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特許7113407発光素子パッケージ及びそれを含む照明システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】発光素子パッケージ及びそれを含む照明システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/50 20100101AFI20220729BHJP
   C09K 11/55 20060101ALI20220729BHJP
   C09K 11/57 20060101ALI20220729BHJP
   C09K 11/61 20060101ALI20220729BHJP
   C09K 11/67 20060101ALI20220729BHJP
   F21V 9/00 20180101ALI20220729BHJP
   H01L 33/54 20100101ALI20220729BHJP
   H01L 33/58 20100101ALI20220729BHJP
【FI】
H01L33/50
C09K11/55 CPF
C09K11/57
C09K11/61
C09K11/67
F21V9/00
H01L33/54
H01L33/58
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2016018529
(22)【出願日】2016-02-03
(65)【公開番号】P2016152413
(43)【公開日】2016-08-22
【審査請求日】2019-01-29
【審判番号】
【審判請求日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】10-2015-0023223
(32)【優先日】2015-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521268118
【氏名又は名称】スージョウ レキン セミコンダクター カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100166729
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 幸子
(72)【発明者】
【氏名】ムン・ジウク
【合議体】
【審判長】瀬川 勝久
【審判官】山村 浩
【審判官】加々美 一恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-63208(JP,A)
【文献】特開2015-28148(JP,A)
【文献】特開2012-69572(JP,A)
【文献】米国特許第8193721(US,B2)
【文献】特開2007-158296(JP,A)
【文献】国際公開第2014/068440(WO,A1)
【文献】特開2008-53691(JP,A)
【文献】国際公開第2014/104147(WO,A1)
【文献】特開2013-60506(JP,A)
【文献】特開2010-209331(JP,A)
【文献】特開2006-245443(JP,A)
【文献】特開2007-173397(JP,A)
【文献】特開2008-235921(JP,A)
【文献】特開2010-34183(JP,A)
【文献】特開2010-209311(JP,A)
【文献】特開2010-258479(JP,A)
【文献】特開2013-14715(JP,A)
【文献】米国特許第8710487(US,B2)
【文献】Yan Kai Xu and Sadao Adachi,Properties of Mn4+-activated Hexafluorotitanate Phosphors,Journal of The Electrochemical Society,米国,The Electrochemical Society,2011年1月10日,Vol.158(3),J58-J65
【文献】Chenxing Liao et al.,Synthesis of K2SiF6:Mn4+ Phosphor from SiO2 Powders via Redox Reaction in HF/KMnO4 Soltion and Their Application in Warm-White LED,Journal of American Chemical Society,米国,American Chemical Society,2013年7月2日,Vol.96[11],pp.3552-3556
【文献】Sadao Adachi and Toru Takahashi,Photoluminescent properties of K2GeF6:Mn4+ red phosphor synthesized from aqueous HF/KMnO4 solution,Journal of Applied Physics,米国,American Institute of Physics,2009年7月8日,Vol.106,013516
【文献】Toru Takahashi and Sadao Adachi,Mn4+-Activated Red Photoluminescence in K2SiF6 Phosphor,Journal of The Electrochemical Society,米国,The Electrochemical Society,2008年10月13日,Vol.155(12),E183-E188
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L33/00-33/64
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(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
R、G、Bの3色の光が混色した白色光を発する発光素子パッケージであって、
リードフレームと、
前記リードフレーム上に配置され、第1波長領域の光を放出する第1発光素子、及び前記第1波長領域と異なる第2波長領域の光を放出する第2発光素子と、
前記第1発光素子及び前記第2発光素子を取り囲んで配置されるモールディング部とを含み、
前記モールディング部は、前記第1発光素子及び前記第2発光素子のうちの少なくとも1つから放出される光によって励起されるフルオロ系赤色蛍光体を含み、
前記フルオロ系赤色蛍光体が励起されて放出される光の半値全幅は5nm~10nmであり、
