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▶ ハワ スライディング ソリューションズ アーゲーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】引き戸装置
(51)【国際特許分類】
   E05D 15/06 20060101AFI20220729BHJP
【FI】
E05D15/06 125C
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018551302
(86)(22)【出願日】2017-04-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-06
(86)【国際出願番号】 EP2017058248
(87)【国際公開番号】W WO2017182286
(87)【国際公開日】2017-10-26
【審査請求日】2020-03-18
(31)【優先権主張番号】16166287.9
(32)【優先日】2016-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518341437
【氏名又は名称】ハワ スライディング ソリューションズ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ハーブ,グレゴール
(72)【発明者】
【氏名】エットミュラー,ペーター
(72)【発明者】
【氏名】イェッツァ,ネジブ
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第202004012852(DE,U1)
【文献】米国特許第01945332(US,A)
【文献】特開2003-247370(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第10012511(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 15/00-15/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レール装置(10A;10B)を有する引き戸装置であり、
前記レール装置は、
建物に取り付け可能な取り付けレール(2A、2B)、
その中に引き戸(6)と接続した少なくとも2つの走り装置(63)が走行軸(x)に沿って摺動可能に持設されるガイドレール(1A、1B)、および、
複数の結合装置(3A;3B;4A;4B)を含み、
前記ガイドレール(1A、1B)および前記取り付けレール(2A、2B)が複数の前記結合装置(3A;3B;4A;4B)に解除可能に結合され、
複数の前記結合装置(3A;3B;4A;4B)はそれぞれ、
前記ガイドレール(1A、1B)または前記取り付けレール(2A)と接続される1つの結合ヘッド(3A、3B)、
結合板(32)、および、
結合開口部(4A;4B)の中に固定される結合ネック(31)を備え、
前記結合開口部は、前記取り付けレール(2B)または前記ガイドレール(1A、1B)の中に設けられ、
前記結合開口部は、
前記結合板(32)の直径より大きい直径を有する第1開口部(41)、および、
前記第1開口部(41)と隣接し、前記結合ネック(31)の直径より大きいが、前記結合板(32)の直径より小さい直径を有する第2開口部(42)を含み、
前記結合ヘッド(3A、3B)の側面に、少なくとも1つの傾斜部材(52)を備え、
前記傾斜部材(52)は前面(521)を備え、前記傾斜部材(52)の前記結合板(32)に向かう高さは、前記前面(521)に沿って、前記結合ネック(31)に向かう方向へと増加する、ことを特徴とする引き戸装置。
【請求項2】
前記ガイドレール(1A、1B)および前記取り付けレール(2A、2B)がそれぞれ1つの中心部(12、22)を設け、それが前記結合ヘッド(3A、3B)と接続するか、または前記結合開口部(4A、4B)を備え、前記ガイドレール(1A、1B)の前記中心部(12)が両側にそれぞれ1つの第1側方部(11)を設け、前記取り付けレール(2A、2B)の前記中心部(22)が両側にそれぞれ1つの第2側方部(21)を設けることを特徴とする請求項1に記載の引き戸装置。
【請求項3】
前記結合ヘッド(3A、3B)の1つの側または両側に少なくとも1つの弾性部材(51)を設け、それが弾性に、前記結合ヘッド(3A、3B)に結合されたガイドレール(1A)または前記取り付けレール(2A、2B)の前記中心部(12;22)に着接することを特徴とする請求項2に記載の引き戸装置。
【請求項4】
前記傾斜部材(52)が前面(521)を備え、それが前記走行軸(x)に関して40°と60°の間の領域にある角度で傾斜することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の引き戸装置。
【請求項5】
前記結合板(32)が前記結合開口部(4A、4B)の前記第1開口部(41)を通って導入可能であり、前記結合ネック(31)が走行軸(x)に沿って前記第2開口部(42)に摺動可能なように前記結合ヘッド(3A;3B)が取り外されることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の引き戸装置。
【請求項6】
前記傾斜部材(52)が前記結合ネック(31)の側面に配置され、それが前記取り付けレール(2A、2B)および前記ガイドレール(1A、1B)の接続後、前記第1開口部(41)に向けられ、または前記結合ヘッド(3A、3B)の側面に2つの傾斜部材(52)を備え、前記傾斜部材(52)は前面(521)を備え、前記傾斜部材(52)の前記結合板(32)に向かう高さは、前記前面(521)に沿って、前記結合ネック(31)に向かう方向へと増加することを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の引き戸装置。
【請求項7】
前記結合ヘッド(3A、3B)と結合され形状結合的に結合されるか、または一体的にそれぞれ少なくとも1つの傾斜部材(52)および/または少なくとも1つの弾性部材(51)を備える緩衝装置(5A、5B)が設けられることを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の引き戸装置。
