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特許7113516バルブカバー、およびエア抜きバルブとバルブカバーの組み合わせ体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】バルブカバー、およびエア抜きバルブとバルブカバーの組み合わせ体
(51)【国際特許分類】
   E03B 7/07 20060101AFI20220729BHJP
   F16K 27/12 20060101ALI20220729BHJP
【FI】
E03B7/07 Z
F16K27/12
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019038928
(22)【出願日】2019-03-04
(65)【公開番号】P2020143451
(43)【公開日】2020-09-10
【審査請求日】2021-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000230526
【氏名又は名称】日本ヴィクトリック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(72)【発明者】
【氏名】淺田 進一
(72)【発明者】
【氏名】森川 幸典
(72)【発明者】
【氏名】▲配▼島 淳史
【審査官】高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】実開平5-77352(JP,U)
【文献】特開2004-251432(JP,A)
【文献】実開昭57-51879(JP,U)
【文献】実開昭58-69062(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03B 7/07
F16K 27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の水道管に設けられたエア抜きバルブを覆うバルブカバーにおいて、
前記エア抜きバルブを覆うバルブカバー本体と、
前記バルブカバー本体に取り付けられ、前記バルブカバー本体を前記水道管に固定するバンド装置とを備え、
前記バンド装置は互いに分割され、前記水道管を囲む上半部と下半部とを有し、前記上半部は前記バルブカバー本体に固定され、前記下半部は前記上半部に締結装置により締結されるバルブカバー。
【請求項2】
前記上半部の内面に、前記バルブカバー本体の下端周囲に延びる帯状パッキンを設けた、請求項1記載のバルブカバー。
【請求項3】
前記上半部は前記帯状パッキンを収納する開口が形成された上半部本体と、この上半部本体の開口を覆うパッキン押さえとを有し、前記パッキン押さえが前記バルブカバー本体に固着される、請求項2記載のバルブカバー。
【請求項4】
円筒状の水道管に設けられたエア抜きバルブと、
前記エア抜きバルブを覆って設けられたバルブカバーとを備え、
前記バルブカバーは、前記エア抜きバルブを覆うバルブカバー本体と、
前記バルブカバー本体に取り付けられ、前記バルブカバー本体を前記水道管に固定するバンド装置とを備え、
前記バンド装置は互いに分割され、前記水道管を囲む上半部と下半部とを有し、前記上半部は前記バルブカバー本体に固定され、前記下半部は前記上半部に締結装置により締結されるエア抜きバルブとバルブカバーの組み合わせ体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は水道橋等の水道管に設置されたエア抜きバルブを覆うバルブカバー、およびエア抜きバルブとバルブカバーの組み合わせ体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、水を送るために水道橋が設置されている。この水道橋は外方へ露出した円筒状の水道管からなり、水道管の上部位置にエア抜きバルブが設置されている。
【0003】
このような水道管は外方へ露出しているため、エア抜きバルブも同様に外方へ露出している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように水道管のエア抜きバルブは外方へ露出しているため、エア抜きバルブを覆ってカバーを設けることにより、エア抜きバルブを保護することが求められている。また、水道管のエア抜きバルブから漏水した場合、漏れた水が外方へ流出しないことが求められている。しかしながら水道管は円筒状をなしており、従来より水道管のエア抜きバルブを保護するとともに、エア抜きバルブから漏れた水が外方へ流出することを防止するカバーを簡単に設置することができないのが実情である。