前記第1波長領域の光の中心波長は440nm~460nmであり、
前記第2波長領域の光の中心波長は520nm~535nmであり、
前記フルオロ系赤色蛍光体は、前記モールディング部に5wt%~20wt%の重量比で含まれ、
前記フルオロ系赤色蛍光体は、化学式KMF:Mn4+(ここで、Mは、Ge、又は、Tiのうちの少なくとも1つである)で表され、
前記フルオロ系赤色蛍光体は、前記モールディング部に分散して配置され、前記第1発光素子と前記第2発光素子のそれぞれの上側と左右側に配置され、
前記モールディング部は、ドームタイプからなり、前記第1発光素子及び前記第2発光素子から放出される光の出射角を変え、
前記発光素子パッケージが発する光のCIE1931色座標系におけるR、G、Bの3つの色座標点を結ぶ三角形領域の面積と、NTSCの標準R、G、B色座標を結ぶ三角形領域の面積との比率は、89.7%以上である、
発光素子パッケージ。
【請求項2】
前記フルオロ系赤色蛍光体の発光中心波長は620nm~640nmである、請求項1に記載の発光素子パッケージ。
【請求項3】
R、G、Bの3色の光が混色した白色光を発する発光素子パッケージであって、
リードフレームと、
前記リードフレーム上に配置され、第1波長領域の光を放出する第1発光素子、及び前記第1波長領域と異なる第2波長領域の光を放出する第2発光素子と、
前記第1発光素子及び前記第2発光素子を取り囲んで配置されるモールディング部とを含み、
前記モールディング部は、前記第1発光素子及び前記第2発光素子のうちの少なくとも1つから放出される光によって励起されるフルオロ系赤色蛍光体を含み、
前記フルオロ系赤色蛍光体から放出される赤色光は、CIE1931色座標系を基準として、(0.600,0.260)、(0.690,0.260)、(0.600,0.310)及び(0.690,0.310)のX,Y座標からなる四角形領域の内部に位置する色座標を有し、
前記第1波長領域の光の中心波長は440nm~460nmであり、
前記第2波長領域の光の中心波長は520nm~535nmであり、
前記フルオロ系赤色蛍光体は、前記モールディング部に5wt%~20wt%の重量比で含まれ、
前記フルオロ系赤色蛍光体は、化学式KMF:Mn4+(ここで、Mは、Ge、又は、Tiのうちの少なくとも1つである)で表され、
前記フルオロ系赤色蛍光体が励起されて放出される光の半値全幅は5nm~10nmであり、
前記フルオロ系赤色蛍光体は、前記モールディング部に分散して配置され、前記第1発光素子と前記第2発光素子のそれぞれの上側と左右側に配置され、
前記モールディング部は、ドームタイプからなり、前記第1発光素子及び前記第2発光素子から放出される光の出射角を変え、
前記発光素子パッケージが発する光のCIE1931色座標系におけるR、G、Bの3つの色座標点を結ぶ三角形領域の面積と、NTSCの標準R、G、B色座標を結ぶ三角形領域の面積との比率は、89.7%以上である、
発光素子パッケージ。
【請求項4】
R、G、Bの3色の光が混色した白色光を発する発光素子パッケージであって、リードフレーム、前記リードフレーム上に配置され、第1波長領域の光を放出する第1発光素子及び前記第1波長領域と異なる第2波長領域の光を放出する第2発光素子、及び前記第1発光素子及び前記第2発光素子を取り囲んで配置されるモールディング部を含み、前記モールディング部は、蛍光体としては、前記第1発光素子及び前記第2発光素子のうちの少なくとも1つから放出される光によって励起されるフルオロ系赤色蛍光体のみを含む、発光素子パッケージを備え、
前記フルオロ系赤色蛍光体が励起されて放出される光の半値全幅は5nm~10nmであり、
前記第1波長領域の光の中心波長は440nm~460nmであり、
前記第2波長領域の光の中心波長は520nm~535nmであり、
前記フルオロ系赤色蛍光体は、前記モールディング部に5wt%~20wt%の重量比で含まれ、
前記フルオロ系赤色蛍光体は、化学式KMF:Mn4+(ここで、Mは、Ge、又は、Tiのうちの少なくとも1つである)で表され、
前記発光素子パッケージは、青色光、緑色光及び赤色光が混色した白色光を発光し、
前記フルオロ系赤色蛍光体は、前記モールディング部に分散して配置され、前記第1発光素子と前記第2発光素子のそれぞれの上側と左右側に配置され、
前記モールディング部は、ドームタイプからなり、前記第1発光素子及び前記第2発光素子から放出される光の出射角を変え、
前記発光素子パッケージが発する光のCIE1931色座標系におけるR、G、Bの3つの色座標点を結ぶ三角形領域の面積と、NTSCの標準R、G、B色座標を結ぶ三角形領域の面積との比率は、89.7%以上である、
照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は、発光素子パッケージ及びそれを含む照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体のIII-V族又はII-VI族化合物半導体物質を用いた発光ダイオード(Light Emitting Diode)やレーザーダイオードのような発光素子は、薄膜成長技術及び素子材料の開発によって赤色、緑色、青色及び紫外線などの様々な色を具現することができ、蛍光物質を用いたり、色を組み合わせたりすることによって効率の良い白色光も具現可能であり、蛍光灯、白熱灯などの既存の光源に比べて低消費電力、半永久的な寿命、速い応答速度、安全性、環境親和性の利点を有する。
【0003】
白色光を具現する方法においては、単一チップ形態の方法であって、青色や紫外線(UV:Ultra Violet)発光ダイオードチップ上に蛍光物質を結合する方法と、マルチチップ形態で製造してこれらを互いに組み合わせて白色光を得る方法とに分けられる。
【0004】
マルチチップ形態の場合、代表的にRGB(Red、Green、Blue)の3種類のチップを組み合わせて作製する方法があり、これは、それぞれのチップ毎に動作電圧が不均一であるか、または周辺環境によるそれぞれのチップの出力の差により色座標が変わるという問題を有する。
【0005】
また、単一チップで白色光を具現する場合において、青色LEDから発光する光と、これを用いて少なくとも1つの蛍光体を励起させて白色光を得る方法が用いられている。
【0006】
一方、ディスプレイ装置などにおいて、このような発光ダイオードチップを用いた照明装置が光源として用いられてもよい。このようなディスプレイ用アプリケーションにおいては、輝度のみならず高い色再現率を有するために、色純度が高い照明装置を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
