(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】商品販売データ処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/01 20060101AFI20220729BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20220729BHJP
G07G 1/14 20060101ALI20220729BHJP
G06Q 30/06 20120101ALI20220729BHJP
【FI】
G07G1/01 301E
G07G1/12 321K
G07G1/01 301D
G07G1/14
G07G1/12 351Z
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2018006762
(22)【出願日】2018-01-18
【審査請求日】2021-01-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 敬行
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-251669(JP,A)
【文献】特表2013-531314(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 1/12
G06Q 30/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店員の操作に応じて商品登録処理を実行する登録装置と、客の操作に応じて前記商品登録処理に対応する精算処理を実行する精算装置とを備える商品販売データ処理システムにおいて、
電子レシートを端末装置に送信させる制御情報を、前記端末装置が読み取り可能なように
前記登録装置の表示部に表示させる表示制御手段を備える
商品販売データ処理システム。
【請求項2】
店員の操作に応じて商品登録処理を実行する登録装置と、客の操作に応じて前記商品登録処理に対応する精算処理を実行する精算装置とを備える商品販売データ処理システムが備えるコンピュータを、
電子レシートを端末装置に送信させる制御情報を、前記端末装置が読み取り可能なように
前記登録装置の表示部に表示させる表示制御手段
として機能させるためのプログラム。
【請求項3】
店員の操作に応じて商品登録処理を実行する登録装置と、客の操作に応じて前記商品登録処理に対応する精算処理を実行する精算装置とを備える商品販売データ処理システムにおける登録装置であって、
電子レシートを端末装置に送信させる制御情報を、前記端末装置が読み取り可能なように前記登録装置の表示部に表示させる表示制御手段を備える
登録装置。
【請求項4】
店員の操作に応じて商品登録処理を実行する登録装置と、客の操作に応じて前記商品登録処理に対応する精算処理を実行する精算装置とを備える商品販売データ処理システムにおける登録装置としてのコンピュータを、
電子レシートを端末装置に送信させる制御情報を、前記端末装置が読み取り可能なように前記登録装置の表示部に表示させる表示制御手段
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売データ処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
レシートサーバが、チェックアウトシステムにて実行された会計処理の結果が反映された電子レシートデータを収集し、収集された電子レシートデータを客の端末で閲覧させるための処理を行うようにされた構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現状、客による電子レシートの閲覧は、例えばスマートフォンなどの端末にインストールされた店舗の会員用のアプリケーションに対する操作によって行えるようにされている。あるいは、客による電子レシートの閲覧は、客が所有するパーソナルコンピュータなどの端末により店舗の会員用サイトにログインすることにより行えるようにされている。
上記のような電子レシートの閲覧方法は、例えば端末へのアプリケーションのインストールを行ったり、会員としてのアカウントを登録するための手順などが必要になる。会員としてのアカウントの登録は、客が会員サイトにおける登録用のウェブページを利用して行える場合もあれば、客が必要事項を記入した申込用紙を店舗側に渡し、店舗側で申込用紙に記入された事項を入力することで行われる場合もある。
いずれにせよ、上記のような電子レシートの閲覧方法では、電子レシートの閲覧が可能なようにするために、客側や店舗側で事前の準備が必要になる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、特に事前の準備を行わなくとも、客が自分の取引についての電子レシートを入手できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するための本発明の一態様は、電子レシートを端末装置に送信させる制御情報を、前記端末装置が読み取り可能なように表示部に表示させる表示制御手段を備える商品販売データ処理システムである。
【0007】
本発明の一態様は、商品販売データ処理システムが備えるコンピュータを、電子レシートを端末装置に送信させる制御情報を、前記端末装置が読み取り可能なように表示部に表示させる表示制御手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、特に事前の準備を行わなくとも、客が自分の取引についての電子レシートを入手できるようになるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態におけるPOSシステムの構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態における登録装置と精算装置の外観例を示す図である。
【
図3】本実施形態における登録装置の構成例を示す図である。
【
図4】本実施形態における精算装置の構成例を示す図である。
【
図5】本実施形態における電子レシートサーバの構成例を示す図である。
【
図6】本実施形態における携帯端末の構成例を示す図である。
【
図7】本実施形態における精算装置にて表示される精算画面の態様例を示す図である。
【
図8】本実施形態における精算装置、携帯端末及び管理装置が電子レシートの発行に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【
図9】本実施形態の変形例において、登録装置の客用表示部にて二次元コードを含んで表示される画面の態様例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態>
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るPOSシステム1(商品販売データ処理システムの一例)の構成例を示している。同図に示すPOSシステム1は、管理装置10と、2台の登録装置20-1、20-2と、3台の精算装置30-1、30-2、30-3とを備える。
