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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】WWWサーバおよび通信制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/02 20220101AFI20220729BHJP
【FI】
H04L67/02
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019121111
(22)【出願日】2019-06-28
(65)【公開番号】P2021006971
(43)【公開日】2021-01-21
【審査請求日】2021-12-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500112146
【氏名又は名称】サイレックス・テクノロジー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】細見 雄一
【審査官】今川 悟
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0097988(US,A1)
【文献】特開2000-187628(JP,A)
【文献】特開2008-191740(JP,A)
【文献】特開2003-114838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末がHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)通信を用いてWWW(World Wide Web)サーバを経由して情報処理装置に格納されたコンテンツ情報を取得する通信システムのWWWサーバであって、
前記通信端末と相互にデータ通信を行う第一通信部と、
前記情報処理装置と相互にデータ通信を行う第二通信部と、
前記第一通信部を通じて、前記通信端末から前記情報処理装置に対するコンテンツ情報取得要求を受信したか否かを判断する要求送受信部と、
応答部と、
前記第二通信部を通じて、前記要求送受信部から前記情報処理装置に行った特定処理要求に対する応答が前記情報処理装置から受信できたか否かを判断し当該判断の結果を前記応答部に通知する取得部と、を備え、
前記応答部は、前記取得部から
(1)前記特定処理要求に関する応答情報を受信できた旨の通知を受けた場合には、正常終了および前記取得部から通知を受けた前記特定処理要求に対する応答情報を前記通信端末に送信し、
(2)前記特定処理要求に関する応答情報を受信できない旨の通知を受けた場合には、前記コンテンツ情報取得要求のリダイレクト処理を促す通知を、前記通信端末に送信する、
WWWサーバ。
【請求項2】
さらに前記応答部は、
(1)前記特定処理要求に関する応答情報を受信できた場合には、HTTP通信ステータスコード200を前記通信端末に送信し、
(2)前記特定処理要求に関する応答情報を受信できない場合には、自己のURLの再読込を促すHTTP通信ステータスコード302を前記通信端末に送信する、
請求項1に記載のWWWサーバ。
【請求項3】
通信端末がHTTP通信を用いてWWWサーバを経由して情報処理装置に格納されたコンテンツ情報を取得する通信システムにおいて実行される通信制御方法であって、
前記通信端末と相互にデータ通信を行う第一通信ステップと、
前記情報処理装置と相互にデータ通信を行う第二通信ステップと、
前記第一通信ステップを通じて、前記通信端末から前記情報処理装置に対するコンテンツ情報取得要求を受信したか否かを判断する要求送受信ステップと、
前記第二通信ステップを通じて、前記情報処理装置に行った特定処理要求に対する応答が前記情報処理装置から受信できたか否かを判断し当該判断の結果を通知する取得ステップと、
応答ステップであって
(1)前記特定処理要求に関する応答情報を受信できた旨の通知を受けた場合には、正常終了および前記取得ステップから通知を受けた前記特定処理要求に対する応答情報を前記通信端末に送信し、
(2)前記特定処理要求に関する応答情報を受信できない旨の通知を受けた場合には、前記コンテンツ情報取得要求のリダイレクト処理を促す通知を、前記通信端末に送信する、
応答ステップと、