【請求項8】
前記緩衝装置(5A、5B)が前記結合ヘッド(3A、3B)の前記結合ネック(31
)を少なくとも部分的に包囲する凹部(500)を有する緩衝板(50)を備え、前記緩衝板(50)に前記少なくとも1つの傾斜部材(52)および前記少なくとも1つの弾性部材が形成されることを特徴とする請求項7に記載の引き戸装置。
【請求項9】
前記緩衝板(50)の上に、前記凹部(500)を挟むように、2つの前記弾性部材(51)が1面または両面で保持される板バネの形に形成され、前記走行軸(x)に平行に配向されることを特徴とする請求項8に記載の引き戸装置。
【請求項10】
前記結合ヘッド(3B)の前記結合板(32)と前記緩衝装置(5B)と結合された支持板(58)の間に弾性減衰要素(59)が設けられることを特徴とする請求項7~9の何れか1項に記載の引き戸装置。
【請求項11】
前記緩衝装置(5B)が少なくとも1つの保持要素(55)を備え、それが形状結合式に前記ガイドレール(1B)と接続され、および/または前記緩衝装置(5B)の前記傾斜部材(52)が形状結合式に前記結合ヘッド(3A)の中に設けられた凹部(321)に係合することを特徴とする請求項7~10の何れか1項に記載の引き戸装置。
【請求項12】
前記ガイドレール(1A、1B)および前記取り付けレール(2A、2B)がそれぞれ1つの中心部(12、22)を設け、前記結合ヘッド(3A)がネジ管(30)を備えるか、または前記結合ヘッド(3A)が前記中心部(12、22)の中に回転しないように保持されることを特徴とする請求項1~11の何れか1項に記載の引き戸装置。
【請求項13】
前記傾斜部材(52)の高さ(h52)が前記結合ヘッド(3A)の高さ(3A)より低く、または前記結合ネック(31)高さ(h31)に一致し、前記傾斜部材(52)の前面(521)が前記結合板(32)の半径(r32)の外にあることを特徴とする請求項1~12の何れか1項に記載の引き戸装置。
【請求項14】
前記ガイドレール(1A、1B)および前記取り付けレール(2A、2B)がそれぞれ1つの中心部(12、22)を設け、前記結合開口部(4A)が結合管(15)に接続し、これが前記ガイドレール(1A)の前記中心部(12)並びにそれから間隔を置いた管枠(16)によって画定され、それが前記ガイドレール(1A)の中で前記中心部(12)に平行に互いに対して配向され、それぞれ前記ガイドレール(1A)の1つの側壁(11)と接続することを特徴とする請求項1~13の何れか1項に記載の引き戸装置。
【請求項15】
2つの側で仕切り(71、72)によって画定され、その中にレール装置(10A;10B)が導入されるパークスペース(70)が設けられることを特徴とする請求項1~14の何れか1項に記載の引き戸装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は場合によってはパークスペースに引き込み可能な引き戸を有する引き戸装置に関する。
【背景技術】
【0002】
引き戸装置は少なくとも2つのガイドレールに導入された走り装置に懸架された少なくとも1つの引き戸を含む。ガイドレールは取り付けネジを使って天井または壁に固定的に取り付けられるか、または固定装置を使って、それ自体の側で天井または壁に固定的に取り付けられる取り付けプロファイルに取り外し可能に取り付けられる。
【0003】
米国特許第6647590B2号明細書(特許文献1)からガイドレールの受けのために設けられた2つの脚を備えた取り付けプロファイルを有する引き戸装置が公知であり、そのうちの第1の脚は壁と結合可能な固定ネジを通すための開口部を、第2の脚はT字型
プロファイルの形のガイドレールに対して開いた長手方向スロットを備え、これはそれらによってガイドレールが取り付けられる取り付けネジと接続するロック要素の受けおよび保持のための役割を果たす。
【0004】
取り付けプロファイルおよびそれに対応するガイドレールには固定ネジ用の孔をすでに制作段階に設けることができる。取り付けプロファイルは予め取り付けられ、それによってガイドレールの取り付けが僅かな操作で行われることができる。ガイドレールの取り付けのための掘削および/またはネジ切りは省略されるため、同時にガイドレールの汚染または機械的障害は回避される。それによってガイドレール及びその中に導入される走り装置の最適な機能が保証される。
【0005】
ガイドレールの予め取り付けられた取り付けプロファイルとの接続は僅かな操作で実施されることができる。ロック要素はそのために取り付けプロファイルの長手方向スロットに導入され、第1位置から第2位置に回動され、続いて同じ方向に回転しながら締め付けられる。ロック要素への介入が保証されている限り、ガイドレールの解除も再装備も同様に簡単である。
【0006】
しかし引き戸装置はしばしば、ガイドレールの取り付け後に構築され、それらの間にガイドレールの一部および引き戸が進入後にパークスペースに仕舞い込まれる仕切りによって画定されるパークスペースの中に導入されるガイドレールを含む。ガイドレールまたは、緩衝装置、引込みおよび/または減衰装置のようなその中に装備される部材の修理が必要になれば、これらはそのための介入が困難であり、仕切りを外すか破壊しない限り取り外しは不可能である。
【0007】
米国特許第1945332号明細書(特許文献2)はガイドレールの取り付けのためのさらなる装置を開示する。この装置はガイドレールを含み、その中に左右対称に形成された2つの翼を有する留め金を備えた間隙を有するより大きな断面を備えた取り付け金具を含む。留め金はネジの中央に保持される。ネジの締め付けの際に留め金の翼は下方にガイドレールに対して押圧され、それによってこれが固定される。そのためこの装置は第1段階でガイドレールが取り付け金具の断面に進入し、第2段階でガイドレールの上に配置されたネジを固定的に締め付けることを要求し、ネジはガイドレールの上で介入が難しいため、これは望ましくない。
【0008】