なお、以降の説明にあたり、登録装置20-1、20-2について特に区別しない場合には、登録装置20と記載する。また、精算装置30-1、30-2、30-3について特に区別しない場合には、精算装置30と記載する。
管理装置10と登録装置20と精算装置30とは、有線または無線接続のLAN(Local Area Network)11で相互に接続されている。
【0011】
なお、同図に示したPOSシステム1の構成は一例である。例えば、POSシステム1において、登録装置20と精算装置30との設置数は特に限定されるものではなく、それぞれ1台以上であればよい。また、本実施形態のPOSシステム1は、管理装置10を含まない構成としてもよい。
なお、POSシステム1の構成として、管理装置10を含まない構成とする場合には、他の装置(例えば、複数の登録装置20のうち代表となる1台の登録装置20)に、管理装置10としての機能を兼用させてもよい。
【0012】
管理装置10は、POSシステム1を管理する情報処理装置であり、POSシステム1において登録装置20や精算装置30などを管理し、商品マスタなどの種々の情報を管理する。管理装置10は、登録装置20及び各精算装置30に、最新の商品マスタを適宜送信する。商品マスタとは、各商品の商品識別情報(例えば、JANコード)、商品名(品名、アイテム名)、販売価格、値引き情報などの商品情報を格納したファイルである。
管理装置10は、最新の商品情報が反映された商品マスタを、外部(例えば、本部のサーバ、リムーバブル形式の記憶媒体)から取得し、登録装置20及び各精算装置30に適宜送信する。
【0013】
登録装置20は、購入対象の商品を登録する商品登録処理を実行する。商品を登録する操作(商品登録操作)は、例えば、スキャナを用いて商品に付されているバーコードを読み取らせる操作、あるいは商品登録画面に表示されたプリセットボタン等に対する操作等として行われる。このような商品登録操作によって、登録装置20には例えば商品識別情報が入力され、登録装置20は、入力された商品識別情報に対応する商品情報を取得する。
また、登録装置20は、一取引ごとに対応して登録された商品の精算に用いられる情報(以下、精算情報という)を生成し、記憶する。
【0014】
精算情報は、対応の取引を識別する取引識別情報、当該精算情報を識別する精算情報識別情報、登録日時、登録された各商品の商品識別情報、登録された各商品の商品名、販売価格、値引き情報、購入対象の商品の品数を示す取引点数(購入点数)、購入対象の商品に対応する代金の総額(合計金額)を含んでよい。また、精算情報は、当該精算情報を生成した登録装置20(すなわち、当該精算情報に係る商品を登録した登録装置20)を識別するための登録装置識別情報をさらに含んでもよい。このように、精算情報は、一取引に応じた商品登録処理結果が反映された内容を有する。
【0015】
精算情報は、精算装置30において精算処理に用いられる。精算処理とは、登録された商品の代金を、現金、電子マネー、クレジットカードなどを選択的に用いて支払い、決済する処理である。
【0016】
本実施の形態では、複数の精算装置30が設置され、複数のうちのいずれか1台が、登録装置20において生成された精算情報を用いて精算処理を実行する。複数の精算装置30のうちから、精算処理を実行させるべき精算装置30を指定する態様としては、下記の第1の指定態様と第2の指定態様が挙げられる。
【0017】
第1の指定態様は、精算処理を実行させる精算装置30を、店員が登録装置20にて指定する態様である。
すなわち、店員が、精算装置30を指定する操作(精算装置指定操作)を登録装置20に対して行うことによって、複数の精算装置30のうちから精算処理を実行させる精算装置30を指定する。
なお、登録装置20において、各精算装置30の稼働状況を示した稼働情報を表示するようにし、登録装置20において、店員が精算装置30を指定する際に、各精算装置30の稼働状況を確認できるようにしてもよい。
【0018】
店員が精算装置30を指定した場合には、LAN11を介して、登録装置20において生成された精算情報が、指定された精算装置30に送信される。すなわち、登録装置20は、商品登録処理に続いて精算装置30が指定された場合には、指定された精算装置30に対し、当該商品登録処理の結果が反映された精算情報を送信する。
なお、本実施の形態では、登録装置20は、直接、精算装置30に精算情報を送信するが、管理装置10を経由して、精算装置30に精算情報を送信してもよい。
【0019】
また、第2の指定態様は、精算処理用の媒体(お会計券(登録商標))を登録装置20から発行させ、店員から手渡しされたお会計券を、客が1つの精算装置30に読み取らせる態様である。
すなわち、客が、店員から手渡しされたお会計券を精算装置30に読み取らせることによって、複数の精算装置30のうちから精算処理を実行させる精算装置30を指定する。
お会計券には、発行元の登録装置20を示す登録装置識別情報と精算情報とが、バーコード(一次元コード)または二次元コードのいずれかのコードの形式で印字(印刷)されている。精算装置30は、お会計券のコードを読み取ると、読み取ったコードにより示される精算情報を取得する。
【0020】
精算装置30は、客の操作に応じて精算処理を実行する。また、精算装置30は、精算処理を終了した場合には、登録装置20に精算処理の終了を通知する。
【0021】
電子レシートサーバ40は、電子レシートの管理、電子レシートの閲覧等に関する処理を実行する。電子レシートサーバ40は、例えばインターネット等によるネットワークNW経由で通信を行うことができる。電子レシートサーバ40により、客Cが所持する携帯端末50にて、客Cに対応する取引についての会計処理結果が反映された電子レシートを客Cが閲覧可能なように表示させることができる。
なお、電子レシートサーバ40は、登録装置20及び精算装置30を含むPOSシステム1が備えられる店舗に設置されるものであってもよいし、ネットワーク経由で1以上の店舗のPOSシステム1と接続されるように設置されてもよい。また、例えば管理装置10が、電子レシートサーバ40としての機能を備えるようにされてもよい。
【0022】
携帯端末50は、客Cが携帯し、ネットワークNW経由で通信を行うことのできる装置である。携帯端末50は、例えばスマートフォン、タブレット端末、携帯電話等である。
【0023】
次に、
図2~
図4を参照して、登録装置20及び精算装置30の構成例について説明する。
図2は、登録装置20と精算装置30との外観例を示す斜視図である。
図3は、登録装置20の構成例を示すブロック図である。
図4は、精算装置30の構成例を示すブロック図である。
【0024】
登録装置20は、
図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)201と、記憶部202と、RAM(Random Access Memory)203と、スキャナ部204と、店員用表示部205と、客用表示部205aと、操作部206と、通信部207と、ブザー208と、印刷部209と、カードリーダ210を備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0025】
