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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】映写用伸縮スクリーン装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/585 20140101AFI20220729BHJP
【FI】
G03B21/585
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018157361
(22)【出願日】2018-08-24
(65)【公開番号】P2021183992
(43)【公開日】2021-12-02
【審査請求日】2021-06-09
(73)【特許権者】
【識別番号】501475550
【氏名又は名称】株式会社オーエスエム
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100166958
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 喜代造
(72)【発明者】
【氏名】奥村 正之
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3081156(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2008/0062516(US,A1)
【文献】特開2014-016442(JP,A)
【文献】特開平10-186520(JP,A)
【文献】特開2011-008054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 21/00-21/10
21/12-21/30
21/56-21/64
33/00-33/16
H04N 5/66-5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮可能に構成されて映像が投射可能な領域であるスクリーン領域が形成されるスクリーン本体と、
前記スクリーン本体の周縁部のうち複数個所に設けられるとともに互いの間隔が可変とされた伸張部材と、を備え、
前記スクリーン本体を伸張させた状態で、前記伸張部材が設置対称物の設置面に対して互いの間隔を変えて貼着され、前記スクリーン本体の大きさ及び形状が調節されて前記設置面に固定されることにより、スクリーン領域を異なる大きさに変更して使用可能とされる映写用伸縮スクリーン装置であって、
前記スクリーン本体における前記伸張部材の間隙部分のうち少なくとも一箇所は、前記スクリーン本体を伸張させていない状態において前記スクリーン本体の外側に向かって膨出する膨出部として形成され、
前記膨出部は、前記スクリーン本体を伸張させた状態において、前記伸張部材を結ぶ線よりも前記スクリーン本体の内側に配置可能とされる、映写用伸縮スクリーン装置。
【請求項2】
前記伸張部材において前記設置面に貼着する貼着面が、前記スクリーン本体から突出して形成されることにより、前記設置面と前記スクリーン本体との間に間隙が形成される、請求項1記載の映写用伸縮スクリーン装置。
【請求項3】
前記伸張部材は、磁力を有する貼着部により構成される、請求項1又は請求項2に記載の映写用伸縮スクリーン装置。
【請求項4】
前記スクリーン本体を伸張した際に、前記スクリーン本体が矩形に形成されるとともに、前記伸張部材が前記スクリーン本体の四隅に位置し、
前記スクリーン本体における四個の前記伸張部材の間隙部分のうち少なくとも一箇所は、前記スクリーン本体を伸張させていない状態において前記スクリーン本体の外側に向かって膨出して形成される、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の映写用伸縮スクリーン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン面の大きさや形状を使用者の好みや使用環境に合わせて、自在に変更することができる映写用伸縮スクリーン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用条件に応じて簡単に設置できる映写スクリーンとして、伸縮可能な合成繊維素材をスクリーン本体に用い、このスクリーン本体を伸張部材で引張ることにより形状を変更可能とするものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3081156号公報
【0004】
上記特許文献1に記載の映写スクリーンについては、伸縮性を向上させることにより、スクリーン本体の大きさを変更することを可能としている。即ち、伸張部材による引張り強度を変更することにより、使用場所に合わせてスクリーン本体の大きさを調節して設置することができる。
【0005】