独国特許出願公開第10012511号明細書(特許文献3)は建造物に取り付けられた取り付けレール、その中に引き戸と接続した走り装置が摺動可能に持設されるガイドレール、並びにガイドレールの取り付けレールとの接続に使用される複数の結合装置を含むレール装置を有する引き戸装置を開示する。結合装置はそれぞれ1つの、ガイドレールと接続され取り付けレールに設けられ大小の開口部を有する一種の鍵穴のように形成された結合開口部に係留可能なキノコ型の結合ヘッドを含む。ガイドレールの取り付けレールとの接続のために結合ヘッドが結合開口部の比較的大きい部分に導入され、結合開口部の比較的小さい部分に対して摺動され結合ヘッドをロックする。調整の実施または修理及びメンテナンス作業のためにガイドレールはしばしば再び取り外されなければならない。そのときガイドレールは連結ヘッドが再び結合開口部の大き方の開口部に同軸に配向されるまで摺動して戻る。ガイドレールは大概、力一杯摺動されるため、連結ヘッドの結合口の比較的大きい開口部との同軸配向は、しばしばその中でガイドレールが取り付けレールに引っかかったままになり、何度かの試みの後に初めて成功する。取り付け工はこの作業の際はしごの上に立つと結合ヘッドの結合開口部に対する配向を見渡すことができないことに注意しなければならない。そのため記述する作業手順は大きな手間と結びつく。
【0009】
ガイドレールの取り付けおよび取り外しの際に同様の手間が必要なこの種のさらなる装
置は独国実用新案第202015105569号明細書(特許文献4)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】米国特許第6647590 B2号明細書
【文献】米国特許第1945332号明細書
【文献】独国特許出願公開第10012511号明細書
【文献】独国実用新案第202015105569号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そのため本発明は記述された不利のない改善された引き戸装置を作成するという課題に基づいている。
【0012】
特にガイドレールが僅かな手間で取り付けレールに取り付けられることができ、再び取り外すことができる引き戸装置が作られるべきである。
【0013】
公知の引き戸装置の場合に作動中に発生する振動と雑音は大幅に低減されるべきである。
【0014】
レール装置は特に少なくとも1つの、その中へと引き戸を摺動することができるパークスペースを備えた引き戸装置の場合、有利に導入されるべきである。そのときガイドレールの整備、修理または交換はパークスペースの部分を取り外す必要なしに迅速に行われるべきである。
【0015】
そのときガイドレールの交換は実際にそれ自体で実施されることができるため、組立工はガイドレールおよび取り付けレールの正確な配向および互いに対する摺動に注意する必要がなく、誤操作は起こりえない。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この課題は請求項1に記載された特徴を有する引き戸装置によって解決される。本発明の有利な形態はさらなる請求項に記載されている。
【0017】
レール装置は引き戸装置を含み、そのレール装置は建物に取り付け可能なまたは取り付けられた取り付けレール、その中に引き戸と接続した少なくとも2つの走り装置が走行軸(x)に沿って導入されるか、または導入可能なガイドレール、および複数の結合装置を含み、それらによってガイドレールおよび取り付けレールが解除可能に互いに接続され、それらはそれぞれ1つの結合ヘッドを含み、その結合ヘッドはガイドレールまたは取り付けレールと結合され、結合板および結合ネックを備え、結合開口部の中に固定され、その結合開口部は取り付けレールまたはガイドレールの中に設けられ、その直径が結合板の直径より大きい第1開口部、およびそれに接続するその直径が結合ネックの直径より大きいが、結合板の直径より小さい第2開口部を含む。本発明では結合ヘッドの1つの側または両側に結合ネックの方向に結合板(32)に対して上昇する傾斜部材を設ける。好ましくは走行軸に少なくともおよそ平行に配向され、取り付け後に結合開口部の第1開口部に向かう傾斜部材は、ガイドレールが簡単な方法で取り付けレールから解除されることを可能にする。結合ヘッドおよび結合開口部の第1開口部を互いの上に配向するために、取り付けられたガイドレールが取り付けレールに対して力強く摺動される限り、傾斜部材は結合板がさらに結合開口部の第1開口部の縁を介して摺動し、取り付けレールの中心部の下の別の面の上に引っ掛かりうることを防ぐ。その代わりに傾斜部材が第1開口部の縁に当たり、傾斜部材が第1開口部の縁を介して滑動することにより、結合板が結合開口部の第1開口部を通って移動する。結合ヘッドが取り付けレールと接続され結合開口部がガイドレール上に設けられる場合、この過程は類似して行われる。
【0018】
取り付けられたガイドレールの移動の際、これによって結合ヘッドが他の箇所で再び引っ掛からずにスムーズにガイドレールまたは取り付けレールから解除されることを保証する。少なくとも1つの傾斜部材により結合解除過程は能動的に補助される。
【0019】
傾斜部材は結合ヘッドの一体部分または結合ヘッドと力結合的または形状結合的に結合される装置部分の構成要素でありうる。
【0020】
傾斜部材は結合ヘッドと同じ材料または別の材料でも製作されることができる。傾斜部材はプラスチックまたは金属またはそれらの組み合わせで製作されることができる。プラスチックで製作された傾斜部材は第1開口部の縁に向けられた正面に金属で製作された挿入部を設けることができる。この組み合わせにより傾斜部材は、傾斜部材が第1開口部の縁に当たるとき弾性部分に関しては望ましい弾性を、傾斜部材が第1開口部の縁を介して滑動するとき、金属製挿入部に関して望ましい剛性を示す。そのため好ましい実施形態で傾斜部材は弾性部材および金属部分、好ましくは弾性部材によって保持される金属製挿入部から成る。
【0021】
傾斜部材は取り付け後、第1開口部の縁に向き真っ直ぐにまたはカーブに沿って伸びる前面を備える。傾斜部材の幅は好ましくは結合ネックの直径より小さいため、それは結合ネックが結合開口部の第2開口部に摺動するときに妨げにならない。傾斜部材の高さは好ましくは結合ネックの高さに相応するため傾斜部材は好ましくは結合板の下かその下面に接して終わる。
【0022】
傾斜部材は好ましくは傾斜した前面を有する板の形または円錐部分の形を有する。
【0023】
結合開口部の両方の開口部分は好ましくは丸みを帯びるため、結合ヘッドの結合板は可能な限り妨げなく第1開口部分を通して進入でき、それでも該当する中心部の可能な限り少ない弱化が結果として生じる。
【0024】