CPU201は、中央演算処理装置であり、記憶部202に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、登録装置20の動作を制御する。
記憶部202は、CPU201の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
【0026】
RAM203は、CPU201の主記憶装置であって、種々の情報を記憶する。例えば、RAM203は、管理装置10から取得した商品マスタや、商品登録処理後に生成された精算情報などを記憶する。
スキャナ部204は、商品に付されているバーコード(商品コード)を光学的に読み取る。
【0027】
店員用表示部205は、タッチパネル(例えば、液晶タッチパネル)であり、店員用の種々の情報を表示する。
例えば、店員用表示部205は、商品情報(商品コード等)に関連付けられているプリセットボタンを配置した商品登録画面などを表示する。
【0028】
客用表示部205aは、客用の種々の情報を表示する。例えば、客用表示部205aは、登録した商品の価格等を表示する。客用表示部205aは、タッチパネル(例えば、液晶タッチパネル)であってもよい。
【0029】
操作部206は、登録装置20を動作させるための各種の操作ボタン(小計キー、現計キー、置数キー、訂正キー、及びプリセットキー等)を備える。例えば、操作部206は、操作ボタン(プリセットキー)が操作されることにより、そのプリセットキーに予め設定登録されている商品情報(商品コード等)について、操作入力を受け付ける。
【0030】
通信部207は、LAN11を介して、他の装置と通信する。
ブザー208は、店員が操作を確認することが必要な場合などに、ブザー音を発生させる。
印刷部209は、必要に応じて媒体を印刷して発行する。例えば、印刷部209は、お会計券を印刷して発行することができる。
【0031】
カードリーダ210は、例えばIC(Integrated Circuit)カード形式のRFID(Radio Frequency Identifier)タグに対する情報の読み出しを行うデバイスである。
【0032】
図2においては、スキャナ部204、店員用表示部205、操作部206、印刷部209及びカードリーダ210を含む登録装置20の外観例が示される。
【0033】
精算装置30は、
図4に示すように、CPU301と、記憶部302と、RAM303と、スキャナ部304と、表示部305と、操作部306と、通信部307と、ブザー308と、印刷部309と、決済部310と、サインポール311と、人感知センサ312と、カードリーダ313とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0034】
CPU301は、中央演算処理装置であり、記憶部302に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、精算装置30の動作を制御する。
記憶部302は、CPU301の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU301が利用する各種の情報を記憶する。
【0035】
RAM303は、CPU301の主記憶装置であって、種々の情報を記憶する。例えば、RAM303は、管理装置10から取得した商品マスタや、登録装置20から取得した精算情報に基づいて精算処理を実行した結果が反映された精算処理情報を記憶する。
スキャナ部304は、例えば、お会計券に印刷されたコード(バーコードまたは二次元コード)や、会員カード等に付されているコード(会員コード)を光学的に読み取る。
【0036】
表示部305は、タッチパネル(例えば、液晶タッチパネル)であり、種々の情報を表示する。例えば、表示部305は、合計金額などが表示される精算画面を表示する。
【0037】
操作部306は、精算装置30を動作させるための各種の操作ボタン(訂正キー及びプリセットキー等)を備える。例えば、操作部306は、操作ボタン(訂正キー)が操作されることにより、操作入力の訂正を受け付ける。
【0038】
通信部307は、LAN11を介して、他の装置と通信する。
ブザー308は、エラー等が発生した場合、エラーを報知するブザー音を発生させる。
印刷部309は、媒体を印刷して発行する。例えば、印刷部309は、精算処理(すなわち、商品の買上金額の決済)が終了した場合、客が持ち帰る精算済みレシートを印刷して発行する。
【0039】
決済部310は、決済(精算)に関する処理を行う。本実施形態における決済部310が対応可能な決済の種別としては、現金による決済と、クレジットカードの使用による決済と、電子マネーの使用による決済とのうちの少なくともいずれか1つである場合を例に挙げる。
現金による決済に対応するため、決済部310は、釣銭機を備える。釣銭機は、紙幣の投入及び排出をする紙幣投入口、硬貨を投入するための硬貨投入口、釣銭を排出する釣銭排出口を備えている。決済部310は、釣銭機によって、現金により決済を実行し、決済を実行した結果(例えば、決済が成立したか否かを示す情報)を、バスを介してCPU301に出力する。
また、クレジットカードの使用による決済に対応する場合、決済部310は、クレジットカードリーダを備え、クレジットカードリーダにより読み込まれた情報を利用して精算処理を行う。
また、電子マネーの使用による決済に対応する場合、決済部310は、電子マネーリーダを備え、電子マネーリーダにより読み込まれた情報を利用して精算処理を行う。
【0040】
サインポール311は、複数色の表示灯を有し、それらの表示灯を点灯や点滅させることで、精算装置30が店員により指定された装置であることを示す情報を報知したり、操作可能である旨を報知したりする。
人感知センサ312は、精算装置30の正面の所定圏内に人物(客)がいることを検知するセンサである。
なお、人感知センサ312の検知出力は、例えば精算装置30が、人が自機に近づいたことに応じて、自動的に精算画面を表示させる際に、人が自機に近づいたか否かを判定するのに用いられる。しかしながら、精算装置30は、例えば精算画面は、例えば精算情報の受信や、お会計券に印刷されたバーコードの読み取りなどに応じて表示されるようにしてもよく、この場合には、人感知センサ312は、省略されてよい。
【0041】
カードリーダ313は、例えばICカード形式のRFIDタグに対する情報の読み出しを行うデバイスである。
【0042】
図2においては、スキャナ部304、表示部305、操作部306、印刷部309、決済部310、サインポール311及びカードリーダ313などを含む精算装置30の外観構成が示される。
【0043】
図5を参照して、電子レシートサーバ40の構成例について説明する。同図の電子レシートサーバ40は、CPU401、記憶部402、RAM403、LAN対応通信部404、及びネットワーク対応通信部405を備える。
CPU401は、中央演算処理装置であり、記憶部402に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、電子レシートサーバ40の動作を制御する。
記憶部402は、CPU401の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU401が利用する各種の情報を記憶する。
RAM403は、CPU401の主記憶装置である。
