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特許7113539口腔洗浄器用の水圧送装置及び口腔洗浄器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】口腔洗浄器用の水圧送装置及び口腔洗浄器
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/02 20060101AFI20220729BHJP
   A61C 17/028 20060101ALI20220729BHJP
【FI】
A61C17/02 J
A61C17/02 B
A61C17/028
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020191014
(22)【出願日】2020-11-17
(65)【公開番号】P2022049636
(43)【公開日】2022-03-29
【審査請求日】2020-11-17
(31)【優先権主張番号】202010972853.7
(32)【優先日】2020-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520047185
【氏名又は名称】深▲セン▼市耐菲爾醫療器械科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】NICEFEEL MEDICAL DEVICE TECHNOLOGY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】201, NO. 30 BLDG, LONGWANGMIAO INDUSTRIAL PARK, BAISHIXIA COMMUNITY, FUYONG STREET, BAO’AN DISTRICT, SHENZHEN, GUANGDONG 518104, PEOPLE’S REPUBLIC OF CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 青
(72)【発明者】
【氏名】劉 小 文
(72)【発明者】
【氏名】李 進 峰
(72)【発明者】
【氏名】劉 信 全
(72)【発明者】
【氏名】周 剛
(72)【発明者】
【氏名】王 剛
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-180786(JP,A)
【文献】特開平05-161663(JP,A)
【文献】実開昭59-188988(JP,U)
【文献】特開2003-265504(JP,A)
【文献】特開2017-029367(JP,A)
【文献】特開2012-055395(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 17/00 - 17/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔洗浄器用の水圧送装置であって、
取付座と、
第一の回転軸線の周りに回転可能に前記取付座に接続されるとともに、前記第一の回転軸線から偏心して設けられる第一の伝動部材を含む伝動アセンブリと、
前記第一の回転軸線に直交する第一の方向に往復移動可能に前記取付座に設けられるとともに、前記第一の伝動部材に組付け、前記第一の伝動部材が前記第一の回転軸線の周りに回転する過程で前記第一の方向に往復移動される接続部材と、
前記接続部材に着脱可能に接続され、前記接続部材に従って前記第一の方向に往復移動するピストンと、を含み、
前記接続部材は、前記第一の方向に沿って縦長に延在する一つのストッパ溝を有し、
前記水圧送装置は、ストッパ軸をさらに含み、
前記ストッパ軸は、前記取付座に固定的に接続されるとともに、前記第一の回転軸線に平行な方向に縦長に延在し、
前記ストッパ軸は、前記ストッパ溝を貫通し、
前記第一の伝動部材は、前記第一の方向において前記接続部材に対して移動不可であり、
前記第一の伝動部材は、前記第一の回転軸線及び前記第一の方向に直交する第二の方向において、前記接続部材に対して往復移動可能である
とを特徴とする口腔洗浄器用の水圧送装置。
【請求項2】
前記伝動アセンブリは、第二の伝動部材をさらに含み、
前記第二の伝動部材は、前記第一の回転軸線の周りに回転可能に前記取付座に設けられ、
前記第一の伝動部材は、前記第二の伝動部材に固定的に接続される
ことを特徴とする請求項に記載の口腔洗浄器用の水圧送装置。
【請求項3】
前記ストッパ軸の中心軸は、前記第一の回転軸線と一致し、
前記第二の伝動部材は、前記第一の回転軸線の周りに回転可能に前記ストッパ軸に接続される
ことを特徴とする請求項に記載の口腔洗浄器用の水圧送装置。
【請求項4】
前記接続部材は、組付キャビティを有し、