しかし、上記の如く伸縮性を向上させた場合は、伸張部材の近傍においてスクリーン本体の変形が大きくなる。このため、図7に示す従来技術に係るスクリーン装置の如く、設置対象物の設置面において磁石等の伸張部材を設置する領域(図7中に示す設置領域M0)に対して、スクリーン本体の表面においてスクリーンとして使用できる矩形の領域(図7中に示すスクリーン領域S0)を大きく確保することができなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が前述の状況に鑑み解決しようとするところは、スクリーンの大きさを調節する際に、伸張部材を設置する領域に対して、スクリーンとして使用する領域を大きく確保することのできる映写用伸縮スクリーン装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る映写用伸縮スクリーン装置は、伸縮可能に構成されて映像が投射可能な領域であるスクリーン領域が形成されるスクリーン本体と、前記スクリーン本体の周縁部のうち複数個所に設けられるとともに互いの間隔が可変とされた伸張部材と、を備え、前記スクリーン本体を伸張させた状態で、前記伸張部材が設置対称物の設置面に対して互いの間隔を変えて貼着され、前記スクリーン本体の大きさ及び形状が調節されて前記設置面に固定されることにより、スクリーン領域を異なる大きさに変更して使用可能とされる映写用伸縮スクリーン装置であって、前記スクリーン本体における前記伸張部材の間隙部分のうち少なくとも一箇所は、前記スクリーン本体を伸張させていない状態において前記スクリーン本体の外側に向かって膨出する膨出部として形成され、前記膨出部は、前記スクリーン本体を伸張させた状態において、前記伸張部材を結ぶ線よりも前記スクリーン本体の内側に配置可能とされるものである。

【0008】
また、映写用伸縮スクリーン装置は、前記伸張部材において前記設置面に貼着する貼着面が、前記スクリーン本体から突出して形成されることにより、前記設置面と前記スクリーン本体との間に間隙が形成されるものであってもよい。
【0009】
また、映写用伸縮スクリーン装置は、前記伸張部材を、磁力を有する貼着部により構成するものであってもよい。
【0010】
また、映写用伸縮スクリーン装置は、前記スクリーン本体を伸張した際に、前記スクリーン本体が略矩形に形成されるとともに、前記伸張部材が前記スクリーン本体の四隅に位置し、前記スクリーン本体における四個の前記伸張部材の間隙部分のうち少なくとも一箇所は、前記スクリーン本体を伸張させていない状態において前記スクリーン本体の外側に向かって膨出して形成されるものであってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る映写用伸縮スクリーン装置によれば、スクリーン本体の大きさを調節する際に、伸張部材を設置する領域に対してスクリーンとして使用する領域を大きく確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】映写用伸縮スクリーン装置の第一の使用状態を示す正面図。
図2図1におけるX-X線断面図。
図3】映写用伸縮スクリーン装置の収縮時の状態を示す正面図。
図4】映写用伸縮スクリーン装置の第二の使用状態を示す正面図。
図5】映写用伸縮スクリーン装置の第三の使用状態を示す正面図。
図6】別実施形態に係る映写用伸縮スクリーン装置の使用状態を示す正面図。
図7】従来技術に係る映写用伸縮スクリーン装置の使用状態を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係る映写用伸縮スクリーン装置(以下、単に「スクリーン装置」と記載する)1を添付図面に基づき詳細に説明するが、本発明は、添付図面に示された形態に限定されず特許請求の範囲に記載の要件を満たす実施形態の全てを含むものである。また、本明細書において、設置状態におけるスクリーン装置1から、壁面などの設置する面に向かう方向(図1における紙面奥行方向)を後方とし、これと反対の方向(図1における紙面手前方向)を前方とする。また、前方から視認可能となるスクリーン面とは、設置したスクリーン装置1の前方側にいる人から少なくとも一時的又は部分的に視認することができるスクリーン面をいい、他の方向からも視認することができるものも含む。
【0014】
本実施形態に係るスクリーン装置1について、図1から図5を用いて説明する。図1はスクリーン装置1においてスクリーン面にしわが生じない程度にスクリーン本体2を最も小さく伸張させた状態で使用する第一の使用状態を示している。また、図2はスクリーン装置1においてスクリーン本体2の収縮時の状態(スクリーン本体2を伸張させていない状態)を示している。また、図4はスクリーン装置1においてスクリーン面が中程度に大きくなるようにスクリーン本体2を伸張させて使用する第二の使用状態を示している。また、図5はスクリーン装置1においてスクリーン面を最大限に大きくなるようにスクリーン本体2を伸張させて使用する第三の使用状態を示している。本実施形態の第三の使用状態におけるスクリーン面の大きさは、第一の使用状態のスクリーン面に対して約1.6倍程度にすることが可能である。
【0015】
図1に示すように、スクリーン装置1は、伸縮可能に構成される膜状の部材であるスクリーン本体2と、スクリーン本体2の周縁部における四箇所に設けられる伸張部材である貼着部3と、を備える。図1図4、及び図5に示す如く、スクリーン装置1は、スクリーン本体2を伸張した際に、スクリーン本体2が略矩形に形成されるとともに、貼着部3がスクリーン本体2の四隅に位置するように形成されている。
【0016】