そのように結合ヘッドの結合板は結合開口部の第1開口部分を通って導入され、その後ガイドレールおよび取り付けレールが走行軸に平行に、結合ネックが第2開口部に挿入されそこに繋ぎとめられるように、互いに対して摺動される。そのためガイドレールの第2開口部に画定される領域は、そこで結合開口部を通して導入される結合板が保持されるフランジの役割を果たすため、結合板は結合開口部を通してもはや後退しえず、ガイドレールと取り付けレール間の結合が生成される。続いてガイドレールと取り付けレールは好ましくは例えばボルトまたはネジがガイドレールおよび取り付けレールを通して挿入されることにより互いに対してブロックまたはロックされる。
【0025】
こうして取り付けレールの取り付け後、ガイドレールは取り付けレールに対して持ち上げられ、摺動されそのようにしてこれと結合され、好ましくはロックされる。同様に取り付けられたガイドレールは取り付け後、例えば再びロック解除され、場合によって設けられるパークスペースに把持され、逆に摺動され、取り付けレールから再び解除されることができる。
【0026】
そのとき取り付けレールの取り付けは公知の方法で行われ、そのとき取り付けレールが選択された高さに水平に配向されるように注意する。
【0027】
好ましい実施形態ではガイドレールおよび取り付けレールが結合装置の結合ヘッドと接続されているかまたは結合開口部が設けられているそれぞれ1つの中心部を含む。そのように結合装置の部品は交換可能であり選択的にガイドレールまたは取り付けレールに取り付けられることができる。
【0028】
ガイドレールの中心部は好ましくは両側にそれぞれ1つの側面部並びに少なくとも1つのそれから間隔を置きそれに平行に延びる結合フランジ、場合によってはフランジ板を設ける。1つの第1側面部または複数の第1側面部はその上で走り装置の車の上に支えられることができるレール足と一緒にそれぞれ1つのL字型プロファイルを成形する。
【0029】
取り付けレールの中心部は好ましくは同様に両側に1つの側面部を設け、それは好ましくはレール装置の取り付けの際、少なくとも1つの結合フランジとそれに隣接するガイドレールの側面部の間の結合スペースの中に進入できるような大きさに形成され配向される。そのようにしてガイドレールの取り付けの過程でガイドレールおよび取り付けレールは結合ヘッドが結合開口部の中に導入され固定される前にすでに暫定的に互いに結合されている。この過程は暫定的な結合により実質的に簡易化される。
【0030】
こうして少なくとも1つの結合フランジによってガイドレールが簡単な方法で取り付けレールと暫定的に結合されそれに平行に配向されことが達成される。結合ヘッドおよび結合開口部は走行軸に沿って配向され、その結果走行軸に沿ってそれらが互いの中に移動され固定されることができるまで移動される。
【0031】
付加的または代替的にガイドレールの直径は取り付けレールの直径より短く選択されるため、ガイドレールは取り付けレールの中に挿入され、軸方向にこれに沿って摺動されることができる。そのためガイドレールの結合と解除の過程はこのように実施され取付工によって簡単な方法で遂行されることができる。
【0032】
結合ヘッドは任意の方法でガイドレールまたは取り付けレールと結合されることができる。好ましくは結合ヘッドあるいはその結合ネックがネジ止めされ、鋳込まれ、またはかしめ加工される。例えば結合ネックは相応の開口部を通してガイドレールまたは結合レールに、縁が開口部から突出し、その結果かしめをし(英語:press fit stem)力結合式および形状結合式結合を生成するために塑性的にフランジ部材に変形されるまで挿入される。その上結合ネックは好ましくはフランジ部材を、好ましくはフランジリングを備え、それはガイドレールの中心部のもう一方の側または取り付けレールに着接し、それはこうして成形されたフランジ部材とフランジリングの間に固定的に挟持される。さらに結合ヘッドは例えば軸方向に結合ネックの雌ネジに保持されネジ頭でガイドレールの中心部または取り付けレールに着接するネジで固定されることができる。代替的に結合ネック自体がその中にネジ山が設けられまたはネジ部材が導入されたガイドレールまたは取り付けレールの中の開口部にねじ込まれるネジ山を備えることができる。
【0033】
結合ヘッドは回転対称に形成され、簡単な方法で取り付けられることができる。代替的に該当する側に結合ヘッドあるいは結合板の1部分も切除されることができるため、結合板は取り外しの際、取り付け板に引っ掛かりえない。そのため結合ヘッドの相応な形態は付加的な傾斜部材を省略することができる。
【0034】
さらなる好ましい実施形態では少なくとも1つの傾斜部材を有し、および/またはそれを使って結合ヘッドがガイドレールと取り付けレールの接続の後、弾性にガイドレールの中心部または取り付けレールの中心部と結合される少なくとも1つの弾性部材を有する緩衝装置が設けられる。それによって取り付けレールとガイドレールの間のいかなる遊びも排除される。好ましくは合成物質から製造される緩衝装置によりさらにガイドレールと取り付けレールの間の直接の接触およびそれによって引き戸の作動の際の金属的なガタつき音が防止される。
【0035】
緩衝装置は好ましくは結合ヘッドの結合ネックの受けの役割をする凹部を有する板状の部品を含む。緩衝装置はそのとき、弾性部材またはバネ部材が側方に結合ヘッドに隣接しておよび/または傾斜部材がガイドレールに沿って結合ヘッドの前面または背面に配置されるように結合ヘッドと接続される。
【0036】
少なくとも1つの弾性部材および/または少なくとも1つの傾斜部材は好ましくは緩衝装置と一体的に接続される。代替的に弾性部材および/または傾斜部材は例えばロック接続を使って形状結合式に緩衝装置と接続されることもできる。
【0037】
少なくとも1つの弾性部材および/または少なくとも1つの傾斜部材は好ましくは走行軸に平行に配向されるため、それらは互いに対するガイドレールおよび取り付けレールの摺動の際に最適な効果を発揮し、圧力によってのみ、しかしねじれ応力によっては荷重されない。
【0038】
さらなる好ましい実施形態では結合ヘッドが中心に孔を備え、それを通してネジのような固定部材が挿入され、例えばガイドレールまたは取り付けレール、モータ付き走り装置のための電力供給ラインなどの電気的装置を固定することができる。
【0039】