前記第一の伝動部材は、前記組付キャビティ内に配置されるとともに、円柱状に形成され、
前記組付キャビティの前記第一の方向における内径は、前記第一の伝動部材の直径に等しく、
前記組付キャビティの前記第二の方向における内径は、前記第一の伝動部材の前記第一の回転軸線の周りに回転する経路の直径と、前記第一の伝動部材の直径との和に等しい
ことを特徴とする請求項に記載の口腔洗浄器用の水圧送装置。
【請求項5】
前記取付座に固定的に接続されるとともに、前記第一の伝動部材に伝動可能に接続され、前記第一の伝動部材を前記第一の回転軸線の周りに回転させるように駆動する駆動部材をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の口腔洗浄器用の水圧送装置。
【請求項6】
前記駆動部材の駆動端に固定的に接続され、前記第一の回転軸線に平行な第二の回転軸線の周りに回転するように前記駆動部材によって駆動されるとともに、前記第一の伝動部材に伝動可能に接続される第三の伝動部材をさらに含む
ことを特徴とする請求項に記載の口腔洗浄器用の水圧送装置。
【請求項7】
前記取付座に設けられる圧送シリンダをさらに含み、
前記ピストンは、前記第一の方向に往復移動可能に前記圧送シリンダに設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の口腔洗浄器用の水圧送装置。
【請求項8】
請求項1~のいずれか一項に記載の口腔洗浄器用の水圧送装置を備えることを特徴とする口腔洗浄器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔の洗浄及びケアをする機器の技術分野に関し、特に口腔洗浄器用の水圧送装置及び口腔洗浄器に関する。
【背景技術】
【0002】
口腔洗浄器は、口腔を洗浄する補助的な工具であり、パルス水流の衝撃を利用して歯面及び歯間の残留物を洗浄することで機能する。従来の口腔洗浄器は主に、卓上型口腔洗浄器及び携帯型口腔洗浄器に分けられる。
【0003】
ここで、卓上型口腔洗浄器は自宅で用いられることが多く、一般的に、タンク、水圧送装置及びノズルを備える。水圧送装置は、一般的に、圧送シリンダ、圧送シリンダ内で往復移動可能なピストン、及びピストンに伝動可能に接続されるリンクを備える。従来の水圧送装置は、リンクの一端が扇形に回動し、他端が先端に従って回動しながらピストンを圧送シリンダ内で往復移動させる。しかし、リンクとピストンとが球状嵌合により接続され、装着隙間が存在しているため、往復移動中に大きな衝突騒音が発生するだけでなく、リンクの往復運動を起動する際に、起動抵抗も大きい。
【発明の概要】
【0004】
これに鑑みて、従来の水圧送装置の騒音が大きく、起動時の抵抗が大きいという問題について、騒音及び起動時の抵抗を効果的に低減することができる口腔洗浄器用の水圧送装置及び口腔洗浄器を提供する必要がある。
【0005】
本発明に係る口腔洗浄器用の水圧送装置は、
取付座と、
第一の回転軸線の周りに回転可能に前記取付座に接続されるとともに、前記第一の回転軸線から偏心して設けられる第一の伝動部材を含む伝動アセンブリと、
前記第一の回転軸線に直交する第一の方向に往復移動可能に前記取付座に設けられるとともに、前記第一の伝動部材に組付け、前記第一の伝動部材が前記第一の回転軸線の周りに回転する過程で前記第一の方向に往復移動される接続部材と、
前記接続部材に着脱可能に接続され、前記接続部材に従って前記第一の方向に往復移動するピストンとを含む。
【0006】
上記の水圧送装置を設けることにより、接続部材が第一の方向に往復移動するように取付座に設けられ、第一の伝動部材が第一の方向に直交する第一の回転軸線の周りに回転可能であるとともに接続部材に組付け、第一の回転軸線は第一の伝動部材から偏心して設けられる。そのため、第一の伝動部材が第一の回転軸線の周りに回転する過程では第一の方向に往復移動するので、接続部材を第一の方向に往復移動させることができ、接続部材の第一の方向に沿った往復移動はピストンを第一の方向に往復移動させることができる。このように、従来の回動するリンクによりピストンを往復移動させるのに比べて、接続部材は第一の方向に沿った往復移動を行い、回動することはないので、衝突騒音を効果的に低減することができる。また、接続部材は回動しないので、接続部材は、第一の伝動部材からの第一の方向に沿った動力を受けるだけでよく、起動時の抵抗が小さい。
【0007】
一実施例において、前記接続部材は、前記第一の方向に沿って縦長に延在する一つのストッパ溝を有する。前記水圧送装置は、ストッパ軸をさらに含む。前記ストッパ軸は、前記取付座に固定的に接続されるとともに、前記第一の回転軸線に平行な方向に縦長に延在する。前記ストッパ軸は、前記ストッパ溝を貫通し、前記接続部材を前記第一の方向に往復移動させる。
【0008】