実施例は、青色発光素子、緑色発光素子及び赤色蛍光体を含むようにして色純度が高い蛍光体組成物と発光素子パッケージ及び照明装置を具現しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するために、リードフレーム、前記リードフレーム上に配置され、第1波長領域の光を放出する第1発光素子及び前記第1波長領域と異なる第2波長領域の光を放出する第2発光素子、及び前記第1発光素子及び前記第2発光素子を取り囲んで配置されるモールディング部を含み、前記モールディング部は、前記第1発光素子及び前記第2発光素子のうちの少なくとも1つから放出される光によって励起されるフルオロ系赤色蛍光体を含み、前記赤色蛍光体の半値幅は5nm~10nmである、発光素子パッケージを提供することを課題の解決手段とする。
【0009】
また、前記赤色蛍光体は、化学式KMF:Mn4+(ここで、Mは、Si、Ge、Tiのうちの少なくとも1つである)で表される発光素子パッケージを提供することを課題の解決手段とする。
【0010】
また、キャビティを有するパッケージボディーをさらに含み、前記第1発光素子及び前記第2発光素子は、前記キャビティの底面に配置され、前記モールディング部は、前記キャビティを充填して配置される、発光素子パッケージを提供することを課題の解決手段とする。
【0011】
また、前記赤色蛍光体の発光中心波長は620nm~640nmである、発光素子パッケージを提供することを課題の解決手段とする。
【0012】
また、前記第1波長領域の光の中心波長は440nm~460nmである、発光素子パッケージを提供することを課題の解決手段とする。
【0013】
また、前記第2波長領域の光の中心波長は520nm~535nmである、発光素子パッケージを提供することを課題の解決手段とする。
【0014】
また、前記モールディング部はベース樹脂部を含み、前記赤色蛍光体は、前記ベース樹脂部内に所定間隔離隔して配置される、発光素子パッケージを提供することを課題の解決手段とする。
【0015】
また、前記赤色蛍光体は、前記モールディング部に5wt%~25wt%の重量比で含まれた、発光素子パッケージを提供することを課題の解決手段とする。
【0016】
また、前記モールディング部は、ドームタイプからなり、前記第1発光素子及び前記第2発光素子から放出される光の出射角を可変させる、発光素子パッケージを提供することを課題の解決手段とする。
【0017】
また、リードフレーム、前記リードフレーム上に配置され、第1波長領域の光を放出する第1発光素子及び前記第1波長領域と異なる第2波長領域の光を放出する第2発光素子、及び前記第1発光素子及び前記第2発光素子を取り囲んで配置されるモールディング部を含み、前記モールディング部は、記第1発光素子及び前記第2発光素子のうちの少なくとも1つから放出される光によって励起されるフルオロ系赤色蛍光体を含み、前記赤色蛍光体から放出される赤色光は、CIE1931色座標系を基準として、(0.600,0.260)、(0.690,0.260)、(0.600,0.310)及び(0.690,0.310)のX,Y座標からなる四角形領域の内部に位置する色座標を有する、発光素子パッケージを提供することを課題の解決手段とする。
【0018】
また、前記赤色蛍光体の半値幅は5nm~10nmである、発光素子パッケージを提供することを課題の解決手段とする。
【0019】
また、前記第1波長領域の光の中心波長は440nm~460nmである、発光素子パッケージを提供することを課題の解決手段とする。
【0020】
また、前記第2波長領域の光の中心波長は520nm~535nmである、発光素子パッケージを提供することを課題の解決手段とする。
【0021】
また、リードフレーム、前記リードフレーム上に配置され、第1波長領域の光を放出する第1発光素子及び前記第1波長領域と異なる第2波長領域の光を放出する第2発光素子、及び前記第1発光素子及び前記第2発光素子を取り囲んで配置されるモールディング部を含み、前記モールディング部は、前記第1発光素子及び前記第2発光素子のうちの少なくとも1つから放出される光によって励起されるフルオロ系赤色蛍光体を含む、発光素子パッケージと、前記発光素子パッケージから放出された光の経路を変化させる光学部材とを含み、前記赤色蛍光体の半値幅は5nm~10nmである、照明装置を提供することを課題の解決手段とする。
【0022】
また、前記発光素子パッケージは、青色光、緑色光及び赤色光が混色した白色光を発光する、照明装置を提供することを課題の解決手段とする。
【0023】
また、前記青色光は、CIE1931色座標系を基準として、(0.130,0.050)、(0.160,0.050)、(0.130,0.080)及び(0.160,0.080)のX,Y座標からなる四角形領域の内部に位置する色座標を有する、照明装置を提供することを課題の解決手段とする。
【0024】
また、前記緑色光は、CIE1931色座標系を基準として、(0.140,0.650)、(0.160,0.650)、(0.140,0.680)及び(0.160,0.680)のX,Y座標からなる四角形領域の内部に位置する色座標を有する、照明装置を提供することを課題の解決手段とする。
【0025】
また、前記赤色光は、CIE1931色座標系を基準として、(0.600,0.260)、(0.690,0.260)、(0.600,0.310)及び(0.690,0.310)のX,Y座標からなる四角形領域の内部に位置する色座標を有する、照明装置を提供することを課題の解決手段とする。
【0026】
また、前記モールディング部での前記赤色蛍光体の含量が増加するほど、前記赤色光の前記X座標値は増加する、照明装置を提供することを課題の解決手段とする。
【0027】
また、前記青色光、前記緑色光及び前記赤色光がなす三角形領域の面積は、NTSC面積対比90%以上である、照明装置を提供することを課題の解決手段とする。
【発明の効果】
【0028】
実施例に係る発光素子パッケージと照明装置の場合、青色及び緑色発光素子と半値幅が狭いフルオロ系赤色蛍光体を含むことによって、蛍光体組成物が励起されて発光する光の色純度を高めることによって、色再現率を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】一実施例の発光素子パッケージを示す図である。
図2】一実施例の発光素子を示す図である。
図3】発光素子パッケージの他の実施例を示す図である。