結合ヘッドは付属の中心部中に好ましくは回転可能に保持されるため、それは自動で中心部から解除されることはできない。結合ネックおよびそれに連絡する開口部がガイドレールまたは取り付けレールの中心部の中に多角形断面を設けることにより特にこれは簡単に達成される。代替的にロック装置を使用することができる。例えば緩衝装置は回転しないように付属する中心部とおよび回転しないように結合ヘッドと接続され、その上形状結合式に走行レールおよび結合ヘッドと結合可能なロック部材を設ける。緩衝装置と結合ヘッド間の結合は有利に形状結合式に結合ヘッド中に設けられた凹部に嵌合する前述の傾斜部材、および走行レールまたは取り付けレールと形状結合式に結合可能な保持部材を使って行われる。
【0040】
結合ヘッドおよび/または緩衝装置は好ましくは金属または合成物質、好ましくは硬いプラスチックによって製造される。好ましくはポリオキシメチレン(POM)のような高硬度、剛性および良好な滑動性質を有する熱可塑性合成物質が使用される。
【0041】
緩衝装置はエラストマーまたは、好ましくは緩衝装置の表面に優れた滑動性質を与え、レールの取り付けを容易にする皮膜を備えた天然ゴムから成ることもできる。
【0042】
さらなる変形では結合ヘッドと緩衝装置の間に選択的にエラストマーまたは天然ゴムから成る取り付けプロファイルとガイドレール間の改善された遮音を可能にする吸音部材を組み込む可能性がある。例えばリング状の吸音部材はそのとき緩衝装置の材料よりも何倍も柔軟でありうる。
【0043】
さらなる好ましい実施形態では結合開口部がガイドレールの中心部並びにそれから間隔を置いたガイドレール内で中心部に平行に互いに対して配向されそれぞれガイドレールの側面部の1つと接続された管枠によって画定された結合管に連結されることが企図される。そのため結合板は結合開口部を通して結合管の中に導入され、そこで好ましくは弾性部材によって遊びなしで保持されることができる。
【0044】
以下に本発明を図に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1a図1aは本発明のパークスペース7を有する引き戸装置を示し、そのパークスペースは仕切り71、72で画定され、中に本発明のレール装置10Aが導入され、そのレール装置の中に引き戸6と接続される2つの走り装置63が摺動可能に持設されたガイドレール1A(前面部は見えない)、および結合装置によって相互接続する取り付けレール2Aを備える。
図1b図1bは図1aの引き戸装置の部分を示す。
図1c図1cは図1aの引き戸装置10Aをその前方の4分の1を切断し、取り付けレール2Aと接続するガイドレール1A中の結合開口部4Aの中に固定されることができる結合ヘッド3Aを有する結合装置とともに示す。
図2a図2aは図1cの引き戸装置10Aを取り付けレール2Aから分離したガイドレール1Aとともに前面図で示す。
図2b図2bはガイドレール1Aと取り付けレール2Aとの結合後の図1cの引き戸装置10Aを示す。
図3a図3aは図1cの結合ヘッド3Aの1つを上から示す。
図3b図3bは図3aの結合ヘッド3Aを線A--Aに沿った断面で示す。
図3c図3cは図3aの結合ヘッド3Aを下から示す。
図4図4図1cのレール装置10Aを取り付けレール2Aの長手軸を通る断面での空間図で示す。
図5a図5aは図3aの結合ヘッド3Aをそれと接続した両側にバネ部材51および前面と背面にそれぞれ1つの傾斜部材52を備えた緩衝装置5Aとともに上から示す。
図5b図5bは結合ヘッド3Aをそれと接続する図5aの緩衝装置5Aとともに下から示す。
図6a図6aは図5aの緩衝装置5Aを上から示す。
図6b図6bは図5aの緩衝装置5Aを下から示す。
図7図7図4のレール装置10Aを結合ヘッド3A上に載置された図5aの緩衝装置5Aおよび長手軸に沿って切断された取り付けレール2Aを示す。
図8a図8aは図7のレール装置10Aを取り付けレール2Aから分離したガイドレール1Aとともに前面図で示す。
図8b図8bはガイドレール1Aと取り付けレール2Aの接続後の図8aのレール装置10Aを示す。
図9a図9aは図8bのレール装置10Aの一部をガイドレール1Aおよび取り付けレール2Aの長手軸に沿った断面で示す。
図9b図9bは図9aのレール装置10Aの一部を取り付けレール2Aの長手軸に沿った断面および緩衝装置5Aの近傍の左4分の1の断面によって示す。
図10a図10aは図9のレール装置10Aを結合開口部4Aの第2開口部42の中に固定された結合ヘッド3Aとともに示す。
図10b図10bは図10aのレール装置10Aを結合開口部4Aの第1開口部41の中に摺動された結合ヘッド3Aとともに示す。
図11図11は、その前方4分の1が切断された本発明のレール装置10Bをさらなる好ましい実施形態でガイドレール1Bと接続した取り付けレール2B中の結合開口部4Bの中に固定されることのできる結合ヘッド3Bを備えた結合装置とともに示す。
図12a図12aは図11の結合ヘッド3Bの1つ並びにこれと接続された緩衝装置5Bをさらなる好ましい実施形態で示す。
図12b図12bは結合ヘッド3Bおよび緩衝装置5Bを図12aで示された断線B-Bに沿った断面で示す。
図12c図12cは図12aの結合ヘッド3Bおよび緩衝装置5Bを分解図で示す。
図13a図13aは図11のレール装置10Bを取り付けレール2Bから分離したガイドレール1Bとともに示す。
図13b図13bはガイドレール1Bの取り付けレール2Bへの結合後の図13のレール装置10Aを示す。
図14図14図11のガイドレール1Bを2つのその上に取り付けられた修正された緩衝装置5B※を設けた結合装置3Bとともに示す。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0046】
図1aはその中に取り付けレール2Aおよびそれと解除可能に結合されたガイドレール1Aを含む本発明のレール装置10Aが挿入されるパークスペース7を有する本発明の引き戸装置を示す。ガイドレール1Aの前方部はパークスペース7の外側近くで切断されているため、ガイドレールの中に挿入された、戸金具61を介して引き戸6と接続される走り装置63が見て取れる。パークスペース7は両側で取り付けレール2Aの取り付け後固定的に取り付けられ、大きな手間を掛けてのみ再び解除可能な仕切り71、72に画定されている。パークスペース7の室開口部70への手動介入は仕切り71、72の取り付け後はもはや不可能である。
【0047】