一実施例において、前記伝動アセンブリは、第二の伝動部材をさらに含む。前記第二の伝動部材は、前記第一の回転軸線の周りに回転可能に前記取付座に設けられる。前記第一の伝動部材は、前記第二の伝動部材に固定的に接続される。
【0009】
一実施例において、前記ストッパ軸の中心軸は、前記第一の回転軸線と一致する。前記第二の伝動部材は、前記第一の回転軸線の周りに回転可能に前記ストッパ軸に接続される。
【0010】
一実施例において、前記第一の伝動部材は、前記第一の方向において前記接続部材に対して移動不可である。前記第一の伝動部材は、前記第一の回転軸線及び前記第一の方向に直交する第二の方向において、前記接続部材に対して往復移動可能である。
【0011】
一実施例において、前記接続部材は、組付キャビティを有する。前記第一の伝動部材は、前記組付キャビティ内に配置されるとともに、円柱状に形成される。前記組付キャビティの前記第一の方向における内径は、前記第一の伝動部材の直径と等しい。前記組付キャビティの前記第二の方向における内径は、前記第一の伝動部材の前記第一の回転軸線の周りに回転する経路の直径と、前記第一の伝動部材の直径との和に等しい。
【0012】
一実施例において、前記水圧送装置は、駆動部材をさらに含む。前記駆動部材は、前記取付座に固定的に接続されるとともに、前記第一の伝動部材に伝動可能に接続され、前記第一の伝動部材を前記第一の回転軸線の周りに回転させるように駆動する。
【0013】
一実施例において、前記水圧送装置は、第三の伝動部材をさらに含む。前記第三の伝動部材は、前記駆動部材の駆動端に固定的に接続され、前記第一の回転軸線に平行な第二の回転軸線の周りに回転するように前記駆動部材によって駆動されるとともに、前記第一の伝動部材に伝動可能に接続される。
【0014】
一実施例において、前記水圧送装置は、圧送シリンダをさらに含む。前記圧送シリンダは、前記取付座に設けられる。前記ピストンは、前記第一の方向に往復移動可能に前記圧送シリンダに設けられる。
【0015】
本発明は、口腔洗浄器をさらに提供する。この口腔洗浄器は、上述した口腔洗浄器用の水圧送装置を備える。
【0016】
本発明の実施例または従来技術による技術的解決手段をより明らかに説明するために、実施例または従来技術を記述するのに必要な図面を簡単に説明する。後述する図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者として創造的な努力を必要とせずに、これらの図面に基づいて他の実施例の図面を得られることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施例に係る口腔洗浄器用の水圧送装置の構造模式図である。
図2図1に示す水圧送装置の分解構造模式図である。
図3図1に示す水圧送装置のある角度での断面模式図である。
図4図1に示す水圧送装置の他の角度での断面模式図である。
図5図1に示す水圧送装置の接続部材の構造模式図である。
図6図1に示す水圧送装置のピストンの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明らかで分かりやすくするために、以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態について詳しく説明する。本発明を十分に理解するために、後述する説明に様々な詳細が記述される。しかし、本発明はここで説明するものと異なる様々な形態で実施されることができ、当業者は、本発明の趣旨から逸脱せずに類似する改良を行うことができる。このため、本発明の範囲は以下で開示する具体的な実施例により限定されない。
【0019】
なお、本発明の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語によって示される方位または位置関係は、図示に基づいた方位または位置関係であり、本発明を容易に説明するとともに説明を簡単にするためのものに過ぎず、係る装置または素子が特定の方位を有し、または特定の方位で構成し動作しなければならないことを明示または暗示することではないので、本発明を限定するものと理解されるべきではない。
【0020】
また、用語「第一の」、「第二の」は、説明をするためのものに過ぎず、相対的な重要性を明示または暗示するもの、または、係る技術的特徴の数量を暗黙的に指定するものと理解されるべきではない。このため、「第一の」、「第二の」が限定されている特徴は、少なくとも一つの当該特徴を明示または暗黙的に含むことができる。明確かつ具体的に限定されない限り、本発明の説明において、「複数」とは、少なくとも二つであり、例えば、二つ、三つなどを意味する。
【0021】