スクリーン装置1は図1に示す如く、スクリーン本体2を伸張させた状態で、貼着部3が設置対称物であるホワイトボードBの設置面Pに対して貼着される。これにより、スクリーン本体2の大きさ及び形状が調節されて、スクリーン装置1が設置面Pに固定される(図4及び図5を参照)。この際、スクリーン本体2における前面の一部又は全部がスクリーン装置1のスクリーン面として機能する。
【0017】
スクリーン装置1は、設置面Pにおける貼着部3の位置を変更することにより、スクリーン本体2の大きさや形状を自在に変更することを可能としている。本実施形態において、設置面Pにおいて貼着部3が貼り付けられる矩形の領域を「設置領域M」と記載する。図1に示すスクリーン装置1においては、設置面Pに設置領域M1が形成される。
【0018】
本実施形態において、スクリーン本体2は前方から投影された映像を前面に映し出す反射型スクリーンとして構成される。これにより、スクリーン本体2におけるスクリーン面に、前方からプロジェクタ等の投影機から映像が投射され、スクリーン面の表面に映像が映し出される。本実施形態において、スクリーン面のうち映像が投射可能な矩形の領域を「スクリーン領域S」と記載する。図1に示すスクリーン装置1においては、スクリーン本体2におけるスクリーン面に、スクリーン領域S1が形成される。
【0019】
スクリーン本体2は、全体に伸縮性を有し、表側が白色のスクリーンシートを複数枚(本実施形態においては三枚)重ねることにより形成される。スクリーンシートはポリエステル繊維やナイロン繊維などの合成繊維を編み込むことにより高い伸縮性を有するように形成される。スクリーン本体2の周縁部には、スクリーンシートが折り返された縁部4が形成される。スクリーンシートの裏側を黒色とし、周縁部が折り返されることで裏側生地が前面に表れてスクリーン本体2を囲むように黒色の縁部4を形成することも可能である。この場合、黒色の縁部4によって、スクリーン面に映し出される映像をより鮮明に映し出すことができる。
【0020】
ここで、スクリーン本体2は、伸縮性を有するものであればよい。本実施形態に係るスクリーン装置1においてスクリーン本体2は、上下左右方向及び斜め方向の全てにおいて伸縮性を有することにより、あらゆる形状に変形することができる。但し、スクリーン本体2を上下、左右又は斜めの何れか一方向又は二方向にのみ伸縮性を有するものとして、拡張したスクリーン本体2の形状を使用する目的に合わせた形状とすることも可能である。
【0021】
また、スクリーン本体2は、少なくとも投影機から投射される映像を写し出すことができるものであれば他の構成によるものであってもよい。例えば、スクリーン本体2を、裏側に投射された映像を前面に映し出すものとしてもよい。また、スクリーン本体2を、スクリーンシートに対してタッチ操作を行うことを可能として、スクリーン面に表示された画像に対して書き込み等を直接行うことができるものとしてもよい。さらに、スクリーン面は、一部又は全部が透明なものであってもよい。また、スクリーン本体2の裏面側に、第二のスクリーン面や、広告等の情報を掲載する面を設けても良い。なお、スクリーン本体2は、通気性を有するものとして構成している。このため、例えば、スクリーン装置1を二つのホワイトボード間に取り付けた場合であっても、スクリーン面が風によって揺らぐことなく、綺麗な映像を映し出すことができる。
【0022】
図2に示す如く、貼着部3はスクリーン本体2よりも設置面Pの側に突出して形成される。貼着部3は表面部材3aと背面部材3bとで構成される。表面部材3aと背面部材3bとによりスクリーン本体2の周縁部を挟み込んだ状態で表面部材3aと背面部材3bとを結合することにより、貼着部3がスクリーン本体2に組付けられる。
【0023】
貼着部3は、背面部材3bの内部に磁石3mが収容されている。貼着部3の背面に形成された貼着面3pは、磁石3mの磁力によって、例えばホワイトボードや黒板、パーテーション等の磁着可能な場所に貼り付けられる。これにより、着磁性を有する部材であれば設置面Pとして機能するため、スクリーン装置1の使い勝手を向上させることができる。
【0024】
本実施形態においては図2に示す如く、貼着部3において設置面Pに貼着する貼着面3pは、スクリーン本体2から後方に突出して形成される。これにより、設置面Pとスクリーン本体2との間には間隙Dが形成される。
【0025】
上記の如く、貼着部3の貼着面3pがスクリーン本体2よりも後方に突出するため、スクリーン装置1の設置状態では設置面Pとスクリーン本体2との間に間隙Dが形成される。このため、例えば設置面Pの表面上に小さな突部が存在する場合であっても、突部にスクリーン本体2が干渉せず、フラットで綺麗なスクリーン面を形成することができる。また、設置状態からスクリーン装置1を取り外す際、このスクリーン本体2と設置面Pとの間の間隙Dに手を挿入することができるため、取外し操作を容易に行なうことができる。さらに、スクリーン本体2が設置面Pから前方に突出していることで、スクリーン面に映し出された映像が、壁面とは区別された立体的なスクリーン面となり、映像が見やすくなる。
【0026】