を備える通信制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クライアント装置からWWWサーバを経由して、ユーザが所望する情報を情報処理装置から取得する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、WWW(World Wide Web)と呼ばれるインターネット通信技術が、普及し利用されている。WWWでは、情報管理者によって構築されたWWWサーバと呼ばれるホストコンピュータに対して、利用者がクライアント装置(以後、WWWクライアントとも呼ぶ)に備わるWWWブラウザと呼ばれるアプリケーションを用いてアクセスし、利用者が所望する情報を取得するという通信形態(以後、WWWシステムとも呼ぶ)がとられている。WWWブラウザは、ユーザから接続先のURL(Uniform Resource Locator)という規定に則った名前(例えば、HTTP://WWW.XXX.・・・など)でその所在を一意に指定でき、適切なWWWサーバに問い合わせてURLで指定された情報を受け取る。WWWサーバから取得した情報はHTML(Hyper Text Markup Language)と呼ばれる記述言語で記述されている。WWWブラウザは、このHTMLを解釈してHTMLページとしてクライアント装置が備える表示装置、あるいは当該クライアント装置に接続された表示装置に表示する。このように、WWWサーバから取得した情報は、WWWブラウザとWWWサーバとの間をHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)と呼ばれる手順や規約(プロトコル)に則り通信(HTTP通信プロトコルとも呼ぶ)を行う。具体的には、HTTP通信プロトコルでは、WWWブラウザがWWWサーバに向けて情報取得の要求を行う時に使用されるHTTPリクエストと、WWWサーバから情報をWWWブラウザに返信する時に使用されるHTTPレスポンスなどから構成される。
【0003】
特許文献1には、ユーザがクライアント装置に備えるWebブラウザ(WWWブラウザとも言う)を用いて、ホスト計算機上で処理された情報を取得するために上述したWWWシステムを用いる通信システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-222124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1に記載の通信システムのようなWWWサーバとホスト計算機との間の通信において、ホスト計算機はユーザ(クライアント装置)からの処理要求に常に応答できるとは限らない。例えば、ホスト計算機が他のクライアント装置との通信における演算処理をしているために規定の時間内にWWWサーバからの要求に応答できない場合や、WWWサーバとホスト計算機との間で通信処理能力(通信システムの仕様)を超えてしまう場合などにより、WWWサーバとホスト計算機との通信そのものが行えないことなどである。このように、クライアント装置(WWWクライアント)からの要求(例えばHTTPリクエスト)に対し、WWWサーバが正常な応答ができない場合には、WWWシステムでは通常、エラーである旨の情報をクライアント装置に返す。
【0006】
しかしながら、ユーザは、当該エラーである旨の情報をクライアント装置に備わるWWWブラウザ上で閲覧することになり、原因も分からず、不快感を抱き得る。
【0007】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、ユーザがWWWブラウザを介して情報処理装置から取得したい情報を取得するWWWシステムにおいて、ストレスのない閲覧ができる通信システムなどを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るWWWサーバは、通信端末がHTTP通信を用いてWWWサーバを経由して情報処理装置に格納されたコンテンツ情報を取得する通信システムのWWWサーバであって、通信端末と相互にデータ通信を行う第一通信部と、情報処理装置と相互にデータ通信を行う第二通信部と、第一通信部を通じて、通信端末から情報処理装置に対するコンテンツ情報取得要求を受信したか否かを判断する要求送受信部と、応答部と、第二通信部を通じて、要求送受信部から情報処理装置に行った特定処理要求に対する応答が情報処理装置から受信できたか否かを判断し当該判断の結果を応答部に通知する取得部とを備え、その応答部は、取得部から(1)特定処理要求に関する応答情報を受信できた旨の通知を受けた場合には、正常終了および取得部から通知を受けた特定処理要求に対する応答情報を通信端末に送信し、(2)特定処理要求に関する応答情報を受信できない旨の通知を受けた場合には、コンテンツ情報取得要求のリダイレクト処理を促す通知を、通信端末に送信する。ここで、リダイレクト処理とは、後で詳細に説明するが、ユーザがWWWブラウザ上で最初に入力したURLを再読込する処理である。また、WWWサーバは、単独のWWWサーバ装置に限らず、後述のとおり、情報処理装置内に組み込まれる形態のものも包含する。また、この場合、WWWサーバは、情報処理装置が備えるCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、記憶装置、および通信インタフェースなどのハードウェア、並びにROMに記憶されるプログラムをCPUが実行することによっても実現され得る。