本発明の説明において、明確に定義及び限定されない限り、「装着」、「接する」、「接続」、「固定」などの用語は、広い意味で理解されるべきである。例えば、固定接続であってもよく、着脱可能な接続であってもよく、または一体になってもよい。機械的接続でもよく、電気的接続でもよい。明確に限定されない限り、直接的に接してもよく、中間媒体を介して間接的に接してもよく、二つの部材の内部の連通または二つの部材の相互作用関係であってもよい。当業者は、本発明における上記の用語の特定の意味を具体的な状況に応じて理解することができる。
【0022】
本発明において、明確に定義及び限定されない限り、第一の特徴は第二の特徴「上」または「下」に位置するという表現は、第一の特徴と第二の特徴とが直接に接触すること、または、第一の特徴と第二の特徴とが中間媒体を介して間接的に接触することを意味することができる。そして、第一の特徴は第二の特徴「の上」、「の上方」、及び「の上側」に位置するという表現は、第一の特徴が第二の特徴の真上方または斜め上方に位置することを意味し、または、単に、第一の特徴の所在する水平面の高さが第二の特徴の所在する水平面の高さより高いことを意味する。第一の特徴は第二の特徴「の下」、「の下方」、及び「の下側」に位置するという表現は、第一の特徴が第二の特徴の真下方または斜め下方に位置することを意味し、または、単に、第一の特徴の所在する水平面の高さが第二の特徴の所在する水平面の高さより低いことを意味する。
【0023】
なお、一要素が他要素に「固定」または「設置」されると記載する場合、該一要素が前記他要素に直接に固定または設置され、または、中間要素を介して固定または設置されることを意味する。一要素が他要素に「接続」されると記載する場合、該一要素が前記他要素に直接に接続され、または、中間要素を介して接続されることを意味する。ここで使用する「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「左」、「右」などの用語及び類似する表現は説明のためのものに過ぎず、唯一の実施形態であることを意味しない。
【0024】
本発明の技術的解決手段の理解を容易にするために、ここで、従来の口腔洗浄器の水圧送装置に存在する問題点を説明する。従来の口腔洗浄器では、一般的に、カムにリンクの一端を接続することによりリンクを扇形に回動させる。そして、リンクの他端がピストンに接続され、リンクが扇形に回動する過程でピストンを直線に沿って移動させ、ピストンが往復移動する過程で圧送シリンダが加圧される。
【0025】
リンクをピストンに対して扇形に回動可能とするために、リンクとピストンとは球状構造を介して接続される。球状構造は、加工精度及び嵌合精度に対する要求が高いので、製造コストが高くなってしまう。また、リンクとカムとの接続、及び、リンクとピストンとの接続には、いずれも装着隙間が存在するので、リンクが扇形に回動する過程で大きな衝突騒音が発生する。なお、リンクとピストンとが球状構造を介して接続されるため、長時間使用した場合に、リンクとピストンとの間の摩擦により、リンクとピストンとの間の隙間が増大してしまう。その結果、騒音が増大するだけでなく、ピストンがリンクから脱落し、水圧送装置が破損するおそれがある。
【0026】
上記の課題を解決するために、本発明は、製造コスト及び衝突騒音を効果的に低減し、水圧送装置の破損を回避することができる口腔洗浄器用の水圧送装置及び口腔洗浄器を提供する。
【0027】
図1及び図2に示すように、本発明の一実施例に係る口腔洗浄器用の水圧送装置は、取付座11、伝動アセンブリ12、接続部材13、及びピストン14を備える。
【0028】
伝動アセンブリ12は、第一の回転軸線の周りに回転可能に取付座11に接続される第一の伝動部材122を含む。第一の伝動部材122は、第一の回転軸線から偏心して設けられる。
【0029】
接続部材13は、取付座11に第一の回転軸線に直交する第一の方向に沿って往復移動可能に設けられる。また、第一の伝動部材122は、第一の回転軸線の周りに回転する過程で接続部材13を第一の方向に往復移動させるように、接続部材13に組付ける。
【0030】
ピストン14は、接続部材13に着脱可能に接続され、接続部材13に従って第一の方向に往復移動する。
【0031】
ここで、第一の回転軸線は、図3に示す上下方向に延在し、第一の方向は、図3に示す左右方向である。
【0032】
上記の水圧送装置を設けることにより、接続部材13が第一の方向に往復移動するように取付座11に設けられ、第一の伝動部材122が第一の方向に直交する第一の回転軸線の周りに回転可能であるとともに接続部材13に組付ける。また、第一の回転軸線は、第一の伝動部材122から偏心して設けられる。そのため、第一の伝動部材122は、第一の回転軸線の周りに回転する過程において、第一の方向に沿った往復移動するので、接続部材13を第一の方向に往復移動させることができ、接続部材13の第一の方向に沿った往復移動はピストン14を第一の方向に往復移動させることができる。このように、従来の回動するリンクによりピストン14を往復移動させるのに比べて、接続部材13は第一の方向に沿う往復移動を行い、回動することはないので、衝突騒音を効果的に低減することができる。また、接続部材13の回動がないので、接続部材13は、第一の伝動部材122からの第一の方向に沿った動力を受けるだけでよく、起動時の抵抗が小さい。