本実施形態に係るスクリーン装置1においては図3に示す如く、スクリーン本体2における四個の貼着部3の間隙部分(スクリーン面の四辺にあたる部分)には、スクリーン本体2の収縮時(スクリーン本体2を伸張させていない状態)において、スクリーン本体2の外側に向かって膨出する膨出部2aが形成されている。即ち、図3に示す如く、スクリーン本体2は伸張していない状態においては略楕円形状となるように構成されている。
【0027】
スクリーン装置1においては上記の如く構成することにより、図4の第二の使用状態に示す如く、第一の使用状態における設置領域M1よりも設置領域M2を大きくして、貼着部3の間隔を広げ、貼着部3の近傍においてスクリーン本体2の変形が大きくなった場合に、貼着部3の間に膨出部2aが位置する。このため、設置領域M2を大きくしてもスクリーン領域S2が小さくなることを防止できる。
【0028】
さらに、スクリーン装置1においては、図5の第三の使用状態に示す如く設置領域M3をさらに大きくして貼着部3の間隔をより広げ、貼着部3の近傍においてスクリーン本体2の変形が最大限に大きくなった場合でも、貼着部3の間に膨出部2aが位置する。このため、設置領域M3を最大限に大きくしてもスクリーン領域S3が小さくなることを抑制できる。
【0029】
このように、本実施形態に係るスクリーン装置1によれば、設置領域を大きくしてスクリーン本体2を伸張させた場合でも、膨出部2aを備えないスクリーン装置と比較して、設置領域に対するスクリーン領域の大きさを大きく確保することが可能となる。即ち、設置領域が限られた場合でも、スクリーン領域を大きく確保することができるのである。
【0030】
なお、本実施形態においては、膨出部2aが大きく引き伸ばされるため、膨出部2aの厚みを他の部分と比較して25~30%大きくなるように形成している。また、スクリーン本体2を形成する際にスクリーンシートを複数枚重ねることにより、スクリーン本体2が伸張された際に反射率が低下しないように構成している。
【0031】
なお、本実施形態に係るスクリーン装置1によれば、四個の貼着部3の間隙部分の全て(四箇所)に膨出部2aを形成しているが、膨出部2aを短辺のみ又は長辺のみに形成する構成としても差し支えない。また、四個の貼着部3の間隙部分の一箇所のみに膨出部2aを形成しても良い。つまり、貼着部3の間隙部分のうち少なくとも一箇所に、スクリーン本体2が伸縮する方向に沿って膨出部2aが形成されていれば、スクリーン本体2を伸張した際のスクリーン領域を大きくすることが可能となる。
【0032】
また、スクリーン装置1においては、貼着部3の貼着面3pがスクリーン本体2よりも後方に突出するため、スクリーン装置1の設置状態では設置面Pとスクリーン本体2との間に間隙Dが形成される。このため、図1及び図2における第一の使用状態に示す如く、設置領域M1が小さく貼着部3の間隔が狭い場合に、スクリーン本体2の膨出部2aを、スクリーン本体2の後方に位置する間隙Dに垂れ下がらせることにより、スクリーン面を美しく保つことができる。
【0033】
また、上記の実施形態におけるスクリーン装置1において、貼着部3はスクリーン本体2の四箇所に設けられているが、貼着部の配置箇所及び数量はこのような構成に限られない。即ち、図6に示す別実施形態に係るスクリーン装置11の如く、スクリーン本体2の短辺(及び/又は長辺)の中間部分にも各一個ずつ補助貼着部13を更に設けることも可能である。これにより、スクリーン本体2を拡張した状態であっても、短辺において補助貼着部13がスクリーン本体2を引張るため、スクリーン中央側へのスクリーン本体2の凹みを小さくすることできる。つまり、図6に示す如く設置領域M11を大きくして、貼着部3の近傍においてスクリーン本体2の変形が最大限に大きくなった場合でも、補助貼着部13によりスクリーン本体2を伸張させることができる。このため、設置領域M11を最大限に大きくしてもスクリーン領域S11が小さくなることをより抑制できるのである。
【0034】
なお、上記のスクリーン装置1では、スクリーン本体やスクリーン面は長方形状に構成されているが、スクリーン本体の形状はこれに限定されるものではなく、正方形や三角形、六角形等の他の形状であってもよく、表示映像や用途に合わせてその形状を変形してもよい。また、伸張部材は磁力を有する貼着部3に限定されるものではなく、スクリーン本体を伸張させることのできる構成であれば良い。即ち、伸張部材は磁力によるものに限らず、吸盤、反復着脱可能な両面テープ、挟持部材、又はこれらの類するもの等、種々のものを適宜選択し、又は、併用することができる。
【0035】
さらに、スクリーン装置1は、上述のような設置場所に限らず、貼着手段で設置可能な場所であればどのような場所でも取り付けることができ、例えば、円柱状の柱や球体等の曲面で構成されたものに巻き付けたり、階段等の凹凸形状に沿うように取り付けたりしてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 スクリーン装置(映写用伸縮スクリーン装置)
2 スクリーン本体 2a 膨出部
3 貼着部(伸張部材) 3a 表面部材
3b 背面部材 3m 磁石
3p 貼着面 4 縁部
11 スクリーン装置(別実施形態に係る映写用伸縮スクリーン装置)
13 補助貼着部 B ホワイトボード(設置対称物)
P 設置面 D 間隙
M 設置領域 S スクリーン領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7