【0044】
LAN対応通信部404は、LAN11を経由して、管理装置10、登録装置20、精算装置30等と通信を行う。
ネットワーク対応通信部405は、ネットワークNW経由で携帯端末50等と通信を行う。
【0045】
図6を参照して、携帯端末50の構成例について説明する。同図の携帯端末50は、CPU501、記憶部502、RAM503、表示部504、操作部505、撮像部506、及び通信部507を備える。
CPU501は、中央演算処理装置であり、記憶部502に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、携帯端末50の動作を制御する。
記憶部502は、CPU501の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU501が利用する各種の情報を記憶する。
RAM503は、CPU501の主記憶装置である。
表示部504は、CPU501の表示制御に応じて画像を表示する。表示部504は、画面に対する操作が可能なタッチパネルとして構成されてよい。
操作部505は、携帯端末50に備えられる各種操作子や携帯端末50に接続される各種の入力デバイスなどを一括して示す。
撮像部506は、CPU501の制御に応じて撮像を行う。また、本実施形態の撮像部506は、二次元コード(制御情報の一例)を処理するコードリーダにおいて二次元コードを読み取る部位としても機能させることができる。
通信部507は、無線によりネットワークNW経由で通信を行う部位である。通信部507により、携帯端末50は電子レシートサーバ40と通信を行うことができる。
【0046】
上記構成のもとで、本実施形態の携帯端末50は、ウェブブラウザの機能を有する。つまり、携帯端末50は、通信部507によるネットワーク経由の通信のもとで、指定のURLのウェブページにアクセスし、アクセスしたウェブページを表示部504に表示させることができる。
【0047】
上記構成による本実施形態のPOSシステム1においては、店舗にて会計を受けた客が以下のように電子レシートを利用することができる。
なお、本実施形態において会計は、一取引に応じて登録装置20にて行われる商品登録と、精算装置30に対応して行われる精算とを含む。また、会計処理は、一取引に応じて登録装置20により実行される商品登録処理と、精算装置30にて実行される精算処理とを含む。また、以下の説明において、精算処理を実行させるべき精算装置30の指定は、第1の指定態様によって行われる場合を例に挙げる。
【0048】
店舗にて会計を受けようとする客は、自分の買上商品を持参して登録装置20に赴き、登録装置20が設置されたテーブルに買上商品を置く。登録装置20を操作する店員は、テーブルに置かれた買上商品を商品種別ごとに順次登録する操作を行っていく。登録の操作ごとに応じて登録装置20は、一取引における商品ごとの商品登録処理を実行する。このように商品が登録されている間において、客は、登録装置20の前で商品の登録が完了するのを待つ。
【0049】
店員は、客の買上商品の全てについての登録が完了すると、小計操作を行う。小計操作に応じて、一取引に応じた商品登録処理が完了したことになる。そのうえで、店員は、例えば第1の指定態様により、今回の取引に応じて精算処理を実行させるべき精算装置30を指定する精算装置指定操作を行う。
精算装置指定操作は、例えば登録装置20の店員用表示部205の画面において配置された精算装置ごとに対応する精算装置指定ボタンのうちから、精算処理を実行させるべき精算装置30に対応する精算装置指定ボタンをタッチするという操作であればよい。
登録装置20は、精算装置指定操作により指定された精算装置30に精算情報を送信する。
精算装置指定操作を行った店員は、客に対して、精算装置指定操作により指定した精算装置30にまで赴いて精算してもらうように口頭で伝える。客は、精算を行うために店員から伝えられた精算装置30にまで赴くようにされる。
【0050】
登録装置20から送信された精算情報を受信(取得)した精算装置30は、精算情報を利用して、客の操作に応じて精算処理を実行する。ここでは、現金による支払い(決済)に対応して精算装置30が精算処理を実行する場合を例に挙げて説明する。
【0051】
精算装置30は、精算情報が取得されたことに応じて、表示部305に精算画面を表示する。精算画面は、精算に関連する情報を表示する画面である。
図7(A)は、精算情報の取得に応じて表示された精算画面の内容例を示している。同図に示される精算画面は、現金による決済が行われる場合に応じて表示される精算画面の例である。同図の精算画面においては、受信された精算情報により示される合計金額が「お支払い金額」の欄において表示されている。同図においては、「お支払い金額」が4800円である例が示されている。
また、同図の精算画面においては、例えば「お金を入れてください」とのメッセージを表示することで、客に対して、決済部310における釣銭機の貨幣の投入口に対して支払いのための現金を投入してもらうように促している。客は、精算画面に表示された合計金額を確認すると、合計金額以上の金額の現金を決済部310に投入する操作を行う。決済部310は、このように行われる現金の投入を受け付ける。客が預かり金としての貨幣(紙幣、硬貨)を投入していくことに応じて、精算画面においては、投入された金額の総計(即ち、預かり金額)が「お預り金額」として表示される。
【0052】
また、同図の精算画面においては、例えば「電子レシートを受け取りたい方はお預り金額を投入し終える前にコードを読み取らせてください」との、電子レシートの受け取りに応じた二次元コードの読み取りを案内するメッセージとともに、二次元コードが表示されている。
客は、今回の取引に対応するレシートについて、紙媒体(物理的な媒体の一例)によるレシート(紙レシート)ではなく、電子レシートとして受け取りたい場合には、精算画面において表示されている二次元コードを、自分が所有する携帯端末50により読み取らせる操作を行う。
また、二次元コードを携帯端末50に読み取らせる操作は、精算装置30が精算処理を開始させてから決済が完了するまでの段階において行われればよい。具体的に、決済が完了するまでの段階は、現金による支払いの場合であれば、合計金額以上の預かり金額が投入されるまでの段階である。精算装置30は、精算処理において、合計金額以上の預かり金額が投入されたことに応じて、釣銭の金額を算出し、決済部310から算出された金額の現金を釣銭として排出させ、決済を完了させる。
【0053】
決済完了の前の段階で客が携帯端末50に二次元コードを読み取らせると、携帯端末50は、読み取られた二次元コードを解析する。二次元コードは、電子レシートを提供するウェブページ(電子レシートページ)のURL(Uniform Resource Locator)を示している。電子レシートページは、電子レシートサーバ40が提供する。つまり、電子レシートサーバ40は、電子レシートページを提供するウェブサーバとしての機能を有する。
二次元コードを解析した携帯端末50は、二次元コードにより示されるURLにアクセスし、アクセスしたURLのウェブページを、ブラウザ機能を用いて表示部504に表示させる。