図4A】発光素子パッケージの発光スペクトルを示す図である。
図4B】発光素子パッケージの発光スペクトルを示す図である。
図5】照明装置の一実施例を示す図である。
図6】比較例での色座標値のシミュレーション結果を示す図である。
図7】実施例に対する色座標値のシミュレーション結果を示す図である。
図8】実施例に対する色座標値のシミュレーション結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、上記の目的を具体的に実現できる本発明の実施例を、添付の図面を参照して説明する。
【0031】
本発明に係る実施例の説明において、各構成要素(element)の「上(上部)又は下(下部)(on or under)」に形成されると記載される場合において、上(上部)又は下(下部)は、2つの構成要素が互いに直接(directly)接触したり、1つ以上の他の構成要素が前記2つの構成要素の間に配置されて(indirectly)形成されることを全て含む。また、「上(上部)又は下(下部)」と表現される場合、一つの構成要素を基準として上側方向のみならず、下側方向の意味も含むことができる。
【0032】
また、以下で使用される「第1」及び「第2」、「上/上部/上側」及び「下/下部/下側」などのような関係的用語は、かかる実体又は要素間のいかなる物理的又は論理的関係、または順序を必ず要求したり、内包したりすることなく、ある一つの実体又は要素を他の実体又は要素と区別するためにのみ用いることもできる。
【0033】
図面において、各層の厚さや大きさは、説明の便宜及び明確性のために誇張されたり、省略されたり、または概略的に示されている。また、各構成要素の大きさは実際の大きさを全的に反映するものではない。
【0034】
図1は、一実施例の発光素子パッケージを示す図である。
【0035】
一実施例に係る発光素子パッケージ200aは、第1リードフレーム142及び第2リードフレーム144、前記第1リードフレーム142及び第2リードフレーム144の上に配置される第1発光素子110a及び第2発光素子110b、及び第1及び第2発光素子を取り囲んで配置されるモールディング部160を含むことができる。
【0036】
図1を参照すると、第1リードフレーム142及び第2リードフレーム144は、第1発光素子110a及び第2発光素子110bと電気的に接続されていてもよい。
【0037】
第1リードフレーム142及び第2リードフレーム144は、基板100上に固定されて配置されてもよい。このとき、基板100は、熱伝導性に優れたセラミック物質からなることができ、一例として、サファイア(Al)基板であってもよい。
【0038】
第1リードフレーム142及び第2リードフレーム144は、銅などの導電性物質からなることができ、例えば、金(Au)をメッキして配置することができる。
【0039】
第1リードフレーム142及び第2リードフレーム144は、互いに電気的に分離され、発光素子110a,110bに電流を供給することができる。また、第1リードフレーム142及び第2リードフレーム144は、発光素子110a,110bから発生した光を反射させて光効率を増加させることができ、発光素子110a,110bから発生した熱を外部に排出させることもできる。
【0040】
図1に示された一実施例では、発光素子110a,110bが、第1リードフレーム142上に配置され、第2リードフレーム144とはワイヤ146を介して接続されてもよいが、発光素子110a,110bは、ワイヤボンディング方式以外にフリップチップボンディング又はダイボンディング方式によりリードフレームと接続されてもよい。
【0041】
発光素子110a,110bは発光ダイオード(Light Emitting Diode)であってもよい。
【0042】
図2は、発光素子110a,110bの一実施例を示した図であり、発光素子110a,110bは、支持基板70、発光構造物20、オーミック層40、及び第1電極80を含むことができる。
【0043】
発光構造物20は、第1導電型半導体層22、活性層24及び第2導電型半導体層26を含んでなる。
【0044】
第1導電型半導体層22は、III-V族又はII-VI族などの化合物半導体で具現されてもよく、第1導電型ドーパントがドープされてもよい。第1導電型半導体層22は、AlInGa(1-x-y)N(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体物質、AlGaN、GaN、InAlGaN、AlGaAs、GaP、GaAs、GaAsP、AlGaInPのいずれか1つ以上で形成されてもよい。
【0045】
第1導電型半導体層22がn型半導体層である場合、第1導電型ドーパントは、Si、Ge、Sn、Se、Teなどのようなn型ドーパントを含むことができる。第1導電型半導体層22は、単層又は多層に形成されてもよく、これに限定されるものではない。
【0046】
活性層24は、第1導電型半導体層22と第2導電型半導体層26との間に配置され、単一井戸構造、多重井戸構造、単一量子井戸構造、多重量子井戸(MQW:Multi Quantum Well)構造、量子点構造または量子線構造のいずれか1つを含むことができる。
【0047】
活性層24は、III-V族元素の化合物半導体材料を用いて井戸層と障壁層、例えば、AlGaN/AlGaN、InGaN/GaN、InGaN/InGaN、AlGaN/GaN、InAlGaN/GaN、GaAs(InGaAs)/AlGaAs、GaP(InGaP)/AlGaPのいずれか1つ以上のペア構造で形成されてもよいが、これに限定されない。井戸層は、障壁層のエネルギーバンドギャップよりも小さいエネルギーバンドギャップを有する物質で形成することができる。
【0048】
第2導電型半導体層26は、半導体化合物で形成することができる。第2導電型半導体層26は、III-V族又はII-VI族などの化合物半導体で具現されてもよく、第2導電型ドーパントがドープされてもよい。第2導電型半導体層26は、例えば、InAlGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体物質、AlGaN、GaN、AlInN、AlGaAs、GaP、GaAs、GaAsP、AlGaInPのいずれか1つ以上で形成されてもよく、例えば、第2導電型半導体層26がAlGa(1-x)Nからなることができる。
【0049】
第2導電型半導体層26がp型半導体層である場合、第2導電型ドーパントは、Mg、Zn、Ca、Sr、Baなどのようなp型ドーパントであってもよい。第2導電型半導体層26は、単層又は多層に形成されてもよく、これに限定されない。