【0033】
また、接続部材13とピストン14はともに第一の方向に往復移動し、接続部材13とピストン14との間に相対運動がない。つまり、接続部材13とピストン14との間に摩擦は存在しない。長期間に使用しても、摩擦により接続部材13とピストン14との間の隙間が増大することはなく、接続部材13からピストン14が脱落するおそれが回避される。
【0034】
図2及び図3に示すように、いくつかの実施例において、取付座11は、座本体112及びカバー114を含む。座本体112とカバー114とは接合して取付キャビティ113を形成するように、着脱可能に接続される。第一の伝動部材122と接続部材13はともに取付キャビティ113内に設置される。
【0035】
いくつかの実施例において、水圧送装置は、圧送シリンダ15をさらに備える。圧送シリンダ15は、取付座11に設けられ、ピストン14は、第一の方向に沿って往復移動可能に圧送シリンダ15に設けられる。具体的に、圧送シリンダ15は、座本体112に設けられ、圧送シリンダ15の一端は、取付キャビティ113内に突入する。ピストン14は、圧送シリンダ15の取付キャビティ113内に突入する端部に、第一の方向に沿って往復移動可能に設けられる。
【0036】
いくつかの実施例において、圧送シリンダ15は、互いに固定的に接続されるとともに互いに連通する増圧部152及び圧送部154を備える。増圧部152は、圧送部154から離れた一端が取付キャビティ113内に突入する。ピストン14は、往復移動可能に増圧部152内に設けられ、往復移動中に増圧部152と圧送部154の内部の液体を増圧させるためのものであり、圧送部154は、液体を輸送するためのものである。
【0037】
さらに、圧送シリンダ15は、固定部156をさらに備え、固定部156は、固定溝1562を有する。カバー114が座本体112に接続されている時、カバー114及び座本体112は、固定溝1562内に係止される。その結果、固定部156は座本体112及びカバー114に対して固定され、これにより、圧送シリンダ15は座本体112に対して固定される。
【0038】
実際の応用において、カバー114と座本体112とは接合して、取付キャビティ113に連通する接続口も形成する。すなわち、カバー114は第一の切り欠きを有し、座本体112は第二の切り欠きを有する。カバー114が座本体112に接続されると、第一の切り欠きと第二の切り欠きとが接合して接続口を形成する。カバー114の第一の切り欠き及び座本体112の第二の切り欠きは固定溝1562内に位置付けられ、固定部156に対する固定を実現する。
【0039】
いくつかの実施例において、接続部材13は、第一の方向に沿って縦長に延在するストッパ溝131を有する。水圧送装置は、ストッパ軸16をさらに含む。ストッパ軸16は、取付座11に固定的に接続されるとともに、第一の回転軸線に平行な方向に延在する。ストッパ軸16は、ストッパ溝131を貫通し、接続部材13を第一の方向に往復移動させる。
【0040】
なお、ストッパ軸16がストッパ溝131を貫通して接続部材13を第一の方向に往復移動させるので、ストッパ軸16がストッパ溝131を貫通した後に接続部材13が第一の方向のみに往復移動するように規制されることを確保するために、ストッパ溝131の幅は、ストッパ軸16の直径に一致し、かつ、ストッパ溝131の長さは、少なくともピストン14が第一の方向に往復移動するのに必要な距離よりも大きい。
【0041】
図2及び図4に示すように、いくつかの実施例において、伝動アセンブリ12は第二の伝動部材124をさらに備える。第二の伝動部材124は、第一の回転軸線の周りに回転可能に取付座11に設置される。第一の伝動部材122は、第二の伝動部材124に固定的に接続され、第二の伝動部材124に従って第一の回転軸線の周りに回転可能である。
【0042】
実際の応用において、第二の伝動部材124の中心軸は第一の回転軸線と一致し、第一の伝動部材122は第二の伝動部材124から偏心して設置されている。すなわち、第二の伝動部材124は第一の回転軸線の周りに自転し、第一の伝動部材122が第二の伝動部材124から偏心して配置されているため、第一の伝動部材122全体は、第一の回転軸線を中心として回るようになる。
【0043】