ここで、二次元コードにより示されるURLにアクセスした際に、まだ精算装置30での決済が完了していない段階では、会計処理結果が確定されていないことから電子レシートの発行は行われていない。このため、精算装置30での決済が完了していない段階では、携帯端末50にて表示される電子レシートページは、例えば、「決済待ちの状態です」といったように、まだ電子レシートが発行されていないことを客に伝えるメッセージなどが表示された待機画面の状態である。
【0054】
そして、客が投入した預かり金額が合計金額以上に達すると、精算装置30は、前述のように、決済を完了させる。精算装置30にて決済が完了されたことに応じて、客が二次元コードを読み取らせた場合に精算装置30の表示部305にて表示される精算画面は、例えば
図7(B)のような表示となる。
同図の精算画面においては、「お支払い金額」(合計金額)が4800円に対して「お預り金額」が5000円であり、算出された釣銭の金額(「おつり」)が200円であることが示されている。この際、精算装置30は、算出された釣銭を釣銭機から排出させる。
また、同図の精算画面においては、例えば「釣銭を受け取ってください」のように客に釣銭の取り出しをしてもらうことを案内するメッセージが表示される。また、例えば「レシートは、お手持ちの端末でご確認ください」のように、携帯端末50に表示される電子レシートを客に確認してもらうことを案内するメッセージが表示されている。
また、同図の精算画面の表示は決済完了後であって、二次元コードの読み取りが可能な期間を既に経過していることから、二次元コードは表示されない状態となっている。
【0055】
決済が完了したことに応じて、精算装置30から電子レシートサーバ40に対して、今回の取引についての会計処理結果を示す会計実績情報が送信される。電子レシートサーバ40は、受信された会計実績情報を利用して、携帯端末50がアクセスしているURLの電子レシートページについて、電子レシートの内容が記述されるように更新する。これにより、携帯端末50の表示部504に表示されていた電子レシートページは、これまでの待機画面から今回の取引に対応する会計処理結果が示される電子レシートが表示された状態に更新される。
電子レシートには、紙レシートに印刷されるのと同等の内容が示される。具体的には、電子レシートには、対応の取引を一意に示す識別子(取引識別子)、取引日時、担当の店員を示す識別子(店員識別子)、登録された商品の内訳、合計金額、預かり金額、釣銭の金額などが示される。
【0056】
上記のように電子レシートが発行された場合において、精算装置30は、紙レシートをさらに発行することができる。しかしながら、客が電子レシートの利用を選んだということは、紙レシートは不要であるとの意思表示であると捉えることが可能である。また、電子レシートの発行は、ペーパーレスの促進につながる。
そこで、本実施形態の精算装置30は、電子レシートが発行された場合(即ち、二次元コードの読み取りが行われた場合)には、紙レシートは発行しないようにする。精算装置30は、電子レシートが発行されたか否か(二次元コードの読み取りが行われたか否か)については、電子レシートサーバ40に問合せを行うようにする。つまり、精算装置30は、例えば決済が完了して会計実績情報を電子レシートサーバ40に送信した後において、送信した会計実績情報に対応する取引についての電子レシートの発行の有無を確認する問合せのコマンドを送信する。例えば問合せのコマンドには、精算画面に表示した二次元コードが示すURLが含まれている。
【0057】
問合せのコマンドの受信に応じて、電子レシートサーバ40は、問合せのコマンドに含まれるURLに対するアクセスが行われているか否かについて判定する。
URLに対するアクセスが行われていれば、対応の客が二次元コードを携帯端末50に読み取らせてURLにアクセスしている状態である。この場合、電子レシートサーバ40は、問合せのコマンドに対する応答として、対応の取引について電子レシートの発行有りとの通知を送信する。
一方、URLに対するアクセスが行われていなければ、客は二次元コードを携帯端末50に読み取らせていない。この場合、電子レシートサーバ40は、問合せのコマンドに対する応答として、対応の取引について電子レシートの発行無しとの通知を送信する。
精算装置30は、問合せのコマンドに対する応答として、電子レシートの発行有りとの通知が受信された場合には、紙レシートを発行しない。また、精算装置30は、問合せのコマンドに対する応答として、電子レシートの発行無しとの通知が受信された場合には、紙レシートを発行する。
【0058】
図7(C)は、紙レシートが発行される場合の決済完了後の精算画面の一例を示している。同図においては、
図7(B)と同様に「お支払金額」、「お預り金額」、「おつり」の各欄に金額が表示されている。そのうえで、精算画面においては、例えば「レシートをお受け取り下さい」のように、紙レシートの受け取りを客に案内するメッセージが表示されている。
【0059】
図8のフローチャートを参照して、本実施形態の精算装置30、電子レシートサーバ40及び携帯端末50が電子レシートの発行に関連して実行する処理手順例について説明する。
まず、精算装置30が実行する処理手順例について説明する。
ステップS101:精算装置30は、商品登録処理の終了に応じて登録装置20から送信される精算情報が受信されるのを待機している。
ステップS102:精算情報が受信されたことに応じて、精算装置30は、電子レシートページ生成要求を電子レシートサーバ40に送信する。電子レシートページ生成要求は、受信された精算情報に対応する取引に応じた電子レシートページとしてのウェブページの生成を要求するコマンドである。
ステップS103:ステップS102により電子レシートページ生成要求を送信したことに応じて、電子レシートサーバ40は、電子レシートページを生成したうえで、生成した電子レシートページのURLを精算装置30に送信する。精算装置30は、受信されたURLを二次元コード化する。
ステップS104:精算装置30は、表示部305にて精算画面の表示を開始させる。このように表示された精算画面には、
図7(A)に例示したように、ステップS103により得られた二次元コードを含む。
【0060】
ステップS105:精算装置30は、ステップS104により精算画面を表示させた後における客の操作に応じて精算処理を実行していく過程において、精算処理において決済が完了するのを待機する。
ステップS106:決済が完了したことに応じて、精算装置30は、今回の取引に応じた会計実績情報を電子レシートサーバ40に送信する。会計実績情報には、今回の取引に応じて精算装置30が受信した精算情報の内容と、精算装置30にて実行された精算処理の結果が反映されている。
【0061】
ステップS107:会計実績情報の送信の後、精算装置30は、電子レシート発行の有無を問い合わせる、問合せのコマンドを電子レシートサーバ40に送信する。
ステップS108:ステップS107により送信した問合せのコマンドに対する応答として、電子レシートサーバ40は、今回の取引に対応する電子レシート発行の有無を示す通知を送信してくる。精算装置30は、受信された通知が電子レシート発行無しを示しているか否かについて判定する。
ステップS109:受信された通知が電子レシート発行無しを示していた場合、精算装置30は、今回の取引についての紙レシートを印刷部309により発行させる。