【0050】
第1導電型半導体層22の表面がパターンをなして光抽出効率を向上させることができる。また、第1導電型半導体層22の表面には第1電極80を配置することができ、図示してはいないが、第1電極80が配置される第1導電型半導体層22の表面はパターンを有さなくてもよい。第1電極80は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、金(Au)のうちの少なくとも1つを含んで単層又は多層構造に形成されてもよい。
【0051】
発光構造物20の周囲にはパッシベーション層90が形成されてもよい。パッシベーション層90は絶縁物質からなることができ、絶縁物質は非伝導性の酸化物や窒化物からなることができる。例えば、パッシベーション層90は、シリコン酸化物(SiO)層、酸化窒化物層、酸化アルミニウム層からなることができる。
【0052】
発光構造物20の下部には第2電極を配置することができ、オーミック層40と反射層50が第2電極として作用することができる。第2導電型半導体層26の下部にはGaNが配置されて、第2導電型半導体層26に電子乃至正孔の供給を円滑にすることができる。
【0053】
オーミック層40は、約200オングストローム(Å)の厚さであってもよい。オーミック層40は、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、IZTO(indium zinc tin oxide)、IAZO(indium aluminum zinc oxide)、IGZO(indium gallium zinc oxide)、IGTO(indium gallium tin oxide)、AZO(aluminum zinc oxide)、ATO(antimony tin oxide)、GZO(gallium zinc oxide)、IZON(IZO Nitride)、AGZO(Al-Ga ZnO)、IGZO(In-Ga ZnO)、ZnO、IrOx、RuOx、NiO、RuOx/ITO、Ni/IrOx/Au、及びNi/IrOx/Au/ITO、Ag、Ni、Cr、Ti、Al、Rh、Pd、Ir、Sn、In、Ru、Mg、Zn、Pt、Au、Hfのうちの少なくとも1つを含んで形成されてもよく、このような材料に限定されない。
【0054】
反射層50は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、あるいはAl、Ag、Pt又はRhを含む合金を含む金属層からなることができる。反射層50は、活性層24から発生した光を効果的に反射することによって、半導体素子の光抽出効率を大きく改善することができる。
【0055】
支持基板(support substrate)70は、金属又は半導体物質などの導電性物質で形成することができる。電気伝導度乃至熱伝導度に優れた金属を使用することができ、半導体素子の作動時に発生する熱を十分に発散させなければならないので、熱伝導度が高い物質(例えば、金属など)で形成することができる。
【0056】
例えば、モリブデン(Mo)、シリコン(Si)、タングステン(W)、銅(Cu)及びアルミニウム(Al)で構成される群から選択される物質、またはこれらの合金からなることができ、また、金(Au)、銅合金(Cu Alloy)、ニッケル(Ni)、銅-タングステン(Cu-W)、キャリアウエハ(例えば、GaN、Si、Ge、GaAs、ZnO、SiGe、SiC、SiGe、Gaのいずれか1つであってもよい)などを選択的に含むことができる。
【0057】
支持基板70は、窒化物半導体全体に反りをもたらすことなく、スクライビング(scribing)工程及びブレーキング(breaking)工程を通じて別個のチップに容易に分離できる程度の機械的強度を有するために、50μm~200μmの厚さからなることができる。
【0058】
接合層60は、反射層50と支持基板70とを結合し、金(Au)、錫(Sn)、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、シリコン(Si)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)及び銅(Cu)で構成される群から選択される物質、またはこれらの合金で形成することができる。
【0059】
図2に示された発光素子110の実施例は垂直型発光素子の実施例であるが、図1に示された発光素子パッケージ200aの実施例には、図2に示された垂直型発光素子以外に、水平型発光素子、フリップチップタイプの発光素子が配置されてもよい。
【0060】
一方、第1発光素子110aは、第1波長領域の光を放出することができる。
【0061】
例えば、第1発光素子110aは青色光を発光することができ、第1発光素子から放出される光の中心波長は440nm~460nmであってもよい。
【0062】
第2発光素子110bは、第1発光素子と異なる第2波長領域の光を放出することができる。
【0063】
例えば、第2発光素子110bは緑色光を発光することができ、第2発光素子から放出される光の中心波長は520nm~535nmであってもよい。
【0064】
再び図1を参照すると、一実施例の発光素子パッケージ200aにおいて、モールディング部160は、第1発光素子100aと第2発光素子100bを取り囲んで配置されてもよい。
【0065】
モールディング部160は、ドーム(dome)タイプからなることができ、発光素子パッケージから放出される光の出射角を調節するために、他の形状に配置されてもよい。モールディング部160は、発光素子110a,110bを包囲して保護し、発光素子110a,110bから放出される光の進路を変更するレンズとして作用することができる。
【0066】
モールディング部160は、ベース樹脂部、及びベース樹脂部に分散した赤色蛍光体150を含むことができる。
【0067】
赤色蛍光体150は、励起されて赤色波長領域の光を放出する蛍光体を意味する。
【0068】
ベース樹脂部は、シリコン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂のいずれか1つ、またはそれらの混合物からなることができる。
【0069】
また、モールディング部160にはフルオロ系赤色蛍光体150が含まれてもよい。
【0070】
フルオロ系赤色蛍光体150は、第1発光素子110aと第2発光素子110bのうちの少なくとも1つによって励起されてもよい。
【0071】
