金口座に振り込ませ、その後引き落としにより受託者預貯金口座に送金する等の手順が必要になる。
金銭信託の種類としては、指定金銭信託、特定金銭信託が挙げられ、指定金銭信託としては、さらに合同運用方式と単独運用方式が挙げられる。
【0043】
提供者Tは複数人であっても良く、提供者装置3も複数であっても良い。
提供者Tの例としては、特に制限されないが、例えば、コンビニ・スーパー等の食事宅配業者、ネット通販等の生活用品業者、電鉄・警備等の見守り業者、旅行会社等の趣味・娯楽業者、住宅メーカー等の住宅リフォーム業者、生協等の冠婚葬祭業者、学校・塾等の教育業者、施設保育等の子育て業者、スポーツジム等の健康促進業者、家事代行会社等の家事代行業者、介護施設等の施設介護・看護業者、訪問介護・看護ステーション等の在宅介護・看護業者、介護タクシー等の移送業者、介護用品会社等の特定福祉用品販売業者、レンタル会社等の福祉用品貸与業者、病院等の通院医療業者、薬剤師等の医薬品業者、あんまマッサージ指圧師等の指圧鍼灸業者、リハビリテーション療法士等のリハビリテーション業者等が挙げられる。
【0044】
次に、図5を参照して、本発明に関する情報処理システムを用いて受益者Jに商品又は役務を提供する場合の、各装置が実行する処理の関係の1例について説明する。なお、図5は、図3の情報処理システムを用いて受益者に商品又は役務を提供する場合の、各装置が実行する処理の関係の1例を示すアローチャートである。
【0045】
指図権者装置1は、ステップS11において、商品又は役務の内容及び提供者Tを選定する。
続いて、指図権者装置1は、ステップS12において、ステップS11で選定した商品又は役務の内容を、提供者装置に対して申込みをする。
【0046】
提供者装置3は、ステップS31において、指図権者装置1からの申込みを受諾する。
続いて、提供者装置3は、ステップS32において、ステップS31で受諾した商品又は役務を受益者Jに提供することを、表示部を通じて提供者Tに指示する。
【0047】
指図権者装置1は、上記の申込みをした後、ステップS13において、受益者装置4に商品又は役務の内容及び提供者Tに関する情報を送信する。
【0048】
受益者装置4は、ステップS41において、商品又は役務の内容及び提供者Tに関する情報を受信する。
続いて、受益者装置4は、ステップS42において、ステップS41で受信した商品又は役務の内容及び提供者に関する情報を、表示部203を通じて受益者Jに提供する。
【0049】
その後、商品又は役務が受益者Jに提供された後に、指図権者装置1は、ステップS14において、受託者装置2に対して、提供者Tに商品又は役務の対価の支払いを行うことを指示する。
【0050】
受託者装置2は、ステップS21において、指図権者装置1からの対価の支払いの指示を受信する。
続いて、受託者装置2は、ステップS22において、提供者Tが受け取るべき対価の支払いを実行する。
【0051】
以上のステップにように本発明に関する情報処理システムが動作することで、受益者は商品又は役務を受け、提供者は安心して対価を受け取ることができる。
なお、図5により示される各装置の処理のステップは、1例に過ぎず、他のステップが各装置の処理に含まれていても良く、ステップの順番が異なっていても良い。
【0052】
本発明の情報処理システムを利用した実施形態として、受益者に商品又は役務を提供するサービスの1例を図6に示す。なお、本実施形態において、委託者Iと受益者Jは同一人物である(以下、受益者Jと称する)。
【0053】
まず、受益者Jは、受託者JTと信託契約Saを結ぶ。これにより、受託者JTは、受益者Jから預かった資産を信託財産として、受益者Jのために運用することができるようになる。
【0054】
次に、受託者JTは、指図権者Sとオペレーション契約Sbを結ぶ。これにより、指図権者Sは、受託者JTへの商品又は役務を提供することを手配できるようになる。
【0055】
続いて、指図権者Sは、受益者Jに受益者装置4の無料貸与Scを行う。これにより、受益者Jは、受益者装置4を通じて、受託者JT、指図権者S、及び後述する提供者Tとの連絡通信手段を得ることができる。
【0056】
さらに、指図権者Sは、提供者TとソーシャルFPセンター構築Sdを行う。ソーシャルFPセンターとは、例えば、税理士、社会保険労務士、介護施設、医療機関等の各種専門機関と連携し、税制活用、社会保険や社会福祉制度の活用、財産管理、生活支援等の観点から、受益者Jの最適なライフプランをトータルに作成し、これをワンストップサービスとして提供するものである。
【0057】
その後、提供者Tは、受益者Jと連絡通信Seを行う。提供者Tは、予め結ばれた契約内容や、指図権者Sからの指示、受益者Jとの連絡通信Seにより得た受益者Jからの要望等に基づいて、受益者Jに商品又は役務を提供する。提供者Tから受益者Jへの商品又は役務の提供に当たっては、その経験が人工知能を用いたデータベースに蓄積され、次回以降の商品又は役務の提供の際の参考にされる。このように、経験知が人工知能を用いたデータベースに蓄積されることで、より最適な商品又は役務を受益者Jに提供することができるようになる。
【0058】
図7を用いて、図6における受益者装置4の動作について詳しく説明する。図7は、図6に受益者装置4において、表示部203の画面の状態の遷移の1例を示す状態遷移図である。図7における受益者装置4の表示部203は、様々な情報が表示されるものであり、受益者Jのタッチ操作による入力を受け付けるタッチ操作入力部としても機能する。また、受益者装置4は、音声による入力や、音声の出力を行うこともできる。
1つの状態から1つの状態への状態遷移は、所定の条件(以下、「状態遷移条件」と呼ぶ)が満たされると実行される。このような状態遷移条件は、図7においては、1つの状態から1つの状態への遷移を表す矢印に、Aを含む符号を付して表されている。