一方、受信された通知が電子レシート発行有りを示していた場合、精算装置30は、ステップS109をスキップする。つまり、精算装置30は、紙レシートを発行しないようにする。
【0062】
次に、携帯端末50が実行する処理について説明する。
ステップS201:携帯端末50は、二次元コードの読み取りが行われるのを待機している。
ステップS202:携帯端末50は、二次元コードが読み取られると、読み取られた二次元コードについて解析処理を実行する。本実施形態において読み取られる二次元コードは、同図のステップS104にて表示された精算画面における二次元コードであって、電子レシートページのURLを示す情報がコード化されたものである。従って、この場合のステップS202での解析処理によっては、携帯端末50は、電子レシートページのURLを取得する。
ステップS203:上記のように二次元コードからURLを取得した場合、携帯端末50は、取得されたURLにアクセスする。なお、この場合の携帯端末50は、URLの取得に応じて直ちにアクセスの処理を実行してもよい。あるいは、携帯端末50は、取得されたURLへのアクセスの要否をユーザ(客)に確認するダイアログを表示し、ダイアログに対してURLへのアクセスを指示する操作が行われた場合に、アクセスの処理を実行するようにしてよい。
【0063】
ステップS204:携帯端末50は、アクセスしたURLのウェブページである電子レシートページを表示部504に表示させる。前述のように、電子レシートページが最初に表示された際、まだ決済が完了していない状態であれば、電子レシートページは待機画面の状態で表示される。そして、決済が完了したことに応じて電子レシートページについて電子レシートが提示される状態に更新されると、携帯端末50にて表示される電子レシートページの画面も電子レシートが表示される状態に変更される。
【0064】
ステップS205:電子レシートページとして表示された電子レシートは、例えば客の携帯端末50に対する操作に応じて、所定のファイル形式で携帯端末50に保存させることができる。携帯端末50は、電子レシートページが表示されている状態において、電子レシートの保存を指示する操作が行われたか否かについて判定する。
ステップS206:電子レシートページの保存を指示する操作が行われた場合、携帯端末50は、電子レシートページとして表示された電子レシートに対応するファイルを記憶部502に記憶させる。つまり、携帯端末50は、電子レシートの保存を行う。
なお、電子レシートページの保存は、例えば電子レシートページのURLをブックマークとして登録することによって行えるようにされてもよい。
また、例えば少なくともアクセスの行われた電子レシートページについて、電子レシートサーバ40にて記憶しておくようにすれば、二次元コードから読み取ったURLを携帯端末50にて記憶させておくなどすることで、一度電子レシートページを表示させた後の任意の機会において再度アクセスし、携帯端末50にて表示させることも可能である。
【0065】
ステップS207:ステップS206の処理の後、あるいはステップS205にて電子レシートの保存を指示する操作の行われないことが判定された場合、精算装置30は、ステップS204にて表示された電子レシートページが閉じられたか否かについて判定する。電子レシートページは、例えば客による携帯端末50に対する操作によって閉じることができる。
【0066】
電子レシートページが閉じられなければ、ステップS204に処理が戻される。このように、電子レシートページを閉じる操作が行われるまで、電子レシートページの表示は継続される。電子レシートページが閉じられれば、同図の処理が終了される。
【0067】
次に、電子レシートサーバ40が実行する処理手順例について説明する。
ステップS301:電子レシートサーバ40は、精算装置30から送信される電子レシートページ生成要求が受信されるのを待機している。
ステップS302:電子レシートページ生成要求が受信されたことに応じて、電子レシートサーバ40は、電子レシートページを生成する。
電子レシートページの生成の際、電子レシートページは、電子レシートページのURLについても新規に設定し、設定したURLに、生成した電子レシートページを格納する。ステップS302にて生成される電子レシートページは、前述の待機画面が表示されるものであればよい。電子レシートサーバ40は、設定したURLを、電子レシートページ生成要求の送信元の精算装置30に通知する。
【0068】
ステップS303:電子レシートサーバ40は、ステップS302により電子レシートページを生成すると、生成された電子レシートページへのアクセスがないまま一定時間が経過したか否かについて判定する。
電子レシートページを生成したとしても、生成された電子レシートページの電子レシートを客が利用しない場合もある。この場合、生成された電子レシートページについては電子レシートページにおいて記憶しておく必要は特にない。そこで、本実施形態では、アクセスがないまま一定時間が経過した生成された電子レシートページ、即ち、客により利用されなかった電子レシートに対応する電子レシートページについては削除するようにしている。そこで、電子レシートサーバ40は、ステップS303により、電子レシートページへのアクセスがないまま一定時間が経過したか否かについて判定するようにしている。
【0069】
ステップS304:ステップS303にてまだ一定時間が経過していないと判定された場合、電子レシートサーバ40は、ステップS302にて生成された電子レシートページへのアクセスが行われたか否かについて判定する。
ステップS305:アクセスが行われた場合、電子レシートサーバ40は、アクセス元の携帯端末50に対して、アクセスされた電子レシートページのデータを送信する。
【0070】
ステップS306:電子レシートサーバ40は、ステップS301にて受信された電子レシートページ生成要求が対応するのと同じ取引に対応する会計実績情報が受信されたか否かについて判定する。
精算装置30がステップS102により送信する電子レシートページ生成要求には、ステップS101にて受信された精算情報に対応する取引を示す取引識別子が含まれている。また、精算装置30がステップS106により送信する会計実績情報にも、対応のステップS101にて受信された精算情報に対応する取引を示す取引識別子が含まれている。
従って、電子レシートサーバ40は、ステップS301にて受信された電子レシートページ生成要求が対応するのと同じ取引に対応する会計実績情報が受信されたか否かについて以下のように判定できる。つまり、電子レシートサーバ40は、受信された会計実績情報に、ステップS301にて受信された電子レシートページ生成要求に含まれていたのと同じ取引識別子が含まれているか否かにより判定できる。
【0071】
ステップS307:ステップS306により会計実績情報の受信されたことが判定された場合、電子レシートサーバ40は、会計実績情報を記憶部402に記憶させる。このように記憶された会計実績情報は、例えば任意のタイミングで会計実績の履歴として出力させることができる。