【0009】
これによれば、通信端末がHTTP通信を用いてWWWサーバを経由して情報処理装置に格納されたコンテンツ情報を取得する通信システムにおいて、WWWサーバは、通信端末から情報処理装置に対しコンテンツ情報の取得要求があった場合に情報処理装置が応答できない場合でも、通信端末にエラー情報を返信することなく、コンテンツ情報の取得要求を再処理するように制御できる。これにより、ユーザは通信端末上のWWWブラウザで不意にエラー表示を閲覧することを抑制できる。
【0010】
また、好ましくは、応答部は、(1)特定処理要求に関する応答情報を受信できた場合には、HTTP通信ステータスコード200を通信端末に送信し、(2)特定処理要求に関する応答情報を受信できない場合には、自己のURLの再読込を促すHTTP通信ステータスコード302を通信端末に送信する。
【0011】
これによれば、WWWサーバは、通信端末から情報処理装置に対しコンテンツ情報の取得要求があった場合に、情報処理装置の応答可否により、その応答可否に応じてそれぞれ別のHTTP通信ステータスコードを通信端末に送信する。これにより、コンテンツ情報が取得できない状況下でも、通信端末上のWWWブラウザで不意にエラー表示が表示されることを抑制できる。
【0012】
また、本発明の一態様に係る通信制御方法は、通信端末がHTTP通信を用いてWWWサーバを経由して情報処理装置に格納されたコンテンツ情報を取得する通信システムにおいて実行される通信制御方法であって、通信端末と相互にデータ通信を行う第一通信ステップと、情報処理装置と相互にデータ通信を行う第二通信ステップと、第一通信ステップを通じて、通信端末から情報処理装置に対するコンテンツ情報取得要求を受信したか否かを判断する要求送受信ステップと、第二通信ステップを通じて、情報処理装置に行った特定処理要求に対する応答が情報処理装置から受信できたか否かを判断し当該判断の結果を通知する取得ステップと、応答ステップであって(1)特定処理要求に関する応答情報を受信できた旨の通知を受けた場合には、正常終了および取得ステップから通知を受けた特定処理要求に対する応答情報を通信端末に送信し、(2)特定処理要求に関する応答情報を受信できない旨の通知を受けた場合には、コンテンツ情報取得要求のリダイレクト処理を促す通知を、通信端末に送信する。
【0013】
これによれば、上記のWWWサーバと同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0014】
本発明にかかる通信システムは、WWWブラウザの閲覧時に、エラー表示による不快感を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の実施の形態にかかる通信システムの全体図である。
図2図2は、本発明の実施の形態にかかるWWWサーバ装置の機能ブロック図である。
図3図3は、本発明の実施の形態にかかるWWWサーバ装置の通信処理フローの図である。
図4図4は、本発明の実施の形態にかかる通信システムの情報処理シーケンスの図である。
図5図5は、従来技術における通信システムの全体図である。
図6図6は、従来技術における通信システムの情報処理シーケンスの図である。
図7図7は、従来技術における通信システムの通信端末に備わるWWWブラウザ表示の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0017】
以下の実施の形態で示される数値、構成要素、構成要素の配置位置などは、一例であり、発明の範囲内において種々の変形や変更が可能である。なお、同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0018】
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態にかかる通信システム100の全体図である。
【0019】
図1に示されるように、通信システム100は、WWWサーバ装置1と、通信端末2と、情報処理装置3と、通信リンク5および6とを備える。
【0020】
通信システム100は、通信端末2がWWWサーバ装置1を経由して情報処理装置3に格納されたコンテンツ情報(例えば、画像、動画、テキストファイルなど)を取得する通信システムである。
【0021】
WWWサーバ装置1と通信端末2とは、通信リンク5を通じて相互にデータ通信を行う。通信リンク5は、IEEE802.11a、b、g、n規格等に適合する無線LAN(Local Area Network)、あるいはIEEE802.3規格等に適合する有線LANで実現され得る。