モールディング部に含まれるフルオロ系赤色蛍光体は、化学式KMF:Mn4+で表すことができる。ここで、Mは、Si(Silicone)、Ge(Germanium)及びTi(Titanium)のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0072】
フルオロ系赤色蛍光体150の発光中心波長は620nm~640nmであってもよい。ここで、赤色蛍光体150の発光中心波長は、第1発光素子110aと第2発光素子110bのうちの少なくとも1つによって赤色蛍光体150が励起されて放出される光の中心波長を意味する。
【0073】
また、フルオロ系赤色蛍光体は、従来のナイトライド(Nitride)系赤色蛍光体と比較して小さい半値幅(Full Width at Half Maximum)を有することができる。
【0074】
例えば、フルオロ系赤色蛍光体の半値幅は5nm~10nmであってもよい。
【0075】
フルオロ系赤色蛍光体は、モールディング部に5wt%~25wt%含まれてもよい。
【0076】
すなわち、モールディング部がシリコン樹脂とフルオロ系赤色蛍光体で構成される場合、シリコン樹脂の重量がWsであり、フルオロ系赤色蛍光体の重量がWrであるとき、モールディング部に対するフルオロ系赤色蛍光体の比率([Wr/(Ws+Wr)]×100)は、下記の通りである。
【0077】
【数1】
【0078】
例えば、フルオロ系赤色蛍光体が5wt%以下含まれる場合、モールディング部の含量に対する赤色蛍光体の量が十分でないため、発光素子パッケージから放出される光のうち赤色光の色純度が低下することがある。また、フルオロ系赤色蛍光体がモールディング部に25wt%以上含まれる場合、発光素子から放出される光量に対して赤色蛍光体で吸収される光量が相対的に多くなるため、全体的な発光素子パッケージの輝度を減少させることがある。
【0079】
また、フルオロ系赤色蛍光体がモールディング部に25wt%以上含まれる場合は、温度、湿度及び光に弱いフルオロ系赤色蛍光体の特性により、発光素子パッケージの使用時間が増加するほど、発光素子パッケージの光特性が低下するという問題が発生し得る。
【0080】
図3は、発光素子パッケージの他の実施例200bを示す図である。
【0081】
以下、図3の発光素子パッケージに対する説明では、図1の発光素子パッケージの実施例に対する説明と重複する内容は再び説明せず、相違点を中心に説明する。
【0082】
図3に示された一実施例に係る発光素子パッケージ200bは、キャビティ135を有するパッケージボディー130、及びキャビティの底面に配置される第1及び第2発光素子110a,110bを含むことができ、パッケージボディー130には、発光素子110a,110bとの電気的接続のための第1リードフレーム142及び第2リードフレーム144が固定されて配置されてもよい。
【0083】
また、キャビティ135内に、発光素子110a,110bを取り囲んでモールディング部160が充填されてもよい。
【0084】
パッケージボディー130は、シリコン材質、合成樹脂材質または金属材質を含んで形成されてもよく、熱伝導性に優れたセラミック物質からなることができる。
【0085】
パッケージボディー130の上部は開放されており、側面と底面からなるキャビティ135を有することができる。
【0086】
キャビティ135は、カップ形状、凹状の容器形状などで形成されてもよく、キャビティの側面は、底面に対して垂直又は傾斜して形成されてもよく、その大きさ及び形状は多様にすることができる。
【0087】
キャビティ135を上から見た形状は、円形、多角形、楕円形などであってもよく、角部が曲線である形状であってもよいが、これに限定されない。
【0088】
発光素子110a,110bは、キャビティ135内に配置することができ、パッケージボディー130上に配置されるか、または第1リードフレーム142又は第2リードフレーム144上に配置されてもよい。
【0089】
図3の発光素子パッケージで配置される発光素子110a,110bは、図2に示された垂直型発光素子であってもよいが、実施例はこれに限定されず、水平型発光素子などを含むこともできる。
【0090】
図3の実施例において、モールディング部160は、2つの発光素子110a,110bを取り囲み、パッケージボディー上でキャビティ135を充填して配置されてもよい。
【0091】
このとき、モールディング部160の上部面は、キャビティ135の側面の上部面と同一線上に形成されてもよいが、実施例はこれに限定されず、キャビティの側面の上部面よりも高く形成されるか、またはキャビティの側面の高さよりも低く形成されてもよい。
【0092】
本実施例において、モールディング部160は、ベース樹脂部、及びベース樹脂部に分散した赤色蛍光体150を含むことができ、それぞれの組成と重量比は、上述した実施例と同一であってもよい。
【0093】
図4A及び図4Bは、発光素子パッケージの発光スペクトルを示す図である。
【0094】
図4Aは、従来の発光素子パッケージの発光スペクトルを示したもので、比較例1は、青色光を発光する発光素子と、このような青色発光素子上に緑色蛍光体及び赤色蛍光体を含む、発光素子パッケージの場合である。緑色蛍光体と赤色蛍光体はそれぞれ、励起されて緑色波長領域と赤色波長領域の光を放出する蛍光体を意味する。また、比較例2は、青色光を発光する発光素子と、緑色蛍光体及びフルオロ系赤色蛍光体を含む、発光素子パッケージの場合である。
【0095】
一方、図4Bは、一実施例の発光素子パッケージに対する発光スペクトルを示す図である。このとき、実施例1~実施例4は、図3に示された一実施例の発光素子パッケージの構成を有するものであってもよい。
【0096】
表1は、比較例1乃至比較例2及び実施例でのモールディング部の構成を示したものである。
【0097】
このとき、表1に記述された比較例1乃至比較例2、及び実施例1~実施例4において、モールディング部をなすベース樹脂部はシリコン樹脂であってもよい。
【0098】
【表1】
【0099】
表1で、蛍光体の総重量比(wt%)は、モールディング部の全重量に対する蛍光体組成物の重量の割合を示したもので、モールディング部全体の重量は、ベース樹脂部と蛍光体組成物を含むことができる。このとき、モールディング部に互いに異なる種類の蛍光体物質を含む場合、蛍光体の総重量は、このような互いに異なる蛍光体物質を全て含むものであり得る。
【0100】
すなわち、比較例1は、蛍光体1及び蛍光体2がモールディング部において10wt%を占め、比較例2は、蛍光体1及び蛍光体3がモールディング部において27wt%を占める場合であり、実施例は、蛍光体3のみが含まれ、モールディング部に5wt%~20wt%含まれる場合に該当する。