ステップS308:また、電子レシートサーバ40は、会計実績情報が受信されたことに応じて、ステップS302にて生成した待機画面の電子レシートページについて、受信された会計実績情報を利用して、電子レシートが提示される内容に更新する。このように更新が行われた際に、既に電子レシートページに対するアクセスが行われていた場合には、アクセス元の携帯端末50においても更新された電子レシートページが表示されるように制御が行われる。
【0072】
ステップS309:ステップS308の処理の後、あるいはステップS306にて会計実績情報の受信されなかったことが判定された場合、電子レシートサーバ40は、電子レシート発行の有無についての問合せのコマンドが受信されたか否かについて判定する。
問合せのコマンドの受信されなかったことが判定された場合、電子レシートサーバ40は、ステップS303に処理を戻す。
ステップS310:問合せのコマンドが受信された場合、電子レシートサーバ40は、問合せのコマンドに対する応答を送信する。即ち、電子レシートサーバ40は、ステップS302により生成された電子レシートページに対するアクセスが既に有った場合には、問合せのコマンドの送信元の精算装置30に対して、電子レシート発行有りの通知を送信する。一方、電子レシートサーバ40は、ステップS302により生成された電子レシートページに対するアクセスがまだ無い場合には、問合せのコマンドの送信元の精算装置30に対して、電子レシート発行無しの通知を送信する。
【0073】
ステップS311:また、ステップS303にて、アクセスのないまま一定時間が経過したことが判定された場合、電子レシートサーバ40は、ステップS302にて生成した電子レシートページを削除する。
アクセスのないまま一定時間が経過した場合であっても、電子レシートページを削除せずに、例えばアクセスのあった電子レシートページと同様に、記憶部402に記憶させておいてもよい。
【0074】
上記のような処理により、本実施形態のPOSシステム1においては、客が受けた会計に応じた電子レシートを客の携帯端末50にて表示させることができる。本実施形態において携帯端末50に電子レシートを表示させるにあたっては、客は、精算装置30にて表示される精算画面における二次元コードを携帯端末50により読み取らせればよい。これに応じて、携帯端末50は二次元コードにより示される電子レシートページにアクセスし、電子レシートページを表示させることができる。
即ち、本実施形態においては、例えばスマートフォンなどとしての携帯端末50が元から備えているバーコードリーダーとウェブブラウザの機能を利用すれば、携帯端末50にて電子レシートを表示させることができる。
このため、本実施形態においては、客が電子レシートを利用するために、店舗の会員として登録する手続を行って会員用のポータルサイトを利用できるようにしたり、店舗の会員用のアプリケーションをインストールしたりする必要がない。つまり、本実施形態においては、客が電子レシートを利用するにあたり、特に事前に準備を行う必要がない。これにより、例えば会員以外の客であっても、手軽に電子レシートを利用することができる。
【0075】
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について説明する。
[第1変形例]
これまでの説明では、電子レシートページにアクセスするための二次元コードの読み取りは、精算装置30にて客が精算を行う段階にて行われるようにされていた。これに対して、本変形例としては、登録装置20にて客が商品登録を受けている段階にて、客が二次元コードの読み取りを行えるようにしてよい。
本変形例の場合、登録装置20により一取引に応じた商品登録処理が開始されたことに応じて、客用表示部205aにて二次元コードが表示されるようにする。
【0076】
図9は、客用表示部205aにおいて二次元コードを含んで表示される画面の態様例を示している。同図に示される画面は、商品登録結果エリアAR11と、二次元コードエリアAR12とを含む。
商品登録結果エリアAR11においては、今回の取引に応じた商品登録結果が表示される。同図においては、商品種別単位での登録順に従って、登録された商品種別ごとの登録数(点数)金額が表示される、また、現段階において登録された商品の総数と、現段階において登録された商品に対応する合計金額が表示される。
二次元コードエリアAR12においては、
図7(A)の場合と同様に、電子レシート受け取りに応じた二次元コードの読み取りを案内するメッセージとともに、二次元コードが表示される。
【0077】
本変形例の場合には、商品登録処理が開始されたことに応じて、登録装置20が電子レシートサーバ40に対して電子レシートページ生成要求を送信する。
また、登録装置20は、電子レシートページ生成要求に対する応答として電子レシートサーバ40から送信されたURLの通知に応じて、二次元コードを客用表示部205aに表示させればよい。例えば客用表示部205aには、商品登録処理の結果を示す表示とともに二次元コードが表示されてよい。
客は、商品登録が終わるのを待っている間に、携帯端末50により、客用表示部205aに表示されている二次元コードを読み取らせればよい。客は、商品登録の完了を待っている間は特に他にすることもないことから、商品登録が行われている間に二次元コードの読み取りを行えるようにすることで、商品登録が完了するまでの待ち時間を有効に利用することができる。
この後、商品登録が完了して客が精算装置30にて精算の操作を行い、決済が完了した段階で、携帯端末50に表示された電子レシートページは、待機状態から電子レシートが提示される状態に更新される。
【0078】
なお、本変形例においては、客用表示部205aにて二次元コードを表示させるとともに、店員用表示部205にも、同じ二次元コードを表示させるようにしてよい。このように店員用表示部205にも二次元コードを表示させることで、例えば店員は、客用表示部205aを見なくとも、客用表示部205aにおいても二次元コードが表示されている状況にあることを確認できる。また、客が、電子レシートを受け取りたいが、携帯端末50により二次元コードを読み取らせる操作に手間取っているような場合には、店員が客から携帯端末50を預かり、客用表示部205a側にまで赴くことなく、店員用表示部205側にて客の代わりに二次元コードを読み取らせることも可能になる。
【0079】
[第2変形例]
上記実施形態においては、携帯端末50にて、二次元コードを読み取ったことに応じて電子レシートページへのアクセスが行われ、電子レシートページが表示されるようにされていた。
これに対して、本変形例として、例えば以下のような構成が採られてもよい。二次元コードを読み取った携帯端末50が、電子レシートサーバ40に、電子レシート通知依頼を送信する。この場合、二次元コードは、例えば対応の取引を示す取引識別子を示すものであればよく、電子レシート通知依頼には取引識別子が含まれればよい。
通知依頼を受信した電子レシートサーバ40は、精算装置30からの会計実績情報の受信に応じて、電子レシートを提示する電子レシートページを生成すると、携帯端末50にプッシュ通知を行う。例えば客が携帯端末にて受信されたプッシュ通知に応じて操作を行うことで、携帯端末50がプッシュ通知により通知された電子レシートページのURLにアクセスし、電子レシートページが表示部504にて表示される。
【0080】
[第3変形例]