【0022】
WWWサーバ装置1と情報処理装置3とは、通信リンク6を通じて相互にデータ通信を行う。通信リンク6は、IEEE802.11a、b、g、n規格等に適合する無線LAN(Local Area Network)、あるいはIEEE802.3規格等に適合する有線LANで実現されてもよいし、有線ケーブル(例えば、USBケーブル)でローカル接続されてもよい。また、通信リンク6は、WWWサーバ装置1と情報処理装置3との間を信号線によって接続されていてもよい。つまり、通信リンク6は、WWWサーバ装置1と情報処理装置3とを接続する基板上の配線であってもよい。
【0023】
WWWサーバ装置1は、通信システム(WWWシステム)100におけるWWWサーバ機能を担う装置である。具体的には、通信端末2(WWWクライアント)に備わるWWWブラウザと呼ばれるアプリケーションからの情報取得要求を受けて、当該アプリケーションが指定したURL上の特定の情報を取得し、HTTP通信によって、通信端末2に情報を応答する機能を担う。また、WWWサーバ装置1は、本実施の形態では情報処理装置3とは別体の装置として説明するが、情報処理装置3の内部にWWWサーバ機能(単に、WWWサーバとも呼ぶ)として、備わっていてもよい。
【0024】
通信端末2は、通信インタフェースを備え、通信リンク5を通じてWWWサーバ装置1を介して情報処理通信3とデータ通信を行う通信端末である。例えば、通信端末2は、パソコン、タブレット端末、および携帯端末などである。通信端末2は、WWWブラウザ(例えば、Internet Explorer(登録商標))を備えている。ユーザは、当該WWWブラウザを用いて、WWWサーバ装置1を介して情報処理通信3の特定の情報を取得するためにコンテンツ情報取得要求を行う。
【0025】
情報処理装置3は、複数のコンテンツ情報を管理しているサーバ装置である。例えば、社内のネットワーク上に設置されたコンピュータであってもよいし、コンピュータ周辺機器であってもよく、この場合、本実施の形態において説明するWWWサーバ装置1はこのコンピュータ周辺機器に組み込まれ、ネットワーク通信機能とWWWサーバ機能その他実施の形態で述べる機能を担う一部分となってもよい。
【0026】
情報処理装置3は、さらに演算処理部10および応答部11を備える。
【0027】
演算処理部10は、通信端末2からWWWサーバ装置1を介して、コンテンツ情報取得要求を受信すると、情報処理装置3の内部でデータ処理(情報処理)を行う演算処理部である。ここで、演算処理部10が行うデータ処理(情報処理)とは、例えば、OS(Operating System)を通じて情報処理装置3のCPUがメモリや記憶装置との間で行う信号処理である。具体的には、特定のメモリアドレスに格納された情報をロードしたり、外部の通信装置から通知された制御情報に基づいて情報処理装置3に備わる印刷機能や画像読取り機能に関してデータ処理を行い、その処理結果を外部の通信装置に応答する処理などである。
【0028】
応答部11は、通信端末2からWWWサーバ装置1を介して、演算処理部10にコンテンツ情報取得要求を通知する。また、応答部11は、当該演算処理部10で処理生成された情報をWWWサーバ装置1を介して、通信端末2に応答する。
【0029】
演算処理部10および応答部11は、情報処理装置3が備える図示しないCPU、メモリ、記憶装置、印刷装置、画像読取り装置などで実現される。
【0030】
図2は、本発明の実施の形態にかかるWWWサーバ装置1の機能ブロック図である。
【0031】
図2に示すWWWサーバ装置1は、第一通信部20、第二通信部21、要求送受信部22、取得部23、応答部24などを備えている。なお、これら各部は、本発明の実施の形態にかかるWWWサーバ装置1に備わるとして、実施の形態では説明を行うが、これに限定されることなく、情報処理装置3に備わってもよい。また、この場合、これら各部は、情報処理装置3に備わるCPU、ROM、RAM、記憶装置、および通信インタフェースなどのハードウェア、並びにROMに記憶されるプログラムをCPUが実行することによっても実現される。
【0032】
第一通信部20は、通信端末2と通信リンク5を通じて相互にデータ通信を行う。具体的には、通信端末2に備わるWWWブラウザに入力されたURLなどをもとに通信端末2と間でHTTP通信が行われる。
【0033】
第二通信部21は、情報処理装置3と通信リンク6を通じて相互にデータ通信を行う。
【0034】