取り付けレール2Aは水平方向の所望の高さに取り付けネジ91を使って空間の天井に取り付けられた。
【0048】
続いて走り装置63および場合により(図示されない)緩衝装置がガイドレール1Aの中に挿入され、それはその結果、本発明の結合装置によって取り付けレール2Aと接続された。続いて例えばガラス戸または木戸である引き戸6は戸金具61を使ってガイドレール1Aの中に摺動可能に持設された走り装置63と接続された。
【0049】
図1bは例示的に引き戸6が木で製造され上部角に孔60を設け、その中にそれぞれ1つの、金具レール611およびその中に挿入される金具ブロック612を含む戸金具61が嵌入されることを示す。金具ブロック612はネジ付きロッド62を通して割り当てられた走り装置63と接続され、そのガイドレール1A中の走行車631は両側でそれぞれ1つのガイドレール1Aのレール足13上で転動することができる。そのため走り装置63および引き戸6は走行軸xに沿って摺動可能でありパークスペース7に進入することができる。言及したようにガイドレール1Aは走り装置63および戸金具61を示すために部分的に切断されている。
【0050】
図1cは図1aの引き戸装置から取られたレール装置10Aを示し、その前方の4分の1は取り付けレール2Aと接続された結合ヘッド3Aおよびガイドレール1Aの中に設けられた結合開口部4Aを備える結合装置を完全に示すことができるように切断されている。結合開口部4Aの中に固定されることができる結合ヘッド3Aについては後に詳細に説明される。
【0051】
ガイドレール1Aは両側で互いに対して向けられた足部13とともにそれぞれ1つのL字型プロファイルを成形する側面部11と接続する中心部12を有する下に向かって開くU字型プロファイルを備える。側面部11はさらにそれぞれウェブ要素を通してそれに平行に延びるフランジ板111と接続している。
【0052】
取り付けレール2AはH字型プロファイルを中心部22とともに有し、それには両側に側面部21が設けられる。取り付けレール2Aの側面部21間の間隔はそのときガイドレール1Aの側面部11間の間隔より大きいが、ガイドレール1Aのフランジ板111間の間隔より小さい。
【0053】
図2aが示すように各フランジ板111と付属する側面部11の間には結合スペース110が成形され、その中に取り付けレール2Aの付属する側面部21が挿入されることができる。フランジ板111はガイドレール1Aの中心部12から上方に突出し、それによって取り付けられた取り付けレール2Aへの結合が容易になる。
【0054】
ガイドレール1Aの中心部12の下で結合開口部4Aが結合管15の中に合流し、それはガイドレール1Aの中心部12および2つの管枠16によって部分的に画定され、それらは同じ高さで互いに対して配向され、それぞれ1つの側面部11と接続している。管枠16の間に工具によって結合管15に介入することを許す空間が解放されている。
【0055】
結合ヘッド3Aは開口部28の中に好ましくは例えばネジ止めされ、かしめ加工され、溶接され、または鋳込まれて回転しないように保持される。
【0056】
図2bはガイドレール1Aの取り付けレール2Aとの接続後の図10cのレール装置10Aを示す。結合ヘッド3Aの結合板32は結合管15の中に挿入され、ガイドレール1Aの中心部12は取り付けレール2Aの側面部21の間に保持される。そのためガイドレール1Aは走行軸xに平行にのみあるいはレール装置10Aの長手軸に平行に摺動可能である。これはガイドレール1Aの取り付けレール2Aの結合ヘッド3Aとの結合および分離の過程を容易にする。
【0057】
図3aは図1cの結合ヘッド3Aの1つを示す。図3bは図3aの結合ヘッド3Aを線A-Aに沿った断面で示す。図3cは図3aの結合ヘッド3Aを下から示す。図4図1cのレール装置10Aの一部を空間図で取り付けレール2Aの長手軸を通る断面で示す。
【0058】
結合ヘッド3Aは連結部311および間隔部312を含む結合ネック31を有する。間隔部312として僅かな直径を有する連結部分311は八角形として形成され取り付けレール2Aの中心部22の中に相応に形成された八角形開口部28を通る貫入に役立つ。八角形開口部28への導入後、間隔部312の上側は中心部22の下部に着接するフランジリングを形成する。連結部分311の上端部310はその結果、八角形開口部28から突出し(図9も参照)、かしめ加工、つまり塑性変形されることができるため、連結部311は下は間隔部312により、上はかしめ加工された端部310により軸方向に摺動不能に八角形開口部28の中に保持される。連結部311および開口部28の八角形の形成により連結部311およびそれによって全結合ヘッド3Aがさらに回転しないようにも保持される。
【0059】
結合ネック31に結合管15の中への導入のために定められた丸い結合板32が連結される(図4参照)。図3bは軸方向の孔が雌ネジによって製造されることのできる全結合ヘッド3Aを貫くことを示す。
【0060】
図4はガイドレール1Aの中心部12の中に設けられより大きな第1開口部41並びにより小さな第2開口部42を含む結合開口部4Aを示す。より大きな第1開口部41はここでは結合開口部4Aを通って結合管15の中に導入されることができる結合板32の大きさに適合する。続いてガイドレール1Aは取り付けレール2Aに向かって摺動されそれによって固定されることができる。そのとき間隔部312は第2開口部42によって好ましくは遊びなしに受けられる。それに対し結合板32は第2開口部42の下に保持され、その画定する縁は保持フランジを成形する。そのためガイドレール1Aは取り付けレール2Aと接続し、第1開口部41が再び結合板32を介して摺動されることによってのみ再び解除されることができる。固定されたガイドレール1Aを取り付けレール2Aに対してロックするために、ガイドレール1A中の付加的な開口部18を通してボルトまたはさらなる固定ネジ91が導入される。
【0061】
ガイドレール1Aが結合ヘッド3Aでの固定後遊びなしで保持されるように、好ましくは1つまたは複数の弾性部材、好ましくは板バネのようなバネ部材が設けられる。
【0062】
結合ヘッド3Aが特に簡単に再び結合開口部4Aから解除されることができるように、本発明では結合ヘッド3Aに接続する少なくとも1つの傾斜部材を設ける。
【0063】