レシートにおける内容は個人情報の1つとして捉えられる。そこで、セキュリティを向上させるために、携帯端末50での電子レシートページの閲覧にあたりパスワードの入力が求められるようにしてもよい。
例えば、電子レシートサーバ40は、
図8のステップS302にて、パスワードを生成し、パスワードの入力を条件として閲覧可能な電子レシートページを生成する。ここで、生成された電子レシートページURLとパスワードとは一意に対応する。
電子レシートサーバ40は、電子レシートページのURLとともにパスワードを精算装置30に通知する。精算装置30は、ステップS103にて、URLとパスワードとを示す二次元コードを生成する。
二次元コードを読み取った携帯端末50は、読み取られた二次元コードにおいて示されていたURLの電子レシートページにアクセスする。アクセスされた電子レシートページは、まず、パスワードの入力を求めるダイアログを表示させる。携帯端末50は、例えば二次元コードに含まれていたパスワードの文字列を入力する客の操作に応じて、入力されたパスワードを電子レシートページに渡す。電子レシートページは、渡されたパスワードについて認証を行い、認証が成立すれば電子レシートが表示されるようにする。
このようにすれば、電子レシートページのURLとURLに一意に対応するパスワードとの組み合わせを有している客以外は、電子レシートページを閲覧できない。即ち、電子レシートページのURLのみによっては、電子レシートページを閲覧することはできなおい。これにより、自分の携帯端末50に二次元コードを読み取らせた客のみが電子レシートページを閲覧できることになり、電子レシートページの閲覧に関するセキュリティの向上が図られる。
【0081】
[第4変形例]
上記実施形態においては、登録装置20と精算装置30とが分離された構成のPOSシステムを例に挙げた。しかしながら、本実施形態による電子レシートページの閲覧の構成は、例えば商品登録処理から精算処理までの会計処理を1台で行うPOSレジスタにも適用できる。
また、本実施形態による電子レシートページの閲覧の構成は、客が商品登録から精算までの操作を行うフルセルフによるPOSレジスタにも適用できる。
さらに、本実施形態による電子レシートページの閲覧の構成は、店員が商品の登録を行い、店員の対面で客が釣銭機を操作して精算を行うようにされた対面形式のPOSレジスタにも適用できる。
さらに、本実施形態による電子レシートページの閲覧の構成は、店員が商品登録操作と精算に対応する操作とを行うようにされるモードと、店員が商品登録操作を行い、客が精算に対応する操作を行うようにされるモードと、客が商品登録操作と精算に対応する操作とを行うようにされるモードとで切り替えが可能なようにされたPOSレジスタにも適用できる。
即ち、本実施形態の構成が適用可能なPOSシステム、POSレジスタについては特に限定されない。
【0082】
なお、上述の精算装置30、電子レシートサーバ40、携帯端末50などとしての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の精算装置30、電子レシートサーバ40、携帯端末50などとしての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0083】
<実施形態の総括>
(1)以上説明したように、本実施形態の一態様は、電子レシートを端末装置(例えば、携帯端末50)に送信させる制御情報を、前記端末装置が読み取り可能なように表示部(504)に表示させる表示制御手段を備える商品販売データ処理システムである。
【0084】
上記構成によれば、端末装置に表示部に表示された制御情報を読み取らせたことに応じて、端末装置にて電子レシートの情報が取得されることになる。これにより、例えば端末装置に電子レシート閲覧が可能な会員用のアプリケーションをインストールしたり、電子レシートの利用が可能なポータルサイトにアクセスするためのアカウント取得などのために事前に会員登録の手続を行う必要がない。つまり、特に事前の準備を行わなくとも、客が自分の取引についての電子レシートを入手できるようになる。
【0085】
(2)本実施形態の一態様は、(1)に記載の商品販売データ処理システムであって、前記端末装置により前記制御情報が読み取られている場合には、物理的な媒体によるレシート(例えば、紙レシート)が発行されないようにするレシート発行制御部をさらに備える。
【0086】
上記構成によれば、端末装置にて電子レシートが取得された場合、即ち、電子レシートが発行された場合には、紙レシートを発行しないようにすることができる。
【0087】
(3)本実施形態の一態様は、(1)または(2)に記載の商品販売データ処理システムであって、表示制御手段は、コード化された前記制御情報(例えば、二次元コード)を表示する。
【0088】
上記構成によれば、例えばスマートフォンなどが標準で備えるバーコードリーダーの機能を利用して、制御情報を携帯端末50に読み取らせることができる。つまり、携帯端末50により制御情報を読み取らせるために特殊な機能を改めて付加する必要がない。
【0089】
(4)本実施形態の一態様は、(1)から(3)のいずれか1つに記載の商品販売データ処理システムであって、前記制御情報は、精算に関連する情報を表示する精算画面において、支払い金額とともに表示される。
【0090】
上記構成によれば、客は、例えば支払い金額の表示された画面から制御情報を表示する画面に遷移させるような操作を行うことなく、支払い金額を確認しながら、制御情報を端末装置に読み取らせる操作を行える。
【0091】
(5)本実施形態の一態様は、(1)から(4)のいずれか1つに記載の商品販売データ処理システムであって、店員の操作に応じて商品登録処理を実行する登録装置と、客の操作に応じて前記商品登録処理に対応する精算処理を実行する精算装置とを備え、前記表示制御手段は、前記登録装置の表示部に前記制御情報を表示させる。
【0092】
上記構成によれば、客は、登録装置20にて商品登録を受けている間に制御情報を携帯端末50に読み取らせることで、電子レシートの閲覧の準備を完了できる。この場合、例えば客の対面には、登録装置20を操作する店員がいるので、携帯端末50に制御情報を読み取らせる操作に手間取っても、すぐに店員が対応できる。
【0093】
(6)本実施形態の一態様は、商品販売データ処理システムが備えるコンピュータを、電子レシートを端末装置に送信させる制御情報を、前記端末装置が読み取り可能なように表示部に表示させる表示制御手段として機能させるためのプログラムである。
【符号の説明】
【0094】
1 POSシステム、10 管理装置、11 LAN、20(20-1、20-2) 登録装置、30(30-1~30-3) 精算装置、40 電子レシートサーバ、50 携帯端末、201 CPU、202 記憶部、203 RAM、204 スキャナ部、205 店員用表示部、205a 客用表示部、206 操作部、207 通信部、208 ブザー、209 印刷部、210 カードリーダ、301 CPU、302 記憶部、303 RAM、304 スキャナ部、305 表示部、306 操作部、307 通信部、308 ブザー、309 印刷部、310 決済部、311 サインポール、312 人感知センサ、313 カードリーダ