要求送受信部22は、第一通信部20を通じて、通信端末2から情報処理装置3に対するコンテンツ情報取得要求(例えば、情報処理装置3に格納されたファイルの情報取得要求)を受信したか否かを判断する。要求送受信部22は、当該コンテンツ情報取得要求を受けた場合には、当該コンテンツ情報取得要求を解析し、第二通信部21を通じて、情報処理装置3に向けて特定処理要求を送信し、その旨を取得部23に通知する。一方、要求送受信部22は、当該コンテンツ情報取得要求を受けていない場合には、第一通信部20からのコンテンツ情報取得要求を受信するまで待機する。ここで、要求送受信部22が行うコンテンツ情報取得要求の解析とは、通信端末2から受信したHTTPリクエストに格納された情報取得要求(例えば、情報処理装置3に格納されたファイル)を特定し、特定処理要求を生成することである。そして、要求送受信部22は、情報処理装置3に向けて特定処理要求(例えば、情報処理装置3に格納されたファイル名)として送信する。
【0035】
取得部23は、要求送受信部22から情報処理装置3に行った特定処理要求に対する応答が、第二通信部21を通じて、情報処理装置3から受信できたか否かを判断する。取得部23は、当該応答を受信できた場合には、特定処理要求に関する応答情報(例えば、情報処理装置3に格納された特定のファイルの情報を含む)を応答部24に通知する。一方、取得部23は、当該応答を受信できない場合には、応答部24に応答を返せない旨を通知する。つまり、取得部23は、エラー応答を行う。ここで、応答を返せない理由とは、情報処理装置3の処理が通信端末2からの要求に規定時間内に応答できない、あるいは、WWWサーバ装置1と情報処理装置3との間でデータ送受信ができないなどの障害(例えば、後に詳細に説明するセッション処理の未完了など)である。
【0036】
応答部24は、取得部23からの通知(情報処理装置3からの応答情報の有無)をもとに、以下の動作を行う。(1)情報処理装置3から特定処理要求に関する応答情報を受信できた場合-HTTP通信プロトコルのステータスコード「200」(正常終了)、および取得部23から通知を受けたコンテンツ情報取得要求に対する応答情報をHTTPレスポンスとして、第一通信部20を通じて、通信端末2に送信する。(2)情報処理装置3から応答を受信できず、通信端末2に応答を返せない場合-HTTP通信プロトコルのエラーコード「302」(リダイレクト)をHTTPレスポンスとして、第一通信部20を通じて、通信端末2に送信する。なお、通常このような場合は、後述するとおり、エラーコード「500」(Internal Server Error)を返すのが一般的であるが、そうすると、通信端末の画面にはエラーである旨の情報だけが表示され、ユーザは、原因も分からず、不快感を抱き得る。一方、本発明では、サーバ装置2は意図的にエラーコード「302」を送信し、かつ同一のURLにリダイレクトさせることにより、通信端末は再度同じコンテンツ情報取得要求を行うので、エラー画面を見ることを回避できるのである。
【0037】
つぎに、図3を参照しながら、本発明の実施の形態にかかるWWWサーバ装置の通信処理フローについて、順をおって説明する。
【0038】
図3は、本発明の実施形態における動作を説明するため、一例として、ユーザが通信端末2に備わるWWWブラウザからWWWサーバ装置1を介し情報処理装置3に格納された特定のファイルの情報を取得する(ファイル取得とも呼ぶ)例におけるWWWサーバ装置の処理フローを説明する。なお、本発明の実施の形態にかかる図3の例では、特定のファイルを取得することで説明するが、これに限らず、情報処理装置3において何かしらのデータ処理(例えば、演算処理、情報取得処理)を通信端末2から実行する場合にも適用できる。なお、通信端末2とWWWサーバ装置との間で行われるHTTP通信において、通信端末2から情報処理装置3に向けて送信するコンテンツ情報取得要求はHTTPリクエストのフォーマットで送信され、情報処理装置3から通信端末2に向けて送信する応答情報は、HTTPレスポンスのフォーマットで送信される。
【0039】
ステップS31にて、要求送受信部22は、第一通信部20を通じて、通信端末2から情報処理装置3に格納されたコンテンツ情報取得要求(ファイルの情報取得要求)を受信したか否かを判断する。要求送受信部22は、コンテンツ情報取得要求を受けた場合には、ステップS32に遷移する(ステップS31のYes)。一方、コンテンツ情報取得要求を受信していない場合には、ステップS31を繰り返す(ステップS31のNo)。
【0040】
ステップS32にて、要求送受信部22は、情報処理装置3に向けて、特定処理要求を送信し、当該特定処理要求を送信した旨を取得部23に通知する。
【0041】