少なくとも1つの弾性部材および/または少なくとも1つの傾斜部材が結合ヘッド3Aと一体的に接続されるかまたはそれに一体的に成形されることができる。好ましくは緩衝装置が設けられ、それに少なくとも1つの弾性部材および/または少なくとも1つの傾斜部材が設けられる。
【0064】
図5aは図3aの結合ヘッド3Aをそれと接続した緩衝装置5Aとともに示し、それは両面にバネ部材51および前面および背面にそれぞれ1つの傾斜部材を備える。図5bは図5aの結合ヘッド3Aをそれと接続した緩衝装置5Aとともに下から示す。
【0065】
図6aは図5aの緩衝装置5Aを上から示し、図6bは図6aの緩衝装置5Aを下から示す。
【0066】
緩衝装置5Aは長方形の緩衝板50から成り、それは図5aが示すように真ん中に結合ヘッド3Aの結合ネック31の受けの役割を果たす開口部500を有する。向き合う側の上に緩衝板50は下に向けられた弾性部材あるいはバネ部材を有し、それらは両側で保持される板バネとして形成される。バネ部材51は緩衝板50から形成され互いに平行に配向される。代替的にバネ部材51は一面のみで保持される。下面上で緩衝板50は前面および背面にそれぞれ1つの傾斜部材52を設け、それらは両方下から見て開口部500へと上昇する。
【0067】
図5aでは結合板32のバネ部材51および傾斜部材52が結合ヘッド3Aに向いているため、それらがガイドレール1Aの保持された中心部12と、あるいは中心部12の結合開口部4Aを囲む縁とともに協働できることが示される。
【0068】
図7図4のレール装置10Aを結合ヘッド3A上に載置した図5Aの緩衝装置5Aとともに示す。緩衝板50は取り付けレール2Aの中心部22に着接し、それに設けられたバネ部材51および傾斜部材52はガイドレール1Aの中心部12に向いている。取り付けレール2Aは長手軸に沿って切断され、それによって取り付けられた結合ヘッド3Aは緩衝装置5Aとともに見ることができる。
【0069】
図8aは図7のレール装置10Aを取り付けレール2Aから分離したガイドレール1Aとともに示す。図8bはガイドレール1Aの取り付けレール2Aへの結合後の図8aのレール装置10Aを示す。緩衝板50はガイドレール1Aの中心部12の上に保持され、これを目に見えないバネ部材51で遊びなしで、管枠16を使って結合管15内に保持される結合ヘッド3Aの結合板32に対して押圧する。
【0070】
図9aは空間図で図8bのレール装置10Aの一部をガイドレール1Aおよび取り付けレール2Aの長手軸に沿った断面で示す。結合ネック31の多角形または好ましくは八角形の接合部311が取り付けレール2Aの中心部22の中の多角形または好ましくは八角形の開口部28に回転しないように保持されることが見て取れる。結合ネック31の接合部311の上端部310は取り付けレール2Aの中心部22を超えて突出し、かしめ加工により塑性的にフランジ部材に変形されることができる。緩衝装置5Aの緩衝板50は取り付けレール2Aの中心部22の下面に着接し、バネ部材51でガイドレール1Aの中心部12の上面を押圧する。結合ヘッド3Aの結合板32は結合開口部4Aを通って結合管15の中に導入され管枠16をやや超えて位置する。傾斜部材52はレール軸に平行に配向され、結合板32が前面または背面でガイドレール1Aの中心部12の縁の下を移動されることができる。結合板32はまだ第1開口部41の下にありガイドレール1Aの示された矢印の方向への移動により結合開口部4Aの第2開口部42の下に摺動され、そこに固定される。ガイドレール1A中の開口部18を通ってロック部材が取り付けレール2Aに対して案内されることができる。
【0071】
図9bは図9aのレール装置10Aの部分を取り付けレール2Aを通る長手軸に沿った断面および緩衝装置5Aの隣接する左の4分の1を通る断面で示す。そのため左の傾斜部材52は断面図で示され、バネ部材51の左側は切断された。傾斜部材52に結合ヘッド3Aの結合板32の下側が、あるいは結合ネック31に向いた側に接続されていることが示される。そのためこの好ましい実施形態では傾斜部材52の高さh52が結合ネック31の高さh31とほぼ一致し、そのため結合ヘッド3Aの高さh3Aより低い。
【0072】
傾斜部材52は走行軸xに関して、好ましくは40°と60°の間の領域にあり、さらに好ましくは約45°である角度で傾斜する前面521を有する。
【0073】
台車側521は好ましくは結合板32の半径r32の外に配置され、好ましくは結合板32の周辺で終わる。そのため前面521は結合板32の半径r32の終点から緩衝装置5Aの半径r52の終点までそれぞれ結合ヘッド3Aの中心軸yから走行軸xに平行な方向に延びる。
【0074】
図10aは図9のレール装置10Aを結合開口部4Aの第2開口部42の中に固定された結合ヘッド3Aとともに示す。緩衝装置5の前面の傾斜部材52は開口部4Aの縁に接着し、結合板32が走行軸xの方向にレール装置1Aの中心部12の下に入りうることを防ぐ。
【0075】
図10bは図10aのレール装置10Aを結合開口部4Aの第1開口部41の中に摺動された結合ヘッド3Aとともに示す。この位置で背面の傾斜部材52は結合開口部4Aの縁に接着し、結合板32が走行軸xの方向にレール装置1Aの中心部12の下に入りうることを防ぐ。こうしてレール装置1Aの摺動の際、結合ヘッド3Aは結合開口部4Aの第2開口部42の中での固定から解除され、第1開口部41の中に摺動され、それによって結合板32がガイドレール1Aの中心部12に引っ掛かりうることなくガイドレール1Aが取り外されることができる。
【実施例2】
【0076】
図11は本発明のレール装置10Bを第2の好ましい実施形態で示す。レール装置10Bの前方4分の1はガイドレール1Bと結合された、取り付けレール2B中の結合開口部4Bの中に固定されることのできる結合ヘッド3Bを有する結合装置の部材を示すために切断されている。
【0077】
ガイドレール1Bはより簡単に形成され中心部12およびその両側に設けられた側方部11のみを備え、それらはそれぞれ1つの足部13とともにL字型プロファイルを成形する。中心部12上には結合ヘッド3Bが配置され回転しないように保持される。
【0078】
取り付けレール2Bは下方に開いたU字型プロファイルを有し、その中に結合開口部4Bが設けられる中心部22を備える。中心部22の両側に側方部21が設けられ、それらの互いに対する間隔はガイドレール1Bの側方部11の互いに対する間隔より大きい。そのためガイドレール1Bは取り付けレール2BのU字型プロファイルの中に受容されることができ、それによってガイドレール1Bの取り付けレール2Bへの結合が容易になる。