【0059】
図7(A)の状態は、商品又は役務のジャンル選択画面である。受益者装置4の表示部203は、財産管理や介護・看護産業情報等の項目を表示する。受益者Jは、商品又は役務の提供を希望する項目をタップすることにより、所望の商品又は役務のジャンルを選択することができる。商品又は役務の項目の何れか1つをタップすることで、状態遷移条件A1が満たされ、表示部203は、図7(B)の状態に遷移する。
【0060】
図7(B)の状態は、オペレーターとの通話画面である。受益者装置4の表示部203は、オペレーターを表示する。受益者Jは、表示されたオペレーターと通話をすることで、簡便な方法で商品又は役務の希望を伝えることができる。
図7(B)の状態で、受益者Jが、通話で、他のジャンルの商品又は役務の提供を希望することをオペレーターに伝えた場合には、状態遷移条件A2が満たされ、表示部203は、図7(A)の状態に遷移する。
図7(B)の状態で、受益者Jは、通話で、商品又は役務の希望をオペレーターに伝えた場合には、状態遷移条件A3が満たされ、表示部203は、図7(C)の状態に遷移する。
【0061】
図7(C)の状態は、オペレーターが商品又は役務を提案する画面である。受益者装置4の表示部203は、受益者Jに提案する商品又は役務を表示する。表示部203に表示される商品又は役務は、受益者Jから得た情報に基づいて、オペレーターが選択したものである。商品又は役務の選択に当たっては、オペレーターは、上述した人工知能を用いたデータベースを参考にする。このように、具体的な商品又は役務の提案に当たっては、オペレーターの判断や、人工知能を用いたデータベースの経験知を利用することで、受益者Jに最適な提案をすることが可能になる。
その後、図7(C)の状態で、受益者Jは、表示された商品又は役務の提供をキャンセルすることをオペレーターに伝えた場合には、状態遷移条件A4が満たされ、表示部203は、図7(B)の状態に遷移する。受益者Jは、このようにして、オペレーターが選択した商品又は役務が好みでない場合には、異なる商品又は役務を提案するようオペレーターに促すことができる。
その後、図7(C)の状態で、受益者Jが一定時間、操作を行わない場合には、状態遷移条件A5が満たされ、表示部203は、図7(A)の状態に遷移する。
図7(C)の状態で、受益者Jは、オペレーターから提案された商品又は役務のうちの何れか1つをタップすると、状態遷移条件A6が満たされ、表示部203は、図7(D)の状態に遷移する。受益者Jは、このようにして、具体的な商品又は役務を選択することができる。
【0062】
図7(D)の状態は、提供者Tの選択画面である。受益者装置4の表示部203は、受益者Jが選択した商品又は役務を提供することができる提供者Tの一覧を表示する。
その後、図7(D)の状態で、受益者Jが表示部203において左方向にスワイプをした場合には、状態遷移条件A7が満たされ、表示部203は、図7(C)の状態に遷移する。
図7(D)の状態で、受益者Jは、表示部203に表示された提供者Tの何れか1つをタップすると、提供者Tに商品又は役務の申込みが実行される。
また、図7(D)の状態で、受益者Jが一定時間、操作を行わない場合には、状態遷移条件A8が満たされ、表示部203は、図7(A)の状態に遷移する。
【0063】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0064】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
【0065】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであっても良い。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであっても良い。
【0066】
このようなプログラムを含む記録媒体は、サービス提供者等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図2のリムーバブルメディア21により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でサービス提供者等に提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア21は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でサービス提供者等に提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図2のROM12や、図2の記憶部18に含まれるハードディスク等で構成される。
【0067】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする
【0068】
図1の情報処理システムの構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、それぞれの装置の役割を実行することができる機能が情報処理システム内に備えられていれば良く、例えば、指図権者装置1は、受託者装置2を兼ねていても良く、さらに提供者装置3をも兼ねていても良い。また、夫々の装置は、ネットワークNを介さずに、直接接続されていても良い。
【0069】
図2に示す各ハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。例えば、1つのハードウェアが他のハードウェアの機能を兼ね備えていても良く、同じ機能を持つハードウェアが複数含まれていても良い。また、指図権者装置1は、出力部16とは別に表示部をさらに備えていても良く、入力部17とは別にタッチ入力部をさらに備えていても良い。