なお、第一の伝動部材122全体は、偏心した第一の回転軸線を中心として回ることは、二つの態様が存在する。その一つは、第一の伝動部材122は、第一の回転軸線からずれており、すなわち、第一の回転軸線の周囲を公転する態様である。もう一つは、第一の回転軸線は、第一の伝動部材122を通っているが、第一の伝動部材122の中心軸から偏心して配置されている態様である。本実施例では、占用するスペースを低減してスペース利用率を向上させるために、第二の態様とする。
【0044】
いくつかの実施例において、ストッパ軸16の中心軸は、第一の回転軸線と一致し、第二の伝動部材124は、第一の回転軸線の周りに回転可能にストッパ軸16に接続される。このように、ストッパ軸16は、ストッパ溝131に組付けて接続部材13の回動を規制することにより接続部材13の第一の方向に沿った往復移動を確保するだけでなく、第二の伝動部材124を接続して第二の伝動部材124が第一の回転軸線の周りに回転可能にするためにも用いられる。
【0045】
なお、本実施例において、ストッパ軸16は、ストッパ溝131を貫通し、第二の伝動部材124は、ストッパ軸16に回転可能に接続される。第二の伝動部材124に固定的に接続される第一の伝動部材122は、接続部材13に組付ける。このため、第二の伝動部材124、第一の伝動部材122、及び接続部材13は、第一の回転軸線に平行な方向に順次配置されている。
【0046】
また、第二の伝動部材124は、ストッパ軸16に接続されるとともに、自転可能である。すなわち、ストッパ軸16は、第二の伝動部材124を貫通している。また、ストッパ軸16は、ストッパ溝131を貫通しているとともに、取付座11に固定的に接続されている。このため、第二の伝動部材124は、ストッパ軸16が貫通する貫通孔を有し、かつ、この貫通孔とストッパ溝131とは、接続部材13の往復移動中に第一の回転軸線に平行な方向において常に対応している。
【0047】
他の実施例において、水圧送装置は、回転軸をさらに備える。回転軸は、取付座11に固定的に接続されるとともに、ストッパ軸16と第一の方向に間隔をあけて配置される。回転軸は、ストッパ軸16に平行であり、回転軸の中心軸は、第一の回転軸線と一致する。
【0048】
なお、本実施例において、ストッパ軸16の作用は、接続部材13の回動を規制して接続部材13を第一の方向に往復移動させることだけであり、第二の伝動部材124は、回転可能に回転軸に接続されるとともに、上記実施例と同様に自転する。
【0049】
なお、上記の実施例において、第一の伝動部材122、第二の伝動部材124及び接続部材13は、いずれも取付キャビティ113内に設置される。ストッパ軸16のみが設けられている場合、座本体112及びカバー114のそれぞれに、ストッパ軸16を固定する構造が設けられる。すなわち、ストッパ軸16の対向する両端は、それぞれ座本体112及びカバー114に設けられた構造により固定される。また、互いに平行な回転軸及びストッパ軸16が設けられている場合、座本体112及びカバー114のそれぞれに、回転軸及びストッパ軸16を固定する二組の構造が設けられ、回転軸及びストッパ軸16のそれぞれの反対する両端は、対応する構造により固定される。
【0050】
いくつかの実施例において、第一の伝動部材122は、第一の方向において接続部材13に対して移動不可である。また、第一の伝動部材122は、第一の回転軸線及び第一の方向に直交する第二の方向において、接続部材13に対して往復移動可能である。ここで、第二の方向は、図3に示す前後方向である。
【0051】
第一の方向をX軸方向とし、第二の方向をY軸方向として座標系を確立し、第一の回転軸線に原点を通すと、第一の伝動部材122が第一の回転軸線の周りに回転する経路は、原点を円心とした円となる。このため、第一の伝動部材122の第一の回転軸線周りの回転は、第一の伝動部材122のX軸とY軸における変位の組合せであると見なすことができる。すなわち、第一の回転軸線から第一の伝動部材122が偏心して設けられているため、第一の伝動部材122は回転中に、第一の方向及び第二の方向の両方向において変位が発生する。
【0052】
第一の伝動部材122は、第一の方向において接続部材13に対して移動不可であり、第二の方向において接続部材13に対して往復移動可能である。そのため、第一の伝動部材122の第一の方向における変位は、接続部材13の第一の方向における変位に変えることができ、すなわち、接続部材13を第一の方向に往復移動させることができる。また、第一の伝動部材122の第二の方向における変位は、接続部材13の第二の方向における変位に変えることはなく、すなわち、接続部材13を第二の方向に往復移動させることはなく、接続部材13が回動することはない。
【0053】
図4及び図5に示すように、いくつかの実施例において、接続部材13は、組付キャビティ133を有する。第一の伝動部材122は、組付キャビティ133内に配置される。また、第一の伝動部材122は円柱状に形成され、組付キャビティ133の第一の方向における内径は、第一の伝動部材122の直径に等しい。このように、第一の伝動部材122は、接続部材13に対して第一の方向に移動不可である。