【0079】
取り付けレール2Bの中心部22中に設けられる結合開口部4Bは例えば図4のガイドレール1Aの結合開口部4Aに相応し、同様により大きな第1開口部41およびより小さ
い第2開口部42を備え、それらは鍵穴のような形を成形する。第1開口部41は例えば円に近い形であり第2開口部42は長く延びまたは少なくとも長方形に近く、好ましくは丸みを持つ。ガイドレール1Bの取り付けレール2Bとの結合は上記の説明と同じ方法で行われ、結合装置のみが逆にレール装置10Bに挿入されるため動逆転が起こる。
【0080】
図12aは図11の結合ヘッド3Bの1つ並びにそれと接続した同様に前面および背面に傾斜部材52をおよび両面にバネ部材51を設ける緩衝装置5Bを示す。図12bは結合ヘッド3Bおよび緩衝装置5Bを図12aに示された断線B-Bに沿った断面で示す。図12cは図12aの結合ヘッド3Bおよび緩衝装置5Bを分解図で示す。
【0081】
緩衝装置5Bと接続した傾斜部材52は図10bの実施形態例でのように結合ヘッド3Bの結合板32がガイドレール1Bの取り外しの際、走行軸xの方向に取り付けレール2Bの中心部22に引っ掛かりうることを防止する。
【0082】
付加的に傾斜部材52は結合ヘッド3Bを回転しないように保持する役割を果たす。そのために緩衝装置5Bは両側に保持部材55を備え、それらはガイドレール1Bの中心部12を両側で挟持しそれによって緩衝装置5Bおよび傾斜部材52を回転しないように保持する。傾斜部材52は結合ヘッド3Bの結合板32中のそれぞれ1つの保持溝321の中に突出し、それによって結合ヘッド3Bがガイドレール1Bと固定的に結合し回転しないように保持される。
【0083】
図12aおよび図12bはバネ部材51が緩衝板50に統合され結合板32に対して軽く盛り上がっていることを示す。
【0084】
図12bは結合ヘッド3Bの結合板32と緩衝装置5Bの支持板58の間に選択的に環状に形成され弾性合成物質材料から成る弾性減衰要素59が設けられることを示す。支持板58、減衰要素59および結合板32は1つのユニットを成形しユニットとして図13で示されるように割り当てられる取り付けレール2Bの中心部22中の結合開口部4Bを通して導入され固定される。
【0085】
減衰要素59中の開口部500および支持板58を通して導入される結合ネック31は雌ネジを備え、その中に取り付けネジ93がねじ込まれる。取り付けネジ93を使って結合ヘッド3Bおよび緩衝装置5Bがガイドレール1Bの中心部12で固定的に螺合される。
【0086】
図13aは図11のレール装置10Bを取り付けレール2Bから分離した、取り付けネジ93によって結合ヘッド3Bおよび緩衝装置5Bと接続したガイドレール1Bとともに示す。
【0087】
図13bはガイドレール1Bが取り付けレール2Bに結合した後の図13aのレール装置10Aを示す。ガイドレール1Bは持ち上げられ結合ヘッド3Bが結合開口部4Bの第1開口部41を通して導入された後、走行軸xと平行に摺動され、それによって結合ヘッド3Bの結合ネック31が結合開口部4Bの第2開口部42の中に導入され固定された。
【0088】
この位置に(見えない)弾性部材51が取り付けレール2Bの中心部22の下側におよびその上側に着接し、第2開口部42を介して、支持板58、減衰要素59および結合板32によって成形される結合ユニットが保持される。そのためガイドレール1Bの中心部12と螺合された結合板32は弾性部材59によって取り付けレール2Bの中心部22に着接した支持板58と分離される。そのため取り付けレール2Bは上から減衰要素59および下からバネ要素51に弾性保持されガイドレール1Bから解除される。走り装置63によって引き戸6の摺動の際に起こされる走行時の騒音はガイドレール1Bから取り付けレール2Bおよび建物に伝達されない。
【0089】
図14図11のガイドレール1Bを2つのその上に取り付けられた、それぞれ1つの修正された緩衝装置5B※を設けた結合装置3Bとともに示す。ガイドレール1Bの後部を通り、結合装置3B後方を通る左右対称軸に沿って切断がなされた。緩衝装置5B※はまたもや緩衝バネ51および衝傾斜部材52を備え、それらは記述された目的のために使用される。それに対して1つだけの保持部材55が設けられ、それは棘の形でガイドレール1Bの中心部12中の開口部121に保持される。保持部材がガイドレール1Bの側方から突出することはこれによって回避されることができる。
【符号の説明】
【0090】
1A、1B ガイドレール
10A 第1実施形態のレール装置
10B 第2実施形態のレール装置
11 ガイドレールの側方部
110 結合空間
111 結合フランジ
12 ガイドレールの中心部
121 中心部12の受け開口部
13 ガイドレールの足部
15 結合管
16 管枠
18 ガイドレールの中の孔
2A 取り付けレールの第1実施形態
2B 取り付けレールの第2実施形態
21 取り付けレール2Aの側方部
22 取り付けレール2Aの中心部
28 取り付けレール2Aの中の孔
3A ガイドレール1Aに取り付けられた結合ヘッド
3B 取り付けレール2Aに取り付けられた結合ヘッド
30 ネジ管
31 結合ネック
310 取り付けカラー
311 接続部
312 間隔部
32 結合板
321 保持ナット
4A ガイドレール1A中の結合開口部
4B 取り付けレール2B中の結合開口部
41 第1開口部
411 第1開口部41の縁の前面
42 第2開口部
5A 取り付けレール2Aに取り付けられた緩衝装置
5B ガイドレール1Bに取り付けられた緩衝装置
5B※ 緩衝装置(変形)
50 緩衝板
500 緩衝開口部
51 緩衝バネ、弾性部材
52 緩衝傾斜部材、傾斜部材
521 傾斜部材の前面
55 保持部材
58 支持板
59 減衰要素
6 引き戸
61 戸金具
611 金具レール
612 金具ブロック
62 ネジ付きロッド
63 走り装置
631 走り装置車
7 パークスペース
70 室開口部
71 第1仕切り
72 第2仕切り
91 取り付けネジ
93 接続ネジ
図1a
図1b
図1c
図2a
図2b
図3a
図3b
図3c
図4
図5a
図5b
図6a
図6b
図7
図8a
図8b
図9a
図9b
図10a
図10b
図11
図12a
図12b
図12c
図13a
図13b
図14