【0005】
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、水道管のエア抜きバルブを覆って簡単に設置できるバルブカバー、およびエア抜きバルブとバルブカバーの組み合わせ体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、円筒状の水道管に設けられたエア抜きバルブを覆うバルブカバーにおいて、前記エア抜きバルブを覆うバルブカバー本体と、前記バルブカバー本体に取り付けられ、前記バルブカバー本体を前記水道管に固定するバンド装置とを備え、前記バンド装置は互いに分割され、前記水道管を囲む上半部と下半部とを有し、前記上半部は前記バルブカバー本体に固定され、前記下半部は前記上半部に締結装置により締結されるバルブカバーである。
【0007】
本開示は、前記上半部の内面に、前記バルブカバー本体の下端周囲に延びる帯状パッキンを設けた、バルブカバーである。
【0008】
本開示は、前記上半部は前記帯状パッキンを収納する開口が形成された上半部本体と、この上半部本体の開口を覆うパッキン押さえとを有し、前記パッキン押さえが前記バルブカバー本体に固着される、バルブカバーである。
【0009】
本開示は、円筒状の水道管に設けられたエア抜きバルブと、前記エア抜きバルブを覆って設けられたバルブカバーとを備え、前記バルブカバーは、前記エア抜きバルブを覆うバルブカバー本体と、前記バルブカバー本体に取り付けられ、前記バルブカバー本体を前記水道管に固定するバンド装置とを備え、前記バンド装置は互いに分割され、前記水道管を囲む上半部と下半部とを有し、前記上半部は前記バルブカバー本体に固定され、前記下半部は前記上半部に締結装置により締結されるエア抜きバルブとバルブカバーの組み合わせ体である。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、水道管のエア抜きバルブをバルブカバーで覆うことができ、かつこのバルブカバーを水道管に容易に設置することができる。このため、水道管のエア抜きバルブを適切に保護することができ、エア抜きバルブから漏水した水が外方へ流出することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は第1の実施の形態によるエア抜きバルブとバルブカバーの組み合わせ体を示す側面図。
図2図2図1のエア抜きバルブとバルブカバーの組み合わせ体を示す正面図。
図3図3はバルブカバーを示す上面図。
図4図4はパッキンの断面図。
図5図5はバルブカバーのバルブカバー本体と上半部を示す側断面図。
図6図6はバルブカバーを示す分解図。
図7図7はエア抜きバルブの一例を示す側断面図。
図8図8は第2の実施の形態によるエア抜きバルブとバルブカバーの組み合わせ体を示す側面図。
図9図9図8のエア抜きバルブとバルブカバーの組み合わせ体を示す正面図。
図10図10はバルブカバーを示す上面図。
図11図11はバルブカバーを示す分解図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施の形態>
以下、図面を参照して本開示の第1の実施の形態について説明する。
【0013】
図1乃至図7は本開示の第1の実施の形態を示す図である。
【0014】
図1乃至図7に示すように、水道橋は外方へ露出する円筒状の水道管1を有し、この水道管1の上部位置には、水道管1内のエアを排出するためのエア抜きバルブ10が設置されている。
【0015】
このようなエア抜きバルブ10は、図7に示すように上部フランジ11aと下部フランジ11bとを有するバルブ本体11と、バルブ本体11内に設けられ、上下方向に移動可能なフロート弁体12とを含む。
【0016】
またバルブ本体11の上部フランジ11aには蓋体15が取り付けられ、この蓋体15に空気孔13が設けられている。そしてこの空気孔13は上下方向に移動するフロート弁体12により開閉される。
【0017】
さらにバルブ本体11の蓋体15には覆い体16が取り付けられている。
【0018】