ステップS33にて、取得部23は、ステップS32で行った情報処理装置3に対する特定処理要求の応答を第二通信部21を通じて、情報処理装置3から受信できたか否かを判断し、その結果を応答部24に通知(受信結果)する。取得部23は、応答を受信できた場合には、ファイルの情報および特定処理要求に関する応答情報を応答部24に通知し、ステップS35に遷移する(ステップS33のYes)。一方、応答を受信できない場合には、応答部24に応答情報を受信できない旨を通知し、ステップS34に遷移する(ステップS33のNo)。
【0042】
ステップS34にて、応答部24は、第一通信部20を通じて、ユーザによりWWWブラウザ上に入力されたURL(自己のURL)の再読込を促すべく、HTTP通信プロトコルのエラーコード「302」をHTTPレスポンスとして、通信端末2に送信し、ステップS31に戻って処理を繰り返す。
【0043】
ステップS35にて、応答部24は、第一通信部20を通じて、HTTP通信プロトコルの表示コード「200」および、ステップS33にて取得部23から通知を受けた特定処理要求に関する応答情報(特定のファイルの情報を含む)をHTTPレスポンスとして、通信端末2に送信する。
【0044】
ここで、ステップS34にて、通信端末2は、情報処理装置3からHTTP通信プロトコルのステータスコード「302」を受信すると、自装置に備わるWWWブラウザにて情報処理装置3に格納された特定のファイルの情報を取得要求する処理を繰り返す。このとき、ユーザには、WWWブラウザはユーザがファイル取得要求処理を行った際の画面情報を引き続き表示しているように認識させるとともに、通信端末2の内部処理では受信したHTTP通信プロトコルのステータスコード「302」(リダイレクト)をもとに再読込(リダイレクト処理)が行われ、コンテンツ情報取得要求が繰り返される。一方、ステップS35にて、通信端末2は、HTTP通信プロトコルのステータスコード「200」(正常終了)および、ステップS33にて取得部23から通知を受けたファイルの情報(コンテンツ情報取得要求をした情報)を受信すると、自装置に備わるWWWブラウザ上に当該ファイルの情報を表示する。
【0045】
つぎに、図4を参照しながら、本発明の実施の形態にかかる通信システムの情報処理シーケンスについて、順をおって説明する。
【0046】
図4は、本発明の実施形態における動作を説明するため、一例として、ユーザが通信端末2に備わるWWWブラウザからWWWサーバ装置1を介し情報処理装置3に格納された特定のファイルの情報を取得する(ファイル取得とも呼ぶ)例を説明する。
【0047】
ステップS401にて、通信端末2(WWWクライアント相当)は、ユーザからの指示をもとにWWWサーバ装置1を介して情報処理装置3に向けてコンテンツ情報取得要求を送信する。具体的には、ユーザからの指示は、通信端末2に備わるWWWブラウザ上で入力され、当該入力された指示に応じて、HTTP通信(HTTPリクエスト)でWWWサーバ装置1にコンテンツ情報取得要求として送信される。
【0048】
ステップS402にて、WWWサーバ装置1は、HTTP通信で受信した通信端末2からのコンテンツ情報取得要求を解析し、情報処理装置3に向けて通信端末2のユーザが所望する情報を特定処理要求として送信する。
【0049】
ステップS403にて、情報処理装置3の応答部11は、WWWサーバ装置1からの通知(ステップS402の特定処理要求)を受信し、演算処理部10に情報処理(具体的にはファイル情報取得処理)を要求(通知)する。
【0050】
ステップS404にて、情報処理装置3の演算処理部10は、応答部11にステップS403の情報処理に対する応答を通知する。ここで、演算処理部10は、ファイル情報取得処理が完了していないため、応答部11に処理が未完了である旨を通知する。
【0051】
ステップS405にて、情報処理装置3の応答部11は、WWWサーバ装置1に向けて、ステップS402で要求された特定処理要求に対する応答として、情報処理装置3での処理が未完了である旨の通知(応答不可)を送信する。
【0052】
ステップS406にて、WWWサーバ装置1は、ステップS405の通知(情報処理装置3での処理が未完了である旨)をもとに、HTTP通信プロトコルのステータスコード「302」(同一URLにリダイレクト)を通信端末2に送信する。
【0053】
ステップS407にて、通信端末2は、受信した当該ステータスコード「302」をもとに、再びステップS401同様、WWWサーバ装置1を介して情報処理装置3に向けてコンテンツ情報取得要求を送信する。つまり、ユーザがWWWブラウザ上で先に入力したコンテンツ情報取得要求を再読込(リダイレクト処理)する。
【0054】
つぎに、ステップS401からステップS403までの処理が再度行われ、ファイル情報取得処理が依然完了していないためステップS404からS407までの処理が行われる(図4の(B)参照)、本例では再び、WWWサーバ装置1からコード「302」が通信端末2に送信され、ステップS401からステップS403までの処理(2度目の再処理)が行われる。