【0101】
このとき、ベース樹脂部であるシリコン樹脂は、比較例1で90wt%、比較例2で73wt%、実施例1~実施例4で80wt%~95wt%であり得る。
【0102】
また、蛍光体1はナイトライド系緑色蛍光体であり、蛍光体2はナイトライド系赤色蛍光体であり、蛍光体3はフルオロ系赤色蛍光体であり得る。
【0103】
例えば、蛍光体1はBaSi12:Eu2+であり、蛍光体2はCaSi:Eu2+であり、蛍光体3はKSiF:Mn4+であってもよい。
【0104】
図4Aは、比較例1と比較例2の発光素子パッケージに対する発光スペクトルを示したもので、比較例2の場合、比較例1と比較して、赤色発光波長領域でシャープ(sharp)な発光ピークを示し、光量(Power)も大きく増加することがわかる。
【0105】
すなわち、比較例2の場合、比較例1とは異なり、赤色蛍光体としてフルオロ系蛍光体を使用することによって、発光素子パッケージの輝度を高め、赤色光の色純度を改善する効果を有することを確認できる。
【0106】
図4Bは、一実施例の発光素子パッケージにおいて蛍光体3の含量比による発光スペクトルを示したものである。一方、図4Bで、実施例1~実施例4は、モールディング部に含まれる蛍光体3の含量を異ならせた場合の発光スペクトルに該当する。
【0107】
表1を参照すると、蛍光体3のモールディング部に対する含量比は、実施例1は5wt%、実施例2は10wt%、実施例3は15wt%、実施例4は20wt%に該当する。
【0108】
図4Bを参照すると、図4Aの比較例1、2の発光スペクトルと比較するとき、実施例の発光スペクトルは、赤色波長領域である580nm~680nmで比較例1と異なってシャープな発光ピークを有し、緑色発光領域である480nm~580nmの波長領域でも比較例1及び比較例2に比べてシャープな発光ピークが示されることがわかる。
【0109】
すなわち、一実施例の発光素子パッケージの場合、緑色蛍光体の代わりに緑色発光素子を使用し、赤色蛍光体としてフルオロ系蛍光体を含むことによって、比較例の発光素子パッケージに比べて、緑色及び赤色発光波長領域で半値幅が狭いシャープな発光ピークを得ることができるので、青色光を放出する発光素子のみを使用した場合に比べて、色純度が高い発光素子パッケージを具現することができる。
【0110】
図5は、照明装置の一実施例を示す図である。
【0111】
一実施例の照明装置300は、上述した実施例の発光素子パッケージ200を少なくとも1つ含むことができる。
【0112】
図5は、支持部材210及び複数の発光素子パッケージ200を含む照明装置300の断面図である。
【0113】
一方、図示してはいないが、支持部材210は、支持部材上に電極をパターニングして形成した回路基板であってもよく、例えば、PCB(Printed Circuit Board)またはFPCB(Flexible Printed Circuit Board)であってもよい。
【0114】
複数の発光素子パッケージは、支持部材210上に形成された電極パターン上に配置されてもよい。
【0115】
また、一実施例の照明装置は、ディスプレイ装置の光源として使用することができる。
【0116】
例えば、ディスプレイ装置は、画像を生成する映像パネル、及び映像パネルに光を供給する照明装置を含むことができる。このとき、ディスプレイ装置に含まれる一実施例の照明装置は、バックライトユニット(Back Light Unit)またはフロントライトユニット(Front Light Unit)であってもよく、画像を生成する映像パネルに光源を供給するものであってもよい。
【0117】
実施例に係る照明装置は、複数個がアレイされて使用されてもよく、一つの照明装置が光源として使用されてもよい。
【0118】
実施例の照明装置が、ディスプレイ装置の光源として使用されるバックライトユニットである場合、照明装置にはボトムカバーをさらに含むことができ、ボトムカバー上には、光効率を増大させるための反射層をさらに含むことができる。
【0119】
また、照明装置がディスプレイ装置に含まれる場合、照明装置の発光素子パッケージ上には光学部材をさらに含むことができる。
【0120】
光学部材は、導光板、プリズムシートなどを含むことができ、照明装置の発光素子パッケージから放出される光を映像パネルに伝達し、また、照明装置の光抽出効率を増加させる機能を行うことができる。
【0121】
実施例の照明装置において、発光素子パッケージは、青色光、緑色光及び赤色光が混色した白色光を発光することができる。
【0122】
照明装置から発光した混色光において、青色光は、CIE1931色座標系を基準として、(0.130,0.050)、(0.160,0.050)、(0.130,0.080)及び(0.160,0.080)のX、Y座標からなる四角形領域の内部に位置する色座標を有することができる。
【0123】
また、照明装置から発光した混色光において、緑色光は、CIE1931色座標系を基準として、(0.140,0.650)、(0.160,0.650)、(0.140,0.680)及び(0.160,0.680)のX、Y座標からなる四角形領域の内部に位置する色座標を有することができる。
【0124】
照明装置から発光した混色光において、赤色光は、CIE1931色座標系を基準として、(0.600,0.260)、(0.690,0.260)、(0.600,0.310)及び(0.690,0.310)のX、Y座標からなる四角形領域の内部に位置する色座標を有することができる。
【0125】
図6乃至図8は、液晶ディスプレイモジュール(LCM)状態での色座標をシミュレーション結果として示したものである。
【0126】
また、表2及び表3は、比較例と実施例において、LCMのRed、Green、Blue点での色座標のシミュレーション値をそれぞれ示したものである。
【0127】
図6乃至図8で、Cxは色座標のx軸値であり、Cyは色座標のY軸値を示したものである。
【0128】
図6及び表2は、上述した比較例の発光素子パッケージを照明装置に含む場合におけるLCMの色座標と色再現率に対するシミュレーション結果である。このとき、比較例1と比較例2の発光素子パッケージの構成は、上述した表1を参照することができる。
【0129】
CIE1931色座標系で表示されるNTSC(National Television System Committee)の標準R(Red)、G(Green)、B(Blue)の色座標は、それぞれ(0.67,0.33)、(0.21,0.71)、(0.14,0.08)であってもよい。