受託者装置2、提供者装置3、及び受益者装置4は、指図権者装置1と同様のハードウェアの構成とすることができるが、提供者装置3及び受益者装置4は、入力操作が簡便であることから、タッチ入力部を備えることが好ましく、いわゆるスマートフォン型の端末であることが特に好ましい。
【0070】
図3の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が指図権者装置1、受託者装置2、提供者装置3、及び受益者装置4の夫々に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図3の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成しても良く、ソフトウェア単体で構成しても良く、それらの組み合わせで構成しても良い。
【0071】
例えば、受益者に商品又は役務を提供することを指示する信号を受信する方法は、特に制限されず、受託者装置2から発信されても良く、提供者装置3から発信されても良く、受益者装置4から発信されても良く、通信部19を介して受信するのではなくて入力部17を介して直接入力されるものであっても良い。
【0072】
申込みを行う商品又は役務の内容及び提供者Tは、選定部23が選定したものに必ずしも限られない。指図権者装置1の申込み部22は、例えば、受託者装置2から発信された情報、提供者装置3から発信された情報、受益者装置4から発信された情報等に基づいて、商品又は役務及び提供者を決定して申込みをしても良い。
【0073】
監査部26が監査を行う方法は、特に制限されず、受託者装置2に対して行っても良く、提供者装置3に対して行っても良く、受益者装置4に対して行っても良く、それ以外の方法で行っても良い。
【0074】
受託者装置2の対価支払部81が提供者に対価を支払う方法は、特に制限されないが、受託者預貯金口座から受益者預貯金口座に、提供者の対価相当額を送金し、その後、受益者預貯金口座から提供者に対価を支払う方法でも良く、受託者預貯金口座から提供者に対価を直接支払う方法でも良い。
【0075】
本発明の情報処理システムは、受益者装置4に代行して、受益者代理人装置(図示せず)を用いるものであっても良い。受益者代理人装置とは、受益者装置4と同様のハードウェア構成及び機能を有する装置である。
ここで、受益者代理人とは、受益者の権利を代理する人であり、受益者に代行して、受益者の権利一切を行使する権利を有する。
受益者代理人装置を用いることにより、認知症等により受益者の意思決定能力が著しく低い場合であっても、受益者にとって適切な商品又は役務を提供することが可能になり、受益者代理人が、受益者に代行して受託者や提供者を監視することができるようになる。
【0076】
換言すれば、本発明が適用される情報処理システムは、上述の実施形態としての各情報処理装置を含め、次のような構成を有する、各種各様の実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される指図権者装置は、
委託者から信託行為によって移転された金銭の管理をする受託者により操作される受託者装置(図3の受託者装置2)と、
提供者により受益者に対して提供される商品又は役務に関する指図を行う指図権者により操作される指図権者装置(図3の指図権者装置1)と、
を含む情報処理システムにおける指図権者装置として機能する情報処理装置であって、
前記提供者に対する前記受益者への商品又は役務の提供の申込みを、前記受益者に代行して行う申込み手段(図3の申込み部22)と、
前記商品又は役務の内容を、前記受益者に提供する情報提供手段(図3の情報提供部24)と、
前記受益者への前記商品又は役務の提供に対する対価を、前記提供者に対して支払うように、前記受託者装置に指示を出す対価支払指示手段(図3の対価支払指示部25)と、
前記受益者への前記商品又は役務の提供が正当に行われているか否かを監査する監査手段(図3の監査部26)と、
を備えるものである。
【0077】
また、指図権者装置は、商品又は役務の内容及び提供者を受益者に代行して選定する選定手段(図3の選定部23)をさらに備えることができる。
【0078】
さらに、前記選定手段は、過去の商品又は役務の内容及び提供者のうち少なくとも一部に基づいて、提供者及び申込みの内容を前記受益者に代行して選定することができる。
【符号の説明】
【0079】
1・・・指図権者装置,2・・・受託者装置,3・・・提供者装置,4・・・受益者装置,11・・・CPU,12・・・ROM,13・・・RAM,14・・・バス,15・・・入出力インターフェース,16・・・出力部,17・・・入力部,18・・・記憶部,19・・・通信部,20・・・ドライブ,21・・・リムーバブルメディア,22・・・申込み部,23・・・選定部,24・・・情報提供部,25・・・対価支払指示部,26・・・監査部,31・・・CPU,32・・・通信部,51・・・財産管理部,52・・・分別管理部,81・・・対価支払部,102・・・通信部,121・・・管理部,202・・・通信部,221・・・管理部,203・・・表示部,A1~A8・・・状態遷移条件, I・・・委託者,J・・・受益者,JT・・・受託者,K1・・・受託者預貯金口座,K2・・・受益者預貯金口座,N・・・ネットワーク,S11~S42・・・ステップ,Sa・・・信託契約,Sb・・・オペレーション委託契約,Sc・・・無料貸与,Sd・・・ソーシャルFPセンター構築,Se・・・連絡通信,T・・・提供者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7