【0055】
そして、2度目の再処理では、ステップS410にて、情報処理装置3の演算処理部10は、ステップS402で要求された特定処理要求に対する応答として、情報処理装置3での処理が完了した旨の通知および特定処理要求に対する応答情報を応答部11に通知する。
【0056】
ステップS411にて、情報処理装置3の応答部11は、特定処理要求に対する応答情報である特定のファイルの情報をWWWサーバ装置1に送信する。
【0057】
ステップS412にて、WWWサーバ装置1は、HTTP通信(HTTPレスポンス)で、HTTP通信プロトコルのステータスコード「200」および当該特定のファイルの情報を通信端末2に送信する。そして、通信端末2は、ステップS412にて取得した当該特定のファイルの情報をWWWブラウザ上に表示する。
【0058】
つぎに、図5図6、および図7を用いて、従来の通信システムについて説明する。
【0059】
図5および図6は、従来技術にかかる通信システムの構成、および情報処理シーケンスを示している。また、図7は、従来技術にかかる通信システムの通信端末が備えるモニタの画面上に表示されるWWWブラウザ画面の一例を示している。
【0060】
以下の従来技術にかかる通信システム110では、通信端末2のユーザが情報処理装置3に格納されたデータファイル(図7のURL71に記載のファイル名Sample.txt)の情報を取得する前提で以下の説明をする。
【0061】
図5に示される通信システム110は、本発明の実施形態にかかる通信システム100のシステム構成と比べ、WWWサーバ装置101が異なっている。なお、図1と同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0062】
図6は通信システム110の情報処理の一例を示す処理シーケンス図である。
【0063】
図6は、本発明の実施形態における動作を説明するため、一例として、ユーザが通信端末2に備わるWWWブラウザからWWWサーバ装置101を介し情報処理装置3に格納された特定のファイルの情報を取得要求し、情報処理装置3からWWWサーバ装置101に取得要求に対する取得処理が完了していない旨(処理が未完了の応答)が通知されることを前提に説明する。なお、本発明の実施の形態にかかる図6の例では、特定のファイルを取得することで説明するが、これに限らず、情報処理装置3において何かしらのデータ処理(例えば、演算処理、情報取得処理)を通信端末2から実行する場合にも、以下に示すのと同様の問題が生じる。以下、図6の各ステップを順に説明する。
【0064】
ステップS601にて、通信端末2(WWWクライアント相当)は、ユーザからの指示をもとにWWWサーバ装置101を介して情報処理装置3に向けてコンテンツ情報取得要求を送信する。具体的には、ユーザからの指示は、通信端末2に備わるWWWブラウザ上で入力され、当該入力された指示に応じて、HTTP通信(HTTPリクエスト)でWWWサーバ装置101にコンテンツ情報取得要求として送信される。
【0065】
ステップS602にて、WWWサーバ装置101は、HTTP通信(HTTPリクエスト)で受信した通信端末2からのコンテンツ情報取得要求を解析し、情報処理装置3に向けて通信端末2のユーザが所望する情報を特定処理要求を送信する。
【0066】
ステップS603にて、情報処理装置3の応答部11は、WWWサーバ装置101からの通知(ステップS602の特定処理要求)を受信し、演算処理部10に情報処理(具体的にはファイル情報取得処理)を要求する。
【0067】
ステップS604にて、情報処理装置3の演算処理部10は、応答部11にステップS603の情報処理に対する応答を送信する。ここで、演算処理部10は、ファイル情報取得処理が完了していないため、応答部に処理が未完了である旨の通知を送信する。
【0068】
ステップS605にて、情報処理装置3の応答部11は、WWWサーバ装置101に向けて、ステップS602で要求された特定処理要求に対する応答として、情報処理装置3での処理が未完了である旨(応答不可)を通知する。
【0069】
ステップS606にて、WWWサーバ装置101は、ステップS605の通知(情報処理装置3での処理が未完了である旨)を受けて、HTTP通信プロトコルのエラーコードであるステータスコード「500」(Internal Server Error)を通信端末2に送信する。そして、通信端末2は、当該ステータスコードをもとに自装置が備えるWWWブラウザ上にエラー情報を表示する。より具体的には、通信端末2は、ステップS601で通信端末2(WWWクライアント相当)がユーザからの指示をもとにWWWサーバ装置101を介して情報処理装置3に向けてコンテンツ情報取得要求に対し、WWWサーバ装置101を介して、エラー応答(処理が未完了である応答)を受信した場合に、例えば図7の表示領域72に「このページを表示できません」などが表示される。