このような構成からなるエア抜きバルブ10は、水道管1に、フランジ19aを有する取付管19と、上部フランジ18aおよび下部フランジ18bを有する連結管18を介して固定されている。この場合、取付管19のフランジ19aと連結管18の下部フランジ18bが接合され、連結管18の上部フランジ18aとエア抜きバルブ10の下部フランジ11bとが接合される(図1参照)。このように、エア抜きバルブ10を水道管1に取付管19と連結管18を介して取り付けた場合、取付管19,連結管18、およびエア抜きバルブ10は全体として全高が高くなるが、後述のように、連結管18を取り外してエア抜きバルブ10の全高を低くしてもよい(図8および図9参照))。
【0019】
図7に示すように、エア抜きバルブ10は、内部にフロート弁体12を有し、水道管1内のエアを空気孔13から外方へ自動的に放出する構造を有する。しかしながら、エア抜きバルブ10としては、水道管1内のエアを自動的に外方へ放出するものに限らず、作業者が操作レバーを操作することにより、水道管1内のエアを外方へ放出するものであってもよい。あるいは作業者がハンドルを操作することにより、水道管1内のエアを外方へ放出するものであってもよい。すなわち、エア抜きバルブとしては、図7に示すような自動的にエアを外方へ放出する構造のものに限ることなく、作業者が操作レバーあるいはハンドルを操作してエアを放出する構造のものであってもよく、エア抜きバルブの構造に関しては、特に限定されるものではない。
【0020】
このようなエア抜きバルブ10は、バルブカバー20により覆われ、このバルブカバー20は水道管1に固定される。
【0021】
図1乃至図6に示すように、エア抜きバルブ10を覆うバルブカバー20は、エア抜きバルブ10を覆うバルブカバー本体21と、バルブカバー本体21に取り付けられ、バルブカバー本体21を水道管1に固定するバンド装置23Aとを備えている。
【0022】
このうちバルブカバー本体21は天板22を有する円筒形状を有し、この天板22には吊り金具22aと、エア抜き用プラグ22bが取り付けられている。
【0023】
またバンド装置23Aは互いに上下方向に分割され、水道管1を囲む半円筒状の上半部23と、半円筒状の一対の下半部24とを有し、このうち上半部23はバルブカバー本体21に固定されている。また、半円状の一対の下半部24は、水道管1の軸線方向に互いに離間して設けられ、一対の下半部24は各々上半部23に固定されている。
【0024】
すなわち、一対の下半部24と上半部23は、後述する締結装置30により締結されて、互いに固定されるとともに、水道管1を囲んでいる。この場合、上半部23と水道管1との間に円周状に延びる帯状パッキン35が介在されている。また、円周状に延びる帯状パッキン35は、その上下位置に一対の突起35aを有し、この突起35aにより帯状パッキン35の密封性を高めることができる(図4参照)。
【0025】
次にバンド装置23Aを構成する上半部23と下半部24について詳述する。図1に示すように、上半部23は円周状に延びる帯状パッキン35を収納する開口23bを有する上半部本体23aと、上半部本体23aに溶接により固定され開口23bを覆うパッキン押さえ27とを有し、上半部23のパッキン押さえ27がバルブカバー本体21の下端に溶接により固定されている。この場合、帯状パッキン35は、バルブカバー本体21の下端周囲に円周状に延びている。
【0026】
そして上半部23の上半部本体23aの開口23b内に、円周状に延びる帯状パッキン35が収納され、この帯状パッキン35によりバンド装置23Aを水道管1外面に密封状態で取り付けることができる。
【0027】
また各下半部24には複数の水抜きプラグ36が設けられている。
【0028】
ところでバンド装置23Aの上半部23と一対の下半部24は、上述のように締結装置30により締結されている。
【0029】
具体的には、上半部23の下半部24側には取付部25が設けられ、各下半部24の上半部23側には取付部26が設けられ、上半部23の取付部25と各下半部24の取付部26を貫通してボルト31が挿入される。そしてこの取付部25,26を貫通するボルト31をナット32により締め付けることにより、上半部23と下半部24とを互いに締結し、この上半部23と下半部24とにより水道管1を囲むことができる。
【0030】
またボルト31とナット32とにより締結装置30が構成される。
【0031】
なお、図1に示すように、上半部23には片側に2個、合計4個の取付部25が設けられ、各下半部24には片側に1個、合計2個の取付部26が設けられている。