【0130】
また、表2及び表3に示したNTSC面積比率(%)は、NTSCの標準R,G,B色座標を結ぶ三角形領域の面積に対する、比較例または実施例で具現される新しいR,G,Bの3つの色座標点からなる三角形領域の面積の比を示したものである。
【0131】
例えば、NTSCに対する面積比率は色再現率の値であり得る。
【0132】
図6は、NTSCの三角形と、比較例1及び比較例2でのR,G,Bの3つの点を結ぶ三角形とを色座標系に表示して示した図である。
【0133】
図6を参照すると、比較例1と比較例2の三角形の面積は、NTSCと一致していないが、比較例2の場合、比較例1に比べて三角形領域がさらに大きくなったことがわかる。
【0134】
また、表2を参照すると、比較例1に比べて、比較例2でNTSC面積比率が約4%増加したことを確認できる。
【0135】
すなわち、図6と表2おいて、比較例2のNTSC面積比率が比較例1に比べて高いことは、比較例2の場合、発光素子パッケージにおいて赤色蛍光体としてフルオロ系赤色蛍光体を含むことによって色純度が改善されて、NTSC面積比率である色再現率が大きくなったと見なすことができる。このとき、フルオロ系赤色蛍光体は、KMF:Mn4+(ここで、Mは、Si、Ge、Tiのうちの少なくとも1つである)であってもよい。
【0136】
【表2】
【0137】
図7図8及び表3は、実施例の照明装置を含むLCMのシミュレーション結果である。
【0138】
図7では、NTSCの標準R,G,B色座標と、一実施例の照明装置を含む実施例の色座標グラフとを比較して示したものである。
【0139】
図7の図示を参照すると、実施例の場合、図6に示された比較例1及び比較例2の色座標と比較して、緑色(G)のX色座標であるCx値が小さいことがわかる。
【0140】
すなわち、実施例の場合、緑色蛍光体の代わりに、緑色発光素子を含む構成を有することによって、緑色光の色座標が、比較例の色座標とは異なり、NTSCの緑色の色座標のX値よりも小さくなり、したがって、R,G,Bの3つの点を結ぶ実施例の三角形の面積が、比較例での三角形の面積に比べて大きくなる。
【0141】
図7を参照すると、実施例の三角形の面積はNTSCと一致していないが、図6に示された比較例1及び比較例2の場合に比べて、三角形領域がさらに大きくなったことがわかる。
【0142】
図8は、実施例1~実施例4に対する色座標グラフを比較して示したものであり、表3は、実施例1~実施例4におけるR,G,B色座標及びNTSC面積比率を示したものである。
【0143】
実施例1~実施例4は、上述した一実施例の照明装置を含む場合であって、赤色蛍光体であるフルオロ系赤色蛍光体の含量割合を異ならせた場合に該当する。
【0144】
すなわち、実施例1は5wt%、実施例2は10wt%、実施例3は15wt%及び実施例4は20wt%に該当する場合であり得、このとき、フルオロ系赤色蛍光体は、KMF:Mn4+(ここで、Mは、Si、Ge、Tiのうちの少なくとも1つである)であってもよい。
【0145】
図8及び表3のシミュレーション結果を参照すると、フルオロ系赤色蛍光体の含量が多くなるほど、NTSC面積比率(%)が増加することがわかる。
【0146】
一方、実施例の照明装置の場合、青色光、緑色光及び赤色光がなす三角形領域の面積は、NTSC面積対比90%以上であり得る。
【0147】
また、表3及び図8を参照すると、実施例において、フルオロ系赤色蛍光体の含量割合が大きくなるほど、赤色光であるRedの色座標値であるX座標値が増加する傾向を有することがわかる。
【0148】
すなわち、フルオロ系赤色蛍光体の含量割合が5wt%から20wt%に増加するほど、Redのx軸色座標であるCx値が大きくなることによって、さらにNTSCのRed色座標のCx値に隣接して示されるようになる。
【0149】
したがって、フルオロ系赤色蛍光体の含量が大きくなるほど、実施例の照明装置を含むLCMのCIE1931色座標系での三角形の面積が増加するようになり、色再現率を改善することができる。
【0150】
図8でも、実施例1から実施例4に行くほど、R,G,Bの3つの点を結ぶ三角形の面積が増加することを確認できる。すなわち、フルオロ系赤色蛍光体の含量が大きくなるほど、赤色(Red)領域の色純度が増加して、LCMでの全体的な色再現率を改善することができる。
【0151】
【表3】
【0152】
一方、照明装置は、上述したディスプレイ装置以外に、ランプ、ヘッドランプなどに含まれてもよい。
【0153】
図5に示された照明装置300は光源モジュールであってもよい。
【0154】
ランプは、光源モジュールである実施例の照明装置を含み、光源モジュールの熱を発散させる放熱体、及び外部から提供された電気的信号を処理又は変換して光源モジュールに提供する電源提供部を含むことができる。
【0155】
ヘッドランプは、図5に示された照明装置300を発光モジュールとして含み、発光モジュールから照射される光を一定の方向、例えば、前方に反射させるリフレクタ(reflector)、リフレクタによって反射される光を前方に屈折させるレンズ、及びリフレクタによって反射されてレンズに向かう光の一部を遮断又は反射し、設計者が望む配光パターンをなすようにするシェード(shade)を含むことができる。ここで、リフレクタ、レンズ及びシェードなどを光学部材と呼ぶことができる。
【0156】
上述した実施例の照明装置を含むディスプレイ装置及びランプ、ヘッドランプ装置などの場合、互いに異なる波長領域の光を放出する2つの発光素子を含み、フルオロ系赤色蛍光体を含む照明装置を使用することによって、高い色純度を有することができ、また、色再現率を改善することができる。
【0157】
以上、実施例を中心に説明したが、これは単なる例示であり、本発明を限定するものではなく、本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、本実施例の本質的な特性を逸脱しない範囲で、以上で例示していない様々な変形及び応用が可能であるということが理解されるであろう。例えば、実施例に具体的に示した各構成要素は変形実施が可能である。そして、このような変形及び応用に係る差異点は、添付の特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈しなければならない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8