【0070】
図7は、通信端末2に備わるWWWブラウザの画面の一例を示している。
【0071】
図7は、WWWブラウザ画面70、URL表示部71、および表示領域72などを備える。
【0072】
WWWブラウザ画面70は、通信端末2に備わるモニタ(図示しない)上に表示されたWWWブラウザ全体の画像である。
【0073】
URL表示部71は、通信端末2のユーザがWWWブラウザを用いて、WWWサーバ装置を介して、特定の情報が存在する場所を示すものである。例えば、情報処理装置3に格納されたデータファイルの情報を取得するために入力されるURLは、「http://xxx.com/sample.txt」などである。
【0074】
表示領域72は、URL表示部71に記載の内容に基づいた情報、およびHTTP通信の各種ステータスコードに準拠した内容をWWWブラウザ上に表示する領域である。
【0075】
上記、従来の通信システムでは、通信端末のユーザがWWWブラウザを用いて、WWWサーバ装置を介して、情報処理装置から特定の情報を取得する場合において、WWWサーバ装置に情報処理装置から情報処理が未完了である旨の通知が送信された場合には、通信端末にエラー応答をそのままに送信していたため、通信端末のユーザは、当該エラーである旨の情報(例えば、「このページを表示できません」)をWWWブラウザ上で閲覧することになり、エラーの原因も詳細に分からず、不快感を抱いていた。
【0076】
ここで、当該エラーである旨の情報が表示される場合には、情報処理装置の処理が通信端末からの要求に規定時間内に応答できない場合や、WWWサーバ装置と情報処理装置間でデータ送受信ができない場合などの障害が一例として挙げられる。
【0077】
実施の形態にかかる通信システムでは、情報処理装置から応答できない場合を情報処理装置に格納されたファイルを取得する例を用いて説明したが、これに限らず、情報処理が何かしらの理由でエラーである旨の情報をWWWサーバ装置経由で通信端末に送信する場合に適用できる。
【0078】
例えば、WWWサーバ装置と情報処理装置間でデータ送受信ができない別の障害例として、WWWブラウザでの通信で使う暗号化プロトコルであるSSL(secure sockets layer)でのセッション処理が完了していないことが考えられる。より具体的には、SSLを使ったWWWサイトへのアクセスでは実際のデータ転送に先だって,WWWブラウザとWWWサーバ装置がSSLで使う暗号の仕様についてやりとりして合意(セッション処理)をしてから,暗号化したデータを転送する。そして、この転送で利用するセッション処理が一度なされると、その後の暗号の仕様に関する処理の確認は不要になる。このようなセッション処理が完了しない状況は、通常、通信ネットワークの遅延や他のセッション処理が行われているときに、通信端末からの要求に対し応答を一定期間で返せないことが多い。よって、それら原因が解消すれば、正常な通信処理として完了し、情報処理装置から通信端末にエラー応答が送信されることもない。ここで、通信端末からの要求に対し応答を返せない期間は、せいぜい数百msである。
【0079】
そこで、上述したように本発明の実施の形態にかかる通信システムでは、エラー応答をWWWサーバ装置がそのままに通信端末に送信するのではなく、予め定めた一定期間の間、HTTP通信プロトコルステータスコード「302」を応答することで、通信端末のWWWブラウザ上で、リダイレクト処理を繰り返し、エラーの解消を待つ。このようにすることで、通信端末のユーザがWWWブラウザ上でエラー情報を閲覧することなく、ユーザの所望する情報の要求(コンテンツ情報取得要求)に対し、あたかもエラーが生じなかったかのように、WWWブラウザ上の画面にコンテンツ情報を掲示し、ユーザの不快感を軽減できる(解消できる)。
【産業上の利用可能性】
【0080】
WWWシステムにおいて、ユーザ(WWWクライアント)がWWWブラウザを用いて、WWWサーバ(装置)を介して、情報処理装置から特定の情報を取得する場合に、情報処理が何かしらの理由でエラーである旨の情報を通信端末に送信する場合に適用できる。
【符号の説明】
【0081】
1、101 WWWサーバ装置
2 通信端末
3 情報処理装置
5、6 通信リンク
10 演算処理部
100、110 通信システム
20 第一通信部
21 第二通信部
22 要求送受信部
23 取得部
11、24 応答部
70 WWWブラウザ画面
71 URL表示部
72 表示領域

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7