【0032】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
【0033】
まず、バルブカバー20のうち、バルブカバー本体21と、このバルブカバー本体21に固着された上半部23とを準備する。この場合、上半部23の上半部本体23aの開口23b内に予め円周状に延びる帯状パッキン35が収納されている。そしてバルブカバー本体21と上半部23を天板22の吊り金具22aに図示しないクレーンのフックに引っ掛けて吊り上げる。次にバルブカバー本体21と上半部23を、バルブカバー本体21がエア抜きバルブ10を覆うように水道管1上に載せる。この状態で水道管1の下方部に一対の下半部24を持ってきて、上半部23と各下半部24を、ボルト31とナット32とからなる締結装置30により締結する。
【0034】
このようにして、バルブカバー本体21と、上半部23と、各下半部24とを含むバルブカバー20を構成することができ、バルブカバー本体21によりエア抜きバルブ10を効果的に覆うことができる。
【0035】
この場合、水道管1に設置されたエア抜きバルブ10と、バルブカバー20とによりエア抜きバルブとバルブカバー20との組み合わせ体10Aが得られる。
【0036】
以上のように本実施の形態によれば、エア抜きバルブ10を覆うバルブカバー本体21と、バルブカバー本体21に固着された上半部23と、上半部23に締結装置30により締結された一対の下半部24とを含むバルブカバー20を水道管1に容易かつ確実に設置することができる。またバルブカバー20の上半部23に円周状に延びる帯状パッキン35が設けられ、この帯状パッキン35は上半部23の内面にバルブカバー本体21の下端周囲に沿って延びている。このことにより、水道管1上に設けられたバルブカバー本体21内を帯状パッキン35により密封状態に保つことができる。さらにバルブカバー本体21の天板22上に吊り金具22aが設けられているので、この吊り金具22aにクレーンのフックを引っ掛けることにより、バルブカバー本体21と上半部23を容易に水道管1上まで持ってくることができる。このように、水道管1のエア抜きバルブ10をバルブカバー20で覆うことができ、かつこのバルブカバー20を水道管1に容易に設置することができる。このため、水道管1のエア抜きバルブ10を適切に保護することができ、エア抜きバルブ10から漏水した水が外方へ流出することを防止できる。
【0037】
<第2の実施の形態>
次に図面を参照して本開示の第2の実施の形態について説明する。
【0038】
図8乃至図11は本開示の第2の実施の形態を示す図である。
【0039】
図8乃至図11に示すように、水道橋は外方へ露出する円筒状の水道管1を有し、この水道管1の上部位置には、水道管1内のエアを排出するためのエア抜きバルブ10が設置されている。
【0040】
第2の実施の形態によるエア抜きバルブ10は、第1の実施の形態のものと異なり、取付管19を介して水道管1に取り付けられている。このようにエア抜きバルブ10と水道管1との間から連結管18が取り除かれているため、エア抜きバルブ10の全高は第1の実施の形態に比べて低くなっている。
【0041】
エア抜きバルブ10は、内部にフロート弁体12を有し、水道管1内のエアを空気孔13から外方へ自動的に放出する構造を有する。しかしながら、エア抜きバルブ10としては、水道管1内のエアを自動的に外方へ放出するものに限らず、作業者が操作レバーを操作することにより、水道管1内のエアを外方へ放出するものであってもよい。あるいは作業者がハンドルを操作することにより、水道管1内のエアを外方へ放出するものであってもよい。すなわち、エア抜きバルブとしては、図7に示すような自動的にエアを外方へ放出する構造のものに限ることなく、作業者が操作レバーあるいはハンドルを操作してエアを放出する構造のものであってもよく、エア抜きバルブの構造に関しては、特に限定されるものではない。
【0042】
このような構成からなるエア抜きバルブ10は、水道管1に、フランジ19aを有する取付管19を介して固定されている。この場合、取付管19のフランジ19aとエア抜きバルブ10の下部フランジ11bとが接合される(図8参照)。
【0043】
このようなエア抜きバルブ10は、バルブカバー20により覆われ、このバルブカバー20は水道管1に固定される。
【0044】