【0054】
換言すれば、組付キャビティ133の第一の方向における内径が第一の伝動部材122の直径に等しいため、第一の伝動部材122が第一の回転軸線の周りに回転する過程で、第一の伝動部材122は、組付キャビティ133内で接続部材13に対して回転することはあるが、接続部材13を第一の方向に往復移動させることができる。
【0055】
さらに、第一の伝動部材122が第一の回転軸線の周りに回転して形成した経路の、組付キャビティ133の第二の方向における内径は、第一の伝動部材122が第一の回転軸線の周りに回転する経路の直径と、第一の伝動部材122の直径との和に等しい。
【0056】
このように、第一の伝動部材122が第一の回転軸線の周りに回転する過程で、第一の伝動部材122は、組付キャビティ133内で接続部材13に対して第二の方向に往復移動可能である。このことにより、第一の伝動部材122は接続部材13を第二の方向に回動させることが回避される。
【0057】
なお、第一の伝動部材122が第一の回転軸線の周りに回転する過程で、第一の伝動部材122が組付キャビティ133内で接続部材13に対して第二の方向に往復移動するのを実現可能であれば、組付キャビティ133の第二の方向における内径は、第一の伝動部材122が第一の回転軸線の周りに回転する経路の直径と第一の伝動部材122の直径との和より大きくてもよい。
【0058】
また、ストッパ軸16のみが設けられ、かつ、第一の回転軸線が第一の伝動部材122を通る場合に、ストッパ軸16も組付キャビティ133を貫通し、かつ、ストッパ溝131は、その一部が組付キャビティ133に連通してもよいし、本実施例に示すように組付キャビティ133の底壁に設けられてもよい。
【0059】
他の実施例において、第一の伝動部材122が他の形状である場合にも、第一の伝動部材122は第一の回転軸線の周りに回転する際に、接続部材13を第一の方向に沿って往復移動させることができるが、第一の伝動部材122の断面形状が円形ではないため、第一の伝動部材122がある区間で回転する際に、第一の伝動部材122の第一の方向における長さは、組付キャビティ133の第一の方向における内径よりも短くなる。このとき、第一の伝動部材122は、組付キャビティ133内で接続部材13に対して第一の方向に往復移動可能であり、該区間内における第一の伝動部材122の回転が接続部材13を第一の方向に往復移動させることができない。
【0060】
そのため、好ましくは、第一の伝動部材122は円柱状であり、すなわち、その断面は円形である。これにより、第一の伝動部材122は、第一の回転軸線の周りに回転する過程において、常に接続部材13を第一の方向に往復移動させることができる。
【0061】
具体的に、組付キャビティ133の断面形状は、環状のトラックに似ている。すなわち、組付キャビティ133の断面形状は、二つの辺が半円形であり、中間部が矩形であり、半円形の直径は、第一の伝動部材122の直径に等しい。
【0062】
図5及び図6に示すように、いくつかの実施例において、接続部材13は、第一の方向に沿って順に設置されている組付部132及び接続部134を含む。組付部132は、接続部134に固定的に接続されるとともに、第一の伝動部材122に組付ける。接続部134は、組付部132から離れた一端がピストン14に着脱可能に接続される。
【0063】
さらに、組付キャビティ133と組付キャビティ133に連通するストッパ溝131はともに組付部132に設けられる。接続部134は、組付部132から離れた一端に係止突起136を有する。ピストン14は、接続部134の組付部132から離れた端部が突入する接続孔142、及び、接続孔142に連通する係止孔144を有する。接続部134の組付部132から離れた端部は、接続孔142内に突入し、係止突起136は、係止孔144に係止される。これにより、接続部134の組付部132から離れた端部は、ピストン14に着脱可能に接続され、ピストン14と接続部134とは相対的に固定される。
【0064】
このように、ピストン14は、接続部134の組付部132から離れた端部に相対的固定的に接続される。接続部材13が第一の方向に往復移動する過程で、両者がお互いに対してガタガタすることはない。これにより、衝突騒音の発生がより一層回避されて騒音が低減されるだけでなく、長時間使用した場合にも、接続部134とピストン14とは、摩擦により隙間が増大して脱落するおそれがない。
【0065】
実際の応用において、ピストン14は、二つの接続切り欠き146をさらに含む。二つの接続切り欠き146は、ピストン14の同じ端部に配置され、両者ともに接続孔142に連通する。これにより、二つの接続切り欠き146は、ピストン14の接続部134に接続される端部を二つの円弧状構造に分割する。二つの円弧状構造により、ピストン14の接続孔142の孔径は変化できるようになる。接続部134を挿入しようとする時に、二つの円弧状構造を引き離し、そして、係止突起136が係止孔144内に係止されるまで、接続部134を接続孔142内に挿入してよい。
【0066】
図2及び図3に示すように、いくつかの実施例において、水圧送装置は、駆動部材17をさらに備える。駆動部材17は、取付座11に固定的に接続され、第一の伝動部材122に伝動可能に接続され、第一の伝動部材122を第一の回転軸線の周りに回転させるように駆動する。さらに、駆動部材17は、第二の伝動部材124に伝動可能に接続され、第二の伝動部材124を第一の回転軸線の周りに回転させるように駆動することにより、第一の伝動部材122を第一の回転軸線の周りに回転させる。
【0067】
いくつかの実施例において、水圧送装置は、第三の伝動部材126をさらに備える。第三の伝動部材126は、駆動部材17の駆動端に固定的に接続され、駆動部材17によって駆動されて第一の回転軸線と平行な第二の回転軸線の周りに回転する。また、第三の伝動部材126は、第一の伝動部材122に伝動可能に接続される。
【0068】
さらに、第三の伝動部材126は、第二の伝動部材124に伝動可能に接続され、第二の伝動部材124を第一の回転軸線の周りに回転させるとともに、間接的に第一の伝動部材122を第一の回転軸線の周りに回転させる。
【0069】
実際の応用において、第三の伝動部材126及び第二の伝動部材124は、互いに噛み合う歯車であり、第二の伝動部材124の径方向における寸法は、第三の伝動部材126の径方向における寸法よりも大きい。
【0070】
いくつかの実施例において、第一の伝動部材122はローラであり、第一の伝動部材122が第一の回転軸線の周りに回転する過程で、組付キャビティ133の内壁に接触する。第一の伝動部材122をローラとすることで、第一の伝動部材122と組付キャビティ133の内壁との摩擦を転がり摩擦に変換することができる。これにより、第一の伝動部材122と組付キャビティ133との摩擦による第一の伝動部材122又は組付キャビティ133の摩耗が回避される。
【0071】
なお、上記の実施例において、第一の回転軸線は、第一の伝動部材122を通ってもよいし、第一の伝動部材122からずれてもよい。第一の伝動部材122がローラである場合に、第一の回転軸線は第一の伝動部材122からずれていることが好ましい。
【0072】
また、他の実施例において、第一の伝動部材122は、第二の伝動部材124に固定的に接続される円柱状の構造であってもよい。また、第一の伝動部材122と組付キャビティ133の内壁との摩擦を低減するために、第一の伝動部材122の側面に平滑化処理が施されてもよい。
【0073】
いくつかの実施例において、駆動部材17は駆動モータである。駆動モータは、カバー114の座本体112から離れた側に固定的に設けられる。駆動モータの駆動端は、組付キャビティ113内に突入し、取付キャビティ113内に位置する第三の伝動部材126に固定的に接続される。
【0074】
上記の実施例に係る口腔洗浄器用の水圧送装置に基づき、本発明は、口腔洗浄器をさらに提供する。この口腔洗浄器は、上記の水圧送装置を備える。
【0075】
従来技術に比べて、本発明の提供する口腔洗浄器用の水圧送装置及び口腔洗浄器は、少なくとも以下の利点を有する。
【0076】
1)接続部材13が回動することはないため、衝突騒音の発生が回避され、水圧送装置全体の騒音が低減される。
【0077】
2)接続部材13がピストン14に係止され、接続部材13が第一の方向に往復移動する過程で、両者はお互いに対してガタガタすることはないため、衝突騒音の発生がより一層回避される。また、長時間使用した場合でも、両者が摩擦による隙間が増大して脱落するおそれはなく、信頼性が向上した。
【0078】
上述した実施例の各技術的特徴は任意に組み合わせることができる。記述の簡潔化のために、上述した実施例における各技術的特徴のあらゆる組合せについて説明していないが、これらの技術的特徴の組合せは矛盾しない限り、本明細書に記述された範囲内であると考えられるべきである。
【0079】
上述した実施例は、本発明のいくつかの実施形態を示したものに過ぎず、その記述が具体的かつ詳細であるが、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。なお、当業者にとって、本発明の趣旨から逸脱しないかぎり、若干の変形及び改良を行うことができ、これらの変形や改良も全て本発明の保護範囲内に含まれる。本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に準ずるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6