図8乃至図11に示すように、エア抜きバルブ10を覆うバルブカバー20は、エア抜きバルブ10を覆うバルブカバー本体21と、バルブカバー本体21に取り付けられ、バルブカバー本体21を水道管1に固定するバンド装置23Aとを備えている。
【0045】
このうちバルブカバー本体21は天板22を有する円筒形状を有し、この天板22には吊り金具22aと、エア抜き用プラグ22bが取り付けられている。
【0046】
またバンド装置23Aは互いに上下方向に分割され、水道管1を囲む半円筒状の上半部23と、半円筒状の下半部24とを有し、このうち上半部23はバルブカバー本体21に固定されている。また、下半部24は第1の実施の形態と異なり、単一の下半部24からなる。
【0047】
また下半部24と上半部23は、後述する締結装置30により締結されて、互いに固定されるとともに、水道管1を囲んでいる。この場合、上半部23と水道管1との間に円周状に延びる帯状パッキン35が介在されている。また、円周状に延びる帯状パッキン35は、その上下位置に一対の突起35aを有し、この突起35aにより帯状パッキン35の密封性を高めることができる(図4参照)。
【0048】
次にバンド装置23Aを構成する上半部23と下半部24について詳述する。図8に示すように、上半部23は円周状に延びる帯状パッキン35を収納する開口23bを有する上半部本体23aと、上半部本体23aに溶接により固定され開口23bを覆うパッキン押さえ27とを有し、上半部23のパッキン押さえ27がバルブカバー本体21の下端に溶接により固定されている。この場合、帯状パッキン35はバルブカバー本体21の下端周囲に円周状に延びている。
【0049】
そして上半部23の上半部本体23aの開口23b内に、円周状に延びる帯状パッキン35が収納され、この帯状パッキン35によりバンド装置23Aを水道管1外面に密封状態で取り付けることができる。
【0050】
また下半部24には複数の水抜きプラグ36が設けられている。
【0051】
またバンド装置23Aの上半部23のうち、バルブカバー本体21側の上半部本体23a、およびパッキン押さえ27は上方からみてバルブカバー本体21の下端より大形に形成されているが(図10参照)、バルブカバー本体21と反対側の上半部本体23aは水道管1に沿う軸線方向の長さがバルブカバー本体21の外径より短くなっている(図8参照)。これに伴って、下半部24の水道管1に沿う軸方向の長さも、バルブカバー本体21の外径より短くなっている(図8参照)。
【0052】
またバンド装置23Aの上半部23と下半部24は、上述のように締結装置30により締結されている。
【0053】
具体的には、上半部23の下半部24側には取付部25が設けられ、下半部24の上半部23側には取付部26が設けられ、上半部23の取付部25と下半部24の取付部26を貫通してボルト31が挿入される。そしてこの取付部25,26を貫通するボルト31をナット32により締め付けることにより、上半部23と下半部24とを互いに締結し、この上半部23と下半部24とにより水道管1を囲むことができる。
【0054】
なお、図8に示すように、上半部23には片側に1個、合計2個の取付部25が設けられ、下半部24にも片側に1個、合計2個の取付部26が設けられている。
【0055】
<エア抜きバルブの取り付け構造の変形例>
上記各実施の形態において、エア抜きバルブ10は上部フランジ11aおよび下部フランジ11bを有し、下部フランジ11bと連結管18の上部フランジ18aをフランジ結合することにより、エア抜きバルブ10を水道管1に取り付けた例(図1および図2参照)、あるいは下部フランジ11bと取付管19のフランジ19aをフランジ結合することにより、エア抜きバルブ10を水道管1に取り付けた例(図8および図9参照)を示したが、これに限らず、フランジ結合ではなく、エア抜きバルブ10を溶接により水道管1に取り付けてもよい。あるいはまた、エア抜きバルブ10を水道管1と一体に成形してもよい。
【符号の説明】
【0056】
10A エア抜きバルブとバルブカバーの組み合わせ体
10 エア抜きバルブ
20 バルブカバー
21 バルブカバー本体
22 天板
23 上半部
23A バンド装置
23a 上半部本体
23b 開口
24 下半部
27 パッキン押さえ
30 締結装置
31 ボルト
32 ナット
35 帯状パッキン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11